【文献】
Ismail Guvenc,Moo-Ryong Jeong, Ibrahim Demirdogen, Balkan Kecicioglu, Fujio Watanabe,Range Expansion and Inter-Cell InterferenceCoordination (ICIC) for Picocell Networks,The 74th IEEEVehicular Technology Conference,IEEE,2011年 9月 5日
【文献】
Lingjia Liu, Young-Han Nam, and Jianzhong(Charlie) Zhang,Proportional Fair Scheduling for Multi-CellMulti-User MIMO Systems,in Proc. 44th Annual Conference on Information Sciences and Systems (CISS),IEEE,2010年 3月
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ソートが、単調減少順であり、前記複数が、整数Nに等しく、ソートされた各区別化係数についての前記比例公平境界決定関数が、前記ソートされた区別化係数をN倍し、それを前記ソートされた区別化係数に1を加算したもので除算することに等しい、請求項1に記載の方法。
前記第1のリソースグループを前記第1の部分に対応する前記移動局に割り当て、前記第2のリソースグループを前記第2の部分に対応する前記移動局に割り当てるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
複数の移動局に対応する複数の区別化係数をソートするように構成されたプロセッサであって、各区別化係数は、第2のリソースグループを使用する前記対応する移動局についての第2のユニットシェアレートに対する、第1のリソースグループを使用する前記対応する移動局についての第1のユニットシェアレートの比であり、前記プロセッサが、前記区別化係数を単調増加順又は単調減少順の一方になるようにソートして、ソートされた区別化係数を生成し、また前記ソートされた区別化係数に比例公平境界決定関数を適用して、前記ソートされた区別化係数の境界区別化係数を決定するように構成され、前記ソートされた区別化係数の第1の部分は、前記境界区別化係数と、前記境界区別化係数以下のすべての区別化係数とを含み、第2の部分は、前記境界区別化係数と、前記境界区別化係数以上のすべての区別化係数とを含み、前記プロセッサが、前記第1の部分に対応する前記移動局を前記第1のリソースグループに関連付け、前記第2の部分に対応する前記移動局を前記第2のリソースグループに関連付けるようにさらに構成される、プロセッサと、
前記リソースグループ関連付けを記憶するメモリと
を備える基地局。
前記受信/送信モジュールが、各移動局から、前記第1及び第2のユニットシェアレートを受信するようにさらに構成され、前記プロセッサが、前記受信した第1及び第2のユニットシェアレートから前記区別化係数を決定するように構成される、請求項10に記載の基地局。
前記プロセッサが、前記第1のリソースグループを前記第1の部分に対応する前記移動局の間で割り当て、前記第2のリソースグループを前記第2の部分に対応する前記移動局の間で割り当てるようにさらに構成される、請求項10に記載の基地局。
前記第1のリソースグループをそれに関連付けられた移動局の間で割り当て、前記第2のリソースグループをそれに関連付けられた移動局の間で割り当てるステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
前記第1及び第2のリソースグループが、時間領域リソースパーティション及び周波数領域リソースパーティションからなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、2つのリソースグループが比例公平方式で1つ又は複数のワイヤレス端末に割り当てられるネットワークに適用可能である。ここで図面を参照すると、
図1は、ワイヤレス端末と3つのセルとを含む、例示的なネットワークを示しており、セルのうちの2つ(C
1及びC
3)は、高出力のマクロセルであり、他の1つ(C
2)は、低出力のピコセルである。
【0014】
図1における各セルのワイヤレスサービスは、特定のワイヤレスプロトコルに依存する。例えば、3GPPのLTE(Long Term Evolution)プロトコルでは、ワイヤレスサービスは、eNB(evolved Node B)、RRH(Remote Radio Head)、MME(Mobility Management Entity)、及びS−GW(Serving GateWay)などの、ノードによって提供される。IEEE 802.16 WiMAXプロトコルでは、ワイヤレスサービスは、BS(基地局)、リレー、及びASN−GW(Access Service Network GateWay)などの、ノードによって提供される。本明細書で開示されるリソース割り当ては、セルにサービスするために実施される特定のワイヤレスプロトコルには依存しない。
【0015】
各セルは、セル内の端末に割り当てられる無線リソースと対をなす。無線リソースの性質は、セルにサービスするために実施される特定のワイヤレスプロトコルに依存する。例えば、キャリアアグリゲーションを実施するネットワークでは、無線リソースは、ある周波数において一定の帯域幅を有する搬送波、又はキャリアアグリゲーションシナリオの下での1組の搬送波の形態をとる。キャリアアグリゲーションシナリオにおける搬送波は、コンポーネントキャリア(CC)と呼ばれる。割り当てられるリソースグループの特定の形態に関係なく、多くの困難なワイヤレスネットワーク管理問題は、2つのリソースグループの割り当てに関係する。例えば、2つのコンポーネントキャリアを有するキャリアアグリゲーションシナリオでは、2つのCCのどちらか一方を用いて端末にサービスするか、それとも両方を用いて端末にサービスするかを、端末毎に決定する必要がある。そのようなキャリアアグリゲーションネットワークでは、単一のCC(又は1組のCC)が、リソースグループを構成する。
【0016】
コンポーネントキャリアを割り当てる場合には、端末数、ダイバーシティ、電力消費、及びチャネルフィードバックオーバヘッドなど、多くの要因を考慮する必要があることがある。セル内にただ1つの端末しか存在しない場合、両方のCCを用いて端末にサービスを提供し、ピークスループットを高めることができる。しかし、セル内に多数の端末が存在する場合、各端末に割り当てられるサービスの量は、わずか単一のCCによって対応できるほど十分に小さいことがある。そのような場合、関連するチャネルフィードバック及びスケジューリングオーバヘッドとともに、端末の消費電力を減少させるために、単一のCCを用いて端末にサービスを提供することができる。他のCC上での周波数ダイバーシティが失われるため、端末のスループットが低下することがあるが、搬送波帯域幅が十分に大きい場合は、低下は著しいものではない。ただ1つのCCを用いて各端末にサービスを提供すること、又は両方のCCを用いてサービスを提供される端末の数が1つに最小化されることが決定された場合、本発明は、システム目標としての比例公平性が満たされるように、1つ又は複数のどのCCを用いて各端末にサービスを提供すべきかを決定する、多くの方法を提供する。
【0017】
本発明のリソースグループは、物理リソースユニットと同じである必要はないことに留意されたい。例えば、2GHz帯域内に2つのCCが、また3.5GHz帯域内に1つのCCが存在する場合、2GHz帯域内の2つのCCは、一緒にグループ化して、一方のリソースグループを形成することができ、3.5GHz帯域内のCCは、単独で、他方のリソースグループを形成することができる。したがって、2つのリソースグループのサイズは、同じでもよく、又は同じでなくてもよい。反対に、大きな無線リソースは、2つのより小さなリソースグループに分割することができる。例えば、CCは、周波数領域、時間領域、又は他の任意の手段において、2組のリソースパーティション(RP)に分割することができ、各RPが、1つのリソースグループを構成する。そのような場合、リソースパーティション(RP)割り当て問題も、本明細書でさらに説明されるような、2つのリソースグループを有する無線リソース管理問題のようにモデル化することができる。
【0018】
図2は、時間領域リソースパーティションの一例を示している。この例では、無線リソースは、時間領域において、サブフレームにスロット化され、その後、奇数番目のサブフレームに対応するRP
1及び偶数番目のサブフレームに対応するRP
2という2つのリソースパーティションに従って、インデックス付けされる。他方、
