特許第5780451号(P5780451)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5780451
(24)【登録日】2015年7月24日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】花差し具
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/02 20060101AFI20150827BHJP
   A47G 7/02 20060101ALI20150827BHJP
   A01G 27/00 20060101ALI20150827BHJP
   A01G 5/06 20060101ALI20150827BHJP
【FI】
   A01G9/02 E
   A47G7/02 E
   A01G27/00 502S
   A01G5/06
【請求項の数】1
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2011-81791(P2011-81791)
(22)【出願日】2011年4月1日
(65)【公開番号】特開2012-213368(P2012-213368A)
(43)【公開日】2012年11月8日
【審査請求日】2014年3月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】711003772
【氏名又は名称】川端 建次
(72)【発明者】
【氏名】川端 建次
【審査官】 坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−223647(JP,A)
【文献】 特開平9−47168(JP,A)
【文献】 特公昭42−15884(JP,B1)
【文献】 登録実用新案第3041767(JP,U)
【文献】 特開平4−141030(JP,A)
【文献】 実開平3−74232(JP,U)
【文献】 特開平11−168982(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0077661(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/00 − 9/02
A01G 27/00 − 27/06
A01G 5/00 − 5/06
A47G 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
花器に差し込んで用いる筒容器構造の花差し具であって、筒容器上部に側壁を貫通する連絡孔を設けるとともに、当該連絡孔を覆うように筒容器の内側に隔壁を設け、この隔壁によって筒容器の内部空間を縦に間仕切り、筒容器の内壁と隔壁とで囲まれた小空間の上部を閉塞して、連絡孔から小空間下端の開放口に至る小空間構造の水位調節ダクトを形成するとともに、残りの内部空間をそのまま花入れ空間とし、水位調節ダクトとともに筒容器を構成させ、当該筒容器の下端部に多数の貫通孔を表面に有する網蓋を上面に備えるとともに内部に底面を貫通する湧水管、側壁下端部に通水用の切り欠けをそれぞれ備えた上げ底容器を取り付けて筒容器構造体を構成するとともに、筒容器外周面の上部に廻り縁を形成し、この廻り縁の上部で筒容器外周面に沿って巻き付けるように外周面に密着させてリング状の弾性体を装着し、併せてこのリング状の弾性体の上部となる筒容器の上端部に鍔を備えた鍔円筒を取り付け、鍔と廻り縁でリング状の弾性体を挟むようにして筒容器構造体の上部に固定した筒容器構造を特徴とする花差し具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上面に花入れ口を持つ一般的な花器を自動給水花器化する花差し具に関する。
【背景技術】
【0002】
生花を花器に入れて維持するには、毎日もしくは、数日ごとに、花器の水を入れ替えることが従来から行われてきた。しかしながら、長く不在する場合には水の入れ替えが出来ず、生花は枯れてしまった。
この問題を解決するために、たとえば次の特許文献に示すように、花器の外部からサイホン作用で自動的に補水を適時用水内に補充する生花用の自動給水容器や、 花器に給水部を差し込んで、自動給水する献花用自動給水器がある。
