【文献】
ZTE,CSI-RS Pattern Design for LTE-Advanced[online], 3GPP TSG-RAN WG1#60 R1-100969,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_60/Docs/>,2010年 2月18日,検索日:2014年12月9日
【文献】
Motorola,Views on inter-cell aspects of CSI-RS design[online], 3GPP TSG-RAN WG1#60 R1-101463,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_60/Docs/>,2010年 2月19日,検索日:2014年12月9日
【文献】
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【文献】
NTT DOCOMO,Investigation on Optimum CSI-RS Density for LTE-Advanced[online], 3GPP TSG-RAN WG1#59b R1-100497,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_59b/Docs/>,2010年 1月13日,検索日:2014年12月9日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記8個以下のアンテナポートに対するCSI−RSの内の2個のアンテナポートに対するCSI−RSは、同じ副搬送波上の2つのOFDMシンボル上で、長さ2の直交コードを用いてコード分割多重化方式で多重化される、請求項1に記載のCSI−RS伝送方法。
前記8個以下のアンテナポートに対するCSI−RSの内の2個のアンテナポートに対するCSI−RSは、同じ副搬送波上の2つのOFDMシンボル上で、長さ2の直交コードを用いてコード分割多重化方式で多重化される、請求項6に記載のチャネル情報測定方法。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下の実施例は、本発明の構成要素及び特徴を所定の形態で結合したものである。各構成要素または特徴は、別に明示しない限り、選択的なものと考慮しなければならない。各構成要素または特徴が他の構成要素や特徴と結合しない形態で実施してもよく、一部の構成要素及び/または特徴を結合させて本発明の実施例を構成してもよい。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更してもよい。ある実施例の一部構成や特徴は、他の実施例に含まれてもよく、他の実施例の対応する構成または特徴に代えてもよい。
【0028】
本明細書では、本発明の実施例を、基地局と端末との間におけるデータ送受信の関係を中心に説明する。ここで、基地局は、端末と直接通信を行うネットワークの終端ノード(terminal node)としての意味を有する。本文書で、基地局により行われるとした特定動作は、場合によっては、基地局の上位ノード(upper node)により行われることもある。
【0029】
すなわち、基地局を含む多数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる種々の動作は、基地局または基地局以外の他のネットワークノードにより行われうるということは自明である。「基地局(BS:Base Station)」は、固定局(fixed station)、Node B、eNode B(eNB)、アクセスポイント(AP:Access Point)などの用語に代えてもよい。中継機は、リレーノード(Relay Node、RN)、リレーステーション(Relay Station、RS)などの用語に代えてもよい。「端末(Terminal)」は、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)、MSS(Mobile Subscriber Station)、SS(Subscriber Station)などの用語に代えてもよい。
【0030】
以下の説明で使われる特定用語は、本発明の理解を助けるために提供されたもので、これらの特定用語の使用は、本発明の技術的思想から逸脱することなく他の形態に変更可能である。
【0031】
場合によっては、本発明の概念が曖昧になることを避けるために、公知の構造及び装置は省略されたり、各構造及び装置の核心機能を中心にしたブロック図の形式で示されることがある。また、本明細書全体を通じて同一の構成要素には同一の図面符号を付して説明する。
【0032】
本発明の実施例は、無線接続システムであるIEEE 802システム、3GPPシステム、3GPP LTE及びLTE−A(LTE−Advanced)システム、及び3GPP2システムの少なくとも一つに開示された標準文書でサポートすることかできる。すなわち、本発明の実施例において本発明の技術的思想を明確にするために説明しない段階または部分を、上記の標準文書でサーポートすることができる。なお、本文書で開示している全ての用語は、上記の標準文書により説明することができる。
【0033】
以下の技術は、CDMA(Code Division Multiple Access)、FDMA(Frequency Division Multiple Access)、TDMA(Time Division Multiple Access)、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)などのような種々の無線接続システムに用いることができる。CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)やCDMA2000のような無線技術(radio technology)とすることができる。TDMAは、GSM(Global System for Mobile communications)/GPRS(General Packet Radio Service)/EDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)のような無線技術とすることができる。OFDMAは、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802−20、E−UTRA(Evolved UTRA)などのような無線技術とすることができる。UTRAは、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)の一部である。3GPP(3rd Generation Partnership Project) LTE(long term evolution)は、E−UTRAを用いるE−UMTS(Evolved UMTS)の一部であり、ダウンリンクでOFDMAを採用し、アップリンクでSC−FDMAを採用する。LTE−A(Advanced)は、3GPP LTEの進展である。WiMAXは、IEEE 802.16e規格(Wireless MAN−OFDMA Reference System)及び進展したIEEE 802.16m規格(Wireless MAN−OFDMA Advanced system)によって説明することができる。明確性のために、以下では、3GPP LTE及びLTE−A標準を中心に説明するが、本発明の技術的思想はこれに制限されない。
【0034】
図1を参照してダウンリンク無線フレームの構造について説明する。
【0035】
セルラーOFDM無線パケット通信システムにおいて、アップリンク/ダウンリンクデータパケット伝送はサブフレーム(Subframe)単位に行われ、1サブフレームは、多数のOFDMシンボルを含む一定時間区間と定義される。3GPP LTE標準では、FDD(Frequency Division Duplex)に適用可能なタイプ1の無線フレーム(radio frame)構造、及びTDD(Time Division Duplex)に適用可能なタイプ2の無線フレーム構造を支援する。
【0036】
図1は、タイプ1無線フレームの構造を示す図である。ダウンリンク無線フレーム(radio frame)は、10個のサブフレーム(subframe)で構成され、1サブフレームは時間領域(time domain)で2個のスロット(slot)で構成される。1サブフレームが伝送されるのにかかる時間をTTI(transmission time interval)といい、例えば、1サブフレームの長さは1msで、1スロットの長さは0.5msである。1スロットは、時間領域で複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域で複数のリソースブロック(Resource Block;RB)を含む。3GPP LTEシステムでは、ダウンリンクでOFDMAを用いるので、OFDMシンボルが1シンボル区間を表す。OFDMシンボルは、SC−FDMAシンボルまたはシンボル区間と呼ぶこともできる。リソースブロック(Resource Block;RB)は、リソース割当単位であり、1スロットで複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含むことができる。
【0037】
1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は、CP(Cyclic Prefix)の構成(configuration)によって異なってくることがある。CPには、拡張されたCP(extended CP)と一般CP(normal CP)とがある。例えば、OFDMシンボルが一般CPにより構成された場合は、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は7個でよい。OFDMシンボルが拡張されたCPにより構成された場合は、1 OFDMシンボルの長さが増加することから、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は、一般CPの場合に比べて少ない。拡張されたCPの場合に、例えば、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は6個でよい。端末が高速で移動する等の場合のようにチャネル状態が安定していない場合に、シンボル間干渉をより低減させるために、拡張されたCPを用いることができる。
【0038】
一般CPが用いられる場合に、1スロットは7個のOFDMシンボルを含むので、1サブフレームは14個のOFDMシンボルを含む。この場合、各サブフレームの先頭2個または3個のOFDMシンボルは、PDCCH(physical downlink control channel)に割り当てられ、残りのOFDMシンボルは、PDSCH(physical downlink shared channel)に割り当てられるとよい。
【0039】
上記の無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、スロットに含まれるシンボルの数は、様々に変更可能である。
【0040】
図2は、1ダウンリンクスロットに対するリソースグリッド(resource grid)の一例を示す図である。これは、OFDMシンボルが一般CPで構成された場合に相当する。
図2を参照すると、ダウンリンクスロットは、時間領域で複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域で複数のリソースブロックを含む。ここで、1ダウンリンクスロットは7 OFDMシンボルを含み、かつ1リソースブロックは12副搬送波を含む例を示すが、これに制限されるものではない。リソースグリッド上の各要素(element)をリソース要素(RE)という。例えば、リソース要素a(k,l)は、k番目の副搬送波とl番目OFDMシンボルに位置しているリソース要素を指す。一般CPの場合に、1リソースブロックは12×7リソース要素を含む(拡張されたCPの場合には、12×6リソース要素を含む)。各副搬送波の間隔は15kHzであるから、1リソースブロックは周波数領域で約180kHzを含む。N
DLは、ダウンリンクスロットに含まれるリソースブロックの数である。N
DLの値は、基地局のスケジューリングによって設定されるダウンリンク伝送帯域幅(bandwidth)によって決定することができる。
【0041】
