特許第5780508号(P5780508)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5780508製材用の丸太材の準備方法と、それを利用する丸太材の製材方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5780508
(24)【登録日】2015年7月24日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】製材用の丸太材の準備方法と、それを利用する丸太材の製材方法
(51)【国際特許分類】
   B27B 25/04 20060101AFI20150827BHJP
【FI】
   B27B25/04 A
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2010-285725(P2010-285725)
(22)【出願日】2010年12月22日
(65)【公開番号】特開2012-131137(P2012-131137A)
(43)【公開日】2012年7月12日
【審査請求日】2013年11月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】591030385
【氏名又は名称】株式会社共和キカイ
(74)【代理人】
【識別番号】100090712
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 忠秋
(74)【代理人】
【識別番号】100167313
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 ▲高▼春
(72)【発明者】
【氏名】今村 博史
【審査官】 細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−052352(JP,A)
【文献】 特開平07−076002(JP,A)
【文献】 特開2008−265199(JP,A)
【文献】 特開平03−247407(JP,A)
【文献】 特開2002−370204(JP,A)
【文献】 米国特許第04881584(US,A)
【文献】 米国特許第05676238(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B27B 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送材チェーンの左右の対称位置において送材チェーンより高く上昇している投入部の前後の回転スプロケット上に丸太材を投入し、外周検出センサを使用して丸太材の複数箇所の断面形状を含む形状データを取得し、形状データに基づいて丸太材の前端部と後端部とが最も低くなるように丸太材を回転制御し、回転スプロケットを送材チェーンより低く下降させて丸太材を送材チェーン上に移載し、ガイドスプロケットにより送材チェーン上の丸太材を送材可能に拘束し、送材チェーン上に拘束した丸太材を投入部から形状センサを経由して設定部に送材し、形状センサによって採取した丸太材の全体断面形状データを使用して設定部の丸太材の左右傾きと前後高さとを含む製材条件を設定するとともに製材機を準備し、製材条件を維持しながら丸太材を製材機に送材して製材することを特徴とする丸太材の製材方法。
【請求項2】
丸太材を回転制御した後、丸太材の前端部から後端部までの水平方向の曲りを送材チェーンの左右に配分するように丸太材を姿勢制御することを特徴とする請求項1記載の丸太材の製材方法。
【請求項3】
元口を前方側として丸太材を回転スプロケット上に投入することを特徴とする請求項1または請求項2記載の丸太材の製材方法。
【請求項4】
共通の送材チェーンにより、投入部の丸太材を設定部に送材すると同時に設定部の丸太材を製材機に送材することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか記載の丸太材の製材方法。
【請求項5】
投入部における丸太材の投入から拘束までの一部または全部の工程を丸太材の送材中に実施することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか記載の丸太材の製材方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、製材機において、丸太材を送材して製材するために使用する製材用の丸太材の準備方法と、それを利用する丸太材の製材方法に関する。
