(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0022】
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1に係る画像形成装置の全体の概要を示すものである。
【0023】
<画像形成装置の全体の構成>
実施の形態1に係る画像形成装置100は、例えばカラープリンタとして構成されたものである。この画像形成装置100は、透明トナーや白色トナー等の特殊トナーを用いた画像を形成する第1の画像形成装置1
1と、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナーを用いた画像を形成する第2の画像形成装置1
2と、第1及び第2の画像形成装置1
1、1
2を制御する制御装置2とを備えている。第1及び第2の画像形成装置1
1,1
2は、形成する画像の色が異なる点を除けば基本的に同様の構成を有している。画像形成装置1は、画像データに基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成手段の一例としての画像形成部106を備えている。この画像形成部106は、現像剤を構成するトナーで現像されるトナー像を形成する複数の作像装置10と、各作像装置10で形成されるトナー像をそれぞれ保持して最終的に記録媒体5に二次転写する二次転写位置まで搬送する中間転写装置20と、中間転写装置20の二次転写位置に供給すべき所要の記録媒体5を供給及び搬送する給紙装置50と、中間転写装置20で二次転写された記録媒体5上のトナー像を定着させる定着装置40等を備えている。
【0024】
この画像形成装置100は、例えば、記録用紙5に形成すべき原稿画像を入力する図示しない画像読取部としての画像読取装置を追加して装備させた場合にはカラー複写機として構成することができる。図中の1aは画像形成装置の筐体を示し、この筐体1aは支持構造部材、外装カバー等で形成されている。
【0025】
第1の画像形成装置1
1の作像装置10は、透明(Clr)、第1の特別色(S1)、第2の特別色(S2)及びホワイト(W)の4色のトナー像をそれぞれ専用に形成する4つの作像装置10Clr,10S1,10S2,10Wで構成されている。ここで、第1の特別色(S1)としては、例えばゴールドを、第2の特別色(S2)としては、例えばシルバーを用いている。この4つの作像装置10(Clr,S1,S2,W)は、筐体1aの内部空間において1列に並べた状態となるよう配置されている。
【0026】
一方、第2の画像形成装置の作像装置10は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナー像をそれぞれ専用に形成する4つの作像装置10Y,10M,10C,10Kで構成されている。この4つの作像装置10(Y,M,C,K)も、筐体1aの内部空間において1列に並べた状態となるよう配置されている。
【0027】
各作像装置10は、
図2に示されるように、回転する像保持体の一例としての感光体ドラム11を備えており、この感光体ドラム11の周囲に、次のような各装置が主に配置されている。主な装置とは、感光体ドラム11の像形成が可能な周面(像保持面)を所要の電位に帯電させる帯電装置12と、感光体ドラム11の帯電された周面に画像の情報(信号)に基づく光LBを照射して電位差のある(各色用の)静電潜像を形成する静電潜像形成手段としての露光装置13と、その静電潜像を対応する色の現像剤のトナーで現像してトナー像にする現像手段としての現像装置14と、その各トナー像を中間転写装置20に転写する一次転写装置15と、一次転写後における感光体ドラム11の像保持面に残留して付着するトナー等の付着物を取り除いて清掃するドラム清掃装置16等である。
【0028】
感光体ドラム11は、接地処理される円筒状又は円柱状の基材の周面に感光材料からなる光導電性層(感光層)を有する像保持面を形成したものである。この感光体ドラム11は、図示しない回転駆動装置から動力が伝達されて矢印Aで示す方向に回転するように支持されている。
【0029】
帯電装置12は、感光体ドラム11に接触した状態で配置される接触型の帯電ロールで構成される。帯電装置12には帯電用電圧が供給される。帯電用電圧としては、現像装置14が反転現像を行うものである場合、その現像装置14から供給されるトナーの帯電極性と同じ極性の電圧又は電流が供給される。
【0030】
露光装置13は、画像形成装置1に入力される画像の情報に応じて構成される光LBを、帯電された後の感光体ドラム11の周面に対して照射して静電潜像を形成するものである。露光装置13には、潜像形成時になると画像形成装置1に任意の手段で入力され、画像処理部で画像処理された画像の情報(信号)が送信される。