ほかに、貯水タンクと花瓶を一体化して自動給水に利用する花筒自動給水装置や、花瓶の側周部を密閉二重構造にし、その部分に貯水した水を自動給水に利用する自動給水機能を持つ花瓶もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−87413公報
【特許文献2】特開平9ー47168公報
【特許文献3】特開2002−223647公報
【特許文献4】特開2004−65222公報 このような問題に対して、花器の外部から、サイホン作用で自動的に用水に補水する(特許文献1)の生花用の自動給水容器は、生花入れとなる花器が大きい場合は、当該生花用の自動給水容器で補水できるが、一般家庭で使用する花器は小さいので、生花用の自動給水容器を家庭で使用する一般用花器として使用するのは困難である。また献花のような比較的背丈の高い花については、献花用花入れに自動給水器の給水部を差し込んで自動給水する(特許文献2)の献花用自動給水器があるが、献花に比して、一般の花器に入れる生花は背丈も小さく切るため、献花用自動給水器に比べて、家庭で使用する一般用花器が小さいので、献花用自動給水器の給水部を家庭で使用する一般用花器に差し込むことは大きさの点で難しく、また当該給水部が差し込まれることで、自動給水器を含む花器全体の重心が高くなり転倒し易くなるなどのことから、一般家庭の花器に使用するには不向きである。
【0004】
ほかに、貯水タンクと花瓶を一体化した(特許文献3)花筒自動給水装置があるが、花瓶の役割をしている花筒の上に貯水タンクを載せて一体化をしているので、背が高く、上部が大きく重いのに比べて底面積が小さいので、差込固定する墓石の花器には適するが、置くだけの一般的な花器としては、その高さと不安定さから不向きである。
このほか、花器の側壁を二重構造にした(特許文献4)自動給水機能を持つ花瓶があるが、貯水部となる二重構造の側壁による密閉空間の内壁側を開放出来ないので、使用に伴い付着する水垢を除去することが困難であり、また水の給水口が底面にあるため、給水の度に生花を抜き、花瓶をひっくり返す必要があるなど、取り扱い上の不便さがある。
【0005】
また、(特許文献1)、(特許文献2)の発明は花入れ容器はそのままで、給水を外部から行う仕組みに関する発明であり、大きさや構造に問題があるが、(特許文献3)、(特許文献4)の発明は花入れ容器自体に自動給水機能を持たせる発明なので、既存の花器には使用できないなどの問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、元来、花器は生花とともに美的空間を醸成する役割が大きく、花器のみで美的空間を醸成する場合も多々ある。一般の花器だけでなく、仏花器にあっても同様であり、前述した花器では、大きさや形から花器を置いた周囲の美的空間を損なう可能性が高いこと、設置するために花器の外に新たなスペースを必要とすること、既存の花器には使用出来ないこと、などの点で問題があった。
本発明は、花器周りの美的空間を損なうことなく、花器の新造、既存にかかわらず、花器の花入れ口に簡易に押圧挿入するだけで、花器に自動給水機能を付加することができる花差し具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
花器に差し込んで用いる筒容器構造の花差し具であって、筒容器上部に側壁を貫通する連絡孔を設けるとともに、当該連絡孔を覆うように筒容器の内側に隔壁を設け、この隔壁によって筒容器の内部空間を縦に間仕切り、筒容器の内壁と隔壁とで囲まれた小空間の上部を閉塞して、連絡孔から小空間下端の開放口に至る小空間構造の水位調節ダクトを形成するとともに、残りの内部空間をそのまま花入れ空間とし、水位調節ダクトとともに筒容器を構成させ、当該筒容器の下端部に多数の貫通孔を表面に有する網蓋を上面に備えるとともに内部に底面を貫通する湧水管、側壁下端部に通水用の切り欠けをそれぞれ備えた上げ底容器を取り付けて筒容器構造体を構成するとともに、筒容器外周面の上部に廻り縁を形成し、この廻り縁の上部で筒容器外周面に沿って巻き付けるように外周面に密着させてリング状の弾性体を装着し、併せてこのリング状の弾性体の上部となる筒容器の上端部に鍔を備えた鍔円筒を取り付け、鍔と廻り縁でリング状の弾性体を挟むようにして筒容器構造体の上部に固定した筒容器構造を特徴とする花差し具として前記項目を達成する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の花差し具を使用することで、上面に花入れ口を有する花器であれば、既存の花器であっても新規製作の花器でも容易に自動給水花器化することが出来る。
