(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、フレームを読み飛ばす処理を行うと、特にFPSが少ない場合には、表示される動画像の動作がぎごちなく不自然に見えるという問題点がある。
そこで、請求項に記載の発明は、画像表示処理中にいわゆる「処理落ち」が発生した場合に、フレーム自体を非表示とすることなくこれを解消させるとともに以後の処理落ちを予防し、動画像の動きがスローになることや音声と動画像がずれることによる遊技者のストレスを軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記した目的を達成するためになされたものであり、本発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、括弧内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(特徴点)
(請求項1)
請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項1記載の発明は、複数の部分画像から全体画像が構成される1フレームの画像を順次更新することにより画像表示装置(液晶表示装置67)に動画像を表示させる画像表示制御手段(120)を備えた遊技機において、前記画像表示制御手段(120)は、各フレームを構成する各部分画像の画像データを記憶する記憶手段(画像データ記憶手段130)と、記憶されている画像データの中から生成すべきフレームの構成画像となる部分画像の画像データを読み込んで全体画像を生成することにより1フレームを生成し、1フレームの生成が終了したとき、又は予め定められた標準更新時間(DT)が経過したときのいずれか遅いときに、生成した1フレームの全体画像のデータを前記画像表示装置(67)に出力してフレーム更新を行うフレーム更新手段(150)と、フレーム更新を行う間隔であるフレーム更新時間(150)を計測する更新時間計測手段(140)と、前記更新時間計測手段(140)の計測値が、前記標準更新時間(DT)を超えている場合には処理落ちの判定を行う処理落ち判定手段(153)とを少なくとも備え、前記処理落ち判定手段(153)が処理落ちの判定をした場合には、処理落ち判定以降のフレーム更新において、前記フレーム更新手段(150)は、当該フレームの全体画像を構成する部分画像の画像データのうちの一部を読み込み対象から削除することにより、前記処理落ち判定後の複数のフレーム更新において、前記標準更新時間(DT)を超えた時間分だけ、前記フレーム更新時間の短縮を行うことができるように形成されていることを特徴とする。
またここで、標準更新時間(DT)は、1秒間に更新可能なフレーム数(FPS)に応じて定められる1フレームあたりの更新時間である。フレームの更新時間は、生成されたフレームの画像データが出力されてから次に生成されたフレームの画像データが出力されるまでの時間とすることができる。
【0007】
そして、本発明においては、前記処理落ち判定手段(153)が処理落ちの判定をした場合には、処理落ち判定以降のフレーム更新において、前記フレーム更新手段(150)は、当該フレームの全体画像を構成する部分画像の画像データのうちの一部の部分画像の画像データを読み込み対象から削除して、残りの部分画像の画像データを読み込み、1フレームの生成を完了したとき、又は処理落ちと判定されたフレーム更新における前記更新時間計測手段(140)の計測値のうち前記標準更新時間を超えた超過時間(t)を前記標準更新時間(DT)から減じた時間に設定された設定更新時間(ST)が経過したときのいずれか遅いときにフレーム更新を行い、前記処理落ち判定手段(153)は、当該フレーム更新の際の前記更新時間計測手段(140)の計測値が、前記設定更新時間(ST)を超えている場合には処理落ちの判定を行うように形成されていることを特徴とする。
【0008】
(作用)
本発明において、1フレームの生成過程において部分画像データの読み込みが標準更新時間(DT)を超えた場合には、次フレームの生成過程において、部分画像のうちの一部の画像データを読み込みから削除する。この場合に削除される画像データは複数あってもよい。そして、次フレームの生成終了時又は標準更新時間(DT)よりも超過時間(t)だけ短い設定更新時間(ST)の経過時のいずれか遅いときに、次フレームの全体画像のデータを出力する。この場合、削除した部分画像の画像データの読み込み時間が超過時間(t)よりも短い場合には、設定更新時間(ST)の経過時に次フレームの生成が終了せず、次フレームでも処理落ち状態となるが、次々フレームの生成過程においても、一部の画像データを読み込みから削除するので、超過時間(t)はフレームを更新するごとに相殺される。
本発明によれば、1フレームを削除することなく処理落ちの軽減ができる。また、1フレームの全体画像から一部の画像データが削除されるのみであるため、観ている者にそれほど違和感を与えず、報知に関わる重要表示を見落とすといったこともない。また、フレーム生成過程で読み込むデータ量が減るので、処理装置の負担が減り、処理落ちを起こし難くすることができる。
【0009】
(請求項2)