図3は、ダウンリンクサブフレームの構造を示す図である。1サブフレーム内で1番目のスロットにおける先頭の最大3個のOFDMシンボルは、制御チャネルが割り当てられる制御領域に該当する。残りのOFDMシンボルは、物理ダウンリンク共有チャネル(Physical Downlink Shared Chancel;PDSCH)が割り当てられるデータ領域に該当する。伝送の基本単位は、1サブフレームとなる。すなわち、2個のスロットにわたってPDCCH及びPDSCHが割り当てられる。3GPP LTEシステムで用いられるダウンリンク制御チャネルには、例えば、物理制御フォーマット指示子チャネル(Physical Control Format Indicator Channel;PCFICH)、物理ダウンリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDCCH)、物理HARQ指示子チャネル(Physical Hybrid automatic repeat request Indicator Channel;PHICH)などがある。PCFICHは、サブフレームの最初のOFDMシンボルで伝送され、サブフレーム内の制御チャネル伝送に用いられるOFDMシンボルの個数に関する情報を含む。PHICHは、アップリンク伝送の応答としてHARQ ACK/NACK信号を含む。PDCCHを通じて伝送される制御情報をダウンリンク制御情報(Downlink Control Information;DCI)という。DCIは、アップリンクまたはダウンリンクスケジューリング情報を含んだり、任意の端末グループに対するアップリンク伝送電力制御命令を含む。PDCCHは、ダウンリンク共有チャネル(DL−SCH)のリソース割当及び伝送フォーマット、アップリンク共有チャネル(UL−SCH)のリソース割当情報、ページングチャネル(PCH)のページング情報、DL−SCH上のシステム情報、PDSCHで伝送されるランダムアクセス応答(Random Access Response)のような上位層制御メッセージのリソース割当、任意の端末グループ中の個別端末に対する伝送電力制御命令のセット、伝送電力制御情報、VoIP(Voice over IP)の活性化などを含むことができる。複数のPDCCHを制御領域で伝送され、端末は、複数のPDCCHをモニタリングすることができる。PDCCHは、1以上の連続する制御チャネル要素(Control Channel Element;CCE)の組み合わせで伝送される。CCEは、無線チャネルの状態に基づくコーディングレートでPDCCHを提供するために用いられる論理割当単位である。CCEは、複数個のリソース要素グループに対応する。PDCCHのフォーマット及び利用可能なビット数は、CCEの個数とCCEにより提供されるコーディングレート間の相関関係によって決定される。基地局は、端末に伝送されるDCIに基づいてPDCCHフォーマットを決定し、制御情報に巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check;CRC)を付加する。CRCは、PDCCHの所有者または用途によって、無線ネットワーク臨時識別子(Radio Network Temporary Identifier;RNTI)という識別子でマスキングされる。PDCCHが特定端末に対するものであれば、端末のcell−RNTI(C−RNTI)をCRCにマスキングすることができる。または、PDCCHがページングメッセージに対するものであれば、ページング指示子識別子(Paging Indicator Identifier;P−RNTI)をCRCにマスキングすることができる。PDCCHがシステム情報(特に、システム情報ブロック(SIB))に対するものであれば、システム情報識別子及びシステム情報RNTI(SI−RNTI)をCRCにマスキングすることができる。端末のランダムアクセスプリアンブル伝送に対する応答であるランダムアクセス応答を表すために、ランダムアクセス−RNTI(RA−RNTI)をCRCにマスキングすることができる。
【0042】
図4は、アップリンクサブフレームの構造を示す図である。アップリンクサブフレームは、周波数領域で制御領域とデータ領域とに区別することができる。制御領域には、アップリンク制御情報を含む物理アップリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel;PUCCH)が割り当てられる。データ領域には、ユーザデータを含む物理アップリンク共有チャネル(Physical uplink shared channel;PUSCH)が割り当てられる。単一搬送波特性を維持するために、一つの端末は、PUCCHとPUSCHを同時に伝送しない。一つの端末に対するPUCCHは、サブフレームでリソースブロック対(RB pair)に割り当てられる。リソースブロック対に属するリソースブロックは、2スロットに対して異なる副搬送波を占める。これを、PUCCHに割り当てられるリソースブロック対がスロット境界で周波数−ホッピング(frequency−hopped)するということができる。
多重アンテナ(MIMO)システムのモデリング
【0043】
MIMOシステムは、多重送信アンテナ及び多重受信アンテナを用いてデータの送受信効率を向上させるシステムである。MIMO技術では、全体メッセージを受信する上で単一アンテナ経路に依存せず、複数個のアンテナを通じて受信される複数個のデータ断片を組み合わせて全体データを受信することができる。
【0044】
図5は、多重アンテナを有する無線通信システムの構成図である。
図5(a)に示すように、送信アンテナの数をN
T個、受信アンテナの数をN
Rと増やすと、送信機または受信機のいずれかでのみ複数のアンテナを用いる場合とは違い、アンテナ数に比例して理論的なチャネル伝送容量が増加する。そのため、伝送レートを向上させ、周波数効率を画期的に向上させることができる。チャネル伝送容量が増加することによって、伝送レートは、理論的に、単一アンテナ使用時における最大伝送レート(R
o)にレート増加率(R
i)がかけられた分だけ増加することが可能になる。
【0046】
例えば、4個の送信アンテナと4個の受信アンテナを用いるMIMO通信システムでは、単一アンテナシステムに比べて理論上、4倍の伝送レートを獲得できる。多重アンテナシステムの理論的容量増加が90年代半ばに証明されて以来、これを実質的なデータ伝送率の向上へと導くような種々の技術が現在まで活発に研究されている。それらのいくつかの技術は既に3世代移動通信と次世代無線RANなどの様々な無線通信の標準に反映されている。
【0047】
現在までの多重アンテナ関連研究動向をみると、様々なチャネル環境及び多重接続環境における多重アンテナ通信容量計算などと関連した情報理論側面の研究、多重アンテナシステムの無線チャネル測定及び模型導出の研究、伝送信頼度向上及び伝送率向上のための時空間信号処理技術の研究などを含め、様々な観点で活発に研究が進行中である。
【0048】
多重アンテナシステムにおける通信方法を、数学的モデリングを用いてより具体的に説明する。このシステムにはN
T個の送信アンテナとN
R個の受信アンテナが存在すると仮定する。
【0049】
送信信号について説明すると、N
T個の送信アンテナがある場合に、伝送可能な最大情報はN
T個である。伝送情報は下記のように表現できる。
【0058】
一方、送信信号xは、2つの場合(例えば、空間ダイバーシティ及び空間多重化)によって異なる方法で考慮されることがある。空間多重化の場合に、異なる信号が多重化され、多重化された信号が受信側に伝送されることで、情報ベクトルの要素(element)がそれぞれ異なる値を有する。一方、空間ダイバーシティの場合には、同じ信号が複数個のチャネル経路を通じて反復的に伝送されることで、情報ベクトルの要素が同じ値を有する。もちろん、空間多重化及び空間ダイバーシティ手法の組み合わせも考慮することができる。すなわち、同じ信号が、例えば3個の伝送アンテナを通じて空間ダイバーシティ手法によって伝送され、かつ残りの信号は空間多重化されて、受信側に伝送されることも可能である。
【0062】
図5(b)に、N
T個の送信アンテナから受信アンテナiへのチャネルを示す。このチャネルをまとめてベクトル及び行列形態で表示できる。
図5(b)で、総N
T個の送信アンテナから受信アンテナiに到着するチャネルは、下記のように表すことができる。
【0064】
したがって、N
T個の送信アンテナからN
R個の受信アンテナに到着する全てのチャネルは、下記のように表現できる。
【0068】
上述した数式モデリングを通じて受信信号は下記のように表現できる。
【0070】
上記では、多重アンテナ通信システムが単一のユーザに用いられる場合を重点的に説明した。しかし、多重アンテナ通信システムを複数のユーザに適用して、多重ユーザダイバーシティ(multi user diversity)を獲得することが可能である。これについて簡単に説明すると、下記の通りである。
【0071】
フェージング(fading)チャネルは、無線通信システムの性能を低下させる。時間、周波数、空間によってチャネル利得が変わり、チャネル利得値が低いほど性能低下は深刻化する。フェージングを克服できる方法の一つであるダイバーシティは、複数の独立したチャネルが全て低い利得を有する確率は非常に低いという点に着目したものである。種々のダイバーシティ方式が可能であり、多重ユーザダイバーシティもその一つである。
【0072】
セル内に複数のユーザがいる時に、各ユーザのチャネル利得は確率的に互いに独立しているから、彼らが全部低い利得を有する確率は非常に低い。情報理論によれば、基地局の伝送電力が充分であるとすれば、セル内に複数のユーザがいる時に、最も高いチャネル利得を有するユーザにチャネルを全て割り当てることによって、チャネルの総容量を最大化できる。多重ユーザダイバーシティは、再び3通りに分類できる。
【0073】
時間的多重ユーザダイバーシティは、時間によってチャネルが変わる場合に、その都度、最高の利得値を有するユーザにチャネルを割り当てる方式である。周波数的多重ユーザダイバーシティは、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)のような周波数多重搬送波システムにおいて各周波数帯域で最大の利得を有するユーザに副搬送波を割り当てる方式である。
【0074】
もし、多重搬送波を用いないシステムにおいてチャネルが非常にゆっくり変わるとすれば、最高のチャネル利得を有するユーザが長い時間チャネルを独占することになるため、他のユーザは通信できなくなる。この場合、多重ユーザダイバーシティを用いるためにはチャネル変化を誘導する必要がある。
【0075】
次に、空間的多重ユーザダイバーシティは、一般的にユーザのチャネル利得が空間によって異なるという点を用いる方法である。具体例には、RBF(Random Beamforming)などがある。RBFは、「opportunistic beamforming」とも呼び、送信端で多重アンテナを用いて任意の重み値でビームフォーミング(beamforming)をすることでチャネル変化を誘導する技術である。
【0076】
上記の多重ユーザダイバーシティを多重アンテナ方式に用いる多重ユーザ多重アンテナ(Multiuser MIMO、MU−MIMO)方式について説明すると、下記のとおりである。
【0077】
多重ユーザ多重アンテナ方式において、送受信端においてユーザ数と各ユーザのアンテナ数とは種々の組み合わせが可能である。多重ユーザ多重アンテナ方式をダウンリンク(Downlink、forwardlink)及びアップリンク(Uplink、reverselink)に区別して説明する。ダウンリンクは、基地局から複数の端末に信号を伝送する場合を意味する。アップリンクは、複数の端末が基地局に信号を伝送する場合を意味する。
【0078】
ダウンリンクでは、極端な例を挙げると、一名のユーザが総N
R個のアンテナを通じて信号を受信することもあり、総N
R名のユーザがそれぞれ1個のアンテナを用いて信号を受信することもある。また、これら極端な例の中間的な組み合わせも可能である。すなわち、あるユーザは1個の受信アンテナを用いる反面、あるユーザは3個の受信アンテナを用いる等の組み合わせが可能である。留意すべき点は、いずれの組み合わせの場合であれ、受信アンテナ数の和はN
Rと一定に維持されるという点である。このような場合を、通常、MIMO BC(Broadcast Channel)またはSDMA(Space Division Multiple Access)という。
【0079】
アップリンクでは、極端な例を挙げると、一名のユーザが総N
T個のアンテナを通じて信号を送信することもあり、総N
T名のユーザがそれぞれ1個のアンテナを用いて信号を送信することもある。また、これら極端な例の中間的な組み合わせも可能である。すなわち、あるユーザは1個の送信アンテナを用いる反面、あるユーザは3個の送信アンテナを用いる等の組み合わせが可能である。留意すべき点は、いずれの組み合わせの場合であれ、送信アンテナ数の和はN