【背景技術】
【0002】
上下左右の木端取り用の切削刃以外に、丸太材をチップ化する切削刃、丸太材を挽き割る鋸刃をそれぞれ上下左右に設けることにより、丸太材を一方向にのみ送材して必要な木取計画に対応可能な製材機に対し、前部、後部を個別に昇降可能なチェーンフレームを介して送材チェーンをベースフレームに組み込む送材装置が提案されている(特許文献1)。
【0003】
この送材装置は、送材チェーン上の丸太材をガイドスプロケットにより送材可能に拘束して製材機に送材することにより、任意の木取計画を実行して製材することができるため、丸太材を90°ずつ回転させながら往復送材する従前の送材装置に比して、送材装置の小形化とサイクルタイムの短縮などを実現することができた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−52352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
かかる従来技術によるときは、丸太材を送材装置に投入して送材チェーン上にセットするに際し、丸太材の曲りを下向き姿勢にするという熟練した手動操作を必要とし、サイクルタイムや歩留りになお向上の余地があるという問題があった。
【0006】
そこで、この発明の目的は、かかる従来技術の問題に鑑み、丸太材の形状データに基づいて丸太材を自動的に送材チェーン上にセットするとともに、レーザセンサによって採取する全体断面形状データに基づいて製材条件を設定することによって、歩留りを向上させると同時に一層短いサイクルタイムの全自動運転を実現することができる製材用の丸太材の準備方法と、それを利用する丸太材の製材方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するためのこの発明の構成は、送材チェーンの左右の対称位置において送材チェーンより高く上昇している投入部の前後の回転スプロケット上に丸太材を投入し、外周検出センサを使用して丸太材の複数箇所の断面形状を含む形状データを取得し、形状データに基づいて丸太材の前端部と後端部とが最も低くなるように丸太材を回転制御し、回転スプロケットを送材チェーンより低く下降させて丸太材を送材チェーン上に移載し、ガイドスプロケットにより送材チェーン上の丸太材を送材可能に拘束し、送材チェーン上に拘束した丸太材を投入部から形状センサを経由して設定部に送材し、形状センサによって採取した丸太材の全体断面形状データを使用して設定部の丸太材の左右傾きと前後高さとを含む製材条件を設定するとともに製材機を準備し、製材条件を維持しながら丸太材を製材機に送材して製材することをその要旨とする。
【0008】
なお、丸太材を回転制御した後、丸太材の前端部から後端部までの水平方向の曲りを送材チェーンの左右に配分するように丸太材を姿勢制御することができる。
【0009】
また、元口を前方側として丸太材を回転スプロケット上に投入してもよい。
【0011】
なお、共通の送材チェーンにより、投入部の丸太材を設定部に送材すると同時に設定部の丸太材を製材機に送材することができる。
【0012】
また、投入部における丸太材の投入から拘束までの一部または全部の工程を丸太材の送材中に実施してもよい。
【発明の効果】
【0013】
かかる発明の構成によるときは、丸太材を投入する回転スプロケットは、送材チェーンの上方にあり、送材チェーンと干渉することなく丸太材を送材チェーン上に投入することができる。外周検出センサは、丸太材の複数箇所の形状データを取得することができるから、回転スプロケットは、形状データに基づいて前端部と後端部とが最も低くなるように丸太材を回転制御し、送材チェーンより低く下降することにより、丸太材の曲りを自動的に正しく下向き姿勢にして丸太材を送材チェーン上に移載することができる。また、ガイドスプロケットは、送材チェーン上の丸太材を上から押さえて丸太材を送材可能に拘束する。なお、外周検出センサは、たとえば左右の検出ロッドにより丸太材を挟みながら、回転スプロケットを介して丸太材を少なくとも1/2回転させることにより、丸太材の全周の断面形状を含む形状データを取得する。また、以上の一連の工程は、全自動運転可能であり、手動操作が不要である。
