(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の面と前記第1の面に対向する第2の面とを有し第1の半導体素子と各々前記第1の面から前記第2の面まで延在する複数の貫通ビアプラグとが形成された第1の半導体チップと、
前記第1の半導体チップ上に積層され、第3の面と前記第3の面に対向する第4の面とを有し第2の半導体素子と各々前記第3の面から前記第4の面まで延在する貫通ビアプラグが形成された第2の半導体チップと、
を含み、
前記第1の半導体チップは、前記第1の面上に第1の接続パッドを有し、また前記第2の面上に第2の接続パッドを有し、
前記第1の半導体チップでは、前記第1の面において少なくとも二本の相隣接する貫通ビアプラグが前記第1の接続パッドに共通に接続され、また前記第2の面において、前記少なくとも二本の相隣接する貫通ビアプラグが前記第2の接続パッドに共通に接続され、
前記第2の半導体チップは、前記第3の面上に第3の接続パッドを有し、また前記第4の面上に第4の接続パッドを有し、
前記第2の半導体チップでは、前記第3の面において少なくとも一本の貫通ビアプラグが前記第3の接続パッドに接続され、また前記第4の面において前記少なくとも一本の貫通ビアプラグが前記第4の接続パッドに接続され、
前記第2の半導体チップは前記第3の面が前記第1の半導体チップ上に、前記第2の面に対面するように積層され、
前記第2の接続パッドと前記第3の接続パッドとは相互に接合され、
前記第1の接続パッドは、前記第1の半導体チップ中において、前記第1の面内に定義される第1の方向に隣接した一対の貫通ビアプラグを接続される第1の方位の接続パッドと、前記第1の面内に定義され前記第1の方向に対して交差する第2の方向に隣接した一対の貫通ビアプラグを接続される第2の方位を有する接続パッドとをそれぞれ含むことを特徴とする半導体装置。
前記第1および第2の接続パッドは、前記第1の面に垂直方向から見た場合に相互に隣接する複数本の貫通ビアプラグが接続されることを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置。
前記第2の半導体チップ中における貫通ビアプラグは、前記第1の半導体チップ中の貫通ビアプラグと一対一に対応して、同一の径および同一のピッチで形成されており、前記第2の半導体チップでは、前記第3の面上において少なくとも二本の貫通ビアプラグが前記第3の接続パッドに共通に接続され、また前記第4の面上において、前記少なくとも二本の貫通ビアプラグが前記第4の接続パッドに共通に接続されることを特徴とする請求項1〜3のうち、いずれか一項記載の半導体装置。
前記第2の半導体チップ中における貫通ビアプラグは、前記第1の半導体チップ中の貫通ビアプラグとは異なるピッチで形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置。
さらにパッケージ基板を含み、前記第1の半導体チップは前記パッケージ基板上に、前記第1の面が前記パッケージ基板に対面する向きで実装されており、前記第1の接続パッドは前記パッケージ基板上の接続パッドに直接に接合されていることを特徴とする請求項1〜9のうち、いずれか一項記載の半導体装置。
第1の面と前記第1の面に対向する第2の面とを有し、第1の半導体素子と各々前記第1の面から前記第2の面まで延在する複数の貫通ビアプラグとが形成され、前記第1の面に少なくとも二本の相隣接した貫通ビアプラグが接続される第1の接続パッドを有し、前記第2の面に、前記少なくとも二本の相隣接した貫通ビアプラグが接続される第2の接続パッドを有する第1の半導体チップ上に、
第3の面と前記第3の面に対向する第4の面とを有し、第2の半導体素子と各々前記第3の面から前記第4の面まで延在する複数の貫通ビアプラグとが形成され、前記第3の面に少なくとも二本の相隣接した貫通ビアプラグが接続される第3の接続パッドを有し、前記第4の面に、前記少なくとも二本の相隣接した貫通ビアプラグが接続される第4の接続パッドを有する第2の半導体チップを、前記第3の接続パッドが前記第2の接続パッド上に当接するように載置する工程と、
前記第2の接続パッドと前記第3の接続パッドとを拡散接合する工程と、を含み、
前記第1の接続パッドは、前記第1の半導体チップ中において、前記第1の面内に定義される第1の方向に隣接した一対の貫通ビアプラグを接続される第1の方位の接続パッドと、前記第1の面内に定義され前記第1の方向に対して交差する第2の方向に隣接した一対の貫通ビアプラグを接続される第2の方位を有する接続パッドとをそれぞれ含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態による三次元半導体集積回路装置10の一例を示す断面図である。