図3は、周波数領域リソースパーティションの一例を示している。この特定の例では、CCのより高い方の周波数部分内のリソースパーティションであるRP
1と、CCのより低い方の周波数部分内のリソースパーティションであるRP
2という、2つのリソースパーティションが存在する。
【0019】
ハンドオフ(セル接続)決定問題は、2つのリソースグループを有する無線リソース管理のまた別の例と見なすことができる。ここで、ハンドオフ決定問題では、リソースグループは、単一のセルの無線リソースであり、本発明は、システム目標としての比例公平性が満たされるように、どのセルを用いて端末にサービスを提供すべきかを決定する、多くの方法を提供する。本発明は、2つの無線リソースグループの割り当てに関する、上記及び他の無線リソース管理問題に適用される。さらに、任意のリソースをグループ化又は分割して、2つの無線リソースグループを形成することができる。簡潔にするため、これ以降、本発明は、汎用的なリソースグループのみを参照して説明され、個々のリソースグループに固有な事柄についてはもはや説明されない。
【0020】
2つのリソースグループの品質は、グループの無線環境の特有性に関連する多くの理由で、異なることがある。例えば、セル間干渉(inter−cell interference)に起因する性能悪化を減少させるために、干渉調整がしばしば使用される。そのような干渉調整は一般に、異なるリソースグループを使用して、又は同じリソースグループを使用するのであれば、リソースグループを異なる送信電力で使用して、実行される。結果として、ワイヤレス端末によって感知されるリンク品質は、ワイヤレス端末がサービスを提供されるリソースグループに応じて、またリソースグループに適用される干渉調整ルールの細目に応じて、異なることがある。
【0021】
図2の例では、
図1のC
1及びC
3などのマクロセルは、奇数インデックスのサブフレーム(RP
1)では送信せず、マクロセルからピコセルへの干渉を低減するが、偶数インデックスのサブフレーム(RP
2)では、マクロセルC
1及びC
3の両方に加えて、ピコセルC
2も送信する。
図3のような周波数領域リソースパーティション、又はキャリアアグリゲーションシナリオにおける複数のCCを含むリソースグループについても、同様の調整を行うことができる。例えば、
図3では、
図1のC
1及びC
3などのマクロセルは、周波数帯域Aのみを使用する。しかし、ピコセルC
2などのピコセルは、周波数帯域Aばかりでなく、周波数帯域Bも使用する。
【0022】
図4は、
図2の干渉調整による無線品質を示している。経路損失、及びマクロセルとピコセルの間の送信電力差は、考慮されるが、説明を明瞭にするため、シャドウイング及び小規模フェージングの影響は、無視される。しかし、本発明の範囲は、シャドウイング及び/又は小規模フェージングが存在する場合にも、又は存在しない場合にも適用可能であることに留意されたい。
図2の例では、第1のリソースグループは、奇数インデックスのサブフレームに相当し、偶数インデックスのサブフレームは、第2のリソースグループに相当する。ここで、r
m,n(i)は、セルmにおいてリソースグループnを使用する端末iについてのレートを表す。したがって、r
1,2(i)は、第2のリソースグループを使用する、マクロセルC
1によってサービスを提供される、第iの端末についてのレートを表す。同様に、r
2,2(i)は、第2のリソースグループを使用する、ピコセルC
2によってサービスを提供される、第iの端末についてのレートを表す。一方、r
2,1(i)は、第1のリソースグループを使用する、ピコセルC
2によってサービスを提供される、第iの端末についてのレートを表す。レートは、端末とサービングセルの間の距離に応じて変化する。例えば、レートr
1,2(i)は、もちろん、マクロセルC
1の近辺では最も強く、その後、端末がマクロセルC
1からセルC
2及びC
3に向かって移動するにつれて、ゼロに向かって低下する。第1のリソースグループは、マクロセルによって使用されないので、奇数インデックスのサブフレームから達成可能なレートr
2,1(i)は、偶数インデックスのサブフレームからのレートr
2,2(i)よりも明らかに高い。このシナリオでは、ピコセルC
2は、リソースグループをどのように割り当てるべきかを決定する必要がある。その際、単純な解は、第2のリソースグループは、第1のリソースグループを用いて達成可能なデータレートよりも高いデータレートを各端末に提供するので、各ワイヤレス端末を第2のリソースグループに割り当てるというものである。そのような解は、第1のリソースグループのリソースを無駄にする。
図2のC
2基地局の近辺では、第1のリソースグループを用いて達成可能なレートは、第2のリソースグループを用いて達成可能なレートにかなり近いことに留意されたい。したがって、比例公平性を達成する妥協案は、2つのリソースグループの間でレートにより小さな差しかないような端末には第1のリソースグループを割り当て、残りのすべての端末には第2のリソースグループを割り当てるというものである。そのような比例公平性の解は、本明細書でさらに説明される。以下の説明は、上記の表1に関するアルゴリズム1の比例公平性についての厳格な数学的証明を提供する。残りのアルゴリズムは、必要とされる数学が類似しているので、要約するにとどめる。
【0023】
比例公平性
一般に、N個の端末に対するスループット分配{x(i),i=1,2,...,N}は、以下の目的関数
【数1】
を最大化する場合、比例公平(PF)であり、ここで、
x(i)=r
1(i)・b
1(i)+r
2(i)・b
2(i) (2)
であり、r
1(i)は、第1のリソースグループのリソースのユニットシェアから端末iによって達成可能なユニットシェアレートであり、r
2(i)は、第2のリソースグループのリソースのユニットシェアから端末iによって達成可能なユニットシェアレートであり、b
1(i)及びb
2(i)は、端末iに割り当てられた第1及び第2のリソースグループのリソースのそれぞれのシェアである。定義により、
【数2】
【数3】
b
1(i)≧0 (5)
b
2(i)≧0 (6)
r
1(i)≧0 (7)
r
2(i)≧0 (8)
である。
式(3)及び式(4)の等号は、リソースグループ1及び2が端末によって完全に利用される場合に成り立つ。式(3)及び式(4)の不等号は、割り当てられないリソースが存在する場合に成り立つ。
【0024】
r
1(i)=r
2(i)=0、すなわちx(i)=0である場合、目的関数(1)は、負の無限大に発散し、したがって、明らかに最大化されない。さらに、無線効率目的のため、そのような端末にはいかなる無線リソースも割り当てる必要がない。したがって、どちらのリソースグループを使用しても達成可能ではないレートを有する端末は、本明細書で開示されるリソースグループ割り当ての下では考慮されない。ゼロレート端末は、その無線品質がリソースグループの少なくとも一方において改善されるまで、スケジュールされることなく、待たなければならないことがある。又は、端末は、より良好な無線品質を有する別のセルにハンドオフして、そのセルからスケジュールされるようにすることもできる。したがって、一般性を失うことなく、本明細書で開示される比例公平割り当て技法は、(別途言及されない限り)各ワイヤレス端末の2つのリソースグループにおけるレートの少なくとも一方はゼロよりも大きいことを仮定する。すなわち、すべてのi=1,...,Nについて、
r
1(i)>0且つr
2(i)=0、r
1(i)=0且つr
2(i)>0、又はr
1(i)>0且つr
2(i)>0 (9)
である。N=1の場合、両方のリソースグループのすべてのリソースを単一の端末に割り当てるという、自明な解が存在するので、開示される割り当てアルゴリズムは、N≧2の場合に関係する。したがって、これ以降、N≧2であることが仮定される。
【0025】
スループットx(i)は、多くの方法で定式化することができる。例えば、B
1及びB
2が、第1及び第2のリソースグループのそれぞれのサイズを表し、
【数4】
及び
【数5】
が、端末iに割り当てられる第1及び第2のリソースグループのリソースのそれぞれの量を表す場合、
【数6】
となる。また、第1のリソースグループのリソースのユニット量及び第2のリソースグループのリソースのユニット量から端末iによって達成可能なそれぞれのレートを、
【数7】
及び
【数8】
で表す。その場合、
【数9】
となる。これ以降、式(2)のスループット記述を使用する。しかし、本発明は、式(14)のスループット記述を使用するように、容易に変更することができる。スループットをどのように記述するかに関係なく、ユニットシェアレートについての得られた式が、2つのリソースグループのそれぞれのサイズを考慮していることが理解できる。以下でさらに説明される区別化係数は、ユニットシェアレートから導出されるので、区別化係数も、2つのリソースグループのそれぞれのサイズを考慮している。サイズが異なるリソースグループは珍しいものではないが、リソースグループを割り当てるための既存の技法はそのような変化に対応できないので、この考慮はきわめて有利である。
