(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5780658
(24)【登録日】2015年7月24日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】リアルタイムオンライン広告検証システム及び方法
(51)【国際特許分類】
G06F 13/00 20060101AFI20150827BHJP
G06Q 30/02 20120101ALI20150827BHJP
【FI】
G06F13/00 540P
G06Q30/02 150
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-537481(P2012-537481)
(86)(22)【出願日】2010年11月8日
(65)【公表番号】特表2013-510359(P2013-510359A)
(43)【公表日】2013年3月21日
(86)【国際出願番号】IL2010000925
(87)【国際公開番号】WO2011055370
(87)【国際公開日】20110512
【審査請求日】2013年9月10日
(31)【優先権主張番号】61/259,256
(32)【優先日】2009年11月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510338226
【氏名又は名称】ダブル ベリファイ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ネッツァー, オーレン
(72)【発明者】
【氏名】レッシュ, ギル
(72)【発明者】
【氏名】リヴァ−ラント, アレックス
(72)【発明者】
【氏名】ワッサーマン, ギル
【審査官】
宮久保 博幸
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2008/0189181(US,A1)
【文献】
特表2010−525492(JP,A)
【文献】
特表2007−509394(JP,A)
【文献】
特開2009−026010(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
G06Q 30/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告をそれらのキャンペーンルールに対して、広告サーバによって提供する前に検証するためのリアルタイムのシステムであって、
(a)選択された広告をサイトタグが保存されたウェブサイトに配信するための広告サーバと、
(b)ユーザが前記ウェブサイトを閲覧し、前記配信された広告を前記保存されたサイトタグとともにロードするためのブラウザと、
(c)前記ブラウザに提示されることが意図された広告が、そのキャンペーンルールにマッチするかどうかを判定するための判定サーバと、
(d)前記判定サーバから接続を受け取り、発行者の意図に従ったキャンペーンルールを備えるデータベースと、
(e)クエリモジュールを備え、前記クエリモジュールを前記ブラウザに配信するように動作可能なウェブサーバと、を備え、前記ブラウザによって実行されるクエリモジュールが、前記ユーザに提示されることが意図された広告を許可するのか、又はブロックするのかに関して判定を行うために前記判定サーバに必要なパラメータを抽出するように構成されており、
前記ブラウザが、
i.前記ウェブサイトをロードする際に前記サイトタグを実行し、これにより前記実行されたサイトタグが、現在の広告要求のためのゼネラルユーザID(GUID)を生成するための第2コードを前記広告サーバから取り出すために前記広告サーバへの呼び出しを生成し、
ii.前記取り出された第2コードを実行し、
iii.前記クエリモジュールの1つを取り出すために前記ウェブサーバとの接続を確立し、
iv.前記クエリモジュールが取り出されると、前記選択された広告が提供されるウェブページの前記パラメータを抽出し、
v.前記抽出されるパラメータ及び前記ゼネラルユーザIDを前記判定サーバに送信するように更に動作可能であり、
前記判定サーバが、前記キャンペーンルール及び前記抽出されるパラメータをリアルタイムに分析して、前記判定サーバの分析結果に従って前記選択された広告を提供すべきか、又はブロックすべきかに関する判定を、リアルタイムに、かつ前記広告サーバが前記選択された広告を前記ブラウザに提供する前に、前記広告サーバに送信する、
