(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
排気スイッチング装置の操作部材は、スイッチング手段の第1および第2スイッチング状態にそれぞれ対応して、第1および第2位置に、外部から視認可能に変位することを特徴とする請求項2または3に記載のタイヤのガス充填装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、タイヤにガスを充填するとき、作業者の安全を確保し、タイヤの破裂を未然に防止することができるようにしたタイヤのガス充填装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
(a)ガスが充填されるタイヤの近傍に配置されるガス充填制御装置であって、
(a1)圧縮ガス源2からのガスをタイヤ11に供給、遮断する充填用電磁弁35と、
(a2)タイヤ11からガスを排気する排気用電磁弁36と、
(a3)入力操作される手段16と、
(a4)入力操作手段16の出力に応答し、充填用電磁弁35と排気用電磁弁36とを開閉制御する開閉制御手段10とを備えるガス充填制御装置50と、
(b)ガス充填制御装置50から離れた場所で操作することができ、この操作によって排気強制信号を発生する排気スイッチング装置47と、
(c)排気スイッチング装置47からの排気強制信号を開閉制御手段10に伝送するライン48とを含み、
(d)開閉制御手段10は、排気強制信号に応答して、排気用電磁弁36を開いてタイヤ11からのガスを排気することを特徴とするタイヤのガス充填装置である。
【0008】
本発明に従えば、入力操作手段16を備えるガス充填制御装置50は、圧縮ガス源2からの空気、窒素などの圧縮ガスが充填されるタイヤ11の近傍に配置され、そのガス充填制御装置50の開閉制御手段10にライン48を介して接続される排気スイッチング装置47は、ガス充填制御装置50から離れた場所で操作することができる。
【0009】
タイヤ11にガスを充填するために、作業者は、入力操作手段16を操作し、開閉制御手段10は、充填用電磁弁35を開いてガスをタイヤ11に供給して充填する。タイヤ11へのガスの充填中、たとえばメリメリ、プチプチなどの異音がタイヤ11から発生されたとき、作業者は、ガス充填制御装置50、したがってタイヤ11から離れた場所で、排気スイッチング装置47を操作することによって、排気強制信号が発生される。この排気強制信号は、ライン48を介して、ガス充填制御装置50の開閉制御手段10に与えられる。これによって開閉制御手段10は、排気用電磁弁を36開き、充填されたタイヤ11からのガスを外部に排気し、タイヤ11のガス圧力を低下させる。排気スイッチング装置47は、ガス充填制御装置50から離れた場所で操作されることができるので、作業者は入力操作手段16を操作するためにタイヤ11に近付く必要がなく、たとえタイヤ11が破裂しても、作業者の安全が確保される。作業者の近くの位置で、排気スイッチング装置47を操作することもできるので、タイヤ11が破裂するおそれがあるとき、排気ための迅速な操作が可能になる。またそれによって、タイヤ11の破裂を未然に防止することができる。
【0010】
排気スイッチング装置47の操作は、作業者の身体の一部を動かして行ない、たとえば手で行なう操作であってもよい。
【0011】
また本発明は、
排気スイッチング装置47は、
前記操作が、排気操作態様および排気操作態様とは異なる解除操作態様で行われる操作部材82と、
排気強制信号を発生しない第1スイッチング状態と、排気強制信号を発生する第2スイッチング状態となるスイッチング手段53と、
保持手段115であって、操作部材82が前記排気操作態様で操作されることによってスイッチング手段を第1スイッチング状態から第2スイッチング状態とし、かつ、この第2スイッチング状態を保持し、前記解除操作態様で操作されることによって、第2スイッチング状態の保持を解除して、スイッチング手段53を、第1スイッチング状態とする保持手段115とを含むことを特徴とする。
【0012】
本発明に従えば、タイヤ11のガス充填は、入力操作手段16の操作によって開閉制御手段10が充填用電磁弁35を開いて行なわれ、このとき排気用電磁弁36は閉じられている。このようなタイヤ11のガス充填動作中、タイヤ11の破裂のおそれが生じることによって、ガス充填を停止してタイヤ11から排気しようとするとき、操作部材82を排気操作態様で操作する。これによってスイッチング手段53は、排気強制信号を発生しない第1スイッチング状態(たとえば
図14の操作スイッチ143の固定接点144、145と移動接点146とが導通ON、これによってリレースイッチ63が遮断OFF)から排気強制信号を発生する第2スイッチング状態(たとえば
図16の操作スイッチ143の固定接点144、145と移動接点146とが遮断OFF、これによってリレースイッチ63が導通ON)に切換わる。開閉制御手段10は、スイッチング手段53からの第2スイッチング状態の排気強制信号を、ライン48を介して受信すると、充填用電磁弁35を閉じ、排気用電磁弁36を開いてタイヤ11内のガスを排気する。保持手段115は、操作部材82が排気操作態様で一旦操作されると、スイッチング手段53を第2スイッチング状態に保持する。これによって排気強制信号が発生されたままになり、タイヤ11の排気が確実になる。したがって、タイヤ11の充填圧力が低下した状態で、タイヤ11の近傍に配置されるガス充填制御装置50に近付いても安全であり、その入力操作手段16を操作することができるようになる。
【0013】
その後、タイヤ11が破裂するおそれがなく、安全を確認した後、同一のタイヤ11に、または他のタイヤ11に交換して、再びガス充填をするには、操作部材82を解除操作態様で操作する。保持手段115は、解除操作態様で操作部材82が操作されることによって、スイッチング手段53の第2スイッチング状態の保持を解除して第1スイッチング状態とし、これによって排気強制信号が発生されなくなる。したがって、ガス充填制御装置50の入力操作手段16を操作し、充填用電磁弁35を開いて圧縮ガスをタイヤ11に再び充填することができる。
【0014】
この解除操作態様は、排気操作態様とは異なる。そのため、操作部材の排気操作と解除操作とを誤る可能性が低くなる。たとえば、作業者がタイヤ11の破裂のおそれを察知して、タイヤ11を排気しようとするとき、誤って、解除操作をすることが避けられ、それによって、タイヤ11の排気が行なわれずにガス充填が継続されてしまうおそれが無く、安全性が高まる。
【0015】
また本発明は、
操作は、排気操作態様に比べて、解除操作態様の方が複雑であ
り、
操作部材の排気操作態様は、操作部材を上から下に押圧する操作であり、
解除操作態様は、操作部材を上下の軸線まわりに角変位する操作であることを特徴とする。
【0017】
本発明に従えば、操作部材82を、解除操作態様で行なう操作は、排気操作態様で行なう操作に比べて、複雑な操作である。そのため作業者は、操作を行なう際、解除操作であることを、一旦、予め認識して確認した後、その解除操作態様の操作をすることになる。したがって、誤って、タイヤ11のガス排気強制を解除してガス充填を許容する状態になってしまう可能性を、できるだけ低くすることができ、タイヤ11の破裂を防止して安全性を高めることができる。
【0018】
操作部材82を上下の軸線まわりに角変位する解除操作態様は、上から下に押圧する排気操作態様に比べて、複雑な操作であり、そのため誤って排気強制を行なうおそれを、できるだけ避けることができる。
