特許第5780725号(P5780725)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5780725
(24)【登録日】2015年7月24日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】タービンのブレード
(51)【国際特許分類】
   F01D 11/00 20060101AFI20150827BHJP
   F02C 7/28 20060101ALI20150827BHJP
   F01D 25/00 20060101ALI20150827BHJP
   F16J 15/22 20060101ALI20150827BHJP
【FI】
   F01D11/00
   F02C7/28 Z
   F01D25/00 M
   F16J15/22
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2010-200685(P2010-200685)
(22)【出願日】2010年9月8日
(65)【公開番号】特開2011-58497(P2011-58497A)
(43)【公開日】2011年3月24日
【審査請求日】2013年8月26日
(31)【優先権主張番号】09169858.9
(32)【優先日】2009年9月9日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503416353
【氏名又は名称】アルストム テクノロジー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ALSTOM Technology Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】カルロス・ジーモン−デルガード
(72)【発明者】
【氏名】ハンス−ペーター・ボスマン
(72)【発明者】
【氏名】ヘルベルト・ブランドル
【審査官】 齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭59−180006(JP,A)
【文献】 特開昭52−104611(JP,A)
【文献】 特開2003−148102(JP,A)
【文献】 特開平07−150905(JP,A)
【文献】 特開2008−232151(JP,A)
【文献】 米国特許第05030063(US,A)
【文献】 米国特許第04019832(US,A)
【文献】 米国特許第05630700(US,A)
【文献】 米国特許第05791877(US,A)
【文献】 米国特許第05797725(US,A)
【文献】 独国特許出願公開第10346240(DE,A1)
【文献】 特開2007−255224(JP,A)
【文献】 特開昭55−075507(JP,A)
【文献】 特開2002−295202(JP,A)
【文献】 特開2009−079560(JP,A)
【文献】 特開平09−303107(JP,A)
【文献】 特開2007−085342(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 1/00− 5/02
F01D 5/04−11/10
F16J 15/16−30
F16J 15/46−52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに接続された別々の部品で製造された、エアフォイル(2)とプラットフォーム(3)を備えたタービンのブレード(1)において、
シール部材(4)を備えており、
前記シール部材が前記エアフォイル(2)と前記プラットフォーム(3)の間に挿入されており、前記プラットフォーム(3)は、高温ガス通路(5)から離れる方向に前記シール部材から間隔をおいて内側部分(8)を有していて、前記内側部分(8)は、該内側部分(8)に対応する前記エアフォイル(2)の部分(9)において接合部(6)を介して該エアフォイル(2)に直接接合されており、前記シール部材(4)は、前記接合部(6)よりも高温ガス通路(5)に近い位置に配置されていて、かつ前記エアフォイル(2)と前記プラットフォーム(3)を機械的に結合しないシール部材であり、前記接合部(6)はろう付けであることを特徴とするブレード(1)。
【請求項2】
前記シール部材(4)が高温ガス通路(5)に面した、前記エアフォイル(2)と前記プラットフォーム(3)の領域に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のブレード(1)。
【請求項3】
前記シール部材(4)が前記エアフォイル(2)もしくは前記プラットフォーム(3)に接続されている、金属製フェルトあるいは金属製泡状体、またはブラシあるいは薄片でできていることを特徴とする請求項1に記載のブレード(1)。
【請求項4】
