(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について
図1を参照して説明する。
【0010】
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る塗布装置1は、基板などの塗布対象物Wが載置されるステージ2と、そのステージ2を移動させるステージ移動装置3と、ステージ2上の塗布対象物Wに向けて塗布液を吐出する塗布ヘッド4と、その塗布ヘッド4に供給する塗布液を貯留する容器5と、その容器5内の塗布液を撹拌する撹拌装置6と、容器5内の塗布液の濃度を検出する検出装置7と、各部を制御する制御装置8とを備えている。
【0011】
ステージ2は、塗布対象物Wが載置される載置面を有しており、ステージ移動装置3上に設けられている。ステージ2には、ロボットハンドなどの搬送装置との塗布対象物Wの受け渡しのため、棒状のリフトピン(図示せず)が昇降可能に複数個設けられている。
【0012】
ステージ移動装置3は、ステージ2をX軸方向に案内して移動させる移動機構及びY軸方向に案内して移動させる移動機構を有しており、ステージ2を支持してX軸方向及びY軸方向に移動させる。このステージ移動装置3は制御装置8に電気的に接続されており、その駆動が制御装置8により制御される。移動機構としては、例えば、サーボモータを駆動源とする送りねじ式の移動機構やリニアモータを駆動源とするリニアモータ式の移動機構などが用いられる。
【0013】
塗布ヘッド4は、ステージ2上に載置された塗布対象物Wに向けてインクジェット方式により塗布液を複数の液滴として吐出する吐出ヘッドである。この塗布ヘッド4は、ステージ移動装置3により移動するステージ2上の塗布対象物Wに液滴を吐出可能にコラムなどの支持部材(図示せず)により支持されている。塗布ヘッド4は制御装置8に電気的に接続されており、その駆動が制御装置8により制御される。
【0014】
ここで、詳述すると、塗布ヘッド4は、液滴を吐出するための複数の吐出口(ノズル)を有しており、それらの吐出口に対応する複数の圧電素子(いずれも図示せず)を内蔵している。この塗布ヘッド4は、制御装置8による各圧電素子に対する駆動電圧の印加に応じて各吐出口から液滴を吐出する。各吐出口は、所定のピッチ(間隔)で直線状に一列や二列に並べられ、塗布ヘッド4の吐出面に形成されている。
【0015】
容器5は、箱形状に形成されており、塗布液を収容する。この容器5は供給流路となるチューブなどの配管5aにより塗布ヘッド4に接続されており、容器5内の塗布液は配管5aを介して塗布ヘッド4に供給される。塗布液は溶液であり、塗布対象物W上に残留する溶質と、その溶質を溶解(分散)させる溶媒とにより構成されている。この塗布液としては、溶質として多数のマイクロハンダボールを含有する塗布液が用いられる。
【0016】
撹拌装置6は、容器5内に設けられたプロペラなどの羽根6aと、その羽根6aを支持する回転軸6bと、その回転軸6bを回転させるモータなどの駆動部6cとを備えている。駆動部6cは制御装置8に電気的に接続されており、その駆動が制御装置8により制御される。この撹拌装置6は、駆動部6cにより回転軸6bを介して羽根6aを回転させ、容器5内の塗布液を撹拌する。これにより、塗布液内の多数のマイクロハンダボールが容器5内の塗布液全体に分散され、塗布液の濃度(密度)は容器5内で均一となる。なお、撹拌装置6の撹拌力は制御装置8が駆動部6cに対する出力(印加電圧や印加電流など)を変更することで調整可能である。
【0017】
検出装置7は、容器5内の塗布液における上部の濃度を光により検出する投受光方式の第1の光検出器7aと、容器5内の塗布液における下部の濃度を光により検出する投受光方式の第2の光検出器7bとを備えている。この検出装置7は、第1の光検出器7a及び第2の光検出器7bにより、容器5内の塗布液の濃度を容器5の高さ方向の上下に離れた少なくとも二箇所で検出する。
【0018】
第1の光検出器7aは、レーザ光などの光を投光する投光部11と、その光を受光する受光部12とにより構成されている。この受光部12は制御装置8に電気的に接続されており、受光した光量(受光量)に応じた濃度を電気信号(濃度情報)として制御装置8に送る。すなわち、受光部12は、実験等によって予め求められた光量と濃度との関係に基づいて、受光した光量を濃度に変換する光量−濃度変換部を備える。例えば、濃度(単位体積あたりのマイクロハンダボールの数(マイクロハンダボールの密度))が増加すると投光部11から照射され受光部12に向かう光を遮るマイクロハンダボールが増加するので、光量と濃度との間には濃度が高くなるほど光量が減少するという関係が成り立つ。
