特許第5780814号(P5780814)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5780814レーザ焼結装置の下部構成空間を縮小するための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5780814
(24)【登録日】2015年7月24日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】レーザ焼結装置の下部構成空間を縮小するための装置
(51)【国際特許分類】
   B22F 3/10 20060101AFI20150827BHJP
   B22F 3/105 20060101ALI20150827BHJP
   C04B 35/64 20060101ALI20150827BHJP
   B22F 3/16 20060101ALI20150827BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20150827BHJP
【FI】
   B22F3/10 K
   B22F3/105
   C04B35/64 D
   C04B35/64 J
   B22F3/16
   B33Y30/00
【請求項の数】5
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2011-92322(P2011-92322)
(22)【出願日】2011年4月18日
(65)【公開番号】特開2011-225994(P2011-225994A)
(43)【公開日】2011年11月10日
【審査請求日】2014年2月7日
(31)【優先権主張番号】20 2010 005 162.2
(32)【優先日】2010年4月17日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501073862
【氏名又は名称】エボニック デグサ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100061815
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 敏雄
(74)【代理人】
【識別番号】100112793
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳大
(74)【代理人】
【識別番号】100128679
【弁理士】
【氏名又は名称】星 公弘
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100156812
【弁理士】
【氏名又は名称】篠 良一
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフガング ディークマン
(72)【発明者】
【氏名】マイク グレーベ
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン アルトケムパー
【審査官】 市川 篤
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−030303(JP,A)
【文献】 特開2008−307895(JP,A)
【文献】 特開2001−334580(JP,A)
【文献】 特開2010−261072(JP,A)
【文献】 特開2008−037024(JP,A)
【文献】 特開2005−169878(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 1/00− 8/00
B29C 67/00−67/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
層状に形成された粉末を、レーザを用いて焼結させることにより構成部材を製造するレーザ焼結装置において、付加的な複数の側壁が、レーザ焼結装置の下部に位置し且つ焼結される粉末を収容する下部構成空間に設けられており、
前記付加的な側壁に複数の加熱エレメントが設けられており、これらの付加的な側壁の様々な領域がそれぞれ異なる強さで、又は同じ強さで加熱可能であることを特徴とする、レーザ焼結装置の下部構成空間を縮小するための装置。
【請求項2】
レーザ焼結装置の既存のプラットホームに、前記付加的な側壁に適合されたアタッチメントが付与されている、請求項1記載の装置。
【請求項3】
レーザ焼結装置の既存のプラットホームが、前記付加的な側壁に適合されている新たなプラットホームによって代替されている、請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記付加的な側壁に複数の冷却エレメントが設けられており、これらの付加的な側壁の様々な領域がそれぞれ異なる強さで、又は同じ強さで冷却可能である、請求項1記載の装置。
【請求項5】
