(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1導電型のトランジスタから成る第1トランジスタ回路と第2導電型のトランジスタから成る第2トランジスタ回路とが、第1固定電源と第2固定電源との間に直列に接続され、第1導電型のトランジスタから成る第3トランジスタ回路と第2導電型のトランジスタから成る第4トランジスタ回路とが、第1固定電源と第2固定電源との間に直列に接続されており、
前記第2トランジスタ回路の入力端には第1入力電圧が与えられ、前記第4トランジスタ回路の入力端には第2入力電圧が与えられ、
前記第1トランジスタ回路の入力端が前記第3,第4トランジスタ回路の出力端に接続され、前記第3トランジスタ回路の入力端が前記第1,第2トランジスタ回路の出力端に接続されており、
前記第1,第2,第3,第4トランジスタ回路はそれぞれ、ダブルゲートトランジスタから成り、
前記第1,第2トランジスタ回路のうちの一方の電源側のトランジスタ回路と、前記第3,第4トランジスタ回路のうちの他方の電源側のトランジスタ回路とが導通状態のとき、それら導通状態のトランジスタ回路以外の2つのトランジスタ回路の前記ダブルゲートトランジスタのうちの一方のソースと他方のドレインとを接続する共通接続ノードに第3固定電源の電圧を与えるスイッチ素子を有する
レベルシフタ回路。
第1固定電源−第3固定電源間の電圧及び第3固定電源−第2固定電源間の電圧は、前記第1乃至第4トランジスタ回路を構成する各トランジスタのソース−ドレイン耐圧の範囲内の電圧である
請求項1に記載のレベルシフタ回路。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本開示の技術を実施するための形態(以下、「実施形態」と記述する)について図面を用いて詳細に説明する。本開示は実施形態に限定されるものではない。以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。尚、説明は以下の順序で行う。
1.本開示のレベルシフタ回路、全般に関する説明
2.第1実施形態に係るレベルシフタ回路
2−1.回路構成
2−2.回路動作
2−3.作用、効果
3.第2実施形態に係るレベルシフタ回路
3−1.回路構成
3−2.回路動作
3−3.作用、効果
4.第3実施形態に係るレベルシフタ回路
5.表示装置(有機EL表示装置)
5−1.システム構成
5−2.画素回路
5−3.走査回路
5−4.その他
6.電子機器
7.本開示の構成
【0020】
<1.本開示のレベルシフタ回路、全般に関する説明>
本開示のレベルシフタ回路は、第1導電型のトランジスタから成る第1,第3トランジスタ回路と、第2導電型のトランジスタから成る第2,第4トランジスタ回路とを有する構成となっている。第1トランジスタ回路と第2トランジスタ回路とは、第1固定電源と第2固定電源との間に直列に接続されている。第3トランジスタ回路と第4トランジスタ回路とは、第1固定電源と第2固定電源との間に直列に接続されている。
【0021】
第1トランジスタ回路と第2トランジスタ回路との共通接続ノードは、これらトランジスタ回路の出力端となる。また、第3トランジスタ回路と第4トランジスタ回路との共通接続ノードは、これらトランジスタ回路の出力端となる。そして、第2トランジスタ回路の入力端には第1入力電圧が与えられ、第4トランジスタ回路の入力端には第2入力電圧が与えられる。第1入力電圧と第2入力電圧とを、逆相の電圧とすることができる。第1トランジスタ回路の入力端が第3,第4トランジスタ回路の共通接続ノードに接続され、第3トランジスタ回路の入力端が第1,第2トランジスタ回路の共通接続ノードに接続されている。
【0022】
そして、第1固定電源側の2つのトランジスタ回路及び第2固定電源側の2つのトランジスタ回路の少なくとも一方側の2つのトランジスタ回路は、ダブルゲート構造のトランジスタ、即ち、ダブルゲートトランジスタから成る。ここで、第1固定電源側の2つのトランジスタ回路とは第1,第3トランジスタ回路のことであり、第2固定電源側の2つのトランジスタ回路とは第2,第4トランジスタ回路のことである。
【0023】
本開示のレベルシフタ回路は、大きくは、2つの回路形態を採ることができる。第1の回路形態は、第1固定電源が正側電源、第2固定電源が負側電源、第1導電型のトランジスタがPチャネル型のトランジスタ、第2導電型のトランジスタがNチャネル型のトランジスタの形態である。第2の回路形態は、第1固定電源が負側電源、第2固定電源が正側電源、第1導電型のトランジスタがNチャネル型のトランジスタ、第2導電型のトランジスタがPチャネル型のトランジスタの形態である。
【0024】
第1の回路形態を採るときは、第1固定電源の電圧を第1,第2入力電圧の高電圧側の電圧よりも高く設定し、第2固定電源の電圧を第1,第2入力電圧の低電圧側の電圧以下に設定するのが好ましい。また、第2の回路形態を採るときは、第1固定電源の電圧を第1,第2入力電圧の低電圧側の電圧よりも低く設定し、第2固定電源の電圧を第1,第2入力電圧の高電圧側の電圧以上に設定するのが好ましい。
【0025】
本開示のレベルシフタ回路は、第3,第4トランジスタ回路の共通接続ノードに接続される最終段のインバータ回路との組合せで用いることができる。この場合、第1の回路形態では、第1固定電源の電圧を最終段のインバータ回路の正側電源の電圧よりも高く設定し、第2固定電源の電圧を最終段のインバータ回路の負側電源の電圧以下に設定するのが好ましい。また、第2の回路形態では、第1固定電源の電圧を最終段のインバータ回路の負側電源の電圧よりも低く設定し、第2固定電源の電圧を最終段のインバータ回路の正側電源の電圧以上に設定するのが好ましい。
【0026】
そして、本開示のレベルシフタ回路は、一方の電源側の2つのトランジスタ回路が動作状態のとき、他方の電源側の2つのトランジスタ回路のダブルゲートトランジスタの共通接続ノードに対して、第3固定電源の電圧を与えるスイッチ素子を有することを特徴としている。
【0027】
第3固定電源の電圧は、第1,第2固定電源の各電圧の間の値、好ましくは、第1,第2固定電源の各電圧の平均値とするのが望ましい。この第3固定電源の電圧を選択的に与えるスイッチ素子は、他方の電源側の2つのトランジスタ回路を構成するトランジスタと同導電型のトランジスタとすることができる。この同導電型のトランジスタは、第1入力電圧または第2入力電圧をゲート入力とする。
【0028】
ここで、第1固定電源−第3固定電源間の電圧、及び、第3固定電源−第2固定電源間の電圧が、第1〜第4トランジスタ回路を構成する各トランジスタのソース−ドレイン耐圧の範囲内の電圧とするのが好ましい。このような電圧設定を行うことにより、第1〜第4トランジスタ回路を構成する各トランジスタに与えられるソース−ドレイン間電圧がその耐圧の範囲内となり、尚且つ、第1,第2入力電圧の振幅よりも大きい振幅の出力電圧を導出することができる。
【0029】
本開示のレベルシフタ回路は、その用途が限定されるものではなく、一般的なレベルシフタ回路として種々の用途に用いることができる。一例として、本開示のレベルシフタ回路は、最終段にインバータ回路を有し、行列状に配置された画素を走査する走査信号を出力する走査回路において、最終段のインバータ回路の前段の回路として用いることができる。
【0030】
また、本開示のレベルシフタ回路を、最終段のインバータ回路の前段回路として用いる走査回路は、電気光学素子を含む画素が行列状に配置されて成る表示装置、あるいは、光電変換素子を含む画素が行列状に配置されて成る固体撮像装置において、各画素を走査する走査回路として用いることができる。この場合、走査回路は、表示パネル上に搭載する形態をとることもできるし、あるいは、ドライバICとして表示パネル外に配する形態をとることもできる。また、本開示のレベルシフタ回路を、最終段のインバータ回路の前段回路として用いる走査回路を搭載する表示装置は、表示部を備える各種の電子機器において、その表示部として用いることができる。
【0031】
以下に、本開示の具体的な実施形態に係るレベルシフタ回路について説明する。
【0032】
<2.第1実施形態>
[2−1.回路構成]
図1は、本開示の第1実施形態に係るレベルシフタ回路の構成の一例を示す回路図である。第1実施形態に係るレベルシフタ回路100
Aは、前に述べた第1の回路形態を採っている。すなわち、第1固定電源101を正側電源、第2固定電源102を負側電源とし、第1導電型のトランジスタとしてPチャネル型のトランジスタ(以下、「Pチャネルトランジスタ」と記述する)を用い、第2導電型のトランジスタとしてNチャネル型のトランジスタ(以下、「Nチャネルトランジスタ」と記述する)を用いる。
【0033】
図1において、第1実施形態に係るレベルシフタ回路100
Aは、第1トランジスタ回路111、第2トランジスタ回路112、第3トランジスタ回路113、及び、第4トランジスタ回路114の4つのトランジスタ回路から構成されている。第1トランジスタ回路111と第2トランジスタ回路112とは、正側電源である第1固定電源101と負側電源である第2固定電源102との間に直列に接続されている。同様に、第3トランジスタ回路113と第4トランジスタ回路114とは、第1固定電源101と第2固定電源102との間に直列に接続されている。
【0034】
第1固定電源101側の2つのトランジスタ回路、即ち、第1トランジスタ回路111及び第3トランジスタ回路113は、Pチャネルトランジスタから成る。第2固定電源102側の2つのトランジスタ回路、即ち、第2トランジスタ回路112及び第4トランジスタ回路114は、Nチャネルトランジスタから成る。そして、第1固定電源101側の2つのトランジスタ回路111,113、及び、第2固定電源102側の2つのトランジスタ回路112,114が共に、ダブルゲート構造のトランジスタ、即ち、ダブルゲートトランジスタから成る。