【0019】
排気スイッチング装置47の操作部材82は、上から下に押圧する排気操作態様で操作され、これによってスイッチング手段53は前述のように排気強制信号を発生したままに保たれる。このように操作部材82を上から下に押圧する操作は、作業者の身体の一部、たとえば手などの単純な動きで達成される。したがってタイヤ11のガス充填中、タイヤ11が破裂するおそれが生じたとき、このような身体の単純な動きによってタイヤ11のガス充填を直ちに停止して排気する操作を迅速に行なうことができる。そのため、タイヤ11の破裂などの危険な状態を回避し、タイヤ11の破裂を未然に防ぐことができる。
【0020】
排気強制信号を停止するには、操作部材82を上下の軸線まわりに角変位する解除操作態様の操作を行う。これによってスイッチング手段53は、第2スイッチング状態の保持が解除されて第1スイッチング状態になる。
【0021】
たとえば一例として、操作部材82が手動操作される構成では、(1)操作部材82を、手で上から下に押圧する単一のステップの動きで、排気操作態様が達成され、(2)これに対して、解除操作態様を達成するには、先ず、操作部材82を指でつまむ第1ステップの動きと、次に、操作部材82を指でつまんだままで、上下の軸線まわりに角変位する第2ステップの動きとが、この順序で行なわれる。このように、解除操作態様は、排気操作態様に比べて、複雑な操作である。
【0022】
操作部材82は、一直線方向に押圧される排気操作態様で操作され、その押圧の一直線のまわりに角変位される解除操作態様で操作される構成であってもよい。
【0023】
本発明は、
排気スイッチング装置47の操作部材82は、スイッチング手段53の第1および第2スイッチング状態にそれぞれ対応して、第1および第2位置に、外部から視認可能に変位することを特徴とする。
【0024】
本発明に従えば、操作部材82が変位する第1および第2位置は、外部から視認可能であるので、作業者は、タイヤ11が排気強制されているか否かを、したがって、タイヤ11の破裂の危険性の存在の有無を、容易に知ることができる。作業者は、タイヤ11、およびそのタイヤ11の近傍に配置されるガス充填制御装置50に近付いて移動する前に、先ず、操作部材82がタイヤ11の排気強制に対応する第2位置(
図16の下降位置)にあるかどうかを見て、次に、第2位置にあれば、タイヤ11の排気強制状態であることを知ることができるので、その後、そのタイヤ11の破裂の危険性がなくなっているかどうかを予め確認しなければならないことが判る。これによって安全が確保される。操作部材82の第1および第2位置を容易に知ることができるので、破裂のおそれのあるタイヤに誤って近付くことが可及的に避けられ、安全である。操作部材82が第1位置(
図14の上昇位置)にあれば、タイヤ11の破裂の危険性を予め確認することなく、タイヤ11、およびそのタイヤ11の近傍に配置されるガス充填制御装置50に速やかに近付いて移動し、能率よく安全に作業することができる。
【0025】
たとえば一例として、排気強制に対応した操作部材82の第2位置は、
図16の上から下に押圧されて下降変位して保持された下方の位置であり、充填中および充填停止中に対応した操作部材の第1位置は、
図14の第2位置よりも上昇変位した上方の位置である。操作部材82は、第1および第2位置に対応して揺動角変位などする構成を有してもよい。
【0026】
また本発明は、
ライン48は、ガス充填制御装置50を駆動する電力線56に接続され、
スイッチング手段53は、
ライン48に介在され、操作部材82の解除操作態様および排気操作態様にそれぞれ対応して、排気強制信号を発生しない第1スイッチング状態と、排気強制信号を発生する第2スイッチング状態とに変わる操作スイッチ143と、
ライン48から操作スイッチ143を介する電力によって励磁されるリレーコイル62と、
リレーコイル62によって、操作スイッチ143の第1および第2スイッチング状態にそれぞれ対応して第3および第4スイッチング状態に変わるリレースイッチ63とを含み、
リレースイッチ63からの第4スイッチング状態に対応する排気強制信号が、入力操作手段16からの排気用電磁弁36を開くための信号と等価な信号として開閉制御手段10に与えられることを特徴とする。
【0027】
本発明に従えば、ライン48は、ガス充填制御装置50に電力を供給して駆動する電力線56、たとえば100V商用交流電源55に接続される。スイッチング手段53の操作スイッチ143は、操作部材82の充填操作態様による第1スイッチング状態(
図14の操作スイッチ143の固定接点144、145と移動接点146とが導通ON)から、排気操作態様によって第2スイッチング状態(
図16の操作スイッチ143の固定接点144、145と移動接点146とが遮断OFF)へ変わる。この操作スイッチ143からの第1スイッチング状態の電気信号と、第2スイッチング状態の電気信号である排気強制信号とは、電力線56に介在されるライン48を介して伝送される。
【0028】
排気強制信号が伝送されるライン48は、電力線56に接続されており、したがって、ライン48における第1および第2スイッチング状態にそれぞれ対応して変化する電流または電圧である信号レベルを、外部から混入するノイズのレベルに比べて、充分に大きくすることができる。すなわち本発明のライン48によって伝送される電気信号は、ノイズが混入して悪影響を受けやすい微弱なものではない。そのためノイズによる開閉制御手段10の誤動作を確実に防止することができる。この耐ノイズ性能に優れる効果は特に、本件タイヤのガス充填装置1の作業場45では、タイヤ交換装置、タイヤホイルバランサなどの装置52も設置されることが多く、これらの装置52は、比較的大きな定格電力であって運転、停止が頻繁な負荷、たとえばモータ、および空気圧または油圧の電磁弁などを備え、さらに火花点火内燃機関などを備える車両51の入出庫が多いことに鑑み、重要である。
【0029】
排気スイッチング装置47におけるスイッチング手段53の操作スイッチ143は、上述のように操作部材82の解除操作態様および排気操作態様にそれぞれ対応する第1および第2スイッチング状態に切換えられる。この操作スイッチ143からの第1および第2スイッチング状態の電気信号は、電力線56に介在されるライン48を介して、リレー61に与えられる。
【0030】
リレー61は、レベル変換の働き(1)を果たし、さらに必要なら、スイッチング状態を変換する働き(2)をも果たす。すなわち、(1)リレー61は、ライン48を介する電気信号を、開閉制御手段10に与えるために適合した、たとえば微弱である信号レベルにレベル変換する。
【0031】
(2)リレー61はまた、必要に応じて、排気強制信号が、入力操作手段16からの排気用電磁弁36を開くための信号と等価な信号となるように、操作スイッチ143の第1および第2スイッチング状態を、リレースイッチ63の第3および第4のスイッチング状態にそれぞれ対応させてスイッチング状態を変換する働きをする。たとえば一例として、入力操作手段16の排気ボタン25の押圧による導通ONが、開閉制御手段10において、排気用電磁弁36を開くための信号として受信される構成では、操作スイッチ143の遮断OFFである第2スイッチング状態によって表わされる排気強制信号は、リレー61の働きによって、開閉制御手段10に接続されるリレースイッチ63の第4のスイッチング状態が導通ONに対応して変換され、また操作スイッチ143の導通ONである第1スイッチング状態は、リレースイッチ63の遮断OFFである第3スイッチング状態に対応して変換される。
