特許第5779811号(P5779811)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5779811
(24)【登録日】2015年7月24日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】複合ケーブル
(51)【国際特許分類】
   H01B 11/20 20060101AFI20150827BHJP
   H01B 7/00 20060101ALI20150827BHJP
【FI】
   H01B11/20
   H01B7/00 310
【請求項の数】1
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-240488(P2013-240488)
(22)【出願日】2013年11月20日
(65)【公開番号】特開2015-103276(P2015-103276A)
(43)【公開日】2015年6月4日
【審査請求日】2015年3月24日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000145530
【氏名又は名称】株式会社潤工社
(74)【代理人】
【識別番号】100098279
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 聖
(72)【発明者】
【氏名】安達 智弘
(72)【発明者】
【氏名】宗像 俊輔
【審査官】 北嶋 賢二
(56)【参考文献】
【文献】 特表平9−511359(JP,A)
【文献】 特表2002−515632(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 11/20
H01B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外被の内側にチューブと複数本のケーブルとを有する複合ケーブルであって、該複合ケーブルは、被試験ケーブルとして当該複合ケーブル全体を輪にして吊り下げた際、当該輪の内径幅の最大値をD1とし、当該輪に1kgの荷重を加え前記輪の上端から100mmの位置における輪の内径幅をD2として計測した場合にD1−D2>70mm となるものであり、且つ、前記チューブは、部分的又は全体的に多孔質ポリテトラフルオロエチレンから成る層を有し、該チューブの層の外径(D)、内径(d)とした場合に(D−d)/Dが0.27〜0.75の範囲内のものであり、且つ当該ePTFEにおけるポーラス構造の平均クレバス幅が、前記(D−d)/Dが0.27の場合に最小値10.0μm、最大値20.0μmとなる2点及び前記(D−d)/Dが0.75の場合に最小値16.0μm、最大値27.0μmとなる2点の4点を結んだ領域内にある所定のポーラス構造を有するものであることを特徴とする複合ケーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合ケーブルに関し、特に、外被の内側にチューブと複数本の信号線・電源線等のケーブルを有する複合ケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療機器等の分野において、光ファイバを挿通し或いは冷却用の流体を還流させる等のチューブと複数本の信号線・電源線等のケーブルとをケーブル外被の内側に有する複合ケーブルが用いられている。このような従来の複合ケーブルの一例として、特許文献1には、外被の内側に光ファイバと複数本の電線とを有する複合ケーブルであって、光ファイバは所定の硬度の保護チューブ内に収容され、保護チューブの周囲に複数本の電線が配置された複合ケーブルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−9156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来の複合ケーブルでは、一般に、チューブの折れ曲がり(潰れ)を防止することで、内部の光ファイバを保護し或いは流体を還流させ、チューブの詰まりを防止する必要があり、特に、チューブ内に流体を還流させるものではその密封性(気密性・液密性)を確保する必要もある。一方、例えば医療機器とそのプローブとを接続するケーブル等の用途では、プローブの操作に応じてケーブルが柔軟に変形する必要が高いので、複合ケーブルが全体として可撓性・柔軟性に富むのが好適である。上記特許文献1記載の複合ケーブルでは、光ファイバを収容するチューブとして、充実構造のテトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)で構成され、樹脂ショアD硬度が65以上の保護チューブが用いられており、チューブの折れ曲がりを回避することで内部の光ファイバを保護する点では優れているが、硬度が高いチューブを含むために複合ケーブル全体としての可撓性・柔軟性が得られ難いという問題があった。この問題に対し、チューブの肉厚を薄くする等により可撓性等を得ようとするだけでは、チューブの折れ曲がり(潰れ)を有効に防止できない等、複合ケーブル全体としての品質安定性が害される虞もある。このため、可撓性と潰れ特性の双方の特性を両立させつつ向上させることにより、複合ケーブル全体としての品質安定性を更に高める技術の開発が待たれていた。