請求項2記載の発明は、複数の部分画像から全体画像が構成される1フレームの画像を順次更新することにより画像表示装置(67)に動画像を表示させる画像表示制御手段(120)を備えた遊技機において、前記画像表示制御手段(120)は、各フレームを構成する各部分画像の画像データを記憶する記憶手段(130)と、記憶されている画像データの中から生成すべきフレームの構成画像となる部分画像の画像データを読み込んで全体画像を生成することにより1フレームを生成し、1フレームの生成が終了したとき、又は予め定められた標準更新時間(DT)が経過したときのいずれか遅いときに、生成した1フレームの全体画像のデータを前記画像表示装置に出力してフレーム更新を行うフレーム更新手段(150)と、フレーム更新を行う間隔であるフレーム更新時間を計測する更新時間計測手段(140)と、前記更新時間計測手段(140)の計測値が、前記標準更新時間(DT)を超えている場合には処理落ちの判定を行う処理落ち判定手段(153)とを少なくとも備え、前記処理落ち判定手段(153)が処理落ちの判定をした場合には、処理落ち判定以降のフレーム更新において、前記フレーム更新手段(150)は、当該フレームの全体画像を構成する部分画像の画像データのうちの一部を読み込み対象から削除することにより、前記処理落ち判定後のフレーム更新において、前記標準更新時間(DT)を超えた時間分だけ、前記フレーム更新時間の短縮を行うことができるように形成されていることを特徴とする。
本発明は、処理落ちが発生したフレームの次フレームの更新過程において、超過時間分を取り戻すようにしたものである。本発明によれば、上記した請求項1に記載の発明に比べ、処理落ちに伴う画像と音声のズレを早期に解消することができる。
【0010】
(請求項3)
請求項3記載の発明は、複数の部分画像から全体画像が構成される1フレームの画像を順次更新することにより画像表示装置(液晶表示装置67)に動画像を表示させる画像表示制御手段(120)を備えた遊技機に係る。そして、前記画像表示制御手段(120)は、各フレームを構成する各部分画像の画像データを、全体画像中における重要度に応じて優先順位を付して記憶する記憶手段(画像データ記憶手段130)と、記憶されている画像データの中から生成すべきフレームの構成画像となる部分画像の画像データを読み込んで全体画像を生成することにより1フレームを生成し、1フレームの生成が終了したとき、又は予め定められた標準更新時間(DT)が経過したときのいずれか遅いときに、生成した1フレームの全体画像のデータを前記画像表示装置(67)に出力してフレーム更新を行うフレーム更新手段(150)と、フレーム更新を行う間隔であるフレーム更新時間を計測する更新時間計測手段(140)と、前記更新時間計測手段(140)の計測値が、前記標準更新時間(DT)を超えている場合には処理落ちの判定を行う処理落ち判定手段(153)とを少なくとも備えている。
そして、本発明においては、前記処理落ち判定手段(153)が処理落ちの判定をした場合には、処理落ち判定以降のフレーム更新において、前記フレーム更新手段(150)は、当該フレームの全体画像を構成する部分画像の画像データのうち少なくとも重要度が最も低い優先順位に設定されている部分画像の画像データを読み込み対象から削除して、残りの部分画像の画像データを読み込み、1フレームの生成を完了したとき、又は処理落ちと判定されたフレーム更新における前記更新時間計測手段(140)の計測値のうち前記標準更新時間を超えた超過時間(t)を前記標準更新時間(DT)から減じた時間に設定された設定更新時間(ST)が経過したときのいずれか遅いときにフレーム更新を行い、前記処理落ち判定手段(153)は、当該フレーム更新の際の前記更新時間計測手段(140)の計測値が、前記設定更新時間(ST)を超えている場合には処理落ちの判定を行うように形成されていることを特徴とする。
ここで、「全体画像中における重要度」とは、全体画像を構成する上での不可欠度であって、主要な画像は重要度が高く、付随的な画像は重要度が低い。「重要度に応じて優先順位を付」すとは、重要度が高いほど優先順位が高い場合と、重要度が低いほど優先順位が高い場合のどちらでもよい。
またここで、標準更新時間(DT)は、1秒間に更新可能なフレーム数(FPS)に応じて定められる1フレームあたりの更新時間である。フレームの更新時間は、生成されたフレームの画像データが出力されてから次に生成されたフレームの画像データが出力されるまでの時間とすることができる。
【0011】
(作用)
本発明において、1フレームの生成過程において部分画像データの読み込みが標準更新時間(DT)を超えた場合には、次フレームの生成過程において、部分画像のうち少なくとも最も重要度の低い画像の画像データを読み込みから削除する。この場合に削除される画像データは複数あってもよい。例えば、最も重要度の低い画像の画像データと、二番目に重要度の低い画像の画像データを削除してもよい。そして、次フレームの生成終了時又は標準更新時間(DT)よりも超過時間(t)だけ短い設定更新時間(ST)の経過時のいずれか遅いときに、次フレームの全体画像のデータを出力する。この場合、削除した部分画像の画像データの読み込み時間が超過時間(t)よりも短い場合には、設定更新時間(ST)の経過時に次フレームの生成が終了せず、次フレームでも処理落ち状態となるが、次々フレームの生成過程においても、少なくとも最も重要度の低い画像の画像データを読み込みから削除するので、超過時間(t)はフレームを更新するごとに相殺される。
