特許第5779610号(P5779610)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社なんつねの特許一覧

<>
  • 特許5779610-食品のスライス方法及びその装置 図000002
  • 特許5779610-食品のスライス方法及びその装置 図000003
  • 特許5779610-食品のスライス方法及びその装置 図000004
  • 特許5779610-食品のスライス方法及びその装置 図000005
  • 特許5779610-食品のスライス方法及びその装置 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5779610
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】食品のスライス方法及びその装置
(51)【国際特許分類】
   B26D 7/06 20060101AFI20150827BHJP
   B26D 3/28 20060101ALN20150827BHJP
【FI】
   B26D7/06 D
   !B26D3/28 610G
   !B26D3/28 610T
   !B26D3/28 610Z
【請求項の数】6
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-55859(P2013-55859)
(22)【出願日】2013年3月19日
(65)【公開番号】特開2014-180712(P2014-180712A)
(43)【公開日】2014年9月29日
【審査請求日】2014年12月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】591076028
【氏名又は名称】株式会社なんつね
(74)【代理人】
【識別番号】100103654
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100165755
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 典彦
(72)【発明者】
【氏名】中矢 善久
【審査官】 細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】 実開平04−054695(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0119665(US,A1)
【文献】 特開平07−075997(JP,A)
【文献】 特開2000−225595(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0179922(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 7/06
B26D 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内面が前下がりのテーパー状となっているドラムにスライスすべき食品を投入し、このドラムを回転させることにより、ドラムに投入されたスライスすべき食品に遠心力を付与しつつテーパー状の内面を前進する推進力を発生させ、この推進力を利用してスライスすべき食品を前側から順次スライスすることを特徴とする食品のスライス方法。
【請求項2】
内面が前下がりのテーパー状となっているドラム内に配置された姿勢補助部材により、ドラムに投入されたスライスすべき食品の姿勢を制御することを特徴とする請求項1記載の食品のスライス方法。
【請求項3】
ドラムを高速回転させることを特徴とする請求項1又は2記載の食品のスライス方法。
【請求項4】
回転可能なドラムの内面を前下がりのテーパー状とし、このドラムを回転させるためのモータを備えるとともに、ドラムに投入されたスライスすべき食品をスライスするための刃物を、前記ドラムのすぐ前に配置したことを特徴とする食品のスライス装置。
【請求項5】
ドラム内に、姿勢補助部材を設けたことを特徴とする請求項4記載の食品のスライス装置。
【請求項6】
ドラムの投入口に向けて前下がりの投入装置を備えたことを特徴とする請求項4又は5記載の食品のスライス装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転するドラムにスライスすべき食品を投入し、この食品に遠心力を付与しつつテーパー状の内面を前進する推進力を発生させ、この推進力を利用してスライスすべき食品を前側から順次スライスする方法とその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、肉塊、冷凍肉その他のスライスすべき食品をスライスするに当っては、通常、肉箱内に肉送りコンベヤとその上方に肉送りローラを備え、その間にスライスすべき食品を挟み込みながら送り出したり(例えば、特許文献1参照)、爪チャック、ウエイト、横押えなど様々な機構を用いてスライスすべき食品を押えながら順次送り出している(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−251389号公報(図2参照)
