特許第5779945号(P5779945)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5779945
(24)【登録日】2015年7月24日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】自走式作業機械の制御装置
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/24 20060101AFI20150827BHJP
   E02F 9/20 20060101ALI20150827BHJP
   E02F 9/22 20060101ALI20150827BHJP
【FI】
   E02F9/24 B
   E02F9/20 Q
   E02F9/22 C
【請求項の数】2
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2011-83924(P2011-83924)
(22)【出願日】2011年4月5日
(65)【公開番号】特開2012-219461(P2012-219461A)
(43)【公開日】2012年11月12日
【審査請求日】2014年1月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田添 祟司
(72)【発明者】
【氏名】田中 恒次郎
【審査官】 鷲崎 亮
(56)【参考文献】
【文献】 実開平07−012553(JP,U)
【文献】 特開2010−143682(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 3/42,3/43,3/84,3/85
9/00−9/28
E04G 23/00−23/08
B66C 9/00−11/26
17/00−17/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部走行体上に上部旋回体を旋回自在に搭載してなる自走式作業機械の制御装置であって、
外部電源から前記作業機械に給電する給電ケーブルに加わる張力を検出する張力検出手段と、
前記下部走行体の走行方向を検出する走行方向検出手段と、
前記上部旋回体の旋回方向を検出する旋回方向検出手段と、
前記走行方向検出手段によって検出された前記下部走行体の走行方向を記憶する走行方向記憶手段と、
前記旋回方向検出手段によって検出された前記上部旋回体の旋回方向を記憶する旋回方向記憶手段と、
前記張力検出手段で検出された給電ケーブルの張力が第1閾値より大きくなったとき前記下部走行体の走行操作がない場合には前記下部走行体の走行を禁止し、前記下部走行体の走行操作がある場合には前記走行方向記憶手段に直前に記憶された走行方向への走行を停止すると共に禁止する走行禁止手段と、
前記張力検出手段で検出された給電ケーブルの張力が前記第1閾値より大きくなったとき前記上部旋回体の旋回操作がない場合には前記上部旋回体の旋回を禁止し、前記上部旋回体の旋回操作がある場合には前記旋回方向記憶手段に直前に記憶された旋回方向への旋回を停止すると共に禁止する旋回禁止手段と
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記走行禁止手段に基づく前記下部走行体の走行の禁止と前記旋回禁止手段に基づく前記上部旋回体の旋回の禁止は、前記張力検出手段で検出された給電ケーブルの張力が前記第1閾値より小さく設定された第2閾値より大きい場合に継続され、
前記走行禁止手段に基づく前記下部走行体の走行の禁止及び前記旋回禁止手段に基づく前記上部旋回体の旋回の禁止は、前記張力検出手段で検出された給電ケーブルの張力が前記第2閾値より小さい場合に解除されることを特徴とする請求項1記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下部走行体に上部旋回体を旋回自在に搭載してなる自走式作業機械の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自走式作業機械の動力源には、排気ガス対策と騒音対策との観点から、電動機が用いられている。電動機には外部電源から電気を供給するため給電ケーブルが接続されている。したがって、自走式作業機械は、この給電ケーブルの長さで規定される可動範囲内で作業をすることになる。
【0003】
この種の自走式作業機械では、可動範囲を越えて稼動すると、給電ケーブルに過大な張力が生じて給電ケーブルが損傷し又は切断する恐れがある。その対策として、給電ケーブルに加わる張力が一定の値を超えたとき自走式作業機械の作動を停止させることが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−190231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された自走式作業機械では、自走式作業機械の走行と旋回の作動を停止した後の停止解除については考慮されていない。
