【文献】
ファミ通ディーエスプラスウィー,日本,株式会社エンターブレイン,2009年10月 1日,第11巻 第10号,p.34−35
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1ユーザが前記褒賞を受け取る基準を満足したとの判断に基づいて、前記仮想アイテムを用いて前記第1ユーザが少なくとも1つの別の仮想活動に取り組めるように、前記第1仮想領域に含まれる仮想アイテムの仮想外観を変更する、請求項8に記載の方法。
前記第1ユーザが前記褒賞を受け取る基準を満足したとの判断に基づいて、前記仮想アイテムを用いて前記第1ユーザが少なくとも1つの別の仮想活動に取り組めるように、前記第1仮想領域に含まれる仮想アイテムの特性を変更する、請求項8に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
様々な実施形態についての以下の記載においては、発明が実施される様々な形態が説明を通じて示されるとともに、記載の一部をなす添付の図面が参照される。その他の実施形態が利用されうること、および構造的および機能的な変更が本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて可能であることは明らかである。開示中の見出しは、当該開示の態様を限定するとみなされるべきではない。本開示により恩恵を受ける当業者は、実施形態例が当該見出しの例に限定されないことを理解するであろう。
【0016】
図1は、様々な実施態様において利用されうるネットワーク環境の例を示している。
図1に示されている環境は、仮想世界の稼働中における電子情報の送信と受信の少なくとも一方に使用されうる。
図1に示されているように、複数のクライアント(101a〜101d、まとめて101)は、仮想世界サーバ(105a、105b、まとめて105)とやり取りできる。クライアント101は、様々な装置を含みうる。当該装置は、汎用データ処理装置101a、パーソナルコンピュータ(PC)101b、ラップトップ、ポータブル、もしくはネットブックコンピュータ101c、携帯情報端末もしくはモバイル装置101dなどのモバイル通信装置を含んでいる。クライアント101の各々は、ネットワークアダプタまたはトランシーバを有しうる。これらはクライアント101がネットワーク100を通じて仮想世界サーバ106に接続できるようにする。一例においては、ネットワーク100は、インターネットプロトコル(IP)ベースのネットワーク(例えばインターネット)を含みうる。ネットワークは、他にもセルラネットワーク、ケーブルネットワーク、光ファイバネットワーク、無線ネットワーク、有線ネットワーク、およびこれらの組合せの少なくとも1つを含みうるが、これらに限定されるものではない。ネットワーク100は、少なくとも1つのサブネットワーク(有線あるいは無線のローカルエリアネットワークなど)をさらに含みうる。
【0017】
少なくとも1つの物理サーバ105は、仮想世界サーバソフトウェア106における少なくとも1つのインスタンスを実行するために使用されうる。各物理サーバは、クライアント101に類似したデータ処理装置とされうる。これに加えてあるいは代えて、各物理サーバは、専用サーバハードウェアを含みうる。
一実施形態においては、各仮想サーバが物理的に同一の場所に配置される。
別の実施形態においては、少なくとも1つのサーバ105が、他のサーバから離れた場所に配置され、ネットワーク100や他のネットワーク(図示せず)を通じて動作可能に接続されうる。
他の実施形態においては、単一の高性能サーバ105aが、複数の仮想世界106a、106bを実行できる。あるいは、1つの大きな仮想世界106dを実行すべく協働するために、幾つかの比較的性能が低いサーバ105c、105dがクラスタとして接続されうる。
本記載において「サーバ」という語は、サーバソフトウェア106における単一のインスタンス(すなわち、仮想世界における単一のスタンドアロンインスタンス)を指すために用いられる。サーバは、必ずしも上記のハードウェアサーバ105を指すことを要しない。すなわち、単一のサーバ105aまたは105bは、プロセッサ、およびコンピュータ実行可能な命令群を含みうる有体の非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体を備えうる。当業者は、当該事実を理解するであろう。当該命令群は、サーバ105上のプロセッサによって、または環境内のその他のプロセッサによって実行されうる。サーバ105における非一時的なメモリ上のコンピュータ実行される命令群は、アカウント情報、ユーザの好み、支払情報、ユーザ識別情報、キャラクタ定義などを含みうる。また、当該命令群は、規則、アルゴリズムなどの仮想世界内において可能なやり取りのためのデータをストアできる。ネットワーク環境におけるクライアント装置用のハードウェアおよびソフトウェアの例は、
図2に示される。
【0018】
図2は、PC101d(
図1)のようなクライアント装置200の例を示している。PC101dは、
図1のサーバ106aのような仮想世界サーバによって提供される仮想世界にアクセスし、やり取りを行なうために使用されうる。クライアント装置200は、様々なコンポーネントおよびモジュールを含みうる。当該コンポーネントおよびモジュールは、プロセッサ217、ランダムアクセスメモリ(RAM)215、読出し専用メモリ(ROM)213、データベース201、203、レンダラ205、出力アダプタ211、入力インターフェース209、および通信インターフェース207を含んでいる。
プロセッサ217は、グラフィックス処理ユニット(GPU)を含みうる。あるいは、別体のGPUが出力アダプタ211内に含まれうる。
メモリ201は、データを保存するように構成されうる。当該データは、ユーザアカウントを定義するかこれと関連付けられており、装置200のユーザによって使用されるアバターに関する情報を含んでいる。当該アバターは、仮想世界を探索し、やり取りを行なうために使用される。アバター情報は、アバター特性(例えば、強さ、皮膚の色、目の色、髪の長さ、身長、体重、知能)、アバター位置情報、当該アバターに関連付けされたオブジェクト(例えば、資産、衣類、フィットネス器材、アクセサリ)などを含みうる。アバターについては、
図3も参照しつつ、より詳しく後述する。
一方、メモリ203は、当該アバターが存在する環境を定義および生成するデータを保存するように構成されうる。例えば、メモリ203は、フィットネスアリーナやハイキングコースなどをレンダリングするためのテクスチャマップを保存できる。別例においては、メモリ203は、シミュレートされた天候データ、アクセス可能な領域と不可能な領域、色、世界におけるやり取りが可能なコンポーネント(これに対してやり取りが不可能なコンポーネント)、世界に存在するも動きのない物体を定義するデータ、コンピュータにより制御されるキャラクタを定義するデータなどを保存できる。
一実施形態においては、メモリ201、203は、単一の非一時的かつコンピュータ読み取り可能な媒体とされうる。各メモリ201、203は、データベースを含んでもよいし、含まなくてもよい。当該データベースは、データを保存するか、RAMに保存されたデータを含むものであり、必要に応じてクライアントソフトウェアによってアクセスされる。
アバターまたは仮想世界に関連付けされたデータは、クライアント装置200と仮想世界サーバ(サーバ105など)の間で、トランシーバまたはネットワークインターフェース(通信インターフェース207など)を介して通信されうる。そのようなデータをインターフェース207を通じて通信することにより、例えば、アバターの位置、属性、およびステータスが更新されうる。また、環境が変更されうる。
【0019】
少なくとも1つの有体の非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体(媒体201、203など)は、クライアントソフトウェア(ソフトウェア205として図示されている)を含むように構成されうる。世界とアバターは、クライアントソフトウェア205によりレンダリングされ、次いで出力アダプタ211およびディスプレイ219に送信されうる。少なくとも1つの構成においては、クライアントソフトウェア205は、仮想世界およびそのコンポーネントをはじめ、ユーザに対応するアバターの3次元(3D)モデルを生成するように構成されうる。
ユーザは、入力インターフェース209を通じてアバターを制御し、世界とやり取りできる。入力インターフェース209は、キーボード223とマウス225を含む様々なタイプの入力装置を用いる。入力装置は、他にも、マイクロフォン(例えば、ネットワークを通じた音声通信用)、ジョイスティック、動き検知装置、およびこれらの組合せの少なくとも1つを含みうる。
少なくとも1つの構成においては、音楽や会話などの音声は、仮想世界の一部として含まれうる。その場合、当該音声は、スピーカ221を通じて出力されうる。
【0020】
クライアントソフトウェア205、コンピュータ実行可能な命令群、およびプロセッサ217やクライアント装置200などのコンポーネントによって使用されるデータは、メモリ201、203、RAM215、ROM213、またはこれらの組合せに保存されうる。メモリは、他にも、揮発性メモリと不揮発性メモリの双方が使用されうる。ソフトウェア205は、プロセッサ217への命令群を提供するために、RAM215、ROM213、データベース201、203の少なくとも1つに保存されうる。これにより、当該命令群が実行されると、プロセッサ217、クライアント装置200、およびその他のコンポーネントの少なくとも1つは、本明細書に記載の機能および方法を実行させられる。
一例においては、仮想世界サーバとやり取りを行なうユーザインターフェースを生成する命令群は、RAM215、ROM213、データベース201、203の少なくとも1つに保存されうる。
クライアントソフトウェア205は、アプリケーションソフトウェアとOSソフトウェアの双方を含みうる。クライアントソフトウェア205は、コードセグメント、命令群、アプレット、コンパイル前のコード、コンパイル済みのコード、コンピュータプログラム、プログラムモジュール、エンジン、プログラムロジック、およびこれらの組合せを含みうる。コンピュータ実行可能な命令群およびデータは、物理的形態を有するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体(「コンピュータメモリ」と称する)にも保存されうる。コンピュータメモリは、例えば、電気的消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリなどのメモリテクノロジ、CD‐ROM、DVDなどの光ディスク記憶媒体、磁気カセット、磁気テープ、磁気ストレージなどを含む。
【0021】
本開示における幾つかの態様は、電子ゲームのユーザに対して、現実世界における身体活動と動作の少なくとも一方についての褒賞を与えることに関する。様々な実施形態において、当該電子ゲームは、オンライン世界(「仮想宇宙」や「仮想世界」など)を備えうるか、関連しうる。ここで用いられる「仮想宇宙」や「仮想世界」は同義であって、少なくとも1人の個人(または組織)が仮想表現を通じてやり取りできる電子環境を指す。仮想世界は、グラフィカルにレンダリングされた、あるいはグラフィカルにシミュレートされた環境とされうる。当該環境において、共通の目的あるいは競合する目的のために、多くのユーザが相互にやり取りし、あるいは対決できる。