【0026】
図5は、2つのリソースグループが存在する場合に、比例公平リソース割り当てを決定するフローチャートを示している。各端末についての区別化係数D(i)を決定する最初の動作500は、以下のように実行することができる。
【0027】
区別化係数
図5のステップ500が、
図6のフローチャートでさらに詳述される。第1のステップ600は、第1のリソースグループのリソースのユニットシェアから達成可能なユニットシェアレートであるr
1(i)、及び第2のリソースグループのリソースのユニットシェアから達成可能なユニットシェアレートであるr
2(i)を決定するためのものである。ユニットシェアレートは、時間上の特定の瞬間若しくは(リソースグループ内の)周波数領域リソースユニットにおいて見られる瞬間レート、又は長い時間若しくは(やはりリソースグループ内の)周波数スパンにわたって平均された平均レートとすることができる。ユニットシェアレートは、式(12)及び式(13)から明らかなように、リソースグループの無線品質ばかりでなく、それぞれのサイズにも依存する。
【0028】
例えば、リソースグループが、
図2にあるような、時間領域リソースパーティションである場合、ユニットシェアレートは、特定のサブフレームにおいて瞬間的に達成可能なレートを表すことができる。言い換えると、r
1(i)及びr
2(i)は、それぞれ、サブフレーム2n+1において達成可能なユニットシェアレート、及びサブフレーム2n+2におけるユニットシェアレートを表すことができる。他方、ユニットシェアレートは、多くのサブフレームにわたる平均を通して獲得されるレートを表すことができる。例えば、サブフレーム2n+1及び2n+2に関して、r
1(i)及びr
2(i)は、それぞれ、最近の100個の奇数サブフレームにわたって平均されたユニットシェアレート、及び最近の100個の偶数サブフレームにわたって平均されたユニットシェアレートを表すことができる。このようにして、高速フェージング無線チャネルは、詳細に追跡することができ、又は平均をとって均すことができる。同様に、周波数選択性フェージング(frequency selective fading)を伴うチャネルも、リソースグループ内の周波数成分によって、詳細に追跡することができ、又は平均をとって均すことができる。
【0029】
本発明の比例公平リソース割り当ては、上で説明されたユニットシェアレート定義のどちらにも適用することができる。後で説明される関連付け及び割り当ては、ユニットシェアレート定義の時間及び周波数スパンに従って実行することができる。例えば、ユニットシェアレートが瞬間的である場合、端末の関連付け及びリソース割り当ては、各瞬間において、それらが本発明の関連付け及びリソース割り当てに従うように実施される。ユニットシェアレートが平均をとったものである場合、端末の関連付け及びリソース割り当ては、平均をとった場合に、それらが本発明の関連付け及びリソース割り当てに従うように実施される。
【0030】
区別化係数決定500は続いて、ステップ605において、第iの端末について、r
1(i)及びr
2(i)の両方がゼロに等しいかどうかを決定する。両方がゼロに等しい場合、得られたゼロレート端末は、検討から除外される。ゼロレート端末は、その無線品質がリソースグループの少なくとも一方において改善されるまで、スケジュールされることなく、待たなければならないことがある。又は、端末は、より良好な無線品質を有する別のセルにハンドオフして、新しいセルからスケジュールされるようにすることもできる。そのように、両方ともがゼロに等しいr
1(i)及びr
2(i)は、排除されるので、言い換えると、ユニットシェアレートの少なくとも一方は、ゼロよりも大きいので、端末の区別化係数は、ステップ610において、2つのレートの比として、例えば、
【数10】
として定義することができる。ユニットシェアレートr
2(i)=0である場合、区別化係数D(i)は、(正の)無限大に発散する。区別化係数が、すべての端末について無限大に発散する場合、自明な解は、(補題2に関して以下でさらに示されるように)第2のリソースグループのリソースをすべての端末に均等に割り当てるというものである。他方、端末のいくつかのみで区別化係数が無限大に発散する場合、本発明によるリソース割り当て方式は、本明細書でさらに説明されるように、ソートプロセスにおいて、無限大の係数値を与えてそれらの端末を適切に処理することによって、非自明な解を提供する。したがって、
図5のステップ500を完了した後、比例公平リソース割り当ては、第1及び第2のリソースグループシェア(すなわち、b
1(i)及びb
2(i))の決定に関係するステップ505に進む。
【0031】
上で説明したように、本明細書で開示される比例公平リソース割り当ては、表1の4つの異なるアルゴリズムに整理することができる。以下の説明は、アルゴリズム1に焦点を当てる。その後、アルゴリズム2からアルゴリズム4が説明されるが、これらのアルゴリズムは、アルゴリズム1に関して説明されたのと類似の方法で実行されるので、説明はより簡潔に行われる。
【0032】
比例公平リソース割り当て
ステップ505が、
図7のフローチャートを参照してさらに説明される。端末の区別化係数が、すべてゼロ又はすべて無限大である場合、比例公平リソース割り当ては、補題2から、きわめて簡単である。ステップ700において、第1のリソースグループについてのユニットシェアレートが検査され、それらがすべてゼロであるかどうか、言い換えると、すべてのi=1,2,...,Nについて、r
1(i)=0であるかどうかが調べられる。すべてゼロである場合、補題2に関してさらに説明されるように、ステップ705において、第2のリソースグループシェアb
2(i)が、1/Nに設定される。それに関連して、b
1(i)は、式(3)及び式(5)が満たされる限り、任意の値をとることができる。ステップ710において、第2のリソースグループレートが検査され、それらがすべての端末についてゼロに等しい(これは端末の区別化係数がすべて無限大であることを示す)かどうかが決定される。言い換えると、ステップ710は、すべてのi=1,2,...,Nについて、r
2(i)=0であるかどうかを決定する。ステップ710が、区別化係数がすべて無限大であると決定した場合、やはり補題2によって、ステップ715において、端末についての第1のリソースグループシェアb
1(i)を1/Nに設定することができる。その場合、b
2(i)は、式(4)及び式(6)が満たされる限り、任意の値をとることができる。これらのステップの後では、リソースグループの各々において、ゼロを上回る有限の値を有する端末が少なくとも1つ存在するはずである。ステップ720において、そのような端末がただ1つ存在すると決定された場合、その端末は、両方のリソースグループにおいて、ゼロを上回る有限の値を有する。そのような場合の比例公平リソース割り当ては、ステップ725において実行されるように、両方のリソースグループのリソースを単一の端末に割り当てるというものである。
【0033】
他方、ステップ720が、そのような端末が2つ以上存在すると決定した場合、
図8又は
図9の手続きに従って、リソースグループが2つの、比例公平リソース割り当てを獲得することができる。これらの図は、上で説明された表1のアルゴリズム1についての代替実施形態に関係する。したがって、両方の手続きの第1のステップ800は、区別化係数を単調減少順にソートするというものである。無限大の区別化係数を有する端末は、リストの先頭に配置される。ソートされた区別化係数は、d(k)、(k=1,2,...,N)と表すことができ、ソートされた区別化係数のインデックスはkで、ソートされていない区別化係数のインデックスはiで表される。その場合、
d(1)≧d(2)≧...≧d(N) (16)
∀k、k=Π(i)を満たすような∃i (17)
であり、
ここで、Π(i)は、ソートに従って、端末のインデックスを付け替える置換関数である。これ以降、iは、区別化係数をソートする前の端末インデックスを表し、kは、ソートした後の端末インデックスを表す。
【0034】
図8及び
図9の手続きにおける次のステップ805は、
G(d(K+1))−1≦K<G(d(K)) (18)
であるような、ソートされた区別化係数リストにおける端末のインデックスK∈{0,1,...,N−1}を決定することであり、ここで、
【数11】
である。ステップ805の代替案は、
図10及び
図11に関して以下で説明される。ステップ805に関して、リソースグループが2つの、比例公平リソース割り当ては、
