特許第5780362号(P5780362)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5780362
(24)【登録日】2015年7月24日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】高周波信号線路
(51)【国際特許分類】
   H01P 1/203 20060101AFI20150827BHJP
   H01P 3/00 20060101ALI20150827BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20150827BHJP
【FI】
   H01P1/203
   H01P3/00 100
   H05K1/02 P
【請求項の数】8
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-522526(P2014-522526)
(86)(22)【出願日】2013年6月12日
(86)【国際出願番号】JP2013066210
(87)【国際公開番号】WO2014002765
(87)【国際公開日】20140103
【審査請求日】2014年6月20日
(31)【優先権主張番号】特願2012-147303(P2012-147303)
(32)【優先日】2012年6月29日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001449
【氏名又は名称】特許業務法人プロフィック特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 登
(72)【発明者】
【氏名】石野 聡
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 純
【審査官】 岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/073591(WO,A1)
【文献】 特開2008−252257(JP,A)
【文献】 特開2004−120260(JP,A)
【文献】 峰英紀(ほか3名),「スタブ及び棒状誘電体を周期的に装荷した伝送線路を用いた広帯域BPFの帯域特性制御に関する検討(サブミリ波技術/マイクロ波電力応用/一般)」,電子情報通信学会技術研究報告,2006年10月19日,Vo.106,No.323,pp.123-128,MW2006-128
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01P 1/203
H01P 3/00
H05K 1/02
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の主面及び第2の主面を有する基材層と、
前記第1の主面に設けられている信号線路と、
前記第1の主面に設けられ、かつ、前記信号線路に沿っているグランド導体と、
記信号線路の一部及び前記グランド導体の一部の両方に接触していると共に、該信号線路に沿って並んでいる複数の高誘電率部であって、前記基材層の比誘電率よりも大きな比誘電率を有している複数の高誘電率部と、
を備え、
前記信号線路と前記高誘電率部とが接触している第1の領域における該信号線路の線幅は、該第1の領域以外の第2の領域における該信号線路の線幅よりも小さいこと、
を特徴とする高周波信号線路。
【請求項2】
第1の主面及び第2の主面を有する基材層と、
前記第1の主面に設けられている信号線路と、
前記第1の主面に設けられ、かつ、前記信号線路に沿っているグランド導体と、
記信号線路の一部及び前記グランド導体の一部の両方に接触していると共に、該信号線路に沿って並んでいる複数の高誘電率部であって、前記基材層の比誘電率よりも大きな比誘電率を有している複数の高誘電率部と、
を備え、
前記グランド導体は、
前記信号線路に沿って延在している線路部と、
前記線路部から前記信号線路に向かって突出する突起部と、
を含んでおり、
前記高誘電率部は、前記第1の主面の法線方向から平面視したときに、前記突起部と重なっていること、
を特徴とする高周波信号線路。
【請求項3】
前記グランド導体は、前記信号線路の両側方に設けられており、
前記高誘電率部は、前記信号線路の両側方に位置している前記グランド導体の両方に接触していること、
を特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の高周波信号線路。
【請求項4】
前記複数の高誘電率部は、前記信号線路を伝送する高周波信号の1/2波長よりも短い間隔で、該信号線路に沿って設けられていること、
を特徴とする請求項1ないし請求項のいずれかに記載の高周波信号線路。
【請求項5】
前記第2の主面に設けられ、かつ、前記基材層の法線方向から平面視したときに、前記信号線路と重なっている第2のグランド導体を、
更に備えていること、
を特徴とする請求項1ないし請求項のいずれかに記載の高周波信号線路。
【請求項6】
