(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記金属カバーは、前記ボディの上面及び両側面を覆うと共に前記カバー側係合部、前記カバー−シールド接触改善突起、前記回転規制解除部を一体に形成した板金部品である請求項1に記載のコネクタ。
前記ボディの一端側両側面に外向き突起を設け、前記金属カバーの一端側両側面に長孔を設け、前記長孔に前記外向き突起を挿通させることで、前記金属カバーを前記ボディに対し、前記外向き突起を支点にして開閉可能且つスライド移動可能に枢支し、前記グランド端子は、前記ボディの一端側両側面に設け、前記グランド端子の一部で前記外向き突起を形成する請求項2に記載のコネクタ。
前記カバー−グランド端子接触改善突起は、前記グランド端子の一部で形成し、前記カバー側係合部が前記ボディ側係合部に係合する時に、前記金属カバーの一端側両側面を前記カバー−グランド端子接触改善突起に接触させる請求項3に記載のコネクタ。
前記ボディの両側面に、前記回路基板に沿って外向きに突出し且つ前記金属カバーを閉じる際に、前記カバー−シールド接触改善突起が前記シールドに接触した後に且つ前記金属カバーが閉じきる前に、前記金属カバーの両側面下縁が係合して前記金属カバーを前記スライド開始位置に保持する端子部を有する半田付け用端子を設け、前記半田付け用端子の前記端子部を前記回転規制部とし、前記金属カバーの両側面に、前記金属カバーが前記スライド開始位置から前記半田付け用端子の前記端子部に前記金属カバーの両側面下縁を摺接しながらスライド移動を開始した後に、前記半田付け用端子の前記端子部に対向して前記半田付け用端子の前記端子部の係合を解除して前記金属カバーを閉じきるまでさらに閉じさせる下向きに開口した切り欠き部を設け、前記切り欠き部を前記回転規制解除部とする請求項2乃至4の何れか1に記載のコネクタ。
前記ボディには、前記ボディに前記FFC、FPCが上方向から嵌合される時に、前記FFC、FPCに設けられたFFC、FPC側FFC、FPC抜け防止手段が嵌合するコネクタ側FFC、FPC抜け防止手段を設ける請求項1乃至5の何れか1に記載のコネクタ。
【背景技術】
【0002】
種々の電子、電気機器において、FFC、FPCをプリント基板などの回路基板に接続する場合、コネクタが使用されることが多い。
【0003】
コネクタを使用する場合、回路基板上にコネクタを実装し、そのコネクタにFFC、FPCを接続することで、FFC、FPCはコネクタを介して回路基板に接続される。
【0004】
使用するコネクタの種類としては、FFC、FPCを挿入する際に、無挿入力(ZIF:Zero Insertion Force)で挿入できる、いわゆるロック付きのZIFタイプが使用されることが多い。
【0005】
また、ZIFタイプの中には、いわゆる回転(開閉)式ロックタイプと回転(開閉)スライド式ロックタイプがあり、回転式ロックタイプの中には、いわゆる高周波(高速伝送)対応タイプがある。回転スライド式ロックタイプは、シールドが設けられていない一般的なFFC、FPC用のコネクタについて提供され、高周波対応タイプは、シールドが設けられたFFC、FPC用のコネクタについて提供されている。
【0006】
回転式ロックタイプは、FFC、FPCをボディの一端側からコンタクト端子の上部ビームと下部ビームの間に無挿入で挿入した後に、ボディの一端側上部に開閉可能に設けられたロック部材(加圧部材、押圧部材、回動部材、カバー、蓋、回動レバー、アクチュエータなどとも呼ばれる)をFFC、FPCに上方向から押し付けて閉じることで、FFC、FPCの一端部下面で露出している導体を下部ビームの先端に設けられた上向き突形状の接触部に接触させてコンタクト端子の略最大接圧(接触圧力)を確保すると共に、ロック部材側係合部をボディ側係合部に係合してFFC、FPCをロックする、ロック構造を有している(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
高周波対応タイプは、ボディに回路基板のグランドに接続するグランド端子が設けられ、ロック部材には導電性が付与されており、ロック部材をFFC、FPCに押し付けて閉じた時に、ロック部材をFFC、FPCのシールド及びグランド端子に接触させることで、ロック部材及びグランド端子を通じてFFC、FPCのシールドを回路基板のグランドに電気的に接続する、シールド構造を有している(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
また、ロック部材に接触バネ片を設け、ロック部材を閉じた時に、接触バネ片をグランド端子に弾性的に接触させることで、ロック部材とグランド端子が電気的に確実に接触するようにする(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
さらに、ロック部材を閉じた時に、ロック部材とシールドが電気的に確実に接触するようにすると、FFC、FPCのシールドを回路基板のグランドに電気的に確実に接続することができる。そこで、ロック部材に突起を設け、この突起によりロック部材とシールドの間の接触を改善し、ロック部材とシールドが電気的に確実に接触するようにする(例えば、特許文献3参照)。
【0010】
ところで、回転式ロックタイプでは、特別にボディ側係合部をコンタクト端子などボディに保持された部材或いはボディ自体に設ける場合もあるが、上部ビームをロック部材に係合させ、ロック部材を上部ビームに開閉可能に枢支させて、ロック部材が上部ビームの先端部を支点にして開閉するようにすることで、上部ビームをボディ側係合部として兼用するようにすることが多い(例えば、特許文献1、2参照)。
【0011】
