特許第5780963号(P5780963)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5780963
(24)【登録日】2015年7月24日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】作業車両の動作制御
(51)【国際特許分類】
   B66F 9/24 20060101AFI20150827BHJP
   B66F 9/22 20060101ALI20150827BHJP
   B66F 11/04 20060101ALI20150827BHJP
【FI】
   B66F9/24 S
   B66F9/22 V
   B66F11/04
【請求項の数】15
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2011-532300(P2011-532300)
(86)(22)【出願日】2009年10月16日
(65)【公表番号】特表2012-505807(P2012-505807A)
(43)【公表日】2012年3月8日
(86)【国際出願番号】US2009061072
(87)【国際公開番号】WO2010045602
(87)【国際公開日】20100422
【審査請求日】2012年10月15日
(31)【優先権主張番号】61/105,952
(32)【優先日】2008年10月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390033020
【氏名又は名称】イートン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】EATON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100068618
【弁理士】
【氏名又は名称】萼 経夫
(74)【代理人】
【識別番号】100104145
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 嘉夫
(74)【代理人】
【識別番号】100109690
【弁理士】
【氏名又は名称】小野塚 薫
(74)【代理人】
【識別番号】100135035
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 明夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131266
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼ 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】ユアン,チンハイ
(72)【発明者】
【氏名】ルー,ジェイ,ワイ.
(72)【発明者】
【氏名】ピヤボングカーン,ダンロングリット
【審査官】 葛原 怜士郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−029696(JP,A)
【文献】 特開2001−247300(JP,A)
【文献】 特開2008−202719(JP,A)
【文献】 特開2001−240392(JP,A)
【文献】 特開平08−071963(JP,A)
【文献】 特開平05−196004(JP,A)
【文献】 特開平07−138994(JP,A)
【文献】 特開平11−343095(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 13/22
B66F 9/00−11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブームアセンブリを制御するための方法であって、
エンドエフェクタを有するブームアセンブリ、流量制御弁に流体接続されるアクチュエータを含む前記ブームアセンブリを提供するステップと、
前記ブームアセンブリの前記エンドエフェクタの望ましい座標を直交空間からアクチュエータ空間へ変換するステップと、
アクチュエータセンサにより測定された前記アクチュエータ変位に基づき前記ブームアセンブリの撓みによる前記エンドエフェクタの撓み誤差を算出するステップと、
前記望ましい座標及び前記撓み誤差に基づき結果として生じる望ましい座標を算出するステップと、
前記結果として生じる望ましい座標及び前記アクチュエータ測定された変位に基づき制御信号Uを生じるステップと、
前記ブームアセンブリの振動を低減するために制御信号Uを形成するステップと、
前記形成された制御信号Uを前記流量制御弁へ伝達するステップと、
を含み、
前記制御信号Uは、

によって与えられることを特徴とする方法。
但し、
q, q, q :各アクチュエータに接続された流量制御弁に対する流量コマンド
U:流量コマンドq のベクトル