【0005】
本発明は、上記のような課題に鑑みなされたものであり、その目的は、可撓性と潰れ特性の双方の特性を向上させることにより高い品質安定性が得られる複合ケーブルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記のような全体としての品質安定性と可撓性等をバランス良く得られる複合ケーブルの構造を鋭意研究した結果、複合ケーブル内部のチューブの微視的(電子顕微鏡的)構造に着目し、かかるチューブの構造が充実タイプの複合ケーブルでは、ケーブル全体の柔軟性・可撓性を得にくい一方、チューブの構造をポーラス状にすれば、ケーブル全体の柔軟性・可撓性が得られるものの、チューブの折れ曲がり(潰れ)特性が悪化する虞があることに着目し、更にチューブの構造(材質・試験特性・肉厚・ポーラス形状・多層構造)やチューブ周囲の信号線との関係(信号線の内部導体の外径)について詳細な研究を進めた結果、全体として品質安定性を確保しつつ可撓性等も得られる複合ケーブルの構造を見出した。
【0007】
即ち、上記目的達成のため、本発明の複合ケーブルは、外被の内側にチューブと複数本のケーブルとを有する複合ケーブルであって、該複合ケーブルは、被試験ケーブルとして当該複合ケーブル全体を輪にして吊り下げた際、当該輪の内径幅の最大値をD1とし、当該輪に1kgの荷重を加え前記輪の上端から100mmの位置における輪の内径幅をD2として計測した場合にD1−D2>70mm となるものであり、且つ、前記チューブは、部分的又は全体的に多孔質ポリテトラフルオロエチレン(以下、ePTFEと略称する場合がある)から成る層を有し、該チューブの層の外径(D)、内径(d)とした場合に(D−d)/Dが0.27〜0.75の範囲内のものであり、且つ当該ePTFEにおけるポーラス構造の平均クレバス幅が、前記(D−d)/Dが0.27の場合に最小値10.0μm、最大値20.0μmとなる2点及び前記(D−d)/Dが0.75の場合に最小値16.0μm、最大値27.0μmとなる2点の4点を結んだ領域内にある所定のポーラス構造を有するものであることを特徴とする。
【0008】
かかる構成によれば、前記チューブは、部分的又は全体的にePTFEから成るので、例えば、充実構造のチューブを用いた従来の複合ケーブルに比べ、可撓性・柔軟性が向上する。更に、前記チューブは、該チューブの外径(D)、内径(d)とした場合に(D−d)/Dが0.27〜0.75の範囲内のものであり、且つ当該ePTFEにおけるポーラス構造の平均クレバス幅が、前記(D−d)/Dが0.27の場合に最小値10.0μm、最大値20.0μmとなる2点及び前記(D−d)/Dが0.75の場合に最小値16.0μm、最大値27.0μmとなる2点の4点を結んだ領域内にある所定のポーラス構造を有するので、良好な耐潰れ特性も得られる。ここで、前記チューブは、部分的又は全体的に多孔質ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)から成るが、そのポーラス構造とは、多孔質という場合における空孔率のように空孔の占める割合ではなく、上記のように、そのポーラスのクレバス幅に着目した概念である。
【0009】
即ち、本発明者の知見では、ePTFEから成り、外径(D)、内径(d)とした場合に(D−d)/Dが0.27〜0.75の範囲内となるチューブにおいて、かかるポーラス構造の平均クレバス幅が、前記(D−d)/Dが0.27の場合に最小値10.0μm、最大値20.0μmとなる2点及び前記(D−d)/Dが0.75の場合に最小値16.0μm、最大値27.0μmとなる2点の4点を結んだ領域内にある場合に、チューブの可撓性・柔軟性と耐潰れ特性とをバランス良く得ることができる。更に、前記複合ケーブルは、被試験ケーブルとして当該複合ケーブル全体を輪にして吊り下げた際、当該輪の内径幅の最大値をD1とし、当該輪に1kgの荷重を加え前記輪の上端から100mmの位置における輪の内径幅をD2として計測した場合にD1−D2>70mm となるものであることから、複合ケーブル全体としての可撓性・柔軟性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1の実施形態の複合ケーブルの一部拡大断面図である。
図2】本発明の第1の実施形態の複合ケーブルのチューブの電子顕微鏡写真であり、所定のポーラス構造の定義を説明するものである。
図3】本発明の第1の実施形態の複合ケーブルに対して実施した各種試験における試験ケーブルの一部拡大断面図である。