Tと一定に維持されるという点である。このような場合を、通常、MIMO MAC(Multiple Access Channel)という。アップリンクとダウンリンクは互いに対称関係にあるため、いずれか一方で用いられた手法は、いずれか他方でも用いることができる。
【0083】
ランクの他の定義は、行列を固有値分解(Eigen value decomposition)した時に、0以外の固有値の個数と定義できる。同様に、ランクのさらに他の定義は、特異値分解(singular value decomposition)した時に、0以外の特異値の個数と定義できる。したがって、チャネル行列においてランクの物理的な意味は、与えられたチャネルで互いに異なる情報を送ることができる最大数といえる
【0084】
MIMO伝送において、「ランク(Rank)」とは、独立して信号を伝送できる経路の数のことを指し、「レイヤー(layer)の個数」とは、各経路を通じて伝送される信号ストリームの個数のことを指す。一般に、送信端は、信号伝送に用いられるランク数に対応する個数のレイヤーを伝送するから、特別な言及がない限り、ランクはレイヤーの個数と同じ意味を有する。
【0085】
次に、プリコーディング行列の特性について説明する。まず、プリコーディング行列を考慮しないチャネル行列は、下記のように表現することができる。
【0087】
一般に、MMSE(Minimum Mean Square error)受信機が与えられる場合に、ρ
k(k番目に受信されたSINR(Signal to Interference plus Noise Ratio))は、下記のように定義できる。
【0091】
したがって、MMSE受信機が用いられると仮定する場合に、ρ
kは、下記のように定義できる。
【0098】
数学式17及び18で、2個の列ベクトルがパーミュテーションされる場合にも、受信されたSINR値そのものは、順序(order)以外は変更されず、チャネル容量(capacity)/和(sum)の割合(rate)は一定になりうる。数学式14及び15についても、パーミュテーションされた有効チャネル及びρ
kは、下記のように獲得できる。
【0101】
数学式20で、干渉及び雑音の部分は、下記のように表現することができる。
【0109】
数学式24の結果のように、プリコーディング行列の特定の列ベクトルにe
-jθを乗算することは、受信されたSINR及びチャネル容量/和の割合に影響を及ぼさないことが確認できる。
【0110】
一方、MIMOシステムでは、様々なMIMO伝送手法(伝送モード)が存在する。MIMOシステムの運営(operation)のために用いられる多重アンテナ送受信手法(scheme)には、FSTD(frequency switched transmit diversity)、SFBC(Space Frequency Block Code)、STBC(Space Time Block Code)、CDD(Cyclic Delay Diversity)、TSTD(time switched transmit diversity)などがある。ランク2以上では、空間多重化(Spatial Multiplexing;SM)、GCDD(Generalized Cyclic Delay Diversity)、S−VAP(Selective Virtual Antenna Permutation)などを用いることができる。
【0111】
FSTDは、各多重アンテナに伝送される信号ごとに異なる周波数の副搬送波を割り当てることによって、ダイバーシティ利得を得る方式である。SFBCは、空間領域と周波数領域での選択性を効率的に適用することで、該当の次元におけるダイバーシティ利得と多重ユーザスケジューリング利得の両方を確保できる手法である。STBCは、空間領域と時間領域で選択性を適用する手法である。CDDは、各送信アンテナ間の経路遅延を用いてダイバーシティ利得を得る手法である。TSTDは、多重アンテナに伝送される信号を時間で区分する手法である。空間多重化は、アンテナ別に異なるデータを伝送して伝送率を高める手法である。GCDDは、時間領域と周波数領域で選択性を適用する手法である。S−VAPは、単一プリコーディング行列を用いる手法で、空間ダイバーシティまたは空間多重化において、多重コードワードをアンテナ間に混ぜるMCW(Multi Codeword)S−VAP、及び単一コードワードを用いるSCW(Single Codeword)S−VAPがある。
【0112】
前述のような様々なMIMO伝送手法(MIMO伝送モード)に応じて様々な形態のスケジューリングシグナリング(PDCCH DCIフォーマット)を用いることができる。すなわち、スケジューリングシグナリングは、様々なMIMO伝送モード別に異なる形態にしてもよく、端末は、スケジューリングシグナリングによってMIMO伝送モードを決定することができる。
【0113】
一方、MIMOシステムには、受信端からのフィードバック情報を用いない開ループ(open−loop)方式(またはチャネル−独立(channel−independent)方式)と、受信端からのフィードバック情報を用いる閉ループ(closed−loop)方式(またはチャネル−依存(channel−dependent)方式)がある。閉ループ方式は、受信端がチャネル状態に関するフィードバック情報を送信端に伝送し、この情報から送信端がチャネル状態を把握できるようにすることで、無線通信システムの性能を向上させることができる。閉ループMIMOシステムは、送信端が、受信端から伝送されたチャネル環境に関するフィードバック情報を用いて伝送データに所定の処理をし、チャネルの影響を最小化させるプリコーディング(precoding)手法を用いる。プリコーディング手法には、コードブックベースのプリコーディング(codebook based precoding)方式と、チャネル情報を量子化(quantization)してフィードバックするプリコーディング方式とがある。
OFDM及びSC−FDMA方式によるMIMOシステム
【0114】
一般に、OFDM方式またはSC−FDMA方式によるMIMOシステムにおいて、データ信号は伝送シンボル内で複雑なマッピング関係を経ることとなる。まず、データは、コードワードに分けられる。大部分の場合に、コードワードは、MAC層により与えられる伝送ブロックに対応する。それぞれのコードワードは、ターボコードまたはテール−バイティング畳み込み(convolution)コードのようなチャネルコーダを用いて別々にエンコーディングされる。エンコーディングされたコードワードは、適切な大きさにレートマッチングされ、レイヤーにマッピングされる。SC−FDMA伝送において、DFT(Discrete Fourier Transform)プリコーディングがそれぞれのレイヤーに対して行われ、OFDM伝送においてはDFT変換が適用されない。それぞれのレイヤーにおいて、DFT変換された信号にプリコーディングベクトル/行列がかけられ、伝送アンテナポートにマッピングされる。伝送アンテナポートはアンテナ仮想化(virtualization)のような方式により再び物理アンテナにマッピングされてもよい。
【0115】
図6は、SC−FDMA及びOFDMAの一般的なシステム構造を示す図である。
図6で、NはMよりも小さい。S−to−Pは、直列(serial)信号を並列(parallel)信号に変換することを意味し、P−to−Sは、並列信号を直列信号に変換することを意味する。
図6に示すように、SC−FDMAシステムの送信端では、入力される情報シンボルを、直列−並列変換(611)、N−ポイントDFT(612)、副搬送波マッピング(613)、M−ポイントIDFT(Inverse DFT)(614)、並列−直列変換(615)、CP付加(616)及びデジタル−アナログ変換(617)を経てチャネルを通じて信号として伝送することができる。SC−FDMAシステムの受信端では、チャネルを通じて受信した信号を、アナログ−デジタル変換(621)、CP除去(622)、直列−並列変換(623)、M−ポイントDFT(624)、副搬送波デマッピング/等化(625)、N−ポイントIDFT(626)、並列−直列変換(627)及び検出(628)を経て情報シンボルとして復元することができる。一方、OFDMAシステムでは、SC−FDMAシステムの送信端に比べて、N−ポイントDFT(612)及び並列−直列変換(615)が省かれ、かつCP付加(616)と共に並列−直列変換が行われ、SC−FDMAシステムの受信端に比べては、直列−並列変換(623)及びN−ポイントIDFT(626)が省かれる。
【0116】
一般に、SC−FDMA伝送信号のような単一搬送波信号のCM(Cubic Metric)またはPAPR(peak power to average power ratio)は、多重搬送波信号のそれに比べて遥かに低い。CM及びPAPRは、送信機の電力増幅器(Power Amplifier;PA)が支援すべき動的範囲と関連している。同じPAを用いる場合に、他の形態の信号に比べて低いCMまたはPAPRを有する伝送信号は、高い伝送電力で伝送されることがある。言い換えると、PAの最大電力が固定された場合に、送信機が、高いCMまたはPAPRの信号を伝送するためには、低いCMまたはPAPRの信号に比べて伝送電力を多少低くしなければならない。単一搬送波信号が多重搬送波信号に比べて低いCMまたはPAPRを有する理由は、多重搬送波信号では、複数個の信号が重なって信号に共通−位相(co−phase)が付加されることがあるからである。そのため、信号の振幅(amplitude)が大きくなり、OFDMシステムは、大きいPAPRまたはCM値を有することがある。
【0117】
伝送信号(y)が単に一つの情報シンボル(x
1)のみからなる場合に、この信号は、y=x
1のような単一搬送波信号と見なすことができる。しかし、伝送信号(y)が複数個の情報シンボル(x
1,x
2,x
3,…,x
N)からなる場合に、この信号は、y=x
1+x
2+x
3+…+x
Nのような多重−搬送波信号と見なすことができる。PAPRまたはCMは、伝送信号波形においてコヒーレント(coherent)に共に合算される情報シンボルの個数に比例するが、一定の個数の情報シンボルに至ると、その値は飽和(saturate)する傾向がある。そのため、信号波形が小さい個数の単一搬送波信号の合算によって生成される場合には、CMまたはPAPRは、多重搬送波信号に比べては遥かに小さい値を有するが、純粋な単一搬送波信号に比べてはやや高い値を有する。
【0118】
図7は、LTEリリース−8(release−8)システムのアップリンクSC−FDMAに対するシステム構造を示す図である。LTEリリース−8システムにおいて、アップリンクSC−FDMAに対するシステム構造は、
図7に示すように、スクランブリング(710)、変調マッパー(720)、変換プリコーダ(730)、リソース要素マッパー(740)及びSC−FDMA信号生成(750)の順にすることができる。
図7に示すように、変換プリコーダ(730)は、
図6におけるN−ポイントDFT(612)に対応し、リソース要素マッパー(740)は、
図6における副搬送波マッピング(613)に対応し、SC−FDMA信号生成(750)は、
図6におけるM−ポイントIDFT(614)、並列−直列変換(615)及びCP付加(616)に対応する。
【0119】
図8は、LTEリリース−8システムにおいてアップリンクSC−FDMAに対する伝送フレーム構造を示す図である。基本的な伝送単位は1サブフレームとする。1サブフレームは2個のスロットで構成され、1スロットに含まれるSC−FDMAシンボルの個数は、CP構成(例えば、一般CPまたは拡張されたCP)によって7または6になる。
図8では、1スロットに7個のSC−FDMAシンボルが存在する一般CPの場合を例示する。それぞれのスロットで少なくとも一つの参照信号(Reference Signal;RS)SC−FDMAシンボルが存在し、このシンボルはデータ伝送のためには用いられない。1 SC−FDMAシンボル内で複数個の副搬送波が存在する。リソース要素(RE)は、1副搬送波にマッピングされる複素(complex)情報シンボルである。DFT変換プリコーディングが用いられる場合に、SC−FDMAではDFT変換大きさ及び伝送に用いられる副搬送波の個数が同一であるため、REは、一つのDFT変換インデックスにマッピングされる一つの情報シンボルに該当する。
【0120】
