(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の図書を収容可能な複数のコンテナを保管可能な書庫部と、前記書庫部から搬送されたコンテナに対して図書の取出作業と格納作業とを行なう出納ステーションとの間で、前記コンテナの入庫と出庫が行われる自動書庫システムにおいて、
予め図書の初期状態である図書マスタ情報及び入庫日時と出庫日時とを含むコンテナマスタ情報を記憶する記憶部と、図書館の蔵書管理を行う図書館システムと双方向通信可能な制御部と、前記記憶部に記憶されている図書状態と前記図書館システムに記憶されている図書状態とを比較する比較手段と、前記比較手段による図書状態の比較結果が、前記記憶部に記憶されている図書状態が「非在荷」、前記図書館システムに記憶されている図書状態が「在荷」で一致しない場合に不明図書が発生していることを出力する出力手段とを有し、
前記比較手段による図書状態の比較は所定の間隔である日数で実行され、前記コンテナマスタ情報に基づき前記不明図書の取出日から前記出力手段により出力した日の間で入出庫されたコンテナをリストアップすることを特徴とする自動書庫システム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る自動書庫システムの実施形態について図面を用いて説明する。最初に自動書庫システムの機械的要素を説明し、その後に制御系を説明する。
図1に示す自動書庫システム1は、図書館の書庫部4内に配列され、複数の図書16が格納可能なコンテナ15を多数保管するコンテナ保管棚となるラック2A,2Bと、ラック2A,2Bの間に形成される通路5A,5Bを移動可能なスタッカークレーン6A,6Bと、各スタッカークレーンで運び出されるコンテナ15・・を搬送台車9へ搬送する搬送コンベア7,8と、搬送台車9との間でコンテナ15の受け渡しを行なう水平搬送コンベア38と、垂直搬送コンベア39と、コンテナ15が運ばれ作業者Mがコンテナ15に対して図書の取出作業と格納作業を行なう出納ステーション10と、受付カウンタ12等を有している。自動書庫システム1は、これらスタッカークレーン6A,6B及び搬送コンベア7,8と搬送台車9と水平搬送コンベア38と垂直搬送コンベア39で構成される搬送手段50で、図書16を格納したコンテナ15を、出納ステーション10とラック2A,2Bとの間で入庫と出庫を行う。
【0012】
ラック2A,2Bは、通路5A,5Bに対して前面に、列、連、段を有する単式と、通路5A,5Bに対して前面と後面に列、連、段を有する複式のものがある。
図1に示すラック2A,2Bは複式のみの
場合であり、通路5A,5Bと対面する区分は前面側、反対側を後面側としている。例えば、ラック2Bにおいて、符号201は前面側、符号202は後面側をそれぞれ示す。
図1においては複式のラックを例示したが、単式のものであってもよい。また、ラック2A,2Bには、書庫部4に固定するタイプと書庫部4内を移動可能なタイプ
とがあり、本形態では固定するタイプを例に説明するが、移動タイプのものであっても構わない。
【0013】
スタッカークレーン6A,6Bは、それぞれ通路5A,5B内を往復及び上下に移動してラック2A,2Bに保管されている複数のコンテナ15の中から搬送指示を受けたコンテナ15を選択し、搬送コンベア7,8の出庫用搬送コンベア7A,8Aへと搬送するとともに、搬送コンベア7,8の入庫用搬送コンベア7B,8Bに位置するコンテナ15をラック2A,2Bへと搬送する周知のものである。
搬送台車9は、搬送コンベア7,8と水平搬送コンベア38の間を往復移動してコンテナ15を搬送するもので、出庫用台車9Aと入庫用台車9Bが上下に配置されている。搬送コンベア7,8は、スタッカークレーン6A,6Bと搬送台車9との間でコンテナ15の受け渡しをするもので、スタッカークレーン6A,6Bから出庫用台車9Aへコンテナ15を搬送する出庫用搬送コンベア7A,8Aと、入庫用台車9Bからスタッカークレーン6A,6Bへコンテナ15を搬送する出庫用搬送コンベア7B,8Bがそれぞれ上下に配置されている。
【0014】
水平搬送コンベア38は、搬送台車9と垂直搬送コンベア39との間で、コンテナ15の搬送を行うもので、出庫用台車9Aから垂直搬送コンベア39Aへコンテナ15を搬送する出庫用水平搬送コンベア38Aと、垂直搬送コンベア39Bから入庫用台車9Bにコンテナ15を搬送する入庫用水平搬送コンベア38Bとが上下に配置されている。