本発明によれば、1フレームを削除することなく処理落ちの軽減ができる。また、1フレームの全体画像から削除される部分画像は重要度が低いものであるため、観ている者にそれほど違和感を与えず、報知に関わる重要表示を見落とすといったこともない。また、フレーム生成過程で読み込むデータ量が減るので、処理装置の負担が減り、処理落ちを起こし難くすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、以上のように構成されているので、遊技機の画像表示装置で画像表示処理中にいわゆる「処理落ち」が発生した場合に、フレーム自体を非表示とすることなくこれを解消させるとともに以後の処理落ちを予防し、動画像の動きがスローになることや音声と動画像がすれることによる遊技者のストレスを軽減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を表す好適な実施の形態を、遊技機としてスロットマシンを例に、第一の実施の形態及び第二の実施の形態に分けて、図面に基づき説明する。
(第一の実施の形態)
(スロットマシン10)
スロットマシン10は、
図1に示すように、正面側が開口する方形箱状の筐体11と、この筐体11の正面開口を開閉自在かつロック可能な前扉3を有している。
前記筐体11の内部において、開口上部には3個の回転リール40を有するリールユニット60が設置され、開口下部には、メダルを貯留するとともに入賞時等にメダルを払い出すためのホッパーユニット65が設けられている。また、前記リールユニット60の上方には、スロットマシン10の全体の動作を制御するための制御装置20が配置されている。
【0015】
前記前扉3は、筐体1にヒンジ(図示せず)を介して水平方向に回動自在に取り付けられた板状の扉である。そして、前記前扉3の上方には、
図1に示すように、遊技者側に向かって臨む上パネル12が設けられており、上パネル12の中央には、3個の回転リール40の図柄を視認可能な図柄表示窓13が形成されている。そして、この図柄表示窓13の下側は、スロットマシン10を作動させるための操作スイッチ(ベットスイッチ16、精算スイッチ17、スタートスイッチ30、ストップスイッチ50)が設けられたカウンター状の操作部となっており、操作部の右端にはメダル投入口14が設けられている。また、メダル投入口14の下方であって前扉3の裏側には、投入メダルを検知しメダルを判別するためのメダルセレクター4が設けられている。
【0016】
(制御装置20)
制御装置20は、CPUを中心に構成され、ROM、RAM、I/O等を備えている。ここでCPUは、一個に限定されず、二個以上のCPUで制御するようにしてもよい。また、CPU、ROM、RAM及びI/O等は一体化されてワンチップを構成してもよい。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、各種制御を行うものである。制御装置20としては、
図2に示すように、遊技制御装置21及び演出御装置22が設けられている。
遊技制御装置21は、主としてスロットマシン10の遊技に関わる制御を行うためのものである。また演出制御装置22は、前記遊技制御装置21からの諸信号を受信して、主として遊技に付随する演出を制御するためのものである。
【0017】
(入力段)
上記制御装置20の入力段には、
図2に示すように、メダルセンサ15、ベットスイッチ16、精算スイッチ17、スタートスイッチ30、ストップスイッチ50、のパーツが接続されている。
メダルセンサ15は、
図1に示すように、メダルセレクター4に設けられた遮光センサなどの検知手段であって、メダル投入口14から投入されたメダルを検知するためのものである。
ベットスイッチ16は、
図1に示すように、操作部3Aの上面左側に位置するスイッチであって、クレジットメダルをメダル投入に代えるためのものである。ここで、クレジットとは、投入メダルを所定枚数、遊技機内部に貯留しておくことであり、クレジット数は、特に図示しないが上パネル12に設けられた所定のクレジット表示部に表示される。そして、ベットスイッチ16を操作するとクレジット表示が減算され、その分のメダルが投入されたものと扱われて遊技が開始可能となるものである。
【0018】
精算スイッチ17は、
図1に示すように、前記ベットスイッチ16の左側に位置するスイッチであって、クレジットメダルを払い戻すためのものである。
スタートスイッチ30は、
図1に示すように、操作部の前面に設けられたレバーであって、メダルの投入若しくはベットスイッチ16の投入を条件に、または、「再遊技(Replay)」時には前遊技から所定時間経過を条件に、リールユニット60のリールモータの駆動を開始させるためのものである。
ストップスイッチ50は、リールユニット60のリールモータの駆動を停止させるためのものである。具体的には、ストップスイッチ50は、
図1に示すように、各回転リール40に対応した3個のスイッチから構成され、各回転リール40の下方に1個ずつ配置されているものである。そして、回転リール40に対応したストップスイッチ50の操作により、当該対応した回転リール40が回転を停止するように設定されているものである。
【0019】
(出力段)
前記制御装置20の出力段には、
図2に示すように、リールユニット60、ホッパーユニット65、演出表示装置66のパーツが接続されている。
リールユニット60は、スロットマシン10の主たる遊技装置であって、枠体に固定或いは支持された3個のリールモータ(図示せず)と、各々のリールモータの出力軸に固定された3個の回転リール40とから構成されている。そして、各回転リール40は、合成樹脂からなる回転ドラムと、この回転ドラムの周囲に貼付されるテープ状のリールテープとを備えている。このリールテープの外周面には、複数個(例えば21個)の図柄が表示されている。
