前記管理手段で管理する前記UEの加入者情報に対応付けられたフェムトセル用基地局と異なるフェムトセル用基地局から前記UEの位置登録要求を受け付けた場合に、前記UEが前記第1のフェムトセル用基地局の配下に在圏している状態から前記第2のフェムトセル用基地局の配下に在圏している状態になったと判断することを特徴とする請求項1記載の通信制御装置。
前記UEの位置登録要求を前記通信制御装置の上位ネットワークに送信し、当該上位ネットワークから前記UEの位置登録要求の応答を受け付けた場合に、前記UEの加入者情報を前記第2のフェムトセル用基地局と対応付けて管理すると共に、前記第1のフェムトセル用基地局で管理する前記UEの加入者情報を削除するための削除要求を前記第1のフェムトセル用基地局に送信することを特徴とする請求項2記載の通信制御装置。
UE(User Equipment)と、前記UEをコアネットワーク側に接続する複数のフェムトセル用基地局と、前記フェムトセル用基地局と通信を行う通信制御装置と、を有して構成する通信システムであって、
前記フェムトセル用基地局は、
前記フェムトセル用基地局の配下に在圏しているUEの加入者情報を管理する管理手段と、
前記管理手段で管理するUEの加入者情報の中で前記フェムトセル用基地局の配下に在圏していないUEが存在する場合に、当該UEの加入者情報の削除要求を前記通信制御装置に送信し、当該通信制御装置から前記削除要求の承諾を受け付けた場合に、前記UEの加入者情報を前記管理手段から削除する削除手段と、を有し、
前記通信制御装置は、
前記UEの加入者情報を該UEが配下に在圏しているフェムトセル用基地局と対応付けて管理する管理手段と、
前記削除要求を前記フェムトセル用基地局から受け付けた場合に、前記管理手段を参照し、前記管理手段で管理する前記UEの加入者情報に対応付けられたフェムトセル用基地局と異なるフェムトセル用基地局から前記削除要求を受け付けた場合に、前記削除要求を承諾する旨の応答を前記フェムトセル用基地局に送信する手段を有することを特徴とする通信システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、近年では、
図1に示すように、公共施設等に複数のフェムトセル用基地局(FAP#1,FAP#2)を設置し、特定の加入者ユーザ(UE)だけではなく、不特定多数の加入者ユーザ(UE)がフェムトセル用基地局(FAP#1,FAP#2)を介してコアネットワーク側に接続することが可能なシステムの開発が必要視されている。
【0007】
このような
図1に示すシステムを構築した場合、加入者ユーザ(UE)がフェムトセル用基地局(FAP#1,FAP#2)間を移動する状況が発生する。
【0008】
例えば、加入者ユーザ(UE)が第1のフェムトセル用基地局(FAP#1)の配下に在圏している状態から第2のフェムトセル用基地局(FAP#2)の配下に移動する場合がある。
【0009】
この場合、加入者ユーザ(UE)は、移動後の第2のフェムトセル用基地局(FAP#2)の配下に在圏することになるため、第2のフェムトセル用基地局(FAP#2)は、加入者ユーザ(UE)の加入者情報(CS/PS)を管理する必要がある。CSは、Circuit Switchingであり、PSは、Packet Switchingである。
【0010】
また、加入者ユーザ(UE)は、第1のフェムトセル用基地局(FAP#1)の配下に在圏しなくなるため、第1のフェムトセル用基地局(FAP#1)は、加入者ユーザ(UE)の加入者情報(CS/PS)を解放する必要がある。
【0011】
このため、加入者ユーザ(UE)がフェムトセル用基地局(FAP#1,FAP#2)間を移動することが可能なシステムを構築した場合には、加入者ユーザ(UE)の在圏位置に応じてフェムトセル用基地局(FAP#1,FAP#2)で管理する加入者ユーザ(UE)の加入者情報(CS/PS)を動的に変更するための仕組みが必要になる。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、上述した課題である、加入者ユーザ(UE)の在圏位置に応じてフェムトセル用基地局で管理する加入者ユーザ(UE)の加入者情報を動的に変更することが可能なフェムトセル用基地局、通信制御装置、通信システム、制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
かかる目的を達成するために、本発明は、以下の特徴を有することとする。
【0014】
<フェムトセル用基地局>
本発明にかかるフェムトセル用基地局は、
UE(User Equipment)をコアネットワーク側に接続するフェムトセル用基地局であって、
前記フェムトセル用基地局の配下に在圏しているUEの加入者情報を管理する管理手段と、
前記UEの加入者情報の削除要求をコアネットワーク側から受け付けた場合に、前記削除要求に該当する前記UEの加入者情報を前記管理手段から削除する削除手段と、
を有することを特徴とする。
【0015】
本発明にかかるフェムトセル用基地局は、
UE(User Equipment)をコアネットワーク側に接続するフェムトセル用基地局であって、
前記フェムトセル用基地局の配下に在圏しているUEの加入者情報を管理する管理手段と、
前記管理手段で管理するUEの加入者情報の中で前記フェムトセル用基地局の配下に在圏していないUEが存在する場合に、当該UEの加入者情報の削除要求をコアネットワーク側に送信し、当該コアネットワーク側から前記削除要求の承諾を受け付けた場合に、前記UEの加入者情報を前記管理手段から削除する削除手段と、
を有することを特徴とする。
【0016】
<通信制御装置>
本発明にかかる通信制御装置は、
UE(User Equipment)をコアネットワーク側に接続する複数のフェムトセル用基地局と通信を行う通信制御装置であって、
前記UEが第1のフェムトセル用基地局の配下に在圏している状態から第2のフェムトセル用基地局の配下に在圏している状態になった場合に、前記第1のフェムトセル用基地局で管理する前記UEの加入者情報を削除することを特徴とする。
【0017】
<通信システム>
本発明にかかる通信システムは、
UE(User Equipment)と、前記UEをコアネットワーク側に接続する複数のフェムトセル用基地局と、前記フェムトセル用基地局と通信を行う通信制御装置と、を有して構成する通信システムであって、
前記通信制御装置は、
前記UEが第1のフェムトセル用基地局の配下に在圏している状態から第2のフェムトセル用基地局の配下に在圏している状態になった場合に、前記第1のフェムトセル用基地局で管理する前記UEの加入者情報を削除するための削除要求を前記第1のフェムトセル用基地局に送信する手段を有し、
前記第1のフェムトセル用基地局は、
前記第1のフェムトセル用基地局の配下に在圏しているUEの加入者情報を管理する管理手段と、
前記削除要求を前記通信制御装置側から受け付けた場合に、前記削除要求に該当する前記UEの加入者情報を前記管理手段から削除する削除手段と、を有することを特徴とする。
【0018】
本発明にかかる通信システムは、
UE(User Equipment)と、前記UEをコアネットワーク側に接続する複数のフェムトセル用基地局と、前記フェムトセル用基地局と通信を行う通信制御装置と、を有して構成する通信システムであって、
前記フェムトセル用基地局は、
前記フェムトセル用基地局の配下に在圏しているUEの加入者情報を管理する管理手段と、
前記管理手段で管理するUEの加入者情報の中で前記フェムトセル用基地局の配下に在圏していないUEが存在する場合に、当該UEの加入者情報の削除要求を前記通信制御装置に送信し、当該通信制御装置から前記削除要求の承諾を受け付けた場合に、前記UEの加入者情報を前記管理手段から削除する削除手段と、を有し、
前記通信制御装置は、
前記UEの加入者情報をフェムトセル用基地局と対応付けて管理する管理手段と、
前記削除要求を前記フェムトセル用基地局から受け付けた場合に、前記管理手段を参照し、前記管理手段で管理するフェムトセル用基地局と異なるフェムトセル用基地局から前記削除要求を受け付けた場合に、前記削除要求を承諾する旨の応答を前記フェムトセル用基地局に送信する手段を有することを特徴とする。
【0019】
<制御方法>
本発明にかかる制御方法は、
UE(User Equipment)をコアネットワーク側に接続するフェムトセル用基地局で行う制御方法であって、
前記フェムトセル用基地局は、
前記フェムトセル用基地局の配下に在圏しているUEの加入者情報を管理する管理手段を有し、
前記UEの加入者情報の削除要求をコアネットワーク側から受け付けた場合に、前記削除要求に該当する前記UEの加入者情報を前記管理手段から削除する削除工程を有することを特徴とする。
【0020】
本発明にかかる制御方法は、
UE(User Equipment)をコアネットワーク側に接続するフェムトセル用基地局で行う制御方法であって、
前記フェムトセル用基地局は、
前記フェムトセル用基地局の配下に在圏しているUEの加入者情報を管理する管理手段を有し、