【0015】
垂直搬送コンベア39は、
図2に示すように、出庫用水平搬送コンベア38Aで搬送されたコンテナ15を出納ステーション10へ搬送する出庫用垂直搬送コンベア39Aと、出納ステーション10からコンテナ15を入庫用水平搬送コンベア38Bへ搬送する入庫用垂直搬送コンベア39Bとを備えている。
【0016】
図1に示すように、出納ステーション10の内部には、ステーション内でコンテナ15を移動するステーションコンベア40が設置されている。ステーションコンベア40は、
図3に示すように、出庫用垂直搬送コンベア39Aからコンテナ15を受け取る出庫用ステーションコンベア40Aと、出納ステーション10から入庫用垂直搬送コンベア39Bへコンテナ15を搬送する入庫用ステーションコンベア40Bを備えていて、出納ステーション10と垂直搬送コンベア39との間でコンテナ15の受け渡しが行えるように構成されている。
【0017】
出納ステーション10は、
図2に示すように、書庫部4が位置する建物のフロアF1に対して異なるフロアF2に設置されている。このため、出納ステーション10は、垂直搬送コンベア39に接続されている。出納ステーション10と書庫部4の配置形態であるが、両者を同一フロアに設置する形態でも無論かまわない。この場合、垂直搬送コンベア39は不要となる。出納ステーション10や書庫部4の配置は、システムを導入する建物や利用形態に応じて適宜変更することができる。
【0018】
出納ステーション10は、
図4に示すよう
な外観を呈した筐体からなり、その手前側には作業用カウンタ18が、内部にはコンテナ15を搬送するための上記のステーションコンベヤ40が設置されている。筐体の側面には各種情報が表示される表示手段となるモニター20、作業完了ボタン23、筐体の上面には移動完了ランプ24がそれぞれ設けられている。作業完了ボタン23は、出納ステーション10において図書16の取出作業や格納作業が終了したコンテナ15を書庫部4に戻す際(入庫時)に操作されるもので、このボタン操作により完了信号が出力される。移動完了ランプ24は、書庫部4から運ばれたコンテナ15がステーションコンベヤ40の所定位置に到達した際に点灯するものである。
【0019】
作業用カウンタ18の上面には、図書情報読取手段21、マウス22、キーボード25等が設けられている。図書情報読取手段21は、図書16に設けられた図示しないICタグから図書情報を読み取るICタグリーダーで構成されている。ICタグには図書16を識別するための図書情報が記憶されている。ここではICタグとしたがバーコードなど図書を識別できるものであれば良い。図書16を格納するコンテナ15には、コンテナ15を識別するためのコンテナ情報が記憶された図示しないバーコードが設けられている。情報入力手段となるマウス22及びキーボード25は各種情報を入力する際に使用される。入力情報には、新規に図書16を登録する場合の図書情報、図書16を格納した日時(格納時間D2)などが含まれている。
【0020】
図4に示すように、出納ステーション10にはステーションコンベア40を覆うためのカバー28,28が設けられている。各カバー28にはそれぞれステーションの幅方向に開閉可能なドア29,29が設けられている。各ドア29は通常閉じられていて、コンテナ15が所定位置に到着した際に手動で開放される。これらモニター20、図書情報読取手段21、マウス22、作業完了ボタン23、移動完了ランプ24、キーボード25は、出納ステーション10に設置されているステーション端末61と通信可能に接続されている。
(制御系の説明)
自動書庫システム1は、
図5に示すように、サーバー機能を持つ制御部としてのシステム管理機60と、出納ステーション10に設けられ制御部及び出力手段として機能するステーション端末61と、制御部として機能する中央制御盤62とを備えている。システム管理機60とステーション端末61と中央制御盤62は、コンピュータで構成されていて、それぞれが互いに通信線で接続されていて、システム管理機60とステーション端末61と中央制御盤62との間で情報の通信がそれぞれ可能とされている。
【0021】
