(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の好適な実施の形態を、遊技機としてスロットマシンを例に、図面に基づき説明する。
(スロットマシン10)
スロットマシン10は、
図1に示すように、正面側が開口する方形箱状の筐体11と、この筐体11の正面開口を開閉自在に設けられた前扉3を有している。前記筐体11の内部において、開口上部には、3個の回転リール40を有するリールユニット60が設置され、開口下部には、ホッパーユニット65と、電源ユニット5が設けられている。また、前記リールユニット60の上方には、スロットマシン10の全体の動作を制御するための制御装置20が配置されている。
【0024】
前記前扉3は、筐体11にヒンジ(図示せず)を介して水平方向に回動自在に取り付けられた板状の扉である。前扉3には、
図1に示すように、遊技者側に向かって臨む正面パネル12が設けられており、正面パネル12には、3個の回転リール40の図柄を視認可能な図柄表示窓13が形成されている。そして、この図柄表示窓13の下方であってスロットマシン10の高さ方向略中央部は、スロットマシン10を作動させるための操作スイッチが設けられたカウンター状の操作部3Aとなっており、操作部3Aの上面右端にはメダル投入口14が設けられている。前扉3の下部には、ホッパーユニット65から払い出されたメダルを受ける下皿3Bが設けられている。また、メダル投入口14の下方であって前扉3の裏側には、投入メダルを検知しメダルを判別するためのメダルセレクター4が設けられている。
【0025】
前記リールユニット60は、筐体11の内部に収納される枠体に固定された3個のステッピングモータ(図示せず)と、各ステッピングモータの出力軸に固定された3個の回転リール40から構成されている。ここで、3個の回転リール40について、個々の回転リール40を特定して説明する場合には、正面視したときに左側に位置する回転リール40を左リール41と称し、中央に位置する回転リール40を中リール42と称し、右側に位置する回転リール40を右リール43と称するものとし、個々の回転リール40を特定しない場合には、単に回転リール40というものとする。
各回転リール40は、合成樹脂からなる回転ドラムと、この回転ドラムの周囲に貼付されるテープ状のリールテープとを備えている。このリールテープの外周面には、
図3に示すように、「赤7」、「白7」、「黒BAR」、「赤BAR」「リプレイa」、「リプレイb」「スイカa」、「スイカb」「ベル」、「チェリー」などの図柄が、1つの回転リール40につき21個ずつ、表示されている。なお、
図3において左端の数字は、各図柄を特定するための図柄番号を示している。
【0026】
そして、スロットマシン10を正面視したとき、図柄表示窓13からは、各回転リール40の図柄がそれぞれ3個ずつ、合計9個視認できるようになっている。
また、特に図示しないが、各回転リール40には、リールユニット60に設けられたインデックスセンサ60A(
図2参照)に検知される検知部としてのスタートインデックスが設けられている。スタートインデックスは、例えば回転ドラムの内側や回転ドラムとステッピングモータをつなぐスポークに設けられた突片とすることができる。
前記ホッパーユニット65は、
図1に示すように、筐体11の内部に設けられた払い出し装置であって、遊技の結果に基づいて、遊技者にメダルを払い出すためのものである。前記電源ユニット5は、スロットマシン10の主電源のON/OFFを行うためのものである。
【0027】
ここで、前記操作スイッチとしては、
図1に示すように、ベットスイッチ16、精算スイッチ17、スタートスイッチ30、ストップスイッチ50が設けられている。なお、操作スイッチとしては、その操作によりスロットマシン10により行われる演出に関わる選択を行うことができる演出選択スイッチが設けられていてもよい。
前記ベットスイッチ16は、カウンター状の操作部3Aの上面左側に設けられたボタンスイッチであって、クレジットをメダル投入に代えるためのものである。ここで、クレジットとは、次ゲーム以降に使用するためのメダルをあらかじめ遊技機内部に貯留しておくことであり、スロットマシン10は、メダル投入口14から投入されたメダル、又は入賞により払い出されるメダルを、最大50枚まで、遊技機内部に貯留する扱いができるように形成されている。
【0028】
前記精算スイッチ17は、操作部3Aの上面左端に設けられたボタンスイッチであって、クレジットを払い戻すためのものである。
前記スタートスイッチ30は、操作部3Aの正面左側に設けられたレバー状のスイッチであって、回転リール40を回転開始させるためのものである。スタートスイッチ30の筐体内部側には、特に図示しないが、レバーの位置移動を検出する接触センサあるいは遮光センサが設けられており、センサの検出信号がスタートスイッチ30の操作信号として扱われるようになっている。
ストップスイッチ50は、操作部3Aの正面中央部に設けられた3個のボタンスイッチであって、回転中の回転リール40を停止させるためのものである。ここで、3個のストップスイッチ50について、個々のストップスイッチ50を特定して説明する場合には、正面視したときに左側に位置するストップスイッチ50を左停止スイッチ51と称し、中央に位置するストップスイッチ50を中停止スイッチ52と称し、右側に位置するストップスイッチ50を右停止スイッチ53と称するものとし、個々のストップスイッチ50を特定しない場合には、単にストップスイッチ50というものとする。3個のストップスイッチ50は、それぞれ、3個の回転リール40に対応して設けられている。具体的には、左リール41には左停止スイッチ51が対応し、中リール42には中停止スイッチ52が対応し、右リール43には右停止スイッチ53が対応している。各ストップスイッチ50の筐体内部側には、特に図示しないが、ボタンの位置移動を検出する接触センサあるいは遮光センサがそれぞれ設けられており、センサの検出信号が各ストップスイッチ50の操作信号として扱われるようになっている。そして、左停止スイッチ51の操作により左リール41を停止させることができ、中停止スイッチ52の操作により中リール42を停止させることができ、右停止スイッチ53の操作により右リール43を停止させることができる。
【0029】
(制御装置20)
上記制御装置20は、図示しないが、CPUを中心に構成され、ROM、RAM、I/O等を備えている。ここでCPUは、1個に限定されず、二個以上のCPUで制御するようにしてもよい。また、CPU、ROM、RAM及びI/O等は一体化されてワンチップを構成してもよい。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、
図2に示すように、メイン制御装置21及びサブ制御装置22を構成する。
ここで、メイン制御装置21の制御に基づくスロットマシン1の作動状態をメイン状態といい、サブ制御装置22の制御に基づくスロットマシン1の作動状態をサブ状態という。また、メイン状態とサブ状態とにより特定されるスロットマシン1の全体としての作動状態を遊技状態というものとする。
【0030】
そして、制御装置20の入力側には、
図2に示すように、メダルセンサ15、ベットスイッチ16、精算スイッチ17、スタートスイッチ30、ストップスイッチ50、インデックスセンサ60Aの各パーツが接続されている。ここで、メダルセンサ15は、
図1に示すように、メダルセレクター4に内蔵された検知センサであって、投入された遊技メダルの通過を検知するものである。インデックスセンサ60Aは、特に図示しないが、リールユニット60の枠体に設けられた検知部であって、回転リール40の回転を検知するためのものである。
一方、制御装置20の出力側には、
図2に示すように、リールユニット60、ホッパーユニット65、画像表示部67、ランプ68、スピーカ69の各パーツが接続されている。画像表示部67、ランプ68、スピーカ69は、演出を実行するための演出装置である。ここで、画像表示部67は、
図1に示すように、図柄表示窓13の上側に設けられた窓部であり、LED、ドットマトリックス、液晶画面等を用いて、入賞の報知その他の演出画像を表示するためのものである。なお、画像表示部67としては上記のものに限られず、例えば演出専用の回転リールを設け、リールの図柄や文字等により演出を表示するようにしてもよい。ランプ68は発光体の点灯又は点滅により入賞等を報知するためのものであり、スピーカ69は、BGMや操作音等、所定の音声を出力するためのものである。
【0031】
(メイン制御装置21)
メイン制御装置21は、スタートスイッチ30及びストップスイッチ50の操作により、回転リール40の回転及び停止を制御するためのものである。そして、メイン制御装置21は、
図2に示すように、役抽選手段70、メイン状態移行制御手段80、リール制御手段90、フリーズ制御手段100、遊技結果判定手段110、ホッパー制御手段120、遊技制御信号出力手段130の各手段として機能する。
(役抽選手段70)
