(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記金属原子が、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、錫、銅、ニッケル、パラジウム、鉄、クロム、モリブデン、チタン、ルビジウム、セシウム、ストロンチウム、バリウム、ジルコニウム、ハフニウム及びマンガンからなる群から選ばれる1種以上である請求項1記載のラミネートフィルム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のラミネートフィルムは少なくとも、基材、接着性塗料層及びシーラント層がこの順に積層されたものであり、ラミネートフィルムを製袋する際には、基材層は袋外面、シーラント層は袋内面に用いられる。
【0014】
〔基材〕
本発明のラミネートフィルムにおける基材としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系フィルム、ナイロン6、ナイロン6,6、ポリメタキシリレンアジパミド(N−MXD6)などのポリアミド系フィルム、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系フィルム、ポリアクリロニトリル系フィルム、ポリ(メタ)アクリル系フィルム、ポリスチレン系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)系フィルム、ポリビニルアルコール系フィルム、ポリアクリロニトリル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリ乳酸などの生分解性フィルム、カートンなどの紙類、アルミや銅などの金属箔、及びこれらの基材として用いられる各種材料にポリ塩化ビニリデン(PVDC)樹脂やポリビニルアルコール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物系樹脂、アクリル系樹脂などの各種ポリマーによるコーティングを施したフィルム、アルミなどの金属を蒸着させたフィルム、無機フィラーなどを分散させたフィルム、酸素捕捉機能を付与したフィルムなどが使用できる。
【0015】
また、コーティングする各種ポリマーについても無機フィラーを分散させることができる。無機フィラーとしては、シリカ、アルミナ、マイカ、タルク、アルミニウムフレーク、ガラスフレークなどが挙げられるが、モンモリロナイトなどの層状珪酸塩が好ましく、またその分散方法としては例えば押出混錬法や樹脂溶液への混合分散法など従来公知の方法が使用できる。
【0016】
酸素捕捉機能を付与させる方法としては、例えば、ヒンダードフェノール類、ビタミンC、ビタミンE、有機燐化合物、没食子酸、ピロガロール等の酸素と反応する低分子有機化合物や、コバルト、マンガン、ニッケル、鉄、銅等の遷移金属化合物等を含む組成物を少なくとも一部に使用する方法などが挙げられる。
【0017】
これらのフィルム材料の厚さとしては10〜300μm程度、好ましくは10〜100μm程度が実用的であり、プラスチックフィルムの場合は一軸ないし二軸方向に延伸されているものでもよい。
【0018】
尚、本発明においては、上記基材、接着性塗料層及びシーラント層以外の層として、ポリオレフィン、ポリエステルなど、上記フィルム材料を積層(例えば、接着性塗料層とシーラント層の間など)してもよい。その際に、該フィルム材料はシリカ蒸着もしくはアルミナ蒸着されたものであってもよい。各種材料を積層するに際して、接着性塗料層を複数としてもよい。また、本発明における接着性塗料以外の塗料及び/又は接着剤を併用してもよい。
【0019】
〔シーラント層〕
本発明のラミネートフィルムにおけるシーラント層としては、可撓性ポリマーフィルムを使用することが好ましく、良好なヒートシール性の発現を考慮し、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系フィルムを選択することが好ましい。これらのフィルムの厚さは、10〜300μm程度、好ましくは10〜100μm程度が実用的であり、フィルムの表面には火炎処理やコロナ放電処理などの各種表面処理が実施されていてもよい。
【0020】
〔接着性塗料層〕
本発明のラミネートフィルムにおける接着性塗料層はポリアミン樹脂を含む接着性塗料により形成され、該ポリアミン樹脂は、下記式(1)で示される骨格構造を40質量%以上、好ましくは45質量%以上、より好ましくは50質量%以上含有し、かつ該ポリアミン樹脂は、金属原子を該ポリアミン樹脂中に含まれる窒素原子に対して2.0〜20mol%、好ましくは3.0〜20mol%、より好ましくは5.0〜17.5mol%、さらに好ましくは7.5〜15mol%、特に好ましくは7.5〜12.5mol%含有することを特徴としている。
【0022】
ポリアミン樹脂中に上記式(1)で示される骨格構造及び金属原子が高いレベルで含有されることにより、接着性を維持しつつ、高いガスバリア性を発現する。本発明によれば、23℃60%RHでの酸素透過係数2.0ml・mm/(m
2・day・MPa)以下のポリアミン樹脂を得ることもできる。以下に、ポリアミン樹脂について説明する。
【0023】
(ポリアミン樹脂)
