(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の発光部材と第2の発光部材と電池とを備える照明装置であって、常用時には電源から供給される電力により前記第1の発光部材を点灯させ、電源が停止する停電時には前記電池から供給される電力により前記第2の発光部材を点灯させる照明装置において、
前記電池を充電する充電回路と、
常用時に点灯要求を受け付けたことを検出した場合に点灯検出信号を出力し、常用時に消灯要求を受け付けたことを検出した場合に消灯検出信号を出力する検出回路と、
前記検出回路から点灯検出信号を入力した場合に、電源から前記第1の発光部材に電力が供給されるように制御して前記第1の発光部材を点灯させ、電源から前記第2の発光部材に電力が供給されないように制御して前記第2の発光部材を消灯させ、電源から前記充電回路に電力が供給されるように制御して前記電池を充電する点灯時制御回路と、
前記検出回路から消灯検出信号を入力した場合に、電源から前記第1の発光部材に電力が供給されないように制御して前記第1の発光部材を消灯させ、電源から前記第2の発光部材に電力が供給されるように制御して前記第2の発光部材を点灯させ、電源から前記充電回路に電力が供給されるように制御して前記電池を充電する消灯時制御回路と、
停電を検知する停電時制御回路であって、停電を検知した場合に前記電池から電力が供給される停電時制御回路と、
前記停電時制御回路により制御される第1の非常点灯回路であって、停電時に前記第2の発光部材に前記電池の電力を供給することにより前記第2の発光部材を点灯する第1の非常点灯回路と、
前記停電時制御回路により制御される第2の非常点灯回路であって、停電時に前記第1の発光部材に前記電池の電力を供給することにより前記第1の発光部材を点灯する第2の非常点灯回路と
を備えることを特徴とする照明装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
本実施の形態に係る照明器具100aは、例えば、階段の踊り場の壁面や、傾斜路の壁面に設置される照明装置であり、非常灯を兼ねる階段通路誘導灯(いわゆる、非常灯兼用階段通路誘導灯)である。非常灯兼用階段通路誘導灯は、階段の踊り場等に設置される防災用照明器具であり、常用時は通常の照明器具として機能するとともに、停電時等には避難者が安全かつ迅速に避難できるように誘導するためのものである。非常灯兼用階段通路誘導灯は、非常灯の要件を満たすために、停電しても避難活動が可能なように、光源が電球の場合は最低1ルクス(光源が蛍光ランプの場合は2ルクス)の照度を確保するように設計されている。
【0014】
以下、常用時とは、常用電源(商用電源)が稼働している状態であり、停電時あるいは非常時とは、常用電源(商用電源)が停止した状態をいうものとする。
【0015】
図1は、本実施の形態に係る照明器具100aを示す模式図であり、(a)はシーリングカバー110を外した状態の正面図、(b)は側面視断面図である。
図2は、比較のための組込型非常用照明器具800の回路図である。
図3は、本実施の形態に係る照明器具100aの回路図である。
図1〜
図3を用いて、本実施の形態に係る照明器具100aの回路構成について説明する。
【0016】
図1に示すように、照明器具100a(照明装置)は、器具本体120、LEDモジュール180a〜180dからなる第1の発光部材180、第2の発光部材190、シーリングカバー110を備える。
【0017】
LEDモジュール180a〜180dは、例えば、基板の発光面181に光源182としてLED(発光ダイオード)が実装されているLED基板である。
図1(a)に示すように、4つのLEDモジュール180a〜180dからなる第1の発光部材180は、各LEDモジュールが四角形の1辺をなすように配置され、全体として四角形をなすように配置されている。
【0018】
図1(a)に示すように、上下方向に沿って配置されているLEDモジュール180a,180cには、基板の発光面181に5つの光源182(LED)が並べて実装されている。上下方向に対して直角方向に配置されているLEDモジュール180b,180dにも、基板に5つの光源182(LED)が並べて実装されている。
【0019】
図1(a)(b)に示すように、LEDモジュール180a〜180dは、発光面181a〜181dが正面方向を向くように器具本体120に配置される。第1の発光部材180(LEDモジュール180a〜180d)は、光の照射方向が主に正面方向であり、常用時に階段の踊り場周辺や通路周辺に照度を与えるための光源である。
【0020】
第2の発光部材190は、基板の発光面191に、例えば、4つの光源192(LED)が並べて実装される。
【0021】
第2の発光部材190は、第1の発光部材180(LEDモジュール180a〜180d)の下側(床面側)に配置される。
図1(a)(b)に示すように、第2の発光部材190は、LEDモジュール180bの床面側にLEDモジュール180bに略平行に配置される。
【0022】
第2の発光部材190は、発光面191が正面方向ではなく、床面方向(下方)を向くように配置される。発光面191が床面方向を向くように配置される第2の発光部材190は、停電時に後述する2次電池140(電池)を電源として点灯する非常用光源であり、主に床面に照度を与えることにより、安全かつ迅速に避難行動ができるようにするための光源である。
【0023】
器具本体120は、第1の発光部材180と第2の発光部材190とを取り付ける光源取付面を有する。また、後述する端子台170、スイッチング電源212、充電回路150a、制御回路150c等を含む点灯装置は、器具本体120の内部に収納される(図示は省略)。
【0024】
図2は、本実施の形態に係る照明器具100aの比較例である組込型非常用照明器具800の回路図である。
【0025】
組込型非常用照明器具800は、常用安定器830、2次電池840、コントロールユニット850、点検スイッチ860、端子台870、主光源880、非常用光源890を備える。組込型非常用照明器具800は、端子台870を介して常用電源910から電力が供給される。主光源880は、例えば、蛍光ランプである。非常用光源890は、例えば、ミニハロゲンランプである。
【0026】
常用安定器830は、常用電源910からの交流電圧を直流電圧に変換するなどして、常用時に主光源880である蛍光ランプを点灯させる。常用安定器830には、常用電源910に接続された端子cと端子bとが接続され、常用電源910、端子c、常用安定器830、主光源880、常用安定器830、端子bからなる常用電源910のループが形成される。このループより、常用安定器830は、常用時に常用電源910を電源として主光源880である蛍光ランプを点灯させる。
【0027】