【0032】
さらに詳しく述べると、リレー61のリレーコイル62は、操作スイッチ143の第1および第2スイッチング状態に対応して、ライン48からの電力によって励磁され、またはその電力の供給が行われずに消磁される。リレーコイル62の励磁、消磁によって、リレースイッチ63は、第3および第4スイッチング状態が切換わり、このリレースイッチ63の出力は、開閉制御手段10に与えられる。操作スイッチ143の第1スイッチング状態(たとえば
図14の操作スイッチ143の固定接点144、145と移動接点146とが導通ON)は、リレースイッチ63の第3スイッチング状態(リレースイッチ63が遮断OFF)に対応して変換される。操作スイッチ143の第2スイッチング状態(
図16の操作スイッチ143の固定接点144、145と移動接点146とが遮断OFF)は、リレースイッチ63の第4スイッチング状態(リレースイッチ63が導通ON)に対応して変換される。
【0033】
こうして、操作スイッチ143の第2スイッチング状態による排気強制信号は、ライン48を介してノイズ環境の中を、ノイズが混入されることなく、伝送され、リレー61のリレースイッチ63によって、ノイズ混入のない、たとえば微弱な電気信号にレベル変換されるとともに、入力操作手段16からの排気用電磁弁36を開くための信号と等価な信号となるように、第4スイッチング状態に対応してスイッチング状態が変換されて、開閉制御手段10に与えられる。
【0034】
ライン48には、電力線56が介在され、したがって操作スイッチ143からの開閉制御信号の信号レベルを、外部のノイズに悪影響されないように大きくして伝送することができるので、ノイズによる開閉制御手段10の誤動作を防止し、したがって、タイヤ11からのガスの排気強制を確実に達成することができる。
【0035】
操作スイッチ16およびリレースイッチ63の第1〜第4スイッチング状態は、導通ONおよび遮断OFFによって達成することができるが、切換えスイッチおよびそのほかの構成によって達成されてもよい。リレー61は、そのリレースイッチ63が、リレーコイル62の励磁期間中、第3および第4スイッチング状態のいずれか一方となり、リレーコイル62の消磁期間中、いずれか他方となる構成であってもよいが、リレーコイル62の交互の励磁、消磁のたびに、第3および第4スイッチング状態の一方と他方とを切換えるラッチング機能を達成する構成、およびその他の構成であってもよい。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、タイヤ11にガスを充填するとき、作業者の安全を確保し、タイヤ11の破裂を未然に防止することができる。
【0037】
タイヤ11へのガスの充填中、異音がタイヤ11から発生されるなど、タイヤ11の破裂のおそれが生じたとき、作業者は、ガス充填制御装置50、したがってタイヤ11から離れた場所で、排気スイッチング装置47を操作することができるので、作業者は入力操作手段16を操作するためにタイヤ11に近付く必要がなく、たとえタイヤ11が破裂しても、作業者の安全が確保される。
【0038】
排気スイッチング装置47は、ガス充填制御装置50から離れた場所で操作されることができ、たとえば作業者の近くの位置で、排気スイッチング装置47を操作することもできるので、タイヤ11が破裂するおそれがあるとき、排気ための迅速な操作が可能になる。これによって、タイヤ11の破裂を未然に防止することが確実となる。
【0039】
本発明によれば、タイヤ11のガス充填動作中、ガス充填を停止してタイヤ11から排気しようとするとき、操作部材82を排気操作態様で一旦操作すると、保持手段115は、スイッチング手段53を第2スイッチング状態に保持し、これによって排気強制信号が発生されたままになり、したがって、タイヤ11の排気が確実になる。そのため、タイヤ11の充填圧力が低下した状態になった後、タイヤ11およびその近傍に配置されるガス充填制御装置50に近付くことができて安全であり、その入力操作手段16を操作することができるようになる。
【0040】
保持手段115は、解除操作態様で操作部材が操作されることによって、スイッチング手段53の第2スイッチング状態の保持を解除し、それによって排気強制信号が発生されなくなる。その後、ガス充填制御装置50の入力操作手段16を操作して、充填用電磁弁35を開いて圧縮ガスをタイヤ11に再び充填することができる。
【0041】
この解除操作態様は、排気操作態様とは異なるので、操作部材82の排気操作と解除操作とを誤る可能性が低くなる。たとえば、タイヤ11を排気しようとするとき、誤って解除操作をすることが避けられ、したがって、タイヤ11の排気が行なわれずにガス充填が継続されてしまうおそれが無く、安全性が高まる。
【0042】
本発明によれば、操作部材82をたとえば上下の軸線まわりに角変位する解除操作態様は、たとえば上から下に押圧する排気操作態様に比べて、複雑な操作である。したがって、誤って、タイヤ11のガス排気強制を解除してガス充填を許容する状態になってしまう可能性を、できるだけ低くすることができる。そのため、タイヤ11の破裂を防止して安全性を高めることができる。これに対して、排気操作態様は、身体の単純な動きによって達成することができる。そのため、タイヤ11のガス充填を直ちに停止して排気する操作を迅速に行なうことができる。したがって、タイヤ11の破裂などの危険な状態を回避し、タイヤ11の破裂を未然に防ぐことができる。
【0043】
本発明によれば、操作部材82が変位する第1および第2位置は、外部から視認可能であるので、作業者は、タイヤ11が排気強制されているか否かを、したがって、タイヤ11の破裂の危険性の存在の有無を、容易に知ることができる。操作部材82が第2位置にあれば、破裂のおそれのあるタイヤ11に誤って近付くことが可及的に避けられ、安全である。操作部材82が第1位置にあれば、タイヤ11の破裂の危険性を予め確認することなく、タイヤ11、およびそのタイヤ11の近傍に配置されるガス充填制御装置50に速やかに近付いて移動することができるので、能率よく安全に作業することができる。
【0044】
本発明によれば、ライン48は、ガス充填制御装置50に電力を供給して駆動する電力線56に接続され、したがって、ライン48における第1および第2スイッチング状態にそれぞれ対応して変化する電流または電圧である信号レベルを、外部から混入するノイズのレベルに比べて、充分に大きくすることができる。そのためノイズによる開閉制御手段10の誤動作を確実に防止することができ、ノイズによる開閉制御手10段の誤動作を防止することができ、ガス充填時の安全性を高めることができる。
【0045】
開閉制御信号は、リレー61によってレベル変換され、入力操作手段16からの排気用電磁弁36を開くための信号と等価な信号として、開閉制御手段10に与えられるので、既存のガス充填制御装置に関連して、排気スイッチング装置47と、その排気強制信号を開閉制御手段10に伝送するライン48とを新たに設けることによって、本発明の実施が容易である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1は本発明の実施の一形態のタイヤの空気充填装置1の全体の構成を簡略化して示す正面図であり、