ことを特徴とする、システム。
【請求項2】
前記抽出されるパラメータが、トップページにアクセス可能なURL、ウィンドウリファラ、前記広告が開始又は配信されるべき日時、前記広告が配信されるべき回数、前記広告が配信されるべき視聴者の種類、前記広告の場所、前記広告が配信されるべき周波数、前記広告が配信されるべき承認されたサイトから除外される特定のサイト及びURL、並びに前記広告が順守すべきルール、方針及び規則から成るグループから選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記サイトタグは、前記クエリモジュールが、前記選択された広告が配信されるトップページに関する情報を抽出することを可能にする、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記サイトタグが、JSとHTMLから成るグループから選択される機械語で書かれたコードである、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記クエリモジュールが、JSとHTMLから成るグループから選択される機械語で書かれたコードである、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
広告をそれらのキャンペーンルールに対して、広告サーバによって提供する前に検証するためのリアルタイムの方法であって、
(a)広告サーバから発行者のウェブページに配信される広告を選択するステップと、
(b)前記ウェブページからサイトタグを取り出すステップと、
(c)ウェブサーバからクエリモジュールを取り出して、そのコードを、前記ウェブページに関連するウェブサイトを閲覧するブラウザによって実行するステップと、
(d)広告提供の判定のために必要なすべてのページパラメータを前記ウェブページから集めるステップと、
(e)前記集められたパラメータとともに判定サーバを呼び出すステップと、
(f)データベースからキャンペーン定義を取り出し、前記集められたパラメータと比較するステップと、
(g)前記パラメータを前記判定サーバに届けるステップと、
(h)前記判定サーバにおいて、前記キャンペーン定義と前記集められたパラメータとを比較するステップと、
(i)前記比較結果に基づいて前記選択された広告を提供するのか、又はブロックするのかを判定するステップとを含み、
前記判定サーバ及び前記ウェブサーバが、前記広告サーバの外側にあり、前記ブラウザは、
i.前記ウェブサイトをロードする際に前記サイトタグを実行し、これにより前記実行されたサイトタグが、現在の広告要求のためのゼネラルユーザID(GUID)を生成するための第2コードを前記広告サーバから取り出すために前記広告サーバへの呼び出しを生成し、
ii.前記取り出された第2コードを実行し、
iii.前記クエリモジュールの1つを取り出すために前記ウェブサーバとの接続を確立し、
iv.前記クエリモジュールが取り出されると、前記選択された広告が提供されるウェブページの前記パラメータを抽出し、
v.抽出される前記パラメータ及び前記ゼネラルユーザIDを前記判定サーバに送信するように更に動作可能であり、
前記判定サーバが、前記キャンペーンルール及び前記抽出されるパラメータをリアルタイムに分析して、前記判定サーバの分析結果に従って前記選択された広告を提供すべきか、又はブロックすべきかに関する判定を、リアルタイムに、かつ前記広告サーバが前記選択された広告を前記ブラウザに提供する前に、前記広告サーバに送信する、
ことを特徴とする、方法。
【請求項7】
判定処理と並行して広告の配信プロセスの開始を可能にするために、前記生成されたGUIDとともに前記広告サーバを呼び出すステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
