【実施例】
【0040】
<α−酸化アルミニウム前駆体ゾルの製造>
硝酸アルミニウム9水和物(ナカライテスク製,純度98.0%)を水に溶解させ、0.5M水溶液とした(工程P1)。
図9に、アルミニウム水酸化物の水における溶解平衡を水溶液の濃度及びpHとの関係で示すように、水溶液のpHが4〜11であれば水溶液の濃度に殆ど影響されず水酸化アルミニウムが沈殿する。本実施例では1.5Mに調製したアンモニア水(ナカライテスク製,試薬特級28%)を、硝酸アルミニウム0.5M水溶液に添加してpH8に調整することにより、白色の水酸化アルミニウムを沈殿させた(工程P2)。ここで、pH測定には、ガラス電極式水素イオン濃度計(岩城硝子製,AC−50)及びpH電極(Thermo Fisher Scientific製)を使用した。なお、
図9は、下記の文献に掲載された溶解度積のデータに基づいて作成した図である。
G.Charlot著、曽根興三・田中元治訳、「定性化学分析II 溶液中の化学反応 改訂版」共立出版、1974年、p.291
【0041】
沈殿物を含む水溶液を遠心分離機で遠心分離し(回転数3000rpm,15分間)、水酸化アルミニウムの沈殿物を溶媒と分離した(工程P3)。
【0042】
分離された水酸化アルミニウムに純水を加えて撹拌し、上記と同一条件の遠心分離による水洗操作を行った。この水洗操作は、硝酸アルミニウム9水和物に由来する硝酸イオン、及び、アンモニア水に由来するアンモニウムイオンを除去することを目的としており、上澄み液の電気伝導度が0.01S/m以下となることを目安とし、4回繰り返して行った(工程P4)。なお、電気伝導度の測定は、ガラス電極式水素イオン濃度計(堀場製作所製,D−24)及び電気伝導度電極(堀場製作所製,汎用電気伝導率用セル)を使用した。
【0043】
水洗されたゲル状の水酸化アルミニウムに、カルボン酸を添加して混合し撹拌した(工程P5)。撹拌は、振とう器(東京理科器製,マルチシェーカーMMS−3010にBASE−L50を装着)を使用し、混合液が透明となるまで時間を計測しつつ、振とう速度260rpmで行った。この工程は、下記の表1に示すように、カルボン酸としてギ酸を使用し、アルミニウムイオンに対するカルボキシル基の割合をそれぞれ1.5モル、2モル、3モルとした試料A1−1.5,A1−2,A1−3、及び、カルボン酸として酢酸を使用し、アルミニウムイオンに対するカルボキシル基の割合をそれぞれ1モル、1.5モル、2モル、3モルとした試料A2−1,A2−1.5,A2−2,A2−3について行い、混合液の撹拌による変化を観察した。その結果を表1に合わせて示す。
【0044】
【表1】
【0045】
表1では、無色透明なゾルが得られた場合を「◎」、少し白濁しているものの殆ど透明なゾルが得られた場合を「○」、ゾル化しない場合(沈殿物に変化がない場合)を「×」で表示している。表1に示すように、カルボン酸がギ酸の場合は、アルミニウムイオン1モルに対するカルボキシル基の割合が2モル以上で、カルボン酸が酢酸の場合は、アルミニウムイオン1モルに対するカルボキシル基の割合が1.5モル以上で、ゾルが得られた。また、カルボン酸がギ酸の場合も酢酸の場合も、アルミニウムイオン1モルに対するカルボキシル基の割合が大きくなるほど、短時間の撹拌で液の透明度が増した。なお、無色透明となった場合は、水酸化アルミニウムのほぼ全量からゾルが生成したと考えられる。
【0046】
上記のようにして得られたゾルは、X線回折パターンの測定により、加熱処理により約950℃という低温でα−酸化アルミニウムを生成する、α−酸化アルミニウム前駆体ゾルであることが、確認された。すなわち、以下のゾルが、本実施形態のα−酸化アルミニウム前駆体ゾルに相当する。