図4】本発明の第1の実施形態の複合ケーブルに対して実施した可撓性評価試験の方法を示す図である。
図5】本発明の第1の実施形態の複合ケーブルに対して実施した側圧性能評価試験の方法を示す図である。
図6】本発明の第1の実施形態の複合ケーブルに対して実施した耐R性能評価試験の方法を示す図である。
図7】ポーラス構造により可撓性が向上する作用機序(メカニズム)を説明するための図である。
図8】ポーラス構造により耐側圧性が向上する作用機序(メカニズム)を説明するための図である。
図9】ポーラス構造における平均クレバス幅についての好適な範囲を示すグラフである。
図10】本発明の第2の実施形態の複合ケーブルの一部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に説明する実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の成立に必須であるとは限らない。 図1は、本発明の第1の実施形態の複合ケーブルの一部拡大断面図である。図1に示すように、本実施形態の複合ケーブル1は、この複合ケーブル1の断面中央に配置されたチューブ2と、チューブ2の周囲に配置された複数本のケーブルユニット7とを有する。チューブ2は、内腔2Aを有しており、この内腔2Aには、図示しない光ファイバ等が挿通される。チューブ2の外周面には、テープ3が巻かれており、このテープ3の外側は、ケーブル収容部Cとされている。このケーブル収容部Cには、テープ3の外周に亘って複数本のケーブルユニット7と介在13が配置され、相互に撚り合わされている。撚り合わされたケーブルユニット7等は、その外側を押さえ巻きテープ6により押さえ巻きされ、この押さえ巻きテープ6の外側には、一括シールド層5によりシールドされており、この一括シールド層5の外側に、最外層であるケーブル外被4が設けられている。尚、ケーブル収容部Cの厚さ(テープ3の外周と押さえ巻きテープ6の内周との距離)は、ケーブルユニット7及び介在13の外径と同等、またはそれより僅かに大きいことが好ましい。各ケーブルユニット7は、例えば、ツイストペアケーブル、同軸ケーブルあるいは絶縁ケーブル等であり、例えば、AWG(American Wire Gauge)の規格によるAWG38〜55程度のケーブルである。また、各ケーブルユニット7は、内側に複数本の電線を配置し、その外側に複数本の信号線8等を配置したユニットであり、各信号線8は、錫メッキが施された軟銅線または銅合金線からなる内部導体9を中心に配置し、その周囲の誘電体10を介して、内部導体9と同軸に外部導体11を配置し、その周面を絶縁被覆12により被覆した極細同軸ケーブル等である。内部導体9の外径は、それぞれ0.123mm以下であるのが好適である。即ち、本発明者の知見では、複合ケーブル全体としての硬さが、チューブの硬さのみならず、チューブの周囲の信号線等の内部導体の硬さにも依存し、内部導体9は外径が大きいほど硬くなるので、これら内部導体9の外径を、それぞれ0.123mm以下にすることで、複合ケーブル全体としての柔軟性・可撓性を更に向上させ得ることが判明している。
【0012】
尚、本発明の複合ケーブルは、チューブ2と、複数本のケーブル(ユニット)7とを有するものであれば、それ以外の構造、即ち、押さえ巻きテープ6、一括シールド層5及びケーブル外被4の詳細、更に、ケーブル(ユニット)7の本数や、各ケーブルユニット7の構造は問われない。また、ケーブルユニット7が撚り合わされていないものでも良い。
【0013】
本実施形態の複合ケーブル1の大きな特徴を構成するチューブ2は、多孔質ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)から成り、チューブ2の外径(D)、内径(d)とした場合に(D−d)/Dが0.27〜0.75の範囲内のものにより形成される。また、チューブ2のePTFE層におけるポーラス構造のクレバス幅が、上記(D−d)/Dが0.27の場合に最小値10.0μm、最大値20.0μmとなる2点及び上記(D−d)/Dが0.75の場合に最小値16.0μm、最大値27.0μmとなる2点の4点を結んだ領域内にある所定のポーラス構造を有するものである。
【0014】