【0012】
図1を参照するに前記三次元半導体集積回路装置10は、上主面11Aに配線パッド11aを、また下主面11Bに配線バッド11bを有し、ビルドアップ絶縁膜11cおよび配線パタ―ン11Cを交互に積層した構造のパッケージ基板11と、前記パッケージ基板11上にフリップチップ実装された第1の半導体チップ12と、前記第1の半導体チップ上にさらにフリップチップ実装された第2の半導体チップ13と、前記第2の半導体チップ13上にフリップチップ実装された第3の半導体チップ14を含み、前記半導体チップ12中には、例えばCuよりなる貫通ビアプラグ12Bが行列状に形成されている。同様に半導体チップ13中にもCuよりなる貫通ビアプラグ13Bが、行列状に形成されている。
【0013】
前記半導体チップ12はその下主面にMOSトランジスタなどの半導体素子および多層配線構造12Aを形成されており、各々の貫通ビアプラグ12Bは前記半導体チップ12の上主面から下主面まで延在し、前記下主面においては前記多層配線構造12A中に形成された例えばCuよりなる接続パッド12bに連続する。前記接続パッド12bは、対応する前記パッケージ基板11上の配線パッド11aに、例えばCuよりなる別の接続パッド12aにより電気的に接続される。その結果、前記半導体チップ12は前記パッケージ基板11に対して機械的にも強固に結合される。
【0014】
同様に前記半導体チップ13はその下主面にMOSトランジスタなどの半導体素子および多層配線構造13Aを形成されており、各々の貫通ビアプラグ13Bは前記半導体チップ13の上主面から下主面まで延在し、前記下主面において、前記多層配線構造13Aの一部を構成し例えばCuよりなる接続パッド13bに連続する。一方、前記接続パッド13bは、前記半導体チップ12の対応する貫通プラグ12Bに、例えばCuよりなる別の接続パッドバンプ13aにより電気的に接続される。その結果、前記半導体チップ13はその下の半導体チップ12に対して機械的にも強固に結合される。
【0015】
さらに前記半導体チップ14はその下主面に、電極パッド14bを有する多層配線構造14Aを形成されており、前記電極パッド14bを、その下の半導体チップ13中の対応する貫通ビアプラグ13Bに、例えばCuよりなる別の接続パッド14aを介して接続することにより、前記半導体チップ14が半導体チップ13に対して電気的および機械的に強固に結合される。
【0016】
さらに前記パッケージ基板11と半導体チップ12の間の空間は封止樹脂12Rにより封止され、同様に半導体チップ12と半導体チップ13の間の空間も封止樹脂13Rにより封止されている。さらに半導体チップ13と半導体チップ14の間の空間が、封止樹脂14Rにより封止されている。
【0017】
さらに前記パッケージ基板11の下面11Bにおいては、それぞれの電極パッド11bに対応するはんだバンプ11Dが形成されている。
【0018】
図2は、前記
図1の半導体集積回路装置10のうち、破線で囲んだ部分を詳細に示す断面図である。ただしパッケージ基板11の詳細は省略している。
【0019】
図2を参照するに、前記半導体チップ12には、多層配線構造12Aを形成された下主面にMOSトランジスタ12Trが形成されており、同様に半導体チップ13には、多層配線構造13Aを形成された下主面にMOSトランジスタ13Trが形成されている。
【0020】
前記半導体チップ12中には例えばCuよりなり例えば5μmの径Dを有する貫通ビアプラグ(TSV)12Bが径Dとおなじ間隔Dで、すなわちピッチ2Dで行列状に形成されており、各々の貫通ビアプラグ12Bは前記シリコンチップ12中に形成された貫通ビアホール中に、例えば1μmあるいはそれ以下の膜厚のライナ絶縁膜12L及び、例えば0.3μmあるいはそれ以下の膜厚のバリアメタル膜(不図示)を介して形成されている。同様に前記半導体チップ13中には例えばCuよりなり例えば5μmの径Dを有する貫通ビアプラグ(TSV)13Bが径Dとおなじ間隔Dで、すなわちピッチ2Dで行列状に形成されており、各々の貫通ビアプラグ13Bは前記半導体チップ13中に形成された貫通ビアホール中に、例えば1μmあるいはそれ以下の膜厚のライナ絶縁膜13L及び、例えば0.3μmあるいはそれ以下の膜厚のバリアメタル膜(不図示)を介して形成されている。前記ライナ絶縁膜12L,13Lとしては、例えばTEOSを原料としたCVD法により形成された酸化膜を使うことができる。また、前記バリアメタル膜(不図示)としては、例えばTaあるいはTiなどの高融点金属をPVD法により形成することができる。
【0021】
