【実施例1】
【0019】
以下、本発明の水中構造物における水中施工装置とその施工方法を添付図面を参照して説明する。
【0020】
図1〜
図7は、本発明の実施例1を示し、この例は海底の撤去対象物の撤去作業に本発明を適用したものである。
【0021】
同図に示すように、起重機船1には、起重機船装置2と起重機本体3とが配置されている。この起重機本体3は、起重機船1に対して旋回可能に設けられ、また、起伏可能なクレーンアーム4を備え、このクレーンアーム4の先端4Aから吊下げ用の索条5が吊下げられ、この索条5は起重機本体3により巻取り・送り出し可能に構成されている。
【0022】
前記索条5の先端には、被吊下げ物たるグラブバケット6が連結されて吊設されている。このグラブバケット6には被吊下げ物装置11が設けられ、被吊下げ物装置11は、トランスポンダ12,圧力計13,制御部14及び送信手段たる送受信部15を備える。
【0023】
前記制御部14は、圧力計13により測定された深度測定データを、送受信部15を介して、起重機船1に搭載された起重機船装置2に向けて、超音波を用いた無線通信によりリアルタイムに送信する。
【0024】
前記起重機船装置2は、制御部21、送受信部22、トランスデューサ23、操作部24、GPS装置25、表示手段としての表示手段26を備えている。
【0025】
前記制御部21は、被吊下げ物装置11の送受信部15から送信された深度測定データを、送受信部22を介して、リアルタイムに受信する。また、トランスデューサ23は、被吊下げ物装置11のトランスポンダ12から発信された超音波信号を検出し、制御部21は、トランスデューサ23により検出された信号に基づいて、被吊下げ物装置11の方位と距離をリアルタイムに算出して、平面位置測定データを得る。
【0026】
そして、制御部21は、被吊下げ物装置11の深度測定データと平面位置測定データに基づき、表示手段26に被吊下げ物装置11の位置をリアルタイムに三次元的に表示させる。また、制御部21は、操作部24の操作により随時、表示手段26の表示形態を変更したり選択した部分を拡大表示したりすることができる。尚、表示手段26における表示形態については、後述する。
【0027】
GPS装置25のアンテナは、吊り荷位置である起重機船1のクレーンアーム4の先端4Aに1箇所、起重機船1上の任意の離れた位置に2箇所、合わせて3箇所に取り付けられており、制御部21は、GPS装置25により測定された3点の位置測定データから、先端4Aの絶対位置、すなわち緯度、経度に基づく位置を表示手段26に表示させる。これにより、起重機の先端
4Aと被吊下げ物装置11の位置関係を表示することが可能となる。また、制御部21は、GPS装置25により測定された起重機船1上の2箇所の位置測定データから、予め入力された起重機船1の大きさと起重機船1上の2つのGPSのアンテナの位置に関する座標データに基づき、起重機船1の緯度、経度に基づく平面位置と範囲を表示手段26に表示させる。尚、操作部24の操作により随時、表示手段26の表示形態を変更したり選択した部分を拡大表示したりすることができる。
【0028】
前記起重機船1の前部には、旋回式のスキャニングソナー31が設けられている。このスキャニングソナー31は送受波器32を備え、この送受波器32は、水中へ超音波の送信ビーム33を送信し、海底34で反射して帰来するエコーである受信ビーム35を受信する。送信ビーム33は、送受波器32から水中の全方位へ向けて一定の俯角(ティルト角)で一斉に送信され、無指向性の傘形ビームを形成する。受信ビーム35は、送受波器32が円周方向に走査されて形成される指向性をもったビームであって、高速でスパイラル状に360°回転する。この受信ビーム35でエコーを受信し、得られた受信信号を解析することによって、広域にわたる海底
34の三次元地形情報を求めることができる。
【0029】
このようにスキャニングソナー31は、送信ビーム33を、送受波器32から水中の全方位へ向けて一定の俯角(ティルト角)で一斉に送信することにより、起重機船1を移動することなく、送受波器32から水中に超音波の送信ビーム33を送信し、所定方向へのスキャンによってエコーである受信ビーム35を受信し、受信した受信ビーム35に基づいて海底34の三次元画像を前記表示手段26に表示することができる。
【0030】