【0009】
本発明の花差し具を使用して自動給水花器を構成すると、花器自体に貯水された水が生花に対し、ほぼ一定の水位を保つように自動給水されるので、生花が一日に蒸散する水量に等しい水位に設定することで、花器に水を毎日新しく追加するのと同じ効果があり、手間をかけることなく、生花の寿命を長く保つことが出来る。
【0010】
本発明の花差し具は、構成している各部分がバラバラに分解出来るので、長期間使用して、内部に汚れが多量に付着し、雑菌が繁殖した場合でも、容易に分解清掃して除去出来る構造としている。また、各部の損耗についても部分取り替えが出来るメンテンナンスを考慮した構造にしているので、長期間使用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の花差し具の外観図(正面)
図2】本発明の花差し具の外観図(右側面)
図3】花差し具の花器への挿入状況図(途中図)
図4】花差し具の花器への挿入状況図(完了図)
図5】実施例1の花差し具の分解構成図
図6】実施例2で変形した部材の分解構成図
図7】実施例3で変形した部材の分解構成図
図8】実施例4で変形した部材の分解構成図
図9】実施例5で変形した部材の分解構成図
図10】実施例6の花差し具Dの外観図
図11】実施例6の花差し具Dの分解構成図
図12】花差し具の補助継ぎ円筒の外観図
図13】花差し具に花差し具の補助継ぎ円筒を装着した状態図
図14】花差し具の補助固定枠
図15】花差し具の補助固定枠装着図
図16】花差し具の補助固定鍔枠
図17】花差し具の補助固定鍔枠装着図
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明にかかる実施形態について、実施例をあげ図1ないし図17の添付図を参照して説明する。
【0013】
本発明にかかる花差し具の外観図を図1図2に示す。図1は正面からの外観図、図2は右側面からの外観図である。
図1図2で、1は鍔円筒、2は縦長円筒、3はリング状の弾性体、4は廻り縁、5は隔壁、6は上げ底容器、7は水位調節孔、8は連絡孔、9は湧水管、10は網蓋、11は水位調節ダクト、12は花入れ空間、13は通水用切り欠け、14は老廃物沈殿空間、15はゴム栓である。
【0014】
図5は花差し具の分解構成図である。
同図で(A)は鍔円筒1の外観図と正面図、(B)はリング状の弾性体3の外観図と正面図、(C)は縦長円筒2の外観図と平面図、(D)は上げ底容器6の外観図と正面図、(E)は網蓋10の平面図と正面図、(F)はゴム栓15の平面図と正面図と外観図である。
【実施例1】
【0015】
実施例1は、図1、2、の外観図と図5の分解構成図に示したように、上・下端が開口し外周面の上部に側壁を貫通する連絡孔8とその上の外周面を取り巻く廻り縁4、円筒上・下端の開口部の内周面に沿う雌ネジ構造を備えた縦に長い円筒に、互いに高さが異なる複数の貫通孔にゴム栓15を施して閉塞状態にした水位調節孔7を表面に備えた隔壁5で円筒の内部空間の一部を間仕切り、連絡孔8を含む円筒内周面の一部と隔壁5で囲まれた半円パイプ状の縦長小空間を円筒の内部に形成し残りの大部分を占める内部空間を花入れ空間12として生花を差し入れる空間とする。
【0016】
また、小空間の上端は閉塞して連絡孔8を上部、開放口を下部とする半円パイプ状の縦長小空間を形成し、それを構成する隔壁5の表面に有するゴム栓15で閉塞状態にした複数の貫通孔を水位調節孔7とする縦長円筒の内に縦に形成した水位調節ダクト11などで構成する。
【0017】