【0014】
丸太材は、回転制御の後、水平方向の曲りを送材チェーンの左右に配分するように姿勢制御することによって、一層歩留りのよい製材姿勢を実現することができる。なお、このような姿勢制御は、丸太材の前端部、後端部を支持している回転スプロケットを左右にシフトさせて実現する。
【0015】
元口を前方側とする丸太材は、送材チェーンで送材すると、ガイドスプロケットが大径の元口から小径の末口に向けて丸太材の外周上を斜め下向きに回転走行するため、スムーズな送材が可能となる。
【0016】
なお、送材チェーン上の丸太材は、投入部でセットされた所定の安定姿勢で形状センサを経由して設定部に送材され、形状センサにより詳細な全体断面形状データを採取することができる。全体断面形状データは、木取計画に使用され、この木取計画に従って、丸太材は、送材チェーン上で左右の傾きと前後高さとを含む製材条件が設定され、製材条件を維持しながら製材機へ送材して製材される。したがって、丸太材は、個々の形状に対して最適に木取計画され、歩留りを最大に向上させることができる。なお、形状センサは、たとえば丸太材を前後に通過させるトンネル状のフレーム内に複数のレーザ光の投受光素子を配設するレーザセンサを使用することができる。
【0017】
共通の送材チェーンを介して投入部の丸太材を設定部に送材すると同時に設定部の丸太材を製材機に送材すれば、丸太材の移送のための格別な部材や時間を要することがなく、サイクルタイムを短縮することができる。
【0018】
製材用の丸太材の準備方法の一部または全部の工程を丸太材の送材中に実施すれば、サイクルタイムをさらに短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】全体構成模式正面図
図2】要部構成斜視図(1)
図3】要部構成斜視図(2)
図4】要部拡大説明図
図5】要部拡大動作図(1)
図6】要部拡大斜視図(1)
図7】要部拡大斜視図(2)
図8】要部拡大動作図(2)
図9】全体動作説明図
図10】要部動作説明図(1)
図11】要部動作説明図(2)
図12】要部動作説明図(3)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を以って発明の実施の形態を説明する。
【0021】
製材用の丸太材の準備方法と、それを利用する丸太材の製材方法を実施する送材装置は、上流側の投入部と、下流側の設定部とを備えている(図1)。投入部、設定部は、共通の送材チェーン21を介して連結されており、送材チェーン21用の投入部のチェーンフレーム23、設定部のチェーンフレーム24は、連結軸22を介して上下に相対回転自在に連結されている(図2図3)。また、投入部のチェーンフレーム23の前端部には、取付部71、71を介し、送材チェーン21を前後に貫通させる形状センサとしてのレーザセンサ70が設置されている(図2図4)。ただし、図1図3において、前側、後側は、それぞれ各図の左側、右側であり、送材チェーン21の進行方向は、図1の矢印方向である。なお、図1には、設定部の送材チェーン21の前方に配置する製材機MCの後部が模式的に図示されており、製材機MCの後端部の木端取り用以外の左右の切削刃MC1 、MC1 の片側、上下の切削刃MC2 、MC2 が図示されている。
【0022】
投入部は、前後に長いベースフレーム11と、ベースフレーム11に組み込む送材チェーン21用のチェーンフレーム23と、送材チェーン21の上方に配置する4組のガイドスプロケット31、31…と、送材チェーン21の左右の各2枚ずつを前後に2組配置する回転スプロケット41、41…と、送材チェーン21の左右の各一対を前後に6組配置する外周検出センサ50、50…と、ガイドスプロケット31、31…の前方の回転センサ60とを備えている(図1図2)。ただし、図2では、最前方のガイドスプロケット31の図示が省略されている。
【0023】
投入部のチェーンフレーム23の後端部は、ベースフレーム11の後端の昇降装置13を介して昇降可能に支持されている。昇降装置13は、水平軸13aを介して前後に揺動可能な揺動板13bに昇降板13cを搭載し、昇降板13cは、昇降モータ13dを介して昇降駆動することができる。昇降板13c、チェーンフレーム23は、支持軸13e、横材33aを介して連結されており、チェーンフレーム23は、支持軸13eを介し、昇降板13cに対して上下に揺動可能である。なお、チェーンフレーム23の前端は、連結軸22を介して設定部のチェーンフレーム24の後端に連結されており、チェーンフレーム24の後端に連動して昇降可能である。
