特許第5780219号(P5780219)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カシオ計算機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5780219-情報端末及びプログラム 図000002
  • 特許5780219-情報端末及びプログラム 図000003
  • 特許5780219-情報端末及びプログラム 図000004
  • 特許5780219-情報端末及びプログラム 図000005
  • 特許5780219-情報端末及びプログラム 図000006
  • 特許5780219-情報端末及びプログラム 図000007
  • 特許5780219-情報端末及びプログラム 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5780219
(24)【登録日】2015年7月24日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】情報端末及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/445 20060101AFI20150827BHJP
   G06K 7/00 20060101ALI20150827BHJP
   G06K 7/14 20060101ALI20150827BHJP
【FI】
   G06F9/06 610B
   G06K7/00
   G06K7/14 008
【請求項の数】9
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-161652(P2012-161652)
(22)【出願日】2012年7月20日
(65)【公開番号】特開2014-21836(P2014-21836A)
(43)【公開日】2014年2月3日
【審査請求日】2014年7月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】入江 知徳
【審査官】 石川 亮
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−305754(JP,A)
【文献】 国際公開第2001/077844(WO,A1)
【文献】 特開2001−075762(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 9/445
G06K 7/00
G06K 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シンボルをスキャンしてシンボルイメージを取得する取得手段と、
アプリケーション毎のシンボルのデコード方法の設定情報を記憶する記憶手段と、
アプリケーションを指定する指定手段と、
前記指定されたアプリケーションに対応するシンボルのデコード方法の設定情報を前記記憶手段から読み出す読出手段と、
前記読み出された設定情報に応じて、シンボルのデコード方法を設定する設定手段と、
前記設定されたシンボルのデコード方法に基づいて、前記取得手段により取得されたシンボルイメージをデコードしてシンボルデータを取得するデコード手段と、
を備え、
前記指定手段は、起動中のアプリケーションのうち、フォーカスの当たっているアプリケーションを指定する情報端末。
【請求項2】
読取対象の情報を取得する取得手段と、
アプリケーション毎の読取対象の情報の読取方法の設定情報を記憶する記憶手段と、
アプリケーションを指定する指定手段と、
前記指定されたアプリケーションに対応する読取対象の情報の読取方法の設定情報を前記記憶手段から読み出す読出手段と、
前記読み出された設定情報に応じて、読取対象の情報の読取方法を設定する設定手段と、
前記設定された読取対象の情報の読取方法に基づいて、前記取得手段により取得された読取対象の情報を解析して読取データを取得する読取手段と、
を備え、
前記指定手段は、起動中のアプリケーションのうち、フォーカスの当たっているアプリケーションを指定する情報端末。
【請求項3】
前記読取対象は、シンボルであり、前記読取対象の情報の読取方法は、シンボルのデコード方法であり、前記取得手段は、シンボルをスキャンしてシンボルイメージを取得し、前記記憶手段は、アプリケーション毎のシンボルのデコード方法の設定情報を記憶し、前記読出手段は、前記指定されたアプリケーションに対応するシンボルのデコード方法の設定情報を前記記憶手段から読み出し、前記設定手段は、前記読み出された設定情報に応じて、シンボルのデコード方法を設定し、前記読取手段は、前記設定されたシンボルのデコード方法に基づいて、前記取得手段により取得されたシンボルイメージをデコードしてシンボルデータを取得する請求項に記載の情報端末。
【請求項4】
前記記憶手段は、
読取データと、当該読取データに対応付けられた出力形式の出力データと、を有するデータベースと、
アプリケーション毎のデータベース及び出力形式の指定情報と、を記憶し、
前記読出手段は、前記指定手段により指定されたアプリケーションに対応するデータベース及び出力形式の指定情報を前記記憶手段から読み出し、
前記読み出されたデータベースの指定情報に応じて、前記記憶手段に記憶されたデータベースを指定し、前記読み出された出力形式の指定情報に応じて、前記読取手段により取得された読取データに対応する出力形式の出力データを前記指定したデータベースから読み出して前記指定されたアプリケーションに出力する出力手段を備える請求項2または3に記載の情報端末。
【請求項5】
前記出力手段は、前記読取手段により取得された読取データに対応する出力形式の出力データを前記指定手段により指定されたアプリケーションの入力フィールドに出力する請求項に記載の情報端末。
【請求項6】
前記出力手段は、前記指定手段により指定されたアプリケーションに対応するデータベースの指定情報において、データベースが指定されていない場合に、前記読取手段により取得された読取データを前記指定されたアプリケーションに出力する請求項またはに記載の情報端末。
【請求項7】
