(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、ターゲット・アセットの配信、ネットワーク・ユーザまたは消費パターンの分類、通信ネットワークで使用するネットワーク監視、さらには関連するビジネス方法のためのさまざまな構造および機能に関する。本発明には、コンテンツがネットワーク・ユーザに放送される、すなわち、ポイント・ツー・ポイント方式で個別のユーザ・ノードに具体的にアドレス指定されることなくコンテンツがネットワークを介して複数のユーザに提供される、ネットワークに関する特定の応用例がある。この点に関して、コンテンツは、例えば、ケーブルおよび衛星テレビ網、衛星ラジオ・ネットワーク、コンテンツをマルチキャストするために使用されるIPネットワーク、およびポッドキャストまたはテレフォニー・ブロードキャスト/マルチキャストに使用されるネットワークを含むさまざまなネットワークで放送される。コンテンツは、さらに、以下の説明から分かるように、放送波で放送することもできるが、本発明のいくつかの態様では、例えば従来の放送波に基づくテレビまたはラジオだと容易に利用することができない双方向通信チャンネル(すなわち、そのような通信では、補足的な通信システムを必要とすることになる)を利用するさまざまな背景状況において、コンテンツは、リアルタイムで消費されるか、または蓄積しておいて後から消費される。そのため、具体的な例が、例示することを目的としてケーブル・テレビ網の背景状況において以下で説明されるが、本発明は、このような背景状況に限定されず、むしろ、さまざまなネットワークおよび伝送モードへの応用例を有することは理解されるであろう。
【0027】
ターゲット・アセットは、ネットワーク・ユーザをターゲットとすることが望まれている任意の種類のアセットを含む。このようなターゲット・アセットは、ときには、「アドレス指定」アセットとも呼ばれることに留意されたい(ただし、以下の説明から分かるように、ターゲット設定は、ポイント・ツー・ポイントの意味でアドレス指定することをせずに実行される)。例えば、これらのターゲット・アセットは、広告、内部マーケティング(例えば、ネットワーク販促、スケジューリング、または次回のイベントに関する情報)、公共広告、気象または緊急情報、または番組を含む。ターゲット・アセットは、非ターゲット・ネットワーク番組などの他のアセットがあるコンテンツ・ストリームから独立していてもよいし、または含んでいてもよい。後者の場合、ターゲット・アセットは、非ターゲット番組に組み入れられてもよい(例えば、番組ブレーク時に与えられる)し、または他の何らかの方法で、映像番組の場合に画面部分に重ね合わせて表示することにより番組と組み合わせられてもよい。以下の説明では、テレビ番組中のブレーク時に与えられるターゲット・アセットの背景状況における具体的例が示される。これは、本発明の重要なコマーシャル実装であるが、本発明はさらに広い応用例を有することは理解されるであろう。そのため、「番組」と広告などの「アセット」とを以下のように区別しても、ターゲットとすることができるコンテンツの種類またはそのようなコンテンツを提供できる背景状況を制限するものとして理解すべきではない。
【0028】
以下の説明は、複数の節に分けられている。「序論」節では、放送網およびネットワーク番組環境について、最初に説明される。その後、ターゲット・アセット環境の概要が、従来のアセット配信パラダイムのいくつかの短所の説明も含めて、説明される。その後の節では、いくつかの好ましい実装の利点を強調する本発明によるターゲット・アセット・システムの概要を記載する。最後に、最終節で、システムの個別のコンポーネントをさらに詳しく説明し、ケーブル・テレビ環境におけるターゲット広告を具体的に参照しつつ例示的な実装の詳細な開示を記載する。
【0029】
I.序論
A.放送網
本発明は、本明細書では放送網と呼ばれる、放送コンテンツを提供するために主に使用されるネットワークの背景状況において特定の応用例を有する。このような放送網は、一般に、放送コンテンツを複数のユーザに同期方式で配信することを必要とする。しかし、いくつかの放送網は、コンテンツを複数のユーザに同期的にプッシュすることに限定されず、ユーザ・プル・ベースを含めて、コンテンツを特定のユーザに配信するためにも使用できる。上記のように、放送網のいくつかの例は、ケーブル・テレビ網、衛星テレビ網、および衛星ラジオ・ネットワークを含む。それに加えて、音声、映像、または他のコンテンツも、インターネット・プロトコルおよびテレフォニー・ネットワークを介して放送することができる。このようなネットワークでは、広告などのターゲット・アセットをブロードキャスト・ストリーム内に挿入することが望ましい場合がある。コンテンツを特定のユーザに配信するために使用される放送網の例は、VODおよびポッドキャストなどのオン・デマンド・コンテンツを配信するために使用される放送網を含む。本発明では、この点に関してさまざまな機能を実現するが、これらについては以下でさらに詳しく説明する。
【0030】
例示することを目的として、本発明は、ケーブル・テレビ網の実装を背景に、いくつかの場合について以下で説明される。ケーブル・テレビ網100の主要コンポーネントは、
図1に示されている。例示されているネットワーク100では、中継局104は、多数のソース101〜103のうちのいずれかから放送コンテンツを取得する。さらに、放送コンテンツは、映像・サーバーを介するなどして、記憶媒体105から得られる。例示されているソースは、例えば電波を介してコンテンツを受信するためのアンテナ101、衛星通信を介してコンテンツを受信するためのパラボラ・アンテナ102、およびスタジオまたは他のコンテンツ・ソースから直接コンテンツを受信するためのファイバ・リンク103を備える。例示されているソース101〜103および105は例示のため用意されており、他のソースも利用することができることは理解されるであろう。
【0031】
中継局104は、受信したコンテンツを処理して、ネットワーク・ユーザに送信する。とりわけ、中継局104は、放送コンテンツ信号を増幅し、変換し、他の何らかの方法により処理するだけでなく、それらの信号を組み合わせて1本の共通ケーブルにまとめ、ネットワーク・ユーザ107に送信するように動作することが可能である(後に説明されるように、世帯としてグラフィックで示されているが、本発明のシステムは、世帯内の個々のユーザがターゲットとなる実装において使用することができる)。また、ターゲット視聴者がいかなる意味でも世帯または世帯構成員からなる必要もない。例えば、本発明は、分散型教室の学生へ直接にカスタマイズされたプレゼンテーションを作成するために使用され、例えば、広範にわたる学生にブロードキャストされるプレゼンテーション内においてそれぞれの学生または学生のグループに対し関連性のより高い例が提供される。中継局では、さらに、後に説明されるようにさまざまな背景状況においてユーザからの信号を処理する。中継局104は、そのため、ケーブル・テレビ網100のコントロール・センターまたはローカル・コントロール・センターとみなすことができる。
【0032】
典型的には、中継局104から加入者宅内機器(CPE)108への直接的なファイバ・リンクはない。むしろ、この接続は、一般に、多数のシステム・サブセクションまたは分岐を定めるき線ケーブルおよび引込みケーブルのシステムを必要とする。この配信ネットワークは、多数のノード109を備える。信号をこれらのノード109において処理し、ローカライズされたコンテンツを挿入したり、ローカルで利用可能なチャンネルをフィルタ処理したり、または他の何らかの方法によりノード領域でユーザに配信されるコンテンツを制御する。その結果得られるノード領域内のコンテンツは、典型的には、光および/または同軸リンク106により特定のユーザ107の構内に配信される。最後に、ブロードキャスト信号は、テレビ、データ端末、デジタル・セット・トップ・ボックス、DVR、または他の端末装置を含む、CPE 108により処理される。この点に関して、デジタルまたはアナログ信号が関わっていることがあることは理解されるであろう。
【0033】
ユーザは、ネットワークを使用し、ネットワーク事業者は、望ましいコンテンツまたは番組の配信に基づき、収益を引き出す。これに関する利害関係者は、番組プロバイダ、広告主などのアセット・プロバイダ(番組プロバイダと同じであっても、また異なっていてもよい)、マルチプル・システム・オペレータ(MSO)などのネットワーク事業者、およびユーザ−もしくはテレビ網の場合には視聴者−を含む。番組プロバイダは、例えば、国内または海外ベースのものを含む、連続番組および他の番組を提供するネットワーク、ローカルまたは地域番組を提供することが多いローカルの加盟系列局、映画、ドキュメンタリーなどを制作し、市場に出すスタジオ、およびさまざまな他のコンテンツ所有者またはプロバイダを含む。アセット・プロバイダは、ローカル、地域、国内、または海外レベルでメッセージをユーザに配信する機会に関心を持つ、一般にそのような機会の対価を支払うことを厭わない広範にわたるメーカー、小売り業者、サービス・プロバイダ、および公益団体を含む。後に説明されるように、このようなアセットは、従来の広告、広告または他のコンテンツに関連付けられた広告タグなどのタグ・コンテンツ(静止画オーバーレイ、動画ファイル、またはさらにはリアルタイムの映像および音声を含んでいてもよい)、番組に重ね合わされる、または他の何らかの方法でオーバーラップするバナーまたは他のコンテンツ、プロダクト・プレイスメント、および他の広告メカニズムを含む。それに加えて、ネットワークでは、上記のように内部マーケティング用に挿入スポットを使用することができ、スポットは、公共広告または他の非広告コンテンツに使用することができる。ネットワーク事業者は、一般に、コンテンツをユーザに配信し、他の何らかの方法によりネットワークを運用することだけでなく、ネットワークおよびアセット・プロバイダとの契約、および請求も受け持つ。ユーザは、コンテンツの最終消費者である。ユーザは、テレビ、セット・トップ・ボックス、iPOD(商標)デバイス、データ端末、自動車への衛星配信映像または音声、内蔵テレビ付き電気製品(冷蔵庫など)などを含むさまざまな種類のCPEを使用することができる。
【0034】
後に説明されるように、これらの利害関係者はすべて、ターゲット・アセット配信を含むコンテンツ配信の改善に関心がある。例えば、ユーザは、これにより、関心がある可能性が高いアセットを見せられ、補助金を受けているか、またはアセット・プロバイダが全部負担している番組制作のコストを持ち続けることができる。アセット・プロバイダは、より効果的なアセット配信を利用し、より高い投資利益率を得る。ネットワーク事業者およびアセット・プロバイダは、アセット配信メカニズムとしてのネットワークの高い価値、したがって潜在的に高い収益を享受できる。本発明は、こうした関心をすべて扱う。
【0035】
これら利害関係者すべての利益が調整されるということは、ときには不明確であることに留意されたい。例えば、このようなアセットを消費することにより利益を得るということは、すべてのユーザにとって明白とは限らない。実際、一部のユーザは、関連するコストを理解している場合であっても、そのようなアセットを消費することを進んで避けようとすることがある。ネットワーク事業者およびアセット・プロバイダにおいて、さらに、番組はどのように配信するのが最良なのか、アセット配信はどのように番組に関連付けたらよいのか、収益はどのように分けるべきかについて意見が合わない場合もある。後に説明されるように、本発明は、潜在的利害の不一致に対応するためのメカニズムまたはすべての利害関係者の関心を高められるように全体的価値を上げるためのメカニズムを備える。
【0036】
アセットは、リアルタイム・ブロードキャスト配信、転送・蓄積、およびVODなどのオンデマンド配信を含む、さまざまな配信モードを介して提供される。リアルタイム・ブロードキャスト配信は、ラジオ放送またはテレビ(例えば、電波、ケーブル、または衛星)用の従来のパラダイムなど、複数ユーザへのアセットの同期配信を含む。転送・蓄積モードは、前もってアセットをCPEに配信することを必要とし、かなりの記憶資源、例えば、DVRまたはデータ端末を含む。アセットは、例えば、ユーザによって促されて、またはCPEおよび/または通信ネットワーク内のどこかに常駐するロジックに従って制御されて、後から表示できるように格納される。オンデマンド・モードでは、ネットワークからユーザへの、多くの場合ペイ・パー・ビュー方式による、アセットの個別化された配信を含む。本発明は、これらの配信モードまたは他のモードのどれかに関して利用される。この点に関して、本発明の重要な特徴は、従来のCPEを使用して実装され、しかも、アナログおよびデジタル・ユーザ向けにリアルタイムの放送番組を強化する場合も実質的な記憶装置資源を必要としない。
【0037】
ユーザに配信することができる番組の量は、利用可能な番組スペースにより制限される。これは、さらに、帯域幅によっても決まる。そのため、例えば、ケーブル・テレビ網、衛星テレビ網、衛星ラジオ・ネットワーク、および他のネットワークは、いくつかの帯域幅制限が課せられている。いくつかの放送網において、利用可能な帯域幅は、個々のチャンネルまたは放送局に対し番組を送信するために使用される複数の帯域幅部分に分割される。それに加えて、利用可能な帯域幅の一部は、双方向メッセージング、メタデータ送信、および他のネットワーク・オーバーヘッドで使用される。それとは別に、このような双方向通信は、1つまたは複数の独立した通信ネットワークを使用されることを含む、適切な通信チャンネルにより対応される。顕著な帯域幅部分は、専用割り当てセグメントにより定められ、例えば、周波数範囲により定められるか、または例えば、パケット化されたデータ・ネットワークの場合には動的に構成される。以下で説明されるように、本発明の一実装では、例えば、定義済みアセット配信スポットに関するターゲット・アセット配信のために、アセットの実質的にリアルタイムの送信について利用可能な(専用または日和見的に利用可能な)帯域幅を使用する。この実装では、双方向通信は、専用メッセージング帯域幅により、またアセット配信に使用される帯域幅内でメッセージを符号化することより対応することができる。回線交換IPを使用するDOCSIS経路またはいくつかのTELCOソリューションは、後に説明されるシステムにおいて、中継局とCPEとの間の双方向通信、およびリアルタイムのアセット配信を含む、CPEへのアセット配信に使用される。
【0038】
帯域幅使用度は、地理的依存関係(またはネットワーク再分割依存関係)に基づいて動的に決定されることは理解されるであろう。これの例は、
図2に例示されているようなノード・フィルタを含む、回線交換デジタル・ネットワークなどのネットワークである。例示されているネットワーク200は、高帯域幅リンク204を介して中継局202に関連付けられている多数のノード206を含む。リンク204を介して中継局202から送信されるコンテンツ・ストリームは、多数のコンテンツ、例えば、数百もの映像・チャンネルを含む。コンテンツは、さまざまなノード206から、より制限のある帯域幅を持つと思われるローカル・リンク207〜209を介して個々のCPE 210に配信される。例えば、これらのローカル・リンク207〜209は、光ファイバおよび同軸ケーブル・セグメントを含む。図に示されているように、中継局202とCPE 210との間の通信は双方向である。帯域幅には考慮すべき点があるため、ノード206はそれぞれ、リンク204からローカル・リンク207〜209にコンテンツのサブセットのみを送信するように動作するノード・フィルタを含むことができる。制限されている帯域幅の利用を最適化するために、サブセットは、ノード206のそれぞれについて異なっていてもよい。例えば、所与のチャンネルは、ローカル・リンク207、208、または209のうちのいずれか1つを介して、そのリンク上のCPE 210により要求があった場合のみ、送信する。そこで、例示されている例では、ローカル・リンク207は、映像・チャンネル1、2、3、26、および181を送信し、ローカル・リンク208は、映像・チャンネル1、5、6、8、12、および20を送信し、ローカル・リンク209は、映像・チャンネル1、3、4、5、17、および26を送信する。
【0039】
これにより、このようなノード・フィルタは、ユーザの望みに関して利用可能な帯域幅の使用を最適化するメカニズムを備えている。しかし、このようなノード・フィルタは、アセットの配信を複雑にするか、またはネットワーク到達範囲の認知に影響を及ぼし、したがって、従来のアセット配信パラダイムの背景状況におけるアセット配信の評価に影響を及ぼす。すなわち、場合によっては、所与のネットワークが特定のノード領域内のユーザから直ちに利用できるとは限らず、実際、所与のアセット配信スポットについてそのユーザに到達できない。おそらく、重要なことだが、特定のノード領域内のユーザに渡されるネットワークの数が少ないという事実は、ネットワーク到達範囲とアセット配信価値のそのような認知に影響を及ぼす可能性がある。また、ノード・フィルタがあると、ネットワークの動的性質を前提とした場合、ターゲット・アセット配信の追跡が複雑なものになる。後に説明されるように、本発明では、ノード・フィルタを実装しているネットワーク内であってもアセット配信の強化を可能にする。実際、本発明では、アセットの選択肢の配信に対し利用可能な帯域幅を識別するためにノード・フィルタを利用する。
【0040】
B.スケジューリング
特定の時刻に特定のチャンネルまたは他の帯域幅セグメントでどのような番組が利用可能であるかは、スケジューリングにより決定される。そのため、テレビ放送網の背景状況において、特定の番組にチャンネルに関連する、個々の番組ネットワークでは、一般に、十分先まで、例えば数週間または数カ月先まで、番組スケジュールを組む。この番組スケジュールは、一般に、ユーザが関心のある番組を見つけられるようにユーザに対し公開される。それに加えて、この番組スケジュールは、所望のアセット配信スポットを選択するためにアセット・プロバイダにより使用される。
【0041】
アセット配信も、スケジューリングされる。すなわち、ブレークは、典型的には、番組コンテンツ内に組み込まれるか、または他の何らかの方法により用意される。記録されたコンテンツの場合、ブレークは予め定められている。生放送の場合でも、ブレークは組み込まれる。そのため、ブレークの数と持続時間は、典型的には、予め知られているが、スポットの正確なタイミングは、ある程度可変である。しかし、いつもそうであるとは限らない。例えば、スポーツ・イベントが延長戦に入った場合、ブレークの数、持続時間、およびタイミングは、動的に変わりうる。後に説明されるように、本発明のシステムでは、更新されたブレークについてアセットのリアルタイム配信を処理することができる。通常スケジュールのブレークに関して、後に説明されるように、定められた利用時間枠で、いくつかのブレークまたはスポットが生じる期間が確定され、キュー・トーンまたはキュー・メッセージで、そのようなブレークまたはスポットの開始が知らされる。実際、利用時間枠は、番組と同じくらい、またはそれ以上の長さとすることができ、また関連するすべてのブレークを含む。実際、利用時間枠は、例えば、視聴者人口統計が大きな番組ブロックにわたって著しく変化することが予期されない場合に、数時間の長さとすることができる。この点で、MSOは、番組ネットワークにより与えられる複数の利用時間枠をマージすることができる。
【0042】
より具体的には、ブレークは、一連のアセット配信スポットを含み、ブレークのコンテンツは、多くの事業体により決定される。例えば、ある種のアセット配信は、ネットワーク番組制作と同じ範囲の基盤、例えば国内基盤に基づいて配信される。このアセット配信は、従来、時間設定プレイリストに基づいてスケジュールされている。すなわち、コンテンツの挿入は、定められた時刻にアセットを挿入するように一括制御される。したがって、番組および国内アセット配信は、番組ネットワークにより、アセット挿入のキューなしで連続コンテンツ・ストリームとして提供することができる。例えば、主要ネットワーク上のゴールデンアワーの番組は、主に、この様式で提供されることが多い。
【0043】
他の場合、ブレーク内の個々のスポットが、地域運用センター(ROC)、加盟系列局、上位中継局、またはローカル(中継局、ゾーン)コンテンツに対し割り当てられる。これらの場合、キュー・トーンまたはメッセージで、1つまたは複数のアセット配信スポットの開始を識別する(ブレーク内の一連のアセットは、すべて、1つのキューからトリガできる)。キューは、一般に、アセット配信挿入機会が始まる数秒前に発生し、例えば、番組中またはブレーク中に(例えば、国内広告時に)発生する。本発明のシステムは、国内、地域、およびローカルのアセットに関してターゲット設定することができるようにこの階層のどれかのレベルまたはすべてのレベルで実装される。地域またはローカル・アセット配信の場合、同期アセットの選択肢(後述)は、キューに応じて指定帯域幅内に挿入される。国内アセット配信の場合、1つまたは複数の国内スポットの開始を識別する信号を供給し、本発明のシステムが同期国内アセットの選択肢を指定帯域幅内に挿入できるようにネットワーク信号伝達を拡張される。例えば、このような信号伝達は、本発明のターゲット・アセット・システムでしか使用されないように暗号化することができる。
【0044】
ネットワーク事業者またはローカル・ネットワーク加盟系列局は、一般に、広告対応チャンネル毎に、定められたブレークまたはスポット内に非国内アセットが含まれるようにスケジューリングされる。従来、このスケジューリングは、前もって、典型的には毎日またはそれよりも長い間隔でファイナライズされる。次いで、所与のブレークについてスケジューリングされたアセットは、典型的には、番組ストリーム内のキュー・トーンまたはメッセージに応じて中継局で挿入される。そのため、例えば、所与の利用時間枠が3つのブレーク(それぞれ、一連のスポットを含むことができる)を含む場合、第1のブレークに対するスケジューリングされたアセットは、第1のキューに応じて挿入され、第2のブレークに対するスケジューリングされたアセットは、第2のキューに応じて挿入され、第3のブレークに対するスケジューリングされたアセットは、第3のキューに応じて挿入される。キューを受け取り損なうと、利用時間枠内の後続のすべてのアセットは、捨てられてよい。
【0045】
このような静的な毎日のスケジューリングは問題になりうることは理解されるであろう。例えば、番組スケジュールは、ニュース速報、その日の早い段階のスケジュール・オーバーランからの波及効果、または番組の性質により、変わることがよくある。例えば、スポーツ・イベントなどのいくつかのライブ・イベントは、正確にスケジュールすることが困難である。このような場合、静的なアセット配信スケジュールだと、スケジュールされたアセットと関連する番組との不整合が生じる可能性がある。例えば、特定のスポーツ・イベントなどの高価値番組イベントが予想番組長を超過したとき、より動的なスケジューリング体制が利用できればより高い価値またはきちんと調製されたアセットが使用された可能性がある場合に、他の番組を対象とする、または規模の小さな視聴者に対し価値のあるアセットを示すことができる。本発明では、以下でさらに詳しく説明されるように、このような動的スケジューリングを可能にする。本発明は、さらに、動的スケジューリングの分野における標準の発展にも対応する。
【0046】
C.従来のアセット配信パラダイム
従来の放送網は、アセット対応およびプレミアム・コンテンツ・チャンネル/ネットワークを含む。上記のように、番組コンテンツは、一般に、かなり高くつく。すなわち、番組プロバイダは、一般にかなりの費用をかけて開発または購入された、番組プロバイダが提供する番組について補償されることを期待している。この補償は、アセット配信収益、プレミアム・チャンネルについてユーザが支払う料金、またはそれら2つの何らかの組み合わせによりもたらされうる。いくつかの場合において、資金調達源は、公的資金などの他の調達先であってよい。
【0047】
アセット対応ネットワークの場合、従来のパラダイムは、時間帯購入を含む。特に、アセット・プロバイダは、一般に、自社のアセットを放送したい特定のネットワークにおいて特定の番組または時間帯を識別する。アセットの放送コストは、多数のファクタに依存するが、主要なファクタの1つは、アセットが放送される際に関連する番組に対する視聴者の規模である。そのため、標準の価格決定モデルは、コスト・パー・サウザンド視聴者(CPM)に基づいているが、人口統計または視聴者構成などの他のファクタも、後に説明されるように含む。視聴者の規模は、一般に、格付けに基づいて決定される。これらの格付けを確定する最も一般的なベンチマークは、ニールセン・メディア・リサーチ社(ニールセン)のシステムである。ニールセンによって使用される技術の1つは、ユーザの母集団の統計的に関連すると推定される標本抽出結果の視聴習慣を監視することを含む。ニールセン・システムでは、標本グループの分析結果に基づき、特定の番組を視聴者のどの部分が受信しているかを推定し、その番組に対する推定視聴者規模を見積もることができる。そのため、例えば、ニールセン・システムにより推定されたような特定の番組の過去の実績を使用して、その番組に関連する将来のブレークについてアセット配信価格を設定することができる。
【0048】
実際、この結果、少数の番組ネットワークが全体的アセット収益の大部分を発生することに関わっている。これは、一般的にこの現象を例示している
図4にグラフで示されているが、これは、実際の数に基づいていない。
図4に示されているように、多くの利用可能な番組ネットワークのうち3つもしくは4つの番組ネットワークが非常に大きなシェアを獲得し、残りの番組ネットワークのシェアはわずかであるか、または無視できるくらい小さい場合が多い。実際、いくつかの場合において、多くの番組ネットワークは、典型的なニールセンの標本抽出グループ・サイズに基づいて統計的に特徴付けることが困難なくらい小さいシェアを有する。これらの場合、実質的なアセット収益は、著しいシェアを持つ少数の番組ネットワークに関連して生み出されるが、他の番組ネットワークに関しては生み出される収益はごくわずかである。このことは、他の番組ネットワークが、全体として、絶対的には著しい数のユーザを確保するとしても、間違いない。そのため、従来のパラダイムでは、ネットワーク事業者によるサービスを受ける視聴者全体の規模に釣り合った収益が発生しない。後に説明されるように、これは、本発明により対処できる逸失収益機会である。
【0049】
上記のように、アセット配信の価格決定は、視聴者の規模といくつかの他のファクタに依存する。これらのファクタのうちの1つは、アセット・プロバイダが関心を持つ人口統計に関係する。この点に関して、所与の番組は、一般に、異なる人口統計カテゴリに対して多数の異なる格付けを有する。すなわち、番組は、一般に、テレビを保有するすべての世帯の母集団に対して測定された、世帯格付けだけでなく、テレビを保有するこのカテゴリの全員の母集団に対して測定された、異なる人口統計カテゴリ(例えば、男性18〜24)に対する格付けも有する。そのため、番組は、全体で1(1%)の格付けを、特定のカテゴリについては2(2%)の格付けを有する。典型的には、アセット・プロバイダが時間帯を購入する場合、価格決定は、アセット・プロバイダが関心を持っているカテゴリに対する1つまたは複数の格付けに基づく。この結果、視聴者と所望の人口統計との整合性がよくないため、著しい不効率が生じる。
【0050】
従来、アセット挿入は、中継局側で実行される。これは、
図3に例示されている。例示的なシステム300では、中継局302は、番組フィード304とアセット・ソース306を備える。上記のように、番組フィード304は、映像記憶装置、アンテナ、パラボラ・アンテナ、またはスタジオなどからのファイバ・フィードなどのさまざまな番組ソースに関連付けられる。アセット・ソース306は、記録済みアセットを格納するためのテープ・ライブラリまたは他の記憶装置システムを備える。中継局302に関連するプラットフォーム(この場合、セレクタ308と示されている)は、番組フィード304から番組を、アセット・ソース306からアセットを個々のチャンネル310の映像・ストリーム内に挿入する。これは、加入者に(または少なくともノード・フィルタに)配信されるコンテンツ全体312を定義するためにそれぞれのチャンネルについて実行される。典型的には、必ずというわけではないが、セレクタ308は、番組とアセットとが交互に、時間が重ならないように挿入されるように、番組フィード304とアセット・ソース306とを効果的に切り替える。そのため、
図3に示されているように、特定のチャンネルは、番組の後にキュー・トーン316(例えば、番組セグメント中で、または番組ストリームとともに提供されるアセットの期間中に、挿入機会の直前に発生しうる)が続き、ブレーク318の開始を指示する時間セグメント314を含むことができる。このトーンに応じて、セレクタ308は、アセットをそのチャンネルに対する番組ストリーム内に挿入する動作をする。ブレーク318の終わりに、セレクタ308は、番組フィードに戻り、他の番組セグメント320を挿入する。この点に関する時間軸の1例は、
図15に示されている。
【0051】
このコンテンツ312またはそのフィルタ処理済み部分が、CPE 322に配信される。例示されている実施形態では、CPE 322は、信号処理コンポーネント324およびテレビのディスプレイ326を含むものとして示されている。これらのコンポーネント324および326は、単一デバイスとして具現化することができ、その機能の性質は、さまざまである。デジタル・ケーブル・ユーザの場合、信号処理コンポーネント324は、デジタル信号を復号化するためデジタル・セット・トップ・ボックス(DSTB)に組み込むことができる。このようなボックスは、典型的には、後に説明される機能に関して重要な考慮事項となる中継局302との双方向メッセージングを使用する。
【0052】
II.システムの概要
A.ターゲット・アセット配信環境
従来のアセット配信パラダイムの背景状況において説明されるこの背景に対し、本発明を具現化するシステムについて以下で説明する。本発明のシステムは、後に説明される実施形態において、従来の放送網のいくつかの欠点または不効率を解消するために、広告などのターゲット・アセットの配信を可能にする。一般に、このようなターゲット設定は、個人の所望のグループまたは所望の特性を持つ個人にアセットを送信すること必要とする。これらの特性または視聴者分類パラメータは、個人情報、人口統計情報、心理学的情報、地理情報、またはターゲット視聴者を識別する際のアセット・プロバイダに関連する他の情報に基づいて定義される。好適には、このようなターゲット設定は、番組制作がアセットのターゲット設定のための非常に不完全なメカニズムであるという認識において番組独立である。例えば、ユーザ分析結果が、特定の番組の視聴者の60%は女性であることを示し、女性は特定のアセットに対するターゲット視聴者を含む場合、その番組の放送の結果、40%の不整合が生じる。すなわち、到達する可能性のあるユーザの40%は、アセット・プロバイダにとっては関心がなく、価格決定は、全視聴者の60%にのみ基づく。さらに、理想的には、ターゲット・アセット配信では、非常に細かい粒度を含む一定範囲の粒度のターゲット設定を行える。例えば、地理的グループ分け、世帯特徴付け、またはさらに個別ユーザ特徴付けなどに基づいてグループをターゲットとすることが望ましい。本発明は、番組独立ターゲット設定、高い粒度のターゲット設定、およびさまざまな異なる視聴者分類に基づくターゲット設定に適合する。
【0053】
図5および6は、本発明によりサポートされるターゲット・アセット配信の2つの異なる背景状況を例示している。特に、
図5は、異なるアセット、この場合は広告を、スポット最適化と呼ぶことができる、同じ番組チャンネルを見ている異なるユーザに発信することを例示している。図に示されているように、3人の異なるユーザ500〜502は、この場合は「今週の映画」と示されている同じ番組を見ているものとして示されている。所与のブレーク504において、ユーザ500〜502は、それぞれ、異なるアセット・パッケージを受信する。特に、ユーザ500は、デジタル・ミュージック・プレーヤーおよび映画宣伝広告を受信し、ユーザ501は、高級車の広告および医療保険の広告を受信し、ユーザ502は、ミニバンの広告およびデパートの広告を受信する。それとは別に、単一のアセット・プロバイダ(例えば、自動車会社)は、1つのスポットを購入し、次いで、そのスポットに対する異なるアセットの選択肢(例えば、スポーツカー、ミニバン、ピックアップ・トラックなど)を提供することができる。同様に、別の広告主は、まとめて、スポットを購入し、次いで、それぞれの製品に対する広告を提供することができる(例えば、広告主のターゲット視聴者が相補的である場合)。これらの異なるアセット・パッケージは、異なる視聴者人口統計に合わせてターゲット設定できることは理解されるであろう。このようにして、アセットは、異なる人口統計グループに分類できる所与の番組の特定の視聴者に合わせてうまく手直しできる。そのため、スポット最適化は、所与の(1つまたは複数のアセット・プロバイダによる)所与のスポットにおける異なるアセットの配信を指す。
【0054】
図6は、視聴者集約と呼ばれることもある、本発明の異なる背景状況を例示している。この場合、異なるチャンネルに関連付けられている異なる番組を見ている3人の異なるユーザ600〜602は、同じアセットまたはアセット・パッケージを受信する。この場合、ユーザ600〜602のそれぞれは、それぞれのチャンネルに関連付けられているブレークに関連してデジタル・ミュージック・プレーヤーと映画宣伝広告を含むパッケージを受信する。ユーザ600〜602は、例示を目的として同じアセット・パッケージを受信するものとして示されているが、異なるユーザが、分類パラメータの違いにより、アセットの異なる組み合わせを受信する。この方法で、複数のチャンネルにまたがっているユーザ(それぞれのチャンネルの一部のユーザまたは全部のユーザ)を(所与のアセットおよび時間枠に関して)集約し、ターゲット視聴者分類と一致する著しいユーザ数を持つ仮想チャンネルを定義する。とりわけ、このような視聴者集約では、多数の低シェア・チャンネル上のユーザを寄せ集めて、たぶん高シェア・ネットワークの1つに関連付けられている機会程度の、有意なアセット配信機会を定義することが可能になる。これは、ユーザの宅内にすでにある機器(すなわち、既存のCPE)を使用して、本発明により、実行できる。このような仮想チャンネルは、
図7にグラフで例示されているが、この例示は、実際の数に基づいていない。したがって、視聴者集約は、寄せ集められた視聴者を定義する異なるスポットにおける同じアセットの配信を指す。これらの異なるスポットは、異なるチャンネル上のオーバーラップする(衝突する)番組に対応する時間枠内で発生する。このようにして、これらのスポットは、その時間枠内の異なる時刻であっても、同じユーザによって受信されない。
【0055】
スポット最適化と視聴者集約の両方を含むこのようなターゲット設定は、本発明によりさまざまなアーキテクチャを使用して実装される。そのため、例えば、
図8に例示されているよう、ターゲット・アセット挿入は、CPEのところに実装される。これは、転送・蓄積機能を伴っていてもよい。