しかし、何れにしても、ロック部材の開閉により係脱するボディ側係合部及びロック部材側係合部では、ロック部材に対しコンタクト端子の接圧がロック部材を開こうとする力として常時作用しているため、例えば、衝撃により離脱したり、FFC、FPCを取り回す際に、ロック部材を開こうとする力が生じた場合にも離脱するおそれがあり、回転式ロックタイプでは、FFC、FPCを確実にロックすることが困難であった(例えば、特許文献4参照)。
【0012】
一方、回転スライド式ロックタイプは、ボディにロック部材を開閉可能に且つスライド移動可能に設け、ボディに保持された金属部品或いはボディ自体にボディ側係合部を設け、ロック部材に保持された金属部品或いはロック部材自体にロック部材側係合部を設け、ロック部材をFFC、FPCに上方向から押し付けて閉じた後に、そのままスライド移動させることで、ロック部材のスライド移動によりロック部材側係合部をボディ側係合部に係合してFFC、FPCをロックする、ロック構造を有している(例えば、特許文献4参照)。
【0013】
このような回転スライド式ロックタイプでは、衝撃が生じたり、コンタクト端子の接圧以外にロック部材を押し上げて開こうとする力が生じたとしても、ロック部材のロック位置からスライド開始位置へのスライド移動が伴わない限り、ロック部材は開くことがなく、FFC、FPCを確実にロックすることができ、回路基板にFFC、FPCを確実に接続することができる(例えば、特許文献4参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
種々の電子、電気機器において、特に電子機器においては、電磁障害(EMI)対策などにシールドが設けられたFFC、FPCが使用されることが多い。
【0016】
しかし、シールドが設けられたFFC、FPCを回路基板に確実に接続することができると共にFFC、FPCのシールドを回路基板のグランドに電気的に確実に接続することができる、回転スライド式ロックタイプで、高周波対応タイプのコネクタは提供されていない。
【0017】
すなわち、回転スライド式ロックタイプのロック部材は、FFC、FPCに上方向から押し付けて完全に閉じた状態でスライド移動させるため、そのロック部材に高周波対応タイプで採用しているようなロック部材−シールド接触改善突起があると、例えば、ロック部材のスライド移動が困難となる。また、ロック部材をスライド移動させた際に、ロック部材と共にFFC、FPCが移動し、コンタクト端子の接触部に対しFFC、FPCの導体が摺動して、磨耗したり、場合によってはFFC、FPCの挿入端部の潰れを生じる。さらに、FFC、FPCの抜け防止手段が設けられており、ロック部材と共にFFC、FPCが移動しない場合、FFC、FPCのシールドに対しロック部材のロック部材−シールド接触改善突起が摺動して、磨耗したり、FFC、FPCに長く目立つ傷を付けてしまう。このように、ロック部材−シールド接触改善突起の影響が大きく、回転スライド式ロックタイプで、高周波対応タイプのコネクタを実現することが困難であった。
【0018】
なお、回転スライド式ロックタイプでは、回転式ロックタイプ(高周波対応タイプを含む)と同様に、下部ビームだけでなく、上部ビームも有するコンタクト端子が使用されており、しかも上部ビームはボディ側係合部を兼ねており、FFC、FPCの上にロック部材が配置され、そのロック部材の上にさらに上部ビームが配置され、その上部ビームをボディが覆うため、コネクタの背が高くなり、低背化も困難であった(例えば、特許文献4参照)。
【0019】
また、回転スライド式ロックタイプにおいて、ロック部材を、例えば、板状の金属部材を樹脂モールドして構成し、ボディの開口部に蓋をしながらFFC、FPCの押圧に必要な厚みを確保すると共に、FFC、FPCを押圧した時に、変形や曲がり、撓みなどを生じないようにする場合、ロック部材が樹脂と金属の複合部品となり、部品コストが高く付き、コネクタのコストアップを招いてしまう(例えば、特許文献4参照)。
【0020】
また、高周波対応タイプにおいて、ロック部材を、例えば、樹脂製のロック部材本体とこの表面を覆う金属板製のシェルから構成し、ボディの開口部に蓋をしながらFFC、FPCの押圧に必要な厚みを確保すると共に、ロック部材に導電性を持たせるようにする場合、ロック部材が樹脂と金属の複合部品となり、部品コストが高く付き、コネクタのコストアップを招いてしまう(例えば、特許文献2参照)。
【0021】
本発明は、シールドが設けられたFFC、FPCを回路基板に確実に接続することができると共にFFC、FPCのシールドを回路基板のグランドに電気的に確実に接続することができるコネクタを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記課題を解決するために、本発明の構成であるコネクタは、シールドが設けられたFFC、FPCを回路基板に接続するコネクタであって、上下方向に弾性変位可能な上向き突形状の接触部を有するコンタクト端子と前記回路基板のグランドに接続するグランド端子が設けられ且つ前記FFC、FPCが上方向から嵌合されると共にボディ側係合部を有するボディと、前記ボディに開閉可能に且つスライド移動可能に設けられると共に前記ボディ側係合部に係脱可能に係合するカバー側係合部を有する金属カバーとを備え、前記金属カバーを閉じてスライド移動させることで前記カバー側係合部を前記ボディ側係合部に係合して前記FFC、FPCを前記コンタクト端子の前記接触部に接触させてロックすると共に前記金属カバーが前記シールド及び前記グランド端子に接触してこれらを電気的に接続するコネクタにおいて、前記金属カバーには、前記金属カバーと前記シールドの間の接触改善用にカバー−シールド接触改善突起が設けられ、前記グランド端子には、前記金属カバーと前記グランド端子の間の接触改善用にカバー−グランド端子接触改善突起が設けられており、前記ボディに、前記金属カバーを閉じる際に、前記カバー−シールド接触改善突起が前記シールドに接触した後に且つ前記金属カバーが閉じきる前に、前記金属カバーに係合して前記金属カバーをスライド開始位置に保持する回転規制部を設け、前記金属カバーに、前記金属カバーが前記スライド開始位置から前記回転規制部に摺接しながらスライド移動を開始した後に、前記回転規制部の係合を解除して前記金属カバーを閉じきるまでさらに閉じさせる回転規制解除部を設ける。
