【文献】
株式会社スタジオベントスタッフ,ディシディア デュオデシム ファイナルファンタジー アルティマニア −RPG SIDE−,日本,株式会社スクウェア・エニックス,2011年 3月31日,初版第1刷,第439頁
【文献】
株式会社エストール,大進撃!!ドラゴン騎士団 公式ガイドブック,日本,株式会社エンターブレイン,2012年 1月 5日,初版,第10頁
前記判定手段は、前記提示手段によって貯留領域内の放出オブジェクトが提示されているユーザの中に、同一の放出オブジェクトを前記補完オブジェクトとすることが可能な複数のユーザが存在するか否かを判定する機能をさらに備え、
前記報知手段は、前記判定手段によって、前記複数のユーザが存在すると判定された場合に、前記複数のユーザが存在する旨を前記複数のユーザのそれぞれに報知する請求項1ないし3の何れか1項に記載のゲーム管理装置。
前記付与手段によって、前記対価と引き換えにユーザにオブジェクトが付与された場合、当該オブジェクトを放出したユーザに当該対価の少なくとも一部を供与する対価供与手段をさらに備える請求項1ないし7の何れか1項に記載のゲーム管理装置。
前記付与手段によって、前記対価と引き換えにユーザにオブジェクトが付与される場合、オブジェクトが放出された後の経過時間に応じて前記対価を変更する第1対価変更手段をさらに備える請求項1ないし8の何れか1項に記載のゲーム管理装置。
前記判定手段は、前記補完オブジェクトによって複数の特殊効果を発生させる組合せが完成する場合、その中で最も高い特殊効果を発生させる組合せを判定する機能をさらに備え、
前記報知手段は、前記判定手段によって判定された最も高い特殊効果を発生させる組合せを報知の対象とする請求項1ないし11の何れか1項に記載のゲーム管理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようなゲームにおいて、ユーザはゲームを有利にするためには、特殊効果を発生させる様々なカードの組合せを理解し、そのような組合せを完成できるカードを入手しなければならない。しかしながら、ゲームを始めて間もないユーザ等、ゲームに慣れていないユーザにとっては、どのカードの組合せが特殊効果を発生させるのかについての知識が不足しているため、ゲームを十分に楽しめないこともある。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ゲームに慣れていないユーザでもより深くゲームを楽しむことができるゲーム環境をユーザに提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1)本発明の一局面によるゲーム管理装置(1,2,101,301)は、ユーザが所有する複数のオブジェクトの組合せによって特殊効果が発生するゲームを管理するものであって、ユーザが入手可能なオブジェクトの中に、ユーザがすでに所有しているオブジェクトと組み合わせることで前記特殊効果を発生させる補完オブジェクトが含まれているか否かを判定する判定手段(71)と、前記判定手段(71)によって、前記補完オブジェクトが含まれていると判定された場合に、その旨をユーザに報知する報知手段(72)と、を備えている。
【0008】
この構成のゲーム管理装置は、例えば各ユーザのゲーム端末(端末装置)と通信を行うことができるサーバなどの情報処理装置(コンピュータ)により構成することができる。あるいは、本ゲーム管理装置は、ゲーム端末としての情報処理装置により構成することもできる。あるいは、本ゲーム管理装置は、相互に通信する複数の情報処理装置(サーバ、ゲーム端末)により構成することもできる。
【0009】
本ゲーム管理装置は、ユーザが所有する複数のオブジェクトの組合せによって特殊効果が発生するゲームを管理する。このゲームには、ユーザが所有する全てのオブジェクト(例えば15枚のカード)を対象として、その中の複数のオブジェクトが所定の組合せを構成することによって特殊効果が発生するゲームが含まれる。また、このゲームには、ユーザが所有する全てのオブジェクト(例えば50枚のカード)の中からユーザによって選択的に登録された複数のオブジェクト(例えば15枚の一軍登録カード)を対象として、その中の複数のオブジェクトが所定の組合せを構成することによって特殊効果が発生するゲームが含まれる。
【0010】
本ゲーム管理装置は、特殊効果を発生させるオブジェクトの組合せを完成させるための残りのオブジェクトが入手可能な場合に、その情報をユーザに報知する。これにより、ユーザは、どのオブジェクトの組合わせが特殊効果を発生させるかについての知識がなくとも、ゲーム管理装置によって報知される前記情報に基づき、容易に特殊効果を発生させる組合せを認識し、完成できる。これを実現するゲーム管理装置は、ユーザが入手可能なオブジェクトの中に、ユーザがすでに所有しているオブジェクトと組み合わせることで前記特殊効果を発生させる補完オブジェクトが含まれているか否かを判定する判定手段を備えている。
【0011】
ここで、「オブジェクト」には、キャラクタ、アイテム等が含まれる。例えば、野球ゲームであれば、選手キャラクタ、選手キャラクタをカード形式で表したデジタル選手カード、選手キャラクタに装備するアイテム(バット、グローブ、スパイク)等がオブジェクトに該当する。
【0012】
また、「ユーザが入手可能なオブジェクト」の例としては、次のようなものがある。例えば、後述する2)の構成のように、各ユーザによって放出されたオブジェクトを貯留する貯留領域が設けられており、ユーザがその貯留領域内の所望のオブジェクトを入手できるゲームでは、貯留領域内のオブジェクトが、「ユーザが入手可能なオブジェクト」に該当する。また、ゲーム内に仮想的に設けられたショップ内にある複数のオブジェクトの中から、ユーザが所望のオブジェクトを対価と引き換えに入手できるゲームでは、ショップ内のオブジェクトが、「ユーザが入手可能なオブジェクト」に該当する。これらはほんの一例であり、ゲーム内で、ユーザが自分の意思で少なくとも1つのオブジェクトを入手するか否かを決定できる状態にある場合、当該オブジェクトは「ユーザが入手可能なオブジェクト」に該当する。
【0013】
また、「特殊効果が発生するオブジェクトの組合せ」の一例を、ユーザが所有する所定枚数(例えば15枚)の選手カードで野球チームのオーダーを作って、他の野球チームと対戦する野球ゲームを例に挙げて説明する。ここでは、オブジェクトとしての各選手カードは、プロ野球の複数のチームの何れかのチームに所属する実在選手のカードであるとする。例えば、同一チームの選手カードを7枚以上オーダーに含めている場合に「良好なチームワーク」という特殊効果が発生し、チームの戦力が向上するものとする。この場合、同一チームの選手カードの7枚以上の組合せが、「特殊効果が発生するオブジェクトの組合せ」に該当する。また、同一チームの3番打者、4番打者、5番打者の選手カードをオーダーに含めている場合に「息の合ったクリーンナップ」という特殊効果が発生し、当該3枚の選手カードの打撃能力が向上するものとする。この場合、同一チームの3番打者、4番打者、5番打者の選手カードの組合せが、「特殊効果が発生するオブジェクトの組合せ」に該当する。これらはほんの一例であり、様々なオブジェクトの組合せを適用できる。
【0014】
例えば、ユーザが同一チームの3番打者および4番打者の選手カードをすでに所有している場合、当該チームの5番打者の選手カードが、ユーザがすでに所有しているオブジェクトと組み合わせることで特殊効果(前記「息の合ったクリーンナップ」)を発生させる「補完オブジェクト」に該当する。この場合、判定手段は、ユーザが入手可能なオブジェクト(例えば、前記貯留領域内のオブジェクト)の中に、前記5番打者の選手カードが存在すれば、補完オブジェクトが含まれていると判定する。
【0015】
前記判定手段によって、前記補完オブジェクトが含まれていると判定された場合に、報知手段は、その旨をユーザに報知する。この報知の例としては、ユーザがオブジェクトを入手するための入力画面に、前記5番打者の選手カードを入手すれば、「息の合ったクリーンナップ」という特殊効果の組合せが完成する旨が表示されるようにする。
【0016】
以上のように、本構成では、ユーザが入手可能なオブジェクトの中に、補完オブジェクトが含まれている場合に、その旨がユーザに報知される。これにより、ユーザは、どのオブジェクトの組合わせが特殊効果を発生させるかについての知識がなくとも、容易に特殊効果を発生させる組合せを認識し、完成できるので、ゲームに慣れていないユーザでもより深くゲームを楽しむことができるユーザフレンドリーなゲーム環境を実現できる。また、上記報知によって、ユーザは特殊効果を発生する組合わせの知識をゲーム実行の中で得ることができる。これにより、ユーザは、ゲーム中に強い印象をもって特殊効果を発生する組合わせを記憶することとなる。この結果、ユーザに対して自然な学習を行わせることができる。
【0017】
2)上記の構成において、各ユーザによって非保有状態となるよう放出されたオブジェクトである放出オブジェクトを貯留領域に貯留する貯留手段(73)と、ユーザからの前記貯留領域の確認要求に応じて、前記貯留領域内の放出オブジェクトをユーザに提示する提示手段(74)と、前記貯留領域内の放出オブジェクトの中からユーザによって選択されたオブジェクトを、所定の対価と引き換えに、又は対価不要で、ユーザに付与する付与手段(75)と、をさらに備え、前記ユーザが入手可能なオブジェクトは、前記貯留領域内の放出オブジェクトであることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、各ユーザが保有しているオブジェクトの中から非保有状態となるよう放出された放出オブジェクトが、貯留手段によって貯留領域に貯留される。例えば、各ユーザが保有できるオブジェクトの所定数(例えば15)に限定されており、あるオブジェクトを入手すれば所定数を超える場合には、保有している何れかのオブジェクトを放出しなければならないゲームにおいて、放出されたオブジェクトが貯留領域に貯留される。
【0019】
そして、各ユーザは、前記貯留領域を確認できる。すなわち、ユーザからの確認要求に応じて、提示手段が貯留領域内の放出オブジェクトをユーザに提示する。ユーザは提示された貯留領域内の放出オブジェクトを確認し、その中の任意の放出オブジェクトを、所定の対価と引き換えに、又は対価不要で入手できる。例えば、毎日1回だけは対価不要で放出オブジェクトを入手できるが、2回目以降は所定の対価が必要とすることができる。なお、ゲーム内ポイント、ゲーム内仮想通貨、アイテム等を対価とすることができる。
【0020】
この構成では、ユーザが入手可能なオブジェクトは、貯留領域内の放出オブジェクトである。よって貯留領域内の放出オブジェクトの中に、ユーザがすでに所有しているオブジェクトと組み合わせることで特殊効果を発生させる補完オブジェクトが含まれている場合に、その旨が報知手段によってユーザに報知される。本構成により、他のユーザが放出したオブジェクトの中に補完オブジェクトがあればそれが報知されて入手できるので、貯留領域を確認する頻度を増やすことにより、補完オブジェクトの入手の機会も増える。これにより、ユーザに対してゲームにアクセスして貯留領域を確認する動機付けを与え、ゲームの活性化を図ることができる。
【0021】
3)上記の2)の構成において、ユーザによってオブジェクトが放出された場合、当該オブジェクトが放出前に前記特殊効果を発生させる組合せの一部を構成していたか否かを判定する第2判定手段(76)と、前記第2判定手段(76)によって、オブジェクトが前記特殊効果を発生させる組合せの一部を構成していたと判定された場合、当該オブジェクトを前記報知手段(72)による報知の対象から除外する除外手段(77)と、をさらに備えていることが好ましい。
【0022】
貯留領域を確認しに行ったユーザにとっては、補完オブジェクトの報知が行われ、特殊効果を発生させる組合せを完成できる機会が得られるのに対して、オブジェクトを放出したユーザにとっては、すでに特殊効果を発生させる組合せを完成しているにも関わらず、それとは知らずに、あるいはそのことを忘れてしまい、オブジェクトを放出して完成した組合せを崩してしまう可能性がある。そこで、本構成では、ユーザによってオブジェクトが放出された場合、当該オブジェクトが、放出前に、特殊効果を発生させる完成した組合せの一部を構成していたか否かを判定し、もし当該組合せの一部を構成していた場合には、当該オブジェクトを報知手段による報知の対象から除外する。これにより、貯留領域にオブジェクトを放出する側と、貯留領域からオブジェクトを入手する側の両者の公平性を担保することができる。
【0023】
4)上記の2)または3)の構成において、前記貯留領域内の放出オブジェクトの中から、ユーザによって放出されてから所定時間以上経過した放出オブジェクトを破棄する破棄手段(78)をさらに備えていることが好ましい。
【0024】
この構成によれば、あるユーザによって放出されたオブジェクトは、放出されてから所定時間(例えば48時間)以上経過すると、貯留領域から自動的に破棄される。これにより、ユーザは、貯留領域からオブジェクトが破棄される前に、定期的にゲームにアクセスして貯留領域を確認することが動機付けられる。本構成により、各ユーザのゲームへのアクセス頻度が増加し、ゲームのさらなる活性化を図ることができる。
【0025】
5)上記の2)ないし4)の何れかの構成において、前記判定手段(71)は、前記提示手段(74)によって貯留領域内の放出オブジェクトが提示されているユーザの中に、同一の放出オブジェクトを前記補完オブジェクトとすることが可能な複数のユーザが存在するか否かを判定する機能をさらに備え、前記報知手段(72)は、前記判定手段(71)によって、前記複数のユーザが存在すると判定された場合に、その旨を前記複数のユーザのそれぞれに報知することが好ましい。
【0026】
この構成によれば、貯留領域を確認している(すなわち、提示手段によって貯留領域内の放出オブジェクトが提示されている)ユーザの中に、同一の放出オブジェクトを補完オブジェクトとすることが可能な複数のユーザが存在すれば、その旨が当該複数のユーザのそれぞれに報知される。なお、この報知情報に、同一の放出オブジェクトを補完オブジェクトとすることが可能なユーザの人数や、貯留領域内に存在する当該放出オブジェクトの数についての情報を含めてもよい。これにより、各ユーザは、自分が入手すれば特殊効果を発生させ得るオブジェクトが貯留領域に存在するが、そのオブジェクトを入手すれば特殊効果を発生させ得る別のユーザ(すなわち当該オブジェクトに対する競争相手)がいることが認識できる。本構成により、ユーザに競争相手がいることを意識付け、オブジェクトを早期に入手すべきことを動機付けることができる。従って、ユーザに対して貯留領域にアクセスする頻度を高くしようとする動機付けを与えることとなり、よりゲームの活性化を図ることができる。
【0027】
6)上記の2)ないし5)の何れかの構成において、ユーザに関係付けられた第2のユーザを管理する関係管理手段(79)をさらに備え、ユーザがオブジェクトを放出した場合であって、当該オブジェクトが、前記第2のユーザにとって前記補完オブジェクトである場合、その旨を第2のユーザに報知する第2報知手段(80)をさらに備えていることが好ましい。
【0028】
本ゲーム管理装置は、ユーザと所定の関連付けがなされている仲間などの第2のユーザを管理する管理手段を備えている。ここで、仲間とは、ゲーム内で構築されるユーザ同士の仮想的な関係の総称であり、知人、友人、友達、クラスメイト、相棒、親類、家族、兄弟、姉妹、会社や組織の同僚などの様々なゲーム内の関係を含む。なお、ユーザと関連付けがなされている他のユーザ(第2のユーザ)であれば、仲間という関係でなくてもよい。ただし、以下の説明では、第2のユーザを、便宜上、仲間と称する。
【0029】
この構成によれば、ユーザAが放出したオブジェクトが、そのユーザAの仲間にとって補完オブジェクトである場合には、その旨が仲間B(C、D…)に報知されるので、仲間B(C、D…)に対して優先的にそのオブジェクトを入手する機会が与えられる。各ユーザにとっては、仲間が多いほど、仲間が放出したオブジェクトを補完して特殊効果を発生させるオブジェクトの組合せを完成できる機会も増えるので、各ユーザに仲間を増やす動機付けを与えることができる。
【0030】
7)上記の2)ないし6)の何れかの構成において、ユーザに関係付けられた第2のユーザを管理する関係管理手段(79)をさらに備え、ユーザがオブジェクトを放出した場合であって、当該オブジェクトが、前記第2のユーザにとって前記補完オブジェクトである場合、その旨を当該ユーザに報知する第3報知手段(81)をさらに備えていることが好ましい。