【0031】
現像装置14はいずれも、開口部と現像剤の収容室が形成された筐体の内部に、現像剤を保持して感光体ドラム11と向き合う現像領域まで搬送する現像ロールと、現像剤を攪拌しながら現像ロールに供給するよう搬送する2つのスクリューオーガー等の攪拌搬送部材と、現像ロールに保持される現像剤の量(層厚)を規制する層厚規制部材などを配置して構成されたものである。この現像装置14には、その現像ロールと感光体ドラム11の間に現像用のバイアス電圧が後述する電源装置から供給される。また、現像ロールや攪拌搬送部材は、図示しない回転駆動装置からの動力が伝達されて所要の方向に回転する。上記現像剤としては、例えば、非磁性トナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤が使用される。
【0032】
なお、
図1中、符号140は、対応する現像装置14に供給する少なくともトナーを含む現像剤を収容した現像剤収納容器としてのトナーカートリッジをそれぞれ示している。この実施の形態では、トナーカートリッジ140の内部にトナーのみが収納されている。
【0033】
一次転写装置15は、感光体ドラム11の周面に接触して回転するとともに一次転写用電圧が供給される一次転写ロールを備えた接触型の転写装置である。一次転写用電圧としては、トナーの帯電極性と逆の極性を示す直流の電圧が図示しない電源装置から供給される。
【0034】
ドラム清掃装置16は、一部が開口する容器状の本体と、一次転写後の感光体ドラム11の周面に所要の圧力で接触するように配置されて残留トナー等の付着物を取り除いて清掃する清掃板と、清掃板により取り除かれた付着物を回収する回収装置等で構成されている。
【0035】
中間転写装置20は、
図1及び
図2に示されるように、各作像装置10(Y,M,C,K)の上方の位置に存在するように配置される。この中間転写装置20は、感光体ドラム11と一次転写装置15(一次転写ロール)の間となる一次転写位置を通過しながら矢印Bで示す方向に回転する中間転写ベルト21と、中間転写ベルト21をその内面から所望の状態に保持して回転自在に支持する複数のベルト支持ロール22〜26と、ベルト支持ロール23に支持されている中間転写ベルト21の外周面(像保持面)側に配置されて中間転写ベルト21上のトナー像を記録用紙5に二次転写させる二次転写装置30と、二次転写装置30を通過した後に中間転写ベルト21の外周面に残留して付着するトナー、紙粉等の付着物を取り除いて清掃するベルト清掃装置27とで主に構成されている。
【0036】
中間転写ベルト21としては、例えばポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等の合成樹脂にカーボンブラック等の抵抗調整剤などを分散させた材料で製作される無端状のベルトが使用される。また、ベルト支持ロール22は駆動ロールとして構成され、ベルト支持ロール23は二次転写のバックアップロールとして構成され、ベルト支持ロール24は張力付与ロールとして構成され、ベルト支持ロール25,26は中間転写ベルト21の走行位置などを保持する従動ロールとして構成されている。
【0037】
二次転写装置30は、
図1に示されるように、中間転写装置20におけるベルト支持ロール23に支持されている中間転写ベルト21の外周面部分である二次転写位置において、中間転写ベルト21の周面に接触して回転するとともに二次転写用電圧が供給される二次転写ロール31を備えた接触型の転写装置である。また、二次転写ロール31又は中間転写装置20の支持ロール23には、トナーの帯電極性と逆極性又は同極性を示す直流の電圧が二次転写用電圧として供給される。
【0038】
定着装置40は、表面温度が予め定められた温度に保持されるよう加熱手段によって加熱されるロール形態又はベルト形態の加熱用回転体41と、この加熱用回転体41に所要の圧力で接触して回転するロール形態又はベルト形態の加圧用回転体42などを配置して構成されたものである。この定着装置40では、加熱用回転体41と加圧用回転体42が接触する接触部が所要の定着処理(加熱及び加圧)を行う定着処理部となる。
【0039】
ところで、給紙装置50は、記録媒体として連続した長尺の連続紙5(ロール紙)を供給するものである。連続紙5としては、例えば、