図8に例示されているように、CPE 800は、番組ストリーム802およびアセット配信ストリーム804を中継局808から受信する。これらのストリーム802および804は、同軸ケーブルなどの共通信号リンクまたは別々の通信リンクを介して送信される。例えば、アセット配信ストリーム804は、利用可能な帯域幅の指定セグメント、例えば専用周波数範囲を介して、または例えば他の何らかの形でオフエアのときに、アセット配信に日和見的に利用可能な番組チャンネルを介して、CPE 800に送信される。アセット配信ストリーム804は、連続的にまたは間欠的に供給され、また番組ストリーム802と同時に供給される。示されている例では、番組ストリーム802は、DSTBなどの番組復号化ユニットにより処理され、番組が、テレビ受像機814上に表示される。それとは別に、番組ストリーム802は、CPE挿入のため番組記憶装置815に格納される。
【0056】
例示されている実装において、アセットは、例えばターゲット視聴者の視聴者分類パラメータを識別するメタデータとともに、CPE 800の指定記憶スペース806に格納される。この点に関して、CPE 800においてかなりの記憶量が必要になる場合があることは理解されるであろう。例えば、このような記憶装置は、いくつかのデジタル・映像・レコーダ(DVR)ユニットに関連して利用可能である。セレクタ810は、CPE
800上のロジックを実行するプロセッサとして実装される。セレクタ810は、上記の中継局セレクタと類似の機能を持ち、ブレーク816を識別し、適切なアセットを挿入する。この場合、アセットは、世帯、またはより好適には、世帯内のユーザの分類パラメータに基づいて選択される。このような情報は、CPE 800に格納することができるか、または以下でさらに詳しく説明されるようにリモート・コントロールからクリック・ストリームなど視聴習慣の分析結果に基づいて決定される。本発明のいくつかの態様は、このようなCPE挿入環境において実装される。
【0057】
図9では、異なるアーキテクチャが採用されている。特に、
図9では、アセットの選択肢は、ターゲット・アセットの選択肢がサポートされている、所与のチャンネル上の所与のブレークと同期して中継局910から送信される。CPE 900は、ブレークの開始で所望のアセットに関連付けられているアセット・チャンネルに切り替わり、ブレークの終了で番組チャンネルに戻るように動作するチャンネル・セレクタ902を含む。チャンネル・セレクタ902は、ブレーク時にチャンネル間で(アセット・チャンネル間、またはアセット・チャンネルと番組チャンネルとの間で)ホップし、最も適しているアセットを選択される。この点に関して、CPE 900に常駐しているロジックは、アセットがすでに進行であるチャンネルに切り替わることを回避するようにそのようなホップ動作を制御する。後に説明されるように、このロジックは容易に実装されるが、それは、それぞれが選択チャンネル上のアセットのスケジュールが知られているからである。好適には、このすべてが、セット904のユーザの観点からは見えないように実装される。異なるオプションは、少なくとも一部は、アセット・チャンネル906またはそのようなオプションを提供する際の使用に専用の他の帯域幅セグメント(番組チャンネル908とは別の)に関連して提供することができる。それに加えて、いくつかのアセットの選択肢を現在の番組チャンネル908内に挿入される。関連する機能について、以下で詳述する。
図9のアーキテクチャでは、CPE 900にかなりの記憶装置資源を必要としない点を利用しており、したがってその分野にすでにある機器を使用することでこのアーキテクチャを広範囲にわたって、即座に実装することができる。
【0058】
さらに代替えとして、どのアセットを見せるかの決定は、中継局で行われる。例えば、アセットは、後に説明されるように投票に基づいて選択され、他のアセット・チャンネル上のオプションなしで中継局において番組チャンネル内挿入される。これにより、一定の程度のターゲット設定が、スポット最適化の機会なしで上記のように得られる。さらに、オプションは、他のアセット・チャンネルについても用意することができるが、これらのチャンネルの間のような選択は、中継局により決定することができる。例えば、中継局に格納されている世帯またはユーザに関する情報(例えば、所有している自動車のブランド、購読している雑誌など)は、アセットと世帯またはユーザとの整合性をとるために使用することができる。その情報は、「マーケティング・ラベル」と呼ばれることがあり、CPEによりどのアセットが選択されるかを制御するために中継局により使用される。例えば、CPEに対し、これが「ACME優先」顧客に関連付けられていることを知らせることができる。アセットがACME優先メタデータとともに配信される場合、CPEにそのアセットを選択させ、それにより他の視聴者分類考慮事項をオーバーライド(または著しく分解)させることができる。しかし、このようなオペレーションは、機密情報に関係するいくつかの問題を含むか、または他の点では視聴者分類に基づくターゲット設定を損なう可能性がある。
【0059】
そのためアセット・プロバイダが到達しようとして到達の対価支払いを厭わないユーザを適切にターゲット設定し、到達しにくいユーザに適切に到達するための重要な機会が存在する。しかし、多くの難題が、ネットワーク帯域幅制限範囲内で、かなりの必要記憶容量およびユーザの宅内の新しい機器を要求することなく、アセットの選択肢を提供する方法、プライバシー問題に対処しつつ有効なターゲット設定に十分な情報を得る方法、アセットの選択肢および付随する偶発的配信から利用できるようになる、アセット配信の価格決定などのさまざまなビジネス関連問題を取り扱う方法、および既存のネットワーク構造およびシステムの背景状況内で効果的に運用する方法(例えば、ノード・フィルタにまたがって、既存のトラフィックおよび課金システムを使用するなど)を含むこれらの目的を達成することに関してまだ残っている。
【0060】
前記の説明から、本発明のさまざまな態様は、放送網を含む、さまざまなネットワークの背景状況において適用可能であることは理解されるであろう。以下の説明では、ターゲット・アセット・システムの具体的実装について、ケーブル・テレビ網の背景状況においてされる。システムでは、アナログ・ユーザとデジタル・ユーザの両方向けに視聴を高めるが、いくつかの機能は、既存のDSTBを使用して、都合よく実装される。これらは特に有利で、商業的価値のある実装を代表しているが、本発明は、これら特定の実装またはネットワーク背景状況に限定されるわけではない。
【0061】
B.システム・アーキテクチャ
一実装では、本発明のシステムは、番組チャンネル上の他のアセットと時間を合わせつつ、または同期して、アセットの選択肢を送信することを含むが、アセットの選択肢は、少なくとも部分的には、別の帯域幅セグメント、例えばターゲット・アセット配信に少なくとも一時的に専用となるチャンネルを介して提供される。このようなオプションは、典型的には、番組中のブレークに合わせて送信される、連続する番組と反対のオプションを提供することが望ましい場合がある(例えば、指定された地理的領域内の加入者のみが、気象放送、緊急放送、選挙結果、または他のローカル情報を受け取り、他の加入者は間断なく番組を受け取ることができるように)。利用可能なオプションの間の選択は、この実装におけるDSTBのように、ユーザの宅内で実行される。この方法で、アセットの選択肢は、ユーザの宅内にかなり大きな記憶装置資源または機器更新を必要とせずに、適切なターゲット設定を行うのに利用できる(例えば、転送・蓄積アーキテクチャに必要な場合がある)。実際、既存のDSTBは、適切なロジックをダウンロードおよび/またはプリロードすることにより後に説明されるシステムを実装するロジックを実行するように構成することができる。
【0062】
アセットの選択肢は、この実装において、同期送信されるので、利用可能な帯域幅を識別する際に、またその帯域幅を使用する際に効率的であることが望ましい。帯域幅識別の改善のためのさまざまな機能、例えば、ノード・フィルタに関して日和見的に利用可能な帯域幅を識別することについては、後の方で説明する。利用可能帯域幅を効率的に使用するには、利用可能帯域幅セグメントのデューティ・サイクルまたはアセット密度(すなわち、帯域幅セグメントがアセットの選択肢を送信するのに使用する利用可能な時間のうちどれだけの時間が、オプションの送信に実際に使用されるセグメントであるか)と送信されるオプションの価値の両方を最適化することが必要である。前者のファクタは、とりわけ、番組チャンネルのスケジュールされたブレークに関してアセット・チャンネル上のターゲット・アセット配信のスケジューリングを改善することにより対処される。
【0063】
後者のファクタは、現在のネットワーク状態に基づいて最も望ましいアセットで利用可能な帯域幅スポットを埋めることにより一部は解消される。これらの最も望ましいアセットは、従来の格付けに基づくことを含むさまざまな方法で決定される。後に説明される特定の実装では、最も望ましいアセットは、本明細書で投票と呼ばれる方法を介して決定される。
図10は、DSTBなどのCPE 1002、中継局1004などのアセット挿入用のネットワーク・プラットフォーム、およびアセット配信オーダーまたは契約およびアセット配信の課金を得るため示されている例において使用されるトラフィック課金(T&B)システム1006の間のような、この点に関して関連付けられているメッセージング・シーケンス1000を例示している。T&Bシステム1006の機能は、複数のプラットフォーム上で実行されている複数のシステム間に分割することができ、またT&Bシステム1006は、ネットワーク事業者により運営されるか、または別々に運営されてもよいことは理解されるであろう。
【0064】
例示されているシーケンスは、T&Bシステム1006から中継局1004上に契約情報1008をロードすることにより開始する。システム1006に関連付けられているインターフェイスにより、アセット・プロバイダは、従来の時間帯購入(所与のネットワーク上の所与の番組または所与の時間についての)に基づくか、または特定の視聴者分類情報(例えば、望ましい人口統計、心理学、地理、および/または視聴者規模)に基づいて、アセットを配信する契約を実行することができる。後者の場合、アセット・プロバイダまたはネットワークでは、ターゲット視聴者に関連付けられている視聴者分類情報を識別することができる。システム1006は、この情報を使用して、アセットの配信時期および配信先に関する配信パラメータとともに配信すべきアセットを識別する契約情報1008を収集する。
【0065】
例示されている中継局1004は、契約情報を個別ネットワークのブレークのスケジュールとともに使用し、チャンネル毎に、またブレーク毎に、アセットの選択肢・リスト1010を収集する。すなわち、リスト1010は、例えば視聴者分類情報に基づいて、アセットに対するターゲット視聴者を識別する関連メタデータとともに所与の番組チャンネル上の所与のブレークについて投票目的に利用可能なアセットの選択肢の母集団の一覧を示している。送信リスト1010は、サポートされているすべての番組チャンネルを包含することができ、また加入ユーザ全員に送信できるか、またはリストは、例えば現在のチャンネルまたは特定のユーザまたはユーザのグループにより使用される最も可能性の高い、または頻繁に使用されるチャンネルを示す入力に基づいて、サポートされているチャンネルのうちの1つまたはサブセットに制限することができる。リスト1010は、オプションが一覧に載っているブレークの前に、中継局1004からCPE 1002に送信される。
【0066】
リスト1010に基づき、CPE 1002は、投票1012を中継局1004に送り返す。より具体的には、CPE 1002は、まず、現在の(複数の)ユーザおよび、たぶん視聴されている現在のチャンネルに対する分類パラメータを識別し、次回のブレーク(現在のチャンネルまたは複数のチャンネルに対する)に利用可能なアセットとともにそれらのアセットに対するターゲット視聴者を識別し、現在の分類へのこれらのアセットの選択肢のうちの1つまたは複数の「当てはめ」を決定する。一実装では、これらのアセットはそれぞれ、例えばアセットの視聴者分類パラメータと現在の(複数の)ユーザの推測される視聴者分類パラメータとの比較に基づいて、(複数の)ユーザに対する当てはめスコアを付けられる。これは、個別のユーザ分類パラメータが対応するターゲット視聴者パラメータにどれだけよく一致するか、および/またはターゲット視聴者パラメータのうちのどれだけが、ユーザの分類パラメータと一致するかを含む。これらの当てはめスコアに基づき、CPE 102は、最も適している(複数の)アセットを示す投票1012を発行する。この指示を行うために、適当な情報を使用する。例えば、利用可能なすべてのアセットの選択肢(現在のチャンネルまたは複数のチャンネルに対する)のすべてのスコアは、投票1012に含まれる。それとは別に、投票1012は、一致の程度を示すスコアリング情報あり、またはなしで、CPE 1002により選択または選択解除された1つまたは複数のオプションのサブセットを識別し、さらにチャンネル情報を含む。一実装では、中継局1004は、所定のスポットの上位N個のアセットの選択肢に対する当てはめスコアを返すようにCPE(1002)に指令するが、ただし、Nは、ネットワーク・トラフィック・レベルおよび視聴者の規模などの任意の関連するファクタに基づいて動的に構成可能である。好適には、この投票は、投票がネットワーク・ユーザの現在ステータスをより正確に反映するように問題のブレークの少し前に実行される。一実装では、投票は、CPEが設定されている番組チャンネルについてのみ行われ、投票は、定期的に、例えば15分おきに行われる。
【0067】
中継局1004は、CPE 1002からの投票1012を収集して、サポートされている番組チャンネル上の所与のブレークに対する選択されたアセットの選択肢1014の集合を決定する。以下の説明から分かるように、このような投票1012は、すべての関連する、加入CPE 1002(アナログまたは他の何らかの形の非加入ユーザを含む規模の大きな視聴者を代表する)から、またはその統計的標本抽出結果から得ることができる。それに加えて、中継局1004は、帯域幅の量、例えば、所定の番組チャンネルに対する所定のブレークをサポートするオプションの送信に利用可能な専用アセットの選択肢・チャンネルの数を決定する。
【0068】
この情報すべてに基づき、中継局1004は、アセットの群、例えば、最高の投票値または最高の重みが付けられている投票値を有し、このような重み付けにおいてユーザ毎の値または分類当てはめを越える他の情報を考慮している、アセットの選択肢をまとめる。このよう群は、現在の番組チャンネルだけでなくアセット・チャンネル上に挿入されるアセットの選択肢を含むが、異なる挿入方法およびコンポーネントが、番組チャンネルおよびアセット・チャンネル挿入に関して含む。いくつかのアセットは、例えばいくつかの公共サービス・スポットまたは特定のプロバイダが保証配信に割増料金を支払っている場所を投票することと無関係に、またはほとんど無関係に、まとめることができることは理解されるであろう。さらに、単一のアセット・プロバイダがスポットを購入し、次いでそのスポットについて複数のアセットの選択肢を提供するスポット最適化背景状況では、投票は不要な場合がある(ただし、投票は、それでもオプションを選択するために使用できる)。
【0069】
一実装では、この群は、専用アセット・チャンネル毎にアセットの選択肢の集合にまとめられ、そこでは、それぞれの集合の時間長は、ブレーク内のチャンネル・ホッピングが不要になるように、ブレークの長さと一致する。それとは別に、CPE 1002は、ブレーク内で所望のアセットにアクセスするためにアセット・チャンネル間をナビゲートすることができる(関連するアセット・チャンネル上のアセット開始が同期しているものとする)。しかし、群行列列が所与のスポットに対するオプションを含み、行がチャンネルに対応する)は、長方形である必要はないことは理解されるであろう。別の言い方をすると、いくつかのチャンネルは、ブレークの一部のみについてアセットの選択肢を提供するために使用される、すなわち、1つまたは複数のスポットについてブレークの開始で使用されるが、ブレーク全体にわたっては利用されないか、またはブレークの1つまたは複数のスポットが放送された後でしか使用されない。選択されたアセット1014および関連するアセット・チャンネルのリストは、次いで、例示されている実装においてターゲット視聴者を識別するメタデータとともに送信される。CPE 1002がアセットの選択肢・リスト1010を保持している場合に、この工程でメタデータを含むことは不要な場合があることは理解されるであろう。このリスト1014は、好適には、アセット1016の送信のすぐ前に送信される(これは、少なくとも一部は問題のブレークをサポートするために使用されるそれぞれの専用コンタクト・オプション・チャンネルに対するアセットの選択肢の集合を含む)。
【0070】
CPE 1002は、選択されたアセットの選択肢1014および関連するメタデータのリストを受信し、(複数の)ユーザに、利用可能なオプションのうちのどれを配信するかを選択する。例えば、これは、現在の視聴者分類パラメータ値(投票を目的として使用されるのと同じであっても、同じでなくてもよい)とアセットの選択肢のそれぞれに関連付けられているメタデータとの比較を含む。選択されたアセットの選択肢は、CPE 1002を対応する専用アセットの選択肢・チャンネルに選択的に切り替えて、問題のブレークの始まりに選択されたアセット1016を表示するために使用される。アセットの選択肢集合のうちの1つ、例えば、最高投票値を受け取ったアセットからなるものは、多くのユーザにとって切り替えが必要ないように番組チャンネル内に挿入される。投票するCPEは、全ユーザの母集団を少なくともいくぶんは代表すると仮定すると、かなりの程度のターゲット設定は、これにより、アナログまたは他の何らかの形で非加入のユーザの場合であっても達成される。この点に関して、投票器は、非投票ユーザのプロキシとして使用される。CPE 1002は、ブレークの終わりに番組チャンネルに戻る。好適には、このすべてが、(複数の)ユーザの観点から透過的である、すなわち、好適には、ユーザ入力は一切必要ないということである。システムは、ユーザ入力がターゲット設定システムをオーバーライドするように設計することができる。例えば、ユーザがブレーク中にチャンネルを変更する場合、この変更は、ターゲット設定システムが有効状態でないように実行される(例えば、次のチャンネルに進めるコマンドは、CPEを現在の番組チャンネルのすぐ上にあるチャンネルに設定し、しかも、そのチャンネルに現在利用可能なオプションに関係せず、また現在テレビ出力を調達している専用アセット・チャンネルとも無関係である)。
【0071】
このシステム・アーキテクチャでは、転送・蓄積アーキテクチャ、またはアセットの選択肢の選択がCPE側で実行される他のオプションのように、レポートがない場合に特定のアセットの選択肢を何人のユーザまたは何世帯が受信したかについてある種の不確定性がある。これは、ビジネスの観点からは許容可能と思われる。レポートがない場合、視聴者規模は、投票データ、従来の格付け分析結果、および他のツールに基づいて推定される。実際、従来のアセット配信パラダイムでは、アセット・プロバイダは、ニールセン格付け推定および人口統計情報を市場分析結果とともに受け入れ、投資収益率を評価する。しかし、この不確定性は、どのようなアセット配信環境でも最適とはいえず、従来の手段による測定が困難な番組ネットワークを潜在的に含む、複数の番組ネットワークにまたがる視聴者集約の背景状況において特に問題となる。
【0072】
本発明のシステムは、好適には、個々のCPE 1002が中継局1004にCPE 1002でどのような1つまたは複数のアセットが配信されたか、また適宜配信先(視聴者の分類に関する)のレポートを返すレポート・システムを実装する。さらに、これらのレポートは、(そのような番組チャンネル上で)アセットがどこに配信され、アセットが(もしあれば)どれだけ消費されたかが示される。このようなレポート1018は、全加入CPE 1002により、またはその統計的標本抽出により形成される。これらのレポート1018は、ブレーク毎に、定期的に(例えば15分おきに)生成されるか、または中継局1004に送信される直前に集計する。レポートは、問題のアセットの配信の後まもなく送信するか、または例えば、メッセージング帯域幅の利用度の高い時刻に送信するために、蓄積される。さらに、このようなレポートは、レポートのせいでメッセージング負荷が分散するようにCPE 1002間のように調整される。
【0073】
いずれの場合も、レポート1018は、さまざまなアセットの選択肢の配信を評価するために、T&Bシステム1006に課金情報1020を供給するために使用される。例えば、課金情報1020は、どれだけの規模の視聴者が各オプションを受信したか、またその視聴者がターゲット視聴者とどれだけよく一致したかを判定するためにT&Bシステム1006により使用される。例えば、上記のように、当てはめスコアは、視聴者分類とターゲット視聴者との比較に基づいて特定のアセットの選択肢について生成する。このスコアは、任意のスケールをとる、例えば1〜100としてよい。適合度は、この生のスコアに基づいて、または「優秀」、「良」などのこのスコアの特性に基づいて、決定される。ここでもまた、これは、ユーザの個別視聴者分類パラメータが対応するターゲット視聴者パラメータにどれだけよく一致するか、および/またはターゲット視聴者パラメータのうちのどれだけが、ユーザの視聴者分類パラメータと一致するかに依存する。この情報は、次いで、少なくとも集約形態で、アセット・プロバイダに提供することができる。このようにして、ネットワーク事業者は、ターゲット・メッセージの保証配信に基づいて課金するか、または適合度とともに視聴者規模に基づいて課金率をスケーリングする(または配信を増やす)ことができる。レポート(および/または投票)1018では、さらに、格付け、シェア、視聴者の人口統計などを正確に計測するために使用することができるネットワーク上のユーザ分布の迅速で、詳細な測定を行える。さらに、この情報を使用して、将来の視聴者推定情報1022を供給し、例えば、これにより、視聴者分類パラメータに基づき全ターゲット母集団が推定される。
【0074】
こうして、本発明では、MSOなどのネットワーク事業者が従来のアセット配信(時間帯)購入パラダイムの下で、または新しいコマーシャル・インプレッション・パラダイムまたはその両方の下で、アセット配信が販売されることは理解されるであろう。例えば、特定のMSOは、コマーシャル・インプレッション・パラダイムを使用して複数の市場シェアの低いネットワーク上のユーザを集約しつつ、古い時間帯購入パラダイムの下で大きなネットワーク(またはゴールデンアワーのこれらのネットワーク)についてアセット配信スペースを販売することを選択可能である。他のMSOは、異なる人口統計のターゲットになっている複数のオプションで所与の時間帯を埋めたいと考えているアセット・プロバイダに対応しつつ、基本的な時間帯購入パラダイムを保持することを選択することができる。他のMSOは、ターゲット・インプレッション・パラダイムを使用してその日の他の時刻にユーザを集約しつつ、すべてのネットワークにわたりゴールデンアワーに基本的時間帯購入パラダイムを保持することを選択することができる。ターゲット・インプレッション・パラダイムは、この制限された目的に関してのみこのようなMSOで使用される。
【0075】
図12は、関連する方法1200を例示する流れ図である。アセット・プロバイダ(またはその代理店)は、後に説明されるように契約プラットフォームにアクセス(1202)することにより例示されている方法1200を開始する。それとは別に、アセット・プロバイダは、このようなプラットフォームにアクセスするシステム・オペレータまたは他の当事者の営業部または他の要員と連携する。さらの他の手段として、自動化購入システムを採用し、システム間インターフェイスを介してそのようなプラットフォームとインターフェイスする。このプラットフォームは、グラフィカル・ユーザ・インターフェイスを備え、アセット・プロバイダは、これにより、配信戦略を設計し、アセットを配信するための対応する契約を締結するする。次いで、アセット・プロバイダは、このインターフェイスを使用して選択し(1204)、時間帯購入戦略またはターゲット・インプレッション購入戦略のいずれかを実行する。時間帯購入戦略の場合、アセット・プロバイダは、次いで、ユーザ・インターフェイスを使用して、ネットワークおよび時間帯またはアセットを配信するための所望の放送時間および頻度を識別する他の番組パラメータを指定する(1206)。そのため、例えば、アセット・プロバイダは、適切な視聴者がいると確信された特に識別されている番組に関連してアセットを放送することを選択する。それに加えて、アセット・プロバイダは、番組中の第1のブレークまたは複数のブレークにアセットが出現するように指定する。アセット・プロバイダは、さらに、アセットが、例えば、ブレーク内の第1のスポットで放送され、ブレーク内の、または他の何らかの形の最後のスポットにおいて特定のアセット配信時間帯を指示するように指定する。
【0076】
アセットに対する時間帯がこうして指定された後、MSOは、アセットを指定された番組チャンネル・アセット・ストリーム内に埋め込ませる(1208)。次いで、アセットは、利用可能になり、番組チャンネルのすべてのユーザにより消費される。次いで、MSOは、典型的には関連する格付け情報に基づき、アセット・プロバイダに課金する(1210)。例えば、課金率は、問題になっている番組に対する前の格付け情報に基づいて前もって定めておくか、または番組の特定の放送に対し最もよく利用できる格付けを使用して、アセット・プロバイダに課金する。そのため、従来の時間帯購入パラダイムは、特定のネットワーク上の特定の時間帯に対するすべてのユーザへの配信に限定され、所与のネットワークの特定のユーザをターゲットとするか、または1回の購入で複数のネットワークに配信されたユーザをターゲットとすることを許さないことは理解されるであろう。
【0077】
ターゲット・インプレッション購入の場合、アセット・プロバイダは、以下でさらに詳しく説明されるようなユーザ・インターフェイスを使用して、視聴者分類および他の配信パラメータを指定する(1212)。視聴者分類パラメータの場合、アセット・プロバイダは、ターゲット視聴者の性別、年齢範囲、所得範囲、地理的位置、ライフスタイルの関心、またはその他の情報を指定する。追加の配信パラメータは、配信時間、頻度、視聴者規模、またはターゲット視聴者を定義するのに役立つ他の情報に関係する。パラメータの組み合わせも指定することができる。例えば、アセット・プロバイダは、特定の人口統計グループにおいて視聴者規模100,000を指定し、さらに、所定の回数だけアセットをすでに受信しているユーザにはアセットを配信しないように指定する。
【0078】
この情報に基づき、本発明のターゲット・アセット・システムは、該当するユーザをターゲットとするように動作する。例えば、これは、大きなネットワークの選択されたユーザのみをターゲットとすることを含む。さらに、またはそれとは別に、これは、複数のネットワークにまたがってユーザを集約し(1214)、視聴者仕様条件を満たすようにすることも含む。例えば、複数の番組チャンネルから選択されたユーザは、指定された期間内にアセットを受信し、所望の視聴者分類に一致するユーザからなる所望の規模の視聴者集団を形成することができる。ユーザ・インターフェイスは、好適には、アセット・プロバイダがあり得そうな視聴者規模の指示情報を受け取るように視聴者分類および配信パラメータに基づいてターゲット母集団を推定する。
【0079】
集約システムは、さらに、時刻購入を実行するために使用される。例えば、アセット・プロバイダは、ターゲット視聴者の視聴者分類パラメータを指定し、さらに、アセットの放送に対する時刻およびチャンネルを指定することも可能である。そのチャンネルに合わされたCPEは、次いで、本明細書で説明されているように投票の方法に基づいてアセットを選択することができる。また、アセット・プロバイダは、視聴者分類パラメータおよび実行時刻または時間範囲を指定してもよいが、番組チャンネルは指定できない。この方法で、配信戦略を設計するうえで、著しい柔軟性が得られる。また、ネットワーク事業者が、これらの戦略オプションのいくつかを、例えば、ビジネス上の理由から無効にすることも可能である。
【0080】
この入力情報に基づき、本発明のターゲット・アセット・システムは、1つまたは複数のブレークの1つまたは複数の時間帯にオプションとしてアセットを提供するように動作する。スポット最適化の場合、複数のアセットの選択肢を、ターゲット視聴者を識別する情報とともに配信し、最も適しているアセットを個々のCPEに配信できるようにする。視聴者集約の場合、アセットは、複数の番組チャンネル上の複数のブレークに関連してオプションとして提供してよい。次いで、システムは、CPEによるアセットの実際の配信に関するレポートおよび実際の視聴者がターゲット視聴者の分類パラメータにどれだけ当てはまるかを示す情報を受信し、処理する(1218)。次いで、アセット・プロバイダは、実際のレポート情報に基づいて保証配信および適合度に従って課金されるようにできる(1220)。そのため、新しいアセット配信パラダイムは、特定の番組との関連ではなく、どのアセットが特定のユーザをターゲットとするかにより定義されることが理解されるであろう。これにより、所与の番組に対する個別のユーザのターゲット設定がうまくいくだけでなく、シェアの低いネットワーク上のターゲット・ユーザへの到達度も改善される。
【0081】
前記の説明から、メッセージング・シーケンス内のさまざまな工程は、分類パラメータに基づくアセットとユーザとの照合を対象としており、これにより、そのような照合に基づき、またはネットワークをまたいで視聴者分類情報を伝達することに他の何らかの形で依存して、適合度の判定を行う。ユーザ・プライバシー問題および関連する規制制度を考慮する方法でこのようなメッセージングを実装することが好適である。
【0082】
例示されているシステムでは、これは、例えば個人情報(PII)を含む、ユーザ・プロファイルまたは他の機密情報を永続的に格納することのないシステムを実装することにより、対処される。特に、PIIの確定した定義を越える対象を機密情報として保護することが望ましい。この点に関する1例では、MACアドレスについて、このようなアドレスが現在米国におけるPIIの定義内に含まれると考えられないとしても保護することが望ましいと思われる。一般に、プライバシー問題を引き起こす可能性のある、またはネットワーク使用度情報を識別する可能性のある情報は、機密情報とみなしてよい。より具体的には、このシステムは、機密情報を含まないアセットを識別する投票を介してアセットの選択肢の送信前に現在のネットワーク状態を知る。また、レポートは、配信されたアセットを識別すること(アセットは、ターゲット視聴者パラメータに関連付けられている)または(複数の)ユーザの視聴者分類パラメータのターゲット視聴者定義への当てはめの特徴付けに制限することもできる。例えば、後に説明されるように広告スキップを考慮してレポートを特定のユーザに関連付ける場合でも、このような関連付けは、PIIを含まない識別コードまたはアドレスに基づくようにできる。いずれの場合も、識別コードまたは機密情報とみなされる他の情報は、すぐに剥ぎ取って、破棄するか、またはハッシングし、視聴者分類情報は、匿名および集約形態でのみ使用され、これによりプライバシー問題に対処することができる。ハッシングに関しては、MACまたはIPアドレスなどの機密情報(指定ヘッダ・フィールド内に入れることができる)をハッシュ関数に通し、ヘッダに再度付加し、例えば、望まれているのと同じ発信源からのメッセージの匿名識別を使用可能にする。さらに、ユーザに対し、ターゲット・アセット・システムを通知し、加入ユーザが積極的に加入に同意するようにユーザが選択するか、または手を引くことを許す。
【0083】
上の説明の大半は、世帯とは反対に個人に関係するものとして視聴者分類パラメータを取りあげている。
図11は、複数のユーザ1103〜1106に関連付けられているテレビ受像機1100およびDSTB 1102を含むCPE 1101の理論的な例を示している。矢印1107は、リモート・コントロールからのクリック・ストリームなどのユーザ入力ストリームを時間の経過とともに表している。第1のユーザ1105は、この場合は子供であるが、第1の期間−例えば朝−にテレビ1100を使用する。第2および第3のユーザ1103および1104(「父親」および「母親」と指定される)は、期間1109および1110、例えば、午後もしくは夜に、テレビを使用する。ベビーシッター1106は、この例では夜間にテレビを使用する。
【0084】
これは、ターゲット・アセット配信に関係する多数の難題を示している。第1に、複数のユーザ1103〜1106がいるため、世帯人口統計に基づくターゲット設定は、有効性が限られてしまう。例えば、子供1105および父親1103は、多くの場合、同じアセット・プロバイダによるターゲットとならない。さらに、場合によっては、複数のユーザが、期間1109〜1110のオーバーラップにより示されているのと同じ時間に同じテレビを見る可能性がある。それに加えて、ベビーシッター1106により例示されているようないくつかの場合には、(ターゲット・アセット・システムの観点から)予想外のユーザが、テレビ1100を使用している可能性がある。
【0085】
これらの顕著な問題は、本発明のターゲット・アセット・システムにより好適には対処される多数の目的に関連するものである。第1に、システムは、好適には、単一のテレビ受像機の複数のユーザを区別し、上記のシステムの背景状況において、それに応じて、投票をし、ネットワークにレポートするように動作すべきである。第2に、システムは、好適には、父親1103による使用から父親と母親1103および1104の両者による使用、さらに母親1104のみによる使用への遷移などの変化する状態に対し時間の経過とともに反応すべきである。このシステムは、さらに、ベビーシッター1106などの予想外のユーザを特徴付ける機能をある程度有しているべきである。その場合、システムは、クリック・ストリーム1107以外で進行する他の情報を持たないことがある。システムは、さらに、テレビ受像機1100がまだオンになっているかもしれないけれども、明らかに、ユーザが存在していない期間を識別することもできる。好適には、システムは、さらに、ユーザ・プロファイルまだは機密情報の永続的格納なしで動作し、第三者がターゲット・アセット・システムを介してこのような情報を悪用したり、ユーザ1103〜1106のどれかのプライベート・ネットワーク使用パターンを発見する意味のある機会を得ることのないようにする。プライバシー問題は、それとは別に、ユーザからの同意を得ることにより対処することができる。このように、PIIを含む機密情報は、ネットワーク上で送信し、ターゲット設定で使用するために永続的に格納される。これは、例えば、中継局において、詳細なユーザ・プロファイルを収集することを許す場合がある。次いで、アセットは、ユーザ・プロファイルに基づいて選択することができ、いくつかの実装においては、特定のCPEに宛とすることができる。