前記エアフォイル(2)および/または前記プラットフォーム(3)が冷却孔(25)を備えており、これらの冷却孔が、前記シール部材(4)を収容しているかあるいは前記シール部材(4)と前記接合部(6)の間に構成された間隙の領域内で、前記エアフォイル(2)と前記プラットフォーム(3)の間の間隙(10)内に開口していることを特徴とする請求項に記載のブレード(1)。
【請求項5】
前記冷却孔(25)から前記エアフォイル(2)と前記プラットフォーム(3)の間の前記間隙(10)内に供給された空気を、前記シール部材(4)と前記接合部(6)が遮断していることを特徴とする請求項に記載のブレード(1)。
【請求項6】
前記シール部材(4)が基底部(11,12)を備えており、これらの基底部が前記エアフォイル(2)と前記プラットフォーム(3)内に加工され、かつ互いに向い合っており、前記基底部(11,12)が互いに接続された幾重の層でできたプレート(14)を収容していることを特徴とする請求項1に記載のブレード(1)。
【請求項7】
前記シール部材(4)が前記エアフォイル(2)または前記プラットフォーム(3)に接続された少なくとも一つのバネ部材(16,17)を備えていることを特徴とする請求項1に記載のブレード(1)。
【請求項8】
前記シール部材(4)が二つのバネ部材(16,17)を備えており、一方が前記エアフォイル(2)に接続されており、他方が前記プラットフォーム(3)に接続されていることを特徴とする請求項に記載のブレード(1)。
【請求項9】
前記シール部材(4)が前記エアフォイル(2)または前記プラットフォーム(3)から突出た部分(20)を備えており、この突出た部分が前記プラットフォーム(3)あるいは前記エアフォイル(2)の対応する部分の軟質材(22)に対して押圧しているナイフエッジ(21)を有していることを特徴とする請求項1に記載のブレード(1)。
【請求項10】
前記軟質材(22)が金属製フェルト状体であることを特徴とする請求項に記載のブレード(1)。
【請求項11】
前記シール部材(4)が入組んだ迷路状シール部材であることを特徴とする請求項1に記載のブレード(1)。
【請求項12】
ガスタービンの案内ベーンあるいはロータブレードであることを特徴とする請求項1に記載のブレード(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タービンのブレードに関する。特に本発明は、ガスタービンの案内ベーンブレードあるいはロータブレードに関する。
【背景技術】
【0002】
ブレードは高温ガスを案内するか(案内ベーン)、あるいは高温ガスを機械的力に変換する(ロータブレード)ために、高温通路内に突出するエアフォイルを備えていることで知られている。
【0003】
さらに、ブレードはプラットフォームも備えており、このプラットフォームは隣接したエアフォイル間の空隙を閉じ、かつ高温ガス通路を規定する。
【0004】
高温ガスは極めて熱いので(高温ガスの温度は通常1400℃以上である)、ブレードは常に大きな熱負荷を受けている。
【0005】
熱負荷により、エアフォイルとプラットフォームの間に差動変形(differential deformation)が生じ、この差動変形はブレードの動作寿命を制限する大きな力を発生させる。
【0006】
特許文献1は二つの独立した部材でできたエアフォイルとプラットフォームを備えたブレードを開示している。
【0007】
エアフォイルとプラットフォームの間の接続は、高温ガス通路に面した領域で行なわれる。すなわち、同じ領域内では、高いガス温度により生じる変形による力が大きい。
【0008】
特許文献2は二つの独立した部材でできたエアフォイルとプラットフォームを備えたブレードを開示しているだけでなく、この場合、動作時にブレードに抗してプラットフォームの両側を押圧する力のために、エアフォイルとプラットフォームの間の接続は高温ガス通路に面した領域内で行なわれる。
【0009】
特許文献3は、プラットフォームに接続したエアフォイルでできた静翼組立体を開示している。
【0010】
さらにこの場合、接続は高温ガス通路に近いエアフォイルとプラットフォームの領域内で行なわれる。
【0011】
特許文献4は、複数の結晶合金部材でできたブレードを開示しており、このブレードは部材間の表面全体にわたり接続している。
【0012】
さらにこの場合、部材間の(特にエアフォイルとプラットフォームを規定している部材間の)接続は、高温ガス通路に近い領域内で行なわれる。
【0013】
特許文献5はエアフォイルの二つの対向した側で、エアフォイルとプラットフォームでできたブレードを開示している。プラットフォームは高温ガス通路に近い領域内においてもエアフォイルに接続している。
【0014】
特許文献6はエアフォイルが収容された貫通孔を有するプラットフォームでできたブレードを開示している。エアフォイルとプラットフォームの接続は、貫通孔(すなわち高温ガス通路に近い)の領域内で行なわれる。
【0015】