【0031】
この構成によれば、ユーザAが放出したオブジェクトが、そのユーザAの仲間B(C、D…)にとって補完オブジェクトである場合には、その旨がオブジェクトを放出したユーザAに報知される。この場合、まず、ユーザA自身に対して報知されるのであるが、その後の処理として、その報知を受けたユーザAは、例えば「今、ボクが捨てたカードを入手すると特殊効果が発生するよ!」というメッセージを仲間B(C、D…)に送って、知らせてあげることができる。このように、オブジェクトを放出した側のユーザに対して、仲間の補完オブジェクトについての情報を報知することにより、ユーザが仲間に連絡する切っ掛けを与えることができる。仲間にとっては、例えばサーバ側からの報知ではなく、自分の仲間であるユーザAから連絡がくることになるので、親近感がもてることになり、これにより、ユーザ間のコミュニケーションを促進し、ゲームの活性化に繋げることができる。
【0032】
なお、上記例では、ユーザA自らが仲間Bに対して報知を行うことができる構成としているが、これ以外に、ユーザAが放出したオブジェクトが、そのユーザAの仲間Bにとって補完オブジェクトである場合には、その旨が、第3報知手段によってオブジェクトを放出したユーザAに報知されると共に、第2報知手段によって仲間Bに対しても報知されるようにしてもよい。さらにまた、まず、ユーザAに報知がなされ、その後、ユーザAがゲームにアクセスして、その報知を認識できたと判断されたタイミングあるいはその後に、仲間Bに対して自動的に報知がなされるようにしてもよい。この場合、ユーザAは報知を認識するだけとなる。ユーザAが認識する報知内容は、例えば、「あなたが捨てたカードは仲間Bさんが入手すると特殊効果が発生します。仲間Bさんに連絡しておきますね。」といったメッセージであってもよい。
【0033】
8)上記の2)ないし7)の何れかの構成において、ユーザに関係付けられた第2のユーザを管理する関係管理手段(79)をさらに備え、前記提示手段(74)によって提示される放出オブジェクトのうち、ユーザによって放出されてから所定時間以内の放出オブジェクトについては、当該ユーザに関係付けられた第2のユーザのみに提示されるように制限する制限手段(82)をさらに備えていることが好ましい。
【0034】
この構成によれば、ユーザAが放出したオブジェクトについては、放出されてから所定時間(例えば12時間)以内は、ユーザAの仲間B、C、D…のみに提示されるように制限される。すなわち、ユーザAに関係づけられていないユーザが貯留領域を確認しても、ユーザAによって放出されてから所定時間以内の放出オブジェクトについては見ることができない。これにより、ユーザが放出したオブジェクトについては、仲間に対して優先的に入手する機会が与えられる。
【0035】
各ユーザにとっては、仲間が多いほど、仲間が放出したオブジェクトを優先的に入手して特殊効果を発生させるオブジェクトの組合せを完成できる機会も増えるので、各ユーザに仲間を増やす動機付けを与えることができる。また、仲間が放出したオブジェクトを優先的に入手できるのは、放出から所定時間以内に限定されているので、ユーザは、この優先的な期間を逃さないために、定期的にゲームにアクセスして貯留領域を確認することが動機付けられる。本構成により、各ユーザのゲームへのアクセス頻度が増加し、ゲームのさらなる活性化を図ることができる。
【0036】
9)上記の2)ないし8)の何れかの構成において、前記付与手段(75)によって、前記対価と引き換えにユーザにオブジェクトが付与された場合、当該オブジェクトを放出したユーザに当該対価の少なくとも一部を供与する対価供与手段(83)をさらに備えていることが好ましい。
【0037】
この構成によれば、ユーザAが放出したオブジェクトを他のユーザPが対価(ゲーム内ポイント等)と引き換えに入手した場合、その対価の少なくとも一部がユーザAに供与される。このように、オブジェクト放出後に、ゲーム内ポイント等を入手できる可能性を持たせることにより、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0038】
特に、本構成は、ユーザAが放出したオブジェクトが、ユーザAの仲間B(C、D…)にとって補完オブジェクトである場合には、その旨が前記第3報知手段によってユーザAに報知される、前記7)の構成と共に採用することが好ましい。これにより、ユーザAに対して、自分が放出したオブジェクトを仲間B(C、D…)に入手してもらうために、仲間B(C、D…)と積極的にコミュニケーションをとるように動機付けることができる。
【0039】
10)上記の2)ないし9)の何れかの構成において、前記付与手段(75)によって、前記対価と引き換えにユーザにオブジェクトが付与される場合、オブジェクトが放出された後の経過時間に応じて前記対価を変更する第1対価変更手段(84)をさらに備えていることが好ましい。
【0040】
例えば、第1対価変更手段は、オブジェクトが放出された後の経過時間が長くなるほど対価を大きくする。具体例としては、オブジェクトが放出された後の経過時間が12時間以内の対価を「100ポイント」、12時間経過後から24時間以内の対価を「200ポイント」、24時間経過後からの対価を「300ポイント」とする。この場合、オブジェクトが放出されてから出来るだけ早く入手した方が、安価にオブジェクトを入手できる。よって、各ユーザは、安価にオブジェクトを入手するために、定期的にゲームにアクセスして貯留領域を確認することが動機付けられる。
【0041】
逆に、オブジェクトが放出された後の経過時間が長くなるほど対価を小さくする構成としてもよい。具体例としては、オブジェクトが放出された後の経過時間が12時間以内の対価を「300ポイント」、12時間経過後から24時間以内の対価を「200ポイント」、24時間経過後からの対価を「100ポイント」とする。この場合、出来るだけ安価にオブジェクトを入手するためには、オブジェクトが放出された後、時間をおいて入手する方がよいが、あまり時間をおきすぎると、他のユーザにそのオブジェクトを入手されてしまう可能性も高くなる。すなわち、各ユーザは、対価が高くても早めにオブジェクトを入手するか、時間をおいて安価になってから入手するかを検討することになり、この点で面白さが増す。
【0042】
以上のように、本構成では、各ユーザがオブジェクトを入手するタイミングが重要となり、これにより興趣性を高めることができる。
【0043】
11)上記の1)ないし10)の何れかの構成において、前記判定手段(71)は、ユーザが入手可能なオブジェクトの中に、ユーザがすでに所有しているオブジェクトに1つ補完するだけで前記特殊効果を発生させる組合せを完成できる補完オブジェクトが含まれているか否かを判定することが好ましい。
【0044】
この構成によれば、ユーザが特殊効果を発生させる組合せを完成させるためには、残り1つだけオブジェクトが不足しており、そのオブジェクト(補完オブジェクト)が入手可能なオブジェクトの中にあれば、その旨がユーザに報知される。
【0045】
特殊効果発生のために2つ以上オブジェクトが不足している場合に報知する構成も可能であるが、その場合、報知の回数が多くなると共に、特殊効果を発生させる組合せの完成が容易になり過ぎる可能性がある。そこで本構成のように、残り1つの補完オブジェクトだけをユーザに報知することにより、報知の適正化を図ることができる。
【0046】
12)上記の2)ないし10)の何れかの構成において、前記判定手段(71)は、ユーザが入手可能なオブジェクトの中に、ユーザがすでに所有しているオブジェクトに所定数以内で補完するだけで前記特殊効果を発生させる組合せを完成できる所定数以内の補完オブジェクトが含まれているか否かを判定し、前記報知手段(72)は、前記判定手段(71)によって、前記所定数以内の補完オブジェクトが含まれていると判定された場合に、その旨をユーザに報知し、前記付与手段(75)によって、対価と引き換えに、2つ以上のオブジェクトがユーザに付与される場合、1つだけのオブジェクトがユーザに付与される場合よりも、オブジェクト1つあたりの対価を大きくする第2対価変更手段(85)をさらに備えていることが好ましい。
【0047】
この構成によれば、ユーザが特殊効果を発生させる組合せを完成させるためには、残り所定数(例えば2つ)以内のオブジェクトが不足しており、当該オブジェクト(補完オブジェクト)が入手可能なオブジェクトの中にあれば、その旨がユーザに報知される。ただし、ユーザが2つ以上のオブジェクトを入手するためには、1つだけのオブジェクトを入手する場合よりも、オブジェクト1つあたりの対価が大きくなる。例えば、オブジェクトを1つだけ入手する場合の対価を100ポイントとし、オブジェクトを2つ入手する場合の対価を300ポイント(1つのオブジェクトあたり150ポイント)とする。このように2つ以上のオブジェクトを入手できるようにする代わりに、必要な対価を割り増しすることにより、特殊効果を発生させる組合せの完成が容易になり過ぎないようにすることができる。
【0048】
13)上記の1)ないし12)の何れかの構成において、前記判定手段(71)は、前記補完オブジェクトによって複数の特殊効果を発生させる組合せが完成する場合、その中で最も高い特殊効果を発生させる組合せを判定する機能をさらに備え、前記報知手段(72)は、前記判定手段(71)によって判定された最も高い特殊効果を発生させる組合せを報知の対象とすることが好ましい。
【0049】
この構成によれば、ユーザが入手可能なオブジェクトの中に、複数の特殊効果を発生させ得る(複数の)補完オブジェクトが存在した場合、その中で最も高い特殊効果を発生させる組合せを対象とした補完オブジェクトの報知が行われる。これにより、画面内の報知情報が多くなり過ぎて、画面が煩雑で見難くなることを回避できる。また、ユーザは、複数の特殊効果を比較してどの特殊効果がより高い効果を示すのかについての知識がなくとも、容易により高い特殊効果を発生させる組合せを完成できる。これにより、ゲームに慣れていないユーザでもより深くゲームを楽しむことができる、ユーザフレンドリーなゲーム環境を実現できる。
【0050】
14)本発明の他の一局面によるゲーム管理装置(1,2,101,301)は、ユーザが所有する複数のオブジェクトの組合せによって特殊効果を発生させる効果発生手段と、ユーザに関係付けられた第2のユーザを管理する関係管理手段(79)と、前記第2のユーザによって非保有状態となるよう放出されたオブジェクトである放出オブジェクトを貯留領域に貯留する貯留手段(73)と、ユーザからの前記貯留領域の確認要求に応じて、前記貯留領域内の放出オブジェクトをユーザに提示する提示手段(74)と、前記貯留領域内の放出オブジェクトの中からユーザによって選択されたオブジェクトを、所定の対価と引き換えに、又は対価不要でユーザに付与する付与手段(75)と、前記提示手段(74)によって提示されている前記貯留領域内の放出オブジェクトの中に、ユーザがすでに所有しているオブジェクトと組み合わせることで前記特殊効果を発生させる補完オブジェクトが含まれているか否かを判定する判定手段(71)と、前記判定手段(71)によって、前記補完オブジェクトが含まれていると判定された場合に、その旨をユーザに報知する報知手段(72)と、を備えている。
【0051】
この構成によれば、ユーザが確認できる貯留領域には、当該ユーザに関係付けられた第2のユーザ(仲間等)によって放出されたオブジェクトが貯留される。本構成では、仲間が放出したオブジェクトをユーザが入手可能であり、ユーザが放出したオブジェクトはユーザの仲間が入手可能となる。すなわち、仲間同士で相手の不要なオブジェクトを入手できるようになる。各ユーザは、仲間が多いほど、入手可能なオブジェクト(仲間が貯留領域に放出するオブジェクト)が増えるので、各ユーザに仲間を増やす動機付けを与えることができる。そして、入手可能なオブジェクトの中に、補完オブジェクトが含まれている場合に、その旨がユーザに報知されるので、ゲームに慣れていないユーザでもより深くゲームを楽しむことができるユーザフレンドリーなゲーム環境を実現できる。
【0052】
15)本発明の他の一局面によるゲーム管理装置(1,2,101,301)は、ユーザ所有のオブジェクトの中からユーザによって選択的に登録された複数のオブジェクトの組合せによって特殊効果が発生するゲームを管理するものであって、ユーザがオブジェクトを入手した場合に、当該オブジェクトが、ユーザがすでに登録しているオブジェクトと組み合わせることで前記特殊効果を発生させる補完オブジェクトであるか否かを判定する判定手段(71)と、前記判定手段(71)によって、前記補完オブジェクトであると判定された場合に、その旨をユーザに報知する報知手段(72)と、を備えている。
【0053】
前述の1)ないし14)の構成は、ユーザがオブジェクトを入手可能な状態(すなわち入手前の状態)において、入手可能なオブジェクトの中に補完オブジェクトがあれば、それを報知する構成である。これに対して、本構成は、ユーザがオブジェクトを入手した場合について、同様に補完オブジェクトを報知する構成である。
【0054】
本構成では、ユーザ所有のオブジェクト(例えば50枚の選手カード)の中からユーザによって選択的に登録された複数のオブジェクト(例えば15枚の一軍登録カード)の組合せによって特殊効果が発生するゲームを対象としている。ユーザがオブジェクトを入手した場合に、ユーザがすでに登録しているオブジェクトと組み合わせることで特殊効果を発生させる補完オブジェクトがあれば、その旨がユーザに報知される。本構成の場合、入手したオブジェクトが補完オブジェクトである旨の報知を受けたユーザは、それを選択して登録すれば、どのオブジェクトの組合わせが特殊効果を発生させるかについての知識がなくとも、容易に特殊効果を発生させる組合せを完成できる。よって、ゲームに慣れていないユーザでもより深くゲームを楽しむことができるユーザフレンドリーなゲーム環境を実現できる。また、上記報知によって、ユーザは特殊効果を発生する組合わせの知識をゲーム実行の中で得ることができる。これにより、ユーザは、ゲーム中に強い印象をもって特殊効果を発生する組合わせを記憶することとなる。この結果、ユーザに対して自然な学習を行わせることができる。
【0055】
16)本発明の他の一局面によるゲームシステムは、サーバ(1,2,101)と、当該サーバ(1,2,101)との間で通信を行う端末装置(3,301)と、を含み、ユーザが所有する複数のオブジェクトの組合せによって特殊効果が発生するゲームを管理するゲームシステムであって、ユーザが入手可能なオブジェクトの中に、ユーザがすでに所有しているオブジェクトと組み合わせることで前記特殊効果を発生させる補完オブジェクトが含まれているか否かを判定する判定手段(71)、前記判定手段(71)によって、前記補完オブジェクトが含まれていると判定された場合に、その旨をユーザに報知する報知手段(72)、を前記サーバ(1,2,101)又は前記端末装置(3,301)のいずれか一方が備えている。
【0056】
17)本発明の他の一局面によるゲーム管理方法は、ユーザが所有する複数のオブジェクトの組合せによって特殊効果が発生するゲームの管理を行うコンピュータにおけるゲーム管理方法であって、コンピュータが、ユーザが入手可能なオブジェクトの中に、ユーザがすでに所有しているオブジェクトと組み合わせることで前記特殊効果を発生させる補完オブジェクトが含まれているか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップによって、前記補完オブジェクトが含まれていると判定された場合に、コンピュータがその旨をユーザに報知する報知ステップと、を含む。
【0057】
18)本発明の他の一局面によるプログラムは、コンピュータを、ユーザが所有する複数のオブジェクトの組合せによって特殊効果が発生するゲームを管理するゲーム管理装置(1,2,101,301)として動作させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、ユーザが入手可能なオブジェクトの中に、ユーザがすでに所有しているオブジェクトと組み合わせることで前記特殊効果を発生させる補完オブジェクトが含まれているか否かを判定する判定手段(71)、前記判定手段(71)によって、前記補完オブジェクトが含まれていると判定された場合に、その旨をユーザに報知する報知手段(72)、として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0058】