システム管理機60は、図書館の蔵書管理全般を行う図書館システム63と双方向通信可能に通信線を介して接続されていて、双方の間で各種情報の送受信が可能とされている。本形態において、図書館システム63からシステム管理機60には図書館システム63が管理する図書データが送信される。システム管理機60は記憶部70を備えている。この記憶部70は、データの更新が可能なもので、図書館システム63から送信された図書データを基に図書マスタ情報として記憶されるとともに、コンテナマスタ情報と棚番マスタ情報が記憶されている。つまり、システム管理機60はデータベース機能を有するとともに、スタッカークレーン6A,6Bや搬送手段50を構成する各コンベアの動作指令を中央制御盤62に送る機能を備えている。
【0022】
図書マスタ情報には、図書16の登録日、図書ID、タイトル、著者名、請求記号、サイズ、新規格納日、図書状態、コンテナID、取出日時、格納日時、取出回数などのデータが含まれている。
【0023】
コンテナマスタ情報には、コンテナID、コンテナ状態、棚番(号機・列・連・段・前後)、空きスペース、入庫日時、出庫日時、格納図書数などのデータが含まれている。
棚番マスタ情報とは、棚番(号機・列・連・段・前後)、棚状態、入庫日時、出庫日時などのデータが含まれている。
【0024】
システム管理機60は、出納ステーション10で図書16
が取出しもしくは格納される毎にステーション端末61からの図書取出通知もしくは格納通知および中央制御盤62からの各機器の状態通知によりコンテナマスタ情報と図書マスタ情報、棚番マスタ情報が更新され、図書16およびコンテナ15の在荷状態の管理を行うように構成されている。そして、システム管理機60は、その更新された内容のうち、図書状態データをイベントデータとして図書館システム63に送信する。つまり、自動書庫システム1から図書の出し入れが発生する度に図書取出しまたは格納情報(通知)が図書館システム63に送信され、それに応じて図書館システム63側の図書状態データが更新されることで、システム管理機60と図書館システム63の在荷状態が整合するように構成されている。
【0025】
システム管理機60と図書館システム63との間で送受される図書取出しまたは格納情報(通知)と、それと関連した図書状態データの一例を
図6に示す。なお、図書館システム63は自動書庫システム1の範囲外であるため、
図6に示す図書状態やイベントデータは一例であり、詳細は図書館システム63により異なるため、
図6の内容に限定されるものではない。
【0026】
システム管理機60には、記憶部70に記憶された各種情報を参照することで、図書16が格納されているコンテナ15の位置やラック2A,2Bの空き位置を検索することができる機能、コンテナ15内の空きスペースや、希望の空きスペースを有するコンテナ15の個数を検索する機能、出納ステーション10から入力される空きスペース指定や空コンテナ15の個数情報および出納ステーション10で図書16を格納するコンテナ指定情報が入力されることで該当するコンテナ15を引当てる機能、不明図書の可能性のある図書(不明候補図書)を検索してリストアップし、ファイルとして保存する機能を備えている。システム管理機60は、指定された図書16や引当てたコンテナ15や検索された不明候補図書があるコンテナ15を出納ステーション10に搬送するように中央制御盤62に動作指令(搬送指示)を送信する機能を備えている。この指令を受けた中央制御盤62はスタッカークレーン6A,6Bと搬送手段50の動作を制御する。
【0027】
システム管理機60は、記憶部70に記憶されている図書状態データと図書館システム63から送信された図書状態データとを比較する比較手段71を備えている。自動書庫システム1は、図書館システム63から送信された図書状態データつまり図書館システム63の図書状態データと記憶部70に記憶されている図書状態データの比較結果が一致しない場合に、不明図書が発生していることを出力する出力手段を備えている。本形態において、この出力手段はシステム管理機60が該当する。システム管理機60は、不明候補図書を検索してリストアップしたファイルを図示しないモニターに表示する機能を備えている。
【0028】
中央制御盤62は、スタッカークレーン6A,6Bに搭載されたクレーン制御盤6a,6bと、搬送台車9A,9Bに搭載された台車制御盤9a,9bと無線で通信可能に接続されており、クレーン制御盤6a,6b、台車制御盤9a,9bとを介してスタッカークレーン6A,6B、搬送台車9A,9Bを制御している。中央制御盤62は、搬送コンベア7,8と、水平搬送コンベア38と、垂直搬送コンベア39と、ステーションコンベア40のコンテナ搬送を制御している。
【0029】
