(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、内視鏡等の観察に用いる光源装置では、観察の目的に応じて、照明光の明るさやピーク波長、発光色すなわちスペクトル形状、放射角、照射パターン形状などを適切に選択することで、観察対象物の視認性を向上するなどの取組みが進められている。
特許文献1のような従来技術による光源装置では、目的に応じた照明光を得るためには、光源装置の本体内に異なる種類の発光ユニットを複数用意し、目的に応じて使用する発光ユニットの組み合わせを調整する必要がある。しかし、光源装置の本体内に多数の発光ユニットを用意することは、コストや保管場所などの観点から望ましくない。
【0005】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、目的に応じた様々な種類の照明光を放射可能な光源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面の態様は、1次光を射出する光源ユニットと、前記1次光を2次光に光変換して射出する照明ユニットと、前記光源ユニットと前記照明ユニットとを着脱する接続部と、前記照明ユニットの情報である照明ユニット情報を、前記光源ユニットに伝達する情報伝達手段とを有することを特徴とする光源装置である。
【0007】
好ましくは、前記光源ユニットは、1次光を射出する1次光源と、前記情報伝達手段を経由して得られた前記照明ユニット情報を基に前記1次光源の射出を制御する制御回路とを持ち、前記照明ユニットは、前記1次光源から射出された1次光を受光し、照明光として2次光に変換して射出する光変換手段を有しており、前記接続部には前記1次光源より射出された前記1次光を前記光変換手段へ受け渡すことが可能なポートが設けられている。
【0008】
好ましくは、前記情報伝達手段は、前記照明ユニットが有する前記光変換手段が変換可能な前記1次光の情報、又は前記ポートの1次光伝達に関する光学的情報である前記照明ユニット情報を、前記接続部を介して前記光源ユニットに伝達する。
好ましくは、前記情報伝達手段は、前記照明ユニットの機械的な情報または熱的な情報である照明ユニット情報を、前記接続部を介して前記光源ユニットに伝達する。
【0009】
好ましくは、前記ポートは複数であり、前記照明ユニット情報はそれぞれの複数の前記ポートの少なくとも一部に対し個別に存在し、前記制御回路は前記照明ユニット情報を基に、複数の前記ポートのそれぞれに接続された前記1次光源を各々制御する。
好ましくは、前記照明ユニット情報は、前記ポートのそれぞれに前記光変換手段が接続されているか否かの情報を含んでおり、前記制御回路は、前記ポートに前記光変換手段が接続されていない場合、前記ポートに接続された前記1次光源の出力を禁止する。
【0010】
好ましくは、前記照明ユニット情報は、前記ポートのそれぞれに接続された前記光変換手段が変換可能な1次光の条件を含んでおり、前記制御回路は、前記ポートを介して接続されている前記1次光源が前記1次光の条件を満たす事ができる場合は、前記1次光源の出力を許可する。
【0011】
好ましくは、前記照明ユニット情報は、前記ポートのそれぞれに接続された前記光変換手段が変換可能な1次光の条件を含んでおり、前記制御回路は、前記ポートを介して接続されている前記1次光源を、前記1次光の条件を満たすように制御する。
好ましくは、前記1次光の条件は、許容入射光量であり、前記制御回路は、前記1次光源の出力光量が前記許容入射光量を超えない範囲で制御する。
【0012】
好ましくは、前記1次光の条件は、前記光変換手段の動作に必要な1次光の吸収スペクトル又は吸収スペクトルのピーク波長である。
好ましくは、前記照明ユニットは複数の前記光変換手段が同時に動作する構成となっており、
前記照明ユニット情報は、所望の照明光を得る為に必要な複数の前記光変換手段へ入射するべき1次光の光量比であり、前記制御回路は前記光量比を保つように各ポートに接続された前記1次光源の出力光量を制御する。
【0013】
好ましくは、前記照明ユニット情報は、前記照明ユニット側の前記ポートの1次光伝達に関する光学的な情報を含んでおり、前記光源ユニット側の前記ポートの情報から、前記1次光を伝達可能と判断した場合、該ポートに接続された前記1次光源の出力を許可する。
【0014】
好ましくは、前記照明ユニット情報は、前記ポートのそれぞれに接続された前記光変換手段の種類であり、前記光源ユニットは、第1のテーブルを基に、前記光変換手段の種類から変換可能な前記1次光の条件を求め、前記1次光源の出力を制御する。
好ましくは、前記照明ユニット情報は、前記照明ユニットの固有の識別符号であり、前記光源ユニットは第2のテーブルを基に、前記固有の識別符号から前記ポートのそれぞれに接続された前記光変換手段が変換可能な前記1次光の条件を求め、前記1次光の条件を基に前記1次光源の出力を制御する。