信号線8は、例えば、錫メッキが施された軟銅線または銅合金線からなる細径の素線を7本撚り合わせた外径0.30mmの導体を有している。そして、この導体を厚さ0.14mmの絶縁性を有する外被によって覆うことにより、外径が0.58mmの電線15とされている。また、電力線としての電線15は、例えば、錫メッキが施された軟銅線または銅合金線からなる外径0.127mmの素線を7本撚り合わせた外径0.38mmの導体を有している。そして、この導体を厚さ0.1mmの絶縁性を有する外被によって覆うことにより、外径が0.58mmの電線15とされている。信号線と電力線が二本ずつ振り分けられている。絶縁被覆12の材料としては、例えば、耐熱性、耐薬品性、非粘着性、自己潤滑性などに優れたテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)樹脂を用いることができる。押さえ巻きテープ6としては、例えば、耐熱性、耐摩耗性などに優れたポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂から形成された樹脂テープを用いることができるが、紙テープやポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂の樹脂テープを用いても良い。一括シールド層5は、例えば、外径数十μmの錫メッキされた銅合金線を編組したものにより形成されるが、銅合金線を横巻きしても良く、また、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂から形成された樹脂テープに銅箔やアルミニウム箔が形成された金属樹脂テープを巻いても良い。ケーブル外被4は、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)やポリオレフィン系樹脂等から形成されている。ケーブル外被4は、例えば、厚さが約0.25mmであり、外径は3.0mmである。
【0015】
このように構成された複合ケーブル1によれば、チューブ2がePTFEから成るので、例えば、充実構造のポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと略称する場合がある)のみから成るチューブを用いた従来の複合ケーブルに比べ、可撓性・柔軟性が向上する。更に、チューブ2は、チューブ2の外径(D)、内径(d)とした場合に(D−d)/Dが0.27〜0.75の範囲内のものであり、且つ上記ePTFEにおけるポーラス構造のクレバス幅が、上記(D−d)/Dが0.27の場合に最小値10.0μm、最大値20.0μmとなる2点及び上記(D−d)/Dが0.75の場合に最小値16.0μm、最大値27.0μmとなる2点の4点を結んだ領域内にある所定のポーラス構造を有するので、良好な耐潰れ特性も得られる。ここで、チューブ2は、多孔質ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)から成るが、そのポーラス構造とは、多孔質という場合における空孔率のように空孔の占める割合ではなく、上記のように、そのポーラスのクレバス幅に着目した概念である。本発明者の知見では、ePTFEから成り、外径(D)、内径(d)とした場合に(D−d)/Dが0.27〜0.75の範囲内となるチューブにおいて、かかるポーラス構造のクレバス幅が、上記(D−d)/Dが0.27の場合に最小値10.0μm、最大値20.0μmとなる2点及び上記(D−d)/Dが0.75の場合に最小値16.0μm、最大値27.0μmとなる2点の4点を結んだ領域内にある場合に、チューブの可撓性・柔軟性と耐潰れ特性とをバランス良く得ることができる。更に、前記複合ケーブルは、被試験ケーブルとして当該複合ケーブル全体を輪にして吊り下げた際、当該輪の内径幅の最大値をD1とし、当該輪に1kgの荷重を加え前記輪の上端から100mmの位置における輪の内径幅をD2として計測した場合にD1−D2>70mm となるものであることから、複合ケーブル全体としての可撓性・柔軟性を確保することができる。また、内部導体9の外径を、それぞれ0.123mm以下にしているので、チューブ2へのケーブル(ユニット)7の信号線8からの過剰な側圧の付与及び過剰な曲げや捻じれの発生を防止することができる。
【0016】
尚、上記の実施形態では、チューブ2の内腔2Aには、図示しない光ファイバ等が挿通されるものとしたが、光ファイバ等に限定されない。また、ケーブルユニット7及び介在13の本数、太さ及び種類は上記実施形態に限定されない。ケーブルユニット7の本数によっては、ケーブル収容部Cに介在13を設けずにケーブルユニット7だけを配置してもケーブル外被4の断面が円形となるならば、介在13を入れなくても良い。
【0017】
図2は、本発明の第1の実施形態の複合ケーブルのチューブの電子顕微鏡写真であり、この写真を参照しつつ、チューブの所定のポーラス構造について説明する。図2に示す電子顕微鏡写真は、図1のチューブ2のePTFEから成る層の断面を、チューブ2の長さ方向に向って見た写真であり(換言すれば、当該断面を図1の用紙の裏面方向に向って見た写真)である。本実施形態の複合ケーブル1におけるチューブ2のePTFE層において、図2に示すような樹脂構造全体を「所定のポーラス構造」と言い、当該樹脂構造における隙間の部分22が「クレバス」であり、実肉の部分24が「ノード」である。また、「クレバス幅」は、参照符号26で示すように、クレバス(22)の同図における左右方向(図2の用紙の左右方向、すなわちクレバスの長手方向に直行する方向)の幅を指す。尚、「平均クレバス幅」は、チューブ2のePTFE層の「所定のポーラス構造」におけるクレバス幅(26)の平均値である。この平均クレバス幅を算出するにあたっては、任意のクレバスを30個選出し、その各クレバスにおける最大クレバス幅を計測し、その平均を求めたものである。