【0024】
投入部のガイドスプロケット31、31…は、送材チェーン21の中心線C上に前後方向に一直線状に配置されており(図2図5)、前後の横材33b、33aを介してチェーンフレーム23と一体の支持フレーム33上において、それぞれ上下に揺動可能な揺動フレーム31aの先端の回転軸31bの一端に固定されている。各ガイドスプロケット31は、回転軸31bに連結するシリンダ31dを伸縮させることにより、揺動フレーム31aを介して送材チェーン21上の丸太材Wに向けて下降させ、上方に高く退避させることができる。なお、図5では、丸太材Wは、送材チェーン21より高い位置の回転スプロケット41、41上に図示されている。
【0025】
前後各1組の回転スプロケット41、41…は、送材チェーン21の左右にそれぞれ前後方向の2枚が共通の回転軸41aに装着されている(図2図6)。なお、回転軸41a、41a…は、共通の昇降フレーム42の上面の前後左右に搭載されており、前後の回転軸41a、41aは、昇降フレーム42の片側の共通の駆動軸41bにチェーン連結されている。昇降フレーム42の左右の駆動軸41b、41bは、それぞれ昇降フレーム42の後端の駆動モータ41cにチェーン連結されている。そこで、回転スプロケット41、41…は、駆動モータ41c、41cを介して同方向に一斉に同期回転させることにより、回転スプロケット41、41…上の丸太材Wを軸まわりに回転させることができる(図5の各矢印方向)。
【0026】
昇降フレーム42は、図示しない前後のシリンダを介してベースフレーム11内に昇降自在に組み込まれており、前後の揺動板42c、42cを介してベースフレーム11に連結されている(図2図7)。なお、図7は、昇降フレーム42の前端部を図示している。
【0027】
昇降フレーム42の前端部、後端部は、それぞれプレート42b1 上に立設する縦軸42bのまわりに水平回転自在であり、プレート42b1 は、揺動板42cの上端の水平軸42c2 のまわりに揺動自在である。一方、揺動板42cの下端の軸42c1 の一端には、スライド板43が相対回転自在、軸方向に相対移動不能に連結されており、スライド板43は、ボールねじ43c、駆動モータ43eを介してブラケット11b上を左右に移動可能である。そこで、昇降フレーム42は、図示しないシリンダを伸縮させて回転スプロケット41、41…を送材チェーン21の上下に昇降させることができる。また、昇降フレーム42上の回転スプロケット41、41…は、前後の駆動モータ43e、43eを介して対応する揺動板42cを左右に移動させ、昇降フレーム42を介して前後の各1組を個別に左右にシフトさせることができる。
【0028】
左右各一対の外周検出センサ50、50…は、1組ごとに、送材チェーン21の両側に上向きの検出ロッド51、51を左右対称に設けている(図2図6)。各検出ロッド51は、L字状の屈曲軸51a、軸受51b、51bを介し、チェーンフレーム23の側面に対して水平旋回自在に装着されている。また、各検出ロッド51の下端は、連結材51cを介してシリンダ53のロッドに連結され、各シリンダ53の後端は、ブラケット53aを介して補助フレーム33cに水平回転自在に取り付けられており、補助フレーム33cは、チェーンフレーム23と一体の支持フレーム33に固定されている。各シリンダ53には、伸縮ストロークを測定するセンサが組み込まれており、一対の検出ロッド51、51は、回転スプロケット41、41上の丸太材Wを左右から挟むことにより(図5)、送材チェーン21の中心線Cから丸太材Wの外周までの距離a1 、a2 を測定することができる。
【0029】
回転センサ60は、支持フレーム33の前端部に搭載されている(図2)。回転センサ60は、シリンダ63aを介して上下に揺動する揺動アーム63の先端に後向きの回転軸61を取り付け、回転軸61には、回転軸61の回転角度を検出する図示しないエンコーダが連結されている。回転軸61は、シリンダ63aを伸縮させて、送材チェーン21の中心線C上の作動位置に進出させ、作動位置から上方に退避させることができ、別のシリンダ62を伸縮させて前後方向に移動させることができる。
