(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5779601
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】ポールグリップ
(51)【国際特許分類】
A63C 11/22 20060101AFI20150827BHJP
A63C 11/24 20060101ALI20150827BHJP
【FI】
A63C11/22 C
A63C11/24
【請求項の数】14
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-557490(P2012-557490)
(86)(22)【出願日】2011年3月10日
(65)【公表番号】特表2013-521907(P2013-521907A)
(43)【公表日】2013年6月13日
(86)【国際出願番号】EP2011053596
(87)【国際公開番号】WO2011113739
(87)【国際公開日】20110922
【審査請求日】2014年1月16日
(31)【優先権主張番号】00413/10
(32)【優先日】2010年3月19日
(33)【優先権主張国】CH
(73)【特許権者】
【識別番号】507189965
【氏名又は名称】レキスポルト アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100086759
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 喜平
(74)【代理人】
【識別番号】100109128
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 功
(74)【代理人】
【識別番号】100112977
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 有子
(74)【代理人】
【識別番号】100100608
【弁理士】
【氏名又は名称】森島 なるみ
(74)【代理人】
【識別番号】100142099
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 真一
(74)【代理人】
【識別番号】100152803
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100154184
【弁理士】
【氏名又は名称】生富 成一
(74)【代理人】
【識別番号】100123548
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 晃二
(72)【発明者】
【氏名】エーバーハルト ハイム
【審査官】
高木 亨
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第04416036(US,A)
【文献】
実開昭50−084167(JP,U)
【文献】
米国特許第06325418(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63C 11/22
A63C 11/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドループ(15、16)を可変の長さで固定できるようにする、ハンドループ(15、16)のための締結機構を備え、前記締結機構がポールグリップ(1)の頭部領域における窪み(8)に配置される、特にクロスカントリースキー用ポール、トレッキング用ポール、スキー用ポールまたはノルディックウォーキング用ポールのためのポールグリップ(1)であって、
前記締結機構は、回動軸(7)の回りに回動可能に装着され、ポール軸(28)またはポールグリップ軸と交差するように配置され、前記窪み(8)内に配置される作動要素(11)を含み、前記窪み(8)は、前記ポール軸(28)に対して鋭角をなすように位置合わせされる貫通口として設計され、前記貫通口の下側開口部(9)は、手掌に面する背面グリップ領域(4)内またはそれより上において外側に開口し、前記貫通口の上側開口部(10)は、前記ポールグリップ(1)の上側に向かって上向きに開口し、前記ハンドループ(15、16)は、第1の端部(16’’)が前記作動要素(11)に締結され、手の方に向かって外側に前記下側開口部(9)を通り、前記ハンドループ(15、16)は、第2の端部(16’)が前記下側開口部(9)を通り前記窪み(8)に入るように挿入され、しっかりと締付けられた状態では内壁(26、27)と前記作動要素(11)の保持領域(21)との間に案内され、前記回動軸(7)より上に配置され、非確動的および/または確動的にロックする態様で締付けられ、前記上側開口部(10)から前記ポールグリップ(1)の外に案内され、前記回動軸(7)回りに前記作動要素(11)を傾斜させることにより、前記締付けは緩められ、前記第2の端部(16’)を前記ポールグリップ(1)の下方向に動かすことができるとともに、
