(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願に係る情報提供システム、情報提供装置、買い物用プログラムおよび情報提供方法の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報提供システム、情報提供装置、買い物用プログラムおよび情報提供方法が限定されるものではない。また、以下においては、データベースをDBと記載する。
【0012】
〔1.情報提供処理〕
まず、実施形態に係る情報提供処理について説明する。
図1は、実施形態に係る情報提供システムが行う情報提供処理の説明図である。
【0013】
図1に示すように、実施形態に係る情報提供システム1は、無線端末2と、無線LAN(Local Area Network)アクセスポイント3と、情報提供装置4とを備える。情報提供装置4は、インターネットなどの通信ネットワーク7を介して無線LANアクセスポイント3と通信可能である。
【0014】
無線端末2は、例えば、無線LAN通信機能を搭載した携帯電話機であり、無線LANアクセスポイント3の通信エリア内では、無線LANアクセスポイント3経由で情報提供装置4やサイトサーバ9にアクセスが可能である。なお、無線端末2は、携帯電話基地局などの無線WAN基地局(図示せず)を経由して通信ネットワーク7に接続された情報提供装置4やサイトサーバ9へのアクセスが可能である。サイトサーバ9は、例えば、無線端末2に対してウェブページを提供するサーバである。
【0015】
無線端末2には、アプリケーションとして買い物用プログラム(以下、買い物用アプリと記載する)がインストールされる。かかる買い物用アプリのプログラムデータは、例えば、情報提供装置4から提供される。無線端末2のユーザ(以下、端末ユーザと記載する場合がある)は、例えば、無線端末2を操作して無線WAN基地局を介して通信ネットワーク7に接続された情報提供装置4にアクセスし、情報提供装置4から買い物用アプリのプログラムデータを取得する。無線端末2の制御部25は、取得したプログラムデータを内部の記憶部に展開することによって買い物用アプリをインストールする。
【0016】
無線端末2の制御部25は、買い物用アプリの機能によって買い物リスト画面7aを表示部22に表示する。かかる買い物リスト画面7aには、無線端末2のユーザが購入を予定している商品(以下、購入予定商品と記載する場合がある)の情報を含む買い物リストが設定される。
図1に示す買い物リスト画面7aの例では、購入予定商品として、「キャベツ」、「サーモン」、「豚バラ」、「牛乳」、「リンゴジュース」、「マネヨーズ」が買い物リストに含まれる。
【0017】
無線端末2は、無線LANアクセスポイント3の通信エリアに進入すると、無線LANアクセスポイント3との間でセッションが確立され、通信中状態へ移行する。無線端末2の制御部25は、無線LANアクセスポイント3と通信中状態となった場合、買い物リスト画面7aにチェックインボタン7bを設定する。
【0018】
表示部22はタッチパネル式のディスプレイであり、無線端末2のユーザは、表示部22の画面上のチェックインボタン7bを指で操作する等により選択する。無線端末2の制御部25は、チェックインボタン7bが選択された場合、情報提供装置4を宛先とするチェックイン要求が無線LANアクセスポイント3へ送信される。
【0019】
無線LANアクセスポイント3は、無線端末2からチェックイン要求を受信すると、かかるチェックイン要求を通信ネットワーク7経由で情報提供装置4へ転送する。情報提供装置4は、チェックイン要求を受信すると、無線LANアクセスポイント3の設置店舗(以下、AP設置店舗と記載する)で販売される商品(以下、販売商品と記載する)の情報をチェックイン要求に含まれる情報に基づいてDBから取得する。
【0020】
チェックイン要求には、買い物リストに含まれる購入予定商品の情報が含まれており、情報提供装置4は、かかる購入予定商品に対応する販売商品の情報をDBから取得する。無線端末2の買い物リスト画面7aが
図1に示す状態である場合、情報提供装置4は、例えば、AP設置店舗で販売される「キャベツ」、「サーモン」、「豚バラ」、「牛乳」などの価格、在庫状態、陳列位置(以下、棚位置と記載する)およびメーカ情報などをDBから取得する。
【0021】
情報提供装置4は、購入予定商品に対応する販売商品の情報(以下、販売商品情報と記載する場合がある)を取得すると、無線端末2を宛先として販売商品情報を無線LANアクセスポイント3へ送信する。無線LANアクセスポイント3は、情報提供装置4から販売商品情報を受信すると、かかる販売商品情報を無線端末2へ送信する。
【0022】
無線端末2の制御部25は、情報提供装置4から無線LANアクセスポイント3経由で販売商品情報を取得すると、内部の記憶部に記憶する。その後、無線端末2のユーザが、例えば、買い物リスト画面7aに表示される「牛乳」を選択すると、無線端末2の制御部25は、内部の記憶部から「牛乳」に対応する販売商品情報を読み出し、表示部22に店舗情報画面8aを買い物リスト画面7a上にオーバラップ表示する。なお、オーバラップ表示は一例であり、店舗情報画面8aを買い物リスト画面7aとは別ページに表示することもできる。
【0023】
図1に示す店舗情報画面8aには、「牛乳」に対応する販売商品情報が設定される。具体的には、店舗情報画面8aには、AP設置店舗で販売される「牛乳」として、商品名(○○牛乳、△△牛乳および□□牛乳)、販売価格および在庫数を示す情報が設定される。
【0024】
例えば、商品名「○○牛乳」の販売価格は「225円」であり、在庫が「21」本であり、また、棚A2−113に陳列されることを示す情報が設定される。なお、店舗情報画面8aにおいて端末ユーザが商品名「○○牛乳」を選択した場合、商品名、販売価格および在庫状況の他、産地、栄養成分、カロリー、販売状況などの詳細情報を含む詳細情報画面(図示せず)を表示部22に表示する。なお、詳細情報は、情報提供装置4から送信される購入予定商品の情報に含まれる情報である。
【0025】
このように、実施形態に係る情報提供処理では、買い物リストの設定状態に応じてAP設置店舗で販売される商品の情報が無線端末2の表示部22に表示される。したがって、買い物リストに購入予定商品を設定しておくことにより、AP設置店舗に進入した無線端末2のユーザは、AP設置店舗で販売される商品のうち所望の商品の情報を容易に把握することができ、これにより、AP設置店舗内での買い物を快適に行うことができる。また、AP設置店舗側も、リアルタイムで実店舗へ来店している顧客に対して売りたい商品を訴求することが可能となり、売り上げを向上させることができる。
【0026】
また、情報提供装置4は、AP設置店舗の販売商品のうちお薦めのメーカの特定商品の情報(クーポンを含む)を販売商品情報とすることもでき、これにより、端末ユーザは楽しく快適に買い物ができ、AP設置店舗の魅力を飛躍的に向上させることができる。
【0027】
以下、上述した情報提供処理を実行する情報提供システム1について、具体的構成および具体的処理の内容について図面を参照して説明する。
【0028】
[2.情報提供システム1]
図2を用いて、実施形態に係る情報提供システム1の構成例について説明する。
図2は、実施形態に係る情報提供システム1の構成例を示す図である。
【0029】
図2に示すように、情報提供システム1は、無線端末2と、無線LANアクセスポイント3と、情報提供装置4と、決済サーバ5とを有する。情報提供装置4は、通信ネットワーク7を介して無線LANアクセスポイント3と通信可能であり、通信ネットワーク7は、例えば、インターネットなどのIP(Internet Protocol)ネットワークである。
【0030】
無線端末2は、スマートフォンなどのように、無線LAN通信機能を有する携帯電話機であり、無線LANアクセスポイント3や無線WAN(Wide Area Network)基地局6との間で通信が可能である。なお、
