特許第5779684号(P5779684)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5779684
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】映像記録再生装置及び映像記録再生方法
(51)【国際特許分類】
   G11B 20/10 20060101AFI20150827BHJP
   H04N 5/76 20060101ALI20150827BHJP
   G11B 20/12 20060101ALI20150827BHJP
   G11B 27/00 20060101ALI20150827BHJP
【FI】
   G11B20/10 311
   H04N5/76 Z
   G11B20/12
   G11B27/00 A
【請求項の数】20
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-59557(P2014-59557)
(22)【出願日】2014年3月24日
(62)【分割の表示】特願2013-19397(P2013-19397)の分割
【原出願日】2006年7月18日
(65)【公開番号】特開2014-149909(P2014-149909A)
(43)【公開日】2014年8月21日
【審査請求日】2014年3月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】日立マクセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】丸森 宏晋
【審査官】 堀 洋介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−305171(JP,A)
【文献】 特開2004−173202(JP,A)
【文献】 特開2004−187066(JP,A)
【文献】 特開2008−005294(JP,A)
【文献】 特開2007−312071(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 20/10
G11B 20/12
G11B 27/00
H04N 5/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影して取得した動画映像をファイル形式で記録媒体に記録する映像記録再生装置であって、
前記撮影により取得した動画映像の信号を処理して映像信号を出力する信号処理部と、
前記信号処理部から出力される映像信号を所定の符号化方式で符号化処理して出力する映像圧縮部と、
動画映像のファイルの記録に関して、BDMVディレクトリを配置し、更にその下に少なくとも映像信号を記録するディレクトリとPlayListを記録するディレクトリとを配置するように定義されたフォーマットに従ってファイルを作成して記録媒体に記録するように規定し、かつ取得する動画映像のシーンの区切り毎に1つのPlayItemを生成し、1つのPlayList内に所定の数を上限として複数のPlayItemを配置するようにフォーマットを形成するフォーマット制御部と、
前記フォーマット制御部により形成されたフォーマットに従って、前記符号化処理された映像信号を前記記録媒体に記録する記録制御部と、
表示部と、を備え、
第一のPlayListが生成された状態で、撮影して取得した動画映像が記録されると、前記所定の数を上限として、前記記録の度に、新たなPlayListを生成することなく、前記第一のPlayList内にPlayItemを生成するものであり、
前記第一のPlayListは前記第一のPlayList内に生成された複数のPlayItem各々の日時情報を有し、
前記表示部は、前記複数のPlayItem各々に対応する動画映像を選択して再生するための選択画面を、前記複数のPlayItem各々の日時情報に基づいて日付毎に分類して表示することを特徴とする映像記録再生装置
【請求項2】
請求項1記載の映像記録再生装置であって、
前記表示部は、表示中の選択画面に対応する日付を表示することを特徴とする映像記録再生装置。
【請求項3】
請求項2記載の映像記録再生装置であって、
前記選択画面では、前記日付に生成された複数のPlayItem各々に対応する小画面を選択可能な状態で一覧表示することを特徴とする映像記録再生装置。
【請求項4】
請求項3記載の映像記録再生装置であって、
前記映像記録再生装置は、さらに静止画の記録も可能であり、
前記選択画面では、前記日付に生成された静止画を選択して再生するための小画面を表示することなく、前記日付に生成された複数のPlayItem各々に対応する小画面を選択的に一覧表示することを特徴とする映像記録再生装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれかに記載の映像記録再生装置であって、
前記映像記録再生装置は、さらに静止画の記録も可能であり、