【0023】
また、本発明の構成であるコネクタは、前記コネクタにおいて、前記金属カバーは、前記ボディの上面及び両側面を覆うと共に前記カバー側係合部、前記カバー−シールド接触改善突起、前記回転規制解除部を一体に形成した板金部品であることが好ましい。
【0024】
また、本発明の構成であるコネクタは、前記コネクタにおいて、前記ボディの一端側両側面に外向き突起を設け、前記金属カバーの一端側両側面に長孔を設け、前記長孔に前記外向き突起を挿通させることで、前記金属カバーを前記ボディに対し、前記外向き突起を支点にして開閉可能且つスライド移動可能に前記外向き突起に枢支し、前記グランド端子は、前記ボディの一端側両側面に設け、前記グランド端子の一部で前記外向き突起を形成することが好ましい。
【0025】
また、本発明の構成であるコネクタは、前記コネクタにおいて、前記カバー−グランド端子接触改善突起は、前記グランド端子の一部で形成し、前記カバー側係合部が前記ボディ側係合部に係合する時に、前記金属カバーの一端側両側面を前記カバー−グランド端子接触改善突起に接触させることが好ましい。
【0026】
また、本発明の構成であるコネクタは、前記コネクタにおいて、前記ボディの両側面に、前記回路基板に沿って外向きに突出し且つ前記金属カバーを閉じる際に、前記カバー−シールド接触改善突起が前記シールドに接触した後に且つ前記金属カバーが閉じきる前に、前記金属カバーの両側面下縁が係合して前記金属カバーを前記スライド開始位置に保持する端子部を有する半田付け用端子を設け、前記半田付け用端子の前記端子部を前記回転規制部とし、前記金属カバーの両側面に、前記金属カバーが前記スライド開始位置から前記半田付け用端子の前記端子部に前記金属カバーの両側面下縁を摺接しながらスライド移動を開始した後に、前記半田付け用端子の前記端子部に対向して前記半田付け用端子の前記端子部の係合を解除して前記金属カバーを閉じきるまでさらに閉じさせる下向きに開口した切り欠き部を設け、前記切り欠き部を前記回転規制解除部とすることが好ましい。
【0027】
また、本発明の構成であるコネクタは、前記コネクタにおいて、前記ボディには、前記ボディに前記FFC、FPCが上方向から嵌合される時に、前記FFC、FPCに設けられたFFC、FPC側FFC、FPC抜け防止手段が嵌合するコネクタ側FFC、FPC抜け防止手段を設けることが好ましい。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、金属カバーがロック部材となり、回転規制部と回転規制解除部を設けたことで、金属カバーは従来のように閉じきった状態(コンタクト端子の接圧が略最大になる状態)でスライド移動を開始させるのではなく、閉じきる前(コンタクト端子の接圧が略最大になる前)にスライド移動を開始させ、スライド移動を開始した後に閉じきることができ、金属カバーにカバー−シールド接触改善突起が設けられていても、例えば、金属カバーのスライド移動が困難とならないなど、カバー−シールド接触改善突起の影響を小さくして、シールドが設けられたFFC、FPCを回路基板に確実に接続することができると共にFFC、FPCのシールドを回路基板のグランドに電気的に確実に接続することができるコネクタを提供することができる。
【0029】
また、金属カバーは、ボディの上面及び両側面を覆うと共にカバー側係合部、カバー−シールド接触改善突起、回転規制解除部を一体に形成した板金部品であることで、従来のようにロック部材を樹脂と金属の複合部品により構成する構造と比べ、同等以上の強度を薄い板厚で発現させることができ、併せて導電性を持たせることができ、コネクタの低背化を図ることができると共に、部品コストも安く付き、コネクタのコストダウンを図ることができる。また、特に部品を追加することなく、十分な強度のあるカバー側係合部、カバー−シールド接触改善突起、回転規制解除部を設けることができる。
【0030】
また、ボディの一端側両側面に外向き突起を設け、金属カバーの一端側両側面に長孔を設け、長孔に外向き突起を挿通させることで、金属カバーを、外向き突起を支点にして開閉可能且つスライド移動可能に枢支し、前記グランド端子は、前記ボディの一端側両側面に設け、前記グランド端子の一部で前記外向き突起を形成することで、特に部品を追加することなく、十分な強度のあるカバー枢支部を設けることができる。
【0031】
また、カバー−グランド端子接触改善突起は、グランド端子の一部で形成し、前記カバー側係合部が前記ボディ側係合部に係合する時に、前記金属カバーの一端側両側面を前記金属カバー−グランド端子接触改善突起に接触させることで、金属カバーの一端側両側面がカバー−グランド端子接触改善突起に接触する時の金属カバーの作動力の変化によりFFC、FPCのロック感触を得ることができる。
【0032】
また、ボディの両側面に、回路基板に沿って外向きに突出し且つ金属カバーを閉じる際に、カバー−シールド接触改善突起がシールドに接触した後に且つ金属カバーが閉じきる前に、金属カバーの両側面下縁が係合して金属カバーをスライド開始位置に保持する端子部を有する半田付け用端子を設け、半田付け用端子の端子部を回転規制部とし、金属カバーの両側面に、金属カバーがスライド開始位置から半田付け用端子の端子部に金属カバーの両側面下縁を摺接しながらスライド移動を開始した後に、半田付け用端子の端子部に対向して半田付け用端子の端子部の係合を解除して金属カバーを閉じきるまでさらに閉じさせる下向きに開口した切り欠き部を設け、切り欠き部を回転規制解除部とすることで、回転規制部を金属カバーのスライド移動により回転規制解除部に対しスムースに出し入れでき、金属カバーの操作性を損なうことなく、金属カバーの回転規制部と回転規制解除部を設けることができる。