【0020】
ホッパーユニット65は、メダルタンクに貯留されているメダルを1枚ずつ払い出すためのメダル払い出し貯留装置である。ホッパーユニット65から排出されたメダルは、前扉3に設けられたメダル払い出し口から下皿に払い出される。
演出表示装置66は、後述する演出制御装置22の制御により、遊技者に入賞等を報知させるなど、種々の演出表示を行うためのものである。具体的には、演出表示装置66は、画像表示部としての液晶表示装置67及びランプ68及びスピーカ69から構成されている。
液晶表示装置67は、
図1に示すように、上パネル12の図柄表示窓13の上方に設けられた窓部から液晶画面が表出するように配置されており、液晶画面に文字図形動画等を表示し、入賞の報知その他の演出を表示するためのものである。
【0021】
ランプ68は、
図1に示すように、上パネル12の周囲に設けられた電飾であって、透光性を有するランプカバーの内部に設けられたLEDや電球などの発光体の点滅によって、入賞等を報知するためのものである。
(遊技制御装置21)
遊技制御装置21は、スタートスイッチ30及びストップスイッチ50の操作により、回転リール40の回転及び停止を制御するためのものである。そして、この遊技制御装置21は、
図2に示すように、当選抽選手段80、リール制御手段90、入賞判定手段100、ホッパー制御手段110の各手段を備えている。
【0022】
当選抽選手段80は、当選か否かの当選判定の抽選を行うためのものである。具体的には、当選抽選手段80は、スタートスイッチ30の操作タイミングで、カウント抽出手段がループカウンターの数値を読み取り、この数値と、前記ループカウンターがカウントする数値を全領域として各当選項目の当選領域を規定した当選判定テーブルとを比較して、抽出カウントデータが属する当選領域に対応する当選を決定するものである。
リール制御手段90は、スタートスイッチ30及びストップスイッチ50の操作信号に基づいて、回転リール40の回転及び停止を制御するためのものである。また、入賞判定手段は、回転リール40が全て停止したときの停止図柄に基づいて入賞の有無を判定するものであり、ホッパー制御手段110は、精算スイッチ17の操作信号及び前記入賞判定手段100の判定結果に基づいてホッパーユニット65の作動を制御するためのものである。
【0023】
(スロットマシン10の作動の概略)
スロットマシン10は、メダルの投入若しくはベットスイッチ16の押下を条件に、または、「再遊技(Replay)」時には前遊技から所定時間経過を条件に、スタートスイッチ30を操作すると、特に図示しない当選抽選手段によって当選判定の抽選が行われ、リールユニット60が駆動され、3個の回転リール40が回転を開始する。
その後、ストップスイッチ50の1個を操作すると、当該対応する回転リール40の回転が停止する。そして、ストップスイッチ50を3個全て操作し終わると、3個の回転リール40の回転が全て停止する。このとき、表示窓12の入賞有効ライン上に、所定の当選に係る図柄が停止すると、ホッパーユニット65を介して所定枚数のメダルが払い出される。メダルを払い出す代わりに、クレジットしてもよい。
【0024】
ここで、当選には、入賞により遊技メダルの払い出しを伴い、遊技者に利益を付与する小役当選と、この小役当選よりもさらに大きな利益を遊技者に付与する特別当選と、遊技メダルの払い出しは無いが、遊技メダルを新たに投入することなく再度の遊技を行うことができる「再遊技(Replay)」とを備えている。そして、その抽選結果がいずれかの役に当選となった場合、その当選に対応した当選フラグが成立する。そして、抽選結果が特別当選である場合に、特別当選フラグが成立し、この特別当選フラグ成立中に、リールユニット60の回転リール40の停止図柄の組み合わせが、あらかじめ定められた所定の特別当選図柄(例えば、入賞有効ライン上に「7」が3個揃うもの)と一致したことを条件に、遊技者に有利な特別遊技、例えばレギュラーボーナスゲームやビッグボーナスゲームが開始されるように形成されている。
【0025】
なお、抽選により特別当選フラグが成立したが、回転リール40の停止図柄の組み合わせが特別当選図柄と一致していない場合には、それ以後の遊技に特別当選フラグ成立の権利が持ち越されるように設定されている。一方、小役の当選フラグは、当選フラグが成立した遊技で入賞させられない場合、当選フラグ成立の権利の次の遊技への持ち越しはない。
また、いずれかの当選フラグが成立中に、対応する当選図柄を入賞有効ライン上に揃えることができるか否かは、回転リール40の回転速度が一定の場合、ストップスイッチ50のタイミングによるものである。具体的には、ストップスイッチ50を操作した後、190ms以内に回転リール40が停止するように設定されているため、ストップスイッチ50を操作した後、そのまま停止させるか、あるいは190ms以内に停止可能な回転リール40の円周上の引き込み可能図柄、例えば停止図柄から連続する4個の引き込み可能図柄の中に、対応する入賞図柄が含まれているような場合には、停止するまでの時間を遅らせて、回転リール40は入賞有効ライン上にその当選図柄を引き込んで停止する。一方、かかる4個の引き込み可能図柄の中に、対応する当選図柄が含まれていないような場合には、入賞有効ライン上にその当選図柄を引き込んで停止することができない。具体的には、リール制御手段90が、回転リール40を停止させる際に、当選抽選手段の抽選結果がハズレの場合には、3個の回転リール40の図柄が如何なる入賞の態様にも揃わないように蹴飛ばし制御を行い、抽選結果が所定の当選役に当選の場合には、3個の回転リール40の図柄が極力当該当選に係る入賞の態様となるように蹴飛ばし及び引き込み制御を行う。