図3は、本開示の様々な態様を説明するために、簡略化された仮想世界300を示している。ユーザ(個人でも組織でもよい)は、アバターなどのカスタマイズされたグラフィック表現(すなわち、アバター302、304、306、308、310)を通じて表されうる。アバター302は、特定ユーザにおける少なくとも1つの特徴を有するグラフィック表現とされうる。例えば、仮想世界300のユーザは、アバター302における少なくとも1つの特徴を選択可能でありうる。当該特徴は、顔立ち、サイズ、体型、服装、アクセサリの少なくとも1つを含むが、これらに限定されるものではない。よって、アバター(すなわち、アバター302、304、306、308、310)は、仮想世界300における各ユーザの仮想アイデンティティとして機能しうる。
【0022】
様々な実施形態によれば、仮想世界300を使用する各ユーザ(または組織)のアカウントは、「仮想領域」に関連付けられうる。ここで用いる「仮想領域」は、仮想宇宙あるいは仮想世界300内における仮想の空間、あるいはグラフィカルに描かれた3次元空間を指す。
図3に示されるように、各アバター302〜310は、特定の仮想領域(例えば、それぞれ領域312、314、316、318、320)に関連付けられうる。
幾つかの実施形態においては、様々な仮想領域312〜320は、他のユーザのアバター302〜310によって往来されうる。例えば、アバター302は、領域312を立ち去り、領域314〜320の少なくとも1つに立ち入ることを許容されうる。
別の幾つかの実施形態においては、ユーザが、自身の特定の仮想領域における他のアバターの動作を制限できる。例えば、領域314の所有者は、アバター302が領域314に立ち入ることを防げる。
別の実施形態においては、アバター302は、領域314に立ち入ることを許容されうるが、当該領域314において特定の活動を行なうことを防止されうる。例えば、アバター302は、領域314から領域316へ移動可能とされうるが、当該領域314に関連付けられた特定のアイテムを変更あるいは利用不能とされうる。ユーザ同士のやり取りに係る別の態様については、本開示において後述される。
【0023】
仮想世界300は、実際の場所、SF的環境、ファンタジー的環境などの所望の設定を模すようにグラフィカルに描かれうる。その際、ある仮想領域(領域302など)は、別の領域(領域304など)とは完全に異なる環境を有しうる。
一実施形態においては、各アバター302〜310が、それぞれ自身の仮想領域312〜320における少なくとも1つの仮想特徴を制御できる。仮想領域(
図3における領域312〜320など)の方位は、物理的な大陸のように固定されうる。
しかしながら、他の実施形態においては、領域312〜320の方位と位置の少なくとも一方は、相対的とされうる。例えば、ユーザの好み、設定、あるいは規則ベースの論理に基づいて、異なりうる。
一実施形態においては、アバター302のユーザは、アバター304〜310のユーザの「仮想友人」であってもよいし、それらのユーザの関連付けを希望することを示すアカウント設定を有してもよい。したがって、それらのユーザの仮想領域312〜320は、仮想世界300における少なくとも1人のユーザのアバター302に近接するように、表示されうる。
別例においては、アバター302のユーザは、異なる設定(アバター302と「友人」ではない、あるいは関連付けられていないなど)を有しうる。その場合、少なくともアバター302のユーザに提供される視覚表示については、アバター302に加えてその領域312も、仮想世界300において表示されないようにできる。
【0024】
世界300は、図解のみを目的に簡略化して示されたものであり、他の仮想世界は、本開示から逸脱しない範囲でより複雑でありうる。当業者は、当該事実を容易に理解するであろう。また、はるかに多くの領域が一般的な仮想宇宙に存在しえる一方、1つの領域のみが小さな仮想宇宙に存在してもよい。さらに、現実世界のように、仮想宇宙300における各仮想領域312〜320は、風景を備えうる。当該風景は、変更可能な特徴と変更不可能な特徴を有している。具体的な特徴の例は、
図4に示される。
【0025】
図4Aは、少なくとも1つの変更可能な特徴を含みうる具体的な領域402を示している。
一実施形態においては、領域402が、
図3の領域302と実質的に同一とされうる。
図4に示されるように、領域402は、仮想コンテンツを備えている。仮想コンテンツの例としては、図示されたアリーナ404、ジム406、建物408、および樹木410が挙げられる。
幾つかの実施形態においては、領域402が、ユーザによる最初の使用時において少なくとも1つの仮想コンテンツオブジェクトの向きと配置の少なくとも一方が定められうるように、事前設定されたものとされうる。
他の実施形態においては、ユーザが、少なくとも1つのオブジェクトの配置を移動または変更(除去を含む)可能にできる。
コンテンツ404〜410は、図解のみを目的に簡略化して示されたものであり、自然物(例えば、川、山、湖など)、商店、スポーツ設備、公園などのような他のコンテンツは、アバターにより表される宇宙の管理者や居住者により生成されうる。当業者は、当該事実を容易に理解するであろう。
また、本開示において後述するように、物理世界(すなわち現実世界)における身体動作の実行に加え、仮想世界300における仮想活動もまた、領域(領域402など)の少なくとも1つの特徴の変更を許容できる。
【0026】
幾つかの実施形態においては、仮想世界300が、シミュレートされた環境を提供できる。当該環境において、共通の目的あるいは競合する目的のために、多くのユーザが相互にやり取りし、あるいは対決する。これは、アバターの間(例えば、アバター302と304の間)に加え、アバターと仮想コンテンツ(スポーツアリーナ404やハイキングコース412など)とのやり取りも通じて実現されうる。例えば、複数のユーザは、それぞれ自身のアバターを(少なくとも1つのユーザ入力の電子送信などを通じて)ナビゲートし、図示された仮想世界300内を移動させるとともに、相互にやり取りを行なうことができる。例えば、アバター(アバター302など)は、レンダリングされ、仮想世界300内の特定位置に配置されうる。
図2を参照して説明した制御を用いて、ユーザは、自身のアバター302を移動し、アバター302の位置を変更できる。例えば、ユーザは、アバター302を移動してアリーナ404やジム406に近づけることができる。
また、幾つかの実施形態においては、アリーナ404とジム406の少なくとも一方(領域402内における少なくとも1つの他のオブジェクトも同様)が、インタラクティブでありうる。すなわち、ユーザは、自身のアバター302を制御するユーザ入力を送信することにより、例えばジム406のドアを開けてジム406内に入り、さらなるオブジェクト(ジム406内のジム器材など)の表示を提示されうる。
図4Bは、ジム406内に入ったユーザに表示される具体的なジム器材(ウエイト414やトレッドミル414)を示している。仮想領域400の幾つかの態様は2次元(2D)的に示されているが、これらは、任意の様々なテクスチャや色を伴う3Dオブジェクトとして生成されうる。
【0027】
本出願の幾つかの態様は、仮想世界(
図3に示された仮想世界300など)を含んでいるオンラインゲームにおける少なくとも1つの特徴の変更に関連している。
図5は、本開示における様々な態様に係る仮想世界の特徴の変更に利用されうる具体的な方法を示すフローチャート500である。
一実施形態においては、仮想世界300の特徴の変更または変更の機会が、アバター(アバター302〜310など)に関連付けされたユーザの現実世界における身体活動に基づきうる。
フローチャート500、あるいはここに開示されている他のフローチャートにおける順序は、特に断りのない限り、例示を目的としたものに過ぎない。当業者は、当該事実を容易に理解するであろう。なお、フローチャート内における各ブロックの内容や判断が実行されることは要件でない。
【0028】
フローチャート500の一実施形態においては、ブロック502が、ユーザの身体活動を表わす電子データを受信するために構成されうる。身体活動は、複数の異なるシステムや装置を通じて測定されうる。例えば、第1のセンサは、ユーザに装着され、1日の活動を通じて当該ユーザの全ての動きを測定できる。一方、第2のセンサは、エクササイズ装置(トレッドミルなど)と関連付けられ、特定のマシンやマシン種におけるユーザの動き、費やした時間、パフォーマンスの少なくとも1つを測定できる。身体データの収集や受信に利用されうるシステム、センサ、および方法の例については、
図10から
図12を含む本開示において後述する。少なくとも
図10を含む本開示を通じて説明される通り、少なくとも1つのアスレチックパフォーマンスモニタリング装置は、複数のセンサからの情報を検出および収集するように構成されうる。
【0029】
現実世界におけるユーザによる身体活動や動作(ブロック502において受信されるものなど)は、仮想ポイントや褒賞に変換あるいは置換されうる(例えば、ブロック504参照)。ここで、幾つかの実施形態によれば、身体活動は、エネルギー消費(例えば、カロリー消費)によって測定されうる。エネルギー消費の計算に係る実施形態例については、
図13に関連づけて説明される。
これに関して、本開示の幾つかの態様は、現実世界における身体活動の褒賞として仮想グッズやサービスをプレイヤーに授与する方法とシステムに関連する。
一実施形態においては、ポイントが、数値的尺度をもって授与されうる。方法およびシステムは、ユーザによって消費あるいは移転される仮想ポイントにより、自身の仮想領域用の新しい仮想コンテンツの取得、別のユーザへの仮想ポイントの授与、自身の仮想コンテンツや領域の機能や外観の向上、および仮想世界の使い勝手の変更を可能にできる。
これらは例示に過ぎず、他の仮想的使用も本開示の範囲内である。本開示の恩恵を受ける当業者は、当該事実を容易に理解するであろう。
別の実施形態においては、少なくとも1種のポイントにより、ユーザが物理的なグッズやサービスを取得可能としてもよい。
【0030】
幾つかの実施形態は、物理的な動作を複数の仮想ポイントシステムに変換できる。例えば、第1ポイントシステムは、ユーザによる第1種の活動に対して授与を行ないうる。一方、第2ポイントシステムは、同一のユーザの異なる動作や活動に対して褒賞を与えうる。例えば、ブロック502において、ユーザが5マイルを走ったと判断されると、幾つかの実施形態は、当該マイル毎に所定量のポイントを、当該ユーザのアカウントに付与あるいは褒賞として授与できる。当該褒賞は、比例関係になくてもよい。例えば、5マイルを走ったユーザは、1マイルを走ったユーザの10倍の褒賞を手にしてもよい。
一実施形態においては、GPSなどの測位装置がユーザの動きを追跡し、当該ユーザの動きに基づいて、ポイントや賞が提供されうる。
【0031】
チームスポーツなどの活動への参加は、ランニングを伴いうる。当該事実は、当業者により理解されるだろう。よって、ユーザは、スポーツ活動中のランニングに対して、「マイル」を授与されうる。また、スポーツ活動への参加に対して、褒賞が与えられうる。スポーツ活動に係る褒賞は、ランニングに係る褒賞と同一のポイントシステムに基づいてもよいし、異なるポイントシステムの下でポイントが提供されてもよい。よって、幾つかの実施形態においては、ユーザが、同一の仮想世界における単一のパフォーマンス(例えば、フットボールゲームへの参加)について、2つのポイントシステムの下でサポートを受けうる。実現可能なポイントシステムの具体例は、
図9に示される。
【0032】
他の実施形態においては、特定の活動や特定の動作を行なうユーザにより費やされた時間を、褒賞として考慮してもよい。よって、身体活動や動作を行なうユーザが費やす時間の量は、褒賞の判断に利用されうる。
一実施形態においては、褒賞(仮想ポイントや仮想資産など)が、身体活動を行なうユーザにより費やされる時間に対して直接的に関連付けされうる。例えば、一実施形態においては、ユーザが、特定のチームスポーツを20分間行なう毎に、5ポイントを授与されうる。別の実施形態においては、時間が、別の基準との連携に利用されうる。