【0033】
また、ボディには、ボディにFFC、FPCが上方向から嵌合される時に、FFC、FPCに設けられたFFC、FPC側FFC、FPC抜け防止手段が嵌合するコネクタ側FFC、FPC抜け防止手段を設けることで、特に部品を追加することなく、FFC、FPCの抜け防止機能を確保することができる。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施形態によるコネクタを図面に基づいて説明する。
【0036】
図1〜
図10に示すように、コネクタ1は、このコネクタ1を実装したプリント基板などの回路基板7に、シールド8fが設けられたFFC、FPC8を接続する、ZIFタイプの回転(開閉)スライド式ロックタイプで、高周波(高速伝送)対応タイプのコネクタであり、ボディ2と、このボディ2に取り付けられた複数のコンタクト端子3と、左右一対の半田付け用端子4と、他の左右一対の半田付け用端子である左右一対のグランド端子5と、ロック部材である金属カバー6とを備えている。
【0037】
図1、
図9(A)〜(C)、
図10(A)〜(C)、
図11などに示すように、FFC、FPC8は、FFC、FPC本体8a〜8cと、絶縁性介在フィルム8dと、グランドテープ8eと、シールド8fと、絶縁性補強板8gとを設けている。
【0038】
FFC、FPC本体8a〜8cは、シールドが設けられていない一般的なFFC、FPCから構成されており、複数の並列した導体8aと、この導体8aの上側に積層される絶縁性ベースフィルム8bと、導体8aの下側に積層される絶縁性カバーフィルム8cが設けられ、導体8aを絶縁性ベースフィルム8bと絶縁性カバーフィルム8cで挟んだサンドイッチ構造を有している。絶縁性ベースフィルム8bの下面と絶縁性カバーフィルム8cの上面には、これらを貼り合わせ、導体8aを埋め込むための絶縁性接着剤層がそれぞれ設けられている。
【0039】
絶縁性介在フィルム8dは、下面に絶縁性接着剤層が設けられた合成樹脂フィルムから構成されており、FFC、FPC本体8a〜8cの上面(絶縁性ベースフィルム8bの上面)に貼り合わされている。
【0040】
グランドテープ8eは、下面に絶縁性接着剤層が設けられた金属箔から構成されており、FFC、FPC本体8a〜8cよりも幅狭であって、絶縁性介在フィルム8dの上面両側部にシールドテープ8fの貼り代を残すように、絶縁性介在フィルム8dの上面に貼り合わされている。
【0041】
シールド8eは、シールドテープから構成されている。シールドテープは、下面に導電性接着剤層が設けられた金属箔から構成されており、グランドテープ8eの上から絶縁性介在フィルム8d及びグランドテープ8eの上面に貼り合わされ、導電性接着剤層を介してグランドテープ8eと導通している。すなわち、シールドテープはシールド本体を構成し、グランドテープ8eはシールド接地電極を構成している。
【0042】
また、絶縁性カバーフィルム8cと絶縁性介在フィルム8dとシールドテープ8fは、FFC、FPC8のコネクタ1との接続部(嵌合部)となる一端部で除去されている。
【0043】
絶縁性補強板8gは、下面に絶縁性接着剤層が設けられた合成樹脂フィルムから構成されており、FFC、FPC8の一端部で絶縁性ベースフィルム8bの上面に貼り合わされている。
【0044】
そして、FFC、FPC8は、その一端部の下面(絶縁性ベースフィルム8bの下面)で導体8aが並列して露出され、また、その一端部の上面(絶縁性補強板8gの上面)でグランドテープ8eが露出されている。
【0045】
また、FFC、FPC8の一端部の両側部には、FFC、FPC側とコネクタ側で対をなすFFC、FPC抜け防止手段のうちの、FFC、FPC側FFC、FPC抜け防止手段8hが形成されている。FFC、FPC側FFC、FPC抜け防止手段8hは、切り欠き、外向き突起、上下面貫通の孔のうちの、何れか1つから構成され、図には切り欠きにより構成されたFFC、FPC側FFC、FPC抜け防止手段8hを示してある。
【0046】
さらに、FFC、FPC8には下部絶縁性介在フィルム8i(絶縁性介在フィルム8dが上部絶縁性介在フィルムになるのに対し)と、下部シールドテープ(シールドテープ8fが上部シールドテープになるのに対し)8jとが設けられている。下部絶縁性介在フィルム8iは、上面に絶縁性接着剤層が設けられた合成樹脂フィルムから構成されており、FFC、FPC本体8a〜8cの下面(絶縁性ベースフィルム8bの下面)に貼り合わされている。下部シールドテープ8jは、上面に導電性接着剤層或いは絶縁性接着剤層が設けられた金属箔から構成されており、下部絶縁性介在フィルム8iの下面に貼り合わされている。下部絶縁性介在フィルム8iと下部シールドテープ8jについても、FFC、FPC8の一端部で除去されている。なお、下部シールドテープ8jはグランドテープ8eと導通されていてもよい。導通手段の1つに、例えば、スールーホールがある。
【0047】
図1〜
図10に戻って、ボディ2は合成樹脂成形品であって、絶縁性を有し、全体に低背な略直方体形状に形成されている。また、ボディ2の前半部を後半部よりも金属カバー6の板厚分だけ低背にして、ボディ2の上面に前向き段差面2aを形成している。このボディ2の前端から前向き段差面2aにかけての上面に、FFC、FPC8の一端部を上方向から嵌合可能な矩形状で、FFC、FPC8の一端部の厚みと略同じ深さを有するFFC、FPC嵌合凹部2bが形成されている。
【0048】