前記静止画を選択して再生するための小画面を表示することなく、前記複数のPlayItem各々に対応する動画映像を選択して再生するための小画面を選択的に前記表示部に表示する表示形式を有することを特徴とする映像記録再生装置。
【請求項6】
撮影して取得した動画映像をファイル形式で記録媒体に記録する映像記録再生装置であって、
前記撮影により取得した動画映像の信号を処理して映像信号を出力する信号処理部と、
前記信号処理部から出力される映像信号を所定の符号化方式で符号化処理して出力する映像圧縮部と、
動画映像のファイルの記録に関して、BDMVディレクトリを配置し、更にその下に少なくとも映像信号を記録するディレクトリとPlayListを記録するディレクトリとを配置するように定義されたフォーマットに従ってファイルを作成して記録媒体に記録するように規定し、かつ取得する動画映像のシーンの区切り毎に1つのPlayItemを生成し、1つのPlayList内に所定の数を上限として複数のPlayItemを配置するようにフォーマットを形成するフォーマット制御部と、
前記フォーマット制御部により形成されたフォーマットに従って、前記符号化処理された映像信号を前記記録媒体に記録する記録制御部と、
表示部と、を備え、
第一のPlayListが生成された第一の日付を含む複数日に亘る第一の期間内で撮影して取得した動画映像が記録されると、前記所定の数を上限として、前記記録の度に、新たなPlayListを生成することなく、前記第一のPlayList内にPlayItemを生成するものであり、
前記第一のPlayListは前記第一のPlayList内に生成された複数のPlayItem各々の日時情報を有し、
前記表示部は、前記複数のPlayItem各々に対応する動画映像を選択して再生するための選択画面を、前記複数のPlayItem各々の日時情報に基づいて日付毎に分類して表示することを特徴とする映像記録再生装置。
【請求項7】
請求項6記載の映像記録再生装置であって、
前記表示部は、表示中の選択画面に対応する日付を表示することを特徴とする映像記録再生装置。
【請求項8】
請求項7記載の映像記録再生装置であって、
前記選択画面では、前記表示中の選択画面に対応する日付に生成された複数のPlayItem各々に対応する小画面を選択可能な状態で一覧表示することを特徴とする映像記録再生装置。
【請求項9】
請求項8記載の映像記録再生装置であって、
前記映像記録再生装置は、さらに静止画の記録も可能であり、
前記選択画面では、前記表示中の選択画面に対応する日付に生成された静止画を選択して再生するための小画面を表示することなく、前記表示中の選択画面に対応する日付に生成された複数のPlayItem各々に対応する小画面を選択的に一覧表示することを特徴とする映像記録再生装置。
【請求項10】
請求項6乃至8のいずれかに記載の映像記録再生装置であって、
前記映像記録再生装置は、さらに静止画の記録も可能であり、
前記静止画を選択して再生するための小画面を表示することなく、前記複数のPlayItem各々に対応する動画映像を選択して再生するための小画面を選択的に前記表示部に表示する表示形式を有することを特徴とする映像記録再生装置。
【請求項11】
撮影して取得した動画映像をファイル形式で記録媒体に記録する映像記録再生方法であって、
前記動画映像のファイルの記録に関して、BDMVディレクトリを配置し、更にその下に少なくとも映像信号を記録するディレクトリとPlayListを記録するディレクトリとを配置するように定義されたフォーマットに従ってファイルを作成して前記記録媒体に記録するように規定し、
かつ前記取得する動画映像のシーンの区切り毎に1つのPlayItemを生成し、1つのPlayList内に所定の数を上限として複数のPlayItemを配置するようにフォーマットを形成し、
前記取得した動画映像の信号に所定の符号化方式で符号化処理を行い、
前記形成されたフォーマットに従って、前記符号化処理された映像信号を前記記録媒体に記録するものであって、
第一のPlayListが生成された状態で、撮影して取得した動画映像が記録されると、前記所定の数を上限として、前記記録の度に、新たなPlayListを生成することなく、前記第一のPlayList内にPlayItemを生成し、
前記第一のPlayListは前記第一のPlayList内に生成された複数のPlayItem各々の日時情報を有し、
前記複数のPlayItem各々に対応する動画映像を選択して再生するための選択画面を、前記複数のPlayItem各々の日時情報に基づいて日付毎に分類して表示することを特徴とする映像記録再生方法。
【請求項12】
請求項11記載の映像記録再生方法であって、
前記選択画面の表示では、表示中の選択画面に対応する日付を表示することを特徴とする映像記録再生方法。
【請求項13】
請求項12記載の映像記録再生方法であって、
前記選択画面では、前記日付に生成された複数のPlayItem各々に対応する小画面を選択可能な状態で一覧表示することを特徴とする映像記録再生方法。
【請求項14】
請求項13記載の映像記録再生方法であって、
さらに撮影して取得した静止画の記録も可能であり、