本発明によれば、ユーザは、どのオブジェクトの組合わせが特殊効果を発生させるかについての知識がなくとも、容易に特殊効果を発生させる組合せを完成できる。よって、ゲームに慣れていないユーザでもより深くゲームを楽しむことができるユーザフレンドリーなゲーム環境を実現できる。また、上記報知によって、ユーザは特殊効果を発生する組合わせの知識をゲーム実行の中で得ることができる。これにより、ユーザは、ゲーム中に強い印象をもって特殊効果を発生する組合わせを記憶することとなる。この結果、ユーザに対して自然な学習を行わせることができる。
【発明を実施するための形態】
【0060】
以下、本発明の一実施の形態に係るゲーム管理装置、ゲームシステム、ゲーム管理方法及びプログラムについて、図面を参照しながら説明する。
【0061】
〔ゲームシステムの概要〕
本発明の一実施の形態に係るゲーム管理装置が組み込まれたゲームシステムの構成例を、
図1に示している。同図に示すように、このゲームシステムは、インターネットなどのネットワーク4上に設置されたゲームサーバ1と、当該ゲームサーバ1と通信可能に接続されたデータベースサーバ2と、ネットワーク4を介してゲームサーバ1と通信可能に接続できる各ユーザの端末装置3とによって構成される。
【0062】
本実施の形態のネットワーク4は、インターネットに限定されるものではなく、ゲームサーバ1と各ユーザの端末装置3との間を通信可能に相互に接続できるものであれば、例えば、専用回線、公衆回線(電話回線、移動体通信回線等)、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN等であってもよく、或いはインターネットとこれらを組み合わせたものであってもよい。
【0063】
このゲームシステムの例において、本発明の一実施の形態に係るゲーム管理装置は、ゲームサーバ1およびデータベースサーバ2から構成することができる。ゲームサーバ1は、ゲームサービスを受ける各ユーザの端末装置3からのネットワーク4を介したアクセスを受け付けて、各ユーザのゲーム情報をデータベースサーバ2(記憶装置)に蓄積して管理し、各ユーザにネットワーク4を介したゲームサービスを提供する。
【0064】
ゲームサーバ1によるゲームサービスの提供の形態としては、ゲーム用のプログラム(アプリケーションソフトウェア)がゲームサーバ1に実装されており、端末装置3でゲームを実行するのではなく、端末装置3でのゲーム操作入力に応じてゲームサーバ1でゲームを実行し、その実行結果を各ユーザの端末装置3に送信する形態がある。例えば、各ユーザの端末装置3に搭載されたウェブブラウザによってゲームがプレイできる、いわゆるブラウザゲームをゲームサーバ1が提供する。あるいは、ゲームサーバ1でゲームを実行した結果のゲーム映像を、例えばストリーミング形式で端末装置3に送信する、いわゆるクラウドゲーミングのサービスをゲームサーバ1が提供する。
【0065】
あるいは、後述するように、ゲーム実行プログラムの一部または全部をユーザの端末装置3側にインストールし、端末装置3においてもゲーム実行処理が行われるようなゲームシステムとすることもできる。
【0066】
本実施の形態では、ゲームサーバ1によるゲームサービスの提供の一形態として、ブラウザゲームを提供する例について説明する。このブラウザゲームを提供するサービス形態では、ユーザの端末装置3にゲーム専用のソフトウェアをダウンロード又はインストールする必要がなく、端末装置3をネットワーク4に接続できる環境であれば、ユーザはどこでも気軽にゲームサーバ1から提供されるゲームサービスを楽しむことができる。
【0067】
このゲームシステムでは、ゲームサーバ1が、各ユーザの端末装置3における入力操作に応じてゲーム進行のための演算処理やデータ処理を実行する。そして、ゲームサーバ1は、演算処理等の実行結果に基づいてデータベースサーバ2内の各ユーザのゲーム情報を更新するとともに、当該実行結果をユーザの端末装置3の画面に表示させるためのウェブページ情報(ゲーム画面データ)を各ユーザの端末装置3に送信する。
【0068】
各ユーザの端末装置3には、ユーザーエージェントとしてウェブサイト閲覧機能を有するウェブブラウザが搭載されており、ゲームサーバ1から送信されたウェブページ情報を端末装置3の画面に表示することができるようになっている。この端末装置3としては、例えば、携帯電話端末、PHS(Personal Handy-phone System)端末、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、携帯電話と携帯情報端末とを融合させた携帯端末であるスマートフォン、パーソナルコンピュータ(以下「PC」と呼称する)、タブレット型コンピュータ、通信機能を有するゲーム装置(据置型または携帯型のゲーム装置)または双方向の通信機能を備えた多機能型テレビジョン受像機(いわゆるスマートテレビ)など、ネットワーク4経由でゲームサーバ1に接続してゲームサービスの提供を受けることができる様々な端末が適用できる。
【0069】
また、本実施の形態で提供されるゲームは、ユーザが、ゲームサービスを受けている他のユーザと交流を行いながらプレイすることができる、いわゆるソーシャルゲームの要素を有するものとすることができる。例えば、本実施の形態のゲームサーバ1およびデータベースサーバ2をソーシャルネットワーキングサービス(SNS)のシステムに組み込むことによって、SNSのサービスの一つとしてソーシャルゲームサービスを提供するゲームシステムとすることができる。このようにSNSのプラットフォーム上で動作するゲームシステムによりゲームサービスをユーザに提供することもできるが、ゲームサーバ1およびデータベースサーバ2をSNSのシステムに組み込まずに、独立したゲームシステムとして構築してもよい。
【0070】
本実施の形態のゲーム管理装置は、ユーザが所有する複数のオブジェクト(キャラクタカード等)の組合せによって特殊効果が発生するゲームを管理する。そして、本ゲーム管理装置は、特殊効果を発生させるオブジェクトの組合せを完成させるための残りのオブジェクトが入手可能な場合に、その情報をユーザに報知する。これにより、ユーザは、どのオブジェクトの組合わせが特殊効果を発生させるかについての知識がなくとも、ゲーム管理装置によって報知される前記情報に基づき、容易に特殊効果を発生させる組合せを認識し、完成できる。以下に、これを実現する本実施の形態に係るゲーム管理装置(ゲームサーバ1等)の構成の詳細を説明する。
【0071】
〔ゲーム管理装置の構成〕
上述のように本実施の形態では、ゲーム管理装置は、ゲームサーバ1およびデータベースサーバ2から構成される。
図2にゲームサーバ1のハード構成の一例を示している。同図に示すように、ゲームサーバ1は、主に、CPU(Central Processing Unit)11と、主記憶装置としてのROM(Read Only Memory)12及びRAM(Random Access Memory)13と、補助記憶装置14と、通信制御部15と、入出力制御部16とを備えており、これらはアドレスバス、データバス及びコントロールバス等を含むバスライン17を介して相互に接続されている。なお、バスライン17と各構成要素との間には必要に応じてインタフェース回路が介在しているが、ここではインタフェース回路の図示を省略している。
【0072】
CPU11は、システムソフトウェアやゲームプログラム等のアプリケーションソフトウェアの命令を解釈して実行し、ゲームサーバ1全体の制御を行う。ROM12は、ゲームサーバ1の基本的な動作制御に必要なプログラム等を記憶している。RAM13は、各種プログラム及びデータを記憶し、CPU11に対する作業領域を確保する。
【0073】
補助記憶装置14は、ゲームプログラム等のアプリケーションソフトウェアや各種データ等を格納する記憶装置である。補助記憶装置14としては、例えばハードディスクドライブなどを用いることができる。ゲームサーバ1(コンピュータ)をゲーム管理装置として動作させるための本実施の形態のプログラムも、この補助記憶装置14に記憶されており、当該プログラムはゲームサーバ1の起動時に補助記憶装置14からバスライン17を介してRAM13へとロードされ、当該CPU11によって実行される。
【0074】
通信制御部15は、ネットワーク4と接続される通信インタフェース15aを備え、ネットワーク4を介した各ユーザの端末装置3との間の通信を制御する。また、通信制御部15は、ネットワーク4に接続されている図示しないサーバとの通信も制御するようになっている。例えば、ゲームサーバ1をSNSに組み込んだシステム構成とした場合、ゲームサーバ1の通信制御部15は、SNSサーバとの間の通信を制御する。
【0075】
入出力制御部16は、データベースサーバ2と通信可能に接続されており、CPU11がデータベースサーバ2に対してデータ(レコード)の読み書きを実行するときの入出力制御を行うデータベースインタフェースである。
【0076】
データベースサーバ2は、ゲームサーバ1が管理する各ユーザのゲーム情報を記憶する領域を有する記憶装置として、例えばRAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)構成の大容量ハードディスク装置を具備する。このデータベースサーバ2は、例えば、各ユーザを一意に識別する識別情報(ユーザID)と対応付けて、各ユーザの各種ゲーム情報(ユーザ名、レベル、ゲーム内ポイント、所持アイテムなど)を記憶するリレーショナルデータベース、オブジェクトデータベース又はオブジェクト関係データベース等として構築することができる。
【0077】
本実施の形態では、ゲーム管理装置がゲームサーバ1およびデータベースサーバ2から構成される例を示すが、これに限定されるものではない。例えば、ゲームサーバ1にデータベースサーバ2の機能を持たせて、ゲーム管理装置をゲームサーバ1のみで構成することもできる。また、ゲームサーバ1の有する各機能を複数のサーバに分散して持たせて、ゲームサーバ1を複数台のサーバとして構成することもできる。例えば、ユーザが端末装置3を操作してゲームサーバ1へアクセスした場合に、当該ユーザが正規のユーザかどうかを判別する認証機能を有する認証サーバを、ゲームサーバ1のメインサーバとは別に設け、メインサーバと認証サーバとでゲームサーバ1を構成してもよい。他の構成例としては、ユーザが課金対象のアイテムをゲーム内で購入した場合に課金管理を行う課金管理サーバを、ゲームサーバ1のメインサーバ等とは別に設け、メインサーバ、認証サーバおよび課金管理サーバによりゲームサーバ1を構成してもよい。
【0078】
また、本ゲームサービスを利用するユーザ数が数十万人、数百万人、あるいはそれ以上となると、多数のユーザの端末装置3からの巨大なアクセスにも耐え得るサーバシステムの構築が求められるため、ネットワーク4上に複数のゲームサーバ1を設けて冗長化(多重化)を図ることにより、負荷分散型のシステム構成としてもよい。この場合、複数のゲームサーバ1間の負荷を調整するためのロードバランサを設けることが望ましい。
【0079】
次に、本実施の形態に係るゲームサーバ1にアクセスしてゲームサービスの提供を受けるユーザの端末装置3の構成を説明する。
【0080】
〔端末装置の構成〕
ユーザが操作する端末装置3としては、上述のように携帯電話端末やスマートフォンをはじめとして、ウェブサイト閲覧機能を有する様々な端末を適用できるが、本実施の形態では、携帯端末を例示してその構成を説明する。なお、携帯端末以外の端末装置3についても、ウェブサイト閲覧機能を用いてゲーム画面を表示したり、ゲームを実行するための入力操作を行うといった、ゲームをプレイする上で必要となる基本的な構成は、携帯端末と同様である。
【0081】
ウェブサイト閲覧機能等を有する携帯端末は、フィーチャーフォン(Feature phone)やスマートフォン(Smartphone)等とも呼称され、
図3にその構成例を示している。同図に示すように、端末装置3は、主に、CPU31と、主記憶装置としてのROM32及びRAM33と、画像処理部34と、表示部35と、サウンド処理部36と、音声入力部37と、音声出力部38と、補助記憶装置39と、操作入力部40と、通信制御部41とを備えており、構成要素31〜34、36および39〜41はバスライン42を介して相互に接続されている。なお、バスライン42と各構成要素との間には必要に応じてインタフェース回路が介在しているが、ここではインタフェース回路の図示を省略している。
【0082】
CPU31は、ウェブブラウザを含む各種プログラムの命令を解釈して実行し、端末装置3全体の制御を行う。ROM32には、端末装置3の基本的な動作制御に必要なプログラム等が記憶されている。また、RAM33には、ROM32または補助記憶装置39からロードされた各種プログラムやデータが記憶され、CPU31に対する作業領域を確保する。HTML等で記述されたゲーム画面データを表示するウェブブラウザは、ROM32または補助記憶装置39に記憶されており、RAM33にロードされてCPU31によって実行される。また、ウェブブラウザのブラウザ機能を拡張するための様々なプラグインソフトウェアを、ウェブブラウザと共にROM32または補助記憶装置39に記憶していてもよい。
【0083】
画像処理部34は、CPU31からの画像表示命令に基づいて表示部35を駆動し、当該表示部35の画面に画像を表示させる。表示部35には、液晶ディスプレイまたは有機LE(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の既知の種々の表示装置が適用できる。
【0084】
サウンド処理部36は、音声入力部37から音声が入力されたときにアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換するとともに、CPU31からの発音指示に基づいてアナログ音声信号を生成して音声出力部38に出力する。音声入力部37は、端末装置3に内蔵されたマイクロフォンからなり、電話通信する場合や録音を行う場合などに用いられる。音声出力部38は、電話通信時の受話スピーカおよび電話着信音やゲーム実行時の効果音などを出力するスピーカからなる。
【0085】
補助記憶装置39は、各種プログラムやデータ等を格納する記憶装置である。補助記憶装置39としては、携帯電話端末の内部メモリとして、例えばフラッシュメモリドライブ等を用いることができ、また、携帯電話端末の外部メモリとして、例えばメモリカードリーダライタ等を用いることができる。
【0086】
操作入力部40は、ユーザの操作入力を受け入れて当該操作入力に対応した入力信号を、バスライン42を介してCPU31に出力するものである。操作入力部40の例としては、端末装置3の本体に設けられた方向指示ボタン、決定ボタン、英数文字等入力ボタンなどの物理的ボタンがある。また、表示部35の画面にタッチパネル(接触入力式のインタフェース)を搭載することによって表示部35をいわゆるタッチスクリーンとして構成している端末装置3の場合、当該タッチパネルも操作入力部40となる。
【0087】
また、一般的な音声認識技術を利用して、音声入力部37から入力された音声をCPU31が解析し、各種入力を、音声により行うことができる構成としてもよい。
【0088】
通信制御部41は、通信インタフェース41aを備え、ゲーム操作時等にデータ通信するための通信制御機能および携帯電話端末として音声データを送受信するための通信制御機能等を有している。ここで、データ通信用の通信制御機能には、例えば、無線LAN接続機能、無線LANや携帯電話回線網を介したインターネット接続機能、所定の周波数帯(例えば2.4GHzの周波数帯)を用いた近距離無線通信機能などが含まれる。通信制御部41は、CPU31からの命令に基づいて端末装置3を無線LANやインターネット等に接続するための接続信号を発信するとともに、通信相手側から送信されてきた情報を受信してCPU31へ供給する。
【0089】
なお、端末装置3には、その他にもGPS(Global Positioning System)信号受信回路、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の撮像装置(カメラ)、3軸加速度センサなどが備えられていてもよく、例えば、GPS位置情報などをゲーム内で活用してもよい。
【0090】