ステーション端末61は、出納ステーション10での図書16の取出作業や格納作業において作業指示をする機能を備えている。ステーション端末61はマウス22やキーボート25を用いて、出納ステーション10で図書16を格納するコンテナ15を出庫指定するため、コンテナ15の空きスペース指定、空きコンテナ15の個数指定、コンテナID指定などのコンテナ検索条件を入力し、これら情報をシステム管理機60に送信する機能と、システム管理機60から送信された検索結果を表示する機能を備えている。
【0030】
図書館システム63は自動書庫システム1とは異なる図書館独自のシステムではあるが、各種データの送受信は逐次システム管理機60と行う構成となっている。例えば、
配架場所が自動書庫システム1である図書16は、初めに図書データを自動書庫システム1側に図書マスタ情報として登録しておかなければならない。このため、図書館システム63側から図書データが通信線を介してシステム管理機60に送信され、自動書庫システム1側では図書マスタ情報として記憶部70に登録する。システム管理機60からは、自動書庫システム1側で図書16の出し入れが発生する度に、図書取出しまたは格納情報(通知)が図書館システム63に送信され、それに応じて図書館システム63側では図書状態データの更新がなされる。このため、システム管理機60と図書館システム63における図書16の図書状態データの整合性が取られていない、すなわち一致していない場合は、不明図書
が発生している可能性があると考えられる。
【0031】
そこで、自動書庫システム1では、
図7のフローチャートに示す不明図書抽出処理をシステム管理機60で実行する。
図7において、ステップST1では、比較手段71において図書館システム63とシステム管理機60の図書状態データを比較照合して不整合な図書状態データを抽出する。ステップST2では、この抽出した不整合な図書状態データがある場合に、システム管理機60は不整合な図書状態データに基づき不明候補図書の一覧を作成(リストアップ)する。
【0032】
ここで、1つの方法としては、不明候補図書の一覧ファイルをステーション端末61に送信し、ステーション端末61が不明候補図書の一覧をモニター20に表示するようにしても良い。このように図書館システム63と自動書庫システム1の図書状態データを照合して不整合データを抽出し、抽出された不整合な図書状態データに基づき不明候補図書の一覧(リストアップ)を作成することで、不明図書が発生した可能性があることを、出納ステーション10にいる作業者Mや関係者(図書館担当者)などに知らせることができる。
【0033】
ただ、不整合な図書状態データに基づき不明候補図書の一覧を作成しただけでは、リストアップされた図書の所在が明確でないため、本形態ではステップST3以降において、リストアップされた図書の所在を確認する一例を示す。
【0034】
図書状態データの不整合の例として図書館システム63側が「在荷」でシステム管理機60側が「非在荷」であった場合、つまりデータ上は、該当図書16は自動書庫システム1に非在荷である場合には、ステップST3で不整合となった図書16の取出日時〜リストアップされた日の間で入出庫されたコンテナ15を、記憶部70のデータからリストアップする。これは、不明図書が格納されている可能性があるコンテナ15を検索するものである。
【0035】
例えば、不一致な在荷データは1件であったが、所定期間内で入出庫されたコンテナ15が20個の場合、不明候補図書の検索範囲が20個のコンテナに狭められる。このように、不一致な在荷データの発生期間を所定期間内に限定することで、不明候補図書の範囲を絞り込むことができる。取出日時からリストアップ実施日の期間が短い程、不明図書が格納されている可能性が高いコンテナ15の数を少なくすることができる。
【0036】
ステップST4では、ステップST3で絞り込まれたコンテナ15の出庫処理を行う。ここでは、システム管理機60が中央制御盤62に動作指令(搬送指示)を送信し、この指令を受けた中央制御盤62はスタッカークレーン6A,6Bと搬送手段50の動作を制御して、所定期間内に入出庫されたコンテナ15を出納ステーション10へと搬送する。
【0037】
ステップST5では、出納ステーション10へと搬送されたコンテナ内に不明候補図書が有るか否かを作業者Mが目視で確認する。該当する図書16があった場合にはステップST6へと進み、その図書16に対する格納処理を行う。格納処理では、該当する図書16の