一実施形態においては、生理的パラメータと生体的パラメータの少なくとも一方が所定の閾値に到達した場合にのみ、褒賞が与えられるようにしてもよい。例えば、一実施形態においては、褒賞を受け取るために、所定時間ユーザの心拍数が閾値を上回る必要があるとしてもよい。別の実施形態においては、ある量のポイントを受け取るために、ユーザはある時間内に所定距離を物理的に移動することを要するとしてもよい。
一実施形態においては、位置特定センサ(GPSなど)が、ユーザの身体動作を一日中追跡できる。当該ユーザがジムにいるか、アリーナで競技しているかは問わない。幾つかの実施形態は、動作可能にユーザと接続されたセンサを通じて、当該ユーザから少なくとも1つの生理的あるいは生体的パラメータの読み込みを行ないうる。そのようなセンサは、ユーザによって身に付けられ、あるいは衣料(時計、帽子、靴など)に装着され、またあるいは、電子装置(ユーザにより持ち運ばれうる携帯電話装置など)の一部に内蔵されうる。
これまでの記載で「褒賞」という語が利用されてきたが、幾つかの実施形態は、第1の身体活動に対して与えられる褒賞と第2の身体活動に対して与えられる褒賞を区別できる。したがって、幾つかの実施形態は、異なる仮想目標について複数の褒賞の利用を想定できる。
【0033】
ブロック506においては、仮想ポイントがユーザの仮想世界アカウントに適用されうる。幾つかのポイント値は、コンピュータ読み取り可能な媒体に保存されうる。当該事実は、当業者により理解されるであろう。これにより、ユーザは、電子ゲームの使用中において、仮想通貨のように、ポイントを選択的に「消費」できる。
また、他の実施形態においては、仮想世界300における特定のアカウントにポイントが関連付けられると、幾つかの機能が自動的に利用可能とされる。例えば、所定の距離をランニングすると、ハイキングコース412が利用可能とされ、あるいはユーザによる自身の仮想領域への配置が可能とされうる。別の実施形態においては、ユーザが24時間以内に5マイルのランニングを実際に行なうと、自身の仮想領域用の仮想ランニングトラックが褒賞として自動的に授与されうる。
【0034】
図4Cは、別の具体的な褒賞の幾つかの例を示している。これらは、様々な実施形態においてユーザに提供されうる。
幾つかの実施形態においては、ユーザが、仮想オブジェクトを改造や改良する能力を与えられうる。例えば、ジム406は、より大きな建物(ジム418など)で置き換えることにより、改造されうる。
別の実施形態においては、褒賞の授与前までは実施できなかったジム416における仮想活動を行なえるようになることをもって、ユーザに対する褒賞とされうる。例えば、ジム416は、屋内トラックやロッククライミング設備を備えるように改造されうる。
さらに別の実施形態においては、トロフィーやモニュメントが、ジム418などの建物や自身の仮想領域の一部に設置されうる。
さらに別の実施形態においては、スコアボード(アリーナ404用のスコアボード405など)が、褒賞として授与されうる。
【0035】
図4Cは、スコアボード405の具体例を拡大して示している。幾つかの実施形態においては、仮想褒賞の授与により、スコアボードの機能が取得され、あるいは発揮可能とされうる。
本開示において後述する通り、他の実施形態は、チャレンジ(少なくとも2人の参加者に身体活動を要求する対戦ゲームなど)の完遂をもってスコアボード405などの資産を提供できる。
さらに別の実施形態においては、スコアボード405が、現実世界の活動(褒賞の授与をもたらしたスポーツや身体活動の結果など)を仮想的に表示できる。
別の実施形態においては、過去におけるユーザの身体パフォーマンスの別の結果を表示してもよい。
さらに別の実施形態においては、スコアボード405が、ユーザの身体活動より得られる最新データや実況データを提供できる。
【0036】
スコアボード405は、一例に過ぎない。他の仮想褒賞がユーザ(あるいはユーザの身体活動)より得られるデータを表示してもよい。本開示の恩恵を受ける当業者は、この事を理解するであろう。例えば、車両420は、データディスプレイ422などに身体データを仮想的に表示できる。データディスプレイは、車両に設けられてもよいし、
図4Cに示されるように、車両に接続されて後方を引きずられるバナー状の形態とされてもよい。
一実施形態においては、車両422が、ユーザの仮想世界を走り回って当該ユーザの身体的達成内容を宣伝できる。
他の実施形態においては、車両が、他のユーザの達成内容を眺めるために、当該ユーザの仮想領域へ行くことができる。
一実施形態においては、車両420が、身体活動の実行に係るチャレンジをもたらすために、他のユーザの仮想領域へ行くことができる。
【0037】
上述の通り、仮想ディスプレイ(データディスプレイ422など)は、現実世界におけるユーザの身体データの仮想表示を提供できる。本開示における別の態様は、身体活動の仮想表現を可能にする。例えば、ユーザが雨の中を実際にランニングすると、自身の仮想領域が、雨の中を走る自身のアバターを表示するように更新されうる。ユーザが泳ぐと、水域(プールや湖など)を泳ぐ自身の仮想アバターが表示されうる。同様に、ユーザがチームイベントを行なうと、観衆がアリーナ404に表示されうる。
【0038】
他の実施形態においては、ポイントの蓄積や褒賞により、ユーザの仮想領域の人気を向上させたり、よりよいスポーツチームを招くようにしたりできる。例えば、
図4Aのアリーナ404は、より多くの観客を収容し、よりよいスポーツチームを招き、あるいは改善された設備を備えるようにアップグレードされうる。
他の実施形態においては、有名なアスリートの仮想表現が、ユーザの仮想領域を訪問してユーザの仮想資産(すなわち、ジム406やアリーナ404など)を使用できる。
幾つかの実施形態においては、これらの褒賞に関する情報が、仮想世界と現実世界の双方を通じて他人に広められうる。
【0039】
幾つかの態様は、現実世界の変数に基づいた身体活動に対する仮想ポイントや褒賞の付与(あるいは、ポイントの量や褒賞の調整)に関係する。
図6に示されるように、ブロック602は、現実世界における非生理的パラメータや非生体的パラメータを決定するように実現されうる。例えば、一実施形態においては、天候の少なくとも1つの態様を決定するために、ユーザの場所が取得・利用されうる。悪天候(雨、雪、猛暑を含む)は、しばしば個人のエクササイズに対する意欲をそぐ。よって、特定のユーザについての天候状態の検出が、賞の決定や調整と、それまで存在していないポイントや褒賞の獲得機会の発生の少なくとも一方を行なうために利用されうる(例えば、ブロック604;エクササイズ実行に対する賞またはポイントの調整を参照)。
【0040】
他の実施形態においては、例えばブロック602から推察されるように、現実世界を模倣するために、仮想褒賞が修正あるいは生成されうる。ここでは、現実世界の建物または場所に関連付けされた仮想ポイントまたは褒賞を新たに提供(または、既存のものを調整)するために、少なくとも1つの現実世界変数が利用されうる。例えば、ブロック606は、現実世界の属性を検出し、建物または場所の仮想レプリカまたは表現を褒賞としてユーザに授与するように実現されうる。
一実施形態においては、GPS(またはその他の位置特定装置)が、ブロック602とブロック502の少なくとも一方などを通じて、ユーザの物理的な場所を判断できる。例えば、お気に入りのフットボールスタジアムを訪問するユーザには、当該ユーザの仮想領域上に配置する当該スタジアムの仮想レプリカが褒賞として授与されうる。例えば、既存のアリーナ404は、実際の建物または場所の特徴の少なくとも1つを有する新しいアリーナにより修正あるいは置き換えされうる。
【0041】
一実施形態においては、場所が、山のような自然物を含みうる。よって、ユーザは、仮想の山を褒賞として授与されうる。
一実施形態においては、仮想資産(すなわち、山)が、実際の山における現実の属性に関連付けられうる。例えば、ユーザが5115フィートの山の頂上で検出されると、当該ユーザの仮想山が、そのような高さを有するように表示されうる。
他の実施形態においては、ユーザの身体構造または場所と相関するように特定されてもよい。
【0042】
他の実施形態においては、仮想ポイントや褒賞を獲得する新たな機会を提供するために(あるいは既存の機会を調整するために)、少なくとも1つの現実世界変数が利用されうる(例えば、ブロック608参照)。例えば、ユーザが山岳地帯を訪問すると、仮想山道を歩く新たなチャレンジが提供されうる。あるいは、山歩きをする既存のチャレンジが、より多くの褒賞やポイントに関連付けられうる。
幾つかの実施形態においては、新たな活動やチャレンジが、新たな仮想コンテンツ(
図5のブロック512の一部として授与されるような構造や対象)と関連付けられうる。
【0043】
上記のように、ゲーム外の身体活動が、仮想世界内における活動の実施と相関されうる。先行技術の方法とは異なり、本開示の幾つかの態様は、ユーザが身体活動中にディスプレイの前に居ることを必要としない。例えば、ユーザは実際の山を登ることができ、当該イベント中における自身の身体活動が、自身の仮想山などの仮想物を登ることと相関されうる。
別の実施形態においては、ユーザが、実際のスポーツイベント(サッカーやフットボールの試合)中に、走ったり歩いたりでき、当該イベント中の身体活動が、対応する仮想スポーツイベントを行なうアバターを表示することと相関されうる。
【0044】
目標、目的、機会、および褒賞は、実際のランドマークや場所に固有のアイテムに対応されうる。例えば、自由の女神、エンパイアステートビルディング、近代美術館(MoMA)、「ビッグアップル」の少なくとも1つは、ニューヨーク市の象徴や代名詞とみなされうる。よって、幾つかの実施形態によれば、現実世界における居場所が選択されうる。それは、検出されたユーザの実際の居場所、ユーザ入力、ユーザの仮想領域のスタイル、目的の規則などの要因に基づいて選択されうる。
ニューヨーク市が居場所となる一実施形態においては、目標が、エンパイアステートビルディングと関連しうる。具体的な目標は、ユーザがその地域について選択できる多くの目的の1つとされうる。
別の実施形態においては、要求された数の目的の達成、要求された量のアスレチック活動の実施、および直前の目的の達成の少なくとも1つがなされるまで、他の目的が、利用不能とされうるか、隠されうる。あるいはその双方とされうる。
【0045】
エンパイアステートビルディングに関する目標は、目標カロリー数の燃焼、目標歩数、距離条件、およびこれらの組合せなどの達成基準をユーザに要求できる。例えばスコアボード405やデータディスプレイ422などの仮想表示器は、目標に対する進捗状況を仮想的に表示できる。当該進捗状況は、以前の目標を上回って達成された歩数や燃焼カロリーに基づきうる。
システムおよび方法の例は、2010年8月12日に出願された米国特許出願第12/855,304号に記載されている。その内容の全ては、あらゆる非限定的な目的のために、ここに参照として取り込まれる。
【0046】
少なくとも1つの現実世界変数を組み合わせることができる。本開示の恩恵を受ける当業者は理解できるであろう。例えば、温度データと場所データの双方が、同時にあるいは独立して判断に使用されうる。当該判断は、
図6に示されたブロックについて記載された処理を含む。当該処理は、それ単体で、あるいは他の処理(
図5について記載されたものなど)と組み合わされる。
また、非生体的あるいは非生理的な変数について幾つかの実施形態が記載されてきたが、他の実施形態は、ここに開示されたシステムおよび方法において、生体的な変数と生理的な変数の少なくとも一方を利用できる。
幾つかの実施形態においては、少なくとも1つの生体的あるいは生理的な変数が、少なくとも1つの非生体的パラメータと併せて利用されうる。例えば、一実施形態においては、ブロック508(ブロック602と同一または同様)は、非生体的あるいは非生理的なデータを受信するように構成されうる。一実施形態においては、少なくとも1つの非生体的あるいは非生理的な属性が、(