上記構成の端末装置3において、ゲームサービスを受けようとするユーザは、ウェブブラウザを立ち上げてゲームサーバ1が管理するゲームサイトにアクセスする入力操作を行う。このアクセスがゲームサーバ1に認証された場合、端末装置3の通信制御部41がゲームサーバ1から送信されてくるHTML等で記述されたゲーム画面データを受信し、CPU31がウェブブラウザを実行してゲーム画面を表示部35に表示させる。ここでユーザは、ゲーム画面に表示されている選択可能なボタンオブジェクトやハイパーリンクを、操作入力部40を操作して選択入力する。この選択入力に応じてゲームサーバ1がゲームを進行させ、新たなゲーム画面データを端末装置3に送信する。そして、この新たなゲーム画面が端末装置3の表示部35に表示され、以下、同様に、ユーザは、表示部35に表示されているゲーム画面で選択可能なボタンオブジェクト等を選択する操作により、ゲームサーバ1が提供するゲームをプレイすることができるようになっている。
【0091】
〔ゲームの説明〕
ゲーム管理装置によって提供されるゲームの例としては、サッカー、野球、テニス、アメリカンフットボール、バスケットボール、バレーボール、ゴルフ、ボクシング、競馬、カーレースなどを題材としたスポーツ・レースゲーム、シミュレーションゲーム、育成ゲーム、ロールプレイングゲーム、さらにはクイズゲームといったように、ゲーム形式・ジャンルを問わず様々なゲームを挙げることができる。その一例として、本実施の形態では、主に、ゲーム管理装置が野球ゲームを管理する例について、以下に説明する。
【0092】
本実施の形態では、ゲーム内で、現実世界のプロ野球(またはMLB)の実在選手に対応する選手キャラクタが用いられる野球ゲームを例に挙げる。ゲーム内の選手キャラクタは、当該選手キャラクタの形態を端末装置3の画面上で視認可能としたカード形式とすることができる。すなわち、選手キャラクタは、デジタル選手カードとしてゲームサーバ1で管理されるとともに、ユーザの端末装置3の画面に表示される。また、選手キャラクタは、ゲーム内での試合等において、3次元コンピュータグラフィックスにより描写してもよい。また、ストリーミング形式等により、選手キャラクタやボールオブジェクト等を動画表示してもよい。
【0093】
図4に、本ゲームのメイン画面(ホーム画面、マイページ画面とも称される)の一例を示す。このメイン画面には、ユーザのゲーム情報201として、ユーザの画像(アバター、写真等)、所有ポイント、所有アイテム、仲間人数などが表示される。また、メイン画面には、各種モードを選択するためのボタン群202等が表示される。また、端末装置3の方向キーやタッチパネル等を操作して画面をスクロールさせることによって、表示されていないシステム運営者からのお知らせ等の、様々な情報が表示される。
【0094】
本実施の形態のゲームでは、現実世界の野球のシーズン中においては、現実の試合で活躍する実在選手を予想して、その結果(スコア)を他のユーザと競う予想ゲームを主に楽しむことができる。また、現実世界の野球のオフシーズンにおいては、毎日、ユーザ同士で戦うトーナメントが開催され、対戦ゲームを主に楽しむことができる。
【0095】
先ず、野球シーズン中のゲームについて説明する。ゲーム内には、複数のゲームモードが存在し、その中の1つが予想ゲーム(第1ゲーム)である。この予想ゲームを遊戯するためには、「ホープ」と称される権利アイテムが必要であり、当該権利アイテムを獲得することができるゲームモードとして、パズルゲーム(第2ゲーム)も存在する。ユーザは、パズルゲームを遊戯して「ホープ」を獲得し、その「ホープ」を使用して予想ゲームを遊戯することになる。
【0096】
本実施の形態のパズルゲームは、1分間の制限時間内に獲得した得点に応じて、「ホープ」を獲得できる。パズルゲームの画面の一例を、
図5に示す。画面には、遊戯の残り時間の表示領域205、スコアゲージ206、パズル用のアイコン表示領域207が設けられている。ゲームの開始と同時に、アイコン表示領域207には複数種類のアイコンがマトリクス状に並べられた状態で登場する。ユーザは指またはペンで画面上のアイコンを押さえて、上下左右の何れかの方向に一コマずつアイコンを移動(ドラッグ操作)させる。このアイコンの移動操作により、移動させたアイコンと、移動先にあったアイコンとが入れ替わる。アイコンには、顔の形をした「おおだま」アイコン208と、ボールの形をした「こだま」アイコン209とがある。同じ形状の「おおだま」アイコン208が、縦、横、L字状に3つ以上繋がると、繋がった「おおだま」アイコン208を消すことができ、得点が向上する。また、「こだま」アイコン209は、隣で「おおだま」アイコン208が消えると、自動的に「おおだま」アイコン208に変化する。さらに、消えたアイコンの位置には、自動的に「おおだま」又は「こだま」のアイコンが補充される。このような「こだま」から「おおだま」への変化、および消えた位置へのアイコンの補充により、ユーザがアイコンの移動操作をしなくても、同じ形状の「おおだま」アイコン208が3つ以上繋がり、連鎖的にアイコンが消去されることがある。
【0097】
上記のパズルゲームにおいて、「おおだま」アイコン208を1つ消去する毎に所定の得点(たとえ100点)を獲得できる。「おおだま」アイコン208の種類により獲得できる得点を変えてもよい。1分間のゲーム終了時に、ユーザが獲得した得点10000点につき1つの「ホープ」が、ユーザに付与される。例えば、ユーザがパズルゲームで25000点を獲得した場合、2つの「ホープ」を獲得できる。
【0098】
このパズルゲームは、1プレイ1分で手軽に遊戯できるので、1日に複数回の遊戯が可能である。但し、パズルゲームを遊戯するためには、「行動力」というポイントを必要とする。例えば、パズルゲームを1回遊戯することにより、「行動力」を1ポイント消費する。この行動力は、ユーザが所有しているポイントであり、ゲーム中に消費されて減った行動力は、時間の経過により回復(例えば、8分経過毎に1ポイントずつ回復)する。また、ユーザのレベルアップ時または回復アイテムの使用により、消費されて減った行動力が一気に回復するようにしてもよい。ユーザが所有できる行動力の最大値は、ユーザのゲームのレベルが向上する毎に増えて行く。ユーザのレベルは、ゲーム経験の豊富さ、ゲームの習熟度の高さの指標となるものである。本実施の形態では、ユーザが所定のゲームモードを遊戯する(例えば、パズルゲームを遊戯する)ことにより経験値が蓄積され、当該経験値が一定量に達することによりレベルアップするようになっている。
【0099】
ユーザが獲得した「ホープ」には、原則、その使用に制限が設けられている。本実施の形態では、「ホープ」には、その獲得後、最初に来る締切期限の予想ゲームでのみ使用できるという制限が付けられる。すなわち、「ホープ」は、原則、現実世界の直近の野球の試合を対象とした予想ゲームにのみ使用できるのである。使用期限を過ぎた「ホープ」は消滅してしまうので、ユーザは、使用期限内に「ホープ」を使い切ることが必要である。但し、ユーザは、自らの意思で、2つの「ホープ」を合体させるための入力操作を行うことにより、合体後の「ホープ」の使用制限を解除できる。この合体により、ユーザの手持ちの「ホープ」の数は減少するが、合体後の「ホープ」については、いつでも使用できるようになる。
【0100】
次に、パズルゲームで獲得した「ホープ」を使用して遊戯する予想ゲームについて説明する。予想ゲームの画面の一例を、
図6に示す。画面には、ユーザが現在所有している「ホープ」の数が表示される。上述のように、「ホープ」には使用期限付きのものと、合体により使用期限のないものとがある。よって、画面には、使用期限付きの「ホープ」の数を表示する領域211と、使用期限のない「ホープ」の数を表示する領域212とが設けられている。
【0101】
また、予想ゲームの画面には、予想の締切期限までの残り時間を表示する領域213が設けられている。予想の締切期限は、現実世界の野球の試合開始時間としてもよいし、試合開始の所定時間前(例えば1時間前)としてもよい。
【0102】
また、予想ゲームの画面には、予想可能な実在選手(選手のカード)を所定数(例えば15人)表示する領域214が設けられている。なお、画面に表示しきれない実在選手については、画面をスクロールすることにより表示される。各ユーザは、この領域214に表示される実在選手の中から、応援する(現実世界で活躍すると予想する)実在選手を選択することができる。予想可能な実在選手は、ゲーム内の全てのユーザに共通である。
【0103】
上記領域214に表示される、予想可能な実在選手は、ゲームサーバ1によって予め選択される。例えば、ゲームサーバ1には、現実の試合に出場する可能性の高い実在選手(一軍登録されているレギュラー選手等)が予め登録されており、その中から、毎日、所定数の実在選手がゲームサーバ1によって抽出され、予想ゲームの画面に表示される。このゲームでは、数百人にものぼる実在選手の中から、予想可能な対象選手が所定数に絞られているので、野球に詳しくないユーザであっても、それほど予想に困ることがない。
【0104】
なお、
図5に示すパズルゲームにおいて、スコアゲージ206のゲージ表示が右端に到達すれば(例えば、得点が30000点に到達すれば)、予想可能な対象選手が1人追加されるようにしてもよい。
【0105】
また、領域214に表示される実在選手には、期待度を示すマーク215も表示される。この期待度は、例えば、直近の所定期間(例えば1週間)の現実世界の成績(打率、防御率等)に基づいて決定される。マーク215の数が多い実在選手ほど、期待度も大きい。この期待度の情報により、野球に詳しくないユーザの予想もさらに容易となる。
【0106】
本実施の形態の予想ゲームでは、各チームの4番打者やエース投手などの人気選手を応援(活躍予想)するには、その他の選手よりも多くの「ホープ」が必要である。上記領域214に表示される各実在選手には、活躍を予想するために最低必要な「ホープ」の数の情報216が表示されている。
【0107】
予想ゲームの画面で、ユーザが現実世界で活躍すると予想する実在選手を選択(クリック等)すれば、その実在選手の予想に最低必要な数の「ホープ」が設定される。さらに、ユーザは、最低必要な数の「ホープ」よりも多い数の「ホープ」を、追加で設定することもできる。このように設定する「ホープ」の数により、予想の重み付けをすることもできる。なお、ユーザが特に指定せずとも、使用期限付きの「ホープ」が、使用期限のない「ホープ」よりも優先的に使用される。また、ユーザは、複数の実在選手に「ホープ」を設定して予想することができる。なお、各ユーザが予想可能な選手枠には、上限を設けてもよい(例えば最大5人まで予想可能)。
【0108】
その後、予想の対象となる現実世界の試合中または試合の終了後に、前記領域214に表示されていた実在選手のその試合での実績がゲームサーバ1に入力される。そして、ゲームサーバ1は、入力された各実在選手の実績に基づいて、活躍度を算出する。例えば、単打が100、二塁打が200、三塁打が300、本塁打が400、1打点につき100、盗塁が100、奪三振が50、無失点/イニングが50等の評価ポイントに基づいて、各実在選手の活躍度を算出する。そして、ゲームサーバ1は、実在選手の活躍度に、ユーザが設定した「ホープ」の数を掛け合わせて、予想的中スコアを算出する。ユーザが複数の実在選手に「ホープ」を設定していた場合、ゲームサーバ1は、当該複数の実在選手の予想的中スコアを合計して、当該ユーザの予想的中スコアを求める。
【0109】
ゲームサーバ1は、ゲーム内の全ユーザの予想的中スコアを算出した後、各ユーザのランキングを求める。そして、ランキング上位のユーザ(例えば100位以内のユーザ)には、アイテムや予想可能な選手枠の拡大などの報酬が付与される。
【0110】
この予想ゲームは、シーズン中、現実世界で試合のある日は毎日開催される。ゲームサーバ1は、ある日の試合が終了して上記のようにランキングを出した後、翌日の試合の予想を受け付けるため、予想可能な所定数の実在選手を抽出する。翌日の試合の予想の受け付け期間は、例えば翌日の午前0時から予想の締切期限(例えば17時)までに設定される。このように、予想ゲームは、試合前にユーザの予想を受け付け、試合後に予想結果が出る1日に1回の遊戯サイクルである。
【0111】
次に、現実世界の野球のオフシーズン中のゲームについて説明する。ゲーム内の各選手カードには、それらを一意に識別するための選手IDが付けられている。そして、
図7に例示するように、データベースサーバ2には、選手IDと対応付けられて、選手名、背番号、ポジション、所属チーム、能力値、レア度、画像データなどが記憶された選手データベース(選手DB)が存在する。
【0112】
オフシーズン中は、毎日、所定時間(例えば午前0時)になれば、各ユーザに、所定数の選手カードが付与される。本実施の形態では15枚の選手カードが各ユーザに付与されるものとする。なお、シーズン中とは異なり、毎日、ユーザ毎に違った選手カードが配られる。例えば、ゲームサーバ1は、ユーザ毎に、ランダムに15枚の選手カードを選択してユーザに付与する。あるいは、次のようにユーザに付与する選手カードを決定してもよい。各ユーザは、ゲームを初めて実行した際に、現実世界の複数のプロ野球チームのうちの希望する何れか1つのチームをお気に入りチームとして登録する。そこで、ゲームサーバ1は、ユーザのお気に入りチームの選手カードを、他のチームの選手カードよりも高い確率で選択し、ユーザ毎に15枚の選手カードを決定する。
【0113】
ゲームサーバ1から各ユーザに付与された15枚の選手カードは、ユーザのチームのオーダーを構成するカードである。オフシーズン中は、毎日、所定時間(例えば22時)になれば、各ユーザのチームが自動的に対戦するトーナメント戦が開催される。各ユーザは、トーナメント戦の開始までに、以下に示すように、自分のチームの選手カードを「ホープ」で強化したり、チームを構成する選手カードを入れ替えたりして、チームを強化できる。
【0114】
オフシーズン中も、ユーザは、
図5に示すパズルゲームを遊戯することにより、「ホープ」を獲得することができる。ユーザは、獲得した「ホープ」を自分のチームの選手カードに設定することにより、当該カードの選手能力を向上させることができる。また、「ホープ」は、後述するように、ユーザの仲間等が放出した選手カードを入手するときにも使用できる。前述と同様、オフシーズン中にユーザが獲得した「ホープ」にも、例えば24時間の使用期限が設けられ、2つの「ホープ」を合体することにより、使用期限を解除できるようにしてもよい。
【0115】
本実施の形態のゲームで対戦に勝利するためには、ユーザのチーム内の選手カードの能力の高さも重要であるが、それだけではなく、チーム内の複数の選手カードの組合せも重要となる。それは、対戦において、ユーザが所有する15枚の選手カード(ユーザのチームを構成する選手カード)の中に、所定のカードの組合せが存在すれば、対戦実行時に特殊効果が発生し、戦力が向上するからである。例えば、ユーザが、同一チームの選手カードを7枚以上所有している場合、「良好なチームワーク」という特殊効果が発生し、ユーザのチームの戦力が向上する。また、同一チームの3番打者、4番打者、5番打者の選手カードをオーダーに含めている場合に「息の合ったクリーンナップ」という特殊効果が発生し、当該3枚の選手カードの打撃能力が向上する。その他にも特殊効果を発生させる選手カードの組合せは複数存在する。
【0116】
そこで、ユーザは、トーナメント戦が開始されるまでに、以下に示す方法により選手カードを入手し、自分のチームを構成する選手カードを入れ替えることにより、戦力アップを図ることができる。
【0117】
オフシーズン中のパズルゲームにおいて、
図5に示すスコアゲージ206のゲージ表示が右端に到達すれば(例えば、得点が30000点に到達すれば)、ユーザは、選手カードを1枚獲得できる。このパズルゲームで獲得できる選手カードは、例えば、ゲームサーバ1がゲーム内の全ての選手カードの中からランダムに選択した選手カードである。パズルゲーム(または後述する「場」)で選手カードを獲得した後のゲームの流れを、
図8に示す。基本的に、ユーザのチームは15枚の選手カードで構成されるので、1枚カードを獲得すれば、それと入れ替えに、現在の手持ちの選手カードの中から何れか1枚のカードを放出しなければならない。なお、入手した選手カードを、自分のチームに加えたくなければ、入手した選手カードを直ぐに放出することもできる。
【0118】
ユーザが放出する選手カードを1枚選択すれば、その選手カードは非保有状態となり、一旦、貯留領域に貯留される。以下、この貯留領域を「場」と呼称する。このように、各ユーザは、パズルゲームで選手カードを獲得しては、獲得した枚数分のカードを、現在の手持ちの選手カードの中から放出することを繰り返し、自分のチームをより強いチームに作り上げる。また、場には、各ユーザによって放出された選手カード(放出オブジェクト)が貯留される。
【0119】