また、FFC、FPC嵌合凹部2bの両側部には、FFC、FPC8の一端部が上方向から嵌合される時に、FFC、FPC側FFC、FPC抜け防止手段8hが嵌合するコネクタ側FFC、FPC抜け防止手段2cが形成されている。このコネクタ側FFC、FPC抜け防止手段2cは、FFC、FPC側FFC、FPC抜け防止手段8hに対応して、それが切り欠き(凹)の場合、FFC、FPC嵌合凹部2bの両側壁に設けられる内向き突起(凸)であり、同様に、それが外向き突起(凸)の場合、FFC、FPC嵌合凹部2bの両側壁に設けられる切り欠き(凹)であり、それが上下面貫通の孔の場合、FFC、FPC嵌合凹部2bの底面両側部に設けられる上向き突起(軸)である。図には切り欠きにより構成されたFFC、FPC側FFC、FPC抜け防止手段8hに対応する、内向き突起により構成されたコネクタ側FFC、FPC抜け防止手段2cを示してある。
【0049】
また、コネクタ側FFC、FPC抜け防止手段2cの間には複数のコンタクト端子装着溝2dが並列して形成されている。このコンタクト端子装着溝2dは、ボディ2の後端に貫通して形成されている。
【0050】
また、ボディ2の前端側両側面の下部にはボディ側係合部2jが形成されている。このボディ側係合部2jは、ボディ2の前端側両側角部で、ボディ2の底面を四角形状に持ち上げる前方向、下方向、外側方向の3方向開放の凹部により形成されており、この凹部天面(凹部により持ち上げられた底面)には、下向き係合面2hと挿入ガイド面2iとが形成されている。下向き係合面2hは、凹部天面の後半部(ボディ側係合部2jにはその前端側からカバー側係合部6fが挿入されるのに対し)に形成され、回路基板7と平行して対向する水平な平坦面で構成されている。一方、挿入ガイド面2iは、凹部天面の前半部に形成され、回路基板7と平行して対向し且つ回路基板7に対し下向き係合面2hよりも上方向に離されて配置された水平な高位平坦面(下向き係合面2hが水平な低位平坦面になるのに対し)と、この高位平坦面の前端をボディ2の垂直前端面に斜めに繋ぐ傾斜面(面取り面)と、この高位平坦面の後端を下向き係合面2hに斜めに繋ぐ傾斜面とから構成されている。なお、挿入ガイド面2iは下向き係合面2hから前方向に向かって漸次高さが高くなる傾斜面のみで形成されていてもよい。
【0051】
また、ボディ2の後端側両側面には外向き突起5eが設けられている。この外向き突起5eは、金属カバー6をボディ2に開閉可能に且つスライド移動可能に取り付けて設ける際に、ボディ2のカバー枢支部を形成するものである。
【0052】
また、ボディ2の後端側両側面には、内側と外側で対をなすグランド端子装着溝2f、2gのうちの、外側グランド端子装着溝2gが形成され、外側グランド端子装着溝2gの内側に所定の間隔を置いて内側グランド端子装着溝2fが形成されている。これら内側グランド端子装着溝2fと外側グランド端子装着溝2gはボディ2の後端に貫通して形成されている。
【0053】
また、ボディ2の両側面のボディ側係合部2jと外向き突起5eの間には金属カバー6の回転規制部4bが設けられている。具体的にはボディ側係合部2j側に片寄せて設けられている。より具体的にはボディ側係合部2jの直後に設けられている。この回転規制部4bは、金属カバー6を閉じる際に、金属カバー6に設けられたカバー−シールド接触改善突起6gがFFC、FPC8のグランドテープ8eに接触した後に且つ金属カバー6が閉じきる前に、金属カバー6に係合して金属カバー6をスライド開始位置に保持するものである。
【0054】
また、ボディ2の両側面のボディ側係合部2jと外向き突起5eの間には半田付け用端子装着溝2eが形成されている。具体的にはボディ側係合部2j側に片寄せて形成されている。より具体的にはボディ側係合部2jの直後に形成されている。この半田付け用端子装着溝2eは、ボディ2の上面と底面に貫通して形成されている。
【0055】
コンタクト端子3は、金属板により形成されて導電性を有し、コンタクト端子装着溝2d内にボディ2の後端から挿入収容された状態で、ボディ2に並列して配置されている。このコンタクト端子3は、固定部3aと、刺(カエシ)3bと、接触部3cと、1つのビーム3dと、端子部3eとを有しており、1つのビーム3dしか有していない。固定部3aは、コンタクト端子装着溝2d内の後部に圧入されて固定されている。刺3bは、固定部3aの側縁に設けられ、コンタクト端子3の抜けを防止する。ビーム3dは、コンタクト端子装着溝2d内で、固定部3aから前方向に延出されており、先端に接触部3cを上向き突形状で上下方向に弾性変位可能に設けている。接触部3cは、コンタクト端子装着溝2dの前端部からFFC、FPC嵌合凹部2b内に突出して配置され、FFC、FPC8の一端部の下面で露出されている導体8aに接触する。端子部3eは、ボディ2の後端から外部に突出して配置され、回路基板7の信号用パターンと導通のある信号用ランド7aに半田付けで接続される。
【0056】
グランド端子5は、金属板により形成されて導電性を有し、一対の内側グランド端子装着溝2fと外側グランド端子装着溝2gを介してボディ2の後端側両側面に固設され、半田付け用端子4と共にボディ2を回路基板7上に半田付けで固定する半田付け用端子としても使用するものである。このグランド端子5は、後端側側壁部(基部)5aと、固定部(内側側壁部)5bと、図示しない刺と、外側側壁部5cと、端子部5dとを有している。後端側側壁部5aは、内側グランド端子装着溝2fと外側グランド端子装着溝2gの間にあるボディ2の後端面に密着して配置されている。固定部5bは、後端側側壁部5aの内側側部から折り曲げで前方向に延出されて内側グランド端子装着溝2f内に圧入されて固定されている。刺は、固定部5bの側縁に設けられ、グランド端子5の抜けを防止する。外側側壁部5cは、後端側側壁部5aの外側側部から折り曲げで前方向に延出されて外側グランド端子装着溝2gに挿入され、外面がボディ2の両側面と略面一に配置された状態で、ボディ2の後端側両側面に固設され、ボディ2の後端側両側面を金属面に置き換える。端子部5dは、後端側側壁部5aの下部から折り曲げで回路基板7に沿って後方向に延出されて回路基板7のグランド用パターンと導通のあるグランド用ランド7cに半田付けで接続される。