図5のブロック502などを通じて)ユーザの身体活動を表すデータと組み合わせられうる。
実施形態例に示されるように、
図6のブロックにおいて受信される少なくとも1つのパラメータは、ブロック502への入力として提供されうる。
別の実施形態においては、
図6に示される処理において収集される情報が、ブロック504、506などを含む他の処理に利用されうる。
【0047】
さらなる実施形態は、ユーザの無活動に基づいて、仮想資産を除去、破壊、あるいは変更できる。
図7は、一実施形態に基づいて仮想資産を調整または変更する具体的な方法のフローチャートを示す。
一実施形態においては、ブロック702は、ユーザの活動を表す電子データを受信するように構成されうる。
幾つかの実施形態においては、ブロック702は、
図5のブロック502における少なくとも1つのシステムと方法の少なくとも一方を備えうる。例えば、ブロック502において収集されたデータは、ユーザが走っていることを示す動きデータを含みうる。ユーザの活動は、複数の異なるシステムや装置を通じて測定されうる。例えば、第1のセンサは、ユーザに装着され、1日を通じて当該ユーザの全ての動きを測定できる。また、第2のセンサは、エクササイズ装置(トレッドミルなど)と関連付けられ、特定のマシンやマシン種を利用するユーザを測定できる。
【0048】
さらに、別の実施形態においては、ブロック702が、ブロック502から完全に独立した少なくとも1つの処理、あるいはここに記載される他の処理から構成されうる。
一実施形態においては、ブロック702において受信されたデータは、ユーザの無活動を示すタイミングデータを含みうる。例えば、幾つかのシステムは、ユーザの動き、あるいはその一部を検出するためにセンサを利用できる。タイミングデータは、ペース、加速、力、その他の属性の少なくとも1つを示すセンサデータに関連付けられうる。
【0049】
ブロック704においては、ユーザが活動的でなかったかが判断されうる。ブロック704の判断に加え、ここに記載される他の方法もまた、他のフローチャート(少なくとも
図5と
図6)に記載された少なくとも1つの方法の実行前、実行中、あるいは実行後に行なわれうる。当業者は、当該事実を理解するであろう。
一実施形態においては、ブロック704が、ユーザが少なくとも1つの閾値を超えるに足るほど活動的であったかの判断を含みうる。
一実施形態においては、ブロック704が、ある期間内に少なくとも1つの閾値条件が満足されたかを考慮できる。当該期間は、一定とされうる(24時間など)。別の実施形態においては、当該期間は、相対的あるいは変動的とされうる。当該期間は、イベント(現実世界または仮想世界におけるイベントなど)の発生とともに進行が開始されうる。
幾つかの実施形態においては、少なくとも1つの閾値が、仮想世界におけるポイントや褒賞の獲得に利用される閾値(
図5に示されたものなど)とは区別されうる。例えば、システムの一例は、24時間以内に10マイルを走ったユーザに褒賞を授与できる(
図5のブロック504参照)。一方、同一のユーザがある週に少なくとも50マイルを走らなかった事実をもって、当該ユーザが1週間「活動的ではなかった」旨の判断も可能である。よって、ユーザがその週の2日間で10マイルを走った事実をもって「褒賞を授与」されたとしても、ブロック704における少なくとも1つの処理は、当該ユーザがその週に50マイルを走らなかった事実をもって活動的でなかったとみなしうる。
別の実施形態においては、ユーザがランニングに係る全ての閾値条件を満足しても、ブロック704に設定されたその他の基準を満足できなかった場合、少なくとも1つの基準について「活動的でなかった」とみなされうる。
閾値に係る判断と活動測定のタイミングは、上記の例に限定されるものではない。当業者は、当該事実を容易に理解するであろう。
【0050】
ブロック706は、無活動との指摘に基づいて仮想世界300を変更するように構成されうる。一実施形態においては、そのユーザの特定の仮想領域が変更される。別の実施形態においては、他の領域(チームメイトまたは友人の領域など)が変更されうる。
一実施形態においては、無活動が、ブロック704において超えられた(あるいは超えられなかった)少なくとも1つの閾値から判断されうる。
一実施形態においては、控除されるポイントやユーザの仮想世界に対する変更は、無活動の度合いに基づいて程度が定められうる。例えば、10%だけ目標に届かないユーザは、25%の不足があるユーザほど多くのポイントを控除されないようにできる。この尺度が線形である必要はない。
ポイントの控除とは別の変更もまた、本開示の範囲内である。例えば、ユーザが特定量の身体活動あるいは特定種の活動を行なわなかった場合、有名なアスリートがやって来て当該ユーザのジム(すなわち、ジム406)を破壊できる。当該変更は、資産設備の完全な破壊を含みうる。しかしながら、別の実施形態においては、破壊は部分的であってもよい。
一実施形態においては、仮想資産における特定の特徴や属性が取り除かれうる。例えば、ジム406からスイミングプールが取り除かれうる。別の実施形態においては、収容人数が減る、有名なスポーツチームが訪れなくなるなどの変更がなされるように、アリーナ(例えば、アリーナ404)がダウングレードされうる。
一実施形態においては、現実世界における特定のスポーツイベントにおける無活動が、仮想領域に関連付けられた仮想チームを試合に負けさせ、パフォーマンスを低下させうる。すなわち、ユーザが特定のサッカー練習を実施しなかった場合、当該ユーザの仮想サッカーチーム(アリーナ404において仮想試合をプレイできる)は、パフォーマンスが低下する、ファンの動員が減る、試合に負けるなどの悪影響を受けうる。
【0051】
よって、本発明の幾つかの態様によれば、本発明の一実施形態に係る体験ポイントを指定するための倍数。
幾つかの実施形態においては、体験ポイントが、ユーザが仮想ゲームにおいて特定のレベルやマイルストーンに到達できるようにする仮想ポイントでありうる。例えば、一実施形態においては、特定の資産(オリンピック規模の仮想スイミングプールなど)が、特定数のユーザ経験ポイントを蓄積した場合、あるいは特定のレベルに達した場合にのみ利用可能とされうる。すなわち、ポイントは、仮想活動(仮想領域の改善や維持)を行なうためのものでありうる。
【0052】
別の実施形態においては、仮想褒賞やポイントが、仮想通貨を備えうる。コインアイコン904の例は、仮想通貨を表すために用いられる具体的なアイコンを示している。仮想通貨904は、仮想世界における仮想活動を通じて獲得されうる。
一実施形態においては、プレイヤーが、他人の仮想動作から仮想通貨を獲得できる。例えば、再び
図3を参照すると、第1ユーザまたはプレイヤーは、第2プレイヤー(アバター302に関連付けられている)の仮想領域312を利用するために、アバター304を制御できる。例えば、仮想領域312は世界クラスのジムを備えうる。よってアバター304が領域312のジムを使用すると、第1プレイヤーは、ある量の仮想通貨(通貨904など)を授与されうる。
一実施形態においては、複数のプレイヤーが、仮想通貨の蓄積を支援することにより、互いに助け合ってモチベーションを保つことができる。また、その他のポイントや褒賞が、通貨のように取引されうる。当業者は、当該事実を容易に理解するであろう。
【0053】
別の複数の実施形態は、仮想エネルギーシステムを利用できる。一実施形態においては、エネルギーシステムが、現実世界の属性に基づきうる。例えば、現実世界における所定の時間間隔ごとに、所定量のエネルギーが授与されうる。アイコン906は、本発明の一実施形態に係る仮想エネルギーを表わしうるアイコンの例である。一実施形態においては、仮想建物の建設に仮想エネルギーを必要とする。
【0054】
他の実施形態においては、ユーザが、ポイントや褒賞をギフトとして受け取りうる。例えば、別のプレイヤーは、ギフトとしてエネルギーポイント、通貨、経験ポイントなどの仮想褒賞やポイントになりうるものを与えうる。
一実施形態においては、励ましや動機づけのメッセージを受け取ることが、ポイントや褒賞になりうる。別の実施形態においては、励ましや動機付けのメッセージを送ることがポイントや褒賞になりうる。
すなわち、本開示の幾つかの態様は、ユーザが仮想ギフトなどのアイテムを他のプレイヤーに送信できるようにするシステムと方法に関連する。一実施例においては、ギフトの移動が、仮想世界に加えて現実世界においても社会的交流を促しうる。
【0055】
図8は、様々な実施形態に基づいてユーザのアカウントを更新するために用いられうる具体的な方法を示すフローチャートである。
一実施例においては、仮想的な活動(上述したものに加え、本開示において後述されるものも含む)が、仮想ポイントの授与をもたらしうる。
判断804は、仮想ポイントや褒賞を獲得するユーザの能力が変更されたかを判断するように構成されうる。例えば、仮想活動に基づくユーザへのポイント(すなわち、経験ポイント)の授与に際し、判断804は、ユーザが新たな資産を利用可能としたか、あるいは新たな目標を達成できるかを確認するように構成されうる。前述のように、特定の身体活動の完遂は、仮想ポイントや褒賞を獲得するための更なる能力を利用可能にできる。同様に、ユーザが特定の行動を実施し損ねると、ポイントや褒賞の獲得能力が取り除かれうる。よって、判断804は、複数のソースからの情報を考慮できる。
一実施形態においては、ブロック806が、情報を収集あるいは集積するように構成されうる。獲得ポイント(すなわち、ブロック504)、褒賞へのポイントの適用(すなわち、ブロック506)、現実世界における値から取得された情報(
図6のブロック602における非生体的あるいは非生理的な属性、および
図7のブロック706における無活動を通じたユーザの世界の変更の少なくとも一方を含む)を含むことにより収集あるいは収集された情報は、仮想活動と身体活動の少なくとも一方から仮想ポイントや褒賞を獲得するユーザの能力を、変更できる。
ブロック806に関して示された情報の例(情報の順序も含めて)は、例示目的でなされたに過ぎず、発明は、
図8に示された情報に限定されるものではない。当業者は、当該事実を容易に理解するであろう。
幾つかの実施形態においては、判断804の実行が、さらなる情報の収集開始と併せ、以前に収集された情報を考慮できる。
【0056】
判断804における肯定的な結果は、新たな属性に関する適当な情報でユーザのアカウントを更新できる(ブロック808参照)。
一実施形態においては、当該情報が、仮想建物(例えば、アリーナ)、仮想自然物(山、湖、森など)、およびこれらの組合せ(水上スキー用ボートのある湖)をつくる能力を利用可能にできる。ユーザは、ハイキングコースを作る、仮想プレイヤーを自身の領域(あるいは領域402内のジム406のような場所)に招待するなどの機会を持ちうる。
【0057】
仮想資産やポイントをユーザに提供することに代えて、別の実施形態は、目標を利用可能にできる。当該目標は、現実世界における身体活動の実施をユーザに求めうる。例えば、新規の目標は、特定種あるいは特定量の身体活動の実施をユーザに求めうる。
一実施形態においては、目標が、仮想コンテンツ(例えば、アリーナ)を利用可能にする身体活動の実施を少なくとも2人のユーザに求めうる。一実施形態においては、複数ユーザによるゲームは、複数のゲーム種を含みうる。
一実施形態においては、多ユーザの試合が複数の試合タイプを含みうる。
一実施形態においては、当該機会は、2人以上のユーザが競い合う対戦とされうる。構成次第では、参加者の一部がポイントや褒賞の授与を受けうる。
一実施形態においては、ゲームが、全参加者のうち最も走行距離が短い者としての登録を回避するように、ユーザたちに要求できる。別例においては、ゲームが、できるだけ多くの運動を行なうように、ユーザたちに要求できる。さらに別の例においては、ゲームが、活動を最も遅く終えた者になることを避けるように、ユーザたちに要求できる。