従来技術によるブレードはすべて、高温ガス通路に極めて近い領域内で接続している(通常は高温ろう付けされているが他の手段も可能である)。すなわち前記ブレードはすべて高温ガス通路を流れている高温ガスの温度の影響がおおきく、かつこれにより大きな差動変形が生じる領域内で接続しているので、エアフォイルからプラットフォームへ、およびプラットフォームからエアフォイルへと伝達される力は必然的に大きく、これによりブレードの動作寿命は短くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】欧州特許出願公開第764765号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1306523号明細書
【特許文献3】米国特許第5248240第号明細書
【特許文献4】米国特許第6331217号明細書
【特許文献5】米国特許第7284958号明細書
【特許文献6】米国特許第2656146号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
従って本発明の技術的な課題は、前記従来技術の問題が解消される(ロータブレードあるいは案内ベーンである)ブレードを提供することである。
【0018】
この技術的課題の範囲内において、本発明の態様は互いに接続されたエアフォイルとプラットフォームを有しているが、同時に、各ブレードのエアフォイルとプラットフォームの差動変形により生じる力が同じブレードの動作寿命を損なわないブレードを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記技術的課題は、これらのおよび別の態様と共に、従属請求項によるブレードを提供することにより、本発明に従って達せられる。
【0020】
本発明の別の特徴と長所は、添付した図において限定されない例を用いて例証した、好ましいが非独占的な燃焼装置の実施例の説明から一層明白である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施例におけるブレードの概略図である。
図2】本発明のブレードの異なる実施例を示す図である。
図3】本発明のブレードの他の異なる実施例を示す図である。
図4】本発明のブレードの他の異なる実施例を示す図である。
図5】本発明のブレードの他の異なる実施例を示す図である。
図6】本発明のブレードの他の異なる実施例を示す図である。
図7】本発明のブレードの他の異なる実施例を示す図である。
図8】本発明のブレードの他の異なる実施例を示す図である。
図9】本発明のブレードの他の異なる実施例を示す図である。
図10】本発明のブレードの他の異なる実施例を示す図である。
図11】本発明によるブレードの一例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0022】
図を参照すると、これらの図はタービンのブレードを示している。特にブレード1はガスタービンの案内ベーンあるいはロータブレードである。
【0023】
ブレード1は互いに接続された二つの別々の部品(エアフォイルとプラットフォーム)あるいは互いに接続された三つの別々の部品(エアフォイルおよびエアフォイルの各々の側のプラットフォーム)において製造されたエアフォイル2とプラットフォーム3を備えている。
【0024】
ブレード1はシール部材4を備えており、このシール部材は接合部6に比べて高温ガス通路5に近い位置でエアフォイル2とプラットフォーム3の間に配置されている。
【0025】
シール部材は機械式に結合しないシール部材であり、すなわちこのシール部材はエアフォイル2とプラットフォーム3の間で全く力を伝えないか、あるいはエアフォイル2とプラットフォーム3の間で最小限の力しか伝えない。
【0026】
さらに、シール部材は耐酸化性であるのが好ましく、かつ高温特性を有している。
【0027】
シール部材は動作時に、エアフォイルとプラットフォームの間の相対運動のための遊びを備えていなければならないのが長所である。
【0028】
接合部6は恒久的な接合部であり、この点で接合部はろう付け(brazing)であるのが好ましい。
【0029】
図に示すように、接合部6はシール部材4とは分離されかつシール部材から間隔をおいて設けられたエアフォイル2とプラットフォーム3の部分において実現されており、この接合部において、エアフォイル2とプラットフォーム3の変形は、エアフォイル2からプラットフォーム3へと、およびプラットフォーム3からエアフォイル2へと力が全く伝えられないかもしくは最小限の力しか伝えられないように小さい。
【0030】
第一の実施例において、プラットフォーム3はC字形状であり、接合部6はエアフォイル2の対応する部分9に面したC字形状のプラットフォーム3の内側部分8で実現されている。
【0031】
シール部材4は高温ガス通路5に面したエアフォイル2とプラットフォーム3の領域で実現されており、特にこのシール部材はC字形状のプラットフォーム3の中央部分で実現されている。
【0032】
別の実施例(図10)において、プラットフォーム3は逆L字の形状を有している。
【0033】