【0035】
但し、これは一例に過ぎず、第1固定電源101側の2つのトランジスタ回路111,113及び第2固定電源102側の2つのトランジスタ回路112,114の一方側の2つのトランジスタ回路のみが、ダブルゲートトランジスタから成る構成を採ることも可能である。このように、一方側の2つのトランジスタ回路のみがダブルゲートトランジスタから成るときは、他方側の2つのトランジスタ回路はシングルゲートトランジスタから成る。
【0036】
第1トランジスタ回路111は、ゲート電極同士が共通に接続されたダブルゲート構造の2つのPチャネルトランジスタP
11,P
12から成る。PチャネルトランジスタP
11のソース電極は、第1固定電源101に接続されている。PチャネルトランジスタP
11のドレイン電極とPチャネルトランジスタP
12のソース電極とは共通に接続されて、ダブルゲートトランジスタ(P
11,P
12)の共通接続ノードn
11となっている。PチャネルトランジスタP
12のドレイン電極は、第1トランジスタ回路111の出力端T
11となっている。
【0037】
第2トランジスタ回路112は、ゲート電極同士が共通に接続されたダブルゲート構造の2つのNチャネルトランジスタN
11,N
12から成る。NチャネルトランジスタN
11のドレイン電極は、第2トランジスタ回路112の出力端T
11となっている。第2トランジスタ回路112の出力端T
11は、第1トランジスタ回路111の出力端T
11でもある。すなわち、PチャネルトランジスタP
12のドレイン電極とNチャネルトランジスタN
11のドレイン電極とが共通に接続されて第1,第2トランジスタ回路111,112の出力端T
11となっている。
【0038】
2つのNチャネルトランジスタN
11,N
12の共通に接続されたゲート電極は、第2トランジスタ回路112の入力端T
12となっている。NチャネルトランジスタN
11のソース電極とNチャネルトランジスタN
12のドレイン電極とは共通に接続されて、ダブルゲートトランジスタ(N
11,N
12)の共通接続ノードn
12となっている。NチャネルトランジスタN
12のソース電極は、第2固定電源102に接続されている。
【0039】
第3トランジスタ回路113は、ゲート電極同士が共通に接続されたダブルゲート構造の2つのPチャネルトランジスタP
13,P
14から成る。PチャネルトランジスタP
13のソース電極は、第1固定電源101に接続されている。PチャネルトランジスタP
13のドレイン電極とPチャネルトランジスタP
14のソース電極とは共通に接続されて、ダブルゲートトランジスタ(P
13,P
14)の共通接続ノードn
13となっている。PチャネルトランジスタP
14のドレイン電極は、第3トランジスタ回路113の出力端T
13となっている。
【0040】
第4トランジスタ回路114は、ゲート電極同士が共通に接続されたダブルゲート構造の2つのNチャネルトランジスタN
13,N
14から成る。NチャネルトランジスタN
13のドレイン電極は、第4トランジスタ回路114の出力端T
13となっている。第4トランジスタ回路114の出力端T
13は、第3トランジスタ回路113の出力端T
13でもある。すなわち、PチャネルトランジスタP
14のドレイン電極とNチャネルトランジスタN
13のドレイン電極とが共通に接続されて第3,第4トランジスタ回路113,114の出力端T
13となっている。また、第3,第4トランジスタ回路113,114の出力端T
13は、本レベルシフタ回路100
Aの出力端でもある。
【0041】
2つのNチャネルトランジスタN
13,N
14の共通に接続されたゲート電極は、第4トランジスタ回路114の入力端T
14となっている。NチャネルトランジスタN
13のソース電極とNチャネルトランジスタN
14のドレイン電極とは共通に接続されて、ダブルゲートトランジスタ(N
13,N
14)の共通接続ノードn
14となっている。NチャネルトランジスタN
14のソース電極は、第2固定電源102に接続されている。
【0042】
上記構成のレベルシフタ回路100
Aにおいて、第2固定電源102側の2つのトランジスタ回路、即ち、第2,第4トランジスタ112,114の各入力端T
12,T
14には、第1,第2入力電圧V
XIN,V
INが与えられる。第1,第2入力電圧V
XIN,V
INは、高電圧側の電圧(高レベル)がV
cc、低電圧側の電圧(低レベル)がV
ssの、互いに逆相の電圧である。
【0043】
この第1,第2入力電圧V
XIN,V
INに対して、第1固定電源101の電圧は、高電圧側の電圧V
ccよりも高い電圧、例えば2V
ccに設定され、第2固定電源102の電圧は、低電圧側の電圧V
ss以下の電圧、例えば、等しい電圧に設定されている。尚、ここでは、レベルシフタ回路100
A、即ち、第1〜第4トランジスタ回路111〜114を構成する各トランジスタのソース−ドレイン耐圧を(V
cc−V
ss)として考える。
【0044】
第1トランジスタ回路111の入力端T
15、即ち、ダブルゲートトランジスタ(P
11,P
12)のゲート電極は、第3,第4トランジスタ回路113,114の出力端T
13に接続されている。また、第3トランジスタ回路113の入力端T
16、即ち、ダブルゲートトランジスタ(P
13,P
14)のゲート電極は、第1,第2トランジスタ回路111,112の出力端T
11に接続されている。
【0045】
上述したように、本実施形態に係るレベルシフタ回路100
Aは、第1トランジスタ回路111、第2トランジスタ回路112、第3トランジスタ回路113、及び、第4トランジスタ回路114の4つのトランジスタ回路がダブルゲートトランジスタから成る特徴に加えて、次の点を特徴としている。
【0046】
第1トランジスタ回路111を構成するダブルゲートトランジスタ(P
11,P
12)の共通接続ノードn
11と第3固定電源103との間には、スイッチ素子、例えば、第1トランジスタ回路111を構成するトランジスタと同導電型であるPチャネルトランジスタP
15が接続されている。PチャネルトランジスタP
15は、一方のソース/ドレイン電極がダブルゲートトランジスタ(P
11,P
12)の共通接続ノードn
11に接続され、他方のソース/ドレイン電極が第3固定電源103に接続されている。
【0047】
PチャネルトランジスタP
15は、ゲート電極が第1,第2スイッチ回路111,112の出力端T
11に接続されている。そして、PチャネルトランジスタP
15は、第2トランジスタ回路112が動作状態のときに、導通(オン)状態となって第3固定電源103の電圧V
mを、第1トランジスタ回路111のダブルゲートトランジスタ(P
11,P
12)の共通接続ノードn
11に与える。ここで、「第2トランジスタ回路112が動作状態のとき」とは、第2トランジスタ回路112を構成するNチャネルトランジスタN
11,N
12が導通状態のときを言う。
【0048】
第2トランジスタ回路112を構成するダブルゲートトランジスタ(N
11,N
12)の共通接続ノードn
12と第3固定電源103との間には、スイッチ素子、例えば、第2トランジスタ回路112を構成するトランジスタと同導電型であるNチャネルトランジスタN
15が接続されている。NチャネルトランジスタN
15は、一方のソース/ドレイン電極がダブルゲートトランジスタ(N
11,N
12)の共通接続ノードn
12に接続され、他方のソース/ドレイン電極が第3固定電源103に接続されている。
【0049】
NチャネルトランジスタN
15は、ゲート電極に第2入力電圧V
INが与えられる。そして、NチャネルトランジスタN
15は、第1トランジスタ回路111が動作状態のときに、導通状態となって第3固定電源103の電圧V
mを、第2トランジスタ回路112のダブルゲートトランジスタ(N
11,N
12)の共通接続ノードn
12に与える。ここで、「第1トランジスタ回路111が動作状態のとき」とは、第1トランジスタ回路111を構成するPチャネルトランジスタP
11,P
12が導通状態のときを言う。
【0050】
第3トランジスタ回路113を構成するダブルゲートトランジスタ(P
13,P
14)の共通接続ノードn
13と第3固定電源103との間には、スイッチ素子、例えば、第3トランジスタ回路113を構成するトランジスタと同導電型であるPチャネルトランジスタP
16が接続されている。PチャネルトランジスタP
16は、一方のソース/ドレイン電極がダブルゲートトランジスタ(P
13,P
14)の共通接続ノードn
13に接続され、他方のソース/ドレイン電極が第3固定電源103に接続されている。
【0051】
PチャネルトランジスタP
16は、第3,第4スイッチ回路113,114の出力端T
13に接続されている。そして、PチャネルトランジスタP
16は、第4トランジスタ回路114が動作状態のときに、導通状態となって第3固定電源103の電圧V
mを、第3トランジスタ回路113のダブルゲートトランジスタ(P
13,P
14)の共通接続ノードn
13に与える。ここで、「第4トランジスタ回路114が動作状態のとき」とは、第4トランジスタ回路114を構成するNチャネルトランジスタN
13,N
14が導通状態のときを言う。
【0052】
第4トランジスタ回路114を構成するダブルゲートトランジスタ(N
13,N
14)の共通接続ノードn
14と第3固定電源103との間には、スイッチ素子、例えば、第4トランジスタ回路114を構成するトランジスタと同導電型であるNチャネルトランジスタN
16が接続されている。NチャネルトランジスタN
16は、一方のソース/ドレイン電極がダブルゲートトランジスタ(N