ユーザは、「場」に貯留されている選手カードを、いつでも確認することができる。そして、ユーザは、「場」の中の任意の選手カードを、所定の対価(本実施の形態では「ホープ」)と引き換えに入手できる。なお、「場」の中の選手カードを入手する場合、毎日1枚だけ対価不要で入手できるが、2枚目以降は対価が必要としてもよい。
【0120】
ユーザが自分の端末装置3で「場」を確認するための入力操作を行えば、ゲームサーバ1から、例えば
図9に示す「場」の確認画面が送信されてくる。この画面内には、「場」に貯留されている複数の選手カードを表示する選手カード表示領域221が設けられる。
図9では、選手カード表示領域221に15枚の選手カードが表示されているが、「場」にそれ以上の選手カードが貯留されている場合、画面をスクロールする、または2頁目以降の画面を表示させることにより、表示されていない選手カードも確認できる。
【0121】
本ゲームでは、ユーザが特殊効果を発生させる組合せを完成させるためには、残り1つだけ選手カードが不足しており、その選手カードが、ユーザが確認している「場」の中にあれば、その旨がユーザに報知される。すなわち、ユーザが入手可能な、「場」に貯留されている選手カードの中に、ユーザがすでに所有している選手カードと組み合わせることで特殊効果を発生させる補完カード(補完オブジェクト)が含まれている場合、その旨がユーザに報知される。
【0122】
図9では、画面内に報知情報表示領域220が設けられ、架空のキャラクタが、補完カードを報知する例を示している。例えば、報知情報表示領域220には、ユーザが既に所有しているカード222と補完カード223とが表示されると共に、「この補完カードを入手すれば、既に所有しているカードと組み合わせて、「息の合ったクリーンナップ」のコンボが完成します!」というメッセージ224が表示される。なお、本ゲームでは、特殊効果を発生させるカードの組合せを「コンボ」と呼ぶ。ここで、ユーザが補完カード223を選択すれば、対価としての「ホープ」と引き換えに、補完カード223を入手できる。これにより、ユーザは、どの選手カードの組合わせが特殊効果を発生させるかについての知識がなくとも、容易に特殊効果を発生させる組合せを完成できる。また、ユーザは、ゲームを進めている中で特殊効果の組合せに関する知識を得ることができる。
【0123】
一方、「場」に貯留されている選手カードの中に、補完カードが存在しなければ、上記のメッセージ224等は画面に表示されない。
【0124】
なお、ゲーム内の全てのユーザに共通の「場」をゲーム内に1つ設けても良いが、ユーザ数が多い場合、各ユーザが放出した選手カードが膨大な数となってしまう可能性がある。そこで、ゲーム内のユーザを1グループ数十人程度の複数のグループに分割し、グループ毎に「場」を設けてもよい。
【0125】
あるいは、「場」は、ユーザに関係付けられた仲間(第2のユーザ)によって放出された選手カードを貯留することとし、ユーザ毎に「場」を設けてもよい。この場合、ユーザの仲間が放出した選手カードを、ユーザが対価を支払って入手することができるようになる。あるいは、「場」には、ユーザに関係付けられた仲間と、ユーザに関係付けられていない所定人数(例えば20人)の他のユーザとによって放出された選手カードを貯留することとしてもよい。
【0126】
ゲームサーバ1は、毎日、所定時間(例えば22時)になれば、その時点でユーザが所有している選手カードによってユーザのチーム構成を確定し、自動的に対戦相手を決定して、トーナメント戦を実行する。その後、ゲームサーバ1は、トーナメント戦の結果が出れば、その結果を各ユーザに報知し、優勝者または所定順位以内に入ったユーザには、報酬としてアイテム等を付与する。
【0127】
毎日、トーナメント戦の結果が出れば、各ユーザが所有している15枚の選手カードは破棄され、各ユーザのチーム構成が一旦リセットされる。そして、翌日の午前0時になれば、ユーザ毎に、新たに15枚の選手カードを決定し、各ユーザに付与する。オフシーズン中は、毎日これを繰り返す。
【0128】
〔ゲーム管理装置の機能的構成および動作〕
次に、上記のゲームを実現するゲーム管理装置の機能的構成の一例について説明する。
図10は、端末装置3と通信するゲーム管理装置(ゲームサーバ1およびデータベースサーバ2)の基本的な構成を示す機能ブロック図である。
【0129】
本実施の形態に係るゲーム管理装置は、ユーザ情報記憶制御手段60、受信手段61、実行手段62、画面生成手段63、送信手段64、アクセス管理手段65および交流制御手段66等を備えている。これらの各手段は、ゲームサーバ1のCPU11が本実施の形態に係るプログラムを実行することにより実現されるものである。
【0130】
ユーザ情報記憶制御手段60は、各ユーザのゲームに関する情報をデータベースサーバ2に記憶して管理する。ユーザ情報記憶制御手段60がデータベースサーバ2に記憶している、ユーザのゲームに関する情報であるユーザ情報データベースの一例(この例ではユーザID=000001の1人分の情報)を、
図11に示す。
【0131】
ユーザ情報記憶制御手段60は、ユーザIDと対応付けて、ユーザの基本情報、希望チーム、レベル情報、保有カード、保有ポイント、保有アイテム、仲間情報、アクセスログ、交流履歴等を、データベースサーバ2の所定の記憶領域に記憶する。
【0132】
ユーザの基本情報としては、ログインID、パスワード、ユーザ名(ゲーム内で使用するニックネーム等)等がある。ここで、ログインIDおよびパスワードは、各ユーザが端末装置3を操作してゲームサーバ1にアクセスしたときのログイン認証に用いられる。ユーザ名は、ゲーム内で使用するニックネーム等である。希望チームは、ユーザがゲームサービスを受けるための利用登録をした際や、ゲームを初めて実行した際に、ユーザが自ら設定したお気に入りチームの情報である。レベル情報は、前述したユーザのゲームのレベルである。
【0133】
保有カードの情報とは、オフシーズン中に、ゲーム内でユーザが保有している選手カードの情報(選手ID)である。
図7に示すように、データベースサーバ2には選手DBが存在する。よって、ゲームサーバ1は、ユーザ情報記憶制御手段60によって記憶されている選手IDに基づいて、当該選手IDに対応する選手カードに関する各種情報を、選手DBから取得できる。
【0134】
保有ポイントおよび保有アイテムの情報は、ゲーム内でユーザが保有している各種ポイント(ポイントに準ずる値などを含む)およびアイテムの情報である。本実施の形態では、前述の経験値および行動力が保有ポイントの情報に含まれる。また、アイテムには、前述の「ホープ」および回復アイテムが含まれる。「ホープ」には制限付きのものと、制限が解除されたものがあるので、それらを区別して記憶している。
【0135】
また、仲間情報とは、ユーザに関係付けられた仲間の情報であり、ユーザIDと対応付けられて仲間のユーザIDがデータベースサーバ2に記憶される。また、アクセスログとは、ユーザの端末装置3がゲームサーバ1へアクセス(ログイン)した日時等の時間情報である。また、交流履歴とは、ユーザが他のユーザ(仲間等)にゲーム内で交流を行った履歴の情報である。この交流履歴には、交流の種類、相手、時間の情報が含まれる。交流の種類としては、挨拶、メッセージ送信、プレゼント、チャットなどがある。交流の相手の情報として、相手のユーザIDが記憶される。
【0136】
次に、
図10に示す受信手段61、実行手段62、画面生成手段63、送信手段64について説明する。受信手段61および送信手段64は、ゲームサーバ1のCPU11および通信制御部15により実現される機能である。
【0137】
ユーザの端末装置3のウェブブラウザによってゲーム画面が表示されているとき、ユーザがゲーム画面上の選択可能なボタンオブジェクトやハイパーリンクが設定された文字列等を選択する入力の操作を行った場合、当該入力に関する情報(ゲーム画面のリクエスト等)が端末装置3のウェブブラウザによってゲームサーバ1へ送信される。ゲームサーバ1では、前記入力に関する情報を受信手段61が受信したとき、実行手段62が、当該情報に応じてユーザのゲームに関する情報を読み出して演算やデータ処理を実行する。
【0138】
また、実行手段62は、オフシーズンのトーナメント戦では、毎日、所定時間になれば、対戦のマッチング処理を実行すると共に、自動的に対戦処理を実行する。対戦処理では、対戦を行う両ユーザのユーザIDに対応した両チームの選手カードの情報をデータベースサーバ2から読み出す。そして、実行手段62は、AI(Artificial Intelligence)プログラム等により、両チームの選手カードの能力等のパラメータに基づいて、野球の試合のシミュレーションを実行する。このとき、チーム内の複数の選手カードが特殊効果を発生させる組合せを構成している場合、当該特殊効果を発動させる。
【0139】
次に、画面生成手段63について説明する。画面生成手段63は、実行手段62による実行結果に応じて、例えばHTMLデータからなるゲーム画面データを生成する。HTMLデータには、データベースサーバ2から読み出された選手カード等の画像データを含めてもよい。また、HTMLデータには、端末装置3のウェブブラウザのプラグインによって動作するスクリプト(プログラム)が埋め込まれていてもよい。ゲームサーバ1から提供されたスクリプトが端末装置3で実行される場合は、端末装置3で表示されるゲーム画面を動画とすることも可能である。あるいは、画面生成手段63は、ストリーミング形式の映像を生成してもよい。
【0140】
また、送信手段64は、画面生成手段63により生成された画面データ(HTMLデータ、ストリーミング形式の映像データ等)を、ゲーム画面のリクエストに対するレスポンスとして、または実行手段62による実行結果として、ユーザの端末装置3へ送信する。このゲーム画面データを受信したユーザの端末装置3では、ウェブブラウザおよびそのプラグイン等によって表示部35にゲーム画面が表示される。
【0141】
次に、アクセス管理手段65について説明する。アクセス管理手段65は、ゲームサービスを受けようとするユーザが端末装置3を操作してゲームサーバ1にアクセス(ログイン)しようとした際、当該ユーザのゲーム参加資格の有無を判断してログイン認証を行う。この認証の例としては、ユーザIDと対応付けられたログインIDおよびパスワードに基づく認証がある。また、ユーザがゲームサーバ1にアクセスする度にログインIDおよびパスワードを入力する手間を省略できるように、端末装置3である携帯電話やスマートフォンの個体識別番号(電話番号とは別の端末を一意に識別するための情報)、または契約者固有ID(端末の契約者を一意に識別するための情報であって、機種変更を行っても契約者が同一である限りは変更されないID)を利用した認証を行ってもよい。
【0142】
次に、交流制御手段66について説明する。交流制御手段66は、ゲーム内で行われるユーザ同士の交流やコミュニケーションを実現するものである。交流制御手段66は、ユーザの端末装置3から、他のユーザ(特に、仲間)に対して所定の交流を行う情報を受信し、受信した情報に基づいて、当該ユーザから当該他のユーザに対しての交流処理を実行する実行手段62を制御する。交流処理には、例えば、挨拶、メッセージの伝達、プレゼント、チャットなどがある。
【0143】
次に、
図12および
図13の機能ブロック図を参照して、ユーザが所有する複数の選手カード(オブジェクト)の組合せによって特殊効果が発生するゲームを管理するゲーム管理装置(ゲームサーバ1およびデータベースサーバ2)の主要な機能的構成について説明する。本実施の形態で例示するゲームは、前述のオフシーズンのトーナメント戦において、ユーザが所有する15枚の選手カード(ユーザのチームを構成するカード)の中に、所定の組合せがあれば特殊効果が発生するゲームである。
【0144】
図12に示すように、ゲーム管理装置としてのゲームサーバ1は、主に、判定手段71および報知手段72を備えている。これらの各手段は、ゲームサーバ1のCPU11が本実施の形態に係るプログラムを実行することにより実現されるものである。
【0145】
判定手段71は、ユーザが入手可能な選手カードの中に、ユーザがすでに所有している選手カードと組み合わせることで特殊効果を発生させる補完カードが含まれているか否かを判定する機能を有する。ここで、「ユーザが入手可能な選手カード」の例としては、次のようなものがある。
【0146】
前述のように、各ユーザによって放出された選手カードを貯留する「場」が設けられており、ユーザがその「場」にある所望の選手カードを入手できるゲームでは、「場」にある選手カードが、「ユーザが入手可能な選手カード」に該当する。その他の例としては、ゲーム内に仮想的に設けられたショップ内にある複数の選手カードの中から、ユーザが所望の選手カードを対価と引き換えに入手できるゲームでは、ショップ内の選手カードが、「ユーザが入手可能な選手カード」に該当する。ショップ内の選手カードは、各ユーザが放出した選手カードではなく、例えば、ゲームサーバ1がゲーム内の全選手カードの中からランダムに所定枚数(例えば10枚)の選手カードを抽出したものである。これらはほんの一例であり、ゲーム内で、ユーザが自分の意思で少なくとも1枚の選手カードを入手するか否かを決定できる状態にある場合、当該選手カードは「ユーザが入手可能な選手カード」に該当する。
【0147】
以下には、「場」にある選手カードが、「ユーザが入手可能な選手カード」である場合を例に挙げて、説明を続ける。ここで、この場合のゲームサーバ1の主要な機能的構成を、
図13に示す。同図に示すように、ゲームサーバ1は、貯留手段73、提示手段74、付与手段75を備えている。
【0148】
貯留手段73は、各ユーザによって非保有状態となるよう放出された選手カード(放出オブジェクト)を「場」(貯留領域)に貯留する機能を有する。貯留手段73は、「場」に貯留されている選手カードの情報(「場」データベース)を、記憶装置(データベースサーバ2)に記憶して管理する。「場」データベースの一例を、
図14に示す。同図に示すように、各ユーザによって放出されて「場」に貯留されている各選手カードには、それらを一意に識別するための貯留IDが付されている。そして、貯留IDと対応付けて、放出カードの選手ID、放出したユーザのユーザID、放出時間の情報等が記憶されている。なお、「場」データベースには、後述する除外フラグの情報等を記憶してもよい。
【0149】
なお、前述のように、ゲーム内のユーザを複数のグループに分割し、グループ毎に「場」を設ける場合には、各「場」には、それらを一意に識別するための場IDが設けられる。そして、場IDに対応付けて、その場を適用するユーザのユーザIDが記憶される。なお、ゲーム内の全てのユーザに共通の「場」をゲーム内に1つ設ける場合には、場IDによる管理は不要である。
【0150】
提示手段74は、ユーザからの「場」の確認要求に応じて、「場」内の放出カードをユーザに提示する機能を有する。ユーザが自分の端末装置3で「場」を確認するための入力操作を行えば、確認要求がゲームサーバ1に送信される。この確認要求に応じて、ゲームサーバ1は、
図14の「場」データベースを参照して、「場」に貯留されている選手カードをユーザに提示する画面(
図9参照)を生成し、端末装置3に送信する。
【0151】
また、ゲームサーバ1は、特殊効果を発生させる選手カードの組み合わせ等の情報(以下、特殊効果情報と称す)を、予め記憶装置(データベースサーバ2、補助記憶装置14等)に記憶している。特殊効果情報の一例を、
図15に示す。同図に示すように、各特殊効果には、それらを一意に識別する効果IDが付されている。そして、効果IDと対応付けて、特殊効果名、カードの組合せ条件、効果についての情報が記憶されている。例えば、効果ID=1の「息の合ったクリーンナップ」は、同一チームの3番打者、4番打者、5番打者の選手カードの組合せによって発生し、その効果は3番〜5番の打者の打撃能力が10%向上するというものである。また、効果ID=2の「良好なチームワーク」は、同一チームの選手カードが7枚以上で発生し、その効果は当該同一チームの全選手の能力が5%向上するというものである。また、効果ID=3の「打撃九重奏」は、9球団の打者の選手カードの組合せ(すなわち、9枚の打者の選手カードの所属球団が全て異なる)で発生し、その効果は打者9人の打撃能力が10%向上するというものである。ここでは、便宜上、3つの特殊効果を例示したが、その他の特殊効果も複数存在する。
【0152】
すなわち、ゲームサーバ1は、
図11のユーザ情報データベースを参照してユーザの所有している選手カードを認識し、
図14の「場」データベースを参照して、「場」内の選手カードを認識し、