【0030】
レーザセンサ70は、チェーンフレーム23の取付部71、71に固定する短いトンネル状のフレーム73の内側に3組のレーザ光の投受光素子72、72…を等角度に配置している(図4)。レーザセンサ70は、送材チェーン21を介して送材されてフレーム73内を前後に通過する丸太材Wの全体断面形状データをたとえば前後方向の10mmごとに採取することができる。
【0031】
設定部は、前後に長いベースフレーム12と、ベースフレーム12に組み込む送材チェーン21用のチェーンフレーム24と、送材チェーン21の上方に配置する5組のガイドスプロケット31、31…、1組の大形のガイドスプロケット32と、送材チェーン21の左右の各一対を前後に4組配置する排出プレート81、81…、82、82…とを備えている(図1図3)。
【0032】
設定部のチェーンフレーム24は、ベースフレーム12の前端、後端の昇降装置13、13を介して昇降可能に支持されている。ベースフレーム12の後端の昇降装置13は、投入部の昇降装置13と同一構成であり、支持軸13e、横材34aを介してチェーンフレーム24を支持している。前端の昇降装置13は、揺動板13bに代えて固定板13fがベースフレーム12に固定されている他、後端の昇降装置13と同様である。前端の昇降装置13は、ケーシング27、横材34bを介してチェーンフレーム24の前端部を昇降可能に支持しており、ケーシング27には、送材チェーン21用の駆動軸25が貫通し、駆動軸25を駆動する減速機26a付きの駆動モータ26が取り付けられている。
【0033】
チェーンフレーム24は、前後の昇降装置13、13を介し、前後の高さを個別に設定制御することができる。一方、投入部のチェーンフレーム23の前端は、設定部のチェーンフレーム24の後端に連動し、前者の後端は、ベースフレーム11の後端の昇降装置13を介し、設定部のチェーンフレーム24と一直線状を保つように制御することができる。
【0034】
設定部のガイドスプロケット31、31…は、前後の横材34b、34aを介してチェーンフレーム24と一体の支持フレーム34上に搭載され、それぞれ投入部のガイドスプロケット31と同一構造となっている。ただし、前から3番目のガイドスプロケット31は、左右移動用のサーボモータ36を揺動フレーム31a上に設けており、前から1、2、4番目の各ガイドスプロケット31は、拘束用のブレーキ35、復帰用のシリンダ35a、35aを揺動フレーム31a上に設けている。すなわち、最後部を除く前から1〜4番目の各ガイドスプロケット31は、回転軸31bを介して左右に移動可能である(図8の矢印方向)。
【0035】
そこで、各ガイドスプロケット31を送材チェーン21上の丸太材Wの外周に下降させて、サーボモータ36を有するガイドスプロケット31を左右に移動させると、丸太材Wを左右に傾けることができる(図8の実線、二点鎖線)。このとき、ブレーキ35を有する各ガイドスプロケット31は、あらかじめブレーキ35を解除して丸太材Wの傾きに追従させ、その後、ブレーキ35を作動させることにより丸太材Wを送材可能に拘束する。また、サーボモータ36を有するガイドスプロケット31、ブレーキ35を有する各ガイドスプロケット31は、たとえば上方に退避すると、それぞれサーボモータ36、シリンダ35a、35aを介して送材チェーン21の中心線C上に復帰させる。ただし、ブレーキ35は、シリンダ35a、35aを作動させるとき、一時的に解除する。
【0036】
大形のガイドスプロケット32は、支持フレーム34の前端部に取り付けられており(図3)、他のガイドスプロケット31、31…と基本的に同一構造で大径になっている。ただし、揺動フレーム32aには、駆動モータ32cが搭載され、ガイドスプロケット32は、駆動モータ32cを介し、送材チェーン21の走行速度と同一の周速度となるように回転駆動し、送材チェーン21上の丸太材Wの送材を補助する。
【0037】
左右各一対の4組の排出プレート81、81…、82、82…は、共通の昇降フレーム44の上面において、送材チェーン21の前後方向に設けられている。昇降フレーム44は、ベースフレーム12内に昇降自在であり、投入部の昇降フレーム42と同一の基本構造である。ただし、昇降用のシリンダ44aは、昇降フレーム44の中央部に配置され、前後の揺動板44c、44cは、左右移動させないため、図7のスライド板43、駆動モータ43e、縦軸42bなどに相当する一連の部材を設けていない。