本発明におけるポリアミン樹脂としては、ポリアミン類と少なくとも1つのアシル基もしくはイソシアネート基を有する多官能性化合物との反応により得られるアミドオリゴマーもしくは尿素オリゴマーが挙げられる。
【0024】
ポリアミン類としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンなどの脂肪族アミン;メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミンなどの芳香環を有する脂肪族アミン;1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミンなどの脂環式アミン;ジアミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミンなどの芳香族アミン、又は複素環式化合物などが挙げられ、これらを単独で又は組み合わせて用いることができる。
【0025】
少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、アジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸などのカルボン酸及びそれらの誘導体、例えばエステル、アミド、酸無水物、酸塩化物などが挙げられる。
【0026】
少なくとも1つのイソシアネート基を有する多官能性化合物としては、p−フェニレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、4,4′−、2,4′−又は2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネートもしくはその混合物(MDI)、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネートもしくはその混合物(TDI)、4,4′−トルイジンジイソシアネート(TODI)、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、1,3−又は1,4−キシリレンジイソシアネートもしくはその混合物(XDI)、1,3−又は1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネートもしくはその混合物(TMXDI)、ω,ω′−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート;IPDI)、4,4′−、2,4′−又は2,2′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートもしくはその混合物(水添MDI)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−又は1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンもしくはその混合物(水添XDI)、ビス(イソシアネートメチル)ノルボルナン、ヘキサメチレンジイソシアネート、及びその変性物などが挙げられる。
【0027】
ポリアミン樹脂中に含まれる金属原子としては、二価以上の金属が好ましい。二価以上の金属としては、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、錫、銅、ニッケル、パラジウム、鉄、クロム、モリブデン、チタン、ルビジウム、セシウム、ストロンチウム、バリウム、ジルコニウム、ハフニウム、マンガンなどが挙げられるが、特に亜鉛、マグネシウム、カルシウムが好ましい。ポリアミン樹脂中への金属原子の導入は、例えば後述するような(メタ)アクリル酸の金属塩をポリアミン類と反応させることにより達成し得る。
【0028】
本発明ではポリアミン樹脂として、下記の(A)、(B)及び(C)の反応生成物を用いることが好ましい。これにより高いガスバリア性及び良好な接着性を発現する。
(A)芳香環を有する脂肪族アミン、脂肪族アミン、脂環式アミン及び芳香族アミンからなる群から選ばれる1種以上のポリアミン
(B)ポリアミンとの反応によりアミド基部位を形成し、かつオリゴマーを形成し得る、少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物
(C)(メタ)アクリル酸金属塩
【0029】
前記(A)としては、芳香環を有する脂肪族アミン、脂肪族アミン、脂環式アミン及び芳香族アミンからなる群から選ばれる1種以上のポリアミンが用いられるが、芳香環を有する脂肪族アミンとしてはメタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミンなど、脂肪族アミンとしてはエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンなど、脂環式アミンとしては1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミンなど、芳香族アミンとしてはジアミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミンなどが挙げられる。特にメタキシリレンジアミン又はパラキシリレンジアミンが好ましい。該化合物は単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