【0015】
好ましくは、前記光源ユニットは、前記ポートから異なる特性を持った複数の種類の1次光を切り替えて出力可能である。
好ましくは、前記制御回路は、前記情報を取得できない場合、前記光源ユニットの動作を許可しない。
好ましくは、前記光源ユニットは、報知器を備え、前記照明ユニット情報、または前記光源ユニットに搭載された1次光源の情報、または前記1次光源の出力の許可の状態を基に、前記光源装置として使用可能な機能、または前記1次光源の出力が許可されない、又は出力が禁止された状態のうちのいずれか1つを前記報知器により報知する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、目的に応じた様々な種類の照明光を放射可能な光源装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1の実施の形態]
(構成)
図1乃至
図4は、本発明の第1の実施の形態を示す。
図1は、第1の実施の形態の光源装置1の全体の概略構成を示す図である。本実施の形態の光源装置1は、
図1に示す様に、光源ユニット2、照明ユニット3及びそれらを接続する接続部4より構成されている。
【0019】
光源ユニット2は、3つの1次光源(第1の1次光源5と、第2の1次光源6と、第3の1次光源7)と、制御回路8と、ユーザへ報知する報知器9(
図2参照)とを有している。第1の1次光源5と、第2の1次光源6と、第3の1次光源7は、それぞれ射出される1次光の特性(1次光の最大光出力、ピーク波長、スペクトル形状、などの射出光機能)の少なくとも一部が互いに異なる例えば半導体レーザ光源によって形成されている。ここで、第1の1次光源5は、例えば青色レーザ光源、第2の1次光源6は、青色レーザ光源よりも短い波長のレーザ光源、第3の1次光源7は、第1の1次光源5、第2の1次光源6とは異なる波長のレーザ光源によって形成されている。
【0020】
制御回路8は、第1の1次光源5と、第2の1次光源6と、第3の1次光源7と、報知器9にそれぞれ信号線(あるいは無線通信)を介して接続されている。そして、第1の1次光源5と、第2の1次光源6と、第3の1次光源7とは制御回路8からの制御信号によって出力が制御される。報知器9も制御回路8からの制御信号によって出力が制御される。
【0021】
第1の1次光源5には第1の光ファイバ10の一端が接続されている。同様に、第2の1次光源6には第2の光ファイバ11の一端、第3の1次光源7には第3の光ファイバ12の一端がそれぞれ接続されている。
接続部4は、光源ユニット2側に接続された第1のコネクタ部4aと、照明ユニット3側に接続された第2のコネクタ部4bとを有する。第1のコネクタ部4aには、光学的接続を実現する光接続用の3つの光ポート(第1光ポート4a1、第2光ポート4a2、第3光ポート4a3)と、情報伝達手段である電気的接続を実現する電気接続用の1つの電気ポート4a4とが設けられている。
【0022】
第1のコネクタ部4aの第1光ポート4a1には、第1の光ファイバ10の他端が接続されている。同様に、第2光ポート4a2には第2の光ファイバ11の他端、第3光ポート4a3には第3の光ファイバ12の他端がそれぞれ接続されている。さらに、第1のコネクタ部4aの電気ポート4a4には制御回路8が電気信号線13を介して接続されている。
【0023】
接続部4の第2のコネクタ部4bには、光接続用の3つの光ポート(第1光ポート4b1、第2光ポート4b2、第3光ポート4b3)と、電気接続用の1つの電気ポート4b4とが設けられている。
また、照明ユニット3は、例えば円柱状の形状のユニット本体14を有する。ユニット本体14の基端部には前記第2のコネクタ部4bが配設されている。ユニット本体14の先端部の端面には、1次光のピーク波長、スペクトル形状、放射角の少なくともひとつを変換して照明光(2次光)として射出する複数、本実施の形態では
図3に示すように2つの光変換手段(第1光変換手段15と、第2光変換手段16)が搭載されている。2つの光変換手段(第1光変換手段15と、第2光変換手段16)は、3つの1次光源(第1の1次光源5と、第2の1次光源6と、第3の1次光源7)のいずれかから射出された1次光を受光し、照明光として2次光に変換して射出する光変換機能を有する。そして、第1光変換手段15,第2光変換手段16より放射された光は照明ユニット3の端面より放射される。
【0024】
第1光変換手段15には、第1の光ファイバ17の一端が接続されている。同様に、第2光変換手段16には、第2の光ファイバ18の一端が接続されている。第1の光ファイバ17の他端は、第2のコネクタ部4bの第1光ポート4b1に、第2の光ファイバ18の他端は、第2光ポート4b2にそれぞれ接続されている。なお、第2のコネクタ部4bの第3光ポート4b3には何も接続されていない。