図5に示すように、航行手段を有する測量船41はナローマルチビーム測探ソナー42を備える。ナローマルチビーム測探ソナー42は、船底41Aに送受波器43を設け、この送受波器43から下横向きに、船体中心軸に対し角度で120度以上の範囲に超音波を発信し、その超音波の海底
34からの反射波を1度角以内の精度で方向を検知しながら受信・記録し、海底34の地形の三次元画像を自動作成する。また、測量船41には、送受信部44が設けられ、ナローマルチビーム測探ソナー42で測定した海底34の地形の三次元画像のデータを、起重機船1の送受信部22に送り、前記データにより、
図6に示すように、前記制御部21が表示手段26に海底34の地形の三次元画像を表示する。また、測量船41は前記GPS装置25を備え、このGPS装置25により測量船41の緯度、経度に基づく平面位置を得ることができる。
【0031】
つぎに、表示手段26における表示画面の表示形態について、
図7を参照しながら説明する。尚、表示手段26は起重機船1上や起重機本体3のクレーン運転室などに設けられる。
【0032】
表示手段26の表示画面51は、平面位置表示部52,平面位置拡大表示部53,深度を表示する縦断位置表示部54及び海底34の地形を三次元画像で表示する三次元画像表示部55を備えている。
【0033】
平面位置表示部52には、縦軸を緯度、横軸を経度として、起重機船1,起重機本体3,グラブバケット6及び撤去物範囲7Aについて、平面位置、範囲、形状が地図表示される。尚、撤去物範囲7Aは、前記ナローマルチビーム測探ソナー42の測量データに基づき、制御部21が平面位置表示部52に表示する。或いは、前記ナローマルチビーム測探ソナー42の測量データに基づき、起重機船1の乗員が撤去物範囲7Aを作成して表示させてもよい。
【0034】
平面位置拡大表示部53は、前記平面位置表示部52を拡大して表示したものであり、縦軸を緯度、横軸を経度として、クレーンアーム4の先端4A,グラブバケット6,撤去物範囲7A及び基準範囲56について、平面位置、範囲、形状が地図表示される。尚、先端4Aは、図形である円により表示している。また、基準範囲56は、撤去物範囲7Aに重ねるようにして表示した二重円部56Aとこの二重円部56Aの中心を通る前後,左右軸部56Y,56Xとを備え、基準範囲56により先端4Aとグラブバケット6の相対位置が把握し易くなる。尚、前後軸部56YがY軸方向であり、左右軸部56XがX軸方向である。尚、
図7では横軸をX方向としている。また、前記X軸方向とY軸方向を、起重機船1の左右方向と前後方向に合わせるようにしてもよい。
【0035】
縦断位置表示部54は、縦軸を深度、横軸をX軸方向又はY軸方向として、グラブバケット6及び撤去物範囲7Aについて、縦断位置、範囲、形状が地図表示される。尚、縦断位置表示部54は、乗員が表示手段26の操作手段を用いて横軸をX軸方向又はY軸方向に切り換えることができる。尚、
図7では横軸をX方向としている。
【0036】
三次元画像表示部55は、前記スキャニングソナー31により、撤去対象物7を含む海底34の地形を三次元画像でリアルタイム
に表示するものである。
【0037】
次に、海底34の瓦礫などの撤去対象物7の撤去方法につき説明する。まず、航行手段を有する測量船41はナローマルチビーム測探ソナー42を用いて、撤去対象物7を含む海底34の三次元画像データを得る。この三次元画像データに基づき、三次元画像表示部55に撤去対象物7を含む海底34の三次元画像を表示すると共に、他の表示部52,53,54に撤去物範囲7Aを表示する。この場合、ナローマルチビーム測探ソナー42の測定データにより、撤去対象物7の位置座標及び深度を特定でき、測定データを前記制御部21に出力する。
【0038】
図1に示すように、起重機船1は、クレーンアーム4の先端4Aの下方に撤去対象物7が来る位置で、停泊する。そして、起重機本体3の操作者は、平面位置表示部52を参考にして、撤去物範囲7Aにクレーンアーム4の先端4Aを合わせ、平面位置拡大表示部53と縦断位置表示部54によりグラブバケット6の平面位置と縦断位置(水中位置)を確認しながら、グラブバケット6の位置を調整し、撤去対象物7をグラブバケット6により掬い上げる。作業中、白抜き矢印で示す潮流の影響で、先端4Aと水中のグラブバケット6の平面位置にずれが生じるが、平面位置拡大表示部53により潮流の影響によるずれを確認できるため、撤去対象物7の位置にグラブバケット6を合わせることができる。
