(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5780758
(24)【登録日】2015年7月24日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】少なくとも2つの椎骨を接続するための骨接合システム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/68 20060101AFI20150827BHJP
A61B 17/56 20060101ALI20150827BHJP
【FI】
A61B17/58 310
A61B17/56
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2010-503568(P2010-503568)
(86)(22)【出願日】2008年4月18日
(65)【公表番号】特表2010-524537(P2010-524537A)
(43)【公表日】2010年7月22日
(86)【国際出願番号】FR2008050700
(87)【国際公開番号】WO2008145914
(87)【国際公開日】20081204
【審査請求日】2011年4月4日
【審判番号】不服2013-18865(P2013-18865/J1)
【審判請求日】2013年9月30日
(31)【優先権主張番号】0754575
(32)【優先日】2007年4月19日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】506405851
【氏名又は名称】ヴェクシム ソシエテアノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルノー、クリスチャン
【合議体】
【審判長】
高木 彰
【審判官】
山口 直
【審判官】
関谷 一夫
(56)【参考文献】
【文献】
特表2006−508705(JP,A)
【文献】
特表2002−541970(JP,A)
【文献】
国際公開第2005/041795(WO,A1)
【文献】
国際公開第2006/127392(WO,A2)
【文献】
特表2004−528945(JP,A)
【文献】
特開2002−282258(JP,A)
【文献】
特開昭61−206437(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/58
A61B 17/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの椎骨を接続するための骨接合システム(2)であって、前記椎骨のそれぞれの中に固定要素を備えるタイプであり、前記固定要素が、
衝撃挿入によって第1の椎骨(4)内に挿入される第1の釘(14)と、
前記第1の釘(14)と実質的に同一平面上にあり、前記第1の釘(14)と実質的に平行で、衝撃挿入によって第2の椎骨(6)に挿入される第2の釘(16)と、
前記第1および第2の釘(14,16)に堅牢に接続されたブリッジ(18)と、
を備え、
各釘(14,16)が、該釘(14,16)の前記衝撃挿入およびそのねじを緩めるために適切な形状を有する実質的に球形の頭部(44)によって前記ブリッジ(18)に接続され、
各釘(14、16)は、傾斜した遠位側面(56)および前記釘(14、16)の軸線から実質的に半径方向に延びる近位側面(58)により構成される非対称の断面を有するねじ山(54)を備えることを特徴とする骨接合システム。
【請求項2】
前記頭部(44,65)が、前記釘(14,16)の前記ねじ緩めのために係合表面を形成する少なくとも1つのねじ緩め切り欠き(62)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の骨接合システム。
【請求項3】
前記第1の釘(14)と前記第2の釘(16)の間に配置され、衝撃挿入によって第3の椎骨に挿入される第3の釘(64)も備え、前記第3の釘(64)が前記ブリッジ(18)によって前記第1および第2の釘(14,16)に接続されることを特徴とする、請求項1または2に記載の骨接合システム(2)。
【請求項4】
前記ブリッジ(18)が、前記ブリッジ(18)によって接続された前記釘(14,16,64)を受ける前記椎骨(4,6)間の曲げ伸ばし運動を可能にするのに適した可撓性を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の骨接合システム(2)。