【0025】
さらに、照明ユニット3のユニット本体14は、照明ユニット3の照明ユニット情報を記録する記録媒体としてROM19を有している。このROM19には、照明ユニット情報として、光接続用の3つの光ポート(第1光ポート4b1、第2光ポート4b2、第3光ポート4b3)に対する光変換手段(第1光変換手段15と、第2光変換手段16)の接続の有無と、光接続用の3つの光ポート(第1光ポート4b1、第2光ポート4b2、第3光ポート4b3)に接続された光変換手段(第1光変換手段15と、第2光変換手段16)の動作に必要な1次光の特性(最大光出力、ピーク波長、スペクトル形状)の情報が記憶されている。このROM19は電気信号線20を介して第2のコネクタ部4bの電気ポート4b4に接続されている。
【0026】
そして、接続部4の第1のコネクタ部4aと第2のコネクタ部4bとは互いに着脱可能に接続される。第1のコネクタ部4aと第2のコネクタ部4bとの接続時には、第1のコネクタ部4aの光接続用の3つの光ポート(第1光ポート4a1、第2光ポート4a2、第3光ポート4a3)と、電気接続用の1つの電気ポート4a4とがそれぞれ対応する第2のコネクタ部4bの光接続用の3つの光ポート(第1光ポート4b1、第2光ポート4b2、第3光ポート4b3)と、電気接続用の1つの電気ポート4b4とに着脱可能に接続される。このとき、第1のコネクタ部4aの電気ポート4a4と、第2のコネクタ部4bの電気ポート4b4との接続により、照明ユニット3のROM19と、光源ユニット2の制御回路8とが接続され、制御回路8によって接続部4の電気ポート4a4、4b4を介してROM19の内容を読み出すことが可能となっている。
【0027】
また、制御回路8は、図示しないROMなど情報を記憶する手段を持っている。そして、接続部4の光接続用の3つの光ポート(第1光ポート4a1、第2光ポート4a2、第3光ポート4a3)に接続された光源ユニット2内の1次光源(第1の1次光源5と、第2の1次光源6と、第3の1次光源7)の特性に関する情報を持っている。
【0028】
(作用)
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の光源装置1の使用時には、光源ユニット2の第1のコネクタ部4aと、照明ユニット3の第2のコネクタ部4bとの間が接続される。この光源ユニット2と照明ユニット3との接続時には、
図2に示すように第1のコネクタ部4aの電気ポート4a4と、第2のコネクタ部4bの電気ポート4b4との接続により、照明ユニット3のROM19と、光源ユニット2の制御回路8とが接続される。この状態で、制御回路8は、接続部4の電気ポート4a4、4b4を介してROM19に納められた情報を読み出すことができる。
【0029】
そして、制御回路8は、照明光を得る為に光源ユニット2の3つの1次光源(第1の1次光源5と、第2の1次光源6と、第3の1次光源7)を動作させる前に、予め前記ROM19より対象となっている1次光源が接続される光ポート(第1光ポート4a1、第2光ポート4a2、第3光ポート4a3)に対して、その光ポートとそれぞれ対応する照明ユニット3の光ポート(第1光ポート4b1、第2光ポート4b2、第3光ポート4b3)に光変換手段が接続されているか否かの情報と、光変換手段の動作に必要な1次光の特性の情報を読み込む。
【0030】
このとき、
図4のフローチャートに示すようにまず、ステップS1a、ステップS1b、ステップS1cで照明ユニット3の第1光ポート4b1、第2光ポート4b2、第3光ポート4b3に光変換手段が接続されているかを判断する。ここで、接続されていると判断された場合は、次のステップS2a、ステップS2b、ステップS2cに進み、光変換手段が接続されていないと判断された場合は、次のステップS3a、ステップS3b、ステップS3cに進む。ステップS3aでは、第1の1次光源5の動作を停止状態で保持する。同様に、ステップS3bでは、第2の1次光源6の動作を停止状態で保持し、ステップS3cでは、第3の1次光源7の動作を停止状態で保持する。
【0031】
ステップS2a、ステップS2b、ステップS2cでは、光変換手段で動作可能な1次光の特性と1次光源の特性が適合しているか否か、すなわち1次光源により光変換手段を動作させる事が可能か否かを判断する。ここで、適合または動作可能と判断した場合には次のステップS4a、ステップS4b、ステップS4cに進み、適合または動作可能と判断されない場合は、ステップS3a、ステップS3b、ステップS3cに進む。そして、ステップS4aでは、第1の1次光源5を動作させる。同様に、ステップS4bでは第2の1次光源6を動作させ、ステップS4cでは第3の1次光源7を動作させる。