図3に示されるように、PP(ポリプロピレン)等の合成樹脂やグラシン紙や上質紙等の紙からなり、一般的には台紙としての役割をもち使用時に廃棄される剥離紙51上に、中間層として糊等の粘着材料からなる粘着層52を介して最上層に設けられる表面基材53が粘着された所謂ラベル紙が用いられる。この表面基材53に図柄や文字が印刷されて、使用に供する。このラベル紙5は、その用途にもよるが、例えば、表面基材53側が画像形成面である表面(外周面)に位置するようにロール状に巻かれたロール紙として配置されている。
【0040】
給紙装置50は、大別して、第1の画像形成装置1
1の下方に配置された連続紙を供給する給送側の供給部55と、第2の画像形成装置1
2の下方に配置された連続紙を巻き取る巻取側の収容部56とを備えている。供給部55には、ロール状に巻き取られた連続紙からなる給紙ロール57が図示しない駆動手段によって反時計回り方向に回転駆動され給送可能となるよう配置されている。また、供給部55は、給紙ロール57から給送される連続紙5を、二次転写装置20の二次転写部へと搬送する搬送ロール58,59を有している。また、第1の画像形成装置1
1は、定着装置40の上方に画像が定着された連続紙5を外部に排出する排出ロール60を備えている。
【0041】
また、第1の画像形成装置1
1と第2の画像形成装置1
2との間に位置する空間には、第1の画像形成装置1
1から排出された連続紙5を第2の画像形成装置1
2へと供給搬送する中継ロール61,62を備えている。さらに、中継ロール61と62との間には、連続紙5に予め定めた張力を付与する張力付与ロール63が下方に向けた張力が付与された状態で配置されている。
【0042】
さらに、第2の画像形成装置1
2の下方には、導入された連続紙5を中間転写装置20の二次転写位置へと搬送する搬送ロール64が設けられている。また、第2の画像形成装置1
2には、定着装置40の上方に連続紙5を外部に排出する排出ロール65が配置されている。第2の画像形成装置1
2の外部には、当該第2の画像形成装置1
2から排出された連続紙5を第2の画像形成装置1
2の下方に配置された巻取ロールへと搬送する搬送ロール66,67が回転可能に配置されている。
【0043】
図4は、画像形成装置100の動作を制御する制御装置を示している。
【0044】
図4において、101は画像形成装置の画像形成動作を統括して制御するCPUを示しており、CPUは、ROM102に記憶されたプログラムやRAM103に記憶されたパラメータ等を参照して画像形成動作を制御する。
【0045】
符号104はユーザが画像を形成する記録媒体5の種類やサイズ、あるいはプリント枚数等を入力するユーザーインターフェイスを、2は画像を入力する画像入力装置を、105は画像形成装置1の環境温度を検知する環境センサを、106は第1及び第2の画像形成装置1
1,1
2の画像形成部を、70は後述する粉体供給装置をそれぞれ示している。
【0046】
<画像形成装置の基本的な動作>
以下、画像形成装置100による基本的な画像形成動作について説明する。
【0047】
ここでは、第2の画像形成装置1
2の4つの作像装置10(Y,M,C,K)を使用して、4色(Y,M,C,K)のトナー像を組み合わせて構成されるフルカラー画像を形成するときの画像形成動作を説明する。なお、第1の画像形成装置1
1の4つの作像装置10(Clr,S1,S2,W)を使用して、4色(Clr,S1,S2,W)のうちいずれか1つ以上のトナー像を形成するときの画像形成動作も同様である。
【0048】
画像形成装置1は、画像形成動作(プリント)の要求の指令情報を受けると、4つの作像装置10(Y,M,C,K)、中間転写装置20、二次転写装置30、定着装置40等が始動する。
【0049】
そして、各作像装置10(Y,M,C,K)においては、まず各感光体ドラム11が矢印Aで示す方向に回転し、各帯電装置12が各感光体ドラム11の表面を所要の極性(実施の形態1ではマイナス極性)及び電位にそれぞれ帯電させる。続いて、露光装置13が、帯電後の感光体ドラム11の表面に対し、画像形成装置1に入力される画像の情報を各色成分(Y,M,C,K)に変換して得られる画像の信号に基づいて発光される光LBを照射し、その表面に所要の電位差で構成される各色成分の静電潜像をそれぞれ形成する。
【0050】
続いて、各現像装置14(Y,M,C,K)が、感光体ドラム11に形成された各色成分の静電潜像に対し、所要の極性(マイナス極性)に帯電された対応する色(Y,M,C,K)のトナーをそれぞれ供給して静電的に付着させて現像を行う。この現像により、各感光体ドラム11に形成された各色成分の静電潜像は、その対応する色のトナーでそれぞれ現像された4色(Y,M,C,K)のトナー像として顕像化される。
【0051】