13,N
14)の共通接続ノードn
14に接続され、他方のソース/ドレイン電極が第3固定電源103に接続されている。
【0053】
NチャネルトランジスタN
16は、ゲート電極に第1入力電圧V
XINが与えられる。そして、NチャネルトランジスタN
16は、第3トランジスタ回路113が動作状態のときに、導通状態となって第3固定電源103の電圧V
mを、第4トランジスタ回路114のダブルゲートトランジスタ(N
13,N
14)の共通接続ノードn
14に与える。ここで、「第3トランジスタ回路113が動作状態のとき」とは、第3トランジスタ回路113を構成するPチャネルトランジスタP
13,P
14が導通状態のときを言う。
【0054】
ここで、第3固定電源103の電圧V
mとして、第1,第2固定電源101,102の各電圧の間の値、好ましくは、第1,第2固定電源101,102の各電圧2V
cc,V
ssの平均値を用いる。本例の場合、V
m=V
ccとする。また、第1固定電源101−第3固定電源103間の電圧、及び、第3固定電源103−第2固定電源102間の電圧を、第1〜第4トランジスタ回路111〜114を構成する各トランジスタのソース−ドレイン耐圧(V
cc−V
ss)の範囲内の電圧とする。
【0055】
上記構成のレベルシフタ回路100
Aは、その出力端T
13、即ち、第3,第4トランジスタ回路113,114の出力端T
13に入力端が接続される最終段のインバータ回路200との組合せで用いるのが好ましい。最終段のインバータ回路200は、PチャネルトランジスタP
21及びNチャネルトランジスタN
21から成るCMOSインバータ回路構成となっている。すなわち、PチャネルトランジスタP
21及びNチャネルトランジスタN
21は、正側電源201と負側電源202との間に直列に接続されている。
【0056】
そして、本例の場合には、正側電源201の電圧が入力電圧V
IN,V
XINの高電圧側と同じ電圧V
ccに、負側電源202の電圧が入力電圧V
IN,V
XINの低電圧側と同じ電圧V
ssにそれぞれ設定されている。これにより、前段のレベルシフタ回路100
Aの第1固定電源101の電圧2V
ccは、最終段のインバータ回路200の正側電源201の電圧V
ccよりも高く、第2固定電源102の電圧V
ssは、最終段のインバータ回路200の負側電源102の電圧V
ssと等しくなる。
【0057】
PチャネルトランジスタP
21及びNチャネルトランジスタN
21のゲート電極同士は、共通に接続されて本インバータ回路200の入力端T
21となり、前段のレベルシフタ回路100
Aの出力端T
13に接続されている。また、PチャネルトランジスタP
21及びNチャネルトランジスタN
21のドレイン電極同士は、共通に接続されて本インバータ回路200の出力端T
22となっている。そして、この出力端T
22から、振幅がV
cc−V
ss、即ち、高電圧側がV
cc、低電圧側がV
ssの出力電圧V
OUTが導出される。
【0058】
[2−2.回路動作]
続いて、上記構成の第1実施形態に係るレベルシフタ回路100
Aの回路動作について、
図2及び
図3を用いて説明する。尚、
図4には、互いに逆相の2つの入力電圧V
IN,V
XIN、レベルシフタ回路100
Aの出力電圧V
A、及び、最終段のインバータ回路200の出力電圧V
OUTの各波形を示す。
【0059】
先ず、一方の入力電圧V
INが低電圧(低レベル)V
ss、他方の入力電圧V
XINが高電圧(高レベル)V
ccの場合の回路動作について、
図2の動作説明図を用いて説明する。
【0060】
一方の入力電圧V
INが低レベルV
ss、他方の入力電圧V
XINが高レベルV
ccのとき、第2トランジスタ回路112のNチャネルトランジスタN
11,N
12及び第4トランジスタ回路114側のNチャネルトランジスタN
16が導通(オン)状態になる。これにより、第3トランジスタ回路113のPチャネルトランジスタP
13,P
14及び第1トランジスタ回路111側のPチャネルトランジスタP
15の各ゲート電位が低レベルV
ssとなる。
【0061】
この動作により、第3トランジスタ回路113のPチャネルトランジスタP
13,P
14及び第1トランジスタ回路111側のPチャネルトランジスタP
15が導通状態になるため、本レベルシフタ回路100
Aの出力電圧V
Aは第1固定電源101の電圧2V
ccになる。このとき、V
m=V
ccであることから、第1トランジスタ回路111のダブルゲートトランジスタ(P
11,P
12)の共通接続ノードn
11の電位はV
ccとなる。また、NチャネルトランジスタN
16の閾値電圧をV
thとすると、第4トランジスタ回路114のダブルゲートトランジスタ(N
13,N
14)の共通接続ノードn
14の電位はV
cc−V
thという値となる。
【0062】
次に、一方の入力電圧V
INが高レベルV
cc、他方の入力電圧V
XINが低レベルV
ssの場合の回路動作について、
図3の動作説明図を用いて説明する。
【0063】
一方の入力電圧V
INが高レベルV
cc、他方の入力電圧V
XINが低レベルV
ssのとき、第4トランジスタ回路114のNチャネルトランジスタN
13,N
14及び第2トランジスタ回路112側のNチャネルトランジスタN
15が導通状態になる。これにより、第1トランジスタ回路111のPチャネルトランジスタP
11,P
12及び第3トランジスタ回路113側のPチャネルトランジスタP
16の各ゲート電位(本レベルシフタ回路100
Aの出力電圧でもある)V
Aが第1固定電源101の電圧2V
ccから第2固定電源102の電圧V
ssへと遷移する。
【0064】
第1トランジスタ回路111のPチャネルトランジスタP
11,P
12のゲート電位が低レベルV
ssになることで、これらPチャネルトランジスタP
11,P
12が導通状態になる。これにより、第3トランジスタ回路113のPチャネルトランジスタP
13,P
14のゲート電位が第1固定電源101の電圧2V
ccになるため、これらPチャネルトランジスタP
13,P
14が非導通(オフ)状態になる。このとき、第3トランジスタ回路113のダブルゲートトランジスタ(P
13,P
14)の共通接続ノードn
13の電位はV
ccとなる。また、NチャネルトランジスタN
15の閾値電圧をV
thとすると、第2トランジスタ回路112のダブルゲートトランジスタ(N
11,N
12)の共通接続ノードn
12の電位はV
cc−V
thとなる。
【0065】
ここで、本レベルシフタ回路100
Aを構成する各トランジスタのソース−ドレイン間電圧について考える。各トランジスタにかかるソース−ドレイン間電圧は、第1固定電源101の電圧2V
cc、第2固定電源102の電圧V
ss、及び、第3固定電源103の電圧V
m(=V
cc)の各値によって決定される。そして、前述したように、第1固定電源101−第3固定電源103間の電圧、及び、第3固定電源103−第2固定電源102間の電圧が、各トランジスタのソース−ドレイン耐圧(本例では、V
cc−V
ss)の範囲内の電圧となるように各電源電圧の値が設定されている。
【0066】
このような条件の下で上述した回路動作を行うことで、本レベルシフタ回路100
Aを構成する各トランジスタのソース−ドレイン間電圧を、これらトランジスタのソース−ドレイン耐圧(V
cc−V
ss)の範囲内に抑えつつ、2V
cc−V
ssの振幅の出力電圧V
Aを得ることができる。
【0067】
[2−3.第1実施形態の作用、効果]
第1実施形態に係るレベルシフタ回路100
Aは、入力電圧V
IN,V
XINを高くなる方向にレベルシフト(レベル変換)する作用を為す。そして、このレベルシフタ回路100
Aを最終段のインバータ回路200の前段の回路として配する。これにより、最終段のインバータ回路200の抵抗を下げるに当たって、当該インバータ回路200を構成するトランジスタP
21,N
21のサイズを大きくすることなく、これらトランジスタP
21,N
21のゲート−ソース間電圧を上げることができる、即ち、インバータ回路200の入力電圧の振幅を増大させることができる。
【0068】
また、第1〜第4トランジスタ回路111〜114をダブルゲートトランジスタによって構成し、一方の電源側の2つのトランジスタ回路が動作状態のとき、他方の電源側の2つのトランジスタ回路のダブルゲートトランジスタの共通接続ノードに第3固定電源103の電圧V
mを与えるようにした。
【0069】
具体的には、第2トランジスタ回路112が動作状態のとき、第1トランジスタ回路111のダブルゲートトランジスタ(P
11,P
12)の共通接続ノードn
11に、PチャネルトランジスタP
15を介して第3固定電源103の電圧V
mを与える。また、第4トランジスタ回路114が動作状態のとき、第3トランジスタ回路113のダブルゲートトランジスタ(P
13,P
14)の共通接続ノードn
13に、PチャネルトランジスタP
16を介して第3固定電源103の電圧V
mを与える。
【0070】
このようにすることで、本レベルシフタ回路100
Aを構成する各トランジスタのソース−ドレイン間電圧を、これらトランジスタのソース−ドレイン耐圧(V
cc−V
ss)の範囲内に抑えることができる。従って、本レベルシフタ回路100
Aを構成する各トランジスタのソース−ドレイン耐圧を維持したまま、最終段のインバータ回路200の入力電圧の振幅を増大させることができる。
【0071】
この場合、最終段のインバータ回路200に入力される波形の振幅が(2V
cc−V
ss)となり、最終段のインバータ回路200を構成するトランジスタP
21,N
21のゲート−ソース間には、ソース−ドレイン耐圧(V
cc−V
ss)を超える電圧がかかることになる。しかし、一般に、トランジスタのゲート−ソース耐圧は、ソース−ドレイン耐圧よりも大きい(高い)。従って、トランジスタP
