特許第5780387号(P5780387)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5780387
(24)【登録日】2015年7月24日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】フィールドデータ表示装置
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20150827BHJP
【FI】
   G05B23/02 301W
   G05B23/02 R
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-85452(P2011-85452)
(22)【出願日】2011年4月7日
(65)【公開番号】特開2012-221157(P2012-221157A)
(43)【公開日】2012年11月12日
【審査請求日】2014年2月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】田中 美穂子
(72)【発明者】
【氏名】浦 直樹
【審査官】 川東 孝至
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−186060(JP,A)
【文献】 特開昭59−079313(JP,A)
【文献】 特開2010−244159(JP,A)
【文献】 特開2010−026842(JP,A)
【文献】 特開平10−149403(JP,A)
【文献】 特開平10−063457(JP,A)
【文献】 特開平02−041506(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/00−23/02
G01D 7/00− 7/12
G09G 5/00
G06F 3/14− 3/153
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラント監視システムにおいて監視対象となるフィールド機器のそれぞれにより測定されるプロセス値を画面に表示する、少なくとも、記憶装置と、演算装置と、表示装置とからなるフィールドデータ表示装置であって、
前記フィールド機器により測定されるプロセス値を収集し、収集した過去及び現在のプロセス値を前記記憶装置に時系列に保存するデータ収集履歴保存部と、
前記記憶装置に保存された過去及び現在のプロセス値を参照し、前記プロセス値の変化の傾向を判定するのに必要な時定数を含むパラメータ定義に基づき、前記プロセス値の変化に対する傾向を前記演算装置の演算により予測する傾向予測演算部と、
表示の対象となるプロセス値とその表示形態とを含む表示定義に基づき、前記傾向予測演算部により予測された該当のプロセス値の傾向を示す直線を基準線との比較が可能な形態で前記表示装置に表示する描画・表示制御部と、
を有することを特徴とするフィールドデータ表示装置。
【請求項2】
前記描画・表示制御部は、
前記プロセス値の傾向を前記基準線に対する前記直線の矢印の向きで表示することを特徴とする請求項1記載のフィールドデータ表示装置。
【請求項3】
前記描画・表示制御部は、
前記プロセス値の絶対値を、水平線と垂直線で示される前記基準線の少なくとも一方の線に交点を有して延びる前記直線の前記交点の位置で、前記プロセス値の傾向を他方の線に対する前記直線の傾きで表示することを特徴とする請求項1記載のフィールドデータ表示装置。
【請求項4】
前記描画・表示制御部は、
前記プロセス値のうち第1のプロセス値の傾向を、水平線と垂直線で示される前記基準線の少なくとも一方の線に交点を有して延びる前記直線の前記交点の位置で、第2のプロセス値の傾向を、他方の線に対する前記直線の傾きでそれぞれ独立して表示することを特徴とする請求項1記載のフィールドデータ表示装置。
【請求項5】
前記描画・表示制御部は、
前記プロセス値のうち第1のプロセス値の傾向を、水平線と垂直線で示される前記基準線の一方の線に交点を有して他方の線と平行に延びる第1の直線の前記交点の位置で、第2のプロセス値の傾向を、前記他方の線に交点を有して前記一方の線と平行に延びる第2の直線の前記交点の位置でそれぞれ独立して表示することを特徴とする請求項1記載のフィールドデータ表示装置。
【請求項6】
前記描画・表示制御部は、