【0086】
いくつかの実装では、本発明は、時間枠内のクリック・ストリームを監視し、人口統計または心理学カテゴリに関係しうる定義済み視聴者分類パラメータに合わせてクリック・ストリームにより定義されたパターンと一致するように数学モデルを適用する。クリック・ストリームは、ユーザにより選択された番組、ボリューム、および分類パラメータに対し少なくとも統計的な意味で何らかの相関を有すると考えられる他の情報を示すことは理解されるであろう。それに加えて、チャンネル変更の頻度およびユーザが特定のアセットのところでうろうろする時間の長さなどのファクタは、視聴者分類パラメータの値を決定することに関連すると思われる。このシステムは、さらに、明らかにユーザが存在しない場合についても識別することができる。
【0087】
第1の実装では、CPE 1101に関連するロジックは、確率論的モデリング、ファジー論理、および/または機械学習を使用して、クリック・ストリーム1107に基づき現在の1人または複数のユーザの視聴者分類パラメータ値を徐々に推定する。この方法は、適宜、例えば、特定の入力に関連付けられた確率に影響を及ぼす可能性のある世帯に関する格納されている情報(好適には、機密情報を含まない)に基づき補足的なものであってよい。この方法で、それぞれのユーザ入力イベント(ステータスの変化および/または持続時間情報の1つまたは複数の項目を含む)を使用し、関連付けられている確率値に基づき視聴者分類パラメータの現在の推定値を更新することができる。ファジー論理は、変化し、制限される予測値の入力に基づく推定値を受け入れるファジー・データ集合および確率論的アルゴリズムを含むことができる。
【0088】
第2の実装では、クリック・ストリームは、視聴者分類パラメータ情報を得るために処理することができる不完全な、または雑音が含まれる信号としてモデル化される。より具体的には、時間経過による一連のクリックまたは関連情報は、時間ベースの信号として表示される。この入力信号は、視聴者分類パラメータに相関しうる所望のシグネチャまたはパターンを反映するものとして仮定される。しかし、この信号は、不完全であるか、または雑音が含まれると仮定される−信号処理におけるよくある問題である。したがって、フィルタ処理技術を使用して、入力ストリームから「真」の信号を推定し、関連するアルゴリズムで、その信号と所望の視聴者分類情報との相関を求める。例えば、非線形適応フィルタは、この点で使用することができる。
【0089】
これらの指摘されている例のいずれかにおいて、いくつかの好ましい特性が適用される。第1に、システムへの入力は、主に、クリック・ストリームおよび格納された集約または統計データであり、機密情報を実質的に含まない。これにより、プライバシー問題は上記のように対処されるが、さらに、予想外のユーザなどの新しい環境を評価するかなり大きな自由度が得られる。それに加えて、システムは、好適には、古い入力よりも最近の入力の方が重要であるように忘れる機能を有する。示されている例はいずれも、この目標に応える。このような忘れる機能により、システムは、例えば、第1のユーザから複数のユーザ、そして第2のユーザへの変化に適応することができることは理解されるであろう。それに加えて、この忘れる機能は、一度にシステムで利用可能な情報表示する量を制限し、これにより、さらにプライバシー問題に対処し、またそのような情報が発見される可能性がある期間を制限する。例えば、定期的に、例えば、DSTBのプラグが抜かれたときに、情報を削除し、設定を既定値にリセットされる。
【0090】
このようなユーザ分類システムを実装するシステムのブロック図は、
図11Bに示されている。例示されているシステムは、ユーザ入力モジュール1122および分類モジュール1124を含むCPE 1120で実装される。ユーザ入力モジュールは、ユーザ入力を、例えばチャンネル選択、ボリューム設定などが示される、リモート・コントロールまたはテレビ・コントロール・ボタンから受け取る。これらの入力は、多数の機能について番組情報1132(チャンネル選択と番組および/または関連する視聴者プロファイルとの相関を求めることができる)とともに使用される。この点に関して、存在検出器1126は、ユーザが配信されるアセットの全部または一部について存在する可能性が高いかどうかを判定する。例えば、ユーザ入力なしの期間が長い場合、これは、存在し注意を払っているユーザがいないことを示すか、またはボリューム設定が0の場合、これは、アセットが実際に配信されていなかったことを示す。分類子1128は、上記のように世帯の1人または複数のユーザに対する視聴者分類パラメータを展開する。ユーザ識別子は、分類されているユーザのうちのどのユーザが現在存在しているかを推定する動作をする。それとともに、これらのモジュール1126、1128、および1130は、投票(または投票しないことを選択)し、および/またはレポートを生成(またはレポートを生成しないことを選択)するために使用することができる視聴者分類情報を提供する。
【0091】
上記のように、ターゲット設定に使用される視聴者分類のうちの1つは、場所である。特に、アセット・プロバイダは、定義済み地理的ゾーン(例えば、小売店の近く)内のユーザのみをターゲットとしたい場合があるか、または異なるアセットのターゲットを異なる地理的ゾーン(例えば、異なる自動車広告のターゲットを場所に基づいて異なる想定所得レベルを持つユーザにする)にしたい場合がある。いくつかの実装では、本発明は、特定のCPE 1101の場所を決定し、場所情報を使用して、アセットのターゲットを特定のCPE 1101に設定する。CPE 1101の場所の指示は、機密とみなされうる情報を含むことは理解されるであろう。本発明は、さらに、これらのプライバシー問題に対処する方法で場所情報を作成し、抽出し、および/または受け取る。これは、さらに、ネットワーク上で送信された場所情報から機密情報を一般化するか、または他の何らかの手段で除去することにより実行される。これは、CPE 1101または中継局側にフィルタ処理またはソート機能を備えることにより実現される。例えば、レポート機能において有用と思われる情報(すなわち、指定された場所ゾーン内での配信成功回数を判定するために)は、機密情報がほとんどまたは全く含まれない状態で上流に送信される。さらに、このような場所情報は、個人的に識別可能でないように、一般化される。例えば、所与のブロック上または他の地理的ゾーン(郵便番号+2のゾーンに関連付けられているようなもの)内の全ユーザは、同じ場所を識別子(例えば、そのゾーンの重心)に関連付けられる。
【0092】
一実装では、CPE 1101に関連付けられたロジックは、識別子を上流に向かって中継局2304に送信するが、ただし識別子は、課金アドレスのリストと突き合わせて相互参照される。その識別子と一致する課金アドレスは、次いで、例えば、GIS情報を使用して、1組の座標(例えば、デカルト地理座標)に翻訳され、それらの座標または関連する地理的ゾーン識別子は、CPE 1101に送り返され、場所情報の一部として格納される。それとは別に、リストがブロードキャストされる。この場合、複数のまたはすべてのネットワーク・ユーザに対する場所情報を含むリストがブロードキャストされ、それぞれのCPE 1101は、それ自身の情報を選択する。アセット・プロバイダは、さらに、ターゲット場所情報をアセットに関連付ける。例えば、以下で指定されるような契約インターフェイスに関連して、アセット・プロバイダは、ターゲット・アセット配信ゾーンを定義する。好適には、これは、グラフィカル・インターフェイスを介して(例えば、地図を表示して)実行され、定義済みゾーンは、細かい粒度レベルに合わせて、ノード領域または他のネットワーク・トポロジに制限することなく注目するターゲット領域と一致させる。さらに、このようなゾーンは、不連続な部分を含む複雑な形状を持有してもよい。好適には、これらのゾーンは、次いで、アセット・メタデータの従来の送信、およびユーザの場所との比較を可能にするという点で、例えば、グリッド要素または領域セルに関して表される。
【0093】
他の実装では、個々の地理的領域は、一意的な識別子に関連付けられ、新しい領域は、既存の領域の合併に基づいて定義される。これは、最も細かいレベルで個別のCPEを識別する粒度に拡張される。多数のCPEを含むより高いレベルを、プライバシー問題に対処するため投票およびレポート機能に使用される。
【0094】
アセットの選択肢・リストまたはアセット配信要求(ADR)を受信した後、CPE 1101は、ADRを解析し、CPE 1102の場所がADRで参照されているアセットのターゲットにされている場所に含まれているかどうかを判定する。例えば、これは、多角形内の1点または領域アルゴリズム内の他の点、半径分析、または4分木データ構造などの定義済みグリッドまたはセルのネットワークとの比較を含む。CPE 1101は、次いで、その特定のCPE 1101の場所がアセットのターゲットになっているかどうかを含む基準に基づいて受信されるアセットの投票を行う。
【0095】
アセットの選択肢を表示した後、CPE 1101は、さらに、レポート機能でその場所情報を使用し、上流に送信される配信データを強化することも可能である。CPE 1101がその場所情報を使用する方法により、実質的にすべての機密情報が場所情報から削除される。例えば、CPE 1101は、場所の特定のグループをターゲットとするアセットが、そのグループ内の場所のうちの1つに配信されたことをレポートする。この例におけるCPE 1101は、アセットが実際に発信された先の場所をレポートしない。
【0096】
同様に多くの場合、タグをアセット選択に関連付けることが望ましい。このようなタグは、そのようなアセット上に重ね合わされるか、または付加される追加の情報である。例えば、タグは、より広範囲に配信されるアセットの終わりに地元の小売店または他の事業の場所に関する情報を供給する。従来、このようなタグは、中継局で挿入する前に広告に付加されており、粗いターゲット設定に制限されていた。本発明によれば、タグは、近所などの特定のゾーン、場所、または領域内のユーザをターゲットとする。タグは、さらに、年齢、性別、所得レベルなどの他の視聴者分類パラメータに基づいてターゲット設定できる。例えば、デパートの広告の終わりのところのタグは、特定の人口統計集団にとって関心深い特定の品目に関するスペシャルを広告することができる。特に、タグは、アセット群に含めることができ、また条件付きで、CPE 1101内に含まれるロジックに基づいて挿入される。そのため、タグは、他のアセットと同様にターゲット設定できる別々のユニットであるが、ただし、対応するアセットに関連付けられるように条件付きロジックを持つ。
【0097】
本発明は、特定のCPE 1101の場所に関係する情報を使用して、タグのターゲットを特定のCPE 1101に設定する。例えば、CPE 1101は、上記のように、デカルト座標の形態でその場所に関係する情報を含む。アセットが、タグがそれとともに、またはそれの代わりに配信できることを示す場合、CPE 1101は、潜在的タグのどれかと関連して、特定のCPE 1101に含まれる場所情報により満たされる場所基準があるかどうかを判定する。例えば、タグは、特定の近所を定義する場所基準を含む。CPE 1101がその近所に配置されている場合、CPE 1101は、タグの配信に必要な他の基準が満たされていると仮定して、タグを配信することを選択する。他の基準は、所与のブレーク、他の人口統計情報、および国内または非局在的アセットに関係する情報において利用できる時間を含む。
【0098】
上で簡単に述べたように、ターゲット設定は、さらに、マーケティング・ラベルに基づいて実装される。特に、中継局は、さまざまなソースからユーザまたは世帯に関する情報またはマーケティング・ラベルを取得する。これらのマーケティング・ラベルは、ユーザが高価な自動車を購入すること、ユーザが18〜24歳の男性であること、またはアセット・プロバイダにとって潜在的に関心深い他の情報を示す。いくつかの場合において、この情報は、視聴者分類パラメータに類似しているが、適宜静的(テレビ・ユーザが変わっても変化しない)で、ハード・データに基づく(視聴パターンなどに基づいて推定されるのとは反対に)。他の場合には、マーケティング・ラベルは、視聴者分類に比べて、より具体的であるか、または他の何らかの形で異なる。いずれの場合も、中継局は、マーケティング・ラベルに関するユーザ/世帯の種類をCPEに知らせる。次いで、アセット・プロバイダは、マーケティング・ラベルに基づきアセットをターゲット設定し、アセットは、ターゲット設定が一致するCPEにより配信される。これは、視聴者集約およびスポット最適化の背景状況において使用される。
【0099】
そのため、本発明のターゲット・アセット・システムでは、関連する視聴者分類に基づいて、または決定されようとなかろうと、クリック・ストリームなどのユーザ入力に基づいて、またはマーケティング・ラベルもしくは加入者宅内機器にプッシュされる他の情報に基づいて、または中継局に格納もしくは中継局で処理される人口統計もしくは他の情報に基づいて、または上記または他の情報の組み合わせに基づいて、放送網内のアセットのターゲット設定を行う。したがって、この点に関して、放送網の背景状況において、ダイレクト・メールなどの他の背景状況に以前には制限されていたターゲット設定概念を使用すること。例えば、このようなターゲット設定では、金融情報、前回購入情報、定期購読情報などが使用される。さらに、他の背景状況において作成された分類システムを活用して、本発明により得られるターゲット設定の価値を高めることができる。
【0100】
そこで、これらのコンポーネントの動作を理解するためのシステムの背景を述べた、システムの主要コンポーネントの序論的説明を含むシステムの概要を説明した。以下の節では、さまざまなコンポーネントについてさらに詳しく説明する。
【0101】
III.コンポーネントの概要
A.測定および投票
上記のように、テレビ網のユーザにターゲット・アセットを提供するために、CPEの少なくとも一部から受信した信号を利用して、配信のアセットの選択肢を選択し、および/または視聴者の規模および構成を決定するとよい。例えば、ネットワーク事業者は、ネットワーク・ユーザの全員または標本抽出からの信号を受信する。この標本抽出は、好適には、統計的に有意(標本の大きさに関して)であり、またすべての該当するユーザの母集団を高い信頼度で代表するに十分ランダムであることに関して有効である。場合によっては、ネットワーク事業者は、ターゲット・アセット・システムを「選択した」か、またはそれに加わることに同意したユーザのみから信号を受信し、ユーザのこのグループは、統計的に有意または関連性がない。しかし、多くの場合、これらの信号は、現在視聴されているチャンネル、および/または現在のユーザの視聴者分類を示すことができる。この点に関して、中継局などのネットワーク・プラットフォームと1つまたは複数の世帯のDSTBなどのCPEとの間の双方向通信経路をネットワーク・インターフェイス上に用意するとよい。
【0102】
図13は、本発明によるターゲット・アセット・システムを運用する1つまたは複数のネットワーク・プラットフォーム1304とCPE 1308との間の通信を例示している。この点に関して、プラットフォーム1304は、
図1〜12に関連して上で説明されているコンポーネントのさまざまな組み合わせを含む。一般に、プラットフォーム1304は、ネットワーク・インターフェイス1310上でCPEと通信するように動作する中継局を含む。図に示されているように、CPE 1308は、デジタル・セット・トップ・ボックス(DSTB)を含む。当然のことながら、ネットワーク1304内のそれぞれのユーザが、このようなDSTBを保有しているか、または視聴者のサブセット(全員に満たない)が、そのようなDSTB を保有している。一部のユーザは、DSTBを持っているが、ときどき、例えば、HDTV番組を見るときにしか使用しないと思われる。さらに、一部のユーザは、DSTBを持っているが、ターゲット・アセット・システムに加入することを選択していない場合がある。いずれの場合も、ネットワーク・テレビ視聴者の少なくとも一部は、ネットワーク・インターフェイスを介して信号を受信するとともに、ターゲット・アセット配信システムを目的としてネットワーク・インターフェイス1310を介してネットワーク1304に信号を供給するように動作するCPE 1308を有する。さらに、ネットワーク1304は、アセット・プロバイダ1370とネットワーク事業者との間の媒介として働くトラフィック課金プラットフォーム1360と通信する。この点に関して、T&Bプラットフォーム1360は、アセット・プロバイダ1370からターゲット視聴者パラメータおよび他の制約条件を受け取るだけでなく、そのようなアセットの配信に基づいてそのようなアセット・プロバイダ1370に課金情報を提供する。T&Bプラットフォーム1360は、さらに、ターゲット・アセットの流れを管理する。
【0103】
一般に、CPE 1308から受信された信号は、場合によっては組み合わせられる、少なくとも3つの別々のアプリケーションのために、本発明のシステムにより使用される。これらのアプリケーションは、測定、投票、およびレポート機能と呼ぶことができる。レポート機能について、以下で詳述する。測定は、これらの信号を使用して、視聴者規模、および適宜、視聴者の分類構成を識別することに関係する。この情報は、実質的な仮想チャンネルを形成するために複数のチャンネル(例えば、シェアの低いチャンネルを含む)上で集約されることが可能な視聴者の規模および構成の推定を含む、ターゲット設定に利用可能なユーザの母集団を推定するのに役立つ。したがって、アセットを受け取るユーザの数を増やすために、仮想チャンネルに対してターゲット・アセットを用意することができる。投票は、CPE 1308から受信される信号を使用して、CPEからのアセット指示に基づいてアセットを提供することを含む。いずれの場合も、1つまたは複数のCPE 1308から受信される信号に基づいて、アセットが選択され、1つまたは複数の送信データ・ストリーム内に挿入される。
【0104】
視聴者測定に関しては、プラットフォーム1304とCPE 1308との間の双方向通信により、少なくとも暗黙のうちに、視聴者規模および視聴者分類構成に関する情報を示す情報を収集する。この点に関して、個々のCPE 1308は、定期的に、または要求があったときに、例えば、個々のCPE 1308がアクティブであること、およびどのようなチャンネルが現在CPE 1308により表示されているかを示す信号をプラットフォーム1304に供給する。投票、他のメッセージ(例えば、測定専用のメッセージ)に関するレポートに関連して提供されるこの情報は、視聴者規模および構成を推定するために使用される。ターゲット・アセット・システムとは全く別に、このような情報は、格付けおよびシェア情報をサポートするために、または他の視聴者測定目標に役立つ。このような情報は、さらに、CPE 1308への送信を修正し、帯域幅および処理要件を低減するために使用される。
図7を参照すると、利用可能な番組チャンネルのうち4つの番組チャンネルがユーザの最大個別シェアを持つことに留意されたい(例えば、4つの主要ネットワーク)。しかし、チャンネル毎に全体の中でシェアが低いといっても、ネットワーク内には他のユーザが多数存在する。アセットの選択肢の共通集合を市場シェアの小さい番組チャンネルのうちの2つまたはそれ以上のユーザ(またはさらにはシェアの大きい番組チャンネルのユーザにも)提供することにより、仮想チャンネルが作成される。すなわち、共通アセットの選択肢またはアセットの選択肢の集合を、複数の番組チャンネルからの集約グループに提供する。いったん組み合わされると、シェアの小さなチャンネルからのユーザからなる仮想チャンネルの有効な市場シェアは、例えば、4つの主要ネットワークのうちの1つの市場シェアを近似する。
【0105】
複数の番組チャンネルのユーザを1つの仮想チャンネルに集約することで、番組チャンネルのそれぞれに対しアセットの選択肢の共通集合を供給することができるが、アセットは、一般に、異なる時刻に個別の番組チャンネル毎に提供されることは理解されるであろう。これは、
図15に示されており、1つの仮想チャンネルにまとめられる、多数の異なる番組チャンネル(例えば、1502および1504)は、スケジューリングされた異なるブレーク1512、1514を有する。この点に関して、アセットは、この同じアセットが第2のチャンネル1504上で提供される直前に第1のチャンネル1502上で提供される。しかし、この共通集合は、それでも、所定の時間枠内で提供される(例えば、午後7時から午後8時までの間)。この点に関して、アセットは、配信時刻に関する定義済み制約条件の範囲内で仮想チャンネル(またはそのサブセット)により表される集約された市場シェアに合わせて配信される。それとは別に、このような集約された視聴者の規模は、前回のレポート、格付け、および人口調査データ、または他の技術に基づいて予め推定される。こうして、測定または投票は、ターゲット設定を実行するうえで必要ではないが、このような詳細なアセット情報は有用である。実際の配信は、その後のレポートにより検証される。当然のことながら、このような集約により、ネットワーク・オペレータは、包含される番組チャンネルのうちのどれか1つに関して(複数の)仮想チャンネルの市場シェア増大に基づいてアセットを配信することができるだけでなく、これにより、アセット・プロバイダは、現在の視聴者のターゲット設定をより効果的に行うことができる。
【0106】
CPEからの信号によりサポートされる他のアプリケーションは、例えば、投票に基づいて、ターゲット・アセットをネットワーク内の1つまたは複数のチャンネルの現在のユーザに提供するものである。このようなアプリケーションは、
図14に例示されており、1配置においては、CPE 1410(1つのみ図に示されている)から受信された信号は、少なくとも1つの番組チャンネル1450についてアセット(例えば、ブレーク・アセットおよび/または番組)を選択するために使用される。この点に関して、このようなアセットは、例えば、ブレーク中または他の指定期間内に、番組チャンネル1450のデータ・ストリーム中に挿入するために動的に選択される。他の配置では、ネットワークの未使用帯域幅を使用して、ターゲット・チャンネル1450のブレークまたは指定された期間に、並列アセット・ストリームを提供する。ブレークの背景状況において、複数のアセット・チャンネル1460A〜Nは、単一のブレークでアセットの選択肢を提供するために使用され、その場合、それぞれのアセット・チャンネル1460A〜Nは、視聴者の異なるグループを対象とするオプションを提供し、および/または他の何らかの形で、異なるアセットを搬送する(例えば、類似の視聴者分類パラメータを有するユーザは、後に説明されるようにパッケージングされたアセットの所望の順序付けのせいで異なるアセットを受け取る場合がある)。
【0107】
このような配置では、CPE 1410は、CPE 1410からの指示されている信号に基づいて代替えアセット・チャンネル1460A〜Nのうちから選択するように動作する。ターゲット視聴者集約に加えて、このようなシステムは、シェアの大きな番組を含む、番組に対する収益または影響力を高めることが望ましい(スポット最適化)。すなわち、単一ブレークを2つまたはそれ以上の異なるアセット・プロバイダに割り当てるか、または単一アセット・プロバイダが、代替えアセットがユーザの異なるグループをターゲットとする代替えアセットを提供する。本明細書において、異なるブレークまたは、すきまのアセットをユーザの異なるグループに提供することを対象としているものとして説明しているが、このシステムは、さらに、異なる番組アセットを提供するためにも使用できることに留意されたい。投票機能を実装する関連するアセット・ターゲット設定システムは、
図14に例示されている。
図14のアセット・ターゲット設定システムは、プラットフォーム1404を備え、これは、ネットワーク内のCPE 1410(図には1つだけ示されている)と通信するように動作するネットワークの構造(すなわち、ユーザ/世帯から上流にある)を含む。例示されているCPE 1410は、この図では、DSTBで具現化されている、信号処理デバイス1408を備える。一般に、プラットフォーム1404は、ネットワーク・インターフェイス1440を介してCPE 1410と通信するように動作する。番組チャンネル、例えば、チャンネル1450のブレークにおいて並列アセット・チャンネル1460A〜Nを提供するために、プラットフォーム1404は、スケジュール・データベース1420、利用可能なアセットの選択肢データベース1422、投票データベース1424、群コンストラクタ1426、チャンネル裁定器裁定器1428、および挿入器1430のうちの1つまたは複数のコンポーネントと通信する。注目すべきなのは、リストにあるコンポーネント1420〜1430は、共通ネットワーク・ロケーションに置かれる必要はないという点である。すなわち、プラットフォーム1404のさまざまなコンポーネントは、ネットワーク内の別々の場所に分散され、適切な通信インターフェイスにより相互接続できる。一般に、スケジュール・データベース1420は、1つまたは複数の番組チャンネルについてブレークのタイミングに関する情報を含み、アセットの選択肢データベース1422は、アセットおよびターゲット視聴者分類パラメータを識別する利用可能なアセット・メタデータを含み、投票データベース1424は、アセットのターゲット設定で使用する1つまたは複数のCPEから得られる投票情報を含む。実際のアセットは、一般に、別々のデータベース(図に示されていない)に格納される。群コンストラクタ1426は、選択されたアセットを番組チャンネルおよび/またはアセット・チャンネル1460A〜Nのブレークに配置するために使用される。チャンネル裁定器1428は、2つまたはそれ以上のサポートされている番組チャンネルのブレーク間に食い違いが生じた場合に限られた帯域幅(例えば、利用可能なアセット・チャンネル1460A〜N)の使用のアービトレーションを行うために使用される。最後に、挿入器1430は、ネットワーク・インターフェイス1440上でストリームを送信する前に、選択されたアセットまたはターゲット・アセットをアセット・ストリーム(例えば、番組チャンネル1450および/または1つまたは複数のアセット・チャンネル1460A〜Nの)内に挿入するために使用される。本明細書で説明されるように、このシステムは、ネットワーク内の複数の番組チャンネルのブレークについてアセットの選択肢をサポートするアセット・チャンネル1460A〜Nを提供するように動作する。
【0108】
1つまたは複数の番組チャンネルについてアセット・チャンネル1460A〜Nを提供するために、関連する番組チャンネル上のブレークのタイミングが決定される。例えば、
図15は、ネットワーク事業者によって、ネットワーク・インターフェイスを介して世帯に提供される3つの番組チャンネルを例示している。当然のことながら、さらに多くのチャンネルも提供できる。チャンネル1502、1504、および1506は、ターゲット・アセットが提供される3つの番組ストリームを含む。ユーザは、これらのチャンネル1502、1504、および1506(およびさらに多くのチャンネル)のそれぞれを切り替えて、番組オプションの選択を行う。それぞれのチャンネル1502、1504、および1506は、示されている番組期間中に、ブレーク1512、1514、および1516をそれぞれ含む。ブレーク1512〜1516では、1つまたは複数のアセット・スポットが典型的には利用可能である。すなわち、短いアセットのシーケンスを使用して、90秒ブレークを埋める。例えば、2つ、3つ、または4つのスポットは、単一ブレークに対する単一チャンネル上で定義することができる。異なるチャンネル上で同じブレークに対し異なる数のスポットを用意し、異なる数のチャンネルをブレークの異なる部分に対して使用する。
【0109】
ブレーク内の次回のブレークまたは挿入機会の通知を行うために、番組ストリームは、キュー・トーン信号1530(またはデジタル・ネットワークではキュー・メッセージ)、それぞれのブレークまたは挿入機会の始まりの前の所定の時間を含むことが多い。これらのキュー・トーン信号1530は、歴史的に、ローカル・アセット・プロバイダが局所化アセットをネットワーク・フィード内に挿入できるようにするために使用されてきた。さらに、さまざまなチャンネルが、1つまたは複数のブレークが発生する時間枠開始時刻と時間枠終了時刻を規定する。これらの開始および終了時刻により、利用時間枠が定められる。ここでもまた、この情報は、歴史的に、ローカル・アセット・プロバイダがローカル・アセットをブロードキャスト・ストリーム内に挿入するように提供されてきた。この情報は、さらに、番組中にブレークが発生する時期を決定するためにターゲット・アセット・システムにより使用される。したがって、システムは、キュー・トーン信号1530について番組チャンネル、例えば1502、1504、および1506を監視するとともに、時間枠開始時刻および終了時刻(例えば、スケジュール・データベース1420内の)に関する情報を取得し、格納するように動作する。利用可能時間枠情報は、T&Bシステムから受け取ることができ、手動で入力することができる。
【0110】
ターゲット・アセット配信を行うのに利用できる帯域幅が限られているため、どの(複数の)チャンネルが衝突しているブレークに対するターゲット・アセット配信を受け取るべきか、または衝突している番組チャンネル間にどれだけ利用可能帯域幅を割り当てるべきかを決定するときに、それぞれの番組チャンネル1502、1504、および1506に関連付けられている1つまたは複数の特性を識別することが望ましい。この点に関して、異なるチャンネル上のブレークは、少なくとも部分的にオーバーラップしていることが多いことに留意されたい。例えば、チャンネル1504のブレーク1514は、部分的に、チャンネル1506上のブレーク1516とオーバーラップする。したがって、2つのチャンネル1504と1506との間でターゲット・アセット配信に利用可能な限られた資源の裁定を行うことが望ましい。
【0111】
例えば、裁定器1428(
図14を参照)は、第1のチャンネル1506に、現在、ターゲット・アセット配信を行うために利用可能な帯域幅の使用を十分保証できる数のユーザがいないと判定する。それとは別に、利用可能な帯域幅を第1のチャンネル1504と第2のチャンネル1506とに分割し、ブレーク1514、1516毎にターゲット・アセット配信を行うようにする。さらにそれとは別に、利用可能なアセット・チャンネルを、例えば、それぞれの視聴者規模に比例して、第1のチャンネル1504と第2のチャンネル1506のサポートに分割する。例えば、部分的にオーバーラップしているブレークに関して、ブレークの一部のみをサポートしている所与のアセット・チャンネルを使用することが可能であると思われるが、これは、スケジューリングおよび群構成に関係するいくつかの実用上の問題点を含むことに留意されたい。これは、さらに、例えば、視聴者が60秒のアセットの第2の半分に戻らないことを確実にするため、基礎となるブレーク構造を知っている必要がある。この情報は、一般に、CPEからは利用できない。また、異なる数のアセット・チャンネルは、ブレークの異なる期間に利用可能な場合もある。CPEから受信された信号、例えば、最近または過去の信号を、裁定目的に使用する。さらに、いくつかの場合において、1つまたは複数のチャンネルが調整されたブレークを含んでいてもよいことは理解されるであろう。例えば、共有企業(例えば、ESPNおよびABC)を有するチャンネルでは、特定の番組に対してブレークを調整している。したがって、これらの共通チャンネルに対するターゲット・アセット配信の帯域幅は、共有することができる。
【0112】
再び
図14を参照すると、CPE 1410からの信号を使用することで、現在のユーザに合わせて手直しされたアセットを提供するか、または他の何らかの手段により異なるアセットをユーザの異なるグループに提供することが可能になると思われる。この点に関して、最大数のユーザの分類パラメータに一致するターゲット設定パラメータを持つアセットは、ブレーク時に、サポートされている番組チャンネル1450のブロードキャスト・ストリーム内で提供することが可能である。最も適しているアセットは、これにより、アナログまたは他の何らかの形で非加入のユーザ(投票が関連するユーザ母集団を代表すると仮定する)に提供され、それらに対してであってもある程度のターゲット設定が行えることに留意されたい。さらに、いくつかのターゲット設定の利点は、多数の番組チャンネル、さらには所与のブレークに関してアセット・チャンネルによりサポートされていない可能性があるチャンネルであっても得られる。
【0113】
それとは別に、またはそれに加えて、異なるアセットが、番組チャンネルのブレークにおいてアセット・チャンネル1460A〜N上で提供される。アセット・チャンネル1460A〜Nが利用可能であるブレークでは、特定の世帯のCPE 1410は、CPE 1410での実施される決定に基づいて、適切なアセットを含むアセット・チャンネル1460A〜Nのうちの1つに切り替えられる。したがって、アセット・チャンネル1460(A〜N)のこのようなアセットは、ブレーク時に表示される。ブレークにおいて、CPE 1410は、1つのアセット・チャンネル1460A〜N上に留まるか(複数のスポットが順番に並ぶブレークの場合)、または最も適しているアセットを選択しつつ、ブレークを指示することができる。ブレークの後、CPE 1410は、元の番組チャンネル(必要ならば)に戻す。この切り替えは、ユーザの観点からは継ぎ目なく実行される。この点に関して、同じブレークで、異なるアセットが異なるユーザに提供される。当然のことながら、これにより、アセット・プロバイダは、同じブレークにおいて異なるグループをターゲットとすることができる。さらに、ネットワーク事業者は、割り当てベースで単一スポットを2つの異なるアセット・プロバイダに販売する(または、単一のアセット・プロバイダが、複数のアセットの選択肢で単一スポットを埋めることができる)。それぞれのアセット・プロバイダは、例えば、これにより、そのターゲットとよく一致する視聴者について対価を支払う。
【0114】
ターゲット・アセット配信に対し利用可能なアセット・チャンネルの数は、所与のネットワーク事業者の利用可能な帯域幅(例えば、未使用チャンネル)によって制限される。後に説明されるように、システムは、日和見的に利用可能なチャンネルを使用することが可能であり、例えば、夜間にVODに使用されるチャンネルは、日中にアセットの選択肢をサポートするために利用可能であり、またはノード・フィルタ領域内の未使用帯域幅は、この目的のために使用される。
図16Aは、番組チャンネル1600のブレーク1610においてアセットを提供するための、4つのアセット・チャンネル1601〜1604の使用を例示している。図に示されているように、それぞれのアセット・チャンネル1601〜1604において、ブレーク1610は、異なる持続時間を有する1つまたは複数のアセット・スロットに分割される。しかし、