21,N
21のゲート−ソース間に、ソース−ドレイン耐圧を超える電圧を印加することができる。そして、トランジスタP
21,N
21のゲート−ソース間電圧を上げる、即ち、最終段のインバータ回路200の入力電圧の振幅を増大させることによって当該インバータ回路200の抵抗を下げることができる。
【0072】
上述したように、第1実施形態に係るレベルシフタ回路100
Aによれば、当該レベルシフタ回路100
Aを構成する各トランジスタのソース−ドレイン耐圧を維持したまま、最終段のインバータ回路200の入力電圧の振幅を増大させることができる。また、最終段のインバータ回路200の入力電圧の振幅をより増大させることにより、当該インバータ200を構成するトランジスタP
21,N
21のサイズを小さくすることが可能になる。更に、定常状態において貫通電流が流れないため、低消費電力化も可能となる。
【0073】
<3.第2実施形態>
[3−1.回路構成]
図5は、本開示の第2実施形態に係るレベルシフタ回路の構成の一例を示す回路図である。第2実施形態に係るレベルシフタ回路100
Bは、前に述べた第2の回路形態を採っている。すなわち、第1固定電源101を負側電源、第2固定電源102を正側電源とし、第1導電型のトランジスタとしてNチャネルトランジスタを用い、第2導電型のトランジスタとしてPチャネルトランジスタを用いる。
【0074】
図5において、第2実施形態に係るレベルシフタ回路100
Bは、第1トランジスタ回路211、第2トランジスタ回路212、第3トランジスタ回路213、及び、第4トランジスタ回路214の4つのトランジスタ回路から構成されている。第1トランジスタ回路211と第2トランジスタ回路212とは、負側電源である第1固定電源101と正側電源である第2固定電源102との間に直列に接続されている。同様に、第3トランジスタ回路213と第4トランジスタ回路214とは、第1固定電源101と第2固定電源102との間に直列に接続されている。
【0075】
第1固定電源101側の2つのトランジスタ回路、即ち、第1トランジスタ回路211及び第3トランジスタ回路213は、Nチャネルトランジスタから成る。第2固定電源102側の2つのトランジスタ回路、即ち、第2トランジスタ回路212及び第4トランジスタ回路214は、Nチャネルトランジスタから成る。そして、第1固定電源101側の2つのトランジスタ回路211,213、及び、第2固定電源102側の2つのトランジスタ回路212,214が共に、ダブルゲートトランジスタから成る。
【0076】
但し、これは一例に過ぎず、第1固定電源101側の2つのトランジスタ回路211,213及び第2固定電源102側の2つのトランジスタ回路212,214の一方側の2つのトランジスタ回路のみが、ダブルゲートトランジスタから成る構成を採ることも可能である。一方側の2つのトランジスタ回路のみがダブルゲートトランジスタから成るときは、他方側の2つのトランジスタ回路はシングルゲートトランジスタから成る。
【0077】
第1トランジスタ回路211は、ゲート電極同士が共通に接続されたダブルゲート構造の2つのNチャネルトランジスタN
11,N
12から成る。NチャネルトランジスタN
11のドレイン電極は、第1トランジスタ回路211の出力端T
11となっている。NチャネルトランジスタN
11のソース電極とNチャネルトランジスタN
12のドレイン電極とは共通に接続されて、ダブルゲートトランジスタ(N
11,N
12)の共通接続ノードn
11となっている。NチャネルトランジスタN
12のソース電極は、第1固定電源101に接続されている。
【0078】
第2トランジスタ回路212は、ゲート電極同士が共通に接続されたダブルゲート構造の2つのPチャネルトランジスタP
11,P
12から成る。2つのPチャネルトランジスタP
11,P
12の共通に接続されたゲート電極は、第2トランジスタ回路212の入力端T
12となっている。PチャネルトランジスタP
11のソース電極は、第2固定電源102に接続されている。PチャネルトランジスタP
11のドレイン電極とPチャネルトランジスタP
12のソース電極とは共通に接続されて、ダブルゲートトランジスタ(P
11,P
12)の共通接続ノードn
12となっている。
【0079】
PチャネルトランジスタP
12のドレイン電極は、第2トランジスタ回路212の出力端T
11となっている。第2トランジスタ回路212の出力端T
11は、第1トランジスタ回路211の出力端T
11でもある。すなわち、PチャネルトランジスタP
12のドレイン電極とNチャネルトランジスタN
11のドレイン電極とが共通に接続されて第1,第2トランジスタ回路211,212の出力端T
11となっている。
【0080】
第3トランジスタ回路213は、ゲート電極同士が共通に接続されたダブルゲート構造の2つのNチャネルトランジスタN
13,N
14から成る。NチャネルトランジスタN
13のドレイン電極は、第3トランジスタ回路213の出力端T
13となっている。NチャネルトランジスタN
13のソース電極とNチャネルトランジスタN
14のドレイン電極とは共通に接続されて、ダブルゲートトランジスタ(N
13,N
14)の共通接続ノードn
13となっている。NチャネルトランジスタN
14のソース電極は、第1固定電源101に接続されている。
【0081】
第4トランジスタ回路214は、ゲート電極同士が共通に接続されたダブルゲート構造の2つのPチャネルトランジスタP
13,P
14から成る。2つのPチャネルトランジスタP
13,P
14の共通に接続されたゲート電極は、第4トランジスタ回路214の入力端T
14となっている。PチャネルトランジスタP
13のソース電極は、第2固定電源102に接続されている。PチャネルトランジスタP
13のドレイン電極とPチャネルトランジスタP
14のソース電極とは共通に接続されて、ダブルゲートトランジスタ(P
13,P
14)の共通接続ノードn
14となっている。
【0082】
PチャネルトランジスタP
14のドレイン電極は、第4トランジスタ回路214の出力端T
13となっている。第4トランジスタ回路214の出力端T
13は、第3トランジスタ回路213の出力端T
13でもある。すなわち、PチャネルトランジスタP
14のドレイン電極とNチャネルトランジスタN
13のドレイン電極とが共通に接続されて第3,第4トランジスタ回路213,214の出力端T
13となっている。また、第3,第4トランジスタ回路213,214の出力端T
13は、本レベルシフタ回路100
Bの出力端でもある。
【0083】
上記構成のレベルシフタ回路100
Bにおいて、第2固定電源102側の2つのトランジスタ回路、即ち、第2,第4トランジスタ212,214の各入力端T
12,T
14には、第1,第2入力電圧V
XIN,V
INが与えられる。第1,第2入力電圧V
XIN,V
INは、高レベルがV
cc、低レベルがV
ssの、互いに逆相の電圧である。
【0084】
この第1,第2入力電圧V
XIN,V
INに対して、第1固定電源101の電圧は、低電圧側の電圧V
ssよりも低い電圧、例えば2V
ssに設定され、第2固定電源102の電圧は、高電圧側の電圧V
cc以上の電圧、例えば、等しい電圧に設定されている。尚、ここでは、レベルシフタ回路100
B、即ち、第1〜第4トランジスタ回路211〜214を構成する各トランジスタのソース−ドレイン耐圧を(V
cc−V
ss)として考える。
【0085】
第1トランジスタ回路211の入力端T
15、即ち、ダブルゲートトランジスタ(N
11,N
12)のゲート電極は、第3,第4トランジスタ回路213,214の出力端T
13に接続されている。また、第3トランジスタ回路213の入力端T
16、即ち、ダブルゲートトランジスタ(N
13,N
14)のゲート電極は、第1,第2トランジスタ回路211,212の出力端T
11に接続されている。
【0086】
上述したように、本実施形態に係るレベルシフタ回路100
Bは、第1トランジスタ回路211、第2トランジスタ回路212、第3トランジスタ回路213、及び、第4トランジスタ回路214の4つのトランジスタ回路がダブルゲートトランジスタから成る特徴に加えて、次の点を特徴としている。
【0087】
第1トランジスタ回路211を構成するダブルゲートトランジスタ(N
11,N
12)の共通接続ノードn
11と第3固定電源103との間には、スイッチ素子、例えば、第1トランジスタ回路211を構成するトランジスタと同導電型であるNチャネルトランジスタN
15が接続されている。NチャネルトランジスタN
15は、一方のソース/ドレイン電極がダブルゲートトランジスタ(N
11,N
12)の共通接続ノードn
11に接続され、他方のソース/ドレイン電極が第3固定電源103に接続されている。
【0088】
NチャネルトランジスタN
15は、ゲート電極が出力端T
11に接続されている。そして、NチャネルトランジスタN
15は、第2トランジスタ回路212が動作状態のときに、導通状態となって第3固定電源103の電圧V
mを、第1トランジスタ回路211のダブルゲートトランジスタ(N
11,N
12)の共通接続ノードn
11に与える。ここで、「第2トランジスタ回路212が動作状態のとき」とは、第2トランジスタ回路212を構成するPチャネルトランジスタP
11,P
12が導通状態のときを言う。
【0089】
第2トランジスタ回路212を構成するダブルゲートトランジスタ(P
11,P
12)の共通接続ノードn
12と第3固定電源103との間には、スイッチ素子、例えば、第2トランジスタ回路212を構成するトランジスタと同導電型であるPチャネルトランジスタP
15が接続されている。PチャネルトランジスタP