【0032】
ここで、制御回路8は、この制御回路8内に設けられた図示しないROMなど記録手段に記録された、1次光源(第1の1次光源5と、第2の1次光源6と、第3の1次光源7)に関する情報を基に前記判断を実施する。
次に、
図2の例による制御回路8の動作について説明する。
図2は、光源ユニット2側に3つの1次光源(第1の1次光源5と、第2の1次光源6と、第3の1次光源7)があり、照明ユニット3側に2つの光変換手段(第1光変換手段15と、第2光変換手段16)が搭載されている一例を示す。ここで、第1光変換手段15は、第1の1次光源5と特性が適合し、第2光変換手段16は、第2の1次光源6と特性が適合していない例である。
【0033】
この例の光源ユニット2の第1のコネクタ部4aと、照明ユニット3の第2のコネクタ部4bとの間が接続された場合には、光源ユニット2側の第1光ポート4a1と接続される照明ユニット3側の第1光ポート4b1には、第1光変換手段15が接続されている。このとき、ステップS1aは「Y」となり、ステップS2aに進む。さらに、第1光変換手段15の動作に必要な1次光の特性を第1の1次光源5は満たしているので、ステップS2aは「Y」となり、ステップS4aに進む。これにより、制御回路8は第1の1次光源5の動作を許可する。
【0034】
また、光源ユニット2側の第2光ポート4a2と接続される照明ユニット3側の第2光ポート4b2には、第2光変換手段16が接続されている。このとき、ステップS1bは「Y」となり、ステップS2bに進む。この場合、第2光変換手段16の動作に必要な1次光の特性を第2の1次光源6は満たしていないので、ステップS2bは「N」となり、ステップS3bに進む。これにより、制御回路8は第2の1次光源6の動作を許可しない。
【0035】
また、光源ユニット2側の第3光ポート4a3と接続される照明ユニット3側の第3光ポート4b3には、光変換手段が接続されていない。このとき、ステップS1cは「N」となり、ステップS3cに進む。これにより、制御回路8は第3の1次光源7の動作を許可しない。
【0036】
したがって、
図2の場合の例では、光源ユニット2側は、第1の1次光源5のみが動作する。そして、第1の1次光源5から射出されたレーザ光(1次光)は、光源ユニット2側の第1の光ファイバ10、第1のコネクタ部4aの第1光ポート4a1、第2のコネクタ部4bの第1光ポート4b1、照明ユニット3側の第1の光ファイバ17を順次介して第1光変換手段15に導光される。この第1光変換手段15で受光された1次光は、2次光に光変換されて放射される。この第1光変換手段15より放射された光は照明ユニット3の端面より照明光として外部に放射される。尚、本実施形態では並列的に判断処理を実施するように記述したが、順次処理を行っても良い。
【0037】
なお、ROM19より情報を読むことができない場合は、原則として1次光源の動作を許可しない。さらに、動作させる1次光源は、ユーザの操作により決定しても良い。また、光源ユニット2に接続可能な照明ユニット3を把握する為に、光源ユニット2に搭載された1次光源の情報を報知器9によりユーザへ報知しても良い。
【0038】
また、照明ユニット3の照明ユニット情報、すなわち光変換手段の動作に必要な1次光の特性を報知器9によりユーザへ報知しても良い。動作可能な光源と光変換手段の組合せを、報知器9によりユーザに示しても良い。もしくはその組合せで実現される照明光の名前を報知器9により表示しても良い。または、動作が禁止された光源ユニット2内の1次光源を報知しても良い。
【0039】
(効果)
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では、光源ユニット2と照明ユニット3を着脱可能な光源装置1が実現できる。これにより、光源ユニット2と照明ユニット3を適切に組み合わせることで、目的に応じた照明光を得ることが可能となる。すなわち、本実施の形態では、光源ユニット2と照明ユニット3との接続時には、第1のコネクタ部4aの電気ポート4a4と、第2のコネクタ部4bの電気ポート4b4との接続により、照明ユニット3のROM19と、光源ユニット2の制御回路8とが接続される。これにより、制御回路8によって接続部4の電気ポート4a4、4b4を介してROM19の内容を読み出す情報伝達手段を設けることで、光源ユニット2に搭載された3つの1次光源(第1の1次光源5と、第2の1次光源6と、第3の1次光源7)に対し、照明ユニット3の2つの光変換手段(第1光変換手段15と、第2光変換手段16)を適切に選択し、組み合わせることで、射出する照明光(2次光)の光特性を切替可能となっている。この組合せを適切に選択することで、様々な光を放射可能な光源ユニット2を、スペース効率よく配置できる光源装置1を実現することができる。