【0019】
投光部11は容器5の側面から容器5内の塗布液の上部に対して光を投光する位置に設けられており、受光部12は投光部11から投光された光を受光可能に、すなわち容器5内の塗布液の上部を通過した光を受光する位置に設けられている。これらの投光部11及び受光部12は支持部材(図示せず)により支持されている。なお、第1の光検出器7aとしては、透過型の光検出器に限るものではなく、例えば、反射型の光検出器が用いられても良い。
【0020】
第2の光検出器7bも、第1の光検出器7aと同様に、レーザ光などの光を投光する投光部21と、その光を受光する受光部22とにより構成されている。この受光部22は制御装置8に電気的に接続されており、受光した光量に応じた濃度を電気信号として制御装置8に送る。受光部22も、受光部12と同様に、予め設定された光量と濃度との関係に基づいて受光した光量を濃度に変換する光量−濃度変換部を備える。
【0021】
投光部21は容器5の側面から容器5内の塗布液の下部に対して光を投光する位置に設けられており、受光部22は投光部21から投光された光を受光可能に、すなわち容器5内の塗布液の下部を通過した光を受光する位置に設けられている。これらの投光部21及び受光部22は支持部材(図示せず)により支持されている。なお、第2の光検出器7bとしては、透過型の光検出器に限るものではなく、例えば、反射型の光検出器が用いられても良い。
【0022】
ここで、容器5は、少なくとも投光部11、21および受光部12、22に対向する側壁部分を例えば透明部材などの透光性を有する透光部材で構成されている。また、上述の受光部12、22においては、受光した光量の信号をそのまま濃度信号(濃度情報)として制御装置8へ出力するようにしても良い。
【0023】
制御装置8は、各部を集中的に制御するマイクロコンピュータ、さらに、各種情報や各種プログラムなどを記憶する記憶部、操作者からの操作を受け付ける操作部(いずれも図示せず)を備えている。各種情報には、塗布パターンや塗布ヘッド4の吐出周波数、塗布対象物Wの移動速度などの塗布情報が含まれており、さらに、撹拌装置6の撹拌動作に関する各種所定値などの撹拌情報も含まれている。この制御装置8は、検出装置7により検出された容器5内の塗布液の濃度(密度)、すなわち容器5内の塗布液における上下二箇所の濃度に基づいて撹拌装置6の撹拌力を制御する。
【0024】
次に、前述の塗布装置1が行う塗布液濃度均一処理について
図2を参照して説明する。なお、塗布装置1の制御装置8が各種プログラム及び各種情報に基づいて塗布液濃度均一処理を実行する。
【0025】
図2に示すように、制御装置8は、装置電源の投入後、検出装置7により容器5内の塗布液における前述の二箇所の濃度を検出し(ステップS1)、検出した二箇所の濃度からそれらの濃度差を算出し(ステップS2)、算出した濃度差が許容値内であるか否かを判断する(ステップS3)。濃度差は第1の光検出器7aの検出値と第2の光検出器7bの検出値との差であり、許容値はゼロを基準として許容される限界値であり記憶部に予め設定されている。なお、ステップS3の判断は許容値と濃度差との大きさの比較であるので、第1の光検出器7aの検出値と第2の光検出器7bの検出値との差は絶対値としても良い。
【0026】
ステップS3において、求めた濃度差が許容値内でないと判断した場合には(ステップS3のNO)、撹拌装置6の駆動部6cに対する出力を上げて羽根6aの回転速度を第1の所定値まで増やし、撹拌装置6の撹拌力を上げ(ステップS4)、処理をステップS1に戻す。なお、第1の所定値(第1の回転速度)は記憶部に予め設定されている。
【0027】
ここで、装置電源の投入時には、塗布液内のマイクロハンダボールは容器5内の底付近に沈殿しているため、濃度差が許容値内にならっておらず、ステップS4では、羽根6aの回転速度をゼロから第1の所定値まで増やし、撹拌装置6の撹拌力を上げることになる。
【0028】