【0038】
かかる送材装置の作動は、投入部、設定部について、たとえば図9のとおりである。ただし、送材装置の図示しない制御装置は、マイクロコンピュータを使用する。
【0039】
まず、投入部において、所定の初期設定動作を完了させる(図9のステップ(1)、以下、単に(1)のように記す)。すなわち、昇降フレーム42の前後の駆動モータ43e、43eを介して昇降フレーム42上の前後の回転スプロケット41、41…を送材チェーン21の左右の対称位置にするとともに、図示しないシリンダを介して昇降フレーム42を上昇させ、昇降フレーム42上の回転スプロケット41、41…を送材チェーン21より高く突き上げる。また、ガイドスプロケット31、31…を上方に高く退避させ、各組の外周検出センサ50、50の検出ロッド51、51を外側に開いて退避させ、回転センサ60を上方に退避させる。
【0040】
初期設定動作が完了すると(1)、図示しない供給装置を介して前後の回転スプロケット41、41…上に大径の元口を前方側として丸太材Wを投入する(2)。
【0041】
丸太材Wの投入位置は、たとえば丸太材Wの長さ3mのとき、前方側の3組のガイドスプロケット31、31…がそれぞれ丸太材Wの前端部、ほぼ中央、後端部に対応する位置とし、丸太材Wの長さ4mのとき、図示の4組のガイドスプロケット31、31…がそれぞれ丸太材Wの前端から後端に至る各位置に対応する位置とする。ただし、3mの丸太材Wに対して最後部のガイドスプロケット31を使用しない。一方、丸太材Wの長さ3mのとき、前方側の5組の外周検出センサ50、50…がそれぞれ丸太材Wの前端から後端に至る各位置に対応し、丸太材Wの長さ4mのとき、すべての外周検出センサ50、50…がそれぞれ丸太材Wの前端から後端に至る各位置に対応する。
【0042】
回転スプロケット41、41…上に丸太材Wが投入されると(2)、丸太材Wの形状データを取得する(3)。すなわち、回転センサ60は、回転軸61を送材チェーン21の中心線C上に進出させて後向きに移動させ、丸太材Wの前端の中心部近辺に押し当てる。また、各組の外周検出センサ50、50は、シリンダ53、53を介して検出ロッド51、51を閉じ、検出ロッド51、51により丸太材Wを挟む(図5)。
【0043】
つづいて、各組の検出ロッド51、51により丸太材Wを挟みながら回転スプロケット41、41…によって丸太材Wを少なくとも1/2回転させると、丸太材Wの前後方向の複数箇所の断面形状を含む形状データを丸太材Wの回転角度θに対応させて取得することができる。すなわち、各組の外周検出センサ50、50は、送材チェーン21の中心線Cから丸太材Wの外周までの距離a1 、a2 の変化を丸太材Wの全周について検出するから、それに基づいて、丸太材Wの全周の断面形状を求めるとともに、断面形状の重心位置Wo を求めることができる。ただし、丸太材Wの回転角度θは、回転センサ60によって検出する。
【0044】
次に、丸太材Wの形状データに基づき、丸太材Wの前端部と後端部とが最も低くなるように丸太材Wを回転制御する(4)。たとえば、各組の外周検出センサ50、50によって求める丸太材Wの複数箇所における断面形状の重心位置Wo 、Wo …を滑らかに結ぶ仮想曲線Wohを想定すると(図10)、仮想曲線Wohの曲り方向は、丸太材Wの最大曲り方向としてよい(同図の矢印A−A方向)。そこで、丸太材Wを所定の角度θa だけ回転させて最大曲り方向を上向きにすれば(同図の実線)、丸太材Wの前端部と後端部とを最も低くすることができる。ただし、図10は、丸太材Wの模式的な一例である。なお、丸太材Wの回転制御は、各外周検出センサ50、50の検出ロッド51、51を外側に開いて退避させ、回転スプロケット41、41…を介して丸太材Wを回転させるとともに、回転センサ60により丸太材Wの回転角度θ=θa を検出する。
【0045】
丸太材Wの回転制御を完了すると(4)、回転センサ60の回転軸61を丸太材Wの前端から離し、上方に退避させた上、丸太材Wの姿勢制御に移行する((5)、図11)。ただし、図11(A)、(B)は、それぞれ回転制御の完了後、姿勢制御の完了後の丸太材Wの模式平面図であり、丸太材Wの水平方向の曲りを極端に誇張して図示している。
【0046】