図2に示す例では、一つの無線端末2のみが記載されているが、かかる無線端末2は各ユーザによって所有される。
【0031】
また、無線LANアクセスポイント3は、情報提供システム1によって提供される情報提供サービスに加入する各店舗(以下、サービス加入店舗と記載する場合がある)に対応して設けられる。
図2に示す例では、説明の便宜上、一つの無線LANアクセスポイント3のみ記載されているが、サービス加入店舗の店舗内を通信エリアとする無線LANアクセスポイント3がサービス加入店舗毎に設置される。なお、サービス加入店舗内の面積が大きい場合、一つのサービス加入店舗内に複数の無線LANアクセスポイント3を設置することもできる。
【0032】
無線LANアクセスポイント3は、例えば、店舗の管理者によって管理され、情報提供装置4は、例えば、情報提供サービス業者によって管理され、決済サーバ5は、金融機関によって管理される。なお、無線LANアクセスポイント3も、情報提供サービス業者によって管理されるようにしてもよい。
【0033】
以下、無線端末2、無線LANアクセスポイント3、情報提供装置4の順にそれぞれの具体的構成を説明する。
【0034】
〔2.1.無線端末2〕
無線端末2は、
図2に示すように、無線LAN部20と、無線WAN部21と、表示部22と、操作部23と、記憶部24と、制御部25とを有する。無線LAN部20は、無線LANアクセスポイント3との間で情報の送受信を行う。無線WAN部21は、無線WAN基地局6との間で情報の送受信を行う。無線WAN基地局6は、例えば、公衆電話通信網の無線基地局や公衆データ通信網の無線基地局である。
【0035】
表示部22は、タッチパネル式のディスプレイである。無線端末2のユーザは、表示部22の画面上を指などで操作することで、表示部22に表示された買い物用アプリの画面に対する操作が可能である。かかる表示部22は、例えば、小型のLCD(Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイである。
【0036】
操作部23は、文字、数字およびスペースを入力するためのキー、エンターキーおよび矢印キーなどを含むキーボードや、電源ボタンなどを有する。
【0037】
記憶部24は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置である。かかる記憶部24は各種プログラムや設定データなどが記憶される。記憶部24に記憶されるプログラムは、例えば、OS(Operating System)、情報提供装置4から取得された買い物用アプリのプログラムなどである。
【0038】
制御部25は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。また、制御部25は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、記憶部24に記憶されているプログラムが図示しない内部RAMを作業領域として実行されることにより後述する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0039】
(買い物用アプリの機能)
制御部25は、記憶部24にプログラムデータが記憶されている買い物用アプリを実行することによって、送受信部61、情報管理部62および表示制御部63として機能する。また、制御部25は、記憶部24にプログラムデータが記憶されている買い物用アプリを実行することによって、例えば、買い物用アプリの設定データ、画面データおよびレシピデータなどの情報を記憶部24に記憶する。なお、制御部25の構成は、かかる構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0040】
買い物用アプリの設定データには、無線端末2毎に重複しない固有のID(以下、端末IDと記載する)の他、チェックイン動作設定や広告表示設定などの情報が含まれる。なお、チェックイン動作のデフォルト設定は、「手動」であり、広告表示設定のデフォルト設定は、「ON」である。端末IDは、例えば、無線端末2の無線LAN部20のMACアドレスである。
【0041】
また、レシピデータには、各レシピの調理法を説明する情報(以下、調理情報と記載する)や調理に用いる食材の情報(以下、食材情報と記載する)などが含まれ、これらはレシピ情報テーブルに設定される。
図3は、レシピ情報テーブルの一例を示す図である。
図3に示すように、レシピ情報テーブルは、「レシピID」、「レシピ名」、「調理方法」、「食材名」および「分量」が関連付けられた情報である。
【0042】
「レシピID」は、レシピ毎に割り当てられる固有の情報である。「レシピ名」は、レシピの名前を示し、例えば、「お薦めパスタ料理」や「お薦めカレー料理」などである。また、「調理方法」は、各レシピの調理方法を説明する情報である。
【0043】
「食材名」は、各レシピで用いられる食材であり、例えば、「お薦めパスタ料理」であれば、「キャベツ」、「豚バラ」、「ブロッコリー」などである。また、「分量」は、各レシピで用いられる食材の分量であり、例えば、「キャベツ」であれば「1/3玉」である。
【0044】
(送受信部61)
送受信部61は、無線LAN部20を介して情報提供装置4との間で情報の送受信を行う。例えば、送受信部61は、端末ユーザの操作部23への操作に基づき、情報提供装置4に対してチェックイン要求を送信し、情報提供装置4から送信される販売商品情報を無線LAN部20経由で受信する。
【0045】
(情報管理部62)
情報管理部62は、端末ユーザが表示部22や操作部23を操作して入力した情報や送受信部61により取得された情報を記憶部24に記憶する。また、情報管理部62は、端末ユーザの操作部23への操作等に基づき、記憶部24に記憶した情報を読み出す。
【0046】
例えば、情報管理部62は、端末ユーザが操作部23への操作によりチェックイン操作をした場合、買い物リストテーブルに含まれる購入予定商品の情報を記憶部24から取得し、かかる購入予定商品の情報を含むチェックイン要求を送受信部61へ出力する。
【0047】
買い物リストテーブルは、例えば、
図4に示すように設定される。
図4は、買い物リストテーブルの一例を示す図である。
図4に示す買い物リストテーブルは、「食材」、「分量」、「レシピID」、「購入予定フラグ」、「設定日」、「販売商品情報」および「商品広告情報」が関連付けられた情報である。「食材名」、「分量」および「レシピID」は、レシピ情報テーブルの情報に基づいて設定される。
【0048】
「購入予定フラグ」は、端末ユーザが購入予定にしている商品であるか否かを示すフラグであり、購入予定商品であれば「1」が設定され、購入予定商品でなければ「0」が設定される。「設定日」は、対応する「食材名」などが買い物リストテーブルに設定された日の情報であり、情報管理部62により設定される。なお、情報管理部62は、設定日に代えて設定日時の情報を買い物リストテーブルに設定することもできる。
【0049】
「販売商品情報」および「商品広告情報」は、購入予定商品に対応して情報提供装置4から無線LANアクセスポイント3経由で無線端末2へ送信される情報であり、情報管理部62により買い物リストテーブルにそのファイル名が設定される。
【0050】
情報管理部62は、買い物リストテーブルから購入予定商品の情報として、例えば、「食材名」、「分量」、「レシピID」および「設定日」を含む情報をチェックイン要求に設定する。なお、端末ユーザは、チェックイン要求に含める情報を選択することができ、例えば、「食材名」のみをチェックイン要求に設定させることもできる。
【0051】
図5は、販売商品情報の一例を示す図である。かかる販売商品情報は、
図4に示す購入予定商品「牛乳」に対するファイル名「Z00004.text」の情報である。