【0040】
その結果、照明ユニット3から光源ユニット2へ照明ユニット情報を伝達し、その照明ユニット情報に基づき、接続部4のポートを介した光源ユニット2の3つの1次光源(第1の1次光源5と、第2の1次光源6と、第3の1次光源7)と、照明ユニット3に搭載された2つの光変換手段(第1光変換手段15と、第2光変換手段16)の接続が適切な組合せであると判断したときに、そのポートに接続された光源の出力を許可することで、確実な動作を実現することができる。これにより、最適で安全な照明光を、操作者が作業することなく、自動で得る事ができる。
【0041】
[第1の実施形態の変形例]
なお、本実施形態では、制御回路8とROM19は電気的に接続されているが、電気−光変換を行って光学的に制御回路8とROM19と接続しても良い。その場合、接続部4でのポートは光ポートとなる。また、本実施形態では、照明ユニット情報をROM19に記録する構成としたが、接続部4の照明ユニット3側にバーコードのような反射パターンや、凹凸を用いて照明ユニット情報を記録しておき、光源ユニット2側にその反射パターンを光学的・機械的に読む機構を設置しても良い。
【0042】
また、本実施の形態の光源装置1と併用する為に照明ユニット3と並んで映像取得機能など他の機能を併設してもよい。この場合、併設された映像取得機能の情報についてもROM19に記録しておき、前記制御回路8は前記照明ユニット情報と組み合わせて映像取得機能の動作に必要な照明光が得られるような、光変換手段と1次光源の組合せを考慮して1次光源を制御する構成としても良い。
【0043】
また、1次光源の特性の内、1次光源の動作で調整可能な特性を持つ場合は、1次光源の特性の調整可能な範囲に光変換手段が動作可能な範囲が含まれるか否かで1次光源の動作の可否を判断しても良い。さらに、1次光源の動作を、光変換手段の動作に必要な特性の範囲の中で調整し、動作させる構成も取ることができる。
【0044】
[実施例1]
調整可能な特性:1次光源の1次光の光量
・1次光源の特性の調整可能な範囲:500mW以下
・光変換手段の動作可能な範囲:0mW〜400mW
この場合は、1次光源の特性の調整可能な範囲が光変換手段の動作可能な範囲を含んでいるので、動作可能と判断する。そして、1次光源は0mW〜400mWの範囲で出力光量を調整し動作させる。
【0045】
また、1次光源を波長可変光源で構成し、動作に必要なスペクトル形状を基に動作可能か判断、波長調整を行っても良い。
照明ユニット情報として、1次光の光量可変手法の情報を記録しても良い。例えば、電流可変、パルス幅変調などである。可変手法とそれに応じた動作可能な光量範囲等の1次光の条件を対にして記録しても良い。
【0046】
照明ユニット情報より、1次光源と光変換手段の組合せから動作可能な照明機能を求め、光源を動作させる前や動作中に動作可能な照明機能の種類や名前をユーザに表示する構成としても良い。この場合は、ユーザはどの照明機能が使用出来るか把握することができる。
【0047】
また、照明ユニット情報より、1次光源と光変換手段の組合せから動作が許可されない照明機能を求め、光源を動作させる前や動作中に許可されない照明機能の種類や名前をユーザに表示する構成としても良い。
また、本来動作させるべき組合せの1次光源又は光変換手段に重大な故障が発生し、発光ができない場合等の緊急時には、射出端からの照明光が安全である範囲であれば、通常は許可されない組合せだが、適さない波長の光であっても発光を特別に許可する構成としてもよい。そのために、最適な1次光の条件では無いが、安全を確保した状態で照明光を射出できる条件を照明ユニット情報としてROMに記録しておいても良い。
【0048】
また、照明ユニット3の第3光ポート4b3では、光変換手段が接続されていないが、この場合は、照明ユニット3側の第3光ポート4b3を設けない、すなわちブラインドポートとしても良い。その場合は、該ポートに光変換手段が接続されていないものとして処理すればよい。
【0049】
尚、本実施形態では、ROM19に照明ユニット3の光変換手段の光学的情報を記録したが、機械的な情報、又は熱的な情報を記録し、動作に適しているか判断する構成としても良い。
光源ユニット2の第1のコネクタ部4aと、照明ユニット3の第2のコネクタ部4bとの間の接続部4の形状に関する情報を基に、機械的に確実に接続可能であるか否かを判断したり、照明ユニット2の形状に関する情報を基に、光源装置1の使途として照明ユニット3の形状が適合しているか否かを判断し、1次光源の動作を制御する構成にしてもよい。
【0050】