前記管理手段で管理するUEの加入者情報の中で前記フェムトセル用基地局の配下に在圏していないUEが存在する場合に、当該UEの加入者情報の削除要求をコアネットワーク側に送信し、当該コアネットワーク側から前記削除要求の承諾を受け付けた場合に、前記UEの加入者情報を前記管理手段から削除する削除工程を有することを特徴とする。
【0021】
本発明にかかる制御方法は、
UE(User Equipment)をコアネットワーク側に接続する複数のフェムトセル用基地局と通信を行う通信制御装置で行う制御方法であって、
前記UEが第1のフェムトセル用基地局の配下に在圏している状態から第2のフェムトセル用基地局の配下に在圏している状態になった場合に、前記第1のフェムトセル用基地局で管理する前記UEの加入者情報を削除する工程を有することを特徴とする。
【0022】
<プログラム>
本発明にかかるプログラムは、
UE(User Equipment)をコアネットワーク側に接続するフェムトセル用基地局に実行させるプログラムであって、
前記フェムトセル用基地局は、
前記フェムトセル用基地局の配下に在圏しているUEの加入者情報を管理する管理手段を有し、
前記UEの加入者情報の削除要求をコアネットワーク側から受け付けた場合に、前記削除要求に該当する前記UEの加入者情報を前記管理手段から削除する削除処理を、コンピュータに実行させることを特徴とする。
【0023】
本発明にかかるプログラムは、
UE(User Equipment)をコアネットワーク側に接続するフェムトセル用基地局に実行させるプログラムであって、
前記フェムトセル用基地局は、
前記フェムトセル用基地局の配下に在圏しているUEの加入者情報を管理する管理手段を有し、
前記管理手段で管理するUEの加入者情報の中で前記フェムトセル用基地局の配下に在圏していないUEが存在する場合に、当該UEの加入者情報の削除要求をコアネットワーク側に送信し、当該コアネットワーク側から前記削除要求の承諾を受け付けた場合に、前記UEの加入者情報を前記管理手段から削除する削除処理を、コンピュータに実行させることを特徴とする。
【0024】
本発明にかかるプログラムは、
UE(User Equipment)をコアネットワーク側に接続する複数のフェムトセル用基地局と通信を行う通信制御装置に実行させるプログラムであって、
前記UEが第1のフェムトセル用基地局の配下に在圏している状態から第2のフェムトセル用基地局の配下に在圏している状態になった場合に、前記第1のフェムトセル用基地局で管理する前記UEの加入者情報を削除する処理を、コンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、加入者ユーザ(UE)の在圏位置に応じてフェムトセル用基地局で管理する加入者ユーザ(UE)の加入者情報を動的に変更することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
<本実施形態の通信システムの概要>
まず、
図1を参照しながら、本実施形態の通信システムの概要について説明する。
【0028】
本実施形態における通信システムは、UE(User Equipment)と、UEをコアネットワーク側に接続する複数のフェムトセル用基地局(FAP#1,FAP#2)と、フェムトセル用基地局(FAP#1,FAP#2)と通信を行う通信制御装置(CSCF)と、を有して構成する通信システムである。
【0029】
本実施形態における通信制御装置(CSCF)は、UEが第1のフェムトセル用基地局(FAP#1)の配下に在圏している状態から第2のフェムトセル用基地局(FAP#2)の配下に在圏している状態になった場合に、第1のフェムトセル用基地局(FAP#1)で管理するUEの加入者情報を削除するための削除要求を第1のフェムトセル用基地局(FAP#1)に送信する。第1のフェムトセル用基地局(FAP#1)は、削除要求を通信制御装置(CSCF)側から受け付けた場合に、削除要求に該当するUEの加入者情報を削除する。
【0030】
また、本実施形態におけるフェムトセル用基地局(FAP#1)は、フェムトセル用基地局(FAP#1)の配下に在圏しているUEの加入者情報の中で、フェムトセル用基地局(FAP#1)の配下に在圏していないUEが存在する場合に、当該UEの加入者情報の削除要求を通信制御装置(CSCF)に送信する。通信制御装置(CSCF)は、UEの加入者情報をフェムトセル用基地局(FAP)と対応付けて管理する管理手段を有して構成し、削除要求をフェムトセル用基地局(FAP#1)から受け付けた場合に、管理手段を参照し、管理手段で管理するフェムトセル用基地局(FAP)と異なるフェムトセル用基地局(FAP#1)から削除要求を受け付けた場合に、削除要求を承諾する旨の応答をフェムトセル用基地局(FAP#1)に送信する。フェムトセル用基地局(FAP#1)は、通信制御装置(CSCF)から削除要求の承諾を受け付けた場合に、UEの加入者情報を削除する。
【0031】
これにより、本実施形態の通信システムは、加入者ユーザ(UE)の在圏位置に応じてフェムトセル用基地局(FAP#1,FAP#2)で管理する加入者ユーザ(UE)の加入者情報を動的に変更することができる。以下、添付図面を参照しながら、本実施形態の通信システムについて詳細に説明する。
【0032】
<通信システムのシステム構成例>
まず、
図1を参照しながら、本実施形態の通信システムのシステム構成例について説明する。
【0033】
本実施形態の通信システムは、Macro網と、Femto IMS(IP Multimedia subsystem)網と、を有して構成する。
【0034】
Macro網は、公知の既存3G網である。Macro網は、UE(User Equipment)と、Node-Bと、RNC(Radio Network Controller)と、MSC(Mobile Services Switching Centre)と、VLR(Visitor Location Register)と、HLR/AuC(Home Location Register/Authentication Centre)と、を有して構成する。
【0035】
Macro網を構成するUE、Node-B、RNC、MSC、VLR、HLR/AuCは、3GPPに準拠した処理を行う装置であるため、具体的な処理動作については省略する。既存のMacro網(通信システム)に利用されている技術については、例えば3GPP TS 33.234 V8.0.0(2007-12)等に開示されている。
【0036】
Femto IMS網は、FAP(Femto Access Point)と、PDG(Packet Data Gateway)と、AAA(Authentication Authorization Accounting)と、CSCF(Call Session Control Function)と、HSS(Home Subscriber Server)と、VLR(Visitor Location Register)と、を有して構成する。
【0037】
FAPは、半径数十メートル程度の狭い通信エリアをカバーする小型無線基地局である。
【0038】
PDGは、メッセージを中継する装置である。
【0039】
CSCFは、IMS網において中心的なノードとなる装置であり、SIP(Session Initiation Protocol)を用いたセッション制御、管理、認証、ルーティング等の機能を行う。
【0040】
AAAは、UEとネットワーク間の認証処理を行う装置である。
【0041】
HSSは、IMSで使用するUEの加入者情報を管理する装置である。
【0042】
VLRは、UEの加入者情報を格納する装置である。HSSは、UEの加入者情報をHLR/AuCから取得し、その取得したUEの加入者情報をVLRに格納して管理する。
【0043】
本実施形態の通信システムは、複数のFAP#1,FAP#2を公共施設等に設置し、特定のUEだけではなく、不特定多数のUEがFAP#1,FAP#2を介してコアネットワーク側に接続することができる。また、本実施形態の通信システムは、複数のFAP#1,FAP#2を配置するため、UEはFAP#1,FAP#2間を移動することができる。
【0044】
例えば、UEがFAP#1の配下に在圏している状態からFAP#2の配下に移動することができる。この場合、UEは、移動後のFAP#2の配下に在圏することになるため、FAP#2は、UEの加入者情報(CS/PS)を管理する必要がある。また、UEは、FAP#1の配下に在圏しなくなるため、FAP#1は、UEの加入者情報(CS/PS)を解放する必要がある。
【0045】
このため、本実施形態の通信システムでは、UEの在圏位置に応じてFAP#1,FAP#2で管理するUEの加入者情報(CS/PS)を動的に変更することになる。
【0046】
なお、FAP#2がUEの加入者情報(CS/PS)を管理するには、UEがFAP#2を介してCSの位置登録処理とPSの位置登録処理をコアネットワーク側と行うことで実現できる。
【0047】