【0057】
また、グランド端子5は、外側側壁部5cの前部(一部の一例)を折り曲げで外側に向かって直角に突出させており、この折り曲げ部によりボディ2の後端側両側面に設けられる外向き突起5eを形成している。
【0058】
さらに、グランド端子5には、金属カバー6とグランド端子5の間の接触改善用にカバー−グランド端子接触改善突起5fが設けられている。このカバー−グランド端子接触改善突起5fは、外側側壁部5cの後部外面を部分的にドーム形状で外向きに膨出した膨出部により形成されている。この膨出部は、上下方向を長手方向として長円形状の外形を有し、外向き突起5eの後側に所定の間隔を置いて設けられている。
【0059】
半田付け用端子4は、金属板により形成されて導電性を有し、半田付け用端子装着溝2eを介してボディ2の両側面で、ボディ側係合部2jの直後に固設され、グランド端子5と共にボディ2を回路基板7上に半田付けで固定するものである。この半田付け用端子4はL形状に形成されており、固定部(側壁部)4aと、図示しない刺と、端子部4bとを有している。固定部4aは、半田付け用端子装着溝2e内に圧入されて固定されている。刺は、固定部4aの側縁に設けられ、半田付け用端子4の抜けを防止する。端子部4bは、固定部4aの下部から折り曲げで回路基板7に沿って外向きに延出されて回路基板7の信号用パターンやグランド用パターンと電気的な接続関係を持たないコネクタ固定用ランド7bに半田付けで接続される。なお、コネクタ固定用ランド7bは、回路基板7のグランド用パターンと導通のあるグランド用ランドであってもよい。
【0060】
また、半田付け用端子4の端子部4bは、金属カバー6を閉じる際に、金属カバー6に設けられたカバー−シールド接触改善突起6gがFFC、FPC8のグランドテープ8eに接触した後に且つ金属カバー6が閉じきる前に、金属カバー6の両側面下縁が係合するもので、ボディ2の両側面に設けられた、金属カバー6の回転規制部4bである。
【0061】
金属カバー6は、一枚の薄い金属板からなる板金部品であって、導電性を有し、ボディ2の前端から前向き段差面2aにわたる前半部上面に重ねてそこを覆う矩形状のFFC、FPC押圧板部6aと、FFC、FPC押圧板部6aの両側縁から折り曲げで下方向に延出されてボディ2の前半部両側面に重ねてそこを覆う側板前部6bと、両側板前部6bから後方向に延出されてボディ2の後半部両側面に重ねてそこを覆う側板後部であるアーム部6cと、FFC、FPC押圧板部6aの前端縁から折り曲げで上方向に短く延出したカバー操作部6iとを有している。
【0062】
また、金属カバー6のFFC、FPC押圧板部6aの内面には、金属カバー6とFFC、FPC8の一端部の上面で露出されているグランドテープ8eの間の接触改善用に複数のカバー−シールド接触改善突起6gが略等間隔で横一列に並べられて設けられている。このカバー−シールド接触改善突起6gは、FFC、FPC押圧板部6aを部分的に円形ドーム形状で内向きに膨出した小形の膨出部により形成されている。
【0063】
また、金属カバー6の両側板前部6bの前端側下部にはカバー側係合部6fが形成されている。このカバー側係合部6fは、両側板前部6bの前端側下縁から折り曲げで内側に直角に突出する爪状の突片により形成されており、この突片の平坦な上面を上向き係合面6eとして有している。
【0064】
また、金属カバー6の両アーム部6cには内外面貫通の長孔6dが形成されている。この長孔6dは、金属カバー6をボディ2に対し開閉可能に且つスライド移動可能に取り付けて設ける際に、ボディ2の両側面後部に設けられたカバー枢支部である外向き突起5eを挿通させるものである。
【0065】
また、金属カバー6の両側面(両側板前部6bと両アーム部6c)には金属カバー6の回転規制解除部6hが設けられている。具体的にはカバー側係合部6f側に片寄せて設けられている。より両側板前部6bのカバー側係合部6fの直後から後部にわたる下部に設けられている。この回転規制解除部6hは、金属カバー6がスライド開始位置から回転規制部4bに摺接しながらスライド移動を開始した後に、回転規制部4bの係合を解除して金属カバー6を閉じきるまでさらに閉じさせると共に金属カバー6を閉じきった(全閉)状態でカバー側係合部6fのボディ側係合部2jへの挿入方向にさらに金属カバー6をスライド移動させるものである。
【0066】
また、金属カバー6の両側面(両側板前部6bと両アーム部6c)には下向きに開口した切り欠き部6hが設けられている。具体的には金属カバー6の両側板前部6bのカバー側係合部6fの直後から後部にわたる下部に設けられている。この切り欠き部6hは、金属カバー6がスライド開始位置から半田付け用端子4の端子部4bに金属カバー6の両側面下縁を摺接しながらスライド移動を開始した後に、半田付け用端子4の端子部4bに対向して半田付け用端子4の端子部4bの係合を解除して金属カバー6を閉じきるまでさらに閉じさせると共に金属カバー6を閉じきった状態でカバー側係合部6fのボディ側係合部2jへの挿入方向にさらに金属カバー6をスライド移動させるもので、金属カバー6の両側面に設けられた、金属カバー6の回転規制解除部6hである。
【0067】
そして、金属カバー6の両アーム部6cに設けられた長孔6dにボディ2の後端側両側面に設けられた外向き突起5eを挿通させることで、金属カバー6を外向き突起5eに枢支させて、金属カバー6をボディ2に対し外向き突起5eを支点にして開閉可能且つスライド移動可能に取り付けて設け、コネクタ1が構成されている。
【0068】
次に、上記のように構成されたコネクタ1の作動を説明する。
【0069】
まず、ボディ2のFFC、FPC嵌合凹部2bの周囲表面を覆っている金属カバー6(金属シェル)を、外向き突起5eが長孔6d内の後端部に位置する状態で、外向き突起5eを支点にして、ボディ2に対し開き、FFC、FPC嵌合凹部2bを露出させる。この際、