15は、一方のソース/ドレイン電極がダブルゲートトランジスタ(P
11,P
12)の共通接続ノードn
12に接続され、他方のソース/ドレイン電極が第3固定電源103に接続されている。
【0090】
PチャネルトランジスタP
15は、ゲート電極に第2入力電圧V
INが与えられる。そして、PチャネルトランジスタP
15は、第1トランジスタ回路211が動作状態のときに、導通状態となって第3固定電源103の電圧V
mを、第2トランジスタ回路212のダブルゲートトランジスタ(P
11,P
12)の共通接続ノードn
12に与える。ここで、「第1トランジスタ回路211が動作状態のとき」とは、第1トランジスタ回路211を構成するNチャネルトランジスタN
11,N
12が導通状態のときを言う。
【0091】
第3トランジスタ回路213を構成するダブルゲートトランジスタ(N
13,N
14)の共通接続ノードn
13と第3固定電源103との間には、スイッチ素子、例えば、第3トランジスタ回路213を構成するトランジスタと同導電型であるNチャネルトランジスタN
16が接続されている。NチャネルトランジスタN
16は、一方のソース/ドレイン電極がダブルゲートトランジスタ(N
13,N
14)の共通接続ノードn
13に接続され、他方のソース/ドレイン電極が第3固定電源103に接続されている。
【0092】
NチャネルトランジスタN
16は、ゲート電極が出力端T
13に接続されている。そして、NチャネルトランジスタN
16は、第4トランジスタ回路214が動作状態のときに、導通状態となって第3固定電源103の電圧V
mを、第3トランジスタ回路213のダブルゲートトランジスタ(N
13,N
14)の共通接続ノードn
13に与える。ここで、「第4トランジスタ回路214が動作状態のとき」とは、第4トランジスタ回路214を構成するPチャネルトランジスタP
13,P
14が導通状態のときを言う。
【0093】
第4トランジスタ回路214を構成するダブルゲートトランジスタ(P
13,P
14)の共通接続ノードn
14と第3固定電源103との間には、スイッチ素子、例えば、第4トランジスタ回路214を構成するトランジスタと同導電型であるPチャネルトランジスタP
16が接続されている。PチャネルトランジスタP
16は、一方のソース/ドレイン電極がダブルゲートトランジスタ(P
13,P
14)の共通接続ノードn
14に接続され、他方のソース/ドレイン電極が第3固定電源103に接続されている。
【0094】
PチャネルトランジスタP
16は、ゲート電極に第1入力電圧V
XINが与えられる。そして、PチャネルトランジスタP
16は、第3トランジスタ回路213が動作状態のときに、導通状態となって第3固定電源103の電圧V
mを、第4トランジスタ回路214のダブルゲートトランジスタ(P
13,P
14)の共通接続ノードn
14に与える。ここで、「第3トランジスタ回路213が動作状態のとき」とは、第3トランジスタ回路213を構成するNチャネルトランジスタN
13,N
14が導通状態のときを言う。
【0095】
ここで、第3固定電源103の電圧V
mとして、第1,第2固定電源101,102の各電圧の間の値、好ましくは、第1,第2固定電源101,102の各電圧V
cc,2V
ssの平均値を用いる。本例の場合、V
m=V
ssとする。また、第1固定電源101−第3固定電源103間の電圧、及び、第3固定電源103−第2固定電源102間の電圧を、第1〜第4トランジスタ回路211〜214を構成する各トランジスタのソース−ドレイン耐圧(V
cc−V
ss)の範囲内の電圧とする。
【0096】
上記構成のレベルシフタ回路100
Bは、第1実施形態の場合と同様に、最終段のインバータ回路200との組合せで用いるのが好ましい。最終段のインバータ回路200は、正側電源201の電圧が入力電圧V
IN,V
XINの高電圧側と同じ電圧V
ccに、負側電源202の電圧が入力電圧V
IN,V
XINの低電圧側と同じ電圧V
ssにそれぞれ設定されている。従って、前段のレベルシフタ回路100
Bの第1固定電源101の電圧2V
ssは、最終段のインバータ回路200の負側電源102の電圧V
ssよりも低く、第2固定電源102の電圧V
ccは、最終段のインバータ回路200の正側電源201の電圧V
ccと等しくなる。
【0097】
[3−2.回路動作]
続いて、上記構成の第2実施形態に係るレベルシフタ回路100
Bの回路動作について、
図6及び
図7を用いて説明する。尚、
図8には、互いに逆相の2つの入力電圧V
IN,V
XIN、レベルシフタ回路100
Bの出力電圧V
B、及び、最終段のインバータ回路200の出力電圧V
OUTの各波形を示す。
【0098】
先ず、一方の入力電圧V
INが高レベルV
cc、他方の入力電圧V
XINが低レベルV
ssの場合の回路動作について、
図6の動作説明図を用いて説明する。
【0099】
一方の入力電圧V
INが高レベルV
cc、他方の入力電圧V
XINが低レベルV
ssのとき、第2トランジスタ回路212のPチャネルトランジスタP
11,P
12及び第4トランジスタ回路214側のPチャネルトランジスタP
16が導通状態になる。これにより、第3トランジスタ回路213のNチャネルトランジスタN
13,N
14及び第1トランジスタ回路211側のNチャネルトランジスタN
15の各ゲート電位が高レベルV
ccとなる。
【0100】
この動作により、第3トランジスタ回路213のNチャネルトランジスタN
13,N
14及び第1トランジスタ回路211側のNチャネルトランジスタN
15が導通状態になるため、本レベルシフタ回路100
Bの出力電圧V
Bは第1固定電源101の電圧2V
ssになる。このとき、V
m=V
ssであることから、第1トランジスタ回路211のダブルゲートトランジスタ(N
11,N
12)の共通接続ノードn
11の電位はV
ssとなる。また、PチャネルトランジスタP
16の閾値電圧をV
thとすると、第4トランジスタ回路214のダブルゲートトランジスタ(P
13,P
14)の共通接続ノードn
14の電位はV
ss+V
thという値となる。
【0101】
次に、一方の入力電圧V
INが低レベルV
ss、他方の入力電圧V
XINが高レベルV
ccの場合の回路動作について、
図7の動作説明図を用いて説明する。
【0102】
一方の入力電圧V
INが低レベルV
ss、他方の入力電圧V
XINが高レベルV
ccのとき、第4トランジスタ回路214のPチャネルトランジスタP
13,P
14及び第2トランジスタ回路212側のPチャネルトランジスタP
15が導通状態になる。これにより、第1トランジスタ回路211のNチャネルトランジスタN
11,P
12及び第3トランジスタ回路213側のNチャネルトランジスタN
16の各ゲート電位(本レベルシフタ回路100
Bの出力電圧でもある)V
Bが第1固定電源101の電圧2V
ssから第2固定電源102の電圧V
ccへと遷移する。
【0103】
第1トランジスタ回路211のNチャネルトランジスタN
11,N
12のゲート電位が高レベルV
ccになることで、これらNチャネルトランジスタN
11,N
12が導通状態になる。これにより、第3トランジスタ回路213のNチャネルトランジスタN
13,N
14のゲート電位が第1固定電源101の電圧2V
ssになるため、これらNチャネルトランジスタN
13,N
14が非導通状態になる。このとき、第3トランジスタ回路213のダブルゲートトランジスタ(N
13,N
14)の共通接続ノードn
13の電位はV
ssとなる。また、PチャネルトランジスタP
15の閾値電圧をV
thとすると、第2トランジスタ回路212のダブルゲートトランジスタ(P
11,P
12)の共通接続ノードn
12の電位はV
ss+V
thとなる。
【0104】
ここで、本レベルシフタ回路100
Bを構成する各トランジスタのソース−ドレイン間電圧について考える。各トランジスタにかかるソース−ドレイン間電圧は、第1固定電源101の電圧2V
ss、第2固定電源102の電圧V
cc、及び、第3固定電源103の電圧V
m(=V
ss)の各値によって決定される。そして、前述したように、第1固定電源101−第3固定電源103間の電圧、及び、第3固定電源103−第2固定電源102間の電圧が、各トランジスタのソース−ドレイン耐圧(本例では、V
cc−V
ss)の範囲内の電圧となるように各電源電圧の値が設定されている。
【0105】
このような条件の下で上述した回路動作を行うことで、本レベルシフタ回路100
Bを構成する各トランジスタのソース−ドレイン間電圧を、これらトランジスタのソース−ドレイン耐圧(V
cc−V
ss)の範囲内に抑えつつ、2V
ss−V
ccの振幅の出力電圧V
Aを得ることができる。
【0106】
[3−3.第2実施形態の作用、効果]
第2実施形態に係るレベルシフタ回路100
Bは、基本的に、第1実施形態に係るレベルシフタ回路100
Aと同様の作用、効果を得ることができる。すなわち、最終段のインバータ回路200を構成するトランジスタP
21,N
21のサイズを大きくすることなく、尚且つ、各トランジスタのソース−ドレイン耐圧を維持したまま、最終段のインバータ回路200の入力電圧の振幅を増大させることができる。
【0107】
回路動作上では、次の点で第1実施形態に係るレベルシフタ回路100
Aと異なるものの、得られる作用、効果は同じである。
【0108】
具体的には、第2トランジスタ回路212が動作状態のとき、第1トランジスタ回路211のダブルゲートトランジスタ(N
11,N
12)の共通接続ノードn
11に、NチャネルトランジスタN
15を介して第3固定電源103の電圧V
mを与える。また、第4トランジスタ回路214が動作状態のとき、第3トランジスタ回路213のダブルゲートトランジスタ(N
13,N