LTE−Aシステムでは、アップリンク伝送のために最大4個のレイヤーの空間多重化を考慮している。アップリンク単一ユーザ空間多重化の場合に、アップリンク構成搬送波(component carrier)ごとに一つのサブフレームで最大2個の伝送ブロックをスケジューリングされた端末から伝送することができる。ここで、構成搬送波は、物理的に複数個の搬送波をまとめることで論理的に大きい帯域を用いるような効果を得るための搬送波併合(carrier aggregation)技術において、併合される単位の搬送波を意味する。伝送レイヤーの個数によってそれぞれの伝送ブロックに関連している変調シンボルを1または2個のレイヤー上にマッピングすることができる。伝送ブロック及びレイヤーのマッピング関係は、LTEリリース−8ダウンリンク空間多重化における伝送ブロック及びレイヤーのマッピング原理と同じ原理を用いることができる。空間多重化を用いる場合、用いない場合の両方に対して、DFTプリコーディングされたOFDM方式を、アップリンクデータ伝送の多重アクセス手法に用いることができる。多重構成搬送波の場合に、構成搬送波ごとに一つのDFTを適用することができる。特に、LTE−Aシステムでは、周波数−連続的(frequency−contiguous)及び周波数−非連続的(frequency−non−contiguous)リソース割当をそれぞれの構成搬送波に対して支援することができる。
【0121】
図9は、SC−FDMA伝送に基づくMIMOシステムに対するデータ信号マッピング関係を示す図である。SC−FDMAシステムは、伝送される信号を特定ランクに対応する個数のレイヤーにマッピングするレイヤーマッパー、所定個数のレイヤー信号のそれぞれにDFT拡散を行う所定個数のDFTモジュール、及びメモリーに記憶されているコードブックからプリコーディング行列を選択して、伝送信号にプリコーディングを行うプリコーダを備えることができる。
図9の例示で、コードワードの個数がN
Cで、レイヤーの個数がN
Lの場合に、N
C個またはN
Cの整数倍の個数の情報シンボルを、N
L個またはN
Lの整数倍の個数のレイヤーにマッピングすることができる。SC−FDMAに対するDFT変換プリコーディングは、レイヤーの大きさを変更しない。レイヤーにプリコーディングが行われる場合に、情報シンボルの個数は、N
T×N
L大きさの行列をかけることによって、N
LからN
Tに変更される。一般に、空間多重化されるデータの伝送ランクは、与えられた伝送時点でデータを運ぶレイヤーの個数(例えば、N
L)と同一である。
図9に示すように、SC−FDMA方式でアップリンク信号を伝送するためのDFTモジュールは、プリコーダの前段及びレイヤーマッパーの後段に配置される。そのため、レイヤー別にDFT拡散された信号がプリコーディングを経た後にIFFT逆拡散されて伝送され、よって、プリコーディングを除いてDFT拡散とIFFT逆拡散の影響が相殺される効果により、PAPRまたはCM特性を良好に維持することができる。
参照信号(Reference Signal;RS)
【0122】
無線通信システムでパケットを伝送する時に、パケットは無線チャネルを通じて伝送されるため、伝送過程で信号の歪が発生することがある。歪んだ信号を受信側で正しく受信するためには、チャネル情報を用いて受信信号の歪を補正しなければならない。チャネル情報を見つけるために、送信側と受信側の両方とも知っている信号を伝送し、該信号がチャネルを通じて受信される時における歪度合を用いてチャネル情報を見つける方法を主に用いる。この信号をパイロット信号(Pilot Signal)または参照信号(Reference Signal)という。
【0123】
多重アンテナを用いてデータを送受信する場合に、正しい信号を受信するためには、各送信アンテナと受信アンテナ間のチャネル状況を知らなければならない。そのためには、各送信アンテナ別に参照信号が存在する必要がある。
【0124】
ダウンリンク参照信号は、セル内の全ての端末が共有する共用参照信号(Common Reference Signal;CRS)と特定端末のための専用参照信号(Dedicated Reference Signal;DRS)とがある。これらの参照信号によりチャネル推定及び復調のための情報を提供することができる。
【0125】
受信側(端末)は、CRSからチャネルの状態を推定し、CQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Index)及び/またはRI(Rank Indicator)のようなチャネル品質と関連した指示子を、送信側(基地局)にフィードバックすることができる。CRSは、セル−特定(cell−specific)参照信号と呼ぶこともできる。
【0126】
一方、DRSは、PDSCH上のデータの復調が必要な場合に、該当のREを通じて伝送することができる。端末は、上位層からDRSが存在するか否かが指示され、該当のPDSCHがマッピングされている場合にのみ、DRSが有効であるという指示を受けることができる。DRSは、端末−特定(UE−specific)参照信号または復調用参照信号(Demodulation ReferenceSignal;DMRS)と呼ぶこともできる。
【0127】
図10は、既存の3GPP LTEシステム(例えば、リリース−8)で定義するCRS及びDRSがダウンリンクリソースブロック上にマッピングされるパターンを示す図である。参照信号のマッピングされる単位としてのダウンリンクリソースブロックは、時間上で1サブフレーム×周波数上で12副搬送波の単位と表現することができる。一般CPの場合に、1リソースブロックは時間上で14個のOFDMシンボル長を有する。
【0128】
図10には、基地局が4個の伝送アンテナを支援するシステムにおいて参照信号のリソースブロック上の位置を示している。
図10で、「0」、「1」、「2」及び「3」で表示されたリソース要素(RE)は、それぞれ、アンテナポートインデックス0、1、2及び3に対するCRSの位置を示す。一方、
図10で、「D」で表示されたリソース要素は、LTEリリース−8(またはリリース−9)で定義されるDRSの位置を示す。
【0129】
次に、CRSについて具体的に説明する。
【0130】
CRSは、物理アンテナ端のチャネルを推定するために用いられ、セル内に全ての端末(UE)が共通に受信できる参照信号であり、全帯域にわたって分布する。CRSは、チャネル状態情報(CSI)獲得及びデータ復調のために用いることができる。
【0131】
CRSは、送信側(基地局)のアンテナ構成によって様々な形態と定義される。3GPP LTE(例えば、リリース−8)システムは、様々なアンテナ構成(Antenna configuration)を支援し、ダウンリンク信号送信側(基地局)は、単一アンテナ、2伝送アンテナ、4伝送アンテナなどの3種類のアンテナ構成を有する。基地局が単一アンテナ伝送をする場合には、単一アンテナポートのための参照信号が配置される。基地局が2アンテナ伝送をする場合には、2個のアンテナポートのための参照信号が時間分割多重化(Time Division Multiplexing)及び/または周波数分割多重化(Frequency Division Multiplexing)方式で配置される。すなわち、2個のアンテナポートのための参照信号がそれぞれ異なる時間リソース及び/または異なる周波数リソースに配置され、互いに区別可能となる。また、基地局が4アンテナ伝送をする場合には、4個のアンテナポートのための参照信号がTDM/FDM方式で配置される。CRSを用いてダウンリンク信号受信側(端末)で推定されたチャネル情報は、単一アンテナ伝送(Single Antenna Transmission)、送信ダイバーシティ(Transmit diversity)、閉ループ空間多重化(Closed−loop Spatial multiplexing)、開ループ空間多重化(Open−loop Spatial multiplexing)、多重−ユーザ(Multi−User)MIMO(MU−MIMO)などの伝送手法で送信されたデータの復調のために用いることができる。
【0132】
多重アンテナを支援する場合に、あるアンテナポートで参照信号を伝送する時に、参照信号パターンに従って指定されたリソース要素(RE)位置に参照信号を伝送し、他のアンテナポートのために指定されたリソース要素(RE)位置にはいかなる信号も伝送しない。
【0133】
CRSがリソースブロック上にマッピングされる規則は、下記の数学式に従う。
【0136】
具体的に、CRSを用いたチャネル推定性能を高めるために、セル別にCRSの周波数領域上の位置をシフト(shift)させて異ならせることができる。例えば、参照信号が3副搬送波ごとに位置する場合に、あるセルは3kの副搬送波上に、他のセルは3k+1の副搬送波上に配置されるようにすることができる。一つのアンテナポートの観点で、参照信号は、周波数領域で6RE間隔(すなわち、6副搬送波間隔)で配置され、他のアンテナポートのための参照信号が配置されるREとは周波数領域で3RE間隔を維持する。
【0137】
また、CRSに対して電力ブースティング(power boosting)を適用することができる。電力ブースティングとは、一つのOFDMシンボルのリソース要素(RE)のうち、参照信号のために割り当てられたRE以外のREの電力を借用して、参照信号をより高い電力で伝送することを意味する。
【0138】
時間領域で参照信号位置は各スロットのシンボルインデックス(l)0を開始点として一定の間隔で配置される。時間間隔はCP長によって異なるように定義される。一般CPの場合に、スロットのシンボルインデックス0及び4に位置し、拡張されたCPの場合には、スロットのシンボルインデックス0及び3に位置する。一つのOFDMシンボルには最大2個のアンテナポートの参照信号のみ定義される。したがって、4伝送アンテナ伝送時に、アンテナポート0及び1のための参照信号は、スロットのシンボルインデックス0及び4(拡張されたCPの場合はシンボルインデックス0及び3)に位置し、アンテナポート2及び3のための参照信号は、スロットのシンボルインデックス1に位置する。ただし、アンテナポート2及び3のための参照信号の周波数位置は、2番目のスロットでは互いに取り替えられる。
【0139】
既存の3GPP LTE(例えば、リリース−8)システムよりも高いスペクトル効率性(Spectral Efficiency)を支援するために、拡張されたアンテナ構成を有するシステム(例えば、LTE−Aシステム)を設計することができる。拡張されたアンテナ構成は、例えば、8個の伝送アンテナ構成でよい。このような拡張されたアンテナ構成を有するシステムでは、既存のアンテナ構成で動作する端末を支援、すなわち、後方互換性(backward compatibility)を支援する必要がある。そのため、既存のアンテナ構成による参照信号パターンを支援し、追加的なアンテナ構成に対する新しい参照信号パターンを設計する必要がある。ここで、既存のアンテナ構成を持つシステムに新しいアンテナポートのためのCRSを追加すると、参照信号オーバーヘッドが急増し、データ伝送率が低下することにつながる。このような事項を考慮して、新しいアンテナポートのためのチャネル状態情報(CSI)測定のための新しい参照信号(CSI−RS)を設計する必要があり、その具体的な方案については、DRSの説明後に述べる。
【0140】
以下では、DRSについて具体的に説明する。
【0141】
DRS(または、端末−特定参照信号)は、データ復調のために用いられる参照信号で、多重アンテナ伝送をする時に特定端末に用いられるプリコーディング重み値を参照信号にもそのまま用いることによって、端末が参照信号を受信した時に、各送信アンテナから伝送されるプリコーディング重み値及び伝送チャネルが結合した均等チャネル(Equivalent channel)を推定できるようにする。
【0142】
既存の3GPP LTEシステム(例えば、リリース−8)は、最大4送信アンテナ伝送を支援し、ランク1ビームフォーミングのためのDRSが定義されている。ランク1ビームフォーミングのためのDRSは、アンテナポートインデックス5に対する参照信号と表示することもできる。DRSがリソースブロック上にマッピングされる規則は、下記の数学式26及び27に従う。数学式26は、一般CPの場合であり、数学式27は、拡張されたCPの場合である。
【0146】
一方、3GPP LTEの進展であるLTE−A(Advanced)システムでは、高い次数(order)のMIMO、多重−セル伝送、発展したMU−MIMOなどが考慮されているが、効率的な参照信号の運用と発展した伝送方式を支援するために、DMRSベースのデータ復調を考慮している。すなわち、既存の3GPP LTE(例えば、リリース−8)で定義するランク1ビームフォーミングのためのDMRS(アンテナポートインデックス5)とは別途に、追加されたアンテナを通じたデータ伝送を支援するために、2以上のレイヤーに対するDMRSを定義することができる。DMRSはデータと同じプリコーダによってプリコーディングされるため、受信側は、別途のプリコーディング情報無しでデータを復調するためのチャネル情報を容易に推定することができる。