図15の特殊効果情報を参照して、特殊効果を発生させる選手カードの組合せを認識する。そして、この提示手段74によって「場」内の選手カードがユーザに提示される場合に、判定手段71は、「場」内の選手カードの中に、ユーザがすでに所有している選手カードと組み合わせることで特殊効果を発生させる補完カードが含まれているか否かを判定するのである。
【0153】
ここで、判定手段71が、ユーザが入手可能な選手カードの中に、ユーザがすでに所有している選手カードに1つ補完するだけで特殊効果を発生させる組合せを完成できる補完カードが含まれているか否かを判定することが好ましい。すなわち、ユーザが特殊効果を発生させる組合せを完成させるためには、残り1つだけ選手カードが不足しており、その選手カード(補完カード)が、「場」内の選手カードの中にあれば、その旨がユーザに報知されるようにするのである。
【0154】
勿論、特殊効果発生のために2つ以上選手カードが不足している場合に報知する構成も可能である。例えば、判定手段71は、ユーザがすでに所有している選手カードに所定数(例えば2枚)以内で補完すれば特殊効果を発生させる組合せを完成できる所定数以内の補完カードが含まれているか否かを判定する。そして、「場」の中に、所定数以内の補完カードが含まれていると判定された場合に、その旨をユーザに報知する。但し、この場合、報知の回数が多くなると共に、特殊効果を発生させる組合せの完成が容易になり過ぎる可能性がある。そこで上記のように、残り1つの補完カードだけをユーザに報知することにより、報知の適正化を図ることができる。
【0155】
報知手段72は、判定手段71によって、ユーザが入手可能な選手カードの中に補完カードが含まれていると判定された場合に、その旨をユーザに報知する機能を有する。例えば、
図9に示すように、報知手段72は、「場」に貯留されている選手カードをユーザに提示する画面の中に、ユーザが既に所有している選手カードの一部のカード222(特殊効果の組合せの一部)と、補完カード223とを表示させる。そして、報知手段72は、補完カードの入手により特殊効果の組合せを完成できる旨のメッセージ224を、画面に表示させる。これにより、ユーザは、どの選手カードの組合わせが特殊効果を発生させるかについての知識がなくとも、容易に特殊効果を発生させるための組合せを完成できるようになる。
【0156】
付与手段75は、「場」内の選手カードの中からユーザによって選択されたカードを、所定の対価と引き換えに、又は対価不要で、ユーザに付与する機能を有する。ユーザは提示手段74によって提示された「場」内の選手カードを画面上で確認し、任意の選手カードを選択(クリック等)する。また、報知手段72によって、特殊効果を発生させ得る補完カードが報知されている場合、ユーザはその補完カードを選択することができる。これにより、ユーザが選択した選手カードが、対価(本実施の形態では「ホープ」)と引き換えにユーザに付与される。なお、例えば、毎日n回(n枚)だけは対価不要で「場」内の選手カードを入手できるようにしてもよい。
【0157】
ここで、ユーザが「場」を確認した場合のゲームサーバ1の動作例を、
図16及び
図17のフローチャートを参照しながら、以下に説明する。
【0158】
前述のように、ユーザは、野球のオフシーズンに開催されるトーナメント戦の開始時間(例えば22時)までに、15枚の選手カードから構成される自分のチームを強化するため、仲間等の他のユーザが放出した選手カードを「場」から入手して、選手カードの入れ替えをすることができる(
図8参照)。ユーザによる「場」の確認は、いつでも可能である。
【0159】
例えば、ユーザが自分の端末装置3で「場」を確認するための入力操作を行えば、当該ユーザのユーザIDと共に確認要求がゲームサーバ1に送信される。ゲームサーバ1は、ユーザからの確認要求を受信し(S1でYES)、
図14の「場」データベースを参照して「場」内の選手カードの情報を取得する(S2)。また、
図11のユーザ情報データベースを参照し、ユーザが所有している15枚の選手カードの情報を取得する(S3)。そして、ゲームサーバ1は、「場」内の選手カードの中に、ユーザが所有している選手カードに1枚だけ補完すれば特殊効果を発生させる補完カードが含まれているか否かを判定する(S4)。例えば、ユーザが同一チームの3番打者および4番打者の選手カードを所有しているが、当該チームの5番打者の選手カードを所有していないものとする。そして、「場」の中には、前記5番打者の選手カードが存在するものとする。この場合、「場」の中の前記5番打者の選手カードは、
図15の効果ID=1の「息の合ったクリーンナップ」という特殊効果を発生させる補完カードとなる。
【0160】
ステップS4において、「場」の中に補完カードが存在すると判定された場合(S4でYES)、ゲームサーバ1は、その旨を報知する画面データを生成する(S5)。これにより、例えば、
図9の画面の報知情報表示領域220に表示するデータが生成される。また、ゲームサーバ1は、「場」内の選手カードをユーザに提示する画面データも生成する(S6)。これにより、例えば、
図9の画面の選手カード表示領域221に表示するデータが生成される。その後、ゲームサーバ1は、
図9に例示する画面データを、ユーザの端末装置3へ送信する(S7)。
【0161】
一方、ステップS4において、「場」の中に補完カードが存在しないと判定された場合(S4でNO)、ゲームサーバ1は、ステップS5を実行せずに、「場」内の選手カードをユーザに提示する画面データを生成する(S6)。この場合、
図9の画面から報知情報表示領域220を省いた画面データが、ユーザの端末装置3へ送信される(S7)。
【0162】
その後、ユーザが、「場」の中の選手カードの中から、入手を希望する選手カードを選択する入力操作をした場合(
図17のS8でYES)、ゲームサーバ1は、対価(本実施の形態では3「ホープ」)と引き換えに、選択された選手カードをユーザに付与する(S9)。
【0163】
本ゲームでは、ユーザが所有できる選手カードの上限が15枚であるため、「場」から選手カードを入手した場合、何れかの選手カードを非保有状態で放出する必要がある。ユーザによって放出する選手カードが選択された場合(S10でYES)、ゲームサーバ1は、放出された選手カードを「場」に貯留する(S11)。例えば、
図14に示すように、ゲームサーバ1は、「場」データベースに、放出された選手カードの選手ID、放出したユーザのユーザID、放出時間等を登録する。
【0164】
なお、ユーザは、「場」を確認した結果、入手したい選手カードがなければ、選手カードを入手することなく、「場」の確認画面から別の画面へ移動できる。例えば、ユーザが
図9のホームボタン225を選択する操作をすれば(S12でYES)、ゲームサーバ1からは、
図4に示すメイン画面(ホーム画面)データが送信され(S13)、メイン画面に遷移する。
【0165】
以上のように、本実施の形態のゲームサーバ1は、
図12または
図13に示す判定手段71および報知手段72を備え、ユーザが入手可能な選手カードの中に、補完カードが含まれている場合に、その旨がユーザに報知される。これにより、ユーザは、どの選手カードの組合わせが特殊効果を発生させるかについての知識がなくとも、容易に特殊効果を発生させる組合せを認識し、完成できるので、ゲームに慣れていないユーザでもより深くゲームを楽しむことができるユーザフレンドリーなゲーム環境を実現できる。また、上記報知によって、ユーザは特殊効果を発生する組合わせの知識をゲーム実行の中で得ることができる。これにより、ユーザは、ゲーム中に強い印象をもって特殊効果を発生する組合わせを記憶することとなる。この結果、ユーザに対して自然な学習を行わせることができる。
【0166】
また、
図13に示す構成では、他のユーザが放出した選手カードを貯留する「場」の中に、補完カードがあればそれがユーザに報知される。よって、ユーザは、「場」を確認する頻度を増やすことにより、補完カードの入手の機会も増える。これにより、ユーザに対してゲームにアクセスして「場」を確認する動機付けを与え、ゲームの活性化を図ることができる。
【0167】
ところで、「場」を確認しに行ったユーザにとっては、補完カードの報知が行われ、特殊効果を発生させる組合せを容易に完成できる機会が得られるのに対して、選手カードを放出したユーザにとっては、すでに特殊効果を発生させる組合せを完成しているにも関わらず、それとは知らずに、あるいはそのことを忘れてしまい、選手カードを放出して完成した組合せを崩してしまう可能性がある。そこで、ゲームサーバ1は、
図18に示すように、前記の手段71〜75の他に、第2判定手段76および除外手段77をさらに備えていることが好ましい。
【0168】
第2判定手段76は、ユーザによって選手カードが放出された場合、当該選手カードが放出前に特殊効果を発生させる完成した組合せの一部を構成していたか否かを判定する機能を有する。換言すれば、第2判定手段76は、ユーザが選手カードを放出したとき、その選手カードの放出により、既に完成していた特殊効果を発生させる組合せが崩れたか否かを判定する。
【0169】
除外手段77は、前記第2判定手段76によって、ユーザが放出した選手カードが、特殊効果を発生させる完成した組合せの一部を構成していたと判定された場合、当該選手カードを、前記報知手段72による報知の対象から除外する機能を有する。前記選手カードを、報知の対象から除外する処理としては、当該選手カードを「場」から削除してもよいし、
図14に示すように、「場」の中に貯留された当該選手カードに、報知の対象から除外する情報(例えば1ビットの除外フラグ)を設定してもよい。
【0170】
本構成により、「場」に選手カードを放出する側と、「場」から選手カードを入手する側の両者の公平性を担保することができる。
【0171】
また、ゲームサーバ1は、
図18に示すように、前記の手段71〜75の他に、破棄手段78をさらに備えていることが好ましい。この破棄手段78は、「場」内に貯留されている選手カードの中から、ユーザによって放出されてから所定時間(例えば48時間)以上経過した選手カードを自動的に破棄する機能を有する。ここで、所定時間は、48時間に限定されず、12時間、24時間、72時間等、任意に設定できる。
【0172】
図14に示すように、「場」データベースには、放出された選手カードの選手IDと対応付けて、その選手カードが放出された日時等を示す放出時間の情報が記憶されている。破棄手段78は、この放出時間に基づいて、放出されてから例えば48時間以上経過した選手カードを抽出し、「場」から破棄する。ここで、破棄の処理とは、破棄対象の選手カードを「場」の中から完全に削除してもよいし、破棄対象の選手カードに削除フラグを設定してもよい。
【0173】
この構成により、ユーザは、「場」から選手カードが破棄される前に、定期的にゲームにアクセスして「場」を確認することが動機付けられる。本構成により、各ユーザのゲームへのアクセス頻度が増加し、ゲームのさらなる活性化を図ることができる。
【0174】
なお、
図18では、ゲームサーバ1が、第2判定手段76、除外手段77および破棄手段78を備えている構成を示しているが、第2判定手段76および除外手段77は備えているが破棄手段78を備えていない構成としてもよいし、逆に、破棄手段78は備えているが第2判定手段76および除外手段77を備えていない構成としてもよい。
【0175】
次に、ユーザが「場」を確認しに行ったとき、競争相手がいることを報知する好ましい構成について説明する。この構成のゲームサーバ1において、判定手段71は、前記提示手段74によって「場」内の選手カードが提示されているユーザの中に、同一の選手カードを「補完カード」とすることが可能な複数のユーザが存在するか否かを判定する機能をさらに備えている。例えば、同じ「場」を確認しているユーザP、Q…の何れにとっても、「場」内の同一の選手カードが、特殊効果の組合せを補完する「補完カード」となることもあり得る。判定手段71は、このような状況になっているか否かを判定するのである。
【0176】
そして、この構成のゲームサーバ1において、報知手段72は、前記判定手段71によって、同一の選手カードを「補完カード」とすることが可能な複数のユーザが存在すると判定された場合に、その旨を前記複数のユーザのそれぞれに報知する機能を有する。なお、この報知情報に、同一の選手カードを補完カードとすることが可能なユーザの人数や、「場」内に存在する当該選手カードの枚数についての情報を含めてもよい。例えば、報知手段72は、
図19に例示するように、ユーザにとっての補完カード223を報知すると共に、その補完カード223と同じカードにより特殊効果の組合せ(コンボ)を完成させ得る競争相手の人数および「場」内にある当該カードの枚数の情報226をリアルタイムで報知する。
【0177】
図19では、同じ選手カードの補完によりコンボ可能な人数が3人で、それに対して「場」内にある当該カードが2枚であることを報知する画面例を示している。この画面を見たユーザは、選手カードを早く入手しないと、誰かにとられてしまうという意識を持つ。本構成により、ユーザに競争相手がいることを意識付け、選手カードを早期に入手すべきことを動機付けることができる。従って、ユーザに対して「場」にアクセスする頻度を高くしようとする動機付けを与えることとなり、よりゲームの活性化を図ることができる。
【0178】
次に、あるユーザが放出した選手カードが、そのユーザの仲間にとって特殊効果の組合せを補完し得る場合には、その仲間に優先的にそのカードを入手する機会を与える好ましい構成について説明する。この構成のゲームサーバ1は、
図20に示す、仲間管理手段79(関係管理手段)および第2報知手段80を備えている。
【0179】
仲間管理手段79は、ユーザに関係付けられた仲間(他のユーザ)を管理する機能を有する。あるユーザが他のユーザと仲間関係を構築するための一形態としては、2人のユーザの何れか一方が、他方のユーザに対してゲームサーバ1を介して仲間申請を行い、当該仲間申請を受けたユーザがゲームサーバ1を介して仲間になることを承認するという、両ユーザ間においてなされる仲間申請とその承認の操作が挙げられる。その他の形態としては、既にゲームサービスに登録済みのユーザが、未登録のユーザをゲームに招待し、招待を受けたユーザがゲームサービスに登録した場合に、招待した側とされた側との2人のユーザを仲間同士とする形態もある。仲間管理手段79は、
図11に例示するように、仲間関係にあるユーザ同士のユーザIDを関係付けてデータベースサーバ2に記憶し、仲間管理を行う。
【0180】
第2報知手段80は、ユーザが選手カードを「場」に放出した場合であって、当該選手カードが、そのユーザの仲間にとって、特殊効果の組合せを補完する補完カードである場合、その旨を仲間に報知する機能を有する。以下に、ユーザが選手カードを放出した場合のゲームサーバ1の動作例を、
図21のフローチャートに示す。
【0181】
例えば、ユーザAが選手カードXを放出した場合(S21でYES)、ゲームサーバ1は、
図11のユーザ情報データベースを参照して、ユーザAの仲間の中から、先ず、仲間を1人特定する(S22)。ここで特定された仲間を「仲間B」とする。次に、ゲームサーバ1は、ユーザ情報データベースを参照して、特定した仲間Bが所有している選手カードの情報(当該仲間BのユーザIDに関係付けられている保有カード情報)を取得する(S23)。
【0182】
次に、ゲームサーバ1は、ユーザAが放出した選手カードXが、仲間Bにとって、特殊効果の組合せを補完する補完カードであるか否かを判定する(S24)。例えば、仲間Bが同一チームのカードを6枚所有しているものとする。そして、ユーザAが放出した選手カードXが、そのチームのカードであった場合、選手カードXは、
図15の効果ID=2の「良好なチームワーク」という特殊効果を発生させる補完カードとなる。
【0183】
ステップS24において、ユーザAが放出した選手カードXが、仲間Bにとって補完カードであると判定された場合(S24でYES)、ゲームサーバ1の第2報知手段80は、その旨を仲間Bに報知する(S25)。例えば、第2報知手段80は、
図22の報知画面のデータを生成して、仲間Bの端末装置3へ送信する。
図22の画面には、ユーザAが放出した選手カード231が表示されると共に、例えば「仲間のAさんが上記のカードを「場」に放出しました。このカードを「場」で入手すれば、既に所有しているカードと組み合わせて、「良好なチームワーク」のコンボが完成します!」というメッセージ232が表示される。また、この報知を受けた仲間Bが直ぐに「場」を確認できるように、報知画面には、「場を確認する」ボタン233を設けることが好ましい。このボタン233は「場」の確認画面を表示するための操作部であり、仲間Bがボタン233を選択すると、「場」の確認画面(