前記基準線を有する任意の座標位置に、黒点、および前記黒点の周りに同心円を描画し、前記同心円の径の長さで第3のプロセス値の傾向を表示することを特徴とする請求項4または5記載のフィールドデータ表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラントを構成するフィールド機器で測定されたプロセス値を含むフィールドデータを表示する、フィールドデータ表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラントでは、フィールド機器と総称される各種測定装置により各種プロセス量を測定し、制御装置がこれらフィールド機器の測定結果に基づきプラントを構成する各種プロセス機器を制御する。フィールド機器は、流量、圧力、温度などの各プロセス値に対して1個のフェースプレートを用意し、各プロセス値に対する現在値、設定値等を表示している。このようなフェースプレートと呼ばれる計器図表示では、ある1点における1フィールドデータに対するプロセス値(絶対値)とそれに付随する設定値や操作値等のデータしか表現できない。
【0003】
ところで、プロセス値を含むデータの傾向を知るには、フェースプレートとは別にトレンドグラフを表示する必要があり、このときオペレータは、トレンドグラフの形状に基づき経験則から視覚的に対象データの傾向を判断していた。例えば、特許文献1,2に示されるように、過去と現在値の他に、シミュレーション技術を用いることによって、予測トレンドも表示することができるようになったが、このとき、シミュレーションによる予測結果を、過去と現在値からの延長として1本のグラフにまとめて表示していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2−41506号公報
【特許文献2】特開2010−26842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、石油化学工場、石油精製工場、半導体装置製造工場等では、プラントが益々多様化し、大規模化し、複雑化している。このようなプラントでは、プロセス値の絶対値表現だけは不十分になりつつある。そのため、関連する複数のプロセス値に対する現在および近未来のデータの傾向を知ることにより、プラントにおけるさまざまな危険・異常事態を回避することが望まれている。
【0006】
例えば、プロセスを制御するうえで、圧力と温度、または圧力と流量は非常に密接な関係にあるが、1個のフェースプレートでは1個のプロセス値の絶対値でしか表現することができない。また、トレンドグラフを参照したオペレータは、自らの経験則により予測値が安全な値を保っているか否かを判断しなければならず、このため、オペレータに相当のスキルを要していた。
【0007】
具体的に、オペレータは、例えは、図6(a)に示されるように、時定数Tが比較的短いプロセス値(pv:圧力値)に対しては短い期間での傾向を参照する必要があり、また、図6(b)に示すように時定数Tが比較的長いプロセス値に対しては長期間での傾向を参照する必要がある。この傾向をどう読み取るかについてはそのプロセス値の特性によって異なる。オペレータは各プロセス値の特性を熟知しており、その経験によって傾向を判断していた。このため、関連する複数のプロセス値の傾向をオペレータの経験に依存することなく、効率的かつ直感的に表現できる方法が望まれていた。
【0008】
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、プラントにおける様々なデータの傾向をオペレータの経験の如何に依存することなく、効率的、直感的に表現することのできる、フィールドデータ表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するために本発明は、プラント監視システムにおいて監視対象となるフィールド機器のそれぞれにより測定されるプロセス値を画面に表示する、少なくとも、記憶装置と、演算装置と、表示装置とからなるフィールドデータ表示装置であって、前記フィールド機器により測定されるプロセス値を収集し、収集した過去及び現在のプロセス値を前記記憶装置に時系列に保存するデータ収集履歴保存部と、前記記憶装置に保存された過去及び現在のプロセス値を参照し、前記プロセス値の変化の傾向を判定するのに必要な時定数を含むパラメータ定義に基づき、前記プロセス値の変化に対する傾向を前記演算装置の演算により予測する傾向予測演算部と、表示の対象となるプロセス値とその表示形態とを含む表示定義に基づき、前記傾向予測演算部により予測された該当のプロセス値の傾向を示す直線を基準線との比較が可能な形態で前記表示装置に表示する描画・表示制御部と、を有することを特徴とする。