検証され、不適切であるためにブロックされた広告の代わりに、前記ウェブページに提供するための新しい広告を選択するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記抽出されるパラメータが、トップページにアクセス可能なURL、ウィンドウリファラ、前記広告が開始又は配信されるべき日時、前記広告が配信されるべき回数、前記広告が配信されるべき視聴者の種類、前記広告の場所、前記広告が配信されるべき周波数、前記広告が配信されるべき承認されたサイトから除外される特定のサイト及びURL、並びに前記広告が順守すべきルール、方針及び規則から成るグループから選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記ウェブページからサイトタグを取り出すステップは、ネスト化されたIFrame要素によって実行される、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データネットワークを介して配信される広告を検証するためのシステム及び方法に関する。より詳細には、本発明は、Java Script配信に基づいて、インターネットベースのメディアを介して配信される広告を検証するためのリアルタイム判定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業がメディア販売者から広告スペース又は時間を買う場合、そこには、その広告が、いつ、どこで、どのようにして配信されなければならないかに関する特定の指示が含まれる。キャンペーン購入ガイドラインは、様々な異なるツールを使用した広範な調査の後で編集され、広告購入者から見て、その購入者の広告の目標を最もよく反映し、その購入者の広告予算の最適な使用を表す。また広告費も、キャンペーン配信指示の種類及び範囲に直接関係している。
【0003】
キャンペーン配信指示は、広告が開始又は配信されるべき日時、広告が配信されるべき回数、配信されるべき視聴者の種類、広告の場所、広告が配信されるべき周波数、広告が配信されるべき承認されたサイトから除外される特定のサイト及びURL、並びに広告が順守すべきその他の様々なルール、方針及び規則を含むことがある。
【0004】
これらの指示を含む、広告主がメディア販売者に出して、メディア販売者によって受諾される申し込みは、通常「広告掲載申し込み」(IO)と呼ばれる。IOは通常様々な配置から成り、各々の配置は異なる広告掲載を表す。IOは、この広告キャンペーンに関する広告の購入者と販売者の間の書面による契約を表している。
【0005】
広告の販売者は、通常は広告サーバと呼ばれるコンピュータプログラムを使用してワールドワイドウェブ又は他のデジタルメディアの形式で、同社のウェブサイトに広告を配信する。広告コンテンツを表示しなければならない各ウェブページは、1つ又は複数の広告サーバに接続される。広告サーバは、IO及び配置の定義に基づいて、最も適切な広告を対応するユーザ及びページとマッチさせることによって、配信されるべき適切な広告を大きな広告バンクから選択する。
【0006】
多くの場合、広告サーバは、広告を提供するために第三者を呼び出すことを決定してもよい(1つの例は、第1の広告サーバが提供するのに十分な広告を持たないために、他の広告サーバに在庫を売る場合である)。このことは再帰的に生じ、広告サーバからの呼び出しを、クライアントのブラウザを使用して、それらの広告サーバへの呼び出しとともにIFrameタグを生成する広告サーバにリダイレクトすることによって、1つの広告サーバから他の広告サーバへの呼び出しの連鎖を生成する場合がある。
【0007】
IOの複雑さ、キャンペーン設定のために必要とされる手動プロセス、キャンペーンの設定のために通常利用可能な短い期間、及び第三者の使用等の他の技術的課題のために、実際の広告の配信はしばしば、IOの中で指定された指示とは異なる場合がある。これらの矛盾は、広告の購入者にとって数百万ドルもの広告予算の損失となる。そのような無駄を抑えるために、広告の配信は監視されなければならず、キャンペーン購入ガイドラインを順守しない広告はリアルタイムでブロックされなければならない。
【0008】
コンテンツ配信ネットワーク又はコンテンツ分配ネットワーク(CDN)は、ネットワーク全体のユーザからのデータへのアクセスのために帯域幅を最大化するようにネットワークの中に様々なポイントに配置される、データのコピーを含むコンピュータのシステムである。CDNを利用することによって、すべてのユーザが同じ中央サーバにアクセスするのとは対照的に、ユーザは近くにあるデータのコピーにアクセスすることができる。CDNを利用することは、中央サーバの近くでその他に作り出されたボトルネックを回避する。コンテンツの種類はウェブオブジェクト、ダウンロード可能なオブジェクト(メディアファイル、ソフトウェア及び文書)、アプリケーション、リアルタイムメディアストリーム、及びその他のインターネット配信コンポーネント(DNS、ルート及びデータベースクエリ)を含む。
【0009】