前記信号線路と前記高誘電率部とが接触している第1の領域における該信号線路の特性インピーダンスは、該第1の領域以外の第2の領域における該信号線路の特性インピーダンスよりも小さいこと、
を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の高周波信号線路。
【請求項7】
前記高誘電率部は、前記信号線路から見て前記基材層の反対側に設けられていること、
を特徴とする請求項1ないし請求項のいずれかに記載の高周波信号線路。
【請求項8】
前記高誘電率部は、前記信号線路及び前記グランド導体と前記基材層との間に設けられていること、
を特徴とする請求項1ないし請求項のいずれかに記載の高周波信号線路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波信号線路に関し、より特定的には、高周波信号の伝送に用いられる高周波信号線路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の高周波信号線路としては、例えば、特許文献1に記載の信号線路が知られている。図11は、特許文献1に記載の高周波信号線路500の分解図である。
【0003】
高周波信号線路500は、誘電体素体502、信号線506及びグランド導体508,510を備えている。誘電体素体502は、誘電体シート504a〜504cが積層されて構成されている。信号線506は、誘電体シート504bの表面に設けられている。グランド導体508,510はそれぞれ、誘電体シート504a,504cの表面に設けられている。
【0004】
また、グランド導体508には、複数の開口520が信号線506に沿って設けられている。これにより、信号線506には、複数の開口520と複数のブリッジ部522とが交互に重なっている。以上のように構成された高周波信号線路500では、開口520と信号線506とが重なっている領域における信号線506の特性インピーダンスが、ブリッジ部522と信号線506とが重なっている領域における信号線506の特性インピーダンスよりも低くなる。これにより、信号線506の特性インピーダンスが周期的に変動するようになる。その結果、高周波信号線路500において、ブリッジ部522の間隔程度の長さを半波長とする高い周波数の定在波が発生し、高周波信号線路500の全長程度の長さを半波長とする低い周波数の定在波が発生しにくくなる。よって、高周波信号線路500では、低い周波数のノイズの発生が抑制されるようになる。
【0005】
ところで、高周波信号線路500では、3層の誘電体シート504a〜504cが必要となる。そのため、高周波信号線路500の更なる薄型化が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3173143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の目的は、低い周波数のノイズの発生を抑制できると共に、薄型化を図ることができる高周波信号線路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の形態に係る高周波信号線路は、第1の主面及び第2の主面を有する基材層と、前記第1の主面に設けられている信号線路と、前記第1の主面に設けられ、かつ、前記信号線路に沿っているグランド導体と、記信号線路の一部及び前記グランド導体の一部の両方に接触していると共に、該信号線路に沿って並んでいる複数の高誘電率部であって、前記基材層の比誘電率よりも大きな比誘電率を有している複数の高誘電率部と、を備え、前記信号線路と前記高誘電率部とが接触している第1の領域における該信号線路の線幅は、該第1の領域以外の第2の領域における該信号線路の線幅よりも小さいこと、を特徴とする。
本発明の第2の形態に係る高周波信号線路は、第1の主面及び第2の主面を有する基材層と、前記第1の主面に設けられている信号線路と、前記第1の主面に設けられ、かつ、前記信号線路に沿っているグランド導体と、前記信号線路の一部及び前記グランド導体の一部の両方に接触していると共に、該信号線路に沿って並んでいる複数の高誘電率部であって、前記基材層の比誘電率よりも大きな比誘電率を有している複数の高誘電率部と、を備え、前記グランド導体は、前記信号線路に沿って延在している線路部と、前記線路部から前記信号線路に向かって突出する突起部と、を含んでおり、前記高誘電率部は、前記第1の主面の法線方向から平面視したときに、前記突起部と重なっていること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、低い周波数のノイズの発生を抑制できると共に、薄型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態に係る高周波信号線路の外観斜視図である。
図2】一実施形態に係る高周波信号線路の積層体の分解斜視図である。
図3】一実施形態に係る高周波信号線路の積層体の分解斜視図である。
図4】一実施形態に係る高周波信号線路を平面視した図である。
図5】高周波信号線路のコネクタの外観斜視図及び断面構造図である。