端子台870の端子bは、壁スイッチ911(遠隔操作スイッチ)を介して常用電源910に接続しているため、壁スイッチ911をオフにすれば常用安定器830に常用電源910の電力は供給されず、主光源880は消灯する。
【0028】
コントロールユニット850は、充電回路850aと、切替制御回路850bとを備える。コントロールユニット850には、常用電源910に接続された端子cと端子aとが接続され、常用時には、常用電源910、端子c、コントロールユニット850、2次電池840、コントロールユニット850、端子aからなる常用電源910のループが形成される。このループより、コントロールユニット850は、常用時に常用電源910を電源として2次電池840を充電する。
【0029】
また、停電時には、コントロールユニット850は、2次電池840を電源として非常用光源890を点灯する。
【0030】
充電回路850aは、常用電源910からの交流電圧を直流電圧に変換するなどして、直流電圧を切替制御回路850bに供給する。
【0031】
切替制御回路850bは、常用電源910があるときは2次電池840を充電し、常用電源910が停止して停電状態になったら、2次電池840の電力により非常用光源890(ミニハロゲンランプ)を点灯させる。
【0032】
点検スイッチ860は、停電時(非常時)の動作を模擬し、停電時に非常用光源890が点灯するかどうか確認するためのスイッチである。点検スイッチ860は、端子cと常用安定器830及びコントロールユニット850との間に配置される。点検スイッチ860をオフにすることにより、常用安定器830及びコントロールユニット850への電力の供給を模擬的に遮断することができる。
【0033】
図2に示すように、壁スイッチ911がオフされると、常用電源910、端子c、常用安定器830からなるループが切断され、主光源880が消灯する。壁スイッチ911がオフされても、常用電源910、端子c、コントロールユニット850、非常用光源890、コントロールユニット850からなるループには影響がなく、非常用光源890は消灯したままであり、2次電池840の充電が継続される。
【0034】
以上のように、組込型非常用照明器具800は、例えば、夜間、人が不在な時などに壁スイッチ911等で消灯されてしまうと、常夜灯として機能しない。また、例えば、人感センサ等を組合せて、人がいる場合に点灯させるように構成しても、点灯するのは蛍光ランプであり常夜灯としての目的のものではなく、省エネという観点では満足できるものではない。また、ミニハロゲンランプは寿命が短いため常夜灯としての光源に用いることは不適当である。
【0035】
次に、本実施の形態に係る照明器具100aの回路構成について、
図3を用いて説明する。
【0036】
照明器具100aは、2次電池140、充電回路150a、制御回路150c、非常点灯回路150d、点検スイッチ160、端子台170、第1の発光部材180、第2の発光部材190、スイッチング電源112、第1のスイッチ131、第2のスイッチ132、消灯検出回路115、明るさ設定回路117、明るさセンサ119を備える。
【0037】
スイッチング電源112は、例えば、絶縁型のフライバック回路などを備えたスイッチングコンバータである。
【0038】
制御回路150cは、マイクロコンピュータなどを内蔵し、照明器具100aの回路全体の制御を実行する。充電回路150aは、スイッチング電源112からの電源供給を受け、2次電池140を充電する。
【0039】
第1のスイッチ131は、第1の発光部材180に並列に電気接続され、第2のスイッチ132は、第2の発光部材190に並列に電気接続される。また、第3のスイッチ133は、スイッチング電源112と第1の発光部材180及び第2の発光部材190を切り離すことができるように電気接続される。
【0040】
点検スイッチ160は、制御回路150cに接続され、照明器具100aの回路を模擬的に停電状態とするための点検用のスイッチである。例えば、制御回路150cが、点検スイッチ160がオンされたことを検知するとスイッチング電源112を停止させるよう制御すれば、常用電源910を遮断しなくても停電を模擬することができ、非常点灯時の状態を確認することができる。
【0041】
これにより、利用者は、非常時に照明器具100aが正しく動作するかどうかを点検することができる。点検スイッチ160は、例えば、リモートコントロールにより操作できるものでもよい。
【0042】
非常点灯回路150dは、2次電池140の電圧を昇圧するなどして、非常時に点灯する第2の発光部材190が適切に点灯できるように動作する回路である。
【0043】
常用電源910と端子台170の端子bとの間には、壁スイッチ911が配置される。壁スイッチ911は、例えば、リモートコントロールにより操作できるものでもよい。
【0044】
消灯検出回路115は、端子台170の端子bに接続され、壁スイッチ911のオン状態、あるいはオフ状態を検出する。
【0045】
消灯検出回路115は、壁スイッチ911のオンを検出すると、点灯検出信号を制御回路150cに出力する。また、消灯検出回路115は、壁スイッチ911のオフを検出すると、消灯検出信号を制御回路150cに出力する。
【0046】
消灯検出回路115は、常用時に、壁スイッチのオン(点灯要求)を受け付けたことを検出した場合に点灯検出信号を出力し、常用時に、壁スイッチのオフ(消灯要求)を受け付けたことを検出した場合に消灯検出信号を出力する検出回路である。
【0047】
明るさ設定回路117は、常夜灯として機能する第2の発光部材190の明るさを設定する回路である。
【0048】
明るさセンサ119は、照明器具100aの周囲の明るさを検知するセンサである。例えば、明るさセンサ119は、周囲の明るさを検知して、明るさを示す明るさ検知信号を制御回路150cに出力する。制御回路150cは、明るさセンサ119からの明るさ検知信号により、夜間などを検知する。
【0049】
次に、
図3を用いて、照明器具100aの回路の常用時の動作について説明する。
【0050】
制御回路150c(点灯時制御回路)は、消灯検出回路115から点灯検出信号を入力した場合に、常用電源910から第1の発光部材180に電力が供給されるように制御して第1の発光部材180を点灯させ、常用電源910から第2の発光部材190に電力が供給されないように制御して第2の発光部材190を消灯させ、常用電源910から充電回路150aに電力が供給されるように制御して2次電池140を充電する。
【0051】
常用時、照明器具100aの回路には、常用電源910から端子台170を介して電源が供給される。端子台170の端子cと端子aとに常用電源910が印加され、スイッチング電源112が動作する。
【0052】
制御回路150cは、常用時、スイッチング電源112から電力が供給される。制御回路150cは、第1のスイッチ131をオフ、第2のスイッチ132をオンに制御する。この制御により、スイッチング電源112から第1の発光部材180に電力が供給されるが、スイッチング電源112から第2の発光部材190には電力が供給されない。