役抽選手段70は、複数の図柄から構成される図柄組合せが対応付けられた所定の「役」について、当選したか否かを抽選により決定するものであり、図示しないが、役抽選テーブルと、判定手段とを備えている。そして、スタートスイッチ30の操作信号受信のタイミングで、図示しないカウント抽出手段が、図示しないループカウンタの数値を読み取り、判定手段がこの数値と役抽選テーブルとを比較して、当選の有無を判定するものである。
【0032】
役抽選テーブルは、前記ループカウンタがカウントする数値(例えば0〜65535)を全領域として各当選項目の当選領域を規定したものである。なお、役抽選テーブルの詳細については後述する。判定手段は、カウント抽出手段がピックアップしたカウントデータと、前記役抽選テーブルの当選判定領域データとを照合し、カウントデータが所定の当選領域に属する場合には当該当選領域に対応する当選を決定し、カウントデータがいずれの当選領域にも属さない場合には、「ハズレ」の決定をするものである。
ここで、スロットマシン10は、ストップスイッチ50の操作によって所定の当選役に対応する図柄組合せが有効ライン上に揃って表示される(以下、このことを入賞という)と、役に応じた利益が付与されるようになっている。前記役としては、入賞により所定枚数のメダルが払い出される小役と、入賞により次ゲームにおいて遊技メダルを新たに投入することなく再度の遊技を行える再遊技役と、入賞により次ゲームからボーナス状態に移行するボーナス役とを備えている。
【0033】
なお、有効ラインとは、3個の回転リール40にそれぞれ表示されている図柄のうち図柄表示窓13から視認可能な図柄を各回転リール40につき1個ずつ繋いでできるライン(入賞ライン)のうち、入賞するために有効となる図柄組合せの並びを規定したラインである。入賞ラインは、規定数のメダルをベットすることにより有効ラインになる。ここで、規定数とは、1回の遊技を行うためにかけることができるメダル数である。本実施の形態においては、
図1に示すように、左リール41の中段に位置する図柄、中リール42の中段に位置する図柄、右リール43の中段に位置する図柄を繋いでできる中段ラインが入賞ラインとして設定されている。そして、本実施の形態では、1回の遊技につき、メダルを3枚ベットすることが可能となっており、3枚のメダルをベットすると、中段ラインが有効になる。
【0034】
本実施の形態においては、
図4に示すように、ボーナス役として、「赤7・赤7・赤7」の図柄組合せが対応付けられたBB(ビッグボーナス)と、「白7・白7・白7」の図柄組合せが対応付けられたRB(レギュラーボーナス)が設けられている。
前記小役としては、入賞により9枚のメダルが払い出されるベル1〜ベル10までの10個のベル役と、入賞により5枚のメダルが払い出されるスイカ1〜スイカ4までの4個のスイカ役と、入賞により4枚のメダルが払い出されるチェリー役が設けられている。各ベル役には、ベル図柄、リプレイa図柄とリプレイb図柄(合わせてリプレイ図柄という)、黒BAR図柄、スイカa図柄とスイカb図柄(合わせてスイカ図柄という)、チェリー図柄のいずれかにより構成される図柄組合せが対応付けられている。例えばベル1は「リプレイa・黒BAR・スイカa」の図柄組合せが対応付けられている。ちなみに、ベル1が入賞すると、ベル図柄が図柄表示窓13の上段に揃って表示される。また、各スイカ役には、スイカ図柄、ベル図柄、赤BAR図柄、リプレイb図柄のいずれかにより構成される図柄組合せが対応付けられている。例えば、スイカ1は、「ベル・リプレイa・赤BAR」の図柄組合せが対応付けられている。ちなみに、スイカ1が入賞すると、スイカ図柄が図柄表示窓13の上段に揃って表示される。そして、チェリー役には、「チェリー・ANY・ANY」(ANYは何の図柄でもよい)の図柄組合せが対応付けられている。
【0035】
前記再遊技役としては、リプレイ1〜リプレイ11までの11個のリプレイ役が設けられている。各リプレイ役には、回転リール40に表示されている全ての図柄のうちのいずれかにより構成される図柄組合せが対応付けられている。例えば、リプレイ1は、「リプレイa・リプレイa・リプレイa」「リプレイa・リプレイa・リプレイb」などの、リプレイa図柄とリプレイb図柄の順列からなる8個の図柄組合せが対応付けられている。いずれかの再遊技役が入賞すると、再遊技が作動し、当該遊技終了後の遊技において、ベットすることなくスタートスイッチ30が操作可能となる。
BBが入賞すると、次ゲームからボーナスゲームであるビッグボーナスゲーム(BBゲーム)が開始される。BBゲームは、レギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)が連続して行われる遊技期間である。RBゲームとは、通常遊技に比べて小役の当選確率が高く設定された遊技期間であり、所定回数の入賞又は所定回数のゲーム消化により終了する。なお、RBゲームに移行した場合には投入メダルの規定数を1枚に変更するように形成してもよい。そして、BBゲームに移行すると、RBゲームが無条件で、すなわちRBゲームに移行させるための図柄(RB図柄)を揃えることなく開始され、1回のRBゲームが終了すると、再び無条件で次のRBゲームが開始される。そして、BBゲームは、払い出しメダルの総数があらかじめ定められた一定枚数を超えた場合に終了する。
【0036】
なお、BBゲーム中に、所定のRB図柄を揃えた場合にRBゲームが開始されるようにしてもよい。また、ボーナス役が入賞した場合に、所定枚数(例えば15枚)のメダルを払い出した後に、ボーナス状態に移行するようにしてもよい。また、BBゲーム、RBゲームの終了条件を、他の条件(例えばゲーム回数)としてもよい。
ここで、抽選の結果、いずれかの役が当選すると、当選に対応する当選フラグが成立する。当選役が小役の場合には小役フラグ(ベル1フラグ、スイカ1フラグなど)が、ボーナス役の場合にはボーナスフラグ(BBフラグ、RBフラグ)が、再遊技役の場合にはリプレイフラグ(リプレイ1フラグ、リプレイ2フラグなど)がそれぞれ成立する。小役フラグ及びリプレイフラグは当該遊技限りでリセットされるが、ボーナスフラグは、当該ボーナス役が入賞するまでリセットされない。すなわち、ボーナス役当選の場合には、当選の権利が次ゲーム以降に持ち越されるようになっている。また、ボーナスフラグが持ち越されている間(ボーナス内部中)は、ボーナス役の当選判定は行われない。また、本実施の形態では、以下に述べるように、役抽選テーブルには、複数の役が同時に当選となる重複当選領域が設けられており、カウント抽出手段が抽出したループカウンタのカウントデータが前記した重複当選領域に属する場合には、当該領域に含まれる役の全てについて、それぞれに対応する当選フラグを成立させることになる。
【0037】
(役抽選テーブル)
本実施の形態における役抽選テーブルの概念図を
図5に示す。ここで、
図5は、不当選領域を省略し、複数の役抽選テーブルに設定されている当選領域の有無を示したものであり、左欄に示した当選領域が含まれているものを丸印で表している。
役抽選テーブルとしては、
図5に示すように、通常状態において用いられる通常テーブルと、RT状態において用いられるRT1テーブル及びRT2テーブルと、ボーナス内部中状態において用いられる内部中テーブルと、ボーナス作動中状態において用いられるボーナス中テーブルとが設けられている。
【0038】
ここで、通常状態とは、スロットマシン10の初期状態(工場出荷時又は設定変更後もしくはリセット後)のメイン状態をいうものである。RT状態とは、再遊技役の当選確率が通常状態とは異なるように設定されているメイン状態であり、いわゆるリプレイタイムと呼ばれるものである。RT状態としては、RT1とRT2が設けられている。ボーナス内部中状態とは、ボーナスフラグが持ち越されているメイン状態であり、ボーナス作動中状態とはボーナスゲームが行われるメイン状態である。RT状態、ボーナス内部中状態、ボーナス作動中状態は、メイン特定状態に該当する。
各役抽選テーブルには、
図5に示す所定の当選の領域と、図示しないハズレの領域とが設定されている。当選の領域としては、一の役に対応付けられた当選領域である単独当選領域の他に、複数種類の役に対応付けられた重複当選領域が設定されている。
図5において、「BB」、「RB」、「チェリー」の当選領域は、それぞれ、BB、RB、チェリーの単独当選領域である。一方、当選領域の「リプレイA」〜「リプレイI」は所定のリプレイ役の重複当選領域であり、「ベルA」〜「ベルM」までの当選領域は所定のベル役の重複当選領域であり、「スイカ」は所定のスイカ役の重複当選領域となっている。
【0039】