図6】第1の変形例に係る高周波信号線路の積層体の分解斜視図である。
図7】第2の変形例に係る高周波信号線路の積層体の分解斜視図である。
図8】第3の変形例に係る高周波信号線路の積層体の分解斜視図である。
図9】第4の変形例に係る高周波信号線路の積層体の分解斜視図である。
図10】第5の変形例に係る高周波信号線路の積層体の分解斜視図である。
図11】特許文献1に記載の高周波信号線路の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施形態に係る高周波信号線路について図面を参照しながら説明する。
【0012】
(高周波信号線路の構成)
以下に、本発明の一実施形態に係る高周波信号線路の構成について図面を参照しながら説明する。図1は、一実施形態に係る高周波信号線路10の外観斜視図である。図2及び図3は、一実施形態に係る高周波信号線路10の積層体12の分解斜視図である。図4は、一実施形態に係る高周波信号線路10を平面視した図である。図1ないし図4において、高周波信号線路10の積層方向をz軸方向と定義する。また、高周波信号線路10の長手方向をx軸方向と定義し、x軸方向及びz軸方向に直交する方向をy軸方向と定義する。
【0013】
高周波信号線路10は、図1ないし図3に示すように、本体12、信号線路20、グランド導体22,24、高誘電率部32、コネクタ100a,100b及びビアホール導体b1〜b6を備えている。
【0014】
本体12は、z軸方向から平面視したときに、x軸方向に延在しており、線路部12a及び接続部12b,12cを含んでいる。本体12は、図2に示すように、保護層14、誘電体シート18及び保護層15がz軸方向の正方向側から負方向側へとこの順に積層されて構成されている可撓性の積層体である。以下では、本体12のz軸方向の正方向側の主面を表面と称し、本体12のz軸方向の負方向側の主面を裏面と称す。
【0015】
線路部12aは、図1に示すように、x軸方向に延在している。接続部12bは、線路部12aのx軸方向の負方向側の端部に接続されており、矩形状をなしている。接続部12cは、線路部12aのx軸方向の正方向側の端部に接続されており、矩形状をなしている。接続部12b,12cのy軸方向の幅は、線路部12aのy軸方向の幅と等しい。よって、本体12は、z軸方向から平面視したときに、x軸方向に延在する長方形状をなしている。
【0016】
誘電体シート18は、z軸方向から平面視したときに、x軸方向に延在しており、本体12と同じ形状をなしている。誘電体シート18は、ポリイミドや液晶ポリマー等の可撓性を有する熱可塑性樹脂により構成されている。誘電体シート18の比誘電率は、例えば、4である。誘電体シート18の積層後の厚さは、例えば、200μmである。また、誘電体シート18のy軸方向の幅は、例えば、800μmである。以下では、誘電体シート18のz軸方向の正方向側の主面を表面と称し、誘電体シート18のz軸方向の負方向側の主面を裏面と称す。
【0017】
また、誘電体シート18は、線路部18a及び接続部18b,18cにより構成されている。線路部18aは、線路部12aを構成している。接続部18bは、接続部12bを構成している。接続部18cは、接続部12cを構成している。
【0018】
信号線路20は、図2に示すように、誘電体シート18の表面に設けられている線状導体であり、x軸方向に延在している。信号線路20のx軸方向の負方向側の端部は、接続部18bの表面の中央に位置している。同様に、信号線路20のx軸方向の正方向側の端部は、接続部18cの表面の中央に位置している。信号線路20は、銀や銅を主成分とする比抵抗の小さな金属材料により作製されている。信号線路20のx軸方向の負方向側の端部及び信号線路20のx軸方向の正方向側の端部はそれぞれ、外部端子として用いられる。以下では、信号線路20のx軸方向の負方向側の端部及び信号線路20のx軸方向の正方向側の端部を外部端子16a,16bと呼ぶ。外部端子16a,16bの表面には、金めっきが施されている。
【0019】
グランド導体22(第1のグランド導体)は、図2及び図3に示すように、信号線路20が設けられている誘電体シート18の表面に設けられ、z軸方向(誘電体シート18の法線方向)から平面視したときに、信号線路20の周囲を囲む長方形状の枠型をなしている。これにより、グランド導体22は、z軸方向(誘電体シート18の法線方向)から平面視したときに、信号線路20の両側方(y軸方向の正方向側及び負方向側)において該信号線路20に沿ってx軸方向に延在している。グランド導体22は、銀や銅を主成分とする比抵抗の小さな金属材料により作製されている。
【0020】
グランド導体22は、図2及び図3に示すように、線路部22a,22b、端子部22c,22d及び突起部23a,23bにより構成されている。線路部22aは、線路部18aの表面において信号線路20のy軸方向の正方向側に設けられ、x軸方向に延在している。線路部22bは、線路部18aの表面において信号線路20のy軸方向の負方向側に設けられ、x軸方向に延在している。
【0021】