前記ポールグリップ(1)の前記上側開口部(10)から案内される前記第2の端部(16’)は、前記ポールグリップ(1)に再び戻るように案内されループ(15)を形成し、その自由端(20)が前記ポールグリップ(1)に固定され、
前記窪み(8)は、前記内壁(27)のうち前記保持領域(21)に面する壁部において、前記自由端(20)が締結される受容窪みを含むことを特徴とする、ポールグリップ(1)。
【請求項2】
前記窪み(8)は、作動要素(11)に面する開口領域と2つの横方向拡張部(30)とを有するT字型の窪み(18)であることを特徴とする、請求項1に記載のポールグリップ(1)。
【請求項3】
固定要素(17)が前記受容窪み(18)に配置され、その前面側(29)が逆圧面を形成し、これに抗して前記保持領域(21)が前記第2の端部(16’)を直接締付け、前記自由端(20)は、前記前面側(29)と反対側の背面側と前記受容窪み(18)の壁部との間に締付けられ、前記背面側は好ましくは歯状構造(19)を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のポールグリップ(1)。
【請求項4】
前記固定要素(17)は前記T字型の窪み(18)内に上から挿入され、好ましくは、前記自由端(20)は、固定要素(17)と受容窪み(18)との間で締付けることにより前記ポールグリップに非確動的および/または確動的に実質的に締結されるだけであることを特徴とする、請求項3に記載のポールグリップ(1)。
【請求項5】
前記作動要素(11)は、前記上側開口部(10)を介して少なくとも部分的に手が届くか、あるいはこれから突出しており、傾斜するように操作するための押圧面(12)が、この手が届く領域またはこの上側開口部(10)を介して突出する領域に形成されることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載のポールグリップ(1)。
【請求項6】
前記第2の端部(16’)は、前記下側開口部(9)から前記窪み(8)内に挿入され、前記背面内壁(27)と前記作動要素(11)のうち前記回動軸(7)より上に配置される前記保持領域(21)との間にしっかりと締付けられた状態で締付けられ、前記第1の端部(16’’)は、好ましくは締結ネジ(23)を用いて前記作動要素(11)にこの締付け領域より下に固定されることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載のポールグリップ(1)。
【請求項7】
前記作動要素(11)の前記保持領域(21)は歯状構造(21)を有し、この歯状構造(21)は、締付状態において、前記第2の部分(16’)が前記下側開口部(9)から下方向に抜け落ちるのを防止し、前記作動要素(11)の操作なしに、特に前記第2の端部(16’)の上部張出部(15)の操作により前記上側開口部(10)から上方向への変位が可能であるように、鋸歯状構造として構成されることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載のポールグリップ(1)。
【請求項8】
前記作動要素(11)は、特にバネ(22)、好ましくは板バネまたは渦巻バネである弾性復元要素により、前記保持領域(21)を介して前記内壁(26、27)に支えられることを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載のポールグリップ(1)。
【請求項9】