【0006】
すなわち、自走式作業機械の走行と旋回の作動を停止した状態で停止を解除すると、給電ケーブルに加わる張力は一定の値を超えたままであるため、自走式作業機械の走行と旋回の作動がすぐに停止する可能性がある。
【0007】
本発明は、上記のように自走式作業機械の走行と旋回を停止した後その停止状態を解除しても不都合を生じさせない制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、下部走行体上に上部旋回体を旋回自在に搭載してなる自走式作業機械の制御装置であって、外部電源から前記作業機械に給電する給電ケーブルに加わる張力を検出する張力検出手段と、前記下部走行体の走行方向を検出する走行方向検出手段と、前記上部旋回体の旋回方向を検出する旋回方向検出手段と、前記走行方向検出手段によって検出された前記下部走行体の走行方向を記憶する走行方向記憶手段と、前記旋回方向検出手段によって検出された前記上部旋回体の旋回方向を記憶する旋回方向記憶手段と、前記張力検出手段で検出された給電ケーブルの張力が第1閾値より大きくなったとき前記下部走行体の走行操作がない場合には前記下部走行体の走行を禁止し、前記下部走行体の走行操作がある場合には前記走行方向記憶手段に直前に記憶された走行方向への走行を停止すると共に禁止する走行禁止手段と、前記張力検出手段で検出された給電ケーブルの張力が前記第1閾値より大きくなったとき前記上部旋回体の旋回操作がない場合には前記上部旋回体の旋回を禁止し、前記上部旋回体の旋回操作がある場合には前記旋回方向記憶手段に直前に記憶された旋回方向への旋回を停止すると共に禁止する旋回禁止手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、張力検出手段で検出された給電ケーブルの張力が第1閾値よりも大きくなったときに下部走行体の走行操作がない場合には、下部走行体の走行が禁止される。また、張力検出手段で検出された給電ケーブルの張力が第1閾値よりも大きくなったときに下部走行体の走行操作がある場合には、走行方向記憶手段によって直前に記憶された走行方向への走行が停止すると共に禁止される。
【0010】
更に、張力検出手段で検出された給電ケーブルの張力が第1閾値よりも大きくなったときに上部旋回体の旋回操作がない場合には上部旋回体の旋回が禁止される。また、張力検出手段で検出された給電ケーブルの張力が第1閾値よりも大きくなったときに上部旋回体の旋回操作がある場合には旋回方向記憶手段によって直前に記憶された旋回方向への旋回が停止すると共に禁止される。
【0011】
従って、給電ケーブルの張力が大きくなる方向については、下部走行体の走行及び上部旋回体の旋回は禁止されるので、給電ケーブルの損傷又は切断を防止することができる。
【0012】
また、張力検出手段で検出された給電ケーブルの張力が前記第1閾値よりも大きくなったときに下部走行体の走行操作がある場合には、走行方向記憶手段によって直前に記憶された走行方向と反対方向への走行が許容される。更に、張力検出手段で検出された給電ケーブルの張力が第1閾値よりも大きくなったときに上部旋回体の旋回操作がある場合には、旋回方向記憶手段によって直前の記憶された旋回方向と反対方向の旋回が許容される。
【0013】
このように、下部走行体の走行及び上部旋回体の旋回は、給電ケーブルの張力が小さくなる方向については許容されるので、走行方向又は反対方向と反対方向への走行又は旋回によって給電ケーブルに加えられる張力が小さくなる。そして、給電ケーブルに加えられる張力を第1閾値以下にすることによって、下部走行体の走行と上部旋回体の旋回を停止することなく操作することが可能となる。
【0014】
従って、給電ケーブルに加えられる張力を容易に小さくすることができるため、下部走行体の走行又は上部旋回体の旋回が禁止された場合に、下部走行体の走行と上部旋回体の旋回の禁止を容易に解除することができる。
【0015】
また、前記走行禁止手段に基づく前記下部走行体の走行の禁止と前記旋回禁止手段に基づく前記上部旋回体の旋回の禁止は、前記張力検出手段で検出された給電ケーブルの張力が前記第1閾値より小さく設定された第2閾値より大きい場合に継続され、前記走行禁止手段に基づく前記下部走行体の走行の禁止及び前記旋回禁止手段に基づく前記上部旋回体の旋回の禁止は、前記張力検出手段で検出された給電ケーブルの張力が前記第2閾値より小さい場合に解除されることが好ましい。
【0016】