前記記憶手段は、アプリケーション毎の前記取得手段の読取対象の情報の読取実施の有無の指定情報を記憶し、
前記指定手段により指定されたアプリケーションに対応する読取実施の有無の指定情報に応じて、前記取得手段に読取を実施させるか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段の判別結果により読取を実施させる場合に、前記取得手段に読取を実施させ、読取を実施させない場合に、前記取得手段に読取を実施させない制御手段と、を備える請求項2からのいずれか一項に記載の情報端末。
【請求項8】
コンピュータを、
アプリケーション毎のシンボルのデコード方法の設定情報を記憶する記憶手段、
アプリケーションを指定する指定手段、
前記指定されたアプリケーションに対応するシンボルのデコード方法の設定情報を前記記憶手段から読み出す読出手段、
前記読み出された設定情報に応じて、シンボルのデコード方法を設定する設定手段、
前記設定されたシンボルのデコード方法に基づいて、シンボルをスキャンしてシンボルイメージを取得する取得手段により取得されたシンボルイメージをデコードしてシンボルデータを取得するデコード手段、
として機能させるためのプログラムであって、
前記指定手段は、起動中のアプリケーションのうち、フォーカスの当たっているアプリケーションを指定するように機能させるためのプログラム。
【請求項9】
コンピュータを、
アプリケーション毎の読取対象の情報の読取方法の設定情報を記憶する記憶手段、
アプリケーションを指定する指定手段、
前記指定されたアプリケーションに対応する読取対象の情報の読取方法の設定情報を前記記憶手段から読み出す読出手段、
前記読み出された設定情報に応じて、読取対象の情報の読取方法を設定する設定手段、
前記設定された読取対象の情報の読取方法に基づいて、読取対象の情報を取得する取得手段により取得された読取対象の情報を解析して読取データを取得する読取手段、
として機能させるためのプログラムであって、
前記指定手段は、起動中のアプリケーションのうち、フォーカスの当たっているアプリケーションを指定するように機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シンボルを読み取る情報端末及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シンボルとしてのバーコード又は2次元コードをスキャンするスキャナ部を備え、シンボルを読み取る携帯情報端末(ハンディーターミナル)が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
例えば、バーコードの読み取り機能を有するハンディターミナルにおいて、バーコードを読み取る処理と、その読み取ったバーコードデータを業務に活用するための処理とは、専用に開発された業務アプリケーションによって行われる。業務アプリケーションは、読み取ったバーコードデータをもとに商品情報を検索して表示したり、商品情報や在庫情報をサーバに問い合わせて表示したりする等、用途に応じて多種多様な処理を行う。
【0004】
上記スキャナ部を使用した業務アプリケーションを開発する場合、アプリケーション開発者は、次の(1)又は(2)の方法で開発していた。
(1).専用のバーコードスキャナライブラリを利用し、個別に業務アプリケーションを開発する。
(2).バーコードを読み取るプログラムを常駐させ、キーボードウェッジ等を介して読み取ったバーコードデータを業務アプリケーションの入力フィールドに入力できるようにする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−092211号公報
【特許文献2】特開2008−083843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記(1)の方法で業務アプリケーションを開発する場合には、アプリケーション開発者が専用のライブラリの使用方法を習得する必要があり、大きな負担となっていた。また、ハンディターミナル上で複数の業務アプリケーションが同時に起動される場合に、各アプリケーションがスキャナ部を同時使用できないため、スキャナ部の使用、解放(オープン、クローズ)を業務アプリケーション毎に切り替えねばならなかった。
【0007】
上記(2)の方法で業務アプリケーションを開発する場合には、複数の業務アプリケーションを使用する場合に、業務アプリケーション毎にバーコード読み取りの設定を切り替えることができなかった。このため、複数の業務アプリケーションで使用可能な共通設定を用意する必要があった。
【0008】
本発明の課題は、各アプリケーションに対応した設定でシンボルを読み取るとともに、アプリケーションの構成を簡略化することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の情報端末は、
シンボルをスキャンしてシンボルイメージを取得する取得手段と、
アプリケーション毎のシンボルのデコード方法の設定情報を記憶する記憶手段と、
アプリケーションを指定する指定手段と、
前記指定されたアプリケーションに対応するシンボルのデコード方法の設定情報を前記記憶手段から読み出す読出手段と、
前記読み出された設定情報に応じて、シンボルのデコード方法を設定する設定手段と、
前記設定されたシンボルのデコード方法に基づいて、前記取得手段により取得されたシンボルイメージをデコードしてシンボルデータを取得するデコード手段と、
を備え
前記指定手段は、起動中のアプリケーションのうち、フォーカスの当たっているアプリケーションを指定する
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、各アプリケーションに対応した設定でシンボルを読み取ることができるとともに、アプリケーションの構成を簡略化できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態の情報端末の機能構成を示すブロック図である。
図2】第1の設定ファイルを示す図である。
図3】(a)は、商品情報データベースを示す図である。(b)は、在庫情報データベースを示す図である。