また、FAP#1がUEの加入者情報(CS/PS)を解放するには、SIP-De-Registerをコアネットワーク側のCSCFに送信し、CSCFからSIP-200 OKを受信することでも実現できる。
【0048】
この場合、FAPは、FAPで管理しているUEの加入者情報を基に、FAPの配下に在圏しているUEを監視し、例えば、
図2に示すように、UEからLocation Update Requestを受信してから6分経過するまでにLocation Update RequestをUEから再度受信できない場合に、FAPの配下にUEが在圏していないと判断し、SIP-De-Registerをコアネットワーク側のCSCFに送信し、CSCFからSIP-200 OKを受信した場合に、UEの加入者情報(CS/PS)を解放する。これにより、FAP#1は、FAP#1の配下に在圏していないUEの加入者情報(CS/PS)を解放することができる。なお、UEがFAPに送信するLocation Update Requestの周期は、FAPより任意に指示することが出来る。但し、3GPP TS 24.008 V8.1.0(2008-3)に従い6分未満の値に設定することは出来ない。
【0049】
なお、FAPは、UEの加入者情報(CS/PS)を管理した状態でコアネットワーク側のCSCFにSIP-Re-Registerを送信してから50分経過した場合に、SIP-Re-Registerを再度送信し、FAPとCSCFとの接続を維持するための処理も行っている。FAPは、上述した6分周期のDe-Registerと、50分周期のRe-Registerと、を自律的に実行している。
【0050】
しかし、UEがFAP間を移動することができる本システムにおいて、FAPが上述した6分周期のDe-Registerと、50分周期のRe-Registerと、を自律的に実行してしまうと、6分周期のDe-Registerと50分周期のRe-Registerとが非同期であるため、コアネットワーク側のCSCFは、UEが在圏しているFAPを誤認識してしまう虞がある。
【0051】
例えば、UEがFAP#1の配下に在圏している状態からFAP#2の配下に移動した後、FAP#1が50分周期のRe-RegisterをCSCFに送信し、CSCFがRe-Registerを受信した場合は、CSCFは、UEがFAP#1の配下に再び移動したと判断してしまうことになる。その結果、実際は、UEがFAP#2の配下に在圏しているにもかかわらず、CSCFは、UEがFAP#1の配下に在圏したと誤認識し、UEがFAP#1の配下に移動した場合の処理動作を実行してしまうことになる。
【0052】
また、FAPが上述した6分周期のDe-Registerと、50分周期のRe-Registerと、を同期させたとしてもDe-Registerの周期を6分未満に設定できない為、UEがFAP#1からFAP#2の配下に移動した事を即時検出することが出来ず、コアネットワーク側のCSCFは、UEが在圏しているFAPを誤認識してしまう虞がある。
【0053】
例えば、UEがFAP#1の配下に在圏している状態からFAP#2の配下に移動した後、FAP#1はUEからのLocation Update RequestをUEから再度受信できない場合に、De-Registerをコアネットワーク側のCSCFに送信し、CSCFからSIP-200 OKを受信した場合に、UEの加入者情報(CS/PS)を解放する事になる。しかし、De-Registerの周期を6分未満に設定できない為、コアネットワーク側のCSCFは、UEが在圏しているFAPを6分間、誤認識してしまう虞がある。
【0054】
このため、CSCFは、UEが在圏しているFAPを認識し、FAPで管理するUEの加入者情報(CS/PS)を変更する必要がある。
【0055】
本実施形態の通信システムは、上記の問題を解決すべく、CSCFは、UEがFAP#1の配下に在圏している状態からFAP#2の配下に在圏移動した場合に、移動前のFAP#1に対してSIP-NOTIFYを送信し、移動前のFAP#1で管理しているUEの加入者情報(CS/PS)を解放する。これにより、CSCFは、UEの在圏位置に応じてFAPで管理するUEの加入者情報(CS/PS)を変更し、移動前のFAP#1は、UEの加入者情報(CS/PS)を解放することができる。その結果、CSCFは、UEが在圏しているFAPを誤認識してしまうことを回避することができる。以下、具体的な処理動作について詳細に説明する。なお、以下の処理動作では、UEがFAP#1からFAP#2に移動した場合の処理動作について説明する。
【0056】
<UEがFAP#1からFAP#2に移動した場合の処理動作>
次に、
図3、
図4を参照しながら、UEがFAP#1からFAP#2に移動した場合の処理動作について説明する。
【0057】
以下の説明では、FAP#1とPDGとの間でIPsec Tunnel(ZAP#1 Tunnel)が確立しており(ステップA1)、FAP#2とPDGとの間でIPsec Tunnel(ZAP#2 Tunnel)が確立しているものとする(ステップA2)。
【0058】
また、UEは、FAP#1の配下に在圏しているため、UE、FAP#1、CSCFが接続しているものとする(ステップA3)。このため、FAP#1は、UEの加入者情報(CS/PS)を管理していることになる(ステップA4)。また、CSCF、HSSのVLRは、UEの加入者情報(CS)を管理していることになる(ステップA5,A6)。なお、UEの加入者情報は、FAP#1の情報(IMSI.FAP#1)と対応付けて管理される。IMSI.FAP#1は、FAP#1を特定するための情報である。
【0059】
UEが最後に位置登録したFAP#1(old)とは異なるFAP#2(new)配下のLA(Location Area)内(LA#2)に移動すると、UEは、CSサービスの位置登録を開始することになり(初回位置登録)、UEは、Location Update RequestをFAP#2に送信する(ステップA7)。
【0060】
FAP#2は、Location Update Requestを受け付けた場合に、UEがコアネットワーク側に受け入れるユーザに該当する場合は、IKE-SA-INIT RequestをPDGに送信する(ステップA8)。IKE-SA-INITは、Internet Key Exchange-Security Authentication-INITialiseである。
【0061】
PDGは、IKE-SA-INIT Requestを受信した場合に、IKE-SA-INIT ResponseをFAP#2に送信する(ステップA9)。
【0062】
FAP#2は、IKE-SA-INIT Responseを受信した場合に、FAP#2とPDGとの間でIKE SAを確立し、IKE-AUTH RequestをPDGに送信する(ステップA10)。FAP#2は、APN(Access Point Name)と、NAI(Network Access Identifier)と、をIKE-AUTH Requestに含めて送信する。IKE-AUTHは、Internet Key Exchange-AUTHenticationである。APNは、ネットワークの連結ポイントを特定するための情報である。NAIは、ネットワークのアクセスを特定するための情報である。
【0063】
FAP#2は、Location Update RequestをUEから受信したため、CSサービスの位置登録と判断し、“0CS0<UE#IMSI>/<Femto#IMSI>@realmname”のNAIを送信する。“0CS0”は、CSサービスの位置登録である旨を意味する情報である。“<UE#IMSI>”は、UEを特定するための情報であり、UEから受け付けたメッセージに含まれているIMSI.UEである。“<Femto#IMSI>”は、FAP#2を特定するための情報である。
【0064】
PDGは、IKE-AUTH Requestを受信した場合に、Dia-EAP-RequestをAAAに送信する(ステップA11)。PDGは、IKE-AUTH Requestに含まれているNAIをDia-EAP-Requestに含めて送信する。Dia-EAPは、Diameter-Extensible Authentication Protocolである。
【0065】
AAAは、Dia-EAP-Requestを受信した場合に、Dia-EAP-Requestに含まれているNAIを基に、CSサービスの位置登録か、または、PSサービスの位置登録か、または、PDP Activateか、を判断する。AAAは、CSサービスの位置登録と判断した場合に、Dia-Wx-MARをHSSに送信する(ステップA12)。Dia-Wx-MARは、Diameter?Wx?Multimedia Authentication Requestである。AAAは、NAIが“0CS0<UE#IMSI>/<Femto#IMSI>@realmname”であるため、CSサービスの位置登録であると判断し、Dia-EAP-Requestに含まれているNAIのIMSI.UEをDia-Wx-MARに含めて送信する。
【0066】