【0030】
前記(B)ポリアミンとの反応によりアミド基部位を形成し、かつオリゴマーを形成し得る、少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、アジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸などのカルボン酸及びそれらの誘導体、例えばエステル、アミド、酸無水物、酸塩化物などが挙げられ、特にアクリル酸、メタクリル酸及びそれらの誘導体が好ましい。
【0031】
また、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、グリコール酸、安息香酸などの炭素数1〜8の一価のカルボン酸及びそれらの誘導体、例えばエステル、アミド、酸無水物、酸塩化物などを、上記(B)多官能性化合物と併用して開始ポリアミンと反応させてもよい。反応により導入されるアミド基部位は高い凝集力を有しており、ポリアミン樹脂中に高い割合でアミド基部位が存在することにより、より高いガスバリア性及び良好な接着強度が得られる。
【0032】
(メタ)アクリル酸金属塩(前記(C))に使用される金属としては、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、錫、銅、ニッケル、パラジウム、鉄、クロム、モリブデン、チタン、ルビジウム、セシウム、ストロンチウム、バリウム、ジルコニウム、ハフニウム、マンガン、などの二価以上の金属が挙げられる。特に亜鉛、マグネシウム、カルシウムが好ましい。また、これら金属塩の水溶液を用いることができる。前記(C)は、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、本明細書においては、「アクリル酸」と「メタクリル酸」を総称して(メタ)アクリル酸ということがある。
前記(C)は、工業的に入手が容易である点から、アクリル酸亜鉛、アクリル酸マグネシウム又はアクリル酸カルシウムであることがより好ましい。
【0033】
前記(A)、(B)及び(C)の反応は、まず0〜100℃の条件下で(A)、(B)及び(C)を混合し、次いで100〜300℃、好ましくは120〜250℃の条件下で脱水、脱アルコール、脱アミンによるアミド基形成反応を行うことにより実施される。
また、混合の順番については任意でよいが、まず(A)と(C)を仕込み、次いで(B)を添加して付加反応を行うことが好ましい。
【0034】
アミド基形成反応の際には、反応を完結させるために、必要に応じて反応の最終段階において反応装置内を減圧処理することもできる。また、必要に応じて非反応性の溶剤を使用して希釈することもできる。更に脱水剤、脱アルコール剤として、亜リン酸エステル類などの触媒を添加することもできる。
【0035】
一方、(B)として酸無水物、酸塩化物を使用する場合には、0〜150℃、好ましくは0〜100℃の条件下で混合後、アミド基形成反応を行うことにより実施される。
【0036】
アミド基形成反応の際には、反応を完結させるために、必要に応じて反応の最終段階において反応装置内を減圧処理することもできる。また、必要に応じて非反応性の溶剤を使用して希釈することもできる。更にピリジン、ピコリン、ルチジン、トリアルキルアミンなどの3級アミンを添加することもできる。
【0037】
上記反応により導入されるアミド基部位は高い凝集力を有しており、ポリアミン樹脂中に高い割合でアミド基部位が存在することにより、より高いガスバリア性及び金属やコンクリート、プラスチックなどの基材への良好な接着強度が得られる。
【0038】
また、(A)と(B)の反応比は、モル比((B)/(A))が好ましくは0.3〜1.5の範囲、より好ましくは0.5〜1.4の範囲、さらに好ましくは0.6〜1.3の範囲である。上記範囲とすることにより、ポリアミン樹脂中に十分な量のアミド基が生成するとともに、接着性塗料の塗膜を形成するに十分な分子量となり、高いガスバリア性と優れた塗膜性能を発現し、作業性も良好なポリアミン樹脂を得ることができる。
【0039】
(A)と(C)との反応比は、モル比((C)/(A))が好ましくは0.05〜0.35の範囲、より好ましくは0.15〜0.30の範囲、さらに好ましくは0.15〜0.25の範囲である。該モル比が0.05以上であれば、良好なガスバリア性及び接着性が発現し、0.35以下であれば、作業性が良好である。さらに、(A)に対する(B)と(C)との反応比は、モル比(((B)+(C))/(A))が0.4〜1.8の範囲が好ましい。該モル比が0.4以上であれば、ポリアミン樹脂中に十分な量のアミド基が生成し、良好なガスバリア性及び接着性が発現する。また、ポリアミン樹脂中に残存する揮発性分子の割合が適正に維持され、得られるポリアミン樹脂からの臭気も発生しない。また、該モル比が1.8以下であれば、有機溶剤への溶解性が良好である。
得られるポリアミン樹脂の高いガスバリア性、高い接着性、臭気発生の抑制及び高湿度環境下での高いガスバリア性を特に考慮する場合には、ポリアミン成分に対する多官能性化合物のモル比(((B)+(C))/(A))が0.6〜1.5の範囲がより好ましい。
【0040】
本発明におけるポリアミン樹脂は、酸素透過係数が2.0ml・mm/m
2・day・MPa(23℃60%RH)以下であることが好ましい。