さらに
図2を参照するに、前記半導体チップ12において貫通ビアプラグ12Bは前記多層配線構造12Aが形成されている下主面において、前記貫通ビアプラグ12Bの径Dよりも大きな径のCu接続パッド12Bpを形成し、前記接続パッド12Bp上には例えばAlなどよりなる接続パッド12B
Aが形成されている。一方、前記貫通ビアプラグ12Bの他端は前記半導体チップ12の上主面から上方に突出し、突出端部12eを形成する。
【0022】
同様に前記半導体チップ13において貫通ビアプラグ13Bは前記多層配線構造13Aが形成されている下主面において前記多層配線構造13Aの一部として、前記貫通ビアプラグ13Bの径Dよりも大きな径のCu接続パッド13Bpを形成し、前記接続パッド13Bp上には例えばAlなどよりなる接続パッド13B
Aが形成されている。一方、前記貫通ビアプラグ13Bの他端は前記半導体チップ13の上主面から上方に突出し、突出端部13eを形成する。
【0023】
さらに前記半導体チップ12の下主面および上主面には、SiNなどよりなるパッシベーション膜12SNAおよび12SNBが形成されている。前記パッシベーション膜12SNAは多層配線構造12Aを保護し、一方パッシベーション膜12SNBは前記貫通ビアプラグ12Bの突出端部12eの周囲を保護する。
【0024】
同様に前記半導体チップ13の下主面および上主面には、SiNなどよりなるパッシベーション膜13SNAおよび13SNBが形成されている。前記パッシベーション膜13SNAは多層配線構造13Aを保護し、一方パッシベーション膜13SNBは前記貫通ビアプラグ13Bの突出端部13eの周囲を保護する。
【0025】
さて本実施形態では、このように半導体チップ12,13中に非常に微細な貫通ビアプラグ12Bあるいは13Bを高密度で形成しているため、複数のビアプラグ12Bあるいは13Bを使って単一の電流あるいは電圧を供給する冗長構成を実現することができる。
【0026】
すなわち前記半導体チップ12の上面には、例えばCuよりなり隣接する二つの貫通ビアプラグ12Bの突出端部12eを相互接続する別の接続パッド(13a)
1が、前記ビアプラグの径Dよりも小さな高さ(<D)で形成されており、一方、前記二つのビアプラグ12Bに対応する前記半導体チップ13中の二つのビアプラグ13Bには、それぞれの接続パッド13B
Aを相互接続する、同様にCuよりなる別の接続パッド(13a)
2が、やはり前記ビアプラグの径Dよりも小さな高さ(<D)で形成されている。前記接続パッド(13a)
1と前記接続パッド(13a)
2とは、破線Jで示した位置において直接に拡散接合され、前記
図1に示した単一の接続パッド13aを形成する。このような接続パッド13aは、
図2に示すように、ビアプラグ3本分の寸法(3D)を有する。
【0027】
なお後ほど説明するように、
図2の構成において前記接続パッド(13a)
1の下面にはTaあるいはTiなどの高融点金属よりなるバリアメタル膜12BM
Nが形成されており、前記接続パッド(13a)
2の上面にはTaあるいはTiなどの高融点金属よりなるバリアメタル膜12BM
Mが形成されている。
【0028】
同様に前記半導体チップ13の上面には、例えばCuよりなり隣接する二つの貫通ビアプラグ13Bの突出端部13eを相互接続する別の接続パッド(14a)
1が、前記ビアプラグの径Dよりも小さな高さ(<D)で形成されており、図示は省略するが、その上の半導体チップ14中の二つのビアプラグ14Bを相互接続する、同様な接続パッドに直接に拡散接合され、
図1の接続パッド14aが形成される。
【0029】
また
図2の構成において前記接続パッド(14a)
1の下面にはTaあるいはTiなどの高融点金属よりなるバリアメタル膜13BM
Mが形成されている。
【0030】
さらに、前記二つのビアプラグ12Bには、それぞれの接続パッド12B
Aを相互接続する、同様にCuよりなる別の接続パッド12aが、やはり前記ビアプラグの径Dよりも小さな高さ(<D)で形成されており、前記接続パッド12aは前記パッケージ基板11の配線パッド11aに拡散接合により接合される。前記接続パッド12aの上面には、同様なバリアメタル膜12BM
Mが形成されている。
【0031】
かかる構成によれば、電流あるいは電圧が、相互接続された二つの貫通ビアプラグを含む二系統の電流路を介して伝達されるため、一方の電流路に不良が生じても、三次元半導体集積回路装置10の全体が不良となることが回避され、信頼性および歩留まりを向上させることができる。
【0032】
また
図2に示すように前記Cu接続パッド(13a)
1,(13a)
2、さらにCu接続パッド(14a)