これによれば、給電ケーブルの張力が第1閾値よりも小さい第2閾値より小さい場合に、走行禁止手段に基づく下部走行体の走行の禁止及び旋回禁止手段による上部旋回体の旋回の禁止が解除されるため、下部走行体の走行の禁止及び上部旋回体の旋回の禁止の解除後に下部走行体の走行及び上部旋回体の旋回によって給電ケーブルの張力が大きくなった場合でも、この張力はすぐには第1閾値よりも大きくならない。従って、下部走行体の走行の停止と上部旋回体の旋回の禁止が解除された後に、給電ケーブルの張力が大きくなるような下部走行体の走行及び上部旋回体の旋回を行ったとしても、すぐには下部走行体の走行及び上部旋回体の旋回が禁止されないため、復帰後の作業機械を容易に操作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】自走式作業機械を示す構成図。
図2】張力検出手段を示す説明図。
図3】走行制御手段と旋回制御手段の回路図。
図4】走行制御手段と旋回制御手段の動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態を以下に説明する。まず、図1を参照して、自走作業機械の構成を説明する。
【0019】
自走式作業機械1は、下部走行体2と、この下部走行体2上に旋回自在に搭載される上部旋回体3とから構成されている。また、上部旋回体3の前側には、前方に突出したクランプアーム4と運転室5が設けられている。さらに、運転室5と隣接する側には、上下方向に回動可能なブーム6が設けられている。ブーム6の先端側にはアーム7aを介して作業アタッチメント7bが取り付けられている。
【0020】
なお、本実施形態では、下部走行体2にクランプアーム4が設けられているが、下部走行体2にクランプアーム4を設けていない形式であってもよい。
【0021】
下部走行体2の右側には駆動輪8aと従属輪8bと複数のロワローラ8c(図示省略)が取り付けられ、下部走行体2の左側には駆動輪8dと従属輪8eと複数のロワローラ8fが取り付けられている。また、駆動輪8aと従属輪8bとロワローラ8cとには無限軌道履帯9a(図示省略)が掛け回され、駆動輪8dと従属輪8eとロワローラ8fとには無限軌道履帯9bが掛け回されている。
【0022】
右側の駆動輪8aと左側の駆動輪8dとは別々に回転駆動することができ、この駆動の制御は、図3に示す左右走行レバー10a、10bによって行われる。また、上部旋回体3の旋回の時計回りと反時計回りの制御は、旋回レバー10cによって行われる。駆動輪8a、8dの駆動すなわち下部走行体2の前後進と、上部旋回体3の旋回は、後述する油圧制御装置30によって制御される。
【0023】
自走式作業機械1は、外部電源11から給電ケーブル12を介して給電される図示しない電動機を備えている。また、給電ケーブル12は、天井13に取り付けられたレール14に支持されたバランサーキャリヤ15と複数のケーブルキャリヤ16とを介して吊り下げられている。バランサーキャリヤ15は、ケーブルキャリヤ16よりも自走式作業機械1に近い位置でレール14に支持されている。
【0024】
次に図2に示すように、バランサーキャリヤ15の上側にはトロリー20が設けられている。このトロリー20は、レール14上を転動する2つのローラ21を有する。また、所定の第1閾値より大きな張力を検出する場合に信号をCPU100に送信し続けるロードリミッタ22が、止め金具23aを介してトロリー20に掛けられている。この信号は、ロードリミッタ22と自走式作業機械1とを接続する信号線24によって、後述する油圧制御装置30を構成するCPU100に送信される。また、ロードリミッタ22は、第1閾値より小さな第2閾値以下の張力を検出した場合にはCPU100に送信されている信号を停止する。このように張力を検出するロードリミッタ22が張力検出手段に相当する。なお、第1閾値及び第2閾値はロードリミッタ22に予め設定されていてもよい。
【0025】
また、バランサー本体25の位置を調節することのできるバランサー26が、止め金具23bを介してロードリミッタ22に掛けられている。また、このバランサー本体25の下端部には、止め金具23cを介して吊下部27が取り付けられ、この吊下部27に給電ケーブル12が吊り下げられている。バランサー本体25の位置を調節することによって、ローラ21と吊下部27との距離を調節することが可能になる。
【0026】
次に図3を参照して、油圧制御装置30について説明する。図3では、斜線を含まない実線は作動油を供給する供給路を示し、斜線を含む実線は電気信号線を示す。図3に示すように、油圧制御装置30は、ロードリミッタ22と油圧回路40とCPU100とを備える。CPU100は、ロードリミッタ22からの信号が入力されるようにロードリミッタ22と接続されている。
【0027】
油圧回路40は、駆動輪8a、8dを駆動させための走行モータ41、42と、上部旋回体3を旋回させるための旋回モータ43と、走行モータ41、42及び旋回モータ43の作動を制御する油圧切換弁44〜46と、油圧切換弁44〜46に作動油を供給するメインポンプ47を備えている。
【0028】