続いて、各作像装置10(Y,M,C,K)の感光体ドラム11上に形成された各色のトナー像が一次転写位置まで搬送されると、一次転写装置15が、その各色のトナー像を中間転写装置20の矢印Bで示す方向に回転する中間転写ベルト21に対して順番に重ね合わせるような状態で一次転写させる。
【0052】
また、一次転写が終了した各作像装置10では、ドラム清掃装置16が感光体ドラム11の表面に残留するトナー等の付着物を掻き取るように除去して感光体ドラム11の表面を清掃する。これにより、各作像装置10は次の作像動作が可能な状態にされる。
【0053】
続いて、中間転写装置20では、中間転写ベルト21の回転により一次転写されたトナー像を保持して二次転写位置まで搬送する。一方、給紙装置50では、作像動作に先立って連続紙5が給紙部55から巻取部56にわたる所要の搬送経路を通過した状態となるように配置することで連続紙5を給紙搬送路に送り出して供給する。
【0054】
二次転写位置においては、二次転写装置30が、中間転写ベルト21上のトナー像を連続紙5に一括して二次転写させる。また、二次転写が終了した中間転写装置20では、ベルト清掃装置27が、二次転写後の中間転写ベルト21の表面に残留したトナー等の付着物を取り除いて清掃する。
【0055】
続いて、トナー像が二次転写された連続紙5は、中間転写ベルト21と二次転写ロール31から剥離された後に定着装置40まで搬送される。定着装置40では、必要な定着処理(加熱及び加圧)をして未定着のトナー像を連続紙5に定着させる。最後に、定着が終了した後の連続紙5は、搬送ロール65により外部に排出される。
【0056】
以上の動作により、4色のトナー像を組み合わせて構成されるフルカラー画像が形成された連続紙5が出力される。
【0057】
<画像形成装置の特徴部分の構成>
図5は粉体供給装置を示す構成図である。
【0058】
粉体供給装置70は、
図5に示されるように、内部に粉体71の収容室72が形成された筐体73を備えており、筐体73に設けられた開口部74の外部には、外周の一部が開口部を介して筐体73の内部に位置するように配置されたブラシ状部材としての回転ブラシ75を備えている。回転ブラシ75は、連続紙5の幅方向に沿った全長にわたり配置されている。この回転ブラシ75は、例えば、導電性又は半導電性の繊維を半径方向に沿って密に植毛して構成したものである。回転ブラシ75は、図示しない駆動手段によって連続紙5の移動方向と逆方向に沿って回転可能となっている。また、回転ブラシ75には、粉体の帯電極性と逆極性に設定されたバイアス電圧をバイアス電源76によって印加している。なお、搬送ロール58は接地されている。
【0059】
粉体供給装置70の内部に収容される粉体71は、粉体そのものからなるものであっても勿論良いが、固体からなり、回転ブラシ75で掻き取ることによって粉体として供給されるものであっても良い。粉体71としては、例えば、透明トナーや白色トナー等のトナー自体、シリカ等の無機材料、ZnStやPTFE等の潤滑剤、現像剤に含有される酸化セリウム等の研磨剤などからものを使用することができる。
【0060】
<画像形成装置の特徴部分の動作>
以下、画像形成装置による特徴部分の動作について説明する。
【0061】
この画像形成装置100では、上述したように、第1及び第2の画像形成装置1
1,1
2において、透明トナーや白色トナー等の特殊トナー、あるいはイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)のトナーを用いた画像が連続紙としてのラベル紙5の表面基材53表面に形成される。このとき、ラベル紙53は、
図3(b)(c)に示されるように、剥離紙51を構成する素材と表面基材53を構成する素材が異なるため、吸湿や乾燥した場合などに収縮率が異なることに起因して、表面基材の収縮量が大きい場合など、ラベル紙の端部表面に粘着層52が露出する場合がある。
【0062】
すると、ラベル紙5の端部表面に位置する粘着剤露出箇所が、
図1に示されるように、搬送ロール59や中間転写ベルト21、あるいは二次転写ロール30に接触した場合には、ラベル紙5から搬送ロール59や中間転写ベルト21等に粘着層を構成する粘着剤が移行して付着する虞れがある。
【0063】
図6はラベル紙5と中間転写ベルト21、定着装置40の加熱ロール41並びに加圧ロール42、搬送ロール59及び普通紙との粘着力をピール試験により測定した結果を示すグラフである。なお、ラベル紙としては、リンテック社製のアートE/PW(強粘着)/8R(N)と、王子タック社製のNユポ80/S15(超強粘着)/G8Bとを用いた。
【0064】
この