図5に示す例では、購入予定商品「牛乳」に対して3種類の販売商品の情報(商品名、通常価格、販売価格、在庫数、棚位置、メーカ名、産地、商品を紹介するページのアドレスなど)が含まれる。なお、例えば、「通常価格」よりも「販売価格」が低い販売商品が特売品である。また、販売商品情報には、販売商品のクーポン情報(クーポン画像など)が含まれており、これにより、無線端末2の表示部22にクーポンを表示させることもできる。
【0052】
なお、商品広告情報は、購入予定商品を検索キーワードとして情報提供装置4により検索された広告情報である。例えば、購入予定商品「牛乳」に対し、○○牛乳の広告情報、△△牛乳の広告情報および□□牛乳の広告情報を含む商品広告情報が情報提供装置4により検索される。
【0053】
(表示制御部63)
表示制御部63は、表示部22に表示する画面を制御する。以下、表示制御部63の処理の一例について
図6および
図7を参照して説明する。
図6および
図7は、買い物用アプリの画面遷移の一例を示す図である。
【0054】
なお、
図6に示す画面は、無線端末2が無線LANアクセスポイント3と通信中か否かにかかわらず端末ユーザの操作によって遷移する。また、以下において、ユーザの選択や設定は、端末ユーザが表示部22または操作部23を操作することによって行われる。
【0055】
端末ユーザが無線端末2において買い物用アプリを起動した場合、表示制御部63は、
図6に示すメイン選択画面70aの情報を記憶部24から読み出して表示部22に表示する。かかるメイン選択画面70aにおいて選択できる情報は、「レシピ」、「買い物リスト」および「設定」である。
【0056】
(レシピについて)
メイン選択画面70aにおいて、例えば、端末ユーザが「レシピ」を選択すると、表示制御部63は、記憶部24からレシピ情報テーブルを読み出し、かかるレシピ情報テーブルに基づき
図6に示すレシピ選択画面70bを生成して表示部22に表示する。レシピ選択画面70bにおいて選択できる情報は、「お薦めパスタ料理」、「お薦めカレー料理」および「お薦め寿司料理」であるが、一例であり、別のレシピを選択できるようにしてもよい。
【0057】
レシピ選択画面70bにおいて、端末ユーザが「お薦めパスタ料理」を選択すると、表示制御部63は、記憶部24からレシピ情報テーブルを読み出し、かかるレシピ情報テーブルに基づき
図6に示すレシピ内容選択画面70cを生成して表示部22に表示する。かかるレシピ内容選択画面70cにおいて選択できる情報は、「調理法」および「食材」である。
【0058】
レシピ内容選択画面70cにおいて、例えば、端末ユーザが「調理法」を選択すると、表示制御部63は、記憶部24のレシピ情報テーブルから「お薦めパスタ料理」に対応する調理方法の情報を読み出して表示部22に表示する。一方、「材料」を選択すると、表示制御部63は、記憶部24のレシピ情報テーブルから「お薦めパスタ料理」に用いる食材情報を読み出し、かかる食材情報に基づき
図6に示す食材リスト画面70dを生成して表示部22に表示する。
【0059】
食材リスト画面70dには、設定ボタン72aが配置されており、端末ユーザが設定ボタン72aを選択すると、情報管理部62は、「お薦めパスタ料理」の食材情報を記憶部24の買い物リストテーブルに設定する。
【0060】
このように、制御部25は、端末ユーザが所望するレシピの食材情報を買い物リストに設定することができる。なお、ここでは、買い物用アプリのプログラムデータにレシピの情報がレシピ情報テーブルとして含まれているものとして説明したが、レシピの情報は、端末ユーザの操作部23への操作に応じて送受信部61が情報提供装置4から取得するようにしてもよい。このようにすることで最新のレシピを入手することができる。
【0061】
(設定について)
メイン選択画面70aにおいて、例えば、端末ユーザが「設定」を選択すると、表示制御部63は、
図6に示す設定選択画面70eを記憶部24から読み出して表示部22に表示する。かかる設定選択画面70eにおいて選択できる機能は、チェックイン機能および広告表示機能である。
【0062】
チェックイン機能には、「手動」と「自動」があり、端末ユーザが対応するチェックボックスへチェックすることにより、かかる情報が情報管理部62により設定データに設定され、これにより、手動チェックインと自動チェックインとが切り替えられる。
【0063】
また、広告表示機能には、「ON」と「OFF」があり、端末ユーザが対応するチェックボックスへチェックすることにより、かかる情報が情報管理部62により設定データに設定され、これにより、広告表示機能のオンとオフが切り替えられる。
【0064】
(買い物リストについて)
メイン選択画面70aにおいて、例えば、端末ユーザが「買い物リスト」を選択すると、表示制御部63は、
図6に示す買い物リスト選択画面70fを記憶部24から読み出して表示部22に表示する。かかる買い物リスト選択画面70fにおいて選択できる情報は、「編集」および「表示」である。
【0065】
買い物リスト選択画面70fにおいて、端末ユーザが「編集」を選択すると、表示制御部63は、買い物リストテーブルに含まれる食材名および購入予定フラグの情報を記憶部24から読み出し、買い物リスト編集画面70gを生成して表示部22に表示する。
【0066】
図6に示す買い物リスト編集画面70gでは、食材名として「キャベツ」、「豚バラ」、「ブロッコリー」、「パスタ」、「玉ねぎ」、「牛乳」が設定され、また、各食材名に対応してチェックボックスが配置される。食材に対応する購入予定フラグが「0」の場合には、チェックボックスにチェックが設定され、購入予定フラグが「1」の場合には、チェックボックスにチェックが設定されない。
【0067】
端末ユーザがチェックボックスにチェックを入れると、情報管理部62は、チェックボックスに対応する買い物リストテーブルの購入予定フラグを「0」に設定し、チェックボックスのチェックを外した場合、購入予定フラグを「1」に設定する。購入予定フラグが「1」である食材が購入予定商品である。
【0068】
このように、制御部25は、食材情報を買い物リストに設定した後であっても、端末ユーザは、例えば、家庭に在庫があり買い物する必要がない食材について購入予定商品の対象から除外することができる。
【0069】
買い物リスト選択画面70fにおいて、端末ユーザが「表示」を選択すると、表示制御部63は、買い物リストテーブルから購入予定商品情報を記憶部24から読み出し、買い物リスト表示画面70hを生成して表示部22に表示する。購入予定商品情報は、買い物リストに含まれる食材情報のうち在庫フラグが「1」である食材情報である。
【0070】
かかる買い物リスト表示画面70hによって、端末ユーザは、所望のレシピのうち購入が必要な食材情報を一覧表示することができる。買い物リスト表示画面70hを表示した状態で、無線端末2のユーザが無線LANアクセスポイント3の通信エリア(以下、AP通信エリアと記載する)に進入すると、送受信部61は無線LANアクセスポイント3との間で通信のセッションを確立する。
【0071】
通信セッションが確立された場合、表示制御部63は、チェックイン機能が手動チェックインに設定されていれば、
図7に示す買い物リスト表示画面70iの情報を記憶部24から読み出して表示部22に表示する。買い物リスト表示画面70iには、チェックインボタン72bが配置されており、端末ユーザがチェックインボタン72bを選択すると、送受信部61は、情報提供装置4宛のチェックイン要求を無線LAN部20から無線LANアクセスポイント3へ送信する。
【0072】
チェックイン要求には、無線端末2の端末IDや購入予定商品情報が含まれており、端末IDや購入予定商品情報は、送受信部61によって記憶部24から読み出されてチェックイン要求に設定される。なお、買い物用アプリによって付与された固有の識別情報を端末IDとし、チェックイン要求に端末IDと無線LAN部20のMACアドレスとを含めるようにしてもよい。