また、油圧切換弁44はパイロットポート44a、44bを有し、油圧切換弁45はパイロットポート45a、45bを有し、油圧切換弁46はパイロットポート46a、46bを有している。
【0029】
パイロットポート44a、44bは、供給路59a、59bを介して、電磁切換弁50、51と、走行バルブ56と、パイロットポンプ76と接続されている。また、パイロットポート44a、44bと同様に、パイロットポート45a、45bは、電磁切換弁52、53と走行バルブ57とパイロットポンプ76とに接続され、パイロットポート46a、46bは、電磁切換弁54、55と旋回バルブ58とパイロットポンプ76とに接続されている。
【0030】
電磁切換弁50、51と走行バルブ56とを接続する供給路59a、59bには、圧力センサ62、63が備えられている。また、電磁切換弁52、53と走行バルブ57とを接続する供給路60a、60b、及び電磁切換弁54、55と旋回バルブ58とを接続する供給路61a、61bには、供給路59a、59bと同様に圧力センサ64〜67が備えられている。
【0031】
走行バルブ56は右走行レバー10aと一対の走行弁74、75を備えている。また、走行弁74、75には、パイロットポンプ76が接続されている。走行バルブ57、旋回バルブ58についても同様に、走行弁77、78、80、81とパイロットポンプ76が接続されている。
【0032】
次に、右走行レバー10aを操作した場合の油圧切換弁44と、電磁切換弁50、51の動作について説明する。右走行レバー10aを操作させることによって走行弁74が作動すると、パイロットポンプ76から吐出される作動油が供給路59aに流通する。
【0033】
この時、ソレノイド50sが通電されていないときには、走行弁74とパイロットポート44aとが連通する状態となり、パイロットポンプ76から吐出された作動油がパイロットポート44aに供給される。従って、メインポンプ47から吐出される作動油が走行モータ41に流通し、走行モータ41が右側の駆動輪8aに作用することによって右側の無限軌道履帯9aが下部走行体2を前進させる方向に回転する。
【0034】
その際、供給路59aに流通する作動油の油圧が圧力センサ62によって検出されており、油圧が検出された場合には、圧力センサ62からの信号がCPU100に伝達されると共に記憶される。このときは、CPU100には、下部走行体3の右側の無限軌道履帯9aが前進する方向に回転していることを示す信号が記憶される。この圧力センサ62及び後述の圧力センサ63〜65が、走行方向検出手段に相当する。
【0035】
一方で、パイロットポンプ76から吐出される作動油が供給路59aに流通している時にソレノイド50sが通電される場合には、パイロットポンプ76から吐出された作動油はパイロットポート44aには供給されず、また、パイロットポート44aに供給されている作動油が電磁切換弁50を介してドレーンされる。このときは、メインポンプ47から吐出される作動油は走行モータ41には供給されずにドレーンされる。
【0036】
したがって、ソレノイド50sが通電されるときには、走行モータ42は右側の駆動輪8aに作用しないため、右側の無限軌道履帯9aは前進する方向には回転しない。
【0037】
また、ソレノイド50sが通電されていない場合と同様に、ソレノイド51sが通電されていないときには、右走行レバー10aを操作することによって、メインポンプ47から吐出される作動油が走行モータ41に流通し、走行モータ41が右側の駆動輪8aに作用することによって右側の無限軌道履帯9aが下部走行体2を後進させる方向に回転する。
その際、圧力センサ63からの信号がCPU100に伝達されると共に記憶され、CPU100には、下部走行体2の右側の無限軌道履帯9aが下部走行体2を後進させる方向に回転していることを示す信号が記憶される。また、ソレノイド50sが通電される場合と同様に、ソレノイド51sが通電される場合には、右側の無限軌道履帯9aを後進する方向に回転させることはできない。
【0038】
また、ソレノイド52s、53sについても、ソレノイド50s、51sと同様に、左走行レバー10bを操作することによって、メインポンプ47から吐出される作動油が走行モータ42に流通し、走行モータ42が左側の駆動輪8dに作用することによって左側の無限軌道履帯9bが下部走行体2を前進又は後進させる方向に回転する。その際、圧力センサ64、65からの信号がCPU100に伝達されると共に記憶され、CPU100には、下部走行体2の左側の無限軌道履帯9bが下部走行体2を前進又は後進させる方向に回転していることを示す信号が記憶される。また、ソレノイド50sが通電される場合と同様に、ソレノイド52sが通電される場合には、左側の無限軌道履帯9bは下部走行体2を前進又は後進させる方向に回転させることはできない。
【0039】