インラインフレーム(IFrame)は、ウェブサイト上の(例えばHTML、XML等の)他の文書の内部に埋め込まれた(例えばHTML、XML等の)文書である。IFrame及びネスト化されたIFrame要素は、広告等の1つのソースからのコンテンツをウェブページ等の他のソースに挿入することによって広告を配信するために、しばしば使用される。IFrameのセキュリティ定義のために、(例えばURL等の)サイトのページパラメータ及び広告が配信されるデータの可視性は厳しく制限されている。IFrameが親又は子とは異なるドメインにある場合、可視性は、IFrameの外部の文書オブジェクトモデル(DOM−プログラマーがHTMLページ及びXML文書を本格的なプログラムオブジェクトとして作成及び変更することを可能にするプログラミングインターフェースの仕様)の情報を隠蔽するセキュリティ制約のために制限される。可視性は、ネスト化されたIFrameを作り出す、上述のような広告サーバのチェーンを介して広告が配信される場合、さらに制限される。
【0010】
ネスト化されたIFrameでは、キャンペーンの購入者は、ウェブページのURLをその従来型の標準的データから識別することができない。したがって、キャンペーンの購入者は、自分たちの広告が目的とする宛先を対象としているかどうかを確認することはできず、また不要なURLに向けられた広告をブロックすることができない。その結果、キャンペーンの購入者は時には、不要なキャンペーンで自分たちの広告予算を無駄にしてしまう。広告をブロックする判定が広告サーバの外部のサービスで行われる場合、不要な広告をブロックするプロセスはさらに複雑である。ブロックする広告を正確に判定するために、(例えばURL等の)情報は広告が配信されるページに集められなければならない。不要な広告をブロックすることは、オンザフライ(on the fly)でリアルタイムに行われなければならない。広告の配信時間における劣化を防止するために、広告をブロックするプロセスは短い実行時間で行われなければならない。
【0011】
IFrame内に隠されたURLを抽出する1つの方法は、国際公開第2009/156988号パンフレットで開示されている。この方法は、配信及びページ上での実行のために特別に開発されたJava Script(JS)コードを提供する。この特別に開発されたJSは、IFrameにウィンドウリファラを供給することができる。したがって、サイトのページパラメータの可視性は改善され、目的の広告を提供するかどうかを判定することができる。しかしながら、JSをウェブページに配信することはパフォーマンスを低下させ、広告の配信時間を遅くする。
【0012】
今日使用されている方法は、広告が配信されるページの完全な認識及び可視性に基づいて広告を提供する問題に、満足のいく解決策をまだ提供していない。今日使用されている方法は、ブラウザの中で受信された広告をブロックするか、又は提供するかどうかについての判定を行う。しかしながら、受信された広告がブロックされる場合、ページ上に広告を表示する機会は失われ、ページが収益化されることはない。したがって、広告サーバが、(例えばページURL等の)提供の配置に関する完全な認識及び可視性に基づいて、広告のキャンペーン定義によって、どの広告を提供するのかを判定することを助け、適切な広告を提供することができるようにするシステムが求められている。さらに、正確さ及び広告の配信時間の短さという要件を達成する第三者のリアルタイム判定システムを提供する方法が求められている。
【0013】
本発明の目的は、データネットワークを介して提供される広告が、そのキャンペーン定義及び制約を満たすことを検証することである。
【0014】
本発明の他の目的は、提供される広告が、広告主によって定義される広告掲載申し込みに準拠していることを自動的に検証するためのシステムを提供することである。
【0015】
本発明のさらなる目的は、広告掲載申し込みの中で指定される指示が広告主の意図とマッチすることを検証することである。
【0016】
本発明のさらに他の目的は、ページURLの完全な可視性を獲得し、リアルタイム広告ブロッキングの待ち時間を無視できる程度の最小限に短縮することである。
【0017】
本発明のさらなる目的及び利点は、説明が進むにつれて明らかになる。
【発明の概要】
【0018】