突起部23a,23bは、信号線路20の両側方(y軸方向の正方向側及び負方向側)に設けられており信号線路20を挟んで互いに対向している。複数の突起部23aは、線路部22aからy軸方向の負方向側に突出するように設けられており、x軸方向に等間隔に並んでいる。ただし、突起部23aは、信号線路20には接続されていない。
【0022】
複数の突起部23bは、線路部22bからy軸方向の正方向側に突出するように設けられており、x軸方向に等間隔に並んでいる。ただし、突起部23bは、信号線路20には接続されていない。
【0023】
端子部22cは、図2に示すように、接続部18bの表面に設けられ、外部端子16aを囲むコ字型をなしている。端子部22cは、線路部22a,22bのx軸方向の負方向側の端部に接続されている。端子部22dは、接続部18cの表面に設けられ、外部端子16bを囲むコ字型をなしている。端子部22dは、線路部22a,22bのx軸方向の正方向側の端部に接続されている。
【0024】
グランド導体24(第2のグランド導体)は、図2及び図3に示すように、誘電体シート18の裏面に設けられ、z軸方向(誘電体シート18の法線方向)から平面視したときに、信号線路20と重なる長方形状をなしている。グランド導体24は、銀や銅を主成分とする比抵抗の小さな金属材料により作製されている。
【0025】
グランド導体24は、図2に示すように、線路部24a及び端子部24b,24cにより構成されている。線路部24aは、線路部18aの裏面に設けられ、x軸方向に延在している。線路部24aは、開口部が設けられていないベタ状の導体である。これにより、線路部24aは、z軸方向から平面視したときに信号線路20と重なっている。
【0026】
端子部24bは、接続部18bの裏面に設けられ、矩形状をなしている。端子部24bは、線路部24aのx軸方向の負方向側の端部に接続されている。端子部24cは、接続部18cの裏面に設けられ、矩形状をなしている。端子部24cは、線路部24aのx軸方向の正方向側の端部に接続されている。
【0027】
複数の高誘電率部32は、図2及び図3に示すように、信号線路20のz軸方向の正方向側においてx軸方向に等間隔に並ぶように設けられており、長方形状をなしている。高誘電率部32は、突起部23a,23bに対応する位置に設けられており、z軸方向から平面視したときに、信号線路20の一部とグランド導体22の一部(突起部23a,23b)と重なっている。これにより、高誘電率部32は、信号線路20の一部及びグランド導体22の一部(突起部23a,23b)の両方に接触している。本実施形態では、高誘電率部32は、信号線路20の両側方に位置しているグランド導体22の両方(すなわち、突起部23a,23bの両方)に接触している。ただし、高誘電率部32は、誘電体シート18の一部と重なっており、誘電体シート18の全面と重なっていない。また、高誘電率部32は、信号線路20と隣り合っている保護層14及び誘電体シート18の比誘電率よりも大きな比誘電率を有している。これにより、信号線路20とグランド導体22との間に形成されえる容量の内、高誘電率部32において形成される容量を、それ以外において形成される容量に比べて大きくすることができる。
【0028】
高誘電率部32の比誘電率は、例えば、10以上20以下である。高誘電率部32は、例えば、チタン酸バリウムやチタン酸カルシウム等のセラミックパウダーと樹脂ペーストとの混合物である複合誘電体材料が印刷されることにより形成される。高誘電率部32の厚さは、例えば、10μmである。
【0029】
以上のように、複数の高誘電率部32は、信号線路20に沿って等間隔に並んでいる。そして、高誘電率部32の間隔は、信号線路20を伝送する高周波信号の1/2波長よりも短い。
【0030】
ここで、図4に示すように、信号線路20と高誘電率部32とが接触している領域を領域A1とする。また、領域A1以外の領域を領域A2とする。領域A1における信号線路20の線幅W1は、領域A2における信号線路20の線幅W2よりも小さい。このように、信号線路20の線幅は、周期的に変動している。
【0031】
ビアホール導体b1は、図2及び図3に示すように、誘電体シート18の線路部18aをz軸方向に貫通しており、信号線路20よりもy軸方向の正方向側において、x軸方向に一列に並ぶように複数設けられている。ビアホール導体b1は、z軸方向から平面視したときに、突起部23aよりもy軸方向の正方向側に設けられている。ビアホール導体b1は、グランド導体22とグランド導体24とを接続している。
【0032】
ビアホール導体b2は、誘電体シート18の線路部18aをz軸方向に貫通しており、信号線路20よりもy軸方向の負方向側において、x軸方向に一列に並ぶように複数設けられている。ビアホール導体b2は、z軸方向から平面視したときに、突起部23bよりもy軸方向の負方向側に設けられている。ビアホール導体b2は、グランド導体22とグランド導体24とを接続している。
【0033】
ビアホール導体b3は、誘電体シート18の接続部18bをz軸方向に貫通しており、外部端子16aよりもy軸方向の正方向側に設けられている。ビアホール導体b3は、グランド導体22とグランド導体24とを接続している。
【0034】