【0041】
ここで、本発明における接着性塗料を使用して作製したラミネートフィルムは、ラミネート直後に300mm/minの剥離速度でのラミネート強度が30g/15mm以上であることが好ましく、40g/15mm以上であることがより好ましく、50g/15mm以上であることがさらに好ましい。このラミネート強度が十分であれば、ラミネートフィルムのトンネリングやフィルムを巻き取る際の巻きズレなどの問題が発生しない。
【0042】
巻きズレを防止するためには高いせん断強度が必要とされ、高いせん断強度の発現を考慮した場合には、例えば前記モル比(((B)+(C))/(A))を好ましくは0.6〜1.8、より好ましくは0.7〜1.6、さらに好ましくは0.8〜1.5の範囲とし、反応生成物であるオリゴマーの平均分子量を高くしたポリアミン樹脂を使用することが好ましい。より好ましいポリアミン樹脂は、メタキシリレンジアミンと、アクリル酸、メタクリル酸及び/又はそれらの誘導体と、(メタ)アクリル酸金属塩の反応生成物である。ここで、メタキシリレンジアミンに対するアクリル酸、メタクリル酸及び/又はそれらの誘導体と(メタ)アクリル酸金属塩の反応モル比は0.8〜1.5の範囲が好ましい。
【0043】
〔接着性塗料〕
本発明における接着性塗料は、上記ポリアミン樹脂を含むものであり、本発明のラミネートフィルムにおける接着性塗料層を形成する。本発明における接着性塗料は、上記ポリアミン樹脂を主成分とするものであり、ガスバリア性及び接着性の観点から、該接着性塗料における該ポリアミン樹脂の含有量は、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは60〜100質量%である。
本発明における接着性塗料には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリウレタン系樹脂組成物、ポリアクリル系樹脂組成物、ポリウレア系樹脂組成物等の熱硬化性樹脂組成物を混合してもよい。
【0044】
本発明における接着性塗料には、各種材料に塗布時の表面の湿潤を助けるために、必要に応じてシリコンあるいはアクリル系化合物といった湿潤剤を添加しても良い。適切な湿潤剤としては、ビック・ケミー社から入手しうるBYK331、BYK333、BYK340、BYK347、BYK348、BYK354、BYK380、BYK381などがある。これらを添加する場合には、ポリアミン樹脂の質量を基準として0.01〜2.0質量%の範囲が好ましい。
【0045】
本発明における接着性塗料には、塗布直後の各種材料に対する粘着性を向上させるために、必要に応じてキシレン樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、ロジン樹脂などの粘着付与剤を添加しても良い。これらを添加する場合には、ポリアミン樹脂の質量を基準として0.01〜5.0質量%の範囲が好ましい。
【0046】
また、本発明における接着性塗料には、ガスバリア性や接着性を向上させるために、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、グリオキシサールなどのアルデヒド、無水酢酸や無水プロピオン酸などのカルボン酸無水物などを添加しても良い。これらを添加する場合は、前記ポリアミン樹脂中に含まれる窒素原子に対して10〜80mol%の範囲が好ましい。
【0047】
また、本発明における接着性塗料(以下、これを「ポリアミン樹脂組成物」と称する場合がある。)により形成される接着性塗料層のガスバリア性、耐衝撃性、耐熱性などの諸性能を向上させるために、接着性塗料の中にシリカ、アルミナ、マイカ、タルク、アルミニウムフレーク、ガラスフレークなどの無機充填剤を添加しても良い。フィルムの透明性を考慮した場合には、このような無機フィラーが平板状であることが好ましい。これらを添加する場合には、ポリアミン樹脂の質量を基準として0.01〜10.0質量%の範囲が好ましい。
【0048】
また、本発明における接着性塗料には、必要に応じて、酸素捕捉機能を有する化合物等を添加してもよい。酸素捕捉機能を有する化合物としては、例えば、ヒンダードフェノール類、ビタミンC、ビタミンE、有機燐化合物、没食子酸、ピロガロールなどの酸素と反応する低分子有機化合物や、コバルト、マンガン、ニッケル、鉄、銅などの遷移金属化合物などが挙げられる。
【0049】
さらに、本発明における接着性塗料により形成される接着性塗料層の接着性を向上させるために、接着性塗料の中にシランカップリング剤、チタンカップリング剤などのカップリング剤を添加しても良い。これらを添加する場合には、ポリアミン樹脂の質量を基準として0.01〜5.0質量%の範囲が好ましい。
【0050】
本発明における接着性塗料は、良好な接着性に加え、高いガスバリア性を有することを特徴としている。このことから、本発明における接着性塗料を使用したラミネートフィルムは、PVDCコート層やポリビニルアルコール(PVA)コート層、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)フィルム層、ポリメタキシリレンアジパミドフィルム層などの一般に使用されているガスバリア性材料を使用することなく、非常に高いレベルのガスバリア性が発現する。さらに、これら従来のガスバリア性材料とシーラント材料とを貼り合わせる塗料として該接着性塗料を用いることにより、得られるラミネートフィルムのガスバリア性を著しく向上させることもできる。