図16Aの場合、アセット・チャンネル1601から1604に含むアセット集合A〜C、D〜E、F〜H、およびI〜Kの開始時刻と終了時刻は、ブレーク1610の開始時刻および終了時刻に合わされる。アセット・チャンネル1601〜1604はそれぞれ、ターゲット・チャンネル1600のユーザまたは番組チャンネル1600のブレーク1610と揃えられているブレークを有する、追加の番組チャンネルのユーザの特定の視聴者分類に合わせてターゲット設定されているアセットを搬送する。
【0115】
図16Aに示されているように、群は、矩形である必要はないことに留意されたい。すなわち、ブレーク間で衝突するか、または上記のようにいくつかのアセット・チャンネルが間欠的に利用されるため、所与の番組チャンネルをサポートするために使用されるアセット・チャンネルの総数は、ブレーク中に変化する。これは、
図16Bに例示されている。図に示されているように、アセットA〜Nは、アセット・チャンネル1671〜1675およびサポートされている番組チャンネル1676上のブレーク1670で提供される。この場合、チャンネル1674および1675(それとともに番組チャンネル1676)は、ブレーク1670全体を通してアセットを提供する。チャンネル1673は、ブレークが始まった後しばらくするまでアセットを提供しない。チャンネル1672は、ブレークの始まりからアセットを提供するが、ブレーク1670が終わる直前にアセットを提供するのを停止する。チャンネル1671は、ブレーク1670が始まった後アセットを提供することを開始し、ブレーク1670が終わる直前にアセットを提供するのを停止する。複雑な群形状を実装できることは理解されるであろう。
【0116】
再び
図16Aを参照すると、それぞれのアセット・チャンネル1601〜1604は、所与のブレーク1610においてチャンネル1600の異なる視聴者をターゲットとするアセットA〜Kの異なる組み合わせを含んでいる。まとめると、アセット・チャンネル1601〜1604により搬送されるアセットA〜Kは、ユーザの異なるグループをターゲットとするアセットを含む群1605を定める。所与のユーザに対する最も適切なアセットは、ブレーク1610において異なる時刻にチャンネル1601〜1604のうちの異なる1つで与えられる。これらは、異なるチャンネル1601〜1604上のスポットは、同じ開始時刻と終了時刻を持つことができないという事実を十分に配慮したうえで、ブレークにおいてチャンネル・ホッピングによりユーザに配信される。群1650内のさまざまなスポットにアセットをどのように埋めるかについて、以下で詳述する。
【0117】
4つのアセット・チャンネル1601〜1604を使用して、異なる番組チャンネルに対する複数のアセットの選択肢を与えることができる。例えば、
図15を参照すると、番組チャンネル1502および1506は、時間的に異なるブレーク1512および1515を有する。したがって、システムは、第1のチャンネル1502に対する第1のブレーク1512においてアセットの第1の集合を含む第1の4チャンネル・アセット群を提供する。同様に、アセットの第2の集合を含む第2の4チャンネル・アセット群は、第2のチャンネル1506に対する第2のブレーク1516において提供される。この点に関して、アセット・チャンネルに利用できる帯域幅の使用は、番組チャンネル1502と1506との間で共有される。ブレークがオーバーラップしている場合(例えば、ブレーク1514と1516)、ターゲット・アセット配信について1つのチャンネルを選択することが可能であるか、またはアセット・チャンネルに対する利用可能な帯域幅を衝突するブレーク間に分割することが可能である。例えば、それぞれの番組チャンネルは、2チャンネル・アセット群によりサポートされるか、または一方の番組チャンネルは、2つのアセット・チャンネルによりサポートされ、他方の番組チャンネルは、例えば、相対的な視聴者規模またはアセット配信値のせいで、1つのアセット・チャンネルでのみサポートされる。衝突しているチャンネル間の利用可能な帯域幅の裁定は、本明細書でさらに詳しく説明されるように、チャンネル・裁定器1428により処理される。
【0118】
番組チャンネルのブレークを埋める、または群のそれぞれのアセット・チャンネル内の利用可能なスポットを埋めるアセットの選択は、番組チャンネルのユーザの投票に基づいて行われる。すなわち、アセットは、ネットワーク内のCPE 1410から受信された信号に応じて、群コンストラクタ1426(
図14を参照)により選択されるとよい。
図13に示されているように、CPEからの信号に基づいてターゲット・アセットを選択し、提供する方法は、4つの一般的工程を含む。最初に、プラットフォーム1304は、提案されているアセットの選択肢リストをネットワーク内のCPE 1308に提供する(1320)。これは、アセット・プロバイダ契約および関連するADRに基づいて行われる。次に、それぞれのCPE 1308は、アセットの選択肢リストから最も適している1つまたは複数のアセットについて投票する(1330)。すなわち、それぞれのCPE
1308は、ターゲット情報と視聴者分類情報との比較に基づいて、特定のCPE 1308に対する最もよく一致する(複数の)アセットを示す信号をネットワーク1304に送る。1つまたは複数のCPE 1308からの投票(1330)に基づいて、プラットフォーム1304は、利用可能なアセットからターゲット・アセットを選択し、それぞれの投票CPE 1308に送られる、アセット・ビュー・リストおよびアセット群を生成する(1340)。例えば、アセット・ビュー・リストは、アセットが利用可能なチャンネルを示し、関連する視聴者分類情報(必要な場合)を提供し、アセット選択を補助する。それぞれのCPE 1308は、次いで、ビュー・リストおよび群を受け取る。
【0119】
群内のさまざまなアセット・スポットを埋めるために投票を使用する方法では、さまざまな点について考慮する必要がある。再び
図16Aを参照すると、そこでは、群は、アセット・チャンネルの水平時間軸および垂直軸を含むものとして例示されているアセットの行列を定義する。すべてのアセットが同じ長さのスポットに対応している単純な場合に(例えば、すべて30秒のスポットおよび同じ数のアセット・チャンネルが、ブレーク全体を通して使用される)、この行列は、行と列のきちんとした配列を定める。次いで、群コンストラクタは、とりわけ、例えば、投票順位付けに基づいて、行列の行および列アドレスにアセットをマッピングするように動作する。この点で関与しうるさまざまな考慮事項のうちの一部は、以下を含む。第1に、番組チャンネル1600自体は、投票に基づいて決定されたアセット・シーケンスで埋められる。番組チャンネルに挿入されるアセットは、アナログおよび他の何らかの形で非加入のユーザに配信されるとともに、CPEがそのアセット・シーケンスを選択する加入ユーザに配信され、したがって、その群の最大のユーザ・セグメントを構成することが予想される。したがって、投票準位付けの高いアセットは、番組チャンネル1600上に挿入される。
【0120】
それに加えて、2つよりも多いスポットを含むブレークの場合、第1および最後のスポットは、アセット・プロバイダにより、真ん中のスポットよりも価値があるとみなされる。したがって、投票順位付けの高いアセットは、第1および最後のスポットに対し有利と考えられ、その結果、行毎にではなく、票の関数として列毎に行の埋め込みが行われる。しかし、またいくぶん対照的に、例えば、最高投票順位付けのアセットを時間的ずらして並べ、第1順位投票アセットと第2順位投票アセットの両方を見る機会を所与のユーザが得られるようにできる。群行列を埋める方法では、さらに、投票方法と無関係に決定される人口統計を考慮することもできる。そのため、上記のように、12個のスポットが群に含まれる場合、例えば、番組視聴者の人口統計的構成−例えば、女性2/3、男性1/3、または18〜34歳の女性2/3、34超の女性1/3−または番組視聴者の重み付き平均(例えば、その結果、例外的に高い、または低いパー・ユーザ値を持つとみなされる視聴者セグメントまたはアセットの不釣り合いなチャンネル割り当てが生じる)反映するようにスポットを割り当てる。このような情報は、例えば、従来の格付け情報に基づく。
【0121】
さらに、この群埋め込み方法では、システムの制限が考慮される。例えば、システムが、所与のブレークにおいて異なるチャンネル間を指示する能力または指示することに対する優先設定なしで実装されている場合、またはブレークにおいてホップを最小にすることが望ましい場合、所与のチャンネルがブレーク全体を通して一貫した視聴者分類を対象とするアセットを有するように群が構成される。すなわち、投票は、分類に依存する形で表示され、次いで、対応する行をそれらの投票に基づいて埋められる。さらに、所望の順序付けを有するパッケージングされたアセットに関連して、このような順序付けが群構成において考慮される。
【0122】
群構成方法では、さらに、ブレーク全体を効果的にナビゲートすることが望ましいという点を考慮することもあり、このことは、複数のチャンネル・ホップを含む。例えば、アセットの選択肢は、番組チャンネルだけでなく、アセット・チャンネル上にも含められることに留意されている。しかし、番組コンテンツ内にインターリーブされるアセットの基礎構造は、一般には知られていない。したがって、このような基礎構造に関する情報はどれも、適切な信号送受信を通して送ることができるか、またはブレークにおける番組チャンネルへの復帰は、進行中のアセットに切り替えるのを回避するために除外される。
【0123】
また、それぞれの加入者宅内機器デバイスは、ブレーク上を指示し、現在のユーザに適しているアセットを選択することができることも望ましい。例えば、群は、ブレークに対するアセット・スポットのシーケンスに対応する多数の列を含むことができる。1つの列に子供を対象とするすべてのアセットが含まれていた場合、子供でないユーザは、そのスポットに対する適切なアセットの選択肢を受けることなく残されるであろう。そのため、このような状況を回避するためのオプションは、ターゲット範囲の広いアセットがそれぞれの列において、または期間に利用可能であること、または列または期間内のそれぞれのアセットに対するターゲット設定制約条件により定められるサブセットの合併が、ユーザの母集団の可能な最大のサブセットを表すことを確認することを含む。もちろん、これは、他の群構成目標と矛盾することがあり、最適解の裁定が行われる必要があると思われる。それに加えて、どのアセットに群を含めるかという問題が生じた場合に、関連するアセット・プロバイダの素性を考慮することができる(例えば、大規模アセット・プロバイダまたは高いレベルのサービスに対する対価を支払っているアセット・プロバイダは、優先される)。
【0124】
さまざまなファクタが、投票情報を使用して群を埋めるアルゴリズムに反映されうることは理解されるであろう。例えば、この点に関して、ガントチャート・ロジックまたは他の条件付きスケジューリング・ロジックが実装される。
【0125】
それとは別に、アセットの選択肢は、かなり大きな記憶装置資源、例えば、DVRを備えるCPEの場合、転送・蓄積アーキテクチャを介して提供される。この点に関して、アセットは、指定された帯域幅セグメント内に挿入され、ネットワーク・インターフェイスを介してCPEの記憶装置にダウンロードされる。したがって、CPEは、次いで、記憶装置からアセットを後続のブレーク内に選択的に挿入する。さらに、このアーキテクチャでは、蓄積オプションおよび関連するメタデータのアセットは、有効期限を含む。アセットは、配信されたかどうかに関係なく、有効期限が過ぎると破棄される(例えば、削除される)。このアーキテクチャでは、アセットの送信には、リアルタイム・コンポーネントはなく、したがって、利用可能な帯域幅は、送信中に変化することは理解されるであろう。さらに、30秒アセットは、5秒以内、または30分を超えて、送信されることがある。利用可能なアセットは、個々のCPEが適切なアセットを格納しているだけであるすべてのCPEにブロードキャストされる。それに加えて、記憶容量の制限から、CPEは、注目しているアセットを削除し、後から、記録しなおすことがある。
【0126】
対照的に、アセット・チャンネル・アーキテクチャでは、群は、関連するブレークと同期して送信されるため、CPE側に記憶域はほとんど、または全く必要ない。いずれの場合も、記憶装置または群からのアセットが表示された後、それぞれのCPE 1308は、特定のアセットが配信されたことを示すアセット配信通知(ADN)をネットワーク・プラットフォーム1304に送る(1350)。次いで、プラットフォーム1304は、所与のアセットを受け取ったユーザの総数に関する集約されたまたは収集された情報を課金プラットフォーム1360に供給する。したがって、個々のアセット・プロバイダは、所与のアセット受け取ったユーザの数に応じて課金される。これらの工程1320〜1350のそれぞれについて、さらに詳しく説明する。
【0127】
上記のように、個々のCPE 1308からの信号は、ターゲット・アセット・システムの目的に使用される。しかし、ネットワーク内のそれぞれのCPE 1308から投票信号を受信することが可能であるが、このような完全なネットワーク「ポーリング」が行われると、必要な帯域幅が大きくなることは理解されるであろう。他の実装では、統計的標本抽出を使用して、ネットワーク1304とCPE 1308との間の必要な帯域幅を減らす。当然のことながら、CPE 1308の統計的に有意な、関連する部分の標本抽出により、現在使用されているチャンネルを有益な形で表現できるだけでなく、それらのチャンネルを使用しているユーザに最も適しているアセットを有益な形で表現することができる。
【0128】
ネットワークの統計的標本抽出を行うために、CPE 1304のすべてに満たないサブセットで、信号をネットワーク・プラットフォーム1304に供給する。例えば、第1の配列において、それぞれのCPE 1308は、乱数発生器を備える。このような乱数発生器は、定期的に出力を生成する。この出力が所定の基準を満たしている場合(例えば、5で終わる数)、CPE 1308は、オプション・リストに関して信号をネットワーク1304に送る。それとは別に、プラットフォーム1304は、情報の要求を受け取るCPE 1308のサブセットをランダムに選択する動作を実行する。いずれの場合も、CPE 1308のサブセットは、現在のネットワーク状態の統計的に正確な概要が得られるようにCPE 1308の総数と比較して十分に大きなものであるのが好ましい。しかし、完全に代表する標本抽出が利用できない場合、ビジネス規則を通じて、例えば、不確定性を考慮して価格を下げたり、または配信を増やして、付随する不確定性を解消する。
【0129】
再び
図14を参照すると、上記のように、ネットワーク事業者は、最初に、アセットの選択肢リスト(
図10のリスト1010と同じ)を、リストからのアセットについて投票するネットワーク内の少なくともCPEに送る。一般に、アセットの選択肢リストは、1つまたは複数の次回のブレークに対する利用可能なアセットのリストを含む。この点に関して、ネットワーク内のプラットフォーム1404(
図14を参照)は、ターゲット・アセットによりサポートされることが識別されている、すべての番組チャンネルについてスケジュール情報を取得する。次いで、プラットフォーム1404は、ブレークに先立って、このスケジュール情報を使用して、ネットワーク・インターフェイス1440上でCPE 1410と通信する。特に、プラットフォーム1404は、例えば定期的に、アセットの選択肢リストをCPE 1410に供給するように動作する。
【0130】
図17A〜17Bは、例示的なアセットの選択肢リスト1700を示している。特に、
図17Aは、パー・ブレーク、パー・チャンネル・ベースでリストされているアセットを示している。
図17Bは、単一リスト内の複数のブレーク(視聴者分類パラメータ、および適宜、仮想チャンネルを含むチャンネルを指定する)についてリストされているアセットを示している。
図17Aのリスト1700中のそれぞれのアセットの選択肢1710A〜Nは、後続のブレークにおいて視聴するために利用される。この点に関して、アセット・プロバイダは、それぞれのそのようなアセットの選択肢1710A〜Nを特定の時間枠について、および/または特定のチャンネル(すなわち、仮想チャンネルを含んでよい)について利用できるようにすることを要求している。さらに、アセットの選択肢リスト1700は、利用可能なアセットの選択肢1710A〜N毎に1つまたは複数の制約条件1712A〜Nを含む。このような制約条件1712A〜Nは、限定されることなく、それぞれのアセット1710A〜Nに対するターゲット視聴者の所望の年齢範囲、性別、地理的場所、および/または世帯所得などの視聴者分類パラメータ情報を含む。アセットの選択肢のリスト1710A〜Nが、CPE 1410に送信されると、CPE 1410は、アセットの選択肢をレビューし、CPE 1410の現在のユーザにそれらのアセットの選択肢を提供するのが適しているかどうかについて投票する。
図17Bの場合、CPEは、現在の番組チャンネルまたは関連するとみなされている他のチャンネルと一致するすべてのアセットの選択肢に関して投票する。
【0131】
この工程は、
図18に例示されている。図に示されているように、CPEは、最初に、少なくとも1つの次回のブレークに利用可能なアセットに対応するアセットの選択肢を受信する(1810)。次いで、CPEは、世帯の1人または複数のユーザに関連する推測情報を含む、現在の分類情報を選択する(1820)。CPEは、次いで、リスト内の第1のアセットに対する制約条件を識別し(1830)、後続のブレークに挿入するアセットが適切かどうかに応じてアセットのスコアを付ける(1840)。一般に、アセットの選択肢は、アセットの制約条件とともに視聴者分類情報とに基づいてスコアが付けられる(1840)。例えば、50歳から60歳までの年齢範囲にあるユーザを指定する年齢制約条件(少なくとも年齢パラメータについて)を持つアセットは、現在の視聴者が18歳から39歳までの年齢範囲内にあることを示す視聴者分類に関して、低いスコアが付けられるか、または全く付けられない(少なくとも年齢パラメータについて)。一配列において、アセット・ターゲット設定制約条件(視聴者分類パラメータに関して表すことができる)およびユーザの視聴者分類情報の一致度が高いほど、そのアセットに対するスコアは高くなる。同様に、ターゲット設定制約条件と視聴者分類情報との間の逸脱が大きいほど、そのアセットに対するスコアは低くなる。他の配列では、単純なプラス(すなわち、ターゲット設定制約条件および視聴者分類に一致する)またはマイナス(すなわち、ターゲット設定制約条件および視聴者分類に一致しない)を与える。
【0132】
次いで、スコアリングに対し追加のアセットがあるかどうかに関して判定が行われる。もしあれば、識別(1830)およびスコアリング(1840)の工程が、アセット毎に繰り返される。アセットの選択肢リスト内のそれぞれの関連するアセットにスコアが付けられた後(1840)、スコアは、ネットワーク・インターフェイスを介して、ネットワーク事業者に送信される(1850)。例えば、Nを動的に設定できる値として、所与のブレークまたはスポットについて上位N個のアセットについてスコアを返すようにCPEに命令する。特定のユーザの視聴者分類情報を与えるのではなく、スコアをネットワーク事業者に返すことにより、機密情報をネットワーク上に公開することなく現在のネットワーク視聴者に関する情報が集められる。
【0133】
一般に、個々のCPEからのスコアを計算して、集成スコアを形成する。集成スコアは、特定のユーザとは独立に、特定のアセットが後続のブレークにおいて現在の視聴者による視聴に適している程度を示す。この点に関して、ネットワーク・コントローラは、ブレークにおいて後から挿入する集成スコアに従ってアセットを順位付けする。
【0134】
この点に関して、投票スコアに加えて多数のファクタが関わっている。第1に、CPEは、否定的選好または例外を表明することができる。例えば、子供のユーザに関しては、いくつかの対象を除外する。これは、アセット・プロバイダ、ネットワーク事業者、または規制機関などの他の当事者に、アセット・メタデータに関して「成人専用」または類似の制約条件を入力してもらうことにより実装される。適切なフィールドを、プラットフォーム1370のGUIに関連して用意する。この方法で、慎重を期すべきユーザに対し、不快なアセット配信を低減または回避することができる。アセット・プロバイダまたはネットワーク(法律または規制が許す範囲で)も、例外事項を定義する。そこで、アセット・プロバイダは、いくつかの種類の番組に関してアセットを掲載すべきか、または掲載すべきでないか(例えば、「G」と格付けされた番組に関しては掲載すべきでない)を示す。他の例として、政治家候補は、ニュース・ネットワークまたは相反する政治基盤または課題を持つと認められている他のネットワークでアセットを放送することを回避するため例外を入力することができる(またはネットワーク側で、その候補からアセットを除外することができる)。商品コードも、この点に関しては使用できる。そのため、アセットは、アセットの対象に関係する商品コードに関連付けることが可能である。これらのコードは、アセット・プロバイダ、ネットワーク事業者、または他の事業者により、望ましくない関連付けを回避するために使用することができる(例えば、競合製品の連続する広告)。同様に、宗教が関わっているネットワークは、不快であるとみなされるアセットを除外する。この点に関して、さらに多くの例が考えられる。さらに、否定的選好または例外は、ユーザまたは世帯に固有のものとしてよく、CPE側で実装される。例えば、ペアレンタル・コントロールまたは特異的問題は、このようにして対処される。そのため、例外または否定的選好は、さまざまなインターフェイスを介してさまざまな企業側によって入力され、アセット・メタデータ、投票メタデータ、選択アルゴリズム、または他の場所で反映することができることは理解されるであろう。
【0135】
投票およびアセット選択に関して考えられる追加のファクタは、アセットの頻度および進捗の概念に関係する。頻度は、アセット・プロバイダが所与の期間(1週間、1カ月、全キャンペーン期間中、または他の期間)に、所与のCPEで(または、本発明の背景状況では、特定のユーザに)アセットを示したい回数を定義するものである。進捗は、所与のCPE(またはユーザ)がこの目標を達成するのにどれだけうまくやり遂げているかを計る尺度である。これらのファクタは、投票およびアセット選択で使用することができる。例えば、特定のアセットに関してユーザによる現在までの進捗が不十分であった場合、そのユーザのCPEは、問題のアセットについて投票し、利用可能な場合にそれを選択する可能性が高くなる。さらに、これらのファクタは、中継局において考慮される。例えば、多数のユーザが進捗に関して遅れている場合、そのアセットは、投票に関係なく群の中に挿入され、少なくとも適切なユーザによる義務的配信について指定される。
【0136】
より具体的には、群コンストラクタ1426(
図14を参照)は、ビュー・リストを作成し、および/または後続のブレークについて群を埋める。
図16に示されているように、群は、アセット・チャンネル1660A〜N上に、例えば可変長の、複数のスロットを含む。1配列において、群1650全体に、アセットの全投票スコアに基づいてアセットを埋める。例えば、アセットの選択肢リストから最高のスコアを有するアセットを選択する。所与のアセット・チャンネル1660A〜Nについて選択されたアセットのシーケンスの組み合わせ長さは、ブレーク1610の長さと一致する。それとは別に、それぞれのアセット・チャンネルには、それらのスコアとともに1つまたは複数の人口統計制約条件に基づいてアセットが埋められる。
【0137】
例えば、大きなスポーツ・イベントでは、関連する番組チャンネルの予想ユーザは、男性であると予想する(または投票情報から検証する)。したがって、アセット・チャンネル1601〜1604のうちの3つに、男性をターゲットとするアセットを埋める。それとは別に、全スポットA〜Kの指定された割合部分を、男性をターゲットとするアセット専用とするか、または単純に投票を進めさせることで、おそらく、挿入されるアセットの大部分は、男性ターゲットのアセットとなると思われる(少数派分類ユーザのいくつかのスポットを予約したい場合もあるが)。この点に関して、男性視聴者を対象とするスコアリング最高のアセットが選択される。さらに、3つのアセット・チャンネル1601〜1603(または個々のスポット)は、男性視聴者のサブグループを対象とする(例えば、年齢および/または所得に基づいて)。対照的に、第4のアセット・チャンネル1604(またはスポットの集合)には、女性視聴者を対象とするアセットを埋めて、視聴者の以前には非代表的であった部分にアセット配信を行うか、またはすべてのスポットを、投票に基づいて割り当て、これは、説明されているようにスポットを割り当てることも割り当てないこともある。当然のことながら、アセットは、例えば、アセットが女性をターゲットとすることを示す制約条件を有する、アセットの選択肢リストからのスコアリングが最高のアセットを含むように、第4のアセット・チャンネル1604について選択する。群が埋められると、それぞれの世帯のCPEは、ブレークにおいて視聴する特定のアセット・チャンネルを選択するか、またはCPEの現在のユーザの視聴者分類情報に基づいて群内の異なるアセット・チャンネル上に含まれるアセット間を切り替える。
【0138】
他の考慮事項も、群構成に関わることがあることは理解されるであろう。例えば、アセット・プロバイダは、1つのブレーク内の最初または最後のスポットにアセットを入れたいことが多い(したがって、ブレークは、多くの場合、長さが60秒であり、最初と最後の30秒のスポットのみを含む)。さらに、アセット・プロバイダは、投票順位に関係なく特定のアセット順序付けを必要とするか、または特定の配置について割増料金を支払う場合がある。したがって、順位または他のファクタに関して群を埋める際に十二分の慎重さを要する場合がある。
【0139】
CPEをブレークに対する指定アセット・チャンネルに切り替えられるようにするために(または、いくつかの実装では、ブレークにおける群内のアセットの選択肢の間で)、それぞれの(複数の)アセット・チャンネルおよび/または(複数の)番組チャンネルに関してメタデータを用意するとよい。当然のことながら、それぞれの個別アセット・チャンネルは、所定の帯域幅を持つアセット・ストリームの一部である。これらのアセット・チャンネルは、さらに、帯域内部分および帯域外部分に分けられる。一般に、信号の帯域内部分は、アセット・ストリームの配信をサポートする(例えば、映像)。トリガは、チャンネルの帯域外部分を介して送信することができる。さらに、帯域幅のこのような帯域外部分は、アセットの選択肢リストの配信とともに、CPEから投票およびレポート情報を集める際に使用するリターン・パスに使用することができる。より一般的に、CPEとネットワーク・プラットフォームとの間でメッセージングが実行される本明細書で参照されているさまざまな場合において、別のIPまたはテレフォニー・チャンネルを含む適切なメッセージング・チャンネルが使用される。
【0140】
特定のアセットに対するメタデータは、関連するアセット・チャンネルの帯域外部分に含めることが可能であり、テキスト・メッセージの形態としてよい。例えば、これらのテキスト・メッセージは、それぞれのアセット・チャンネルの帯域外部分に多重化されるDCIIテキスト・メッセージ/ヘッダである。この点に関して、CPEは、それぞれのアセット・チャンネルのメタデータをレビューして、どのアセット・チャンネルが現在のユーザの視聴者分類と最も近いアセットを含むかを識別する。
【0141】
メタデータに基づき、CPEは、実装に応じて個々のアセットまたはアセット集合を選択することが可能である。そのため、いくつかの実装では、CPEは、現在のユーザの視聴者分類に最もよく対応するブレークの第1の時間帯についてアセットを選択することができる。この方法は、ブレーク内の時間帯毎に繰り返すことが可能である。それとは別に、アセット群は、それぞれのアセット・チャンネルに対する単一のメタデータ集合を含み、CPEは、単純に、ブレーク全体に対する1つアセット・チャンネルを選択する。
図14および19を参照すると、1つまたは複数のアセット・チャンネル内に挿入するアセットを選択する方法が説明されている。最初に、プラットフォーム1404は、アセット配信のターゲットとなるチャンネル内のブレークを識別する(1910)。この点に関して、プラットフォーム1404は、番組チャンネルのスケジューリング・データを含む、スケジュール・データベース1420にアクセスし、次回のブレークを識別する。さらに、この方法は、番組チャンネルのオーバーラップしているブレークを識別すること(1920)も含む。ターゲット・アセットについて識別された2つのブレーク間に衝突がある場合、裁定器1428により裁定機能を実行することが可能である(1930)。衝突が存在しない場合、次回のブレークに対する複数のアセットの選択肢を提供するようにアセット・チャンネルを割り当てる(1940)。したがって、次いで、投票データを、次回のブレークを含む次回の期間に、例えば、投票データ・データベース1424(受け取った投票から収集されたデータを格納する)から受け取る(1950)。
【0142】
投票データに基づき、プラットフォーム1404は、アセットの選択肢・データベース1422にアクセスし、群を形成するアセット・チャンネルを次回のブレークに対するアセットで埋める(1960)。群が埋められた後(1960)、ターゲット・アセット配信が行われるブレークと同期してブロードキャストする。この点に関して、この方法は、群を割り当てられているアセット・チャンネルに、およびおそらく、番組チャンネル内に挿入する(1970)ことを含む。当然のことながら、この工程は、番組チャンネル、アセット・チャンネル、または他の帯域幅と関連してメタデータを提供し、他のアセットを持つアセット・チャンネルが利用可能であり、そこから選択できることをCPEが認識するようにすることを含む。例えば、番組チャンネルに関するメタデータは、どのアセット・チャンネルが利用可能であるかをCPEに知らせ、これにより、CPEは、利用可能なアセット・チャンネルを監視し、現在のユーザの視聴者分類およびアセット・チャンネル・メタデータに基づいてアセットを選択する。
【0143】
図20を参照すると、そこでは、裁定の方法2000が例示されている。上記のように、いくつかの場合において、ターゲット・アセットについて識別された2つの番組チャンネルは、衝突するブレークを有し得る。例えば、
図15を参照すると、チャンネル1504および1506が衝突している(すなわち、揃っておらず、オーバーラップしている)ブレーク1514および1516を有することが分かる。ブレークの正確なタイミングは、高い精度で決定することはできず、このようなタイミングは一般にキューが生じるまで知られることがないことに留意されたい。後に説明されるように、このタイミングを、過去データに基づいて推定し、ブレーク発生する時期を識別する統計的確率関数を求めることができる。したがって、限られた帯域幅が、ターゲット・アセット配信を提供するために利用可能である場合、衝突しているブレークを有するように見えるチャンネル間の裁定を行うことが望ましいと思われる。例えば、これにより、アセット・プロバイダは、衝突するチャンネルのうちの1つによりうまく表されている1つまたは複数の人口統計グループをターゲットとすること、またはさらに多数のユーザがいるチャンネルをターゲットとする、またはそのようなファクタに基づいて帯域幅を比例配分することを行う。この点に関して、この方法は、ターゲット・アセット配信が提供される複数の番組チャンネルを監視し(2010)、第1のチャンネル上の第1の次回のブレークおよび第2のチャンネル上の第2の次回のブレークを識別し(2020)、第1および第2の次回のブレークは、部分的にのみオーバーラップしていることを含む。
【0144】
例示されている実装では、第1および第2のチャンネルうち少なくとも一方、およびより好適には両方の現在ステータスに関連付けられている情報が得られる(2030)。この情報を利用して、第1のチャンネルと第2のチャンネルとの間の裁定(2040)を、チャンネルの少なくとも1つについてターゲット・アセット配信を行うために行う。例えば、情報は、第1および第2のチャンネルのうちの一方または両方に対する現在の視聴者の規模に関連する情報を含む。これは、さらに、視聴者分類情報を含んでいてもよい。この点に関して、視聴者規模に基づいて第1のチャンネルと第2のチャンネルとの間の裁定(2040)を行う、すなわち、ターゲット・アセット配信をそれだけ、またはほとんどは視聴者の規模が大きいチャンネルについて行うことが望ましい。それとは別に、またはそれに加えて、第1および/または第2のチャンネルの現在のユーザに対する視聴者分類情報を得る(収益を最大化することが望ましいことが多く、この点に関して、ターゲット視聴者の規模は小さいがCPMが高いアセットを、視聴者の規模は大きいがCPMは低いアセット上で所与のスポットについて選択する)。他の例として、投票に基づいてブレークに対し他の群を構成し、次いで、最高収益の群を挿入する。視聴者分類情報は、例えば、最近送信されたアセットの選択肢リストに応じて第1および第2のチャンネルのCPEの投票から推論する。同様に、裁定(2040)は、第1および第2のチャンネルの視聴者の全体の規模に関係なく、所望の視聴者分類パラメータ(例えば、高所得の個人)に基づいて行う。この点に関して、所望の分類のユーザ割合または数が多いチャンネルを選択する。例えば、特定の高級車のアセットは、規模の小さな視聴者に配信された場合に、その視聴者が多くの見込み購入客を含むとすると、より価値が高いと考えられる。この点に関して、群最適化は、投票スコア以外のファクタ、例えばアセット配信収益を最大化することを含む。同様に、裁定(2040)に使用される基準は、アセット・プロバイダにより選択される。チャンネルが、裁定(2040)に基づいて選択された後、選択されたチャンネルへのターゲット・アセット配信を行う(2050)。もちろん、チャンネルは両方とも、より小さな群でサポートすることができる。
【0145】
B.帯域幅最適化
アセットの選択肢の送信に利用可能な帯域幅は、一般に制限される。したがって、アセット・ターゲット設定システムは、それぞれのアセット・チャンネルの使用を最適化し、利用される追加の帯域幅を識別することにより増強することが可能である。それぞれのアセット・チャンネルの使用を最適化することに関して、ブレークの開始時刻および終了時刻などのスケジューリング情報は、番組チャンネル毎に得ることができる。すなわち、ネットワークでは、利用時間枠を定義することができ、この情報は、ターゲット・アセット配信システムにより使用される場合、にアクセスされる。この情報は、1つまたは複数のブレークが所与の番組チャンネル上にいつ出現するかを近似的に決定するために利用される。したがって、このような情報は、ターゲット設定および裁定の目的に使用される。例えば、