その他のゲーム種も定められうる。例えば、ユーザたちは、自身のゲーム種(目標、ゲーム期間、罰や仕打ちなど)をカスタマイズできる。
幾つかの実施形態においては、少なくとも1人のユーザが、仮想ポイントや褒賞を賭けの対象にできる。そのようなシステムおよび方法の例は、2010年12月16日に出願された米国特許仮出願第61/423,723号に記載されている。その内容の全ては、あらゆる非限定的な目的のために、ここに参照として取り込まれる。
【0058】
別の実施形態においては、ユーザが、アリーナの仮想スコアボードを利用可能にするために、一定の距離(1マイルなど)を実際に走らなければならないようにできる。
また、他の実施形態においては、仮想ポイントや褒賞を獲得するためにユーザにより行なわれうる現実世界の身体活動の種別が、ユーザの仮想資産に依存しうる。例えば、ユーザの領域(例えば、領域302)が、山を登る大規模なハイキングコースを含むように作り上げられた場合、当該ユーザは、山を駆け上ることとみなされる身体活動を行なうことが可能とされうる。
別の実施形態においては、ユーザが仮想サッカーアリーナを所有していない限り、特定のサッカーに関連する身体動作や活動が、仮想グッズやポイントの授与の対象として考慮されないようにできる。
【0059】
(具体的な演算装置)
図10Aは、実施形態例に係るパーソナルトレーニングシステム1000の例を示している。システムの例1000は、少なくとも1つの電子装置(コンピュータ1002など)を備えうる。コンピュータ1002は、携帯端末(電話、音楽プレイヤー、タブレット、ネットブックなどの携帯機器)を含みうる。
他の実施形態においては、コンピュータ1002が、セットトップボックス(STB)、デスクトップコンピュータ、少なくとも1つのデジタルビデオレコーダ(DVR)、少なくとも1つのコンピュータサーバなどの演算装置の少なくとも1つを含みうる。
特定の構成においては、コンピュータ1002が、テレビゲーム機(例えば、マイクロソフトのXBOX(登録商標)、ソニーのプレイステーション(登録商標)、任天堂のWii(登録商標)など)を含みうる。
これらの機器は、説明を目的とした例示に過ぎず、本開示は、特定の機器や装置に限定されるものではない。当業者は、当該事実を理解するであろう。
【0060】
図10Bに示されるように、コンピュータ1002は、演算ユニット1004を備えうる。当該演算ユニット1004は、少なくとも1つの処理ユニット1006を備えうる。処理ユニット1006は、ソフトウェア命令群を実行するいかなる種類の処理装置でもよい(例えば、マイクロプロセッサ装置など)。コンピュータ1002は、様々な非一時的かつコンピュータ読み取り可能な媒体(メモリ1008など)を備えうる。メモリ1008は、RAM1010などのランダムアクセスメモリ(RAM)、およびROM1012などの読出し専用メモリ(ROM)の少なくとも一方を含みうる。但し、これらに限定されるものではない。メモリ1008は、電気的消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリなどのメモリ技術、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)などの光ディスクストレージ、磁気記憶装置などの、所望の情報を保存するために用いられ、コンピュータ1002によるアクセスが可能とされた媒体とされうる。
【0061】
処理ユニット1006とシステムメモリ1008は、バス1014を通じて、あるいは少なくとも1つの周辺装置への代替通信ストラクチャを通じて、直接的あるいは間接的に接続されうる。例えば、処理ユニット1006やシステムメモリ1008は、別のメモリストレージ(ハードディスクドライブ1016、リムーバブル磁気ディスクドライブ、光ディスクドライブ1018、およびフラッシュメモリカードなど)に対して直接的あるいは間接的に接続されうる。また、処理ユニット1006とシステムメモリ1008は、少なくとも1つの入力装置1020と少なくとも1つの出力装置1022に対して直接または間接的に接続されうる。出力装置1022は、例えば、表示装置1036、テレビジョン、プリンタ、ステレオ、スピーカを含みうる。
幾つかの実施形態においては、少なくとも1つの表示装置が、眼鏡内に内蔵されうる。眼鏡に内蔵された表示装置は、ユーザに対してフィードバックを提供できる。少なくとも1つの表示装置を内蔵している眼鏡は、携帯表示システムも提供する。入力装置1020は、例えば、キーボード、タッチスクリーン、遠隔制御パッド、ポインティング装置(マウス、タッチパッド、スタイラス、トラックボール、ジョイスティックなど)、スキャナ、カメラ、マイクロフォンを含みうる。すなわち、入力装置1020は、少なくとも1つのセンサを備えうる。当該センサは、ユーザ(
図10Aに示されたユーザ1024など)からアスレチック動作の検知、検出、および測定の少なくとも1つを行なうように構成されている。
【0062】
再び
図10Aを参照する。撮像装置1026とセンサ1028の少なくとも一方は、ユーザ1024のアスレチック動作の検出と測定の少なくとも一方を行なうために利用されうる。一実施形態においては、撮像装置1026またはセンサ1028から取得されたデータは、アスレチック動作を直接検出できる。これにより、撮像装置1026またはセンサ1028から取得されたデータは、動きパラメータと直接相関される。例えば、
図13に示すように、撮像装置1026からの画像データは、センサ位置1302g、1302i間の距離が短くなったことを検出できる。したがって、撮像装置1026は、それ単体でユーザ1024の右腕が動いたことを検出するように構成されうる。
また、他の実施形態においては、動きの検出と測定の少なくとも一方を行なうために、撮像装置1026とセンサ1028の少なくとも一方からのデータが、相互に、あるいは他のセンサと組み合わせて利用されうる。よって、幾つかの測定値は、複数の装置から取得されたデータの組合せより決定されうる。
撮像装置1026とセンサ1028の少なくとも一方は、少なくとも1つのセンサを含みうる。あるいは、少なくとも1つのセンサと動作可能に接続される。当該センサは、加速度計、ジャイロスコープ、位置特定装置(例えばGPS)、光センサ、温度(周囲温度と体温の少なくとも一方を含む)センサ、心拍数モニタ、撮像センサ、湿度センサの少なくとも1つを含むが、これらに限定されるものではない。具体的なセンサ1026、1028の使用例は、以下に「具体的なセンサ」と題された項目において示される。
コンピュータ1002は、グラフィックUIから選択を行なうべくユーザが指示している箇所を判断するために、タッチスクリーンや撮像装置も使用できる。
少なくとも1つの実施形態は、少なくとも1つの有線技術と無線技術の少なくとも一方を、単独であるいは組み合わせて利用できる。無線技術の例としては、ブルートゥース(登録商標)技術、ブルートゥースローエナジー技術、ANT技術などが挙げられる。
【0063】
(具体的なネットワーク)
さらに、コンピュータ1002、演算ユニット1004などの電子装置は、少なくとも1つのネットワークインターフェース(
図10Bに例示されたインターフェース1030など)に対して、直接的あるいは間接的に接続されうる。当該ネットワークインターフェースは、ネットワーク(ネットワーク1032など)と通信するためのものである。
図10Bの例においては、ネットワークインターフェース1030が、ネットワークアダプタやネットワークインターフェースカード(NIC)を備えうる。これらは、演算ユニット1004からのデータと制御信号を、少なくとも1つの通信プロトコル(伝送制御プロトコル:TCP、インターネットプロトコル:IP、ユーザデータグラムプロトコル:UDPなど)に基づいてネットワークメッセージに変換するように構成されている。これらのプロトコルは周知であるため、ここでは詳細に説明しない。
インターフェース1030は、ネットワークに接続するために適当な接続エージェントを使用できる。当該接続エージェントは、例えば、無線トランシーバ、電力線通信アダプタ、モデム、またはイーサネット接続を含む。しかしながら、ネットワーク1032は、あらゆる種類や技術(単独または組合せ)に基づく少なくとも1つの情報配信ネットワーク(インターネット、イントラネット、クラウド、LANなど)であってもよい。ネットワークは周知であるため、ここでは詳細に説明しない。
ネットワーク1032は、少なくとも1つの有線あるいは無線通信チャネルを有するように、様々に構成されうる。当該チャネルは、少なくとも1つの場所(学校、職場、自宅、住居、ネットワークリソースなど)、少なくとも1つの遠隔サーバ1034、あるいは他のコンピュータ(コンピュータ1002と同様または同一のもの)に接続するためのものである。
実際のところ、システム1000は、各コンポーネントを複数備えうる(例えば、複数のコンピュータ1002、複数のディスプレイ1036など)。
図10と
図11に示されたネットワークアーキテクチャ(またはそのコンポーネント)に加えてあるいは代えて、
図1に示されたネットワークアーキテクチャ(またはそのコンポーネント)が使用されうる。
【0064】
ネットワーク1032内におけるコンピュータ1002などの電子装置は、携帯可能でもよいし、据え置き型でもよい。演算装置は、上記の入力装置、出力装置、周辺記憶装置に加え、様々な他の周辺装置に対して、直接あるいはネットワーク1032を通じて接続されうる。そのような周辺装置は、入力、出力、保存機能の少なくとも1つを実行できるものを含む。
幾つかの実施形態においては、単一の装置が、
図10Aに示される少なくとも1つのコンポーネントを集約できる。例えば、単一装置は、コンピュータ1002、撮像装置1026、センサ1028、ディスプレイ1036などのコンポーネントの少なくとも1つを含みうる。
一実施形態においては、センサ装置1038が、ディスプレイ1036、撮像装置1026、および少なくとも1つのセンサ1028を有する携帯端末を備えうる。
また、他の実施形態においては、撮像装置1026とセンサ1028の少なくとも一方が、メディア装置(例えば、ゲームシステムとメディアシステムを含む)と動作可能に接続されるべく構成された周辺装置でもよい。よって、本開示は、静的なシステムと方法に限定されるものではない。むしろ、幾つかの実施形態は、ユーザ1024によって、ほぼいかなる場所においても、実施されうる。
【0065】
(具体的なセンサ)
コンピュータ1002などの装置は、少なくとも1つのセンサ1026、1028を備えうる。これらは、ユーザ1024における少なくとも1つの健康パラメータの検出と監視の少なくとも一方を行なうように構成されている。センサ1026とセンサ1028の少なくとも一方は、加速度計、ジャイロスコープ、位置特定装置(例えばGPS)、光センサ、温度(周囲温度と体温の少なくとも一方を含む)センサ、睡眠パターンセンサ、心拍数モニタ、撮像センサ、湿度センサの少なくとも1つを含みうるが、これらに限定されるものではない。
ネットワーク1032とコンピュータ1002の少なくとも一方は、システム1000における少なくとも1つの電子装置と通信できる。当該電子装置は、例えば、ディスプレイ1036、撮像装置1026(例えば、少なくとも1つのビデオカメラ)、センサ1028を含む。センサ1028は、赤外線(IR)装置であってもよい。
一実施形態においては、センサ1028は、IRトランシーバを備えうる。例えば、センサ1026とセンサ1028は、ユーザ1024の方向を含む周囲へ波形を送信し、「反射」の受信、あるいは送信した波形の変化の検出が可能である。
別実施形態においては、撮像装置1026とセンサ1028の少なくとも一方は、他の無線信号(例えば、レーダ、ソナー、可聴信号の少なくとも1つ)の送信と受信の少なくとも一方を行なうように構成されうる。