【請求項5】
前記ブリッジ(18)が湾曲した形状を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の骨接合システム(2)。
【請求項6】
前記ブリッジ(18)が前記釘(14,16,64)の遠位端に向かって凸状であることを特徴とする、請求項5に記載の骨接合システム(2)。
【請求項7】
前記隣接する釘部(14,16,64)が、相互にゼロ以外の角度を形成することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の骨接合システム(2)。
【請求項8】
前記骨接合システム(2)はさらに定着ドエル(2,8)を備え、各釘(14,16,64)が前記定着ドエル(8,12)に関連し、前記定着ドエル(8,12)が、前記釘(14,16,64)を前記定着ドエル(8,12)に挿入する最中に拡張する構成を有し、各釘(14,16,64)のねじ山が、軸方向推力によって前記釘(14,16,64)を各定着ドエル(8,12)に挿入し、前記釘(14,16,64)を前記定着ドエル(8,12)内に軸方向に保持することを可能とすることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の骨接合システム(2)。
【請求項9】
X線に対して透明な材料から生成されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の骨接合システム(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2つの椎骨を接続するための骨接合システムに関し、特に、椎骨のそれぞれに固定要素を備えるタイプに関する。
【背景技術】
【0002】
固定アセンブリを形成し、それぞれが椎骨内に係合する2つの固定ねじが挿入される2つの穴を有する板を備える後側経路によって椎骨を骨接合するためのシステムは既に周知である。これにより、2つの隣接する椎骨は、これら2つの椎骨を相互に融合するために相互に対して固定化される。
【0003】
しかし、このようなシステムは、取り付けることが困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、より容易に取り付けられるシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのために、本発明は、固定要素が、
−衝撃挿入によって第1の椎骨に挿入される第1の釘と、
−第1の釘と実質的に同一平面上にあり、第1の釘と実質的に平行で、衝撃挿入によって第2の椎骨に挿入される第2の釘と、
−第1および第2の釘に堅牢に接続されたブリッジと、
を備えることを特徴とする上述したタイプの骨接合システムに関する。
【0006】
特定の実施形態によれば、骨接合システムは、単独で、または技術的に可能な任意の組合せで、以下の特徴のうちの1つまたは複数を備える。すなわち、
−各釘は、実質的に球形の頭部によってブリッジに接続され、これにより矢状面で椎骨間の正常な相対運動を保持しながら、それと同時にその面からのいかなる変位も回避するために、これらを堅牢に保持することができ、
−第1および第2の釘のそれぞれの頭部が、釘を衝撃挿入し、ねじを緩めるのに適切な形状を有し、
−頭部が、釘のねじを緩めるために係合表面を形成する少なくとも1つのねじ緩め用切り欠きを備え、
−システムが、第1の釘と第2の釘の間に配置されて、衝撃挿入によって第3の椎骨に挿入され、ブリッジによって第1および第2の釘に接続されている第3の釘も備え、
−ブリッジが、ブリッジによって接続された釘を受ける椎骨間の曲げ伸ばし運動を可能にするのに適した可撓性を有し、
−ブリッジが湾曲した形状を有し、
−ブリッジが釘の遠位端に向かって凸状であり、
−隣接する釘が、相互にゼロ以外の角度、好ましくは約6°に等しい角度を形成し、
−各釘が固着ドエルに関連し、ドエルの目的が、釘をドエルに挿入する間に拡張することであり、各釘が、軸方向推力によって釘を各ドエルに挿入し、釘をドエル内に軸方向に保持するための手段を備え、ドエルが、骨の状態を鑑みて安定性に疑問がある場合に、茎の固定に有用であり、
−挿入および保持手段が、非対称の断面を有し、釘を衝撃挿入によってドエルに挿入することができ、ねじを緩めることによってドエルから外せるような形態であるねじ山を備え、
−ねじ山が、傾斜した遠位側面および実質的に放射状の近位側面を有し、