1およびCu接続12aは、前記貫通ビアプラグ12Bあるいは13Bの径Dよりも小さな高さで形成されているため、
図1の三次元半導体集積回路装置10ではその全体の高さを低減することができ、従って小型化することができる。またこのように高さが低減される結果、高さ方向への配線長が減少し、しかも貫通ビアプラグ12Bおよび13Bの接続にハンダバンプの代わりに抵抗の低いCu接続パッド12a,13a,14aが使われるため、三次元半導体集積回路装置10全体としてのRC積による動作速度の低下を抑制できる。すなわち本実施形態によれば、三次元半導体集積回路装置10において、優れた動作速度を実現することができる。
【0033】
図3は、
図1の三次元半導体集積回路装置10のうち、前記半導体チップ12を上から見た平面図である。
【0034】
図3を参照するに、半導体チップ12には径Dが5μm、すなわち一辺が5μmの正方形断面を有するビアプラグ12Bが径Dの二倍の10μmピッチで行列状に形成されており、図示の例では全部で64個(=8×8)のビアプラグ12Bが形成されている。このうち二つずつを前記接続パッド(13a)
1により接続することにより、本実施形態では冗長性を確保しつつ、32本の電流路を形成することができる。
【0035】
なお
図3の実施形態において接続パッド(13a)
1で接続されるビアプラグ12Bの並ぶ向きは任意であり、図示の例では、特定の方向に機械的脆弱性が生じないように縦向きの組と横向きの組を同数に設定してあるが、必ずしも同数である必要はない。一方、封止樹脂、例えば封止樹脂13Rの注入を容易にするために、これらの接続パッド(13a)
1を同一の向きに揃えることも可能である。
【0036】
これに対し
図4はハンダバンプを使って接合する比較例によるビアプラグの配置例を示す平面図である。
【0037】
図4を参照するに、この比較例ではハンダ接合のため一辺が15μmの大きな正方形断面を有するビアプラグ210Bを半導体チップ210上に30μmピッチで行列状に配列しているが、この場合には9本の電流路しか確保できず、かつ冗長性を実現することができない。
【0038】
さらに
図5は、一辺が10μmの正方形断面を有するビアプラグ220Bを半導体チップ220上に20μmピッチで行列状に配列した例を示しているが、この場合でも16本の電流路しか確保できず、かつ冗長性は実現することができない。
【0039】
図6は、本実施形態の一変形例であり、各々が5μm×5μmのサイズで10μmのピッチで行列状に配置されたビアプラグ12Bを四本ずつ、正方形状の接続パッド(13a)
1で一本の電流路にまとめる構成を示す平面図である。
【0040】
図6を参照するに、このような構成ではさらに冗長度が増大し、しかも、前記
図5の場合と同じ、16本の電流路を確保することができるのがわかる。
【0041】
なお、
図3〜
図6で示したビアプラグの断面形状は説明を簡単にするために正方形とした。ビアプラグの断面形状は必ずしも正方形である必要はなく、例えば円状でも良い。
【0042】
このように本実施形態では、三次元半導体集積回路を構成する半導体チップ中に小径の貫通ビアプラグを高い密度で配置し、かつ複数の貫通ビアプラグを接続パッドでまとめて電流路あるいは信号路を構成することにより、冗長度を増大させることができるのみならず、三次元半導体集積回路中における電流路あるいは信号路の構成の自由度を増大させることができる。
【0043】
このように本実施形態では、貫通ビアプラグの接続にCu接続パッドを使い、ハンダバンプを使わないため、前記三次元半導体集積回路装置10の高さを低減することができ、またこれに伴って高さ方向への配線長を低減することができる。その結果、三次元半導体集積回路装置10では、前記冗長度の増大による歩留まりや信頼性の向上に加えて、信号遅延が軽減され、動作速度が向上するなど、電気特性の向上を期することができる。
【0044】
さらに本実施形態では、個々の貫通ビアプラグ12Bを対応する貫通ビアプラグ13Bに直接に整合させる必要はなく、例えば接続パッド(13a)
1と接続パッド(13a)
2を整合さればよいため、高い位置合わせ精度は必要なく、半導体装置の製造スループットおよび歩留まりを向上させることができる。
【0045】
次に、本実施形態の3次元半導体集積回路装置10の製造方法を、
図7A〜
図7Pを参照しながら説明する。以下では、半導体チップ12を例に説明するが、半導体チップ13の製造も同様にして行うことができる。
【0046】
図7Aを参照するに、半導体チップ12を構成するシリコンウェハ120上には、前記
図1,