【0053】
つまり、常用時、スイッチング電源112、第1の発光部材180、第2のスイッチ132、スイッチング電源112に戻る閉ループが形成され、第1の発光部材180のみが点灯する。
【0054】
一方、スイッチング電源112の出力は、充電回路150aにも電力を供給し、充電回路150aは2次電池140を充電する。
【0055】
次に、
図3を用いて、照明器具100aの回路の停電時の動作について説明する。
【0056】
まず、停電等により常用電源910から電力が供給されなくなると、スイッチング電源112が停止する。スイッチング電源112は常用電源910からの電力により動作するため、制御回路150cは、スイッチング電源112の動作(スイッチング回路の発振停止状態を含む)により、停電か否かを判別する。あるいは、常用電源910から電力が供給されているか否かを直接的に判別する停電検出回路を追加して、制御回路150cは停電検出回路からの信号により停電を検知するように構成してもよい。
【0057】
制御回路150c(停電時制御回路)は、停電を検知すると、2次電池140からの電力供給を受ける。そして、制御回路150c(停電時制御回路)は、非常点灯回路150dが2次電池140から電力供給を受けるように制御する。
【0058】
非常点灯回路150d(第1の非常点灯回路)は、2次電池140を電源として第2の発光部材190を点灯する。
【0059】
つまり、常用電源910が遮断され停電になると、スイッチング電源112は停止するので2次電池140から制御回路150cに電源を供給し、非常点灯回路150dを制御回路150cで動作させる。
【0060】
制御回路150cは、第1のスイッチ131をオン、第2のスイッチ132をオフに制御する。この制御により、非常点灯回路150d、第1のスイッチ131、第2の発光部材190、非常点灯回路150dの閉ループが形成され、2次電池140による電源で第2の発光部材190のみが点灯される。
【0061】
このとき、第2の発光部材190の明るさは、非常灯として法律で決まっている明るさの範囲を確保するように非常点灯回路150dに予め設定しておく。つまり、第2の発光部材190が停電時の非常灯として機能する場合には、外部から明るさの設定ができないようにしておくことが望ましい。
【0062】
次に、壁スイッチ911がオフされた場合の照明器具100aの回路の動作について説明する。壁スイッチ911がオフされた場合は、上述したように、消灯検出回路115から制御回路150cに消灯検出信号が出力される。
【0063】
制御回路150c(消灯時制御回路)は、消灯検出回路115から消灯検出信号を入力した場合に、常用電源910から第1の発光部材180に電力が供給されないように制御して第1の発光部材180を消灯させる。また、制御回路150c(消灯時制御回路)は、常用電源910から第2の発光部材190に電力が供給されるように制御して第2の発光部材190を点灯させる。また、制御回路150c(消灯時制御回路)は、常用電源910から充電回路150aに電力が供給されるように制御して2次電池140を充電する。
【0064】
端子台170の端子bは、壁スイッチ911(遠隔操作スイッチでもよい)を介して常用電源910に接続される。消灯検出回路115は、端子bと常用電源910との間の信号が遮断されたことを検出し、消灯検出信号を制御回路150c(マイコン)に出力する。
【0065】
制御回路150cは、消灯検出信号を入力した場合に、第3のスイッチ133をオフにして、第1の発光部材180及び第2の発光部材190への電源供給を停止し、2次電池140の充電のみを継続する制御とすることも可能である。
【0066】
しかし、第2の発光部材190を常夜灯として機能させるために、制御回路150cは、消灯検出信号を入力すると、第1の発光部材180及び第2の発光部材190への電源供給を停止する第3のスイッチ133はオフしない。制御回路150cは、第3のスイッチ133はオンのままで、第1のスイッチ131をオン、第2のスイッチ132をオフに制御する。
【0067】
照明器具100aの回路は、第1のスイッチ131をオン、第2のスイッチ132をオフに制御されると、第1の発光部材180は消灯し、第2の発光部材190のみが点灯する。これにより、第2の発光部材190を常夜灯として機能させることができる。
【0068】
明るさ設定回路117は、制御回路150cに対して、第2の発光部材190を常夜灯として点灯する場合の第2の発光部材190の明るさを設定する回路である。明るさ設定回路117は、設定された明るさを明るさ設定信号として制御回路150cに入力する。
【0069】
制御回路150cは、明るさ設定回路117から入力した明るさ設定信号に応じて、スイッチング電源112の出力を制御することにより、常夜灯として機能する第2の発光部材190の明るさを制御する。
【0070】
例えば、明るさ設定回路117には、予め第2の発光部材190が常夜灯として点灯する場合の明るさを設定しておいてもよい。あるいは、外部からのボリューム操作により常夜灯の明るさを設定する回路としてもよい。あるいは、切替スイッチなどのような回路として段調光のような制御をしたり、外部からリモコンなどで信号を送ることで連続的に可変することもできるようにしてもよい。
【0071】
また、明るさ設定回路117に設定される第2の発光部材190の常夜灯としての明るさは、設置する場所に応じて管理者により設定されるとしてもよい。例えば、常夜灯としての明るさを明るくすることで、第1の発光部材180を点灯させなくても、階段を行き来するのに足りる明るさを得ることが可能である。また、第2の発光部材190の光源にLEDを用いることにより、光源の寿命を案ずることなく十分な明るさで長時間点灯することができる。このように常夜灯としての明るさを設定することにより、人の少ない夜間は壁スイッチ911をオフしても常夜灯だけで安全や防犯の効果があり、省エネを図ることができる。
【0072】
あるいは、常夜灯の明るさは、非常灯として点灯する際の規定の明るさ(法律上定められている避難するのに最低限必要な明るさ)で点灯してもよいし、常用点灯時の第1の発光部材180と同様の明るさとしてもよいし、常用点灯時の第1の発光部材180よりも控えめな明るさに設定してもよい。
【0073】
ただし、どのように設定したとしても、常用電源910が遮断され停電状態となった場合には、非常点灯回路150dが動作し、2次電池140を電源として第2の発光部材190を非常点灯時の規定の明るさ以上で点灯させる。
【0074】
次に、第2の発光部材190を常夜灯として機能させる場合の、照明器具100aの回路の点灯バリエーションについて説明する。
【0075】