前記選択画面では、前記日付に生成された静止画を選択して再生するための小画面を表示することなく、前記日付に生成された複数のPlayItem各々に対応する小画面を選択的に一覧表示することを特徴とする映像記録再生方法。
【請求項15】
請求項11乃至13のいずれかに記載の映像記録再生方法であって、
さらに撮影して取得した静止画の記録も可能であり、
前記静止画を選択して再生するための小画面を表示することなく、前記複数のPlayItem各々に対応する動画映像を選択して再生するための小画面を選択的に表示することを特徴とする映像記録再生方法。
【請求項16】
撮影して取得した動画映像をファイル形式で記録媒体に記録する映像記録再生方法であって、
前記動画映像のファイルの記録に関して、BDMVディレクトリを配置し、更にその下に少なくとも映像信号を記録するディレクトリとPlayListを記録するディレクトリとを配置するように定義されたフォーマットに従ってファイルを作成して前記記録媒体に記録するように規定し、
かつ前記取得する動画映像のシーンの区切り毎に1つのPlayItemを生成し、1つのPlayList内に所定の数を上限として複数のPlayItemを配置するようにフォーマットを形成し、
前記取得した動画映像の信号に所定の符号化方式で符号化処理を行い、
前記形成されたフォーマットに従って、前記符号化処理された映像信号を前記記録媒体に記録するものであって、
第一のPlayListが生成された第一の日付を含む複数日に亘る第一の期間内で撮影して取得した動画映像が記録されると、前記所定の数を上限として、前記記録の度に、新たなPlayListを生成することなく、前記第一のPlayList内にPlayItemを生成し、
前記第一のPlayListは前記第一のPlayList内に生成された複数のPlayItem各々の日時情報を有し、
前記複数のPlayItem各々に対応する動画映像を選択して再生するための選択画面を、前記複数のPlayItem各々の日時情報に基づいて日付毎に分類して表示することを特徴とする映像記録再生方法。
【請求項17】
請求項16記載の映像記録再生方法であって、
前記選択画面の表示では、表示中の選択画面に対応する日付を表示することを特徴とする映像記録再生方法。
【請求項18】
請求項17記載の映像記録再生方法であって、
前記選択画面では、前記表示中の選択画面に対応する日付に生成された複数のPlayItem各々に対応する小画面を選択可能な状態で一覧表示することを特徴とする映像記録再生方法。
【請求項19】
請求項18記載の映像記録再生方法であって、
さらに撮影して取得した静止画の記録も可能であり、
前記選択画面では、前記表示中の選択画面に対応する日付に生成された静止画を選択して再生するための小画面を表示することなく、前記表示中の選択画面に対応する日付に生成された複数のPlayItem各々に対応する小画面を選択的に一覧表示することを特徴とする映像記録再生方法。
【請求項20】
請求項16乃至18のいずれかに記載の映像記録再生方法であって、
さらに撮影して取得した静止画の記録も可能であり、
前記静止画を選択して再生するための小画面を表示することなく、前記複数のPlayItem各々に対応する動画映像を選択して再生するための小画面を選択的に表示することを特徴とする映像記録再生方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像記録方法及び装置に係り、更に詳しく言えば動画や静止画を含む映像を光ディスクのような記録媒体に記録する、特にAVCHDやBDに映像を記録するカメラにおける記録ファイルの管理、及び所定の形式で管理されるフォーマットに従ってファイルを記録媒体に記録再生する方法及び装置、及び特定のフォーマットに基づく記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
AVCHD/BDカメラは、BD−REVer3.0規格に基づくアプリケーションのフォーマットに従った形式で、撮影した映像情報をファイルとして記録媒体に記録する。この規格は、BD−ROMの規格を基本にしたBDMVフォーマットのサブセット(BDMV subset 以下、BDMV−sという)であり、レコーダやカメラのセルフエンコード時の規定したフォーマットであり、1回の記録単位をPlayList(プレイリスト)で管理する。
【0003】
記録媒体への記録に際して、映像情報は所定の圧縮方式に従って圧縮されて記録される。圧縮方式として、一般的に動映像の記録にはMPEG(Moving Picture Expert Group)規格が用いられる。また、静止映像の記録には、一般的な電子スチルカメラ等の静止画デジタル記録に用いられるJPEG(Joint Photographic Experts Group)規格が用いられる。
【0004】