A(t ), A(t ):各インパルスの大きさ
ΔT(t), ΔT(t ):各インパルスの時間遅延
とする。
【請求項2】
前記制御信号は、時間変動入力形成機構を使用して形成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記時間変動入力形成機構は、2つのインパルスを使用することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
第1座標変換は、前記望ましい座標を直交空間から関節空間へ変換して、第2座標変換は、望ましい座標を関節空間からアクチュエータ空間へ変換することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記撓み誤差は、関節空間座標に提供されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記アクチュエータセンサは、レーザセンサであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記アクチュエータセンサは、絶対角度エンコーダであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
エンドエフェクタを有するブームアセンブリと、
前記ブームアセンブリに組み付けられて、前記ブームアセンブリを位置決めするために適用されるアクチュエータと、
前記アクチュエータの変位を測定するために適用されるアクチュエータセンサと、
前記アクチュエータに流体接続される流量制御弁と、
前記流量制御弁に通信可能に接続されるコントローラと、
動作制御機構を含み、入力信号に対応して前記流量制御弁を作動させるために適用される前記コントローラと、
を含み、
前記動作制御機構は、
前記ブームアセンブリの前記エンドエフェクタの望ましい座標を直交空間からアクチュエータ空間へ変換する座標変換モジュールと、
前記アクチュエータセンサからの測定値に基づき前記ブームアセンブリの撓みによる前記エンドエフェクタの撓み誤差を算出する撓み誤差モジュールと、
前記望ましい座標、前記撓み誤差及び前記アクチュエータセンサからの測定値に基づき制御信号Uを発生する軸制御モジュールと、
前記ブームアセンブリの振動を低減させるために前記流量制御弁へ伝達される制御信号Uを形成する入力形成モジュールと、
を含み、
前記制御信号Uは、

によって与えられることを特徴とする作業車両。
但し、
q, q, q :各アクチュエータに接続された流量制御弁に対する流量コマンド
U:流量コマンドq のベクトル
A(t ), A(t ):各インパルスの大きさ
ΔT(t), ΔT(t ):各インパルスの時間遅延
とする。
【請求項9】
前記作業車両は、高架作業プラットフォームであることを特徴とする請求項8に記載の作業車両。
【請求項10】
前記エンドエフェクタは、作業プラットフォームであることを特徴とする請求項8に記載の作業車両。
【請求項11】
前記流量制御弁は、前記流量制御弁に組み込まれる複数個の圧力センサを含むことを特徴とする請求項8に記載の作業車両。
【請求項12】
前記入力形成モジュールは、時間変動入力形成機構であることを特徴とする請求項8に記載の作業車両。
【請求項13】
前記時間変動入力形成機構は、2つのインパルスのみを使用することを特徴とする請求項12に記載の作業車両。
【請求項14】
前記時間変動入力形成機構は、前記アクチュエータセンサからの測定値に基づき前記ブームアセンブリの減衰比及び固有振動数を推定することを特徴とする請求項12に記載の作業車両。
【請求項15】
前記流量制御弁は、前記減衰比及び固有振動数の推定に使用される減衰比関数及び固有振動数関数を決定することを特徴とする請求項14に記載の作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、米国を除く全ての指定国で米国国内企業のイートンコーポレーションの名前で出願されており、米国のみ、中国民であるチンハイ ユアン、米国民のジェイ ワイ.ルー、及びタイ国民であるダムロングリット ピヤボングカーンが出願人であるPCT国際特許出願として、2009年10月16日付けで出願されたものであり、2008年10月16日付けで出願された米国仮特許出願シリアル番号61/105,952に対する優先権が主張されている。
【背景技術】
【0002】
建設車両は、比較的接近し難い場所に一時的に接近することが可能である。これらの車両の多くは多関節を有するブームを含む。関節の変位を制御することにより、ブームを制御することができる。しかしながら、このような制御は、作業者の熟練に依存する。
【0003】
ブームが伸ばされる時の振動が懸念される。振動を低減又は除去するための従来技術は、典型的に、それらの作業者に対応しないシステムとなる。
【発明の概要】
【0004】