−システムがX線に対して透明な材料から生成される。
【0007】
本発明は、例示により与えられる以下の説明を読み、添付の図面を参照することにより、よりよく理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】2つの椎骨上の所定の位置にある、本発明による骨接合システムの略縦断面図である。
【
図4】
図3の固着ドエルの中心軸IV−IVに沿った略断面図である。
【
図5】本発明によるブリッジによって接続された2つの釘のアセンブリの略前面図である。
【
図6】本発明によりブリッジで接続された3つの釘のアセンブリの
図5と類似の拡大略図である。
【
図7】
図6のアセンブリの中間釘の拡大部分切り取り略前面図である。
【
図8】体腔壁間ケージの配置を示す2つの椎骨の略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1および
図2は、第1の椎骨4および第2の椎骨6の後側経路によって骨接合するためのシステムを示し、これは第1の椎骨4内に形成された穴10に挿入される第1の固着ドエル8と、第2の椎骨6内に形成された穴10に挿入される第2の固着ドエル12と、それぞれ第1および第2のドエル8、12に挿入され、可撓性ブリッジ18によって相互に接続された第1の釘14および第2の釘16とを備える。
【0010】
各釘−ドエル固定アセンブリ8、14、16は、椎骨4、6内に固定アセンブリを形成する。
【0011】
第1のドエル8と第2のドエル12は同一であり、
図3および
図4にさらに詳細に図示されている。
【0012】
以下を通して、「遠位」は椎骨の内側に向かって配置されることを意味し、「近位」は椎骨の外側に向かって配置されることを意味する。
【0013】
各ドエル8、12は、生体適合性プラスチック材料から一体形成され、拡張可能な遠位部分20および近位部分22で構成される。
【0014】
遠位部分20は、遠位部分20を2つの同一区画26に切断し、ドエル8、12の遠位端28まで延在する軸方向スロット24を備える。
【0015】
2つの区画26は、釘14、16をドエル8、12の遠位部分20に挿入すると、相互に放射状に広がるように意図されている。そのために、部分20は遠位端28に向かって減少する内径を有し、
図4に図示した例では、円錐台形の内側部分30を形成する。
【0016】
また、2つの区画26はそれぞれ放射状の穴32を備え、穴32はドエルの軸に対して直角の同じ面Pに放射状に形成される。穴32は、釘14、16を挿入する間に、穴32の領域で区画26が広がるのを促進する。
【0017】
同じ方法で、スロット24の近位側は、円筒形窪み34で終了し、穴32と同じ直径を有する2つの穴を形成する。窪み34はスロット24と同じ軸方向の面にあり、ドエル8、12の軸に対して直角の穴32と同じ面Pにある。
【0018】
近位部分22は、
図4に示すように、ドエル8、12の近位端36から遠位部分20に向かって、釘14、16を誘導するフレア状の入口部分38、次に一定の内径を有し、フレア状部分38を遠位部分20に接続する部分40を備える。
【0019】
部分40は、その近位端に外ねじ山42を備え、これは放射状に突出し、例えば約1センチメートルにわたって延在し、釘14、16を挿入する前に、椎骨4、6内にドエル8、12を予め定着することができる。図示の例では、ねじ山42は、円筒形の輪郭および約1/3cmのピッチを有する。しかし、別のタイプのねじ山42を使用することもできる。
【0020】
部分40の残りの部分では、外面は滑らかで円筒形である。
【0021】
図2に示すように、遠位部分20は椎骨4、6の体腔壁内部分43Aに配置され、一方、遠位部分22は椎骨4、6の茎内部分43Bに配置され、部分40の外面が円筒形である部分の目的は、茎内トンネル43Cに沿って延在することである。
【0022】
ドエル8、12の長さは、例えば30mmから40mmであり、近位部分22は20mmから25mmの長さを有し、遠位部分は約15mmの長さを有する。
【0023】
部分30で測定した遠位部分20の外径は、部分40の円筒形の外面を有する部分の外径より大きい。遠位部分20の外径は、例えば約6mmであり、部分40の円筒形外面を有する部分は約5mmの外径を有する。
【0024】
図5は、第1および第2の釘14、16、さらにそれらを接続するブリッジ18を示す。
【0025】
第1の釘14と第2の釘16は同一である。これらは、ほぼ球形の形状である頭部44、および頭部44から延在する軸部46を備える。