本実施の形態における照明器具100aによれば、壁スイッチ911がオフされても、スイッチング電源112には常用電源910から電力か供給され、制御回路150cにはスイッチング電源から電力が供給されているので、制御回路150cが動作可能である。
【0076】
また、消灯検出回路115と明るさ設定回路117と明るさセンサ119とは、制御回路150cに接続される構成なので、壁スイッチ911がオフされても消灯検出回路115と明るさ設定回路117と明るさセンサ119とは、制御回路150から電源供給され動作可能である。そこで、照明器具100aの回路において、次のような動作も可能である。
【0077】
上述したように、明るさセンサ119は、壁スイッチ911のオンオフに関わらず動作可能であるので、制御回路150cは明るさセンサ119から入力する明るさ検知信号に基づいて、以下のように制御することもできる。
【0078】
制御回路150cは、明るさ検知信号に基づいて夜間を検知すると、壁スイッチ911のオンオフに関わらず、第2の発光部材190を常夜灯として点灯させるとしてもよい。このとき、第2の発光部材190の常夜灯としての明るさは、常夜灯のみで夜間の足元の明るさを確保できる程度の明るさ以上に設定されていることが好ましい。
【0079】
このように、照明器具100aによれば、明るさセンサ119で検知した明るさに適応し、第1の発光部材180を自動的に消灯し、第2の発光部材190を自動的に点灯させることで、省エネを図ることができる。
【0080】
以上のように、本実施の形態に係る照明器具100aによれば、壁スイッチ911の信号を消灯用の信号(消灯検出信号)として制御回路150cに入力し、制御回路150cにより第1の発光部材180を消灯制御する方式である。したがって、明るさセンサ119で検出した信号(明るさ検知信号)を制御回路150cに入力することで、壁スイッチ911のオンオフに関わらず、制御回路150cは明るさ検知信号に基づいて常用時の第1の発光部材180の点灯・調光・消灯制御を行なうことができる。
【0081】
照明器具100aにおいて、常夜灯としての機能は極力活かしたいため、壁スイッチ911、明るさセンサ119、常用電源910の状態を制御回路150cにおいて判断する優先順位は、常用電源有無>明るさセンサ>壁スイッチとすることが好ましい。このような優先順位とすることで、制御回路150cは、壁スイッチ911がオフになっていても、明るさセンサ119で明るさが確保されているようであっても、停電となった際には必ず第2の発光部材190が非常灯として点灯し、非常時に円滑に避難する明るさを確保ことができる。
【0082】
以上のように、本実施の形態に係る照明器具100aの回路構成によれば、壁スイッチ911をオフした場合でも、第2の発光部材190を常夜灯として点灯させることができる。また、第2の発光部材190は、下面(床面)発光用の光源とするとともに常夜灯として点灯できるようにする。これにより、常夜灯としての機能が付加されるとともに、足元を照らす機能を持つ照明器具100aを提供することができる。
【0083】
また、常用光源となる第1の発光部材180とは別に、非常用光源となる第2の発光部材190を配置したので、非常時の2次電池140をコンパクトなものにすることができる。また、上述したように第1の発光部材180とは別に第2の発光部材190を配置したので、常用時に常用点灯する電源と、2次電池を充電する電源を両方備える必要がなく、照明器具100a自体もコンパクトに構成することができる。
【0084】
実施の形態2.
図4は、本実施の形態に係る照明器具100bの回路図である。
図4は、実施の形態1で説明した
図3の回路構成に、さらに構成を追加したものである。
図4では、
図3と同様の機能を有する構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0085】
図4に示すように、照明器具100bは、人感センサ121を備える。人感センサ121は、照明器具100b内に内蔵されており、制御回路151cに接続される。実施の形態1において説明した消灯検出回路115、明るさ設定回路117、明るさセンサ119と同様に、人感センサ121も制御回路150cから電源供給がされるので、壁スイッチ911がオフされても動作可能である。
【0086】
また、
図4に示すように、照明器具100bの回路は、センス抵抗250e,250f,250g(電流調整回路)と、第4のスイッチ134、第5のスイッチ135を備える。
【0087】
第4のスイッチ134は、常用時と非常時(停電時)とで、センス抵抗を切り替えるためのスイッチである。第5のスイッチ135は、スイッチング電源112で動作している時に、第1の発光部材180、第2の発光部材190を調光するためのスイッチである。また、センス抵抗250fは、第5のスイッチ135により切替えられるセンス抵抗である。
【0088】
図4を用いて、本実施の形態の動作を説明する。本実施の形態では、照明器具100bに回路を定電流で動作させる場合について説明する。
【0089】
常用時、照明器具100bの回路は、常用電源910から端子台170を介して電力が供給される。端子台170の端子cと端子aとに常用電源910が印加され、スイッチング電源112が動作する。
【0090】
制御回路150cが第1のスイッチ131をオフ、第2のスイッチ132をオン、第4のスイッチ134をオンに制御すると、スイッチング電源112、第1の発光部材180、第2のスイッチ132、第4のスイッチ134、少なくともセンス抵抗250f,250gのうちのいずれか、スイッチング電源112の閉ループを形成し、第1の発光部材180のみが点灯する。
【0091】
このスイッチング電源112の回路では、センス抵抗250fとセンス抵抗250eとの合成抵抗により電圧が検知される。このスイッチング電源112の回路は、センス抵抗250f,250gを用いた定電流回路であり、スイッチング電源112にセンス電圧が設定されている。スイッチング電源112は、センス電圧が保たれるように回路に電流を流す。そして、制御回路150cがセンス抵抗250fに並列に電気接続されている第5のスイッチ135をオンオフすることにより、回路の抵抗値が変化し、スイッチング電源112が出力する電流が制御され、回路に流れる電流を制御することができる。
【0092】
これにより、常用時、スイッチング電源112の電源により点灯されている第1の発光部材180の調光が可能となる。制御回路150cにより、第2のスイッチ132をオフに制御すれば、第2の発光部材190の点灯も可能であり、第1の発光部材180及び第2の発光部材190の調光も可能である。ただし、第1の発光部材180及び第2の発光部材190の調光も可能な場合は、第1の発光部材180及び第2の発光部材190を同時に調光するのみであり個別に調光はできない。
【0093】