【0010】
本発明によれば、描画・表示制御部は、表示の対象となるプロセス値とその表示形態とを含む表示定義に基づき、傾向予測演算部で演算により予測された該当のプロセス値の傾向を示す直線を基準線との比較が可能な形態で表示する。この表示形態は、飛行機のコクピット等で用いられるPFD(Primary Flight Display)や姿勢表示器を意識したものであり、プラントにおける様々なデータの傾向をオペレータの経験の如何に依存することなく、少ない領域で効率的に、かつ直感的に表現することができる。
【0011】
本発明において、前記描画・表示制御部は、前記プロセス値の傾向を前記基準線に対する前記直線の矢印の向きで表示する。このように、あるデータの傾向を矢印の向きで表現することにより、オペレータはプラントにおける様々なデータの傾向を直感的に判断することができる。
【0012】
本発明において、前記描画・表示制御部は、前記プロセス値の絶対値を、水平線と垂直線で示される前記基準線の少なくとも一方の線に交点を有して延びる前記直線の前記交点の位置で、前記プロセス値の傾向を、他方の線に対する前記直線の傾きで表示することを特徴とする。本発明によれば、あるプロセス値について絶対値と傾向を同時に表示することができ、プラントにおける様々なデータの傾向をオペレータの経験の如何に依存することなく、少ない領域で効率的に、かつ直感的に表現することができる。
【0013】
本発明において、前記描画・表示制御部は、前記プロセス値のうち第1のプロセス値の傾向を、水平線と垂直線で示される前記基準線の少なくとも一方の線に交点を有して延びる前記直線の前記交点の位置で、第2のプロセス値の傾向を、他方の線に対する前記直線の傾きでそれぞれ独立して表示することを特徴とする。本発明によれば、第1のプロセス値の傾向と第2のプロセス値の傾向とを基準線に対する直線の位置と傾きで同時に表現することができるため、関連する2つのプロセス値の傾向をオペレータの経験に依存することなく、小領域で効率的、かつ直感的に表現することができる。
【0014】
本発明において、前記描画・表示制御部は、前記プロセス値のうち第1のプロセス値の傾向を、水平線と垂直線で示される前記基準線の一方の線に交点を有して他方の線と平行に延びる第1の直線の前記交点の位置で、第2のプロセス値の傾向を、前記他方の線に交点を有して前記一方の線と平行に延びる第2の直線の前記交点の位置でそれぞれ独立して表示することを特徴とする。本発明によれば、第1のプロセス値の傾向と第2のプロセス値の傾向とを基準線に対する直線の位置で同時に表現することができるため、関連する2つのプロセス値の傾向をオペレータの経験に依存することなく、小領域で効率的、かつ直感的に表現することができる。
【0015】
本発明において、前記描画・表示制御部は、前記基準線を有する任意の座標位置に、黒点、および前記黒点の周りに同心円を描画し、前記同心円の径の長さで第3のプロセス値の傾向を表示することを特徴とする。本発明によれば、黒点と、黒点の周りに描画された同心円の径の長さで第3のプロセス値の傾向を表現することで、関連する複数のプロセス値の傾向をオペレータの経験に依存することなく、一層効率的に、かつ直感的に表現できる
【発明の効果】
【0016】
本発明のフィールドデータ表示装置によれば、プラントにおける様々なデータの傾向を、オペレータの経験の如何に依存することなく、効率的、直感的に表現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態に係るフィールドデータ表示装置の構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施の形態に係るフィールドデータ表示装置の動作を示すフローチャートである。
図3】本発明の実施の形態に係るフィールドデータ表示装置による画面表示の一例を示す図である。
図4】本発明の実施の形態に係るフィールドデータ表示装置による画面表示の他の例を示す図である。
図5】本発明の実施の形態に係るフィールドデータ表示装置による画面表示の更に他の例を示す図である。
図6】従来のフィールドデータ表示装置による画面表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る好適な実施の形態(以下、本実施形態)について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