前記頭部は前方に向き下方向に傾斜した斜面を有し、前記上側開口部(10)はこの斜面に配置され、前記作動要素(11)は、この斜面の領域において前記上側開口部(10)を介して少なくとも部分的に手が届くか、あるいはこの領域を超えて突出し、この手が届く領域またはこの上側開口部(10)を超えて突出する領域において、傾斜するように操作するための押圧面(12)として形成されることを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載のポールグリップ(1)。
【請求項10】
前記作動要素(11)は、ポールグリップの使用方向に対して前方向および下方向に向く拡張部(13)を有し、前記拡張部(13)は、作動要素(11)と前記窪み(8)の上側開口部(10)を規定する壁との間の間隙を少なくとも部分的に、好ましくは実質的に完全に覆うことで汚れおよび/または雪および/または氷の侵入を防ぐことを特徴とする、請求項1から9のいずれかに記載のポールグリップ(1)。
【請求項11】
ポール管を受容するための窪み(2)を下側に有することを特徴とする、請求項1から10のいずれかに記載のポールグリップ(1)。
【請求項12】
前記ハンドループは、単純なループ、手の親指、指/甲および手首のための3つの別個の開口を備え手に締結可能なループ、またはループストリップが締結される手袋からなることを特徴とする、請求項1から11のいずれかに記載のポールグリップ(1)。
【請求項13】
固定要素(17)が前記受容窪み(18)に配置され、当該固定要素(17)の前面側(29)が逆圧面を形成し、これに抗して前記保持領域(21)が前記第2の端部(16’)を直接締付け、前記自由端(20)が、ネジによって前記受容窪み(18)に固定されることを特徴とする、請求項1から12のいずれかに記載のポールグリップ(1)。
【請求項14】
請求項1から13のいずれかに記載のポールグリップを有する、クロスカントリースキー用ポール、トレッキング用ポール、スキー用ポール、またはノルディックウォーキング用ポール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポールグリップに関し、特に、ハンドループを可変の長さで固定できるようにする、ハンドループのための締結機構を備え、締結機構がポールグリップの頭部領域の窪みに配置される、クロスカントリースキー用ポール、トレッキング用ポール、スキー用ポール、またはノルディックウォーキング用ポールのためのポールグリップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ポールグリップは、ポールグリップの頭部領域のハンドループを締結することにより、ユーザの手に締結され、ユーザはこのハンドループを把持しこのハンドループを通してポールグリップを掴む。様々な手の大きさや様々な使用状況があるため、このために器具を使わずにハンドループの長さを調節可能であれば有利である。したがって、ポールグリップへのハンドループの締結を可変に構成することを実現する技術が複数存在している。
【0003】
そのような締結機構は、製造するのに安価でかつ使用時に故障しにくくするため、出来る限り簡素に構成すべきであり、また同時に、特に対応する締結機構を調節のため自発的に緩めたときにのみ、ループの伸長が可能であるようにしなければならない。
【発明の概要】
【0004】
したがって、この発明の目的は、改良されたポールグリップであって、特に、ハンドループを可変の長さで固定できるようにする、ハンドループのための締結機構を備える、クロスカントリースキー用ポール、トレッキング用ポール、スキー用ポール、またはノルディックウォーキング用ポールのためのポールグリップを提供することである。締結機構は、ポールグリップの頭部領域の窪みに配置される。この発明に従って提案されるポールグリップは特に、締結機構が、回動軸の回りに回動可能にまたは傾斜可能に装着され、ポール軸を交差するように配置され、上記窪みに配置される作動要素(または保持要素)を含むことを特徴とする。窪みは、ポール軸に対して鋭角をなすように位置決めされる貫通口として設計され、そのうち下側開口部は、手掌に面する背面グリップ領域内またはそれより上において外側に開口し、上側開口部はポールグリップの上側に向かって上向きに開口する。ハンドループは、第1の端部が作動要素に締結され、下側開口部を通って手の方へ延び(そして通常は手の回りに掛けられる)、またハンドループは、第2の端部が下側開口部を通って窪みに入るように挿入される。しっかりと締付けられた状態では、第2の端部は、窪みの内壁(またはその内に配置されるさらなる要素)と、作動要素のうち回動軸より上に配置される保持領域との間にこの窪みに案内され、非確動的および/または確動的にロックする態様でそれらの間に締付けられる。次に、ループの第2の部分は、上側開口部からポールグリップの外に案内される。この締付けは、回動軸回りに作動要素を傾斜させることにより緩めることができ、作動要素を傾斜させたとき(及びそのときのみ)、第2の端部をポールグリップの下方向に動かして、ある一定の範囲で長くすることができる。