【0051】
〔ラミネートフィルムの製造方法〕
本発明における接着性塗料を使用して、各種フィルム材料をラミネートする場合には、ドライラミネート、ノンソルベントラミネート、押出しラミネート等公知のラミネート法を用いることが可能であるが、本発明においては、ドライラミネートが好ましい。
【0052】
本発明における接着性塗料を各種材料に塗布し、ラミネートする場合には、接着性塗料層を得るのに十分なポリアミン樹脂組成物の濃度及び温度で実施されるが、これは開始材料及びラミネート方法の選択により変化し得る。すなわち、ポリアミン樹脂組成物の濃度は選択した材料の種類及びモル比、ラミネート方法などにより、溶剤を用いない場合から、ある種の適切な有機溶剤及び/又は水を用いて約5質量%程度の組成物濃度に希釈して塗布液を調製する場合までの様々な状態をとり得る。
【0053】
使用される有機溶剤としては、接着性塗料との溶解性を有するあらゆる溶剤が使用し得る。例えばトルエン、キシレン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトンなどの非水溶性系溶剤、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−プロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−プロポキシ−2−プロパノールなどのグリコールエーテル類、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールなどのアルコール類、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドなどのアルデヒド類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンなどの非プロトン性極性溶剤などが挙げられる。
【0054】
溶剤で希釈した接着性塗料(以下、これを「塗布液」と称する場合がある。)は、そのザーンカップ(No.3)粘度が5〜30秒(25℃)の範囲となるような濃度で希釈され得る。ザーンカップ(No.3)粘度が5秒以上であれば接着性塗料が被塗物に十分塗布され、ロールの汚染などが生じない。またザーンカップ(No.3)粘度が30秒以下であれば、接着性塗料がロールに十分移行し、容易に均一な接着性塗料層を形成することができる。たとえばドライラミネートではザーンカップ(No.3)粘度はその使用中に10〜20秒(25℃)であることが好ましい。
【0055】
本発明における塗布液を調製する際に、塗布液の泡立ちを抑えるために、塗布液の中に、シリコンあるいはアクリル系化合物といった消泡剤を添加しても良い。適切な消泡剤としては、ビック・ケミー社から入手しうるBYK019、BYK052、BYK063、BYK065、BYK066N、BYK067N、BYK070、BYK080、楠本化成(株)から入手しうるディスパロン1930Nや1934などがあげられるが、特にBYK065が好ましい。また、これら消泡剤を添加する場合には、塗布液中のポリアミン樹脂の質量を基準として0.001〜3.0質量%の範囲が好ましく、0.005〜2.0質量%がより好ましい。
【0056】
また、溶剤を使用した場合には、接着性塗料を塗布した後の溶剤乾燥温度は20℃から140℃までの様々なものであってよいが、溶剤の沸点に近く、被塗物への影響が及ばない温度が望ましい。乾燥温度が20℃未満ではラミネートフィルム中に溶剤が残存し、接着不良や臭気の原因となる。また乾燥温度が140℃を超えると、ポリマーフィルムの軟化などにより、良好な外観のラミネートフィルムを得るのが困難となる。例えば接着性塗料を延伸ポリプロピレンフィルムに塗布する際は、40〜120℃が望ましい。
【0057】
接着性塗料を塗布する際の塗装形式としては、ロール塗布やスプレー塗布、エアナイフ塗布、浸漬、はけ塗りなどの一般的に使用される塗装形式のいずれも使用され得るが、ロール塗布又はスプレー塗布が好ましい。例えば、ポリウレタン系接着剤成分をポリマーフィルムに塗布し、ラミネートする場合と同様のロールコートあるいはスプレー技術及び設備が適用され得る。
【0058】
続いて、各ラミネート方法での具体的な操作について説明する。
ドライラミネート法の場合には、基材に前記塗布液をグラビアロールなどのロールにより塗布後、溶剤を乾燥させ直ちにその表面に新たなフィルム材料をニップロールにより貼り合わせることによりラミネートフィルムを得ることができる。
【0059】
ドライラミネート法の場合、接着性塗料を調製する際の溶剤としては、溶解性が良く、比較的沸点が低い、炭素数3以下のアルコールを含む溶剤であることが好ましく、メタノール、エタノール、イソプロパノール、及びn−プロパノールからなる群から選ばれる1種以上を主成分とする溶剤が例示される。さらに、エステル基、ケトン基等の官能基を有する溶剤を混合することも可能であり、エステル基、ケトン基等のいずれかの官能基を有する溶剤としては、比較的沸点が低い、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトンからなる群から選ばれる1種以上を混合した混合液が例示される。得られるラミネートフィルムに残留する溶剤量が少ないフィルムを得るために、エステル基、ケトン基、アルデヒド基のいずれかの官能基を有する溶剤の含有量は、全溶剤中の20質量%以下が好ましい。ここで、ラミネートフィルムに残留する溶剤が多い場合、悪臭の原因となるため、残留する溶剤量は7mg/m