一方、ステップS3において、濃度差が許容値内であると判断した場合には(ステップS3のYES)、撹拌装置6の駆動部6cに対する出力を下げて羽根6aの回転速度を第2の所定値(第1の所定値よりも低い回転速度)まで減らし、撹拌装置6の撹拌力を下げ(ステップS5)、処理をステップS1に戻す。なお、第2の所定値(第2の回転速度)も記憶部に予め設定されている。
【0029】
ここで、ステップS4において
撹拌装置6の
撹拌力を第1の所定値に上げた後、次のステップS3で濃度差が許容値内でないと再度判定されたときには、制御装置8は
撹拌装置6の
撹拌力を第1の所定値とするように制御するため、
撹拌装置6の
撹拌力は第1の所定値に維持される。
【0030】
また、ステップS5の後のステップS3で濃度差が許容値内であると再度判定されたときにも同様に、制御装置8は
撹拌装置6の
撹拌力を第2の所定値とするように制御するため、
撹拌装置6の
撹拌力は第2の所定値に維持される。
【0031】
このような塗布液濃度均一処理では、塗布装置1の電源が投入されると、まず、撹拌装置6が駆動し、撹拌装置6の羽根6aの回転速度が第1の所定値まで増やされ、回転する羽根6aにより容器5内の塗布液が撹拌される。この撹拌は、容器5内の塗布液における上下の二箇所の濃度差が許容値内になるまで行われる。濃度差が許容値内となると、撹拌装置6の撹拌力は下げられるが、濃度差が許容値内であるか否かの判断は電源投入期間中常に行われており、濃度差が許容値内でなくなると、すぐに撹拌装置6の撹拌力が上げられる。これにより、容器5内の塗布液は強く撹拌され、濃度差が再び許容値内に戻される。このようにして容器5内の塗布液の濃度を均一(許容範囲内)に維持することができる。
【0032】
なお、制御装置8は濃度差が許容値内でない場合に塗布ヘッド4による塗布を禁止しており、濃度差が許容値内となる、すなわち容器5内の塗布液の濃度が均一になると、制御装置8は塗布ヘッド4による塗布を許可する。許可後、制御装置8は、塗布情報に基づいてステージ移動装置3及び塗布ヘッド4を制御し、ステージ2と塗布ヘッド4とを相対移動させながら、ステージ2上の塗布対象物Wの被塗布面に向けて各吐出孔から液滴を順次吐出して塗布を行い、塗布対象物Wの被塗布面上に所定の塗布パターンを形成する。
【0033】
但し、塗布対象物Wに対して塗布液を塗布する動作の実行中に濃度差が許容値を越えた場合には、直ちに塗布を中断するのではなく、濃度差が許容値を越えた後さらに
この状態が予め設定された待機時間を経過した時点で塗布を中断させるようにすると良い。すなわち、許容値は濃度差の許容範囲内の値に設定されているため、濃度差が許容値を越えても直ちに塗布品質に影響を与えるものとはなり難い。そこで、濃度差が許容値を越えた後、
撹拌装置6の羽根6aの回転速度が第1の所定値に上げられ、濃度差が許容値内に戻るまでに要すると予測される時間を待機時間として制御装置8の記憶部に予め設定しておく。制御装置8にはタイマなどの計時手段が設けられており、制御装置8は濃度差が許容値を越えた後
さらにこの状態が設定した待機時間を経過した場合に、塗布液の濃度異常や
撹拌装置6の異常等の何らかの異常があると判定して塗布を中断する。
【0034】
ここで、前述の処理では、ステップS5において、
撹拌装置6の羽根6aの回転速度を第2の所定値まで減らし、撹拌装置6の撹拌力を下げているが、例えば、このとき、羽根6aの回転速度をゼロまで減らし、すなわち羽根6aの回転を停止させ、撹拌装置6の撹拌力をゼロまで下げるようにしても良い。なお、ステップS5において撹拌装置6が停止状態である場合には、そのまま停止状態を維持し、処理をステップS1に戻すことになる。また、このとき、許容値を、許容範囲内で大小の2段階に設定し、
撹拌装置6の羽根6aの回転速度を、濃度差が大きい許容値を越えたときには第1の所定値とし、大きい許容値と小さい許容値との間のときには第2の許容値とし、小さい許容値内であるときにはゼロとするようにしても良い。
【0035】
なお、上述のステップS1、S2、S3、S4の
撹拌力を上げるループ処理において、制御装置8にタイマなどの計時手段を設けておき、記憶された設定時間以上
撹拌力を上げるループ処理が継続された場合に、塗布液の濃度異常や
撹拌装置6の異常等の何らかの異常があると判定して
撹拌を中断するとともに異常を報知する警報を音やランプなどの報知手段により発するようにしても良い。また、このとき、設定時間を2段階に設定し、最初の設定時間を経過した時点で