図2の下主面に対応する回路形成面12CKT上に前記半導体素子12Trが形成されており、さらに前記回路形成面12CKTには、前記半導体素子12Trを覆ってシリコン酸化膜12Oxが、例えば高密度プラズマCVD法などにより形成されている。
【0047】
図7Aの工程ではさらに前記シリコン酸化膜12Ox上に、先に説明した貫通ビアプラグ12Bに対応するレジスト開口部R
1Aを有するレジストパターンR
1が形成されており、
図7Bの工程において前記レジストパタ―ンR
1をマスクに前記シリコンウェハ120を深堀り反応性イオンエッチングし、前記レジスト開口部R1Aに対応して前記貫通ビアプラグ12Bのための凹部12Vを、例えば5μmの径および10μmのピッチで、繰り返し形成する。
【0048】
さらに
図7Cの工程において前記
図7Bの状態のシリコンウェハ120上にシリコン酸化膜を例えば高密度プラズマCVD法により、前記凹部12Vの形状に整合して側壁面および底面を覆うように堆積し、前記ライナ膜12Lを形成する。
【0049】
さらに
図7Dの工程において前記
図7Cの構造上に例えばTaやTiなどの高融点金属よりなるバリアメタル膜12BMを、例えばMOCVD法やスパッタ法などにより形成し、さらにその上にCuシード層12CSを、例えば無電解メッキ法やスパッタ法などにより形成する。
【0050】
さらに
図7Eの工程において前記
図7Dの構造を電解メッキ槽に浸漬し、前記Cuシード層12CSに通電することにより、前記凹部12Vを充填しCu層12Cuを形成する。
【0051】
さらに
図7Fの工程において、前記シリコンウェハ120上の余分なCu層12Cu及びバリアメタル膜12BMを、前記シリコン酸化膜12Oxが露出するまで化学機械研磨(CMP)法により研磨することにより除去する。その結果、
図7Fに示すように前記シリコンウェハ120中には前記貫通ビアプラグ12Bに対応してCuビアプラグ120Bが、側壁面および底面をバリアメタル膜12BMおよびライナ酸化膜12Lにより覆われた状態で、例えば5μmの径および10μmのピッチで、行列状に形成される。ただし
図7Fの状態では、前記Cuビアプラグ12Bはまだシリコンウェハ120を貫通していない。
【0052】
さらに
図7Gの工程において、前記シリコンウェハ120の回路形成面12CKT上に多層配線構造12Aが形成される。
【0053】
図7Gの例では前記多層配線構造12Aは下層部12ALと中層部12AMと上層部12AU、さらに最上層部12ATより構成されている。前記下層部12ALはいわゆるLow−K膜よりなり第1の膜厚を有する層間絶縁膜12
1〜12
5の積層を含み、前記層間絶縁膜12
1〜12
5中にはCu配線パタ―ン12
1W〜12
5Wおよび対応するCuビアプラグが、デュアルダマシン法により形成されている。前記Cu配線パタ―ン12
1W〜12
5Wは前記半導体素子12Trの活性領域、例えばソース領域やドレイン領域、ゲート電極などにWコンタクトビアプラグ(不図示)を介して接続される。また前記Cuビアプラグ120Bに対応して前記層間絶縁膜12
1〜12
5中にはCuよりなる接続パッド12
1P〜12
5Pが前記Cu配線パタ―ン12
1W〜12
5Wと同時にデュアルダマシン法により形成されており、前記接続パッド12
1PはCuビアプラグ120Bに接して形成されているのに対し、接続パッド12
2P〜12
5Pは、それぞれ直下の接続パッドに多数のビアプラグにより接続されている。その際前記接続パッド12
2P〜12
5Pは、それぞれ直下の接続パッド上において前記多数のCuビアプラグにより機械的に支持される。前記接続パッド12
1P〜12
5Pは、それぞれ前記Cu配線パタ―ン12
1W〜12
5Wの一部を構成する。
【0054】
また前記中層部12AMは、例えばシリコン酸化膜よりなり前記第1の膜厚よりも厚い第2の膜厚を有する層間絶縁膜12
6〜12
8の積層を含み、前記層間絶縁膜12
6〜12
8中にはCu配線パタ―ン12
6W〜12
8Wおよび対応するCuビアプラグがデュアルダマシン法により、前記Cu配線パタ―ン12
1W〜12
5Wおよび対応するビアプラグよりも太い幅で形成されている。前記Cu配線パタ―ン12
6W〜12
8Wは、前記下層部12ALのCu配線パタ―ン12
1W〜12
5Wおよび対応するCuビアプラグを介して前記半導体素子12Trの活性領域、例えばソース領域やドレイン領域、ゲート電極などに接続される。また前記Cuビアプラグ120Bに対応して前記層間絶縁膜12
6〜12
8中にはCuよりなる接続パッド12
6P〜12
8Pが前記Cu配線パタ―ン12
6W〜12
8Wと同時にデュアルダマシン法により形成されており、前記接続パッド12
6P〜12