図8のステップ810において、
【数12】
のように決定することができ、ここで、
λ
1=max(G(d(K+1)),K) (20)
λ
2=N−λ
1 (21)
a(K+1)=max(G(d(K+1))−K,0) (22)
である。代替として、比例公平リソース割り当ては、
図9のステップ910において、
【数13】
のように決定することができ、ここで、
【数14】
は、xを超えない最大の整数を返すフローリング関数(flooring function)であり、
λ=max(G(d(K+1)),K) (24)
である。ここで、b
1(k)及びb
2(k)は、ソートされた区別化係数リスト内における第kの端末の第1及び第2のリソースグループにおけるリソースシェアである。これらは、ソートされていない区別化係数リスト内における端末の第1及び第2のリソースグループにおけるリソースシェアであるb
1(i)及びb
2(i)とは、端末インデックスに関して異なる。式(17)によってそれら2つの間で変換を行うのは簡単である。したがって、ステップ810及びステップ910において、第1及び第2のリソースグループにおける各端末のリソースシェアは、式(19)〜式(22)、又は式(23)及び式(24)によってそれぞれ決定される。
図8及び
図9の代替的な手続きが、まったく同じリソース割り当てをもたらすことが理解されよう。
【0035】
図5を再び参照すると、
図8又は
図9の手続きに関して決定されたリソースグループシェアは、ソートされたリストにおける端末インデックスを参照して、又は(式(17)による端末インデックスの付け替えを通して)ソートされていないリストにおける端末インデックスを参照して、第1及び第2のリソースグループにおける各端末のリソースシェアを決定するために、ステップ505において使用される。その後、次のステップ510において、第1及び第2のリソースグループにおける各端末のリソースシェアに基づいて、各端末が、リソースグループに関連付けられる。より具体的には、各端末は、その端末についての第1のリソースグループシェアがゼロを上回る場合、第1のリソースグループに関連付けられる。同様に、各端末は、その端末についての第2のリソースグループシェアがゼロを上回る場合、第2のリソースグループに関連付けられる。リソースグループに関連付けられると、端末は、
図5のステップ515に関してさらに説明されるように、割り当てステップにおいて、そのリソースグループのリソースの割り当てを受けることができる。
【0036】
関連付けは、追加の手続きを必要とすることがある。例えば、キャリアアグリゲーションシナリオにおいて、リソースグループが、1つ又は複数のCCを含む場合、端末は、端末をリソースグループに関連付けるために、1つ又は複数のCCを活動化することが必要なことがある。別の例として、リソースパーティション割り当て問題では、端末とリソースグループとの関連付けは、関連付けられるリソースグループを構成するリソースパーティションにおいて、測定、レポーティング、及び端末のスケジューリングの設定を実行することを伴うことがある。最後に、ハンドオフシナリオでは、端末とリソースグループとの関連付けは、関連付けられるリソースグループが現在のセルのリソースである場合を除いて、別のセルへのハンドオフを伴うことがある。
【0037】
図5を再び参照すると、ステップ515において、第1及び第2のリソースグループにおける各端末のリソースシェアに基づいて、各端末は、しかるべくリソースグループ(複数可)の割り当てを受ける。より具体的には、各端末に割り当てられるリソースグループシェアは、上で説明されたように、b
1(k)及びb
2(k)によって決定される。その際、端末は、端末がすでにリソースグループに関連付けられている場合に限って、リソースグループの割り当てを受ける。しかし、本発明は、割り当てにおいてリソースシェアを実施する特定の方法には関知しないことに留意されたい。例えば、2つのリソースグループの一方についてのリソースの割り当てを任された、2つの加重ラウンドロビンスケジューラ(weighted round robin scheduler)は、リソースシェアに従って各端末の重みを設定することによって、本発明と一緒に使用することができる。
【0038】
端末のリソースシェアは、瞬間又は平均の観点から実施することができる。例えば、
図2にあるような時間領域リソースパーティション実施形態では、サブフレーム2n+1及び2n+2のリソースは、より小さなユニットに分割することができ、その後、端末に割り当てられるリソースのシェアがそれぞれb
1(k)及びb
2(k)に対応するように、端末に割り当てることができる。その場合、サブフレームの割り当ては、瞬間ベースで行われる。代替として、端末に割り当てられるリソースのシェアは、特定のサブフレーム2n+1及び2n+2において、リソース割り当てがb
1(k)及びb
2(k)から逸れることがあっても、より長い時間及び周波数スパン(例えば、最近の100個の奇数サブフレーム及び100個の偶数サブフレームの間)において、b
1(k)及びb
2(k)に対応させることができる。平均が条件に適合するそのような代替案の一例は、各サブフレームにおいて、割り当て確率b
1(k)(b
2(k))を有する端末に、リソースグループ1(2)内のリソースの大きなチャンク(chunk)を割り当てるというものである。各サブフレームでは保証されないとしても、そのような確率的な割り当てを十分に長い期間にわたって繰り返すことによって、大数の法則(law of large numbers)が働き、長い期間では、適合性が達成される。
【0039】
シナリオによっては、関連付けを決定するときに、リソースシェアを計算することが、(例えば、複雑さ及びバッテリ消費に関して)適切でないことがある。そのような場合、関連付けは、それぞれ
図8のステップ810及び
図9のステップ910におけるように、リソースシェアを計算することなく、決定することができる。ステップ805の代替として、(ソートされた区別化係数リスト内での)端末のインデックスkは、ソートされた区別化係数の3つの分類に関して、多くのステップにおいて決定することができ、3つの分類は、本明細書でケース1〜ケース3として指定される。ケース1は、G
−1(k)がd(k)に等しいような、インデックスkの存在に対応する。それ以外では、ケース2又はケース3のどちらかが真となる。ケース2では、G
−1(k)<d(k+1)、G
−1(k+1)>d(k+1)、且つG
−1(k)<d(k)であるような、kが存在する。ケース3では、G
−1(k)<d(k)、G
−1(k+1)>d(k+1)、且つG
−1(k)≧d(k+1)であるような、kが存在する。これらのケースの導出は、以下でさらに説明される。
【0040】
これら3つのケースを与えると、インデックスkを決定することができ、端末を以下のようにしかるべく関連付けることができる。ここで
図10を参照すると、ステップ1000において、G(d(K+1))≦K≦G(d(K))であるような、K∈{1,...,N−1}が存在するかどうかが、最初にテストされる。存在する場合、リソース割り当ては、ケース1又はケース3に対応する。特に、以下で式(106)及び式(152)に示されるように、端末のソートされたインデックスkが集合k=1,...,Kに属する場合、第1のリソースグループについて、端末のリソースシェアはゼロを上回り、端末のソートされたインデックスkが集合k=K+1,...,Nに属する場合、第2のリソースグループについて、端末のリソースシェアはゼロを上回る。そのため、
図10の後続ステップ1005において、端末は、割り当てられたリソースグループにしかるべく関連付けられる。ステップ1000における判定の結果が偽である場合、それは、以下でさらに説明されるケース2に対応し、
図11の手続きが後に続く。
【0041】
図11を参照すると、
図11はケース2に対応するので、端末のリソースシェアは、以下で説明される式(130)によって決定することができる。最初のステップ1100において、K<G(d(K+1))<K+1であるような、端末のソートされたインデックスKが決定される。その後、ステップ1105において、K=0であるかどうかがテストされる。K=0である場合、ステップ1110によれば、第1のリソースグループのみを割り当てられる端末は存在しない。より具体的には、k=1である場合は、
【数15】
であり、k=2,...,Nである場合は、
【数16】
である。したがって、端末のインデックスがk=1である場合、端末は、第1及び第2のリソースグループの両方に関連付けられ、インデックスがk=2,...,Nである場合、端末は、第2のリソースグループに関連付けられる。
【0042】