図6から明らかなように、いずれのラベル紙5とも中間転写ベルト21及び搬送ロール59等は、粘着力が強く、粘着剤の移行による付着が発生しやすいことが判る。また、定着装置40の加熱ロール41は、表面に離型層が被覆されているため、いずれのラベル紙5とも粘着力は弱く、加圧ロール42は、加熱ロール41と比較していずれのラベル紙5とも粘着力が強いものの、粘着剤の移行による付着は他の部材と比較して少ないことが本発明者等によって確認されている。なお、普通紙は、いずれのラベル紙とも粘着力が最も強いが、画像形成装置1においてラベル紙5が普通紙と接触することはないため、通常は問題となることがない。
【0065】
そこで、この実施の形態では、
図1に示されるように、給紙ロール57から供給される連続紙5を搬送する搬送ロール58と対向する位置に粉体供給装置70が配置されており、
図5に示されるように、連続紙5としてのラベル紙の表面に回転ブラシ75により粉体が供給される。このとき、回転ブラシ75には、粉体71を静電的に吸着するバイアス電圧が印加されているため、粉体71は回転ブラシ75側に静電気力によって保持されており、ラベル紙5の表面に付着することがなく、付着力が回転ブラシ75側への保持力を上回る箇所であるラベル紙5の粘着剤露出箇所に粉体のほとんどが付着する。
【0066】
そのため、連続紙5としてのラベル紙が搬送されて中間転写ベルト21と接触する二次転写位置を通過する場合であっても、ラベル紙5の粘着剤露出箇所と中間転写ベルト21との間に粉体が介在され、ラベル紙5の粘着剤露出箇所から中間転写ベルト21に粘着剤が移行して付着するのを防止または抑制することができる。
【0067】
同様に、連続紙5としてのラベル紙が定着装置40や搬送ロール59等を通過する際においても、ラベル紙5の粘着剤露出箇所と搬送ロール59の接触部材との間に粉体が介在され、ラベル紙5の粘着剤露出箇所から搬送ロール59等に粘着剤が移行して付着するのを防止または抑制することができる。
【0068】
なお、粉体供給装置70による粉体71の供給は、常時行っても良いが、環境センサ105によって検知された環境温度が閾値以上の場合、又はユーザーインターフェイス104によって指定された連続紙5が予め定められたラベル紙である場合にのみ、粉体供給装置70から粉体71を供給するように構成しても良い。この場合は、粉体供給装置70を図示しない接離機構によって連続紙5から離間又は接触させるように構成すれば良い。ラベル紙の種類としては、粘着剤の量が多いもの、冷蔵用ラベルなどガラス転移点温度が低い粘着材料を用いたラベル紙等を挙げることができる。
【0069】
[実施の形態2]
図7は、実施の形態2に係る画像形成装置の全体の概要を示すものである。
【0070】
<画像形成装置の全体の構成>
実施の形態2に係る画像形成装置100は、実施の形態1と同様に、透明トナーや白色トナー等の特殊トナーを用いた画像を形成する第1の画像形成装置1
1と、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナーを用いた画像を形成する第2の画像形成装置1
2とを備えたものであるが、第1及び第2の画像形成装置1
1,1
2の画像形成部の構成が実施の形態1と異なっており、それに伴って連続紙の給紙装置の構成も異なっている。
【0071】
この実施の形態2では、
図7に示されるように、第1及び第2の画像形成装置1
1,1
2において、4つの作像装置10(Y,M,C,K)が中間転写ベルト21の上方に配置されており、中間転写ベルト21上に転写されたトナー像を記録媒体に転写する二次転写位置が中間転写ベルト21の移動経路中の最も下方の位置となるよう二次転写ロールが配置されている。
【0072】
連続紙5は、第1の画像形成装置1
1の上流側に配置された供給部55から搬送ロール対69により給送され、第1の画像形成装置1
1の二次転写部及び定着装置40を通過した後、そのまま第2の画像形成装置1
2へと搬送される。第2の画像形成装置1
2に搬送された連続紙は、第2の画像形成装置1
2の二次転写部及び定着装置40を通過した後、第2の画像形成装置1
2の下流側に配置された給紙装置50の巻取部56に巻き取られる。なお、巻取部56の上流側には、連続紙に張力を付与する張力付与ロール63が配置されている。また、巻取部56を備えた給紙装置50は、制御装置2としての機能を兼ね備えている。
【0073】
この実施の形態2では、
図7に示されるように、第1の画像形成装置1
1の導入側に配置された搬送ロール58と対向する位置に粉体供給装置70が配置されている。
【0074】
この実施の形態2では、第1の画像形成装置1