(実施形態の構成)
図1は、本実施形態に係るフィールドデータ表示装置の構成を示すブロック図である。図1によれば、本実施形態に係るフィールドデータ表示装置1は、データ収集履歴保存部11と、履歴DB(12)と、傾向予測演算部13と、描画・表示制御部14と、表示メモリ15と、表示部16と、パラメータ定義部17と、表示定義部18と、により構成される。
【0020】
データ収集履歴保存部11は、プラントを構成する各フィールド機器により測定されるプロセス値をLAN(Local Area Network)20経由で収集し、収集した過去及び現在のプロセス値を履歴DB(12)に時系列に保存する。履歴DB(12)は、データ収集履歴保存部11により収集された、あるいはKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指数)等により計算された値が格納される半導体メモリで構成される大容量のデータベースである。
【0021】
傾向予測演算部13は、履歴DB(12)に格納された過去および現在のプロセス値を参照して、パラメータ定義部17で定義された時定数を含む定義情報に基づき、移動平均や最小二乗法により未来予測のための演算を行う。
【0022】
描画・表示制御部14は、表示定義部18で定義される表示対象となるプロセス値とその表示形態を示す情報とに基づき、傾向予測演算部13により予測される該当のプロセス値の変化に対する傾向を、飛行機のコクピットで用いられるPFD(Primary Flight Display)等のように、基準線と比較が可能な形態の表示データを生成して表示メモリ15に描画する。描画・表示制御部14は、更に、表示メモリ15に描画された表示データを表示部16の表示タイミングに同期して読み出し、表示部16に表示する。
【0023】
表示部16は、LCD(Liquid Crystal Display Device:液晶)やOLED(Organic Electro-Luminescence Display Device:有機EL)等の表示モニタである。描画・表示制御部14により表示メモリ15に描画され、表示部16に表示される傾向データのバリエーションについては後述する。
【0024】
(実施形態の動作)
図2は、本実施形態に係るフィールドデータ表示装置の動作を示すフローチャートである。以下、図2のフローチャートを参照しながら図1に示す本実施形態のフィールドデータ表示装置1の動作について詳細に説明する。
【0025】
傾向予測演算部13は、未来トレンドを予測するにあたり、まず、パラメータ定義部17で定義された時定数を含む定義情報の読み出しを行う(ステップS101)。なお、定義情報については予めファイルとして用意されたものを読み出す方式であっても、不図示の入力デバイスを介して動的に設定されたものを取り込む方式であってもよい。
【0026】
一方、データ収集履歴保存部11では、プラントを構成する各フィールド機器により測定されるプロセス値をLAN(Local Area Network)20経由で収集し、収集したプロセス値を履歴DB(12)に時系列に保存してある。傾向予測演算部13は、履歴DB(12)から、パラメータ定義部17で定義された時定数にしたがうサイズ分のプロセス値を取得し(ステップS102)、取得したプロセス値と直前の時定数分のサイズ分のプロセス値との移動平均をとって平滑化し、あるいは最小二乗法等により未来トレンドを示す予測データを生成する傾向判定処理を実行する(ステップS103)。そして、処理済みの予測データを、順次、描画・表示制御部14に出力する
【0027】
これを受けて描画・表示制御部14は、所定のサイズ分の傾向予測処理の終了を待ち(ステップS104”YES”)、表示定義部18で定義された、表示対象となるプロセス値とその表示形態とを示す情報を読み出し、その表示定義にしたがい、傾向予測演算部13から出力される該当のプロセス値の傾向予測データを、例えば、図3(a)(b)に示す表示データに変換する(ステップS105)。ここでは、関連するプロセスの2値を同時に表示する例が示されている。
【0028】
描画・表示制御部14は、更に、変換した表示データを表示メモリ15に描画し、表示部16の表示タイミングの到来を待って表示メモリに描画された表示データを表示部16に出力する。このことにより、表示部16には、例えば、図3(a)(b)に示されるような2値傾向グラフ表示がなされる(ステップS106)。