【0027】
軸部46は、円筒形の外面を有する近位部分48、および釘14、16の部分48から遠位先端52まで延在する遠位部分50を備える。
【0028】
遠位部分50は、遠位部分50の全長にわたって先端52までも延在する非対称の断面のねじ山54を備える。ねじ山54は鋸歯の輪郭を有し、相互に15°から60°、好ましくは30°から45°の角度を形成する傾斜した遠位側面56および実質的に放射状の近位側面58を備える。従って、遠位および近位側面56、58は三角形の鋸歯状輪郭を形成する。しかし、ねじ山は台形の輪郭または別の適切な輪郭を有することもできる。
【0029】
釘14、16の軸に対する遠位側面56の傾斜は、例えば15°から75°、好ましくは20°から40°である。
【0030】
釘14、16の軸に対する近位側面58の傾斜は、これに関する限り、例えば60°から90°、好ましくは80°から88°である。
【0031】
遠位部分50の外径は、ドエル8、12の近位部分22の内径よりわずかに大きい。近位部分48の外径は、遠位部分50の外径より小さく、部分22の内径より小さい。
【0032】
ねじ山54は、軸方向推力によって釘14、16をドエル8、12内に挿入し、軸方向に保持する手段を構成する。そのために、遠位側面56がわずかに傾斜していることにより、釘14、16が、ドエル8、12の遠位端28に向かう方向でドエル8、12の内面上を摺動することができる。ねじ山54の近位側面58の大きい傾斜は、釘14、16が、ドエル8、12の近位端36に向かう方向でドエルの内面上を摺動するのを防止する。従って、釘14、16は、衝撃挿入または回転のない軸方向の並進によって椎骨4、6内に挿入することができる。衝撃挿入後に、釘14、16は、ドエル8、12によって遠位および近位側面56、58に圧力が加えられることにより、ドエル8、12によって並進を固定化される。釘14、16を外すために、最初に、ブリッジ18の頭部44を鋸引きし、次に釘14、16のねじを緩める。
【0033】
ブリッジ18は、第1の釘14と第2の釘16の頭部44を接続する。これは、約430mmの曲率半径を有し、2つの釘14、16の軸を含む面に対して直角である軸を有する円弧の形状の棒によって形成される。その弧の中心は近位側に配置され、従ってブリッジ18は遠位側に向かって凸状である。
【0034】
ブリッジ18および2つの釘14、16によって形成されたアセンブリは、
図5に示すように、2つの釘14、16の中間に配置され、ブリッジ18に対して直角である中心面A−Aに対して対称である。
【0035】
ブリッジ18は、約3mmの円形の断面を有する。また、ブリッジは、釘14、16の軸が相互に2つの椎骨4、6間の生理学的腰椎角形成に対応する約6°の角度を形成するように、2つの頭部44に接続される。
【0036】
ブリッジ18は、その湾曲した形状により、
図5に示すように実質的に2つの釘14、16の軸を含む面では、初期休止位置の周囲で可撓性である。他方で、ブリッジ18は釘14、16の(中心面A−Aに平行な)水平方向の並進および軸方向の回転を一切回避する。各釘14、16の頭部44は2つの切り欠き62を備え、これは釘の軸に平行で、相互に対向し、これによって釘14、16を回転させ、従ってそのねじを緩めるために、頭部44を締め付けることができる。
【0037】
頭部44の球形の形状は、ブリッジ18と2つの釘14、16の間に機械的応力が最適に分布することを確保しながら、それと同時にブリッジ18と頭部44の間の接合部では大きな弾性変形能力を保持する。
【0038】
ブリッジ18の可撓性は、釘14、16の軸が相互に約6°の角度を形成する初期休止位置から、釘14、16の軸が平行になる位置まで、釘14、16の遠位端を相互に引き離すか、近づけるために必要な力が、例えば25Nから50Nであるような可撓性である。
【0039】
2つの釘14、16およびブリッジ18は、例えば相互に一体であり、Cerlac(商標)などのX線に対して透明な材料から生成される。
【0040】
骨接合システム2は、必ずしもドエル8、12を備えていない。従って、釘−ブリッジアセンブリ14、16、18は、例えば、既知のタイプの適切なセメントによって椎骨4、6に固定される。
【0041】
図6および
図7に示す別の実施形態では、骨接合システム2は第1の実施形態のシステム2と実質的に同様であるが、固定アセンブリが類似の長さの3つの釘14、16、64を備え、1つのブリッジ18が3つの釘14、16、64を相互に接続するという点で基本的に異なる。釘14、16、64は、中間釘64および2つの端釘14、16を備える。