逆円錐台の中央に縦長円筒2の外径に適合した口径の貫通穴をあけてリング状にしたリング状の弾性体3を縦長円筒2の上端から押し込むようにして縦長円筒2の外周面の上部に密着取り付けするとともに、当該リング状の弾性体3の下面が廻り縁4の上面に接触するまで押し込み、リング状の弾性体3の上面を押しつけるように鍔円筒1の下端部外周面に沿った雄ネジ構造を縦長円筒2の上端開口部の内周面に沿って備えた雌ネジ構造に螺合取り付けし、リング状の弾性体3を廻り縁4の上面と鍔円筒1の鍔下面で挟んで縦長円筒2の外周面上部に固定して、花差し具18を花入れ口に挿入した時にリング状の弾性体3が大きく変形して花入れ口との間に間隙が生じないようにしている。
【0018】
次に網蓋10の外周側面の雄ネジ構造を縦長円筒2下端の開口部の内周面に沿った雌ネジ構造に螺合取り付けして、縦長円筒2内部の花入れ空間12のストレーナの役割をする網蓋10で底を形成し、縦長円筒2からはみ出た、網蓋10の外周側面で未螺合の雄ネジ部に、上げ底容器6の上端開口部の内周面に沿った雌ネジ構造を螺合させ、上げ底容器6を網蓋10を介して縦長円筒2に取り付け、網蓋10を透過した生花の老廃物を堆積させる老廃物沈殿空間を最下部に持つ円筒容器構造の花差し具18を構成する。
【0019】
ここで、製造に際しては、縦長円筒2の内部に形成する水位調節ダクト1
1は、成形によって、円筒製作の最初の段階から円筒内部に形成できるような型を使用して、廻り縁4や連絡孔8、上下端の雌ネジ構造も同時に成形する。同じく鍔円筒1の鍔と雄ネジ構造、上げ底容器6の内部に具備する湧水管9や側壁下端部の通水用切り欠け13、網蓋10の雄ネジ構造や表面の多数の孔も同様に型による成形で製作し、同じくリング状の弾性体3も成形で製作する。
【0020】
実際に花差し具18を花器に押圧挿入した場合の状況図を図3図4に示す。ここで、図3は水を貯水した花器の花入れ口に花差し具18を挿入する途中の状況図である。図4はその完了図である。図の中で、16は花器、17は花差し具の補助固定枠、18は花差し具、19は花入れ口、20は密閉空間である。
【実施例2】
【0021】
本実施例2は、花差し具18を構成する、縦長円筒2と上げ底容器6の結合に係る構造と網蓋10の構造に係る変形例であって、縦長円筒2の高さを高くして下端に通水用の切り欠け13を設けた縦長円筒A、上げ底容器6の内周面の雌ネジ構造を除去した上げ底容器A、網蓋10の外周側面のネジ構造を除去して網蓋の厚みを薄くし外周縁の上面に鍔を取り付けた網蓋Aに係る変形である。
【0022】
実施例1に対する実施例2の変形箇所を図6に示す。同図で(C)は縦長円筒Aの外観図と平面図、(D)は上げ底容器Aの正面図と平面図、(E)は網蓋Aの平面図と正面図である。
【0023】
図1図2に示したように、実施例1では網蓋10のネジ構造を介して縦長円筒2と上げ底容器6を螺合結合するが、実施例2では図6に示したように、縦長円筒2の側壁下端部に直接通水用切り欠け13を設けた構造に変形した縦長円筒Aに、上げ底容器の内周面上 端部の雌ネジ構造を除去するとともに上げ底部の側壁を除去して、底面下に2つの直方体 を底面中心となる湧水管9の開口部を挟んで平行に取り付けるとともに、外径を縦長円筒 Aの内径に適合する大きさに縮小した構造の上げ底容器Aの上端部開放口に、網蓋外周側面の雄ネジ構造を除去して側面の幅を薄くするとともに外周縁の上面に鍔を取り付け、縦長円筒Aの内径に適合する大きさの外径に変形した網蓋Aをはめ込み、縦長円筒Aの下端の開放口から押し込み装着して花差し具18を構成する。ここで、上げ底容器Aは表面が滑らかで滑り難い材質で形成するが、その他の材料に変更はない。
【実施例3】
【0024】
本実施例3も実施例2同様に、縦長円筒2と上げ底容器6の結合に係る構造と網蓋10の構造の変形と構成材料の変更であって、弾性を有する材料で成形した上げ底容器Bに、湧水管9と網蓋10を一体化した網蓋構造体Bを挿入して構成する上げ底容器構造体に係る変形である。
【0025】
実施例1に対して実施例3で変形した部材を図7に示す。
同図で(C)は実施例2と同じ縦長円筒Aの外観図と平面図、(D)は上げ底容器Bの正面図と平面図、(E)は網蓋構造体の平面図と正面図、(G)は網蓋構造体Bを上げ底容器Bに差込装着した状態の上げ底容器構造体の正面図である。
図7に示したように実施例2と同じ構造の縦長円筒Aに、弾性を有する材料で形成し上面に同心円状の溝と中心を垂直に貫通する孔を備えた円錐台に直方体を2つ底面下で中心孔を挟み平行に具備した上げ底容器B、これに網蓋10の中心部に貫通孔を設けて湧水管9を下面から貫通させ一体化構造とした網蓋構造体を差込み装着した状態で、実施例2同様に縦長円筒Aの下端の開放口から押し込み装着して花差し具18を構成する。