本明細書の一態様は、ブームアセンブリを制御するための方法に関する。方法は、エンドエフェクタを有するブームアセンブリを提供することを含む。ブームアセンブリは、流量制御弁に流体接続されるアクチュエータを含む。ブームアセンブリのエンドエフェクタの望ましい座標は、直交座標空間からアクチュエータ空間へ変換される。エンドエフェクタの撓み誤差は、アクチュエータの測定された変位に基づき算出される。結果として生じるエンドエフェクタの望ましい座標は、望ましい座標及び撓み誤差に基づき算出される。流量制御弁のための制御信号は、結果として生じる望ましい座標及びアクチュエータの測定された変位に基づき形成される。制御信号は、ブームアセンブリの振動を低減するように形成される。形成された制御信号は、流量制御弁へ伝達される。
【0005】
本明細書の他の態様は作業車両に関する。作業車両は、エンドエフェクタを有するブームアセンブリを含む。アクチュエータは、ブームアセンブリに組み合わされる。アクチュエータは、ブームアセンブリを位置決めする。アクチュエータセンサは、アクチュエータの変位を測定する。流量制御弁は、アクチュエータに流体接続されている。コントローラは、入力信号に対応して流量制御弁を作動させる。コントローラは、座標変換モジュール、撓み補正モジュール、座標軸制御モジュール、及び入力形成モジュールを含む動作制御機構を含む。座標変換モジュールは、ブームアセンブリのエンドエフェクタの望ましい座標を直交座標空間からアクチュエータ空間へ変換する。撓み補正モジュールは、アクチュエータセンサからの測定値に基づきエンドエフェクタの撓み誤差を算出する。座標軸制御モジュールは、望ましい座標、撓み誤差及びアクチュエータセンサからの測定値に基づき制御信号を発生する。入力形成モジュールは、ブームアセンブリの振動を低減するために流量制御弁へ伝達される制御信号を形成する。
【0006】
本明細書の他の態様は、流量制御弁を使用するブームアセンブリの減衰比及び固有振動数を較正する方法に関する。方法は、アクチュエータ内の圧力を監視する圧力センサからの圧力信号を受信することを含む。高及び低圧力弁並びにそれらの圧力弁に関連する時間は、第1サイクルの間、記録される。高及び低圧力弁並びにそれらの圧力弁に関連する時間は、第2サイクルの間、記録される。固有振動数及び減衰比は、第1及び第2サイクルの間の、高及び低圧力弁並びにそれらの圧力弁に関連する時間に基づき算出される。
【0007】
本明細書の他の態様は、柔構造のための制御信号を形成するための方法に関する。方法は、望ましい座標に基づき制御信号を発生することを含む。制御信号は、機構を形成する時間変動入力を使用して形成される。時間変動入力は、センサから測定値を受信して、センサの測定値に基づき柔構造の固有振動数及び減衰比を推定して、測定値並びに推定された固有振動数及び減衰比に基づき制御信号を形成する。
【0008】
様々な付加的な態様は、以下の記載で説明する。これらの態様は、個々の特徴及び特徴の組み合わせに関連することができる。前述した概略説明及び後述する詳細な説明はともに、典型的及び単なる説明のためのものであり、この中で説明された実施形態が基とする広いコンセプトの限定的表現ではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本明細書の原理に関する態様の典型的な特徴を有する作業車両の側面図である。
図2図1の作業車両のための制御システムを示す概略図である。
図3図2の制御システムで使用するのに適当な流量制御弁を示す概略図である。
図4図2の制御システムのコントローラで使用される動作制御機構を示す概略図である。
図5図1の作業車両のブームアセンブリの撓みを示す概略図である。
図6】関節アクチュエータ空間変換の概略図である。
図7】ブームアセンブリの減衰比及び固有振動数を決定するための方法の概略図である。
図8】流量制御弁を使用して減衰比及び固有振動数を較正する方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書の典型的な態様を添付した図に基き詳細に説明する。可能な限り、同じ符号は、同一又は相当する構成に関する図面を通して使用される。
【0011】
図1を参照すると、通常10で示される典型的な車両が示されている。多関節を含む作業車両10は、直動及び/又は回転アクチュエータ(例えば、シリンダ、モータ等)を使用して作動する。これらの直動及び回転アクチュエータは、ブームアセンブリを伸長又は縮長させるとともにブームアセンブリの端部に配置された作業プラットフォームを制御するために適用される。
【0012】
作業車両10は、複数個の流量制御弁と複数個のセンサとを含む。流量制御弁は、作業車両10の電子制御ユニットによって制御される。電子制御ユニットは、作業者から要求される入力及び複数個のセンサによって測定された入力を受信する。動作制御機構の使用にともない、電子制御ユニットは、作業プラットフォームを要求される位置へ移動させるため、流量制御弁へ信号を出力する。動作制御機構は、ブームアセンブリの振動を低減させるとともに作業者入力に対する適切な反応を維持するために適用される。