さらに、ソレノイド54s、55sについても、ソレノイド50s、51sと同様に、旋回レバー10cを操作することによって、メインポンプ47から吐出される作動油が旋回モータ43に流通し、旋回モータ43が上部旋回体3に作用することによって上部旋回体3が時計回り又は反時計回りに旋回する方向に回転する。
【0040】
その際、圧力センサ66、67からの信号がCPU100に伝達されると共に記憶され、CPU100には、上部旋回体3が時計回り又は反時計回りに回転していることを示す信号が記憶される。この圧力センサ66、67が旋回方向検出手段に相当する。また、ソレノイド50s、51sが通電される場合と同様に、ソレノイド54s、55sが通電される場合には、上部旋回体3を時計回り又は反時計回りに回転させることはできない。
【0041】
各ソレノイド50s〜55sへの通電は、ロードリミッタ22からCPU100に伝達された信号に基づいて行われる。具体的には、ロードリミッタ22によって検出されている給電ケーブルの張力が第1閾値を超えている場合に、ロードリミッタ22からCPU100に信号が伝達される。また、ロードリミッタ22からCPU100に伝達されている信号は、給電ケーブルの張力が第2閾値以下になるまでCPU100に伝達される。
【0042】
次に、図4に示すフローチャートを参照して説明する。
【0043】
まず、左右走行レバー10a、10bと旋回レバー10cの操作の有無は圧力センサ62〜67で検出される圧力によって検出され、圧力センサ62〜67からの信号がCPU100に記憶される(STEP1)。この圧力センサ62〜65からの信号に基づいて、各駆動輪8a、8dの駆動による下部旋回体2の前後進方向を記憶するCPU100が、走行方向記憶手段に相当する。また、圧力センサ66、67からの信号に基づいて、上部旋回体3の旋回を記憶するCPU100が旋回方向記憶手段に相当する。
【0044】
次に、給電ケーブル12の張力が所定の第1閾値を超えているか否かについて判断される(STEP2)。具体的には、給電ケーブル12の張力を検出するロードリミッタ22の検出値が所定の第1閾値を超えている場合には、ロードリミッタ22からCPU100に信号が伝達される。
【0045】
ロードリミッタ22からの信号の伝達がないときは給電ケーブル12の張力は第1閾値以下であり、STEP2で「NO」と判断されてSTEP1に戻る。また、ロードリミッタ22からCPU100に信号が伝達されているときは給電ケーブル12の張力が第1閾値を超えており、STEP2で「YES」と判断されてSTEP3に進む。
【0046】
次に、STEP1でCPU100に記憶された圧力センサ62〜67の信号に基づいて、右側の駆動輪8aが下部走行体2を前進若しくは後進させる方向に回転するように操作されているか否かについて判断される(STEP3)。STEP1で記憶された右側の駆動輪8aの操作が下部走行体2の前進若しくは後進のいずれの方向の操作でもない場合にはSTEP3で「NO」と判断されて、右側の駆動輪8aが下部走行体2を前進及び後進させるいずれの方向の操作も禁止させる処理が実行される(STEP4、5)。
【0047】
このときは、ソレノイド50s、51sが通電されて、各パイロットポート44a、44bに供給されている作動油がドレーンされる。したがって、メインポンプ47から吐出される作動油は走行モータ41に伝達されず、また走行モータ41に供給されている作動油がドレーンされる。
【0048】
このように、STEP4、5において右側の駆動輪8aの前進及び後進を禁止し、後述するSTEP10、11において左側の駆動輪8dの前進及び後進を禁止し、後述するSTEP7、8、13、14において右側又は左側の駆動輪8a、8dの前進又は後進を停止すると共に禁止する指令を出すCPU100が、走行禁止手段に相当する。
【0049】
また、STEP1でCPU100に記憶された圧力センサ62〜67の信号に基づいて、右側の駆動輪8aが下部走行体2を前進若しくは後進のいずれかをさせるように操作されていると判断される場合には、右側の駆動輪8aの操作が下部走行体2の前進若しくは後進のいずれの操作であるかが判断される(STEP6)。
【0050】
STEP1で記憶された右側の駆動輪8aの操作が下部走行体2を前進させる方向ではなく、後進させる方向である場合には、STEP6で「NO」と判断されて、後進させる方向に駆動している右側の駆動輪8aの動作が停止されると共に禁止される(STEP7)。また、STEP1で記憶された右側の駆動輪8aの操作が前進させる方向である場合には、STEP6で「YES」と判断されて、前進させる方向に駆動している右側の駆動輪8aの動作が停止されると共に禁止される(STEP8)。
【0051】