【0147】
最大ランク8伝送を支援するためのDMRSを無線リソース上に配置するに当たり、それぞれのレイヤーに対するDMRSを多重化して配置することができる。時間分割多重化(Time Division Multiplexing;TDM)は、2以上のレイヤーに対するDMRSを、互いに異なる時間リソース(例えば、OFDMシンボル)上に配置することを意味する。周波数分割多重化(Frequency Division Multiplexing;FDM)は、2以上のレイヤーに対するDMRSを、互いに異なる周波数リソース(例えば、副搬送波)上に配置することを意味する。コード分割多重化(Code Division Multiplexing;CDM)は、同じ無線リソース上に配置された2以上のレイヤーに対するDMRSを、直交シーケンス(または、直交カバリング)を用いて多重化することを意味する。
【0148】
図11は、最大ランク8伝送を支援するためのDMRSパターンの一例を示す図である。
図11で、制御領域(1サブフレームの先頭の1乃至3シンボル)は、PDCCHが伝送されうるREを表す。4伝送アンテナのためのCRSは、
図10で説明したアンテナポート「0」、「1」、「2」及び「3」に対するCRSが配置されるREを表し、V
shift値が0の場合を例示した。
【0149】
一般に、単一ユーザ−MIMO(SU−MIMO)伝送の場合に、データ伝送のために用いられるDMRSのアンテナポート(または仮想アンテナポート)の個数は、データ伝送の伝送ランクと同一である。この場合、DMRSアンテナポート(または仮想アンテナポート)には、1から8までの番号を付けることができ、最も低い「N」DMRSアンテナポートは、ランク「N」SU−MIMO伝送のために用いることができる。
【0150】
DMRSアンテナポート番号が
図11のように定められる場合に、単一伝送レイヤー内でDMRSの配置によってデータが伝送されないREの全体個数は、伝送ランクによって決定される。低いランク(例えば、ランク1または2)の場合に、DMRS伝送に用いられるRE個数は、1リソースブロックにおいて12でよい。高いランク(例えば、ランク3乃至8)の場合に、DMRS伝送に用いられるRE個数は、1リソースブロックにおいて24でよい。すなわち、
図11に示すように、ランク2の場合に、レイヤー1及び2に対するDMRSは12個のRE(
図11のレイヤー1、2、5、7に対するDMRS位置と表示されたRE)上で伝送され、ランク3の場合に、レイヤー1及び2に対するDMRSは、上記の12個のREで伝送され、レイヤー3に対するDMRSは追加的な12個のRE(
図11のレイヤー3、4、6、8に対するDMRS位置と表示されたRE)上で伝送されることが可能である。それぞれのレイヤーに対するDMRSが配置されるREの位置は例示的なもので、これに限定されるものではない。
CSI−RSパターン
【0151】
本発明では、前述したCRS及びDMRS位置を考慮して、CSI−RSを無線リソース上で配置(多重化)する新しい方法を提案する。CSI−RSは、前述したように、基地局により伝送され、端末でチャネル状態情報を推定するために用いることができる。CSI−RSにより測定されるチャネル状態情報は、プリコーディング情報(例えば、プリコーディング行列インデックス(PMI))、選好される伝送レイヤーの個数(例えば、ランク指示子(RI))、選好される変調及びコーディング手法(Modulation and Coding Scheme;MCS)(例えば、チャネル品質指示子(CQI))などを含むことができる。
【0152】
CRSは、既存のLTEシステムに基づいて動作する端末(レガシー(legacy)端末)の正しい動作のために必要であり、DMRSは、拡張されたアンテナ構成に対するデータ復調を容易にするために必要である。したがって、CSI−RSを通じたダウンリンク受信側の効率的なチャネル情報獲得を支援するために、無線リソース上でCRSとDMRSの配置を考慮して、できるだけ多数のCSI−RSが伝送されるようにCSI−RSパターン(リソースブロック上での位置)を決定することが必要である。これは、隣接セルからのCSI−RSとサービングセルからのCSI−RSが衝突することを防止(すなわち、異なる位置でCSI−RSを伝送)しないと、端末がサービングセルと端末間のチャネルを正しく推定できないためである。したがって、多数のセルが区別して使用できるCSI−RSパターンの個数が多いほど、CSI−RSを通じたチャネル推定性能の向上を保障することができる。
【0153】
本発明では、CSI−RSアンテナポートのグループにより用いられるREをグループ化し、CSI−RS REグループが、周波数領域で使用可能な連続するREで構成されることを提案する。このように周波数領域で連続するREでCSI−RSグループを構成することは、SFBC(Space−Frequency Block Coding)及びSFBC−FSTD(Frequency selective Transmit Diversity)のような送信ダイバーシティ伝送手法のための基本伝送ブロック(base transmission block)が、CSI−RSの配置によって崩れることを防ぐためである。具体的に、CSI−RSが伝送されるREではデータを伝送することができず、よって、送信ダイバーシティのための基本伝送ブロック上でデータが伝送される場合に、基本伝送ブロックの一部でのみCSI−RSが配置されると、データ伝送の送信ダイバーシティRE対(pair)が崩れる問題が起きるためである。
【0154】
ここで、使用可能なREとは、ダウンリンクリソースブロック(時間領域で1サブフレーム(12または14 OFDMシンボル)×周波数領域で1リソースブロック(12副搬送波))から制御領域(ダウンリンクサブフレームの先頭の1乃至3 OFDMシンボル)を除外したデータ領域において、CRS及びDMRSを含まないREを意味する。すなわち、CSI−RSが配置されうる使用可能なREは、
図11で、何も割り当てられていないREに該当する。
【0155】
CSI−RS REグループの一例は、
図12乃至
図16の通りである。
【0156】
図12では、CSI−RS REグループが、2個の連続する副搬送波上で設定される例を示す。
図12の例示では、CSI−RS REグループが、CRS及びDMRSの配置されたRE以外に定義されることがわかる。
【0157】
図13では、CSI−RS REグループが、4個の連続する副搬送波上で設定される例を示す。
図13の例示で、あるCSI−RS REグループは、5個の副搬送波にわたって設定されたかのように見えることもあるが、当該CSI−RS REグループにおいてCRSの配置されたREではCSI−RSが伝送されないので、結局のところ、4RE大きさのCSI−RS REグループが設定されることがわかる。
【0158】
図14では、CSI−RS REグループが、2個の連続する副搬送波上で設定される例を示す。
図14の例示では、CSI−RS REグループが、CRSの配置されたOFDMシンボル上には定義されないことがわかる。
【0159】
図15では、CSI−RS REグループが、4個の連続する副搬送波上で設定される例を示す。
図15の例示では、CSI−RS REグループが、CRS及びDMRSの配置されたOFDMシンボル上には定義されないことがわかる。
【0160】
図16では、CSI−RS REグループが、4個の連続する副搬送波上で設定される例を示す。
図16の例示で、CRS RE位置ではCSI−RSが伝送されないことに留意されたい。また、
図16の例示では、CSI−RS REグループが、DMRSの配置されたOFDMシンボル上には定義されないことがわかる。
【0161】
図12乃至16で例示したようなCSI−RS REグループは、単一セルがCSI−RSアンテナポートのグループを伝送するために用いる。例えば、一つのセルが全体2個のCSI−RSアンテナポート伝送をする場合に、CSI−RS REグループ大きさが2であれば、2個のCSI−RSアンテナポートに対するCSI−RS REを一つのCSI−RS REグループ内にマッピングすることができる。または、一つのセルが全体4個のCSI−RSアンテナポート伝送をする場合に、CSI−RS REグループ大きさが4REであれば、4個のCSI−RSアンテナポートに対するCSI−RS REを一つのCSI−RS REグループ内にマッピングすることができる。または、一つのセルが8個のCSI−RSアンテナポート伝送を支援する場合に、CSI−RS REグループ大きさが4REであれば、8個のCSI−RSアンテナポートに対するCSI−RS REは2個のCSI−RS REグループにマッピングすることができる。この時、2個のCSI−RS REグループを互いに隣接するように配置する必要はなく、該当のリソースブロック内の任意のCSI−RS REグループに配置すればよい。
【0162】
単純なチャネル推定具現において、CSI−RS REパターンを(少なくとも、プライマリ放送チャネル(Primary Broadcast Channel)、プライマリ同期化チャネル(Primary Synchronization Channel)及びセカンダリ同期化チャネル(Secondary Synchronization Channel)を含まないサブフレームで)全体帯域幅にわたって同一に構成することができる。CSI−RSアンテナポートのできるだけ少ない個数のCSI−RSグループ内でマッピングすることは、セルが、ある基地局に対する送信ダイバーシティ伝送手法を支援しようとする場合に特に重要である。CSI−RS REが複数個のCSI−RSグループに分散される場合に、送信ダイバーシティ伝送手法のための複数個のSFBC時間−空間コーディングされたRE対(pair)が崩れることがあるからである。これは、SFBC及びSFBC−FSTD送信ダイバーシティ伝送手法が、空間−周波数コーディング及び/またはアンテナ選択的/周波数選択的ダイバーシティが適用される基本REブロック(base RE block)を有するからである。CSI−RSを特定REで伝送すると、ダイバーシティ基本ブロックをき損し、送信ダイバーシティ伝送手法の性能を低下させることにつながることもある。
【0163】
本発明で提案するCSI−RS REグループの実施例のうち、
図12、
図14及び
図16に示すCSI−RS REグループの実施例は、一つのCSI−RS REグループ内でマッピングされるいかなるCSI−RS REも、一つ以上のSFBC RE対をき損しないという点で、他の実施例に比べてより好適である。しかし、本発明で、
図13及び
図15で定義するCSI−RS REグループを排除するというわけではない。
【0164】
図17に示すように、CRSまたはDMRSを含まないOFDMシンボルにおいて、一つのリソースブロックでCSI−RS REグループ(それぞれのグループに4個のREを含む)を、4個の連続するREと定義することもできる。これらCSI−RS REグループは重なり合う(overlap)ことがないという点に留意されたい。CSI−RS REグループは、送信ダイバーシティが適用される基本REグループと同一である。それぞれのCSI−RS REグループが2個のREのみを有する場合には、CSI−RS REグループを、2個の連続するREと定義することができる。
【0165】
図18に示すように、CSI−RS REグループが4個のREで構成される場合に、DMRS REと同じOFDMシンボル上に位置するCSI−RS REグループが必ずしも、一つの送信ダイバーシティ基本REグループに属する連続した4個の使用可能なREで構成されるわけではない。このような場合に、DMRS REと同じOFDMシンボルに位置するCSI−RS REグループを、2個のREからなる2個の集合で定義することができ、それぞれの集合は、互いに異なる送信ダイバーシティREグループに属する2個の連続するREで構成することができる。
図18で、一つの太い実線の四角形グループは、2個のREで構成される集合を示し、2個の太い実線の四角形グループが、一つのCSI−RS REグループを構成する。このような方式のCSI−RS REグループに対する定義は、4個のREで構成されるCSI−RS REグループが2個のRE集合を定義し、これらの2個のRE集合にわたってアラマティ(Alamouti)−コーディング(SFBC)及びアンテナ/周波数選択的ダイバーシティが用いられるようにする。これは、4個の連続したRE(一つの太い点線の四角形グループと一つの太い実線の四角形グループとからなる4個の連続したRE、