1に導入された連続紙5に対して粉体供給装置70により粉体が供給され、中間転写ベルト21、二次転写ロール30、搬送ロール63等にラベル紙5の粘着剤が移行して付着することを防止または抑制している。
【0075】
なお、前記実施の形態2では、
図7に示されるように、記録媒体5の画像形成面に粉体供給装置70によって粉体を供給することにより、記録媒体5と中間転写ベルト21との間に介在するように粉体を供給する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、
図8に示されるように、粉体供給装置70を記録媒体5の裏面側(非画像形成面)に配置し、記録媒体5の非画像形成面に粉体を供給することで、記録媒体5と二次転写ロール30との間に介在するように粉体を供給するように構成してもよい。また、粉体供給装置70を記録媒体5の両面側に配置し、記録媒体5の画像形成面及び非画像形成面の双方に粉体を供給するように構成してもよい。
[実施の形態3]
図9は、実施の形態3に係る画像形成装置の全体の概要を示すものである。
【0076】
<画像形成装置の全体の構成>
実施の形態3に係る画像形成装置100は、粉体供給装置によって粉体を供給するのではなく、画像形成装置1の作像装置10により中間転写ベルト21に対して粉体としてのトナーを供給するように構成したものである。
【0077】
第1の画像形成装置1
1では、連続紙5の供給が開始されると、例えば、図示しないが、搬送ロール58と二次転写装置30の間に設置され、用紙の端部位置を検知する用紙エッジセンサーにより用紙の端部位置を検知する。そして、用紙の端部位置の検知結果に基づいてホワイトの作像装置10Wにおいて、連続紙5の搬送方向と交差する方向に沿った連続紙5の両端部に対応した位置に、連続紙5の搬送方向に沿って直線状のトナー像80を形成する。形成されるトナー像80の幅は、用紙の搬送方向に対する傾き量や、用紙が吸湿や乾燥した場合などに発生する用紙の収縮の予測量に基づいて、200μm〜2mm程度とすることができる。また、搬送される用紙の姿勢の変動量が大きい場合には、7mm程度の幅としてもよい。また、形成される直線状のトナー像80は、通常の印刷対象としての画像に用いるスクリーンとは異なるスクリーン(例えば、階調50%以下)を用いてトナー像を形成することができる。このホワイトの作像装置10Wによって形成された直線状のトナー像80は、
図10に示されるように、中間転写ベルト21に一次転写され、連続紙が中間転写ベルト21の二次転写位置を通過する際に、連続紙の端部に位置する粘着剤露出箇所に転写される。
【0078】
そのため、ラベル紙からなる連続紙5が中間転写ベルト21の二次転写位置を通過する際に、ラベル紙5の粘着剤露出箇所と中間転写ベルト21とが粉体としてのトナー像80を介して接触することとなり、ラベル紙5の粘着剤が中間転写ベルト21に移行して付着することが防止または抑制される。
【0079】
また、ラベル紙5が搬送ロール等と接触する場合であっても、ラベル紙5の粘着剤露出箇所にトナーが付着しているため、ラベル紙5の粘着剤が搬送ロールに移行して付着することが防止または抑制される。
【0080】
上記トナー像80を形成するトナーとしては、ホワイトトナーや透明トナー、あるいはイエロートナー等の目立たない色彩のものが望ましいが、ラベル紙等に付着するトナーは微量であるため、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)又はブラック(K)等を用いても良い。
【0081】
上記トナー像を形成するトナーとしては、1種類(1色)のトナーに限定されるものではなく、複数種類のトナーを用いて予め定められた長さ毎に交互に形成しても良い。この場合には、複数色のトナーが略均等に消費されるため望ましい。
【0082】
なお、粉体としてのトナー像は、非画像部は勿論のこと、画像部にも形成されるものであり、環境条件やラベル紙の種類等にもよるが、連続紙の全長にわたって形成される。
【0083】
また、前記実施の形態では、記録媒体として連続紙の場合について説明したが、記録媒体としては、連続紙に限らず、所要のサイズに予め裁断されたカット紙であっても良い。この場合には、カット紙の周囲に対応した4辺に対して粉体を供給するのが望ましい。
【0084】
また、前記実施の形態では、第1の画像形成装置1
1と第2の画像形成装置1
2を用いた画像形成装置に基づいて説明したが、第2の画像形成装置1
2のみを用いることができるのはもちろんのこと、第2の画像形成装置1
2に粉体供給装置70を設けることができる。この場合、必要に応じて、使用されるトナーカートリッジ140を透明トナーや白色トナーに変更することができるなど、種々の形態において本発明の適用が可能である。