ここで、上記した「ベルA」〜「ベルL」の12個の重複当選領域に対しては、3個のストップスイッチ50に基づく3通りの操作順序(押し順)が、それぞれ割り当てられている。具体的には、「ベルA」〜「左ベルD」の各当選領域に対しては、左停止スイッチ51を最初に操作する押し順(左第一停止)が、「ベルE」〜「ベルH」の各当選領域に対しては、中停止スイッチ52を最初に操作する押し順(中第一停止)が、「ベルI」〜「ベルL」の各当選領域に対しては、右停止スイッチ53を最初に操作する押し順(右第一停止)が、それぞれ割り当てられている。割り当てられている押し順が、各当選領域の当選に対する正解の押し順となる。そして、前記重複当選領域のいずれかが当選した場合、正解の押し順で、ストップスイッチ50が操作(停止操作)されたか否かによって、ベル役が入賞し得るか否かが変化するようになっているが、これについては後述する。なお、押し順の設定は、上記した3通りを設定する場合に限られない。例えば、各当選領域に、3個のストップスイッチ50に基づく6通りの押し順(左中右、左右中、中左右、中右左、右中左、右左中)をそれぞれ割り当てることもできる。
【0040】
また、「リプレイA」〜「リプレイD」の4個の再遊技役の重複当選領域に対しては、3個のストップスイッチ50に基づく左第一停止以外の4通りの押し順が、それぞれ割り当てられている。具体的には、「リプレイA」には、ストップスイッチ50を「中、左、右」の順で操作する押し順が、「リプレイB」には、ストップスイッチ50を「中、右、左」の順で操作する押し順が、「リプレイC」には、ストップスイッチ50を「右、左、中」の順で操作する押し順が、「リプレイD」には、ストップスイッチ50を「右、中、左」の順で操作する押し順が、それぞれ割り当てられている。そして、割り当てられている押し順で停止操作したか否かにより、入賞する再遊技役が変化するようになっているが、この詳細については後述する。
【0041】
なお、当選領域「ベルA」〜「ベルL」を総称して「押し順ベル」といい、当選領域「リプレイA」〜「リプレイD」を総称して「押し順リプレイ」というものとする。
さて、
図5では明記していないが、各役抽選テーブルにおける小役の当選領域の全領域に対する割合(以下当選確率という)は、通常テーブル、RT1テーブル、RT2テーブル及び内部中テーブルにおいては、同等に設定されている。ボーナス中テーブルでは、「ベルM」、「スイカ」及び「チェリー」の当選確率の合計が他のテーブルに比べて非常に高く、例えば約1/1.1に設定されている。また、各役抽選テーブルにおける再遊技役の当選確率(合算値)は、RT2テーブルが最も高く、RT1テーブル及び通常テーブルが最も低く、内部中テーブルがその中間に位置するように設定されている。例えば、RT1テーブル及び通常テーブルでは、再遊技役の当選確率が約1/7.3に設定されており、RT2テーブルでは、再遊技役の当選確率が約1/1.5に設定されており、内部中テーブルでは、再遊技役の当選確率が約1/3に設定されている。これにより、メイン状態がRT2である遊技、ボーナス内部中状態である遊技は、ベットなしで遊技を行える再遊技の回数が増えるとともに、小役の当選確率は変化しないので、手持ちのメダルの目減りが少なくなる。
【0042】
なお、上記した役抽選テーブルの構成や当選確率は一例であって、上記した態様や数値に限られるものではない。
(メイン状態移行制御手段80)
メイン状態移行制御手段80は、メイン状態を特定し、メイン状態の移行を制御するためのものであり、図示しないが、移行条件判定手段、状態フラグ設定手段、遊技カウンタの各手段を備えている。
移行条件判定手段は、役抽選手段70の抽選結果、後述する遊技結果判定手段110の判定結果、及び以下に述べる遊技カウンタの計測値に基づいて、遊技状況が、メイン状態を移行させるための所定条件に該当するか否かを判定するためのものである。また、状態フラグ設定手段は、前記移行条件判定手段の判定結果及び役抽選手段70の抽選結果に基づいて、現在のメイン状態を記憶する所定の状態フラグを成立させるためのものである。遊技カウンタは、遊技に関する数値を計測するものである。具体的には、BB(RB)ゲーム中のゲーム回数、入賞回数、払出枚数などのカウントなどを行うものである。
【0043】
移行条件判定手段は、役抽選手段70の抽選結果に基づいてボーナス内部中状態への移行及び所定のRT状態の終了を決定し、遊技結果判定手段110の判定結果に基づいて、ボーナス内部中状態の終了、ボーナス作動中状態への移行、再遊技の作動、所定のRT状態への移行又は終了(ボーナス終了、他のRT状態への移行又は通常状態への復帰)を決定し、遊技カウンタの計測値に基づいて、ボーナス状態の終了(RT1状態への移行)、所定のRT状態の終了などを決定するようになっている。なお、メイン状態の移行の具体例については後述する。
また、状態フラグ設定手段の設定可能な状態フラグには、ボーナス内部中フラグ、ボーナス作動フラグ、RTフラグ(RT1〜3フラグ)がある。ボーナス内部中フラグはボーナス当選に基づきセットされ、ボーナス入賞に基づきリセットされる。ボーナス作動フラグは、ボーナス入賞に基づきセットされ、ボーナス終了条件成立によりリセットされる。RTフラグは、所定のRT状態への移行条件成立に基づきセットされ、RT状態の終了条件成立に基づきリセットされる。なお、通常状態においては通常状態フラグを設定してもよいし、状態フラグを特に設定しないようにしてもよい。
【0044】
また、状態フラグ設定手段は、上記した状態フラグとは別に、再遊技作動フラグを設定可能である。再遊技作動フラグは再遊技の作動決定に基づいてセットされ、1回の再遊技終了によりリセットされる。「再遊技作動中」とは、再遊技役の当選時に再遊技役に対応する図柄組合せが表示され(入賞し)てから、入賞に基づく再遊技(ベットなしで行えるゲーム)が終了するまでの期間である。状態フラグ設定手段が再遊技作動フラグを設定している場合には、再遊技作動中となり、次ゲーム開始前に、自動的に規定数のメダルが投入された扱い(自動ベット)とされる。具体的には、ベットスイッチ16の操作又はメダル投入によらず、図示しない所定のベット表示部にベット表示(かけ枚数の表示)がされて、その後のスタートスイッチ30の操作が可能となる。
【0045】
そして、状態フラグ設定手段の設定した状態フラグに応じて、役抽選手段70が対応する役抽選テーブルを選択し役抽選を行うことにより、通常状態、ボーナス内部中状態、ボーナス作動中状態、RT状態などの所定のメイン状態が発動する。すなわち、役抽選手段70は、状態フラグが成立していない場合には通常テーブル(
図5参照)を選択し、ボーナス内部中フラグが成立している場合には、内部中テーブルを選択し、ボーナス作動フラグが成立している場合にはボーナス中テーブルを選択し、所定のRTフラグが成立している場合には対応するRTテーブル(
図5のRT1、RT2テーブル)を選択する。
(リール制御手段90)
リール制御手段90は、スタートスイッチ30及びストップスイッチ50の操作信号に基づいて、回転リール40の回転及び停止を制御するためのものであり、
図2に示すように、回転制御手段91と、停止制御手段92とを少なくとも備えている。
【0046】
(回転制御手段91)
回転制御手段91は、スタートスイッチ30の有効な操作信号を受信した場合に、リールユニット60のステッピングモータを駆動させて回転リール40を回転させるためのものである。具体的には、規定数のベットがされている状態でスタートスイッチ30の操作信号を入力した場合には、前遊技における回転リール40の回転開始から一定時間(4.1秒、いわゆるウエイト時間)が経過していることを条件に、各ステッピングモータに駆動信号を出力することにより、全ての回転リール40の回転を一斉に、あるいは所定の順番で開始させる。そして、全ての回転リール40の回転速度が所定の定常回転速度(例えば80rpm)に達すると、この定常回転速度で定速回転を行わせるものとなっている。
【0047】
(停止制御手段92)
停止制御手段92は、リールユニット60に設けられた回転リール40の回転を検知するためのインデックスセンサ(図示せず)の検知信号に基づき、現時点における回転リール40の回転角度を把握し、ストップスイッチ50が操作された時点での回転リール40の回転角度から、所定の有効ライン上に位置している図柄を特定することができるようになっている。そして、特定された図柄を基準として、この基準図柄から回転方向にあらかじめ定められた個数(最大スベリコマ数、例えば4コマ)移動したときの図柄までの範囲で、対応する回転リール40を停止させるように形成されている。換言すれば、停止制御手段92は、ストップスイッチ50が操作された時点から対応する回転リール40が停止するまでに、この回転リール40が回転する回転量があらかじめ定められたコマ数の範囲内となるように、ステッピングモータの駆動停止を制御するものである。具体的には、前記基準図柄をその位置に停止させてもよい場合にはそのまま回転リール40を停止させ、その位置に停止させてはいけない場合には、回転リール40が停止するまでの時間を遅らせて、有効ライン上からその当選図柄を蹴飛ばして停止させる。また、最大スベリコマ数の範囲内に、当選図柄が含まれている場合には、回転リール40が停止するまでの時間を遅らせて、有効ライン上にその当選図柄を引き込んで停止させる。
【0048】