撹拌装置6の羽根6aの回転速度を第1の所定値よりも大きな回転速度に増加させ、2段階目の設定時間を経過した時点で警報を発するようにしても良い。もちろん、これらの設定時間内に濃度差が許容値内となれば、塗布を継続する。
【0036】
以上説明したように、本発明の第1の実施形態によれば、検出装置7により容器5内の塗布液の濃度(濃度情報)が容器5の高さ方向の上下に離れた少なくとも二箇所で検出され、その二箇所の濃度に基づいて撹拌装置6の撹拌力が制御される。これにより、容器5内の塗布液の濃度を所定の濃度(密度)で均一に保つことが可能となるので、塗布対象物Wに対して所望の濃度(密度)で塗布液を塗布することができ、その結果、塗布製品の品質を向上させることができる。
【0037】
また、検出装置7により検出された前述の二箇所の濃度からそれらの濃度差が求められ、前述の許容値をゼロとすると、濃度差が無くなるように撹拌装置6の撹拌力が制御される。ここで、前述の二箇所の濃度がそれぞれ所定の設定値になるように撹拌装置6の撹拌力を制御する場合には、容器5内の塗布液の種類が変わる等により容器5内の塗布液の濃度が変えられると、それに応じて各設定値を変更する必要がある。これに比べ、濃度差が無くなるように撹拌装置6の撹拌力を制御する場合には、容器5内の塗布液の種類などに応じて設定値などを変更する必要が無く、利便性を向上させることができる。
【0038】
また、濃度差が予め設定された許容値内であるか否かが判断され、濃度差が許容値内であると判断された場合、撹拌装置6の撹拌力が低減される。これにより、必要に応じて撹拌装置6の撹拌力が低減され、駆動エネルギーが減るため、省エネルギー化を実現することができる。特に、撹拌力がゼロまで低減されると、駆動エネルギーはゼロとなるため、省エネルギー化をより促進することができる。
【0039】
また、塗布液としてマイクロハンダボールを含有する液を吐出するインクジェット方式の塗布ヘッド4が塗布部として用いられており、検出装置7は、前述の二箇所の濃度のうち上の濃度を光により検出する投受光方式の第1の光検出器7aと、前述の二箇所の濃度のうち下の濃度を光により検出する投受光方式の第2の光検出器7bとにより構成されている。これにより、マイクロハンダボールを含有した塗布液の濃度が二箇所で精度良く求められるので、容器5内の塗布液の濃度を正確に所定の濃度(密度)で均一に保つことが可能となる。したがって、塗布対象物Wに対して所定の濃度(密度)でマイクロハンダボールを含有した塗布液を塗布することができ、その結果、塗布対象物Wに対するマイクロハンダボールの単位面積当たりの塗布量を所望の量にコントロールすることが可能となり、塗布対象物W上に形成される配線や電極を所望の電気抵抗で品質良く形成することができる。
【0040】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について
図3を参照して説明する。
【0041】
本発明の第2の実施形態は基本的に第1の実施形態と同様である。第2の実施形態では、第1の実施形態との相違点について説明し、第1の実施形態で説明した部分と同一部分は同一符号で示し、その説明も省略する。
【0042】
図3に示すように、本発明の第2の実施形態に係る塗布装置1において、撹拌装置6は容器5内の塗布液に超音波振動などの振動を与える振動装置である。この撹拌装置6は容器5の下部に設けられており、容器5内の塗布液に容器5の底面から振動を与える。これにより、容器5内の塗布液が撹拌され、塗布液内の多数のマイクロハンダボールは容器5内の塗布液全体に分散される。なお、撹拌装置6の撹拌力は制御装置8が撹拌装置6に対する出力(印加電圧あるいは印加電流など)を変更することで調整可能である。
【0043】
なお、制御装置8による
撹拌装置6の
撹拌力は、第1の実施形態と同様に、濃度差が許容値内であるか否かによって制御され、例えば、濃度差が許容値内でない場合には
撹拌装置6の超音波振動子の駆動周波数を第1の所定値とし、許容値内である場合には駆動周波数を第1の所定値よりも小さい第2の所定値とするといった具合である。
【0044】
以上説明したように、本発明の第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、撹拌装置6として振動装置を用いることによって、容器5内の塗布液を容易な構成で撹拌することができる。