ICタグを図書情報読取手段21で読み取りを行う。この読み取りを行うと、図書格納通知がステーション端末61を介してシステム管理機60へと送られて、該当する図書状態データが書き換えられるとともに、図書館システム63にもシステム管理機60を介して図書格納通知が送信され、図書館システム63側の図書状態データの更新が行われる。
【0038】
ステップST5において、該当する図書、つまり不明候補図書がない場合には、ステップST7に進んで、別なコンテナが有るか否かが判断され、該当するコンテナ15が有る場合には、ステップST4に戻ってコンテナ15の出庫処理が実行される。本形態では候補に挙がったコンテナ15は20個であったので、ステップST7からステップST4へと一度戻されて、最初のコンテナ15とは別なコンテナ15内に不明候補図書が有るか否かを作業者Mが目視で確認する。そして、該当する図書16がある場合には格納処理を行う。
【0039】
一方、ステップST7において該当するコンテナ15がない場合、あるいは無くなった場合にはステップST8に進んで、自動書庫システム1以外に不明候補図書がある、すなわち
配架されているものとして、モニター20にその旨の内容を表示してこの制御を終える。
【0040】
一方、例えば、図書状態データの不整合が図書館システム63側で「非在荷」であり、システム管理機60側で「在荷」であった場合、つまりデータ上は、該当図書16は自動書庫システム1に在荷である場合には、ステップST4で実際に該当図書16を出納ステーションへ出庫指示をし、ステップST5で到着したコンテナ内に該当図書16が格納されているか否かを確認する。
【0041】
ここでコンテナ内に該当図書16があった場合は、図書館システム63側の図書状態データを修正する。コンテナ内に該当図書16が無い場合は、システム管理機60側の図書状態データを修正し、該当図書が格納されている可能性があるコンテナをST3以降と同様に検索し該当図書を確認の上、システム管理機63側の図書状態データを修正する。
【0042】
このように、絞り込まれたコンテナ15内を作業者Mが目視で確認し、不明候補図書がない場合には、発生した不明図書
は自動書庫システム1側にないことが明確になり、不明図書
の発生場所の切り分けを行え、探す範囲をより狭めることができる。また、絞り込まれたコンテナ15内に不明候補図書がある場合には、不明図書の存在が明らかになるの
で不明図書は発生していないことがわかる。また、前記のように図書館システム63とシステム管理機60の図書状態データを比較するにあたって、自動書庫システム運用中
は頻繁に互いの図書状態データが遷移するため、自動書庫システム
1の運用時間外に比較処理を行う方が良い。比較実施の間隔としては検索範囲を狭めるためにも毎日実施することが望ましい。このように、不明図書発生の早期な検出
や検索も短時間にすることができ、不明図書を低減
し図書の維持管理を適切に行える。
【0043】
次に、
図8,
図9を用いて制御系の別な形態について説明する。
本形態に係る制御系では、システム管理機60Aと図書館システム63とがそれぞれ所有している図書状態データの不一致による不明図書の検索ではなく、システム管理機60Aが記憶している図書マスタ情報の登録日時と新規格納日時の比較による不明図書の検索を行う。
図8に示す各部の機能は、
図5に示す各部の機能と略同一であるが、システム管理機60Aで行う不明図書抽出処理の判定条件が、図書状態データではなく、図書マスタ情報の登録日時と新規格納日時である点で相違している。
【0044】
具体的には、
図8に示すシステム管理機60Aが備えている記憶部70Aと比較手段71Aが
図5に示す記憶部70と比較手段71と異なる以外は、
図5に示す構成と略同一であるので、同一構成についての説明は省略し、制御内容について説明する。
【0045】
図8に示す制御系において、記憶部70Aには、図書館システム63よりシステム管理機60Aに送信される図書データおよび図書データが図書マスタ情報として登録された登録日時D1と、図書マスタ情報に該当する図書16が出納ステーション10より新規に格納された新規格納日時D2とが記憶部70Aに記憶される。比較手段71Aでは、記憶部70Aに記憶されている登録日時D1と新規格納日時D2とを比較し、新規格納日時D2が登録日時D1から所定期間D3内に更新されていない場合、所定期間D3内に更新されていない図書マスタ情報に該当する図書16を不明候補図書として抽出し、一覧としてリストアップするとともに、併せて該当する図書が格納されている可能性があるコンテナ15も検索して一覧としてリストアップする機能を備えている。所定期間D3は、記憶部70Aに予め設定しておく形態でも良いし、キーボード25等を設定手段として用いて適宜変更可能としてもよい。