図15を参照すると、チャンネル1506は、2つの別々のブレーク1516、1562に対応する別々の利用時間枠1550および1560を含むことが分かる。しかし、いくつかの場合において、特定のチャンネルは、別々のブレークに対して別々の利用時間枠情報を提供しない。例えば、チャンネル1502については、利用時間枠1570は、チャンネル1502の番組期間の全長を超える。これらの場合、複数のブレークが、単一時間枠内に定義することが可能である。そのため、第1のブレークは、時間枠に対し第1のキュー・トーン(またはメッセージ)により示され、第2のブレークは、時間枠内の第2のキュー・トーンにより示される。キュー・トーンが従来の利用時間枠の背景状況において見つからないと、後続のすべてのブレークのアセットが影響を受ける。利用時間枠情報は、ブレークの開始および終了時刻に直接対応していないため、利用時間枠1550、1560、および1570に関する情報があっても、単独では、ブレークが出現する時期、および/または異なるチャンネル上のブレークがオーバーラップするかどうかを識別することができない場合がある。したがって、ターゲット・アセット配信に対する利用可能な帯域幅が、より効果的に利用され、および/または割り当てられるように利用時間枠を絞り込む方法が提供される。
図21を参照すると、方法(2100)は、少なくとも第1の番組チャンネルの番組期間に対するネットワーク提供利用時間枠情報を得る(2110)ことから始まる。利用時間枠情報は、1つのブレークが出現する少なくとも第1の期間を識別する情報である。より一般的に、利用時間枠情報は、複数のチャンネル(例えば、チャンネル1502、1504、および1506)について得られる(2110)。ネットワーク提供時間枠情報が得られると(2110)、(複数の)番組チャンネルの番組期間に関連する履歴情報が出力される(2120)。例えば、本発明のシステムは、実際のブレーク時間情報を集めて、この情報を統計的に処理する。履歴情報が分析され、(複数の)番組チャンネルの番組期間の1つまたは複数のブレークに対する過去の実行時間を識別する(2130)。その点に関して、システムは、利用可能時間枠情報のみ、またはブレークの時刻のベースライン推定(間違っている場合もある)から開始される。いずれの場合も、システムは、次いで、注目しているチャンネル上のブレークを監視することによりブレークの時刻を知る。システムに対し、何らかの履歴情報を種として入力する。
【0146】
例えば、ホームコメディの指定された30分の番組期間について、第1のブレークは、その時間または半時間後の4から6分の間に開始し、その時間または半時間の後の6分から8分の間に終了する可能性があると決定する。同様に、番組中の他のブレークの開始および終了時刻も、決定される。履歴情報に基づき、所与のチャンネルに対する利用時間枠を絞り込んで(2140)、過去のブレークの開始時刻および終了時刻との対応関係をよくする。例えば、ブレークに対する平均開始時刻は、その時間から5分後とするが、開始時刻は、4分から6分までの範囲で変化する。したがって、利用時間枠開始時刻は、バッファ期間を設けるため、その時間から3分半後に設定する。利用時間枠に対する終了時刻も、同様に、そのブレークに対する予想/過去の終了時刻を超えるように設定される。この点に関して、単一利用時間枠(例えば、チャンネル1502の利用時間枠1570)を短縮し、ブレーク(例えば、ブレーク1512)とよく対応するようにし、および/または別々のブレークと対応する時間的に別々の期間に分けることが可能である。上記のように、ブレークが出現するときを記述する確率関数を生成し、利用可能な帯域幅の最良の割り当てをこれらの確率に基づくようにする。場合によっては、ブレークは、予想された時期に出現せず、したがって、予想外の衝突が発生する。裁定機能は、これらの場合においてリードタイムがほとんどないまま実装することができることが予想される。いずれにせよ、アセット・チャンネルが利用不可能な場合でも、ターゲット・アセットは、番組チャンネル上で利用可能である。当然のことながら、2つまたはそれ以上の番組チャンネル上の時間枠を絞り込むことにより、これらのチャンネルのブレークが重なっていないと決定される。このため、両方の番組チャンネルについてすべての利用可能なアセット・チャンネルを使用してターゲット・アセット配信を行うことができる。それとは別に、第1および第2のチャンネルのブレークは、部分的に重なっており、それらのチャンネルの間の裁定が必要であると決定することができる。いずれにせよ、アセット時間枠が絞り込まれた後、システムは、それぞれの番組にチャンネルに対する監視を絞り込まれた利用時間枠に制限する。利用時間枠を絞り込むことで、利用可能帯域幅の使用が改善される。このようにして、アセットの選択肢は、アセット帯域幅を多重化するという方法により強化される。そのため、所与のアセット・チャンネルは、第1の時刻に第1の番組チャンネルのアセットの選択肢を、第2の時刻に第2の番組チャンネルのアセットの選択肢を、というようにサポートすることが可能である。この多重化は、上記のように統計に基づいて利用時間枠を絞り込むことにより高められる。アセットの選択肢は、さらに、利用可能帯域幅を広げることにより改善される。これは、
図16Cに例示されている。ネットワーク帯域幅は、多数の番組チャンネルに分割できる番組チャンネル帯域幅1650、上記のように、アセットの選択肢の配信専用の多数のチャンネルを含む、専用アセット・チャンネル帯域幅1652、およびアセットの選択肢の配信専用ではないが、ときにはこの目的のために利用可能であるチャンネルを含む日和見的アセット・チャンネル帯域幅1654を含む。本発明のシステムは、日和見的アセット・チャンネルを識別し、利用するように動作可能である。例えば、ケーブル・テレビ網のいくつかのチャンネルは、オンデマンド映像・コンテンツを配信するために特定の時刻に使用される。これらのチャンネルは、オンデマンド映像・コンテンツを配信するために使用されていないときには、追加のアセットの選択肢を提供するために、本発明により利用される。同様に、上記のように、ネットワークは、ノード領域内のユーザによる要求があったときのみ、利用可能帯域幅を使用して番組チャンネルを配信するノード・フィルタを備えることが多い。これらの場合、ノード領域ユーザが利用可能帯域幅を完全に利用した番組チャンネルを要求していなかった場合、チャンネルは、アセットの選択肢の送信に日和見的に利用可能なものである。
【0147】
図16Cでは、専用アセット・チャンネル帯域幅1652は、5つの専用アセット・チャンネルを含むものとして例示されている。それに加えて、例示されている期間では、ネットワークは、4つの追加の日和見的アセット・チャンネルを含む日和見的アセット・チャンネル帯域幅1654を含むものとして示されている。例示されているブレーク1656、1658、1660、1661、および1663は、帯域幅1652および1654を利用するさまざまな方法を例示している。そこで、ブレーク1656および1658は、重ならない時刻に出現する。したがって、それぞれのブレーク1656または1658は、専用アセット・チャンネルのすべてによりサポートされることが可能であり、この場合、日和見的に利用可能なアセット・チャンネル1654を使用しない(ただし、日和見的アセット・チャンネルを使用することで、より広範囲にわたるターゲット設定オプションをサポートすることが可能である)。ブレーク1660および1661は、オーバーラップし、そのため、専用アセット・チャンネル1652のスケジューリングに関する衝突を示す。示されている例では、専用アセット・チャンネルは、例えば、それらのチャンネル上の視聴者の規模に比例してブレーク1660と1661との間にあるように割り当てられる。それとは別に、利用可能なアセットの選択肢は、ファントムで示されているように日和見的アセット・チャンネル1654を使用することにより補われる。最後に、ブレーク1663については、専用アセット・チャンネル1652の全部、および日和見的アセット・チャンネル1654の一部は、ブレーク1663をサポートする広範囲にわたるアセットの選択肢をサポートするために使用される。
【0148】
C.動的スケジューリング
上記のように、このシステムでは、現在のネットワーク状態に基づいて、1つまたは複数の番組チャンネルをサポートし、アセットが動的に挿入される。すなわち、予想されるネットワーク状態に基づいて前もって選択されるのとは反対に、現在のネットワーク状態に照らして、番組チャンネルについてアセットが選択される。テレビ番組のブレークに関してアセットの動的挿入を対象とする方法2200は、
図22に例示されている。図に示されているように、この方法は、番組チャンネルを監視して(2210)、例えば、現在の番組または現在の視聴者規模を決定することから始まる。多数の番組チャンネルを監視可能であることは理解されるであろう。いずれにせよ、少なくとも1つの番組チャンネルの現在のステータスに関するステータス情報が、調達される(2220)。このような調達には、放送網内で1つまたは複数のCPE(例えば、DSTB)から信号を受信することを含む。この点に関して、このようなステータス情報は、実質的にリアルタイムで、または少なくともターゲット・アセットが提供されるブレークに詳しく対応する期間内に、受信される。ステータス情報は、限定されることなく、現在の番組、1つまたは複数の番組チャンネルに対する現在の視聴者の規模、現在の番組チャンネルの視聴者に関する視聴者分類情報、および/または現在の番組チャンネルの視聴者の地理的構成、およびもちろん、地理情報を含む分類に関する投票を含む。このような情報は、もしあったとすれば、プライバシー問題に相当な注意を払って取得するのが好適である。そのような現在のステータス情報に基づいて、1つまたは複数の番組チャンネルの次回番組期間についてアセット挿入オプションを識別する(2230)。例えば、アセットの選択肢は、現在のネットワーク状態に基づいて選択される。1配列では、後続の番組期間に対するアセット挿入スケジュールは、現在のネットワーク状態に基づいて立てられる(2240)。例えば、後続のブレークに対するアセット群は、現在のネットワーク状態に基づいてアセットを埋めることができる。したがって、選択されたアセットが、後続のブレーク内に挿入される(2250)。
【0149】
このような方法により、高価値の放送時間に、適切なアセットを確実に埋めることが可能である。例えば、視聴者が現在の番組期間について予想される以上に大きいことを、現在のネットワーク状態が示している場合、より高い価値のアセットを使用してブレークを埋める。このような状態は、例えば、アセット配信価値が高く、予想視聴者規模が大きい番組が、所定の番組期間を超えてアセット配信価値の低い後続の番組期間に突入する(例えば、スポーツ・イベントが延長戦に入る)場合に存在する。以前には、後続の低価値番組期間を対象とするアセットが、事前にスケジューリングされた配信時間に基づいて予想以上に大きい視聴者に放送され、その結果収益機会が減ることもあった。本発明のシステムでは、動的な(例えば、ジャストインタイムの)アセット・スケジューリングが可能であるか、または少なくとも、変化するネットワーク状態に基づいて事前スケジューリングされた配信をオーバーライドすることが可能である。
【0150】
D.レポート機能
アセットの選択肢の中から、どのアセットが(複数の)ユーザに配信されたかを示すレポートをCPEから受信することなく、本発明のターゲット・アセット・システムを実装することが可能である。すなわち、どのようなアセットが誰に配信されたかについては相当の不確定性があるが、投票法により現在のネットワーク状態に関する推定に基づいてアセットの価格が決定される。このような価格決定は、従来のアセット配信パラダイムの下での格付けまたはシェアベースの価格決定に関するいくつかの点で改善される。それとは別に、価格決定は、アセットを受信したユーザの数の推定値を形成するためにアセット挿入の記録とともに、ニールセン・データなどの人口統計格付け情報に全面的に基づく。例えば、これは、よい格付け情報を持つ番組チャンネルに関連して機能する。
【0151】
しかし、本発明のCPE選択モデルに関連して、アセットの実際の配信に関するレポート情報を取得することが望ましい。すなわち、アセット選択はCPE側で実行されるため(転送・蓄積または同期送信アーキテクチャのいずれかで)、アセットの実際の配信に対する規模および視聴者分類値に関する不確定性改善は、レポート機能を使用することにより高められる。後に説明されるように、本発明は、この点に関して適切なレポート機能を実現し、またこのようなレポート情報を使用して保証された配信および/または実際の視聴者のターゲット視聴者への適合度に基づき課金を可能にするメカニズムも実現する。課金情報およびアセット有効性および投資収益率の分析に利用可能な情報の品質を改善することに加えて、このレポート情報は、リアルタイムに近い(いくつかのレポート機能実装において)視聴者測定を高い精度で行うためのものである。この点に関して、レポート機能は、レポートが実際の視聴者規模の肯定的な事後指示を与えるものであるため、測定ツールとして投票よりも好適である。したがって、このような情報があれば、格付けおよびシェア・データを改善することが可能である。例えば、このようなデータを、ネットワークまたはタグ付け測定組織にライセンスする。
【0152】
図23Aは、本発明によるレポート・システム2300を例示している。レポート・システム2300は、一般に参照番号2302により識別される、加入ユーザ・グループの少なくとも一部のユーザが実際のアセット配信をレポートするように動作する。例示されている実装では、このようなレポート情報は、中継局2304などのネットワーク・プラットフォームに送信される。レポート情報は、さらに、オペレーション・センター2306およびトラフィック課金システム2308により処理される。
【0153】
より具体的には、レポート情報は、個々のCPE 2314により生成され、CPEはそれぞれ、レポート処理モジュール2316、アセット・セレクタ・モジュール2818、およびユーザ監視モジュール2320を備える。ユーザ監視モジュール2320は、現在のユーザからの入力を監視し、それらの入力を分析して、そのユーザに対する推測視聴者分類パラメータ値を決定する。そのため、例えば、モジュール2320は、リモート・コントロールからのクリック・ストリームを、そのクリック・ストリームのパターンとあり得そうな視聴者分類パラメータ値との照合に使用される情報とともに分析される。
【0154】
これらの分類パラメータは、次いで、アセット・セレクタ・モジュール2318により、利用可能なアセットの選択肢からアセットまたはアセット・シーケンスを選択するために使用される。そのため、上記のように、複数のアセット・シーケンスが、番組チャンネルおよび別のアセット・チャンネル上で利用可能な場合がある。これらのアセットとともに、またはそれに先立って配信されるメタデータにより、視聴者分類パラメータ値に関してアセットのターゲット視聴者を識別することが可能である。したがって、モジュール2318は、ユーザの推測視聴者分類パラメータ値をアセットの選択肢のターゲット視聴者分類パラメータ値と照合することにより(複数の)ユーザに配信するために利用可能なオークションからアセットが選択される。適切なアセットの選択肢が一端識別されると、配信は、対応するアセット・チャンネルに適宜切り替える(または番組チャンネル上に残る)ことにより実行される。
【0155】
レポート処理モジュール2316は、実際に配信されたアセットに関する情報を中継局2304にレポートし、いくつかの実装では、アセットの配信先の(複数の)ユーザのいくつかの視聴者分類パラメータ値をレポートするように動作する。したがって、このような実装では、レポート処理モジュール2316は、モジュール2318からアセット配信情報を受信し、ユーザ監視モジュール2320から(複数の)ユーザに対する推測視聴者分類パラメータ情報を受信する。この情報を使用して、レポート・ファイルのさまざまなフィールドを埋める。他の実装では、視聴者分類情報は、レポートに含まれない。しかし、アセットは、ターゲット・パラメータと一致する1人または複数のユーザに配信されたと想定される。さらに、このような想定は、レポートに含まれる適合度パラメータによりサポートされる。そのため、視聴者分類情報は、レポートに機密情報が含まれていない場合でも、推論される。
【0156】
本発明の好適な実装では、レポート・システム2300は、標準モードまたは公開モードで動作する。標準モードでは、送信レポート・ファイル2312は、機密情報を実質的に含まない。そのため、例えば、ファイル2312により、上記のように、実際に配信されたアセット、どのようなチャンネルで配信されたか、および適宜、適合度の尺度を識別される。ファイル2312は、さらに、少なくともそのヘッダ・フィールドにユーザの識別コードを含む。この識別コードおよびプライバシーの観点から機密とみなせる他の情報は、レポート処理の最初の方の工程として削除またはハッシュされる。例示されている実装では、サニタイジング・モジュール2313は、中継局2304で更に処理を進める前にそのような情報を削除またはハッシュする。さらに、標準モードでは、レポート情報は、さらに処理する前に、例えば、視聴者規模および人口統計を公開したり、または今後の放送のためターゲット母集団を推定することを目的として、モジュール2313により匿名化され、集約されるようにできる。
【0157】
公開モードでは、レポート・ファイル2310は、機密情報を含むさらに多く情報が格納される。例えば、ユーザの名前、年齢、性別、所得などの情報がファイル2310に格納される。この点に関して、さまざまなレベルの公開モードが、さまざまなレベルの許容される潜在的に機密の情報に応じて定義される。この情報は、例えば、システム・パフォーマンスを監視し、エラーを診断するために推定値と比較することに使用される。そのため、情報は、ターゲット設定が機能することを実証するためにも使用される。公開モードの動作は、レポート・ファイルへの潜在的に機密である情報の包含を承諾した少数のユーザに限定することができることは理解されるであろう。この点に関して、CPEレベルで(およびどのような公開モードレベルであっても)公開モード動作への関与を個々に制御することが可能である。
【0158】
レポート・ファイルは、中継局2304を通り、オペレーション・センター2306により処理される。オペレーション・センター2306は、レポート情報を処理することを含む多数の機能を実行し、上記のように課金および診断機能にサブミットするように動作する。オペレーション・センター2306は、次いで、処理済みレポート情報をトラフィック課金システム2308に転送する。トラフィック課金システム2308は、処理済みレポート情報を使用して、配信されたアセットに関する測定情報をアセット・プロバイダに送り、配信されたアセットに対する適切な課金額を割り当て、新しいアセット配信契約を交わすことに関してターゲット母集団を推定する。
【0159】
レポート機能に関連する必要帯域幅を縮小するために、上記の統計的投票方法と同様に統計的レポート機能が実装される。特に、すべてのブレークに関してすべてのCPEレポート配信を行わせるのではなく、視聴者2302の統計的標本抽出からレポートを得ることが望ましいと思われる。例えば、それぞれのユーザのCPEは、それぞれのレポート機会に関連して数を発生する乱数発生器を備える。関連するロジックは、いくつかの数、例えば数字「5」で終わる数が生成されたときのみCPEがレポート・ファイルを送信するように構成される。それとは別に、CPEは、中継局2304による問い合わせ後にのみレポートを生成するか、または中継局2304を、視聴者2302の標本抽出のみを問い合わせるように構成される。このような統計的レポートは、
図23にグラフで示されており、そこでは、所与のレポート機会に関してレポートするように選択されたユーザは、実線のリンクに関連付けられ、選択解除されたユーザは、破線のリンクに関連付けられる。さらに、レポートは、一定期間、例えば、24時間または7日間のすべてのレポートを1回のレポート送信で集められるようにバッチ処理される。このような送信は、例えば、ネットワークの低メッセージング・トラフィック期間と一致するようにタイミングが決められる。また、異なるCPEからのレポートは、後に説明されるように時間の経過とともに拡散される。
【0160】
レポートシステム2300は、適宜、アセット・スキップ機能を実装するように構成される。いくつかの場合において、アセット配信期間の間中高速転送することなどでユーザはアセットをスキップすることが可能であると思われる。これの場合に、アセット・プロバイダは、その投資収益率の現象に遭遇する。特に、上記のように、番組アセットを提供するのにかなりのコストがかかる。アセット・サポート・ネットワークの場合、このコストは、アセット配信収益により全体または一部が補助される。すなわち、アセット・プロバイダは、コマーシャル・インプレッションをユーザに配信する機会の対価を支払う。本発明のシステムの背景状況において、これらのアセットのコストは、消費者1人当たりアセット1つ当たりのコストに容易に変換される。すなわち、ターゲット・インプレッションの数がレポート情報から知られており、またアセット毎のコストが連絡先情報から知られているため、ユーザ毎、アセット毎のコストを直接計算することができる。ユーザがアセットをスキップすると、アセット・プロバイダにとっての価値は、この額だけ減少する。例示されているシステム2300では、アセット・スキップ・イベントを検出し、この情報をレポートする。次いで、損害を受けたアセット・プロバイダは、この金額の減少の補償を受け、および/またはユーザには、このようなアセット・スキップの補償のため課金する。例えば、後者の点に関しては、番組アセットを値引きして、アセットの配信を受け入れることに同意しているユーザに配信する。VODまたはDVRの背景状況では、他のユーザがそれらのアセットをスキップすることができる。このため、すでに、実際には、ペイ・パー・ビューに限定されているいくつかの背景状況においてアセット配信サポートが容易になる。例えば、転送・蓄積アーキテクチャを介して提供される映画またはネットワーク番組の近々の(例えば、翌日の)再放送は、アセットがすでに配信されているという妥当な保証をアセット・プロバイダが得られるときにサポートされるアセットとしてよい。
【0161】
この点に関して、例示されているシステム2300は、適宜、アセット・スキップ・モジュール2322を備える。アセット・スキップ・モジュール2322は、アセット・スキップ・イベント(全部または一部)を識別し、この情報をネットワークにレポートするように動作する。例えば、アセット・スキップ・イベントは、リモート・コントロールからのクリック・ストリームを監視すること、またはユーザに配信される映像・ストリームを他の何らかの形で監視することに基づいて識別される。
図23Bに示されているように、この点に関して適切な情報はレポート・ファイル2311に収められる。例示することを目的として、ファイル2311は、4種類のレポート情報2311A〜Dを格納する。2311Aは、問題のブレークまたはスポットを識別する。フィールド2311Bは、CPEによって選択されたアセットの選択肢を示している。例えば、選択されたアセットは、関連付けられているアセット・チャンネルを参照することにより識別される。この情報は、損害を受けたアセット・プロバイダを識別するのに役立ち、これによりアセット・プロバイダは、適宜、アセット・スキップの補償を受ける。フィールド2311Cは、ユーザに対するいくつかの視聴者分類パラメータ値を識別するものであり、例えば、公開モード動作に含められる。最後に、フィールド2311Dは、アセットがスキップされたかどうかを示すスキップ・フラグを含む。このフィールド2311Dにより、アセット・スキップに関して、アセット・プロバイダを補償し、適宜ユーザに課金する。
【0162】
図24は、レポートシステム2400のさまざまなネットワーク・コンポーネント、さらにはターゲット課金システム全体の他の機能コンポーネントとの接続を例示している。例示されているシステムは、中継局コントローラ2402、オペレーション・センター2404、およびT&Bシステム2416を含む。ターゲット・アセット配信のない従来のネットワークでは、トラフィック課金システムは、一般に、多数の機能を備える。これらのうち、トラフィック機能は、オーダー・エントリーおよびスポットへのアセットの割り当てを含む。この点に関して、アセット配信スケジュールは、中継局が識別されたキューを受信した後、特定のアセットを挿入することを知るように立てられる。他の機能は、課金に関係する。中継局がアセットを挿入した場合、これは、送出ログを生成する。これらの送出ログは、課金を目的としてアセットの配信を確認する宣誓書を生成するためにトラフィック課金システムにより使用される。従来のネットワークの場合、これは直接的な方法であるが、それというのも、何が挿入されたか、したがって何が配信されたかを中継局が知っているからである。さらに、従来のネットワークは、直接的に配信を測定することをしない。
【0163】
本発明によるターゲット・アセット配信システムの場合、いくぶん込み入っている。オーダー・エントリーは、視聴者集約、スポット最適化、および本明細書で説明されているような他の概念を含む。この方法を容易にするためのインターフェイスについて、以下で詳しく説明する。課金に関しては、従来の送出ログ(それとレポート情報)に類似の情報をT&Bシステム2416に供給することが望ましいが、配信情報は、CPEから発せられる。さらに、どのようなアセットが、どのような番組チャンネルに関連して配信されたかを知るには、一般的に、1)どのようなアセット・チャンネルがどのようなスポットについて使用されたかを示す、CPEからのレポート、2)どのようなアセットが、そのスポットに対するそのアセット・チャンネル上に挿入されたか、3)そのスポットについてアセット・チャンネルがどのような番組チャンネルに関連付けられたかを必要とする。
【0164】
例示されている中継局コントローラ2402は、アセット・チャンネルを介して送信されたターゲット・アセットを識別するすべてのアセット・チャンネルについて送出ログ2414を生成する。そのため、例示されているシステム2400の工程Aでは、中継局コントローラ2402からの送出ログ2414は、オペレーション・センター2404により処理される。この処理では、アセット・チャンネル上に、アセット・サーバー2412により挿入されたすべてのターゲット・アセットの、T&Bシステム2416による使用に関して、ネットワーク・ベースの課金を行う。工程Bでは、ターゲット・アセット・データベース2406からの情報に基づいて仮想チャンネルと番組チャンネルとの相関が求められる。例示されているシステム2400の工程Cで、レポート情報が処理される。特に、レポート情報を含むアセット配信通知(ADN)2410は、CPEまたはその代表標本抽出によるそれぞれのアセット配信に関連して得られる。この情報は、少なくともスポットまたはブレークおよび選択されたアセットまたはアセット・チャンネルを識別する。上記のように、すべてのデジタル・セット・トップ・ボックスは、ADNを返すように、または返さないように構成することができる。
【0165】
送出ログ2414は、ADN 2410およびターゲット・アセット・データベース情報とともに、それぞれの番組チャンネルに関してどのようなターゲット・アセットが放映されたか、また何台のデジタル・セット・トップ・ボックスが実際にアセットを配信したかを明確に示すものである。この情報は、実際のアセット配信を検証する宣誓書2420を生成するために使用される。以下でさらに詳しく説明されるように、これにより、ターゲット・インプレッションの保証された配信を含む新しいアセット配信パラダイムが使用可能になる。
【0166】
図25は、レポート機能を実装する加入者宅側の方法2500を一般的に例示する。例示されている方法2500は、アセット配信を監視する(2502)ことにより開始する。すなわち、CPEは、アセット配信をレポートすることを目的として所与のブレークに関連して選択されたチャンネルを監視する。次いで、CPEが標準モードで動作するのか、または公開モードで動作するのかに関する決定、および後者の場合には、どのようなレベルの公開モード、例えば完全公開なのか部分的公開なのかを決定する(2504)。上記のように、公開モード動作は、一般に、それぞれの動作に特に同意しているユーザに制限される。標準モードの動作については、CPEは、アセット配信、およびおそらく、機密情報を含まない適合度の尺度をレポートする(2506)。公開モードでは、CPEは、ネットワークにレポートするより大きなレベルの情報を決定する(2508)。このような情報は、ユーザに関する機密情報を含む。いずれの場合も、CPEは、統計的レポートモジュールを実行し(2510)、レポート生成するかどうかに関する決定(2512)を下す。このような統計的レポート機能により、レポート機能に関連する必要な帯域幅が縮小する。レポートが生成されない場合、システムはアセット配信の監視(2502)に戻る。
【0167】
他方で、レポートが配信される場合、レポート・スプレッディング・モジュールを実行する(2514)。レポート・スプレッディング・モジュールは、すべてのレポートCPEからのレポートが、同時に生成されないことを確実にする動作をする。そのため、例えば、レポート・スプレッディング・モジュールは、特定のブレークに対する配信レポートに関連する特定の時間遅延を決定する。この時間遅延は、事前定義済みであってよく、また異なるCPEについては異なっていてもよい。それとは別に、遅延は、可変であってもよく、例えば、乱数発生器の出力に基づいて決定される。なおもそれとは別に、レポートは、帯域幅の利用度が増えると予想される場合にある時刻(例えば、夜間)に配信するために格納される。その場合、異なるCPEは、それでも、異なる時刻にレポートする。レポートは、送信されるまで、長期間にわたって格納しておいてかまわない。その後、レポートが生成され(2516)、レポート・スプレッディング・モジュールにより決定された通りに送信される。次いで、システムは、アセット配信の監視(2502)を継続する。
【0168】
図26は、レポート機能に関連するネットワーク側の方法2600を例示している。例示されている方法2600は、実際のアセット配信を示すアセット・レポートを受信する(2602)ことにより開始される。上記のように、レポートは、識別コードおよびプライバシーの観点から機密とみなされる他の情報を含む。このような情報は、レポート処理の早い段階の工程で削除またはハッシュするとよい。それに加えて、レポートが標準モード動作を反映しているのか、公開モード動作を反映しているのかの決定(2604)が下される。例えば、公開モード動作または標準モード動作を識別するフィールドをレポートに含めるか、またはさまざまなレポートフィールドの内容を分析して、それらが標準モード動作を反映するのか、または公開モード動作を反映するのかの決定を下す。標準モード・レポートの場合、レポート情報は、処理を進める前に、匿名化し、集約するとよい。公開モード・レポートは、ある種の診断を実行する(2606)場合に使用される。例えば、公開モード・レポートに含まれる実際のユーザ識別情報を、推測視聴者分類パラメータ値(アセット選択により示される)と比較して、ユーザ識別ロジックの正確さを調べる。それとは別に、公開モードでは、レポートは、中継局側に格納されているユーザまたは世帯に関する情報にアクセスするために使用できる識別子を単に含む。統計的レポート機能の場合、標準モード・レコードおよび公開モード・レコードは両方とも、視聴者パラメータを決定する(2608)ために使用される。上記のように、レポート機能に関連する必要な帯域幅を減らすために、CPEすべてとはいえないが、例えば、統計的標本抽出から、レポートが形成される。したがって、統計的モデルは、レポート・データに基づいて視聴者規模およびさまざまな視聴者セグメントの規模を決定するために使用される。
【0169】
次いで、レポート情報に基づいて、課金パラメータおよび適合度情報が決定される(2612)。課金パラメータは、一般に、アセットが配信された先の視聴者の規模に関する情報を含む。適合度情報は、実際の視聴者がアセット・プロバイダのターゲット視聴者とどれだけよく一致していたかに関係する。この点に関して、十分な適合度であれば割増料金が引き出されるか、または割引またはクレジットを適用できるか、または適合度が十分でなかった場合には過剰配信を与える。次いで、この情報に基づいて、T&Bシステムは課金レコードが生成される(2614)。このような課金は、最適に満たない配信の補償とともにターゲット・インプレッションの保証配信を反映することは理解されるであろう。
【0170】
上記のように、プラットフォームおよび関連するグラフィカル・ユーザ・インターフェイスは、アセット契約情報を受け取るために備えられる。以下でさらに詳しく説明されるように、アセット・プロバイダは、このインターフェイスを使用して、地理情報、人口統計情報、実行時情報、実行頻度情報、実行順序情報、およびアセット配信制約条件を定める他の情報などのターゲット設定情報を指定する。同様に、他のソースから制約条件情報が提供される。この契約情報は、さらに、適合度に関係する価格決定パラメータを含む特定の価格決定情報も含む。さらに、本発明によれば、レポート情報は、トラフィックおよび課金を目的として上記のように利用される。これはすべて、従来のアセット配信パラダイムの背景状況において開発された従来の製品であり、T&Bシステムと、新しいアセット配信パラダイムの実装を可能にする本発明のターゲット・アセット配信システムとの間のある程度の統合を必要とする。
【0171】
とりわけ、この統合は、T&Bシステムの適切な構成、ターゲット・アセット配信システムの適切な構成、およびT&Bシステムとターゲット・アセット配信システムとの間の情報の転送に適したメッセージング・プロトコルおよびメッセージング・フィールドの定義を必要とする。T&Bシステムに関して、このシステムは、ターゲット・アセット配信に関係するトラフィックおよび課金データの新しいフィールドを認識するように構成される。これらのフィールドは、格付けまたはシェア・データとは対照的に、レポート・データを使用して、課金額を決定すること、適合度パラメータを使用して、課金パラメータを決定すること、後続の放送に対するターゲット母集団を推定する際にレポート情報を使用することに関連付けられる。したがって、T&Bシステムは、この点に関してさまざまなフィールドを認識し、アセット配信契約に従って課金パラメータを計算する関連ロジックを実行するように構成される。
【0172】
ターゲット・アセット・システムは、定義済みグラフィカル・ユーザ・インターフェイスを介してさまざまなアセット契約情報を受け取る。このアセット契約情報には、ターゲット視聴者、適合度パラメータなどに関係するさまざまな制約条件が設定される。それに加えて、グラフィカル・ユーザ・インターフェイスは、実質的にリアルタイムで、定義済み契約パラメータに関連付けられている推定ターゲット母集団を予想する動作をする。その結果、ターゲット・アセット配信システムとT&Bシステムとの統合には、グラフィカル・ユーザ・インターフェイスを介して送り込まれる入力が、ターゲット・アセット配信システムにより認識される適切なフィールドにマッピングされるようにターゲット・アセット配信システムを構成することを含む。それに加えて、このような統合は、ターゲット母集団を推定する際に使用するターゲット・アセット配信システムから転送されるレポート情報を認識することも含む。一般に、T&Bシステムは、ターゲット・アセット配信システムからの情報を使用して、ターゲット母集団を、グラフィカル・ユーザ・インターフェイスを介してアセット・プロバイダにより入力されたさまざまな契約情報の関数として推定するための、この点に関するロジックを含むように修正される。