例えば、DVDレコーダの場合、特開2003−308675公報(特許文献1)に開示されているように、記録媒体に記録する映像はビデオタイトルセットと呼ばれる単位で管理される。1回の記録では、タイトル(TT)は最大99個である。一方、DVDカメラの場合、TTをPTT(チャプタ)で構成し、1回の記録単位はPTT数256個である。最大数99を超えると、TTを増加するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−308675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的に、レコーダでは記録する回数が余り多くないので問題にはならないが、カメラはレコーダと異なり、短いシーンを多く撮影することが多い。BDカメラでは、映像を1回記録する度に、mplsファイルと、clpiファイルと、m2tsファイルを1つのセットとして管理情報に追加して記憶する。つまり、映像を記録する度にファイルの数が増加することになる。一方、BDカメラを起動する時には、mplsファイルをメモリに展開する必要がある。そのため、記録される映像の回数が増えると、このファイル展開の時間が長くかかり、起動時間も長くなって問題となる。従って、起動時間の短縮化のためには、映像のファイル数をできるだけ少なくする方が好ましい。
【0007】
本発明の目的は、映像の記録回数が増えても管理対象とするファイル数の増加をできるだけ抑えることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、特許請求の範囲に記載の発明により達成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、映像の記録回数が増えても管理対象とするファイル数の増加をできるだけ抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】記録装置の構成を示すブロック図。
図2】BDMVフォーマットのサブセット(BDMV−s)のデータ構造を示す図。
図3】PLAYLISTの構成例を示す図。
図4】カメラの管理情報を表す表示画面の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1はカメラ一体型記録装置のブロック図である。
図1において、101は被写体の像を結像するための光学レンズ、102は結像した光を電気信号に変換するための光電変換手段であるCCDセンサ、103は映像の電気信号をデジタル信号に変換するA/D変換器、104はデジタル信号に変換された映像情報を映像信号に変換するための処理を行う信号処理部、105は映像信号をMPEGのような所定の符号化方式に従って圧縮及び伸張処理する映像圧縮伸張部である。
【0012】
また、106は集音した音声を電気的な音声信号に変換するマイク、107は音声を発生するスピーカ、108は音声信号を増幅するアンプ、109は音声の電気信号をデジタル信号に変換するA/D変換器(D/A変換器)、110は、デジタル音声を、JPEGのような所定の符号化方式に従って圧縮及び伸張処理する音声圧縮伸張部、111は映像圧縮伸張部105で生成された動画圧縮ストリーム、及び音声圧縮伸張部110で生成された音声圧縮ストリームとを多重化する多重化部、112は、映像圧縮伸張部105が圧縮処理した映像データ、及び音声圧縮伸張部110により圧縮処理された音声データ、及びこれらの多重化されたデータを一時的に記憶する大容量のメモリである。また、ATAPI/ATA部113は特定の規格に従ったインターフェース部、114は光ディスク等の記録媒体である。媒体R/W制御部115は、記録媒体114に記録再生するための動映像や静止映像のデータファイルを、所定のファイル形式で記録再生するための制御を行う。
【0013】
116は、映像を表示する表示部である。尚、この表示部116はファインダ内の表示部と、ビデオカメラの筐体の外側に設けられた可動式の表示部とに分けてもよい。117は記録媒体の種類を識別してBDMV−s規格に準拠したフォーマットの情報を生成するフォーマット制御部、118は記録媒体に記録するデータファイルの記録形式や記録再生のための管理情報を記憶する管理メモリである。119は、ユーザが操作する操作部であり、録画/停止キーやズームキー、記録モードの選択キーなどを含む。
120はシステム制御部であり、多重/分離部111やフォーマット制御部117、媒体記録再生制御部115等の各部を統括して制御する。なお、システム制御部120は年月日時分(単に日時という)を計時する時計機構を有する。時計機構で計時される日時は多重化の際にストリームに記録され、更に記録媒体114に記録される。
【0014】
ここで、映像圧縮伸張部105、音声圧縮伸張部110、多重/分離部111、フォーマット制御部117、及びシステム制御部120の各機能は、好ましくはマイクロプロセッサでプログラムが実行されることにより実現されるが、それらの一部又は全部がハードウェアで構成されてもよい。また、図1では制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成ユニットが相互に接続されていると考えてよい。
【0015】