【0039】
そして、グラブバケット6の操作中に、スキャニングソナー31を駆動し、このデータにより、三次元画像表示部55に撤去対象物7を含む海底34の地形を三次元画像で表示することにより、撤去対象物7の状況を視覚により確認することができる。
【0040】
このようにナローマルチビーム測探ソナー42の測定データを制御部21に出力することにより、撤去対象物7の空間座標を表示画面51に表示することができる。
【0041】
また、クレーンアーム4の先端4A,起重機船1,起重機本体3及び撤去物範囲7Aの相対位置を表示できるので、潮流によるグラブバケット6の流れ方向を起重機本体3の操作に反映できる。
【0042】
また、旋回式のソナーセンサを適用したスキャニングソナー31により、撤去対象物7を鳥瞰的に確認できるので、作業進捗状況を確実に把握でき、取り残しがなくなる。このようにして作業の確実性が向上し、また、事後の確認作業も軽減される。
【0043】
このように本実施例では、請求項1に対応して、
GPS装置25を備えた起重機船1と、この起重機船1の起重機本体3により水底たる海底34の近傍まで吊下げられる被吊下げ物たるグラブバケット6と、このグラブバケット6に設けたトランスポンダ12
及び圧力計13と、起重機船1に設けられトランスポンダ12から発信された超音波信号を受信するトランスデューサ23と、起重機船1に設けられ海底34の形状を検出するスキャニングソナー31と、このスキャニングソナー31により検出した海底34の三次元画像を表示する表示手段26
と、圧力計13により測定されたグラブバケット6の深度測定データと、トランスデューサ23により検出されたグラブバケット6の平面位置測定データとにより表示手段26にグラブバケット6の位置を表示すると共に、GPS装置25により測定された起重機船1の位置測定データから、起重機船1の緯度、経度に基づく平面位置を表示手段26に表示する制御部21とを備え、グラブバケット6が海底34の撤去対象物7を撤去するグラブバケット6であり、起重機船1にはスキャニングソナー31が起重機本体3と同じ側に設けられ、表示手段26は、縦軸を緯度、横軸を経度として、起重機船1,起重機本体3,グラブバケット6及び撤去物範囲7Aについて、平面位置及び形状を表示する平面位置表示部52と、縦軸を深度、横軸をX軸方向又はY軸方向として、グラブバケット6及び撤去物範囲7Aについて、縦断位置及び形状を表示する縦断位置表示部54とを備えるから、トランスデューサ23によりグラブバケット6の位置を確認しながら吊り下ろし作業を行い、作業中にスキャニングソナー31により作業状況を三次元画像で確認することができる。
【0044】
また、スキャニングソナー31が起重機本体3と同じ側に設けられているから、起重機本体3により撤去対象物
7を撤去した海底34の状況をスキャニングソナー31によりリアルタイムで得ることができる
。
【0045】
また、このように本実施例では、請求項
1に対応して、被吊下げ物が水底の撤去対象物
7を撤去する撤去装置たるグラブバケット6であるから、グラブバケット6により海底34の撤去対象物
7を撤去し、撤去対象物
7を撤去した海底34の状況を三次元画像で確認することができる。
【0046】
また、このように本実施例では、請求項3に対応して、トランスデューサ23を用いて
グラブバケット6の位置を確認し、撤去装置たるグラブバケット6により撤去対象物7を掬い上げ、起重機船1を停泊した状態で、スキャニングソナー31により撤去対象物7を含む海底34の三次元画像を前記表示手段に表示するから、トランスデューサ23を用いて吊下げたグラブバケット6の位置を確認し、海底
34の撤去対象物7をグラブバケット6により撤去し、その撤去状況を三次元画像で確認しながら撤去作業を行うことができる。
【0047】
また、実施例上の効果として
、予めナローマルチビーム測探ソナー42により測量することにより、撤去対象物
7の状況を確認することができる。また、表示画面51は、各表示部52,53,54,55を同時に表示したり、切り替えて選択して表示することがきるが、少なくとも平面位置拡大表示部53と縦断位置表示部54とを同時に表示することにより、グラブバケット6の平面と縦断位置を同時に確認しな
がら作業を効率的に行うことができる。
【実施例2】
【0048】