試料A1−2のゾル:アルミニウムイオン1モルに対し2モルのギ酸イオンを含有するα−酸化アルミニウム前駆体ゾル
試料A1−3のゾル:アルミニウムイオン1モルに対し3モルのギ酸イオンを含有するα−酸化アルミニウム前駆体ゾル
試料A2−1.5のゾル:アルミニウムイオン1モルに対し1.5モルの酢酸イオンを含有するα−酸化アルミニウム前駆体ゾル
試料A2−2のゾル:アルミニウムイオン1モルに対し2モルの酢酸イオンを含有するα−酸化アルミニウム前駆体ゾル
試料A2−3のゾル:アルミニウムイオン1モルに対し3モルの酢酸イオンを含有するα−酸化アルミニウム前駆体ゾル
【0047】
ここで、X線回折パターンは、各試料のゾルの乾燥物を所定温度で2時間焼成した後、下記の条件で測定した。なお、ゾルの乾燥は、乾燥機を使用し、150℃で12時間行った。
X線回折パターンの測定条件
粉末X線回折装置:リガク製、RINT−Ultima III/PC
管球:CuKα線(モノクロ付き)
出力:電圧40kV,電流40mA
ステップ幅:0.02°(回折角度10°〜70°)
計測速度:2°/min
【0048】
例として、試料A1−3について計測されたX線回折パターンを、
図3に示す。JCPDSに記載されたα−酸化アルミニウム及びγ−酸化アルミニウムの格子定数と対比すると、800℃の加熱処理によりγ−酸化アルミニウムのピークが認められ、950℃の加熱処理でα−酸化アルミニウムのピークが認められた。そして、1000℃の加熱処理ではγ−酸化アルミニウムのピークはほぼ消失し、α−酸化アルミニウムの単一相となった。すなわち、本実施形態のゾルからは、従来α−酸化アルミニウムの合成に必要と言われていた温度である1300℃よりかなり低い950℃で、α−酸化アルミニウムが生成する。
【0049】
同じ試料A1−3のゾル乾燥物について、示差熱重量分析を行った結果を
図4に示す。ここで、示差熱重量分析は、示差熱重量同時測定装置(SII製,EXSTAR TG/DTA6300)を使用し、昇温速度5℃/min、流速200ml/minの空気雰囲気下で行った。
図4から明らかなように、300℃付近に大きな重量減少及び発熱ピークが測定され、それより高温では重量がほぼ一定となっている。このことから、約300℃という低温でゾル乾燥物が熱分解し、酸化アルミニウムの組成となっていると考えられた。また、約900℃に認められる発熱ピークは、上記のX線回折パターンの測定結果と考え合わせると、酸化アルミニウムのα化によるものと考えられる。
【0050】
また、示差熱重量分析における約300℃の重量減少、及び、有機元素分析の結果から、試料A1−3のゾル乾燥物の化学式は、次のように考えられた。
Al(HCOOH)
2OH 〜 Al(HCOOH)(OH)
2
試料A1−3のゾルは、アルミニウムイオン1モルに対するギ酸の割合を3モルとして製造したものであるが、単純なAl(HCOOH)
3という構成ではない点が注目される。なお、有機元素分析には、有機微量元素分析装置(ヤナコ分析工業製,CHNコーダーMT−6)を使用した。
【0051】
なお、上記では、アルミニウム塩の水溶液の液性を調整し沈殿させた水酸化アルミニウムを、乾燥させずにカルボン酸と混合・撹拌してゾル化させる場合を説明したが、非晶質であれば乾燥済みの水酸化アルミニウムを使用して、α−酸化アルミニウム前駆体ゾルを製造することが可能である。ここで、非晶質の水酸化アルミニウムとは、結晶が極めて微小で秩序ある構造を取っておらず、
図5に示すように、X線回折パターンにピークが表れない水酸化アルミニウムを指している。なお、
図5のX線回折パターンの測定条件は、上記と同一である。
【0052】