第1の態様で、本発明は、広告をそれらのキャンペーンルールに対して、広告サーバによって提供する前に検証するためのリアルタイムのシステムであって、(a)ユーザに提示することを意図した広告が、そのキャンペーンルールにマッチするかどうかを判定するための判定サーバと、(b)判定サーバと接続して開始し、発行者の意図に従ったキャンペーンルールを備えるデータベースと、(c)クエリSWモジュールを備え、クエリSWモジュールをユーザのブラウザに配信するウェブサーバと、(d)ユーザのブラウザによって実行され、判定サーバに必要なパラメータを抽出するように構成されたクエリSWモジュールとを備え、パラメータが、キャンペーンルール及び提供されるパラメータを分析して、その判定を、広告を適宜に提供又はブロックする広告サーバに送信する判定サーバに配信される、システムを対象とする。
【0019】
本発明の1つの実施形態では、抽出されるパラメータは、トップページにアクセス可能なURL、ウィンドウリファラ(window referrer)、広告が開始又は配信されるべき日時、広告が配信されるべき回数、広告が配信されるべき視聴者の種類、広告の場所、広告が配信されるべき周波数、広告が配信されるべき承認されたサイトから除外される特定のサイト及びURL、広告が順守すべきルール、方針及び規則から成るグループから取得される。
【0020】
1つの実施形態では、このシステムは、発行者のウェブページに保存され、ユーザのブラウザによって取り出され、実行され、クエリSWモジュールが、広告が配信されるトップページ上の情報を抽出することを可能にする1つ又は複数のサイトタグをさらに含む。
【0021】
1つの実施形態では、サイトタグは、JSとHTMLから成るグループから取得される機械語で書かれたコードである。
【0022】
1つの実施形態では、システムは、現在の広告要求のためにゼネラルユーザIDを生成するための第2コードをさらに含む。
【0023】
1つの実施形態では、クエリSWモジュールは、JSとHTMLから成るグループから取得される機械語で書かれたコードである。
【0024】
第2の態様では、本発明は、広告をそれらのキャンペーンルールに対して、広告サーバによって提供する前に検証するためのリアルタイムの方法であって、(a)発行者のウェブページからサイトタグを取り出すステップと、(b)ウェブサーバからクエリソフトウェアモジュールを取り出して、そのコードをユーザのブラウザによって実行するステップと、(c)広告提供の判定のために必要なすべてのページパラメータを集めるステップと、(d)集められたパラメータとともに判定サーバを呼び出すステップと、(d)データベースからキャンペーン定義を取り出し、集められたパラメータと比較するステップと、(e)比較に基づいて広告を提供するのか、又はブロックするのかを判定するステップとを含む、方法を対象とする。
【0025】
1つの実施形態では、この方法は、ユーザ側でゼネラルユーザIDを生成するステップと、判定処理と並行して広告の提供を可能にするために、生成されたゼネラルユーザIDとともに広告サーバを呼び出すステップとをさらに含む。
【0026】
1つの実施形態では、この方法は、検証され、不適切であるためにブロックされた広告の代わりに、ウェブページに提供するための新しい広告を選択するステップをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0027】
上記及びその他の本発明の特徴及び利点は、添付の図面を参照して、以下の本発明の実施形態の例示的かつ非限定的な詳細な説明を通じてよりよく理解されよう。
【
図1】本発明によるシステムの例示的実施形態を概略的に示す図である。
【
図2】本発明によるクライアントとサーバ間のフローの実施形態のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下の説明では、例示を目的として、多数の具体的な詳細が示されている。しかしながら当業者には明らかなように、本発明はそのような具体的な詳細に限定されず、当業者であれば、代替の配置を考案することができるであろう。
【0029】