【0073】
チェックイン機能が自動チェックインに設定されている場合、通信セッションが確立された後、
図7に示すチェックインボタン72bを配置した買い物リスト表示画面70iに遷移することなく、送受信部61は、情報提供装置4宛のチェックイン要求を無線LANアクセスポイント3へ送信する。なお、自動チェックインに設定されている場合、買い物用アプリが無線端末2上で起動していれば、買い物リスト表示画面70hを表示部22に表示していない状態であっても、送受信部61は、チェックイン要求を送信する。
【0074】
手動チェックインおよび自動チェックインのいずれの場合も、買い物リストに設定された購入予定商品情報のすべてがチェックイン要求に設定されるが、送受信部61は、一部の購入予定商品情報をチェックイン要求に設定することもできる。例えば、送受信部61は、表示部22に表示された購入予定商品情報のみをチェックイン要求に設定し、新たな購入予定商品情報が表示部22に表示されるタイミングで、かかる新たな購入予定商品情報を含む追加のチェックイン要求を行うこともできる。
【0075】
送受信部61は、チェックイン要求に対し、情報提供装置4から無線LANアクセスポイント3経由で無線LAN部20へ送信される販売商品情報を受信し、記憶部24に記憶している買い物リストテーブルに設定する。
図4に示す買い物リストテーブルでは、上述したように、例えば、食材名「牛乳」である購入予定商品に対する販売商品情報として、ファイル名「Z00004.text」のデータ(
図5参照)が設定される。
【0076】
表示制御部63は、買い物リストテーブルに販売商品情報が設定されると、かかる販売商品情報を記憶部24から読み出して買い物リスト表示画面70jを生成し、表示部22に表示する。買い物リスト表示画面70jは、購入予定商品情報に対応付けてAP設置店舗内で販売している商品の情報が配置される。例えば、購入予定商品「キャベツ」に対して、AP設置店舗内で販売している商品「キャベツ」の在庫状態として「在庫有り」が設定され、価格が「100円〜」に設定される。
【0077】
このように、無線端末2が購入予定商品に対応する販売商品情報を表示部22に表示することから、端末ユーザは、AP設置店舗内においてチェックインすることにより、入店した店舗に所望の商品があるかやその価格を極めて容易に把握できる。なお、
図7に示す例では、在庫状態と価格の情報とを表示しているが、その他の購入予定商品情報をユーザの選択により表示することもできる。
【0078】
また、情報提供装置4から送信される販売商品情報には
図5に示すように、AP設置店舗の名称も含まれ、買い物リスト表示画面70jには、店舗名が表示される。そのため、端末ユーザは、例えば、自動チェックインによって無線端末2が販売商品情報を自動的に取得した場合であっても、その販売商品情報がどの店舗の情報なのかを容易に把握することができる。
【0079】
買い物リスト表示画面70jにおいて、端末ユーザが「牛乳」を選択すると、表示制御部63は、記憶部24に記憶している買い物リストテーブルから食材名「牛乳」に対応する商品広告情報を読み出す。買い物リストテーブルが
図4に示す状態である場合、送受信部61は、食材名「牛乳」に対応する商品広告情報として、ファイル名「W00004.text」のデータを記憶部24から読み出し、商品広告情報画面71aを生成して表示部22に表示する。
【0080】
図7に示すように、商品広告情報画面71aは、買い物リスト表示画面70j上にオーバラップ表示されるポップアップ画面であり、商品広告情報として、例えば、「○○牛乳」の広告情報と、「△△牛乳」の広告情報などが設定される。なお、商品広告情報画面71aのレイアウトは一例であり、例えば、端末ユーザの設定により変更ができる。
【0081】
商品広告情報画面71aには閉じるボタン72dが配置されており、端末ユーザは、閉じるボタン72dを選択することで、商品広告情報画面71aを閉じることができる。表示制御部63は、閉じるボタン72dが選択されると、商品広告情報画面71aに代えて販売商品情報画面71bを生成して表示部22に表示する。
【0082】
具体的には、表示制御部63は、買い物リスト表示画面70jにおいて端末ユーザが選択した食材名「牛乳」に対応する販売商品情報を買い物リストテーブルから取得する。買い物リストテーブルが
図4に示す状態である場合、送受信部61は、食材名「牛乳」に対応する販売商品情報として、ファイル名「Z00004.text」のデータを記憶部24から読み出し、販売商品情報画面71bを生成して表示部22に表示する。
【0083】
図7に示すように、販売商品情報画面71bは、買い物リスト表示画面70j上にオーバラップ表示されるポップアップ画面であり、販売商品情報として3種類の「牛乳」の商品名、価格、在庫数、棚位置を含む情報が設定される。なお、販売商品情報画面71bのレイアウトは一例であり、例えば、端末ユーザの設定により変更ができる。例えば、販売商品の産地、栄養成分、カロリー、販売状況などの詳細情報を表示することもできる。また、販売商品情報画面71bにも閉じるボタン72eが配置されており、端末ユーザは、閉じるボタン72eを選択することで、販売商品情報画面71bを閉じることができる。
【0084】
また、商品名には商品を紹介するページ(以下、商品紹介ページと記載する)のアドレスが埋め込まれており、端末ユーザは、商品広告情報画面71a上の商品名や販売商品情報画面71b上の商品名を選択すると、送受信部61が通信ネットワーク7を介してメーカのサイトサーバから選択された商品名に対応する商品紹介ページを取得して表示部22に表示する。例えば、商品名「○○牛乳」を選択すると、送受信部61が通信ネットワーク7を介してメーカのサイトサーバから商品名「○○牛乳」に対応する商品紹介ページを取得して表示部22に表示する。なお、ユーザの設定により、商品名を選択した場合に、例えば、販売商品の価格、在庫数、棚位置の他、産地、栄養成分、カロリー、販売状況などの詳細情報が設定された表示画面を表示することもできる。
【0085】
買い物リスト表示画面70jには、特売品ボタン72cが配置されており、端末ユーザが特売品ボタン72cを選択すると、表示制御部63は、記憶部24に記憶している販売商品情報から特売品の情報を抽出し、特売品表示画面71cを生成して表示部22に表示する。「特売品」は、販売商品情報において、「通常価格」よりも「販売価格」が低い販売商品であり、例えば、
図5に示す販売商品情報では、販売商品「○○牛乳」の販売価格「225円」が通常価格「255円」よりも低いため、販売商品「○○牛乳」が「特売品」として抽出される。
【0086】
特売品表示画面71cは、買い物リスト表示画面70j上にオーバラップ表示されるポップアップ画面であり、
図7に示す例では、特売品として販売商品「○○牛乳」が設定され、メーカ名、通常価格、販売価格、棚位置および在庫数が設定される。なお、特売品表示画面71cのレイアウトは一例であり、例えば、端末ユーザの設定により変更ができる。
【0087】
特売品表示画面71cにも閉じるボタン72fが配置されており、端末ユーザは、閉じるボタン72fを選択することで、特売品表示画面71cを閉じることができる。また、商品名には商品紹介ページのアドレスが埋め込まれており、端末ユーザは、商品名「○○牛乳」を選択すると、送受信部61が通信ネットワーク7を介してメーカのサイトサーバから商品名「○○牛乳」に応じた商品紹介ページを取得して表示部22に表示する。
【0088】
このように、買い物用アプリでは、買い物リストに購入予定商品情報を設定することにより、AP設置店舗内で販売している商品の価格、在庫状況、棚位置、メーカ名などの詳細情報を容易に取得でき、また、メーカのページの閲覧も容易に行える。これにより、端末ユーザは楽しく快適に買い物ができ、AP設置店舗の魅力を飛躍的に向上させることができる。