8Pは、それぞれ直下の接続パッドに多数のビアプラグにより接続されている。その際前記接続パッド12
6P〜12
8Pは、それぞれ直下の接続パッド上において前記多数のCuビアプラグにより機械的に支持される。前記接続パッド12
6P〜12
8Pは、それぞれ前記Cu配線パタ―ン12
1W〜12
5Wの一部を構成する。
【0055】
また前記上層部12AUは、例えばシリコン酸化膜よりなり前記第2の膜厚よりも厚い第3の膜厚を有する層間絶縁膜12
9〜12
10の積層を含み、前記層間絶縁膜12
9〜12
10中にはCu配線パタ―ン12
9W〜12
10Wおよび対応するCuビアプラグがデュアルダマシン法により、前記Cu配線パタ―ン12
6W〜12
8Wおよび対応するビアプラグよりも太い幅で形成されている。前記Cu配線パタ―ン12
9W〜12
10Wは、前記中層部12AMのCu配線パタ―ン12
6W〜12
8Wおよび対応するCuビアプラグ、さらに前記下層部12ALのCu配線パタ―ン12
1W〜12
5Wおよび対応するCuビアプラグを介して前記半導体素子12Trの活性領域、例えばソース領域やドレイン領域、ゲート電極などに接続される。また前記Cuビアプラグ120Bに対応して前記層間絶縁膜12
9〜12
10中にはCuよりなる接続パッド12
9P〜12
10Pが前記Cu配線パタ―ン12
9W〜12
10Wと同時にデュアルダマシン法により形成されており、前記接続パッド12
9P〜12
10Pは、それぞれ直下の接続パッドに多数のCuビアプラグにより接続されている。その際、前記接続パッド12
9P〜12
10Pは、それぞれ直下の接続パッド上において前記多数のCuビアプラグにより機械的に支持される。前記接続パッド12
9P〜12
10Pは、それぞれ前記Cu配線パタ―ン12
9W〜12
10Wの一部を構成する。
【0056】
ここで前記Cu接続パッド12
1P〜12
10Pは、前記
図2の構成における接続パッド12Bpを構成する。
【0057】
さらに前記最上層部12ATは、例えばシリコン酸化膜よりなり前記第3の膜厚よりも厚い第4の膜厚を有する層間絶縁膜12
11を含み、前記層間絶縁膜12
11中にはAl配線パタ―ン12
11Wおよび対応するWビアプラグが、前記Cu配線パタ―ン12
9W〜12
10Wおよび対応するビアプラグよりも太い幅で形成されている。前記Al配線パタ―ン12
11Wは、前記上層部12AUのCu配線パタ―ン12
9W〜12
10Wおよび対応するCuビアプラグ、前記中層部12AMのCu配線パタ―ン12
6W〜12
8Wおよび対応するCuビアプラグ、さらに前記下層部12ALのCu配線パタ―ン12
1W〜12
5Wおよび対応するCuビアプラグを介して前記半導体素子12Trの活性領域、例えばソース領域やドレイン領域、ゲート電極などに接続される。また前記Cuビアプラグ120Bに対応して前記層間絶縁膜12
11中にはAlよりなる接続パッド12
11Pが前記Al配線パタ―ン12
11Wと同時に形成されており、前記接続パッド12
11Pは、それぞれ直下の接続パッドに多数のWビアプラグにより接続されている。その際前記接続パッド12
11Pは、それぞれ直下の接続パッド上において前記多数のWビアプラグにより機械的に支持される。前記接続パッド12
11Pは、前記Al配線パタ―ン12
11Wの一部を構成する。ここで前記Al接続パッド12
11Pは、前記
図2の構成における接続パッド12B
Aを構成する。
【0058】
さらに
図7Gの構成では、前記層間絶縁膜12
1とシリコン酸化膜12Oxの間にSiCやSiNよりなる絶縁性バリア膜12
1iが形成され、さらに前記層間絶縁膜12
1〜12
11は、ぞれぞれの上面に同様な絶縁性バリア膜12
1i〜12
11iを形成されている。ここで絶縁性バリア膜12
11iは、
図2の構成におけるパッシベーション膜12SNAを構成する。
【0059】
さらに
図7Gの工程では、前記パッシベーション膜12SNA中に前記Al接続パッド12BAを露出する開口部12SNOが形成され、さらに前記パッシベーション膜12SNA上に前記開口部12SNOにおいて前記Al接続パッド12BAを覆うように、TaあるいはTiなどの高融点金属よりなるバリアメタル膜12BM
MおよびCuシード層12CS
Sが順次形成される。
【0060】
さらに
図7Hの工程において前記Cuシード層12CS
S上に二つの隣接するCuビアプラグ120Bを含むレジスト開口部R2Aを有するレジストパターンR
2を形成し、
図7Iの工程においてCuの電解メッキを行うことにより、前記レジスト開口部R2AをCu層により充填し、前記接続パッド12aを形成する。
【0061】
さらに
図7Jの工程において前記レジストパターンR