図4】第1のシンボル読み取り処理を示すフローチャートである。
図5】(a)は、第1のアプリケーションの表示画面を示す図である。(b)は、第2のアプリケーションの表示画面を示す図である。(c)は、第3のアプリケーションの表示画面を示す図である。
図6】第2の設定ファイルを示す図である。
図7】第2のシンボル読み取り処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態及び変形例を順に詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0013】
(実施の形態)
図1図4を参照して、本発明に係る実施の形態を説明する。先ず、図1を参照して、本実施の形態の装置構成を説明する。図1は、本実施の形態の情報端末10の機能構成を示すブロック図である。
【0014】
情報端末10は、シンボル読み取り機能を有し、商品等の情報収集を行う情報端末としてのハンディターミナルである。しかし、これに限定されるものではなく、情報端末10が、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートフォン、携帯電話機、タブレットPC(Personal Computer)等、シンボル読み取り機能を有する他の情報端末としてもよい。
【0015】
本実施の形態では、情報端末10が、衣料品の販売店舗において、商品の管理を行うために使用される例を説明するが、これに限定されるものではない。この店舗において、情報端末10が店員に所持されて使用される。店舗内の商品には、各商品を識別するためのシンボルが付されている。このシンボルは、バーコードとしてのJAN(Japanese Article Number)コード及びCode39と、2次元コードとしてのQR(Quick Response)コード(登録商標)と、であるものとする。しかし、商品に付される(情報端末10で読み取る)シンボルの種類は、これらの例に限定されるものではない。
【0016】
図1に示すように、情報端末10は、デコード手段、指定手段、読出手段、設定手段、出力手段、判別手段、制御手段としてのCPU(Central Processing Unit)11と、操作部12と、RAM(Random Access Memory)13と、表示手段としての表示部14と、ROM(Read Only Memory)15と、通信部16と、記憶部17と、取得手段としてのスキャナ部18と、を備える。情報端末10の各部は、バス19を介して互いに接続されている。
【0017】
CPU11は、情報端末10の各部を制御する。CPU11は、各種プログラムのうち指定されたプログラムをROM15から読み出してRAM13に展開し、展開されたプログラムとの協働で各種処理を実行する。
【0018】
CPU11は、第1のシンボル読み取りプログラム151に従い、起動中のアプリケーションからフォーカスの当たっているアプリケーションを検出し、スキャナ部18でスキャンされたシンボルイメージを、前記検出したアプリケーションに対応する設定でシンボルスキャナドライバ152にデコードさせ、得られたシンボルデータ又はこれに対応する出力データを前記検出したアプリケーションに出力する。
【0019】
操作部12は、スキャナ部18のスキャンのトリガキー、文字入力キー、機能キー等のキー群を備え、ユーザからの各キーへの押下入力を受け付け、その押下入力に応じた操作情報をCPU11に出力する。また、操作部12は、表示部14の画面上に設けられるタッチパネルを含み、ユーザからのタッチ入力を受け付ける構成としてもよい。
【0020】
RAM13は、揮発性の半導体メモリであり、各種データ及び各種プログラムを格納するワークエリアを有する。
【0021】
表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(ElectroLuminescent)ディスプレイ等の表示パネルを備える表示部であり、CPU11から入力される表示情報に応じて表示パネルに各種表示を行う。
【0022】
ROM15は、各種データ及び各種プログラムを記憶する読み出し専用の半導体メモリである。ROM15には、第1のシンボル読み取りプログラム151と、シンボルスキャナドライバ152と、シンボルスキャナライブラリ153と、が記憶されている。第1のシンボル読み取りプログラム151は、後述する第1のシンボル読み取り処理を実行するためのプログラムである。
【0023】
シンボルスキャナドライバ152は、スキャナ部18を制御するためのプログラムである。CPU11は、シンボルスキャナドライバ152に従い、スキャナ部18の制御と、スキャナ部18で取得されたシンボルイメージのデコードと、を行うデコード部として機能する。また、シンボルスキャナドライバ152には、シンボルのデコード方法(読み取り対象のシンボルの種類、読み取り対象となるシンボルデータの桁数)の設定が可能である。シンボルデータとは、スキャナ部18で取得されるシンボルイメージをデコードして得られる文字列のデータである。シンボルスキャナドライバ152が動作するCPU11は、スキャナ部18で取得されたシンボルイメージが、設定された読み取り対象のシンボルに対応するか否かの判別機能を有する。シンボルスキャナドライバ152が動作するCPU11は、読み取り対象のシンボルに対応する場合に、そのシンボルイメージのデコード結果であるシンボルデータをシンボルスキャナライブラリ153(が動作するCPU11)に出力し、読み取り対象のシンボルでない場合に、デコード結果としてのシンボルデータを出力しない。
【0024】
シンボルスキャナライブラリ153は、シンボルスキャナドライバ152(が動作するCPU11)と、上位レイヤとしての第1のシンボル読み取り処理(第1のシンボル読み取りプログラム151が動作するCPU11)と、の間のデータのやり取りを仲介するためのプログラム部品である。特に、シンボルスキャナライブラリ153が動作するCPU11は、第1のシンボル読み取り処理で設定された設定情報をシンボルスキャナドライバ152(が動作するCPU11)に通知し、またシンボルスキャナドライバ152(が動作するCPU11)から出力されたシンボルデータを第1のシンボル読み取り処理に出力する。