2以下が実用的であり、7mg/m
2より多い場合は、フィルムから異臭が感じられる原因となる。フィルムの臭気を厳密に管理する場合には5mg/m
2以下が好ましく、3mg/m
2以下がより好ましい。
【0060】
ドライラミネート法において、接着性塗料は、シーラント層に塗布することも可能であり、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系フィルムに塗布、乾燥後、延伸ポリプロピレン、ポリアミド系フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどの基材を貼り合わせることにより、ラミネートフィルムを製造することができる。
【0061】
ニップロールにより貼り合わせる場合、ニップロールは20〜120℃に加熱して貼り合わせることができるが、40〜100℃が望ましい。
【0062】
また、ノンソルベントラミネート法の場合には、基材を含むフィルム材料に予め40〜100℃程度に加熱しておいた本発明における接着性塗料を40〜120℃に加熱したグラビアロールなどのロールにより塗布後、直ちにその表面に新たなフィルム材料を貼り合わせることによりラミネートフィルムを得ることができる。
【0063】
押出しラミネート法の場合には、基材を含むフィルム材料に接着補助剤(アンカーコート剤)として本発明における接着性塗料の主成分であるポリアミン樹脂の有機溶剤及び/又は水による希釈溶液をグラビアロールなどのロールにより塗布し、20〜140℃で溶剤の乾燥、硬化反応を行った後に、押出し機により溶融させたポリマー材料をラミネートすることによりラミネートフィルムを得ることができる。溶融させるポリマー材料としては低密度ポリエチレン樹脂や直線状低密度ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂などのポリオレフィン系樹脂が好ましい。これらのラミネート法及びその他の一般的に使用されうるラミネート法は必要に応じて組み合わせることも可能であり、用途や形態に応じてラミネートフィルムの層構成は変化し得る。
【0064】
本発明における接着性塗料を各種材料等に塗布、乾燥、貼り合わせ、熱処理した後の接着性塗料層の厚さは、好ましくは0.1〜100μm、より好ましくは0.5〜10μmが実用的である。0.1μm以上であれば十分なガスバリア性及び接着性を発現でき、一方100μm以下であれば、容易に均一な厚みの接着性塗料層を形成することができる。
【0065】
[ラミネートフィルム]
本発明のラミネートフィルムは優れたラミネート強度を有する。300mm/minの剥離速度でのラミネート強度は、基材やシーラント層の材質により異なるが、例えば、基材が延伸ポリプロピレンの場合は、80g/15mm以上が好ましく、100g/15mm以上がより好ましく、さらに好ましくは120g/15mm以上である。一方、基材が延伸ナイロンやポリエチレンテレフタレートの場合は、シーラント層が低密度ポリエチレンもしくは無延伸ポリプロピレンであれば120g/15mm以上が好ましく、250g/15mm以上がより好ましく、さらに好ましくは300g/15mm以上である。上記ラミネート強度は実施例に記載の方法で測定することができる。
【0066】
本発明における接着性塗料を使用して製造したラミネートフィルムは食品や医薬品などの保護を目的とする多層包装材料として使用することができる。多層包装材料として使用する場合には、内容物や使用環境、使用形態に応じてその層構成は変化し得る。すなわち、本発明のラミネートフィルムをそのまま多層包装材料として使用することもできるし、必要に応じて酸素吸収層や熱可塑性樹脂フィルム層、紙層、金属箔層などを本発明のラミネートフィルムにさらにラミネートさせることもできる。この際、本発明における接着性塗料を用いてラミネートさせても良いし、他の塗料や接着剤やアンカーコート剤を用いてラミネートさせても良い。
【0067】
前記多層包装材料を使用して製造する軟包装用袋等からなる包装用袋について説明する。かかる軟包装用袋等からなる包装用袋は、前記多層包装材料を使用し、そのヒートシール性樹脂層の面を対向して重ね合わせ、しかる後、その周辺端部をヒートシールしてシール部を形成して製造することができる。その製袋方法としては、例えば、前記多層包装材料を折り曲げるかあるいは重ね合わせて、その内層の面を対向させ、更にその周辺端部を、例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型、その他等のヒートシール形態によりヒートシールする方法が挙げられる。包装用袋は内容物や使用環境、使用形態に応じて種々の形態をとり得る。その他、例えば、自立性包装用袋(スタンディングパウチ)等も可能である。ヒートシールの方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知の方法で行うことができる。
【0068】