一方、スイッチング電源112の出力は、充電回路150aにも電力を供給し、2次電池140を充電する。
【0094】
停電時、常用電源910から電力が供給されなくなると、スイッチング電源112が停止する。スイッチング電源112の停止により、制御回路150cは2次電池140から電力が供給される。そして、制御回路150cは、非常点灯回路150dを制御し、非常点灯回路150dは、第2の発光部材190に2次電池140の電力を供給することにより第2の発光部材190を点灯する。
【0095】
つまり、常用電源910が遮断され停電になると、スイッチング電源112は停止するので2次電池140から制御回路150cに電力を供給し、非常点灯回路150dを制御回路150cで動作させる。
【0096】
制御回路150cは、第1のスイッチ131をオン、第2のスイッチ132をオフに制御する。この制御により、非常点灯回路150d、第1のスイッチ131、第2の発光部材190、少なくともセンス抵抗250e,250f,250gのうちのいずれか、非常点灯回路150dの閉ループが形成され、2次電池140を電源として第2の発光部材190のみを点灯する。
【0097】
非常点灯回路150dの閉ループ(回路)は、定電流回路であるので、非常点灯回路150dにセンス電圧が設定されている。非常点灯回路150dは、センス電圧が保たれるように回路に電流を流す。したがって、制御回路150cにより、センス抵抗250e,センス抵抗250fにそれぞれ並列に配置されている第4のスイッチ134,第5のスイッチ135をオンオフすることにより、回路の抵抗値が変化し、スイッチング電源112が出力する電流が制御され、回路に流れる電流を制御することができる。
【0098】
これにより、停電時、非常点灯回路150dにより点灯されている第2の発光部材190の調光が可能となる。第1のスイッチ131をオフに制御すれば、第1の発光部材180の点灯も可能であり、第1の発光部材180及び第2の発光部材190の調光も可能である。ただし、この場合は、第1の発光部材180及び第2の発光部材190を同時に調光するのみであり個別に調光はできない。
【0099】
図4に示すように、センス抵抗250f,250e,250gは直列に接続している。通常、スイッチング電源112のような回路では、回路損失の低減のため、定電流帰還のためのセンス電圧が低く設定されている(たとえば0.2V)。非常点灯回路150d用のセンス電圧は0.2〜1.5V程度である。
【0100】
回路に流れる電流は、常用時の方が停電時よりも大きい。これは、光源を点灯させるための電流が常用時の方が大きいためである。したがって、常用時の回路(スイッチング電源112の回路)の抵抗値が、停電時の回路(非常点灯回路150dの回路)の抵抗値よりも小さくなるように、センス抵抗を接続する。
【0101】
具体的には、センス抵抗250e,250f,250gの順に接続されている。スイッチング電源112は、センス抵抗250fの上側で電圧を検知し、非常点灯回路150dは、センス抵抗250eの上側で電圧を検知する。
【0102】
第4のスイッチ134を制御回路150cの信号に従ってオンオフすることで、常用時に動作するスイッチング電源用のセンス抵抗と非常時に動作する非常点灯回路150dのセンス抵抗の値を可変し、常用時と非常時の明るさを変えることができる。例えば、常用時には、制御回路150cは、第4のスイッチ134をオンにしてスイッチング電源112の回路の抵抗値を低くし、停電時には、制御回路150cは、第4のスイッチ134をオフにしてスイッチング電源112の回路の抵抗値を高くする。
【0103】
常用時に、第5のスイッチ135を制御回路150cがオンオフすることにより、スイッチング電源112は発光部材(第1の発光部材180、第2の発光部材190)を調光することが可能となる。第5のスイッチ135がオンしている方が、発光部材(第1の発光部材180、第2の発光部材190)は明るく点灯する。第1の発光部材180や第2の発光部材190を点灯する際に調光状態にすれば、明るさを確保しながら省エネルギーにもつながる。
【0104】
制御回路150cが第1のスイッチ131をオフ、第2のスイッチ132もオフに制御することにより、スイッチング電源112の出力は第3のスイッチ133を介し、第1の発光部材180、第2の発光部材190を点灯し、第4のスイッチ134、第5のスイッチ135を経由し、センス抵抗250gでセンスした電流値をスイッチング電源112に帰還して常用点灯する。このとき、第5のスイッチ135をオフし、抵抗250fとセンス抵抗250gの直列合成抵抗にすれば、第1の発光部材180、第2の発光部材190を調光点灯することができる。
【0105】
第1の発光部材180、第2の発光部材190を点灯するか否かは、第1のスイッチ131及び第2のスイッチ132を制御回路150cで操作することで、選択することができる。
【0106】
停電時には、制御回路150cの制御により、非常点灯回路150dが動作する。制御回路150cは、第4のスイッチ134及び第5のスイッチ135をオフにし、非常点灯回路150d用のセンス抵抗は250e,250f,250gの直列合成抵抗値となるようにする。
【0107】
この制御により、常用時に充電しておいた2次電池140を電源とする非常点灯時に、常用時よりも電流を減らして省エネルギーとすることができる。
【0108】
この非常点灯時のとき、制御回路150cは、第1のスイッチ131はオン、第2のスイッチ132はオフするように制御回路150cで制御して、第2の発光部材190のみが点灯するようにする。
【0109】
図2に示す回路のように、壁スイッチ911をオフにすると、常用安定器830への電源供給が遮断されてしまう回路構成では、壁スイッチ911がオフの場合に、人感センサ121、明るさセンサ119との併用はできない。しかし、本実施の形態のように、壁スイッチ911の信号を消灯用の信号として制御回路150cに入力し、消灯する方式であれば、明るさセンサ119や人感センサ121で検出した信号を制御回路150cに入力することで、第1の発光部材180、第2の発光部材190の点灯・調光・消灯を制御することができる。
【0110】
図5は、本実施の形態における照明器具100bの点灯バリエーションを示す図である。
図6は、本実施の形態における照明器具100bの点灯バリエーションの制御フローを示す図である。
【0111】
図5は、特に常夜灯としての明るさの確保を重視するとした場合の照明器具100bにおける点灯バリエーションである。
図5では、第1の発光部材180と第2の発光部材190の点灯に関係する項目をマトリクス表示し、動作パターンを示している。
図6は、特に常用時の制御回路150cの制御フローを示しており、
図5のパターンNo.1〜8に対応する制御フローを示している。
【0112】
図5、
図6を用いて、照明器具100cの点灯バリエーション(動作パターン)の一例について説明する。