【0025】
通信部16は、無線LAN通信を行う無線通信部である。例えば、情報端末10が導入される店舗において、アクセスポイント(図示略)が設置され、通信部16は、アクセスポイントとの無線通信を行い、アクセスポイントを介して店舗内のサーバ等の機器と通信を行う。通信部16は、クレードルを介したUSB、LAN等の有線通信を行う通信部を含むこととしてもよい。
【0026】
記憶部17は、情報を読み出し及び書き込み可能に記憶するフラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、又は電池でバックアップされたRAM等の不揮発性のメモリである。記憶部17には、後述する設定ファイル20及び商品情報データベース30が記憶されている。
【0027】
また、記憶部17には、アプリケーションA,B,Cのプログラムが記憶されている。アプリケーションA,B,Cは、それぞれ、スキャナ部18によるシンボル読み取りの結果を用いた処理を行う業務アプリケーションである。一例として、アプリケーションAが、読み取ったシンボルに対応する商品のイメージ画像を表示するハンドブックビューワであるものとする。アプリケーションBが、読み取ったシンボルに対応する商品の全サイズの商品群の店舗内の在庫情報を表示する在庫ツールであるものとする。アプリケーションCが、読み取ったシンボルに対応する商品を説明するホームページを表示するブラウザであるものとする。しかし、記憶部17に記憶されるアプリケーションは、アプリケーションA,B,Cに限定されるものではなく、アプリケーションの数及び内容を他の構成としてもよい。
【0028】
スキャナ部18は、CPU11の制御に応じて、被写体としてのシンボルを撮像してスキャンするイメージスキャナである。スキャナ部18は、レンズ等の光学系と、CCD(Charge Coupled Device Image)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子と、制御部と、を有する。スキャナ部18の撮像素子は、光学系を介して入射された被写体としてのシンボルの像を受光して電気信号としての画像データに変換する。スキャナ部18の制御部は、スキャナ部18の撮像に関わる動作制御を行い、撮像素子から出力されたシンボルの画像データをシンボルイメージとしてRAM13に出力する。
【0029】
また、情報端末10は、情報端末10内の各部に電源供給する二次電池又は一次電池の電源部(図示略)を有する。
【0030】
次に、図2及び図3を参照して、記憶部17に記憶される情報を説明する。図2は、設定ファイル20を示す図である。図3(a)は、商品情報データベース30を示す図である。図3(b)は、在庫情報データベース40を示す図である。
【0031】
設定ファイル20は、記憶部17に記憶されているアプリケーション毎のシンボル読み取りに関する各種設定情報を有する。図2に示すように、設定ファイル20は、アプリケーション毎に、プログラム名と、DBファイルと、DBフィールドと、読み取りコードと、読み取り桁数と、の項目及びデータを有する。設定ファイル20のプログラム名は、アプリケーションのプログラムのファイル名である。設定ファイル20のDBファイルは、アプリケーションに対応する出力データを格納するデータベースのファイル名である。“Database1.dat”は、商品情報データベース30のDBファイル名である。“Database2.dat”は、在庫情報データベース40のDBファイル名である。
【0032】
設定ファイル20のDBフィールドは、DBファイルに対応するデータベースのフィールドのうち、アプリケーションに出力する出力データのフィールドの名称である。設定ファイル20の読み取りコードは、アプリケーションの読み取り対象のシンボルの規格の名称である。設定ファイル20の読み取り桁数は、アプリケーションの読み取り対象のシンボルのシンボルデータの桁数である。
【0033】
商品情報データベース30は、シンボルデータの商品に関する情報を有するデータベースである。図3(a)に示すように、商品情報データベース30は、シンボルデータ31と、商品コード32と、商品名33と、画像ファイル34と、のフィールドを有する。シンボルデータ31は、読み取られたシンボルのシンボルデータである。商品コード32は、シンボルデータ31に対応する商品の識別コードである。商品コード32は、各商品で異なる値にされているとともに、同一商品についてサイズ毎に異なる値にされている。
【0034】
商品名33は、シンボルデータ31に対応する商品の名称であり、サイズを含む。画像ファイル34は、シンボルデータ31に対応する商品の画像ファイル名である。画像ファイル34の各画像ファイルは、記憶部17に予め記憶されているものとする。
【0035】
在庫情報データベース40は、シンボルデータの商品の店舗内の在庫量の情報を有するデータベースである。図3(b)に示すように、在庫情報データベース40は、シンボルデータ41と、商品コード(在庫)42と、商品名(在庫)43と、在庫量(S)44と、在庫量(M)45と、在庫量(L)46と、在庫量(LL)47と、のフィールドを有する。シンボルデータ41は、読み取られたシンボルのシンボルデータである。商品コード(在庫)42は、シンボルデータ41に対応する商品の識別コードである。商品コード(在庫)42は、各商品で異なる値にされているとともに、同一商品についてサイズ毎に同じ値にされている。
【0036】
商品名(在庫)43は、シンボルデータ41に対応する商品の名称であり、サイズを含まない。在庫量(S)44は、シンボルデータ41に対応する商品のSサイズの在庫量である。在庫量(M)45は、シンボルデータ41に対応する商品のMサイズの在庫量である。在庫量(L)46は、シンボルデータ41に対応する商品のLサイズの在庫量である。在庫量(LL)47は、シンボルデータ41に対応する商品のLLサイズの在庫量である。
【0037】
次に、図4及び図5を参照して、情報端末10の動作を説明する。図4は、第1のシンボル読み取り処理を示すフローチャートである。図5(a)は、アプリケーションAの表示画面51を示す図である。図5(b)は、アプリケーションBの表示画面52を示す図である。図5(c)は、アプリケーションCの表示画面53を示す図である。