図9参照)に遷移する。これにより、仲間Bは、自分の仲間であるユーザAが放出した選手カード231を迅速に入手して、特殊効果の組合せを完成させることができる。
【0184】
なお、仲間Bの端末装置3がゲームサーバ1にログインしている場合は、ゲームサーバ1は仲間Bに直ぐに報知(
図22の画面を送信)できるが、もしログインしていない場合は、ログイン時に報知することになる。勿論、仲間Bの端末装置3がゲームサーバ1に常時接続している場合は、ゲームサーバ1は仲間Bに直ぐに報知できる。
【0185】
一方、ステップS24において、ユーザAが放出した選手カードXが、仲間Bにとって補完カードではないと判定された場合(S24でNO)、ステップS25を実行することなくステップS26に移行する。ステップS25又はS26の後、ゲームサーバ1は、ユーザAに関係付けられている全ての仲間に対してステップS22以降の処理が実行されたかを判断し(S26)、未処理の仲間があれば、ステップS22に戻ってそれ以降の処理を繰り返す。
【0186】
以上のように、この構成によれば、ユーザAが放出した選手カードが、そのユーザAの仲間にとって補完カードである場合には、その旨が仲間B(C、D…)に自動的に報知されるので、仲間B(C、D…)に対して優先的にそのカードを入手する機会が与えられる。各ユーザにとっては、仲間が多いほど、仲間が放出した選手カードを補完して特殊効果の組合せを完成できる機会も増える。よって、本構成により、各ユーザに仲間を増やす動機付けを与えることができる。
【0187】
また、ゲームサーバ1は、
図20に示す、仲間管理手段79(関係管理手段)および第3報知手段81を備えている構成とすることもできる。この第3報知手段81は、ユーザAが選手カードを「場」に放出した場合であって、当該選手カードが、そのユーザAの仲間B(C、D…)にとって、特殊効果の組合せを補完する補完カードである場合、その旨をユーザAに報知する機能を有する。前記第2報知手段80との違いは、第2報知手段80がユーザAの仲間へ、直接、補完情報を報知するのに対して、第3報知手段81では、仲間の補完情報を、ユーザAに対して報知することである。
【0188】
以下に、ユーザが選手カードを放出した場合のゲームサーバ1の動作例を、
図23のフローチャートに示す。なお、
図21のフローチャートと同様の処理については、同一のステップ番号を付与し、適宜、その説明を省略する。
【0189】
図23のステップS21〜S24までは、
図21のフローチャートと同様である。すなわち、ゲームサーバ1は、ユーザAが選手カードXを放出した場合(S21でYES)、ユーザの仲間を特定し(S22)、その仲間が所有しているカードの情報を取得し(S23)、放出された選手カードXが仲間の補完カードであるか否かを判定する(S24)。ここで、仲間の補完カードである場合(S24でYES)、ゲームサーバ1は、その仲間のユーザIDを、一旦、記憶装置(RAM13等)に記憶する(S31)。
【0190】
ゲームサーバ1は、前記ステップS22以降の処理を、ユーザAに関係付けられている全ての仲間に対して実行した後(S26でYES)、ステップS31で記憶した仲間がいるか否かを判断する(S32)。ステップS31で記憶した仲間とは、ユーザAが放出した選手カードXを補完すれば特殊効果の組合せが完成する仲間である。ステップS31で記憶した仲間がいる場合(S32でYES)、ゲームサーバ1の第3報知手段81は、ユーザAに、仲間の補完情報(放出カードが仲間にとっては補完カードである旨の情報)を報知する(S33)。
【0191】
例えば、第3報知手段81は、
図24の報知画面のデータを生成して、ユーザAの端末装置3へ送信する。
図24の画面には、ユーザAが放出した選手カード241が表示されると共に、例えば「あなたが放出したカードを、仲間のBさん、Cさんが入手すれば、その仲間がコンボを完成できます!これを今直ぐ仲間に教えてあげましょう!」というメッセージ242が表示される。
【0192】
また、この報知を受けたユーザAが、直ぐに、対象となる仲間B・Cに連絡できるように、
図24の報知画面には、メッセージ入力部243および送信ボタン244(仲間へのメッセージ送信操作部)を設けることが好ましい。ユーザAはメッセージ入力部243に任意のメッセージを入力して送信ボタン244を押せば、ゲームサーバ1が、ユーザAのメッセージを仲間B・Cに伝達する。例えば、ユーザAは、「今僕が放出したカードを入手すれば、コンボになるよ!」というメッセージを仲間B・Cに送信して、有益な情報を知らせてあげることができる。なお、メッセージ入力部243には、予めデフォルトのメッセージが表示されており、ユーザAが必要に応じてデフォルトのメッセージを編集して送信できるようにしてもよい。なお、
図24の画面では、ユーザAが送信ボタン244を押せば、仲間B・Cの両方に同じメッセージが一斉送信されるようになっているが、ユーザAが仲間B・Cの何れか一方を指定して、指定した仲間だけにメッセージを送信できるようにしてもよい。
【0193】
一方、ステップS32において、ステップS31で記憶した仲間が一人もいない場合(S32でYES)、ゲームサーバ1は、ステップS33を実行することなく処理を終了する。
【0194】
以上のように、選手カードを放出した側のユーザAに対して、仲間の補完情報を報知することにより、ユーザAが仲間に連絡する切っ掛けを与えることができる。仲間にとっては、例えばゲームサーバ1側からの報知ではなく、自分の仲間であるユーザAから連絡がくることになるので、親近感がもてることになる。これにより、ユーザ間のコミュニケーションを促進し、ゲームの活性化に繋げることができる。
【0195】
ところで、ユーザAが放出した選手カードが、複数の仲間にとって補完カードである場合には、当該複数の仲間の全員を対象として、ユーザAに仲間の補完情報を報知してもよい。但し、報知対象の仲間が複数になると、ユーザAの端末装置3に表示される報知画面が見づらくなったり、ユーザAにとってどの仲間に連絡してあげたらよいのかの判断が面倒になったりすることも考えられる。そこで、ユーザAが放出した選手カードが、複数の仲間にとって補完カードである場合、第3報知手段81は、当該複数の仲間の中から報知対象の仲間を、以下の条件に基づいて決定する(絞り込む)ことが好ましい。
【0196】
前記複数の仲間にとって、ユーザAが放出した選手カードを補完することにより発生する特殊効果が同じである場合には、第3報知手段81は、ユーザAとの親密度が最も高い仲間を報知対象として決定する。
【0197】
ここで、親密度とは、仲間等として関係付けられている2人のユーザの親密さを示すものであり、2人の友好度合い、友情の深さ、絆の深さ等として表現することもできる。例えば、2人の親密度は、ゲーム内の交流の回数や頻度に基づいて設定できる。ゲームサーバ1は、例えば、仲間同士の2人のユーザ間で交流処理が実行される毎に、所定値(例えば1ポイント)の親密ポイントを付与するようになっている。なお、交流の内容により付与する親密ポイントを変えてもよい。例えば、挨拶は1ポイント、メッセージ送信は2ポイント、プレゼントは3ポイント、チャットは4ポイント等としてもよい。なお、仲間同士の一方または両方の交流が所定期間(例えば1週間)途絶えた場合、2人の親密ポイントが所定ポイント(例えば3ポイント)減少するようにしてもよい。また、本実施の形態では、2人の親密ポイントに応じて、例えば5段階の親密度が設けられている。例えば、親密ポイントが0〜24ポイントで親密度=1(知り合い)、25〜49ポイントで親密度=2(友人)、50〜74ポイントで親密度=3(親友)、75〜99ポイントで親密度=4(相棒)、100ポイント以上で親密度=5(盟友)となる。
【0198】
前記複数の仲間にとって、ユーザAが放出した選手カードを補完することにより発生する特殊効果が異なる場合には、第3報知手段81は、発生する特殊効果が最も高い仲間を報知対象として決定する。あるいは、この場合でも、特殊効果の程度によらず、親密度を優先して、第3報知手段81は、ユーザAとの親密度が最も高い仲間を報知対象として決定してもよい。
【0199】
以上のように、ユーザAが放出した選手カードが、複数の仲間にとって補完カードである場合、第3報知手段81は、親密度が最も高い仲間、または当該補完カードにより発生する特殊効果が最も高い仲間を報知対象として決定し、決定した仲間の補完情報のみを、ユーザAに対して報知することが好ましい。これにより、報知対象の仲間が多くなって報知画面が見づらくなったり、ユーザAにとってどの仲間に連絡すべきかの判断が面倒になったりする事態を効果的に回避できる。
【0200】
なお、ゲームサーバ1は、第2報知手段80と第3報知手段81の何れか一方のみを備えていてもよいし、両方とも備えていても良い。両方の手段80・81を備えている場合、ユーザAが放出した選手カードが、そのユーザAの仲間Bにとって補完カードである場合には、その旨が、選手カードを放出したユーザAに報知されると共に、仲間Bにも報知される。
【0201】
また、上記例では、選手カードを放出した側のユーザAに対して、仲間Bの補完情報を報知することにより、ユーザA自らが仲間Bに対して報知を行うことができる構成としているが、次のような構成としてもよい。すなわち、ユーザAが放出した選手カードが、仲間Bにとって補完カードである場合には、その旨がまずユーザAに報知され、その後、ユーザAがゲームにアクセスして、その報知を認識できたと判断されたタイミングあるいはその後に、仲間Bに対して自動的に報知がなされるようにしてもよい。この場合、ユーザAは報知を認識するだけとなる。ユーザAが認識する報知内容は、例えば、「あなたが捨てたカードは仲間Bさんが入手すると特殊効果が発生します。仲間Bさんに連絡しておきますね。」といったメッセージであってもよい。
【0202】
また、ゲームサーバ1は、
図20に示す、仲間管理手段79(関係管理手段)および制限手段82を備えている構成とすることもできる。この制限手段82は、前記提示手段74によって提示される「場」内の選手カードのうち、ユーザによって放出されてから所定時間(例えば12時間)以内の選手カードについては、当該ユーザに関係付けられた仲間のみに提示されるように制限する機能を有する。
【0203】
図14に示すように、「場」データベースには、「場」に貯留されている選手カードの選手IDと関係付けて、そのカードを放出したユーザのユーザIDおよび放出時間の情報が記憶されている。よって、ゲームサーバ1は、あるユーザに「場」内の選手カードを提示する場合、そのユーザと仲間関係にないユーザによって放出された選手カードについては、放出時間(放出された時刻)から12時間以内か否かを判断する。ここで、もし12時間以内であれば、その選手カードはユーザに提示しない。
【0204】
したがって、ユーザAに関係付けられていない他のユーザが「場」を確認しても、ユーザAによって放出されてから所定時間以内の選手カードについては見ることができない。これにより、ユーザAが放出した選手カードは、仲間に対して優先的に入手する機会が与えられる。
【0205】
各ユーザにとっては、仲間が多いほど、仲間が放出した選手カードを優先的に入手して特殊効果の組合せを完成できる機会も増えるので、各ユーザに仲間を増やす動機付けを与えることができる。また、仲間が放出した選手カードを優先的に入手できるのは、放出から所定時間以内に限定されているので、ユーザは、この優先的な期間を逃さないために、定期的にゲームにアクセスして「場」を確認することが動機付けられる。本構成により、各ユーザのゲームへのアクセス頻度が増加し、ゲームのさらなる活性化を図ることができる。
【0206】
また、ゲームサーバ1は、
図20に示す、対価供与手段83を備えている構成とすることもできる。この対価供与手段83は、前記付与手段75によって、対価と引き換えにユーザに「場」内の選手カードが付与された場合、当該選手カードを「場」に放出したユーザに当該対価の少なくとも一部を供与する機能を有する。
図14の「場」データベースにおいて、「場」に貯留されている各選手カードには、それに関係付けてそのカードを放出したユーザのユーザIDが記憶されている。よって、「場」データベースを参照すれば、あるユーザが対価と引き換えに「場」内の選手カードを入手した場合、その選手カードを放出したユーザを特定し、その対価の全部または一部を、選手カードを放出したユーザに供与することができる。
【0207】
このように、ユーザが「場」に選手カードを放出した後に、「ホープ」等のアイテムやゲーム内ポイントを入手できる可能性を持たせることにより、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0208】
特に、本構成は、ユーザAが放出したオブジェクトが、ユーザAの仲間B(C、D…)にとって補完カードである場合には、その旨が前記第3報知手段81によってユーザAに報知される構成と共に採用することが好ましい。これにより、ユーザAに対して、自分が放出した選手カードを仲間B(C、D…)に入手してもらうために、仲間B(C、D…)と積極的にコミュニケーションをとるように動機付けることができる。
【0209】
また、ユーザAが放出した選手カードを入手した相手が、ユーザAに関係付けられている仲間か否かによって、ユーザAに供与される対価を異ならせてもよい。例えば、ユーザAが放出した選手カードを、ユーザAの仲間が対価(3「ホープ」)と引き換えに入手した場合、ユーザAにはその対価の全部(3「ホープ」)が供与されるようにする。一方、ユーザAが放出した選手カードを、ユーザAの仲間ではない他のユーザが対価(3「ホープ」)と引き換えに入手した場合、ユーザAにはその対価の一部(1「ホープ」)が供与されるようにする。このように、ユーザAが放出した選手カードを入手した相手が、ユーザAの仲間の場合に、仲間でない場合よりも、ユーザAに供与する対価を大きくすることが望ましい。これにより、ユーザAに対して、自分が放出した選手カードをぜひ仲間に入手してもらいたいと強く思わせることができ、より積極的に仲間とコミュニケーションをとるように動機付けることができる。
【0210】
また、ゲームサーバ1は、
図20に示す、第1対価変更手段84を備えている構成とすることもできる。この第1対価変更手段84は、前記付与手段75によって、対価と引き換えにユーザに「場」内の選手カードが付与される場合、選手カードが放出された後の経過時間に応じて前記対価を変更する機能を有する。
【0211】
例えば、第1対価変更手段84は、選手カードが放出された後の経過時間が長くなるほど前記対価を大きくする。具体例としては、選手カードが放出された後の経過時間が12時間以内の対価を1「ホープ」、12時間経過後から24時間以内の対価を2「ホープ」、24時間経過後からの対価を3「ホープ」とする。この場合、選手カードが放出されてから出来るだけ早く入手した方が、安価に選手カードを入手できる。よって、各ユーザは、安価に選手カードを入手するために、定期的にゲームにアクセスして「場」を確認することが動機付けられる。
【0212】
逆に、選手カードが放出された後の経過時間が長くなるほど対価を小さくする構成としてもよい。具体例としては、選手カードが放出された後の経過時間が12時間以内の対価を3「ホープ」、12時間経過後から24時間以内の対価を2「ホープ」、24時間経過後からの対価を1「ホープ」とする。この場合、出来るだけ安価に選手カードを入手するためには、選手カードが放出された後、時間をおいて入手する方がよいが、あまり時間をおきすぎると、他のユーザにその選手カードを入手されてしまう可能性も高くなる。すなわち、各ユーザは、対価が高くても早めに選手カードを入手するか、時間をおいて安価になってから入手するかを検討することになり、この点で面白さが増す。
【0213】
なお、対価は、「ホープ」に限定されず、他のアイテムやゲーム内ポイントであってもよい。また、時間経過と対価との関係は任意に定めることができる。例えば、対価を経過時間tの関数f(t)として表し、時間経過に応じて連続的に対価を変更するようにしてもよい。
【0214】
以上のように、本構成では、各ユーザが「場」内の選手カードを入手するタイミングが重要となり、これにより興趣性を高めることができる。
【0215】
なお、本構成の場合、「場」内には、対価の異なる複数の選手カードが混在することになる。そこで、ゲームサーバ1は、各選手カードの対価を表示すると共に、対価の小さい順(または大きい順)に選手カードを並べた、「場」の確認画面(
図9参照)を作成することが好ましい。
【0216】
また、ゲームサーバ1は、