また、熱的な制約条件に関する情報を基に、例えば照明ユニット3において所定の熱量以下での動作が条件とした場合、その条件を満たす発熱量となるように、制御回路は1次光源の出力光量を制御する構成にしてもよい。
[第1の変形例]
ROM19には、照明ユニット情報として各ポートの1次光伝達に関する光学的特性の情報を記録し、制御回路8は自身が持っている光源ユニット2側の光ポートの1次光伝達に関する光学的特性の情報と比較し、1次光を伝達可能と判断した時に、該当する光ポートに接続された1次光源の動作を許可する構成としても良い。このとき、光源ユニット2側の光ポートの1次光伝達に関する光学的特性と、照明ユニット3側の光ポートの1次光伝達に関する光学的特性が合致した場合は伝達可能と判断するが、合致しない場合にも後述のように問題のない組合せである場合には伝達可能と判断する事ができる。
【0051】
例えば、照明ユニット3側の光ポートはコア径φ115μmの光ファイバであり、光源ユニット2側の光ポートはコア径φ50μmの光ファイバである場合、光源ユニット2側から照明ユニット3側への光結合は十分される為、問題が無いと判断されるので1次光源の動作を許可する。
【0052】
また、例えば、照明ユニット3側の光ポートはコア径φ105μmの光ファイバであり、光源ユニット2側の光ポートはコア径φ115μmの光ファイバである場合、ポートでの漏れ光が許容範囲に入ると判断されるので1次光源の動作を許可する。
ここでは、光ポートの1次光伝達に関する光学特性としてコア径を例に挙げたが、他に光ファイバのコア中心の位置や、NAが光学特性の例として挙げることもできる。
【0053】
[第2の変形例]
ROM19には、動作に必要な1次光の特性の情報ではなく、照明ユニット情報として光変換手段の種類が記録されている。制御回路8は、光変換手段の種類と、その動作に必要な1次光の特性に関する情報を記録したテーブルを持っており、ROM19より得られた光変換手段の種類の情報から、その動作に必要な1次光の特性を前記テーブルから得て、第1の実施形態に記載のように判断して1次光源の制御を行っても良い。
【0054】
尚、制御回路8には、各1次光源が対応可能な光変換手段の種類を情報として持っておき、ROM19に記録された光変換手段の種類から1次光特性に一度変換せずに1次光源との組合せが可能か否かを判断しても良い。
[第2の実施の形態]
(構成)
図5は、本発明の第2の実施の形態を示す。本実施の形態は、第1の実施の形態(
図1乃至
図4参照)の光源装置1の構成を次の通り変更したものである。なお、
図5中で、
図1乃至
図4と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0055】
本実施の形態の光源装置21は、光源ユニット2側に接続された第1のコネクタ部4aに光接続用の1つの光ポート22aと、電気接続用の1つの電気ポート23aとが設けられている。
また、光源ユニット2には、3つの1次光源(第1の1次光源5と、第2の1次光源6と、第3の1次光源7)の動作・非動作の制御で切り替える(静的スイッチ)である光カプラ(合波器)24が設けられている。この光カプラ24の入力端は、第1の1次光源5に接続された第1の光ファイバ10の出力端と、第2の1次光源6に接続された第2の光ファイバ11の出力端と、第3の1次光源7に接続された第3の光ファイバ12の出力端とそれぞれ接続されている。光カプラ24の出力端は、第1のコネクタ部4aの光ポート22aに接続されている。なお、第1のコネクタ部4aの電気ポート23aには、制御回路8が電気信号線13を介して接続されている。
【0056】
また、照明ユニット3側に接続された第1のコネクタ部4aには、光接続用の1つの光ポート22bと、電気接続用の1つの電気ポート23bとが設けられている。照明ユニット3のユニット本体14には、1つの光変換手段25と、ROM19とが搭載されている。
【0057】
光変換手段25には、光ファイバ26の一端が接続されている。光ファイバ26の他端は、光ポート22bに接続されている。ROM19には、照明ユニット情報として、光ポート22bに接続された光変換手段25の動作に必要な1次光の特性(最大光出力、ピーク波長、スペクトル形状)の情報が記憶されている。このROM19は電気信号線27を介して第2のコネクタ部4bの電気ポート23bに接続されている。
【0058】
(作用)
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の光源装置21の使用時には、光源ユニット2の第1のコネクタ部4aと、照明ユニット3の第2のコネクタ部4bとの間が接続される。この光源ユニット2と照明ユニット3との接続時には、
図5に示すように第1のコネクタ部4aの電気ポート23aと、第2のコネクタ部4bの電気ポート23bとの接続により、照明ユニット3のROM19と、光源ユニット2の制御回路8とが接続される。この状態で、制御回路8は、接続部4の電気ポート23a、23bを介してROM19に納められた情報を読み出すことができる。