STEP7ではソレノイド51sが通電されるため、オイルポンプ76から吐出された作動油はパイロットポート44bに供給されず、またパイロットポート44bに供給されている作動油はドレーンされる。したがって、メインポンプ47から供給される作動油は走行モータ41の後進側には供給されず、後進させる方向に駆動している右側の駆動輪8aの操作が停止されると共に禁止される。このときは、右側の駆動輪8aの前進方向の操作は許容されているため、右走行レバー10aを前進に操作することによって、パイロットポート44aに作動油を供給することができ、これにより右側の駆動輪8aについて前進方向の操作を行うことができる。
【0052】
また、STEP8ではソレノイド50sが通電されるため、オイルポンプ76から吐出された作動油はパイロットポート44aに供給されず、またパイロットポート44aに供給されている油圧はドレーンされる。したがって、メインポンプ47から供給される作動油は走行モータ41の前進側には供給されず、前進させる方向に駆動している右側の駆動輪8aの動作が停止されると共に操作が禁止される。このときは、右側の駆動輪8aの後進方向の操作は許容されているため、右走行レバー10aを後進側に操作することによって、パイロットポート44bに作動油を供給することができ、これにより右側の駆動輪8aについて後進方向の操作を行うことができる。
【0053】
STEP5、7、8の次に、左側の駆動輪8dが前進若しくは後進する方向に操作されているか否かについて判断される(STEP9)。STEP1で記憶された左側の駆動輪8dの操作が下部走行体2の前進若しくは後進のいずれの方向の操作でもない場合にはSTEP9で「NO」と判断されて、左側の駆動輪8dが下部走行体2を前進及び後進のいずれの方向の操作も禁止させる処理が実行される(STEP10、11)。
【0054】
また、STEP1でCPU100に記憶された圧力センサ62〜67の信号に基づいて、左側の駆動輪8dが下部走行体2を前進若しくは後進のいずれかについて操作されていると判断される場合には、左側の駆動輪8dの操作が下部走行体2の前進若しくは後進のいずれの操作であるかが判断される(STEP12)。
【0055】
STEP1で記憶された左側の駆動輪8dの操作が下部走行体2を前進させる方向ではなく、後進させる方向である場合には、STEP12で「NO」と判断されて、後進させる方向に駆動している左側の駆動輪8dの動作が停止させると共に禁止される(STEP13)。また、STEP1で記憶された左側の駆動輪8dの操作が下部走行体2を前進させる方向である場合には、STEP12で「YES」と判断されて、前進させる方向に駆動している左側の駆動輪8dの動作が停止されると共に禁止される(STEP14)。
【0056】
STEP13、14では、STEP7、8と同様の制御が行われているため、ソレノイド52s、53s、パイロットポート45a、45b、メインポンプ47、走行モータ42、駆動輪8dの動作は、STEP7、8におけるソレノイド50s、51s、パイロットポート44a、44b、メインポンプ47、走行モータ41、駆動輪8aの動作と同様になる。
【0057】
すなわち、STEP13では、左側の駆動輪8dの後進方向の操作が禁止されると共に停止されるが、前進方向の操作は許容されている。また、STEP14では、左側の駆動輪8dの前進方向への操作が禁止されると共に停止されるが、左側の駆動輪8dの後進方向の操作は許容されている。
【0058】
STEP11、13、14の次に、上部旋回体3が時計回り若しくは反時計回りで旋回する方向に操作されているか否かについて判断される(STEP15)。STEP1で記憶された上部旋回体3の操作が時計回り若しくは反時計回りのいずれの旋回の操作でもない場合には、STEP15で「NO」と判断されて、時計回り若しくは反時計回りのいずれの旋回も禁止する処理が実行される(STEP16、17)。このときは、STEP4、5と同様に、メインポンプ49から吐出される作動油は旋回モータ43に供給されず、また走行モータ43に供給されている作動油がドレーンされる。
【0059】
このように、STEP16、17において上部旋回体3の時計回り及び反時計回りの旋回を禁止し、後述するSTEP19、20において上部旋回体の時計回り又は反時計回りの旋回を停止すると共に禁止する指令を出すCPU100が、旋回禁止手段に相当する。
【0060】
また、STEP1でCPU100に記憶された圧力センサ62〜67の信号に基づいて、上部旋回体3が時計回り若しくは反時計回りのいずれかについて操作されていると判断される場合には、上部旋回体3の操作が時計回り若しくは反時計回りのいずれであるかが判断される(STEP18)。
【0061】
STEP1で記憶された上部旋回体3の操作が時計回りの旋回ではなく、反時計回りの旋回である場合には、STEP18で「NO」と判断されて、反時計回りに旋回している上部旋回体3の旋回が停止されると共に禁止される(STEP19)。また、STEP1で記憶された上部旋回体3の操作が時計回りに旋回している場合には、STEP18で「YES」と判断されて、時計回りに旋回している上部旋回体3の旋回が停止されると共に禁止される(STEP20)。