【0018】
ここで、本実施形態の複合ケーブルにおけるePTFEから成るポーラス構造のチューブ2の作成方法を説明しておく。本実施形態の複合ケーブルにおけるチューブ2を作成するには、まず、PTFEファインパウダー(商品名ポリフロンPTFE F104、ダイキン工業社製)を#10のふるいで塊を除きながらポリビンに入れた後、押出助剤(商品名:CL317#2 山一化学工業社製)を所定量加えて(下表参照)、PTFEの室温転移温度を19℃以下で12時間以上放置し熟成行った。その後、これをタービュラーミキサーで5分間混合し、この混合した試料を室温に1時間以上放置した。その後、ペースト押出法におけるチューブ成形体を得る為に、#10のふるいでかたまりを除去しながら予備成形機に投入した。この際の予備成形圧力は11.5kg/cm2である。ペースト押出機(シリンダ径76.2mm マンドレル径18.8mm)、金型はダイ 6.85mm チップは所望の肉厚に応じた下表のものを用いた。その後、予備成形体を押出機に入れ、14.5kNの力で1分間、二次予備成形をし、下表に示す所定の押圧となるように、ラム速度を調整し、押出されたチューブ成形体を巻取り機で巻き取った。ここで、押圧は、ペースト押出機の予備成形体を押す圧力のことを意味する。その後、巻き取ったチューブを送出し機に取り付け、乾燥処理を行い、巻取り機にて巻き取った。その後、高温の炉においてキャプスタンロールの回転速度を下表に示す所定の速度で調整した。その後、チューブを400℃に設定した焼成炉において下表に示す引取速度で通し、焼成を行った。その際、焼成時に過度の張力がかからないように、送出し速度を調整した。 このように、押出し助剤、押圧およびキャプスタンロールの回転速度(キャプスタン速度)により、所望のクレバス幅を調整する。具体的には、押出し助剤および押圧を調整することにより、PTFEファインパウダーが繊維化され、より均一なクレバスを形成することができる。例えば、これらが不足または過剰な場合には、チューブを形成することが困難になり、たとえ形成できたとしても、クレバスが不均一に発生する。押出し助剤および押圧とクレバス幅との関係は、後述する表1および2に記載のとおりである。また、キャプスタン速度を調整することにより、チューブの引き取り速度が調整され、これによりチューブに発生する裂け(すなわちこれがクレバスとなる)の度合いを調節することができる。すなわち、キャプスタン速度が速くなるにつれて、クレバス幅も大きくなる傾向にある。
【0019】
【表1】
【実施例】
【0020】
各種の試験ケーブルを作製し、それぞれの複合ケーブルの可撓性、また潰れ特性として耐側圧及び耐R性能を評価した。
【0021】
(A)評価対象の複合ケーブル
試験ケーブルの断面概略図を図3に示す。図3に示すように、この試験ケーブル111は、図1に示した複合ケーブル1と略同様の構成を有しており、同様の部分には同様の参照番号を付して、その説明を省略する。
尚、試験ケーブル111では、ケーブルユニット7には、AWG38の単純線7芯ケーブルユニットA、AWG40の50pF同軸12芯ケーブルユニットB、AWG36のシールド付ツイストペアケーブルCを用いており、その詳細構造を一部拡大して示す。ケーブルユニットAは、同図に拡大して示すように、中心に各芯と略同径のテンションメンバTを配置し、その周囲に7芯の単純線(ケーブル)1〜7を配置したものである。また、ケーブルユニットBは、中心に極細のテンションメンバtを介して3芯の同軸ケーブル1,2,3を配置し、その外周に同軸ケーブル4〜12を配置したものである。更に、シールド付ツイストペアケーブルCは、ツイストペアケーブル1,2を配置し、その片側にドレイン線Dを配置し、これらの外側をALPET120とジャケット122により被覆したものである。
以上の構造の試験ケーブル111において、材質がePTFEから成り、前述した作成方法および表1に示す条件で作成したポーラス構造のチューブを用いたサンプル(実施例)1〜6、材質がFEPから成る充実構造のチューブを用いたサンプル(比較例)7、8、チューブ2の代わりにケーブルを用いた複合ケーブル(比較例)9について、以下の3種類の評価試験を実施した。また、サンプル(実施例)1〜6、サンプル(比較例)7、8は、上述した材質の他に、それぞれチューブのサイズや肉厚を異ならせたものであり、サンプル(比較例)9は、チューブ2の代わりにケーブルを試料としたものである。これらの作成条件を、サンプル(実施例)1〜6は、以下の表1に示し、サンプル(比較例)7、8及び9については、後述する表2に示している。また、サンプル(実施例)1〜6では、それぞれのクレバス幅の平均を、後述する表2に示している。このクレバス幅の平均は、サンプル(実施例)1〜6における図2に示すような断面写真の任意の位置において、クレバス幅を実測し、その値を算出したものである。