【0005】
特に好ましい実施形態に従えば、ポールグリップから上側開口部より案内される第2の端部は、ポールグリップに再び戻るように案内されてループを形成し、戻るように案内された自由端がポールグリップに固定される。このループは、例えば、指でつかみループを引っ張ることによりループ長を短くできる。ループは、通常は保持領域の好適な構成によって作動要素のうち回動軸より上の領域に締付けられているので、作動要素を操作したり傾斜させたりする必要なく、上方向に引っ張ることによりループを短くできる。換言すれば、ループを下方向に引っ張って長くするときのみ、作動要素は駆動される。
【0006】
これに関してさらに好ましい実施形態によれば、内壁のうち保持領域に面する壁部において窪みは受容窪みを含み、この受容窪みは、保持要素に面する開口領域(好ましくはポール軸に実質的に沿うかこれに対して鋭角をなすように延在し、下部が閉じ上部が開いている)と、2つの横方向拡張部とを有するT字型窪みとして構成されることを特徴とする。ループの自由端はこの受容窪み内に締結される。この締結は例えば、ネジ、接着、射出成形、締付、または一般的な締結要素などにより実現可能である。
【0007】
しかしながら、この自由端の締結は、受容窪みに固定要素(例えば、窪みに適合する形状のプラスチックのブロック)を配置することにより実現されることが特に好ましく、この場合、固定要素の前面側(T字型窪みの開口領域を塞ぐ、窪みに面する側)が逆圧面を形成し、これに抗して保持領域が第2の端部を好ましくは直接締付け、ループの自由端は、固定要素の前面側と反対側の背面側と受容窪みの壁部との間で締付けられる。自由端を締結するために、固定要素の背面側に歯状構造、マンドレル、特別な表面処理、または例えば滑り防止もしくは対応する被覆などの構成を設けてもよい。この固定要素は好ましくはT字型の窪みに上から挿入され、好ましくは自由端は、固定要素と受容窪みとの間で締付けることによりポールグリップに非確動的および/または確動的に実質的に締結されるだけである。しかしながら、代替的にまたは付加的に、接着接続を設けることも可能である。例えばネジでまたは接着により自由端を固定要素に締結してから受容窪みに挿入することも可能である。
【0008】
さらに好ましい実施形態によれば、作動要素は、上側開口部を介して少なくとも部分的に手が届く(例えば、この上側開口部を少なくとも部分的につかむことができるため)か、あるいは上側開口部から突出しており、傾斜するように操作するための押圧部が、この手が届く領域またはこの上側開口部を介して突出する領域に形成されることを特徴とする。
【0009】
さらに好ましい実施形態によれば、第2の端部は、下側開口部から窪み内に挿入され、背面内壁と作動要素のうち回動軸より上に配置される保持領域との間にしっかりと締付けられた状態で締付けられ、第1の端部は、好ましくは締結ネジを用いて作動要素にこの締付け領域より下に固定されることを特徴とする。
【0010】
さらに好ましくは、作動要素の保持領域は歯状構造を有しており、この場合、この歯状構造は、締付状態において、第2の部分が下側開口部から下方向に抜け落ちる(ループが長くなる)ことを防止し、作動要素を操作することなく、特に第2の部分の上部張出部(上部折返し、ループ)を操作することで上側開口部から上方向への変位(ループを短くする)が可能であるように、鋸歯状構造として構成されることが特に好ましい。
【0011】
通常は、特にバネ、好ましくは板バネまたは渦巻バネである弾性復元要素により、作動要素は保持領域を介して内壁に支えられるが、エラストマーバネや、作動要素または窪みの対応する壁領域の反発性射出成形部分も可能である。
【0012】
さらに好ましくは、頭部領域は前方に向き下方向に傾斜した斜面を有し、この場合、上側開口部はこの斜面に配置され、好ましくは作動要素は、この斜面の領域において上側開口部を介して少なくとも部分的に手が届くか、あるいはこれを超えて突出しており、さらに好ましくはこの手が届く領域、またはこの上側開口部を超えて突出する領域において傾斜するように操作するための押圧面として形成される。