【0173】
それに加えて、ターゲット・アセット・システムとT&Bシステムとの間のインターフェイスは、上記のように、ターゲット・アセット配信機能に対応するように従来のインターフェイスに関して拡張される。すなわち、課金はターゲット・インプレッションに基づいているため、T&Bシステムにより、課金パラメータを計算するために追加のアセット配信レポート情報が必要になる。同様に、ターゲット母集団を推定する際にT&Bシステムに知らせるために、ターゲット・アセット・システムからの情報が必要である。さらに、ターゲット設定制約条件を定義する契約情報は、T&Bシステムからターゲット・アセット・システムに渡される。したがって、上記のように、システム間の送信にさまざまなフィールドが定義される。これらのフィールドは、システム間のメッセージング・インターフェイスを拡張することにより適応する。それに加えて、適切なメッセージング・プロトコルが、この拡張されたメッセージング・アセットを受け入れるように定義される。
【0174】
図27は、この点に関してシステムをインターフェイスする方法2700を例示している。例示されている方法2700は、T&Bシステムを提供する(2702)ことから開始される。上記のように、T&Bシステムを提供する出発点は、従来の時間帯購入アセット配信パラダイムの背景状況において開発された従来のT&Bシステムを使用することを含む。次いで、レポート・データの受信に使用されるフィールドおよびフォーマットが確立され(2704)、T&Bシステム内に組み込まれる。それに加えて、T&Bシステムからターゲット・アセット配信システムに情報を出力するためのいくつかのフィールドおよびフォーマットが用意され、例えば、アセットのターゲット設定に使用することができる。動作時に、特定のアセットに対するターゲット設定制約条件を含む契約情報は、T&Bシステムからターゲット・アセット・システムに出力される(2705)。アセットは、上記のように制約条件に従って配信される。次いで、T&Bシステムにより、配信レポート・データが取得される(2706)。このレポート・データは、CPEから送信され、上記のようにT&Bシステムに配信される前に、オペレーション・センターにより処理されるようにできる。それに加えて、T&Bシステムは、関連するアセット配信契約に関係する契約情報にアクセスする(2708)。この情報により、いくつかの課金パラメータを視聴者規模および適合度情報の関数として指定する。次いで、T&Bシステムは、契約情報およびレポート・データに基づいて課金データを決定し(2710)、適切な請求書を生成する(2712)ように動作する。
【0175】
IV.例示的なシステム実装
上では、放送網内でターゲット・アセットを提供するシステムについて説明した。この説明では、ケーブル・テレビ網でターゲット広告を行うために多数の参照があった。それに加えて、中継局、CPE、およびT&Bプラットフォームに適切な追加および修正を行った、いくつかの従来のコンポーネントを使用してターゲット広告システムを実装することに対しても参照した。これは、限定はしないが、本発明の有利な応用を表している。この節では、特定の実装詳細の例とともにさらに詳しく本発明のこの応用について説明する。
【0176】
以下の例は、本発明の具体的実装を例示するために掲載されており、本発明の範囲を制限することが意図されていないことは理解されるであろう。例えば、本発明は、上記のように、ケーブル・テレビ環境にも、また広告のターゲット設定にも限定されることはない。それに加えて、後に説明されるシステムでは、CPEと中継局などのネットワーク・プラットフォームとの間のさまざまな通信を利用する。特定の通信の方法については、帯域内および帯域外の経路を含む例示を目的として以下で説明される。このような通信は、ケーブル・ネットワーク経路または別のネットワークを使用して利用可能な手段により実行することができることは理解されるであろう。さらに、後に説明されるシステムは、特定の投票およびレポート処理機能を含み、これを利用し、広告主ターゲット設定制約条件と視聴者分類パラメータとを一致させることにより広告をターゲットとし、配信の確認が行われるが、本発明のいくつかの態様は、投票またはレポート機能なしで実装することが可能であることは理解されるであろう。
【0177】
さらに、ターゲット設定は、広告主ではなく、ユーザ、ネットワーク事業者、コンテンツ・プロバイダ、または他の事業者により決定される制約条件に関して実行される。その点に関して1例では、上記のように、ユーザは、例えば、子供または他のデリケートな視聴者を特定のコンテンツから保護するために、選択した実装において例外を定義する。同じようにして、ユーザは、そのような選択した実装において選好を定義する。しかし、後に説明されるシステムでは、本発明の商業的に意味のある応用例を表す広告定義ターゲット設定制約条件を重視している。前記の説明に基づき、以下の説明は、特定の実装の例示により理解されるのであって、制限よって理解されるべきではない。次に
図28を参照すると、放送通信ネットワーク用の広告をターゲットとするために使用される、システム2800のブロック図が示されている。例示されているシステムは、中継局挿入システムであるが、ターゲット広告は、後に説明されるように、CPE側に挿入されてもよいことに留意されたい。例示されているシステム2800は、広告ソース・システム2801および放送コンテンツ・ソース2802(例えば、テレビ網番組プロバイダの)などの多数のソースから音声および/または映像・コンテンツを受信することができる中継局2803などのプラットフォームを備える。ソース・システム2801およびソース2802は、デジタル通信、アナログ通信、またはそれらの組み合わせを使用して、音声および/または映像・コンテンツを提供することが可能である。例示されているシステム2800は、さらに、後に説明されるように広告のターゲットを設定し、選択された放送コンテンツを提供し、配信をレポートする際に使用するため、放送網のユーザからの通信を受け取る。この点に関して、ケーブル・テレビ網のそれぞれのユーザは、テレビ番組および広告などのコンテンツをユーザが受信できるようにするCPE 2810を有する。ユーザの特定のCPE 2810は、現在の1人または複数のユーザの視聴者分類パラメータを推定し、それらのパラメータを広告のターゲット設定制約条件と比較する。したがって、それぞれのユーザの特定のCPE 2810は、個々のCPE 2810
1...Nに配信するように広告および/または放送コンテンツを中継局2803が構成できるように中継局2803に投票を送信する。
【0178】
CPE 2810
1...Nに配信するようにコンテンツを構成するのを補助するため、例示されている中継局2803は、コンテンツ選択プロセッサ2805およびコンテンツ同期装置2804を備える。コンテンツ同期装置2804は、アセット・サーバー2801から広告を受信し、放送コンテンツ・サーバー2902から放送コンテンツを受信する。例えば、放送コンテンツ・ソース2802は、テレビ番組などの、さまざまな種類の音声および/または映像・コンテンツを提供する。広告ソース・システム2801は、さらに、広告(例えば、コマーシャル)の形態でいくつかの種類の音声および/または映像・コンテンツを提供する。コンテンツ同期装置2804は、放送コンテンツ・ソース2802から放送コンテンツを受信して、レポートソース・システム2801からレポートを放送コンテンツ内に選択的に挿入する。これは、広告アセットを番組コンテンツ・ストリーム内にインターリーブすること、および/または広告アセットを専用広告チャンネルなどの別の帯域幅内に挿入することを含む。広告アセットは、さらに、他の手段によりCPEに送信することも可能である。コンテンツ同期装置2804は、次いで、CPE 2810
1...Nに配信するため組み合わせたコンテンツを調整する。
【0179】
一実施形態では、CPE 2810
1...Nは、上記のように配信される広告について独立に投票を行う。例えば、CPE 2810
1...Nは、ケーブル・テレビ入力を受信するように構成されたセット・トップ・ボックス(「STB」)を備える。この点に関して、ケーブル・テレビ・ユーザは、セット・トップ・ボックスでチャンネルを変更することにより放送コンテンツを選択的に受信する(例えば、それぞれのチャンネルは、映像および音声・コンテンツの一意的なストリームを伝達するように構成される)。放送コンテンツ内のいくつかの間隔で(多くの場合キューとともに予め決定される定義されている)、中継局(中継局では、挿入実装)により広告が挿入され、セット・トップ・ボックスを介して顧客に伝達されるようにできる。特に、CPE 2810
1...N上に常駐するロジックは、ユーザ入力および上記のような他の情報を分析して、現在の1人または複数のユーザに対する視聴者分類パラメータを推定することが可能である。次いで、これらのパラメータを、特定の広告に関連付けられているターゲット設定制約条件と比較する(これは、広告IDおよび関連付けられているターゲット設定制約条件情報により表すことができる)。この比較に基づいて、当てはめスコアを含む投票が中継局2803に送信される。
【0180】
例示されている実施形態では、中継局2803は、ネットワーク・インターフェイス2806を介してそれと通信する多数のCPE 2810
1...Nから(関与しているすべてのCPEまたはその標本抽出から)の投票を受信する。ネットワーク・インターフェイス2806は、これらの投票をコンテンツ選択プロセッサ2805に転送し、投票を集計して、利用可能な帯域幅についてい十配信慮したうえで広告挿入選択を行う。例えば、CPE 2810、したがってユーザの数は利用可能な帯域幅を大きく超えて、最良適合広告(またはユーザについて個別に選択された他の広告)を提供することができないことがある。コンテンツ選択プロセッサ2805は、CPE 2810
1...Nから投票を受け取り、広告別に投票を計算する。限られた数の広告が、投票および他の考慮事項に基づいて提供される。これらの広告は、利用可能な広告帯域幅(例えば、番組チャンネルおよび/または(複数の)広告チャンネル上の)内に挿入され、CPE 2810
1...Nは、例えば、現在のユーザに対する視聴者分類情報に基づいて、利用可能な広告オプション(もしあれば)から選択する。CPE 2810
1...Nは、投票を中継局2803に継続的に転送し、これによりコンテンツ選択プロセッサ2805およびコンテンツ同期装置2804は、同期アセット挿入実装の場合に番組チャンネル・ブレークにおいて広告を配信し続ける。
【0181】
ターゲット広告を配信するために、システム2800は、本質的に、CPE 2810
1...Nでのチャンネル切り替えを通じて広告の配信と結合された中継局2803における群広告オプションの挿入を含む第1のモード(群モード)、中継局2803で広告を番組コンテンツとインターリーブすることにより配信を含む第2のモード(インターリーブ・モード)、およびCPE 2810で広告を挿入することにより配信を含む第3のモード(CPE挿入モード)の3つのモードで動作する。群モードでは、コンテンツ同期装置2804は、群をCPE 2810に転送し、これにより、CPEがそこから広告を選択し、実質的に継ぎ目なく、チャンネルを広告(一部の広告オプションは、番組チャンネル上で提供することができる)チャンネルに変更する。このような一実施形態では、CPE 2810は、その後、他の広告チャンネルまたは番組チャンネルに切り替えられる。インターリーブ・モードでは、コンテンツ選択プロセッサ2805は、放送網ブレーク内の所定のスポットにおいて配信する広告を選択する(例えば、放送コンテンツ内のキューを介して閲覧可能な「コマーシャル・ブレーク」)。その時点で、コンテンツ選択プロセッサ2805は、広告を放送コンテンツと同期させるようにコンテンツ同期装置2804に指令する。コンテンツ同期装置2804は、選択された広告を放送コンテンツ・ストリーム内に挿入する。CPE挿入(または転送・蓄積)モードの場合、広告は、予め(例えば、広告チャンネル、他の利用可能なチャンネル、または他の転送メカニズムを介して)CPE 2810
1...Nに転送され、これにより、CPE 2810
1...Nは、格納されている広告を所定の時刻に、またはキューが検出されたときに、放送コンテンツ内に挿入する。例えば、CPE 2810は、コンテンツ選択プロセッサ2805から広告を受信して、格納するように構成することができる。CPE 2810は、次いで、選択された広告を取り出して、それらの広告を適当な時刻に放送コンテンツ内に挿入する。このような一実施形態は、
図30に関連して以下でさらに詳しく開示される。
【0182】
3つの他の実施形態に関して説明されているが(例えば、群モード、インターリーブ・モード、およびCPE挿入モード)、当業者であれば、本発明が特定の実施形態に限られることを意図されていないことを容易に理解するであろう。例えば、コンテンツ同期装置2804は、CPE 2810を直接制御する制御メッセージをチャンネル・チャンネルまたは挿入に転送する。さらに、上記の実施形態のうちの1つまたは複数を実装するようにシステム2800が構成される。例えば、CPE 2810が、そこに格納されている広告を取り出して、そのコンテンツを番組ストリーム内に挿入するように構成されるが、中継局2803は、このような広告挿入をオーバーライドし、チャンネルを広告チャンネルに切り替えるようCPEに指令する。
【0183】
しかも、本発明は特定のグループ規模に限定されない。例えば、コンテンツ選択プロセッサ2805は、広告を個別のCPE 2810に送る(例えば、1つのグループ)。さらに、本発明は、多数の広告主または放送コンテンツ・プロバイダに制限されないものとする。むしろ、放送コンテンツおよび広告は、典型的には、多数のコンテンツ・プロバイダおよびアセット・プロバイダにより提供される。
【0184】
図29Aは、放送網のコンテンツをターゲットとするシステム2800の例示的なコンポーネント・レベルのブロック図である。この実施形態では、放送コンテンツは、多数の放送コンテンツ・ソース2802から得られる。例えば、ソースは、多数のアナログ・放送コンテンツ・ソース2902とともに、デジタル・放送コンテンツ・ソース2904を含む。これらの放送コンテンツ・ソース2802のいくつかの非制限的例は、オリジナルを提供するテレビ放送網を含み、および/またはテレビ放送番組をリプレーし(例えば、「再放送」)、音声・コンテンツ(例えば、対談番組、ラジオ番組など)を提供するラジオ網をブロードキャストする。このようなコンテンツは、デジタル・放送コンテンツ・ソース2904
1...Nによりデジタル方式で、および/またはアナログ・放送コンテンツ・ソース2902
1...Nからアナログ伝送を介して提供される。中継局2803(例えば、とりわけ、コンテンツ同期装置2804、コンテンツ選択プロセッサ2805、およびネットワーク・インターフェイス2806を含む)は、これにより、ターゲット広告が提供される放送コンテンツを受信することが可能である。
【0185】
中継局2803は、ネットワーク・インターフェイス2930を介してブロードキャストおよび/またはアナログ・コンテンツを受信する。例示されているネットワーク・インターフェイス2930は、多数のアナログ受信機2903
1...Nおよび/またはデジタル受信機2905
1...Nを備える。アナログ受信機2903
1...Nは、アナログ・放送コンテンツを受信するためにアナログ・放送コンテンツ・ソース2902
1...Nに通信可能なように結合される。同様に、デジタル受信機2905
1...Nは、デジタル・放送コンテンツを受信するためにデジタル・放送コンテンツ・ソース2904
1...Nに通信可能なように結合される。このコンテンツは、提供された通りのいくつかの広告を含む。追加の広告は、このコンテンツとインターリーブすることが可能であり、さらに広告オプションは、別の広告チャンネルまたは他の帯域幅内に挿入することができる。
【0186】
インターリーブ・モード動作の場合、およびおそらく、群モード動作モードの場合に、広告は、番組チャンネル・コンテンツ・ストリーム内の番組とインターリーブされる。広告ソース2901は、ネットワーク・インターフェイス2930を介して受信された放送コンテンツとインターリーブされるか、または広告チャンネルもしくは他の帯域幅内に挿入される広告を格納する。例えば、インターリーブの場合、アナログ・放送コンテンツが受信され、中継局サーバー2907上に格納されるようにできる。広告サーバー2901は、中継局サーバー2907に通信可能なように結合され、これにより、中継局サーバー2907は、アナログ・放送コンテンツ内で所定の時刻における広告の挿入を制御することが可能である。すなわち、サーバー2907は、ソース2902
1...Nからアナログ番組を、広告ソース・システム2801から広告を、コンテンツ選択プロセッサ2805から挿入情報を受信する。番組コンテンツ・ストリーム中でトーンを検出すると、サーバーは、挿入情報に基づいてストリーム内に広告を挿入する。
【0187】
さらに広告インターリーブを参照すると、中継局サーバー2907は、アナログおよび/またはデジタル・データを管理するように構成される。例えば、サーバー2901は、アナログおよび/またはデジタル広告をコンテンツ・サーバー2907に提供する。好適には、サーバー2907は、受信コンテンツ(すなわち、広告および放送コンテンツ)をデジタル形式で構成する。この点に関して、サーバー2907は、受信されたアナログ・コンテンツを変換するアナログ−デジタル・コンバータ(「ADC」)および受信されたコンテンツを格納するための記憶装置などの関連する追加コンポーネントである。これ以降、変換されたデジタル広告は、例えば、広告つなぎ合わせ装置2915を使用して、デジタル・放送コンテンツ内に容易に挿入される。例えば、広告つなぎ合わせ装置2915は、デジタル広告コンテンツをデジタル・放送コンテンツとインターリーブして、組み合わせデジタル・コンテンツを含むMPEGトランスポート・ストリームが構成される。組み合わせデジタル・コンテンツが広告つなぎ合わせ装置2915により形成された後、そのデータは、QAM変調装置/アップコンバータ2916にデジタル方式で転送され、伝達CPE 2810用にデータを準備する(例えば、無線周波数、すなわち「RF」に変換する)。
【0188】
さらに、組み合わせコンテンツ(すなわち、広告と放送コンテンツ)は、アナログ領域で転送され、最終的にCPE 2810に伝達される。例えば、中継局サーバー2907は、広告およびアナログ・コンテンツを受信し、それらの広告を広告挿入のため広告つなぎ合わせ装置2915に転送する。そのため、中継局サーバー2907により受信されたコンテンツ(すなわち、広告および/または放送コンテンツ)は、デジタル形式および/またはアナログ形式である。サーバー2907は、アナログ・コンテンツをデジタル・コンテンツに変換し、放送コンテンツおよび広告を広告つなぎ合わせ装置2915に伝送し、広告を放送コンテンツ内に挿入する。放送コンテンツ内に広告を挿入した後、広告つなぎ合わせ装置2915は、組み合わせコンテンツをサーバー2907に転送し、これにより、組み合わせコンテンツをアナログ形式(すなわち、連続波形)に戻される。このようなことは、アナログ・ネットワークを持つケーブル中継局において役立つ。このコンテンツを広告つなぎ合わせ装置2915から中継局サーバー2907に転送する作業は、有線テレビ技術者協会(「SCTE」)標準のうちの1つまたは複数を使用して実行される。これらの標準は、当業者に知られている。
【0189】
この点に関して、次いで、アナログ組み合わせコンテンツは、データの挿入のため垂直帰線消去区間(「VBI」)エンコーダ2910
1...Nに転送される。例えば、VBIは、一般的に、信号の送信を一時的にサスペンドする信号(例えば、テレビ・映像信号または他の映像・ディスプレイ・ユニット信号)内の区間である。この一時的にサスペンドされた送信では、テレビまたは他の映像・ディスプレイ・ユニットの電子銃が移動し、次の画面フィールドをトレースする時間が考慮される。VBIは、データを搬送するために使用されるが、それは、VBIの期間中に送信されるデータは表示されないからである。このようなデータの例としては、試験信号、時間コード、字幕、文字多重放送、Copy Generation Management System(「CGMS−A」)コピー防止インジケータ、Vチップ使用のコンテンツ格付け、およびこの期間に送信することが可能な他のデータがある。そのようなものとして、中継局サーバー2907は、組み合わせコンテンツのアナログ・映像をVBIエンコーダ2910
1...Nに転送し、これにより、VBIエンコーダは、アナログ・映像・コンテンツが転送されない区間においてデータを挿入することが可能である。さらに、VBIは、制御信号を(例えば、上で説明されているように、チャンネルを切り替えるようにCPEに指令するために)CPE
2810
1...Nに転送するために使用される。しかし、上記のように、ケーブル・テレビ網または他のネットワークを介して利用可能な送信メカニズムは、CPE 2810とサーバー2907との間の一方向通信に使用される。
【0190】
群モードおよびCPE挿入モード動作の場合にも類似の処理が使用される。すなわち、中継局サーバー2907は、それでも、広告ソース・システム2801から広告を、コンテンツ選択プロセッサ2805から命令を受信する。群モード動作の場合、これらの命令は、どのブレークおよびスポットにおいてどのような広告がどの広告チャンネル上に含めるべきかを指示する(そしてたぶん、広告を番組チャンネル上入れるべきであることを指示する)。次いで、サーバー2904は、上記のように広告の直接挿入を行うように動作する。CPE挿入の場合、広告は、広告チャンネル、オフエア番組チャンネル、または他の利用可能な帯域幅を介してCPE 2810に送信される。この点に関して、サーバー2907は、上記のように挿入を指令するが、ただし、このような挿入は、一般的に、番組チャンネル・ブレークと同期しない。したがって、挿入は、一般的に、キューに応答しない。さらに、一般的には、このような送信に対するリアルタイム・コンポーネントはない。したがって、広告は、例えば、データ・パケットで非同期に送信することができ、例えば、30秒の広告の送信は、帯域幅が許す範囲で、30秒未満であるか、またはそれをかなり超える。いずれにせよ、組み合わせコンテンツ(すなわち、放送コンテンツおよび広告)または広告コンテンツは、ネットワーク・インターフェイス2806を介して個別のCPE 2810に転送される。例えば、ネットワーク・インターフェイス2806は、VBIエンコーダ2910
1...Nからアナログ・映像入力ストリームを受信する変調装置/アップコンバータ2911
1...Nを備える。変調装置/アップコンバータ2911
1...Nは、それぞれ、これらのアナログ・ストリームをRFに変換し、個別のRF「チャンネル」を形成する。変調装置/アップコンバータ2911
1...Nは、さらに、アナログ・映像・コンテンツとともに含めるアナログ・音声・コンテンツを中継局サーバー2907から受信する。次いで、組み合わせRFチャンネルは、コンバイナ2912に転送され、RFテレビ信号に多重化される。
【0191】
再びデジタル広告挿入に関して、広告つなぎ合わせ装置2915は、デジタル受信機2905
1...Nからデジタル・放送コンテンツを受信し、デジタル広告をデジタル・放送コンテンツと直接インターリーブする。したがって、広告インターリーブ・デジタル・放送コンテンツが復号化され、アナログに変換されて、テレビで表示される場合、これらの広告は、放送コンテンツ内で所定の時刻に表示される。さらに、コンテンツ同期装置2804は、広告チャンネルまたは番組チャンネル上の広告挿入機会において「ブラック」コンテンツを提供するためのブラック発生器2917を備える。例えば、広告挿入を意図した放送コンテンツにおける期間に、ブラック発生器2917は、表示されるときに黒色セグメントとして表示するコンテンツを提供する。これは、広告が挿入されうるコンテンツ・ストリームを提供するために必要である。さらに、ブラック・コンテンツは、とりわけ、広告が放送コンテンツ内の所定の時間間隔の正確な持続時間に必ずしも対応しない持続時間を有するように構成することができため有用である。したがって、ブラック・コンテンツは、挿入される広告用のブランク・カンバスを提供し、これにより、コマーシャル・ブレークにおいてブラック・コンテンツにより広告を「フレーム化」できる。
【0192】
すでに述べたように、広告つなぎ合わせ装置2915は、インターリーブ・デジタル・コンテンツをQAM変調装置/アップコンバータ2916に転送し、RFに変換する。例えば、QAM変調装置/アップコンバータ2916は、インターリーブ・デジタル・データ(すなわち、デジタル・放送コンテンツとインターリーブされたデジタル広告)または非インターリーブ・デジタル・データを受信する。QAM変調装置/アップコンバータ2916は、直交振幅変調(「QAM」)技術を使用してデータを1つまたは複数のRFキャリア波に変調し、RFチャンネルを生成する。QAM変調装置/アップコンバータ2916は、RFチャンネルをコンバイナ2912に転送し、それにより、RFチャンネルをRFテレビ信号に多重化する。
【0193】
一般に、北米のケーブル・システムは、6MHzチャンネル帯域で動作し(欧州およびその他の地域では標準が異なる)、それぞれのチャンネルは3から16本のデジタル・映像・データ・ストリームを関連する音声およびデータ・ストリーム(例えば、テレビ・チャンネル)とともに伝送するQAM信号を持つ。そのようなものとして、コンバイナ2912は、複数の信号を単一のRFテレビ信号に組み合わせられる。このようなRFテレビ信号の1例は、コンバイナ/ダイプレクサ2919を介してケーブル・システム(例えば、ケーブル設備2918)に配信される周波数分割多重(「FDM」)信号を含む。しかし、他の形態の信号伝達/多重化を組み込み、複数のデジタル・データ・ストリームをケーブル・システムに転送するようにできる。このようなものの1例としては、時分割多重方式(「TDM」)がある。
【0194】
アナログまたはデジタル/インターリーブまたは非インターリーブ・コンテンツがRFテレビ信号内に形成される場合、コンバイナ2912は、RFテレビ信号をコンバイナ/ダイプレクサ2919に転送し、これにより、RFテレビ信号を複数のRFテレビ信号に分割し(例えば、典型的には、それぞれ同じ情報を伝達する)、1つまたは複数のケーブル設備2918に転送する。例えば、ネットワークは、ケーブル設備2918などの複数のケーブル設備とインターフェイスし、RFテレビ信号を複数の関連地域(例えば、地域社会)に配信する。コンバイナ/ダイプレクサ2919は、ネットワークとインターフェイスするケーブル設備の数に対応するように受信されるテレビ信号を分割する。それぞれのケーブル設備2918は、次いで、RFテレビ信号をCPE 28101...Nに転送し、これにより、それぞれのCPEが閲覧(例えば、視聴および/または聴取)のためRFテレビ信号からチャンネルを選択する。
【0195】
同期群モードまたはインターリーブ・モード動作の場合に、どの広告が放送コンテンツと同期するかを判定するのを補助するために、システム2800は、
図28に説明されているようにコンテンツ選択プロセッサ2805を備える。コンテンツ選択プロセッサ2805は、オペレーション・センターおよび中継局コントローラ2914を含み、コンテンツ選択プロセッサ2805の動作を指令する。例えば、オペレーション・センター2914は、オプションのルーター2909とインターフェイスし、広告と放送コンテンツとの同期を取るようにコンテンツ同期装置2804に指令する。例えば、ルーター2909は、コンテンツ選択プロセッサ2805による他の中継局システムへのアクセスを制限するために用意される。一般に、オペレーション・センター2914は、放送コンテンツ・プロバイダ2904からネットワーク・スケジュールを、さらにトラフィック/課金2908から広告契約情報を必要とする。これらのネットワーク・スケジュールは、トラフィック/課金2908または広告サーバー2901のいずれかからファイル転送プロトコル(「FTP」)により転送される。この転送は、ネットワーク・スケジュールがトラフィック/課金2908から配信されるのと同時に生じるように自動化される。
【0196】
さらに、コンテンツ選択プロセッサ2805は、CPEから投票を、CPEから広告配信レポートを受信し、および/またはCPEが広告を挿入できるようにCPEに情報を伝達するためにCPE 2810とインターフェイスされる。例えば、CPE 2810は、それぞれのユーザのチャンネル選択、ボリューム・コントロール入力、および他のクリック・ストリーム情報に基づいて投票を生成する。これらの投票結果は、コンテンツ選択プロセッサ2805に転送される。上記のように、関与するCPE(または少なくともその標本抽出)は、さらに、少なくとも特定のブレークについて選択された広告または広告チャンネルを識別するレポート情報を出力する。次いで、コンテンツ選択プロセッサ2805は、レポート情報を集約し、この情報をトラフィック/課金2908に供給し、例えば、ターゲット・インプレッションの配信を広告主に対し証明したり、または考慮対象の広告キャンペーンと関連してターゲット母集団を推定する際に使用される。CPE挿入の場合、コンテンツ選択プロセッサ2805は、さらに、CPEがそれぞれのユーザに表示する広告を選択できるように広告をCPEに転送する。
【0197】
そのため、CPE 2810とオペレーション・センター2914との間の通信は、さまざまな目的のために使用され、上記のように、このような通信は、ケーブル・テレビ網を介して(帯域内および帯域外経路を含む)または他の手段を介して行われる。例示するため、いくつかのケーブル・テレビ網経路について以下で説明する。上流通信に関して、CPE 2810は、メッセージをその関連するケーブル設備2918に転送することが可能である。ケーブル設備2918では、メッセージをネットワーク・インターフェイス2806に個別RF信号として転送する。RF信号は、コンバイナ/ダイプレクサ2919を介してネットワーク・インターフェイス2806により受信され、さらに、上流のコンテンツ選択プロセッサ2805に転送される。この点に関して、ネットワーク・インターフェイス2806は、上流の帯域外復調装置2926を介してRF信号を処理可能なデータに変換する。例えば、上流の帯域外復調装置2926は、変調されたRF信号を受信し、その信号を復調して、そこからデータ(例えば、投票またはレポート情報)を抽出する。次いで、データは、共通データ転送技術を使用して、ネットワーク・コントローラ2923に転送される。オペレーション・センター2914では、格納されている投票結果、レポート、および他のCPE情報に「必要に応じて」アクセスし、例えば、配信される適切な広告を決定したり、またはレポート情報をトラフィック/課金2908に供給する。
【0198】
一般に、「帯域外」とは、一次通信(例えば、RFテレビ信号)により使用される典型的な経路の外で送信されるデータを指す。そのようなものとして、「帯域内」は、一般に、RFテレビ信号などの一次通信により使用される経路を指す。この点に関して、帯域内経路は、一般に、下流のメッセージにのみ使用されるが、帯域外経路は、双方向に使用される。いくつかのネットワーク、例えば、衛星テレビ網では、帯域内経路のみが、利用可能であり、上流通信は、別の通信ネットワークを使用する必要がある場合がある。しかし、上流通信は、適宜、例示されているケーブル・テレビ網内の帯域外経路を使用する。上流帯域外復調装置2926の1例としては、Motorola,Inc.社のRPD 2000がある。この点に関して、ネットワーク・インターフェイス2806は、上流および下流の帯域外信号伝達を介してCPE 2810と通信する、その間、CPE 2810は、別の帯域内経路上の放送コンテンツを含むRFテレビ信号を受信している。例えば、CPE 2810は、帯域外信号伝達を使用して、固定無線周波で別にデータを伝達する。しかし、本発明は、帯域内または帯域外のいずれかの通信を単純に実行するコンポーネントに制限されることを意図されていない。例えば、このような機能は、Cisco Systems Inc.社のDVB Interactive Network Adapter INA2320などの単一コンポーネントが組み合わせられる。一実施形態では、帯域外通信は、インターネット・プロトコル(「IP」)および/またはData
Over Cable Service Interface Specification(DOCSIS)を使用して実行される。
【0199】
上記のように、CPE 2810は、広告を配信するために広告チャンネルに切り替えられる。CPE 2810がチャンネル変更を実行するのを補助するために、オペレーション・センター2914は、1つまたは複数の次回のブレークに対する広告オプション・リストをターゲット設定情報とともに送信し、その後、広告オプション・リストおよび他のメッセージをネットワーク・コントローラ2923に転送する。例えば、オペレーション・センター2914では、カルーセル・システム2922から投票情報にアクセスし、CPE 2810に配信される広告を選択する。オペレーション・センター2914は、次いで、CPE 2810に広告配信を通知するようにネットワーク・コントローラ2923に指令する。この点に関して、ネットワーク・コントローラ2923は、広告の配信情報を含むメッセージをフォーマットする。すなわち、メッセージは、個別のCPE 2810による配信について選択可能な広告のチャンネル位置を含む。制御情報が(例えば、マーケティング・ラベルまたは場所情報を送信するか、または中継局からCPE挿入を制御する)特定のCPEに送られるいくつかの実装では、メッセージは、さらに、個々のCPE 2810に関連する情報(例えば、シリアル番号、STBカード番号、および/または他の識別子)を含む。
【0200】
フォーマットされたメッセージは、ネットワーク・インターフェイス2806を介してCPE 2810に転送される。ネットワーク・インターフェイス2806は、下流の帯域外変調装置2925を介してメッセージを受信し、それらのメッセージをフォーマットし、CPE 2810で使用できるようにRF信号として転送する。この点に関して、帯域外変調装置2925は、メッセージ(すなわち、そのデータ)をRF信号上に変調する。帯域外変調装置2925の1例としては、Motorola,Inc.社のOM−1000 MPEG2/Digital Out−Of−Band Modulatorがある。
【0201】
帯域外情報を伝達する変調されたRF信号は、次いで、コンバイナ/ダイプレクサ2919に転送され、そこで、RF信号は、コンバイナ2912からRFテレビ信号とともに転送する(すなわち、帯域内情報を伝達する)。これらの信号は、次に、システム2800に関連付けられているケーブル設備2918の数に基づいてコンバイナ/ダイプレクサ2919により分割する。それぞれのケーブル設備2918は、次いで、そのRF信号をCPE 2810に転送する。RF信号に含まれる帯域外情報に基づいて、CPE 2810は、広告チャンネルに切り替わるか、または広告を放送コンテンツに挿入する(すなわち、CPEにより投票された通りの広告)。