【0013】
作業車両10は、様々な作業車両のうちの1つとなり得ると同時に、例えば、クレーン、ブームリフト、シザーリフト等の作業車両10は、明細書を簡略化するため、高架作業プラットフォームとしてこの中で説明される。高架作業プラットフォーム10は、高さ及び/又は位置に起因して地表面で通常人が接近し難い領域へ接近するために適用される。
【0014】
図1で示される実施形態において、高架作業プラットフォーム10は、複数個のホイール14を有するベース12を含む。さらに、高架作業プラットフォーム10は、ボディ16がベース12に対して回転することができるようにベース12に対して回転可能に取り付けられたボディ16を含む。ボディ16の回転角度は、θ1によって示される。第1モータ18(図2参照)は、ベース12に関連するボディ16を回転させる。本明細書の一態様において、第1モータ18は、歯車減速機に連結される。
【0015】
柔構造20は、回転関節とともにボディ16に設けられる。明細書の簡略化のため、柔構造20は、ここではブームアセンブリ20として説明される。ブームアセンブリ20は、上方及び/又は下方へ移動することができる。ブームアセンブリのこの上方及び/又は下方への移動は、ブームアセンブリ20の回転角度θ2によって示される。第1シリンダ22(図2参照)は、ブームアセンブリ20を昇降させるために適用される。第2端部26(図2参照)がボディ16に接続されると同時に、第1シリンダ22の第1端部24(図2参照)がブームアセンブリ20に接続される。
【0016】
ブームアセンブリ20は、ベースブーム28、中間ブーム30及び先端ブーム32を含む。ベースブーム28は、高架作業プラットフォーム10のボディ16に接続される。中間ブーム30,32は、軸方向へベースブーム28から外へ延びる伸縮式ブームである。図1に示されるように、中間及び先端ブーム30,32は、縮長位置にある。ブームアセンブリ20の長さl3は、中間及び先端ブーム30,32を伸縮させることで変えることができる。ブームアセンブリ20の長さl3は、第2シリンダ34及び対応するメカニカルリンケージ36を経由して変化する。
【0017】
作業プラットフォーム38のヨー配向θ5は第2モータ42によって制御されると同時に、作業プラットフォーム38の傾斜角度は、マスタ/スレブ油圧システム設計によって地表面に対して水平に維持される。
【0018】
図2を参照して、高架作業プラットフォーム10のための制御システム50の簡略化された概略図を示す。制御システム50は、流体ポンプ52、流体リザーバ54、複数個の流量制御弁56、複数個のアクチュエータ58及びコントローラ60を含む。
【0019】
本明細書の一態様において、流体ポンプ52は、荷重検出ポンプである。荷重検出ポンプ52は、荷重検出弁150に流体接続される。荷重検出弁150は、コントローラ60から信号152を受信するために適用される。本明細書の一態様において、信号152は、パルス幅変調信号である。
【0020】
複数個のアクチュエータ58は、第1及び第2シリンダ22,34と、第1及び第2モータ18,42とを含む。複数個の流量制御弁56は、複数個のアクチュエータ58を制御するために適用される。複数個のアクチュエータ58を制御することによって、作業プラットフォーム38は、高架作業プラットフォーム10の作業範囲内で、要求される配向で要求される位置に到達することができる。
【0021】
本明細書の一態様において、第1流量制御弁56aは第1シリンダ22に流体接続されて、第2流量制御弁56bは第1モータ18に流体接続されて、第3流量制御弁56cは第2シリンダ34に流体接続されて、第4流量制御弁56dは第2モータ42に流体接続される。流量制御弁56a乃至56dの各々として使用するのに適用可能な弁は、全体を参照することによってその結果として明細書に組み込まれる英国特許番号GB2328524及び米国特許番号7,518,523で説明されている。流量制御弁56a乃至56dの各々は、流体ポンプ52に流体接続される供給ポート62、流体リザーバ54に流体接続されるタンクポート64、複数個のアクチュエータ58の1つに流体接続される第1制御ポート66及び第2制御ポート68を含む。
【0022】
さらに、制御システム50は、複数個の流体圧力センサ70を含む。本明細書の一態様において、第2圧力センサ70bが流体リザーバ54への流体圧力を監視すると同時に、第1圧力センサ70aは、流体ポンプ52からの流体圧力を監視する。第1及び第2圧力センサ70a,70bは、コントローラ60に接続される。本明細書の一態様において、第1及び第2圧力センサ70a,70bは、荷重検出弁150を介してコントローラ60に接続される。
【0023】