図2はタイヤの空気充填装置1が設置されて使用される建物の作業場45の簡略化した水平断面図である。このタイヤの空気充填装置1は基本的に、作業場45の一部、たとえば片隅に設置される空気充填装置本体46と、この空気充填装置本体46から離れた場所で手動操作されて排気強制信号を発生する排気スイッチング装置47と、空気充填装置本体46と排気スイッチング装置47とを電気的に接続するライン48とを含む。空気充填装置本体46は、空気が充填されるタイヤ11を起立した状態で支持する車輪支持体49と、この車輪支持体49の上部に取付けられる空気充填制御装置50とを含む。こうして、空気充填制御装置50は、タイヤ11の近傍に配置される。この実施の形態では、タイヤ11には、空気が充填されるが、その他のガス、たとえば窒素などが充填されてもよい。
【0048】
作業場45に設置された空気充填装置本体46と排気スイッチング装置47とを接続するライン48は、比較的長く、たとえば20mであり、その作業場45に入出庫される車両51の支障にならないように、作業場45の床付近または天井付近に側壁に沿って配置される。排気スイッチング装置47は、タイヤ11を支持する車輪支持体49と空気充填制御装置50とを含む空気充填装置本体46から、タイヤ11の破裂時に作業者が損傷しない距離以上、離れた場所に設置されて手動操作される。車両51は、たとえば大型トラックなどの自動車であり、その全長は、たとえば12mであってもよい。この車両51のタイヤ11に、前述のように空気が充填される。作業場45の隅にはまた、車両51の修理のための装置52、たとえばタイヤ交換装置、タイヤホイルバランサなど、および器具が配置される。
【0049】
図3は、タイヤの空気充填装置1の全体の電気的構成を示す電気回路図である。空気充填制御装置50には、商用交流電源55から電力線のライン56を経て電源回路57に電力が供給され、電源回路57から各回路に電力が供給される。排気スイッチング装置47に接続されるライン48は、空気充填制御装置50に、着脱可能なコネクタ58を介して接続される。このコネクタ58は、空気充填制御装置50内でライン56に接続される。
ライン48、56間には、リレー61のリレーコイル62が介在される。リレー61のリレースイッチ63は、コイル62が励磁されているとき遮断し、消磁されているとき導通する。このリレースイッチ63の導通は、タイヤ11を排気に強制する排気強制信号として、開閉制御手段である演算処理部10の入力部10aに与えられる。この入力部10aにはまた、操作表示ヘッド14に備えられる入力操作パネル16に設けられる排気ボタン25からの出力が与えられる。排気ボタン25は、それが押圧操作されて導通することによって、タイヤ11を排気するために排気用電磁弁36を開く排気信号を発生する。リレースイッチ63からの排気強制信号は、排気ボタン25からの排気信号と等価である。入力部10aを含む演算処理部10は、たとえばマイクロコンピュータなどによって実現され、メモリM1、M2などを含む。
【0050】
演算処理部10は、充填圧力設定部5からの信号を入力する入力部10a、入力部10aから入力した信号に応答して、充填用電磁弁35および排気用電磁弁36に開閉信号を出力する開閉信号出力部10b、圧力検出器4からの測定圧力Pmを表わすアナログの測定圧力信号を、オペアンプ37を介して受信してデジタル信号に変換するアナログ/デジタル(A/D)変換部10c、音響報知部6へ音響信号を出力する音響信号出力部10d、および表示部8に表示情報を表示させる表示信号を出力する表示信号出力部10eを有する。
【0051】
空気充填制御装置50は、さらにリレー駆動回路33、リレー34a、34bを含む。リレー駆動回路33は、制御部7からの制御信号に応答して、各リレー34a、34bを動作させ、充填用電磁弁35および排気用電磁弁36をそれぞれ開閉動作させる。
【0052】
図4は、
図3の空気充填制御装置50に関連するタイヤ11に空気を充填するための空気圧回路図である。圧縮空気源2からの圧縮空気は、充填用フィルタ39を介して、空気充填制御装置50に備えられる充填用電磁弁35からマニホールド38を介して空気充填ホース15に供給され、チャックを備えるノズル17からタイヤ11に圧縮空気が供給されて充填される。ホース15の途中には、排気用フィルタ40が介在される。タイヤ11の充填圧力は、マニホールド38に接続される圧力検出器4によって測定される。タイヤ11からの空気を排気するにあたっては、ホース15から排気用フィルタ40、マニホールド38を経て、排気用電磁弁36から消音器32を介して排出される。充填用電磁弁35および排気用電磁弁36は、スプリングオフセット形2位置開閉切換え電磁弁であり、空気の通路を開閉動作する。
【0053】
排気用フィルタ40は、ホース15の途中に、圧力検出器4よりも空気充填方向の下流側、すなわちノズル17側に設けられる。これによって、タイヤ11の排気時に、タイヤ11内に充填されている空気に混じっている塵埃などの微粒子状の異物が、ホース15から空気充填制御装置50へ入り込むことを防ぎ、排気用電磁弁36および圧力検出器4などの故障を防ぐことができる。
【0054】
排気用電磁弁36が閉じられた状態で充填用電磁弁35が開かれると、圧縮空気発生部2からの圧縮空気がホース15へ供給され、タイヤ11のバルブに接続されたノズル17から、タイヤ11に空気が充填される。充填用電磁弁35が閉じられた状態で排気用電磁弁36が開かれると、タイヤ11に充填されている空気を排気することができる。
【0055】
このような排気機能は、ホース15をタイヤ11に接続したままで、タイヤ11の修理などのためにタイヤ11内の空気を抜く場合、および自動充填中に設定圧力よりも多めに空気を充填してしまった場合、さらに充填中のタイヤ11が破裂するおそれを察知した作業者が排気スイッチング装置47を操作して排気強制信号が発生された場合などにおいて、行なわれる。
【0056】
図5は、空気充填制御装置50とその付近を示す斜視図である。空気充填制御装置50は、その全体の形状が直方体状に形成され、その正面部に臨む操作表示ヘッド14には、入力操作パネル16と表示パネル21とが設けられる。
【0057】
図3および
図5を参照して、表示パネル21は、表示駆動回路19によって駆動され、複数桁21a〜21cの数値などをセグメント表示する。入力操作パネル16は、スタートボタン22、モード選択ボタン24、排気ボタン25、プラスボタン26、スキップボタン27、ストップボタン28、マイナスボタン29およびチェックボタン30を有する。
【0058】
モード選択ボタン24は、タイヤ11への設定圧力まで充填終了後、5分待機モードに切換わり、経過時間を表示部に表示するタイマモード、標準最小設定圧力150kPaからパンク確認検査用の100kPaに設定されるパンクモード、LT(Light Truck)タイヤの800kPa以上の高圧充填を行う高圧充填(LT−HI)モード、OR(Off the Road)タイヤなどの充填容積の大きいタイヤに充填を行う際に、通常充填モードでエラーが発生した場合に充填可能状態に復帰させるORモードを切換えるボタンとして機能する。このモード選択ボタン24の押下するたびに、モードが順序的に切換わって循環復帰する。
【0059】
スタートボタン22は、押圧操作することによって、制御部7によって充填用電磁弁35が開放され、通常充填モードで充填動作が開始される。
【0060】
排気ボタン25は、タイヤ11内の充填空気を速やかに排気させるために押圧される押しボタンスイッチである。排気ボタン25は、その押圧によって、その押圧されている期間だけ導通ONし、演算処理部10において、排気用電磁弁36を開くための排気信号として受信される。排気ボタン25は、押圧されない自然状態では遮断OFFしている。