HSSは、Dia-Wx-MARを受信した場合に、MAP-SAI invocation[CS]をHLR/AuCに送信する(ステップA13)。MAP-SAIは、MAP-Send Authentication Informationである。[CS]は、Circuit Switchingの意味である。HSSは、Dia-Wx-MARに含まれているIMSI.UEをMAP-SAI invocation[CS]に含めて送信する。
【0067】
HLR/AuCは、MAP-SAI invocation[CS]を受信した場合に、MAP-SAI AckをHSSに送信する(ステップA14)。HLR/AuCは、MAP-SAI invocation[CS]に含まれているIMSI.UEに対応するRAND/AUTN/CK/IK/XRESを取得し、その取得したRAND/AUTN/CK/IK/XRESをMAP-SAI Ackに含めて送信する(ステップA14)。
【0068】
RAND/AUTN/CK/IK/XRESは、3GPPに準拠した情報である。RANDは、Random challengeであり、AUTNは、Authentication Tokenであり、CKは、Cipher Keyであり、IKは、Integrity Keyであり、XRESは、Expected RESponseである。
【0069】
なお、本処理動作では、HLR/AuCは、RAND/AUTN/CK/IK/XRESをMAP-SAI Ackに含めて送信することにした(EAP-AKA認証)。しかし、RAND/AUTN/KC/RESをMAP-SAI Ackに含めて送信する場合もある(EAP-SIM認証)。EAP-AKA認証(UMTS認証)、EAP-SIM認証(GSM認証)は、UEが契約しているNWの能力によりHLR/AuCが選択することになる。
【0070】
HSSは、MAP-SAI Ackを受信した場合に、Dia-Wx-MAAをAAAに送信する(ステップA15)。Dia-Wx-MAAは、Diameter?Wx?Multimedia Authentication Answerである。HSSは、MAP-SAI Ackに含まれているRAND/AUTN/CK/IK/XRESをDia-Wx-MAAに含めて送信する。
【0071】
AAAは、Dia-Wx-MAAを受信した場合に、Dia-EAP-AnswerをPDGに送信する(ステップA16)。AAAは、Dia-Wx-MAAに含まれているRAND/AUTN/CK/IKをDia-EAP-Answerに含めて送信する。
【0072】
PDGは、Dia-EAP-Answerを受信した場合に、IKE-AUTH ResponseをFAP#2に送信する(ステップA17)。PDGは、EAP-Request/AKA-Challengeと、Dia-EAP-Answerに含まれているRAND/AUTN/CK/IKと、をIKE-AUTH Responseに含めて送信する。AKAは、Authentication and Key Agreementである。
【0073】
FAP#2は、IKE-AUTH Responseを受信した場合に、Authentication RequestをUEに送信する(ステップA18)。FAP#2は、IKE-AUTH Responseに含まれているRAND/AUTNをAuthentication Requestに含めて送信する。
【0074】
UEは、Authentication Requestを受信した場合に、そのAuthentication Requestに含まれているRAND/AUTNを基に、認証演算を行う。認証演算は、3GPPに準拠した方法で行う。
【0075】
UEは、RESを算出し、その算出したRESをAuthentication Responseに含めてFAP#2に送信する(ステップA19)。RESの算出は、3GPPに準拠した方法で行う。
【0076】
FAP#2は、Authentication Responseを受信した場合に、IKE-AUTH RequestをPDGに送信する(ステップA20)。FAP#2は、EAP-Response/AKA-Challengeと、Authentication Responseに含まれているRESと、をIKE-AUTH Requestに含めて送信する。
【0077】
PDGは、IKE-AUTH Requestを受信した場合に、Dia-EAP-RequestをAAAに送信する(ステップA21)。PDGは、MAC(Message Authentication Code)を算出し、RES、MACをDia-EAP-Requestに含めて送信する。MACの算出は、3GPPに準拠した方法で行う。
【0078】
AAAは、Dia-EAP-Requestを受信した場合に、UE認証を行う。UE認証は、3GPPに準拠した方法で行う。AAAは、UE認証が成功した場合に、Dia-EAP-AnswerをPDGに送信する(ステップA22)。AAAは、EAP-SuccessをDia-EAP-Answerに含めて送信する。
【0079】
PDGは、Dia-EAP-Answerを受信した場合に、IKE-AUTH ResponseをFAP#2に送信する(ステップA23)。PDGは、EAP-SuccessをIKE-AUTH Responseに含めて送信する。
【0080】
FAP#2は、IKE-AUTH Responseを受信した場合に、SIP-RegisterをCSCFに送信する(ステップA24)。FAP#2は、IMSI.UEをSIP-Registerに含めてCSCFに送信する。
【0081】
CSCFは、SIP-Registerを受信した場合に、自CSCF内で管理しているUEの加入者情報(FAP#1のRegister情報)のCall ID(FAP#1)と異なるCall ID(FAP#2)のSIP-Registerを受信したと判断する。この場合、CSCFは、UEのFAP間の在圏移動と判断し、Dia-Cx-SARをHSSに送信する(ステップA25)。SARは、Server-Assignment-Requestである。CSCFは、IMSI.UEをDia-Cx-SARに含めて送信する。
【0082】
HSSは、Dia-Cx-SARを受信した場合に、MAP-Update Location invocation[CS]をHLR/AuCに送信する(ステップA26)。HSSは、IMSI.UEをMAP-Update Location invocationに含めて送信する。
【0083】
HLR/AuCは、MAP-Update Location invocationを受信した場合に、MAP-Insert Subscriber Data invocationをHSSに送信する(ステップA27)。HLR/AuCは、加入者情報をMAP-Insert Subscriber Data invocationに含めて送信する。
【0084】
HSSは、MAP-Insert Subscriber Data invocationを受信した場合に、そのMAP-Insert Subscriber Data invocationに含まれる加入者情報を基に、UEの加入者情報を作成する。HSSは、UEの加入者情報をVLRに登録し、UEの加入者情報(CS)をVLRで管理する。この場合、HSSは、UEの加入者情報(CS)をFAP#2の情報(IMSI.FAP#2)と対応付けてVLRで管理する。これにより、HSSは、VLRで管理するUEの加入者情報(CS)を上書きし、UEの加入者情報(CS)を移動前のFAP#1ではなく移動後のFAP#2に対応付けて管理することになる(ステップA42)。
【0085】
次に、HSSは、MAP-Insert Subscriber Data AckをHLR/AuCに送信する(ステップA28)。
【0086】
HRL/AuCは、MAP-Insert Subscriber Data Ackを受信した場合に、MAP-Update Location AckをHSSに送信する(ステップA29)。
【0087】
HSSは、MAP-Update Location Ackを受信した場合に、Dia-Cx-SAAをCSCFに送信する(ステップA30)。SAAは、Server-Assignment-Answerである。HSSは、MSISDNをDia-Cx-SAAに含めて送信する。
【0088】
CSCFは、Dia-Cx-SAAを受信した場合に、MSISDNを含めたSIP-200 OKをFAP#2に送信する(ステップA31)。また、CSCFは、移動後のFAP#2から受信したSIP-Registerの情報をUEの加入者情報(CS)と対応付けて管理する。これにより、CSCFは、UEの加入者情報(CS)を移動後のFAP#2に対応付けて管理することになる(ステップA41)。
【0089】
FAP#2は、SIP-200 OKを受信した場合に、Security Mode CommandをUEに送信する(ステップA32)。
【0090】
UEは、Security Mode Commandを受信した場合に、秘匿を行う。秘匿の処理は、3GPPに準拠した方法で行う。そして、UEは、Security Mode CompleteをFAP#2に送信する(ステップA33)。