流量制御弁56a乃至56dの各々は、第3圧力センサ70c及び第4圧力センサ70dに流体接続される。第3及び第4圧力センサ70c,70dは、第1及び第2制御ポート66,68の各々で、対応するアクチュエータ58への又は対応するアクチュエータ58からの流体圧力を監視する。本明細書の一態様において、第3及び第4圧力センサ70c,70dは、流量制御弁56a乃至56dに組み込まれる。
【0024】
さらに、制御システム50は、複数個のアクチュエータ58の軸方向又は回転方向の位置を監視する複数個のアクチュエータセンサ72を含む。複数個のアクチュエータセンサ72は、複数個のアクチュエータ58の配置(例えば、位置)を監視するコントローラ60へ信号を送信するために適用される。
【0025】
図2に示された実施形態において、第1及び第2アクチュエータセンサ72a,72bは、第1及び第2シリンダ22,34の配置を監視する。本明細書の一態様において、第1及び第2アクチュエータセンサ72a,72bは、レーザセンサである。第3及び第4アクチュエータセンサ72c,72dは、第1及び第2モータ18,42の回転を監視する。本明細書の一態様において、第3及び第4アクチュエータセンサ72c,72dは、絶対角度エンコーダである。
【0026】
図2及び図3を参照して、流量制御弁56a乃至56dを説明する。第1、第2、第3及び第4流量制御弁56a乃至56dのそれぞれは構造的に類似しているので、第1、第2、第3及び第4流量制御弁56a乃至56dを、流量制御弁56と呼ぶ。流量制御弁56は、少なくとも1つのパイロットステージスプール80と、少なくとも1つのメインステージスプール82とを含む。図3に示される実施形態において、流量制御弁56は、第1パイロットステージスプール80a及び第2パイロットステージスプール80bと第1メインステージスプール82a及び第2メインステージスプール82bとを含む。
【0027】
第1及び第2パイロットステージスプール80a,80bの位置は、第1及び第2メインステージスプール82a,82bの両方に作用する流体圧力を調節することにより、第1及び第2メインステージスプール82a,82bの各々の位置を制御する。第1及び第2メインステージスプール82a,82bの位置は、対応するアクチュエータ58に対する流量を制御する。
【0028】
第1及び第2パイロットステージスプール80a,80bの位置は、第1及び第2アクチュエータ84a,84bによって制御される。本明細書の一態様において、第1及び第2アクチュエータ84a,84bは、例えばボイスコイル等の電磁気を利用したアクチュエータである。
【0029】
第1及び第2スプール位置センサ86a,86bは、第1及び第2メインステージスプール82a,82bの位置を測定するとともに、コントローラ60へ第1及び第2メインステージスプール82a,82bの位置に対応する第1及び第2信号88a,88bを送信する。本明細書の一態様において、第1及び第2スプール位置センサ86a,86bは、線形可変差動変圧器(LVDT)である。
【0030】
図1図2及び図4を参照すると、コントローラ60は、複数個のアクチュエータ58を監視する複数個のアクチュエータセンサ72及び流量制御弁56のメインステージスプール82の位置を監視する複数個のスプール位置センサ86から、信号を受信するために適用される。加えて、コントローラ60は、作業者からの要求される出力を監視する入力90を受信するために適用される。コントローラ60は、複数個のアクチュエータ58を作動させるため、流量制御弁56a乃至56dの第1及び第2アクチュエータ84a,84bへ信号92を送信する。本明細書の一態様において、信号92は、パルス幅変調信号である。
【0031】
図2に示される実施形態において、コントローラ60は、信号コントローラとして示される。しかしながら、本明細書の一態様において、コントローラ60は、複数個のコントローラを含む。本明細書の他の態様において、複数個のコントローラ60は、複数個の流量制御弁56に組み込まれる。
【0032】
コントローラ60は、動作制御機構100を含む。動作制御機構100は、閉ループ協調制御機構である。動作制御機構100は、軌道発生装置、座標変換モジュール104、撓み補正モジュール106、軸制御モジュール108及び入力形成モジュール110を含む。
【0033】
軌道発生装置は、作業者からの入力90に基づいて作業車両10のエンドエフェクタ(例えば、作業プラットフォーム38)における望ましい直交座標Xd=[x0,y0,z0,φ0Tを生じる。直交座標は、エンドエフェクタの位置及び方向を含む。
【0034】
本明細書の一態様において、座標変換モジュール104は、第1座標変換モジュール104aと、第2座標変換モジュール104bとを含む。第1座標変換モジュール104aは、座標を直交空間から関節空間へ変換する。第2座標変換モジュール104bは、座標を関節空間からアクチュエータ空間へ変換する。表1は、複数個のアクチュエータ58のための直交空間、関節空間及びアクチュエータ空間における独立変数記号の一覧である。