【0004】
【特許文献2】特開2000−225595号公報(図1図2参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような手法によりスライスすべき食品を送り出す場合には、スライスすべき食品を挟んだり、掴んだりするための様々な機構を必要とするのみならず、スライスすべき食品を挟んだり、掴んだりするために最後までスライスできず、切り残しが生じて材料が無駄になるという欠点がある。
【0006】
本発明は、このような欠点を解消し得る食品のスライス方法を提供するとともに、スライスすべき食品を挟んだり、掴んだりするための様々な機構を必要としないスライス装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明による食品のスライス方法では、内面が前下がりのテーパー状となっているドラムにスライスすべき食品を投入し、このドラムを回転させることにより、ドラムに投入されたスライスすべき食品に遠心力を付与しつつテーパー状の内面を前進する推進力を発生させ、この推進力を利用してスライスすべき食品を前側から順次スライスする。
【0008】
この方法によれば、ドラムに投入されたスライスすべき食品に遠心力が働き、しかも、テーパー状の内面を前進する推進力を発生させるので、従来のようなスライスすべき食品を挟んだり、掴んだりするための様々な機構が不要になる。また、この方法によれば、スライスすべき食品を送り出すための機構が不要であるから、食品を最後までスライスすることが可能となる。
【0009】
内面が前下がりのテーパー状となっているドラム内に配置された姿勢補助部材により、ドラムに投入されたスライスすべき食品の姿勢を制御することが望ましい。このようにした場合には、スライスすべき食品の姿勢を回転するドラム内で制御できるので、より綺麗にスライスできる。
【0010】
ドラムを高速回転させることが望ましい。このように、ドラムを高速回転させた場合には、ドラムの高速回転をそのまま食品のスライス処理速度に変換することができ、食品のスライスのための高速処理が可能となる。
【0011】
また、本発明による食品のスライス装置は、回転可能なドラムの内面を前下がりのテーパー状とし、このドラムを回転させるためのモータを備えるとともに、ドラムに投入されたスライスすべき食品をスライスするための刃物を、前記ドラムのすぐ前に配置したことを特徴とするものである。
【0012】
この装置によれば、従来のようなスライスすべき食品を挟んだり、掴んだりするための様々な機構が不要になるので、装置全体を簡略化できる。また、この装置によれば、スライスすべき食品を送り出すための機構が不要であるから、食品を最後までスライスすることが可能となる。
【0013】
ドラム内に姿勢補助部材を設けておくのが良い。ドラム内に姿勢補助部材が設けられている場合には、スライスすべき食品の姿勢を回転するドラム内で制御できるので、綺麗にスライスできる。
【0014】
ドラムの投入口に向けて前下がりの投入装置を備えておくのが良い。この投入装置が備えられていると、スライスすべき食品をドラムの投入口にスムーズに案内することができる。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載のスライス方法によれば、ドラムに投入されたスライスすべき食品に遠心力が働き、しかも、テーパー状の内面を前進する推進力を発生させるので、従来のようなスライスすべき食品を挟んだり、掴んだりするための様々な機構が不要になる。また、この方法によれば、スライスすべき食品を送り出すための機構が不要であるから、食品を最後までスライスすることが可能となる。
【0016】
請求項2記載のスライス方法によれば、スライスすべき食品の姿勢を回転するドラム内で制御できるので、より綺麗にスライスできる。
【0017】
請求項3記載のスライス方法によれば、ドラムの高速回転をそのまま食品のスライス処理速度に変換することができ、食品のスライスのための高速処理が可能となる。
【0018】
請求項4記載のスライス装置によれば、従来のようなスライスすべき食品を挟んだり、掴んだりするための様々な機構が不要になるので、装置全体を簡略化できる。また、この装置によれば、スライスすべき食品を送り出すための機構が不要であるから、食品を最後までスライスすることが可能となる。
【0019】
請求項5記載のスライス装置によれば、スライスすべき食品の姿勢を回転するドラム内で制御できるので、綺麗にスライスできる。
【0020】