ビアホール導体b4は、誘電体シート18の接続部18bをz軸方向に貫通しており、外部端子16aよりもy軸方向の負方向側に設けられている。ビアホール導体b4は、グランド導体22とグランド導体24とを接続している。
【0035】
ビアホール導体b5は、誘電体シート18の接続部18cをz軸方向に貫通しており、外部端子16bよりもy軸方向の正方向側に設けられている。ビアホール導体b5は、グランド導体22とグランド導体24とを接続している。
【0036】
ビアホール導体b6は、誘電体シート18の接続部18cをz軸方向に貫通しており、外部端子16bよりもy軸方向の負方向側に設けられている。ビアホール導体b6は、グランド導体22とグランド導体24とを接続している。
【0037】
ビアホール導体b1〜b6は、銀や銅を主成分とする比抵抗の小さな金属材料により作製されている。なお、ビアホール導体b1〜b6の代わりに、貫通孔の内周面にめっき等の導体層が形成されたスルーホールが用いられてもよい。
【0038】
保護層14は、誘電体シート18の表面の略全面を覆っている。これにより、保護層14は、信号線路20、グランド導体22及び高誘電率部32を覆っている。保護層14は、例えば、レジスト材等の可撓性樹脂からなる。保護層14の比誘電率は、例えば、4である。
【0039】
また、保護層14は、図2に示すように、線路部14a及び接続部14b,14cにより構成されている。線路部14aは、線路部18aの表面の全面を覆うことにより、線路部22aを覆っている。
【0040】
接続部14bは、線路部14aのx軸方向の負方向側の端部に接続されており、接続部18bの表面を覆っている。ただし、接続部14bには、開口Ha〜Hdが設けられている。開口Haは、接続部14bの略中央に設けられている矩形状の開口である。外部端子16aは、開口Haを介して外部に露出している。また、開口Hbは、開口Haのy軸方向の正方向側に設けられている矩形状の開口である。開口Hcは、開口Haのx軸方向の負方向側に設けられている矩形状の開口である。開口Hdは、開口Haのy軸方向の負方向側に設けられている矩形状の開口である。端子部22cは、開口Hb〜Hdを介して外部に露出することにより、外部端子として機能する。
【0041】
接続部14cは、線路部14aのx軸方向の正方向側の端部に接続されており、接続部18cの表面を覆っている。ただし、接続部14cには、開口He〜Hhが設けられている。開口Heは、接続部14cの略中央に設けられている矩形状の開口である。外部端子16bは、開口Heを介して外部に露出している。また、開口Hfは、開口Heのy軸方向の正方向側に設けられている矩形状の開口である。開口Hgは、開口Heのx軸方向の正方向側に設けられている矩形状の開口である。開口Hhは、開口Heのy軸方向の負方向側に設けられている矩形状の開口である。端子部22dは、開口Hf〜Hhを介して外部に露出することにより、外部端子として機能する。
【0042】
保護層15は、誘電体シート18の裏面の略全面を覆っている。これにより、保護層15は、グランド導体24を覆っている。保護層15は、例えば、レジスト材等の可撓性樹脂からなる。保護層15の比誘電率は、例えば、4である。
【0043】
コネクタ100a,100bはそれぞれ、接続部12b,12cの表面上に実装され、信号線路20及びグランド導体22,24と電気的に接続される。コネクタ100a,100bの構成は同じであるので、以下にコネクタ100bの構成を例に挙げて説明する。図5は、高周波信号線路10のコネクタ100bの外観斜視図及び断面構造図である。
【0044】
コネクタ100bは、図1及び図5に示すように、コネクタ本体102、外部端子104,106及び中心導体108及び外部導体110により構成されている。コネクタ本体102は、矩形状の板に円筒が連結された形状をなしており、樹脂等の絶縁材料により作製されている。
【0045】
外部端子104は、コネクタ本体102のz軸方向の負方向側の面において、外部端子16bと対向する位置に設けられている。外部端子106は、コネクタ本体102のz軸方向の負方向側の面において、開口Hf〜Hhを介して露出している端子部22dに対応する位置に設けられている。
【0046】
中心導体108は、コネクタ本体102の円筒の中心に設けられており、外部端子104と接続されている。中心導体108は、高周波信号が入力又は出力する信号端子である。外部導体110は、コネクタ本体102の円筒の内周面に設けられており、外部端子106と接続されている。外部導体110は、接地電位に保たれるグランド端子である。
【0047】
以上のように構成されたコネクタ100bは、外部端子104が外部端子16bと接続され、外部端子106が端子部22dと接続されるように、接続部12cの表面上に実装される。これにより、信号線路20は、中心導体108に電気的に接続されている。また、グランド導体22,24は、外部導体110に電気的に接続されている。
【0048】