排気スイッチング装置47からの排気強制信号は、排気ボタン25の押圧による導通ONによる排気信号と等価な信号として、演算処理部10に入力される。
【0061】
スキップボタン27は、このボタン27を押圧操作しながらプラスボタン26またはマイナスボタン28を押圧操作することによって100kPa単位で、またプラスボタン26またはマイナスボタン28だけを押圧操作することによって10kPa単位で設定圧力を変更するためのボタンとして機能する。これらのボタン26〜28は、タイヤ11へ充填される空気の充填圧力Pbを設定するための充填圧力設定部5を構成する。
【0062】
チェックボタン30は、タイヤ11のバルブにノズル17を取付けて連結した状態で押圧操作することによって、表示パネル21に現状のタイヤ11内の充填圧力を表示させるボタンとして機能する。
【0063】
これらのスタートボタン22、モード選択ボタン24、排気ボタン25、プラスボタン26、スキップボタン27、マイナスボタン28、ストップボタン29、およびチェックボタン30は、入力操作パネル16の配線基板に設けられるシートスイッチによって実現され、制御部7の演算処理部10における入力部10aに電気的に接続される。制御部7は、操作表示ヘッド14内に設けられる。各ボタン22〜30を押圧操作することによって、押圧したボタンに対応する信号は、制御部7の入力部10aに入力される。
【0064】
図6は空気充填装置本体46の側面図であり、
図7は空気充填装置本体46の斜視図である。車輪支持体49は、ホイールにタイヤ11が取付けられた車輪が起立された状態で乗載されるベース66と、ベース66の長辺両側部に配置される一対の柵体67、68とを有する。柵体67、68は、タイヤ11を両側方から覆う。柵体67は、円形断面の筒体が逆U字状に形成されるフレーム69と、このフレーム69とベース66とによって囲まれる領域に広がって固定される網状体70とを含み、フレーム69の両基端部はベース66に固定される。網状体70は、空気充填中におけるタイヤ11の破裂による破片の飛散を抑制し、安全性を向上する。もう1つの柵体68もまた、柵体67と同様な構成を有する。柵体67、68の頂部は、連結片71によって連結される。連結片71上には、支柱72を介して空気充填制御装置50が装着される。
【0065】
図8は、演算処理部10の動作を説明するためのフローチャートである。本件実施の形態では、タイヤ11への空気の充填にあたり、その空気の測定圧力Pmが予め設定された充填圧力Pbに達してから、充填状態確認時間W1(ただし予め定める待機時間W2未満、W1<W2)の時間経過した時点で、測定圧力Pmと充填圧力Pbとの差圧ΔP(=│Pm−Pb│)が予め定める第1圧力P1以上(P1 ≦ ΔP)でかつ第1圧力P1よりも高い予め定める第2圧力P2以下((P1 < P2、ΔP ≦ P2)であるとき、充填用電磁弁35を開いて圧縮空気をタイヤ11へ補助充填し、タイヤ11の空気圧力を、設定された充填圧力Pbとなるように確実に充填する動作が行われる。またこの実施の形態では、タイヤ11の空気充填中、排気スイッチング装置47が操作されて排気強制信号が発生されたとき、排気用電磁弁36を開いてタイヤ11内の空気を排気し、タイヤ11の破裂を未然に防ぐ動作が達成される。たとえば、充填状態確認時間W1は4分59秒であり、待機時間W2は5分であってもよい。待機時間W2は、作業者が空気充填完了後のタイヤ11に近付いて移動することを許容する時間であり、これによって、タイヤ11の破裂による怪我を防ぐことができる。
【0066】
先ず、タイヤ空気充填装置1の動作が開始され、作業者がタイヤ11のバルブに、空気充填ホース15のノズル17を接続して充填準備が完了すると、次のステップs1〜s12が実行される。充填用電磁弁35および排気用電磁弁36は、駆動されないとき、常時閉鎖状態に設定されている。
【0067】
ステップs1では、作業者がプラスボタン26、スキップボタン27、マイナスボタン28を押圧操作して、タイヤ11に充填されるべき空気の充填圧力Pbを設定する。このような充填圧力Pbの設定範囲は、たとえば150〜1200kPaである。設定された充填圧力Pbは、表示パネル21に表示される。
【0068】
ステップs2では、モード選択ボタン24を押圧操作することによって、タイマモードに設定する。次に、スタートボタン22を押圧すると、スタートボタン22の押圧操作による信号に応答して、制御部7は充填用電磁弁35を開放させ、タイヤ11への空気の充填が開始され、圧力検出器4によってタイヤ11内の充填圧力Pbの測定が開始される。
【0069】
図9は、空気充填制御装置50の動作を説明するためのタイミングチャートである。
図9(1)は、空気が充填されるタイヤ11の圧力検出器4によって測定される圧力Pmの時間経過を示す。
図9(2)は、充填用電磁弁35の開閉動作を示す。
図9(3)は、排気用電磁弁36の開閉動作を示す。
図9(4)は、後述のステップs5に関連して述べるタイマ73の時間経過を示す。
図9(5)は、音響報知部6のブザーが鳴動される動作を示す。
【0070】
これらの
図8および
図9を参照して、ステップs3では、制御部7において、圧力検出器4によって測定される測定圧力Pmと、設定された充填圧力Pbとが比較されて、充填が開始されたか否かが判断される。
【0071】
ステップs3aでは、排気ボタン25の押圧操作によって、排気ボタン25による排気信号が入力部10aを介して演算処理部10に受信されたか否かが判断される。このステップs3aではまた、排気スイッチング装置47の操作によって排気信号と等価な排気強制信号が入力部10aを介して演算処理部10に受信されたか否かが判断される。ステップs3aにおいて、排気信号およびそれと等価な排気強制信号のいずれもが受信されていなければ、排気用電磁弁36を閉じたままに保ち、次のステップs4へ移る。空気充填装置本体46に備えられる入力操作パネル16の排気ボタン25が押圧操作されると、ステップs3aからステップs3bに移り、充填用電磁弁35が閉じられ、排気用電磁弁36が開かれ、タイヤ11が排気される。
【0072】
ステップs4では、制御部7において、測定圧力Pmと充填圧力Pbとの比較結果に基づいて、測定圧力Pmが設定された充填圧力Pbに達したか否かが判断される。
図9(1)のように測定圧力Pmが充填圧力Pbに達した時刻t1では、制御部7は充填用電磁弁35を
図9(2)のように閉じて、タイヤ11への空気の充填を停止するとともに、ステップs4aでは、音響報知部6によってブザーを、
図9(5)のように第1報知音「ピッ」などと鳴動して充填が完了したことを報知し、次のステップs5へ移る。
【0073】
ステップs5では、測定圧力Pmが設定された充填圧力Pbに達した時刻t1から、制御部7に備えられるタイマ73によって
図9(4)のように計時動作が開始される。ステップs6では、充填状態確認時間W1を計時したか否かが判断される。充填状態確認時間W1が計時された時刻t2では、ステップs6aにおいて、第2報知音「ピッ」などと鳴動して報知する。次のステップs7では、圧力検出器4によって時刻t2における圧力が測定され、その測定圧力Pmは、オペアンプ37を経て制御部7へ与えられる。
【0074】
ステップs8において、制御部7は、時刻t2における測定圧力Pmと予め設定された充填圧力Pbとの差圧ΔP(=|Pm−Pb|)を求め、この差圧ΔPが、第1圧力P1以上(P1 ≦ ΔP)か否かが判断される。