2を除去した後、さらにパッシベーション膜12SNA上に残留しているCuシード層12CS
Sおよびバリアメタル膜12BM
Mをスパッタエッチングなどにより除去し、
図7Kの工程において、得られた構造を支持基板100上に、前記シリコンウェハ120のうち、前記多層配線構造12Aおよび接続パッド12aが形成された側が前記支持基板100に当接するように、仮接着剤層101により接着する。なお
図7Kは前記
図7Jよりも広い範囲を示しており、
図7K中、破線で囲んだ部分が
図7Jで示した部分に対応する。
【0062】
さらに
図7Kの工程ではこの状態において、前記シリコンウェハ120のうち、前記回路形成面12CKTとは反対側の主面を研削し、さらにドライエッチングあるいはウェットエッチングすることにより、前記Cuビアプラグ120Bの他端12eを、前記ライナ絶縁膜12L共々、前記反対側の主面から突出させる。これにより前記Cuビアプラグ120Bが貫通ビアプラグ12Bに変化する。
【0063】
図7Kの工程ではさらにこの状態で前記シリコンウェハ120の主面うち、前記パッシベーション膜12SNBを前記Cuビアプラグ120Bの他端12eの形状に整合して側壁面および上面を覆うように堆積した後、前記パッシベーション膜12SNBを含む前記Cuビアプラグ120Bの他端12eを覆うようにレジスト(不図示)を塗布する。続いて、前記レジスト(不図示)をマスクにしてドライエッチバックすることにより、前記Cuビアプラグ120Bの他端12eの上面を覆う前記パッシベーション膜12SNB、前記ライナ絶縁膜12L、前記バリアメタル膜12BM(不図示)を除去し、貫通ビアプラグ12B内に充填されたCuを露出させる。その後、残存する前記レジスト(不図示)を除去し、前記Cuビアプラグ120Bの他端12eが突出している面にTaやTiなどの高融点金属よりなるバリアメタル膜12BM
NとCuシード層12CStを順次形成し、さらに
図7Lの工程において前記Cuシード層12CSt上に、各々前記貫通ビアプラグ12Bを二本含む領域に対応したレジスト開口部R
3AおよびR
3Bを有するレジストパターンR
3が形成される。
【0064】
さらに
図7Mの工程において、前記レジストパターンR
3をマスクにCuの電解メッキを行い、前記レジスト開口部R
3A,R
3Bに、先に
図2で説明したCu接続パッド(13a)
1を形成する。
【0065】
さらに
図7Nの工程において前記レジストパターンR
3を除去した後、前記パッシベーション膜12SNB上に残留しているCuシード層12CStおよびバリアメタル膜12BM
Nをスパッタエッチングなどにより除去し、
図7Oの工程において前記仮接着剤層101を溶解させることにより前記シリコンウェハ120を前記支持基板100から離間させ、ダイシングを行うことにより、前記シリコンウェハ120から半導体チップ12を切り出す。
【0066】
さらにこのようにして切り出された半導体チップ12上に、
図7Pに示すように同様な半導体チップ13を、前記半導体チップ13のCu接続パッド(13a)
2が前記半導体チップ12のCu接続パッド(13a)
1に整合するように載置し、これらCu接続パッド(13a)
1及び(13a)
2を破線Jの位置において一体に拡散接合することで、Cu接続パッド13aが形成される。前記Cu接続パッドの拡散接合は、例えばArスパッタリングによって前記Cu接続パッド(13a)
1及び(13a)
2の表面を活性化した後、例えば窒素雰囲気中、上方から0.5〜10MPaの圧力を印加し250℃以上の温度で10分以上加熱圧着する。
【0067】
また同時に前記半導体チップ13上面のCu接続パッド(14a)
1も、図示されていない半導体チップ14下面の対応するCu接続パッドと一体に拡散接合し、Cu接続パッド14aが形成される。また同時に前記半導体チップ12下面のCu接続パッド12aが、対応するパッケージ基板11の対応するCu配線パッド11aに拡散接合する。
【0068】
さらに前記パッケージ基板11と半導体チップ12の間、半導体チップ12と半導体チップ13の間、および半導体チップ13と半導体チップ14の間に封止樹脂12R,13R,14Rを順次導入することにより、
図1,
図2に示す三次元実装半導体集積回路装置10が完成する。
【0069】
本実施形態によれば、配線パッド11aと貫通ビアプラグ12Bの接合、貫通ビアプラグ12Bと13Bの接合、貫通ビアプラグ13Bと接続パッド14bの接合にハンダバンプを使用しない為、Cuよりなる貫通ビアプラグ中へのSnの拡散及びこれに起因する脆い金属間化合物の形成など様々な問題が発生しなくなり、三次元半導体集積回路装置の歩留まりおよび信頼性が大きく向上する。