前記包装用袋にその開口部から内容物を充填し、しかる後、その開口部をヒートシールすることで、本発明の包装用袋を使用した包装製品を製造することができる。充填できる内容物としては、米菓、豆菓子、ナッツ類、ビスケット・クッキー、ウェハース菓子、マシュマロ、パイ、半生ケーキ、キャンディ、スナック菓子などの菓子類、パン、スナックめん、即席めん、乾めん、パスタ、無菌包装米飯、ぞうすい、おかゆ、包装もち、シリアルフーズなどのステープル類、漬物、煮豆、納豆、味噌、凍豆腐、豆腐、なめ茸、こんにゃく、山菜加工品、ジャム類、ピーナッツクリーム、サラダ類、冷凍野菜、ポテト加工品などの農産加工品、ハム類、ベーコン、ソーセージ類、チキン加工品、コンビーフ類などの畜産加工品、魚肉ハム・ソーセージ、水産練製品、かまぼこ、のり、佃煮、かつおぶし、塩辛、スモークサーモン、辛子明太子などの水産加工品、桃、みかん、パイナップル、りんご、洋ナシ、さくらんぼなどの果肉類、コーン、アスパラガス、マッシュルーム、玉ねぎ、人参、大根、じゃがいもなどの野菜類、ハンバーグ、ミートボール、水産フライ、ギョーザ、コロッケなどを代表とする冷凍惣菜、チルド惣菜などの調理済食品、バター、マーガリン、チーズ、クリーム、インスタントクリーミーパウダー、育児用調整粉乳などの乳製品、液体調味料、レトルトカレー、ペットフードなどの食品類が挙げられる。また、タバコ、使い捨てカイロ、医薬品、化粧品などの包装材料としても使用され得る。
【実施例】
【0069】
次に実施例により本発明を具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
尚、ポリアミン樹脂からなる接着性塗料溶液A〜Fは以下の方法で調製した。
【0070】
接着性塗料溶液A
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンと0.23molのアクリル酸亜鉛を仕込んだ。窒素気流下60℃に昇温し、0.70molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。生成するメタノールを留去しながら165℃に昇温し、1.0時間165℃を保持した。固形分濃度45%相当のメタノールを1.5時間かけて滴下し、ポリアミン樹脂からなる接着性塗料溶液Aを得た。
【0071】
接着性塗料溶液B
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンと0.20molのアクリル酸亜鉛を仕込んだ。窒素気流下60℃に昇温し、0.70molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。生成するメタノールを留去しながら165℃に昇温し、1.0時間165℃を保持した。固形分濃度45%相当のメタノールを1.5時間かけて滴下し、ポリアミン樹脂からなる接着性塗料溶液Bを得た。
【0072】
接着性塗料溶液C
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンと0.20molのアクリル酸マグネシウムを仕込んだ。窒素気流下60℃に昇温し、0.70molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。生成するメタノールを留去しながら165℃に昇温し、1.0時間165℃を保持した。固形分濃度45%相当のメタノールを1.5時間かけて滴下し、ポリアミン樹脂からなる接着性塗料溶液Cを得た。
【0073】
接着性塗料溶液D
前記接着性塗料溶液Aに、0.31molのアクリル酸を加え、窒素気流下60℃に昇温し、3時間保持した。固形分濃度45%相当のメタノールを1.5時間かけて滴下し、ポリアミン樹脂からなる接着性塗料溶液Dを得た。
【0074】
接着性塗料溶液E
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下60℃に昇温し、0.93molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。生成するメタノールを留去しながら165℃に昇温し、2.5時間165℃を保持した。固形分濃度45%相当のメタノールを1.5時間かけて滴下し、ポリアミン樹脂からなる接着性塗料溶液Eを得た。
【0075】
接着性塗料溶液F
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンと0.10molのアクリル酸亜鉛を仕込んだ。窒素気流下60℃に昇温し、0.80molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。生成するメタノールを留去しながら165℃に昇温し、1.0時間165℃を保持した。固形分濃度45%相当のメタノールを1.5時間かけて滴下し、ポリアミン樹脂からなる接着性塗料溶液Fを得た。
【0076】
また、ガスバリア性、ラミネート強度の評価方法は以下の通りである。
<酸素透過係数(ml・mm/m
2・day・MPa)>
酸素透過率測定装置(モダンコントロール社製、OX−TRAN2/21)を使用して、上記ポリアミン樹脂からなる接着性塗料溶液を基材に塗布し、シーラントフィルムを貼り合わせて得たラミネートフィルム、及び基材、シーラントフィルムそのものの酸素透過率を23℃、相対湿度60%の条件下で測定し、接着性塗料の塗膜の酸素透過係数を以下の式を用いて計算した:
1/R
1 = 1/R
2 + DFT/P +1/R
3
ここで、
R
1 = ラミネートフィルムの酸素透過率(ml/m
2・day・MPa)
R
2 = 基材の酸素透過率(ml/m
2・day・MPa)
R
3 = シーラントフィルムの酸素透過率(ml/m
2・day・MPa)
DFT = 接着性塗料の塗膜の厚み(mm)
P = 接着性塗料の塗膜の酸素透過係数
【0077】
<ラミネート強度(g/15mm)>
JISK−6854に指定されている方法を用い、ラミネートフィルムのラミネート強度をT型剥離試験により300mm/minの剥離速度で測定した。
【0078】
実施例1
<酸素透過係数及びラミネート強度の測定>
基材である厚み20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡(株)製;P2161)に、100線/inch深さ100μmグラビアロールを使用して接着性塗料溶液Aを塗布し、次いで60℃(入口付近)〜90℃(出口付近)の乾燥オーブンで乾燥させた後、シーラント層である厚み40μmの直鎖状ポリエチレンフィルム(東セロ(株)製T.U.X.MC−S)を70℃に加熱したニップロールにより貼り合わせ、巻取り速度130m/minで巻取ることにより基材/ポリアミン樹脂からなる接着性塗料層/シーラント層からなるラミネートフィルム(L1)を得た。
得られたラミネートフィルム(L1)についてそのガスバリア性、ラミネート強度を評価した。酸素透過係数及びラミネート強度を表1に示す。
【0079】
実施例2
<酸素透過係数及びラミネート強度の測定>
接着性塗料溶液Aの代わりに接着性塗料溶液Bとした以外は実施例1と同様の方法でラミネートフィルム(L2)を作製し、酸素透過係数及びラミネート強度を測定した。結果を表1に示す。
【0080】
実施例3
<酸素透過係数の測定>
実施例2と同様の方法で酸素透過係数を測定した。結果を表1に示す。
<ラミネート強度の測定>
厚み15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(東洋紡(株)製;N1102)にポリウレタン系接着剤として、ポリエーテル成分(東洋モートン(株)製;TM−319)を50質量部、ポリイソシアネート成分(東洋モートン(株)製;CAT−19B)を50質量部含む酢酸エチル溶液(固形分濃度;30質量%)を塗布し、85℃で10秒乾燥させた後、厚み12μmの延伸エステルフィルム(東洋紡(株)製;E5200)をニップロールにより貼り合わせることにより、基材となる積層フィルム(X)を得た。
基材として二軸延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡(株)製;P2161)の代わりに上記積層フィルム(X)を用いた以外は実施例2と同様の方法でラミネートフィルム(L3)を作製し、ラミネート強度を測定した。結果を表1に示す。
【0081】
実施例4
<酸素透過係数の測定>
接着性塗料溶液Aの代わりに接着性塗料溶液Cとした以外は実施例1と同様の方法で酸素透過係数を測定した。結果を表1に示す。
<ラミネート強度の測定>
接着性塗料溶液Bの代わりに接着性塗料溶液Cとした以外は実施例3と同様の方法でラミネートフィルム(L4)を作製し、酸素透過係数及びラミネート強度を測定した。結果を表1に示す。
【0082】
実施例5
<酸素透過係数の測定>
実施例4と同様の方法で酸素透過係数を測定した。結果を表1に示す。
<ラミネート強度の測定>
基材として積層フィルム(X)の代わりに厚み8μmのアルミニウム箔(東洋アルミニウム(株);アルミニウム箔1N30)を用いた以外は実施例4と同様の方法でラミネートフィルム(L5)を作製し、ラミネート強度を測定した。結果を表1に示す。
【0083】
実施例6
<酸素透過係数の測定>
接着性塗料溶液Aの代わりに接着性塗料溶液Dとした以外は実施例1と同様の方法で酸素透過係数を測定した。結果を表1に示す。
<ラミネート強度の測定>
接着性塗料溶液Bの代わりに接着性塗料溶液Dとした以外は実施例3と同様の方法でラミネートフィルム(L6)を作製し、酸素透過係数及びラミネート強度を測定した。結果を表1に示す。
【0084】
実施例7
<酸素透過係数及びラミネート強度の測定>
接着性塗料溶液Aの代わりに接着性塗料溶液Fとした以外は実施例1と同様の方法でラミネートフィルム(L9)を作製し、酸素透過係数及びラミネート強度を測定した。結果を表1に示す。
【0085】
比較例1
<酸素透過係数及びラミネート強度の測定>
接着性塗料溶液Aの代わりに接着性塗料溶液Eとした以外は実施例1と同様の方法でラミネートフィルム(L7)を作製し、酸素透過係数及びラミネート強度を測定した。結果を表1に示す。
【0086】
比較例2
<酸素透過係数の測定>
比較例1と同様の方法で酸素透過係数を測定した。結果を表1に示す。
<ラミネート強度の測定>
基材として二軸延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡(株)製;P2161)の代わりに積層フィルム(X)を用いた以外は比較例1と同様の方法でラミネートフィルム(L8)を作製し、ラミネート強度を測定した。結果を表1に示す。
【0087】
【表1】