図8〜
図11は、本発明の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、被吊下げ物がコンクリート製のブロック61であり、このブロック61又は前記索条5の下端に前記
被吊下げ物装置11を設けている。尚、前記
被吊下げ物装置11を索条5の下端に設けた吊荷フックに設けてもよい。
【0049】
前記平面位置表示部52には、縦軸を緯度、横軸を経度として、起重機船1,起重機本体3,吊下げ中のブロック61,目標据付位置62,据付完了位置62A及び据付予定位置62Bについて、平面位置、範囲、形状が地図表示される。
図10に示すように、ブロック61を縦横に並べて設置する場合、据付完了位置62Aを丸で表示し、目標据付位置62を黒丸又は据付完了位置62Aと異なる色の丸で表示し、据付予定位置62Bは鎖線の丸で表示している。尚、ブロック61,目標据付位置62,据付完了位置62A及び据付予定位置62Bは適宜異なる図形や色で判別できるように表示すればよい。
【0050】
平面位置拡大表示部53は、前記平面位置表示部52を拡大して表示したものであり、縦軸を緯度、横軸を経度として、クレーンアーム4の先端4A,吊下げ中のブロック61及び前記目標据付位置62について、平面位置、範囲、形状が地図表示される。尚、目標据付位置62に、前後,左右軸部56Y,56Xの交差箇所を合わせて表示している。
【0051】
縦断位置表示部54は、前記平面位置表示部52を拡大して表示したものであり、縦軸を深度、横軸をX軸方向又はY軸方向として、吊下げ中のブロック61及び
目標据付位置62について、縦断位置、範囲、形状が地図表示される。尚、縦断位置表示部54は、表示手段26の操作手段を用いて横軸をX軸方向又はY軸方向に切り換えることができる。また、縦断位置表示部54に据付完了位置62Aを表示するようにしてもよい。
【0052】
三次元画像表示部55は、前記スキャニングソナー31により、据付が完了したブロック61を含む海底34の地形を三次元画像でリアルタイム
に表示するものである。
【0053】
さらに、本実施例では、下記の構成を採用することができる。
【0054】
潜水士71A,71Bは、潜水士携帯装置72をそれぞれ携帯している。潜水士携帯装置71と前記起重機船1の制御部21と間は、超音波を用いた水中の音響通信により無線通信可能に構成されている。前記潜水士携帯装置71は、前記圧力計13、トランスポンダ12、制御部14、送受信部15、報知部73を備え、前記被吊下げ物と同様に前記圧力計13を用いて測定された深度測定データと前記トランスポンダ12を用いて測定された平面位置測定データとに基づき前記潜水士携帯装置71の位置を検出することができ、制御部21は、各潜水士71A,71Bの位置を、前記平面位置表示部52及び縦断位置表示部54に表示する。尚、
図10では、平面位置表示部52及び縦断位置表示部54に潜水士71A,71Bを表示している。
【0055】
制御部21は、起重機船1からの報知信号を送受信部15により、超音波を用いた無線通信により受信して、報知部73を介して各潜水士71A,71Bに報知するようになっている。なお、報知部73は、起重機船1からの報知信号を潜水士71A,71Bに報知できればよく、音声で報知する場合は、イヤホンなどで構成することができる。この場合、起重機本体3の操作者や起重機船1の乗員が、表示手段26を確認し、吊下げたブロック61に対して潜水士71A,71Bが所定範囲に入った場合に、報知してもよいし、制御部21において、位置情報などの各種のデータから、吊下げたブロック61に対して潜水士71A,71Bとの距離を算出し、所定距離内に入った場合、制御部21が送受信部22,15を介して報知するようにしてもよい。あるいは、潜水士携帯装置72の制御部14により報知してもよく、この場合は、潜水士携帯装置72の制御部14に位置情報などの各種のデータを無線で入力すればよい。
【0056】
制御部21は、潜水士携帯装置72の送受信部15から送信された深度測定データを、送受信部22を介して、リアルタイムに受信する。また、トランスデューサ23は、潜水士携帯装置72のトランスポンダ12から発信された超音波信号を検出し、制御部21は、トランスデューサ23により検出された信号に基づいて、潜水士携帯装置72の方位と距離をリアルタイムに算出して、平面位置測定データを得る。そして、制御部21は、潜水士携帯装置72の深度測定データと平面位置測定データに基づき、表示手段26に潜水士携帯装置72の位置をリアルタイムに三次元的に表示させるようになっている。尚、本実施例では潜水士の数は2名となっているが、最大6名まで同時に表示できるようになっている。なお、深度の精度は10cmとなっている。そして、深度のスケールは、現場状況に応じて設定できるようになっている。