図8の仮想線6Aに示すように、金属カバー6がボディ2に対し垂直になった後に、やや後傾するまで、金属カバー6を開くと、金属カバー6の両アーム部6cが外向き突起5eの後側に設けられたカバー−グランド端子接触改善突起5fに係止して、金属カバー6は手で保持しなくても、
図8の仮想線6Aに示す開ききった(全開)起立姿勢で保持することができる。
図1、
図2、
図5の左半部、
図6の左半部、
図6の左半部、
図7の左半部、
図9(A)、
図10(A)は、紙面の大きさと図の大きさとの関係で、半開き状態の金属カバー6を示しているが、実際は開ききった状態を示すものとする。
【0070】
続いて、
図1、
図2、
図9(A)、
図10(A)に示すように、金属カバー6を開ききった状態で、ボディ2のFFC、FPC嵌合凹部2bに対し上方向からFFC、FPC8の一端部の嵌合載置させて、FFC、FPC8をボディ2にセットする。この際、FPC8の一端部の下面で露出されている導体8aがそれに対応するコンタクト端子3の接触部3cの上に重ねられる。また、FFC、FPC側FFC、FPC抜け防止手段8hがコネクタ側FFC、FPC抜け防止手段に半分程度嵌合し、FFC、FPC8がボディ2に対し位置決めされる。
【0071】
続いて、開ききった金属カバー6を、外向き突起5eを長孔6d内の後端部に位置させたまま、外向き突起5eを支点にして、FFC、FPC8側(ボディ2側)に上方向から押し付けて閉じるのであるが、この際、
図3、
図9(B)、
図10(B)に示すように、金属カバー6のFFC、FPC押圧板部6aの内面に設けられたカバー−シールド接触改善突起6gがFFC、FPC8の一端部の上面で露出されているグランドテープ8eに接触した後に且つ金属カバー6が閉じきる前に、金属カバー6の両側板前部6bのカバー側係合部6fの直後から後部にわたる下部に設けられた切り欠き部(金属カバー6の回転規制解除部)の直後にある、金属カバー6の両側板前部6bの下縁が、ボディ2の両側面のボディ側係合部2jの直後の下部に設けられた半田付け用端子4の端子部4b(金属カバー6の回転規制部4b)の上面に上方向から当接し係合して、半田付け用端子4の端子部4bが金属カバー6の回転を規制し、金属カバー6をスライド開始位置に保持する。この際、金属カバー6は、ボディ2に対し前側に位置ずれして、金属カバー6の前端側がボディ2の前端から突出した状態で閉じており、金属カバー6の両側板前部6bの前端側下部に設けられたカバー側係合部6fは、ボディ2の前端側両側面の下部に設けられたボディ側係合部2jの直前に位置している。
【0072】
続いて、スライド開始位置にある金属カバー6を後方向に押して、金属カバー6をスライド開始位置から半田付け用端子4の端子部4bに金属カバー6の両側板前部6bの下縁を摺接させながらスライド移動させると、切り欠き部6hが半田付け用端子4の端子部4bに対向して金属カバー6の両側板前部6bの下縁に対する半田付け用端子4の端子部4bの係合が解除され、半田付け用端子4の端子部4bによる金属カバー6の回転規制が解除されて、金属カバー6がさらに閉じられて閉じきられ、半田付け用端子4の端子部4bが切り欠き部6hの内側に嵌め込まれ、金属カバー6のFFC、FPC押圧板部6aの下面がFFC、FPC嵌合凹部2bの両外側にあるボディ2の前半部上面に当接する。また、スライド開始位置から金属カバー6の回転規制を解除するまでの金属カバー6のスライド移動により、カバー側係合部6fの後部が、カバー側係合部6fの上向き係合面6eをボディ側係合部2jの挿入ガイド面2iに摺接しながら、ボディ側係合部2j内の前半部に挿入される。
【0073】
また、閉じきった金属カバー6は、そのままさらに後方向に押されて、金属カバー6のFFC、FPC押圧板部6aの後端面がボディ2の上面に形成された前向き段差面2a(ストッパー)に突き合い当接するまでスライド移動し、
図4、
図9(C)、
図10(B)に示すように、金属カバー6の回転規制解除後の閉じきった状態でのスライド移動により、外向き突起5eが長孔6d内の前端部に位置し、また、カバー側係合部6fが、カバー側係合部6fの上向き係合面6eをボディ側係合部2jの挿入ガイド面2iから下向き係合面2hに摺接しながら、ボディ側係合部2j内に係脱可能に挿入し係合して、FFC、FPC8の一端部をボディ2に対しロックする。
【0074】
そして、ロック状態においては、金属カバー6がそのFFC、FPC押圧板部6aをFFC、FPCの一端部の上面で露出されているグランドテープ8eに押し付けて完全に閉じきられ、コンタクト端子の略最大接圧(接触圧力)が確保されており、FFC、FPC8の導体8aと回路基板7の信号用パターンとがコンタクト端子3を介して電気的に確実に接続されている。また、衝撃が生じたり、コンタクト端子3の接圧以外に金属カバー6を押し上げて開こうとする力が生じたとしても、金属カバー6のロック位置からスライド開始位置へのスライド移動が伴わない限り、金属カバー6は開くことがなく、FFC、FPC8の一端部はボディ2に対し物理的に確実にロックすることができる。この結果、FFC、FPC8を回路基板7に確実に接続することができる。
【0075】
また、ロック状態において、金属カバー6は、そのFFC、FPC押圧板部6aがFFC、FPCの一端部の上面で露出されているグランドテープ8eに接触し、しかもこの接触改善用にFFC、FPC押圧板部6aの下面にはカバー−シールド接触改善突起6gが設けられており、金属カバー6とFFC、FPC8のグランドテープ8eが電気的に確実に接触されている。また、金属カバー6は、その両アーム部6cがグランド端子5の外側側壁部5cに接触し、しかもこの接触改善用にグランド端子5の外側側壁部5cにはカバー−グランド端子接触改善突起5fが設けられ、両アーム部6cがカバー−グランド端子接触改善突起5fの上に乗り上げて弾性的に接触しており、金属カバー6とグランド端子5が電気的に確実に接触されている。この結果、FFC、FPC8のシールド8fを回路基板7のグランドに電気的に確実に接続することができる。