【0089】
また、表示制御部63は、商品広告情報画面71aを表示した後、販売商品情報画面71bを表示することから、商品の広告効果を高めることができる。なお、表示制御部63は、端末ユーザの操作がない場合、例えば、商品広告情報画面71aと販売商品情報画面71bを所定期間毎に交互に表示することができる。また、表示制御部63は、販売商品情報画面71bを表示した後に、商品広告情報画面71aを表示することもできる。なお、広告表示設定が「OFF」である場合には、商品広告情報画面71aを表示することなく、販売商品情報画面71bが表示部22に表示される。
【0090】
〔2.2.無線LANアクセスポイント3〕
次に、無線LANアクセスポイント3について説明する。無線LANアクセスポイント3は、
図2に示すように、無線LAN部31と、制御部32と、通信部33と、記憶部34とを有する。無線LAN部31は、無線LAN通信機能を搭載した無線端末2との間で情報の送受信を行い、通信部33は通信ネットワーク7との間で情報の送受信を行う。
【0091】
制御部32は、無線LANアクセスポイント3の全体を制御し、情報中継処理を行う中継部35と、無線端末2の検出処理を行う検出部36を備える。中継部35は、例えば、無線端末2から無線LAN部31を介して取得した情報を通信部33から情報提供装置4へ送信し、また、情報提供装置4から通信部33を介して取得した情報を無線LAN部31から無線端末2へ送信する。
【0092】
なお、無線LANアクセスポイント3から情報提供装置4への情報送信は、例えば、無線LANアクセスポイント3に割り当てられる通信ネットワーク7のアドレスを送信元アドレスとし、情報提供装置4に割り当てられる通信ネットワーク7のアドレスを送信先アドレスとしたパケット通信により行われる。通信ネットワーク7のアドレスは、例えば、通信部33に割り当てられるアドレスであり、以下、AP−IDと記載する。
【0093】
検出部36は、無線端末2から送信される無線パケットを無線LAN部31を介して取得することで、無線端末2の存在を検出する。
図8Aおよび
図8Bは、無線LANアクセスポイント3と無線端末2との間のセッション確立のシーケンスを示す図である。
【0094】
図8Aに示す例では、無線端末2から周期的にプローブ要求と呼ばれる無線パケットがブロードキャストなどによって送信されており、検出部36は、かかる無線パケットを無線LAN部31経由で取得することで、無線端末2の存在を検出する。
【0095】
プローブ要求にはBSSID(Basic Service Set Identifier)が含まれており、検出部36は、無線LAN部31のBSSIDと一致する場合に、プローブ応答を無線端末2へ送信する。プローブ応答を受信した無線端末2は、自動通信の設定がされている場合、通信中状態へ移行する。
【0096】
通信中状態への移行は、
図8Aに示すように、アソシエーション要求とアソシエーション応答によりセッションを確立することによって行われ、その後、無線端末2と無線LAN部31との間で、データフレームやコントロールフレームの送受信が行われて通信中状態になる。
【0097】
なお、無線端末2から切断要求があった場合や、無線端末2と無線LAN部31との間で無線パケットを送受信できなくなった場合に、通信中状態が解除される。検出部36は、通信中状態へ移行した場合、通信中状態が解除されるまで繰り返し無線パケットを受信しており、無線端末2の存在を検出している状態である。
【0098】
また、検出部36は、周期的に無線パケットが送信されない無線端末2に対して、例えば、
図8Bに示すように、ビーコンと呼ばれる無線パケットを無線LAN部31を介してブロードキャストし、かかるビーコンに対するアソシエーション要求を受信することで、無線端末2の存在を検出する。
【0099】
アソシエーション要求を受信した検出部36は、アソシエーション応答を無線端末2へ送信することによってセッションを確立し、無線端末2と無線LAN部31との間を通信中状態にする。なお、無線端末2から切断要求があった場合や、無線端末2と無線LAN部31との間で無線パケットを送受信できなくなった場合に、通信中状態が解除される。
図8Aに示す例の場合に、検出部36は、通信中状態へ移行すると、その後、通信中状態が解除されるまで繰り返し無線パケットを受信しており、無線端末2の存在を検出している状態である。
【0100】
検出部36は、例えば無線端末2を検出したと判定すると、通信部33を介して検出情報を情報提供装置4へ送信する。具体的には、検出部36は、無線端末2から送信される無線パケットに含まれる端末IDを抽出し、さらに無線パケットの電波強度を検出する。端末IDは、例えば、無線端末2の無線LAN部20のMACアドレスであり、無線パケットに付加されて無線端末2から送信される。
【0101】
そして、検出部36は、無線端末2の端末IDおよび電波強度の情報に加え、自身の無線LAN部31の識別情報(以下、AP−IDと記載する)を含む情報を検出情報として、情報提供装置4へ送信する。AP−IDとしては、例えば、通信部33に割り当てられる通信ネットワーク7のネットワークアドレスを用いることができる。
【0102】
また、検出部36は、AP通信エリアでの無線端末2の滞在時間をカウントすることもでき、この場合、無線端末2の滞在時間を検出情報に含めて情報提供装置4へ送信することもできる。
【0103】
〔2.3.情報提供装置4〕
次に、情報提供装置4について説明する。情報提供装置4は、
図2に示すように、通信部41と、店舗情報DB42と、広告情報DB43と、制御部44とを備える。さらに制御部44は、店舗情報提供部51と、広告情報提供部52と、決済処理部53と、プログラム提供部54とを有する。
【0104】
通信部41は、例えば、NIC(Network Interface Card)等のインタフェースである。制御部44は、通信部41および通信ネットワーク7を介して、無線LANアクセスポイント3、決済サーバ5および店舗端末8などとの間で各種の情報を送受信する。店舗情報DB42および広告情報DB43は、例えば、ハードディスク、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、光ディスク等の記憶装置である。店舗情報DB42は、例えば、店舗情報テーブルや販売商品情報テーブルを記憶する。
【0105】
制御部44は、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。また、制御部44は、例えば、CPUやMPU等によって、内部の記憶部に記憶されているプログラム(コンテンツ利用管理プログラムを含む)がRAMを作業領域として実行されることにより実現されることで、店舗情報提供部51、広告情報提供部52、決済処理部53およびプログラム提供部54として機能する。なお、制御部44の構成は、かかる構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0106】
(店舗情報提供部51)
店舗情報提供部51は、無線LANアクセスポイント3を介して無線端末2からチェックイン要求があった場合、店舗情報DB42から対応する販売商品情報を取得し、かかる販売商品情報を無線LANアクセスポイント3経由で無線端末2へ送信する。
【0107】
具体的には、店舗情報提供部51は、チェックイン要求を転送した無線LANアクセスポイント3のAP−IDに基づき、店舗情報テーブルから店舗IDを特定する。そして、店舗情報提供部51は、特定した店舗IDに対応する店舗で販売されている商品のうち、チェックイン要求に含まれる購入予定商品の情報に対応する販売商品の情報を、販売商品情報テーブルから取得し、取得した購入予定商品の情報を無線LANアクセスポイント3経由で無線端末2へ送信する。
【0108】