【0026】
(演出制御装置22)
演出制御装置22は、遊技制御装置21から出力される信号を受信して、演出表示装置66の表示を制御するためのものである。そして、演出制御装置22は、
図2に示すように、画像表示制御手段120を少なくとも備えている。なお、特に図示しないが、演出制御装置22は、画像表示制御手段120の他に、演出の実行の有無や種類を決定するための実行演出決定や、決定した演出データに基づいてランプ68、スピーカ69の作動を制御するための手段などを備えていることは言うまでもない。
(画像表示制御手段120)
画像表示制御手段120は、他の演出表示、液晶表示装置67に画像を表示させる制御を行うものであり、
図2に示すように、画像データ記憶手段130、更新時間計測手段140、フレーム更新手段150の各手段を備えている。
【0027】
ここで、画像表示制御手段120は、液晶表示装置67に静止画及び動画を表示可能であるが、本実施の形態においては、液晶表示装置67に動画を表示する場合の制御について述べることとし、動画表示に関わる部分のみを説明する。また、液晶画面に表示される動画は、主としてスピーカ39から出力される音声と同期して表示されるようになっているが、これは、音声、画像の組み合わせからなる演出データに基づいて、音声出力と画像表示とを同時にスタートさせることにより実行される。
なお、画像表示制御手段120としては、上記手段の他にも、静止画を表示させるための
手段を備えているが、これについては説明を省略する。
【0028】
(画像データ記憶手段130)
画像データ記憶手段130は、動画の1コマとなる1フレームの全体画像を構成する部分
画像が符号化された部分画像データを記憶しているメモリー(ROM)である。
ここで、1フレームは、
図3に示すように、n個の部分画像から構成されており、各部分画像には、1フレームの全体画像中におけるその部分画像の重要度に応じて優先順位が設定されている。優先順位は、そのフレームにおいて無くてはならない部分画像ほど優先順位が高くなるようになっており、例えば背景を構成する部分画像や、特定の報知に関わる部分画像は優先順位が高く、それ以外の付随的画像、例えば、主として装飾目的の部分画像や同種の部分画像が多数表示されるものは優先順位が低く設定されている。
【0029】
なお、優先順位は、重要度が低いものほど高くなるように設定してもよい。
また、各部分画像データのインデックスには、当該部分画像の優先順位(図示した数字の1、2、3・・)を示す優先順位データと、当該部分画像データを復号するのに要する読み込み予定時間(図示した文字α、β、γ・・)を示す時間データが付されている。そして、各部分画像データは、一連の動画を構成する複数のフレーム生成に用いられる部分画像について、動画の種類(パターン)ごとにグループ化して格納されている。
(更新時間計測手段140)
更新時間計測手段140は、パルスカウンタなどのタイマーであって、後述するフレーム更新手段150が1フレーム分の全体画像の画像データを出力するごとにタイムカウントをリセットして、フレームの更新時間の計測を行うものである。
【0030】
(フレーム更新手段150)
フレーム更新手段150は、特に図示しない実行演出決定手段の決定した演出データに基づいて、前記画像データ記憶手段130に記憶されている部分画像データから1フレームの全体画像の画像データ(以下フレームデータという)を生成し、生成した1フレームのフレームデータを液晶表示装置67に出力することにより、フレーム更新を行うためのものである。
フレーム更新手段150は、画像データ記憶手段130に記憶されている部分画像データの中から、生成すべきフレームの全体画像を構成するn個の部分画像の部分画像データを取得して、1フレームを生成する。生成されたフレームのフレームデータは液晶表示装置67の制御部に出力され、フレームデータが順次出力されることにより、液晶表示画面に動画が表示される仕組みになっている。
【0031】
そして、フレーム更新手段150は、
図2に示すように、データ読み込み手段151、データ出力手段152、及び処理落ち判定手段153の各手段を少なくとも備えている。
(データ読み込み手段151)
データ読み込み手段151は、前記画像データ記憶手段130に記憶されている部分画像データのうち、生成すべきフレームを構成する部分画像データを選択する(読み込みリストにリストアップする)とともに、選択した部分画像データを読み込み、所定の内部メモリ(RAM)に記憶するものである。
データ読み込み手段151は、通常状態、すなわち後述する処理落ち判定手段153が処理落ちの判定をしていない場合には、1フレームを構成するn個の部分画像データをすべて選択して、これらの読み込みを行う。この場合、前フレーム生成時に既に読み込み済みの部分画像データ(例えば複数画面に共通して用いられる背景画像のデータなど)はそのまま持ち越される(内部メモリから消去されない)ようにしてもよい。
【0032】
一方、処理落ち判定手段153が処理落ちの判定をしている場合には、処理落ち判定後に生成されるフレームを構成するn個の部分画像データのうち、優先順位の最も低いもの(重要度の最も低いもの)を選択しない(読み込みリストから削除する)ようにして、残り
の部分画像データのみ読み込みを行うように形成されている。