【0045】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態について
図4を参照して説明する。
【0046】
本発明の第3の実施形態は基本的に第1の実施形態と同様である。第3の実施形態では、第1の実施形態との相違点について説明し、第1の実施形態で説明した部分と同一部分は同一符号で示し、その説明も省略する。
【0047】
図4に示すように、本発明の第3の実施形態に係る塗布装置1において、撹拌装置6は容器5内の塗布液を循環させる循環装置である。撹拌装置6は、容器5内の塗布液を循環させるための循環流路となるチューブなどの配管6dと、その配管6dに沿って塗布液を流す駆動源となるポンプ6eとを備えている。配管6dの一端が容器5の底面に接続されており、その他端は容器5の開口からその内部に挿入されている。ポンプ6eは制御装置8に電気的に接続されており、その駆動が制御装置8により制御される。
【0048】
この撹拌装置6は、ポンプ6eにより容器5内の塗布液を配管6dに流し、その配管6dを介して容器5内に戻して循環させる。これにより、容器5内の塗布液が撹拌され、塗布液内の多数のマイクロハンダボールは容器5内の塗布液全体に分散される。なお、撹拌装置6の撹拌力は制御装置8がポンプ6eに対する出力(印加電圧あるいは印加電流など)を変更することで調整可能である。すなわち、濃度差が許容値内でない場合には
撹拌装置6のポンプ6eに対する印加電圧を第1の所定値とし、許容値内である場合には第1の所定値よりも小さい第2の所定値とするといった具合である。
【0049】
以上説明したように、本発明の第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、撹拌装置6として循環装置を用いることによって、容器5内の塗布液を確実に撹拌することができる。
【0050】
(他の実施形態)
なお、本発明に係る前述の実施形態は例示であり、発明の範囲はそれらに限定されない。前述の実施形態は種々変更可能であり、例えば、前述の実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素が削除されても良く、さらに、異なる実施形態に係る構成要素が適宜組み合わされても良い。
【0051】
前述の実施形態においては、塗布ヘッド4としてインクジェット方式により塗布液を複数の液滴として吐出する吐出ヘッドを用いているが、これに限るものではなく、例えば、塗布液を一つのノズルから吐出するディスペンサヘッドなどの吐出ヘッドを用いるようにしても良い。
【0052】
また、前述の実施形態においては、容器5内の塗布液の濃度を容器5の高さ方向の上下に離れた少なくとも二箇所で検出しているが、これに限るものではなく、例えば三箇所でも四箇所でも良く、二箇所以上であればその数は限定されない。例えば、容器5内の塗布液の濃度を三箇所で検出する場合には、上下の二箇所に加え、その二箇所の中央の一箇所が検出位置とされる。この検出位置の数は容器5の高さや塗布液の種類などによって変更されることになる。
【0053】
また、前述の実施形態においては、検出装置7の第1の光検出器7aを所定位置に固定しているが、これに限るものではなく、容器5内の塗布液の減少に応じて移動機構により第1の光検出器7aを所定位置から下降させるようにしても良い。この場合には、塗布液を補充するまでの補充期間を延長することが可能となるので、利便性を向上させることができる。なお、塗布液が補充された場合には、容器5内の塗布液の増加に応じて移動機構により第1の光検出器7aを上昇させて所定位置(初期位置)に戻す。
【0054】
また、前述の実施形態においては、投光部11、21と受光部12、22を備えた光検出器7a、7bを用いて塗布液の濃度を検出するものとしたが、これに限るものではなく、他の手段で濃度を検出するようにしても良い。例えば、上述の実施形態のように、マイクロハンダボールのような微小粒子が分散されている塗布液の場合、撮像装置を用い視野内に映った微小粒子の数をカウントするものでも良い。
【0055】
また、前述の実施形態においては、塗布液としてマイクロハンダボールを含有する塗布液を用いたものとしたが、これに限るものではなく、樹脂等の高分子材料の微粒子を含有する塗布液や互いに溶け難い液体同士を混合した塗布液であっても良い。