【0076】
また、コネクタ1からFFC、FPC8を抜き去る場合には、上記のFFC、FPC接続(嵌合)手順、すなわち、金属カバー6の2段回転(開閉)スライド(全開位置からの回転→スライド→回転→スライド)を逆に行う。
【0077】
以上、本実施形態のコネクタ1は、シールド8fが設けられたFFC、FPC8を回路基板7に接続するコネクタ1であって、上下方向に弾性変位可能な上向き突形状の接触部3cを有するコンタクト端子3と回路基板7のグランドに接続するグランド端子5が設けられ且つFFC、FPC8が上方向から嵌合されると共にボディ側係合部2jを有するボディ2と、ボディ2に開閉可能に且つスライド移動可能に設けられると共にボディ側係合部2jに係脱可能に係合するカバー側係合部6fを有する金属カバー6とを備え、金属カバー6を閉じてスライド移動させることでカバー側係合部6fをボディ側係合部2jに係合してFFC、FPC8をコンタクト端子3の接触部3cに接触させてロックすると共に金属カバー6がグランドテープ8e及びグランド端子5に接触してこれらを電気的に接続するコネクタにおいて、金属カバー6には、金属カバー6とシールド8fの間の接触改善用にカバー−シールド接触改善突起6gが設けられ、グランド端子5には、金属カバー6とグランド端子5の間の接触改善用にカバー−グランド端子接触改善突起5fが設けられており、ボディ2に、金属カバー6を閉じる際に、カバー−シールド接触改善突起6gがグランドテープ8eに接触した後に且つ金属カバー6が閉じきる前に、金属カバー6に係合して金属カバー6をスライド開始位置に保持する回転規制部4bを設け、金属カバー6に、金属カバー6がスライド開始位置から回転規制部4bに摺接しながらスライド移動を開始した後に、回転規制部4bの係合を解除して金属カバー6を閉じきるまでさらに閉じさせる回転規制解除部6hを設けたものであり、金属カバー6がロック部材となり、回転規制部4bと回転規制解除部6hを設けたことで、金属カバー6は従来のように閉じきった状態(コンタクト端子3の接圧が略最大になる状態)でスライド移動を開始させるのではなく、閉じきる前(コンタクト端子3の接圧が略最大になる前)にスライド移動を開始させ、スライド移動を開始した後に閉じきることができ、金属カバー6にカバー−シールド接触改善突起6gが設けられていても、例えば、金属カバー6のスライド移動が困難にならないなど、カバー−シールド接触改善突起6gの影響を小さくして、シールド8fが設けられたFFC、FPC8を回路基板7に確実に接続することができると共にFFC、FPC8のシールド8fを回路基板7のグランドに電気的に確実に接続することができるコネクタを提供することができる。
【0078】
また、金属カバー6は、ボディ2の上面及び両側面を覆うと共にカバー側係合部6f、カバー−シールド接触改善突起6g、回転規制解除部6hを一体に形成した板金部品であることで、従来のようにロック部材を樹脂と金属の複合部品により構成する構造と比べ、同等以上の強度を薄い板厚で発現させることができ、併せて導電性を持たせることができ、コネクタの低背化を図ることができると共に、部品コストも安く付き、コネクタのコストダウンを図ることができる。また、特に部品を追加することなく、十分な強度のあるカバー側係合部6f、カバー−シールド接触改善突起6g、回転規制解除部6hを設けることができる。
【0079】
また、ボディ2の一端側両側面に外向き突起5eを設け、金属カバー6の一端側両側面に長孔6dを設け、長孔6dに外向き突起5eを挿通させることで、金属カバー6をボディ2に対し、外向き突起5eを支点にして開閉可能且つスライド移動可能に枢支し、グランド端子5は、ボディ2の一端側両側面に設け、グランド端子5の一部5cで外向き突起5eを形成することで、特に部品を追加することなく、十分な強度のあるカバー枢支部5eを設けることができる。
【0080】
また、カバー−グランド端子接触改善突起5fは、グランド端子5の一部で形成し、カバー側係合部6fがボディ側係合部2jに係合する時に、金属カバー6の一端側両側面をカバー−グランド端子接触改善突起5fに接触させることで、金属カバー6の一端側両側面がカバー−グランド端子接触改善突起5fに接触する時の金属カバー6の作動力の変化によりFFC、FPC8のロック感触を得ることができる。
【0081】
また、ボディ2の両側面に、回路基板7に沿って外向きに突出し且つ金属カバー6を閉じる際に、カバー−シールド接触改善突起6gがグランドテープ8eに接触した後に且つ金属カバー6が閉じきる前に、金属カバー6の両側板前部6bの下縁が係合して金属カバー6をスライド開始位置に保持する端子部4bを有する半田付け用端子4を設け、半田付け用端子4の端子部4bを回転規制部4bとし、金属カバー6の両側板前部6bに、金属カバー6がスライド開始位置から半田付け用端子4の端子部4bに金属カバー6の両側面下縁を摺接しながらスライド移動を開始した後に、半田付け用端子4の端子部4bに対向して半田付け用端子4の端子部4bの係合を解除して金属カバー6を閉じきるまでさらに閉じさせる下向きに開口した切り欠き部6hを設け、切り欠き部6hを回転規制解除部6hとすることで、回転規制部4bを金属カバー6のスライド移動により回転規制解除部6hに対しスムースに出し入れでき、金属カバー6の操作性を損なうことなく、金属カバー6の回転規制部4bと回転規制解除部6hを設けることができる。
【0082】
また、ボディ2には、ボディ2にFFC、FPC8が上方向から嵌合される時に、FFC、FPC8に設けられたFFC、FPC側FFC、FPC抜け防止手段8hが嵌合するコネクタ側FFC、FPC抜け防止手段2cを設けることで、特に部品を追加することなく、FFC、FPC8の抜け防止機能8h、2cを確保することができる。