14)の共通接続ノードn
13に、NチャネルトランジスタN
16を介して第3固定電源103の電圧V
mを与える。
【0109】
このようにすることで、本レベルシフタ回路100
Bを構成する各トランジスタのソース−ドレイン間電圧を、これらトランジスタのソース−ドレイン耐圧(V
cc−V
ss)の範囲内に抑えることができる。従って、本レベルシフタ回路100
Bを構成する各トランジスタのソース−ドレイン耐圧を維持したまま、最終段のインバータ回路200の入力電圧の振幅を増大させることができる。
【0110】
上述したように、第2実施形態に係るレベルシフタ回路100
Bによれば、第1実施形態に係るレベルシフタ回路100
Aと同様の作用、効果を得ることができる。すなわち、レベルシフタ回路100
Bを構成する各トランジスタのソース−ドレイン耐圧を維持したまま、最終段のインバータ回路200の入力電圧の振幅を増大させることができる。また、最終段のインバータ回路200の入力電圧の振幅をより増大させることにより、当該インバータ200を構成するトランジスタP
21,N
21のサイズを小さくすることが可能になる。更に、定常状態において貫通電流が流れないため、低消費電力化も可能となる。
【0111】
<4.第3実施形態>
図9は、本開示の第3実施形態に係るレベルシフタ回路の構成の一例を示す回路図である。
【0112】
図9に示すように、第3実施形態に係るレベルシフタ回路100
Cは、第1実施形態に係るレベルシフタ回路100
Aと第2実施形態に係るレベルシフタ回路100
Bとの組合せから成る。レベルシフタ回路100
A及びレベルシフタ回路100
Bの配置の順番は任意であるが、本例では、レベルシフタ回路100
Aを前段側(1段目)に、レベルシフタ回路100
Bを後段側(2段目)に配置する構成を採っている。また、第3実施形態に係るレベルシフタ回路100
Cについても、第1,第2実施形態の場合と同様に、最終段のインバータ回路200との組合せで用いるのが好ましい。
【0113】
1段目のレベルシフタ回路100
Aでは、正側電源の電圧を2V
ccに設定し、負側電源の電圧をV
ssに設定している。これにより、1段目のレベルシフタ回路100
Aの出力電圧V
Aとして、2V
cc−V
ssの振幅の電圧が導出される。また、2段目のレベルシフタ回路100
Bでは、正側電源の電圧を2V
ccに設定し、負側電源の電圧を2V
ssに設定している。これにより、1段目のレベルシフタ回路100
Bの出力電圧V
Bとして、2V
cc−2V
ssの振幅の電圧が導出される。
【0114】
図10に、入力電圧V
IN、1段目のレベルシフタ回路100
Aの出力電圧V
A、2段目のレベルシフタ回路100
Bの出力電圧V
B、及び、最終段のインバータ回路200の出力電圧V
OUTの各波形を示す。
【0115】
上述したように、レベルシフタ回路100
Cを複数段(本例では、2段)縦続接続の構成とすることで、当該レベルシフタ回路100
Cを構成する各トランジスタのソース−ドレイン耐圧を維持したまま、最終段のインバータ回路200の入力電圧の振幅をより増大させることができる。これにより、最終段のインバータ回路200を構成するトランジスタP
21,N
21のサイズをより小さくすることが可能になる。また、定常状態において、貫通電流をより確実に抑えることができる、より低消費電力化を図ることができる。
【0116】
以上説明した、各実施形態に係るレベルシフタ回路100
A,100
B,100
Cは、一般的なレベルシフタ回路として種々の用途に用いることができる他、例えば、最終段にインバータ回路を有する走査回路において、最終段のインバータ回路の前段回路として用いることができる。また、これらレベルシフタ回路100
A,100
B,100
Cを最終段のインバータ回路の前段回路として走査回路(本開示の走査回路)は、電気光学素子を含む画素が行列状に配置されて成る表示装置、あるいは、光電変換素子を含む画素が行列状に配置されて成る固体撮像装置において、各画素を走査する走査回路として用いることができる。
【0117】
以下では、第1,第2,第3実施形態に係るレベルシフタ回路100
A,100
B,100
Cを、最終段のインバータ回路の前段回路として走査回路を搭載する表示装置を本開示の表示装置として説明する。
【0118】
<
5.表示装置>
[
5−1.システム構成]
図11は、本開示の表示装置、例えば、アクティブマトリクス型表示装置の構成の概略を示すシステム構成図である。
【0119】
アクティブマトリクス型表示装置は、電気光学素子に流れる電流を、当該電気光学素子と同じ画素内に設けた能動素子、例えば絶縁ゲート型電界効果トランジスタによって制御する表示装置である。絶縁ゲート型電界効果トランジスタとしては、典型的には、TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)が用いられる。
【0120】
ここでは、一例として、デバイスに流れる電流値に応じて発光輝度が変化する電流駆動型の電気光学素子、例えば有機EL素子を、画素(画素回路)の発光素子として用いるアクティブマトリクス型有機EL表示装置の場合を例に挙げて説明する。
【0121】
図11に示すように、本例に係る有機EL表示装置10は、有機EL素子を含む複数の画素20が行列状に2次元配置されてなる画素アレイ部30と、当該画素アレイ部30の周辺に配置される駆動回路部とを有する構成となっている。駆動回路部は、書込み走査回路40、電源供給走査回路50、及び、信号出力回路60等から成り、画素アレイ部30の各画素20を駆動する。
【0122】
ここで、有機EL表示装置10がカラー表示対応の場合は、カラー画像を形成する単位となる1つの画素(単位画素)は複数の副画素(サブピクセル)から構成され、この副画素の各々が
図11の画素20に相当することになる。より具体的には、カラー表示対応の表示装置では、1つの画素は、例えば、赤色(Red;R)光を発光する副画素、緑色(Green;G)光を発光する副画素、青色(Blue;B)光を発光する副画素の3つの副画素から構成される。
【0123】
但し、1つの画素としては、RGBの3原色の副画素の組み合わせに限られるものではなく、3原色の副画素に更に1色あるいは複数色の副画素を加えて1つの画素を構成することも可能である。より具体的には、例えば、輝度向上のために白色(White;W)光を発光する副画素を加えて1つの画素を構成したり、色再現範囲を拡大するために補色光を発光する少なくとも1つの副画素を加えて1つの画素を構成したりすることも可能である。
【0124】
画素アレイ部30には、m行n列の画素20の配列に対して、行方向(画素行に沿った方向/画素行の画素の配列方向)に沿って走査線31
1〜31
mと電源供給線32
1〜32
mとが画素行毎に配線されている。更に、m行n列の画素20の配列に対して、列方向(画素列に沿った方向/画素列の画素の配列方向)に沿って信号線33
1〜33
nが画素列毎に配線されている。
【0125】
走査線31
1〜31
mは、書込み走査回路40の対応する行の出力端にそれぞれ接続されている。電源供給線32
1〜32
mは、電源供給走査回路50の対応する行の出力端にそれぞれ接続されている。信号線33
1〜33
nは、信号出力回路60の対応する列の出力端にそれぞれ接続されている。
【0126】
画素アレイ部30は、通常、ガラス基板などの透明絶縁基板上に形成されている。これにより、有機EL表示装置10は、平面型(フラット型)のパネル構造となっている。画素アレイ部30の各画素20の駆動回路は、アモルファスシリコンTFTまたは低温ポリシリコンTFTを用いて形成することができる。
【0127】
書込み走査回路40は、クロックパルスckに同期してスタートパルスspを順にシフト(転送)するシフトレジスタ回路等によって構成されている。この書込み走査回路40は、画素アレイ部30の各画素20への映像信号の信号電圧の書込みに際し、走査線31(31
1〜31
m)に対して書込み走査信号WS(WS
1〜WS
m)を順次供給することによって画素アレイ部30の各画素20を行単位で順番に走査(線順次走査)する。
【0128】
電源供給走査回路50は、クロックパルスckに同期してスタートパルスspを順にシフトするシフトレジスタ回路等によって構成されている。この電源供給走査回路50は、書込み走査回路40による線順次走査に同期して、第1電源電位V
ccpと当該第1電源電位V
ccpよりも低い第2電源電位V
iniとで切り替わることが可能な電源電位DS(DS
1〜DS
m)を電源供給線32(32
1〜32
m)に供給する。電源電位DSのV
ccp/V
iniの切替えにより、画素20の発光/非発光の制御が行なわれる。
【0129】
信号出力回路60は、信号供給源(図示せず)から供給される輝度情報に応じた映像信号の信号電圧(以下、単に「信号電圧」と記述する場合もある)V
sigと基準電圧V
ofsとを選択的に出力する。ここで、基準電圧V
ofsは、映像信号の信号電圧V
sigの基準となる電位(例えば、映像信号の黒レベルに相当する電位)である。
【0130】
信号出力回路60から出力される信号電圧V
sig/基準電圧V
ofsは、信号線33(33
1〜33
n)を介して画素アレイ部30の各画素20に対して、書込み走査回路40による走査によって選択された画素行の単位で書き込まれる。すなわち、信号出力回路60は、信号電圧V
sigを行(ライン)単位で書き込む線順次書込みの駆動形態を採っている。
【0131】
[
5−2.画素回路]
図12は、画素(画素回路)20の具体的な回路構成の一例を示す回路図である。画素20の発光部は、デバイスに流れる電流値に応じて発光輝度が変化する電流駆動型の電気光学素子である有機EL素子21から成る。
【0132】