【0029】
図3(a)(b)に示す2値傾向グラフによれば、同時に表現したい関連する2値を値X(圧力)及び値Y(流量)とすれば、描画・表示制御部14は、A〜Iの9種類の2値の傾向の組み合わせを表現することができる。すなわち、描画・表示制御部14は、表示する第1のプロセス値(X値)の傾向を、水平線と垂直線とで示される基準線の、少なくとも一方の線に交点を有して延びるバーの交点の位置で表示し、第2のプロセス値(Y値)の傾向を、他方の線に対するバーの傾きでそれぞれ独立して描画し、そして表示する。
【0030】
具体的に、図3(a)に示す例は、値Xの傾向を太線で示す直線(以下、バーという)の傾きで表現し、値Xに関連する値Yの傾向を、バーが基準線である垂直線に交わる位置で表現したものである。また、図3(b)に示す例は、値Xの傾向を太線で示すバーが基準線である垂直線に交わる位置で表現し、値Yの傾向をバーが基準線である水平線に交わる位置で表現したものである。
【0031】
いずれも、2値傾向グラフAは、値X、Yともに現状維持を示す。また、2値傾向グラフBは、値Xが増加傾向を示し、値Yが現状維持を示す。また、2値傾向グラフCは、値Xが減少傾向を示し、値Yが現状維持を示す。また、2値傾向グラフDは、値Xが現状維持を示し、値Yが増加傾向を示す。また、2値傾向グラフEは、値X、Y共に増加傾向を示す。また、2値傾向グラフFは、値Xが減少傾向を示し、値Yが増加傾向を示す。また、2値傾向グラフGは、値Xが現状維持を示し、値Yが減少傾向を示す。また、2値傾向グラフHは値Xが増加傾向を示し、値Yが減少傾向を示す。また、2値傾向グラフIは、値X、Y共に減少傾向を示す。
【0032】
なお、図3(a)(b)に示す画面表示例では、2値の傾向について同時表示する例について説明したが、更に、あるデータについて、その絶対値と傾向を表現してもよい。この場合、図3(a)(b)において、値Xの傾向を太線で示したバーの傾きで表現し、値Xの絶対値を太線で示したバーの基準線である垂直線との交点位置で表現することになる。
【0033】
また、図4に他の画面構成の一例が示されるように、基準線を有する任意の座標位置に、黒点、および黒点の周りに同心円を描画し、この同心円の径の半径の長さで更なる第3のプロセス値の傾向を表示してもよい。なお、図5に1値傾向表示例が示されているように、プロセス値の傾向を基準線に対する直線の矢印の向きで表示してもよい。
【0034】
(実施形態の効果)
以上説明のように本実施形態に係るフィールドデータ表示装置1によれば、描画・表示制御部14は、表示の対象となるプロセス値とその表示形態とを含む表示定義に基づき、傾向予測演算部13で演算により予測された該当のプロセス値の傾向を示す直線を基準線との比較が可能な形態で表示する。この表示形態は、飛行機のコクピット等で用いられるPFDや姿勢表示器を意識したものであるため、プラントにおける様々なデータの傾向をオペレータの経験の如何に依存することなく、少ない領域で効率的に、かつ直感的に表現することができる。
【0035】
また、本実施形態に係るフィールドデータ表示装置1によれば、あるデータの傾向を矢印の向きで表現することにより、オペレータはプラントにおける様々なデータの傾向を直感的に判断することができ、また、2値傾向グラフ表示により、関連する複数のプロセス値の傾向をオペレータの経験に依存することなく、効率的かつ直感的に表現できる。また、3値傾向グラフ表示も可能であり、この場合、少ない領域で一層効率的に複数のプロセス値の傾向表現が可能になる。
【0036】
なお、本実施形態に係るフィールドデータ表示装置1は、ハードウエア的には、少なくとも、記憶装置と、演算装置と、表示装置とを含み構成される。このため、図1に示す、履歴DB12と、パラメータ定義部17と、表示定義部18とは、記憶装置上に割り付けられ、データ収集履歴保存部11と、傾向予測演算部13とは演算装置で実現され、描画・表示制御部14と、表示メモリ15と、表示部16とは表示装置にて実現される。
【0037】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0038】
1・・フィールドデータ表示装置、11・・データ収集履歴保存部、12・・履歴DB、13・・傾向予測演算部、14・・描画・表示制御部、15・・表示メモリ、16・・表示部、17・・パラメータ定義部、18・・表示定義部、20・・LAN
図1
図2
図3
図4
図5
図6