次に、動画の記録動作について説明する。
操作部119の操作によって動画撮影モードが選択された場合、システム制御部120はその選択を認識してシステム全体が以下のように制御する。CCDセンサ102は駆動部(図示せず)により動画信号発生モードに駆動される。そして、光学レンズ101によって結像された像は、CCDセンサ102で電気信号に変換され、A/D変換器103でデジタル信号に変換された後、信号処理部104で映像データに変換処理されて、メモリ112に一時記憶される。その後、映像データは映像圧縮伸張部105で圧縮処理されるが、この圧縮処理はメモリ112と映像圧縮伸張部105との間で圧縮行程中の映像データをやりとりしながら、順次動画圧縮ストリームに変換処理する。一方、マイク110で集音された音声は、音声圧縮伸張部110で圧縮処理され、同様にしてメモリ112に一時記憶される。その後、メモリ112に記憶されている、映像圧縮伸張部105で生成された動画圧縮ストリームと音声圧縮伸張部110で生成された音声圧縮ストリームは多重/分離部111で多重化処理され、その多重処理データはメモリ112に一時記憶される。最終的に、多重処理データはメモリ112から出力され、媒体R/W制御部115及びATAPI/ATA部113を介して、所定の記録フォーマットで記録媒体114に記録される。
記録フォーマットは、本実施例に特徴的であり、図2及び3を参照して後述するように、フォーマット制御部117は、予め決められた所定のフォーマットで管理し、撮影された映像は、その映像のシーン毎に記録媒体に記録される。
【0016】
次に、動画の再生動作について説明する。
記録媒体114には、図2及び図3に示すファイル形式で映像が記録されている。記録媒体114に記録された動画の再生が選択されると、システム制御部120によりシステム全体が以下のように制御され、ファイル制御部117で管理された形式で、シーン毎の映像が記録媒体から読み出されて再生される。
即ち、媒体R/W制御部115は、動画ファイルを再生し、多重/分離部111で動画圧縮ストリームと音声圧縮ストリームに分離し、動画圧縮ストリームを映像圧縮伸長部105に送る。映像圧縮伸張部105はメモリ112との間で伸長工程中の映像データをやりとりしがら順次映像信号に変換処理し、信号処理部104を介して表示部116に出力する。音声圧縮ストリームは音声圧縮伸長部110で伸長処理して、スピーカ107から出力する。
【0017】
図2は、BDMVフォーマットのサブセット(BDMV−s)のデータ構造を示す図である。これは、規格BD−RE Ver3.0で規定されたアプリケーションのフォーマットであり、BD−ROMの規格を基本としている。レコードやカメラのセルフエンコード時の記録を想定したフォーマットとして、1回の記録単位をPlayListで管理する。即ち、Rootディレクトリの下には、BDMVディレクトリが配置され、その下にPLAYLIST,CLIPINFO,STREAMの各ディレクトリが配置される。1回毎の記録によって、PLAYLIST,CLIPINFO,STREAMの各ディレクトリがセット(組)として記録される。例えば、1回目の記録で、00000.mplsファイルと、01000.clpiファイルと、01000.m2tsファイルが記録され、2回目の記録では、00001.mplsファイルと、02000.clpiファイルと、02000.m2tsファイルが記録される、が如く、記録の度にファイルが順次増加する。デジタルカメラの一般的な製品では、シーンの最大値を1000としている。そのため、上記ファイルのセット数の上限は1000個程度が望ましい。なお、拡張子がmpls,clpi,m2tsのものもmplsファイルと呼ぶ場合がある。
【0018】
図3はPlayListの構成例を示す図である。
本実施例の特徴の1つとして、1つのPlayList中に、複数のPlayItemが規定されて管理される。PlayItemは、記録する映像の開始と終了の場所を管理するmplsファイルの情報を管理するものであり、これらの管理情報は1シーンの映像に対応している。つまり、1回のシーンの映像を記録媒体に記録する度に、そのシーンに対応する開始及び終了を示す管理情報がPlayItemの情報として生成されて、それまでに生成された管理情報に追加される。開始及び終了の場所は、映像が記録される光ディスク上のアドレスを管理するようにしてもよいが、時計機構が計数する日時情報をタイムスタンプとして記憶しておいてもよい。
【0019】
また、PlayListは、例えば日付が変わる度に、新たに1つ生成されて管理情報として追加される。日付け情報は、システム制御部120の時計機構が計数する日時情報を引用する。つまり、新たに生成されたPlayListには、同じ日に撮影された映像のシーンが1つ増える度に、PlayItemが追加されていく。つまり、1回毎の映像のシーンの記録で、mplsファイルに対応するPlayItemと、clpiファイルと、m2tsファイルが1セットとして生成されて管理される。