様々な実施形態において、多くの異なるデータスペクトルに対応する信号が利用可能である。当業者は、当該事実を容易に理解するであろう。すなわち、センサ1026とセンサ1028の少なくとも一方は、ユーザ1024と周辺環境の少なくとも一方から放出される熱を検出できる。よって、撮像装置1026とセンサ1028の少なくとも一方は、少なくとも1つの熱撮像装置を備えうる。一実施形態においては、撮像装置1026とセンサ1028の少なくとも一方は、レンジフェノメノロジーを実行可能に構成されたIR装置を備えうる。レンジフェノメノロジーを実行可能に構成されたIR装置は、例えば、オレゴン州ポートランドのフリアーシステムズ社から購入できるが、これに限定されるものではない。
撮像装置1026とセンサ1028の少なくとも一方は、コンピュータ1002と直接(無線あるいは有線)通信を行なう場合を示したが、ネットワーク1032と直接(無線あるいは有線)通信を行なってもよい。当業者は、当該事実を理解するであろう。
【0066】
(多目的電子装置)
ユーザ1024は、任意の数の電子装置の所持、携帯、および装着の少なくとも1つを行ないうる。当該電子装置は、検知装置1038、1040、1042、1044の少なくとも1つを含む。
幾つかの実施形態においては、少なくとも1つの装置1038、1040、1042、1044は、特にフィットネスやアスレチック用に製造されたものでなくともよい。実際のところ、本開示の幾つかの態様は、アスレチックデータの収集、検出、および測定の少なくとも1つを行なうために、複数の装置(その幾つかはフィットネス用装置ではない)から取得したデータを利用することに関する。
一実施形態においては、装置1038は、携帯電子装置を備えうる。当該携帯電子装置は、デジタル音楽プレイヤーを含む。例えば、カリフォルニア州クパチーノのアップル社から購入可能なアイポッド(登録商標)、アイパッド(登録商標)、アイフォーン(登録商標)ブランドの装置や、ワシントン州レドモンドのマイクロソフト社から購入可能なズーン(登録商標)やマイクロソフトウィンドウズ(登録商標)装置などが挙げられる。
周知のように、デジタルメディアプレイヤーは、コンピュータの出力装置(例えば、音楽ファイルから音楽を出力し、画像ファイルから写真を出力する)と記憶装置の双方として機能しうる。
一実施形態においては、装置1038は、コンピュータ1002でありうる。別の実施形態においては、コンピュータ1002は、装置1038とは完全に区別されうる。
装置1038が特定の出力を提供するように構成されているかによらず、当該装置は、検知情報を受信する入力装置としても機能しうる。
装置1038、1040、1042、1044の少なくとも1つは、少なくとも1つのセンサを含みうる。当該センサは、加速度計、ジャイロスコープ、位置特定装置(例えばGPS)、光センサ、温度(周囲温度と体温の少なくとも一方を含む)センサ、心拍数モニタ、撮像センサ、湿度センサの少なくとも1つを含むが、これらに限定されるものではない。
幾つかの実施形態においては、センサは、受動型でありうる。例えば、撮像装置1026とセンサ1028の少なくとも一方により検出されうる反射型材料が挙げられる。
幾つかの実施形態においては、センサ1044は、競技用ウェアのような衣服と一体にされうる。例えば、ユーザ1024は、少なくとも1つの身体装着型センサ1044a、1044bを装着できる。センサ1044は、ユーザ1024の衣服に内蔵される場合と、ユーザ1024の身体における所望の位置に配置されうる場合の少なくとも一方がありうる。センサ1044は、コンピュータ1002、センサ1028、1038、1040、1042、およびカメラ1026の少なくとも1つと通信できる(例えば、無線で)。
インタラクティブなゲーム衣服は、米国特許出願第10/286,396号に記載されている。当該出願は、2002年10月30日に出願され、米国特許出願公開第2004/0087366号として公開された。その全ての内容は、目的を限定することなく、ここに参照として取り込まれる。
幾つかの実施形態においては、受動検知面は、撮像装置1026とセンサ1028の少なくとも一方から出射された赤外光のような波形を反射できる。
一実施形態においては、ユーザ1024の衣服に配置された受動型センサは、波形を反射できるガラスなどの透明あるいは半透明の表面からなる、ほぼ球形の構造を備えうる。異なるクラスの衣服が利用されうる。具体的には、あるクラスの衣服は、適切に着られることにより、ユーザ1024の身体における特定部分に近接して配置されるように構成された特定のセンサを備える。例えば、ゴルフウェアは、第1の構成で衣服上に配置された少なくとも1つのセンサを含みうる。また、サッカーウェアは、第2の構成で衣服上に配置された少なくとも1つのセンサを含みうる。
【0067】
装置1038〜1044は、直接あるいはネットワーク(ネットワーク1032など)を介して相互に通信できる。少なくとも1つの装置1038〜1044間の通信は、コンピュータ1002を介して行ないうる。例えば、2つ以上の装置1038〜1044は、コンピュータ1002のバス1014と動作可能に接続された周辺装置でありうる。
別の実施形態においては、第1装置(装置1038など)は、第1コンピュータ(コンピュータ1002など)や、他の装置(装置1042など)とも通信できる。しかしながら、装置1042は、コンピュータ1002と接続せずに、装置1038と通信するように構成されてもよい。当業者は、他の構成も可能であることを理解するであろう。
【0068】
幾つかの実施形態例は、上記に加えてあるいは代えて、様々な機能を実現できるように意図された演算装置(デスクトップやラップトップのパーソナルコンピュータ)を用いうる。これらの演算装置は、必要に応じて周辺装置や別のコンポーネントを任意に組み合わせたものを備えうる。また、
図10Bに示されたコンポーネントは、サーバ1034、他のコンピュータや装置などに含まれうる。
【0069】
(具体的な衣服/アクセサリセンサ)
幾つかの実施形態においては、センサ装置1038、1040、1042、1044の少なくとも1つは、ユーザ1024の衣服やアクセサリの内部に形成されるか、関連付けられうる。当該衣服やアクセサリは、腕時計、アームバンド、リストバンド、ネックレス、シャツ、靴などを含む。靴に搭載された装置および手首に装着される装置(それぞれ装置1040、1042)の例は、すぐ後に記載されるが、これらは実施形態の例に過ぎず、本開示はそれらに限定されるものではない。
【0070】
(靴に搭載された装置)
幾つかの実施形態においては、検知装置1040が、履物を含みうる。当該履物は、少なくとも1つのセンサを備えうる。当該センサは、加速度計、位置検知コンポーネント(GPSなど)、力センサシステムの少なくとも1つを含むが、これらに限定されるものではない。
図11Aは、センサシステム1102の一実施形態例を示す。
幾つかの実施形態においては、システム1102が、センサアセンブリ1104を含みうる。アセンブリ1104は、少なくとも1つのセンサを備えうる。例えば、当該センサは、加速度計、位置検知コンポーネント、力センサシステムの少なくとも1つを含みうる。図示の実施形態においては、アセンブリ1104は、複数のセンサを内蔵している。当該センサは、感圧抵抗(FSR)センサ1106を含みうる。
別の実施形態においては、他のセンサが利用されうる。ポート1108は、靴のソール体1109の内部に配置されうる。ポート1108は、電子モジュール1110および複数のリード1112と繋がるように設けられうる。電子モジュール1110は、ハウジング1111内に設けられうる。リード1112は、FSRセンサ1106をポート1108に接続している。モジュール1110は、靴のソール体における窪みや中空部の内部に収容されうる。ポート1108およびモジュール1110は、接続および通信用の補助インターフェース1114、1116を含む。
【0071】
幾つかの実施形態においては、
図11Aに示された少なくとも1つの感圧抵抗1106が、第1および第2の電極または電気接点1118、1120、および感圧抵抗材料1122を含みうる。感圧抵抗材料1122は、電極1118、1120の間に配置され、これらを電気的に接続する。感圧抵抗材料1122に圧力が加えられると、当該感圧抵抗材料1122の抵抗と導電率の少なくとも一方が変化する。当該変化は、電極1118、1120間の電気ポテンシャルが変化する。抵抗の変化は、センサ1116に加えられた力を検出するために、センサシステム1102により検出されうる。感圧抵抗材料1122は、圧力下でその抵抗を様々な方式で変えうる。例えば、感圧材料1122は、当該材料が押圧されると低下する内部抵抗を有しうる。これは、後に詳述される量子トンネル複合材料と同様である。当該材料がさらに押圧されることにより、抵抗はさらに低下しうる。これにより、定量的測定および二値的(オンオフ)測定が可能となる。この種の感圧抵抗の挙動は、「体積依存抵抗」とも記載される場合がある。当該挙動を示す材料は、「スマート材料」と称されうる。
別例として、材料1122は、面接触の程度を変化させることによって、その抵抗を変えうる。本構成は、幾つかの方法で達成されうる。例えば、微小突起が設けられた表面が用いられる。この場合、非押圧状態において表面抵抗が上昇し、押圧されると表面抵抗が減少する。あるいは、他の電極との高い面接触を得るように変形可能とされたフレキシブル電極が用いられる。この表面抵抗は、材料1122と電極1118、1120の間の抵抗と、複層材料1122における導電層(例えば、カーボンまたはグラファイト)と感圧層(例えば、半導体)の間の表面抵抗の少なくとも一方でありうる。より強い押圧は、より大きな面接触による低抵抗状態をもたらし、定量的測定を可能にする。この種の感圧抵抗の挙動は、「接触依存抵抗」とも記載される場合がある。ここに記載された感圧抵抗材料1122は、半導体材料であるか、半導体材料を含みうる。当該半導体材料は、ドープ型でも非ドープ型でもよい。
【0072】
FSRセンサ1116の電極1118、1120は、導電性材料で形成されうる。当該導電性材料は、金属、カーボンまたはグラファイトのファイバまたは複合材料、導電性複合材料、導電性ポリマー、導電性材料を含むポリマー、導電性セラミックス、ドープ半導体などを含む。リード1112は、適当な方法で電極1118、1120に接続されうる。当該方法は、溶着、はんだ付け、蝋付け、接着、締結などの一体あるいは非一体型接合を含む。あるいは、電極1118、1120および対応するリード1112は、同一材料の単一片により形成されうる。
【0073】
(手首に装着される装置)
図11Bに示されるように、装置1126(
図10Aに示された検知装置1042でもよいし、これに類似したものでもよい)は、ユーザ1024の手首、腕、足首などの周りに装着されるように構成されうる。装置1126は、ユーザのアスレチック動作をモニタできる。当該アスレチック動作は、当該ユーザの終日活動を含む。すなわち、装置アセンブリ1126は、ユーザ1024によるコンピュータ1002とのやり取りを通じてアスレチック動作を検出できる。あるいは、装置アセンブリ1126は、コンピュータ1002とは独立して動作できる。例えば、一実施形態においては、装置1126は、ユーザのコンピュータ1002に対する接近またはやり取りの有無によらず、活動を測定する終日活動モニタでありうる。装置1126は、ネットワーク1032および他の装置(装置1038、1040の少なくとも一方)の少なくとも一方と直接通信できる。
他の実施形態においては、装置1126から取得されたアスレチックデータが、コンピュータ1002により行なわれる判断に利用されうる。当該判断の例としては、どのエクササイズプログラムがユーザ1024に示されているかに関する判断などが挙げられる。
一実施形態においては、装置1126は、モバイル装置(ユーザ1024と関連付けられた装置1038など)や、遠隔のウェブサイト(フィットネスや健康に関する内容を取り扱うサイトなど)と無線でやり取りできる。ある所定の時点で、ユーザは、装置1126からのデータを別の場所へ転送することを希望できる。