店舗情報テーブルおよび販売商品情報テーブルは、店舗情報DB42に記憶される情報であり、情報提供装置4の管理者によって設定される。なお、販売商品情報テーブルのうち対応する各店舗に対応する販売商品情報は、店舗端末8から設定することができる。制御部44は、店舗端末8から販売商品情報の追加、変更または削除の指令である設定指令を店舗端末8から通信部41経由で取得すると、設定指令に応じて販売商品情報テーブルの販売商品情報の追加、変更または削除を行う。
【0109】
店舗情報テーブルは、例えば、
図9に示すように、「店舗ID」、「AP−ID」、「店舗名」、「店舗位置」および「提携店舗ID」が関連付けられた情報である。
図9は、店舗情報テーブルの一例を示す図である。
【0110】
「店舗ID」は、無線LANアクセスポイント3の設置場所の識別情報であり、設置場所である商業空間毎に割り当てられる。かかる商業空間には、2以上の無線LANアクセスポイント3を設置でき、無線LANアクセスポイント3のAP通信エリア毎に、異なる販売商品情報を提供することも可能である。
【0111】
「AP−ID」は、対応する「店舗ID」の店舗に設置された無線LANアクセスポイント3の識別情報である。例えば、
図9に示す例では、店舗ID「R1」の店舗に、AP−ID「P1」の無線LANアクセスポイント3が設置されていることを示している。なお、同一店舗IDの商業空間内に複数の無線LANアクセスポイント3が設置されている場合、一つの店舗IDに複数のAP−IDが割り当てられる。
【0112】
店舗情報提供部51は、例えば、店舗情報テーブルが
図9に示す状態であり、チェックイン要求を転送した無線LANアクセスポイント3のAP−IDが「P1」であれば、店舗情報テーブルに基づき、AP−ID「P1」に対応する店舗IDとして「R1」を特定する。
【0113】
なお、AP−IDは、例えば、チェックイン要求の送信元アドレスであり、店舗情報提供部51は、かかる送信元アドレスをAP−IDとして取得するが、AP−IDの取得方法はかかる方法に限定されない。例えば、無線LANアクセスポイント3は、データヘッダの情報ではなく、無線端末2から送信されるチェックイン要求のデータ本体にAP−IDを挿入して、情報提供装置4へ送信することもできる。この場合、店舗情報提供部51は、チェックイン要求のデータ本体からAP−IDを取得する。
【0114】
販売商品情報テーブルは、例えば、
図10に示すように、「店舗ID」、「対象商品」、「商品名」、「メーカ名」、「通常価格」、「販売価格」、「在庫状態」および「棚位置」などが関連付けられた情報である。
図10は、販売商品情報テーブルの一例を示す図である。なお、図示していないが、「商品名」に関連付けて、販売商品の産地、クーポン情報、商品紹介ページのアドレスなども設定される。
【0115】
「対象商品」は、例えば、「牛乳」、「パスタ」などのような商品の一般的名称の情報が設定される。かかる「対象商品」は、買い物リストに含まれる購入予定商品に対応する情報である。
【0116】
「商品名」は、対応する店舗で販売される商品個々の具体的名称であり、各メーカによって設定される名称である。例えば、
図10に示す例では、「○○牛乳」、「△△牛乳」および「□□牛乳」などが設定される。
【0117】
「通常価格」は、店舗内での商品の通常価格であり、「販売価格」は、店舗内での商品の販売価格である。「通常価格」よりも「販売価格」が低い商品は、割引価格で販売されていることを意味し、店舗内で特売品や目玉商品として取り扱われる。
【0118】
「在庫状態」は、店舗内での商品の在庫数であり、在庫がない場合には、「0」に設定れる。なお、在庫がない商品であっても、入荷予定の商品は、その旨の情報が設定される。「棚位置」は、店舗に設置された棚のうち、対応する商品が陳列される棚の位置を示す情報が設定される。
【0119】
店舗情報提供部51は、例えば、販売商品情報テーブルが
図10に示す状態であり、チェックイン要求に基づいて特定した店舗IDが「R1」であるとする。この場合、店舗情報提供部51は、例えば、チェックイン要求に含まれる購入予定商品の情報が「牛乳」のみであれば、店舗ID「R1」に対応する対象商品「牛乳」に設定された販売商品情報を販売商品情報テーブルから取得する。
【0120】
なお、店舗情報提供部51は、チェックイン要求に購入予定商品の設定日または設定日時(以下、設定日と総称する)の情報が含まれている場合、かかる設定日が所定期間前までの範囲である場合に限り、購入予定商品に対応する販売商品情報を販売商品情報テーブルから取得する。例えば、チェックイン要求に含まれる購入予定商品の情報が「牛乳」であり、かかる「牛乳」に対応する設定日が3日前までの日付けであれば「牛乳」に対応する販売商品情報を取得し、そうでなければ「牛乳」に対応する販売商品情報の取得は行わない。
【0121】
また、店舗情報提供部51は、購入予定商品の設定日に基づいて販売商品情報を取得するか否を判定する場合、設定日と比較する所定期間を購入予定商品毎に設定することができる。例えば、調味料などの保存がきく商品は所定期間を長くし、保存がきかない商品は所定期間を短くすることができる。
【0122】
このように販売商品情報テーブルから販売商品情報を取得した後、店舗情報提供部51は、無線端末2へ送信する販売商品情報として、例えば、
図5に示すようなファイル「Z00004.text」を作成する。店舗情報提供部51は、無線端末2へ送信する販売商品情報は、購入予定商品毎に作成するが、チェックイン要求に含まれる購入予定商品の情報が複数の場合には、販売商品情報テーブルから抽出した情報を一つのファイルにまとめることもできる。この場合、無線端末2の制御部25は、一つのファイルから購入予定商品毎の情報を抽出して買い物リストテーブルの販売商品情報に設定する。
【0123】
また、店舗情報提供部51は、販売商品情報テーブルから取得した販売商品情報を解析し、購入予定商品に対応するいずれの販売商品も在庫がない場合には、店舗情報テーブル(
図9参照)に設定されている提携店舗IDに基づき、購入予定商品に対応する他店舗の販売商品情報を店舗情報テーブルから取得し、かかる販売商品情報を無線端末2へ送信する。これにより、端末ユーザが入店した店舗内に所望する商品がない場合であっても、他店舗で在庫があることを端末ユーザに知らせることができる。
【0124】
例えば、店舗情報テーブルが
図9に示す状態であり、販売商品情報テーブルが
図10に示す状態であるとし、店舗ID「R1」の無線LANアクセスポイント3を介して「パスタ」を購入予定商品情報としたチェックイン要求が情報提供装置4で受信されたとする。この場合、店舗情報提供部51は、店舗ID「R1」に対応する対象商品「パスタ」に設定された販売商品「○○パスタ」および「△△パスタ」のいずれも在庫がないと判定し、店舗ID「R1」に対応する提携店舗ID「R2」に対応する対象商品「パスタ」の情報を販売商品情報テーブルから取得する。
【0125】
提携店舗ID「R2」に対応する対象商品「パスタ」に設定された販売商品「○○パスタ」および「△△△パスタ」はいずれも在庫があることから、店舗情報提供部51は、提携店舗ID「R2」に対応する対象商品「パスタ」に設定された販売商品情報を無線端末2へ送信する。これにより、無線端末2の制御部25は、例えば、
図7の買い物リスト表示画面70jを表示部22に表示することができ、端末ユーザは、A店に「パスタ」の在庫がなく、B店に「パスタ」の在庫があることを、A店にいながら把握することができる。なお、この場合、無線端末2の送受信部61は、「パスタ」の価格などを買い物リスト表示画面70jに設定することもできる。
【0126】
また、店舗情報提供部51は、無線端末2からのチェックイン要求を受信した場合、無線端末2に対してポイント(以下、来店ポイントと記載する)を付与する。来店ポイントは、店舗情報DB42の端末情報テーブルに設定される。
【0127】
端末情報テーブルは、例えば、