ここで、停止制御手段92は、複数の当選フラグが同時に成立している場合に、引き込み制御において、当選した複数の役のうちいずれの役を優先して引き込むかをあらかじめ設定している。例えば、異種役が同時当選している場合の引き込み優先順位を、再遊技役>小役>ボーナスに設定している。具体的には、ボーナス役と小役が同時に当選している場合には小役の図柄を優先して引き込み、ボーナス役と再遊技役が同時に当選している場合には再遊技役の図柄を優先して引き込む。
上記した制御は、優先度に基づいて停止位置候補を特定するための優先度判定データと、基準図柄から図柄何コマ分回転させて回転リール40を停止させるかを役抽選の結果及び停止スイッチ50の操作タイミングに応じて各当選図柄ごとにテーブル上に規定した停止テーブルとに基づいて行われる。また、停止図柄の情報は所定の記憶部に記憶される。
【0049】
次に、押し順が設定された当選領域が当選した場合の引き込み制御について詳述する。
まず、「押し順ベル」のいずれか、すなわち
図5に示す「ベルA」〜「ベルL」のいずれかの当選領域が当選した場合の停止制御について説明する。
本実施の形態においては、「ベルA」〜「ベルD」の領域に共通して含まれるベル10の図柄組合せを構成する図柄、「ベルE」〜「ベルL」の領域に共通して含まれるベル9の図柄組合せを構成する図柄は、いずれも、全ての回転リール40において最大スベリコマ数の範囲内に配置されている(
図3、
図4参照)。つまり、ベル9、ベル10は、ストップスイッチ50の操作のタイミングにかかわらず入賞可能な設定となっている。一方、各「押し順ベル」に含まれる、ベル9、ベル10以外のベル役の図柄組合せを構成する図柄は、全ての回転リール40において最大スベリコマ数の範囲内に配置されているわけではない。つまり、ベル9、ベル10以外のベル役は、目押しをしないと入賞できない設定となっている。そして、停止制御手段92は、役抽選により、いずれかの「押し順ベル」が当選した場合には、ストップスイッチ50の操作態様に応じて、当該領域に含まれるいずれかのベル役に対応する図柄組合せ、又は他のいずれの役に対応付けられた図柄組合せにも該当しない特定のハズレの図柄組合せであるブランク図柄(ベルブランク)を有効ライン上に停止表示させるように停止制御を行う。
【0050】
具体的には、役抽選により「押し順ベル」が当選した場合に、当選した当選領域に対して割り当てられている正解の押し順で各ストップスイッチ50が操作された場合には、ストップスイッチ50の操作のタイミングにかかわらず、ベル9又はベル10の図柄組合せを構成する図柄を、他のベル役の図柄組合せを構成する図柄に優先して、有効ライン上に引き込んで、ベル9又はベル10を入賞させる。一方、その正解の押し順以外の押し順(不正解の押し順)で各ストップスイッチ50が操作された場合には、ベル9又はベル10以外のベル役の図柄組合せを構成する図柄を、ベル9又はベル10の図柄組合せを構成する図柄に優先して、有効ライン上に引き込む制御を行う。ストップスイッチ50の操作のタイミングが、ベル9又はベル10以外のいずれかのベル役に対応する図柄を有効ライン上に引き込み可能な場合には、その図柄を有効ライン上に引き込んで、そのベル役を入賞させることができる。しかし、それらのベル役に対応する図柄のうちのいずれも有効ライン上に引き込むことができない場合には、ベルブランクを有効ライン上に停止表示させ、この場合には入賞はしない。
【0051】
このように、「押し順ベル」が当選した場合には、当該当選領域に設定された正解の押し順でストップスイッチ50が操作された場合には、必ずベル9又はベル10が入賞し、正解の押し順でストップスイッチ50が操作されなかった場合には、他のベル役が入賞するか、あるいは何の役も入賞しないようになっている。すなわち、ベル9及びベル10が正解役であり、それ以外のベル役は不正解役として位置付けられている。
なお、本実施の形態では、正解役と不正解役の配当が同じ設定となっているが、不正解役は正解役よりも払い出しが少ない(不正解の押し順で操作すると払い出しの少ない不正解役が入賞する)ように設定してもよい。また、この場合には、不正解役についても、当選していれば必ず引き込める設定にしてもよい。また、同時当選している役の配当は同じだが、正解押し順だと複数役が重複して入賞し、不正解押し順だと単独の役しか入賞しないかいずれの役も入賞しないように形成してもよい。
【0052】
なお、押し順が設定されていない「ベルM」の当選時に所定の順序でストップスイッチ50を操作すると、所定条件の下で、遊技の進行が不能な状態となるフリーズが発生するようになっているが、これについては後述する。
次に、「押し順リプレイ」のいずれか、すなわち、
図5に示す「リプレイA」〜「リプレイD」のいずれかの当選領域が当選した場合の停止制御について説明する。
ここで、「押し順リプレイ」に含まれる再遊技役のうち、リプレイ4〜13は、その入賞がメイン状態移行の契機となる移行契機役として位置付けられている。具体的には、リプレイ4は通常状態からRT1への移行契機役であり、リプレイ5〜11は通常状態からRT2への移行契機役となっている(
図4参照)。以下、RT1への移行契機役となっている再遊技役をRT1リプレイといい、RT2への移行契機役となっている再遊技役をRT2リプレイというものとする。
【0053】
本実施の形態では、「押し順リプレイ」の領域には、対応する図柄組合せを構成する図柄が、全ての回転リール40において最大スベリコマ数の範囲内となるよう配置されている再遊技役(リプレイ1、リプレイ9、リプレイ12、リプレイ13)が、少なくとも1つ必ず含まれている(
図3、
図4参照)。つまり、ストップスイッチ50の操作のタイミングにかかわらず、上記したいずれかの再遊技役が入賞可能な設定となっている。そして、停止制御手段92は、役抽選により上記した「押し順リプレイ」のいずれかが当選した場合には、ストップスイッチ50の操作態様に応じて、有効ライン上に停止表示させる再遊技役に対応する図柄組合せを異なるものとなるように停止制御を行う。
【0054】
具体的には、停止制御手段92は、「リプレイA」〜「リプレイD」の当選時に、正解の押し順で停止操作された場合には、RT2リプレイに対応する図柄組合せを有効ライン上に停止させる制御を行う。RT2リプレイのうちのリプレイ9は、ストップスイッチ50の操作タイミングにかかわらず入賞可能であるが、正解の押し順かつ特定のタイミングで停止操作すると、リプレイ5〜8、リプレイ10が入賞しうる。一方、不正解の押し順で停止操作された場合には、RT2リプレイ以外(具体的にはリプレイ1〜4)に対応する図柄組合せを有効ライン上に停止させる制御を行う。したがって、通常状態中において「リプレイA」〜「リプレイD」の当選時に正解の押し順でストップスイッチ50を操作すると、メイン状態がRT2に移行し、不正解の押し順でストップスイッチ50を操作すると、メイン状態がRT1に移行するか、もしくは移行しないことになる。
【0055】
(フリーズ制御手段100)
フリーズ制御手段100は、メイン制御装置21の制御に基づく遊技の進行が不能な状態となるフリーズを制御するためのものである。そして、
図2に示すように、フリーズタイマー101と、遊技操作無効手段102とを備えている。フリーズタイマー101は、遊技状況が所定のフリーズ実行条件を満たしており、所定のフリーズ開始契機に該当した場合に、あらかじめ設定されたフリーズ時間を計測するためのものである。遊技操作無効手段102はフリーズタイマー101の時計測中、遊技操作を無効にする処理を行わせるものである。
本実施の形態においては、(1)メイン状態がRT2である場合において、(2)役抽選の結果、特定の当選領域、具体的には「ベルM」が当選しており、(3)最初に操作されたストップスイッチ50(第一停止スイッチ)が左停止スイッチ51でない場合に、ゲーム終了後(全ての回転リール40が回転停止し入賞によるメダル払い出し終了後)、フリーズが発生する設定となっている。
【0056】
すなわち、フリーズ制御手段100は、上記した(1)〜(3)の条件が全て満たされた場合にフリーズの実行を決定し、フリーズ決定フラグをセットしてその旨を記憶する。そして、ゲーム終了後、フリーズ決定フラグがセットされている場合には、フリーズタイマー101が所定時間のタイムカウントを開始するとともに、遊技操作無効手段102は、ベット操作が有効化しない処理(ベット操作無効設定)を行う。具体的には、メダルセレクター4をキャンセル状態にしてメダルの投入を禁止し、ベットスイッチ16を操作無効状態とする処理を行う。例えば、ベットスイッチ16の操作信号が出力されないようにしたり、ベットスイッチ16の操作信号を受け付けないようにしたり、ベットスイッチ16をロック状態にして物理的に操作できないようにしたりする。そして、フリーズタイマー101がタイムアップした場合には、ベット操作無効設定を解除して、ベット操作を有効にする。
【0057】
さらに、本実施の形態においては、上記した(1)〜(3)の条件が全て満たされた場合において、サブ状態が所定の状態である場合には、サブ制御装置22の制御に基づき特定の演出が行われるように形成されているが、これについては後述する。