【0091】
FAP#2は、Security Mode Completeを受信した場合に、TMSI(Temporary Mobile Subscriber Identities)の補捉を行う。TMSIの補捉は、3GPPに準拠した方法で行う。
【0092】
FAP#2は、Location Update AcceptをUEに送信する(ステップA34)。FAP#2は、new TMSIをLocation Update Acceptに含めて送信する。
【0093】
UEは、Location Update Acceptを受信した場合に、FAP#2で生成したnew TMSIを取得し、TMSI Reallocation CompleteをFAP#2に送信する(ステップA35)。
【0094】
FAP#2は、TMSI Reallocation Completeを受信した場合に、UEのIMSI.UEとnew TMSIとを対応付けて管理する。これにより、FAP#2は、UEの加入者情報(CS)を管理することになる(ステップA39)。
【0095】
また、CSCFは、Dia-Cx-SAAを受信した場合に、UE移動前のFAP#1にSIP-NOTIFYを送信する(ステップA36)。CSCFは、SIP-NOTIFYのBody部のContactタグに、state="terminated",event="deactivated"等を設定し、De-Registerを意味するメッセージにする。また、FAP#1に送信するSIP-NOTIFYを、Diameter-RTR(Registration-Termination-Request)をHSSから受信した場合にFAPに送信するSIP-NOTIFYと同じフォーマットにする。なお、Diameter-RTR(Registration-Termination-Request)をHSSから受信した場合にFAPに送信するSIP-NOTIFYの処理動作については後述する(例えば、
図9、
図13参照)。
【0096】
FAP#1は、SIP-NOTIFYを受信した場合に、SIP-200 OKをCSCFに送信する(ステップA37)。また、FAP#1は、UEの加入者情報(CS/PS)を削除し、UEの加入者情報(CS/PS)を解放する(ステップA40)。
【0097】
このように、本実施形態の通信システムは、UEがFAP#1の配下に在圏した状態からFAP#2の配下に在圏している状態に移行した場合に、UE、FAP#2、CSCFが接続し(ステップA38)、FAP#2は、UEの加入者情報(CS)を管理し(ステップA39)、FAP#1は、UEの加入者情報(CS/PS)を解放することになる(ステップA40)。また、CSCF、HSSのVLRは、UEの加入者情報(CS)をFAP#2の情報(IMSI.FAP#2)と対応付けて管理することになる(ステップA41,A42)。
【0098】
次に、UEがPSサービスの位置登録を行う場合は、Routeing Area Update requestをFAP#2に送信し(ステップA43)、上述したCSサービスの位置登録とほぼ同様な処理を行い、PSサービスの位置登録を行う(ステップA44〜A64)。これにより、FAP#2は、UEの加入者情報(CS/PS)を管理することになる(ステップA64)。
【0099】
このように、本実施形態の通信システムは、正規のユーザであるUEが最後に位置登録したFAP#1(old)とは異なるFAP#2(new)配下のLA(Location Area)内(
図1に示すLA#2)に移動すると、FAP#2のWhite Listを通過し、コアネットワーク側に受け入れられ、UE、FAP#2、PDG、AAA、HSS、HLR/AuCとの間でメッセージを送受信し、UEの認証処理を行い、UEの認証が成功した場合に、FAP#2、PDG、CSCF、HSS、HLR/AuCとの間でメッセージを送受信し、CSCFは、UEの加入者情報(CS)をFAP#2の情報に対応付けて管理することになる(ステップA41)。また、HSSのVLRに管理されているUEの加入者情報(CS)を更新し、UEの加入者情報(CS)をFAP#2の情報に対応付けて管理することになる(ステップA42)。また、FAP#1で管理するUEの加入者情報(CS/PS)を解放すると共に(ステップA40)、FAP#2にUEの加入者情報(CS)を登録して管理することになる(ステップA39)。また、UEがPSサービスの位置登録を行うことで、FAP#2は、UEの加入者情報(CS/PS)を管理することになる(ステップA64)。
【0100】
また、本実施形態のCSCFは、移動後のFAP#2からSIP-Registerを受信した場合に、自CSCF内で管理しているUEの加入者情報(FAP#1のRegister情報)のCall ID(FAP#1)と異なるCall ID(FAP#2)のSIP-Registerを受信することになるため、CSCFは、UEのFAP間の在圏移動と判断する。そして、CSCFは、HSSからDia-Cx-SAAを受信した場合に、De-Registerを意味するSIP-NOTIFYを移動前のFAP#1に送信し、移動前のFAP#1で管理するUEの加入者情報(CS/PS)を削除して解放する。
【0101】
これにより、本実施形態のCSCFは、UEがFAP#1の配下に在圏している状態からFAP#2の配下に在圏移動した場合に、移動前のFAP#1に対してSIP-NOTIFYを送信し、移動前のFAP#1で管理しているUEの加入者情報(CS/PS)を解放することができる。本実施形態のCSCFは、UEの在圏位置に応じてFAP#1,FAP#2で管理するUEの加入者情報(CS/PS)を変更し、移動前のFAP#1は、UEの加入者情報(CS/PS)を解放することができるため、FAP#1が50分周期のRe-RegisterをCSCFに送信することを回避することができる。その結果、CSCFは、UEが在圏しているFAPを誤認識してしまうことを回避することができる。
【0102】
<もし、CSCFが移動前のFAP#1にSIP-NOTIFYを送信しなかった場合>
次に、CSCFが移動前のFAP#1にSIP-NOTIFYを送信せず、FAP#1で管理するUEの加入者情報(CS/PS)を解放しなかった場合について説明する。
【0103】
本実施形態の通信システムにおいてUEがFAP間を移動した場合に発生するケースとしては、
図5に示すS1〜S4のケースが考えられる。
【0104】
ケースS1;UEがFAP#1の配下に在圏している状態からFAP#2の配下に移動した後に、移動前のFAP#1が6分周期の無通信監視によるDe-Register送信契機を発動した場合。
【0105】
ケースS2;UEがFAP#1の配下に在圏している状態からFAP#2の配下に移動した後に、再び、FAP#1に戻ってきた場合。
【0106】
ケースS3;UEがFAP#1の配下に在圏している状態からFAP#2の配下に移動した後に、ケースS1,S2の場合よりも先にFAP#1が50分周期のCSCFに対するRe-Resister送信契機を発動した場合。但し、このケースの場合には、以下の4つのケースが更に発生する。
ケースS3-1:UEがMacro網へ移動した場合
ケースS3-2:UEがFAP#2での電源OFF/ONをした場合
ケースS3-3:FAP#2が50分周期のCSCFに対するRe-Resister送信契機を発動した場合
ケースS3-4:UEがCS発信(SMS発信)を行った場合
【0107】
ケースS4;UEがFAP#1の配下に在圏している状態からFAP#2の配下に移動した後に、ケースS1〜S3の場合よりも先にUEがMacro網へ移動した場合。
【0108】
以下、上記のケースS1〜ケースS4の場合について詳細に説明する。
【0109】
<ケースS1;UEがFAP#1の配下に在圏している状態からFAP#2の配下に移動した後に、移動前のFAP#1が6分周期の無通信監視によるDe-Register送信契機を発動した場合>
まず、
図6を参照しながら、移動前のFAP#1が6分周期の無通信監視によるDe-Register送信契機を発動した場合について説明する。この場合、FAP#1は、CSCFにSIP-De-Registerを送信し、CSCFからSIP-200 OKを受信した場合に、UEの加入者情報(CS/PS)を解放することになる。
【0110】
UEがFAP#1の配下に在圏した状態でFAP#2の配下に在圏した場合は、UE、FAP#2、CSCFとの間が接続されることになる(ステップB0)。この場合、FAP#2は、UEの加入者情報(CS/PS)を管理することになる(ステップB1)。また、CSCFは、UEの加入者情報(CS)をFAP#2の情報(IMSI.FAP#2)と対応付けて管理することになる(ステップB2)。また、HSSのVLRは、UEの加入者情報(CS)をFAP#2の情報(IMSI.FAP#2)と対応付けて管理することになる(ステップB3)。なお、CSCFが移動前のFAP#1にSIP-NOTIFYを送信しなかった場合は、FAP#1で管理するUEの加入者情報(CS/PS)を解放できず、UEの加入者情報(CS/PS)が浮いた状態になってしまう(ステップB4)。