【0038】
情報端末10で実行される第1のシンボル読み取り処理は、起動中のアプリケーションからフォーカスの当たっているアプリケーションを検出し、前記検出したアプリケーションに対応する設定で、スキャナ部18及びシンボルスキャナドライバ152によりシンボルを読み取り、データを前記検出したアプリケーションに出力する処理である。
【0039】
情報端末10において、例えば、電源投入後、OS(Operating System)が起動された状態となったことをトリガとして、CPU11は、ROM15から読み出されて適宜RAM13に展開された第1のシンボル読み取りプログラム151との協働で、第1のシンボル読み取り処理を実行する。
【0040】
また、情報端末10において、OSが起動している状態で、CPU11は、操作部12を介するユーザ(店員)からのアプリケーションの起動の指示入力に応じて、記憶部17から起動対象のアプリケーションのプログラムを読み出してRAM13に展開し、展開されたアプリケーションのプログラムとの協働で、アプリケーションを実行する。このアプリケーションは、少なくとも1つ起動されているものとする。このように、情報端末10で起動されるOSは、複数のアプリケーションを同時に起動することが可能なマルチタスクOSであるものとする。
【0041】
また、情報端末10のOSは、フォーカスが当たっているアプリケーションを表示部14の表示画面の最前面に表示するものとする。フォーカスが当たっている(アクティブな)アプリケーションとは、GUI(Graphical User Interface)で現在入力を受け付けるよう選択されているアプリケーションである。ユーザは、フォーカスが当たっているアプリケーションのみを視認できる。というのは、情報端末10の表示部14の表示画面が小さいので、当該表示画面に表示するアプリケーションを1つにしているためである。また、第1のシンボル読み取り処理(第1のシンボル読み取りプログラム151)は、表示部14の表示画面の最背面に常駐されるものとする。
【0042】
図4に示すように、先ず、CPU11は、ユーザから操作部12のシンボルスキャンのトリガキーの押下入力を受け付ける(ステップS11)。ステップS11では、トリガキーの押下入力待ちとなる。そして、CPU11は、ステップS11でトリガキーの押下入力があると、起動中のアプリケーションのうち、表示部14の最前面に表示されているアプリケーションを、フォーカスが当たっているアプリケーションとして検出する(ステップS12)。
【0043】
そして、CPU11は、記憶部17に記憶されている設定ファイル20を参照し、ステップS12で検出したアプリケーションに対応する設定情報を設定ファイル20から読み出す(ステップS13)。そして、CPU11は、ステップS13で読み出した設定情報(読み取り対象としてのシンボルの読み取りコード、読み取り桁数)を、シンボルスキャナドライバ152のデコード方法の設定に反映させる(ステップS14)。
【0044】
そして、CPU11は、スキャナ部18にシンボルを撮像させ、取得されたシンボルイメージとしての画像データをシンボルスキャナドライバ152にデコードさせ、シンボルスキャナドライバ152から出力されたシンボルデータを、シンボルスキャナライブラリ153を介して取得する(ステップS15)。ステップS15では、シンボルイメージがステップS14で設定された設定情報に対応する場合に、シンボルデータが取得され、シンボルイメージがステップS14で設定された設定情報に対応しない場合に、シンボルデータが取得されない。
【0045】
そして、CPU11は、ステップS15でシンボルデータを取得してシンボルの読み取りに成功したか否かを判別する(ステップS16)。シンボルの読み取りに成功していない場合(ステップS16;NO)、ステップS11に移行される。
【0046】
シンボルの読み取りに成功した場合(ステップS16;YES)、CPU11は、ステップS13で読み出した設定情報のDB名を参照し、シンボルに対応するデータベースの指定があるか否かを判別する(ステップS17)。シンボルに対応するデータベースの指定がある場合(ステップS17;YES)、CPU11は、シンボルに対応するデータベースを記憶部17から読み出し、ステップS15で取得したシンボルデータで当該データベースのレコードを検索する(ステップS18)。
【0047】
そして、CPU11は、ステップS18でレコードが検索されたか否かを判別する(ステップS19)。レコードが検索されていない場合(ステップS19;NO)、ステップS11に移行される。レコードが検索された場合(ステップS19;YES)、CPU11は、ステップS18で検索されたレコードのフィールドのうち、ステップS13で取得された設定情報のDBフィールドのデータを読み出して、ステップS12で検出された最前面のアプリケーションの入力フィールドに出力し(ステップS20)、ステップS11に移行される。
【0048】
シンボルに対応するデータベースの指定がない場合(ステップS17;NO)、CPU11は、ステップS15で取得されたシンボルデータを、ステップS12で検出された最前面のアプリケーションの入力フィールドに出力し(ステップS21)、ステップS11に移行される。
【0049】
ここで、図5を参照して、第1のシンボル読み取り処理の具体例を説明する。前提として、情報端末10で、アプリケーションA,B,Cが起動中であるものとする。
【0050】
図5(a)に示すように、表示部14の最前面にアプリケーションAの表示画面51が表示され、商品に付されたJANコードのバーコードを読み取るケースを説明する。表示画面51は、入力フィールド51aと、表示ボタン51bと、主表示部51cと、を有する。最初に、入力フィールド51a及び主表示部51cには、何も表示されていないものとする。
【0051】
そして、第1のシンボル読み取り処理により、ステップS11で操作部12のトリガボタンが押下されると、ステップS12でアプリケーションAが検出され、ステップS13で設定ファイル20のアプリケーションAの設定情報が取得される。そして、ステップS15でJANコードのバーコードがスキャン及びデコードされてシンボルデータが取得される。