姿勢制御は、たとえば丸太材Wの前端部から後端部までの水平方向の曲りを送材チェーン21の左右に略均等に配分するように、丸太材Wを保持している前後の回転スプロケット41、41…を個別に左右にシフトさせる。たとえば、丸太材Wの両端において、重心位置Wo 、Wo …を結ぶ仮想曲線Wohが送材チェーン21上に一致するとき(図11(A))、丸太材Wの外周を含まないように送材チェーン21の左右に定める製材可能幅W1 に対し、丸太材Wの前端、後端をそれぞれ所定のシフト量b1 、b2 だけ左右にシフトさせると(同図(B))、同様に定める製材可能幅W2 >W1 を実現して、歩留りのよい姿勢で丸太材Wを製材することができる。
【0047】
その後、回転スプロケット41、41…を送材チェーン21より低く下降させて丸太材Wを送材チェーン21上に移載し(6)、丸太材Wの長さに対応して所定のガイドスプロケット31、31…を下降させ、丸太材Wを送材チェーン21上に送材可能に拘束する(7)。なお、丸太材Wの移載を完了すると(6)、前後の回転スプロケット41、41…は、それぞれ送材チェーン21の左右対称位置に復帰させる。
【0048】
投入部で送材チェーン21上に拘束された丸太材Wは、送材チェーン21を前進走行させることにより、投入部からレーザセンサ70を通過して設定部に送材される(図1)。このとき、投入部のガイドスプロケット31、31…は、丸太材Wの後端が通過すると上方に退避し、設定部のガイドスプロケット31、31…は、丸太材Wの前端が通過すると丸太材W上に下降する。設定部へ送材された丸太材Wは、前端が最前方のガイドスプロケット31を通過すると停止する。このとき、丸太材Wの後端は、設定部の最後方のガイドスプロケット31を通過しており、最後方のガイドスプロケット31は、上方に退避している。
【0049】
なお、投入部から設定部へ丸太材Wを送材すると同時に、設定部の送材チェーン21上にあった先行の丸太材Wは、製材機MCに送材される。このとき、大形のガイドスプロケット32は、丸太材Wの前端が通過すると下降して送材を補助し、設定部の各ガイドスプロケット31、32は、丸太材Wの後端が通過すると上方に退避する。また、各ガイドスプロケット31は、上方に退避すると、送材チェーン21の中心線C上に復帰させる。
【0050】
レーザセンサ70は、丸太材Wが通過すると、丸太材Wの全体断面形状データを採取することができる。そこで、制御装置のマイクロコンピュータは、あらかじめ入力されている生産計画に基づき、採取された丸太材Wの全体断面形状データを使用して、丸太材Wを送材チェーン21上で左右に傾けて製材する可能性を含めて、丸太材Wの最適な木取計画を決定する(11)。その後、設定部において、木取計画に基づき、丸太材Wの左右傾き、前後高さを製材条件として設定し((12)、(13))、製材機MCを準備する(14)。なお、設定部におけるステップ(12)〜(14)は、順序を問わず、同時に並行して実行可能である。
【0051】
丸太材Wの左右傾きは、サーボモータ36を有するガイドスプロケット31を左右に移動させ、ブレーキ35を有する各ガイドスプロケット31を追従させて設定する(図8)。ただし、各ガイドスプロケット31の移動方向、移動量は、レーザセンサ70による丸太材Wの全体断面形状データを使用して、木取計画を最大歩留りで実現し得るように定めるものとする。
【0052】
丸太材Wの前後高さの設定も、丸太材Wの全体断面形状データを使用し、木取計画を最大歩留りで実現する。たとえば、図12(A)のように、前端部と後端部とが最も低くなるように送材チェーン21上にセットされている丸太材Wは、上方の凸の曲り部分を削除するとともに、下方の凹の曲り部分を含まないように、同図の紙面に垂直で、しかも互いに平行な上下2平面による最大の製材可能範囲W3 を設定することができる。そこで、製材可能範囲W3 の上下方向の中心線W3cとして、中心線W3cが所定の高さHc において水平になるように、丸太材Wの前端、後端の高さHf 、Hb を定める(図12(B))。次いで、丸太材Wの前後の高さHf 、Hb を実現するように送材チェーン21用のチェーンフレーム24の前後の高さを前後の昇降装置13、13によって設定し、投入部のチェーンフレーム23がチェーンフレーム24と一直線状になるように、チェーンフレーム23の後端部の高さを投入部の昇降装置13によって設定する。
【0053】