【0022】
(B)評価方法
[1]可撓性評価試験
本評価試験の方法を図4に示す。図4(A)に示すように、ケーブル全体を輪にしてクランプ部Cにおけるクランプ距離を65mmとして吊り下げた際、当該輪の内径幅の最大値をD1(200±10mm)とし、図4(B)に示すように、当該輪に1kgの荷重を加え(加重1kg))前記輪の上端から100mmの位置(測定位置はクランプ部から100mm)における輪の内径幅をD2として計測した場合にD1−D2の長さ(mm)を測定した。このD1−D2の長さ(mm)が大きいほど、ケーブルとしての柔軟性・可撓性が高いものと評価することができる。特に、D1−D2>70mmとなるか否かを重視した。
[2]側圧性能評価試験
本評価試験の方法を図5に示す。図5に示すように、ケーブルの試料長を100mmとした試料をプレートの上に乗せ、加重幅を10mm、速度を5mm/minにて加重し、試料の内径より30%押した込んだ際の加重を測定し評価した。この加重が大きいほど、耐側圧性能に優れ、ケーブルとしての潰れ特性が高いものと評価することができる。
[3]耐R性能評価試験
本評価試験の方法を図6に示す。図6に示すように、チューブの試料長を200mmとした試料を2枚のプレート間に挟み、プレート間で挟圧していき、挫屈が始まる際のL1(mm)を測定し評価した。このL1(mm)が小さいほど、座屈が始まる曲率が小さいことになるので、耐R性能に優れ、ケーブルとしての耐潰れ特性が高いものと評価することができる。但し、L1(mm)の最小値(上限)を10mmとした。
【0023】
(C)評価結果
以上の3試験の評価結果を表2に示す。
【0024】
【表2】
表2に示すように、可撓性評価試験において、材質がePTFEから成るチューブを用いたサンプル(実施例)1〜6では、何れもD1−D2>70mmとなり、良好な可撓性が得られたが、特に、サンプル2では、D1−D2>90mm、サンプル3では、D1−D2>100mm、サンプル5では、D1−D2>85mm、サンプル6では、D1−D2>90mmとなり、優れた可撓性が得られた。これに対して、材質がFEPから成るチューブを用いたサンプル(比較例)7、8では、それぞれD1−D2>45mm、D1−D2>25mmとなるのが精一杯であり、十分な可撓性が得られなかった。尚、チューブ2の変わりにケーブルを用いた複合ケーブル(比較例)9では、D1−D2>95mmとなり、複合ケーブル全体としての優れた可撓性が得られた。
【0025】
また、側圧評価試験において、材質がePTFEから成るチューブを用いたサンプル(実施例)1〜6のうち、サンプル1では73.0(N)の側圧、サンプル4は72.0(N)の側圧まで耐え、優れた耐側圧性能が得られた。これに対して、材質がFEPから成るチューブを用いたサンプル(比較例)7、8でも、それぞれ68.8(N)、280.0(N)の側圧まで耐えているが、これは、充実構造のチューブであることにより、可撓性は劣るが、耐側圧性能は良好であるという従来例と同様の結果に過ぎないものと評価できる。
【0026】
また、耐R評価試験において、材質がePTFEから成るチューブを用いたサンプル(実施例)1〜6のうち、サンプル2〜6で、L1(mm)の最小値10mmまで座屈に耐えられ、優れた耐R性能が得られた。また、サンプル1でも、L1(mm)15mmまで座屈に耐えられ、良好な耐R性能が得られた。これに対して、材質がFEPから成るチューブを用いたサンプル(比較例)7、8のうち、サンプル(比較例)8は、L1(mm)の最小値10mmまで座屈に耐えられ、優れた耐R性能が得られたが、サンプル(比較例)7は、L1(mm)30mmまでしか座屈に耐えられず、十分な耐R性能が得られなかった。このように、充実構造のチューブを用いたサンプル(比較例)7、8でも、サンプル(比較例)7のように肉厚が薄いと十分な耐R性能が得られないことが導き出された。
【0027】
ここで、上記各評価試験の結果との関連で、図7乃至図9を参照しつつ、本発明の複合ケーブルにおいて、チューブ2がePTFEから成り、上述した所定のポーラス構造を有することによる作用効果について説明する。図7はポーラス構造により可撓性が向上する作用機序(メカニズム)、図8はポーラス構造により耐側圧性が向上する作用機序(メカニズム)、をそれぞれ説明するための図である。
【0028】