図12に示すように、画素20は、有機EL素子21と、有機EL素子21に電流を流すことによって当該有機EL素子21を駆動する駆動回路とによって構成されている。有機EL素子21は、全ての画素20に対して共通に配線された共通電源供給線34にカソード電極が接続されている。
【0133】
有機EL素子21を駆動する駆動回路は、駆動トランジスタ22、書込みトランジスタ23、及び、保持容量24を有する構成となっている。駆動トランジスタ22及び書込みトランジスタ23としてNチャネル型のTFTを用いることができる。但し、ここで示した、駆動トランジスタ22及び書込みトランジスタ23の導電型の組み合わせは一例に過ぎず、これらの組み合わせに限られるものではない。
【0134】
駆動トランジスタ22は、一方の電極(ソース/ドレイン電極)が有機EL素子21のアノード電極に接続され、他方の電極(ソース/ドレイン電極)が電源供給線32(32
1〜32
m)に接続されている。
【0135】
書込みトランジスタ23は、一方の電極(ソース/ドレイン電極)が信号線33(33
1〜33
n)に接続され、他方の電極(ソース/ドレイン電極)が駆動トランジスタ22のゲート電極に接続されている。また、書込みトランジスタ23のゲート電極は、走査線31(31
1〜31
m)に接続されている。
【0136】
駆動トランジスタ22及び書込みトランジスタ23において、一方の電極とは、ソース/ドレイン領域に電気的に接続された金属配線を言い、他方の電極とは、ドレイン/ソース領域に電気的に接続された金属配線を言う。また、一方の電極と他方の電極との電位関係によって一方の電極がソース電極ともなればドレイン電極ともなり、他方の電極がドレイン電極ともなればソース電極ともなる。
【0137】
保持容量24は、一方の電極が駆動トランジスタ22のゲート電極に接続され、他方の電極が駆動トランジスタ22の他方の電極、及び、有機EL素子21のアノード電極に接続されている。
【0138】
上記構成の画素20において、書込みトランジスタ23は、書込み走査回路40から走査線31を通してゲート電極に印加されるHighアクティブの書込み走査信号WSに応答して導通状態となる。これにより、書込みトランジスタ23は、信号線33を通して信号出力回路60から供給される、輝度情報に応じた映像信号の信号電圧V
sigまたは基準電圧V
ofsをサンプリングして画素20内に書き込む。書込みトランジスタ23によって書き込まれた信号電圧V
sigまたは基準電圧V
ofsは、駆動トランジスタ22のゲート電極に印加されるとともに保持容量24に保持される。
【0139】
駆動トランジスタ22は、電源供給線32(32
1〜32
m)の電源電位DSが第1電源電位V
ccpにあるときには、一方の電極がドレイン電極、他方の電極がソース電極となって飽和領域で動作する。これにより、駆動トランジスタ22は、電源供給線32から電流の供給を受けて有機EL素子21を電流駆動にて発光駆動する。より具体的には、駆動トランジスタ22は、飽和領域で動作することにより、保持容量24に保持された信号電圧V
sigの電圧値に応じた電流値の駆動電流を有機EL素子21に供給し、当該有機EL素子21を電流駆動することによって発光させる。
【0140】
駆動トランジスタ22は更に、電源電位DSが第1電源電位V
ccpから第2電源電位V
iniに切り替わったときには、一方の電極がソース電極、他方の電極がドレイン電極となってスイッチングトランジスタとして動作する。これにより、駆動トランジスタ22は、有機EL素子21への駆動電流の供給を停止し、有機EL素子21を非発光状態にする。すなわち、駆動トランジスタ22は、有機EL素子21の発光/非発光を制御するトランジスタとしての機能をも併せ持っている。
【0141】
この駆動トランジスタ22のスイッチング動作により、有機EL素子21が非発光状態となる期間(非発光期間)を設け、有機EL素子21の発光期間と非発光期間の割合(デューティ)を制御することができる。このデューティ制御により、1表示フレーム期間に亘って画素が発光することに伴う残像ボケを低減できるために、特に、動画の画品位をより優れたものとすることができる。
【0142】
電源供給走査回路50から電源供給線32を通して選択的に供給される第1,第2電源電位V
ccp,V
iniのうち、第1電源電位V
ccpは有機EL素子21を発光駆動する駆動電流を駆動トランジスタ22に供給するための電源電位である。また、第2電源電位V
iniは、有機EL素子21に対して逆バイアスを掛けるための電源電位である。この第2電源電位V
iniは、基準電圧V
ofsよりも低い電位、例えば、駆動トランジスタ22の閾値電圧をV
thとするときV
ofs−V
thよりも低い電位、好ましくは、V
ofs−V
thよりも十分に低い電位に設定される。
【0143】
[
5−3.走査回路]
以上説明した有機EL表示装置10において、画素アレイ部30の周辺回路である書込み走査回路40や電源供給走査回路50の最終段のインバータ回路の前段回路として、先述した第1,第2,第3実施形態に係るレベルシフタ回路100
A,100
B,100
Cを用いることができる。
【0144】
ここでは、一例として、第1,第2,第3実施形態に係るレベルシフタ回路100
A,100
B,100
Cを、書込み走査回路40の最終段のインバータ回路の前段回路として用いる場合を例に挙げて説明する。
【0145】
図13は、書込み走査回路40の構成の一例を示すブロック図である。
【0146】
図13に示すように、書込み走査回路40は、例えば、シフトレジスタ回路41、ロジック回路群42、レベルシフタ回路群43、及び、最終段のインバータ回路群44によって構成されている。シフトレジスタ回路41は、画素アレイ部30の行数mに対応した段数のシフト段(転送段/単位回路)が縦続接続された構成となっており、クロックパルスckに同期してスタートパルスspを順にシフトし、各シフト段から順次シフトパルスを出力する。
【0147】
ロジック回路群42、レベルシフタ回路群43、及び、インバータ回路群44は各々、画素アレイ部30の行数mに対応した数のロジック回路42
1〜42
m、レベルシフタ回路43
1〜43
m、及び、最終段のインバータ回路44
1〜44
mから成る。
【0148】
ロジック回路群42の各ロジック回路42
1〜42
mは、シフトレジスタ回路41の対応するシフト段から出力されるシフトパルスを、所定のタイミングの走査パルスにタイミング調整する。レベルシフタ回路群43の各レベルシフタ回路43
1〜43
mは、論理レベルの走査パルスを、それよりも高いレベルの走査パルスにレベルシフト(レベル変換)する。最終段のインバータ回路群44の各インバータ回路44
1〜44
mは、レベルシフト後の走査パルスを、極性反転して書込み走査信号(パルス)WS
1〜WS
mとして画素アレイ部30の走査線31
1〜31
mに供給する。
【0149】
上記構成の書込み走査回路40において、その最終段段のインバータ回路群44のインバータ回路44
1〜44
mの各々として、先述した各実施形態に係るレベルシフタ回路100
A,100
B,100
Cを用いることができる。これらレベルシフタ回路100
A,100
B,100
Cは、先述したように、当該レベルシフタ回路を構成する各トランジスタのソース−ドレイン耐圧を維持したまま、最終段のインバータ回路200に入力する電圧の振幅を増大させることができる。
【0150】
そして、最終段のインバータ回路200を構成するトランジスタP
21,N
21のゲート−ソース間電圧を上げ、最終段のインバータ回路200の抵抗(即ち、トランジスタP
21,N
21のオン抵抗)を下げることで、表示パネル70の大型化が可能になる。より具体的には、表示パネル70の大型化によって走査線31
1〜31
mの負荷が大きくなり、その負荷の影響で書込み走査パルスWS
1〜WS
mの波形が鈍ってしまう訳であるが、最終段のインバータ回路200の抵抗が下がることにより、負荷の影響を最小限に抑えることができる。従って、表示パネル70の大型化が可能になる。
【0151】
また、最終段のインバータ回路200の入力電圧の振幅をより増大させることで、当該インバータ200を構成するトランジスタP
21,N
21のサイズを小さくすることが可能になる。これにより、レベルシフタ回路100
A,100
B,100
Cの回路規模、ひいては、これらレベルシフタ回路100
A,100
B,100
Cを画素アレイ部30の画素行の行数分を有する書込み走査回路40や電源供給走査回路50の回路規模の縮小化を図ることができる。
【0152】
その結果、書込み走査回路40や電源供給走査回路50を、例えば
図11に示すように、画素アレイ部30と同じ表示パネル70上に搭載して成る有機EL表示装置にあっては、表示パネル70の狭額縁化が可能になる。また、書込み走査回路40や電源供給走査回路50をドライバICとして表示パネル70外に配する構成を採る有機EL表示装置にあっては、当該ドライバICの小型化を図ることができる。
【0153】
[
5−4.その他]
上述した有機EL表示装置では、画素20が2つのNチャネルのトランジスタ22,23及び1つの保持容量24から成る回路構成の場合を例に挙げて説明したが、画素20としてはこの回路構成のものに限られるものではない。すなわち、例えば、駆動トランジスタ22としてPチャネル型のTFTを用いた回路構成や、有機EL素子21の容量不足分を補い、保持容量24に対する映像信号の書込みゲインを高めるための補助容量を有する回路構成の画素20であってもよい。更には、基準電圧V
ofsや第2電源電位V
iniを選択的に書き込むためのスイッチングトランジスタなどを別途有する回路構成の画素20などであってもよい。
【0154】