製材機MCの準備は、このようにして左右の傾き、前後高さが設定された丸太材Wを木取計画に従って一挙に製材するために、製材機MCの左右の切削刃MC1 、MC1 の位置、上下の切削刃MC2 、MC2 の位置、切削刃MC1 、MC2 以外の図示しない切削刃の位置を設定する(図1)。
【0054】
なお、レーザセンサ70による全体断面形状データから製材に適さないと判断された丸太材Wは、昇降フレーム44を介して排出ガイド81、81…、82、82…を上昇させることにより、送材チェーン21から取り外されて図3の手前側に排出される。
【0055】
設定部において、丸太材Wの左右傾き設定、前後高さ設定、製材機準備の工程を完了すると((12)〜(14))、丸太材Wの中心線W3cを水平に維持するとともに、その高さHc を一定に維持するようにチェーンフレーム24の前後の高さを連続的に制御し、同時に投入部のチェーンフレーム23をチェーンフレーム24と一直線状に制御しながら、送材チェーン21を介して設定部の丸太材Wを製材機MCへ送材して製材する。なお、このとき、設定部の前端部の大形のガイドスプロケット32は、送材チェーン21による送材を補助し、製材中の丸太材Wは、設定部で設定された製材条件が維持されている。
【0056】
図9は、投入部、設定部における各工程の順序と、送材チェーン21による丸太材Wの送材期間、停止期間との時間的な関係を示している。そこで、投入部において、先行の送材中の丸太材Wと干渉しない限り、次の丸太材Wを送材期間中に回転スプロケット41、41…上に投入し、投入部における製材用の丸太材の準備方法の一部または全部の工程を先行の丸太材Wの送材期間中に前倒しして実施してもよい。
【0057】
以上の説明において、送材チェーン21を介して丸太材Wを投入部から設定部へ送材し、同時に設定部の丸太材Wを製材機MCに送材して製材するとき、前者の丸太材Wは、設定部に一旦停止させることなく、一挙に製材機MCにまで送材することができる。すなわち、レーザセンサ70からの全体断面形状データに基づく丸太材Wの木取計画の決定と、木取計画に基づく丸太材Wの左右傾き、前後高さを含む製材条件の設定、製材機MCの準備などの設定部における一連の設定制御動作は、丸太材Wを設定部に停止させることなく、送材チェーン21による送材動作と並行して実行することができる。
【0058】
また、投入部のチェーンフレーム23は、投入部の丸太材Wを設定部に送材する際に、丸太材Wの後端が投入部の最前方のガイドスプロケット31を通過するまでの間、設定部のチェーンフレーム24と一直線状になるように後端部の高さを制御すればよい。すなわち、投入部のチェーンフレーム23は、投入部の丸太材Wの後端が投入部の最前方のガイドスプロケット31を通過したら、後端の昇降装置13を介して直ちに後端部を回転スプロケット41、41…より低く下降させ、次の丸太材Wの投入動作に備えることが好ましい。
【他の実施の形態】
【0059】
各組の外周検出センサ50、50は、丸太材Wの左右に配置するに代えて、丸太材Wの片側にのみ配置してもよい。このとき、検出ロッド51は、丸太材Wの外周の片側に押し当て、丸太材Wを少なくとも1回転させることにより丸太材Wの全周の断面形状を求めることができる。なお、検出ロッド51による丸太材Wの外周の検出は、シリンダ53に組み込む伸縮ストローク検出用のセンサに代えて、検出ロッド51の水平旋回角度を検出する角度センサを使用してもよい。
【0060】
また、各組の外周検出センサ50、50は、検出ロッド51による機械的な接触形式に代えて、無接触のリニアイメージセンサ(いわゆるラインセンサ)や、エリアイメージセンサ(二次元イメージセンサ)、テレビカメラなどを使用することができる。形状センサとしてのレーザセンサ70についても、同様の各種のセンサが使用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0061】
この発明は、歩留りを向上させることが容易でない曲りのある丸太材Wに対し、殊に好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0062】
W…丸太材
MC…製材機
21…送材チェーン
31…ガイドスプロケット
41…回転スプロケット
50…外周検出センサ
70…レーザセンサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12