他方、テスト1105の結果が偽である場合、ステップ1115において、K∈{1,...,N−2}であるかどうかがテストされる。その場合、以下で式(130)において示されるように、ステップ1120において、端末のインデックスがk=1,...,K+1である場合、第1のリソースグループについての端末のリソースシェアがゼロを上回り、端末のインデックスがk=K+1,...,Nである場合、第2のリソースグループについての端末のリソースシェアがゼロを上回る。ソートされたインデックスkがK+1に等しい端末は、両方のリソースグループに関連付けられる。テスト1115の結果がやはり偽である場合、ステップ1125が、K=N−1であるかどうかをテストする。その場合、ステップ1130において、第2のリソースグループのみを割り当てられる端末は存在しない。より具体的には、k=1,...,N−1である場合、
【数17】
であり、k=Nである場合、
【数18】
である。したがって、端末のインデックスが集合k=1,...,N−1に属する場合、端末は、第1のリソースグループに関連付けられ、端末のインデックスがk=Nを満たす場合、端末は、第1及び第2のリソースグループに関連付けられる。
【0043】
比例公平割り当て方式についてのケース1〜ケース3の導出が今から説明される。
【0044】
ケース1〜ケース3に関するアルゴリズム1の数学的導出
PF方式の導出は、以下のように、キューン−タッカー条件(Kuhn−Tucker condition)を使用する。式(1)の目的関数は、狭義の凹関数であり、式(3)〜式(6)によって定義される実行可能領域は、コンパクトであるので、最大化問題の最適化が存在する。
【数19】
であるとする。式(1)の最大化問題についてのキューン−タッカー条件は、すべてのi=1,...,N、及びすべてのn=1,2について、
【数20】
であり、すべてのn=1,2について、
【数21】
であり、ここで、N(≧2)は、端末の数を表し、i=1,...,Nは、ソートされていない端末インデックスを表し、n=1,2は、リソースグループ番号を表す。
【0045】
スループットx(i)がゼロに等しい場合、式(1)の目的関数は、負の無限大に発散し、明らかに最大化されない。したがって、すべてのi=1,...,Nについて、
x(i)>0 (31)
である。ケース1〜ケース3の導出は、以下の補題を必要とする。
【0046】
補題1
r
n(i)>0であるような、i∈{1,...,N}及びn∈{1,2}が存在する場合、そのようなnについて、
【数22】
である。
【0047】
補題1の証明は、
【数23】
及び
【数24】
について、r
n(i)>0とすることによって開始する。その場合、式(25)から、
【数25】
である。その場合、式(31)、及び補題の仮定から、
【数26】
であり、これは、式(32)を証明している。ここで、式(32)を式(30)に代入することで、式(33)が証明される。
【0048】
補題2
n=n
0∈{1,2}について、r
n(1)=...=r
n(N)=0である場合、式(1)〜式(8)の最大化問題の解は、以下のようになる。
n=n
0である場合、b
n(i)、i=1,...,Nは、式(26)及び式(28)を満たす任意の値をとる。
n≠n
0である場合、すべてのi=1,...,Nについて、
【数27】
である。
【0049】
補題2の証明として、最初に、n=n
0であることが仮定される。
【数28】
であり、また(式(31)により)x(i)>0であるので、以下の式(47)は、
【数29】
によって表すことができる。式(37)により、
【数30】
又は
【数31】
である。前者が真であると仮定する。その場合、式(46)、式(47)、式(29)、及び式(30)が満たされる。そのため、
【数32】
が式(26)及び式(28)を満たすことで十分である。今度は、後者が真であると仮定する。その場合、式(30)によって、
【数33】
である。また、
【数34】
は、式(26)及び式(28)を満たす。どちらの場合も、式(26)及び式(28)のみが満たされる必要がある。そのため、n=n
0について、補題が証明される。
【0050】
今度は、n≠n
0であると仮定する。簡潔にするため、以下の説明では、単純に括弧で括った番号を使用して、式を参照する。(9)により、
【数35】
である。その場合、補題1により、
【数36】
である。他方、(2)から、
【数37】
である。(31)から、
【数38】
である。その場合、(42)及び(27)から、
【数39】
である。(41)及び(43)から、
【数40】
である。(40)及び(44)から、
【数41】
である。(45)を(44)に代入することで、(36)が得られる。そのため、n≠n
0について、補題が証明される。
【0051】
これ以降、別途言及しない限り、リソース割り当ては補題2に関係しないことが仮定される。言い換えると、すべてのn=1,2について、r
n(i)>0であるような、少なくとも1つのi∈{1,...,N}が存在することを仮定する。そのような仮定の下での(1)の最大化問題についてのキューン−タッカー条件は、
すべてのi=1,...,N、及びすべてのn=1,2について、
【数42】
であり、すべてのn=1,2について、
【数43】
であり、ここで、N(≧2)は、端末の数を表し、i=1,...,Nは、端末インデックスを表し、n=1,2は、リソースグループ番号を表す。
【0052】
b
1(i)=b
2(i)=0は、その場合はスループットがx(i)=0を満たし、(31)に違反するので、排除されることに留意されたい。したがって、すべてのi=1,...,Nについて、以下のうちの1つが満たされる必要がある。
b
1(i)>0、且つb
2(i)=0 (50)
b
1(i)>0、且つb
2(i)>0 (51)
b
1(i)=0、且つb
2(i)>0 (52)
(50)が満たされる場合、(2)、(47)、及び(46)によって、
【数44】
である。(53)を(54)に代入して、同じリソースグループについて整理すると、
【数45】
である。(52)が満たされる場合、対称性によって、
【数46】
である。最後に、(51)が満たされる場合、(47)によって、
【数47】
である。1/x(i)について、(58)及び(59)を整理すると、
【数48】
である。(58)及び(59)に、それぞれb
1(i)及びb
2(i)を乗じて、それらを足し合わせると、
【数49】
である。(53)及び(56)は、それぞれ(50)及び(52)を代入することによって、(61)によっても表し得ることに留意されたい。したがって、3つのケース(50)〜ケース(52)に関係なく、各端末は、
λ
1・b
1(i)+λ
2・b
2(i)=1 (62)
を満たすことになる。また、ケースに応じて、(54)、(57)、及び(60)の1つが満たされることになる。(54)及び(57)において、等号と不等号を区別することによって、各端末は、(62)と、以下のうちの1つを満たすことになる。
【数50】
(63)〜(67)を(62)に代入して、整理すると、
【数51】
である。
【0053】
補題3
(68)が、(1)〜(8)の最大化問題の解である場合、
λ
1+λ
2=N (69)
である。証明を始めるにあたって、(68)が解である場合、それが(3)、(4)、及び(62)を満たすことに留意されたい。すべてのiについて、(62)を足し合わせる。
【数52】
(3)及び(4)を(70)に代入すると、補題が証明される。
【0054】
残りの補題についての説明は、ソートについての以下の説明が、その前置きとなる。(16)におけるようにソートされた区別化係数を用いると、キューン−タッカー条件(68)は、
【数53】
のように書き直すことができる。(16)を利用し、(71)における
【数54】
の場合を整理すると、
【数55】
が得られ、ここで、n
1及びn
2は、0≦n
1<n
2≦N+1を満たす整数であり、n
1=0は、b
1(k)>0、b
2(k)=0であるような、kが存在しないことを表し、n
2=n
1+1は、b
1(k)>0、b
2(k)>0であるような、kが存在しないことを表し、n
2=N+1は、b
1(k)=0、b
2(k)>0であるような、kが存在しないことを表す。
【0055】
リソースグループシェアがともに非ゼロ(すなわち、b
1(k)>0、且つb
2(k))である少なくとも1つの端末が存在する、リソース割り当て方式は、本明細書ではオーバラッピング方式(overlapping scheme)と呼ばれる。それ以外の場合、リソース割り当て方式は、非オーバラッピング方式(non−overlapping scheme)と呼ばれる。(72)、及びその定義によって、非オーバラッピング方式の場合、
n
2=n
1+1 (73)
である。オーバラッピング方式の場合、
n
2=n
1+m (74)
であり、ここで、m=2,...,N−n