まず、可撓性については、クレバス幅が短ければ悪くなり、長ければ良くなるものと解される。即ち、ケーブルに対し曲げ方向への力が加わった場合には、ケーブルを境に、内側では圧縮が行われ、外側では引張りが行われるため、内外における力の作用が異なる(曲げモーメント)が、可撓性に関しては、特に内側に作用する圧縮による影響が大きい。従来例や上記サンプル(比較例)7、8のように、充実構造のチューブを設けたケーブルにおいては、圧縮エネルギーに対し、チューブ自体の反力が直接的に作用する。一方、本発明の複合ケーブル、つまり、サンプル(実施例)1〜6のようにポーラス構造のチューブ2を設けたケーブルにおいては、前述したクレバス幅に応じた隙間がチューブにできているため、クレバス幅が大きくなるほど、その隙間が埋められるまでの間、図7に示すように、圧縮エネルギーがクレバス22を潰すことに使われ、チューブの内側に作用する圧縮エネルギーが低減される形となる。このように、クレバスの幅が大きくなるほど、チューブに対する圧縮の自由度が向上するため、可撓性が向上する。
【0029】
次に、側圧については、クレバス幅が短ければ良くなり、長ければ悪くなるものと解される。即ち、ケーブルに対し径方向への力が加わった場合、従来例や上記サンプル(比較例)7、8のように、充実構造のチューブを設けたケーブルにおいては、その押圧力に対する反発がチューブの該当部分の全体で行われる。これに対し、本発明の複合ケーブル、つまり、サンプル(実施例)1〜6のように、ポーラス構造のチューブを設けたケーブルにおいては、図8に示すように、押圧力によってポーラス構造のノード24の部分が変位するとともにその部分に侵食することで、圧力を緩衝する形になり、反力が弱まる。このため、前述したクレバス幅が大きいほど、反力も減少する。以上を踏まえ、前述したクレバス幅が大きくなるほど、側圧に対する特性は悪くなり、チューブの肉厚や外径に応じたクレバス幅が所定値を越えると、可撓性と側圧との両立が困難になる。この意味から前述したクレバス幅について、どの範囲の値が望ましいか、所定値を導き出す必要がある。
【0030】
更に、耐Rについては、クレバス幅が短ければ悪くなり、長ければ良くなるものと解され、耐R試験に関する作用機序も、上記の可撓性に関する作用機序と同様の考え方ができる。
【0031】
また、従来例や上記サンプル(比較例)7、8のように、充実構造のチューブを用いた場合には、その特性上、一定以上の曲げに対し、樹脂の変形では許容できない範囲が決まっている。これに対し、本発明の複合ケーブル、つまり、サンプル(実施例)1〜6のようにポーラス構造であれば、そのクレバスによって樹脂の変形と合わせて許容量が増える。さらには、クレバス幅が大きくなるほど、その許容量は増える傾向にあるものと解することができる。
【0032】
以上に鑑みて、前述したクレバス幅について、どの範囲の値が望ましいか、所定値を導き出す研究を行った。その結果を、図9に示す。図9は、クレバス幅についての好適な範囲を示すグラフである。本発明者の知見によれば、図9に示すように、チューブの外径(D)、内径(d)とした場合に(D−d)/Dが0.27〜0.75の範囲内のものであり、且つ当該ePTFEにおけるポーラス構造のクレバス幅が、前記(D−d)/Dが0.27の場合に最小値10.0μm、最大値20.0μmとなる2点及び前記(D−d)/Dが0.75の場合に最小値16.0μm、最大値27.0μmとなる2点の4点を結んだ領域内にある所定のポーラス構造を有するものが望ましいことが判明している。
【0033】
以上のように、本実施形態の複合ケーブルによれば、前記チューブは、ePTFEから成るので、例えば、充実構造のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のみから成るチューブを用いた従来の複合ケーブルに比べ、柔軟性・可撓性が向上する。更に、前記チューブは、該チューブの外径(D)、内径(d)とした場合に(D−d)/Dが0.27〜0.75の範囲内のものであり、且つ当該ePTFEにおけるポーラス構造の平均クレバス幅が、前記(D−d)/Dが0.27の場合に最小値10.0μm、最大値20.0μmとなる2点及び前記(D−d)/Dが0.75の場合に最小値16.0μm、最大値27.0μmとなる2点の4点を結んだ領域内にある所定のポーラス構造を有する所定のポーラス構造を有するので、良好な耐潰れ特性も得られる。また、前記複合ケーブルは、被試験ケーブルとして当該複合ケーブル全体を輪にして吊り下げた際、当該輪の内径幅の最大値をD1とし、当該輪に1kgの荷重を加え前記輪の上端から100mmの位置における輪の内径幅をD2として計測した場合にD1−D2>70mm となるものであることから、複合ケーブル全体としての柔軟性・可撓性を確保することができる。
【0034】
また、前記複数本の信号線は、それぞれ内部導体と該内部導体の周囲に設けられた外部導体とを含む信号線から成り、前記内部導体の外径は、それぞれ0.123mm以下とすることが望ましい。かかる構成によれば、複合ケーブル全体としての柔軟性・可撓性を更に向上させることができる。尚、本発明者の知見では、複合ケーブル全体としての硬さが、チューブの硬さのみならず、チューブの周囲の信号線の内部導体の硬さにも依存し、内部導体は外径が大きいほど硬くなるので、これら内部導体の外径を、それぞれ0.123mm以下にすることで、複合ケーブル全体としての柔軟性・可撓性を更に向上させ得ることが判明している。