<YAGの製造方法 (1)酸化イットリウム前駆体ゾルの製造>
塩化イットリウム6水和物(関東化学製,高純度試薬99.99%)を水に溶解させ、0.5M水溶液とした(工程S1)。
図10に、イットリウム水酸化物の水における溶解平衡を水溶液の濃度及びpHとの関係で示すように、水溶液がアルカリ性であれば濃度に殆ど影響されず水酸化イットリウムが沈殿する。本実施例では1.5Mに調製したアンモニア水(ナカライテスク製,試薬特級28%)を、塩化イットリウムの0.5M水溶液に添加してpH9.5に調整することにより、白色の水酸化イットリウムを沈殿させた(工程S2)。なお、
図10は、下記の文献に掲載された溶解度積のデータに基づいて作成した図である。
J.A.Dean著、「Analytical Chemistry Handbook」、McGraw−Hill、1995年、p.3.8
【0053】
沈殿物を含む水溶液を遠心分離し(回転数3000rpm,15分間)、水酸化イットリウムを溶媒と分離した(工程S3)。分離された水酸化イットリウムに純水を加えて撹拌し、上記と同一条件で遠心分離する水洗操作を、4回繰り返して行った(工程S4)。
【0054】
水洗されたゲル状の水酸化イットリウムに、酢酸(ナカライテスク製,試薬特級99.7%)を添加して混合・撹拌した(工程S5)。撹拌は、上記の振とう器を使用し、混合液が無色透明となるまで時間を計測しつつ、振とう速度260rpmで行った。この工程は、下記の表2に示すように、アルミニウムイオンに対するカルボキシル基の割合をそれぞれ1モル、1.5モル、2モル、3モルとした試料Y−1,Y−1.5,Y−2,Y−3について行い、混合液の撹拌による変化を観察した。その結果を表2に合わせて示す。
【0055】
【表2】
【0056】
ゾル化に関する評価の表示は、表1と同様である。表2に示すように、イットリウムイオン1モルに対する酢酸の割合が1.5モル以上で透明のゾルが得られ、水酸化アルミニウムのほぼ全量からゾルが生成したと考えられた。
【0057】
上記のようにして得られたゾルからは、500℃〜600℃という低温で酸化イットリウムが生成する。例として、試料Y−1.5のゾルを150℃で12時間乾燥させた乾燥物を、所定温度で2時間加熱処理を行った後、測定したX線回折パターンを
図6に示す。
図6から明らかなように、500℃の加熱処理によって、かなりシャープな酸化イットリウムのピークが観察され、600℃の加熱処理によって酸化イットリウムのピークはより明瞭となった。なお、X線回折パターンは、X線回折装置(マックサイエンス製,MXP18)を使用し、線源CuKα線、計測時間1.00sec、ステップ幅0.02degree、電圧40.00kV、電流200.00mAの条件で測定した。
【0058】
<YAGの製造方法 (2)YAGの合成>
試料A1−3のα−酸化アルミニウム前駆体ゾルと、試料Y−1.5の酸化イットリウム前駆体ゾルを、イットリウムとアルミニウムのモル比が3:5となる割合で混合・撹拌し、ゾル混合物とした。ここで、α−酸化アルミニウム前駆体ゾルを「AlOFo」と表示し、酸化イットリウム前駆体ゾルを「YOAc」を表示すると共に、両者を混合したゾル混合物を「YOAc−AlOFo」と表示する。このゾル混合物「YOAc−AlOFo」を150℃で24時間乾燥させた後、乾燥物を400℃で1時間、空気雰囲気で仮焼し、更に600℃〜1100℃の所定温度で2時間、空気雰囲気で焼成した。各温度で焼成した試料についてX線回折パターンを測定した結果を、
図7(a)に示す。なお、X線回折パターンの測定条件は、α−酸化アルミニウム前駆体ゾルを加熱処理した試料のX線回折パターンの測定条件として上述した条件と同一である。