【0013】
さらに、作動要素は好ましくは、ポールグリップの使用方向に対して前方向および下方向に向く拡張部を有してもよく、この拡張部は、作動要素と窪みの上側開口部を規定する壁との間の間隙を少なくとも部分的に、好ましくは実質的に完全に覆うことで汚れおよび/または雪および/または氷の侵入を防止する。代替的に、この領域をラビリンスシールのように構成してもよく、これにより例えば、壁はこの領域に腹部を有し作動要素は対応の溝を有し、作動要素を傾斜させるとこの溝に腹部が係合しさらに入り込む。もちろん、腹部が作動要素に配置され溝が壁領域に配置されてもよい。その他にも、可撓性シールリップを作動要素におよび/またはこの領域の壁に設けてもよく、これは好ましくは2成分射出成形プロセスにより好ましくは直接成形される。
【0014】
典型的には、ポールグリップは下側にポール管を受け入れるための窪みを有する。
【0015】
ハンドループは、単純なループからなってもよい(特に形状安定性のあるプラスチック繊維の織布からなるループバンドであって、典型的には0.3〜2ミリメートルの厚さを有し、および/または通常は3〜20ミリメートルの幅を有し、好ましくは4〜10ミリメートルの幅を有する。この幅は、締結領域に位置するようになる領域に該当するが、手に位置する領域はより幅広であってもよく、特に例えばネオプレンからなる、軟質の縫付けられた領域を含んでもよい)。代替的に上記ハンドループは、手の親指、指/甲および手首のための3つの別個の開口を備え手に締結され得るループからなってもよい。典型的には、そのようなループは留め穴(eye)の回りに面ファスナーで調節可能であるように構成される。あるいは、ループストリップが締結される手袋からなってもよい。
【0016】
典型的には、このようなポールグリップは、グリップ領域に軟質の被覆を有する、硬質プラスチックからなるスリーブを有する。これらの要素は2成分射出成形工程により製造可能である。好ましくは、作動要素も硬質プラスチックからなってもよく、この場合、上記歯状構造は同じ材料で(ワンピースで)製造可能であるが、例えば金属インサートなどにより形成されてもよい。作動要素のための回動軸は、典型的には、金属もしくはプラスチックまたはこれらの組合わせからなってもよく、作動要素を挿入した後にスリーブの材料における2つの対応する両側開口を通して窪み内に横方向に挿入可能であり、スリーブのこれら開口および作動要素の軸方向開口を貫通する。
【0017】
この発明はさらに、上記請求項のいずれかに記載のポールグリップを備える、クロスカントリースキー用ポール、トレッキング用ポール、スキー用ポール、またはノルディックウォーキング用ポールに関する。
【0018】
さらなる実施形態は従属クレームに記載される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
この発明の好ましい実施形態を図面を参照し以下に詳細に説明するが、これは説明のためにのみ提供されるものであり限定的に解釈すべきでない。
【0020】
図1はこの発明に従う締結機構を備えるポールグリップを示し、a)は(移動方向に関して)後ろから見た図であり、b)は側面から見た図であり、c)は移動方向の正面から見た図であり、d)は正面から斜めに見た斜視図であり、e)は締結機構を閉じた場合の
図1c)に示す線B−Bに沿った軸断面を示し、f)では締結機構が開いた位置、すなわち作動要素が傾いた状態を示し、g)はそのようなポールグリップを上から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、この発明に従う締結機構を備えるポールグリップの様々な図を示す。ポールグリップ1は、下端にポール管(図示せず)のための窪み2を有する、硬質プラスチックからなるプラスチックスリーブ5を有する。ポール管は典型的にはこの窪みに押込まれ、かつ/または接着される。このスリーブ5は、管軸28または管グリップ軸に沿って延在し、その下側領域においてそのような管グリップは実際の把持領域を有し、この例示の実施形態においては、この把持領域は、移動方向における正面側を向く領域に軟質で握りやすい被覆3および/または表面構造と、手掌に面する背面領域に軟質または表面加工された把持領域4とを有する。これらの軟質の把持領域はいずれも皮で構成されてよいが、ざらざらした表面の軟質プラスチック材からなってもよく、2種類のプラスチックからなるこの種の部品は、2成分射出成形工程で製造可能である。発泡スリーブまたは領域3もしくは/または4の表面に接着される発泡表面領域(パッド)を用いてもよい。同様にコルクや皮を用いてもよい。