【0035】
図10は、本発明の第2の実施形態の複合ケーブルの一部拡大断面図である。この第2の実施形態の複合ケーブル200は、例えば、冷却用の流体を往復させるための2本のチューブ201,202を含むものであり、従って、それら2本のチューブ201、202内には、光ファイバ等が挿通されることはなく、中空に保持されている。そして、この第2の実施形態の複合ケーブルでは、2本のチューブ201、202のそれぞれは、上述した第1の実施形態のチューブと同様にePTFEから成り所定のポーラス構造を有する第1のチューブ層201A,202Aと、この第1のチューブ層の内側に設けられた上記所定のポーラス構造とは異なる充実構造から成る第2のチューブ層201B、202Bから成る2層構造のチューブとして構成されている。このように、各チューブは、充実構造から成る第2のチューブ層201B、202Bが内側に構成されているので、チューブ201、202内を流れる液体等が外部に漏出することが無いので、冷却等の用途でチューブ201、202内に液体等を流す場合でも、安全に使用可能であり、高い信頼性が得られるのが大きな特徴である。
【0036】
即ち、本発明の第2の実施形態の複合ケーブルは、図10に示すように、複合ケーブル200の断面中央部に隣接して配置されたチューブ201、202と、チューブ201、202の両側に配置された単純線ユニット5芯から成るケーブル205とを有する。ケーブル205は、図10に拡大して示すように、単純線ユニット14の5芯から成り、各単純線ユニット14は、内部導体15と、その周囲の絶縁体16とを有している。
【0037】
各チューブ201,202は、内腔201C、202Cを有しており、これら内腔201C、202C内を冷却用の流体が往復循環するように構成されている。チューブ201,202と、ケーブル205の外周面には、テープ303が巻かれており、このテープ303の外側は、ケーブル収容部300Cとされている。このケーブル収容部300Cには、テープ303の外周に亘って複数本のケーブルユニット308と介在313が配置され、相互に撚り合わされている。撚り合わされたケーブルユニット308等は、その外側を押さえ巻きテープ307により押さえ巻きされ、この押さえ巻きテープ307の外側には、一括シールド層306によりシールドされており、この一括シールド層306の外側に、最外層であるケーブル外被304が設けられている。尚、各ケーブルユニット307は、第1の実施形態のケーブルユニット7と同様のものである。
【0038】
尚、2本のチューブ201、202における内側の第2のチューブ層201B、202Bは、充実構造のものであれば良いが、例えば、末端基がフッ素化されているフッ素樹脂により形成することができ、かかるフッ素樹脂としては、末端基にCF3を有するフッ素化(安定化)されたテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以下、PFAという)を用いることができる。
このように、チューブ201、202は、前記所定のポーラス構造から成る第1のチューブ層201A,202Aと前記所定のポーラス構造とは異なる充実構造から成る第2のチューブ層201B、202Bとを少なくとも含む多層構造のチューブであるようにしても良い。かかる構成によれば、充実構造から成る第2のチューブ層201B、202Bにより、チューブ201、202内を流れる液体等が外部に漏出することが無いので、冷却等の用途でチューブ内に液体等を流す場合でも、安全に使用可能であり、品質安定性(信頼性)を確保することができる。
【0039】
尚、上述した第1の実施形態では複合ケーブルの中心に1本のチューブ、第2の実施形態では2本のチューブを含むものとしたが、3本以上のチューブを含むものとしても良い。また、上述した第1の実施形態ではチューブを単層構造、第2の実施形態では2層構造のものとしたが、3層以上の多層構造にしても良い。このような多層構造の態様としては、内層又は外層のいずれか一方がポーラス構造で、他方が充実構造の形態や、多層のサンドイッチ構造(中心、中心以外の内側部材と外側部材のいずれか一方がポーラス構造で、他方が充実構造)としても良い。ただし、これらの多層構造のチューブを採用した場合であっても、複合ケーブル全体の可撓性に関しては、前述したD1−D2>70mmを満たす範囲内にあるようにポーラス構造以外の層の厚さを調整する。更に、チューブは、複数のチューブを撚り合わせたものに形成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、医療機器と端末とを接続する複合ケーブルだけではなく、あらゆる用途の複合ケーブルに適用可能である。
【符号の説明】
【0041】
2、201、202 チューブ、 1、200 複合ケーブル、 100 (被)試験ケーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10