【0202】
本明細書に示され説明されているさまざまな種類の信号伝達(例えば、帯域内信号伝達および帯域外信号伝達)は、制限することを意図されていない。多くの場合、このような信号伝達技術は、さまざまな方法で実装できる。さらに、本発明は、他の形態の通信を広告配信に使用することが可能なのでRFケーブル通信に制限されるべきではない。例えば、システム2800は、広告および/または放送コンテンツがRFと光デジタル・データ技術の組み合わせで配信されるハイブリッド・ファイバ/ケーブル・ネットワークにより実装される。それにもかかわらず、他の実施形態は、広告挿入が地上波および/または衛星ラジオなどの、主にRFネットワークを通じて実行されることを含む。CPE挿入モード動作の場合、広告は、帯域外経路を介して個別のCPE 2810にダウンロードされる。例えば、CPE 2810は、デジタル・映像・レコーダ(「DVR」)内のハード・ディスク・ドライブなどの記憶装置ユニットを備える。これらの記憶装置ユニットを使用すると、広告を記憶しておき後から視聴できる。そのようなものとして、RF信号で転送される帯域外情報を使用することで、視聴者に表示する放送コンテンツの所定の間隔でいくつかの広告を取り出すように個々のCPE 2810に指令される。例えば、放送コンテンツ内のブレークにおいて、帯域外情報で、個別のCPE 2810が記憶装置ユニットから広告主配信制約条件を満たす広告を取り出し、ユーザのテレビにその広告を表示するように要求する。中継局は、特定の広告の選択を指令するか、またはCPEが、例えば、現在のユーザの視聴者分類パラメータを広告のターゲット設定制約条件と照合することにより広告を選択する。このような場合、投票は、採用することはできないが、投票はそれでも、CPEに送信される広告を選択するために使用される。同様に、群モード動作におけるいくつかの背景状況では(例えば、広告主がスポットをもたらすが、スポットに対し複数の広告オプションを設けるスポット最適化実装)、投票は不要であると思われるが、投票は、オプションの帯域幅が限られている場合に広告オプションを選択するため使用される。
【0203】
コンテンツ選択プロセッサ2805の他のコンポーネントは、トラフィック/課金2908およびデータ・センター2920を含む。トラフィック/課金2908は、ターゲット設定制約条件を含む広告契約情報を受け取り、CPE 2810により配信された広告に関する情報を収集するように構成される。例えば、CPE 2810は、広告配信に関するレポートを提供する。これらのレポートが回収されるときに、トラフィック/課金2908では、これらの広告のターゲット・インプレッション、すなわち実際の配信のカウントを累算するので、これにより、個別のインプレッションの正確な数に基づいて、そのような広告のプロバイダに課金する。この情報は、さらに、ネットワーク測定(格付けに似たデータ)だけでなく、開発中の広告キャンペーンに関するターゲット母集団を推定するためにも使用する。この点に関して、トラフィック/課金2908をコンテンツ・サーバー2907に通信可能なように結合し、広告サーバー2901から広告の挿入に関する情報を集めることが可能である。オペレーション・センター2914では、運用プロトコルに違反しないようにトラフィック/課金2908の動作を制御する(例えば、トラフィックおよび課金が、不正に操作されることのないようにし、および/またはトラフィック/課金2908を通じて入力された情報が損なわれないようにする)。トラフィックおよび課金のインターフェイス機能の例は、
図36A、36B、および37に示され以下で説明されている。
【0204】
データ・センター2920は、CPE 2810に関係するデータを収集するように構成し、これは、例えばマーケティング・ラベルを含む、いくつかの実装では望ましいと思われる。データ・センター2920は、CPE 2810のユーザに関する情報を格納するシステム2800の選択可能な機能である。例えば、CPE 2810がいくつかの広告に投票すると、オペレーション・センター2914では、ユーザのさまざまな推定属性または視聴者会員ユーザの集約グループ(例えば、年齢、所得水準など)が判別される。これらの属性は、データ・センター2920とともに格納し、システム2800の副産物として使用される。すなわち、システム2800は、放送コンテンツとともに広告を選択的に配信し、またはCPE挿入を制御または影響を及ぼすように構成される。CPE 2810のユーザに関して導出された情報は、都合のよいことに、配信コンテンツの視聴者に関する情報を広告主および/または放送コンテンツ・プロバイダに提供される。一実施形態では、データ・センター2920は、個別のユーザの属性を格納する。
【0205】
データ・センター2920に加えて、システム2800は、適宜、人口統計データベース2921を備える。人口統計データベース2921は、システム2800の外部にあるソースから人口統計情報を受信するように構成される。例えば、サーベイ・テーカーは、特定の領域内の人々の人口統計情報を収集する。また、人口調査情報、金融情報、雑誌購読、および他の情報も、さまざまなソースから入手可能である。この収集された人口統計情報は、人口統計データベース2921に転送され、そこで、CPE 2810による投票の代わりに、またはCPE 2810の投票と連携して、CPE 2810のユーザへの広告の配信を要求する。
【0206】
本明細書では一実施形態が示され、説明されているが、当業者であれば、本発明が例示されているコンポーネントに限定されることを意図されていないことを容易に理解するであろう。むしろ、いくつかのコンポーネントは、本明細書で説明されているさらに大きなシステム2800と本質的に同じ機能を持つように修正され、および/または組み合わされることが可能である。このような実施形態の1例は、
図29Bに示され以下で説明されている。
【0207】
図29Bは、放送網のコンテンツをターゲットとする
図28のシステム2800の例示的な他のコンポーネント・レベルのブロック図である。この実施形態では、コンテンツ選択プロセッサ2805は、インターネット・プロトコル(IP)分散通信を行うように構成される。例えば、帯域外信号伝達を介して送信されるトリガは、カルーセル・サーバー2953を通してIP通信を介して転送されるが、それは、とりわけ、いくつかのCPE
2810がトリガを処理するように構成されていないからである。このようなCPE 2810の1例には、Motorola Inc.社のDCT−2000がある。オペレーション・センターおよび中継局コントローラ2914は、カルーセル形式により帯域外トリガをもたらし、これは、その後、カルーセル・サーバー2953に送信され、配信される。
【0208】
またこの実施形態には、Motorola,Inc.社のモデルDAC−6000などのデジタル・アドレス指定可能コントローラが含まれる。DAC 2951は、柔軟なデジタル・システムのセキュリティおよび制御を行うコンポーネントを備える。さらに、DAC 2951は、インターネット・ペイ・パー・ビュー(「IPPV」)、コールアヘッドPPV、加入および対話型アプリケーションを含むアドレス指定可能制御機能をサポートする。DAC 2951は、さらに、トラフィック/課金2908とやり取りして、システム管理を円滑にする際に使用されるレポートを生成する。システム2800は、さらに、NC 1500などのネットワーク・コントローラ2954も備える。コントローラ2954は、DCT2000端末とともに対話型アプリケーションを使用可能にする光同軸ハイブリッド(HFC)ネットワーク・コントローラとして機能する。コントローラ2954では、帯域外データ・チャンネルを通してデータ・パケットを配信するためにIPを変換することによりアプリケーション・サーバーとDCT2000との間の対話型セッションを行う。リターン・パスは、上流データ経路として使用され、コントローラ2954は、復調されたデータ・バーストを集約し、データを適切なサーバーに導く。そのようなものとして、NC 15002954は、Motorola Inc.のモデルRPD−2000 2957などのリターン・パス復調装置2957に通信可能なように結合される。
【0209】
RPD−2000 2957は、DCT 2000端末などのCPE 2810と通信するための上流リンクを備える。典型的には、このような端末は、PPV購入データ、オンデマンド映像(「VOD」)購入データ、およびステータス監視データなどのデータを提供する。RPD 2957は、構成されたバースト復調装置モジュールを使用してデータを受信する。RPD 2957は、復調を行い、前進型誤信号訂正を行い、データを単一データ・パケットに多重化し、これを、ETHERNET(登録商標)を介してオペレーション・センター2914に転送する。下流データに関して、システム2800は、Motorola Corp.社のモデルOM−1000 2956などの帯域外マルチプレクサ/変調装置2956が使用される。OOB MUX 2956は、帯域外データ・ストリームをCPE 2810に供給する。このデータ・ストリームは、主に、信号伝達チャンネルとして使用されるが、さらに、番組ガイド情報、コード・ダウンロード、赤外線コード、アプリケーション情報、および/または広告の送信も行われる。さらに、OOB MUX 2956は、対話型システムにおける下流経路としても使用される。
【0210】
OOB MUX 2956への入力は、Ethernetおよび/またはシリアル入力により構成される。OOB MUX 2956は、1.5 MHz幅のキャリア波でデータを変調する四位相偏移変調(QPSK)変調装置を備え、OOB MUX 2956は、71〜129MHz周波数帯域内で動作する。送信データ・パケットは、典型的には、OOB MUX 2956内で、または外部で多重化されるデータからなる。RPD 2957およびOOB MUX 2956は、DAC 2951に通信可能なように結合される。
【0211】
そのため、
図29Aおよび29Bは、群モードまたはインターリーブ・モード動作に対し適合されたシステムを示していた。いずれかの場合に、挿入は、中継局側で実行される。上記のように、挿入は、CPE 2810側でも実行可能である。
図30は、CPE 2810がブロードキャストまたは他のコンテンツに(例えば、CPE 2810で放送コンテンツ・プロバイダ2802から)挿入する広告を(例えば、広告ソース・システム2801から)選択するシステム3000のブロック図である。CPE 2810は、コンテンツを搬送する複数のケーブル・チャンネルを受け取るように構成される。コンテンツは、コンテンツ・ソース2801から中継局3004に転送され、CPE 2810に配信される。コンテンツは、広告を挿入できる間隔を有する。この実施形態では、システム3000は、CPE 2810側で、コンテンツ選択プロセッサ2805およびコンテンツ同期装置2804によりそれぞれ実行されるような、コンテンツ選択処理およびコンテンツ同期処理の機能を組み込んでいる。そのようなものとして、CPE 2810は、コンテンツ内のブレークにおいて、広告をコンテンツ内に挿入される。
【0212】
より具体的には、CPE 2810は、受信されたコンテンツ内にどの広告を挿入すべきか決定するためにコンテンツ選択プロセッサ3002とともに構成される。例えば、CPE 2810は、上記のように広告の投票を行う。すなわち、CPEは、例えば、最適な形でユーザをターゲットとしつつ送信される広告の数を減らすために、中継局3004からどのような広告を送信すべきかについて投票する。投票に基づいてCPE 2810に送信する広告を選択する代わりに、中継局は単純に、送信する広告の利用可能なインベントリを循環するが、ただし、広告が送信される速さは、利用可能な帯域幅または他の制約条件の関数となっている。投票を行わないこのような実装は、いくつかの衛星テレビ実装などの上流の帯域外経路のないシステムに特に適していることは理解されるであろう。それとは別に、ユーザの視聴者分類情報は、投票に使用される代わりに、記憶しておく広告を選択し、挿入する広告を選択するために使用される。すなわち、調査分類情報は、潜在的関心を集める広告のみが記憶装置要素3001に格納されるようにターゲット設定制約条件と比較される。次いで、現在の視聴者分類情報を広告配信制約条件とともに使用し、挿入機会に挿入する広告を選択する。広告が取り出されると、コンテンツ同期装置3003は、それらのセグメントをいくつかの間隔(例えば、コマーシャル・ブレーク)で放送コンテンツ内に挿入する。例えば、コンテンツ同期装置3003は、放送コンテンツをネットワーク3004から受信するために、ネットワーク・インターフェイス3006に通信可能なように結合される。コンテンツ同期装置3003は、放送コンテンツ間隔をコンテンツ選択プロセッサ3002により取り出された広告に同期させること。コンテンツ選択プロセッサ3002および/またはコンテンツ同期装置3003の機能を実行するように構成されるデバイスの1例には、Broadcom Corp.社のBCM 3560デジタルテレビ・システムオンチップがある。このような機能を実行することに加えて、BCM−3520は、帯域外信号伝達を実行する。
【0213】
広告は、CPE 2810に配信され、上記のように帯域外信号伝達技術を使用して記憶装置要素3001に格納される。それに加えて、広告コンテンツは、広告チャンネル、番組チャンネル、または日和見的に利用可能なVODチャンネル、または早めの他の帯域幅を介して中継局3004から送信される。例えば、広告ソース2901などの広告サーバーは、広告主からの広告を格納する。これらの広告は、例えば上記のような帯域内帯域幅または
図29Aの帯域外データ・ネットワーク2924および下流の帯域外変調装置2925などの、帯域外データ・ネットワークおよび下流の帯域外変調装置を使用して、ネットワーク・インターフェイス3006を介して、CPE 2810に転送し、記憶装置要素3001に格納される。次いで、CPE 2810で、広告を放送コンテンツと組み合わせる(例えば、インターリーブする)。コンテンツ選択プロセッサ3002は、こうして送信されたコンテンツから広告を抽出し、それらの広告を記憶装置要素3001に格納しておき、後から、コンテンツ選択プロセッサ3002により決定されている通りに視聴させる。しかし、本発明は、上記のような広告配信のための帯域外信号伝達または帯域内信号伝達に限定されること意図されていない。例えば、他の形態の広告配信は、複数のチューナー(例えば、第1のチューナーは放送コンテンツを受信し、第2のチューナーは広告コンテンツを受信する)を含む。
【0214】
また、この実施形態に示されているのは、中継局3004上に構成されたコンテンツ・プロセッサ3005である。コンテンツ・プロセッサ3005は、デジタル・スプライシングなどの、通信ネットワークのさまざまな機能を実現する放送コンテンツ・プロバイダ2802から放送コンテンツを受信するように構成される。このような機能を備えるコンポーネントの例は、図に示されており、それぞれ
図29Aの中継局サーバー2907、広告つなぎ合わせ装置2915で説明されている。処理が済むと、コンテンツ・プロセッサ3005は、放送コンテンツをネットワーク・インターフェイス3006に転送し、コンテンツをCPE 2810に配信できるようにする。
【0215】
図に示され、単一の放送コンテンツ・ソース2802に関して説明されているが、当業者であれば、放送コンテンツ・ソース2802は、アナログおよび/またはデジタル・コンテンツをネットワーク3004に転送する、
図29Aに示されているような多数の放送コンテンツ・ソースを表すことができることは容易に理解するであろう。同様に、広告ソース・システム2801は、
図29Aの広告ソース2901などの広告ソースに対し多数の広告主により提供される広告(例えば、アナログおよび/またはデジタル・セグメント)を表す。
【0216】
それとは別に、システム3000は、単一のCPE 2810を記述している。しかし、本発明は、単一のCPEに限定されることを意図されていない。むしろ、ネットワーク・インターフェイス3006は、
図29Aのケーブル設備2918などの、1つまたは複数のケーブル設備に通信可能なように結合される。それぞれのケーブル設備は、次いで、特定の地域内の複数のCPE 2810に通信可能なように結合される。そのようなものとして、ネットワーク・インターフェイス3006は、放送コンテンツおよび広告を多数の(例えば、数10万個の)CPEに配信され、これらのCPEは、異なる能力を有するさまざまなメーカーの多くの異なるモデルを含む。
【0217】
一実施形態では、視聴者集約およびスポット最適化は、個別のCPE 2810が構成されている記憶装置要素3001から広告を取り出すことができる場合でも実行される。スポット最適化に関しては、同じ番組コンテンツを配信する異なるCPEは、上記のようにコンテンツ選択プロセッサ3002の動作に基づいて所与のブレークに異なる広告を挿入することが可能であることは理解されるであろう。同様にして視聴者集約に関しては、異なる番組コンテンツを配信する異なるCPEは、配信時間枠内で同じ1つまたは複数の広告を配信する。さらに、コンテンツ選択プロセッサ3002は、他のCPEのコンテンツ選択プロセッサと適宜通信する。CPEは、ユーザによる指令に従って互いに情報を自発的に共有するように構成される。そのようなものとして、CPEは、コンテンツ・セグメント選択および/または放送コンテンツ選択の好ましい情報に関する情報を互いに転送し合う。この情報は、上記のように帯域外信号伝達技術を介してネットワーク3004に伝達され、好ましいコンテンツがそれらのCPEに配信される。
【0218】
CPE挿入は、広告をリアルタイムの通常の番組送信に挿入することに限定されない。この点に関しては、CPE挿入は、広告をVODコンテンツ、ポッドキャスト、映像録画番組、または他の番組送信内に挿入するために使用される。VODコンテンツまたはポッドキャストの場合、例えば、番組サーバー・プラットフォームは、番組コンテンツとともに、または番組コンテンツの前に、ターゲット設定制約条件(ターゲット視聴者分類情報およびその他の制約条件を含む)を含む広告メタデータを転送する動作を実行する。次いで、このメタデータは、上記のように、コンテンツ選択プロセッサ3002により使用される。
【0219】
映像録画コンテンツの場合、ブロードキャストまたは他のコンテンツは、中継局3004から受信され、CPE 2810に格納され(例えば、DVRを備える)、後で再生される。例えば、ゴールデンアワーの放送番組は、ユーザが望む場合に翌朝、視聴できる。視聴時刻に、コンテンツ選択プロセッサ3002が、ターゲット設定制約条件と現在の視聴者分類パラメータとの一致だけでなく、ターゲット設定制約条件と現在時刻との一致を含む、ターゲット設定制約条件に基づいて広告を挿入するように動作する。そのため、例えば、朝にゴールデンアワーの番組を視聴するユーザは、朝食を対象とするコマーシャルを受け取るが、そのコマーシャルは、たぶん、ゴールデンアワーのときにはCPEによって選択されていないはずである。このような場合、ネットワーク事業者とコンテンツ・プロバイダとの間でのそのような広告配信に対する収益の割り当ては、交渉することが可能である。
【0220】
一方の
図29Aおよび29Bのネットワーク構成、および他方の
図30の構成は、排他的ではないことに留意されたい。そのため、上記のように、特定のCPEを含むネットワークは、異なる場合に群挿入、中継局インターリーブ、およびCPE挿入のどれかを実行する。例えば、リアルタイムの番組を配信している間、群挿入および/または中継局インターリーブを利用して、所与のブレークにおいて広告を配信する。それ以降、VODまたは映像録画コンテンツ配信中に、CPE挿入を使用して、同じCPEで広告を配信する。例えば、これらの配信モード間の選択は、例えば、コンテンツのソース(例えば、リアルタイムの中継局フィードまたはDVR記憶装置から)または中継局/CPEメッセージングに基づいて中継局またはCPEで行われる。
【0221】
図31は、さまざまな広告配信モードに適用可能な例示的なターゲット・コンテンツの処理方法3100の流れ図である。方法3100は、放送コンテンツが、
図28のCPE
2810などの、CPEに配信されたときに始まる。例えば、CPEとインターフェイスしている放送網(例えば、ケーブル・テレビ、衛星テレビ、および/または衛星ラジオ)は、CPEにプローブ・コンテンツを配信する。CPEが、放送コンテンツを受信すると、放送コンテンツの選択に関する情報を集めはじめる。これらの選択に基づき、CPEは、(複数の)現在のユーザに対する視聴者分類情報を推定する。中継局から受信された広告リストに応じて、この分類情報をターゲット設定情報と比較し、広告に対する投票を生成する(3101)。これらの投票は、CPEから放送網に転送(3102)される。それとは別に、CPE挿入の背景状況において、視聴者分類情報は、格納する広告を選択し、配信のためそこに格納されている広告を取り出すために、CPEにより内部的に使用される。
【0222】
視聴者分類情報または投票に関係する他の情報を使用して、配信する広告を選択する(3103)。例えば、投票情報は、いくつかの広告または当てはめスコアを受信する適切さのレベルに関する情報を含む。当てはめスコアの高い広告は、CPEによって配信される。放送コンテンツは、組み合わせコンテンツを生成する(3104)ために広告と同期させる。例えば、放送コンテンツは、広告を挿入できる間隔を含む。これらの時間に、投票に基づき、放送網は、広告を放送コンテンツ内にインターリーブし、組み合わせコンテンツとしてCPEに発信する。それとは別に、広告は、広告チャンネル内に挿入するか、または上記のようにCPEによって挿入することができる。
【0223】
群モード動作の場合、広告の群に対する群情報は、上で説明されているように、(例えば、帯域外信号伝達、帯域内信号伝達、複数のチューナーなどを介して)CPEに転送される。このような群情報は、個別の広告の群および場所(例えば、チャンネル)の構造が記述されている。群情報は、チャンネルを広告チャンネルに切り替えて、放送コンテンツの時間間隔内で適当な広告を伝達するために、CPEによって使用される。CPE挿入の場合、広告は、CPEに転送され、そこに格納され、それらの間隔で配信される。例えば、放送コンテンツの所定の間隔内で、CPEは、格納されている広告を取り出して、それらのセグメントを放送コンテンツの間隔内に挿入する。中継局インターリーブの場合、広告は、中継局側で番組チャンネル内に挿入される(例えば、CPEからの処理済み投票により決定される)。これらの実施形態のそれぞれにおいて、組み合わせコンテンツは、放送網からCPEのユーザに配信される(3105)。すなわち、CPEは、最終的に、組み合わせ情報をユーザに配信する。
【0224】
広告が適切かどうかを判定することに加えて、例示されている方法3100は、配信された広告に対するコスト配分の判定も含む。例えば、中継局は、広告の配信を示すレポートをCPEから受信する(3106)。これらのレポートから、広告を受信する多数の放送網ユーザを決定する(3107)。広告がターゲットとなっているため、それらの広告は、ターゲット設定情報の視聴者分類パラメータに一致するユーザに配信されたと仮定(または、公開モード・レポートに基づいて、検証)してよい。それとは別に、これらのレポート(利用可能な場合)からの適合度情報を使用して、実際の視聴者がターゲット視聴者にどれだけ一致していたかを推定する。次いで、配信された広告の価値が、レポートに基づいて計算されうる(3108)。例えば、それぞれの広告は、単一の配信に関連付けられているすべての値を有する。ターゲット配信の数に特定の広告に関連付けられている値を掛けることにより、その広告に対する全体的な価値が計算される。
【0225】
図32は、例示的な視聴者グループ化システム3200のブロック図である。すなわち、この図は、上記のようにシステムの動作の結果として視聴者グループ化がどのようになるかを例示している。この実施形態では、コンテンツ選択プロセッサ3202は、Nを1よりも大きい整数として、広告3201−1...Nの集まりから適当な広告を示す投票をCPE 2810から受信する。例えば、CPE 2810は、放送コンテンツを受信するために、ケーブル・テレビ網などの放送網に通信可能なように結合される。CPE 2810のユーザは、広告の投票をし、次いで、配信に適した広告の投票をする。その結果、CPEのグループは、所与のブレークにおいて、または時間枠(視聴者集約)内の異なるブレーク(例えば、異なる番組チャンネルの)において同じ広告を表示することができる。
【0226】
システム3200は、これによりCPE 2810ユーザがどのようにグループ化されるかを例示している。例えば、CPE 2810−1は、推定された視聴者分類パラメータに基づいて、広告3203−1を配信することを決定する。同様に、CPE 2810−2は、広告3203−2を配信し、というように続けて行く。したがって、CPEは、広告選択に関してグループ化される。このようにして、視聴者セグメントは、従来のパラダイムのように現在の番組選択に基づくのではなく、視聴者分類などに基づいてグループ化される。
【0227】
それとは別に、コンテンツ選択プロセッサ3202は、CPE 2810上に常駐しており、これにより、視聴者分類を内部的に使用して、広告を格納し、格納されている広告を配信する。そのようなものとして、コンテンツ選択プロセッサ3202は、広告をCPE 2810のコンテンツ同期装置に転送し、それらの広告を放送コンテンツと同期させる。すなわち、広告は、放送コンテンツがCPE 2810に転送されている最中にいくつかの間隔で挿入されうるということである。この場合、CPEによる独立した配信選択からグループ化が行われる。他の一実施形態では、グループ化は、上記のように、他のCPEと通信しているCPE 2810により実行される。
【0228】
本明細書では対応する番号有する広告3203およびコンテンツ選択3201が示されているが、当業者であれば、本発明が例示されている実施形態に限定されることを意図されていないことを容易に理解するであろう。むしろ、コンテンツ選択は、番組、タグ、または他のコンテンツを含む可能性があり、それらすべては、本発明のシステムによるターゲットとなる。
【0229】
図33は、例示的な視聴者グループ化方法3300の流れ図である。方法3300の最初の特徴は、方法3100の特徴に類似していると考えられる。例えば、方法3300は、放送コンテンツが、
図28のCPE 2810などの、CPEに配信されたときにも始まる。そのようなものとして、CPEは、広告に対する投票を生成する(3301)。次いで、これらの投票は、CPEから放送網に転送(3302)される。再び、CPE挿入の場合において、視聴者分類情報は、本明細書で説明されているようにCPEにより内部的に使用される。
【0230】
これらの投票は、複数の放送網ユーザをグループ化する(3303)ために使用される。例えば、多数のCPEユーザが、類似の視聴者分類パラメータを有する。CPEは、放送コンテンツの選択、ボリューム選択、および他のクリック・ストリーム情報に基づいてこれらの属性を暗黙のうちに決定される。これらの分類パラメータの例としては、年齢、性別、民族、所得水準、および他の人口統計情報がある。この点に関して、CPEは、特定の(複数の)属性に従って現在のユーザに適しているとみなされる広告についての投票を生成する。次いで、投票は、転送され、
図28の中継局2803などの放送網プラットフォームによりその後処理される。中継局は、これにより、送信される1組の広告オプションを決定する。CPEは、分類情報に基づいてこれらのオプションのうちから選択し、選択されたアセットを配信する(3304)。
【0231】
群モード、中継局インターリーブ・モード、およびCPE挿入モードでは、広告は定められたブレークにおいて番組に組み入れられ、組み合わせコンテンツを形成する(3305)。例えば、
図32のコンテンツ選択プロセッサ3202などのコンテンツ選択プロセッサは、広告(または少なくとも広告のスケジュール)を取り出して、それらの広告を、
図28のコンテンツ同期装置2804または
図30のコンテンツ同期装置3003などのコンテンツ同期装置に渡す。次いで、コンテンツ同期装置は、選択された広告を挿入するか、または情報が提供され、CPEはこれを使用してチャンネルを広告チャンネルに切り替えるか、またはCPEは、選択された広告を挿入するように動作させる。いずれにせよ、広告は、放送コンテンツ内の所定の間隔(例えば、キュー・トーンにより示される)と同期し、上記のように、放送コンテンツと広告との組み合わせを生成する。組み合わせコンテンツは、モードに応じてさまざまな方法により配信される(3306)。例えば、広告は、放送コンテンツがCPEに配信されているときに挿入するか、またはCPEは、広告を受信する間隔で広告を含むチャンネルに切り替える。
【0232】
非常に稀なことだが、消費者のグループが、同じ組み合わせ番組および広告コンテンツを少なくとも短時間のうちに受信する可能性がある(時間の経過とともに、ユーザは、一般に、一連の広告配信決定に応じてコンテンツの一意的な組み合わせを受信する)。さらに、同じ番組チャンネル上の異なるユーザが、異なる組み合わせコンテンツを受信する。異なる番組チャンネル上のユーザは、広告配信期間に同じ広告を受信しうる。
図34は、この点に関して、例示的なチャンネル・スケジューリング
図3400である。チャンネル・スケジューリング
図3400は、広告(例えば、広告3403)と番組コンテンツ(例えば、番組ネットワーク・コンテンツ1...M、ただし、Mも1よりも大きい整数)との組み合わせを介して組み合わせコンテンツ3402(例えば、組み合わせコンテンツ1...N、ただし、Nはここでも1よりも大きい整数)を生成することを例示している。例えば、ネットワーク・インターリーブを使用する場合、放送コンテンツ3401
2は、
図28のコンテンツ同期装置2804などのコンテンツ同期装置に配信され、そこで、放送コンテンツ3401が広告とインターリーブされる。群モード動作またはCPE挿入の場合、放送コンテンツ3401は、セグメントを放送コンテンツ内の所定の時間間隔内に挿入することにより、または所定の時間間隔でチャンネル切り替えをすることにより広告と組み合わせられる。
【0233】
中継局インターリーブに関しては、広告の挿入は、
図29Aに示され説明されているように複数の放送コンテンツ・ソースから(デジタルおよび/またはアナログ通信を介して)受信することを必要とする。コンテンツ同期装置は、(複数の)広告が番組チャンネル内に挿入可能な放送コンテンツにおける期間を決定する。次いで、コンテンツ同期装置は、放送コンテンツ・ブレーク(例えば、コマーシャル・ブレーク)において広告を挿入する。(複数の)広告が挿入されると(例えば、広告3403)、組み合わせた放送コンテンツおよび(複数の)広告が、連続ストリームで、何人かのユーザ3410のCPEに送信される。CPE挿入の場合、広告3403は、CPE側で番組コンテンツ3401と組み合わせること。例えば、広告3403は、CPEで構成されているコンテンツ同期装置が所定の間隔で広告を挿入できるように挿入前にCPEにダウンロードする。このような1例は、上で説明されており
図30に示されている。
【0234】
群モード動作に関しては、このような動作は、さらに、放送コンテンツ・プロバイダから放送コンテンツを受信することを含む。コンテンツ同期装置は、ここでも、放送コンテンツ内のブレークを識別する。コンテンツ同期装置は、番組ストリーム内で広告をインターリーブするのではなく、広告チャンネル内に広告を挿入し、CPEに、チャンネルを(複数の)広告を伝達するチャンネルに切り替えるCPEを補助する群情報を送信する。(複数の)広告を伝達する(複数の)チャンネルを番組チャンネル内のブレークと同期させ、CPEが広告チャンネルに切り替えたときに、広告が放送コンテンツ内に実質的に継ぎ目なく表示される。(複数の)広告の終わりに、コンテンツ同期装置は、実質的に継ぎ目なく、番組チャンネルに戻ることができる。
【0235】
図35は、群モード動作の背景状況における例示的なスポット最適化方法3500の流れ図である。この実装では、選択された広告は、広告主が広告を入れられるように最適化した同期配信をネットワーク・ユーザに対して行うようにスケジュールされる。例えば、スポット最適化は、単一の広告主が単一の時間帯に対し多数の広告を提供することを含む。それとは別に、スポット最適化では、多数の広告主がさまざまな視聴者分類に基づいて単一の時間帯のシェアを求めて競合する1つまたは複数の広告をそれぞれ有する。
【0236】
例示されている方法3500は、広告主が放送コンテンツ内での広告の所望の配信に関する情報を提供することから開始する。例えば、広告のプロバイダは、そのコンテンツを放送コンテンツに挿入することを望んでいる場合がある(例えば、通常スケジューリングされたテレビ番組)。そのようなものとして、広告主は、広告とともに、金銭的予算、視聴者会員の所望の数、および/またはターゲット視聴者プロファイルに関係する情報を提供する。広告主は、その広告の配置に関して従来の時間帯パラダイムを使用し、そのようなものとして、特定の番組、日付、時刻、および/またはネットワークを指定する。
【0237】
この群構造が形成された後、放送網チャンネルを監視することができる(3503)。例えば、広告キャンペーンが開始すると、
図28の中継局2803などのプラットフォームは、放送コンテンツ・プロバイダのチャンネルの監視を開始する。これらの監視されている放送コンテンツから、広告を送信するタイミングに関して決定される(3504)。例えば、放送コンテンツは、所定の間隔(例えば、コマーシャル・ブレーク)を有し、これに関して、広告を送信する。これらの時間間隔は、利用時間枠とそれらの時間枠内のキュー・トーンにより定められる。放送コンテンツのチャンネルを監視することで、このような間隔に関する情報が得られる。したがって、キュー・トーンまたは信号に応じて、群広告コンテンツを利用する広告チャンネル、およびおそらく、番組チャンネル内に挿入する(3505)。次いで、CPEは、配信するために群から適切な広告を選択し、これは、ブレークに対する単一の広告チャンネル、またはブレークにおけるチャンネル・ホッピングを選択することを含む。このようにして、CPEは、スポット最適化を実行するために単一スポットに対する利用可能なオプションの中からオプションを選択する。
【0238】
図36Aは、例示的なターゲット・コンテンツ・インターフェイス構成3600のブロック図である。ターゲット・コンテンツ・インターフェイス構成3600は、
図28の広告主2801などの、広告主とのインターフェイスに使用される。ターゲット・コンテンツ・インターフェイス構成3600は、