【0062】
STEP19、20では、STEP7、8と同様の制御が行われているため、ソレノイド54s、55s、パイロットポート46a、46b、メインポンプ47、旋回モータ43の動作は、STEP7、8におけるソレノイド50s、51s、パイロットポート44a、44b、メインポンプ47、走行モータ41の動作と同様になる。
【0063】
すなわち、STEP19では、反時計回りに旋回している上部旋回体3の旋回が停止されると共に禁止されるが、時計回りの方向の旋回操作は許容されている。また、STEP20では、時計回りに旋回している上部旋回体3の旋回が停止されると共に禁止されるが、反時計回りの方向の旋回操作は許容されている。
【0064】
STEP17、19、20の次に、給電ケーブル12の張力が第2閾値以下であるか否かについて判断される(STEP21)。具体的には、給電ケーブル12の張力を検出するロードリミッタ22の検出値が第2閾値以下である場合には、ロードリミッタ22からCPU100に伝達されている信号が停止される。この信号が停止されていないときは、給電ケーブル12に加わる張力が十分に減少していないため、STEP21で「NO」と判断されて、STEP21に戻る。また、ロードリミッタ22からCPU100に送信されている信号が停止されているときは、給電ケーブル12に加わる張力が十分に減少したと判断されて、STEP21で「YES」と判断されて、CPU100からの信号によって、各ソレノイド50s〜55sの通電が停止される。
【0065】
これにより、右側の駆動輪8aの前後進方向の操作と左側の駆動輪8dの前後進方向の操作と上部旋回体3の旋回操作の禁止が解除されて、下部走行体2の前後進操作と上部旋回体3の旋回操作が可能になる(STEP22)。そして、自走式作業機械1の作業中では、このSTEP1〜22が繰り返し実行される。
【0066】
次に、図4のフローチャートに基づいて、給電ケーブル12に加わる張力が第1の閾値を超えた場合に停止されると共に禁止される下部走行体2の前後進と上部旋回体3の旋回の一覧を表1及び表2に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
表1及び表2における「直前動作」は、給電ケーブル12に加わる張力が第1閾値を超える直前の下部走行体2及び上部旋回体3の動作を示している。直前動作における「○」は下部走行体2が走行し又は上部旋回体3が旋回していることを示している。また、直前動作における「×」は下部走行体2又は上部旋回体3が停止していることを示している。
【0070】
また、表1及び表2における「許容動作」は、給電ケーブル12に加わる張力が第1閾値を超えたときの下部走行体2及び上部旋回体3の動作を示している。許容動作における「○」は下部走行体2の走行が許可され又は上部旋回体3の旋回が許可されていることを示している。また、許容動作における「×」は下部走行体2の走行又は上部旋回体3の旋回が禁止されていることを示している。
【0071】
また、表1及び表2における「走行右」は右側の駆動輪8aの駆動によって下部走行体2が走行することを示している。また、「走行左」は左側の駆動輪8dの駆動によって下部走行体2が走行することを示している。すなわち、「走行右」の前が「○」である場合には、右側の駆動輪8aの駆動によって右側の無限軌道履帯9aが前進する方向に回転していることを意味しており、「走行左」の前が「○」である場合には、左側の駆動輪8dの駆動によって左側の無限軌道履帯9bが前進する方向に回転していることを意味している。
【0072】
表1の番号1に示すように、直前動作が走行右の前進のみ「○」である場合には、走行右の後進のみ許容動作が「○」となる。これは、給電ケーブル12の張力が第1閾値を超える際に、右側の駆動輪8aのみが駆動して下部走行体2が前進している場合には、右側の駆動輪8aの駆動による右側の無限軌道履帯9aの後進する方向の回転のみが許容され、右側の無限軌道履帯9aの前進方向と左側の無限軌道履帯9a前後進方向の回転及び上部旋回体3の旋回が禁止されることを示している。
【0073】
なお、直前動作が走行右の後進のみ「○」の場合(番号4)及び走行左の前進のみ「○」の場合(番号7)及び走行左の後進のみ「○」の場合(番号8)についても番号1と同様に、無限軌道履帯9a、9bの回転と上部旋回体3の旋回について許容と禁止がなされる。
【0074】
また、番号2に示すように、走行右の前進と走行左の前進についての直前動作が「○」の場合には、走行右の後進と走行左の後進についての許容動作が「○」となる。これは、給電ケーブル12の張力が第1閾値を超える際に、左右の駆動輪8a、8dの駆動によって無限軌道履帯9a、9bが共に前進する方向に回転している場合には、無限軌道履帯9a、9bの前進させる方向に回転する左右の駆動輪8a、8bの回転及び上部旋回体3の旋回が禁止されると共に、無限軌道履帯9a、9bを後進させる方向に回転する左右の駆動輪8a、8dの回転が許容されることを示している。