(データ出力手段152)
データ出力手段152は、データ読み込み手段151の読み込みが終了し内部メモリに記憶されたフレームデータを液晶表示装置67に出力するものである。具体的には、データ出力手段152は、通常状態においては、標準更新時間DTの経過時又は選択された全ての部分画像データの読み込み終了時のいずれか遅いときに、フレームデータを出力する。ここで、1フレームの標準更新時間DTは、1秒間に更新可能なフレーム数(FPS)に応じて定められ、例えば20FPSの設定とした場合には、1フレームあたりの標準更新時間DTは50msとなる。
【0033】
一方、処理落ち発生時には、処理落ち判定後に生成されるフレームに係るフレームデータを、標準更新時間DTから更新時間の超過時間t(前記更新時間計測手段140の計測時間と標準更新時間DTとの差時間)を減じた設定更新時間STの経過時又は選択された全ての部分画像データの読み込み終了時のいずれか遅いときに、フレームデータを出力するように形成されている。
(処理落ち判定手段153)
処理落ち判定手段153は、処理落ちが発生しているか否かを判断し、所定の処理落ち軽
減処理を行わせるためのものである。
【0034】
具体的には、処理落ち判定手段153は、前記データ出力手段152によるフレームデータの出力時に、更新時間計測手段140のタイムカウントをチェックし、フレームデータの出力時のタイムカウント(計測時間CT)が標準更新時間DT(処理落ち軽減処理時は設定更新時間ST)を超えていない場合には、フレーム更新が正常に行われていると判定する。一方、フレームデータの出力時のタイムカウントが標準更新時間DT(処理落ち軽減処理時は設定更新時間ST)を超えた場合には、処理落ちの判定を行う。
処理落ち判定手段153が処理落ちの判定を行うと、フレーム生成の過程において、処理落ち軽減処理が行われる。処理落ち軽減処理とは、前述したように、データ読み込み手段151について、優先順位が最下位の部分画像の参照画像データを読み込みリストから削除させ1フレームの生成に要する時間を短縮させるとともに、データ出力手段152について、標準更新時間DTから更新時間の超過時間tを減じた設定更新時間STの経過時にフレームデータを出力可能とさせる処理である。これにより、更新時間の遅れを次フレーム以降の更新時に取り戻すことができるようになっているものである。
【0035】
(画像表示制御)
上記構成を有するスロットマシン10における画像表示制御の概略を、
図4のフローに基づき説明する。
まず、
図4のステップ100において、画像表示に係る演出実行コマンドを受信したか否かが判断される。実行コマンドは、特に図示しない実行演出決定手段から出力されるものである。実行コマンドを受信しない場合にはステップ100に戻り、実行コマンドを受信した場合には、次のステップ101に進む。
ステップ101において、実行コマンドに基づく表示内容を特定する。表示内容とは、表示される一連の動画のパターンである。そして、次のステップ102に進む。
【0036】
ステップ102において、特定された表示内容に基づき、画像データ記憶手段130の記憶している部分画像データの中から、当該一連の表示を行わせるための複数フレーム分の部分画像データ群を取得する。そして、次のステップ103に進む。
ステップ103において、1フレームを更新するフレーム更新処理が行われる。そして、次のステップ104に進む。
ステップ104において、出力されたフレームデータに基づいて、液晶表示装置67の液晶画面に画像が表示される。そして、次のステップ105に進む。
ステップ105において、変更コマンドを受信したか否かが判断される。変更コマンドは、表示内容を変更させる指令であり、遊技状態の変化に伴い、実行演出決定手段から出力されるものである。変更コマンドを受信した場合には、ステップ101に戻り、変更コマンドを受信しない場合には次のステップ103に進む。
【0037】
ステップ106において、終了コマンドを受信したか否かが判断される。終了コマンドは、画像表示を中断中止させる指令であり、演出の終了や遊技状態の変化(キャンセルスイッチの操作なども含む)に伴い、実行演出決定手段から出力されるものである。終了コマンドを受信しない場合にはステップ103に戻り、終了コマンドを受信した場合には、画像表示制御を終了する。
(フレーム更新処理)
次に、上記ステップ103のフレーム更新処理について、
図5のフローに基づき説明する。ここで、図中「ST」は、データ出力手段152がフレームデータを出力するまでの設
定更新時間であって、通常状態においてはST=DTである。また、処理落ち判定手段153が処理落ちの判定をした場合には、設定更新時間STは標準更新時間DTよりも、更新
時間の超過時間t分だけ短い時間となる。
【0038】
なお、設定更新時間ST、計測時間CT、超過時間tは、それぞれ処理落ち判定手段153の内部メモリに記憶され、更新時間計測手段140のタイムカウントに応じて更新される。初期値はST=DT、CT=0、t=0である。
まず、
図5のステップ200において、更新時間計測手段140が時計測を開始する。そして次のステップ201に進む。
ステップ201において、ST=DTか否か、すなわち前のフレーム更新過程において処理落ちが発生しているか否かを判断する。ST=DTの場合には、次のステップ202に進む。
【0039】
ステップ202において、x番目に生成すべきフレームFxの全体画像を構成する部分画像データのすべてについての読み込みを開始する。そして、ステップ204に進む。