さらにこの実施例において、接合部6は互いに面しているエアフォイル2とプラットフォーム3の領域で実現されており、シール部材4は高温ガス通路5に面したエアフォイル2とプラットフォーム3の領域で実現されている。
【0034】
以下に続く詳細において、本発明の実施例を詳しく説明する。
【0035】
図1はC字形状のプラットフォーム3を有する本発明のブレード1の第一の実施例を示しており、ろう付けによりプラットフォームの内側部分はエアフォイル2の対応する部分9に接続している。
【0036】
この実施例において、シール部材4はエアフォイル2もしくはプラットフォーム3に接続されている、金属製フェルトあるいは金属製泡状体、またはブラシあるいは薄片でできている。
【0037】
特に図1において、シール部材4はエアフォイル2に接続された状態で示してあり、かつC字形状のプラットフォーム3の中央部分に面している。
【0038】
さらに、図1は冷却孔25も示しており、この冷却孔はエアフォイル2および/またはプラットフォーム3内に設けられていてもよい(図1はエアフォイル2内に設けられた冷却孔25を示している)。
【0039】
冷却孔25はシール部材を収容している間隙内における、あるいはシール部材4と接合部6の間に構成された、エアフォイル2とプラットフォーム3の間の間隙10に開口している。
【0040】
動作時において、高温ガスが高温ガス通路5を通過するのでエアフォイル2とプラットフォーム3は変形する。
【0041】
高温ガスと直接接触する、エアフォイル2とプラットフォーム3の部品、およびそこに近い部品ではこのような変形が大きい。それとは逆に、高温ガスとは直接接触しない、エアフォイル2とプラットフォーム3の部品、および高温ガス通路5から離れた部品では変形は限られている。
【0042】
したがって、高温ガス通路5に近いエアフォイル2とプラットフォーム3の部品は、全く力を伝えない(あるいはほんのわずかの力しか伝えない)機械的に分離しているシール部材4を備えているので、エアフォイル2からプラットフォーム3へ、およびプラットフォーム3からエアフォイル2へと伝達される差動変形により生じる力は全くない(もしくはほんのわずかの力しかない)。
【0043】
それに比べ、接合部6が設けられた領域8,9は高温ガス通路5から遠く離れていて、従って差動変形は限られており、これによりエアフォイル2とプラットフォーム3は互いに接続していて、その結果として差動変形による力はエアフォイル2からプラットフォーム3へ、およびプラットフォーム3からエアフォイル2へと全く伝達されないかあるいはほんのわずかの力が伝達されるにすぎない。
【0044】
(ガスタービンの圧縮機から送られている)冷却孔25は空気を供給しており、この空気は通常の状態では(シール部材4が能率的な場合)、(冷却孔がシール部材4に開口している図1で示した実施例においては)同じシール部材4により遮断されているか、あるいは閉じた小室を規定するシール部材4と接合部6により間接的に遮断されている。従って、(シール部材4が能率的である状態での)通常の動作状態においては圧縮空気を浪費しない。
【0045】
シール部材4が損傷していると、高温ガスが間隙10に入り、シーリングがもはや保証されない程度にさらにシール部材を損傷させる恐れがある。
【0046】
この場合、冷却孔25は圧縮空気がシール部材4を通過し始めるように開口し(シール部材4が漏洩部を有しているからである)、これにより高温ガスが間隙10に入り、接合部6に達するのを防ぐことができる。
【0047】
図2はすでに説明したものに類似したブレード1の実施例を示しており、この点で、類似した部材は同じ参照符号で表示してある。
【0048】
図2のブレード1は基底部11,12を作られており、これらの基底部は各々、エアフォイル2とプラットフォーム3内に加工され、かつ互いに向い合っている。
【0049】
基底部11,12は(特に上部の両壁では)上側に向かって張出している。すなわち高温ガス通路5に近い両壁が上側に向かって張出している。
【0050】
基底部11,12は互いに接続された幾重の層でできたプレート14を収容している。
【0051】
これらの層は0.20mm未満の肉厚を有しており、かつ0.09〜0.11mmで形成されているのが好ましい。
【0052】
この実施例によるブレード1はロータブレードを規定している。
【0053】
この場合、動作時において、プレート14はパージ空気と遠心力により生じる差動圧力により基底部11,12に対して押圧されており、シーリングが保証される。
【0054】
さらに、この実施例のブレード1は案内ベーンであってもよい。
【0055】
この場合、プレート14はパージ空気により生じる差動圧力により基底部11,12に対して押圧されており、シーリングが保証される。
【0056】
図3は複数の層でできたプレート14で作られたシール部材の別の実施例を示している。この図において、類似の部材は同じ参照符号で表示してある。
【0057】