【0052】
そして、ステップS18で設定情報のDB名がDatabase1.datの商品情報データベース30の取得シンボルデータのシンボルデータ31のレコードが検索される。そして、ステップS20で、設定情報のDBフィールドが商品コードであり、検索されたレコードの商品コード32の“10000001”が入力フィールド51aに入力文字として出力されて表示される。ここで、表示ボタン51bが押下入力されると、アプリケーションAにより、商品情報データベース30が参照され、前記検出されたレコードの画像ファイル34の画像ファイルが記憶部17から読み出されて、その画像ファイルの画像、商品コード、商品名33を含む商品情報が主表示部51cに表示される。
【0053】
従来の情報端末では、読み取ったバーコードのバーコードデータをもとに商品情報等を検索して表示する場合に、アプリケーションの入力フィールドにバーコードデータの生データを一旦表示させてからデータベースの検索を行う必要があった。つまり、必要な情報が商品情報だけにあってもバーコードデータ用の入力フィールドをアプリケーションの画面上に用意する必要があった。これに対し、情報端末10では、表示画面51において、読み取ったシンボルの商品コードそのものが入力フィールド51aに出力される。
【0054】
次いで、図5(b)に示すように、表示部14の最前面にアプリケーションBの表示画面52が表示され、商品に付されたCode39のバーコードを読み取るケースを説明する。表示画面52は、入力フィールド52aと、検索ボタン52bと、主表示部52cと、を有する。最初に、入力フィールド52a及び主表示部52cには、何も表示されていないものとする。
【0055】
そして、第1のシンボル読み取り処理により、ステップS11で操作部12のトリガボタンが押下されると、ステップS12でアプリケーションBが検出され、ステップS13で設定ファイル20のアプリケーションBの設定情報が取得される。そして、ステップS15でCode39のバーコードがスキャン及びデコードされてそのシンボルデータが取得される。
【0056】
そして、ステップS18で設定情報のDB名がDatabase2.datの在庫情報データベース40の取得シンボルデータのシンボルデータ41のレコードが検索される。そして、ステップS20で、設定情報のDBフィールドが商品名(在庫)であり、検索されたレコードの商品名(在庫)43の“Yシャツ青”が入力フィールド52aに入力文字として出力されて表示される。ここで、検索ボタン52bが押下入力されると、アプリケーションBにより、在庫情報データベース40が参照され、前記検索されたレコードの商品名(在庫)43、商品コード(在庫)42、在庫量(S)44、在庫量(M)45、在庫量(L)46、在庫量(LL)47を含む在庫情報が主表示部52cに表示される。つまり、情報端末10では、表示画面52において、読み取ったシンボルの商品名そのものが入力フィールド52aに出力される。
【0057】
次いで、図5(c)に示すように、表示部14の最前面にアプリケーションCの表示画面53が表示され、商品に付されたQRコード(登録商標)を読み取るケースを説明する。表示画面53は、入力フィールド53aと、表示ボタン53bと、主表示部53cと、を有する。最初に、入力フィールド53a及び主表示部53cには、何も表示されていないものとする。
【0058】
そして、第1のシンボル読み取り処理により、ステップS11で操作部12のトリガボタンが押下されると、ステップS12でアプリケーションCが検出され、ステップS13で設定ファイル20のアプリケーションCの設定情報が取得される。そして、ステップS15でQRコードがスキャン及びデコードされてそのシンボルデータ“www.△△.jp/3001”が取得される。“www.△△.jp/3001”は、QRコードが付されていた商品を説明するホームページのURL(Uniform Resource Locator)である。
【0059】
そして、ステップS17で設定情報のDB名に値がなく、データベースの指定がないと判別され、ステップS21で、ステップS15で取得されたシンボルデータ“www.△△.jp/3001”そのものが入力フィールド53aに入力文字として出力されて表示される。ここで、表示ボタン53bが押下されると、アプリケーションCにより、情報端末10が通信部16を介してインターネット接続され、“www.△△.jp/3001”のURLのホームページのデータがWebサーバからダウンロードされ、主表示部53cに表示される。
【0060】
以上、本実施の形態によれば、情報端末10のCPU11は、第1のシンボル読み取り処理実行により、起動中のアプリケーションから、フォーカスの当たっているアプリケーションを検出(指定)し、当該指定されたアプリケーションの設定情報を記憶部17の設定ファイル20から読み出し、当該読み出した設定情報に応じて、シンボルのデコード方法を設定する。デコード手段としてのシンボルスキャナドライバ152は、設定されたシンボルのデコード方法に基づいて、スキャナ部18により取得されたシンボルイメージをデコードしてシンボルデータを取得する。
【0061】
このため、各アプリケーションに対応した設定(デコード方法)でシンボルを読み取ることができるとともに、アプリケーションの構成を簡略化できる。よって、アプリケーションの開発の負担を低減できるとともに、アプリケーションがシンボルの読み取りを行わないので、アプリケーションの動作負担を低減できる。また、起動中のアプリケーションから、シンボルのスキャンを行うアプリケーションを適切に選択できる。
【0062】
また、情報端末10のCPU11は、フォーカスの当たっているアプリケーションとして、表示部14の表示画面の最前面に表示されているアプリケーションを指定する。このため、起動中のアプリケーションから、シンボルのスキャンを行うアプリケーションをより適切に選択できる。
【0063】