【0070】
また本実施形態によれば配線パッド11a,貫通ビアプラグ12Bおよび13B,接続パッド14bを、はんだを介在させることなく、全て比抵抗の低いCuにより構成することができ、RC積に起因する信号遅延を抑制でき、半導体集積回路装置の動作特性が大きく向上する。
【0071】
さらに本実施形態では、貫通ビアプラグ12Bおよび貫通ビアプラグ13Bの電気接続を、複数の貫通ビアプラグにわたり形成される大きな面積の接続パッドによりなされるため、接合が安定し、接合不良の発生を軽減することができる。
【0072】
さらに本実施形態によれば、貫通ビアプラグ12B,13Bの接続にハンダバンプの代わりに厚さをビアプラグの径よりも小さくできるCu接続パッドを使ったため、三次元半導体集積回路装置10の全体の高さを低減でき、半導体集積回路内における三次元方向の信号路の長さを短縮でき、寄生インピーダンスを抑制し、半導体装置の動作速度を向上させることができる。
【0073】
また本実施形態では、先にも説明したように一つの信号路ないし電流路を構成するのに複数の貫通ビアプラグを使うため冗長性が確保され、例え一つの貫通ビアプラグに不良が発生しても、半導体集積回路装置10全体が不良となることを回避することができる。
【0074】
さらに本実施形態では、三次元半導体集積回路を構成する半導体チップ中に小径の貫通ビアプラグを高い密度で配置し、かつ複数の貫通ビアプラグを接続パッドでまとめて電流路あるいは信号路を構成することにより、三次元半導体集積回路中における電流路あるいは信号路の構成の自由度を増大させることができる。
【0075】
図8は、一変形例による三次元半導体集積回路装置10Aの一部を示す、前記
図2と同様な断面図である。図中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明は省略する。
【0076】
図8を参照するに、本変形例では半導体チップ13における貫通ビアプラグ13Bの密度を半導体チップ12の半分に減少させている。
【0077】
本実施形態においても、半導体チップ12中においては所望の冗長性が確保されており、かつ半導体チップ12と半導体チップ13の接続にはんだバンプを使っていないため、三次元半導体集積回路装置10A中の配線長が短縮され、また配線抵抗が低減される。
【0078】
このように本実施形態は、半導体チップ12中の貫通ビアプラグ12Bと半導体チップ13中の貫通ビアプラグ13Bが、必ずしも一対一の関係で、かつ同一のピッチで形成される場合に限定されるものではない。
【0079】
図9は、
図8の構成をさらに変形した三次元半導体集積回路装置10Bの一部を示す、前記
図2と同様な断面図である。図中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明は省略する。
【0080】
本実施形態では、半導体チップ13中の貫通ビアプラグ13Bの位置を、半導体チップ12中の貫通ビアプラグ12Bに対してずらしているが、このような構成でも前記
図8の場合と同様に、半導体チップ12中においては所望の冗長性が確保されており、かつ半導体チップ12と半導体チップ13の接続にはんだバンプを使っていないため、三次元半導体集積回路装置10B中の配線長が短縮され、また配線抵抗が低減される。
【0081】
また本変形例では、前記貫通ビアプラグ13Bのピッチが前記貫通ビアプラグ12Bのピッチの二倍になっているため、半導体チップ12と半導体チップ13の位置合わせが容易になる。
【0082】
さらに
図10は
図9の構成をさらに変形した三次元半導体集積回路装置10Cの一部を示す、前記
図2と同様な断面図である。図中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明は省略する。
【0083】
本変形例では前記貫通ビアプラグ13Bの径を貫通ビアプラグ12Bよりも増大させている。このように本変形例では必要に応じて貫通ビアプラグの径を半導体チップ毎に変化させることも可能である。
【0084】
なお
図8〜
図10の各変形例において、半導体チップ12と13を上下で入れ替えてもよいことは明らかである。
【0085】
以上の各実施形態では、前記貫通ビアプラグ12B,13Bおよび接続パッド12a,13aがCuよりなる場合を説明したが、本実施形態はかかる特定の材料に限定されるものではなく、例えばCuの代わりにAuなどの低抵抗金属を使うことも可能である。
【0086】
以上、本発明を好ましい実施形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨内において様々な変形・変更が可能である。