【0046】
自動書庫システム1では、
図9のフローチャートに示す不明候補図書抽出処理をシステム管理機60Aで実行する。
【0047】
図9において、ステップST11では、記憶部70Aに記憶されている登録日時D1と新規格納日時D2を読み込む。ステップST12では新規格納日時D2が登録日時D1から所定期間D3内に更新されているか否かを判定する。ここでは、新規格納日時D2が所定期間内D3内に更新されている場合には、適正な図書管理が成されているものとして、この制御を終える。所定期間内D3内に更新されていない場合には、更新が適正に行われていない図書16と判断する。ステップST13では、このように更新が所定期間D3に行われていない図書マスタ情報を用いて、不明候補図書の一覧を作成(リストアップ)し、ファイルを出力する。
【0048】
ステップST14では、不明候補図書の一覧ファイルをステーション端末61に送信し、ステーション端末61が不明候補図書の一覧をモニター20に表示する。このように自動書庫システム1の図書マスタ情報の、新規格納日時D2と登録日時D1とを所定期間D3を基準にして照合して不適合データを抽出し、抽出された不整合な図書マスタ情報に基づき不明候補図書の一覧ファイル(リストアップ)を作成するので、不明図書が発生したことを、出納ステーション10にいる作業者Mなどに知らせることができる。
【0049】
登録日時D1と新規格納日時D2との比較により不明候補図書を抽出しているので、まだ図書移管作業の途中で自動書庫システム1に新規格納する前であったり、当初自動書庫システム1に
配架する予定であったが、
配架場所が自動書庫システム1以外に変更になったりする場合も考えられるが、ステップST15以降
は不明候補図書が自動書庫システム1内に実際は在荷であるか否かを確認する方法を示す。
【0050】
ステップST15では、モニター20に表示されている不明候補図書の一覧、すなわち、検索結果に基づいて抽出された不明候補図書が格納されている可能性があるコンテナ15、つまり登録日時D1から不明候補図書抽出処理日までの間に入出庫履歴のあるコンテナ15の出庫処理を行う。ここでは、システム管理機60Aが中央制御盤62に動作指令(搬送指示)を送信し、この指令を受けた中央制御盤62はスタッカークレーン6A,6Bと搬送手段50の動作を制御して、登録日時D1から不明候補図書抽出処理日までに入出庫されたコンテナ15を出納ステーション10へと搬送する。
【0051】
ステップST16では、出納ステーション10へと搬送されたコンテナ内に不明候補図書が有るか否かを作業者Mが目視で確認する。該当する図書16が有った場合にはステップST17へと進み、その図書16に対する格納処理を行う。格納処理では、該当する図書16の
ICタグを図書情報読取手段21で
読み取る。この読み取りを行うと、読取った図書16の図書データがステーション端末61を介してシステム管理機60Aへと送られて、記憶部70Aに記憶されている該当する新規格納日時D2が更新される。
【0052】
ステップST16において、該当する図書、つまり不明候補図書がない場合には、ステップST18に進んで、調査すべき別のコンテナが有るか否かが判断され、該当するコンテナ15が有る場合には、ステップST15に戻ってコンテナ15の出庫処理が実行される。
【0053】
一方、ステップST18において該当するコンテナ15がない場合、あるいは該当するコンテナを全て調査完了した場合にはステップST19に進んで、自動書庫システム1以外の場所に不明候補図書がある、すなわち
配架されているものとして、モニター20にその旨の内容を表示してこの制御を終える。
【0054】
このように、不明候補図書抽出処理により絞り込まれたコンテナ15内を作業者Mが目視確認し、不明候補図書がない場合に
は発生した不明図書
は自動書庫システム1以外の場所に
配架されていることが明確になり、不明図書発生場所の切り分けを行
え探す範囲をより狭めることができる。
【0055】
次に、
図10,
図11を用いて制御系の別な形態について説明する。