【0075】
差圧ΔPが第1圧力P1未満(ΔP < P1)であれば、
図9(1)のライン181で示されるように、タイヤ11の内圧が抜けておらず正常であると想定できるので、タイヤ11の空気充填動作を終了する。この場合、測定圧力Pmが設定した充填圧力Pbに達してから、安全のための待機時間W2が経過したことを音響報知部6によって音響表示し、タイヤ11への空気充填作業の利便性を向上することができる。
【0076】
差圧ΔPが第1圧力P1以上であれば、タイヤ11の内圧が抜けて低下したものと判断し、ステップs8から次のステップs9へ移る。
【0077】
ステップs9では、制御部7によって、差圧ΔPが第2圧力P2以下(ΔP ≦ P2、P1 < P2)か否かが判断される。
図9(1)のライン182で示されるように、差圧ΔPが第2圧力P2以下であれば、空気漏れによってタイヤ11の内圧が抜けたものと想定され、次のステップs10へ移る。第1圧力P1は、たとえば20kPaであり、第2圧力P2は、たとえば100kPaであり、制御部7のメモリM2に予め設定され、演算処理部10で演算される。
【0078】
ステップs10では、充填用電磁弁35が開かれて補助充填動作が開始される。ステップs11では、タイヤ11の圧力検出器4による測定圧力Pmが設定圧力Pbに到達したかどうかを判断し、測定圧力Pmが設定圧力Pb到達した時刻t3では、充填用電磁弁35が閉じられて補助充填が完了する。その後、ステップs12へ移る。
【0079】
ステップs12では、音響報知部6のブザーから第3報知音が出力される。第3報知音は、たとえば「ピッ、ピッ、ピッ」などの間欠的に発生される音であってもよい。
ステップs10〜s11の実行によって、タイヤ11へ空気を補助充填し、タイヤ11の空気圧力を、設定された充填圧力Pbとなるように確実に充填することができる。したがって、作業者は、タイヤ11の測定される圧力を確認するために、タイヤ11の近傍にある空気充填制御装置50の表示パネル21に近付いて移動するにあたり、安全確認のための待機時間W2を計時する必要がなく、作業者の作業が、待機時間W2が経過するまで制限されるという不具合が防がれ、タイヤ11への空気充填作業の利便性を向上することができる。
【0080】
充填状態確認時間W1は、待機時間W2未満に設定されるので、待機時間W2が経過する直前に、タイヤの状態確認・状態対処を行なうことができる。その結果、異常がなかった場合、待機時間W2の経過を報知し、異常があった場合、待機時間W2の経過前に、その異常に対する対処を行うことができ、タイヤへの空気充填作業の円滑化を図ることができる。
【0081】
前述のステップs9において、差圧ΔPが第2圧力P2を超えているとき(P2 < ΔP)、
図9(1)のライン183で示されるように、タイヤ11の損傷などの異常によってタイヤ11の内圧が抜け過ぎていると想定される。ステップs9aでは、音響報知部6によって第4報知音の報知動作が実行され、タイヤ11の異常が音響表示される。第1〜4報知音などは、音響表示の内容を表わす鳴動時間、回数などが異なっていてもよい。
【0082】
図10は、排気スイッチング装置47の操作によって排気強制信号が発生されたときの動作を説明するための図である。
図10(1)は、充填用電磁弁35が開かれてタイヤ11に充填される空気の圧力を示す。
図10(2)は、排気スイッチング装置47の後述の操作部材82が操作されることによって発生される排気強制信号を示す。
図10(3)は、充填用電磁弁35の開閉動作を示す。
図10(4)は、排気用電磁弁36の開閉動作を示す。
【0083】
図8をも参照して動作を簡略化して述べると、前述のステップs2において充填用電磁弁35が
図10(3)のように開かれ、これによってタイヤ11の充填される空気の圧力が
図10(1)のように上昇してゆく。タイヤ11への空気の充填中、作業者がタイヤ11の破裂の危険性を感じて排気スイッチング装置47の操作部材82を操作することによって、時刻t11では、
図10(2)に示される排気強制信号が発生される。これによって
図8のステップs3aでは、排気強制信号が、排気ボタン25の押圧操作によって発生される排気信号と等価な信号として入力部10aから演算処理部10に与えられる。そのためステップs3bでは、排気用電磁弁36が
図10(4)に示されるように閉じられる。したがってタイヤ11の空気圧力は、時刻t11以降、低下してゆく。
【0084】
タイヤ11が破裂するおそれのない状態になったことを作業者が確認した後、時刻t12において、排気強制信号が停止して発生されないように排気スイッチング装置47を操作することによって、排気用電磁弁36が閉じられる。こうして作業者は、タイヤ11の空気充填中に異常が生じたとき、そのタイヤ11から離れた場所から、排気スイッチング装置47を操作することによってタイヤ11の空気を排気することができる。したがって、そのタイヤ11への空気の充填を停止するために、空気充填装置本体46まで移動して入力操作パネル16の排気ボタン25を押圧操作する必要がないので、タイヤ11の破裂による作業者の安全が確保される。
【0085】
図11は排気スイッチング装置47を、排気強制信号を発生しないときの状態で示す簡略化した斜視図であり、
図12は排気スイッチング装置47を、排気強制信号を発生しないときの状態で側方から見た断面図であり、
図13は排気スイッチング装置47の平面図である。これらの図面を参照して、排気スイッチング装置47は、装置本体81と、操作部材82とを有する。装置本体81は、取付部材83によって空気充填装置本体46から離れた場所で作業場45の建屋に固定される。
【0086】
図14は、排気スイッチング装置47を、排気強制信号を発生しないときの状態で示す断面図である。
図14には、保持手段115における保持体112の保持突部134は、保持爪116によって保持されていない状態が示される。装置本体81は、ほぼ全体がたとえば合成樹脂などの電気絶縁性材料製であり、支持用ケース85とスイッチング用ケース86とを備え、共通の軸線148を有する。支持用ケース85は、案内筒部87と保持筒部88とを有する。案内筒部87には外ねじが刻設され、取付ナット89が着脱可能に螺着される。この案内筒部87には、取付受け部90が形成される。案内筒部87は、取付部材83の取付孔を挿通する。取付部材83は、取付ナット89によって取付受け部90との間で挟持されて取付けられる。
【0087】
保持筒部88は、案内筒部87の基部から外向きに延びる保持板91と、この保持板91に連なる保持筒部92とを有する。スイッチング用ケース86は、取付筒部94と、その端部に連なる支持板95と、支持板95に取付けられる収納体96とを有する。取付筒部94は、周方向に間隔をあけて形成された取付孔を有し、保持筒部92に突設された取付突部97が弾発的に嵌合して、保持筒部92に取付けられる。収納体96は、その上部に突出する係止爪98が支持板95に形成された係止孔に嵌合して、支持板95に取付けられる。
【0088】
支持用ケース85内に支持される操作部材82は、操作支持体101と、その操作支持体101に連結される保持体102と、操作支持体101に取付けられるつまみ103とを有する。つまみ103は、操作支持体101に刻設された外ねじに螺着されてねじ接合される内ねじを有する。つまみ103の表示端面104上には、前述の
図11および