【0111】
この状態で、FAP#1は、6分周期の無通信監視によりUEがFAP#1の配下に在圏していないと判断した場合に、6分周期の無通信監視によるDe-Register契機を発動し、SIP-De-RegisterをCSCFに送信する(ステップB5)。
【0112】
CSCFは、SIP-De-Registerを受信した場合に、CSCFで管理しているUEの加入者情報(CS)を参照し、自CSCF内で管理しているUEの加入者情報(FAP#2のRegister情報)のCall ID(FAP#2)と異なるCall ID(FAP#1)のSIP-De-Registerを受信したと判断する。この場合、CSCFは、自CSCF内で管理しているUEの加入者情報(FAP#2のRegister情報)を保持したまま、SIP-200 OKをFAP#1に送信する(ステップB6)。なお、CSCFは、FAPから受信したRegisterがDe-Registerと判断するには、FAPから受信したRegisterのExpireヘッダが0、または、ContactヘッダのExpiresパラメータ値が0の場合に、De-Registerと判断する。
【0113】
FAP#1は、SIP-200 OKを受信した場合に、UEの加入者情報(CS/PS)を削除し、UEの加入者情報(CS/PS)を解放することになる(ステップB7)。
【0114】
このように、本実施形態の通信システムは、FAP#1が6分周期の無通信監視によりUEの在圏無と判断した場合に、SIP-De-RegisterをCSCFに送信し、CSCFからSIP-200 OKを受信した場合に、UEの加入者情報(CS/PS)を解放することになる。このため、このケースS1の場合は、CSCFがSIP-NOTIFYを移動前のFAP#1に送信せず、移動前のFAP#1で管理するUEの加入者情報(CS/PS)が浮いた状態になってしまっても、上述した処理を行うことで何の問題もなく、移動前のFAP#1で管理しているUEの加入者情報(CS/PS)を解放することができる。
【0115】
<ケースS2;UEがFAP#1の配下に在圏している状態からFAP#2の配下に移動した後に、再び、FAP#1に戻ってきた場合>
次に、
図7を参照しながら、UEがFAP#1の配下に在圏している状態からFAP#2の配下に移動した後に、再び、FAP#1に戻ってきた場合について説明する。
【0116】
UEがFAP#1の配下に在圏した状態でFAP#2の配下に在圏した場合は、UE、FAP#2、CSCFとの間が接続されることになる(ステップC0)。この場合、FAP#2は、UEの加入者情報(CS/PS)を管理することになる(ステップC1)。また、CSCFは、UEの加入者情報(CS)をFAP#2の情報(IMSI.FAP#2)と対応付けて管理することになる(ステップC2)。また、HSSのVLRは、UEの加入者情報(CS)をFAP#2の情報(IMSI.FAP#2)と対応付けて管理することになる(ステップC3)。なお、CSCFが移動前のFAP#1にSIP-NOTIFYを送信しなかった場合は、FAP#1で管理するUEの加入者情報(CS/PS)を解放できず、UEの加入者情報(CS/PS)が浮いた状態になってしまう(ステップC4)。
【0117】
この状態で、UEがFAP#1の配下に戻ってきた場合、UEは、FAP#1に対してLocation Update Requestを送信する(ステップC5)。
【0118】
FAP#1は、Location Update Requestを受信した場合に、UEから受け付けたTMSIの値が移動前のFAP#2となっているため、FAP#1は、SIP-De-RegisterをCSCFに送信する(ステップC6)。
【0119】
CSCFは、SIP-De-Registerを受信した場合に、CSCFで管理しているUEの加入者情報(CS)を参照し、自CSCF内で管理しているUEの加入者情報(FAP#2のRegister情報)のCall ID(FAP#2)と異なるCall ID(FAP#1)のSIP-De-Registerを受信したと判断し、CSCFは、自CSCF内のUEの加入者情報(FAP#2のRegister情報)を保持したまま、SIP-200 OKをFAP#1に送信する(ステップC7)。
【0120】
FAP#1は、SIP-200 OKを受信した場合に、UEの加入者情報(CS)を解放し(ステップC8)、SIP-RegisterをCSCFに送信する(ステップC9)。CSCFは、SIP-Registerを受信した場合に、UE、FAP#1、CSCF、HSS、HLR/AuCの間でC10〜C14の処理を行い、UEに新たなFAP#1のTMSIを与え、UE、FAP#1、CSCFとの間を接続する(ステップC15)。
【0121】
これにより、FAP#1は、UEの加入者情報(CS/PS)を新たに管理することになる(ステップC16)。また、CSCF、HSSのVLRは、UEの加入者情報(CS)をFAP#1の情報(IMSI.FAP#1)と対応付けて管理することになる(ステップC17,C18)。
【0122】
このケースS2の場合は、FAP#2で管理するUEの加入者情報(CS/PS)を解放できず、UEの加入者情報(CS/PS)が浮いた状態になってしまう(ステップC19)。その結果、FAP#2は、50分周期のCSCFに対するRe-Resister送信契機を発動した場合は、SIP-Re-RegisterをCSCFに送信し、CSCFと接続してしまうことになる。このため、このケースS2の場合は、CSCFがSIP-NOTIFYを移動前のFAP#1に送信し、移動前のFAP#1で管理しているUEの加入者情報(CS/PS)を解放し、ステップC4のFAP#1の浮き状態の発生を回避することで、上述した問題を回避することができる。
【0123】
<ケースS3;UEがFAP#1の配下に在圏している状態からFAP#2の配下に移動した後に、ケースS1,S2の場合よりも先にFAP#1が50分周期のCSCFに対するRe-Resister送信契機を発動した場合>
次に、
図8を参照しながら、UEがFAP#1の配下に在圏している状態からFAP#2の配下に移動した後に、ケースS1,S2の場合よりも先にFAP#1が50分周期のCSCFに対するRe-Resister送信契機を発動した場合について説明する。
【0124】
UEがFAP#1の配下に在圏した状態でFAP#2の配下に在圏した場合は、UE、FAP#2、CSCFとの間が接続されることになる(ステップD0)。この場合、CSCFが移動前のFAP#1にSIP-NOTIFYを送信しなかった場合は、FAP#1で管理するUEの加入者情報(CS/PS)を解放できず、UEの加入者情報(CS/PS)が浮いた状態になってしまう(ステップD1)。
【0125】
この状態で、FAP#1が50分周期のCSCFに対するRe-Resister送信契機を発動した場合は、SIP-Re-RegisterをCSCFに送信する(ステップD2)。
【0126】
CSCFは、SIP-Re-Registerを受信した場合に、FAP#1、CSCF、HSS、HLR/AuCの間でステップD3〜D6の処理を行い、FAP#1とCSCFとが接続することになる(ステップD7)。また、FAP#2は、CSCFと接続せず、UEと接続した状態になる(ステップD8)。また、HSSのVLRには、UEの加入者情報(CS)がFAP#1に対応付けて管理されることになる(ステップD9)。ステップD7〜D9の状態をAとする。
【0127】
また、FAP#1は、Aの状態で6分周期の無通信監視によるDe-Register送信契機を発動した場合に、SIP-De-RegisterをCSCFに送信する(ステップD10)。
【0128】
CSCFは、SIP-De-Registerを受信した場合に、FAP#1、CSCF、HSS、HLR/AuCの間でステップD11〜D14の処理を行い、FAP#1とCSCFとの接続を解放することになる。また、FAP#2は、CSCFと接続せず、UEと接続した状態になる(ステップD15)。また、HSSのVLRで管理するUEの加入者情報を削除することになる(ステップD16)。ステップD15〜D16の状態をBとする。
【0129】
このケースS3の場合は、FAP#1が50分周期のCSCFに対するRe-Resister送信契機を発動し、ステップD2でFAP#1がSIP-Re-RegisterをCSCFに送信してしまうと、CSCFは、UEがFAP#2の配下に在圏しているのにもかかわらず、UEがFAP#1の配下に移動したと誤認識してしまうことになる。なお、このケースS3の場合には、更に、以下の4つのケースが発生する。
【0130】
ケースS3-1:UEがMacro網へ移動した場合
ケースS3-2:UEがFAP#2での電源OFF/ONをした場合
ケースS3-3:FAP#2が50分周期のCSCFに対するRe-Resister送信契機を発動した場合
ケースS3-4:UEがCS発信(SMS発信)を行った場合
【0131】
<ケースS3-1:ケースS3の状態でUEがMacro網へ移動した場合>