【0022】
窪み8が管グリップの頭部領域に配置される。この窪み8は、
図1eに示すように全高のおよそ3分の2のところに配置される下側開口部9から斜め上方向に上側開口部10まで延在するため、管軸28に対して鋭角をなして延在する。したがって、この窪み8は貫通口として構成される。ループストリップは、下側開口部9から管グリップより出現し通常は手の回りに閉じたストリップとして掛けられる。
【0023】
作動要素11が、管軸に対して鋭角をなすように配置された、貫通口の形状の細長い窪み8内に配置される。この作動要素11は、管軸に交差するように配置される貫通孔を有し、スリーブの横方向両側に配置される2つの軸穴6に装着される回動軸7がこの貫通孔を貫通する。これにより、作動要素11は、典型的には10〜15度以下の小さい角度範囲にわたって、この軸7により回転可能または回動可能に装着される。
【0024】
作動要素11は下部が窪み8内に配置されるが、上部はこの窪み8および上側開口部10から突出しており、押圧面12がその上面に形成されている。作動要素11は、例えば手などで押圧面12を操作することにより傾斜する。
【0025】
作動要素11は、(移動方向において)背面側に面する側に、歯状構造21で構成され、2つのループ端のうち一方と直接接触する領域を有する。その反対側において、作動要素11は、窪み8の反対側の前面壁領域26に対して板バネ22により支えられる。このバネにより、作動要素11は、
図1e)およびf)において反時計方向に押圧されるため、窪みの反対側の背面内壁27に対して弾性的に支えられる。
【0026】
歯状構造21の反対側の、窪み8の背面壁27の領域には、T字型窪み18がスリーブ5の材料に形成される。この窪み18は、窪み8に向かって開口し、かつほぼ管軸方向に沿ってまたはこれに対して鋭角をなして延在し、背面に向かって2つの拡張部30まで横方向に広がる、細長い開口部を有する。この受容窪み18は、上部に向かって開くが下部に向かって閉じている。対応する形状を有する固定要素17がこの受容窪み18内に上から挿入される。対応する形状とは、特に横方向の構成が2つの横方向拡張部30に適合し、これら領域に実質的に確実に隣接することを意味する。これにより、固定要素17の前面側29は作動要素11に直接対向し、ループ領域のいずれか一方が前面側29と作動要素11の歯状構造21との間に案内される。
【0027】
具体的には、ループの案内は以下の通りになされる。ループの第1の端、すなわち作動要素に締結されるループストリップの部分16’’が、作動要素11にこのために対応して設けられた細穴形状の窪みに挿入され、締結ネジ23によりそこに固定される。締結ネジ23は、回動軸7より上に位置しており、作動要素11の窪み24に螺合可能であり、締結するようにループストリップを貫通する。この締結により、このループ部16’’は下部に向かい窪みを通って下側開口部9から出現し、手の回りに掛けられてから、固定要素に締結されるループストリップ16’の部分として管グリップ内に再び入る。さらに、このループは、手の回りに連続ループとして案内されなくてもよく、別個の複数のループ部からなってもよい。したがって、この手持ちの構成は、連続ループであってもよいが、手の親指、指/甲および手首のための別個の貫通口を備えるループからなっても、2つの対応のループ部を備える手袋であってもよい。
【0028】
したがって、ループ部16’は、下側開口部9を通って窪み8に入り部分16’’の上にかつ部分16’’と窪み8の背面内壁27との間に位置する。次に、部分16’は作動要素11と固定要素7またはその前面側29との間にさらに上方に案内され、上側開口部10を通って頂部に出現し、折返しループ15を形成し、固定要素17の背面側に管グリップ内にある程度まで再び入る。このために、U字型溝25が、ループの大きさに合わせて固定要素17に設けられ、固定要素17の背面側には、ループ材にしっかりと食込む歯状構造19が設けられる。これにより、管グリップの上方領域にループ部16’の自由端20を簡単に締結することができる。すなわち、固定要素17の歯状構造19に自由端20を戴置して、固定要素17を受容窪み18内に上から挿入するだけでよい。対応する確動または非確動接続のいずれかで充分であるが、あるいは例えば接着剤を用いてさらに継目なく接合することでループと固定要素を締結してもよい。