1である。ここでは、m=2のみを検査する必要があるが、それというのも、他の場合についてのオーバラッピング方式は、区別化係数分布の限定された場合についてのみ存在し、電力消費及びフィードバックなど、リソース割り当てオーバヘッド問題の観点から、望ましくないためである。ここでは、(72)を(1)〜(8)の最大化問題の解にする、n
1、n
2、λ
1、及びλ
2に関心がある。最初に、以下の補題を証明する。
【0056】
補題4
(72)が(1)〜(8)の最大化問題の解である場合、
n
1≦λ
1 (75)
n
2≧λ
1+1 (76)
である。証明として、最初に、(75)を証明する。n
1=0である場合、(75)は、λ
1>0から直ちに得られる。n
1≧1である場合、1≦k≦n
1であり、
【数56】
であるような、kが存在する。その場合、(3)及び(72)によって、
【数57】
である。したがって、(75)が証明される。今度は、(76)を証明する。n
2=N+1である場合、補題3によって、
n
2=N+1=(λ
1+λ
2)+1 (78)
である。その場合、n
2≧λ
1+1は、λ
2>0、及び(78)から得られる。ここで、n
2≦Nである場合、n
2≦k≦Nであり、
【数58】
であるような、kが存在する。その場合、(4)及び(72)によって、
【数59】
であり、
N−n
2+1≦N−λ
1 (80)
である。したがって、(76)が証明される。(75)及び(76)における等号は、n
2=n
1+1の場合に限って成り立つことに留意されたい。補題3によって、(71)における閾値は、関数
【数60】
を使用して、
【数61】
と表すことができ、ここで、
【数62】
は、G(x)の逆関数である。その場合、以下の補題が成り立つ。
【0057】
補題5
(71)及び(72)を(1)〜(8)の最大化問題の解であるとし、k∈{1,2,...,N}について、
【数63】
である場合、1≦k≦n
1である。
【0058】
補題6
(71)及び(72)を(1)〜(8)の最大化問題の解であるとし、k∈{1,2,...,N}について、
【数64】
である場合、n
2≦k≦Nである。
【0059】
補題7
(71)及び(72)を(1)〜(8)の最大化問題の解であるとし、k∈{1,2,...,N}について、n
1+1≦k≦n
2−1である場合、
【数65】
である。(71)、(72)、及び(81)から、補題5〜補題7を証明するのは簡単であり、したがって、簡潔にするため、それらの証明は除外する。ここでは、上記の補題の逆が一般には真とならないことに留意することが重要である。今から、ケース1〜ケース3の導出に取り組むことにする。
【0060】
G(x)、及びその逆関数
【数66】
は、0≦x<Nの間では、狭義の増加を続けることに留意されたい。また、0≦x<Nの間では、G
−1(x)の値域は、[0,∞)である。他方、d(k)は、k=1,2,...,Nについては単調に減少し、有限の正のd(k)が少なくとも1つ存在する。(それ以外の場合は、解は補題2によって扱うべきである)。したがって、d(N)は、常に有限である。d(0)=∞と置くことによって、G
−1(0)<d(0)、及びG
−1(N)>d(N)である。したがって、いくつかのk=1,2,...,N−1について、G
−1(k)=d(k)であり、又はG
−1(k)=d(k)を満たすような、kは存在せず、k=0,1,...,Kについては、G
−1(k)<d(k)であり、k=K+1,...,Nについては、G
−1(k)>d(k)であり、ここで、K=0,1,...,N−1である。前者は、上で説明されたように、ケース1と呼ばれる。後者は、G
−1(K)<d(K+1)であるかどうかに基づいて、ケース2とケース3にさらに分類される。したがって、いずれの区別化係数分布{d(k),k=1,2,...,N}も、以下の3つのケースのうちの1つに含まれる。
【0061】
ケース1
∃K∈{1,...,N−1} s.t.
d(K)=G
−1(K) (82)
【0062】
ケース2
∃K∈{0,...,N−1} s.t.
G
−1(K)<d(K)、且つG
−1(K+1)>d(K+1) (83)
加えて、
G
−1(K)<d(K+1) (84)
又は、等価的に、
∃K∈{0,...,N−1} s.t.
G(d(K+1))−1<K<G(d(K+1)) (85)
【0063】
ケース3
∃K∈{0,...,N−1} s.t.
G
−1(K)<d(K)、且つG
−1(K+1)>d(K+1) (86)
加えて、
G
−1(K)≧d(K+1) (87)
又は、等価的に、
∃K∈{0,...,N−1} s.t.
G(d(K+1))−1≦K<G(d(K)) (88)
以降のセクションでは、各ケースのついての比例公平リソース割り当てを導出する。
【0064】
ケース1
最初に、以下の補題を証明する。
【0065】
補題8
(71)及び(72)を(1)〜(8)の最大化問題の解であるとする。区別化係数分布{d(k),k=1,2,...,N}が、K∈{1,2,...,N−1}について、G
−1(K)=d(K)である、ケース1に含まれる場合、
λ
1=K (89)
である。これを背理法によって証明する。最初に、K<λ
1であると仮定する。G
−1(x)は狭義の増加を続けるので、
G
−1(K)<G
−1(λ
1) (90)
である。Kの定義から、G
−1(K)=d(K)であるので、
d(K)<G
−1(λ
1) (91)
である。その場合、補題6によって、
n
2≦K≦N (92)
である。仮定、及び(92)によって、
n
2≦K≦λ
1 (93)
である。しかし、補題4によって
n
2≧λ
1+1 (94)
である。これは、(93)と矛盾する。したがって、
λ
1≦K (95)
である。今度は、K>λ
1であると仮定する。G
−1(x)は狭義の増加を続けるので、
G
−1(K)>G
−1(λ
1) (96)
である。Kの定義、及び(96)から、
d(K)>G
−1(λ
1) (97)
である。その場合、補題5によって、
1≦K≦n
1 (98)
である。仮定、及び(98)によって、
λ
1<K≦n
1 (99)
である。しかし、補題4によって、
n
1≦λ
1 (100)
である。これは、(99)に矛盾する。したがって、
K≦λ
1 (101)
である。(95)及び(101)から、補題が得られる。
【0066】
今度は、ケース1について、(1)〜(8)の最大化問題の解として、非オーバラッピング方式を導出し、その後、n
2=n
1+2となるオーバラッピング方式が、ケース1には存在しないことを示す。
【0067】
非オーバラッピング方式
非オーバラッピング方式の場合、(75)及び(76)における等号は、
n
1=λ
1 (102)
n
2=λ
1+1 (103)
である。n
1は整数であるので、(89)及び(102)から
n
1=λ
1=K (104)
及び
n
2=K+1 (105)
である。(104)及び(105)を(72)に代入すると、以下のような、非オーバラッピング割り当て方式が得られ、
【数67】
ここで、K∈{1,...,N−1}であり、
d(K)=G
−1(K) (107)
である。
【0068】
オーバラッピング方式
n
2=n
1+2となるオーバラッピング方式が、ケース1には存在しないことを示す。これを背理法によって証明する。n
2=n
1+2となるオーバラッピング方式が、ケース1の場合に存在すると仮定する。オーバラッピング方式の場合、補題4では、等号が成り立たない。したがって、
n
1<λ
1<n
1+1 (108)
である。しかし、(89)から、λ
1は整数であり、整数は(108)を満たさない。この矛盾のため、n
2=n
1+2となるオーバラッピング方式は、ケース1には存在しないと結論される。
【0069】
次に、ケース2は以下のように考察される。
ケース2
ケースの導出は、以下の補題を使用する。
【0070】
補題9
(71)及び(72)を(1)〜(8)の最大化問題の解であるとする。区別化係数分布{d(k),k=1,2,...,N}が、K∈{0,...,N−1}について、G(d(K+1))−1<K<G(d(K+1))である、ケース2に含まれる場合、
λ
1=G(d(K+1)) (109)
である。補題8の証明において使用したのと同様の技法によって、(109)を証明する。最初に、G(d(K+1))<λ
1であると仮定する。Kの定義から、K<G(d(K+1))であるので、
K<λ
1 (110)
である。その場合、補題4によって、
K<λ
1≦n
2−1 (111)
及び
K+1<n
2 (112)
である。しかし、補題6から、G(d(K+1))<λ
1であるので、
n
2≦K+1 (113)
である。しかし、(113)は(112)と矛盾する。したがって、
G(d(K+1))≧λ
1 (114)
である。そのため、今度は、G(d(K+1))>λ