【0059】
対照として、酸化アルミニウムの前駆体として、本実施形態のα−酸化アルミニウム前駆体ゾルの代わりに、市販試薬である酢酸アルミニウム(水溶性粉末)(ナカライテスク製)の水溶液を使用し、試料Y−1.5の酸化イットリウム前駆体ゾルと、イットリウムとアルミニウムのモル比が3:5となる割合で混合・撹拌し、混合物とした。ここで、酢酸アルミニウムを「AlOAc」と表示し、酸化イットリウム前駆体ゾルとの混合物を「YOAc−AlOAc」と表示する。この混合物「YOAc−AlOAc」を、ゾル混合物「YOAc−AlOFo」の場合と同一条件で乾燥、仮焼、焼成し、X線回折パターンを測定した。その結果を
図7(b)に示す。
【0060】
図7(a)から明らかなように、ゾル混合物「YOAc−AlOFo」については、800℃以上の加熱で、JCPDSに記載のYAGのピーク値と同位置に回折ピークが認められ、少なくとも800℃の加熱でYAGが合成できることが確認された。また、YAG以外のピークは認められず、YAGの単一相であった。
【0061】
一方、
図7(b)に示すように、混合物「YOAc−AlOAc」については、700℃以上の加熱でYAGの回折ピークが認められた。しかしながら、YAG以外の多数のピークが観測され、種々の結晶相が混在していると考えられた。
【0062】
このように、「YOAc−AlOFo」と「YOAc−AlOAc」とで、加熱により生成する結晶相に相違がみられるのは、α−酸化アルミニウム前駆体ゾルと酢酸アルミニウムとでは、熱分解の温度に大きな相違があるためと考えられた。これを、
図8を用いて説明する。ここで、
図8(a)は試料Y−1.5の酸化イットリウム前駆体ゾル(YOAc)の150℃乾燥物について、
図8(b)は試料A1−3のα−酸化アルミニウム前駆体ゾル(AlOFo)の150℃乾燥物について、及び、
図8(c)は市販試薬の酢酸アルミニウム(AlOAc)粉末について、それぞれ示差熱重量分析を行った結果である。なお、示差熱重量分析の測定条件は上記と同一であり、
図8(b)は
図4と同一のデータである。
【0063】
図8(a)に示すように、酸化イットリウム前駆体ゾルの乾燥物では、300℃〜400℃に大きな重量減少と発熱ピークが観察され、この温度で熱分解していると考えられた。この熱分解温度は、
図8(b)に示すα−酸化アルミニウム前駆体ゾルの乾燥物の熱分解温度(約300℃)と近い。従って、酸化イットリウムの前駆体と、α−酸化アルミニウムの前駆体とが、それぞれ近い温度で熱分解することにより、イットリウム源とアルミニウム源との反応によるYAGの合成が速やかに進行し、YAGの単一相となったと考えられた。
【0064】
一方、
図8(c)に示すように、市販試薬の酢酸アルミニウムでは、約700℃に大きな重量減少と吸熱ピークが観察され、熱分解温度が、酸化イットリウム前駆体ゾルの熱分解温度より300℃以上高いことが分かる。このように、YAGのイットリウム源の熱分解温度と、アルミニウム源の熱分解温度とに大きな差があることにより、「YOAc−AlOAc」におけるイットリウムとアルミニウムのモル比がYAGの化学量論比であっても、YAG以外の結晶相が生成しやすいものと考えられた。
【0065】
上記のように、本実施例のα−酸化アルミニウム前駆体ゾルの製造方法によれば、非晶質の水酸化アルミニウムをカルボン酸と混合し撹拌するのみの極めて簡易な方法で、α−酸化アルミニウムの前駆体であるゾルを製造することができ、製造されたゾルからは、約950℃という低温でα−酸化アルミニウムが生成する。
【0066】