【表1】
【0035】
第1座標変換モジュール104aは、望ましい直交座標Xdを関節空間における望ましい座標Θd=[θ1,θ2,l3,θ5Tへ変換する。直交座標における前述した変換等式は、以下の等式112(数1)によって与えられる。
【数1】
が、
で原点を有するO−x座標系における位置ベクトル[x,y,z,l]である点は、先の座標系Oi−1−xi−1i−1i−1(i=1,2,... ,5)に関連するOi−x座標系の同次変換(位置及び方向)であり、後述する等式114(数2)によって与えられる。

【数2】
は、Oi−1−xi−1i−1i−1に関連するOi−xの座標軸の方向余弦であり、
は、Oi−1−xi−1i−1i−1座標系におけるOi−1の位置である。
【0036】
等式114(数2)において、デナビット−ハーテンバーグ表記は、運動学上の関係を説明するのに使用される。aiは共通法線、diは原点Oi-1とzi-1に対する共通法線の交点との間の距離、αiは関節軸ziとzi-1に対するzi-1とがなす角度、θiはxi-1とzi-1に対する共通法線とがなす角度である。作業プラットフォーム38のためのパラメータは表2に与えられている。
【表2】
【0037】
エンドエフェクタ位置及び方向は、以下の等式116(数3)における関節変位の値(例えば、θ1,θ2,l3,θ4,θ5)を使用することによって取得することができる。この場合、θ4は、図1に示されるようにθ4=θ2であるから、独立変数ではない。
【数3】
【0038】
等式116(数3)を解くため、エンドエフェクタの原点をO5として、O5−x555の原点を取る。O0−x000に対するO5の位置が[x0,y0,z0T、且つ、x5とx0とがなす角度がφ0であるとすると、O0−x000におけるO5−x555の等式118で表される同次変換マトリックス(数4)が存在する。
【数4】
【0039】
等式118(数4)の両項に
を掛けることで、O−x座標系においてOを表す以下の等式120(数5)が与えられる。
【数5】
等式118及び120(数4及び5)の左項は、以下の等式122(数6)をもたらす。
【数6】
等式120(数5)の右項は、以下の(数7)をもたらす。
【数7】
等式122及び124(数6及び7)から、直交から関節への変換は、以下の(数8)のように公式化することができる。
【数8】
【0040】
図1図2図4及び図5を参照して、撓み補正モジュール106を説明する。関節空間における望ましい座標Θdへ変換された望ましい直交座標Xdのため、撓み補正モジュール106は、ブームアセンブリ20の撓みの原因となる。撓み補正モジュール106は、複数個のアクチュエータ58の実際の軸方向及び/又は回転方向の位置を監視する複数個のアクチュエータセンサ72から、測定値を受信する。これらの測定値を使用して、撓み補正モジュール106は、関節空間における対応する誤差補正を算出する。
【0041】
例えば、ブームアセンブリ20等の長い伸縮構造について、その構造の撓みは、理想のエンドエフェクタ座標と実際のエンドエフェクタ座標との間に大きい誤差を生む原因となり得る。撓み誤差は、エンドエフェクタ座標の関数である。例えば、異なるリフト高さ及び長さのため、撓みは異なる。関節空間における撓み誤差は、第1に、図5に示されるように、ブームアセンブリ20の回転角度θ2から生じる。他の自由度による撓み誤差は無視できる程度に小さい。したがって、δΘ=[0,δθ2,0,0]Tである。
【0042】
撓み誤差の準定常解析は以下に提供される。ブームアセンブリ20における振動は、以下にさらに詳細に説明される入力形成モジュール110の結果、低減又は除去されるので、この場合、この準定常解析は適正である。
【0043】
ブームアセンブリ20の撓みは、ブームアセンブリ20に作用する重力及び作業プラットフォーム38に作用する荷重による影響を受ける。ブームアセンブリ20の撓みは、ブームアセンブリ20の長さl3及びブームアセンブリ20の回転角度θ2の関数である。ブームアセンブリ20の一様に分布した断面を仮定して、撓みは、以下の等式128(数9)を使用して算出することができる。
【数9】
ここで、Eはブーム材料の弾性係数であり、Iはブームの断面の慣性モーメントであり、ρは質量長密度であり、及びmは荷重の量である。δθ2≒θ2´−θ2が以下の等式130(数10)によって与えられるのであれば、回転角度θ2´の剛体のブームアセンブリは、同じ先端位置を有する。
【数10】
【0044】
アクチュエータセンサ72の実測値がアクチュエータ空間にあると同時に、等式130(数10)が関節空間にある。これにより、アクチュエータ空間から関節空間への変換は、この変換に必要とされる。
【0045】