図11に示すように、「店舗ID」、「端末ID」、「ポイント」、「滞在時間」および「電波強度」が関連付けられた情報である。
図11は、端末情報テーブルの一例を示す図である。
【0128】
「端末ID」は、例えば、無線端末2の無線LAN部20のMACアドレスである。「ポイント」は、各無線端末2に対して店舗毎に付与されるポイントである。「滞在時間」は、店舗における無線端末2の滞在時間であり、「電波強度」は、無線端末2が送信する無線パケットの電波強度である。「端末ID」、「滞在時間」および「電波強度」は、例えば、無線LANアクセスポイント3から送信される検出情報に基づき、制御部44によって端末情報テーブルに設定される。
【0129】
「滞在時間」は、無線端末2が店舗にチェックインしてからの経過時間である。また、「電波強度」は、検出情報に含まれる最新の電波強度であるが、無線端末2が店舗にチェックインしてからの平均電波強度であってもよい。この場合、「滞在時間」および「電波強度」の情報は、検出情報に基づいて制御部44によって算出されて端末情報テーブルに設定される。
【0130】
店舗情報提供部51は、無線端末2からチェックイン要求を受信すると、端末情報テーブルにおいて、チェックイン要求を送信した無線端末2の端末IDに対応する「ポイント」に予め設定された入店ポイントを加算する。また、店舗情報提供部51は、入店ポイントとトータルポイントとを含むポイント情報を無線LANアクセスポイント3経由で無線端末2へ送信する。
【0131】
無線端末2の表示制御部63は、情報提供装置4から取得したポイント情報に基づき、ポイント付与画面を生成して表示部22に表示する。
図12は、ポイント付与画面の一例を示す図である。
図12に示すポイント付与画面71dでは、入店ポイントが10ポイントであり、トータルポイントが210ポイントであることを示している。
【0132】
また、店舗情報提供部51は、上述のように、端末情報テーブルにおいて、無線LANアクセスポイント3から送信される検出情報に基づいて「滞在時間」および「電波強度」を設定する。店舗情報提供部51は、端末情報テーブルに設定した「滞在時間」および「電波強度」に基づいて販売商品情報テーブルからの販売商品情報の取得タイミングなどを設定することができる。
【0133】
例えば、店舗情報提供部51は、チェックイン要求があった場合でも、無線端末2の滞在時間が所定時間(以下、滞在時間閾値と記載する)以内である場合や電波強度が所定閾値(以下、電波強度閾値と記載する)以下である場合には、販売商品情報テーブルから販売商品情報を取得しないようにできる。このようにすることで、AP設置店舗に端末ユーザを確実に入店状態にさせることができ、店舗側の販売機会を向上させることができる。
【0134】
なお、この場合、無線端末2の送受信部61は、例えば、チェックイン要求に対して販売商品情報が情報提供装置4から送信されるまで周期的(例えば、10秒ごと)にチェックイン要求を情報提供装置4へ送信する。
【0135】
また、店舗情報提供部51は、販売商品情報単位で送信条件を設定することもできる。例えば、超特価に設定された販売商品情報をその他の販売商品情報よりも滞在時間閾値を長くしたり、電波強度閾値を大きくしたりすることができる。これにより、端末ユーザをAP設置店舗で長く滞在させたり、無線LANアクセスポイント3の周囲に近づけることが可能となる。
【0136】
なお、店舗情報提供部51による処理に代えて、無線端末2の制御部25の処理によって、販売商品情報の送信タイミングを変更するようにしてもよい。例えば、無線端末2の制御部25は、電波強度や滞在時間を無線LAN部20の通信状態に基づいて検出し、滞在時間が所定時間を超えた場合や電波強度が所定閾値を超えた場合に、チェックイン要求を無線LANアクセスポイント3経由で情報提供装置4へ送信することもできる。また、無線端末2の制御部25によって購入予定商品単位でチェックイン要求の送信タイミングの条件を設定するようにしてもよい。
【0137】
(広告情報提供部52)
次に、広告情報提供部52について説明する。広告情報提供部52は、チェックイン要求に含まれる購入予定商品の情報を検索キーワードとして広告情報DB43から商品広告情報を検索する。
【0138】
広告情報DB43には、各検索キーワードと1以上の商品広告情報とを関連付けた情報を記憶しており、広告情報提供部52から入力される購入予定商品の情報を検索キーワードとし、かかる検索キーワードに対応する1以上の広告情報を広告情報提供部52へ出力する。そして、広告情報提供部52は、広告情報DB43から取得した広告情報を商品広告情報として無線LANアクセスポイント3経由で無線端末2へ送信する。
【0139】
例えば、広告情報DB43において、検索キーワード「牛乳」に対して○○牛乳の広告情報、△△牛乳の広告情報および□□牛乳の広告情報が関連付けられているとする。この場合、広告情報提供部52は、「牛乳」をキーワードとして、○○牛乳、△△牛乳および□□牛乳のそれぞれの広告情報を商品広告情報として無線端末2へ送信する。
【0140】
なお、広告情報提供部52は、取得した商品広告情報のうち、無線端末2からのチェックイン要求に対して店舗情報提供部51が取得した販売商品情報に含まれる商品と一致する商品広告情報のみを無線端末2へ送信することもできる。これにより、AP設置店舗で販売される商品と無関係な商品の広告が無線端末2において表示されないため、販売商品情報の情報量を低減することができ、また、効率的な広告を行うことができる。
【0141】
また、広告情報提供部52は、購入予定商品の情報を検索キーワードとして、外部の広告サーバから検索キーワードに対応する商品広告情報を取得するようにしてもよい。この場合、情報提供装置4に広告情報DB43がなくてもよい。
【0142】
(決済処理部53)
次に、決済処理部53について説明する。決済処理部53は、販売商品情報や商品広告情報を受信した端末ユーザが無線LANアクセスポイント3の設置店舗内で販売商品情報や商品広告情報に対応する販売商品を購入したことを示す購入情報を取得する。例えば、店舗端末8は、AP設置店舗内で販売される商品を端末ユーザが購入した場合、購入商品の価格と端末IDとを含む購入情報を情報提供装置4へ送信することができ、決済処理部53はかかる購入情報を取得する。
【0143】
また、買い物用アプリでは、AP設置店舗内で買い物リストの食材のうち購入した食材の情報を入力することができ、無線端末2の送受信部61は、端末ユーザが購入した食材情報(食材の購入金額を含む)と端末IDとを含む購入情報を無線LANアクセスポイント3経由で送信することができる。
【0144】
なお、情報提供装置4において、端末IDに対応する固有情報を関連付けて記憶している場合には、決済処理部53は、かかる固有情報と共に送信される購入商品の情報(価格の情報を含む)を取得することもできる。例えば、決済処理部53は、クレジットカード番号と購入商品とを購入情報としてクレジット会社の装置から取得することもできる。
【0145】
さらに、決済処理部53は、購入情報を取得した場合に、無線LANアクセスポイント3の設置店舗側が端末ユーザから受け取る対価の一部を、情報提供装置4の情報提供サービス業者が受け取る対価(以下、サービス料とする)として、決済処理の要求を決済サーバ5へ送信することにより決済処理を行う。
【0146】
無線LANアクセスポイント3の設置店舗側が端末ユーザから受け取る対価は、端末ユーザがAP設置店舗内で購入した商品の購入金額であり、決済処理部53は、例えば、端末ユーザが購入した商品の購入金額の3%をサービス料として算出し、決済サーバ5に対して決済を要求する。
【0147】
(プログラム提供部54)
次に、プログラム提供部54について説明する。プログラム提供部54は、買い物用アプリのプログラムデータを保持しており、無線端末2からのプログラム送信要求に応じて、要求元の無線端末2へ通信ネットワーク7を介して買い物用アプリのプログラムデータを送信する。