【0113】
本実施の形態の照明器具100bでは、常夜灯としての機能は極力活かしたいため、各構成要素の状態としての優先順位は、常用電源910有無>人感センサ121>明るさセンサ119>壁スイッチ911とすることが好ましい。
【0114】
図5のパターンNo.1〜4に示すように、常用時(
図6のS110でオン)、壁スイッチ911のオンオフに関わらず(
図6のS115、S116でオンオフ)、明るさセンサ119で明るさが確保されているようであっても(
図6のS114で明暗)、人を検知した際には(
図6のS112で在)、常夜灯となる第2の発光部材190は必ず点灯させることとすることもできる(
図6のS119〜S122)。
【0115】
また、
図5のパターンNo.9〜18に示すように、停電時には、第2の発光部材190が必ず点灯し、いざという時でも円滑に避難することができるようにする。
【0116】
図5にはないが、照明器具100cの常夜灯の点灯バリエーションとして、明るさセンサ119で明るさが確保されていたとしても、第1の発光部材180を消灯せずに調光状態で点灯を継続する動作パターンも考えられる。調光状態とは、所定の明るさ以下に明るさを制御して点灯する状態である。
【0117】
第2の発光部材については、非常点灯時の明るさが規定に合う明るさであれば、常用時の常夜灯としての明るさは、第1の発光部材180の常用点灯と同じ明るさにするか、非常点灯時の明るさと同じ明るさにするかを設定することができる。
【0118】
常用電源910、人感センサ121、明るさセンサ119、壁スイッチ911の状態と第1の発光部材180、第2の発光部材190の点灯状態を単純に組合せると更にたくさんの組み合わせは存在するが、実質的な組合せは
図5のNo.1〜18に示す通りになる。
【0119】
例えば、パターンNo.17,18のように、非常時の停電の際には、人が居て、周囲が暗い場合には、第1の発光部材180も点灯させて規定の明るさを確保するようにすれば、足元だけでなく、踊り場全体を照らすことが可能となり、よりスムーズに避難が行なえる効果も期待できる。
【0120】
図5のパターンNo.17,18に示すように、非常時に、第1の発光部材180と第2の発光部材190とを点灯させるためには、制御回路150cは第1のスイッチ131及び第2のスイッチ132をともにオフに制御すればよい。ただし、この場合は、第1のスイッチ131及び第2のスイッチ132を2次電池140により点灯させるので、2次電池140の容量を大きくする必要がある。
【0121】
以上のように、本実施の形態に係る照明器具100cによれば、常用時、壁スイッチのオンオフに関わらず、発光部材(第1の発光部材180,第2の発光部材190)を調光することができる。また、常用時にも調光可能としたことで、省エネの効果が期待できる。
【0122】
実施の形態3.
本実施の形態では、非常時であっても、第1の発光部材180と第2の発光部材190とを点灯可能とするとともに、第1の発光部材180と第2の発光部材190とを個別に点灯制御可能とする回路構成を備えた照明器具100cについて説明する。
【0123】
図7は、本実施の形態に係る照明器具100cを示す回路図である。
図7は、実施の形態2で説明した
図4の回路図に対して、さらに構成を追加したものである。
図7では、
図4と同様の機能を有する構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0124】
図7に示すように、照明器具100cは、第2の非常点灯回路150e、センス抵抗250h、第6のスイッチ136、第9のスイッチ139、第10のスイッチ136aを備える。
【0125】
常用電源910が遮断され、停電になったら、スイッチング電源112は停止する。制御回路150cには、2次電池140から電力が供給され、制御回路150cは、非常点灯回路150dと第2の非常点灯回路150gとを動作させる。
【0126】
センス抵抗250f,250gと、非常点灯回路150d用のセンス抵抗250eと、第2の非常点灯回路150e用のセンス抵抗250hとは直列に接続している。
【0127】
回路に流れる電流は、常用時の方が停電時よりも大きい。これは、光源を点灯させるための電流が停電時よりも常用時の方が大きいためである。したがって、常用時の回路(スイッチング電源112の回路)の抵抗値が、停電時の回路(非常点灯回路150dの回路)の抵抗値よりも小さくなるように、センス抵抗を配置する。
【0128】
具体的には、
図7に示すように、センス抵抗は、センス抵抗250e,250f,250gの順に接続されている。スイッチング電源112は、センス抵抗250fの上側(第9のスイッチ139側)で電圧を検知し、非常点灯回路150dは、センス抵抗250eの上側(第9のスイッチ139側)で電圧を検知する。
【0129】
制御回路150cが、第4のスイッチ134をオンオフすることで、常用時に動作するスイッチング電源112の回路のセンス抵抗値と、非常時に動作する第2の非常点灯回路150e用の回路のセンス抵抗値を可変し、常用時と非常時の明るさを変えることができる。例えば、常用時には、制御回路150cは、第4のスイッチ134をオンにして回路の抵抗値を低くし、停電時には、制御回路150cは、第4のスイッチ134をオフにして回路の抵抗値を高くする。
【0130】
上述のように、センス抵抗は、第2の非常点灯回路150e用センス抵抗250h、非常点灯回路150d用センス抵抗250e、常用・非常用共通のセンス抵抗250f,250gの順に接続されている。
【0131】
常用時には、制御回路150cは、第4のスイッチ134をオンするように制御し、第5のスイッチ135をオンオフすることで、スイッチング電源112用のセンス抵抗はセンス抵抗250gのみ、またはセンス抵抗250f+センス抵抗250gで動作する。
【0132】
第2の非常点灯回路150eは第1の発光部材180と第2の発光部材190の両方を違う明るさで点灯するための回路で、センス抵抗250hとセンス抵抗250eとセンス抵抗250fとセンス抵抗250gとの4つのセンス抵抗の直列合成抵抗で決まる電流値で動作する。
【0133】
停電時には、制御回路150cで第4のスイッチ134をオフにし、非常点灯回路150d用のセンス抵抗は250eと250fと250gの直列合成抵抗値となるようにする。また、停電時には、同様に、第2の非常点灯回路150eは、センス抵抗250hと250eと250fと250gの合成抵抗でセンスする。
【0134】
第2の非常点灯回路150eがセンスする電流は、第9のスイッチ139を介してセンス抵抗に流れる。こうすることによって、常用時よりも非常時の方が流れる電流が小さい非常点灯状態とすると共に、第1の発光部材180に流れる電流は第2の発光部材190に流れる電流よりも少なくして点灯することができる。