また、記憶部17が商品情報データベース30及び在庫情報データベース40を記憶し、設定ファイル20が、アプリケーション毎のデータベース(DBファイル)と出力形式(DBフィールド)との指定情報を含む。CPU11は、指定されたアプリケーションに対応するデータベースの指定情報に応じて、商品情報データベース30又は在庫情報データベース40を指定し、指定されたアプリケーションに対応する出力形式の指定情報に応じて、シンボルスキャナドライバ152により取得されたシンボルデータに対応する出力形式のフィールドの出力データを前記指定したデータベースから取得して前記指定されたアプリケーションに出力する。このため、アプリケーションが、シンボルデータを所望の出力形式の出力データに変換するために独自に検索等の処理を行う必要がないので、アプリケーションの構成をより簡略化でき、アプリケーションの処理負担を低減できるとともに、各アプリケーションが予め設定された出力形式でシンボルデータに対応する出力データを容易に取得できる。
【0064】
また、CPU11は、シンボルスキャナドライバ152により取得されたシンボルデータに対応する出力形式の出力データを前記指定されたアプリケーションの入力フィールドに出力する。このため、アプリケーションが、シンボルデータ用の入力フィールドを表示画面上に用意する必要がないので、アプリケーションをより簡単に構成できる。
【0065】
また、CPU11は、前記指定されたアプリケーションに対応するデータベースの指定情報において、データベースが指定されていない場合に、シンボルスキャナドライバ152により取得されたシンボルデータを前記指定されたアプリケーションに出力する。このため、シンボルデータそのものを必要としているアプリケーションは、シンボルデータを容易に取得できる。
【0066】
(変形例)
図6及び図7を参照して、上記実施の形態の変形例を説明する。図6は、設定ファイル60を示す図である。図7は、第2のシンボル読み取り処理を示すフローチャートである。
【0067】
本変形例の装置として、上記実施の形態の情報端末10が用いられる。但し、ROM15には、第1のシンボル読み取りプログラム151に代えて、第2のシンボル読み取りプログラムが記憶されているものとする。また、記憶部17には、設定ファイル20に代えて、図6に示す設定ファイル60が記憶されているものとする。
【0068】
設定ファイル60は、記憶部17に記憶されているアプリケーションの各種設定情報を有する。図6に示すように、設定ファイル60は、アプリケーション毎に、プログラム名と、スキャン実施と、DBファイルと、DBフィールドと、読み取りコードと、読み取り桁数と、の項目及びデータを有する。設定ファイル60のスキャン実施は、アプリケーションがスキャンを実施するものであるか否かを示す情報であり、有効/無効の値をとる。
【0069】
本変形例の情報端末10では、アプリケーションA,B,Dが同時に起動可能であるものとする。アプリケーションA,Bは、上記実施の形態と同様に、JANコード、Code39のシンボルのスキャンを実施するアプリケーションである。アプリケーションDは、シンボルのスキャンを実施しないアプリケーションであり、例えば、業務用のメーラーであるものとする。しかしこれに限定されるものではなく、アプリケーションDが、スキャナ部18を用いた風景、人物等の通常の撮影アプリケーション等、他のアプリケーションとしてもよい。
【0070】
次に、図7を参照して、第2のシンボル読み取り処理を説明する。情報端末10において、例えば、電源投入後、OSが起動された状態となったことをトリガとして、CPU11は、ROM15から読み出されて適宜RAM13に展開された第2のシンボル読み取りプログラムとの協働で、第2のシンボル読み取り処理を実行する。
【0071】
予め、情報端末10において、OSが起動している状態で、少なくとも1つのアプリケーションが起動されているものとする。
【0072】
図7に示すように、第2のシンボル読み取り処理のステップS31〜S33は、上記実施の形態の第1のシンボル読み取り処理のステップS11〜S13と同様である。そして、CPU11は、ステップS33で読み出した設定情報のスキャン実施を参照し、有効であるか否かを判別する(ステップS34)。スキャン実施が無効である場合(ステップS34;NO)、ステップS31に移行される。
【0073】
スキャン実施が有効である場合(ステップS34;NO)、ステップS35に移行される。ステップS35〜S40は、第1のシンボル読み取り処理のステップS14〜S16,S18〜S20と同様である。
【0074】
以上、本変形例によれば、設定ファイル20は、アプリケーション毎のスキャナ部18のシンボルのスキャン実施の有無の指定情報を含み、CPU11は、検出(指定)されたアプリケーションに対応するスキャン実施の有無の指定情報に応じて、スキャナ部18にスキャンを実施させるか否かを判別し、実施させる場合に、スキャナ部18にスキャンを実施させ、実施させない場合に、スキャナ部18にスキャンを実施させない。このため、フォーカスの当たっているアプリケーションが、スキャン実施が必要で無いアプリケーションである場合に、不必要なスキャン及びデコードを防ぐことができる。
【0075】
以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてROM15を使用した例を開示したが、この例に限定されない。
その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ(例えば記憶部17)、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。
また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0076】
なお、上記実施の形態及び変形例における記述は、本発明に係る情報端末及びプログラムの一例であり、これに限定されるものではない。
【0077】
上記実施の形態及び変形例では、スキャナ部18がイメージスキャナである例としたが、これに限定されるものではない。スキャナ部18が、レーザスキャナ等、他のスキャナ部としてもよい。レーザスキャナは、レーザ光を用いてバーコードをスキャンし、当該バーコードの白スペース及び黒バーの幅を示すシンボルイメージとしての2値化データ(バーコードイメージ)を出力する。シンボルスキャナドライバが、前記出力されたシンボルイメージをデコードしてシンボルデータを取得し、シンボルスキャナライブラリが、当該シンボルデータを第1又は第2のシンボル読み取り処理(を実行するCPU11)に出力する。