なお、フリーズ中、ベットスイッチ16の操作信号は受け付けるものの、ベット処理を行わない(ベット処理を留保する)ようにしてもよい。すなわち、ベットスイッチ16が操作されてもベット表示を行わずクレジットを減算しないようにする。このように形成した場合には、フリーズタイマー101のタイムアップ後、再度ベットスイッチ16を操作することなく、ベット表示が行われるとともにクレジットが減算される。
【0058】
また、フリーズ制御手段100は、上記以外の遊技中の所定時、例えばスタートスイッチ30の操作時において、所定の役が当選した場合などに、フリーズを実行可能であってもよい。
(遊技結果判定手段110)
遊技結果判定手段100は、ストップスイッチ50の操作によって回転リール40が全て停止したときに、当該遊技の結果を判定するためのものである。
具体的には、停止制御手段92の記憶している停止図柄の情報に基づき、有効ライン上に揃った図柄の組合せが、所定の役に対応するものか否かを判断し、所定の役に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示されたと判断した場合には、その判定結果情報を、ホッパー制御手段110及びメイン状態移行制御手段80に送信する。また、役に対応する図柄組合せではないが、メイン状態の移行契機となっている図柄組合せが表示されたと判断した場合には、その判定結果情報を、メイン状態移行制御手段80に送信する。判定結果情報を受信したホッパー制御手段110は、入賞メダルの払い出し処理を行い、メイン状態移行制御手段80は、ボーナス状態やRT状態への移行処理、あるいは再遊技作動処理を行う。さらに、演出制御装置22に所定の信号出力を行うことにより、画像表示部67やランプ68やスピーカ69により、入賞やボーナスゲームの開始際して所定の演出が行われるようにすることもできる。
【0059】
(ホッパー制御手段120)
ホッパー制御手段120は、遊技結果判定手段110の判定結果及び精算スイッチ17の操作に基づいて、ホッパーユニット65を作動させメダルを払い出させるものである。すなわち、遊技結果判定手段100が払い出し小役の入賞を判定した場合には、当該小役入賞に応じたメダルを払い出し、クレジットが1以上ある場合に精算スイッチ17が操作されたときには、クレジットとして貯留されているメダルを払い出すようになっている。
(遊技制御信号出力手段130)
遊技制御信号出力手段130は、メイン状態の制御に関する情報あるいは所定のコマンドを、サブ制御装置22に出力するためのものである。例えば、現時点のメイン状態に関する情報、役抽選の結果に関する情報、回転リール40の回転開始情報、停止操作に関する情報、遊技結果に関する情報、入賞メダルの払い出し終了などの、遊技の進行に関する情報や、演出を開始させたり終了させたりするためのコマンドを、所定の契機で、サブ制御装置22に出力する。
【0060】
ここで、本実施の形態では、遊技制御信号出力手段130は、前記したフリーズ制御手段100がゲーム終了後のフリーズの実行を決定している場合には、ゲーム終了後に、サブ制御装置22に所定の信号を出力するようになっている。所定の信号は、演出開始コマンドとすることができる。これにより、フリーズが発生するタイミングをサブ側に伝達する。
なお、所定の信号を、ゲーム終了信号(メダル払い出し終了信号)としてもよい。この場合には、所定の信号はフリーズの実行が決定しているか否かにかかわらず出力されることとなるが、フリーズが発生するタイミングで出力されることにはかわりがない。
(メイン状態の移行)
ここで、上記したメイン状態移行制御手段80の制御に基づくメイン状態の移行について、
図6のフローを参照しつつ説明する。本実施の形態では、上述したように、メイン状態として、通常状態、ボーナス内部中状態、ボーナス作動中状態、RT状態を有しているとともに、RT状態として、RT1、RT2の、2つの状態を有している。
【0061】
本実施の形態におけるスロットマシン10は、初期状態(工場出荷時)のメイン状態は、通常状態となっている。すなわち、役抽選手段70は、役抽選に用いる役抽選テーブルとして通常テーブル(
図5参照)を取得している。そして、通常状態中に、既述したRT2リプレイ(リプレイ5〜11のうちのいずれか)が入賞した場合には、RT2に移行する。また、RT2中において、既述したベルブランクが表示された場合には、通常状態に移行する。
通常状態中において、RT1リプレイ(リプレイ4)が入賞すると、RT1に移行する。RT1中において、ベルブランクが表示された場合には通常状態に移行する。
【0062】
なお、通常状態中、RT状態中において、ボーナスが当選した場合にはボーナス内部中状態に移行し、ボーナス内部中状態においてボーナス役が入賞した場合には、ボーナス作動中状態に移行する。そして、払い出しメダル数が所定値を超えてボーナスゲームが終了することによりボーナス作動中状態が終了すると、RT1に移行するようになっている。
ここで、RT2中においては、所定条件の下で、後述するAT制御手段170の制御に基づき、「押し順ベル」が当選した場合に正解の押し順を報知(ナビ)する報知演出(ベルナビ)が行われるようになっている。また、通常状態中においては、所定条件の下で、RT2リプレイを入賞させるための正解の押し順を報知する報知演出(移行ナビ)が行われるようになっているが、これについては後述する。
【0063】
(サブ制御装置22)
サブ制御装置22は、メイン制御装置21からの出力信号に基づいて、画像表示部67やランプ68やスピーカ69等を制御するためのものである。そして、サブ制御装置22は、
図2に示すように、少なくとも、遊技制御信号入力手段140、サブ状態記憶手段150、演出表示制御手段160、AT制御手段170として機能する。
(遊技制御信号入力手段140)
遊技制御信号入力手段140は、遊技制御信号出力手段130から出力されたメイン状態の制御に関する情報あるいは所定のコマンドを入力するためのものである。
【0064】
(サブ状態記憶手段150)
サブ状態記憶手段150は、現在のサブ状態を記憶しておくためのものである。
サブ状態には、ATの実行が決定されているサブ特定状態であるAT状態(補助演出状態)と、それ以外の状態である非AT状態があり、非AT状態には、ボーナス状態と、サブ通常状態とが設けられている。また、AT状態には、ART待機状態と、通常ART状態(通常補助演出状態)と、特定ART状態(特別補助演出状態)が設けられており、特定ART状態には、継続待機状態と、上乗せ高確率状態とが設けられている。ここで、AT(アシストタイム)とは、当選役に関する情報を遊技者に報知する補助演出を実行可能なATゲームが行われる遊技期間であり、ART(アシストリプレイタイム)とは、メイン状態がRT状態中にATが行われる遊技期間である。
【0065】
前記ボーナス状態は、メイン状態がボーナス作動中状態である場合のサブ状態である。ART待機状態は、ATの実行が決定されており、かつメイン状態が通常状態又はRT1である場合のサブ状態である。通常ART状態は、ATが実行される状態であり、メイン状態がRT2である場合のサブ状態である。継続待機状態及び上乗せ高確率状態は、ART状態であって通常ART状態の終了後に滞在する所定期間のサブ状態である。サブ通常状態は、上記したいずれの状態にも該当しないサブ状態である。
そして、サブ状態記憶手段150は、遊技状態が上記した各サブ状態の条件に該当した場合には、それぞれに対応するサブ状態フラグをセットし、遊技状態が当該サブ状態の条件に該当しなくなった場合には、セットしたサブ状態フラグをリセットする。なお、サブ通常状態については、サブ状態フラグをセットしないようにしてもよい。サブ状態フラグの有無及び種類に応じて、AT制御手段170の制御に基づく報知内容が変化する。
【0066】
(サブ状態の移行)
ここで、サブ状態の移行の具体例を、
図7に基づき説明する。
前述したように、スロットマシン1は、初期状態(工場出荷時等)においては、メイン状態は通常状態であり、サブ状態もサブ通常状態となっている。そして、サブ通常状態中において、所定契機、例えば特定役の当選時や入賞時などに行われるAT抽選に当選すると、ART待機状態に移行する。
ART待機状態中であって、メイン状態が通常状態である場合には、RT2リプレイの当選時に移行ナビが行われる。ART待機状態中に所定のRT2リプレイが入賞すると、通常ART状態に移行する。
【0067】
また、サブ通常状態中であってメイン状態が通常状態である場合に、RT2リプレイが当選(「リプレイH」が当選・
図5参照)した場合には、通常ART状態に移行する。なお、遊技の結果、RT2リプレイのうちの特定の再遊技役(特定の図柄組合せが対応付けられた目押しの必要な再遊技役、例えばリプレイ8)が入賞した場合には、ART確定演出が行われる。
通常ART状態中においては、例えば、40ゲームを1セットとして、抽選により決定される1〜7セットが保障されており、後述する上乗せ抽選で当選した場合にはさらに所定回数のゲームが上乗せされる。そして、設定された回数のゲームが終了すると、継続待機状態又は上乗せ高確率状態に移行する。上乗せ高確率状態へは、次回ATの実行が決定されておりかつ上乗せ高確率状態への移行が決定されている場合に移行し、それらの条件に該当しない場合には継続待機状態に移行する。