また、α−酸化アルミニウム前駆体ゾルの製造のために有機溶媒を使用していないことに加え、水酸化アルミニウムとカルボン酸から得られたゾルはアルミニウム、炭素、水素、及び酸素の元素のみからなり、加熱の際に有害なガスが発生しない。従って、本実施形態によれば、環境に与える負荷を低減して、α−酸化アルミニウムを合成することができる。
【0067】
加えて、本実施例のα−酸化アルミニウム前駆体ゾルの製造方法によれば、アルミニウムイオン1モルに対するギ酸イオンの割合が2モル以上3モル未満であるα−酸化アルミニウム前駆体ゾルを製造することができ、また、アルミニウムイオン1モルに対する酢酸イオンの割合が1.5モル以上3モル未満であるα−酸化アルミニウム前駆体ゾルを製造することができる。これにより、加熱の際に発生する二酸化炭素が低減され、環境に与える負荷をより低減して、α−酸化アルミニウムを合成することができる。
【0068】
一方、本実施例のYAGの製造方法によれば、酸化アルミニウムの粉末及び酸化イットリウムの粉末を混合し1600℃以上で焼成する従来法に比べて、大幅に低い温度である800℃で、YAGを合成することができる。
【0069】
また、YAGの製造方法において、酸化イットリウム前駆体ゾルの製造のために有機溶媒を使用していないことに加え、水酸化イットリウムとカルボン酸から得られた酸化イットリウム前駆体ゾルからは、加熱の際に有害なガスが発生しない。従って、そのような酸化イットリウム前駆体ゾルと上記のα−酸化アルミニウム前駆体ゾルとを組み合わせることにより、環境に与える負荷を低減してYAGを合成することができる。
【0070】
更に、YAGの製造方法における酸化イットリウム前駆体ゾルの製造工程では、イットリウムイオン1モルに対してカルボキシル基が3モルに満たない割合のカルボン酸の添加で、ほぼ全量の水酸化イットリウムから安定なゾルを製造することができる。従って、本実施例のYAGの製造方法によれば、YAGを生成させる加熱処理の際に発生する二酸化炭素を低減させることが可能であり、環境に与える負荷をより低減することができる。
【0071】
また、本実施例では、α−酸化アルミニウム、及び、YAGの前駆体となるゾルを生成させるカルボン酸として、炭素数の小さいギ酸及び酢酸を使用している。そのため、YAGを生成させる加熱の際に、カルボン酸を起源として発生する二酸化炭素が少ない。
【0072】
加えて、YAGのアルミニウム源として、市販の酢酸アルミニウムの水溶液を使用した場合は、酸化イットリウム前駆体ゾルとの混合物の加熱処理によって、YAGと共にYAG以外の結晶相も生成するのに対し、α−酸化アルミニウム前駆体ゾルと酸化イットリウム前駆体ゾルとの混合物を加熱することにより、YAGの単一相を生成させることができる。
【0073】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0074】
例えば、α−酸化アルミニウム前駆体ゾルを単独で加熱処理することによりα−酸化アルミニウムを生成させ、或いは、α−酸化アルミニウム前駆体ゾルと酸化イットリウム前駆体ゾルとの混合物を加熱処理することによりYAGを生成させる場合を例示したが、これに限定されず、α−酸化アルミニウム前駆体ゾルを他の金属酸化物の前駆体と混合して加熱処理を行うことにより、イットリウム以外の金属とアルミニウムとの複酸化物を生成させることも可能である。
【0075】
なお、α−酸化アルミニウム前駆体ゾルは、α−酸化アルミニウムの粉末やバルク体を製造するための前駆体として使用できる他、α−酸化アルミニウムのコーティング膜を形成するコーティング剤として有用であると期待される。また、YAGの製造方法は、YAGの粉末やバルク体の製造方法として、或いは、YAGのコーティング膜の製造方法として使用することができる。