【0078】
また、上記実施の形態及び変形例では、第1又は第2のシンボル読み取り処理において、情報端末10のCPU11が、シンボルデータ又はこれに対応するデータベースのフィールドの出力データを最前面のアプリケーションに出力する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、CPU11が、OSのクリップボードを介して、シンボルデータ又はこれに対応するデータベースのフィールドの出力データをフォーカスの当たっているアプリケーションに出力する構成としてもよい。また、シンボルスキャナドライバが、シンボルスキャナライブラリを介さずに、第1又は第2のシンボル読み取り処理(を実行するCPU11)に出力する構成としてもよい。
【0079】
また、上記実施の形態及び変形例では、シンボルスキャナドライバ152がソフトウェアである例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、シンボルスキャナドライバ152と同様の機能を有するデコード部がスキャナ部18内にハードウェアとして含められている構成としてもよい。
【0080】
また、上記実施の形態及び変形例では、フォーカスの当たっているアプリケーションが最前面に表示される構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、表示位置にかかわらずフォーカスを当てるための操作入力がなされたアプリケーションを、フォーカスの当たっているアプリケーションとして検出(指定)してもよい。
【0081】
また、上記実施の形態及び変形例における情報端末10の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【0082】
本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
シンボルをスキャンしてシンボルイメージを取得する取得手段と、
アプリケーション毎のシンボルのデコード方法の設定情報を記憶する記憶手段と、
アプリケーションを指定する指定手段と、
前記指定されたアプリケーションに対応するシンボルのデコード方法の設定情報を前記記憶手段から読み出す読出手段と、
前記読み出された設定情報に応じて、シンボルのデコード方法を設定する設定手段と、
前記設定されたシンボルのデコード方法に基づいて、前記取得手段により取得されたシンボルイメージをデコードしてシンボルデータを取得するデコード手段と、を備える情報端末。
<請求項2>
前記指定手段は、起動中のアプリケーションのうち、フォーカスの当たっているアプリケーションを指定する請求項1に記載の情報端末。
<請求項3>
前記アプリケーションを表示する表示手段を備え、
前記指定手段は、前記フォーカスの当たっているアプリケーションとして、前記表示手段の表示画面の最前面に表示されているアプリケーションを指定する請求項2に記載の情報端末。
<請求項4>
前記記憶手段は、
シンボルデータと、当該シンボルデータに対応付けられた出力形式の出力データと、を有するデータベースと、
アプリケーション毎のデータベース及び出力形式の指定情報と、を記憶し、
前記読出手段は、前記指定手段により指定されたアプリケーションに対応するデータベース及び出力形式の指定情報を前記記憶手段から読み出し、
前記読み出されたデータベースの指定情報に応じて、前記記憶手段に記憶されたデータベースを指定し、前記読み出された出力形式の指定情報に応じて、前記デコード手段により取得されたシンボルデータに対応する出力形式の出力データを前記指定したデータベースから読み出して前記指定されたアプリケーションに出力する出力手段を備える請求項1から3のいずれか一項に記載の情報端末。
<請求項5>
前記出力手段は、前記デコード手段により取得されたシンボルデータに対応する出力形式の出力データを前記指定手段により指定されたアプリケーションの入力フィールドに出力する請求項4に記載の情報端末。
<請求項6>
前記出力手段は、前記指定手段により指定されたアプリケーションに対応するデータベースの指定情報において、データベースが指定されていない場合に、前記デコード手段により取得されたシンボルデータを前記指定されたアプリケーションに出力する請求項4又は5に記載の情報端末。
<請求項7>
前記記憶手段は、アプリケーション毎の前記取得手段のシンボルのスキャン実施の有無の指定情報を記憶し、
前記指定手段により指定されたアプリケーションに対応するスキャン実施の有無の指定情報に応じて、前記取得手段にスキャンを実施させるか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段の判別結果によりスキャンを実施させる場合に、前記取得手段にスキャンを実施させ、スキャンを実施させない場合に、前記取得手段にスキャンを実施させない制御手段と、を備える請求項1から6のいずれか一項に記載の情報端末。
<請求項8>
コンピュータを、
アプリケーション毎のシンボルのデコード方法の設定情報を記憶する記憶手段、
アプリケーションを指定する指定手段、
前記指定されたアプリケーションに対応するシンボルのデコード方法の設定情報を前記記憶手段から読み出す読出手段、
前記読み出された設定情報に応じて、シンボルのデコード方法を設定する設定手段、
前記設定されたシンボルのデコード方法に基づいて、シンボルをスキャンしてシンボルイメージを取得する取得手段により取得されたシンボルイメージをデコードしてシンボルデータを取得するデコード手段、
として機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0083】
10 情報端末
11 CPU
12 操作部
13 RAM
14 表示部
15 ROM
16 通信部
17 記憶部
18 スキャナ部
19 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7