図13に明らかに示されるように、時計方向の矢印105が描かれて表示される。この矢印105は、操作支持体101とつまみ103とがねじ接合されるねじが締付けられる方向と同一方向であり、この矢印105の方向は、強制排気のために角変位操作される方向である。操作部材82の軸線は、装置本体81の軸線148と共通な一直線上にある。操作支持体101のばね受け部107と案内筒部87のばね受け部108との間には、操作支持体101を外囲するコイル状圧縮ばね109が介在され、操作部材82を
図14の上方に変位するばね力を与える。
【0089】
保持体102は、操作支持体101内に嵌り込む筒部111と、この筒部111の端部に連なる外向きに広がった板状の保持体112とを有する。筒部111の取付突部113は、操作支持体101に周方向に間隔をあけて形成された取付孔に弾発的に嵌合して取付けられる。保持体112は、保持筒部92内でばね109のばね力によって保持板91に当接して変位が制限される。
【0090】
保持筒部92内には、周方向に間隔をあけて複数(たとえば2)の保持手段115が設けられる。この保持手段115は、保持爪116と、この保持爪116を保持筒部92の半径方向内方に、すなわち軸線148に近付く方向に、変位するばね力を与えるばね117と、保持爪116を支持し、ばね117を収納する保持ケース118とを有する。保持爪116は、保持筒部92内で、つまみ103から遠ざかる方向(
図14の下方)になるにつれて保持筒部92の軸線148に近付く半径方向内方に向かう傾斜面119と、この傾斜面119の半径方向最内方端に連なり、つまみ103とは反対側(
図14の下方)に臨む保持面120と、ばね117による保持ケース118からの抜止めの役目を果たす外向き突部121とを有する。
【0091】
図15は、
図14の切断面線XV−XVから見た、図解の便宜のために簡略化して描いて示す断面図である。操作支持体101には、周方向に複数(たとえば2)の角変位制限凹所123が、周方向に部分的に延びて円弧状に形成される。この凹所123には、案内筒部87に形成された角変位制限突部124が嵌り込む。
【0092】
案内筒部87と操作支持体101との間には、操作支持体101を外囲するコイル状ねじりばね126が配置される。このねじりばね126の一端部127は、操作支持体101に係止して連結される。ねじりばね126の他端部128は、案内筒部87の内面から軸線148に近付く半径方向内方に突出した当接支持部129に当接する。ねじりばね126の他端部128は、この当接支持部129に当接したままで、当接支持部129に沿って支持用ケース85の軸線148の方向に摺動変位可能である。
【0093】
ねじりばね126は、操作部材82に、装置本体81に対して前述の矢印105とは逆方向(
図11、
図13、
図15の反時計方向)のねじりばね力を与える。これによって、ねじりばね126の自然状態では、角変位制限突部124は角変位制限凹所123の矢印105の方向の下流側端部131に弾発的に当接し、上流側端部132から離間している。
【0094】
板状保持体112の外周部には、半径方向外方に、すなわち軸線148から遠ざかる方向に、突出する保持突部134が形成される。保持突部134は、ねじりばね126の自然状態で、保持爪116が保持筒部88の半径方向内方に突出している状態で、その保持爪116に係止することができる突出長さに選ばれる。この保持体112の保持突部134が形成されていない残余の最外周部135は、保持爪116の自然状態における半径方向最内方位置よりもさらに半径方向内方にある。
【0095】
保持突部134の周方向の長さは、ねじりばね126の自然状態では、操作部材82の軸線方向に保持爪116と保持突部134とが重なり、このとき角変位制限突部124は角変位制限凹所123の下流側端部131に当接している。つまみ103が矢印105の方向にねじりばね126のばね力に抗して、
図15の時計方向に角変位することによって、突部124が凹所123の上流側端部132に当接した状態では、保持突部134は保持爪116とは操作部材82の軸線方向には重ならないように、保持突部134の周方向の長さが定められる。
【0096】
図14、
図15、および前述の
図11、
図12の状態では、操作部材82は押圧操作されず、したがってばね109は自然状態であり、この操作部材82のつまみ103が角変位操作されず、したがってねじりばね126が自然状態にある。このとき保持体112は、ばね109のばね力によって、保持板91の
図14における下面に当接している。また操作部材82には、ねじりばね126のばね力によって矢印105の逆方向にばね力が作用されており、前述のように角変位制限突部124が角変位制限凹所123の下流側端部131に弾発的に当接している。
【0097】
収納体96に関連してスイッチング装置137が設けられる。このスイッチング装置137は、移動体140と、移動体140にばね力を与える圧縮ばね142と、移動体140に設けられる操作スイッチ143とを有する。移動体140は、操作部材82における保持体102の
図14における下面に当接する作動突部138と、作動突部138から半径方向外方に広がった支持部139とを有する。作動突部138は、支持板95に形成された挿通孔141を、軸線148方向に変位可能に挿通する。圧縮ばね142は、収納体96の底と支持部139との間に介在され、このばね力によって、支持部139は支持板95に弾発的に当接し、
図14の上方への変位が制限される。
【0098】
支持板95には、一対の固定接点144、145が、間隔をあけて設けられる。支持部139には、移動接点146が固定接点144、145の間にわたって延びて突設される。固定接点144、145と移動接点146とは、操作スイッチ143を構成する。この移動接点146は、支持部139が支持板95にばね142のばね力によって当接している状態では、両固定接点144、145に、その移動接点146のばね力によって当接して、導通ONのスイッチング状態となる。移動体140がばね142のばね力に抗して
図14の下方へ変位移動されて、後述の
図16のようになることによって、移動接点146は固定接点144、145から離間して、遮断OFFのスイッチング状態となる。
【0099】
図14および
図15のように個別接点144、145が移動接点146に当接している導通ONのスイッチング状態では、電源55からの電力は、ライン48、56を介して空気充填制御装置50におけるリレー61のリレーコイル62を励磁したままである。これによってリレースイッチ63は、開かれている遮断OFFのスイッチング状態である。演算処理部10は、前述の
図8のステップs3aにおいて、リレースイッチ63の遮断OFFのスイッチング状態によって、排気強制信号が発生されていないと判断する。
【0100】
タイヤ11の空気充填中、タイヤ11から異音が発生するなどして破裂の危険を感じた作業者は、排気操作態様の操作、すなわちその作業者の近傍に設置されている排気スイッチング装置47のつまみ103を
図14の直下方に、ばね109のばね力に抗して押圧して下降する。これによって保持体112の保持突部134は、保持手段115の保持爪116の傾斜面119に接触し、保持爪116は、つまみ103の
図14における下方への押圧力による軸線148に垂直方向に遠ざかる分力によって、ばね117のばね力に抗して、変位する。保持突部134が、保持爪116の保持面120よりも
図14の下方に到達したとき、保持爪116はばね117のばね力によって軸線148に近付く方向に変位する。こうして、保持体112の保持突部134は、保持爪116の保持面120に、ばね109のばね力によって弾発的に当接して、次の