【0057】
そして、航行手段を有する測量船41がナローマルチビーム測探ソナー42を用いて、撤去対象物7を含む海底34の三次元画像データを得る。尚、この例では、設計で設置場所が定まっている場合などには、ナローマルチビーム測探ソナー42による測量を行わずに、ブロック61を設置するようにしてもよい。
【0058】
起重機船1は、クレーンアーム4の先端4Aの下方に撤去対象物7が来る位置で、停泊する。そして、起重機本体3の操作者は、平面位置拡大表示部53と縦断位置表示部54により吊下げたブロック61の平面位置と縦断位置(水中位置)を確認しながら、その位置を調整し、目標据付位置62に合わせ、海底34のブロック61を接地し、潜水士71A,71Bによりブロック61から索条5を取り外す。尚、索条5に自動連結解除装置を設けた場合は、潜水士71A,71Bの作業を省くことができる。
【0059】
また、スキャニングソナー31を駆動し、このデータにより、
図10に示すように、三次元画像表示部55にブロック61を含む海底34の地形を三次元画像で表示することにより、撤去対象物7の状況を視覚により確認することができる。
【0060】
そして、この例では、潜水士71A,71Bの空間座標を表示手段26に表示することにより水中作業における安全性を向上することができる。また、大水深や特殊区域における据付設置作業において、潜水士71A,71Bへの作業依存度を低くでき、潜水士71A,71Bの安全性向上に寄与することができる。
【0061】
このように本実施例では、請求項
2に対応して、
被吊下げ物が水底に据付ける水底設置物たるブロック61であり、起重機船1にはスキャニングソナー31が起重機本体3と同じ側に設けられ、表示手段26は、縦軸を緯度、横軸を経度として、起重機船1及び起重機本体3について、平面位置及び形状を表示すると共に、吊下げ中のたるブロック61,目標据付位置62,据付完了位置62A及び据付予定位置62Bについて、平面位置を表示する平面位置表示部52と、縦軸を深度、横軸をX軸方向又はY軸方向として、吊下げ中のブロック61及び目標据付位置62について、縦断位置を表示する縦断位置表示部54とを備えるから、トランスデューサ23によりブロック61の位置を確認しながら吊り下ろし作業を行い、作業中にスキャニングソナー31により作業状況を三次元画像で確認することができる。
【0062】
また、このように本実施例では、請求項
2に対応して、被吊下げ物が水底設置物たるブロック61であるから、トランスデューサ23を用いてブロック61の位置を確認しながら、起重機船1によりブロック61を海底34に設置し、このブロック61と海底34の状況を三次元画像で確認することができる。
【0063】
また、このように本実施例では、
請求項4に対応して、トランスデューサ23を用いて吊下げた水底設置物たるブロック61の位置を確認し、起重機本体3によりブロック61を海底34に設置し、起重機船1を停泊した状態で、スキャニングソナー31によりブロック61を含む海底34の三次元画像を表示手段26に表示するから、トランスデューサ23を用いて吊下げたブロック61の位置を確認し、そのブロック61を起重機本体3により海底34に設置し、その設置状況を三次元画像で確認しながら撤去作業を行うことができる。
【0064】
また、実施例上の効果として、潜水士携帯装置72を用いることにより、起重機船1の乗員は、被吊下げ物だけでなく、潜水士71A,71Bの位置をも把握して施工を行うことができる。また、制御部21は目標据付位置62などを表示画面51に表示するため、据付作業を簡便に行うことができる。
【0065】
尚、本発明は、本実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、被吊下げ物は実施例に限定されず各種のものでよく、例えば、撤去装置としては、バキューム式のものやチェーン式などでもよく
、水底設置物としては、捨石や漁礁などでもよい。