図18では、4個の連続したREで構成される送信ダイバーシティ基本ブロックが2個示されている。)のうち、前の2個のRE(例えば、太い点線の四角形グループ)が、SFBCを用いてコーディングされる共通アンテナポート0及び2にマッピングされ、後の2個のRE(例えば、太い実線の四角形グループ)が、SFBCを用いてコーディングされる共通アンテナポート1及び3にマッピングされるからである。すなわち、4個の連続したREで構成される送信ダイバーシティ基本ブロックにおいて前の2個のREでCSI−RS REがマッピングされると、当該前の2個のREを共通アンテナポート0及び2のために用いることができず、同様に、後の2個のREでCSI−RS REがマッピングされると、当該後の2個のREを共通アンテナポート1及び3のために用いることができない。そのため、一つの送信ダイバーシティ基本ブロック(最初の4個の連続したRE)では後の2個のREを取り、他の送信ダイバーシティ基本ブロック(その次の4個の連続したRE)では前の2個のREを取ると、4個のREにより仮想(virtual)送信ダイバーシティ基本ブロックを構成することができる。DMRSを含むOFDMシンボルにおけるCSI−RS REグループの定義は、このような特定タイプのCSI−RS REグループにCSI−RS REをマッピングする場合に、全ての共通アンテナポート(0,1,2,3)のパンクチャリングを効率よくバランスさせることができるという点で重要である。ここで、パンクチャリングとは、特定RE上でCSI−RSが伝送される場合に、当該REを共通アンテナポートのために用いることができないということを意味する。
【0166】
図19に示すように、CSI−RS REグループが4個のREで構成される場合に、CRS REと同じOFDMシンボル上に位置するCSI−RS REグループが必ずしも、一つの送信ダイバーシティ基本REグループに属する連続した4個の使用可能なREで構成されるわけではない。CRSを含むOFDMシンボル上でCSI−RS REグループは、
図19のように概念的に構成されてもよく、このようなCSI−RS REグループの構成によれば、共通アンテナポートに対するパンクチャリングを効率よくバランスさせることができる。
【0167】
図20に示すように、CSI−RS REグループにマッピングされるCSI−RSアンテナポートREは、それぞれのCSI−RS伝送サブフレーム内でホッピング(変更または無作為化)してもよい。
図20で、「1」、「2」、「3」及び「4」はそれぞれ、CSI−RSアンテナポート0、1、2及び3のために用いられるREを示す。
【0168】
このようなホッピングは様々な方式で行うことができる。
【0169】
その一つの方法として、それぞれの伝送サブフレームでCSI−RS REグループの時間及び周波数シフトを定義することができる。CSI−RS REグループホッピングパターンは、1個の無線フレーム(10サブフレーム)またはN個の無線フレーム(10×Nサブフレーム、N≧2)で1回反復することができる。Nは、例えば4でよく、4個の無線フレームは、プライマリ放送チャネルが伝送される周期に対応する。
【0170】
他の方法として、仮想CSI−RSグループインデックスを定義し、仮想CSI−RSグループインデックスを物理CSI−RSグループインデックスにマッピングするホッピング(無作為化またはパーミュテーション)マッピング関数を定義することができる(
図21参照)。このようなマッピング関数において、循環仮想インデックスシフティング(cyclic virtual index shifting)、サブブロックインターリーバ(subblock interleaver)、またはQPP(Quadratic Permutation Polynomial)インターリーバなどを用いることができる。
【0171】
循環仮想インデックスシフティング方法は、CSI−RSグループを仮想インデックスにマッピングする方法である。循環仮想インデックスシフティングと関連して、端末が協力多重−ポイント(Cooperative Multi−Point;CoMP)伝送方式によって動作する場合を考慮することができる。CoMP伝送方式は、多重−セル環境で適用可能な改善されたMIMO伝送方式のことで、セル間干渉(Inter−Cell Interference)を減らすことができ、セル境界にいるユーザの処理量を改善することでシステムの全体的な性能を向上させることができる方式であり、ジョイントプロセシング(Joint Processing)協力ビームフォーミング(Cooperative Beamforming)などの手法を適用することができる。CoMP伝送方式において多重−セルの協力によりデータを受信する端末は、多重−セルから端末へのチャネルに関するチャネル情報を、当該多重−セル(CoMP伝送クラスター(cluster))に属するそれぞれのセルに伝送することができる。仮想インデックスは、一つのCoMP伝送クラスターに属するセル同士間で重ならないように設定されるとよい。異なるCoMPクラスターに属するセルは同一の仮想インデックスを用いることができるが、それぞれのCoMPクラスターは仮想インデックスを物理インデックスにマッピングさせる時にインデックスを循環シフトさせることができる。これにより、一つのCoMPクラスター内で直交(orthogonal)するCSI−RS REグループマッピングが可能になる。また、異なるCoMPクラスター間には基本的に非−直交(non−orthogonal)するCSI−RS REグループマッピングが可能であり、仮想インデックスの循環シフティングにより、異なるCoMPクラスター間に異なるCSI−RS REグループをマッピングすることが可能である。
【0172】
次に、セル間にCSI−RS REグループマッピングを無作為化するためにブロックインターリーバを用いることができる。CSI−RS REグループインデックスはv
k(k=1,2,…,L)と定義でき、Lは、インターリーバ入力大きさである。ブロックインターリーバは行列で構成され、入力情報は行単位(row by row)でインターリーバに記録し、出力情報は列単位(column by column)でインターリーバから読み込むことができる。すなわち、インターリーバに情報を記録する時には、一つの行において列番号を増加させながら記録し、一つの行が埋められると次の行に移る方式で記録し、インターリーバから情報を読み込む時には、一つの列において行番号を増加させながら読み込み、一つの列を読み切ると、次の列に移る方式で読み込んでいく。ブロックインターリーバを構成する行列の列はパーミュテーションされてもよい。または、ブロックインターリーバは、列単位で記録し、行単位で読み込む方式にしてもよい。
【0173】
前述のようなブロックインターリーバを用いて、CSI−RSグループインデックスを有効に無作為化することができる。下記の数学式は、CSI−RSグループインデックスが行単位で入力されるブロックインターリーバ行列の一例を示す。
【0175】
数学式28で、Mは、L≦MNを満たす最大の整数である。MN>Lの場合に、N
D=MN−Lと定義することができ、v
L+j=[NULL](j=1,2,…,N
D)である。すなわち、CSI−RSグループインデックスの個数(L)がブロックインターリーバ行列の大きさに正確に合わない場合には、インターリーバの大きさ(MN)からCSI−RSグループインデックスの個数(L)を引いた個数(N
D)の要素には、ヌル([NULL])値を詰める(padding)ことができる。ヌル値は、ブロックインターリーバから出力される時には無視される。すなわち、ヌル値を除いてCSI−RSグループインデックスをインターリーバから読み込むこととなる。ブロックインターリーバの列パーミュテーションは、下記のように定義することができる。
【0177】
数学式29によって列パーミュテーションされた行列を、下記のように表現することができる。
【0179】
ブロックインターリーバ出力は列単位で読み込むことができる。数学式30で、出力は、1番目の列のv
π(1)から始め、出力インデックスシーケンスは、{v
π(1)+N,…,v
π(1)+(M-1)N,v
π(2),…,v
π(N)+MN}になりうる。もしヌル値が存在すると、前述したように、ヌル値は無視して読み込めばよい。
【0180】
互いに異なるCoMPクラスターは、互いに異なる列パーミュテーションを使用したり、インターリーバ行列にCSI−RSグループインデックスをマッピングする前に、互いに異なる循環シフト値を適用したりできる。これにより、互いに異なるCoMPクラスターに対して異なるCSI−RSグループインデックス無作為化が適用可能になる。
【0181】
図22は、8伝送アンテナの場合におけるCSI−RS REグループの一例を示す図である。8伝送アンテナの場合には、8個のCSI−RSが端末に伝送される必要がある。そのため、この実施例では、セルで一般CPサブフレームを構成する時に4個のSFBCエンコーディングされたRE対を有するCSI−RS REグループを提案する。一つのCSI−RS REグループは、2個のRE集合で構成され、一つのRE集合は、2個のRE対(すなわち、4個のRE)で構成されると定義することができる。すなわち、一つのRE集合内で4個のREが時間及び周波数領域で連続しており(
図22の太い実線の正方形が一つのRE集合に該当する)、2個のRE集合は周波数領域において4副搬送波間隔で離れている形態を有することができる。これにより、送信端の観点で、DMRSを含むOFDMシンボルと、CRSまたはDMRSを含まないOFDMシンボルにおいて同一のCSI−RS REグループパターンを用いることができる。
図22の太い点線で表示されるRE位置は、
図18の説明と同様に、送信ダイバーシティ基本ブロックで共通アンテナポートのパンクチャリングを効果的にバランスさせることを考慮したものである。
【0182】
また、この実施例では、このようなCSI−RS REグループをセルごとに時間シフト、周波数シフト、または時間及び周波数シフトすることを提案する。すなわち、一つのセルで用いられるCSI−RS REグループパターンを、他のセルでは時間及び/または周波数シフトされたパターンとして用いることができる。
【0183】
また、それぞれのセルは、毎伝送時点ごとにCSI−RS REグループ位置の候補においてCSI−RS伝送をホッピングすることができる。CSI−RS REグループ位置の候補の例示は、
図23に示す通りである。すなわち、
図23で、1番と表示された2個の太い実線の正方形が、CSI−RS REグループ位置の一つの候補位置を表し、同様に、2番、3番、4番、5番と表示された2個の太い実線の正方形が、CSI−RS REグループ位置の一つの候補位置を表す。例えば、一つのリソースブロック(時間領域で14 OFDMシンボル×周波数領域で12副搬送波)において、1番と表示されたCSI−RS REグループ位置は、6番目及び7番目OFDMシンボルにおいて3番目、4番目、9番目及び10番目の副搬送波位置に該当し、2番と表示されたCSI−RS REグループ位置は、10番目及び11番目のOFDMシンボルにおいて、1番目、2番目、7番目及び8番目の副搬送波位置に該当し、3番と表示されたCSI−RS REグループ位置は、10番目及び11番目のOFDMシンボルにおいて、3番目、4番目、9番目及び10番目の副搬送波位置に該当し、4番と表示されたCSI−RS REグループ位置は、10番目及び11番目のOFDMシンボルにおいて5番目、6番目、11番目及び12番目の副搬送波位置に該当し、5番と表示されたCSI−RS REグループ位置は、13番目及び14番目のOFDMシンボルにおいて3番目、4番目、9番目及び10番目の副搬送波位置に該当することができる。したがって、同時に5個のセルが互いに異なるCSI−RS REグループパターンを用いることができる。
【0184】
伝送アンテナの観点で、周波数領域では伝送電力を再割当(re−allocate)することが可能であるが、時間領域ではそうでない。言い換えると、全体伝送電力が制限されている場合に、一つのOFDMシンボルの特定REは、当該OFDMシンボル内の他のREから電力を借りて電力ブースティング(power boosting)することができる。異なるアンテナポートに対するCSI−RSが多重化及び直交化される場合に、CSI−RSごとに異なる電力ブースティングが適用される場合に直交性が崩れることを防止するために、それぞれのCSI−RSが他のREから同じ電力を借りて同一に電力ブースティングされるように、全てのCSI−RSは同一のOFDMシンボル上で伝送される必要がある。CSI−RS REグループが
図23のように定義される場合に、CSI−RSアンテナポートをマッピングする2つの方法を考慮することができる。この2つの方法の例示は、
図24(a)及び
図24(b)に示す通りである。
【0185】
図24(a)で、一つのリソースブロック内の2個の太い実線の正方形は、一つのCSI−RS REグループを表し、かつ、説明を明瞭性のために他のREは図示を省略した。