図20に示す、第2対価変更手段85を備えている構成とすることもできる。この第2対価変更手段85を具備する構成では、判定手段71は、ユーザが入手可能な選手カードの中に、ユーザがすでに所有している選手カードに所定数以内で補完するだけで特殊効果を発生させる組合せを完成できる所定数以内の補完カードが含まれているか否かを判定する。また、報知手段72は、前記判定手段71によって、前記所定数以内の補完カードが含まれていると判定された場合に、その旨をユーザに報知する。すなわち、ユーザが特殊効果の組合せを完成させるためには、残り所定数(例えば2つ)以内の選手カードが不足しており、当該選手カード(補完カード)が「場」の中にあれば、その旨が、「場」を見に行ったユーザに報知される。そして、第2対価変更手段85は、付与手段75によって、対価と引き換えに、2つ以上の選手カードがユーザに付与される場合、1つだけの選手カードがユーザに付与される場合よりも、選手カード1つあたりの対価を大きくする機能を有する。
【0217】
例えば、ユーザが「場」で、選手カード(補完カード)を1つだけ入手する場合の対価を3「ホープ」とし、選手カードを2つ入手する場合の対価を10「ホープ」(1つの選手カードあたり5「ホープ」)とする。このように、「場」で複数の補完カードを入手できるようにする代わりに、必要な対価を割り増しすることにより、特殊効果を発生させる組合せの完成が容易になり過ぎないようにすることができる。
【0218】
なお、
図20では、仲間管理手段79、第2報知手段80、第3報知手段81、制限手段82、対価供与手段83、第1対価変更手段84、第2対価変更手段85を全て含む構成例を示しているが、その中の一部の手段を含む構成、または各手段を任意に組合わせた構成とすることができる。
【0219】
ところで、ユーザが入手可能な選手カードの中に、複数の特殊効果を発生させ得る(複数の)補完カードが存在する場合がある。例えば、ユーザが所有する選手カードに、「選手カードS」を1枚補完すれば、
図15に示す効果ID=1の「息の合ったクリーンナップ」という特殊効果を発生させることもできるし、別の「選手カードT」を1枚補完すれば、効果ID=3の「打撃九重奏」という特殊効果も発生させることもできる場合がこれに該当する。この場合、「息の合ったクリーンナップ」の特殊効果を発生させる補完カード「選手カードS」と、「打撃九重奏」の特殊効果を発生させる補完カード「選手カードT」とを、両方ともユーザに報知してもよい。
【0220】
ただし、複数の特殊効果を発生させ得る複数の補完カードを画面に表示して報知する場合、画面内の報知情報が多くなり過ぎて、画面が煩雑で見難くなる可能性がある。また、ゲームに慣れていないユーザは、複数の特殊効果を比較してどの特殊効果がより高い効果を示すのかについての知識を持っていない。よって、複数の特殊効果を発生させ得る複数の補完カードをユーザに提示した場合、ユーザがどの補完カードを入手したらよいのかの判断に困る可能性もある。
【0221】
そこで、本実施の形態のゲームサーバ1は、次に示す機能を備えた判定手段71および報知手段72を含む構成とすることが好ましい。すなわち、判定手段71は、前記補完カードによって複数の特殊効果を発生させる組合せが完成する場合、その中で最も高い特殊効果を発生させる組合せを判定する機能をさらに備える。また、報知手段72は、前記判定手段71によって判定された最も高い特殊効果を発生させる組合せを報知の対象とする。
【0222】
例えば、ユーザが入手可能な選手カードの中に、「息の合ったクリーンナップ」の特殊効果を発生させる補完カード「選手カードS」と、「打撃九重奏」の特殊効果を発生させる補完カード「選手カードT」とが存在する場合を例に挙げる。この場合、
図15に示すように、「息の合ったクリーンナップ」の効果は「3番〜5番の打者の打撃能力が10%向上」であり、「打撃九重奏」の効果は「打者9人の打撃能力が10%向上」である。よって、「打撃九重奏」の方が、「息の合ったクリーンナップ」よりも、打撃能力が向上する選手数が多いため、より高い効果を示す。そこで、この場合、ゲームサーバ1は、「打撃九重奏」の特殊効果を発生させる補完カード「選手カードT」を、ユーザに報知する。また、上記の「選手カードS」と「選手カードT」以外に、同じ1枚の補完カード「選手カードU」が、「息の合ったクリーンナップ」、「打撃九重奏」の両方を満足する場合もあり得るが、この場合は、「選手カードU」をユーザに報知するようにすればよい。
【0223】
本構成により、最も高い特殊効果を発生させる補完カードに絞って報知するので、画面内の報知情報が多くなり過ぎて画面が見難くなることを回避できる。また、ユーザは、複数の特殊効果を比較してどの特殊効果がより高い効果を示すのかについての知識がなくとも、容易により高い特殊効果を発生させる組合せを完成できる。これにより、ゲームに慣れていないユーザでもより深くゲームを楽しむことができる、ユーザフレンドリーなゲーム環境を実現できる。なお、もちろん、最も高い特殊効果を発生させる補完カードだけでなく、効果の高い順番に所定の順番まで、例えば2番目あるいは3番目までの補完カードを表示(報知)するようにしてもよい。
【0224】
次に、各ユーザが、自分の仲間が放出した(チームオーダから外した)選手カードを入手できる好ましい構成のゲームサーバ1について説明する。このゲームサーバ1は、
図25に示すように、効果発生手段70、判定手段71、報知手段72、貯留手段73、提示手段74、付与手段75および仲間管理手段79(関係管理手段)を備えている。
【0225】
前記効果発生手段70は、ユーザが所有する複数の選手カード(オブジェクト)の組合せによって特殊効果を発生させる機能を有する。本実施の形態では、ユーザが所有する15枚のチームオーダを構成する選手カードの中に、
図15に示すカードの組合せ条件を満たす複数の選手カードが存在すれば、効果発生手段70が、対戦時に所定の効果を発生させる。
【0226】
前記仲間管理手段79は、ユーザに関係付けられた仲間(第2のユーザ)を管理する。前記貯留手段73は、前記仲間によって非保有状態となるよう放出された選手カード(仲間がチームオーダから外した選手カード)を「場」(貯留領域)に貯留する。本実施の形態の場合、ユーザ毎に、ユーザの仲間が放出した選手カードを貯留する「場」が設けられるので、ユーザ(ユーザID)と「場」とが、対応付けられている。例えば、
図14の「場」IDをユーザIDとすることができる。
【0227】
前記提示手段74は、ユーザからの「場」の確認要求に応じて、当該ユーザに対応付けられた「場」内の選手カード(すなわち、仲間が放出した選手カード)をユーザに提示する。前記判定手段71は、前記提示手段74によって提示されている「場」内の選手カードの中に、ユーザがすでに所有している選手カードと組み合わせることで前記特殊効果を発生させる補完カードが含まれているか否かを判定する。前記報知手段72は、前記判定手段71によって、前記補完カードが含まれていると判定された場合に、その旨をユーザに報知する。前記付与手段75は、「場」内の選手カードの中からユーザによって選択された選手カードを、所定の対価と引き換えに、又は対価不要でユーザに付与する。
【0228】
この構成によれば、仲間が放出した選手カードをユーザが入手可能であり、ユーザが放出した選手カードはユーザの仲間が入手可能となる。すなわち、仲間同士で相手の不要な選手カードを入手できるようになる。各ユーザは、仲間が多いほど、入手可能な選手カード(仲間が「場」に放出する選手カード)が増えるので、各ユーザに仲間を増やす動機付けを与えることができる。そして、仲間が放出した選手カードの中に、補完カードが含まれている場合に、その旨がユーザに報知されるので、ゲームに慣れていないユーザでもより深くゲームを楽しむことができるユーザフレンドリーなゲーム環境を実現できる。
【0229】
ところで、前述の各実施の形態では、ユーザが所有する全てのオブジェクト(15枚の選手カード)を対象として、その中の複数のオブジェクトが所定の組合せを構成することによって特殊効果が発生するゲームについて説明したが、これに限定されず、次のようなゲームにも適用可能である。すなわち、ユーザが所有する全てのオブジェクト(例えば50枚の選手カード)の中からユーザによって選択的に登録された複数のオブジェクト(例えば15枚の一軍登録カード)を対象として、その中の複数のオブジェクトが所定の組合せを構成することによって特殊効果が発生するゲームにも適用できる。つまり、ユーザが入手可能な選手カードの中に、一軍登録カードと組み合わせれば特殊効果を発生させる補完カードがあれば、それをユーザに報知する構成とする。
【0230】
また、前述の各実施の形態では、ユーザがオブジェクト(選手カード等)を入手可能な状態(すなわち入手前の状態)において、入手可能なオブジェクトの中に補完オブジェクトがあれば、それをユーザに報知する構成を説明してきた。これに対して、以下には、ユーザがオブジェクトを入手したときに、それが補完オブジェクトであればユーザに報知する構成について説明する。
【0231】
本構成のゲームサーバ1は、ユーザ所有のオブジェクト(例えば50枚の選手カード)の中からユーザによって選択的に登録された複数のオブジェクト(例えば15枚の一軍登録カード)の組合せによって特殊効果が発生するゲームの管理を行う。そして、本ゲームサーバ1は、次の機能を有する判定手段71および報知手段72を備える。
【0232】
すなわち、判定手段71は、ユーザが選手カードを入手した場合に、当該選手カードが、ユーザがすでに登録している一軍登録カードと組み合わせることで特殊効果を発生させる補完カードであるか否かを判定する機能を有する。ここでユーザが選手カードを入手した場合とは、例えば前述のパズルゲームや「場」で選手カードを入手した場合に限らず、ゲーム内の抽選モードで選手カードを抽選で入手したり、選手カードを探索するモードで選手カードを入手したり、仲間からプレゼントされて選手カードを入手する等、どの様な形態で選手カードを入手してもよい。
【0233】
そして、報知手段72は、前記判定手段71によって、前記補完カードであると判定された場合に、その旨をユーザに報知する機能を有する。本構成の場合、入手した選手カードが補完カードである旨の報知を受けたユーザは、それを一軍登録カードとして登録すれば、前述の実施の形態と同様に、どの選手カードの組合わせが特殊効果を発生させるかについての知識がなくとも、容易に特殊効果を発生させる組合せを完成できる。また、従来ゲームにおいて、上記の抽選モード、探索モード、プレゼントで選手カードを入手した時点で、当該選手カードを売却したり、他のユーザにプレゼントすることが可能な構成が設けられている場合があるが、上記報知があることによって、折角、特殊効果を発生し得る選手カードであるにもかかわらず、それと知らずに売却、プレゼントしてしまうといった事態を回避するこができる。よって、ゲームに慣れていないユーザでもより深くゲームを楽しむことができるユーザフレンドリーなゲーム環境を実現できる。また、上記報知によって、ユーザは特殊効果を発生する組合わせの知識をゲーム実行の中で得ることができる。これにより、ユーザは、ゲーム中に強い印象をもって特殊効果を発生する組合わせを記憶することとなる。この結果、ユーザに対して自然な学習を行わせることができる。
【0234】
〔ゲームシステムの他の構成例〕
前述の各実施の形態では、ゲーム実行プログラムがゲームサーバ1側に実装されており、各ユーザの端末装置3における入力操作に応じて、ゲームサーバ1がゲーム進行のための演算処理やデータ処理を実行し、その実行結果を反映させた画面データを端末装置3へ送信することによって、ゲームが進行するゲームシステムへの適用例について説明した。これはいわゆるクライアントサーバ型のゲームシステムであり、サーバ(ゲームサーバ1およびデータベースサーバ2)によってゲーム管理装置を構成する例である。この構成は、前述のように、ブラウザゲーム、ソーシャルゲーム、クラウドゲーミング等のサービスをユーザに提供するのに適した構成であるが、ゲーム管理装置の構成はこれに限定されない。
【0235】
例えば、ゲームサーバ1が、各ユーザのゲーム情報を管理し、ゲーム内でのユーザ間の交流等のゲームサービスをユーザに提供する一方、ゲームを進行させるゲーム実行処理については、基本的にはユーザの端末装置側にて行われるゲームシステムにも適用できる。
【0236】
すなわち、ゲーム実行プログラムの一部または全部をユーザの端末装置側にダウンロードまたはインストールし、端末装置においてもゲーム実行処理が行われるようなゲームシステムにも適用できる。例えば、ユーザの端末装置が、インターネット通信、無線LAN通信、所定の周波数帯(例えば2.4GHzの周波数帯)を用いた近距離無線通信、または有線LAN通信などにより他のユーザの端末装置とピア・ツー・ピア接続し、ピア・ツー・ピア型のゲームを実行することも可能である。
【0237】
そして、サーバと端末装置とは互いに通信して各種データの送受が可能であり、共にCPU、ROM、RAM、補助記憶装置、通信制御部等を備えた情報処理装置(コンピュータ)であって、同様のハード構成を有する。よって、サーバと端末装置とを含むゲームシステムにおいて、上述の各実施の形態で説明したゲーム管理装置が具備する各手段は、サーバ又は端末装置の何れか一方が備えていればよい。すなわち、ゲーム管理装置は、互いに通信して各種データの送受を行うサーバおよび端末装置に設けられる構成とすることができ、前述の実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0238】
例えば、
図12ではゲームサーバ1が、判定手段71および報知手段72を備えていたが、
図26に例示するように、各手段の機能をサーバおよび端末装置の何れかに持たせることが可能である。ここで、
図26に示すサーバのハード構成は、
図2に示したゲームサーバ1と同様であり、端末装置のハード構成は、
図3に示した端末装置3と同様である。
図26には、サーバ101に判定手段71を設けると共に、端末装置301に報知手段72を設ける構成例を示している。なお、
図26はゲームシステムの構成の一例であり、他の構成も可能である。
【0239】
また、
図27に示すように、端末装置301が、判定手段71および報知手段72を備えている構成とすることもできる。すなわち、ゲーム管理装置をゲーム端末である端末装置301それ自体に実装することができ、この場合も前述の実施の形態と同様の作用効果を奏する。この場合、サーバ101が、各ユーザのゲーム情報を管理したり、端末装置301間で行われる挨拶やメッセージの送受等のサービスをユーザに提供したりするが、その他の処理は全て端末装置301側で実行されるようにすることができる。あるいは、各ユーザのゲーム情報の管理も、各ユーザの端末装置301側で行うこともできる。
【0240】
また、前述の各手段70、73〜85等についても、サーバ側だけではなく、端末装置(ゲーム端末)側に設けることもできる。
【0241】
〔その他の実施の形態〕
前記の実施の形態では、ユーザと関連付けがなされている他のユーザを仲間とする例を示したが、ユーザと関連付けがなされている他のユーザであれば、仲間という関係でなくても本発明を適用できる。
【0242】
また、前記の実施の形態では、オブジェクトとして主に選手カードを例示したが、オブジェクトには、ゲーム内の様々なキャラクタやアイテム等が含まれる。例えば、キャラクタに装備するアイテム(バット、グローブ、スパイク)等もオブジェクトに該当する。
【0243】
また、各種情報を記憶装置に記憶する記憶制御機能を有する構成(ユーザ情報記憶制御手段60など)に関し、記憶装置そのものについては当該構成に含まれないので、ゲーム管理装置(またはゲームシステム)の内外を問わず、どこに設置されていてもよい。例えば、記憶装置は、ゲームサーバ1が有するRAM13や補助記憶装置14、データベースサーバ2、端末装置3が有するRAM33や補助記憶装置39、あるいはゲーム管理装置や端末装置とは別構成のファイルサーバ(オンラインストレージ)等であってもよい。
【0244】
また、前述の各実施の形態で説明した各構成は、適宜組み合わせて適用することができる。
【0245】
また、本実施の形態に係るコンピュータ読み取り可能なプログラムは、ハードディスク、光ディスク(CD−ROM、DVD−ROM等)、フレキシブルディスク、半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録され、当該記録媒体から読み出されてサーバ、端末装置(ゲーム端末)のCPUにより実行される。また、プログラムをサーバ等に提供する手段は、前述した記録媒体に限定されるものではなく、インターネット等の通信ネットワークを介して行うこともできる。