【0075】
なお、直前動作が走行右の前進と走行左の後進が「○」の場合(番号3)及び走行右の後進と走行左の前進が「○」の場合(番号5)及び走行右の後進と走行左の後進が「○」の場合(番号6)についても番号2と同様に、無限軌道履帯9a、9bの回転と上部旋回体3の旋回について許容と禁止がなされる。
【0076】
また、番号9に示すように、走行右の前進と時計回りの旋回についての直前動作が「○」の場合には、走行右の後進と反時計回りの旋回についての許容動作が「○」となる。これは、給電ケーブル12の張力が第1閾値を超える際に、右側の駆動輪8aの駆動によって無限軌道履帯9aが前進する方向に回転し、かつ上部旋回体3が時計回りに旋回している場合には、右側の駆動輪8aの駆動による右側の無限軌道履帯9aの後進する方向の回転と上部旋回体3の反時計回りの旋回が許容され、右側の無限軌道履帯9aの前進方向と左側の無限軌道履帯9bの前後進方向の回転及び上部旋回体3の時計回りの旋回が禁止されることを示している。
【0077】
なお、直前動作が走行右の後進と時計回りの旋回が「○」の場合(番号12)及び走行左の前進と時計回りの旋回が「○」の場合(番号15)及び走行左の後進と時計回りの旋回が「○」の場合(番号16)についても番号9と同様に、無限軌道履帯9a、9bの回転と上部旋回体3の旋回について許容と禁止がなされる。
【0078】
また、直前動作が走行右の前進と反時計回りの旋回が「○」の場合(番号17)及び走行右の後進と反時計回りの旋回が「○」の場合(番号20)及び走行左の前進と反時計回りの旋回が「○」の場合(番号23)及び走行左の後進と反時計回りの旋回が「○」の場合(番号24)についても同様に、無限軌道履帯9a、9bの回転と上部旋回体3の旋回について許容と禁止がなされる。
【0079】
番号10に示すように、走行右の前進と走行左の前進と時計回りの旋回についての直前動作が「○」の場合には、走行右の後進と走行左の後進と反時計回りの旋回についての許容動作が「○」となる。これは、給電ケーブル12の張力が第1閾値を超える際に、左右の駆動輪8a、8dの駆動によって無限軌道履帯9a、9bが前進する方向に回転すると共に上部旋回体3が時計回りに旋回している場合には、左右の駆動輪8a、8dの駆動による無限軌道履帯9a、9bの後進方向の回転と上部旋回体3の反時計回りの旋回が許容され、かつ無限軌道履帯9a、9bの前進方向の回転と上部旋回体3の時計回りの旋回が禁止されることを示している。
【0080】
なお、直前動作が走行右の前進と走行左の後進と時計回りの旋回が「○」の場合(番号11)及び走行右の後進と走行左の前進と時計回りの旋回が「○」の場合(番号13)及び走行右の後進と走行左の後進と時計回りの旋回が「○」の場合(番号14)についても同様に、無限軌道履帯9a、9bの回転と上部旋回体3の旋回について許容と禁止がなされる。
【0081】
また、直前動作が走行右の前進と走行左の前進と反時計回りの旋回が「○」の場合(番号18)及び走行右の前進と走行左の後進と反時計回りの旋回が「○」の場合(番号19)及び走行右の後進と走行左の前進と反時計回りの旋回が「○」の場合(番号21)及び走行右の後進と走行左の後進と反時計回りの旋回が「○」の場合(番号22)についても同様に、直前動作と反対方向以外の走行と上部旋回体3の反時計回りの旋回が停止されるとともに禁止される。
【0082】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、給電ケーブル12に加わる張力が第1閾値を超えたときに信号を発生するロードリミッタ22の代わりに、ストロークセンサを用いてもよい。このときは、例えば調節されたバランサー本体25の位置に応じてストロークセンサからCPU100に信号が伝達される。また、ローラ21と吊下部27との間の距離を調節するための機構として、バランサー本体25及びバランサー26の代わりにバネを用いてもよい。
【0083】
また、第2閾値は第1閾値より低い値に限定されず、第1閾値と同じ値となってもよい。このときは、ロードリミッタ22の閾値を1つ設定すればよく、ロードリミッタ22からCPU100に送信される信号の有無を検出するだけで、自走式作業機械1の動作の禁止と禁止の解除を制御することができる。
【符号の説明】
【0084】
1…自走式作業機械、2…下部走行体、3…上部旋回体、11…外部電源、12…給電ケーブル、22…ロードリミッタ(張力検出手段)、62〜65…圧力センサ(走行方向検出手段)、66、67…圧力センサ(旋回方向検出手段)、100…CPU(走行方向記憶手段、旋回方向記憶手段、走行禁止手段、旋回禁止手段)。
図1
図2
図3
図4