この実施例において、エアフォイル2は基底部11を有しており、この基底部はプレート13を留めており、プラットフォーム3は開いた基底部12を備えている。留めている基底部がプラットフォーム3に設けられ、開いた基底部がエアフォイル2に設けられてもよいのは当然である。
【0058】
動作時に、ブレード1がロータブレードである場合には差動圧力と遠心力により、そしてブレード1が案内ベーンである場合には差動圧力により、プレート14は(シーリングを保証するために)、基底部11,12に対して付勢される。
【0059】
図4と5はすでに説明したものに類似したブレード1の別の実施例を示しており、この点で、類似した部材は同じ参照符号で表示してある。
【0060】
この実施例において、シール部材はエアフォイル2および/またはプラットフォーム3に接続されたバネ部材を備えている。
【0061】
特に図4は二つのバネ部材16,17を備えた実施例を示しており、一方のバネ部材はエアフォイル2に接続しており、他方のバネ部材はプラットフォーム3に接続している。
【0062】
さらに、プラットフォーム3は突出部18を備えており。(エアフォイル2に接続している)バネ部材16はこの突起部18にもたれるように当接しており、プラットフォーム3に接続しているバネ部材17はバネ部材16にもたれるように当接している。
【0063】
図5はアコーディオン状の形状を規定するために二回折畳まれ、かつプラットフォーム3の突出部18にもたれるように当接している、たった一つのバネ部材16を備えた実施例を示している。
【0064】
このバネ部材16はエアフォイル2またはプラットフォーム3のどちらかに接続している。それでも、バネ部材16はエアフォイル2およびプラットフォーム3の両方に接続していてもよい(実際に、バネ部材16はエアフォイル2およびプラットフォーム3のどちらにも問題となるようないかなる力も伝達しない)。
【0065】
図6はエアフォイル2またはプラットフォーム3から突出た部分20を備えた別のシール部材を示している。
【0066】
突出た部分20はナイフエッジ21を備えており、このナイフエッジはエアフォイル2またはプラットフォーム3の対応する部分の(金属製フェルト状体のような)軟質材に対して押圧されている。
【0067】
図7(参照符号はすでに説明したものに類似した部材を表している)、プラットフォーム3に接続されたTBC層あるいはセラミック層のような保護コーティング部26で覆われていて、さらにTBC層あるいはセラミック層のような保護コーティング部27で覆われたエアフォイル2を示している。
【0068】
保護コーティング部26,27は入組んだ迷路状シール部材のような第一のシール部材4aを規定している。さらに、(入組んだ迷路状シール部材4aに近い領域内の)エアフォイル2とプラットフォーム3の間には、エアフォイル2またはプラットフォーム3と接続した、金属製フェルトあるいは金属製泡状体、またはブラシあるいは薄片のような第二のシール部材4bが設けられている。
【0069】
図8図7に類似の別の実施例を示しており、同じ参照符号は同じかあるいは類似の部材を表している。
【0070】
この実施例において、シール部材4は図7の迷路状シール部材4aと類似の迷路状シール部材により規定されている。
【0071】
図9図7に類似の実施例を示している。この点で、参照符号はすでに説明したものに類似した部材を表している。
【0072】
シール部材4はエアフォイル2またはプラットフォーム3の間の間隙10内に設けられ、かつエアフォイル2またはプラットフォーム3と接続した、金属製フェルトあるいは金属製泡状体、またはブラシあるいは薄片により規定されている。さらに、このシール部材はコーティング部26と27の間で延びている。
【0073】
図10図1に近い実施例(同じ参照符号は同じかあるいは類似の部材を表している)を示しているが、プラットフォーム3は逆L字形状を備えている。
【0074】
説明した特徴が互いに独立して設けられていてもよいことは当然である。
【0075】
このように考案されたブレードは、数多くの変更と変形を許容しており、これらはすべて本発明の構想の範囲内に入っている。さらに詳細はすべて技術的に等価な部材により置き換えることができる。
【0076】
実際に、使用される材料と寸法は、要求と従来技術に応じて好きなように選定することができる。
【符号の説明】
【0077】
1 ブレード(案内ベーンあるいはロータブレード)
2 エアフォイル
3 プラットフォーム
4 シール部材
4a 第一のシール部材
4b 第二のシール部材
5 高温ガス通路
6 接合部
8 プラットフォームの内側部分
9 プラットフォームの内側部分8に対応するエアフォイルの部分
10 間隙
11 基底部
12 基底部
14 プレート
16 バネ部材
17 バネ部材
18 突出部
20 突出た部分
21 ナイフエッジ
22 軟質材料
25 冷却孔
26 2の保護コーティング部
27 3の保護コーティング部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11