【0029】
軸7は作動要素11の最下部に配置され、作動要素11の軸領域が作動要素の最下部を形成する。ループ部16’が固定要素17と歯状構造21との間に締付けられる締付領域は、軸7より上方に位置する。このことは、ループ15が引っ張られると、
図1e)またはf)において梃の関係のために反時計まわりに自動的に作動要素11が回転し、よってループに対する下方向の引張りによりループ16’の締付けがさらに強くなるため、重要である。したがって、ループの他方端16’’の締結は、その上の作動要素11のうち部分16’の締付けが行われるのと(回転軸7に対して)同じ側、あるいは作動要素11内で行われることも重要であり、かつ多くの場合有利である。よって、特にループ部16’’が引っ張られると作動要素11も回転方向に傾斜するので、ループ部16’にはさらに大きな締付力がかかる。
【0030】
したがって、この締付けの利点は、張力が大きくなるとある程度まで自動的に確実に締付けられることである。しかしながら、特定の梃の関係の結果、例えばループ部15を引っ張ることによりループを短くできる、すなわち作動レバー11を駆動させることなく窪み8を介してさらに上方に部分16’を引っ張ることができるとさらに有利である。これを支援するために、ループを下方向に引っ張るとしっかりと食込むが、ループ15を上方向に引っ張ると抵抗がない鋸歯状構造として歯状構造21を構成してもよい。
【0031】
ループの設定をそのように変更した場合、
図1e)またはf)において面12に圧力を軽くかけることで
図1f)に示すように作動要素11が右に傾斜する。そして、歯状構造21と固定要素17の前面側との間の間隙が広がり、締付領域においてループが緩むと、ループ部16’を上方向に引っ張ることが出来るが、特にループサイズを拡大するためには特に下方向に引っ張ってループサイズを調節することができる。この作動要素11の傾斜は、板バネ22の復元力に抗して行われる。すなわち、レバー11を再び解除すれば反時計方向に跳ね返るため、バネ22のバネの力によりループストリップ16’は再び締付け固定される。
【0032】
このような機構に関して起こり得る問題は、締付状態において,特に傾斜を可能にするために前面内壁26と作動要素11との間の領域に一定の大きさの間隙を設けなければならないことである。汚れや氷や雪がこの間隙から窪みの内部に入り込みこの機構を永久的に塞いだり破壊することさえあり得る。この問題を回避するため、作動要素11はその前面側に下側突起13を有している。下側突起13は、
図1e)に示すように締付状態においてはこの間隙に届くため、非常に狭い一定の間隙14しか残らない。よって、ある程度ラビリンスシールが設けられ、軸7の回転方向に対して実質的に接線方向になるように間隙14を選定した場合、これにより作動要素11の可動性が損なわれることなく、間隙サイズが非常に狭くなるように選択することできる。このような封止手段は異なった態様で実現されてもよく、例えば可撓性のシールリップまたは溝/櫛により解決されてもよく、これらは下側領域においてだけでなく、作動要素11と窪み8の側壁との間の間隙に横方向にさらに設けられてもよい。
【符号の説明】
【0033】
1 管グリップ
2 管ポールのための窪み
3 前面グリップ領域
4 背面グリップ領域
5 硬質プラスチックからなるプラスチックスリーブ
6 軸穴
7 回転軸
8 管グリップ領域の窪み
9 8の下側開口部
10 8の上側開口部
11 作動要素
12 11の押圧面
13 11の下側突起
14 13と5との間隙
15 ループストリップ、上部張出部、折返しループ
16 ループストリップ、下側出現領域
16’ 固定要素に締結されるループストリップの部分
16’’ 固定要素に締結されるループストリップの部分
17 固定要素
18 受容窪み、5における17のためのT字型窪み
19 17の歯状構造
20 15の自由端
21 11の歯状構造
22 復元バネ
23 締結ネジ
24 23のための11における窪み
25 20のための17におけるU字型溝
26 8の前面内壁
27 8の背面内壁
28 ポール軸
29 17の前面側
30 18の横方向拡張部