図24(a)で示す第一のマッピング方法によれば、CSI−RSマッピングはリソースブロック間に転換され、全てのCSI−RSアンテナポートが同一のOFDMシンボル上で効果的にマッピングされることが可能である。具体的に、奇数番目のリソースブロックインデックス上のCSI−RS REグループ内で、1番目のOFDMシンボルに4個のアンテナポートに対するCSI−RSがマッピングされ(例えば、1,2/3,4)、2番目のOFDMシンボルに残り4個のアンテナポートに対するCSI−RSがマッピングされる(例えば、5,6/7,8)。偶数番目のリソースブロックインデックス上のCSI−RSマッピングは、奇数番目のリソースブロックインデックスと時間領域で反対に適用され、CSI−RS挿入パターンがOFDMシンボル間にスワッピング(swapping)される。すなわち、偶数番目のリソースブロックインデックス上のCSI−RSグループ内で、1番目のOFDMシンボルに4個のアンテナポートに対するCSI−RSがマッピングされ(例えば、5,6/7,8)、2番目のOFDMシンボルに残り4個のアンテナポートに対するCSI−RSがマッピングされる(例えば、1,2/3,4)。これにより、一つのOFDMシンボルで(2個のリソースブロックにわたって)8個の伝送アンテナポートに対するCSI−RSがマッピングされることとなる。
図24(b)で、横軸は周波数領域を示し、縦軸はコードリソース領域を示す。
図24(b)では、2個のCSI−RS REグループ(一つのCSI−RS REグループは、2個の太い実線の正方形で構成される。)が示されているが、これは、それぞれのCSI−RS REグループが異なるコードリソースを用いることを説明するためのものであり、実際には、CSI−RS REグループが同一の時間/周波数位置に存在することに留意されたい。
図24(b)に示す第二のマッピング方法によれば、4個のCSI−RS(1,2/3,4)を周波数分割多重化(FDM)方式で一つのOFDMシンボル上に第1の直交コード({+1,+1})をかけて配置し、残り4個のCSI−RS(5,6/7,8)を、同一のOFDMシンボル及び副搬送波上に第2の直交コード({+1、−1})をかけて配置することができる。これにより、一つのリソースブロック内で同一のOFDMシンボル上で8個のアンテナポートに対するCSI−RSを伝送することができる。一つのOFDMシンボル上にCSI−RS伝送に利用可能なREは4個のみ存在するので、2セットのCSI−RSが時間拡散(time spread)された直交コードを用いることによってコード分割多重化(CDM)ができる。このように、直交コードが時間領域にわたってかけられる場合を、CDM−T方式の多重化ということができる。直交コードには、例えば、ウォルシュ−アダマール(Walsh−Hadamard)コードなどを用いることができる。これにより、CDM方式で多重化される4個のグループのREを生成し、これら4個のREグループのそれぞれで、それぞれのアンテナポートに対するCSI−RSをFDM方式で多重化することができる。
【0186】
図25乃至
図27は、4個のCSI−RSが単一セルから伝送される場合におけるCSI−RS多重化の一例を説明するための図である。4個のCSI−RS多重化は、8個のCSI−RS多重化の部分集合でよい。すなわち、8個のCSI−RS多重化のために、
図23で説明したように、8個のRE(2個の太い実線の正方形)を用いることができ、4個のCSI−RS多重化のためには、その部分集合(4個のRE)を用いることができる。例えば、4個のCSI−RSを、時間及び周波数領域で連続する4個のRE単位(
図25乃至
図27の一つの太い実線の正方形)にマッピングすることができる。4個のCSI−RSが多重化されるCSI−RS REグループは、SFBC対として利用可能な周波数領域で連続する2個のRE(SFBC RE対)の2個が時間領域で連続する形態と定義することができる。すなわち、時間/周波数領域で連続する4個のREのグループ(一つの太い実線の正方形)を、一つのCSI−RS REグループと定義することができる。これにより、
図26に示すように、10個のCSI−RS REグループパターンを定義でき、4CSI−RS伝送のために、10個のCSI−RS REグループパターンのうち一つのCSI−RS REグループを用いることができる。また、
図27(a)に示すように、CSI−RSマッピングは、奇数番目のリソースブロック及び偶数番目のリソースブロックにおいて時間領域でスワッピングされる方式でマッピングでき、これにより、2個のリソースブロックにわたって同一のOFDMシンボル上で4個のアンテナポートに対するCSI−RSを伝送することができ、電力再割当を十分に活用することができる。また、
図27(b)に示すように、CSI−RSマッピングは、一つのCSI−RS REグループ(太い実線の正方形)で2個のCSI−RSをFDM方式で多重化し、時間領域にわたって長さ2の直交コードリソース({+1,+1}及び{+1,−1})をかけることによって2個のCSI−RSをCDM−T方式で多重化し、一つのCSI−RS REグループで4 CSI−RSを全て多重化して伝送することができる。CSI−RS REグループの設定、CSI−RS REグループで複数個のCSI−RSの多重化に対する具体的な内容は、前述した他の実施例で説明した内容と同一原理で説明することができ、重複する内容は明瞭性のために説明を省略する。
【0187】
また、この実施例では、このようなCSI−RS REグループを、セルごとに時間シフト、周波数シフト、または時間及び周波数シフトすることを提案する。すなわち、一つのセルで用いられるCSI−RS REグループパターンを、他のセルで時間及び/または周波数シフトされたパターンとして用いることができる。また、それぞれのセルは、毎伝送時点ごとにCSI−RS REグループ位置の候補においてCSI−RS伝送をホッピングすることができる。CSI−RS REグループ位置の候補の例示は、
図26に示すように、10個のCSI−RS REグループ位置の候補が存在できる。したがって、同時に10個のセルが、互いに異なるCSI−RS REグループパターンを用いることができる。
【0188】
図28乃至
図30は、4個のCSI−RSが単一セルから伝送される場合におけるCSI−RS多重化の他の例を説明するための図である。4個のCSI−RS多重化は、8個のCSI−RS多重化の部分集合でよい。すなわち、8個のCSI−RS多重化のために、
図23で説明したように、8個のRE(2個の太い実線の正方形)を用いることができ、4個のCSI−RS多重化のためには、その部分集合(4個のRE)を用いることができる。例えば、
図28に示すように、4個のCSI−RSを、同一のOFDMシンボル上に存在する4個のCSI−RS REにマッピングすることがきる。4個のCSI−RS REは、SFBC対として利用可能な周波数領域で連続する2個のRE(SFBC RE対)の2個が、同一のOFDMシンボル上で4副搬送波だけ離れて配置される形態と定義することができる。このように定義される4個のCSI−RS REが、一つのCSI−RS REグループを構成することができる。これにより、
図29に示すように、13個のCSI−RS REグループパターンを定義でき、4 CSI−RS伝送のために、13個のCSI−RS REグループパターンのうち一つのCSI−RS REグループを用いることができる。また、
図30に示すように、一つのCSI−RS REグループ内で、4個のアンテナポートに対するCSI−RSを、FDM方式で多重化して伝送することができる。CSI−RS REグループの設定、CSI−RS REグループで複数個のCSI−RSの多重化に対する具体的な内容は、前述した他の実施例で説明した内容と同一原理で説明することができ、重複する内容は明瞭性のために説明を省略する。
【0189】
また、この実施例では、このようなCSI−RS REグループをセルごとに時間シフト、周波数シフト、または時間及び周波数シフトすることを提案する。すなわち、一つのセルで用いられるCSI−RS REグループパターンを、他のセルで時間及び/または周波数シフトされたパターンとして用いることができる。また、それぞれのセルは、毎伝送時点ごとにCSI−RS REグループ位置の候補においてCSI−RS伝送をホッピングすることができる。CSI−RS REグループ位置の候補の例示は、
図29に示すように、13個のCSI−RS REグループ位置の候補が存在できる。したがって、同時に13個のセルが、相異なるCSI−RS REグループパターンを用いることができる。
【0190】
または、前述したように、4個のCSI−RSアンテナポートに対するCSI−RS REグループは、8伝送CSI−RSアンテナポートに対するCSI−RS REグループのパターン(例えば、
図23のCSI−RS REパターン)の所定の部分集合と設定することができ、当該部分集合は、様々なRE位置の集合と設定することができる。例えば、
図31に示すように、4個のCSI−RSアンテナポートに対するCSI−RS REグループは、8個のCSI−RSアンテナポートに対するCSI−RS REグループパターン(例えば、
図23のCSI−RS REパターン)において所定の副搬送波位置で2個の連続するOFDMシンボル上の2個のREと、他の副搬送波位置(上記所定の副搬送波位置と5副搬送波だけ離れた副搬送波位置)で上記2個の連続するOFDMシンボル上の2個のREと定義することもできる。一つのCSI−RS REグループは4個のREで構成され、それぞれのREで一つずつ4個のCSI−RSアンテナポートに対するCSI−RSを伝送することができ、この場合、TDM/FDM方式で4個のCSI−RSが多重化されると表現することができる。または、一つのCSI−RS REグループにおいて、同じ副搬送波上に存在する2個のREにわたって長さ2の直交コードを用いたCDM−T方式により、2個のCSI−RSアンテナポートに対するCSI−RSを多重化でき、残り2個のCSI−RSアンテナポートに対するCSI−RSは、他の副搬送波上に存在する2個のREにわたって長さ2の直交コードを用いたCDM−T方式で多重化できる。
図31のような4個のCSI−RSアンテナポートに対するCSI−RS REグループは、一つのリソースブロック内で10個のCSI−RS REグループ位置の候補が存在できる。一つのセルは、これら10個のCSI−RS REグループ位置の候補から一つを選択し、他のセルは他の候補位置を選択することで、それぞれのセルが、重畳なく4個のCSI−RSアンテナポートに対するCSI−RSを伝送することができる。
【0191】
図32及び
図33は、2個のCSI−RSが単一セルから伝送される場合におけるCSI−RS多重化の一例を説明するための図である。2個のCSI−RS多重化は、8個のCSI−RS多重化の部分集合でよい。すなわち、8個のCSI−RS多重化のために、
図23で説明した通り、8個のRE(2個の太い実線の正方形)を用いることができ、2個のCSI−RS多重化のためには、その部分集合(2個のRE)を用いることができる。例えば、
図32に示すように、2個のCSI−RSは、SFBC対として利用可能な周波数領域で連続する2個のRE(SFBCRE対)と定義することができる。このように定義される2個のCSI−RS REが、一つのCSI−RS REグループを構成できる。そのため、
図33に示すように、26個のCSI−RS REグループパターンを定義でき、2 CSI−RS伝送のために、26個のCSI−RS REグループパターンのうち一つのCSI−RS REグループを用いることができる。また、一つのCSI−RS REグループ内で2個のアンテナポートに対するCSI−RSは、FDM方式で多重化して伝送することができる。CSI−RS REグループの設定、CSI−RS REグループで複数個のCSI−RSの多重化に対する具体的な内容は、前述した他の実施例で説明した内容と同じ原理により説明することができ、重複する内容は明瞭性のために説明を省略する。
【0192】
また、この実施例では、このようなCSI−RS REグループをセルごとに時間シフト、周波数シフト、または時間及び周波数シフトすることを提案する。すなわち、一つのセルで用いられるCSI−RS REグループパターンを、他のセルで時間及び/または周波数シフトされたパターンとして用いることができる。また、それぞれのセルは、毎伝送時点ごとにCSI−RS REグループ位置の候補においてCSI−RS伝送をホッピングすることができる。CSI−RS REグループ位置の候補の例示は、
図33に示すように、26個のCSI−RS REグループ位置の候補が存在できる。したがって、同時に26個のセルが、互いに異なるCSI−RS REグループパターンを用いることができる。
【0193】