【0135】
この非常点灯のとき、第1のスイッチ131、第2のスイッチ132は共にオフするように制御回路150cで制御し、第1の発光部材180も第2の発光部材190も点灯させる。
【0136】
以上のように、本実施の形態に係る照明器具100cの回路によれば、ひとつの回路で、例えば、第2の発光部材190を点灯し、更に第1の発光部材180を点滅させるように、制御回路150cにより第1のスイッチ131を制御することができる。
【0137】
更に、照明器具100dの非常点灯時の動作のバリエーション(点灯バリエーション)について説明する。第2の発光部材190は、周囲が暗い時に足元の明るさを確保することが目的の光源として使用するものである。また、第1の発光部材180は、避難経路、階段の所在を明らかにする、あるいは目立ちやすくすることが目的となる。避難経路、階段の所在を目立ちやすくする方法として、光源である第1の発光部材180を点滅させるのが有効である。
【0138】
図8は、本実施の形態に係る照明器具100dの非常時における第1の発光部材180と第2の発光部材190との点灯状態の組み合わせを示す図である。
図9は、本実施の形態に係る照明器具100dの非常時における第1の発光部材180及び第2の発光部材190の点灯状態制御のフロー図である。
図10は、本実施の形態に係る照明器具100dの非常時における第1の発光部材180及び第2の発光部材190の点灯状態制御のフロー図である。
【0139】
本実施の形態では、照明器具100cにおける非常点灯時に、第1の発光部材180が点滅する要素を加えている。
図8に示すように、非常時には第2の発光部材190は、非常灯として機能するので、非常点灯状態である。したがって、第1の発光部材180の点灯、点滅、調光、消灯状態と組み合わせて、
図8の4つの組み合わせパターンが考えられる。
【0140】
図9,10を用いて、
図9の動作パターン15を例に説明する。制御回路150cは、停電を検知すると、S212において第1の発光部材180を点滅させ、第2の発光部材190を非常点灯させる。S210において、制御回路150cは、点灯時間が規定の非常点灯時間を超えたと判断すると(S210においてYES)、第1の発光部材180を消灯し、第2の発光部材190の非常点灯を継続する(S211)。
【0141】
ここで、規定の非常点灯時間とは、非常時に非常灯として非常点灯すべき時間として法律で規定されている時間である。
【0142】
図9に示すように、第2の発光部材190は、少なくとも規定の非常点灯時間内には消灯せず点灯状態(非常点灯状態)とする。第1の発光部材180は、点灯、調光または点滅させる。電池の容量を控えたい場合には、第1の発光部材180は調光(非常点灯状態より暗めに設定)する。これにより、照明器具100cが設置されている階段の所在を明らかにし、目立ちやすくすることができる。
【0143】
照明器具100cにて、第2の発光部材190は規定の明るさで非常点灯し、非常灯としての機能を有するが、第1の発光部材180は、点滅または調光の場合には、本来の非常点灯用の光源としては認められなくなるため、補助的な動作をすることになる。非常点灯には動作時間(30分又は60分)が法で定められており、誘導灯では動作時間(20分または60分)が定められている。この決められた時間に対して、それ以上の時間、補助的に第2の発光部材190の点灯時間を延長する目的で、非常点灯時の明るさを若干下げたりすることは可能である。
【0144】
第1の発光部材180を点灯させたり、点滅させたり、明るさを下げて点灯(調光)したり、もしくは消灯することで、第2の発光部材190の点灯時間を延長するなどの点灯バリエーションが考えられる。
【0145】
ここで、各々の発光部材の、非常点灯状態としての役割を考慮した動作優先順位を考えてみる。第1の発光部材180を「気づかせる目的の明かり」として機能させる場合は、動作優先順位は「点灯>点滅>調光>消灯」となる。また、第2の発光部材を「足元を照らす常夜灯及び本来の非常用照明の目的の明かり」とする場合は、動作優先順位は、「点灯>調光>点滅>(消灯はしない)」となる。
【0146】
これらの動作パターンを非常点灯の動作時間とあわせて組合せると単純計算では256種類に及ぶ組合せが考えられるが、実質的な組合せは
図9に示す30パターンが非常時の動作パターンとなる。
【0147】
図9に示す1〜30のいずれのパターンでも、第2の発光部材190は、非常点灯の規定時間内は非常点灯し、足元の明るさ確保を行なう。
【0148】
しかし、たとえば第1の発光部材180が非常点灯の規定時間内に調光状態で点灯していた場合、時間を過ぎたところで逆に点滅して目立ちやすくするような動作はなく、調光状態を継続するか第2の発光部材190の点灯時間を延長する目的で消灯するか、の遷移となる。
【0149】
第1の発光部材180と第2の発光部材190で明るさを変える場合は、非常点灯回路が2つ必要になるため回路が煩雑になるが、細かな制御によって、避難の際の視認性の向上や点灯時間を延長できる効果が見込める。この場合の例を次に示す。
【0150】
たとえば、
図9の非常点灯の動作パターン14を例に説明する。制御回路150cは、停電を検知すると、S212において第1の発光部材180を点滅させ、第2の発光部材190を非常点灯させる。S210において、制御回路150cは、点灯時間が規定の非常点灯時間を超えたと判断すると(S210においてYES)、第1の発光部材180を調光し、第2の発光部材190は非常点灯させる(S216)。
【0151】
このように、動作パターン14では、非常時の停電となった時には、第1の発光部材180はその所在を目立たせる目的で点滅し、階段避難経路がある場所を知らしめる。一方第2の発光部材190は非常時の避難に必要な明るさで非常点灯する。非常点灯の時間が規定の時間まではこのように動作させたあと、規定時間を越えたら、第1の発光部材は点滅を止め、調光状態で点灯し、第2の発光部材は避難に必要な明るさで非常点灯を継続する。
【0152】
場合によっては、更に時間が経過した時には、二つの発光部材の点灯パターンを17のように両方調光状態に変化させ、点灯時間を延長することもできる。
【0153】
今まで述べてきたような内容の組み合わせで
図9のような点灯のパターンが実現できる。どのモードになるかという点以外は内容として動作は同様なので、詳細の説明は割愛する。常用時の点灯パターンと組合せることで、常夜灯として活用できる、最適な非常用照明器具が実現できる。
【0154】
図11は、本実施の形態に係る照明器具100cの動作パターンと各スイッチの位置関係の例を示す図である。
【0155】
図11の例1では、常用時は、第1の発光部材180が消灯、第2の発光部材190が調光である(