縮小される構成空間外に位置する下部構成空間が、良好な断熱特性を有する構成フィールドプレートによってカバーされる、請求項1記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ焼結装置の下部構成空間を縮小するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ焼結装置は、とりわけ構成空間体積の異なる種々様々な構成で、市場に提供可能である。但し、これらの提供可能な装置における欠点は、構成空間体積が可変にその時々の要求に適合され得ないという点である。その結果、レーザ焼結装置において必要とされる粉末量を、―極めて小さな部品を少ない個数で構成する場合でも―減少させることができない。構成部材の構成空間体積に対する比率が悪化すると、構成部材毎のコスト状況が、付加的に必要とされる粉末に基づいて高くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、従来技術の前記欠点を克服するという課題が生じた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
粉末量を構成部材サイズに適合させることができるようにするために、既存のレーザ焼結装置に、付加的な又は新たな複数の側壁が下部構成空間に設けられることを特徴とする、レーザ焼結装置の下部構成空間を縮小するための装置が見いだされた。この装置は構成空間縮小化を可能にする。
【発明の効果】
【0005】
この構成空間縮小化によって、所要材料を個々の必要量に削減することに成功した。更に、下部構成空間における温度制御に基づき、新たな自由度が得られる。このことは、温度制御の形式及び選択された構成空間面積に応じて、構成部材クオリティーと構成空間用粉末とに影響を及ぼす。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】構成空間縮小化手段の全体的な概略図である。
図2】構成空間の概略的な断面図である。
図2a】構成空間の概略的な断面図である。
図3】構成空間中心部を断面して新たなプラットホームと一緒に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明を実施するための形態を図面につき詳しく説明する。
【0008】
図1図3は、構成空間縮小化の種々様々な構成の原理を示した図である。
【0009】
図1図2及び図2aは、付加的な側壁と、既存のプラットホームに設けられたアタッチメントとによる構成空間縮小化の1手段を示している。この場合、図1は全体的な概略図であるのに対して、図2及び図2aは構成空間の概略的な断面図である。プラットホームの降下により、固定されたアタッチメントが同程度下がり、これにより、縮小される粉末面も同様に層厚さだけ降下される。構成過程に供与可能な面積は、付加的な構成空間壁及びボトムプレートアタッチメントの寸法によって規定される。付加的な構成空間壁は、互いに固着結合されているか、又は摺動及び固定機構によって互いに結合されていてもよい。この摺動及び固定機構による結合は、構成空間のサイズが可変に構成可能であるという利点を有している。この場合はボトムプレートアタッチメントのサイズを、付加的な構成空間壁によって予め規定されたサイズに適合させるだけで済む。
【0010】
図3は、構成空間の中心部を断面して新たなプラットホームと一緒に示した図である。この新たなプラットホームによって、構成空間の全高が供与されている。これに対応して側壁は、構成区間の全高にわたって取り付けられる。
【0011】
図示の全ての手段に共通して、新たな構成空間面積は、その時々の縮小化毎に規定されている。
【0012】
利用可能な構成空間の縮小化により、z軸線に沿った温度制御の可能性も生じる。温度センサは加熱及び冷却エレメントと同様に、新たな構成空間壁に取付け可能である。このためには、本来の構成容器と縮小化用インサートとの間の間隔を利用することができる。これにより、例えば比較的均一な冷却等の所望の温度案内と、また構成部材の温度調整も可能である。比較的均一な冷却によって、例えばより小さな歪み傾向が得られる。更に、下部構成空間温度は、使用される材料に適合可能である。とりわけ、比較的高い融点を有する材料の場合、このことは不可欠なプロセス適合である。別個に調整可能な複数の加熱エレメントを取り付けることによって、様々な温度ゾーンが調節可能である。
【0013】
温度センサの他に、更に冷却パイプも設けられていると、温度がより迅速に低下され、延いては構成部材取出しまでの時間が減少され得る。更に、より迅速な冷却段階及びこれに関連した、より小さな熱負荷は、使用される材料に応じて、粉末の新たな使用に関してポジティブであり得る。
【0014】
構成空間縮小化の構成は、その都度必要とされる構成空間需要に適合され得、所定のサイズに限定されてはいない。既存のプラットホームの利用は、図示の構成において供与されている高さを、元の高さのほぼ半分未満に減少させている。ボトムプレートの交換により、構成空間の全高を利用することもできる。いずれにしろ、既存の制御装置を使用することができる。
【0015】
確実なプロセスのためには、上部構成空間の、下部構成空間に対する良好な熱分離が有利である。この理由から、有利には縮小される構成空間外に位置する下部構成空間を上方からカバーする構成フィールドプレートが設けられている。換言すると、この構成フィールドプレートは、新たな又は付加的な側壁が組み込まれた後に、使用されない構成空間をカバーし且つ絶縁するために役立つ。従って、構成フィールドプレートは、良好な耐熱性のみならず、良好な断熱特性を有する材料から成っていることが望ましい。従って、耐熱性のポリマー、繊維複合材料又は耐火性の石材等の材料が考えられる。サンドイッチ構成形式のような構造により、断熱が更に改善されるか、又は例えば金属等の不十分な絶縁特性を有する材料でも使用可能である。
図1
図2
図2a
図3