【実施例4】
【0026】
本実施例4も実施例2、3同様に、縦長円筒2と上げ底容器6の結合に係る構造の変形であって、図8に示したように、実施例1の縦長円筒2の外周面の下端部に縦長円筒2の中心をはさんで対称位置に円柱状の小突起をそれぞれ具備した縦長円筒Cに、実施例1の上げ底容器6の内径を縦長円筒Cの外径に適合するように拡大するとともに、縦長円筒Cの外周面の下端部に位置する2つの小突起に嵌合するL字状の溝を内周面の上端部に備え、内側面が底面に近くなるほど側壁幅が厚くなるよう傾斜面とした上げ底容器C、これを縦長円筒Cの下端部に嵌合装着し、花差し具18を構成する。網蓋10は実施例1と同じ構造であり、縦長円筒Cの内周面の下端部へ螺合取り付けすることに変更はない。
【0027】
実施例1に対して実施例4で変形した部材を図8に示す。同図で(C)は縦長円筒Cの外観図と平面図、(D)は上げ底容器Cの外観図と正面図および平面図である。
【実施例5】
【0028】
本実施例5は縦長円筒2の水位調節ダクト11に係る構造の変形であって、図9に示したように、実施例1の縦長円筒2から隔壁5を取り除き縦長円筒Eに変形し、水位調節ダクト11のは同図(H)のように半円パイプの上端を塞ぎ、平面部に水位調節孔7を設け、凸面部に縦長円筒Eの連絡孔8に挿入可能な外径で雄ネジ構造を外周面に備えたパイプ部を凸面の上部に設け、 これをパイプ部の開口端から半円パイプ下端の開口端に至る水位調節ダクトAとして縦長円筒Eの内部に装着するとともに、連絡孔8に挿入したパイプ部へ(J)に示した弾性のある材料で成形した平ワッシャーを取り付け、同じく(J)に示した雌ネジで縦長円筒Eに固定し、実施例1の縦長円筒2の代替とした縦長円筒Eと水位調節ダクトAの変形である。
【0029】
実施例1に対して実施例5で変形した部材を図9に示す。同図で(C)は縦長円筒Eの外観図と平面図である。(H)は半円パイプを使用して成形した水位調節ダクトAの平面図、正面図、側面図である。(J)は水位調節ダクトAを縦長円筒Eに固定する雌ネジと平ワッシャーの平面図と側面図である。(K)は縦長円筒Eに水位調節ダクトAを装着固定した状態図である。
【0030】
この縦長円筒Eと、水位調節ダクトAに係る変形は、縦長円筒の製作を簡易にするための変形であって、その他の変形はなく、花差し具としての変更はない。ただ、この変形は、実施例2〜4のすべてに適用することが出来るので、自由な組み合わせの変形構造に対応することができる。
【実施例6】
【0031】
本実施例6は、実施例1の縦長円筒2から水位調節ダクト11、隔壁5、連絡孔8を除去するとともに、水位調節孔7よりも口径の大きい水位調節孔7Aを縦長円筒2の側壁に複数設けた縦長円筒D、連絡管23に連結した管接続部24を縦長円筒Dの水位調節孔7Aに挿入結合し、残りの水位調節孔7Aには実施例1よりも大きいゴム栓15Aを詰めて閉塞することによって、管接続部24を挿入結合する水位調節孔7Aの高さで水位が決まるように、水位調節の仕組みを変更した花差し具Dについての変形である。
【0032】
花差し具Dの外観図を図10に、分解構成図を図11に示す。
図10で、1は鍔円筒、2は縦長円筒D、3はリング状の弾性体、4は廻り縁、6は上げ底容器、7Aは水位調節孔、9は湧水管、10は網蓋、12は花入れ空間、13は通水用切り欠け、14は老廃物沈殿空間、15Aはゴム栓、23は連絡管、24は管接続部である。
図11で、(A)は鍔円筒1の外観図と正面図、(B)はリング状の弾性体3の外観図と正面図、(C)は縦長円筒Dの外観図と平面図、(D)は上げ底容器6の外観図と正面図、(E)は網蓋10の平面図と正面図、(F)はゴム栓15Aの外観図、(G)は管接続部24を備えた連絡管23の外観図である。
【0033】
この実施例6は、実施例1、2、3、4、5と異なり、管接続部24が縦長円筒Dの外側面に位置するので、比較的大きな広口の花器に適用することが出来て、縦長円筒Dの構造が実施例1の縦長円筒2に比べて簡易であることから、条件を満足する場合は簡易に製作できる広口花器の花差し具Dとしての使用が見込まれる。