本形態に係る制御系では、システム管理機60Bと図書館システム63とがそれぞれ所有している図書状態データの不一致による不明図書の検索ではなく、出納ステーション10で図書16が取出しされた図書取出日時T1と出納ステーション10で図書16が格納された図書格納日時T2とを比較して、図書取出日時T1が図書格納日時T2よりも新しく、且つ図書格納日時T2が図書取出日時T1から所定時間T3内に更新されていない図書マスタ情報に該当する図書16を不明図書とするものである。
【0056】
図10に示す各部の機能は、
図5に示す各部の機能と略同一であるが、システム管理機60Bで行う不明図書抽出処理の判定条件が、図書状態データではなく、図書取出日時T1と図書格納日時T2である点で相違している。
【0057】
具体的には、
図10に示すシステム管理機60Bが備えている記憶部70Bと比較手段71Bが
図5に示す記憶部70と比較手段71と異なる以外は、
図5に示す構成と略同一であるので、同一構成についての説明は省略し、制御内容について説明する。
【0058】
図10に示す制御系において、記憶部70Bでは、出納ステーション10で図書16の取出操作を行うたびに図書取出日時T1が更新されると共に、図書取出日時T1が記憶される。同様に出納ステーション10で図書16の格納操作を行うたびに図書格納日時T2が更新されると共に、図書格納時間T2が記憶される。
【0059】
比較手段71Bでは、記憶部70Bに記憶されている図書取出日時T1と図書格納時間T2とを比較する。システム管理機60Bは、比較手段71Bでの比較の結果、図書取出日時T1が図書格納日時T2よりも新しく、且つ図書格納日時T2が図書取出日時T1から所定時間Т3内に更新されていない図書マスタ情報に該当する図書16を不明候補図書として抽出し、一覧としてリストアップするとともに、併せて該当する図書16が格納されている可能性があるコンテナ15も検索して一覧としてリストアップする機能を備えている。所定時間T3は、記憶部70Bに予め設定しておく形態でもよいし、キーボード25等を設定手段として用いて適宜変更可能としてもよい。
【0060】
自動書庫システム1では
図11のフローチャートに示す不明図書抽出処理をシステム管理機60Bで実行する。
【0061】
図11において、ステップST21では、記憶部70Bに記憶されている図書マスタ情報の図書取出日時T1と図書格納日時T2を読み込む。ステップST22では図書取出日時T1が図書格納日時T2よりも新しい日時であるか否かを判断するとともに、図書格納日時T2が図書取出日時T1から所定時間T3内に更新されているか否かを判定する。所定時間内T3内に更新されている場合には、適正な図書管理が成されているものとして、この制御を終える。図書取出日時T1が所定時間内T3内に更新されていない場合には、更新が適正に行われていない図書16と判断する。ステップST23では、このように更新が所定時間T3に行われていない図書取出日時T1の図書マスタ情報に該当する図書16を不明候補図書として抽出し、一覧としてリストアップする。
【0062】
ステップST24では、不明候補図書の一覧ファイルをステーション端末61に送信し、ステーション端末61が不明候補図書の一覧をモニター20に表示する。このように自動書庫システム1の図書マスタ情報の、図書格納日時T2と図書取出日時T1とを所定時間T3を基準にして照合して不適合データを抽出し、抽出された不適合な図書マスタ情報に基づき不明候補図書の一覧ファイル(リストアップ)を作成することで、不明図書が発生したことを、出納ステーション10にいる作業者Mなどに知らせることができる。
【0063】
ステップST25では、モニター20に表示されている不明候補図書の一覧、すなわち、検索結果に基づいて抽出された不明候補図書が格納されている可能性があるコンテナ15の出庫処理を行う。ここでは、システム管理機60Bが中央制御盤62に動作指令(搬送指示)を送信し、この指令を受けた中央制御盤62はスタッカークレーン6A,6Bと搬送手段50の動作を制御して、所定期間内に入出庫されたコンテナ15を出納ステーション10へと搬送する。
【0064】
ステップST26では、出納ステーション10へと搬送されたコンテナ内に不明候補図書が有るか否かを作業者Mが調べる。該当する図書16があった場合にはステップST27へと進み、その図書16に対する格納処理を行う。格納処理では、該当する図書16の
ICタグを図書情報読取手段21で