【0042】
端釘14、16は、第1の実施形態の釘14、16と実質的に同一であり、相互に約6°の角度を形成する。その頭部44は、圧入でブリッジ18を受ける穴(図示せず)を備える。
【0043】
それ故、ブリッジ18は釘14、16に固定状態で結合される。ブリッジ18は、以前の実施形態のブリッジ18と類似しているが、3つの釘14、16、64が3つの隣接する椎骨に面するような長さである。
【0044】
釘64は、釘14、16と実質的に同一である形態であるが、自身を通って延在する穴66を備える球形頭部65によって基本的に異なる(
図7参照)。
【0045】
穴66は、ブリッジ18が頭部65を通って両側に自由に延在するような方法でブリッジ18を受ける。
【0046】
システム2は、ブリッジ18上に摺動自在に装着された2つの固定カラー67も備え、これは釘64の各側に1つあり、ブリッジ18に対する釘64の摺動を固定化するのに適している。
【0047】
図7は、釘64をブリッジ18に固定する前のシステムを点線で示す。次に、カラー67は釘64から隔置される。
【0048】
穴66は、
図7に示すように、圧入によってカラー67を受ける2つのフレア状表面68を備える。そのために、表面68はカラー67を補完する形状を有しているが、カラー67より小さい直径を有しているので、従って穴66へのカラー67の充填が力によって実行される。そのために、カラー67は、これを変形できるようにする軸方向のスロット69を備える。
【0049】
穴66内へのカラー67の取り付けは、衝撃挿入によって実行される。
図6および
図7に示すように、穴66に衝撃挿入されると、釘64はブリッジ18に固定される。
【0050】
ブリッジ18に対する釘64の可動性は、3つの椎骨4、6へのシステム2の取り付けを促進する。ブリッジ18に対する釘64の固定は、例えば椎骨4、6内への釘14、16、64の挿入が実行されると実行される。
【0051】
従って、3つの釘を有するこのシステムは、3つの椎骨4、6を固定化できるようにするので、これは、例えば内上レベルL4L5が損傷した遠位レベルを有する場合に、体腔壁間ケージによる関節固定L5S1のケースに特に有利である。
【0052】
別の実施形態では、3つの釘14、16、64を有する骨接合システム2を一体に生成する。
【0053】
図8に示す別の実施形態では、骨接合システム2は、また、既知のタイプの体腔壁間ケージ70も備える。後者は、椎間回転を中和し、それ故、即座の安定性を確保するために、第1および第2の椎骨4、6の椎骨板間に挿入される。さらに、ケージ70は、椎骨の伸延を再確立する「スペーサ」効果を提供する。
【0054】
体腔壁間ケージ70は、既知の方法で骨移植片を備えることが好ましい。
【0055】
ブリッジ18の可撓性は、本発明による骨接合システム2により2つの椎骨4、6が相互にわずかな曲げ伸ばし運動をできるような方法で選択される。また、ブリッジは、椎骨の相互に対する水平方向の並進および軸方向の回転を全て実質的に中和する。
【0056】
システムが1つまたは複数のケージ70を備える場合、釘−ブリッジアセンブリ14、16、18はブリッジ18の可撓性により、骨構造に、およびケージ70に含まれている骨移植片にかかる多少の応力を維持し、これは骨形成のプロセスを加速し、従って椎骨4、6を融合する付随の効果がある。
【0057】
ドエル8、12は、釘14、16によって椎骨4、6に伝達される応力を吸収できるようにし、それと同時に椎骨4、6の体腔壁内部分43Aにおけるシステム2の定着を増強することができる。というのは、椎骨4、6の最も効率的で最も広い定着領域を表す椎骨4、6の体腔壁内部分43A内で拡張するために、ドエル8、12が設けられているからである。
【0058】
ドエル8、12は、穴10の拡大をもたらした骨接合システム2の偶発的な崩壊後の再構築の意味でも価値がある。次に、ドエル8、12は、穴10が拡大しても釘14、16を定着できるようにする。
【0059】
最後に、X線に対して透明な生体適合性材料から釘−ブリッジアセンブリ14、16、18を生成すると、特に、椎骨をより明瞭に見ることができる。
【0060】
ドエル8、12は、椎骨の性質がアセンブリの安定性を損なう場合に、従来の金属骨接合アセンブリとともに使用することができる。
【0061】
これで、ドエル8、12は金属骨接合用補強材として使用される。