また実施例1と実施例2、3、4の縦長円筒と上げ底容器の結合の違いによる変形例は、当該花差し具Dにも適用することができるので、これらと自由に組み合わせを変えた構造にすることが可能である。
【0034】
図12は花差し具の補助継円筒21の外観図である。
図12で(A)は接続円筒部22を補助継ぎ円筒21の内部に収めた状態の外観図である。
(B)は接続円筒部22を最大引き出した状態の花差し具の補助継ぎ円筒の外観図である。
同図で4は廻り縁、21は花差し具の補助継ぎ円筒、22は接続円筒部、23は連絡管、24は管接続部である。
同図の花差し具の補助継ぎ円筒21は、継ぎ長さ可変構造の円筒からなる前記花差し具18の補助部材であって、前記花差し具を構成する縦長円筒2と同じ外径、内径の円筒に廻り縁を備え、外周面下部に、管接続部24を下端に備えた連絡管とともに固定し、内周面に縦長円筒と同じ雌ネジ構造を備えた円筒であり、円筒内部に内周面の雌ネジ構造に螺合する雄ネジ構造の外周面を備えた接続円筒部を螺合収容し、接続円筒部を回転させて螺合長さを変えることによって円筒全体の長さを調節する、継ぎ長さ可変構造の円筒を特徴とする前記花差し具の補助部材である。
【0035】
図13は実施例1の花差し具に花差し具の補助継ぎ円筒21を取り付けて全体の高さを高くした場合の状態図である。同図で1は鍔円筒、2は縦長円筒、3はリング状の弾性体、4は廻り縁、5は隔壁、6は上げ底容器、7は水位調節孔、8は連絡孔、9は湧水管、10は網蓋、11は水位調節ダクト、12は花入れ空間、13は通水用切り欠け、14は老廃物沈殿空間、15はゴム栓、21は花差し具の補助継ぎ円筒、22は接続円筒部、23は連絡管、24は管接続部である。
【0036】
図14は花差し具の補助固定枠17である。同図(A)は平面図、(B)は正面図である。同図の花差し具の補助固定枠17は花器の花入れ口に装着固定する円環形状をした前記花差し具の補助部材であって、滑らかな表面を持つ材料で形成し、外径は花入れ口の口径に適合し、内径は花差し具を構成する弾性体の外径に適合した大きさで断面がくの字状をした円環形状の固定枠であることを特徴とする前記花差し具の補助部材である。
【0037】
図15は花器に花差し具の補助固定枠17を使用して花差し具を押圧挿入した場合の外観図である。同図で1は鍔円筒、2は縦長円筒、3はリング状の弾性体、4は廻り縁、16は花器、17は花差し具の補助固定枠、18は花差し具である。
【0038】
図16は花差し具の補助固定鍔枠25の外観図である。
同図で(A)は花差し具の補助固定鍔枠25の円盤部の正面図、(B)は花差し具の補助固定鍔枠25の外観図である。同図の花差し具の補助固定鍔枠25は、広口花器の花入れ口に装着固定するドーナツ状の円盤に支持円筒を取り付けた形状を持つ前記花差し具の捕助部材であって、円盤は花入れ口に適合した外径を持ち、上面中央に花差し具のリング状の弾性体の外径に適合した口径の貫通穴、外周側面にくの字状の溝を備えた円盤に、花器の内部高さに適合した高さで内径が円盤の貫通穴と同じ口径を持つ円筒の外周壁下部を三脚状に加工した支持円筒を貫通穴と同心状にして下面に取り付け、円筒の一端に鍔を取り付けた構造を特徴とする花差し具の補助部材である。
【0039】
図17は花差し具の補助固定鍔枠25を使用して花差し具18を花器に押圧挿入した場合の状態図である。同図で、1は鍔円筒、3はリング状の弾性体、4は廻り縁、16は花器、25は花差し具の補助固定鍔枠である。
【符号の説明】
【0040】
1 鍔円
2 縦長円筒
3 弾性体
4 廻り縁
5 隔壁
6 上げ底容器
7 水位調節孔
8 連絡孔
9 湧水管
10 網蓋
11 水位調節ダクト
12 花入れ空間
13 通水用切り欠け
14 老廃物沈殿空間
15 ゴム栓
16 花器
17 花差し具の補助固定枠
18 花差し具
19 花入れ口
20 密閉空間
21 花差し具の補助継ぎ円筒
22 接続円筒部
23 連絡管
24 連絡管の管接続部
25 花差し具の補助固定鍔枠
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
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図17