【0068】
継続待機状態は、通常ART状態を継続するか否かの継続抽選が行われる所定ゲーム数の期間である。所定のゲーム数の間に継続抽選に当選した場合には通常ART状態に移行し、不当選の場合には所定のゲーム数の終了後にサブ通常状態に移行する。継続待機状態中には、後述する演出表示制御手段160の制御に基づき、継続抽選の結果を示唆する所定の連続演出が行われるようになっている。
上乗せ高確率状態は、ATゲーム数を上乗せするか否かの抽選が行われる所定ゲーム数の期間である。所定のゲーム数の間に上乗せ抽選に当選した場合には抽選結果に基づく所定回数のATが上乗せされて所定のゲーム数の終了後に通常ART状態に移行し、不当選の場合には所定のゲーム数の終了後に通常ART状態に移行する。上乗せ高確率状態中には、上乗せ抽選の当選を報知する演出が行われるようになっている。
【0069】
なお、特定ART状態である継続待機状態及び上乗せ高確率状態中においても、「押し順ベル」当選時にはベルナビが行われる。また、通常ART状態中又は上乗せ高確率状態中にベルブランクが表示された場合には、メイン状態が通常状態に転落するが、後述するATカウンタがゲーム数を有している限りAT状態は維持される。サブ状態がAT状態でメイン状態が通常状態である場合には、RT2リプレイの当選時に移行ナビが行われる。特定ART状態中にベルブランクが表示された場合には、メイン状態が通常状態に転落してART状態が終了する。
(演出表示制御手段160)
演出表示制御手段160は、演出制御手段であって、画像表示部67やランプ68やスピーカ69等の演出装置の作動を制御するためのものである。演出表示制御手段160は、以下に述べるAT制御手段170や、図示しない演出決定手段の決定に基づき、ROMに記憶されている演出データをもとに、所定のナビ表示や、連続演出に係る表示などを行わせる。
【0070】
(AT制御手段170)
AT制御手段170は、演出制御手段であって、ATを制御する手段である。本実施の形態における補助演出は、具体的には、押し順が設定された当選領域の当選時に押し順を報知する、いわゆる押し順ナビである。押し順ナビは、画像表示部67に、停止操作すべきストップスイッチ50の位置を左、中、右などの文字で表示させたり、スピーカ69から音声により指示したり、ストップスイッチ50のボタンの内部に設けた発光体の発光色を変化させて、最初に操作すべきストップスイッチ50を示すことなどにより行われる。
AT制御手段170は、図示しないが、AT抽選手段、報知実行手段を備え、メイン制御装置21から出力される遊技制御情報やサブ状態フラグの種類等に基づき、ATの開始及び終了を制御する。
【0071】
(AT抽選手段)
AT抽選手段は、ATの実行の有無及びゲーム数を抽選により決定するためのものである。本実施の形態においては、遊技中の所定契機、例えばボーナス当選時や、特定役の当選時又は入賞時などに、ART抽選を行う。ART抽選では、ARTのセット数を、例えば1〜7セットの範囲で決定する。AT抽選に当選した場合にはAT実行フラグをセットして抽選結果を記憶し、ARTが実行された場合にはAT実行フラグをリセットする。AT実行フラグは複数ストックすることができ、AT実行フラグを有している間は、ATの実行が決定されている状態となる。また、AT抽選手段は、上記した継続待機状態中に継続抽選を行うとともに、上記した上乗せ高確率状態中にゲーム数の上乗せ抽選を行う。上乗せ抽選の抽選結果もストック可能である。さらに、遊技中の所定時に、上乗せ高確率状態への移行の有無を抽選により決定する。
【0072】
なお、非AT状態中にストップスイッチ50を左第一停止以外の押し順で操作するなど所定のペナルティ条件に該当し、ペナルティが発生している場合には、ART抽選や上乗せ抽選は行われない。ペナルティは図示しないペナルティカウンタにより管理され、ペナルティカウンタがペナルティゲーム数を有している場合にはペナルティ状態として扱われる。ペナルティカウンタはゲームごとにペナルティゲーム数を減算するが、メイン状態がRT2中はペナルティゲーム数の減算を行わない。
ここで、本実施の形態においては、サブ状態がAT状態であってメイン状態がRT2である場合において、特定役、具体的には、押し順の設定されていないベル役の当選領域「ベルM」が当選した場合には、通常ART状態中に行われるATゲーム数が所定回数、例えば100〜300ゲーム、上乗せされる設定となっている。すなわち、AT抽選手段は、メイン状態がRT2のAT状態中において、遊技制御信号入力手段140が「ベルM」の当選に係る遊技制御信号を入力した場合には、100〜300の間で上乗せゲーム数の抽選を行う。
【0073】
そして、上乗せゲーム数が決定されると、前記した演出表示制御手段160は、サブ状態が通常ART状態中であり、かつ左第一停止以外の押し順でストップスイッチ50が操作された場合に限り、メイン制御装置21からの演出開始コマンドの入力を契機に、ATゲーム数の上乗せを報知する演出(フリーズ対応演出としての上乗せ報知演出)を実行させるように形成されている。
(報知実行手段)
報知実行手段は、補助演出を実行させるためのものであり、図示しないATカウンタを備えている。
【0074】
ATカウンタは、通常ART状態で行われるATのセット数及びゲーム数をカウントするものである。具体的には、ART抽選に当選すると、ARTのセット数を、当選に係る数だけ加算して記憶するとともに、1セット(40ゲーム)終了ごとに、記憶値を1だけ減算する。また、上乗せ抽選に当選すると、当選に係るゲーム数を加算する。ATカウンタがゲーム数を有している間は、通常ART状態が継続する。
報知実行手段が実行可能な補助演出には、上述したように、ベルナビと、移行ナビとが設けられている。そして、報知実行手段は、サブ状態がAT状態でメイン状態が通常状態ある場合にはRT2への移行ナビを行い、サブ状態がART状態である場合にはベルナビを行うように形成されている。
【0075】
ベルナビは、「押し順ベル」が当選した場合に正解の押し順を報知するものである。前述したように、正解の押し順で停止操作された場合には、正解役であるベル役が必ず入賞し、不正解の押し順で停止操作された場合には、不正解役であるベル役が入賞するか、何の役も入賞しない。非入賞の場合には、ベルブランクが表示される。
移行ナビは、「押し順リプレイ」が当選した場合に、RT2リプレイを入賞させるための正解の押し順を報知するものである。正解の押し順で停止操作された場合には、RT2リプレイのいずれかが必ず入賞し、不正解の押し順で停止操作された場合には、RT2リプレイは入賞せず、RT1リプレイ又は移行契機役となっていない再遊技役(維持リプレイ、例えばリプレイ1など)のいずれかが必ず入賞する。
【0076】
さらに、本実施の形態においては、報知実行手段は、(1)サブ状態がAT状態であって(2)メイン状態がRT2である場合において、(3)フリーズ発生の契機となっている「ベルM」が当選した場合には、あらかじめ定められた押し順を報知するように形成されている。具体的には、上記した(1)〜(3)の条件に該当した場合において、サブ状態が通常ART状態中であるときには、フリーズが発生する左第一停止以外(中第一停止又は右第一停止)を報知する報知演出(フリーズ発生報知、以下フリーズナビという)を行い、サブ状態が通常ART状態中でないとき、すなわち継続待機状態中や上乗せ高確率状態中であるときには、フリーズが発生しない左第一停止を報知する報知演出(フリーズ回避報知、以下フリーズ回避ナビという)を行うようになっている。また、フリーズナビ及びフリーズ回避ナビの報知態様は、ベルナビの報知態様と同一態様である。例えば、ベルナビの報知態様が、画像表示部67に停止操作すべきストップスイッチ50の位置を左、中、右などの文字で表示するものである場合には、フリーズナビ及びフリーズ回避ナビも、画像表示部67によって同様に行われる。
【0077】
ここで、前述したように、通常ART状態中における「ベルM」の当選時に左第一停止以外の押し順でストップスイッチ50が操作されたときには、上乗せ報知演出が行われる。また、メイン制御装置21においては、メイン状態がRT2である場合において、「ベルM」が当選しており、左第一停止以外の押し順でストップスイッチ50が操作された場合に、ゲーム終了後のフリーズを発生させる設定となっている。すなわち、フリーズナビに従って停止操作が行われた場合には、上乗せ報知演出がメインのフリーズを伴って実行される。一方、左第一停止以外のナビに従って停止操作が行われなかった場合には、上乗せ報知演出もフリーズも行われないこととなる。また、フリーズ回避ナビに従って停止操作が行われた場合には、上乗せ報知演出もフリーズも行われず、フリーズ回避ナビに従って停止操作が行われなかった場合には、上乗せ報知演出は行われないが、第一停止スイッチが左停止スイッチ51であれば、フリーズのみが発生する。いずれにしても、上乗せ報知演出は、メインのフリーズが発生しない場合には実行されず、上乗せ報知演出がメインのフリーズを伴って実行されるのは、(1)メイン状態がRT2であり、(2)サブ状態が通常ART状態であり、(3)「ベルM」が当選しており、(4)第一停止操作が左でない場合(フリーズナビに従った場合)に限られる。