また、上記の適用例では、画素20の電気光学素子として、有機EL素子を用いた有機EL表示装置に適用した場合を例に挙げて説明したが、本開示の技術はこの適用例に限られるものではない。具体的には、本開示の技術は、無機EL素子、LED素子、半導体レーザー素子など、デバイスに流れる電流値に応じて発光輝度が変化する電流駆動型の電気光学素子(発光素子)を用いた表示装置の他、液晶表示装置やプラズマ表示装置など、走査回路を有する表示装置全般に対して適用可能である。更には、表示装置に限らず、固体撮像装置など、走査回路を有する装置全般に対して適用可能である。
【0155】
<
6.電子機器>
以上説明した本開示のバッファ回路を出力段に用いる走査回路を搭載する表示装置は、電子機器に入力された映像信号、若しくは、電子機器内で生成した映像信号を、画像若しくは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示部(表示装置)として用いることが可能である。
【0156】
先述した各実施形態の説明から明らかなように、本開示のレベルシフタ回路を最終段のインバータ回路の前段回路として用いる走査回路は、例えば、画素アレイ部と同じ表示パネルに搭載される表示装置にあっては、表示パネルの狭額縁化を図ることができる。従って、表示部を有するあらゆる分野の電子機器において、その表示部として、本開示のレベルシフタ回路を最終段のインバータ回路の前段回路として用いる走査回路を搭載する表示装置を用いることで、電子機器本体の小型化を図ることができる。
【0157】
これらの電子機器としては、例えば、テレビジョンセット、デジタルカメラ、ビデオカメラ等の他、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機、ノート型パーソナルコンピュータ、電子書籍等の携帯情報機器、携帯電話機等の携帯通信機器などを例示することができる。
【0158】
<
7.本開示の構成>
尚、本開示は以下のような構成を採ることができる。
(1)第1導電型のトランジスタから成る第1トランジスタ回路と第2導電型のトランジスタから成る第2トランジスタ回路とが、第1固定電源と第2固定電源との間に直列に接続され、第1導電型のトランジスタから成る第3トランジスタ回路と第2導電型のトランジスタから成る第4トランジスタ回路とが、第1固定電源と第2固定電源との間に直列に接続されており、
前記第2トランジスタ回路の入力端には第1入力電圧が与えられ、前記第4トランジスタ回路の入力端には第2入力電圧が与えられ、
前記第1トランジスタ回路の入力端が前記第3,第4トランジスタ回路の出力端に接続され、前記第3トランジスタ回路の入力端が前記第1,第2トランジスタ回路の出力端に接続されており、
第1固定電源側の2つのトランジスタ回路及び第2固定電源側の2つのトランジスタ回路の少なくとも一方側の2つのトランジスタ回路はダブルゲートトランジスタから成り、
一方の電源側の2つのトランジスタ回路が動作状態のとき、他方の電源側の2つのトランジスタ回路の前記ダブルゲートトランジスタの共通接続ノードに第3固定電源の電圧を与えるスイッチ素子を有する
レベルシフタ回路。
(2)第1固定電源−第3固定電源間の電圧及び第3固定電源−第2固定電源間の電圧は、前記第1乃至第4トランジスタ回路を構成する各トランジスタのソース−ドレイン耐圧の範囲内の電圧である
前記(1)に記載のレベルシフタ回路。
(3)第1入力電圧と第2入力電圧とは互いに逆相の電圧である
前記(1)または前記(2)に記載のレベルシフタ回路。
(4)第3固定電源の電圧は、第1固定電源及び第2固定電源の各電圧の間の値である
前記(1)から前記(3)のいずれかに記載のレベルシフタ回路。
(5)第3固定電源の電圧は、第1固定電源及び第2固定電源の各電圧の平均値である
前記(4)に記載のレベルシフタ回路。
(6)前記スイッチ素子は、前記他方の電源側の2つのトランジスタ回路を構成するトランジスタと同導電型のトランジスタである
前記(1)から前記(5)のいずれかに記載のレベルシフタ回路。
(7)前記スイッチ素子は、第1入力電圧または第2入力電圧をゲート入力とする
前記(1)から前記(6)のいずれかに記載のレベルシフタ回路。
(8)前記第3,第4トランジスタ回路の共通接続ノードには最終段のインバータ回路が接続されている
前記(1)から前記(7)のいずれかに記載のレベルシフタ回路。
(9)第1固定電源は正側電源、第2固定電源は負側電源であり、
第1導電型のトランジスタはPチャネル型のトランジスタ、第2導電型のトランジスタはNチャネル型のトランジスタである
前記(1)から前記(8)のいずれかに記載のレベルシフタ回路。
(10)第1固定電源の電圧は、第1,第2入力電圧の高電圧側の電圧よりも高く、
第2固定電源の電圧は、第1,第2入力電圧の低電圧側の電圧以下である
前記(9)に記載のレベルシフタ回路。
(11)第1固定電源の電圧は、前記最終段のインバータ回路の正側電源の電圧よりも高く、
第2固定電源の電圧は、前記最終段のインバータ回路の負側電源の電圧と等しい
前記(9)に記載のレベルシフタ回路。
(12)第1固定電源は負側電源、第2固定電源は正側電源であり、
第1導電型のトランジスタはNチャネル型のトランジスタ、第2導電型のトランジスタはPチャネル型のトランジスタである
前記(1)から前記(8)のいずれかに記載のレベルシフタ回路。
(13)第1固定電源の電圧は、第1,第2入力電圧の低電圧側の電圧よりも低く、
第2固定電源の電圧は、第1,第2入力電圧の高電圧側の電圧以上である
前記(12)に記載のレベルシフタ回路。
(14)第1固定電源の電圧は、前記最終段のインバータ回路の負側電源の電圧よりも低く、
第2固定電源の電圧は、前記最終段のインバータ回路の正側電源の電圧と等しい
前記(12)に記載のレベルシフタ回路。
(15)最終段にインバータ回路を、当該インバータ回路の前段にレベルシフタ回路を有し、
前記レベルシフタ回路は、
第1導電型のトランジスタから成る第1トランジスタ回路と第2導電型のトランジスタから成る第2トランジスタ回路とが、第1固定電源と第2固定電源との間に直列に接続され、第1導電型のトランジスタから成る第3トランジスタ回路と第2導電型のトランジスタから成る第4トランジスタ回路とが、第1固定電源と第2固定電源との間に直列に接続されており、
前記第2トランジスタ回路の入力端には第1入力電圧が与えられ、前記第4トランジスタ回路の入力端には第2入力電圧が与えられ、
前記第1トランジスタ回路の入力端が前記第3,第4トランジスタ回路の出力端に接続され、前記第3トランジスタ回路の入力端が前記第1,第2トランジスタ回路の出力端に接続されており、
第1固定電源側の2つのトランジスタ回路及び第2固定電源側の2つのトランジスタ回路の少なくとも一方側の2つのトランジスタ回路はダブルゲートトランジスタから成り、
一方の電源側の2つのトランジスタ回路が動作状態のとき、他方の電源側の2つのトランジスタ回路の前記ダブルゲートトランジスタの共通接続ノードに第3固定電源の電圧を与えるスイッチ素子を有する
走査回路。
(16)電気光学素子を含む画素が行列状に配置されて成る画素アレイ部と、
最終段にインバータ回路を、当該インバータ回路の前段にレベルシフタ回路を有し、前記画素アレイ部の各画素を走査する走査回路と
を備え、
前記レベルシフタ回路は、
第1導電型のトランジスタから成る第1トランジスタ回路と第2導電型のトランジスタから成る第2トランジスタ回路とが、第1固定電源と第2固定電源との間に直列に接続され、第1導電型のトランジスタから成る第3トランジスタ回路と第2導電型のトランジスタから成る第4トランジスタ回路とが、第1固定電源と第2固定電源との間に直列に接続されており、
前記第2トランジスタ回路の入力端には第1入力電圧が与えられ、前記第4トランジスタ回路の入力端には第2入力電圧が与えられ、
前記第1トランジスタ回路の入力端が前記第3,第4トランジスタ回路の出力端に接続され、前記第3トランジスタ回路の入力端が前記第1,第2トランジスタ回路の出力端に接続されており、
第1固定電源側の2つのトランジスタ回路及び第2固定電源側の2つのトランジスタ回路の少なくとも一方側の2つのトランジスタ回路はダブルゲートトランジスタから成り、
一方の電源側の2つのトランジスタ回路が動作状態のとき、他方の電源側の2つのトランジスタ回路の前記ダブルゲートトランジスタの共通接続ノードに第3固定電源の電圧を与えるスイッチ素子を有する
表示装置。
(17)電気光学素子を含む画素が行列状に配置されて成る画素アレイ部と、
最終段にインバータ回路を、当該インバータ回路の前段にレベルシフタ回路を有し、前記画素アレイ部の各画素を走査する走査回路と
を備え、
前記レベルシフタ回路は、
第1導電型のトランジスタから成る第1トランジスタ回路と第2導電型のトランジスタから成る第2トランジスタ回路とが、第1固定電源と第2固定電源との間に直列に接続され、第1導電型のトランジスタから成る第3トランジスタ回路と第2導電型のトランジスタから成る第4トランジスタ回路とが、第1固定電源と第2固定電源との間に直列に接続されており、
前記第2トランジスタ回路の入力端には第1入力電圧が与えられ、前記第4トランジスタ回路の入力端には第2入力電圧が与えられ、
前記第1トランジスタ回路の入力端が前記第3,第4トランジスタ回路の出力端に接続され、前記第3トランジスタ回路の入力端が前記第1,第2トランジスタ回路の出力端に接続されており、
第1固定電源側の2つのトランジスタ回路及び第2固定電源側の2つのトランジスタ回路の少なくとも一方側の2つのトランジスタ回路はダブルゲートトランジスタから成り、
一方の電源側の2つのトランジスタ回路が動作状態のとき、他方の電源側の2つのトランジスタ回路の前記ダブルゲートトランジスタの共通接続ノードに第3固定電源の電圧を与えるスイッチ素子を有する
表示装置を有する電子機器。