【0059】
そして、制御回路8は、光変換手段25の動作に必要な1次光の特性(最大光出力、ピーク波長、スペクトル形状)の情報を読み込む。このとき、
図5の例では読み込んだ情報により、光変換手段25には第2の1次光源6が組合せ可能であると判断、制御回路8は第2の1次光源6の動作のみを許可するので、第2の1次光源6のみが動作状態、他の2つの1次光源(第1の1次光源5と、第3の1次光源7)は非動作状態に切り替える制御が行われる。これにより、光源ユニット2の第2の1次光源6から射出されたレーザ光が出力され、光源ユニット2側の第2の光ファイバ11、光カプラ24、第1のコネクタ部4aの光ポート22a、第2のコネクタ部4bの光ポート22b、照明ユニット3側の光ファイバ26を順次介して光変換手段25に導光される。この光変換手段25で受光された1次光は、2次光に光変換されて放射される。この光変換手段25より放射された光は照明ユニット3の端面より照明光として外部に放射される。そのため、この例では光源ユニット2の第2の1次光源6から射出されたレーザ光の1次光が照明ユニット3側の光変換手段25で2次光に光変換されて照明光として外部に放射される。
【0060】
また、光源ユニット2と照明ユニット3との接続時に、光変換手段25に光源ユニット2側の第1の1次光源5が適合している情報を読み出した場合には、制御回路8は第1の1次光源5の動作のみを許可する。この場合は、第1の1次光源5のみが動作状態、他の2つの1次光源(第2の1次光源6と、第3の1次光源7)は非動作状態に切り替える制御が行われる。これにより、光源ユニット2の第1の1次光源6から射出されたレーザ光が出力され、光源ユニット2側の第1の光ファイバ10、光カプラ24、第1のコネクタ部4aの光ポート22a、第2のコネクタ部4bの光ポート22b、照明ユニット3側の光ファイバ26を順次介して光変換手段25に導光される。そのため、この例では光源ユニット2の第1の1次光源5から射出されたレーザ光の1次光が照明ユニット3側の光変換手段25で2次光に光変換されて照明光として外部に放射される。
【0061】
また、光源ユニット2と照明ユニット3との接続時に、光変換手段25に光源ユニット2側の第3の1次光源7が適合している情報を読み出した場合には、制御回路8は第3の1次光源7の動作のみを許可する。この場合は、第3の1次光源7のみが動作状態、他の2つの1次光源(第1の1次光源5と、第2の1次光源6)は非動作状態に切り替える制御が行われる。これにより、光源ユニット2の第3の1次光源7から射出されたレーザ光が出力され、光源ユニット2側の第3の光ファイバ12、光カプラ24、第1のコネクタ部4aの光ポート22a、第2のコネクタ部4bの光ポート22b、照明ユニット3側の光ファイバ26を順次介して光変換手段25に導光される。そのため、この例では光源ユニット2の第3の1次光源7から射出されたレーザ光の1次光が照明ユニット3側の光変換手段25で2次光に光変換されて照明光として外部に放射される。
【0062】
(効果)
そこで、本実施の形態では第1実施形態の効果に加え、光源ユニット2側に光カプラ24を設け、接続部4の第1のコネクタ部4aに一つの光ポート22aのみを設ける構成にしたので、光源ユニット2側の第1のコネクタ部4aを小型化することができる。
【0063】
なお、接続部4の第1のコネクタ部4aに複数の光ポート22aを設けても良い。この場合、接続部4の第1のコネクタ部4aには、複数の1次光源を切替て出力可能な光ポート22aと、1次光源の切替が不可能な光ポートとを混在させてもよい。
[第3の実施の形態]
(構成)
図6は、本発明の第3の実施の形態を示す。本実施の形態は第2の実施の形態(
図5参照)の光源装置21を次の通り変更したものである。なお、
図6中で、
図5と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0064】
本実施の形態の光源装置31は、第2の実施の形態の光源ユニット2側の光カプラ24に代えて、機械的にミラーやファイバを駆動し、3つの1次光源(第1の1次光源5と、第2の1次光源6と、第3の1次光源7)の第1のコネクタ部4aの光ポート22との接続状態を切り替える動的スイッチ32を設けたものである。
【0065】
動的スイッチ32のスイッチ本体32aには、入力側に3つの光ポート33a、33b、33c、出力側に1つの光ポート34がそれぞれ配設されている。ここで、第1の光ポート33aには、第1の1次光源5に接続された第1の光ファイバ10の出力端が接続されている。同様に、第2の光ポート33bには、第2の1次光源6に接続された第2の光ファイバ11の出力端、第3の光ポート33cには、第3の1次光源7に接続された第3の光ファイバ12の出力端がそれぞれ接続されている。