図28のシステム2800などの、放送網のコンテンツをターゲットとするシステムと広告主とのインターフェイスとなっている。この点に関して、広告主インターフェイス3601は、広告主に対するグラフィカル・ユーザ・インターフェイス(「GUI」)3604を実現するプロセッサ3602を備える。例えば、プロセッサ3602は、GUI 3604を表示するモニタを備えるように構成された汎用コンピュータであってよい。GUI 3604は、広告キャンペーンを生成することに関する情報を広告主に与える(例えば、テレビ・コマーシャル・キャンペーン)。このような情報の例としては、人口統計、金銭的予算、所望の時刻、および/または放送番組がある。さらに、GUI 3604は、所望の/選択された広告キャンペーンに関係する情報を広告主から受信する。例えば、情報コンテンツ・プロバイダは、所定の時刻に特定の視聴者にいくつかの広告を表示することを選択できる。広告主は、さらに、最大の予算および/または1広告インプレッション当たりのコストを入力したい場合もある(すなわち、配信された広告、ただし、コスト・パー・サウザンド、すなわち「CPM」で典型的には測定される)。一般に、広告に関連するコストは、交渉の後、または過去データに基づいて、ネットワーク事業者側で設定することが可能である。広告主は、この情報をGUI 3604に入力し、これによりプロセッサ3602が、とりわけ、インターフェイス3603を介してトラフィック/課金システム3610に情報を転送される。
【0239】
インターフェイス3603は、広告主インターフェイス3601とトラフィック/課金システム3610との間の通信を行うように構成される。例えば、インターフェイス3603は、通信リンク3615を介してトラフィック/課金システム3610のインターフェイス3611に通信可能なように結合されり。通信リンク3615は、インターネット・プロトコル(例えば、TCP/IP)を介して通信を行うために使用されるようなインターネット・リンクである。そのようなものとして、GUI 3604は、MicrosoftのInternet Explorerなどの、Webブラウザ内で動作するアプレットとして構成される。このような一実施形態では、GUI 3604は、広告主が広告キャンペーンを管理できるようにするトラフィック/課金システム3610から情報をダウンロードすることができる。しかし、本発明は、広告主とトラフィック/課金システム3610との間の特定の種類の通信に限定されることを意図されていない。例えば、通信リンク3615は、サーバー接続および/または仮想プライベート・ネットワーク接続としてよい。このような一実施形態では、GUI 3604は、広告主とトラフィック/課金システム3610との間の通信を可能にするカスタマイズされたソフトウェア・アプリケーションである。ソフトウェア・アプリケーションは、トラフィック/課金システム3610の記憶装置要素3613で格納されている命令3614により制限される。例えば、命令3614により、GUI 3604が表示されるように広告主インターフェイス3601にアプリケーションを配信することをプロセッサ3612に行わせる。広告キャンペーン情報も、手作業で、ネットワーク事業者の職員、またはその代理店が入力することができる。すなわち、例えば、広告主は、セールスマンに単に話すだけで(例えば、電話で)、セールスマンは、本明細書で説明されているようにシステムを使用して情報を入力することができる。
【0240】
プロセッサ3612は、さらに、広告契約情報をターゲット広告システムに供給し、広告キャンペーン作成に関連してターゲット母集団を推定し、ネットワーク事業者に対する課金動作を制御するように構成される。例えば、プロセッサ3612は、
図29Aのオペレーション・センターなどのオペレーション・センターと通信し、広告コンテンツ情報を提供し、視聴者推定および課金に関するレポート情報を取得する。オペレーション・センターでは、広告主がトラフィック/課金システム3610で(すなわち、GUI 3604を介して)入力した特定のキャンペーンの配信済み広告に関係する情報を伝達する。このような情報は、CPEからの配信レポートに基づく。この情報に基づき、プロセッサ3612は、配信された広告に関連する課金価値(例えば、ターゲット・インプレッション)が生成される。そのようなものとして、従来の郵送、電子メール、および/または預金口座からの引き落としなど、通信リンク3615または他の手段を介して、広告主に対して請求書が生成され、広告主に配信される。しかし、ネットワーク事業者は、請求書を直接扱う方を好む場合がある。その点に関しては、プロセッサ3612は、請求書がその広告主に対して生成されるようにネットワーク事業者に情報を送る。
【0241】
図36Bは、
図36Aのターゲット・コンテンツ・インターフェイス構成3600の例示的なGUI 3604である。この実施形態では、GUI 3604は、広告主が広告キャンペーンを開始できるようにする資源を備えている。例えば、広告主は、放送コンテンツ内のコマーシャル・ブレーク(例えば、テレビ・コマーシャル・ブレーク)に対する広告キャンペーンを生成したい場合がある。GUI 3604を使用することで、広告主は、いくつかのキャンペーン・パラメータ(例えば、コスト・パー・インプレッション3636、課金情報3637、最大コスト・パー・インプレッション3639、キャンペーン日付3642、および/またはさまざまな人口統計情報3631)を入力することにより広告に対する広告キャンペーンが生成される。それぞれの広告に関連するコストは、広告キャンペーンに先立ってMSOと交渉することが可能である。
【0242】
広告主は、上で説明したCPE 2810などのいくつかのCPEに広告のターゲットを、設定するシステムに広告を送ることができる。例えば、広告主は、
図29Aの広告サーバー2901などの、広告サーバーに広告を送る。次いで、広告主は、GUI 3604を介して広告を配信するために所望の配信属性(例えば、年齢、性別、所得、および/または時刻などの人口統計情報3631)を設定する。すなわち、広告主は、CPEユーザのさまざまな属性を広告に関連付けて、それに応じて広告が配信されるようにすることが可能である(例えば、上で説明されているようにCPEによる投票結果に基づいて)。さらに、広告主は、最大コスト・パー・インプレッション(例えば、配信された1広告当たりの最大コスト)および/または広告キャンペーンの継続期間に関する情報を含める。GUI 3604は、例えば、サーバー・ベース・システム(例えば、トラフィック/課金システム3610)により広告主に配信されるインターフェイス・アプリケーションとして実装される。それとは別に、GUI 3604は、例えば、Microsoft Internet ExplorerなどのWebブラウザを通じて広告主がインターフェイスするWebサイトとして実装される。いずれにせよ、GUI 3604は、特定のキャンペーン情報に関する情報(例えば、人口統計、課金情報など)をトラフィック/課金システム3610に供給する。同様に、GUI 3604は、広告キャンペーンに関連付けられたコストに関する情報を広告主に送る。例えば、GUI 3604は、インプレッションの数(例えば、個々のCPEへの広告の配信数)、およびそれらのインプレッションに関連付けられているコストに関する情報をトラフィック/課金システム3610から受信することができる。
【0243】
本明細書では一実施形態が示され、説明されているが、当業者であれば、本発明が例示されている実施形態に限定されることを意図されていないことを容易に理解するであろう。例えば、GUI 3604は、本発明の範囲および精神から外れることのない他の方法で実装することが可能である。当業者は、さまざまな方法でこのようなインターフェイスを実装することについて熟知している。例えば、広告主に対し、広告配信をオークションに掛けることができる。そこで、スポット、スポット内の視聴者セグメント、またはスポットに関係しないあるレベルの広告(例えば、500,000件のインプレッションが18〜34歳の男性をターゲットとする)を、最高入札者に売ることができる。さらに、広告は、番組に関連付けられているテキスト内容(例えば、タイトル、番組説明、または字幕)を対象とする検索に基づいてターゲットにすることができる。この点に関して、例えば、広告主は、NASCARという単語を含む番組に広告を入れることを選択することができる。
【0244】
図36Cは、GUI 3604への代替え実施形態におけるGUI 3645を例示している。この実施形態では、GUI 3645は、視聴者推定情報を組み込んでいる。例えば、
図28のシステム2800などの、広告のターゲットをCPEに設定するために使用されるシステムは、特定の配信制約条件を持つ広告の配信に関するレポート情報を供給する。この履歴情報および/または人口調査データなどの他の情報の分析結果に基づき、関連するターゲット設定制約条件に基づいて考慮したうえで、推定視聴者規模を推定する。この視聴者推定をGUI 3645に組み込むことで、広告主は、広告をどこに配信すべきかということ、さらに配信される広告の予算も指定することができる。
【0245】
GUI 3645により、広告主は、視聴者会員に対応するさまざまな機能を選択することができる。例えば、広告主は、性別3650、所得水準3651、年齢3652、地理的領域3653(例えば、郵便番号、市、郊外、近所、個人住居、州など)、さらに、他のパラメータ(例えば、チャンネル包含3656、チャンネル例外3657、番組例外3655など)に基づく特定の視聴者プロファイルを入力し、特定の広告の配信を指定する。これらのパラメータに基づき、システムは、「視聴者母集団」(例えば、そのプロファイルに当てはまる視聴者会員の数)を推定し、広告に対するコストを配分する。視聴者推定は、
図38Aから38Cに示されており、以下で説明する。
【0246】
直観的には、広告主は、年齢3652、所得水準3651、性別3650などのさまざまな視聴者パラメータに応じて特定の視聴者プロファイルを入力する。番組例外3655のパラメータを使用すると、広告主は、さまざまな番組、または放送コンテンツが除外される。例えば、特定の放送コンテンツ番組タイトルを入力することにより、広告主は、その放送コンテンツ番組から広告の挿入の選択を解除する。
【0247】
同様に、特定のチャンネル情報を指定フィールド内に入力することにより、個々のネットワーク・チャンネルを含めたり(すなわち、チャンネル包含3656)、または除外したり(すなわち、チャンネル例外3657)することが可能である。これにより、広告主は、どのチャンネルで広告を受け取るのかを指定することができる。例えば、ランジェリーに関係する広告を配信したい広告主は、子供番組チャンネルの視聴者にこのような広告を配信することを望まない。そのようなものとして、広告主は、GUI 3645を使用して、そのチャンネルの視聴者からランジェリーの広告を除外する。同様にして、広告主は、特定の広告キャンペーンについて優先される特定の他のチャンネルを含むようにしたい場合がある。例えば、広告プロバイダは、スポーツ・ネットワークの視聴者に男性向けシェービング製品(例えば、シェービング・クリーム、カミソリなど)に関係する広告を配信したい場合がある。
【0248】
前述の視聴者選択パラメータに加えて、GUI 3645は、広告のキャンペーンを生成するために広告主が使用する他のパラメータを含んでいてもよい。例えば、広告主は、指定された視聴者プロファイルに対し広告が配信される曜日3660および週数3661を選択することが可能である。この点に関して、広告主は、さらに、開始日と終了日3662、および選択された日にちの開始時刻と終了時刻3663を選択することもできる。さらに、広告主は、指定された視聴者プロファイルに対し広告が配信されるこのキャンペーンにおける頻度3659を選択することが可能である。上記のように、システムは、この点に関してかなりの柔軟性をもたらす。例えば、広告主は、特定の時間枠において特定の所得水準を有する24〜34歳の100,000人の男性に到達するようにしたいが、10回以上この広告をすでに受信している個人を除外したいことを示し、このような制約条件はすべて、関連する適切なGUI要素を有する。
【0249】
オプションの機能として、広告が配信されるいくつかの回数を「スキップ」する機能がある。例えば、広告主は、キャンペーン開始日と終了日の範囲内で他の週をスキップしながら特定の週に広告の配信を行いたい場合がある。広告主は、したがって、週スキップ・フィールド3664内にスキップすべき週を入力することができる。
【0250】
また、システムは、視聴者母集団を推定するためにこれらの選択されたキャンペーン・パラメータを使用することもできる。例えば、システムは、入力されたキャンペーン・パラメータに対応する履歴情報を取り出すことが可能である。すなわち、システムは、キャンペーン・パラメータに対応する回数だけCPEを使用することで視聴者会員の数を取り出すことができる。これは、類似のキャンペーン、人口調査データ、および/または他の情報からのレポート情報に基づく。この情報は、視聴者母集団推定3658において表示される。さらに、GUI 3645は、システムが広告主に対し請求書を生成することができるコスト配分パラメータを含む。例えば、所与のキャンペーン内のそれぞれの広告は、「コスト・パー・インプレッション」3665を付けることができる。そのようなものとして、システムは、視聴者母集団推定3658を使用し、個々の広告のコスト・パー・インプレッションを掛けて、さらに、個々の広告の頻度を掛けて、所与の広告キャンペーンに対する総コストを推定することが可能である。課金は、レポートから決定された価格推定または実際の配信に基づいて行われる。
【0251】
GUI 3645に対する他の情報には、クライアント識別3667およびクライアントに対する特定の市場3668などの項目を入れることができる。例えば、Intel Corp.などの会社は、28歳から42歳までの範囲の大卒ユーザなどの特定の消費者グループに広告を表示することを望んでいるハイテク企業として識別される。Intelの代表者は、GUI 3645を使用して、そのような広告を所望の視聴者に配信する能力を高めるIntelプロセッサに関係する広告を配信する広告キャンペーンを手直しすることが可能である。システムは、したがって、所望の視聴者集団に似た視聴率を持つ特定の放送網チャンネルについて「フィルタ」として市場情報を使用することが可能である。この点に関して、CPEユーザの集約を行うことができる。マーケティング・ラベルも、この点に関しては上記のように使用できる。
【0252】
図37は、例示的なターゲット・コンテンツ・インターフェイスの処理方法3700の流れ図である。この実施形態では、広告主が使用するインターフェイスが備えられる(3701)。例えば、
図28のシステム2800などの、広告のターゲットをCPEに設定するために使用されるシステムは、
図36BのGUI 3604などのユーザ・インターフェイスを広告主向けに用意される。ユーザ・インターフェイスを使用することで、広告主は、選択された広告に対するキャンペーンに関係する情報を伝達することができる。すなわち、広告主は、広告に関連付けられるターゲット設定制約条件を示すことが可能である。プロバイダも、キャンペーンに関連付けられているコストを示すことができるように会計/課金情報を提供することができる。
【0253】
システムは、インターフェイスから広告に関する情報を受け取る(3702)。次いで、システムは、広告情報を広告主の広告に関連付ける(3703)。例えば、広告情報は、所望のターゲットの人口統計属性(例えば、年齢、性別、所得水準など)とともに、配信タイミング、頻度などが含まれる。そのようなものとして、システムは、情報および人口統計情報に基づき広告の配信のターゲットを設定する(3704)。すなわち、システムは、上で説明されているように放送コンテンツと組み合わせて広告を出すことが可能である(例えば、群モード、中継局インターリーブ、CPE挿入など)。
【0254】
システムは、広告をCPEに配信することができる。この点に関しては、特定のCPEユーザが、第1の広告と組み合わせた放送コンテンツを受信し、その一方で、他のCPEユーザは、第2の広告(例えば、第1の広告とは異なるもの)と組み合わせた放送コンテンツを受信する。とにかく、CPEユーザに配信されるそれぞれの広告は、ターゲット・インプレッションとみなされる。CPEは、広告を受信すると、セグメントが配信されたというレポートをシステムに送り返すことができる。そのようなものとして、システムは、CPEで配信されるインプレッションの数を決定する(3705)ことができる。
【0255】
インプレッションの数に基づいて、システムは、課金値を広告配信に関連付ける(3706)。例えば、それぞれの広告は、セグメントに関連付けられている所定のコスト・パー・インプレッションを持有する。広告配信の総コストは、したがって、インプレッションの数に関連するコスト・パー・インプレッションを掛けた値である。この情報は、次いで、支払いが行えるように広告主に伝えられる。
【0256】
視聴者推定または測定は、人口調査データに関する配信レポートに関係して上で説明されているが、視聴者は、さらに、投票に基づいて推定される。
図38Aは、例示的な投票ベースの視聴者推定システムを示すブロック図である。例示されている中継局3800は、複数のCPE 2810から投票を受信するコンテンツ選択プロセッサ3801とともに構成される。これらの投票に基づいて、コンテンツ選択プロセッサ3801は、推定によりCPEユーザを人口統計グループにまとめ、それにより、視聴者の断面を推定することが可能である。すなわち、投票は、CPEユーザに対する好適な広告に関係する情報を含むことができる。したがって、広告に対し高い当てはめスコアを持つ投票は、ターゲット視聴者と一致するユーザに関連付けられると推論してよい。
【0257】
中継局3800は、
図29Aに示され、説明されているシステム2800の簡易バージョンを表しているとしてよい。コンテンツ選択プロセッサ3801は、CPE 2810から投票を受信することができる。例えば、CPE 2810は、上で説明されているように、それぞれのCPEユーザのチャンネル選択および他のクリック・ストリーム入力を監視するように構成することが可能である。それらの入力に基づいて、CPE 2810は、年齢、性別、所得水準などのそれぞれのユーザの視聴者分類パラメータを推論することができる。CPE 2810は、さらに、CPE 2810が動作している限り、コンテンツ選択プロセッサ3801に投票を転送するように構成すされる。例えば、ユーザがCPE 2810を操作して、放送コンテンツ(例えば、テレビ番組)を閲覧している限り、CPEは、ユーザのチャンネル選択を監視し、視聴者分類パラメータが決定される。次いで、CPE 2810は、一般的に分類パラメータを反映する投票を生成し、それらの投票を中継局3800に転送する。中継局3800は、次いで、それらの投票を処理し、CPEユーザの上記の分類パラメータを決定する。それぞれの関与するCPE 2810、または少なくともその標本抽出は、中継局3800に投票を転送するので、中継局3800は、ネットワークだけでなく、その視聴者の断面も使用して、視聴者の規模を推定する。すなわち、それぞれのCPE 2810が投票を中継局3800に転送すると、それぞれのCPEからの投票が処理され、これにより、ネットワーク3800および視聴者の構成を使用して視聴者会員の数が決定される。例えば、グループ3802のCPE 2810は、チャンネル選択を監視し、グループ3802が、22歳から32歳までの範囲の男性をターゲットとする広告についてCPEが投票したユーザを含むと決定される。そのようなものとして、中継局3800は、グループ3802の視聴者が関連する視聴者分類と一致する投票により示されているような規模を有すると判定される。しかし、グループ3803は、4人家族と一致する広告についてCPEが投票したユーザを含む可能性がある。したがって、中継局3800は、グループ3803内のCPE 2810の数およびそれらのCPEを見ている家族構成員の推定数に基づいてグループ3803の視聴者規模を決定する。したがって、視聴者規模全体を決定することは、単に、さまざまなグループについてCPEユーザの数を加算し(例えば、グループ3802およびグループ3803)、サンプリング係数とともに加入ユーザとユーザ母集団との比を考慮する問題であるといえる。
【0258】
しかし、本発明は、例示されている視聴者推定計算に限定されることを意図されているわけではない。例えば、視聴者推定は、視聴者会員が個人情報をネットワーク3800に故意に「公開」するとすれば、より明白になると思われる。このような視聴者推定の他の1例は、
図38Bに示され以下で説明されている。したがって、他の形態の視聴者推定は、本発明の範囲および精神から外れることはない。
【0259】
図38Bは、他の例示的な投票ベースの視聴者推定システムを、この場合、CPE挿入の背景状況において、示すブロック図である。上記のように、CPE挿入は、広告送信の投票で適宜実行する。この実施形態では、コンテンツ選択プロセッサ3820は、個々のCPE 2810とともに、投票を中継局3800に転送するように構成されており、これによりネットワークでは、視聴者分類パラメータ(例えば、人口統計)に従ってCPE
2810をいくつかのグループに分類される。例えば、CPE 2810のコンテンツ選択プロセッサは、CPEユーザのチャンネル選択を監視する。これらの監視されているチャンネル選択に基づいて、コンテンツ選択プロセッサ3820は、中継局3800および/またはCPE 2810により使用される投票を行って、放送コンテンツの送信について所望の広告を選択し、その後挿入がCPE側で実行される。
【0260】
中継局3800は、投票に基づいてCPEユーザを分類する。例えば、グループ3822のCPEユーザは、グループ3823への帰属関係を示すチャンネル選択習慣または他のクリック・ストリーム入力を有する。コンテンツ選択プロセッサ3820は、これらの入力を処理し、対応するターゲット視聴者に関連付けられている特定の広告の配信に対し適しているかどうかを示す投票を行う。中継局3800は、ターゲット視聴者および投票に基づいて視聴者セグメントの規模を決定する。その後、中継局3800は、広告をネットワークで放送コンテンツにインターリーブすることを介して、または挿入情報とともに広告をCPEに別々に送信することにより、広告をCPE 2810に配信する。それとは別に、またはそれに加えて、中継局3800は、CPE 2810が備えるように構成されている記憶装置から広告セグメントを取り出すことを要求することにより広告を配信する。これらのCPE動作の例は、
図29および30に関して示され、上で説明されている。中継局3800は、さらに、投票を処理して、
図38Aに例示されている視聴者推定と例示の方法で視聴者の規模を決定する。
【0261】
直前の節では、投票に基づく視聴者推定を取りあげた。すでに述べたように、レポート情報は広告の配信を積極的に示しているので、レポートに基づいて視聴者推定を実施することは好ましいと考えられる。
図38Cは、この点に関して例示的な方法3860を示している。方法3860は、関与し、レポートするCPEからレポートを取得する(3862)ことから始まる。上記のように、いくつかのCPEは、セット・トップ・ボックスを含むことができず、または他の何らかの形で、ターゲット広告システムまたはそのレポート機能に関わることを選択しなくてもよい。したがって、CPEから得られるレポートは、一般的に、レポートの配信先となった視聴者全体の一部を表すにすぎない。
【0262】
推定方法3860は、さらに、広告毎に、試料グループからの関連するユーザの未処理の数を決定すること(3864)を含む。この点に関して、視聴者全体の規模および/または広告に対するターゲット視聴者分類と一致する視聴者セグメント(または他の何らかのセグメント)の規模を測定することが望ましいと思われる。本発明のターゲット広告システムでは、多くの場合において、これらは、レポートユーザに関して同じであると想定できる。すなわち、広告に対する最大の視聴者と一致する視聴者分類パラメータを有するユーザにのみ広告が配信されることが予想される。しかし、広告オプションを提供するため帯域幅が制限されているため、また群構成および他のファクタに関係するさまざまな考慮事項があるため、広告は、ターゲット視聴者と完全には一致しないユーザに配信されることがときどきある。このことは、レポートに関して適宜与えることができる適合度スコアに反映される。また、正確な視聴者分類情報は、公開モード・ユーザについて利用可能である。そのため、レポートは、潜在的に一致する多くのユーザまたは他の視聴者分類セグメントからのユーザを識別するように処理することが可能である。
【0263】
いずれにせよ、ユーザの未処理の数と予想視聴者規模との相関を求めることが可能である(視聴者全体の規模および/または視聴者分類グループによりセグメント分割された視聴者規模)。これは、とりわけ、1)レポートCPEの統計的標本グループを視聴者集団中の推定される関与CPEの全数に外挿すること、2)視聴者集団中の関与ユーザの全数を視聴者集団に加わる資格のあるCPEの全数に外挿すること、および3)視聴者集団に加わる資格のあるCPEの全数を絶対的視聴者規模に外挿することを含む。例えば、アナログ・ユーザに配信するために広告が番組チャンネル・コンテンツ・ストリーム内にインターリーブされる場合に、アナログ・ユーザなどのセット・トップ・ボックスのないCPEを含めることである。標本グループの規模から、関与グループの規模に外挿するのは、レポートのため標本グループを選択するアルゴリズムによって決まる。関与および非関与ユーザの相対数は、一般に、選択する/手を引く方法に基づいて知られる。関与ユーザは、関与する資格のあるすべてのユーザのグループを代表する場合もしない場合もある。したがって、この外挿は、予測目的に役立つと思われる関与ユーザと非関与ユーザとの知られている、または想定される統計的な差異を反映する補正を含むこ。さらに、関与する資格のあるユーザの総数は、例えば、他の広告オプションに関して問題の広告に対する視聴者の相対的規模、関連する人口調査データ、または人口統計データ、および統計的に関連性のある情報に基づいて、絶対的な関連する視聴者規模に外挿する。ここでもまた、関与する資格のあるユーザのグループは、視聴者の母集団全体を表す場合も表さない場合もあり、統計ベースの補正が必要になることがあることは理解されるであろう。いずれにせよ、この視聴者推定情報は一部または全部を、広告主、ネットワーク事業者、および他の利害関係者にレポートすることができる(3868)。
【0264】
図39Aは、VODコンテンツに関してコンテンツのターゲット設定を行うシステムのブロック図である。例えば、中継局3900は、上記の通常の番組広告に関する投票に基づき、おそらく必ずしもそうではないが、広告を選択するコンテンツ選択プロセッサ3901およびVODサーバー3902とともに、CPE 2810からVOD要求および/または実際のチャンネル選択を受信するように構成される。上記のように、コンテンツ選択プロセッサ3801は、CPE 2810に配信する広告を選択する。これらの広告は、CPEに転送され、CPEは、現在のユーザの視聴者分類に一致する広告を格納する。別に、CPEユーザは、VODコンテンツを要求し、VOD要求をVODサーバー2902に転送する。サーバー2902は、この要求を処理し、VODコンテンツを転送することが可能であり、これは、広告挿入をトリガするトーンまたはメッセージを含む(適宜、広告例外などの配信制約条件)。
【0265】
典型的には、CPE 2810は、CPEが独立に選択している複数のチャンネルのうちの1つまたは複数でVODコンテンツを受信する。例えば、ネットワーク3900は、それぞれの複数のRFテレビ・チャンネル上で(例えば、ケーブルを介して)複数のコンテンツを同時に伝達する。個々のCPE 2810は、チューニング(例えば、デジタル・チューニングまたはアナログ・チューニングのいずれか)をして、チャンネルからコンテンツを選択することが可能である。CPE 2810のユーザは、こうして、CPE 2810を特定のVODチャンネルに向けることによりVODコンテンツを取得する。そこから、ユーザは、ユーザに提示されているオプションのメニューから能動的に選択することにより、(例えば、所望のVODコンテンツ、支払いオプションなど)VODコンテンツを選択することが可能である。そのようなものとして、VOD選択は、ペイ・パー・ビュー・イベントの注文に類似していると思われ、VOD選択の可能な例外は実質的に瞬間的である(すなわち、「オンデマンド」)。ターゲット広告は、さらに、中継局インターリーブを使用することによりVODコンテンツに関連して提供する。例えば、いくつかの実装では、広告は、投票(通常の番組ブレークに関する)または他の情報から作成されたユーザ・プロファイルからの決定に従ってユーザ別に選択する。このユーザ・プロファイルは、ユーザに配信されるVODコンテンツ中に広告をインターリーブするために使用される。それとは別に、このような情報は、VOD契約を注文した複数のユーザについて集約され、VODコンテンツ内に最良適合広告をインターリーブする。ユーザに対し、広告あり、またはなしのVODコンテンツを選択するオプションを提供することができ、その際に適切な価格決定は、選択されたオプションに基づいて行われる。中継局インターリーブの場合、コンテンツ選択プロセッサ3901は、視聴者分類パラメータに基づき、
図29Aの広告サーバー2901などの広告サーバーから広告を取り出すことができる。コンテンツ選択プロセッサ3901は、さらに、
図29Aのコンテンツ同期装置2804などの、コンテンツ同期装置と通信することができる。すなわち、コンテンツ選択プロセッサ3901は、取り出された広告をコンテンツ同期装置に転送し、広告とVODコンテンツとの同期を取る。
【0266】
特定のCPE挿入および中継局インターリーブ実装に関して示され説明されているが、当業者であれば、本発明がこれらの実装に限定されることを意図されていないことを容易に理解するであろう。例えば、コンテンツ選択プロセッサ3901は、また、ユーザ入力情報に基づいて広告を選択するように構成される。すなわち、CPE 2810は、実際のユーザ入力情報をコンテンツ選択プロセッサ3901に転送し、これにより、コンテンツ選択プロセッサは、視聴者分類および適切な広告配信を決定する。
【0267】
図39Bは、CPE挿入の背景状況における、例示的なVODターゲット・コンテンツの処理方法3950の流れ図である。この実施形態では、方法3950は、上で説明されているCPE 2810などの、CPEからVODコンテンツ選択および/またはチャンネル選択を受信する(3951)ことから始まる。例えば、CPE 2810は、
図39Aの中継局3900などの、ネットワーク・プラットフォームから配信された1つまたは複数のチャンネルからVODコンテンツを選択するために使用される。次いで、コンテンツ選択情報および/またはチャンネル選択情報は、VODサーバーに転送され、そこで、VOD要求の処理を行う。VODコンテンツ選択に基づき、サーバーは、それぞれのCPEに配信するためVOD選択を取得する(3952)。
【0268】
広告の配信を決定するために使用されるVOD選択に関して示され説明されているが、本発明は、このような広告配信に限定されることを意図されていない。例えば、個々のVOD顧客の人口統計情報は、外部ソースから得られる金融または他の情報の形態で利用可能なものである。この点に関しては、広告は、
図29Aの人口統計データベース2921などの、データベースに格納されている人口統計情報に基づいて中継局挿入に対し選択される。VODコンテンツ内の他の形態の広告配信も、本発明の範囲および精神から外れることはない。また、この機能は、ポッドキャストなどの他の背景状況においても応用することが可能である。
【0269】
図40Aは、複数の広告を使用してターゲット・コンテンツを実装するように構成されたシステム4000のブロック図である(例えば、広告4010
1...Mおよび4011
1...N、ここでも、MおよびNは両方とも1よりも大きい整数である)。例えば、広告主4001は、放送コンテンツ・ユーザに複数の関係する広告を提供したい場合がある(例えば、中継局3900を介して)。関係する広告は、広告メッセージ全体が放送コンテンツ・ユーザに配信されるように放送コンテンツ内に所定の間隔(例えば、コマーシャル・ブレーク)で提供される。
【0270】
広告4010
1...Mおよび4011
1...Nの例としては、「ティーザー」広告、主広告、および要約広告を含む一連の広告があり、この場合、広告主は、シーケンス内のそれぞれの広告を、次の広告が配信されるまでに選択された回数(1回または複数回)だけターゲット視聴者会員に配信されるようすることを望んでいる。例えば、広告主4001は、広告4010
1をCPE 2810ユーザのグループ3902に提供し、それらのユーザについて適していると思われる製品に関する情報を伝達したい場合がある。広告4010
1は、CPE 2810ユーザに、広告のファミリ4010からの他の広告(例えば、広告4010
2)を見させるために使用される。
【0271】
複数の広告4010
1...Mおよび4011
1...Nを使用してコンテンツのターゲット設定することに関して、システム4000は、さらに、投票に基づいて広告を提供するように構成される。例えば、コンテンツ選択プロセッサ3901は、CPE 2810から投票を受信し、さまざまな広告のあるレベルの適切さが示される。CPEは、定義済み広告シーケンスに関するCPEの進捗に応じて、広告について投票を行うことを決定するか、または広告についての投票に注目し、広告の配信を選択するか、選択しないかを決める。コンテンツ選択プロセッサ3901は、投票を処理して、特定の広告を群の中のシーケンスに含めるが含めないかを決定する。
【0272】
図40Bは、4050のパッケージングされたコンテンツ・ターゲット設定方法の流れ図である。例示されている方法4050は、広告ファミリ制約条件を受信する(4051)ことから始まる。上記のように、広告主は、一連の広告の中のそれぞれの広告が、シーケンス内の次の広告が示されるまでに一定回数だけターゲット・ユーザに配信されるように指定する。これらの広告ファミリ制約条件は、個々のCPEに送信する(4052)。次いで、CPEは、後続のコマーシャル・ブレークについて利用可能な広告を含む広告リストを受信する(4053)。次いで、CPEは、一部は広告ファミリ制約条件に基づき広告について投票する(4054)。すなわち、CPEは、一般的に、現在のユーザの視聴者分類がターゲット視聴者と一致し、広告ファミリ制約条件が満たされる、例えば、ユーザが、その広告を広告主により指定された回数だけまだ受け取っておらず、指定された回数だけ前提条件広告を受け取っているということがない限り、広告に対する投票はしない。
【0273】
中継局は、上記のように、投票を受信し、群コンテンツを決定する(4055)。そのため、広告がファミリからの広告は、その広告について投票したユーザが十分な数だけいない限り、群内に挿入されない。次いで、この群は、利用可能な広告チャンネル内に挿入され(4056)、おそらく、番組チャンネルにも挿入される。この群を受け取った後、個別のCPEは、広告ファミリから適切な広告を選択し(4057)、挿入する。次いで、CPEは、広告ファミリから受け取るべき広告がまだあるかどうかを判定する(4058)。もしあれば、追加の広告リストを受信した後に、この方法を繰り返す。もしなければ、広告ファミリは、完了したものとして指定され(4059)、これにより、CPEは、そのファミリ内の広告には、今後の広告リストに入れられたときにも投票しない。
【0274】
本発明のさまざまな実施形態が詳細に説明されたが、本発明のさらなる修正形態および適応形態は、当業者であれば思い付くであろう。しかし、そのような修正形態および適応形態は、本発明の精神および範囲内にあることは明確に理解されるであろう。