本発明によって提案されるシステムは、広告をそれらのキャンペーンルールに対して、広告サーバによって提供する前に検証するように構成された、正確なリアルタイム広告検証(AV)サービスを提供する。1つの実施形態では、本発明は、以下でサイトタグ(ST)と呼ばれるソフトウェアモジュールを含む。AVサービスに関心のある発行者は、自分たちのウェブサイトにSTを付加する。STはバックグラウンドで実行され、発行者のサイトに問い合わせを行うプロセスを開始するように構成される。問い合わせプロセスは、どれだけ多くのIFrame及び異なるドメインがそれらの間の経路に存在したとしても、(ほとんどのトップページにアクセス可能なURL及びウィンドウリファラ等の)広告が配信される「トップページ」に関するサイトパラメータ及び情報を抽出することを含む。この実施形態は、クライアントがシステムを設定するため、又は個人のアプリケーションを起動するために、自身のサーバを用いる必要をなくす。STはまた、ページに広告を配信する遠隔の広告サーバと通信するように構成されている。STは、ページ及びこのページにアクセスしているユーザについての情報を広告サーバに送信する。
【0030】
図1は、本発明によるシステムの例示的実施形態を概略的に示す。この実施形態では、AVサービスプロバイダ101は、発行者の広告サーバ103の外部で、広告検証サービスを提供する。リアルタイムAVサービスに対してもっと可視的であろうとする各発行者は、ST104を使用する。STは発行者のウェブページ110の中に保存され、ユーザのブラウザ102が発行者のウェブページをロードする場合に実行される。1つの実施形態では、STはJS、HTML又はその他の機械語コードを含むソフトウェアモジュールである。STは一旦実行されると、広告サーバ103への呼び出しを生成し、広告サーバ103から第2コード111を取り出す。1つの実施形態では、第2コードはJSである。第2コードがユーザのブラウザによって実行されると、AVウェブサーバ105に対して接続が確立される。AVウェブサーバ105は、クエリモジュール106を含む。本発明の実施形態では、ウェブサーバ105は、広告を提供するのか、しないのかを判定するために必要な(例えばウェブトップページのURL等の)パラメータを抽出するように構成されたJSコードを含むクエリモジュール106を含むCDNである。
【0031】
一旦クエリモジュールが取り出されると、ブラウザはクエリモジュールのJSコードを実行し、(広告が提供される)トップページのURLを抽出するプロセスが始まる。同時に、第2コード111はまた、現在の広告要求のためにGUID(ゼネラルユーザID)を生成する。GUIDは、広告を提供する時間を減らすための非同期通信及び並行処理を可能にする一意識別子である。1つの実施形態では、GUIDは、判定処理と並行した広告配信プロセスの開始を可能にする。URLは抽出されると、生成されたGUIDとともにAVサーバ107に送信される。同時に、生成されたGUIDはまた、GUID及び広告のキャンペーンIDをABサーバ107に送信する広告サーバ103に送信される。AVサーバ107は、ユーザのブラウザから送信されたURL及び広告サーバから送信されたキャンペーンIDを両ユニットから受信されたGUIDに従ってマッチさせ、対応するキャンペーンルールをキャンペーンデータベース(DB)108から取り出す。
【0032】
キャンペーンルール及び提供されたURLを分析した後、AVサーバ107は、広告が提供されるべきか否かを判定し、その判定を広告サーバ103に送信する。この判定に従って、サーバ103は広告を提供するか、又はブロックする。広告は、そのキャンペーン定義及び制約を満たしていない場合にはブロックされる、すなわち広告サーバは現在の広告を提供しない。しかしながら、ページに広告を提供する機会が失われるわけではなく、リアルタイムで生じることによって、広告サーバは、検証され、現在の配置に対して不適切であるためにブロックされた広告の代わりに、提供するための新しい広告を選択することができる。したがって、本発明は、提供される広告が広告主によって定義される広告掲載申し込みに準拠していることを自動的に検証する。
【0033】
図2は、本発明によるクライアントとサーバ間のフローの実施形態のシーケンス図である。上述のように、ブロッキングサービスに対して、より透過的であろうとする各発行者は、そのウェブサイトにサイトタグ(ST)を付加する。ユーザが発行者のウェブサイトを訪れると、ユーザのブラウザはウェブページとともにSTのコードをロードする。ブラウザでのSTの実行は、全プロセスを開始する。ステップ201で、第2コードを取り出すために、ユーザのブラウザ102から広告サーバ103への呼び出しが行われる。それに対して、ステップ202で第2コードがブラウザに返送される。ステップ203で、クエリSWモジュールを取り出すために、AVウェブサーバ105への呼び出しが行われる。
【0034】