1であると仮定する。Kの定義から、G(d(K+1))<K+1であるので、
λ
1<K+1 (115)
である。その場合、補題4によって、
n
1≦λ
1<K+1 (116)
及び
n
1<K+1 (117)
である。しかし、補題5から、G(d(K+1))>λ
1であるので、
K+1≦n
1 (118)
である。しかし、(118)は(117)と矛盾する。したがって、
G(d(K+1))≦λ
1 (119)
である。したがって、(114)及び(119)から、補題が得られる。
【0071】
以下では、非オーバラッピング方式が、ケース2には存在しないことを示し、その後、ケース2について、(1)〜(8)の最大化問題の解として、n
2=n
1+2となるオーバラッピング方式を導出する。
【0072】
非オーバラッピング方式
(1)〜(8)の最大化問題の解である非オーバラッピング方式が存在すると仮定し、その場合、補題4では、等号が成り立つ。
n
1=λ
1 (120)
(109)から、
n
1=λ
1=G(d(K+1)) (121)
である。他方、Kの定義によって、
K<G(d(K+1))<K+1 (122)
である。n
1は整数であるので、G(d(K+1))は、(121)によって整数でなければならない。しかし、(122)から、G(d(K+1))は、整数になることができない。したがって、矛盾が存在し、非オーバラッピング方式が、ケース2には存在しないことが証明される。
【0073】
オーバラッピング方式
このサブセクションでは、ケース2について、n
2=n
1+2となるオーバラッピング方式を導出する。補題4によって、
n
1<λ
1<n
1+1 (123)
である。(109)、及びKの定義から、
K<G(d(K+1))=λ
1<K+1 (124)
である。n
1及びKは整数であるので、(123)及び(124)から、
n
1=K (125)
である。n
2=n
1+2であるので、
n
2=K+2 (126)
である。(3)、(72)、及び(125)から、
【数68】
である。(127)及び(109)から、
【数69】
である。(62)及び(128)によって、
【数70】
である。ここで、(72)、(128)、及び(129)から、オーバラッピングリソース割り当て方式が以下のように得られ、
【数71】
ここで、K∈{0,...,N−1}であり、
K<G(d(K+1))<K+1 (131)
λ
1=G(d(K+1)) (132)
λ
2=N−λ
1 (133)
a(K+1)=G(d(K+1))−K (134)
である。
【0074】
最後に、ケース3への取り組みは、以下のようになる。
ケース3
ケース3は、以下の補題に依存する。
【0075】
補題10
(71)及び(72)を(1)〜(8)の最大化問題の解であるとする。区別化係数分布{d(k),k=1,2,...,N}が、K∈{0,...,N−1}について、G(d(K+1))≦K<G(d(K))である、ケース3に含まれる場合、
λ
1=K (135)
である。(135)の証明は、K<λ
1を仮定することによって開始する。G
−1(x)は狭義の増加を続けるので、
G
−1(K)<G
−1(λ
1) (136)
である。Kの定義から、G(d(K+1))≦Kであるので、
d(K+1)≦G
−1(K)<G
−1(λ
1) (137)
である。その場合、補題6によって、
n
2≦K+1≦N (138)
である。仮定、及び(138)によって、
n
2≦K+1<λ
1+1 (139)
である。しかし、補題4によって、
n
2≧λ
1+1 (140)
である。これは(139)と矛盾する。したがって、
λ
1≦K (141)
である。今度は、K>λ
1であると仮定する。G
−1(x)は狭義の増加を続けるので、
G
−1(K)>G
−1(λ
1) (142)
である。Kの定義、及び(142)から、
d(k)>G
−1(λ
1) (143)
である。その場合、補題5によって
1≦K≦n
1 (144)
である。仮定、及び(144)によって
λ
1<K≦n
1 (145)
である。しかし、補題4によって、
n
1≦λ
1 (146)
である。これは(145)と矛盾する。したがって、
K≦λ
1 (147)
である。(141)及び(147)から、補題が得られる。
【0076】
今度は、ケース3について、(1)〜(8)の最大化問題の解として、非オーバラッピング方式を導出し、その後、n
2=n
1+2となるオーバラッピング方式が、ケース3には存在しないことを示す。
【0077】
非オーバラッピング方式
非オーバラッピング方式の場合、補題4では、等号が成り立つ。
n
1=λ
1 (148)
n
2=λ
2+1 (149)
n
1は整数であるので、(135)から、
n
1=λ
1=K (150)
及び
n
2=K+1 (151)
である。(150)及び(151)を(72)に代入すると、以下のように、非オーバラッピングリソース割り当て方式が得られ、
【数72】
ここで、K∈{1,...,N−1}であり、
G(d(K+1))≦K<G(d(K)) (153)
である。
【0078】
オーバラッピング方式
n
2=n
1+2となるオーバラッピング方式が、ケース3には存在しないことを、背理法で示す。n
2=n
1+2となるオーバラッピング方式が、ケース3に存在すると仮定する。オーバラッピング方式の場合、補題4では、等号が成り立たない。したがって、
n
1<λ
1<n
1+1 (154)
である。(135)から、λ
1は整数でなければならない。しかし、整数は(154)を満たさない。得られた矛盾によって、n
2=n
1+2となるオーバラッピング方式が、ケース3には存在しないと結論される。
【0079】
オーバラッピング方式が実施されるか、それとも非オーバラッピング方式が実施されるかに関係なく、得られた方式は、ケース1〜ケース3の3つのケースのいずれでも機能する必要がある。しかし、先のセクションにおいて示されたように、非オーバラッピング方式も、オーバラッピング方式も、その要件を満たすことができない。そのため、2つの方式の間の適応的交換(adaptive switching)が、実施のために必要である。
【0080】
以下の説明は、
図8に関して説明された、(1)〜(8)の最大化問題の解の単一の形を証明する。具体的には、
【数73】
であり、ここで、K∈{0,1,...,N−1}は、
G(d(K+1))−1≦K<G(d(K)) (156)
を満たし、
λ
1=max(G(d(K+1)),K) (157)
λ
2=N−λ
1 (158)
a(K+1)=max(G(d(K+1))−K,0) (159)
である。
【0081】
ケース1
最初に、ケース1は、(156)のLHSにおける等号が成り立つ場合と等価であることに留意されたい。すなわち、K∈{0,...,N−1}について、
G(d(K+1))=K+1 (160)
である。(160)を(157)及び(159)に代入すると、
λ
1=K+1 (161)
a(K+1)=1 (162)
が得られる。(155)、(161)、(158)、及び(162)から、
【数74】
である。その場合、
【数75】
と置くことによって、(160)及び(163)から、(106)及び(107)が得られる。したがって、(155)〜(159)は、ケース1について、(1)〜(8)の最大化問題の非オーバラッピング解を正しく表している。
【0082】
ケース2
ケース2は、(84)が成り立ち、また(156)の不等号が成り立つ場合である。(84)によって、G
−1(K)<d(K+1)であるので、(157)及び(159)から、
λ
1=max(G(d(K+1)),K)=G(d(K+1)) (164)
a(K+1)=max(G(d(K+1))−K,0)=G(d(K+1))−K (165)
である。(164)及び(165)は、それぞれ(132)及び(134)と同じである。したがって、(155)から(159)は、ケース2について、(1)〜(8)の最大化問題のオーバラッピング方式の解を正しく表している。
【0083】
ケース3
ケース3は、(87)が成り立ち、また(156)の不等号が成り立つ場合である。(87)によって、G
−1(K)≧d(K+1)であるので、(157)及び(159)から、
λ
1=K (166)
a(K+1)=0 (167)
である。(166)及び(167)を(155)に代入することで、(152)が得られる。したがって、(155)から(159)は、ケース3について、(1)〜(8)の最大化問題の非オーバラッピング解を正しく表している。
【0084】
図9に関して上で説明したように、(155)〜(159)の代替解は、
【数76】
によって与えられ、ここで、
【数77】
は、xを超えない最大の整数を返すフローリング関数であり、
λ=max(G(d(K+1)),K) (169)
であり、K∈{0,1,...,N−1}は、
G(d(K+1))−1≦K<G(d(K)) (170)