図1図2図4、及び図6を参照して、第2座標変換モジュール104bを説明する。第2座標変換モジュール104bは、関節空間における結果として生じる望ましい座標Θd´=Θd+δΘをアクチュエータ空間へ変換する。アクチュエータ空間は、複数個のアクチュエータ58に関連する。本明細書の一態様において、アクチュエータスペースは、第1及び第2シリンダ22,34と第1及び第2モータ18,42に関連する。前述した表1は、直交空間、関節空間及びアクチュエータ空間のための独立変数の一覧である。関節空間における独立変数θ1,θ2及びθ5とアクチュエータ空間における対応する独立変数との間には直接の対応がある。しかしながら、l3とLABとの間の関係が説明される。
【0046】
図6を参照して、ブームアセンブリ20及び第1シリンダ22の概略図を示す。第1シリンダ22の第1端部24は、点Bでブームアセンブリ20に取り付けられると同時に、第1シリンダ22の第2端部26は、点Aで作業車両10のボディ16に取り付けられる。点Bは、ブームアセンブリ20に関連する座標系O2−x222における固定点であると同時に、点Aは、ボディ16に関連する座標系O1−x111における固定点である。点Aと点Bとの間の長さlABは、ブームアセンブリ20の回転角度θ2の関数であり、且つ、以下の等式132(数11)を使用して算出される。
【数11】
ここで、∠BO1A(θ2)=90°+∠O01A−θ2−∠BO13である。
【0047】
関節空間からアクチュエータ空間への変換は、等式134(数12)で表される。
【数12】
【0048】
アクチュエータ空間Yd=[θ1,LAB,l3,θ5Tへ変換された結果として生じる望ましい座標Θd´を有して、結果として生じる望ましい座標Yd及び複数個のアクチュエータセンサ72からの実測値Yaは、軸制御モジュール108によって受信される。軸制御モジュール108は、流量制御弁56のための制御信号Uを生じる。
【0049】
制御信号Uは、流量コマンドqnのベクトルである。流量コマンドqnは、複数個のアクチュエータ58に対応する。本明細書の一態様において、速度フィードフォワード比例積分PIコントローラは、以下の等式136(数13)を計算する。
【数13】
ここで、qnは弁nのための流量コマンド、Kf,n,Kp,n,Ki,nは、各々、フィードフォワード、比例及び積分ゲイン、並びにyd,n及びya,n(軸番号n=1,2,3,4)は要求される及び実際の変位である。第1及び第2シリンダ22,34において、ゲインKf,n,Kp,n,Ki,nは、ピストン面積比に起因して方向によって1つ1つ僅かに異なる。
【0050】
軸制御モジュール108によって生じる典型的な制御信号Uは、U=[q1,q2,q3,q4Tである。本明細書の一態様において、流量制御弁56は、埋め込まれた圧力センサ70、埋め込まれたスプールポジションセンサ88及び内側の制御ループを含む。これらのセンサ及び内側の制御ループは、スプールポジションコマンドを送信するのとは対照的に、軸制御モジュール108に流量制御弁56へ流量コマンドqnを直接的に送信することを許容する。
【0051】
図1及び図4を参照して、入力形成モジュール110を説明する。入力形成モジュール110は、作業車両10のブームアセンブリ20における構造的振動を低減するために適用される。
【0052】
入力形成機構は、形成されたコマンド入力を発生することによって振動を抑制する。入力形成機構におけるインパルスの総数の増加によってモデリング誤差の影響を低減させることができる。しかしながら、入力形成機構におけるインパルスの総数が増加する場合、コマンド入力の応答性が低下する。
【0053】
本明細書の一態様において、入力形成機構は、時間変動入力形成機構である。時間変動入力形成機構は、良好な応答性を維持している間、振動の量を低減する。本明細書の一態様において、時間変動入力形成機構は、2つのインパルスだけ利用する。加えて、時間変動入力形成機構は、時間変動パラメータを有する制御信号を提供するため、複数個のアクチュエータセンサ72からの測定値を使用する。
【0054】
時間変動入力形成機構は、第1に、複数個のアクチュエータセンサ72からの実測値に基づき、ブームアセンブリ20の減速比ζ(t)及び固有振動数ωn(t)を推定する。減速比及び固有振動数のための等式138及び140(数14及び15)を以下に示す。
【数14】
【数15】
ここで、fζ及びfωはブームアセンブリ20の長さl3に基づく関数である。
これらの関数fζ及びfωは、l3が全ての測定された変数の中で機能的に優れた変数のみであり、且つ、ペイロードからの影響が無視できる程度に小さいと仮定することで、モデリングから又は実験的較正によって決定することができる。本明細書の一態様において、流量制御弁56は、減衰比関数と固有振動数関数fζ及びfωの各々を決定する。流量制御弁56による減衰比関数と固有振動数関数fζ及びfωの決定は、後でより詳細に説明する。
【0055】
次に、2つのインパルスの大きさは、以下の等式(数16及び17)によって与えられる。
【数16】

【数17】

ここで、
【0056】