または、前述したように、2個のCSI−RSアンテナポートに対するCSI−RS REグループは、8伝送CSI−RSアンテナポートに対するCSI−RS REグループのパターン(例えば、
図23のCSI−RS REパターン)の所定の部分集合と設定することができ、当該部分集合は、様々なRE位置の集合と設定することができる。例えば、
図34に示すように、2個のCSI−RSアンテナポートに対するCSI−RS REグループは、8個のCSI−RSアンテナポートに対するCSI−RS REグループパターン(例えば、
図23のCSI−RS REパターン)において所定の副搬送波位置で2個の連続するOFDMシンボル上の2個のREと定義されてもよい。一つのCSI−RS REグループは2個のREで構成され、それぞれのREで一つずつ2個のCSI−RSアンテナポートに対するCSI−RSを伝送することができ、このような場合は、TDM方式で2個のCSI−RSが多重化されると表現することができる。または、一つのCSI−RS REグループにおいて、同じ副搬送波上に存在する2個のREにわたって長さ2の直交コードを用いたCDM−T方式により、2個のCSI−RSアンテナポートに対するCSI−RSを多重化することができる。
図34のような2個のCSI−RSアンテナポートに対するCSI−RS REグループは、一つのリソースブロック内で20個のCSI−RS REグループ位置の候補が存在できる。一つのセルは、これら20個のCSI−RS REグループ位置の候補から一つを選択し、他のセルは他の候補位置を選択することで、それぞれのセルが、重畳なく2個のCSI−RSアンテナポートに対するCSI−RSを伝送することができる。
【0194】
図35は、CSI−RS伝送方法及びチャネル情報獲得方法を説明する図である。
【0195】
段階S3510で、基地局は、8以下のアンテナポートに対するCSI−RS伝送のために、ダウンリンクサブフレームのデータ領域上で定義される複数個のCSI−RS REグループから一つを選択することができる。
【0196】
複数個のCSI−RSリソース要素グループは、ダウンリンクサブフレーム上で伝送されるデータに対する送信ダイバーシティリソース要素対(例えば、SFBC対)がき損されないように定義されるとよい。例えば、複数個のCSI−RS REグループは、ダウンリンクサブフレームが一般CPの構成を有する場合に、一つのリソースブロック内で8伝送アンテナに対して
図23における5個のCSI−RS REグループでよい。すなわち、複数個のCSI−RS REグループのそれぞれは、CRS及びDMRSが配置されないリソース要素上で、連続する2個のOFDMシンボルの2個の連続する副搬送波位置、及び該2個の連続する副搬送波位置から4副搬送波だけ離れた他の2個の連続する副搬送波位置で定義することができる。このような複数個のCSI−RSリソース要素グループは、一つのCSI−RSリソース要素グループが、他のCSI−RSリソース要素グループに対して時間及び周波数領域でシフトされたリソース要素位置と定義できる。
【0197】
また、4個のアンテナポートに対するCSI−RSがマッピングされる複数個のCSI−RS REグループは、前述した8個のアンテナポートに対するCSI−RSがマッピングされる複数個のCSI−RS REグループの部分集合と定義することができる。例えば、4伝送アンテナの場合に、複数個のCSI−RS REグループは、
図26における10個のCSI−RS REグループ、または
図31における10個のCSI−RS REグループでよい。または、4伝送アンテナに対して
図29における13個のCSI−RS REグループが用いられてもよい。
【0198】
また、2個のアンテナポートに対するCSI−RSがマッピングされる複数個のCSI−RS REグループを、前述した8個のアンテナポートに対するCSI−RSがマッピングされる複数個のCSI−RS REグループの部分集合と定義することができる。例えば、2伝送アンテナの場合に、複数個のCSI−RS REグループは、
図34における20個のCSI−RS REグループでよい。または、2伝送アンテナに対して
図33における26個のCSI−RS REグループが用いられてもよい。
【0199】
段階S3520で、基地局は、前述した複数個のCSI−RS REグループから選択された一つのCSI−RS REグループに、8以下のアンテナポートに対するCSI−RSをマッピングすることができる。この時、8以下のアンテナポートに対するCSI−RSのうち、2個のアンテナポートに対するCSI−RSは、同じ副搬送波上の連続する2 OFDMシンボルにわたって長さ2の直交コードを用いてCDM−T方式で多重化することができる。
【0200】
段階S3530で、基地局は、8以下のアンテナポートに対するCSI−RSのマッピングされたダウンリンクサブフレームを伝送することができる。
【0201】
一つのサブフレームにおいて上記のようにして選択された一つのCSI−RS REグループに、8以下のアンテナポートに対するCSI−RSをマッピングして伝送した場合に、他のサブフレームでは、この選択された一つのCSI−RS REグループと異なるCSI−RS REグループに、8以下のアンテナポートに対するCSI−RSをマッピングして伝送することができる。
【0202】
段階S3540で、端末は、基地局から、ダウンリンクサブフレームのデータ領域上で定義される複数個のCSI−RS REグループから選択された一つのCSI−RS REグループに8以下のアンテナポートに対するCSI−RSがマッピングされたダウンリンクサブフレームを受信することができる。
【0203】
段階S3550で、端末は、8以下のアンテナポートに対するCSI−RSを用いて、それぞれのアンテナポートに対するチャネル情報を測定することができる。さらに、端末は、測定されたチャネル情報(チャネル状態情報(CSI))を基地局にフィードバックすることができる。
【0204】
図35では、説明の明確性のために、基地局及び端末で実行される本発明の一実施例に係る方法を説明したが、その細部的な事項は、前述した本発明の様々な実施例で説明した内容が適用されてもよい。
【0205】
図36は、本発明に係る基地局装置及び端末装置を含む無線通信システムの好適な実施例の構成を示す図である。
【0206】
基地局装置(eNB)3610は、受信モジュール3611、伝送モジュール3612、プロセッサ3613、メモリー3614及びアンテナ3615を含むことができる。受信モジュール3611は、各種の信号、データ、情報などを端末などから受信することができる。伝送モジュール3612は、各種の信号、データ、情報などを端末などに伝送することができる。プロセッサ3613は、受信モジュール3611、伝送モジュール3612、メモリー3614及びアンテナ3615を含む基地局装置3610の全般動作を制御するように構成できる。アンテナ3615は、複数個のアンテナで構成することができる。
【0207】
本発明の一実施例に係る基地局装置3610は、8以下のアンテナポートに対するCSI−RSを伝送することができる。基地局装置のプロセッサ3613は、ダウンリンクサブフレームのデータ領域上で定義される複数個のCSI−RS REグループから一つを選択し、8以下のアンテナポートに対するCSI−RSをマッピングするように構成することができる。また、プロセッサ3613は、伝送モジュール3612を介して、8以下のアンテナポートに対するCSI−RSのマッピングされた上記ダウンリンクサブフレームを伝送するように構成することができる。複数個のCSI−RS REグループは、ダウンリンクサブフレーム上で伝送されるデータに対する送信ダイバーシティリソース要素対がき損されないように定義することができる。
【0208】
プロセッサ3613は、その他にも、端末装置が受信した情報、外部に伝送する情報などを演算処理する機能を果たし、メモリー3614は、演算処理された情報などを所定時間記憶することができ、バッファー(図示せず)などの構成要素に代替されてもよい。
【0209】
一方、端末装置(UE)3620は、受信モジュール3621、伝送モジュール3622、プロセッサ3623及びメモリー3624を含むことができる。受信モジュール3621は、各種の信号、データ、情報などを基地局などから受信することができる。伝送モジュール3622は、各種の信号、データ、情報などを基地局などに伝送することができる。プロセッサ3623は、受信モジュール3621、伝送モジュール3622、メモリー3624及びアンテナ3625を含む端末装置3620の全般動作を制御するように構成できる。アンテナ3625は、複数個のアンテナで構成できる。
【0210】
本発明の一実施例に係る端末装置3620は、8以下のアンテナポートに対するCSI−RSからチャネル情報を測定することができる。端末装置のプロセッサ3623は、受信モジュール3621を介して、ダウンリンクサブフレームのデータ領域上で定義される複数個のCSI−RS REグループから選択された一つのCSI−RS REグループに8以下のアンテナポートに対するCSI−RSがマッピングされたダウンリンクサブフレームが受信されるように構成することができる。また、プロセッサ3623は、8以下のアンテナポートに対するCSI−RSを用いてそれぞれのアンテナポートに対するチャネル情報を測定するように構成することができる。複数個のCSI−RSリソース要素グループは、ダウンリンクサブフレーム上で伝送されるデータに対する送信ダイバーシティリソース要素対がき損されないように定義することができる。
【0211】
プロセッサ3623は、その他にも、端末装置が受信した情報、外部に伝送する情報などを演算処理する機能を果たし、メモリー3634は、演算処理された情報などを所定時間記憶することができ、バッファー(図示せず)などの構成要素に代替されてもよい。
【0212】
上記の本発明の実施例は、様々な手段により具現することができる。例えば、本発明の実施例は、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェアまたはそれらの結合などにより具現することができる。
【0213】
ハードウェアによる具現の場合、本発明の実施例に係る方法は、一つまたはそれ以上のASICs(Application Specific Integrated Circuits)、DSPs(Digital Signal Processors)、DSPDs(Digital Signal Processing Devices)、PLDs(Programmable Logic Devices)、FPGAs(Field Programmable Gate Arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどにより具現することができる。
【0214】
ファームウェアやソフトウェアによる具現の場合、本発明の実施例に係る方法は、以上で説明された機能または動作を行うモジュール、手順または関数などの形態とすることができる。ソフトウェアコードはメモリーユニットに記憶し、プロセッサで駆動することができる。メモリーユニットは、プロセッサの内部または外部に設けられて、既に公知の様々な手段によりプロセッサとデータを授受することができる。
【0215】
以上開示された本発明の好ましい実施例についての詳細な説明は、当業者が本発明を具現して実施できるように提供された。以上では本発明の好適な実施例を参照して説明したが、当該技術の分野における熟練した当業者には、本発明の領域から逸脱しない範囲内で本発明を様々に修正及び変更できるということが理解されるであろう。例えば、当業者は、上記の実施例に記載された各構成を互いに組み合わせる方式で用いることができる。したがって、本発明は、ここに開示されている実施形態に制限されるものではなく、ここに開示されている原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を与えるためのものである。
【0216】
本発明は、本発明の精神及び必須特徴から逸脱することなく、他の特定の形態に具体化できる。そのため、上記の詳細な説明はいずれの面においても制約的に解釈してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付した請求項の合理的解釈により定めなければならず、本発明の等価的範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。本発明は、ここに開示されている実施形態に制限されるものではなく、ここに開示されている原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を有するものである。また、特許請求の範囲で明示的な引用関係を有しない請求項を結合して実施例を構成したり、出願後の補正により新しい請求項として含めることができる。