【0074】
図11Bに示されるように、装置1126は、入力機構を含みうる。当該入力機構の例としては、装置1026の操作を支援する入力押しボタン1128などが挙げられる。入力ボタン1128は、コントローラ1130および他の電子コンポーネントの少なくとも一方と動作可能に接続されうる。当該電子コンポーネントの例としては、
図10Bに示されたコンピュータ1002に関して説明された要素の少なくとも1つが挙げられる。コントローラ1130は、ハウジング1132に内蔵されるか、その一部とされうる。ハウジング1132は、弾性コンポーネントを含む少なくとも1つの材料から形成されうる。また、ハウジング1132は、少なくとも1つのディスプレイ(ディスプレイ1134など)を備えうる。装置1126の発光可能な部分を当該ディスプレイとみなしてもよい。一実施形態例においては、ディスプレイ1134が、一連の独立した発光素子あるいは発光部材(LED光源1134など)を含みうる。LED光源は、列をなすように形成されうる。また、LED光源は、コントローラ1130と動作可能に接続されうる。
装置1126は、インディケータシステム1136を含みうる。ディスプレイ1134全体の一部あるいはコンポーネントを当該インディケータシステム1136とみなしてもよい。インディケータシステム1136は、ディスプレイ1134(ピクセル部材1135を有しうる)と連携し、あるいはディスプレイ1134とは完全に独立して、動作および発光できる。また、インディケータシステム1136は、他の発光素子あるいは発光部材1138を複数含みうる。一実施形態例においては、当該発光素子あるいは発光部材1138は、LED光源の形態もとりうる。
幾つかの実施形態においては、インディケータシステムが、例えば発光部材1138の一部を発光させることにより、目標の表示を行ない、少なくとも1つの目標に対する進捗を表しうる。
【0075】
締結機構1140は、係止解除されうる。これにより、装置1126は、ユーザ1024の手首の周りに配置され、次いで締結機構1140が係止状態とされうる。ユーザは、装置1126をいつでも望むときに装着できる。一実施形態においては、締結機構1140が、インターフェースを備えうる。当該インターフェースは、コンピュータ1002および装置1038、1040の少なくとも一方と動作上のやり取りを行なうためのUSBポートを含むが、これに限定されるものではない。
【0076】
幾つかの実施形態においては、装置1126が、センサアセンブリ(
図11Bには図示せず)を備えうる。センサアセンブリは、複数の異なるセンサを備えうる。一実施形態例においては、センサアセンブリが、加速度計(多軸加速度計の形式を含む)、心拍数センサ、位置特定センサ(GPSセンサなど)などのセンサの少なくとも1つを備えうる。あるいは、これらとの動作上の接続を許容しうる。装置のセンサ1042により検出された動きやパラメータは、様々なパラメータ、測定値、生理的特性を含みうる(あるいは、これらを形成するために使用されうる)。これらは、速度、距離、歩数、カロリーなどの消費エネルギー、心拍数、発汗検出、努力、酸素消費量、酸素反応速度の少なくとも1つを含むが、これらに限定されるものではない。また、そのようなパラメータは、ユーザの活動に基づいて獲得される活動ポイントや通貨として表現されうる。
【0077】
(具体的なアスレチックモニタリング方法)
システム1000の少なくとも1つのコンポーネントは、ユーザに対して少なくとも1つのエクササイズの実行を促し、エクササイズを実行している間のユーザの動きをモニタし、ユーザの動きに基づくエネルギー消費の推定量をユーザに提供できる。システム1000は、ユーザのエクササイズに対する取り組みの困難性を判断するために、当該ユーザのフォームを分析し、これに応じてエネルギー消費の推定量を調節できる。エネルギー消費量の推定値は、ユーザにより消費されたカロリーの推定値でありうる。あるいは、当該カロリーの推定値を含みうる。
幾つかの実施形態においては、エネルギー消費に係る判断が、ポイントシステムに基づきうる。あるいは、ポイントシステムとして提供されうる。あるいは、その両方である。
一実施形態においては、カロリーが、ポイントシステムに変換されうる。また、別の実施形態においては、測定値が、少なくとも1つのポイントシステムにおいて直接取得されうる。一実施例においては、活動ポイントが、フォーム、身体の動き、特定の活動の完了の少なくとも1つに基づきうる。
別の実施形態においては、エネルギー消費の計算が、ユーザの努力、酸素消費量、酸素反応速度の少なくとも1つに係る判断を含みうる。
一実施形態においては、コンピュータ1002、カメラ1026、センサ1028、およびディスプレイ1036が、ユーザの住宅内に配備されうるが、ジムや職場を含む他の場所に配備されてもよい。
また、上述のように、コンピュータ1002は、携帯装置(携帯電話など)でありうる。したがって、ここに記載された少なくとも1つの態様は、ほぼどの場所でも実行されうる。すなわち、本開示の実施形態例は、例示されたシステム1000のコンポーネントの1つを用いて実施されるものとして説明される。特定のコンポーネント(コンピュータ1002など)を参照することは、限定を意味するものではなく、むしろ多くの実施可能な例の1つの具体例を示すものである。当業者は、当該事実を理解するであろう。よって、特定のコンポーネントが参照されても、特に断りのない限り、あるいは物理的に不可能でない限り、システム1000における他のコンポーネントが利用されうる。また、ここに記載された態様は、例示されたシステム1000に限定されるものではない。
【0078】
(ユーザの動きのモニタリング)
エクササイズの間、システム1000は、ユーザの動きをモニタするために少なくとも1つの技術を使用できる。
図12は、ユーザのエネルギー消費の推定値を計算する方法のフローチャート例を示す。複数の実施形態例において、当該方法は、エクササイズ中におけるユーザのフォームを考慮に入れて推定を行なう。当該方法は、コンピュータにより実施されうる。当該コンピュータとしては、例えば、コンピュータ1002、装置1038、1040、1042の少なくとも1つ、および他の装置が挙げられる。
図12に示された複数のブロックは、並び換え可能である。また、幾つかのブロックは除かれうる。別のブロックが追加されうる。各ブロックは、少なくとも1回繰り返されうる。フローチャートは、少なくとも1回繰り返されうる。フローチャートは、ブロック1202から開始できる。
【0079】
(ユーザ評価の実行)
ブロック1202において、この方法は、ユーザの初期評価の実行を含みうる。ユーザ(ユーザ1024など)は、センサの範囲内(撮像装置1026とセンサ1028の少なくとも一方の正面など)に位置決めされうる。当該センサ1028は、赤外線トランシーバを備えうる。ディスプレイ1036は、ユーザ1024の表現物を表示できる。当該表現物は、「鏡像」でもよいし、仮想アバター(ユーザのアバターなど)を描画したものでもよい。当該表現物は、ユーザの動作に対応して動く。コンピュータ1002は、撮像装置1026と赤外線トランシーバ1028の少なくとも一方に対して特定の領域へ移動するようにユーザを促しうる。これにより、ユーザは、フレームとレンジの少なくとも一方の内部に位置する。適切に位置決めがなされることにより、システム1000は、ユーザの動きを処理できる。
「初期」という語を用いたが、この評価は、ユーザがシステム1000を初期化する度に、ユーザが特定の動きをする度に、時間の経過をもってなどの理由により実行できる。よって、本記載において評価を参照する場合は、単一の評価に限定されるものではない。
【0080】
(検知位置の識別)
図1または
図10に示された少なくとも1つのコンポーネント(
図10に示されたシステム1000など)は、検知データを処理してユーザの動きデータを識別できる。一実施形態においては、ユーザの身体上の検知位置が識別されうる。
図13に示すように、検知位置1302a〜1302oは、ユーザ1024身体上における関心のある場所(例えば、足首、肘、肩など)に対応しうる。例えば、記録された映像(カメラ1026などから取得したもの)は、検知位置1302a〜1302oの識別に利用されうる。例えば、ユーザは、カメラ1026から特定の距離(所定の距離であってもなくてもよい)を置いて立ちうる。そしてシステム1000は、ユーザ1024を識別するために画像を処理できる。例えば、視差マッピング技術が用いられる。一例においては、撮像装置1026が、複数のレンズを有するステレオカメラでありうる。当該複数のレンズは、互いに間隔をあけて配置され、ユーザの複数の画像を同時に撮像する。システム1000は、同時に取得された当該複数の画像を処理し、視差マップを生成できる。視差マップは、座標系(例えば、デカルト座標系)を用いて、映像中の各画像(あるいは複数画像のうち幾つか)におけるユーザの身体の特定部分の位置を識別するためのものである。視差マップは、間隔をあけて配置された複数のレンズにより取得された各画像間の差異を示しうる。
【0081】
第2の例においては、少なくとも1つのセンサが、検知位置1302a〜1302oにおいて、ユーザ1024の身体上あるいは身体に近接して配置されうる。あるいは、ユーザ1024は、様々な位置に配置された複数のセンサを有するスーツを着衣できる。
別の実施形態においては、センサの位置が、他の検知装置(装置1038、1040、1042の少なくとも1つ)により判断されうる。すなわち、センサは、ユーザの衣服上に配置されたものでもよいが、他の実施形態においては、検知位置1302a〜1302oが、動く2つの身体部位間の関係の識別結果に基づきうる。例えば、検知位置1302aは、ユーザ1024の動きを識別することにより判断されうる。すなわち、ユーザの身体の全形状や部位が、特定の身体部位の識別を可能にしうる。カメラ(カメラ1026など)が利用されるか否か、ユーザ1024上に配置されたセンサが利用されるか否か(装置1038、1040、1042内のセンサなどが利用されるか否か)の少なくとも一方によらず、センサは、身体部位の現在位置の検知と、身体部位の動きの追跡の少なくとも一方を実行できる。
【0082】
幾つかの実施形態においては、収集されたデータ(
図12のブロック1202で収集された部分など)にタイムスタンプが追加されうる。当該タイムスタンプは、身体部位が特定の位置にあった特定の時刻を示す。センサデータは、無線あるいは有線通信を介して、コンピュータ1002(あるいは他の装置)において受信されうる。コンピュータ(コンピュータ1002など)と装置1038、1040、1042の少なくとも一方は、当該タイムスタンプを処理し、座標系(デカルト座標系など)を用いて、映像中の各画像(あるいは複数画像のうち幾つか)における身体部位の位置を特定できる。カメラ1026から受信されたデータは、装置1038、1040、1042の少なくとも1つから受信されたデータを用いて、補正、修正、および結合の少なくとも1つが実行されうる。
【0083】
第3の例においては、システム1000が、赤外線パターン認識を使用し、ユーザ1024の動きと当該ユーザの身体部位の位置を検出できる。例えば、センサ1028は、赤外線トランシーバを備えうる。当該赤外線トランシーバは、カメラ1026の一部でも、他の装置でもよい。当該赤外線トランシーバは、赤外線信号を出射し、ユーザ1024の身体を赤外線信号で照射できる。赤外線トランシーバ1028は、ユーザ1024の身体からの当該赤外線信号の反射を捕捉できる。反射に基づき、システム1000は、座標系(デカルト座標系など)を用いて、特定時点におけるユーザの身体の特定部位の位置を識別できる。どの身体部位がどのように識別されるかは、ユーザが実行を要求されたエクササイズの種別に基づいて、予め定められうる。
【0084】
トレーニングルーティンの一部として、システム1000は、ユーザ1024の初期姿勢評価を実行できる。当該初期姿勢評価は、