インパルスの時間遅延は、等式146及び148(数18及び19)である。
【数18】

【数19】
【0057】
最終的に、形成された制御信号Uは、以下の式150(数20)によって与えられる。
【数20】
【0058】
形成された制御信号USは、作業プラットフォーム38を移動させるために流体がアクチュエータ58へ流量制御弁56を通過することができるように、流量制御弁56へ送信される。既に説明したように、ブームアセンブリ20の応答性が持続される間、それはブームアセンブリ20における振動を低減又は除去するので、入力形成モジュール110は、潜在的に有利である。
【0059】
図1及び図7を参照して、減速比ζ(t)及び固有振動数ωn(t)を決定するための典型的な方法200を説明する。ステップ202において、アクチュエータは、第1位置へ作動される。例えば、第1及び第2シリンダ22,24は、減速比及び固有振動数が予想された位置へ移動される(例えば、第1及び第2シリンダ22,34の完全伸展、第1及び第2シリンダ22,34の部分伸展、等)。
【0060】
ステップ204において、ブームアセンブリ20は振動している。本明細書の一態様において、ブームアセンブリ20は、ブームアセンブリ20への力を利用して振動される。本明細書の他の態様において、ブームアセンブリ20は、ブームアセンブリ20の動作を制御する作業車両における入力装置(例えば、ジョイスティック、等)を急速に動かすことによって振動する。この動作は、ブームアセンブリ20に振動を引き起こす第1及び又は第2シリンダ22,34へ油圧流体の短パルスを分与する。
【0061】
ステップ206において、減速比ζ(t)及び固有振動数ωn(t)は較正される。本明細書の一態様において、減速比及び固有振動数の較正は、流量制御弁56において完了する。
【0062】
図1図7及び図8を参照して、流量制御弁56を使用する減衰比及び固有振動数を較正する方法300を説明する。ステップ302において、サイクルカウンタNに、例えば1などの初期値が設定される。流量制御弁56が組み込まれた圧力センサ70を含む場合、流量制御弁56は、ステップ304において圧力センサ70から信号を受信する。流量制御弁56は、圧力シングが最も高い値(山)の時の圧力PHI,1と、ステップ306においてピーク圧力PHI,1が発生した時点の時間tHI,1とを記録する。また、流量制御弁56は、圧力シングが最も低い値(谷)の時の圧力PLO,1と、ステップ308において圧力PLO,1が発生した時点の時間tLO,1を記録する。
【0063】
ステップ310において、圧力がその次のピーク値である時、サイクルカウンタNにインデックス(N=N+1)が付与される。ステップ312において、サイクルカウンタNは予め定められた値と比較される。サイクルカウンタNが予め定められた値に等しいのであれば、流量制御弁56は、その与えられたサイクルの中で圧力信号が最も高い値である時の圧力PHI,2と、ステップ314においてその与えられたサイクルの中でピーク圧力PHI,2が発生した時点の時間tHI,2とを記録する。また、流量制御弁56は、その与えられたサイクル圧力信号が最も低い値(谷)である時の圧力PLO,2と、ステップ316においてその与えられたサイクルの中で圧力PLO,2が発生した時点の時間tLO,2とを記録する。
【0064】
ステップ318において、固有振動数ωn(t)は算出される。固有振動数ωn(t)は、振動が特に大きい小型の減速システムに向けて、以下の式152(数21)を使用して算出することができる。
【数21】
【0065】
ステップ320において、減速比ζ(t)は算出される。減速比ζ(t)は、外乱後にブームアセンブリ20における振動がどのように減少されるのかを説明する手段である。振幅は、等式154(数22)によって与えられる。
【数22】
【0066】
等式154(数22)の解法は、等式156(数23)である。
【数23】
【0067】
再び、図1及び図7を参照する。与えられたアクチュエータ58位置について算出された減衰比及び固有振動数に対して、アクチュエータ58は、ステップ208において第2位置へ移動されて、且つ、減衰比ζ(t)及び固有振動数ωn(t)は、ステップ204乃至206を使用してそのアクチュエータ位置の範囲内で決定される。
【0068】
減衰比及び固有振動数は別々のアクチュエータ位置でのみ算出されるため、補間法は、これらの別々のアクチュエータ位置を除くアクチュエータ位置における、減衰比及び固有振動数を決定するのに使用することができる。本明細書の一態様において、線形補間を使用することができる。
【0069】
この明細書の様々な改良は、この明細書の範疇及び精神から逸脱することなく当業者にとって明白であり、この明細書の範疇が、この中で記載された実例としての実施形態を不当に限定するためのものではないことは理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8