まず、
図9を参照しながら、ケースS3の状態でUEがMacro網へ移動した場合について説明する。
【0132】
Aの状態でUEがMacro網に移動すると、HLR/AuCは、HSSにMAP-Cancel Location invocation[CS]を送信する(ステップE1)。HSSは、MAP-Cancel Location invocation[CS]を受信すると、RTR(Registration-Termination-Request)をCSCFに送信する(ステップE2)。
【0133】
CSCFは、RTRを受信した場合に、SIP−NOTIFYをFAP#1に送信する(ステップE3)。
【0134】
FAP#1は、SIP-NOTIFYを受信した場合に、UEの加入者情報(CS)を削除し、CSCFとの接続を解放し、SIP-200 OKをCSCFに送信する(ステップE4)。
【0135】
CSCFは、SIP-200 OKを受信した場合に、RTA(Registration-Termination-Answer)をHSSに送信する(ステップE5)。
【0136】
HSSは、RTAを受信した場合に、UEの加入者情報(CS)を削除し(ステップE6)。MAP-Cancel Location AckをHLR/AuCに送信する(ステップE7)。
【0137】
このケースS3-1の場合は、FAP#2は、UEの加入者情報(CS/PS)を解放できず、UEの加入者情報が浮いた状態になってしまう(ステップE8)。その結果、FAP#2が50分周期のCSCFに対するRe-Resister送信契機を発動し、SIP-Re-RegisterをCSCFに送信してしまうと、CSCFは、UEがMacro網に在圏しているのにもかかわらず、UEがFAP#2の配下に移動したと誤認識してしまうことになる。
【0138】
また、Bの状態でUEがMacro網に移動すると、HSSには、UEの加入者情報が管理されていないため、上述したAの状態のような処理は行われず、何の処理も行われないことになる。この場合も、Aの状態と同様に、FAP#2は、UEの加入者情報(CS/PS)を解放できず、UEの加入者情報が浮いた状態になってしまう(ステップE9)。その結果、FAP#2が50分周期のCSCFに対するRe-Resister送信契機を発動し、SIP-Re-RegisterをCSCFに送信してしまうと、CSCFは、UEがMacro網に在圏しているのにもかかわらず、UEがFAP#2の配下に移動したと誤認識してしまうことになる。このため、このケースS3-1の場合は、CSCFがSIP-NOTIFYを移動前のFAP#1に送信し、移動前のFAP#1で管理しているUEの加入者情報(CS/PS)を解放し、
図8に示すステップD1のFAP#1の浮き状態の発生を回避することで、上述した問題を回避することができる。
【0139】
<ケースS3-2:ケースS3の状態でUEがFAP#2での電源OFF/ONをした場合>
次に、
図10を参照しながら、ケースS3の状態でUEがFAP#2での電源OFF/ONをした場合について説明する。
【0140】
Aの状態でUEが電源OFFになると、UEは、MM:detach-IndicationをFAP#2に送信する(ステップF1)。FAP#2は、detach-Indicationを受信した場合に、SIP-De-RegisterをCSCFに送信する(ステップF2)。
【0141】
CSCFは、SIP-De-Registerを受信した場合に、CSCFで管理しているUEの加入者情報(CS)を参照し、自CSCF内で管理しているUEの加入者情報(FAP#1のRegister情報)のCall ID(FAP#1)と異なるCall ID(FAP#2)のSIP-De-Registerを受信したと判断し、CSCFは、自CSCF内のUEの加入者情報(FAP#1のRegister情報)を保持したまま、SIP-200 OKをFAP#2に送信する(ステップF3)。
【0142】
FAP#2は、SIP-200 OKを受信した場合に、UEの加入者情報(CS)を解放する(ステップF4)。
【0143】
また、UEが電源ONになると、UEは、MM:Location Update RequestをFAP#2に送信し(ステップF5)、CSサービスの位置登録を行い、FAP#2は、Location Update Requestを受信した場合に、UE、FAP#2、CSCF、HSS、HLR/AuCの間でステップF6〜F11の処理を行い、UE、FAP#2、CSCFとの間を接続することになる(ステップF12)。また、HSSのVLRは、UEの加入者情報(CS)をFAP#2の情報と対応付けて管理することになる(ステップF13)。
【0144】
この場合、FAP#1は、UEの加入者情報(CS/PS)を解放できず、UEの加入者情報が浮いた状態になってしまう(ステップF14)。その結果、FAP#1が50分周期のCSCFに対するRe-Resister送信契機を発動し、SIP-Re-RegisterをCSCFに送信してしまうと、CSCFは、UEがFAP#2の配下に在圏しているのにもかかわらず、UEがFAP#1の配下に移動したと誤認識してしまうことになる。このため、このケースS3-2の場合は、CSCFがSIP-NOTIFYを移動前のFAP#1に送信し、移動前のFAP#1で管理しているUEの加入者情報(CS/PS)を解放し、
図8に示すステップD1のFAP#1の浮き状態の発生を回避することで、上述した問題を回避することができる。
【0145】
<ケースS3-3:ケースS3の状態でFAP#2が50分周期のCSCFに対するRe-Resister送信契機を発動した場合>
次に、
図11を参照しながら、ケースS3の状態でFAP#2が50分周期のCSCFに対するRe-Resister送信契機を発動した場合について説明する。
【0146】
Aの状態でFAP#2が50分周期のCSCFに対するRe-Resister送信契機を発動した場合は、SIP-Re-RegisterをCSCFに送信する(ステップG1)。CSCFは、SIP-Re-Registerを受信した場合に、FAP#2、CSCF、HSS、HLR/AuCの間でステップG2〜G5の処理を行い、UE、FAP#2、CSCFとの間を接続することになる(ステップG6)。また、HSSのVLRは、UEの加入者情報(CS)をFAP#2の情報と対応付けて管理することになる(ステップG7)。
【0147】
この場合、FAP#1は、UEの加入者情報(CS/PS)を解放できず、UEの加入者情報が浮いた状態になってしまう(ステップG8)。その結果、FAP#1が50分周期のCSCFに対するRe-Resister送信契機を発動し、SIP-Re-RegisterをCSCFに送信してしまうと、CSCFは、UEがFAP#2の配下に在圏しているのにもかかわらず、UEがFAP#1の配下に移動したと誤認識してしまうことになる。このため、このケースS3-3の場合は、CSCFがSIP-NOTIFYを移動前のFAP#1に送信し、移動前のFAP#1で管理しているUEの加入者情報(CS/PS)を解放し、
図8に示すステップD1のFAP#1の浮き状態の発生を回避することで、上述した問題を回避することができる。
【0148】
<ケースS3-4:ケースS3の状態でUEがCS発信(SMS発信)を行った場合>
次に、
図12を参照しながら、ケースS3の状態でUEがCS発信(SMS発信)を行った場合について説明する。
【0149】
Aの状態でUEがCS発信を行った場合は、CmService RequestをFAP#2に送信する(ステップH1)。
【0150】
FAP#2は、CmService Requestを受信した場合に、Security Mode CommandをUEに送信する(ステップH2)。
【0151】
UEは、Security Mode Commandを受信した場合に、Security Mode CompleteをFAP#2に送信する(ステップH3)。
【0152】
次に、UEは、SETUPをFAP#2に送信し(ステップH4)、FAP#2は、SETUPを受信した場合に、SIP-INVITEをCSCFに送信する(ステップH5)。
【0153】
CSCFは、SIP-INVITEを受信した場合に、CSCFで管理しているUEの加入者情報(CS)を参照し、自CSCF内で管理しているUEの加入者情報(FAP#1のRegister情報)のCall ID(FAP#1)と異なるCall ID(FAP#2)のSIP-INVITEを受信したと判断し、CSCFは、SIP-403(Reason#21)をFAP#2に送信する(ステップH6)。
【0154】
FAP#2は、SIP-403(Reason #21)を受信した場合に、RELCOM(CV#21)をUEに送信する(ステップH7)。
【0155】
UEは、RELCOM(CV#21)を受信した場合に、再び、CS発信を行うことになるが、FAP#2からRELCOM(CV#21)を受信してしまうことになる(ステップH14)。このため、このケースS3-4の場合は、CSCFがSIP-NOTIFYを移動前のFAP#1に送信し、移動前のFAP#1で管理しているUEの加入者情報(CS/PS)を解放し、