図12のブロック1202における初期ユーザ評価の一部として実行されうる。システム1000は、ユーザの肩、上背部、下背部、腰、膝、および足首の少なくとも1つの位置を分析できる。身体に装着されるセンサと赤外線技術の少なくとも一方は、単独で、あるいはカメラ1026と連携して、使用されうる。これにより、姿勢評価のために様々な身体部位の位置が判断される。例えば、システム1000は、評価ライン1024a〜1024gを判断し、ユーザの身体上の様々な点(例えば、足首、膝、腰、下背部、上背部、肩)の位置を判断できる。
【0085】
(エネルギー消費)
幾つかの態様は、少なくともエネルギー消費に基づいてユーザの動作を測定する。当該エネルギー消費の例としては、燃焼カロリー量が挙げられるが、これに限定されるものではない。以下に示すのは、トレーニング中のユーザによる燃焼カロリー量を計算する式の例である。
【0086】
燃焼カロリー=BMR×活動因子×達成因子 (1)
【0087】
式(1)において、BMRは、基礎代謝率の略語である。システム1000は、Mifflin-St. Jeor方程式を用いてBMRを計算できる。Mifflin-St. Jeor方程式は、次の通りである。
BMR=10×w+6.25×h−5.0×a(+5:男性の場合)(−161:女性の場合)
ここで、×は掛け算を表す記号である。wは、体重(kg)である。hは、身長(cm)である。aは、年齢(歳)である。
また、システム1000は、Mifflin-St. Jeor方程式に加えてあるいは代えて、Harris-Benedict方程式を使用できる。
【0088】
活動因子は、ユーザにより行なわれるエクササイズの種別に対応する調整要素でありうる。活動因子は、激しいエクササイズほど大きく、軽いエクササイズほど小さい値をとりうる。システム1000は、活動因子を含むファイルを保存できる。ここで、各活動因子は、特定のエクササイズ種についての値を有しうる。複数のエクササイズが同じ活動因子の値を有しうる。あるいは、特定のエクササイズが固有の活動因子の値を有しうる。活動因子は、初期値を有しうる。たとえば、一実施形態においては、初期値が0.1でありうる。別の実施形態においては、初期値が1.0でありうる。初期値は、零を含む任意の値でありうる。システム1000は、ユーザにより現在行なわれているエクササイズの活動因子に対応するように、初期値を更新できる。
トレーニングの継続中において、システム1000は、異なる値の活動因子を使用し、ユーザが実行を促されている別のエクササイズに対応する式(1)を用いて、燃焼カロリーを計算できる。少なくとも1つの因子が、活動因子と当該活動因子の調整要素の少なくとも一方に寄与しうる。当該因子の例としては、ペース、エクササイズの種別、継続時間の少なくとも1つが挙げられるが、これらに限られるものではない。さらに、活動因子と活動因子の変数の少なくとも一方は、複数の所定の値(ユーザが実行を促されているエクササイズや動作に付与された値など)、ユーザの動作、特定のエクササイズにおけるMETテーブルからの情報、の少なくとも1つから決定されうる。
【0089】
達成因子は、BMRを調整するために使用されうる。当該調整は、エクササイズの実行時において、ユーザのフォームが所望のフォームにどの程度一致しているかに基づいて行なわれる。一例においては、達成因子が、エクササイズの実行時における各繰返し運動について、完全な動きの何パーセントが達成されたか示しうる。例えば、エクササイズにおける特定の繰返し運動についてユーザの胴体と大腿の間で測定された角度の所望の角度に対する割合を判断する。あるいは、達成因子は、所定数の繰返し運動(最近3回のエクササイズ、最近5回のエクササイズ、全エクササイズなど)における完全な動きの割合の平均値でありうる。
達成因子は、初期値を有しうる。一実施形態においては、初期値が0.1でありうる。別の実施形態においては、初期値が1.0でありうる。初期値は、零を含む任意の値でありうる。システム1000は、ユーザのフォームが所望のフォームにどの程度一致しているかに基づいて、時間の経過とともに初期値を更新できる。少なくとも1つの因子が、活動因子と当該活動因子の調整要素の少なくとも一方に寄与しうる。当該因子の例としては、ペース、エクササイズの種別、継続時間の少なくとも1つが挙げられるが、これらに限られるものではない。さらに、活動因子と活動因子の変数の少なくとも一方は、複数の所定の値(ユーザが実行を促されているエクササイズや動作に付与された値など)、ユーザの動作の少なくとも1つから決定されうる。
【0090】
別の実施形態においては、次に示す式(2)が利用されうる。
燃焼カロリー=BMR×活動因子×達成因子×乗算因子+加算因子 (2)
【0091】
式(2)におけるBMR、活動因子、達成因子の少なくとも1つの値は、式(1)を参照して先に記載された少なくとも1つの実施形態に応じて定められうる。一実施形態においては、乗算因子の値が、エクササイズの種別ごとに定められうる。一実施形態においては、初期値が0.1でありうる。別の実施形態においては、初期値が1.0でありうる。初期値は、零を含む任意の値でありうる。システム1000は、トレーニング中に乗算因子を更新できる。当該更新は、ユーザが実施を促されているエクササイズの種別に対応するように行なわれる。幾つかの実施形態においては、活動因子は、経験的なデータから少なくとも一部が取得されうる。
【0092】
幾つかの実施形態においては、加算因子の値が、エクササイズの各種別について定義されうる。一実施形態においては、初期値が0.1でありうる。別の実施形態においては、初期値が1.0でありうる。初期値は、零を含む任意の値でありうる。システム1000は、トレーニング中に加算因子を更新できる。当該更新は、ユーザが実施を促されているエクササイズの種別に対応するように行なわれる。幾つかの実施形態においては、活動因子は、経験的なデータから少なくとも一部が取得されうる。
【0093】
システム1000は、トレーニングの継続中に燃焼されたカロリーを計算できる。当該計算は、式(1)または(2)の利用を含みうる。システム1000は、ディスプレイ1036に燃焼カロリーの中間合計値を表示させうる。
幾つかの実施形態においては、当該合計値は、各エクササイズにおける少なくとも1つの完遂された繰返し運動および少なくとも1つの完遂されたセットについて決定されうる。また、システム1000は、実行されたエクササイズの種別によって計算を行ない、燃焼カロリーの表示をさせうる。他の情報(例えば、トレーニング中、各繰返し運動、各セットにおける、あるいはエクササイズ種別ごとの最大/最小/平均のカロリー燃焼率など)が、計算および表示されうる。システム1000は、エクササイズ中にユーザにより燃焼されたカロリー量を、式(1)を用いて周期的に判断できる。システム1000は、トレーニング中に連続的に更新される現在の燃焼カロリー量(例えば、中間合計値)を表示できる。あるいは、システム1000は、所定のタイミングで燃焼カロリー量を更新できる。当該所定のタイミングの例としては、ユーザが第1種のエクササイズの1セットを完遂し、第2種のエクササイズを開始したとき、トレーニングの終了時などが挙げられる。また、システム1000は、エクササイズにおける各繰返し運動中および各セットにおいて何カロリーが燃焼されたかをユーザに知らせうる。
【0094】
カロリー消費の判断(式(1)を用いたものなど)に用いられる少なくとも1つの入力と変数の少なくとも一方は、ユーザにより実行されるエクササイズの種別によらず、同一の値をとりうる。その他の値は変化してもよい。例えば、BMRは、トレーニング全体を通じて同一でありうる。ユーザの体重、身長、および年齢は、トレーニング中に大きく変化しないからである。また、活動因子、達成因子、乗算因子、および加算因子の少なくとも1つは、トレーニング中に変化しうる。数値と当該数値の変化の少なくとも一方は、現在ユーザによって行なわれているエクササイズの種別に依存しうる。
【0095】
達成因子は、反復運動ごとに変化しうる。上述の通り、システム1000は、エクササイズ中におけるユーザのフォームのモニタリング結果に基づいて達成因子を生成できる。一般に、エクササイズは、1つの繰返し運動を行なうにあたって一連の動きを含む。そして、ユーザは、複数の繰返し運動を含むセットを行なうことが普通である。ユーザのフォームは、反復運動ごとに変化しうる。よって達成因子が変化しうる。
【0096】
システム1000は、式(1)を用いて、達成因子に基づいて燃焼カロリーを判断できる。当該達成因子は、反復運動ごとに異なる場合があり、フィルタリングをされたものでありうる。達成因子をフィルタリングするために、システム1000は、例えば、少なくとも1つの繰返し運動について達成因子を判断し、当該達成因子の少なくとも1つの平均値を求め、当該平均値を式(1)に使用できる。また、システム1000は、重み付けされた平均値として達成因子を生成できる。具体的には、幾つかの繰返し運動に係る達成因子が、他の達成因子よりも重み付けされうる。例えば、システム1000は、減衰関数を適用できる。具体的には、平均値を生成するにあたって、より新しい達成因子が、より古い達成因子よりも重み付けされうる。
【0097】
また、システム1000は、ユーザに所望の動きを行なわせ、当該動きにより燃焼されたカロリー量を計算できる。一実施形態においては、検出された全ての動きが計算に利用されうる。別の実施形態においては、特定の動き(例えば、システムにサポートされたものと、実行を促されたものの少なくとも一方)のみが考慮されうる。システム1000は、ユーザの動きの分類を試みるために、撮像装置1026と各種センサの少なくとも一方からのデータを処理できる。例えば、システム1000は、ユーザの動きを他の既知の動きと比較できる。当該既知の動きについては、METテーブルが定義されている。ユーザの動きがMETテーブルの定義されている既知の動きに対応する場合、システム1000は、特定されたMETテーブルを燃焼カロリー量の計算に使用できる。
【0098】
ユーザの動きがMETテーブルにより定義されたエクササイズと合わない場合、システム1000は、少なくとも1つのエクササイズを特定できる。当該エクササイズは、ユーザにより行なわれた動きと同様の動きを含む。例えば、システム1000は、ユーザの下半身がスクワットと同様に動き、上半身が腕立て伏せと同様に動くことを判断できる。システム1000は、ユーザが燃焼するであろうカロリー数を、ユーザがスクワットや腕立て伏せを行なっていた場合に特定されるMETテーブルを用いて、ユーザにより燃焼されたカロリー量の近似値として計算できる。
別の実施形態においては、新規のエントリが生成されうる。すなわち、幾つかの実施形態は、当該エントリ、および新規の動きとエクササイズの少なくとも一方を後に識別することを許容できる。
幾つかの実施形態においては、ユーザが、識別されていない動きやエクササイズの近似カロリー消費に関する入力を行ないうる。
別の実施形態においては、システム1000が、ここに記載された少なくとも1つのセンサからのエネルギー消費を計算できる。
さらに別の実施形態においては、システム1000が、少なくとも1つのセンサ読み取り値およびユーザ(これに加えてあるいは代えて、第三者)からの入力を、それまで未知の動きやエクササイズに係る属性(カロリー消費など)の判断に利用できる。METテーブルを用いないカロリー消費の推定の例としては、ポテンシャルエネルギーの変化の判断が挙げられるが、これに限られるものではない。ポテンシャルエネルギーの変化を用いる例については、次節で説明される。
【0099】
システム1000は、燃焼カロリーの推定値をソーシャルネットワーキングウェブサイトに送信するように構成されうる。ユーザらは、所望の期間(日、週、月、年など)に燃焼されたカロリーの合計量に基づいてランク付けされうる。
図12を再び参照する。本方法は、ここで終了してもよいし、先行するいずれのブロックに戻ってもよい。