前記ステップ201において、ST=DTでない場合には、ステップ203に進む。
ステップ203において、x番目に生成すべきフレームFxの全体画像を構成する部分画像データの中から、優先順位最下位の部分画像データを読み込みリストから削除し、削除した部分画像データ以外の残りの部分画像データの読み込みを開始する。そして、ステップ204に進む。
ステップ204において、データ読み込み手段151が選択した部分画像データのすべてについて読み込みが終了したか否かが判断される。読み込みが終了していない場合にはステップ204に戻り、読み込みが終了した場合には、次のステップ205に進む。
【0040】
ステップ205において、CT=STか、すなわち、更新時間計測手段140の計測時間CTが設定更新時間STと同等か否かが判断される。CT=STでない場合には、次のステップ206に進む。
ステップ206において、CT<STか、すなわち計測時間CTは設定更新時間STの範囲内か否かが判断される。CT<STの場合には、ステップ205に戻って計測時間CTが設定更新時間STとなるまで待機し、CT<STでない場合、すなわち、計測時間CTが設定更新時間STを超えている(処理落ちしている)場合には、ステップ207に進む。
【0041】
ステップ207において、ST=DT−tとする。すなわち、次フレームの設定更新時間STを標準更新時間DTから超過時間t分だけ短く設定する。そして、ステップ209に進む。
前記ステップ205において、CT=STの場合には、ステップ208に進む。
ステップ208において、ST=DTとする。すなわち、次フレームの設定更新時間STを標準更新時間DTに設定する。そして、ステップ209に進む。
ステップ209において、フレームデータを出力する。そして、次のステップ210に進む。
【0042】
ステップ210において、更新時間計測手段140のカウントをリセットする。そして、1フレームの更新処理を終了する。
ここで、上記フローのステップ203において読み込みから削除される優先順位最下位の部分画像データの読み込み予定時間が、超過時間tよりも短い場合には、次に生成されるフレームにおいて、さらに処理落ちが発生する(ステップ206でCT<STとならない)こともありうるが、ステップ207において、超過時間tを減じた時間が設定更新時間STとして設定されるので、超過時間が次フレーム、次々フレームに累積されていくことはなく、複数のフレーム更新を行う間に、最初に生じた超過時間が徐々に減っていくこととなる。
【0043】
これを
図7に基づき具体的に説明すると、1フレームの設定更新時間STが50msである場合、1番目のフレームF1のフレームデータが出力されるのに53msかかったとする。この場合には、フレームF2の設定更新時間STを47msに設定し、フレームF2の部分画像データから優先順位最下位の部分画像の部分画像データを読み込みから削除する。ここで、この削除される部分画像データの読み込み予定時間が1msだったとすると、フレームF2の残りの部分画像データの読み込み終了までに49msかかり、フレームF2の更新時間として設定された設定更新時間STの47msを2msオーバーしてしまう。しかし、次のフレームF3の設定更新時間STは50−2=48msに設定されるので、フレームF3で削除される優先順位最下位の部分画像データの読み込み予定時間が2ms以上であれば、フレームF3のフレームデータ出力時に最初の超過時間3msは帳消しになる。フレームF3で削除される優先順位最下位の部分画像データの読み込み予定時間が2ms未満の場合には、フレームF3の次に生成されるフレームF4、あるいはそれ以降のフレームの生成過程において、残りの超過時間をカットしていく。
【0044】
このように、第一の実施の形態によれば、1フレームにおける画像の抜け落ちを最小限に抑えて、画像と音声のずれが徐々に解消されていくものとなる。
(第二の実施の形態)
第二の実施の形態は、画像表示制御におけるフレーム更新処理の他の例に係る。なお、第二の実施の形態におけるスロットマシン10の基本的構成は、第一の実施の形態と同様であるので説明を省略し、本実施の形態の特徴部分のみ説明する。
上記した第一の実施の形態は、処理落ちが発生した場合に、複数フレームの更新にまたがって更新時間の超過分を解消していくものであったが、第二の実施の形態は、更新時間の超過分を、処理落ち発生後に生成される1フレームの更新過程で解消しようというものである。
【0045】
本実施の形態においては、データ読み込み手段151は、処理落ち発生時には、その後に生成されるフレームについて、フレームを構成するn個の部分画像データのうち、まず優先順位の最も低いものを読み込みリストから削除し、削除した部分画像データを読み込むのに要する予定時間の合計が更新時間の超過時間と同等になるまで、残った部分画像データのうち優先順位の最も低いものから順に読み込みリストから削除し、残りの部分画像データのみ読み込みを行うように形成されている。
また、データ出力手段152は、処理落ち発生時には、その後に生成されるフレームについて、データ読み込み手段151が選択した部分画像データの読み込み終了時(フレーム生成時)に、フレームデータを出力するように形成されている。
【0046】
(フレーム更新処理)
第二の実施の形態に係るフレーム更新処理を、
図6のフローに基づき説明する。ここで、図中「K」は、読み込みから削除された部分画像データの読み込み予定時間の合計値であり、初期値は0である。
まず、