図8に示すステップD1のFAP#1の浮き状態の発生を回避することで、上述した問題を回避することができる。
【0156】
このように、ケースS3において、CSCFがSIP-NOTIFYを移動前のFAP#1に送信し、移動前のFAP#1で管理しているUEの加入者情報(CS/PS)を解放し、
図8に示すステップD1のFAP#1の浮き状態の発生を回避することで、ケースS3-1〜ケースS3-4の問題を回避することができる。
【0157】
<ケースS4;UEがFAP#1の配下に在圏している状態からFAP#2の配下に移動した後に、ケースS1〜S3の場合よりも先にUEがMacro網へ移動した場合>
次に、
図13を参照しながら、UEがFAP#1の配下に在圏している状態からFAP#2の配下に移動した後に、ケースS1〜S3の場合よりも先にUEがMacro網へ移動した場合について説明する。
【0158】
UEがFAP#1の配下に在圏した状態でFAP#2の配下に在圏した場合は、UE、FAP#2、CSCFとの間が接続されることになる(ステップI0)。この場合、CSCFが移動前のFAP#1にSIP-NOTIFYを送信しなかった場合は、FAP#1で管理するUEの加入者情報(CS/PS)を解放できず、UEの加入者情報(CS/PS)が浮いた状態になってしまう(ステップI1)。
【0159】
この状態で、UEがMacro網に移動した場合は、HLR/AuCは、HSSにMAP-Cancel Location invocation[CS]を送信する(ステップI2)。HSSは、MAP-Cancel Location invocation[CS]を受信すると、RTR(Registration-Termination-Request)をCSCFに送信する(ステップI3)。
【0160】
CSCFは、RTRを受信した場合に、SIP−NOTIFYをFAP#2に送信する(ステップI4)。
【0161】
FAP#2は、SIP-NOTIFYを受信した場合に、UEの加入者情報(CS)を削除し、CSCFとの接続を解放し、SIP-200 OKをCSCFに送信する(ステップI5)。
【0162】
CSCFは、SIP-200 OKを受信した場合に、RTA(Registration-Termination-Answer)をHSSに送信する(ステップI6)。
【0163】
HSSは、RTAを受信した場合に、UEの加入者情報(CS)を削除し(ステップI7)。MAP-Cancel Location AckをHLR/AuCに送信する(ステップI8)。
【0164】
この場合、FAP#1は、UEの加入者情報(CS/PS)を解放できず、UEの加入者情報が浮いた状態になってしまう(ステップI9)。その結果、FAP#1が50分周期のCSCFに対するRe-Resister送信契機を発動し、SIP-Re-RegisterをCSCFに送信してしまうと、CSCFは、UEがMacro網に在圏しているのにもかかわらず、UEがFAP#1の配下に移動したと誤認識してしまうことになる。このため、このケースS4の場合は、CSCFがSIP-NOTIFYを移動前のFAP#1に送信し、移動前のFAP#1で管理しているUEの加入者情報(CS/PS)を解放し、ステップI1のFAP#1の浮き状態の発生を回避することで、上述した問題を回避することができる。
【0165】
<本実施形態の通信システムの作用・効果>
このように、本実施形態の通信システムは、UEがFAP#1の配下に在圏している状態からFAP#2の配下に在圏移動したとCSCFが判断した場合に、移動前のFAP#1に対してSIP-NOTIFYを送信し、移動前のFAP#1で管理しているUEの加入者情報(CS/PS)を解放する。これにより、UEの在圏位置に応じてFAP#1,FAP#2で管理するUEの加入者情報(CS/PS)を変更し、移動前のFAP#1は、UEの加入者情報(CS/PS)を解放することができるため、FAP#1が50分周期のRe-RegisterをCSCFに送信することを回避することができる。その結果、CSCFは、UEが在圏しているFAPを誤認識してしまうことを回避することができる。その結果、ケースS2〜ケースS4の問題を回避することができる。
【0166】
また、移動前のFAP#1が6分周期の無通信監視によりUEの在圏無と判断した場合に、SIP-De-RegisterをCSCFに送信する。CSCFは、SIP-De-Registerを受信した場合に、CSCFで管理しているUEの加入者情報(CS)を参照し、自CSCF内で管理しているUEの加入者情報(FAP#2のRegister情報)のCall ID(FAP#2)と異なるCall ID(FAP#1)のSIP-De-Registerを受信した場合に、SIP-200 OKを移動前のFAP#1に送信し、移動前のFAP#1は、CSCFからSIP-200 OKを受信した場合に、UEの加入者情報(CS/PS)を解放する。これにより、移動前のFAP#1は、UEの加入者情報(CS/PS)を解放することができるため、FAP#1が50分周期のRe-RegisterをCSCFに送信することを回避することができる。その結果、CSCFは、UEが在圏しているFAPを誤認識してしまうことを回避することができる。
【0167】
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0168】
例えば、上述する実施形態では、FAPが6分周期のDe-Registerと50分周期のRe-RegisterとをCSCFに送信することを前提として説明した。しかし、6分周期や、50分周期は一例であり、この周期は任意に設定変更することが可能である。但し、周期を任意に設定変更しても、De-Registerの周期と、Re-Registerの周期と、が非同期になってしまうため、コアネットワーク側のCSCFは、UEが在圏しているFAPを誤認識してしまう虞があることは言うまでもない。また、De-Registerの周期と、Re-Registerの周期と、を同期させたとしても、De-Regiseterの周期を6分未満に設定変更する事が出来ないため、コアネットワーク側のCSCFは、UEが在圏しているFAPを誤認識してしまう虞があることは言うまでもない。
【0169】
また、
図3,
図4に示す処理動作では、CSCFは、移動後のFAP#2にSIP-200 OKを送信した後に、移動前のFAP#1にSIP-NOTIFYを送信することにしたが、移動前のFAP#1にSIP-NOTIFYを送信した後に、移動後のFAP#2にSIP-200 OKを送信することも可能である。
【0170】
また、本実施形態における通信システムは、3GPPのVersionには依存せずに処理を行うことが可能である。
【0171】
また、上述した本実施形態における通信システムを構成する各装置における制御動作は、ハードウェア、または、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成を用いて実行することも可能である。
【0172】
なお、ソフトウェアを用いて処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ内のメモリにインストールして実行させることが可能である。あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
【0173】
例えば、プログラムは、記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことが可能である。あるいは、プログラムは、リムーバブル記録媒体に、一時的、あるいは、永続的に格納(記録)しておくことが可能である。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することが可能である。リムーバブル記録媒体としては、フロッピー(登録商標)ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magneto optical)ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどが挙げられる。
【0174】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールすることになる。また、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送することになる。また、ネットワークを介して、コンピュータに有線で転送することになる。
【0175】
また、本実施形態における通信システムは、上記実施形態で説明した処理動作に従って時系列的に処理を実行するのみならず、処理を実行する装置の処理能力、あるいは、必要に応じて並列的にあるいは個別に処理を実行するように構築することも可能である。
【0176】
また、本実施形態における通信システムは、複数の装置の論理的集合構成にしたり、各構成の装置が同一筐体内に存在する構成にしたりするように構築することも可能である。