図2に示す管理ファイル及び図3に示す管理情報は、フォーマット制御部117で、映像の記録時にその都度生成されて管理メモリ118に記憶して管理される。また映像の再生時には、メモリ118に記憶されたこの管理情報が参照される。
【0020】
図3について具体的に説明すると、PlayList#1は、n個のPlayItemが記憶されている。つまり、この1日の内にn個のシーンの映像が記録媒体に記録され、それぞれの開始及び終了の場所が管理されていることを示す。同様にして、次の日には新たにPlayList#2が生成され、その日にはi個のPlayItemが生成されて管理されている。またm日目にはPlayList#mが生成され、j個のPlayItemが管理されている。
【0021】
本実施例によれば、1つのPlayList中に、複数のPlayItemを規定して管理する。そのため、シーン毎の映像を指定する手段が必要となる。そこで、図4に示すように、日付(41)毎にシーンの数を示す番号(42)を表示する画面を生成して表示部112に表示する。図4に示す(1)〜(3)の例は、図3に対応して、日付けが変わった日の最初にカメラを起動した時に、それぞれPlayList#1〜#mが生成され、それぞれのPlayListに追加されたPlayItemをシーンの番号42で管理する。
【0022】
操作者は、操作部119を操作して管理画面を表示部112に表示することで、最新のPlayList及びそのPlayItem数を認識することができる。また、映像の再生時には、操作部119を操作して、管理メモリ118からPlayList及びPlayItemを表す管理情報を読み出して表示部112に表示し、PlayList及びその中のPlayItemの番号を指定することで、目的とするシーンの映像ファイルを記録媒体114から読み出して表示部112に表示することができる。
本実施例におけるBDカメラの場合、実情を鑑み、最大2000個のPlayList、及び1つのPlayList当り最大999個のPlayItemを収容するようにフォーマットを形成するのが好ましい。
【0023】
本実施例によれば、映像の記録回数が増えても、シーンの記録に応じてPlayItemを増加することで対処でき、むやみにPlayListを増やす必要はない。このため、管理対象とするファイル数の増加を極力抑えることができ、BDカメラで記録する映像のシーンの数が増えても映像ファイルの展開のための起動時間があまり長くならない。
【0024】
なお、本発明は上記実施例に限定されず、種々変形、応用して実施し得る。
例えば、上記実施例によれば、PlayListは日付が変わる度に1つずつ生成して追加されるので、日付とPlayListの対応を取り易く管理し易い。しかし、変形例では、必ずしも日付が変わる毎ではなく、2日毎或いは複数n日毎にPlayListを生成するようにしてもよい。このようにすれば、PlayListのファイルの増加は更に抑えられるので、BDMV−sに準拠した映像を効率的に記録することができる。
【0025】
また、次のような他の変形例もある。上記実施例では、xxx.rpls内のPlayListデータ内にあるPlyaItemをシーンの記録の単位とした。これに対して、他の変形例では、シーン毎にxxx.rpls内のPlaylistMarkデータ内にあるMark_Entryを作成してもよい。Mark_Entryは、BD−ROMにおける映画のチャプタの管理に使われたりする。
【0026】
PlaylistMarkのデータ構成例は、以下の通りである。
PlaylistMark
length
number of PlayList_marks (PlayList_marks=シーンの数がカウントされていく(0から999))
Mark_entry (シーンの映像の位置が判別できる情報が格納され、シーン数の分が作られる)
reserved_for_future_use (将来的な予約領域、1バイト)
mark_type (エントリーマークやリンクマーク等の種別)
ref_to_PlayItem_id (対応するPlayItemのIDを示す)
mark_time_stamp (markの位置がわかる情報)
entry_ES_PID (対応するエレメンタリストリームの管理情報を示す)
duration (mark_time_stampからの期間、通常は0)
Mark_Entryをシーン記録の単位とした場合、上記実施例と同様に日付毎にPlayListを作成してもよいし、日付毎にPlayItemを作成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0027】
101:光学レンズ、102:CCDセンサ、103:A/D変換器、104:信号処理部、105:映像圧縮伸張部、106:マイク、107:スピーカ、108:アンプ、109:A/D変換器(D/A変換器)、110:音声圧縮伸張部、111:多重化/ウ分離部、112:メモリ、113:インターフェース部、114:記録媒体、115:媒体R/W制御部、116:表示部、117:フォーマット制御部、118:管理メモリ、119:操作部、120:システム制御部。
図1
図2
図3
図4