【0078】
(スロットマシン10の作動)
次に、上記構成を有するスロットマシン10の、遊技制御装置21の制御に基づく遊技作動の概略を、
図8のフローに基づき説明する。
まず、
図8に示すステップ100において、規定数のメダルがベットされたか否かが判断される。ベットには、メダルの投入、ベットスイッチ16の操作の他、再遊技作動による自動ベットも含まれる。規定数のメダルがベットされない場合にはステップ100に戻り、規定数のメダルが投入された場合には、次のステップ101に進む。
ステップ101において、スタートスイッチ30がONとなったか否かが判断される。スタートスイッチ30がONにならない場合には、ステップ101に戻り、スタートスイッチ30がONとなった場合には、次のステップ102に進む。
【0079】
ステップ102において、役抽選手段70により役抽選処理が行われる。そして、次のステップ103に進む。
ステップ103において、回転リール40の回転開始処理が行われる。そして、次のステップ104に進む。
ステップ104において、いずれかのストップスイッチ50がONとなったか否かが判断される。ストップスイッチ50がONとならない場合には、ステップ104に戻り、いずれかのストップスイッチ50がONとなった場合には、次のステップ105に進む。
ステップ105において、フリーズ実行判定処理が行われる。そして、次のステップ106に進む。
【0080】
ステップ106において、回転リール40の回転停止処理が行われる。そして、次のステップ107に進む。
ステップ107において、全ての回転リール40が停止したか、すなわち3個の回転リール40に対応するストップスイッチ50の操作が行われたか否かが判定される。全ての回転リール40が停止していない場合にはステップ104に戻り、全ての回転リール40が停止した場合には、次のステップ108に進む。
ステップ108において、遊技結果判定処理が行われる。そして、次のステップ109に進み、遊技結果に応じた処理が行われる。すなわち、所定の役に対応する図柄が有効ライン上に表示された場合には、入賞メダルの払い出しや、再遊技作動又はボーナスゲームへの移行処理が行われ、1回のゲームが終了する。有効ライン上に停止した図柄配列が何の役に対応するものでもない場合には、そのまま1回のゲームが終了する。そして、次のステップ110に進む。
【0081】
ステップ110において、フリーズ決定実行フラグがセットされているか否かが判断される。フリーズ決定実行フラグがセットされていない場合には、そのまま処理を終了する。フリーズ決定実行フラグがセットされている場合には、次のステップ111に進む。
ステップ111において、フリーズ実行処理が行われる。そして処理を終了する。
次に、上記ステップ105のフリーズ実行判定処理及びステップ111のフリーズ実行処理について、
図9のフローに基づき説明する。
図9(A)はフリーズ実行判定処理を示すフローであり、
図9(B)はフリーズ実行処理を示すフローである。
まず、
図9(A)のステップ200において、第一停止操作か、すなわちONとなったストップスイッチ50は最初に操作されたものか否かが判断される。最初の操作か否かは、既に停止している回転リール40の有無により判断することができる。第一停止操作でないと判断された場合にはそのまま処理を修了し、第一停止操作であると判断された場合には、次のステップ201に進む。
【0082】
ステップ201において、左停止か、すなわち左停止スイッチ51が操作されたか否かが判断される。左停止でないと判断された場合にはそのまま処理を修了し、左停止であると判断された場合には、次のステップ202に進む。
ステップ202において、メイン状態がRT2中であるか否かが判断される。メイン状態がRT2中でないと判断された場合にはそのまま処理を修了し、メイン状態がRT2中であると判断された場合には、次のステップ203に進む。
ステップ203において、「ベルM」が当選しているか否かが判断される。「ベルM」が当選していないと判断された場合にはそのまま処理を終了し、「ベルM」が当選していると判断された場合には、次のステップ204に進む。
【0083】
ステップ204において、フリーズ決定フラグがセットされる。そしてフリーズ実行判定処理を終了する。
次に、フリーズ実行処理について説明する。
図9(B)のステップ300において、遊技操作無効手段102によりベット操作無効設定が行われ、フリーズタイマー101がタイムカウントを開始する。ここで、フリーズタイマー101の計測する時間は、上乗せ報知演出の実行時間と同等の時間にセットされている。そして、次のステップ301に進む。
ステップ301において、フリーズタイマー101がタイムアップしたか否かが判断される。タイムアップしていないと判断された場合にはステップ301に戻り、タイムアップしたと判断された場合には、次のステップ302に進む。
【0084】
ステップ302において、ベット操作無効が解除される。そして次のステップ302に進み、フリーズ決定フラグがリセットされる。そしてフリーズ実行処理を終了する。
続いて、サブ制御装置22の制御に基づくフリーズ対応演出実行判定処理について、
図10のフローに基づき説明する。なお、メイン状態や操作手段の操作状況は、メイン制御装置21の遊技制御情報出力手段130から遊技の進行に応じて出力される情報信号の入力に基づき判断される。
まず、
図10のステップ400において、メイン状態がRT2中であるか否かが判断される。メイン状態がRT2中でないと判断された場合にはそのまま処理を修了し、メイン状態がRT2中であると判断された場合には、次のステップ401に進む。
【0085】
ステップ401において、「ベルM」が当選しているか否かが判断される。「ベルM」が当選していないと判断された場合にはそのまま処理を修了し、「ベルM」が当選していると判断された場合には、次のステップ402に進む。なお、「ベルM」が当選した場合には、所定のATゲーム数の上乗せが確定する。
ステップ402において、サブ状態がAT状態であるか否かが判断される。サブ状態がAT状態でないと判断された場合にはそのまま処理を修了し、サブ状態がAT状態であると判断された場合には、次のステップ403に進む。
ステップ403において、サブ状態が通常ART状態であるか否かが判断される。サブ状態が通常ART状態であると判断された場合には、次のステップ404に進む。
【0086】
ステップ404において、中第一停止又は右第一停止の押し順でフリーズナビを発生させる。中第一停止、右第一停止のいずれをナビするかはあらかじめ設定しておいてもよいし、ゲームごとに抽選で決定してもよい。そして、次のステップ405に進む。
ステップ405において、左第一停止で停止操作が行われたか否かが判断される。左第一停止で停止操作が行われなかったと判断された場合、すなわちフリーズナビに従って停止操作が行われた場合には、次のステップ406に進む。
ステップ406において、メイン制御装置21からの所定の信号入力を待って、フリーズ対応演出(上乗せ報知演出)を実行させる。すなわち、当該ゲーム終了後に、メインフリーズを伴って、上乗せ報知演出が行われる。そして、フリーズ対応演出実行判定処理を終了する。
【0087】
前記ステップ403において、サブ状態が通常ART状態でないと判断された場合、すなわち、継続待機状態もしくは上乗せ高確率状態である場合には、ステップ407に進む。
ステップ407において、左第一停止の押し順でフリーズ回避ナビを発生させる。そして、次のステップ408に進む。
前記ステップ405において、左第一停止で停止操作が行われたと判断された場合、すなわちフリーズナビに従わなかった場合にも、ステップ408に進む。
ステップ408において、状態に応じた処理が行われる。具体的には、サブ状態が継続待機状態もしくは上乗せ高確率状態である場合には、メイン制御装置21からの所定の信号入力に基づき、各状態に対応した実行予定の演出がある場合にはその演出を実行させ、実行予定の演出がない場合にはそのまま処理を修了する。また、フリーズナビに従わなかった場合には、メイン制御装置21からの所定の信号入力に基づき、上乗せ報知演出とは異なる、別の演出を実行させてもよい。この場合には、メインフリーズは発生するものの、そのフリーズがATゲーム数の上乗せ報知をするものなのか否かは判別できない。そして、フリーズ対応演出実行判定処理を終了する。
【0088】
なお、フリーズ対応演出が実行されない場合であっても、ATゲーム数の上乗せが確定している場合(フリーズナビに従わなかった場合)には、次ゲームのスタート操作時にATカウンタのカウント値が加算される処理が行われる。
(総括)