以上のように構成された高周波信号線路10では、領域A1における信号線路20の特性インピーダンスZ1と領域A2における信号線路20の特性インピーダンスZ2とが異なっている。より詳細には、領域A1において、高誘電率部32が、信号線路20及びグランド導体22と接触している。一方、領域A2において、保護層14が、信号線路20及びグランド導体22と接触している。高誘電率部32の比誘電率は、保護層14の比誘電率よりも大きい。よって、領域A1において信号線路20とグランド導体22との間に形成される容量は、領域A2において信号線路20とグランド導体22との間に形成される容量よりも大きくなる。よって、領域A1における信号線路20の特性インピーダンスZ1は、領域A2における信号線路20の特性インピーダンスZ2よりも小さくなる。特性インピーダンスZ1は、例えば、30Ωであり、特性インピーダンスZ2は、例えば、70Ωである。また、信号線路20の全体の特性インピーダンスは、例えば、50Ωである。
【0049】
また、高周波信号線路10では、信号線路20の両端(すなわち、外部端子16a,16b)の特性インピーダンスZ3は、特性インピーダンスZ1と特性インピーダンスZ2との間の大きさとなっている。
【0050】
(高周波信号線路の製造方法)
以下に、高周波信号線路10の製造方法について図2を参照しながら説明する。以下では、一つの高周波信号線路10が作製される場合を例にとって説明するが、実際には、大判の誘電体シートが積層及びカットされることにより、同時に複数の高周波信号線路10が作製される。
【0051】
まず、表面及び裏面の全面に銅箔が形成された熱可塑性樹脂からなる誘電体シート18を準備する。誘電体シート18の銅箔の表面及び裏面は、例えば、防錆のための亜鉛鍍金が施されることにより、平滑化されている。銅箔の厚さは、10μm〜20μmである。
【0052】
次に、フォトリソグラフィ工程により、図2に示す信号線路20及びグランド導体22を誘電体シート18の表面に形成すると共に、図2に示すグランド導体24を誘電体シート18の裏面に形成する。具体的には、誘電体シート18の表面側の銅箔上に、図2に示す信号線路20及びグランド導体22と同じ形状のレジストを印刷すると共に、誘電体シート18の裏面側の銅箔上に、図2に示すグランド導体24と同じ形状のレジストを印刷する。そして、銅箔に対してエッチング処理を施すことにより、レジストにより覆われていない部分の銅箔を除去する。その後、レジストを除去する。これにより、図2に示すような、信号線路20及びグランド導体22が誘電体シート18の表面に形成されると共に、グランド導体24が誘電体シート18の裏面に形成される。
【0053】
次に、誘電体シート18のビアホール導体b1〜b6が形成される位置に対して、裏面側からレーザービームを照射して、貫通孔を形成する。その後、誘電体シート18に形成した貫通孔に対して、導電性ペーストを充填する。
【0054】
次に、誘電体シート18の表面に複合誘電体材料のペーストをスクリーン印刷することによって、高誘電率部32を信号線路20上に形成する。この後、高誘電率部32を乾燥させる。
【0055】
最後に、樹脂(レジスト)ペーストを塗布することにより、誘電体シート18の表面及び裏面に保護層14,15を形成する。
【0056】
(効果)
以上のように構成された高周波信号線路10によれば、低い周波数のノイズの発生を抑制できる。より詳細には、高周波信号線路10では、領域A1において、高誘電率部32が、信号線路20及びグランド導体22と接触している。一方、領域A2において、保護層14が、信号線路20及びグランド導体22と接触している。高誘電率部32の比誘電率は、保護層14の比誘電率よりも大きい。よって、領域A1において信号線路20とグランド導体22との間に形成される容量は、領域A2において信号線路20とグランド導体22との間に形成される容量よりも大きくなる。よって、領域A1における信号線路20の特性インピーダンスZ1は、領域A2における信号線路20の特性インピーダンスZ2よりも小さくなる。これにより、信号線路20の特性インピーダンスは、特性インピーダンスZ1と特性インピーダンスZ2との間を周期的に変動するようになる。その結果、信号線路20では、高誘電率部32間において短い波長(すなわち、高い周波数)の定在波が発生するようになる。一方、外部端子16a,16b間に長い波長(すなわち、低い周波数)の定在波が発生しにくくなる。以上より、高周波信号線路10では、低い周波数のノイズの発生が抑制される。
【0057】
なお、高周波信号線路10では、高誘電率部32間において発生した定在波により高い周波数のノイズが発生する。そこで、高誘電率部32間の距離を十分に短く設計することによって、信号線路20を伝送される高周波信号の帯域外にノイズの周波数を設定することが可能である。そのためには、高誘電率部32は、信号線路20を伝送される高周波信号の1/2波長より短い間隔で、信号線路20に沿って設けられていればよい。
【0058】
また、高周波信号線路10では、信号線路20の両端の特性インピーダンスZ3は、領域A1における信号線路20の特性インピーダンスZ1と領域A2における信号線路20の特性インピーダンスZ2との間の大きさである。これにより、信号線路20では、高誘電率部32間において短い波長の定在波が発生しやすくなり、信号線路20の両端間において長い波長の定在波が発生しにくくなる。その結果、高周波信号線路10では、低い周波数のノイズの発生がより効果的に抑制される。