図16のように、保持される。ねじりばね126の端部128は、つまみ103の押圧下降によって、当接支持部129に摺動して操作部材82の下降変位し、このとき、ねじりばね126のねじりばね力は自然状態のままで発揮されている。
【0101】
図16は、排気スイッチング装置47を、排気強制信号を発生するときの状態で示す断面図である。保持手段115における保持体112の保持突部134は、保持爪116によって保持された状態になっている。
【0102】
つまみ103が押圧変位されることによって保持体102は移動体140の作動突部138に当接し、これによって移動体140はばね142のばね力に抗して下降される。したがって移動接点146は、個別接点144、145から
図16のように下方に変位して離間し、開かれた遮断OFFのスイッチング状態が保たれる。この操作スイッチ143の遮断OFFのスイッチング状態は、排気強制信号として、ライン48を介して伝送される。
【0103】
固定接点144、145が移動接点146と離間して遮断OFFのスイッチング状態になると、
図3に示されるリレー61のリレーコイル62は消磁される。そのためリレースイッチ63は、導通する。このリレースイッチ63の導通ONのスイッチング状態は、排気ボタン25の押圧によって導通されて発生される排気信号と等価である排気強制信号が発生されたものとして、演算処理部10に与えられる。これによって
図8のステップs3aからステップs3bの動作が行われ、排気用電磁弁36が開かれ、このとき充填用電磁弁35は遮断される。したがって前述の
図10(1)に示される時刻t11以降、タイヤ11の空気圧力が低下してゆく。
【0104】
タイヤ11の排気による空気圧の低下によって、作業者が安全を確認した後、
図10(1)の時刻t12では、作業者は、解除操作態様の操作、すなわちつまみ103をつまんで、矢印105の方向に、ねじりばね126のばね力に抗して角変位する。
【0105】
図17は、
図16の切断面線XVII−XVIIから見た、解除操作態様を示す図解の便宜のために簡略化して描いた断面図である。
図16の保持体112が保持爪116によって保持された状態で、つまみ103が矢印105の方向に軸線148のまわりに角変位されたとき、この角変位操作によって、保持突部134は保持爪116から周方向にずれて変位し、保持爪116による保持体112の保持状態を解除する。保持体102は、ばね109のばね力によって
図16の上方に変位し、これに伴なって移動体140はばね142のばね力によって
図14のように上方に変位する。そのため、両固定接点144、145に、その移動接点146のばね力によって当接して、操作スイッチ143は、導通ONのスイッチング状態となって排気強制信号が解除され、リレースイッチ63は、開かれた遮断OFFのスイッチング状態となる。排気強制信号が解除されると、演算処理部10は、排気用電磁弁36を閉じ、排気強制信号の発生によって閉じた充填用電磁弁35を、そのまま閉じており、運転前の初期状態にリセットされる。
【0106】
図11、
図13、
図14および
図15に示されるように、つまみ103が押圧されておらず、したがってタイヤ11の空気充填中、または運転休止状態では、つまみ103は、軸線148に沿って
図14における上方に変位した高い第1位置にある。これに対して
図16のようにつまみ103が押圧されて保持体112が保持爪116によって保持された強制排気中の状態では、つまみ103は、軸線148に沿って
図16の下方に変位した低い第2位置にある。このように、つまみ103の上下の各位置は、外方から視認することができるので、タイヤ11の強制排気中であるか否かなどの運転状態を容易に知ることができ、作業場45における作業効率が向上する。
【0107】
図18は、本発明の実施の他の形態の簡略化した斜視図である。この実施の形態は、前述の
図1〜17の実施の形態に類似し、対応する部分には同一の参照符を付す。作業場45に設置された空気充填装置本体46には、ライン48を介して排気スイッチング装置47が設けられる。排気スイッチング装置47は、作業場45の固定位置に設置される。この排気スイッチング装置47の操作部材82には、駆動手段151を介して、長尺の可撓性を有する索条152が連結される。この索条152は、索条152が挿通される支持孔を有する支持片153〜155によって、作業場45の壁に沿って横に水平に延びて索条152の長尺方向に変位可能に配置される。索条152の両端部は、固定片156、157によって作業場45の壁に固定される。
【0108】
駆動手段151は、索条152の長尺方向の一部158に操作部材82から遠ざかる方向にばね力を与える引張りばね159と、索条152の一部158に固定されて操作部材82のつまみ103に対向して臨む駆動棒161と、駆動棒161をその軸線方向に変位自在に案内する案内部材162とを有する。
【0109】
タイヤ11の空気充填中、タイヤ11の破裂のおそれがあるとき、作業者は、横に延びる索条152のいずれかの部分を、矢符164で示されるように押し下げて引張る。これによって駆動手段151における索条152の一部158、したがって駆動棒161は、ばね159のばね力に抗して下方に変位する。これによって駆動棒161は、排気スイッチング装置47における操作部材82のつまみ103の頂部を、
図14、
図15の状態から
図16に示されるように押し下げて変位する。そのため排気操作態様の操作が実行されることになり、排気スイッチング装置47から排気強制信号が発生される。作業者は、タイヤ11の安全を確認した後、操作部材82のつまみ103を、前述のようにつまんで
図17のように角変位することによって、充填操作態様の操作を実行し、再び
図14、
図15の状態に戻すことができる。索条152は、作業場45の壁に沿って横に延びるので、作業者による索条152の引張り操作可能な範囲が広いという効果がある。
【0110】
図19は、本発明の実施のさらに他の形態を示す簡略化した斜視図である。この実施の形態では、
図18に示される実施の形態に類似するが、注目すべきは、索条152の一端部には把手166が取付けられ、把手166は、把手166付近の索条152によって作業場45の天井などから吊り下げられる。索条152の他端部は、作業場45の壁に固定される。
【0111】
作業者は、タイヤ11の破裂のおそれがあるとき、把手159を引張る。これによって駆動手段151は操作部材82を押圧して下方に変位させ、排気スイッチング装置47の排気操作態様の操作が実行される。その他の構成と動作は、前述の
図18の実施の形態と同様である。
【0112】
前述の実施の形態では、1系統の空気充填ホース15によって個別に充填可能なタイヤのガス充填装置1について述べたが、本発明の実施の他の形態では、2系統以上の空気充填ホースを備える構成であってよい。
空気をタイヤ11に供給する充填用電磁弁35と、タイヤ11から排気する排気用電磁弁36とは、タイヤ11の近傍の空気充填制御装置50の入力操作パネル16を操作して開閉制御される。排気スイッチング装置47は、ライン48によって、ガス充填制御装置50から離れた場所で操作可能である。空気充填中、タイヤ11から異音が発生したとき、作業者は、排気スイッチング装置47の操作部材82を押圧操作し、これによって排気強制信号は、入力操作パネル16からの排気信号と等価な信号として、ライン48を介してガス充填制御装置50に与えられ、タイヤ11の破裂を未然に防止することができる。