以上のように、本実施の形態では、「ベルM」の当選に基づくATゲーム数の上乗せが発生した場合には、サブ状態が通常ART状態である場合にのみ、フリーズ付きの上乗せ報知演出を実行させるように形成されている。すなわち、状態に応じて連続演出が行われる設定となっている継続待機状態や、上乗せ抽選の結果に基づき上乗せ報知演出が行われる可能性がある上乗せ高確率状態においては、「ベルM」の当選に基づく上乗せ報知演出は実行されない。このように形成したことにより、フリーズ対応演出が行われたことで継続待機状態が終了したのかと遊技者が誤解したり、上乗せ高確率状態中に行われる上乗せ報知演出とフリーズ対応演出とがバッティングして遊技者が混乱したりすることがなく、状態に応じた演出を適切に行うことができる。
【0089】
また、上記した条件に加え、特定の押し順で停止操作した場合に、フリーズ対応演出を実行させるように形成されているとともに、状態に応じて、フリーズナビ又はフリーズ回避ナビを行い、特定の押し順又はそれ以外の押し順をナビするようにしている。これにより、メイン制御装置21の制御に基づくフリーズを、サブ制御装置22の制御により間接的にコントロールすることができるものとなっている。また、フリーズナビ及びフリーズ回避ナビは、ベルナビが行われ得るART状態中に行われるので、遊技者は違和感なくフリーズナビ及びフリーズ回避ナビに従うことができる。しかも、フリーズナビ及びフリーズ回避ナビの態様は、「押し順ベル」当選時のベルナビと同一態様であり、ベルナビを無視すると入賞を逃す場合があるだけでなく不利な遊技状態に移行することもあるため、遊技者がフリーズナビ及びフリーズ回避ナビを故意に無視する可能性は低いことに加えて、同一の報知態様であることにより、遊技者が戸惑って操作ミスが助長されることもない。結果として、フリーズナビ及びフリーズ回避ナビが発生した場合には遊技者がナビに従って停止操作を行い、フリーズを伴う上乗せ報知演出を実行させ、又は実行させないようにすることができる可能性を、ART状態中でないときにフリーズナビ及びフリーズ回避ナビを行う場合や、フリーズナビ及びフリーズ回避ナビの報知態様がベルナビの報知態様と異なる場合に比べて高いものとすることができる。
【0090】
(変形例)
上記した実施の形態では、「ベルM」の当選時にはストップスイッチ50の操作タイミングにかかわらず「ベルM」に含まれるいずれかのベル役が入賞する設定となっていたが、フリーズ発生の契機となる役は、かかる目押し不要の役である場合に限られず、遊技の結果、入賞しない場合がある役であっても構わない。また、ATは押し順を報知するものに限られず、当選役に対応する図柄に関する報知(目押しすべき図柄の報知)を行うものや、押し順とともに目押しすべき図柄の報知を行うものであってもよい。
また、上記した実施の形態では、押し順の設定されていない「ベルM」の当選時にフリーズが発生し得るように形成してあったが、フリーズ発生の契機となる役は、押し順の設定されていない役に限られるものではない。例えば、正解の押し順として左第一停止が対応付けられている特定の役(例えばベル役)の当選時に「左、右、中」の順で停止操作された場合にフリーズを発生させるように形成し、フリーズを発生させたくない場合には「左、中、右」をナビし、フリーズを発生させたい場合には「左、右、中」をナビすることにより、特定の役の入賞に影響を与えずに、上記した実施の形態と同様の効果を得ることができる。さらに、特定の遊技状態において抽選結果がハズレの場合に特定の押し順で停止操作された場合にフリーズを発生させるようにしてもよい。
【0091】
また、上記した実施の形態では、所定の条件を満たしている場合にはゲーム終了後にフリーズ対応演出を行わせる設定となっていたが、フリーズ対応演出を行わせるタイミングは、かかるタイミングに限られず、例えば第一停止操作後や、次ゲームのベット後やスタート操作時に実行するようにしてもよい。ベット後のフリーズ又はスタートスイッチ30のスタート操作時のフリーズは、スタートスイッチ30の操作を無効にし、又はスタートスイッチ30の操作に基づく回転リール40の回転開始を留保することにより、回転リール40を回転させないようにするものであり、第一停止操作後のフリーズは、ストップスイッチ50の操作を無効にし、又はストップスイッチ50の操作に基づく回転リール40の回転停止を留保することにより、回転リール40を回転停止させないようにするものである。
【0092】
ここで、スタートスイッチ30やストップスイッチ50の操作を無効にするとは、操作信号が出力されないようにすることや、操作信号が出力されても制御装置20が受け付けないようにすることのほか、操作部(レバーやボタン)をロック状態にして物理的に操作不能にすることも含まれる。また、回転リール40の回転開始や回転停止を留保するとは、スタートスイッチ30やストップスイッチ50の操作信号を受け付け後、ステッピングモータを駆動開始させるための信号(スタート信号)や駆動停止させるため信号(ストップ信号)の出力を遅延させることである。スタートスイッチ30の操作を無効にした場合には、スタートスイッチ30が操作されても役抽選は行われず、フリーズ解除後、再度スタートスイッチ30を操作することにより、役抽選が行われ、回転リール40が回転開始する。回転リール40の回転開始を留保するようにした場合には、スタートスイッチ30の操作に基づき役抽選が行われるが回転リール40は回転開始せず、フリーズ解除後、再度スタートスイッチ30を操作することなく、回転リール40が回転開始する。また、ストップスイッチ50の操作を無効にした場合には、フリーズ解除後、再度ストップスイッチ50を操作することにより、対応する回転リール40が回転停止する。回転リール40の回転停止を留保するようにした場合には、フリーズ解除後、再度のストップスイッチ50の操作によらず回転リール40が回転停止する。
【0093】
またここで、本実施の形態においては、フリーズ発生の操作態様と合致しているか(正解操作)か否かは第一停止操作において判断できるので、第一停止操作時のフリーズが可能である。例えば、最初に受信したストップスイッチ50の操作信号が、正解操作に係るストップスイッチ50(左停止スイッチ51)のものであった場合には、左リール41を回転停止させるためのストップ信号を出力しないように制御することができる。もちろん、左第一停止で操作された場合に、第一停止後にフリーズを発生させる(第二、第三停止操作で回転リール40が回転停止しない)ようにしてもよい。また、正解操作か否かを第二停止操作で判断できる場合には、第二停止操作時や、第二停止操作後に、フリーズを発生させるようにすることができる。
【0094】
なお、スタートスイッチ30の操作を契機に行わせるメイン管理の演出としては、回転リール40が回転しないことにより遊技の進行が不能な状態となるフリーズに限られず、回転リール40が通常の回転態様と異なる態様で回転する回胴演出を行わせるようにしてもよい。
さらに、フリーズ及びフリーズ対応演出を実行させるための所定条件は、上記した抽選結果やメイン状態、サブ状態に限定されるものではなく、ストップスイッチ50の操作態様も、押し順に限定されるものではない。例えば、上記した実施の形態では、「ベルM」の当選時には必ずATゲーム数の上乗せがされるように形成してあったが、特定役の当選時に、0〜300ゲームの範囲で上乗せ回数を抽選し、特定役の当選に基づく上乗せ数が1以上の場合に、所定の停止操作態様をナビするフリーズナビを行い、ナビに従った場合にはフリーズ及びフリーズ対応演出(上乗せ報知演出)が行われるようにしてもよい。また例えば、メイン状態が所定状態(通常状態を含む)であってサブ状態がAT状態である場合に、抽選結果が所定の結果(ハズレを含む)のときにART抽選を行い、特定のタイミングでストップスイッチ50が操作された(特定の図柄組合せが表示された)場合に、ART状態への移行の権利が取得され、フリーズ及びフリーズ対応演出(ART移行予告報知)が実行されるようにしてもよい。この場合にも、特定の図柄組合せに含まれる図柄あるいは特定の図柄組合せ以外の図柄組合せに含まれる図柄を狙うようサブ側で報知することにより、フリーズの有無をサブ側で間接的にコントロールすることができる。
【0095】
なお、フリーズナビ及びフリーズ回避ナビの報知態様は、AT(ART)中に行われるベルナビや移行ナビと同一態様のものに限られない。例えばAT中のナビは液晶表示装置67に左、中、右などの文字を表示し、フリーズナビ及びフリーズ回避ナビは矢印の方向で操作順を指示するものとしてもよい。あるいは、AT中のナビは液晶表示装置67を用いた表示とし、フリーズナビ及びフリーズ回避ナビは音声出力によるものとしてもよい。ただ、AT(ART)中に行われるナビと同一態様である方が、遊技者がナビに従う蓋然性が高く、操作ミスを誘発する可能性も減るので、同一態様とする方がより好ましい。
また、本発明には、フリーズ対応演出を行わない仕様も含まれる。すなわち、サブ状態に応じてフリーズナビ及びフリーズ回避ナビを使い分け、メインフリーズの発生をコントロールできるようになっていればよい。
【0096】
本発明は、スロットマシン以外の遊技機、例えば遊技媒体として遊技球を用いて、スロットマシンと同様の遊技を行わせるパロット遊技機にも応用できるものである。