を満たす。2つの表現の等価性を示すことは、
【数78】
から容易である。
【0085】
これから、アルゴリズム2〜アルゴリズム4を説明するが、それらの比例公平性を示すための数学的な分析は、アルゴリズム1について上で説明された分析と類似しているため、要点だけを説明する。最初に、アルゴリズム3を説明する。アルゴリズム3は、ソートされた区別化係数のインデックス付けが、アルゴリズム1の場合の1ではなく、任意の整数aから開始するという点で、上で説明されたアルゴリズム1のより一般的な形であるにすぎない。ソートされた区別化係数のそのようなインデックス付け替えは、ソフトウェアによる解法が、アルゴリズム3を実施するのによりわずかなメモリしか必要としない点で有利である。
【0086】
アルゴリズム3も、区別化係数を単調減少順にソートするが、k=a,a+1,...,a+N−1というように、k=aからインデックス付けを行う。そのようなインデックス付けも、アルゴリズム1に関して説明されたように、N個の端末をカバーするが、1から開始せず、代わりに、任意の整数aから開始し、整数aは、正又は負とすることができる。その場合、境界端末は、G(d(K+1))−1≦K<G(d(K))であるような、インデックスK∈{a−1,a,...,a+N−2}に関して定義され、境界決定関数G(x)は、(a−1+(N+a−1)x)/(1+x)に等しい。そのような境界定義は、
図8の動作805に類似していることが理解できる。同様に、第1のリソースグループシェアb
1(k)及び第2のリソースグループシェアb
2(k)は、ステップ810に類似して、以下のように定義することができ、kが集合{a,a+1,...,K}の要素である場合、b
1(k)=1/λ
1、及びb
2(k)=0である。他方、kがK+1に等しい場合、リソースグループシェアは、b
1(k)=α/λ
1、及びb
2(k)=(1−α)/λ
2によって与えられる。最後に、kが集合{K+2,...,a+N−1}の要素である場合、リソースグループシェアは、b
1(k)=0、及びb
2(k)=1/λ
2によって与えられ、ここで、λ
1は、max(G(d(K+1)),K)−a+1に等しく、λ
2は、N−λ
1に等しく、αは、λ
1−K+a−1に等しく、今度はこれが、max(G(d(K+1))−K,0)に等しい。アルゴリズム3のための代替的な表現は、
図9に関して、また
図10及び
図11に関して説明されたように、それらに類似して導出することができる。
【0087】
アルゴリズム1とは対照的に、アルゴリズム2は、1に等しいkからNまでによってインデックス付けされる区別化係数を、単調増加順にソートする。その場合、境界端末は、G(d(K))<K≦G(d(K−1))+1であるような、インデックスK∈{2,3,...,N+1}に関して定義され、境界決定関数G(x)は、(N+1+x)/(1+x)に等しい。この境界定義も、
図8の動作805に類似している。同様に、第1のリソースグループシェアb
1(k)及び第2のリソースグループシェアb
2(k)は、ステップ810に類似して、以下のように定義することができ、kが集合{1,...,K−2}の要素である場合、b
1(k)=0、及びb
2(k)=1/λ
2である。他方、kがK−1に等しい場合、b
1(k)=α/λ
1、及びb
2(k)=(1−α)/λ
2である。最後に、kが集合{K,...,N}の要素である場合、b
1(k)=1/λ
1、及びb
2(k)=0であり、ここで、λ
2は、min(G(d(K−1)),K)−1に等しく、λ
1は、N−λ
2に等しく、αは、(K−1−λ
2)に等しく、今度はこれが、max(K−G(d(K−1)),0)に等しい。アルゴリズム2のための代替的な表現は、
図9に関して、また
図10及び
図11に関して説明されたように、それらに類似して導出することができる。
【0088】
アルゴリズム4は、ソートされた区別化係数が、アルゴリズム3におけるように、aからa+N−1までによってインデックス付けされる、アルゴリズム2の一般的な場合である。その場合、境界端末は、G(d(K))<K≦G(d(K−1))+1であるような、インデックスK∈{a+1,a+2,...,a+N}に関して定義され、境界決定関数G(x)は、(N+a+ax)/(1+x)に等しい。やはり、この境界定義も、
図8のステップ805に類似している。同様に、第1のリソースグループシェアb
1(k)及び第2のリソースグループシェアb
2(k)は、ステップ810に類似して、以下のように定義することができ、kが集合{a,a+1,...,K−2}の要素である場合、b
1(k)=0、及びb
2(k)=1/λ
2である。他方、kがK−1に等しい場合、リソースグループシェアは、b
1(k)=α/λ
1、及びb
2(k)=(1−α)/λ
2によって与えられる。最後に、kが集合{K,...,a+N−1}の要素である場合、リソースグループシェアは、b
1(k)=1/λ
1、及びb
2(k)=0によって与えられ、ここで、λ
2は、min(G(d(K−1)),K)−aに等しく、λ
1は、N−λ
2に等しく、αは、K−a−λ
2に等しく、今度はこれが、max(K−G(d(K−1)),0)に等しい。
【0089】
どのアルゴリズムを実施するかに関係なく、リソースグループの割り当ては、アップリンク又はダウンリンクのどちらにも適用することができる。基地局は、アップリンクデータレートを直接的に測定することができる。しかし、ダウンリンクデータレートは、好ましくは、端末によって決定される。したがって、以下でさらに説明される
図12のステップ1200は、必ずしもアップリンク用である必要はなく、好ましくは、ダウンリンクにおいて使用することができる。
【0090】
ダウンリンク割り当てのために必要とされるオーバヘッドが、
図12に示されている。端末は、そのダウンリンクレートを決定し、ステップ1200において、区別化係数を導出するための情報を送付する。その際、各端末は、ステップ1200において直接的に区別化係数を基地局に送信できるように、ダウンリンクレートを測定し、区別化係数を決定することができる。代替として、端末は、基地局が区別化係数を決定するように、ステップ1200において単にレートを送信することができる。基地局は、各端末を1つ又は複数のどのリソースグループと関連付けるべきかを表す表示1205を、端末に送信することができる。その後、端末は、ステップ1210において、対応する(1つ又は複数の)関連付けを確認することができる。
【0091】
関連付けは、端末とネットワークノードの協調を必要とすることがある、また別の例である。関連付けは、端末を1つ又は複数のどのリソースグループと関連付けるべきかについての知識に基づいて、あるメッセージをネットワークに送信することを、端末に要求することがある。例えば、キャリアアグリゲーションシナリオでは、活動化される1つ又は複数のCCは、ネットワークによって決定され、端末に伝えられる。その後、端末は、関連付けを完了するために、CC活動化メッセージをネットワークに送信する。リソースパーティションシナリオでは、ネットワークが、1つ又は複数のどのリソースパーティションを端末が監視すべきかを決定し、その決定を端末に伝える。端末は、この関連付け表示に応答して、対応するリソースパーティション(複数可)を監視し、リソースパーティションについての測定レポートをネットワークに送信する。ハンドオフシナリオでは、ネットワークが、どのセルに端末がハンドオフすべきかを決定する。応答として、端末は、ハンドオフ関連メッセージをネットワークに送信する。
【0092】
図13は、
図12に関して説明されたダウンリンク割り当てを実行するように構成された、基地局600及び移動局650を示している。移動局650内の送信/受信モジュール665は、各リソースグループについてのダウンリンクデータレートを測定できるように、測定ユニット675に結合する。得られたレートは、経路605として象徴的に示されるように、基地局600に送信される。基地局600は、上で説明されたアルゴリズム1〜アルゴリズム4の1つに従って比例公平ダウンリンク割り当てを決定するプロセッサ635を含む。得られた割り当ては、メモリ640内に記憶することができ、象徴的な経路605を介して移動局650に返信することもできる。その後、移動局650は、計算されたリソース割り当てシェアに従って送信/受信モジュール620において生成されたダウンリンク送信を基地局605から受信し始めることができる。
【0093】
本発明の上で説明された実施形態は、多くの可能な実施形態を代表するものである。したがって、本発明から逸脱することなく、開示された事柄に様々な変更及び修正を施し得ることは、当業者には明らかであろう。添付の特許請求の範囲は、本発明の真の主旨及び範囲内に含まれるものとして、そのようなすべての変更及び修正を包含する。