図5のパターンNo.2と同一)。この場合は、第1のスイッチ131をオン、第2のスイッチ132をオフ、第4のスイッチ134をオン、第5のスイッチ135をオフ、第6のスイッチ136をオン、第9のスイッチ139をオフ、第10のスイッチ136aをオフする。
【0156】
非常時の非常時間内は、第1の発光部材180が点滅、第2の発光部材190が非常点灯状態であり、非常時の非常時間超は、第1の発光部材180が調光、第2の発光部材190が非常点灯状態である(
図9のパターンNo.14と同一)。非常時の非常時間内は、第1のスイッチ131をオン/オフ、第2のスイッチ132をオフ、第4のスイッチ134をオフ、第5のスイッチ135をオフ、第6のスイッチ136をオフ、第9のスイッチ139をオン、第10のスイッチ136aをオフする。非常時において非常時間を超えると、第1のスイッチ131をオフ、第2のスイッチ132をオフ、第4のスイッチ134をオフ、第5のスイッチ135をオフ、第6のスイッチ136をオフ、第9のスイッチ139をオン、第10のスイッチ136aをオフする。
【0157】
図11の例2では、常用時は、第1の発光部材180が消灯、第2の発光部材190が常用点灯である(
図5のパターンNo.4と同一)。この場合は、第1のスイッチ131をオン、第2のスイッチ132をオフ、第4のスイッチ134をオン、第5のスイッチ135をオン、第6のスイッチ136をオン、第9のスイッチ139をオフ、第10のスイッチ136aをオンする。
【0158】
非常時の非常時間内は、第1の発光部材180が非常点灯、第2の発光部材190が非常点灯であり、非常時の非常時間超は、第1の発光部材180が点滅、第2の発光部材190が調光である(
図9のパターンNo.6と同一)。非常時の非常時間内は、第1のスイッチ131をオフ、第2のスイッチ132をオフ、第4のスイッチ134をオフ、第5のスイッチ135をオフ、第6のスイッチ136をオン、第9のスイッチ139をオフ、第10のスイッチ136aをオフする。非常時において非常時間を超えると、第1のスイッチ131をオン/オフ、第2のスイッチ132をオフ、第4のスイッチ134をオフ、第5のスイッチ135をオフ、第6のスイッチ136をオフ、第9のスイッチ139をオフ、第10のスイッチ136aをオフする。
【0159】
以上のように、本実施の形態に係る照明器具100cでは、第1の発光部材180と第2の発光部材190とを点灯可能とするとともに、第1の発光部材180と第2の発光部材190とを個別に点灯制御可能とする回路構成を備えた。したがって、常用時、非常時ともに、第1の発光部材180と第2の発光部材190とを個別に点灯制御可能であるので、豊富な点灯バリエーションを実現することができる。
【0160】
実施の形態4.
図12は、実施の形態4に係る照明器具100dの回路図である。
図13は、本実施の形態に係る照明器具100dの各スイッチと各発光部材と2次電池140の状態の関係を示す図である。
【0161】
実施の形態4に係る照明器具100dは、第1の発光部材180、第2の発光部材190、2次電池140に流す定電流の回路を共用したものである。
図12において、実施の形態1の
図3と同様の構成には同一の符号を付しその説明を省略する。
【0162】
照明器具100dでは、第1の発光部材180、第2の発光部材190、2次電池140に流す定電流の回路を共有するために、充電回路150aは削除している。電流検出用センス抵抗250fは2次電池4の下に配置する。照明器具100dでは、消灯時に使う第3のスイッチ133は削除し、短絡している。
【0163】
図12に示すように、照明器具100dは、第7のスイッチ137、第8のスイッチ138を備える。制御回路150cは、第7のスイッチ137を、常用点灯時にオフ、非常点灯時にオンとするように制御する。また、制御回路150cは、第8のスイッチ138を、常用点灯時にオン、非常点灯時にオフとするように制御する。
【0164】
図12、
図13に示すように、常用時、第1の発光部材180が点灯し、第2の発光部材190が消灯しているときは、第1のスイッチ131がオフ、第2のスイッチ132がオン、第7のスイッチ137がオフ、第8のスイッチ138がオンとなる。これにより、スイッチング電源112の出力は、第1の発光部材180、第2のスイッチ132、第8のスイッチ138、2次電池140を経由してスイッチング電源112に戻る閉ループを形成する。
【0165】
つまり、第1の発光部材180を点灯させる回路と2次電池140を充電する回路は兼用となる。2次電池140の下にセンス抵抗250fが配置され、スイッチング電源112は回路に定電流を流すように動作する。定電流の帰還はセンス抵抗250fに発生する電圧となる。
【0166】
壁スイッチ911などによる消灯状態になったら、第1の発光部材180は消灯し、第2の発光部材190は常夜灯となる。そして、2次電池140が充電される。この場合、第1のスイッチ131がオン、第2のスイッチ132がオフ、第7のスイッチ137がオフ、第8のスイッチ138がオンとなる。これにより、スイッチング電源112の出力は、第1のスイッチ131、第2の発光部材190、第8のスイッチ138、2次電池140を経由してスイッチング電源112に戻る閉ループを形成する。第1のスイッチ131、第2のスイッチ132をともにオンして、2次電池140のみに電流が流れるように制御することもできる。
【0167】
停電時、スイッチング電源112が停止すると、2次電池140から非常点灯回路150dに電源が供給される。第1の発光部材180は消灯し、第2の発光部材190は非常点灯となる。この場合、第1のスイッチ131がオン、第2のスイッチ132がオフ、第7のスイッチ137がオン、第8のスイッチ138がオフとなる。これにより、非常点灯回路150dの出力は、第1のスイッチ131、第2の発光部材190、第7のスイッチ137、センス抵抗250eを経由して2次電池140に戻るループとなる。非常点灯回路150dの定電流の帰還はセンス抵抗250eの電圧となる。
【0168】
また、停電時に、第1の発光部材180が点灯し、第2の発光部材190が非常点灯となる場合は、第1のスイッチ131がオフ、第2のスイッチ132がオフ、第7のスイッチ137がオン、第8のスイッチ138がオフとなる。これにより、非常点灯回路150dの出力は、第1の発光部材180、第2の発光部材190、第7のスイッチ137、センス抵抗250eを経由して2次電池140に戻るループとなる。非常点灯回路150dの定電流の帰還はセンス抵抗250eの電圧となる。
【0169】
以上のように、本実施の形態に係る照明器具100dによれば、常用時に2次電池140を充電し、その充電電流は第1の発光部材180(あるいは、第2の発光部材190)を点灯する電流と同じ定電流回路とする。したがって、第1の発光部材180(あるいは、第2の発光部材190)を点灯する定電流回路と2次電池140を充電する定電流回路とを共用することで、回路の簡素化や部品の削減が図れる。