1つの実施形態では、クエリSWモジュールはJSコードである。クエリSWモジュールは、広告を提供するか否かの判定を行うためにAVサーバ107によって必要とされるパラメータを生成するように構成されている。この呼び出しは、次のステップと同時に行われる。ステップ204で、ユーザのブラウザ102はユーザ側でGUIDを生成し、ステップ205で、生成されたGUIDとともにブラウザから広告サーバへの呼び出しが行われる。本発明の1つの実施形態では、GUIDの生成、クエリSWモジュールの取り出し及び広告サーバの呼び出しはすべて第2コードによって開始される。ステップ206で、広告サーバは提供するための広告を選択する。ステップ207で、クエリSWモジュールはAV CDNから戻り、ステップ208でブラウザによって実行される。コードを実行することによって、ブラウザは、広告提供の判定のために必要なすべてのページパラメータを集めることができる。ステップ209で、集められたパラメータ及びGUIDを用いて、AVサーバへの呼び出しが行われる。
【0035】
ステップ210で、ステップ205で受信されたGUID及びキャンペーンパラメータは、このページに広告を提供するか否かを判定するためにAVサーバ107に送信される。ステップ211で、AVサーバはキャンペーンDB108からキャンペーン定義を取り出し、広告パラメータ及びトップページのURLがキャンペーン要件にマッチするかどうかを確認する。ステップ212で、広告を提供するか、又はブロックするかどうかの判定は、広告サーバに返送される。その後選択された広告は、ステップ213でユーザに返送される。
【0036】
ウェブサイトとそのIFrameの間のデータの転送及び共有のために使用されることが可能な複数の実装方法が存在する。例えば、(データがブラウザ内で保存される)クライアントストレージ、(HTML5規格のインターフェースである)クロスドメイン統合、同じドメイン内で転送することが可能なクッキー等がある。(異なるバージョンのブラウザで機能する)クロスブラウザの支援、及び解決策の安定性を考慮すると、クッキーが好ましい解決策である。さらにクッキーは、リアルタイムのブロッキングでの最も簡単な実装と最良のパフォーマンスを可能にする。それにもかかわらず、IFrameからウェブサイトデータへの可視性を達成するために、本発明のシステムによって、ウェブサイトデータをIFrameへ通信するための任意の利用可能な方法が使用されることが可能である。
【0037】
1つの実施形態では、タグは発行者のページで実装される。このタグは、例えば(http://cdn.avserver.com/sitetag.htm等の)サービスプロバイダのドメインの静的htmlファイルへの呼び出しとともに、IFrameを生成するJava Script(JS)コードを含む。このファイルは、(ユーザ側で実行される)短命のユーザ側のセッションクッキーを付加するJSコードを含む。
【0038】
サイトタグは、サイト情報をIFrame内で提供されるタグに与えるために使用される。例えば、本発明によるシステムによって追跡されるすべての広告で通常のタグが提供される場合、AVサーバ(http://log1.avserver.com/visitor.aspx)を呼び出す0×0画像(トラッキングピクセル)を生成するタグが使用される。この呼び出しのヘッダの中で、(クライアント側で)以前に保存されていたクッキーが送信される。これによってサーバは、正確なウェブページのURLを知ることができる。
【0039】
他の実施形態では、タグは、ブラウザのウィンドウ間でのメッセージの送信を可能にするHTML5 postMessage APIを使用するJava Script(JS)コードを含む。発行者側で実行中のJSコードは、メッセージイベントのリスニングに登録する。一旦この登録が生じると、JSコードはページのURLをメッセージの送信者へ返す。ネスト化されたIFrameで実行中の他のJSについて、最上位のURLを取得するために、postMessage APIを使用してメッセージを最上位のページに送信する必要があり、その後STリスナーはURLを返す。
【0040】
上記の例及び説明は当然のことながら、単に例示のために示されており、いかなる方法においても本発明を限定することは意図されていない。当業者によって理解されるように、本発明は、すべて本発明の範囲を超えることなく、上述のもののうちから複数の技術を使用して、多種多様な方法で実施されることが可能である。