図6のステップ300において、更新時間計測手段140が時計測を開始する。そして次のステップ301に進む。
ステップ301において、t>0か否か、すなわち前のフレーム更新過程において処理落ちが発生しているか否かを判断する。t>0の場合、すなわち処理落ちが発生している場合には、次のステップ302に進む。
【0047】
ステップ302において、x番目のフレームFxを構成する部分画像のうち優先順位最下位の部分画像の部分画像データを検索して、読み込みリストから削除する(選択から外す)。なお、ここでいう「優先順位最下位」は、すでに削除済みのデータを除いたうちの優先順位最下位という意味である。そして、次のステップ303に進む。
ステップ303において、削除した部分画像データの読み込み予定時間の合計値Kを算出する。Kは、削除データが単独の場合には当該部分画像データの読み込み予定時間、削除データが複数ある場合には複数の部分画像データの読み込み予定時間の合計である。そして、次のステップ304に進む。
【0048】
ステップ304において、読み込み予定時間の合計値Kは超過時間tと同等か否かが判断される。K=tでない場合にはステップ302に戻り、K=tの場合には次のステップ305に進む。
ステップ305において、読み込みリストから削除した部分画像データ以外の残りの部分画像データの読み込みを行う。そして次のステップ306に進む。
ステップ306において、残りの部分画像データすべての読み込みが終了したか否かが判断される。読み込みが終了しない場合にはステップ306に戻り、読み込みが終了した場合には、ステップ320に進む。
【0049】
前記ステップ301において、t>0でない場合、すなわち前フレーム更新過程で処理落ちが発生していない場合には、ステップ310に進む。
ステップ310からステップ313までの流れは、第一の実施の形態を示す
図5のフローにおいて、ST=DTの場合のステップ202からステップ206までの流れと同様であるので説明を省略する。
ステップ312においてCT=DTの場合には、ステップ315に進み、t=0とする。そして、ステップ320に進む。
ステップ313においてCT<DTでない場合には、ステップ314に進み、t=CT−DTとする。そして、ステップ320に進む。
【0050】
ステップ320においてフレームデータを出力し、ステップ321において、更新時間計測手段140のカウントをリセットし、1フレームの更新処理を終了する。
上記したフレーム更新処理の具体例を
図8に基づき説明すると、1番目のフレームF1のフレーム生成に53msかかり、フレームデータが出力されるのに53msかかったと仮定する。この場合には、フレームF1の次に生成されるフレームF2の部分画像データのうち、優先順位の低い部分画像の参照画像データから順に読み込み対象から削除していくとともに読み込み予定時間を加算していき、読み込み予定時間が合計3msとなるまで部分画像データを削除する。そして、部分画像データの読み込みを47msで実行可能とし、フレームデータの出力をする。これにより、フレームF2のフレームデータ出力が3ms早まり、フレームF1の次に生成されるフレームF2の読み込み開始時期が、処理落ちしていない場合と同じ時間となる。
【0051】
ところで、削除する部分画像データの読み込み予定時間の合計が、更新時間の超過時間tと一致しない場合が考えられる。このような場合の対処法として、データ読み込み手段152は削除データの読み込み予定時間がt以上となるまで部分画像データを削除するとともに、フレームF2の更新時間を47msに設定する。そして、データ出力手段152は、データ読み込み手段152が読み込みを終了とき又は47msの経過時のいずれか遅いときに、フレームデータを出力するようにすればよい。すなわち、第一の実施の形態と第二の実施の形態を組み合わせた処理としてもよいものである。
以上のように、本実施の形態によれば、処理落ち時間が長かった場合には1フレームから削除される部分画像が多くなり違和感を感じさせる可能性はあるものの、削除される部分画像は重要度の低いものであるから報知の精度等に影響を与えることはなく、画像と音声のずれを早期に解消することができる。また、読み込みデータを削減することによりプロセッサーの負担が軽減され、以後の処理落ちの発生を予防することもできる。
【0052】
なお、第二の実施の形態では、処理落ちを1回のフレーム更新で取り戻すようにしてあったが、更新時間の超過時間t値に応じて予め定めた回数のフレーム更新過程において、あるいは、予め定めた複数のフレーム更新過程において、部分画像データを読み込みから削除するようにしてもよい。例えば、超過時間tが5ms以上の場合には2回のフレーム更新、5ms以下の場合には1回のフレーム更新において部分画像データを読み込みから削除するように形成することができる。あるいは、処理落ち軽減処理を行うフレーム更新回数を2回、又は3回に固定しておき、定められた回数だけ、部分画像データを読み込みから削除するように形成することができる。この場合には、所定回数のフレーム更新で削除する部分画像データの読み込み時間の合計が、超過時tとなるように設定すればよい。このように形成した場合には、1フレームから削除される部分画像を少なくできる。
【0053】
また、上記した第一及び第二の実施の形態では、画像表示装置として液晶表示装置を用いているが、液晶表示装置以外の画像表示装置に応用してもよい。そして、本発明は、スロットマシン以外の遊技機にも利用できる。例えばパチンコ遊技機の画像表示装置に応用することができる。