【0066】
また、スイッチ本体32aの出力側の光ポート34には、光ファイバ35の一端が接続されている。この光ファイバ35の他端は、第1のコネクタ部4aの光ポート22aと接続されている。さらに、スイッチ本体32aの内部には、入力側の3つの光ポート33a、33b、33cと、出力側の光ポート34との接続状態を切替える光路切り替え器36が設けられている。この光路切り替え器36は、制御回路8からの制御信号に基いて光路切り替え動作が行われるようになっている。これにより、スイッチ本体32aは、第1の光ポート33aと出力側光ポート34とが接続された第1の光路と、第2の光ポート33bと出力側光ポート34とが接続された第2の光路と、第3の光ポート33cと出力側光ポート34とが接続された第3の光路とが切り替え操作されるようになっている。
【0067】
(作用)
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の光源装置31の使用時には、光源ユニット2の第1のコネクタ部4aと、照明ユニット3の第2のコネクタ部4bとの間が接続される。この光源ユニット2と照明ユニット3との接続時には、
図6に示すように第1のコネクタ部4aの電気ポート23aと、第2のコネクタ部4bの電気ポート23bとの接続により、照明ユニット3のROM19と、光源ユニット2の制御回路8とが接続される。この状態で、制御回路8は、接続部4の電気ポート23a、23bを介してROM19に納められた情報を読み出すことができる。
【0068】
そして、制御回路8は、光変換手段25の動作に必要な1次光の特性(最大光出力、ピーク波長、スペクトル形状)の情報を読み込む。このとき、
図6の例では光変換手段25は光源ユニット2側の第3の1次光源7が適合している情報を読み出すことができる。ここで、本実施の形態では、制御回路8からの制御信号に基いて動的スイッチ32のスイッチ本体32aの光路切り替え器36の光路切り替え動作が行われる。このとき、光路切り替え器36は、第3の光ポート33cと出力側光ポート34とが接続された第3の光路に切り替え操作される。
【0069】
これにより、光源ユニット2の第3の1次光源7から射出されたレーザ光が出力され、光源ユニット2側の第3の光ファイバ12、動的スイッチ32の光路切り替え器36、光ファイバ35、第1のコネクタ部4aの光ポート22a、第2のコネクタ部4bの光ポート22b、照明ユニット3側の光ファイバ26を順次介して光変換手段25に導光される。そのため、この例では光源ユニット2の第3の1次光源7から射出されたレーザ光の1次光が照明ユニット3側の光変換手段25で2次光に光変換されて照明光として外部に放射される。
【0070】
また、光源ユニット2と照明ユニット3との接続時に光変換手段25が光源ユニット2側の第1の1次光源5が適合している情報を読み出した場合には、制御回路8は動的スイッチ32のスイッチ本体32aの光路切り替え器36を第1の光ポート33cと出力側光ポート34とが接続された第1の光路に切り替え操作する。そのため、この例では光源ユニット2の第1の1次光源5から射出されたレーザ光の1次光が照明ユニット3側の光変換手段25で2次光に光変換されて照明光として外部に放射される。
【0071】
また、光源ユニット2と照明ユニット3との接続時に光変換手段25が光源ユニット2側の第2の1次光源6が適合している情報を読み出した場合には、制御回路8は動的スイッチ32のスイッチ本体32aの光路切り替え器36を第2の光ポート33bと出力側光ポート34とが接続された第2の光路に切り替え操作する。そのため、この例では光源ユニット2の第2の1次光源6から射出されたレーザ光の1次光が照明ユニット3側の光変換手段25で2次光に光変換されて照明光として外部に放射される。
【0072】
(効果)
そこで、本実施の形態でも第2実施形態と同様の効果が得られる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、第3の実施の形態の動的スイッチ32の場合、駆動手段として静電アクチュエータ・電磁アクチュエータ・圧電アクチュエータを用いた物でもよい。また、接続部4の照明ユニット3側の第2のコネクタ部4bに凹凸部を設け、接続部4の光源ユニット2の第1のコネクタ部4aと、照明ユニット3の第2のコネクタ部4bとの接続時にその凹凸部が動的スイッチ32の光路切り替え器36を機械的に動かし、光路を切り替える機構としても良い。その場合、凹凸部が照明ユニット情報となる。
さらに、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。