読み取る。この読み取りを行うと、読取った図書16の図書データがステーション端末61を介してシステム管理機60Bへと送られて、記憶部70Bに記憶されている該当する図書格納日時T2が更新される。
【0065】
ステップST26において、該当する図書、つまり不明候補図書がない場合には、ステップST28に進んで、調査すべき別のコンテナが有るか否かが判断され、該当するコンテナ15が有る場合には、ステップST25に戻ってコンテナ15の出庫処理が実行される。
【0066】
一方、ステップST28において該当するコンテナ15がない場合、あるいは無くなった場合にはステップST29に進んで、自動書庫システム1以外の場所に不明候補図書がある、すなわち
配架されているものとして、モニター20にその旨の内容を表示してこの制御を終える。
【0067】
このように、絞り込まれたコンテナ15内を作業者Mが確認し、不明候補図書がない場合には、発生した不明図書は、自動書庫システム1側にないことが明確になり、不明図書の発生場所の切り分けを行え、探す範囲をより狭めることができる。また、絞り込まれたコンテナ15内に不明候補図書がある場合には、不明図書の存在が明らかになったので、不明図書は発生していないことがわかる。このため、不明図書発生の早期な検出や、検索も短時間にすることができ、不明図書を低減し、図書の維持管理を適切に行える。
【0068】
上記の自動書庫システム1の運用は、各制御部の電源投入遮断処理が予め設定された時間に自動で行われている。このため、自動書庫システム1の運用が終了した時点で上記制御部による制御処理内容を自動で実行するように設定し、処理が終了したら各制御部をシャットダウンするようにしておけば、翌日に担当者がただちにリストアップされたコンテナの調査を行うことが可能となる。この場合、各形態において実行する制御処理は、検出結果に基づき該当するコンテナ15の出庫処理の手前まで行っておく。つまり、
図7に示す制御処理ではステップST3まで、
図9に示す制御処理ではステップST14まで、
図11に示す制御処理ではステップST24まで実行しておく、あるいは各比較手段による処理の実行頻度を例えば所定の間隔となる日数として1日に設定しておく。これら処理は、
図7,
図9,
図11では、コンテナ15の出庫処理と同一の処理としているが、
図7のステップST1〜ステップST3までの処理、
図9のステップST11〜ステップST14までの処理、
図11のステップST21〜ステップST24までの処理を個別な処理フローとして行うようにしても良い。この所定の間隔は、キーボード25等の設定手段によって任意に設定することができる。
【0069】
上記各形態では、抽出結果となる不明候補図書の一覧をモニター20に表示するだけではなく、担当者に自動でメール配信するようにしても良い。この場合、条件に合致するものが抽出されたときのみ通知するようにするのも良い。また、処理の実行頻度をできるだけ短期間に設定する方が、後の検索に時間が掛からないため、各制御部による不明候補図書抽出処理は例えば毎日実行するなどした方が望ましい。
【0070】
上記各形態では、予め不明候補図書の一覧(リストアップ)を作成し、この一覧に基づきコンテナ入出庫履歴を後に検索するようにしているが、双方併せて合致する条件のコンテナ15もリストアップするようにしても良い。
【0071】
特開2002−338011号公報に示すような、出納ステーション10の開口部に、
図4に示す図書ID読み取り忘れ防止用のセンサ27をステーション端末61に接続して配置した場合、実際の運用において、このセンサ27が働き、ステーション端末61にエラーが表示されることもある。この場合、ステーション端末61はこれらのエラーログを全て保存する機能を設けることで、不明図書が格納されている可能性が高いコンテナ15の抽出の手助けに使用することも可能である。
【0072】
エラーが発生したコンテナ15に不明図書が格納されている可能性は、その他のエラーが発生していないコンテナ15に比して高いため、実際に不明図書を検索するときの優先順位を高くするようにする。例えば、
図7のステップST3で不明候補図書の一覧(リストアップ)に基づいてコンテナ15を検索する場合、エラー発生があるか否かを判定条件に加え、検索されたコンテナ15の中から、さらにエラー発生履歴のあるコンテナ15が最優先に出庫されるようにすることで、より早く不明図書を検索することができるようになる。