請求項6記載のスライス装置によれば、スライスすべき食品をドラムの投入口にスムーズに案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明による食品のスライス装置の一例を示す正面図である。
図2図1に示すスライス装置の平面図である。
図3図1に示すスライス装置の左側面図である。
図4図2のIV−IV線に沿う一部を切断して示す正面図である。
図5図4のA部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明による食品のスライス方法とその装置のそれぞれの実施形態について、図1図5に基づいて詳細に説明する。図面に示すように、ここに例示する食品のスライス装置Sには、モータ1の駆動により回転するドラム2が備えられている。このドラム2の内面は前下がりのテーパー状になっており、このドラム2の投入口2aから投入されたスライスすべき食品Bをスライスするための刃物3が、前記ドラム2の排出口2bのすぐ前に配置されている。なお、図1図2において符号4で示すように、モータ1のプーリとドラム2の外胴にわたって無端状のベルトが掛架されている。
【0023】
前下がりのテーパー状の内面とは、図4及び図5のA部に示すように、両図の左側に行くに従って前下がりになるテーパー状の内面のことで、このテーパー状の内面2cを有するドラム2の投入口2aからスライスすべき食品Bを投入し、このドラム2をモータ1により回転させることにより、ドラム2の投入口2aから投入されたスライスすべき食品Bに遠心力を付与しつつテーパー状の内面2cを前進する推進力を発生させることができる。そして、この推進力を利用してスライスすべき食品Bをドラム2内で前進させ、回転する前記刃物3によりドラム2の排出口2b側において順次スライスすることができる。なお、図2図3において、符号5は前記刃物3を回転させるためのモータである。
【0024】
このように、テーパー状の内面2cを有するドラム2の投入口2aからスライスすべき食品Bを投入し、このドラム2をモータ1により回転させることにより、ドラム2の投入口2aから投入されたスライスすべき食品Bにテーパー状の内面2cを前進する推進力を発生させることができるので、従来のようなスライスすべき食品Bを挟んだり、掴んだりするための様々な機構が不要になる。また、この方法によれば、スライスすべき食品Bを送り出すための機構が不要であるから、スライスすべき食品Sを最後までスライスすることが可能となる。
【0025】
ここには、スライスすべき食品Bをスライスするための刃物3が回転する丸刃である場合を例示するが、回転する勾玉形の刃物でも良く、また、往復動するような刃物を用いても良い。このように、様々な形式の刃物をドラム2の排出口2b側のすぐ前に配置しておけば、いずれかの形式の刃物によりスライスすべき食品Bを回転するドラム2の排出口2b側において順次スライスすることができる。
【0026】
内面2cが前下がりのテーパー状となっているドラム2内には、図4図5に示すように、姿勢補助部材6が設けられている。両図には、この姿勢補助部材6をネジ6aによりドラム2のテーパー状の内面2cに固定した場合を例示する。そして、この姿勢補助部材6により、回転するドラム2の投入口2aから投入されたスライスすべき食品Bの姿勢を制御することができる。このように、スライスすべき食品Bの姿勢を回転するドラム2内で制御できるので、より綺麗にスライスできる。
【0027】
ドラム2を前記モータ1により高速回転させると良い。このように、ドラム2を高速回転させた場合には、ドラム2の高速回転をそのまま食品Sのスライス処理速度に変換することができ、食品Sのスライスのための高速処理が可能となる。
【0028】
また、ここには、ドラム2の投入口2aに向けて前下がりの投入装置7を備えた場合が例示されている。この投入装置7が備えられていると、スライスすべき食品Bをドラム2の投入口2aにスムーズに案内することができる。
【0029】
なお、図面において、符号8は前記ドラム2の排出口2bのすぐ前に配置されている厚調板で、ドラム2の排出口2bから送り出される食品Bの先端位置を規制するためのものであり、図1図3において符号8aで示すハンドルにより位置調整できる。また、図1図2において、符号9はスライスされた食品を受け取る受取皿である。
【産業上の利用可能性】
【0030】
ここには、冷凍肉をスライスする方法とその装置を例に挙げて本発明を説明したが、本発明は、前記冷凍肉のみならず、ハム、ベーコン、ソーセージその他の食肉加工品等の食品をスライスする方法とその装置に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0031】
1…モータ、2…ドラム、2c…テーパー状の内面、3…刃物、6…姿勢補助部材、7…投入装置、S…スライス装置、B…スライスすべき食品。
図1
図2
図3
図4
図5