【0059】
また、高周波信号線路10では、本体12の薄型化を図ることができる。より詳細には、特許文献1に記載の高周波信号線路500では、3層の誘電体シート504a〜504cが必要であった。一方、高周波信号線路10では、領域A1において信号線路20とグランド導体22との間に形成される容量を大きくするために、信号線路20及びグランド導体22上に高誘電率部32を設けている。そのため、高周波信号線路10では、信号線路20及びグランド導体22上に誘電体シート18を形成する必要がない。そのため、高周波信号線路10では、誘電体シート18が1層のみで足りる。更に、高誘電率部32は、誘電体シート18の全面を覆っていない。その結果、本体12の薄型化が図られる。高周波信号線路10の薄型化が図られると、高周波信号線路10を容易に曲げることが可能となる。
【0060】
また、高周波信号線路10では、信号線路20やグランド導体22,24等の接続信頼性が高い。より詳細には、特許文献1に記載の高周波信号線路500では、誘電体シート504a〜504cが積層されているので、外部電極と信号線506との接続、及び、グランド導体508とグランド導体510との接続において、複数の誘電体シート504a,504bを貫通するビアホール導体を形成する必要がある。一方、高周波信号線路10では、誘電体シート18が1層のみで足りるので、複数の誘電体シートにまたがるビアホール導体を形成する必要がない。その結果、ビアホール導体における断線の発生などによりグランド導体どうしの接続が悪化することが抑制される。
【0061】
また、高周波信号線路10では、領域A1における信号線路20の線幅W1は、領域A2における信号線路20の線幅W2よりも小さい。これにより、領域A1において信号線路20とグランド導体22との間に形成される容量が大きくなりすぎることが抑制される。
【0062】
また、高周波信号線路10では、信号線路20と線路部22a,22bとの間の隙間の幅を小さくすることによって、信号線路20から出る電気力線がグランド導体22に吸収されやすくなる。その結果、信号線路20からノイズが輻射されることが抑制されるようになる。
【0063】
また、高周波信号線路10によれば、高周波信号線路10から磁束が漏れることが抑制される。より詳細には、信号線路20に電流i1(図4参照)が流れると、信号線路20を中心軸として、信号線路20を周回する磁束が発生する。このような磁束が高周波信号線路10外に漏れると、他の回路の信号線と信号線路20とが磁界結合するおそれがある。その結果、高周波信号線路10において、所望の特性を得ることが困難となる。
【0064】
そこで、高周波信号線路10では、信号線路20がグランド導体22に囲まれている。これにより、信号線路20とグランド導体22とが近接するようになる。信号線路20に電流i1が流れると、グランド導体22には該電流i1と逆向きの帰還電流i2が流れる。よって、信号線路20の周囲の磁束の周回方向とグランド導体22の周囲の磁束の周回方向とが逆向きになる。この場合、信号線路20とグランド導体22との間の隙間では磁束が強めあうのに対して、グランド導体22よりもy軸方向の正方向側及び負方向側の領域(すなわち、高周波信号線路10外の領域)では磁束が打ち消し合う。その結果、高周波信号線路10外に磁束が漏れることが抑制される。
【0065】
(第1の変形例)
以下に、第1の変形例に係る高周波信号線路10aについて図面を参照しながら説明する。図6は、第1の変形例に係る高周波信号線路10aの積層体12の分解斜視図である。高周波信号線路10aの外観斜視図は図1を援用する。
【0066】
高周波信号線路10aは、グランド導体24が設けられていない点において、高周波信号線路10と相違する。また、グランド導体24が設けられていないことにより、ビアホール導体b1〜b6及び保護層15が不要となる。その他の構成については、高周波信号線路10と同じであるので説明を省略する。
【0067】
高周波信号線路10aによれば、高周波信号線路10と同じ作用効果を奏することができる。更に、高周波信号線路10aでは、グランド導体24及び保護層15が設けられていないので、本体12の薄型化が図られると共に、高周波信号線路10aを容易に曲げることが可能となる。
【0068】
(第2の変形例)
以下に、第2の変形例に係る高周波信号線路10bについて図面を参照しながら説明する。図7は、第2の変形例に係る高周波信号線路10bの積層体12の分解斜視図である。高周波信号線路10bの外観斜視図は図1を援用する。
【0069】
高周波信号線路10bは、突起部23a,23bのx軸方向の線幅が線路部22a,22bに近づくにつれて太くなっている点において、高周波信号線路10と相違する。これにより、領域A1と領域A2との境界近傍において、信号線路20と線路部22a,22bとの間の隙間の幅が漸増又は漸減するようになる。よって、信号線路20の周囲に発生する磁束であって、信号線路20と線路部22a,22bとの間の隙間を通過する磁束は、領域A1と領域A2との境界近傍において漸増又は漸減するようになる。すなわち、領域A1と領域A2との境界近傍において、磁界エネルギーが大きく変動することが抑制される。その結果、領域A1と領域A2との境界近傍において、高周波信号の反射が発生することが抑制されるようになる。
【0070】
なお、突起部23a,23bのx軸方向の線幅は線路部22a,22bに近づくにつれて連続的に増加しているが、突起部23a,23bのx軸方向の線幅は段階的に増加してもよい。
【0071】
(第3の変形例)
以下に、第3の変形例に係る高周波信号線路10cについて図面を参照しながら説明する。図8は、第3の変形例に係る高周波信号線路10cの積層体12の分解斜視図である。高周波信号線路10cの外観斜視図は図1を援用する。
【0072】
高周波信号線路10cは、ブリッジ導体40を更に備えている点において、高周波信号線路10aと相違する。より詳細には、複数のブリッジ導体40は、z軸方向から平面視したときに、グランド導体22及び信号線路20と重なっており、誘電体シート18の裏面に設けられている。ブリッジ導体40のy軸方向の両端は、グランド導体22に接続されている。ブリッジ導体40は、例えば、Ag等の導電性ペーストが印刷されることにより形成される。
【0073】
より詳細には、ブリッジ導体40は、図8に示すように、H型をなしており、容量部40a及び接続部40b,40cを有している。容量部40aは、y軸方向に延在している線状の導体であり、z軸方向から平面視したときに、信号線路20と交差することによって、信号線路20と重なっている。ただし、容量部40aと信号線路20との間には、誘電体シート18が存在しているので、容量が形成されている。
【0074】
接続部40bは、容量部40aのy軸方向の正方向側の端部に接続されており、x軸方向に延在している。そして、接続部40bは、z軸方向から平面視したときに、線路部22a及び突起部23aに重なっている。ビアホール導体b1は、接続部40bとグランド導体22とを接続している。
【0075】
接続部40cは、容量部40aのy軸方向の負方向側の端部に接続されており、x軸方向に延在している。そして、接続部40cは、z軸方向から平面視したときに、線路部22b及び突起部23bに重なっている。ビアホール導体b2は、接続部40cとグランド導体22とを接続している。
【0076】
高周波信号線路10cによれば、高周波信号線路10と同じ作用効果を奏することができる。また、高周波信号線路10cでは、グランド導体22と接続されたブリッジ導体40と信号線路20とが対向している。これにより、信号線路20とグランド導体22との間に形成される容量がより大きくなる。その結果、領域A1における信号線路20の特性インピーダンスZ1をより小さくすることが可能となる。
【0077】
(第4の変形例)
以下に、第4の変形例に係る高周波信号線路10dについて図面を参照しながら説明する。図9は、第4の変形例に係る高周波信号線路10dの積層体12の分解斜視図である。高周波信号線路10dの外観斜視図は図1を援用する。
【0078】
高周波信号線路10dは、信号線路20の太さが均一である点において高周波信号線路10と相違する。以上のように構成された高周波信号線路10dも、高周波信号線路10と同じ作用効果を奏することができる。
【0079】
(第5の変形例)
以下に、第5の変形例に係る高周波信号線路10eについて図面を参照しながら説明する。図10は、第5の変形例に係る高周波信号線路10eの積層体12の分解斜視図である。高周波信号線路10eの外観斜視図は図1を援用する。
【0080】
高周波信号線路10eは、高誘電率部32が信号線路20及びグランド導体22と誘電体シート18との間に設けられている点において、高周波信号線路10と相違する。以上のように構成された高周波信号線路10eも、高周波信号線路10と同じ作用効果を奏することができる。
【0081】
なお、高周波信号線路10eの製造の際には、誘電体シート18の表面に高誘電率部32を印刷した後に、誘電体シート18の表面に信号線路20及びグランド導体22を転写すればよい。
【0082】
(その他の実施形態)
本発明に係る高周波信号線路は、前記高周波信号線路10,10a〜10eに限らず、その要旨の範囲内において適用可能である。
【0083】
なお、高周波信号線路10,10a〜10eの構成を組み合わせて用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、高周波信号線路に有用であり、特に、低い周波数のノイズの発生を抑制できると共に、薄型化を図ることができる点において優れている。
【符号の説明】
【0085】
A1,A2 領域
10,10a〜10e 高周波信号線路
12 本体
14,15 保護層
18 誘電体シート
20 信号線路
22,24 グランド導体
32 高誘電率部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11