【0148】
なお、買い物用アプリのプログラムデータは、情報提供装置4とは異なるプログラム送信サーバから行うこともできる。また、買い物用アプリのプログラムデータには、レシピ情報テーブルが含まれるが、レシピ情報テーブルを含まないようにしてもよい。この場合、無線端末2の送受信部61は、レシピ情報テーブルを保持するサーバ(図示せず)へレシピ情報テーブルの情報を要求して取得し、記憶部24に記憶する。
【0149】
〔3.情報提供システム1の処理フロー〕
次に、実施形態に係る情報提供システム1による情報提供処理の手順について説明する。
図13〜
図16は、情報提供システム1による情報提供処理フローを説明するための図である。以下においては、
図13を参照して無線端末2の処理を説明し、
図14を参照して無線LANアクセスポイント3の処理を説明し、
図15および
図16を参照し、情報提供装置4の処理を説明する。
【0150】
(無線端末2の処理)
まず、無線端末2の買い物用アプリの処理について説明する。なお、表示制御についてすでに詳述しており、ここでは、買い物用アプリの処理のうちチェックイン処理について説明する。
図13は、買い物用アプリによるチェックイン処理のフローチャートである。かかるチェックイン処理は、買い物用アプリを動作させた制御部25によって繰り返し実行される処理である。
【0151】
図13に示すように、無線端末2の制御部25は、無線端末2がAP通信エリア内に進入しているか否かを判定する(ステップS10)。制御部25は、例えば、無線LANアクセスポイント3との通信のセッションが確立され、通信中状態へ移行している場合に、無線端末2がAP通信エリア内に進入していると判定する。
【0152】
無線端末2がAP通信エリア内に進入していると判定すると(ステップS10;Yes)、制御部25は、チェックイン機能が自動に設定されているか否かを判定する(ステップS11)。チェックイン機能が自動に設定されている場合(ステップS11;Yes)、制御部25は、処理をステップS14へ移行する。一方、チェックイン機能が自動に設定されていない場合(ステップS11;No)、制御部25は、買い物リスト表示画面を生成して表示部22に表示する(ステップS12)。
【0153】
次に、制御部25は、買い物リスト表示画面において、端末ユーザがチェックイン操作をしたか否かを判定する(ステップS13)。制御部25は、例えば、
図7に示す買い物リスト表示画面70iが表示されている状態で、チェックインボタン72bが端末ユーザにより操作された場合に、チェックイン操作が行われたと判定する。
【0154】
所定期間内にチェックイン操作が行われたと判定すると(ステップS13;Yes)、制御部25は、処理をステップS14へ移行する。一方、所定期間内にチェックイン操作が行われていないと判定すると(ステップS13;No)、制御部25は、買い物リスト表示画面に代えてメイン選択画面70aを表示部22に表示し、チェックイン処理を終了する。
【0155】
ステップS14において、制御部25は、チェックイン要求を無線LANアクセスポイント3経由で情報提供装置4へ送信する(ステップS14)。かかるチェックイン要求は、上述したように、買い物リストに含まれる購入予定商品情報や端末IDなどを含む。
【0156】
制御部25は、送信したチェックイン要求に対して情報提供装置4から無線LANアクセスポイント3経由で送信される販売商品情報や商品広告情報を取得し、記憶部24に記憶し(ステップS15)、チェックイン処理を終了する。また、制御部25は、ステップS10において無線端末2がAP通信エリア内に進入していないと判定した場合(ステップS10;No)も、チェックイン処理を終了する。
【0157】
(無線LANアクセスポイント3の処理)
次に、実施形態に係る無線LANアクセスポイント3の情報処理について、
図14を参照して説明する。
図14は、無線LANアクセスポイント3における情報処理のフローチャートである。かかる動作は、無線LANアクセスポイント3の制御部32によって繰り返し実行される処理である。
【0158】
図14に示すように、無線LANアクセスポイント3の制御部32は、無線端末2を検出したか否かを判定する(ステップS20)。かかる処理において、無線端末2を検出したと判定すると(ステップS20;Yes)、通信部33を介して検出情報を情報提供装置4へ送信する(ステップS21)。
【0159】
ステップS20の処理において、無線端末2を検出していないと判定した場合(ステップS20;No)、または、ステップS21の処理が終了した場合、制御部32は、情報提供装置4から通信部33を介して情報を受信したか否かを判定する(ステップS22)。情報提供装置4から情報を受信したと判定すると(ステップS22;Yes)、制御部32は、情報提供装置4から受信した情報をこの情報の宛先となる無線端末2へ転送する(ステップS23)。
【0160】
ステップS22において、情報提供装置4から情報を受信していないと判定した場合(ステップS22;No)、または、ステップS23の処理が終了した場合、制御部32は、無線端末2から情報提供装置4に対する要求があるか否かを判定する(ステップS24)。無線端末2から情報提供装置4に対する要求があると判定すると(ステップS24;Yes)、制御部32は、無線端末2からの要求を通信部33を介して情報提供装置4に転送する(ステップS25)。
【0161】
ステップS25の処理が終了した場合、または、ステップS24において、無線端末2から情報提供装置4に対する要求がないと判定された場合(ステップS24;No)、制御部32は処理を終了する。制御部32は、例えば、ステップS20、S21の処理、ステップS22、S23の処理、および、ステップS24、S25の処理をそれぞれマルチタスク処理によって実行することができる。
【0162】
(情報提供装置4の処理)
次に、情報提供装置4の処理について説明する。
図15は、情報提供装置4における情報処理のフローチャートである。かかる動作は、情報提供装置4の制御部44によって繰り返し実行される処理である。
【0163】
図15に示すように、制御部44は、通信部41を介して無線LANアクセスポイント3からの検出情報を受け付けたか否かを判定する(ステップS30)。検出情報を受け付けた場合(ステップS30;Yes)、制御部44は、受け付けた検出情報に基づいて端末情報テーブルを更新する(ステップS31)。
【0164】
ステップS30において、検出情報を受け付けていない場合(ステップS30;No)、または、ステップS31の処理が終了した場合、制御部44は、通信部41を介して無線端末2からチェックイン要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS32)。チェックイン要求を受け付けた場合(ステップS32;Yes)、制御部44は、情報提供処理を実行する(ステップS33)。かかる情報提供処理は、
図16に示すステップS40〜S42の処理であり、後で詳述する。
【0165】
ステップS32において、情報提供要求を受け付けていない場合(ステップS32;No)、または、ステップS33の処理が終了した場合、制御部44は、通信部41を介して無線端末2からプログラム要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS34)。無線端末2からプログラム要求を受け付けた場合(ステップS34;Yes)、制御部44は、買い物用アプリケーションのプログラムデータを無線端末2へ送信する(ステップS35)。
【0166】
ステップS34において、無線端末2からプログラム要求を受け付けていない場合(ステップS34;No)、または、ステップS35の処理が終了した場合、制御部44は、通信部41を介して無線端末2から購入情報を取得したか否かを判定する(ステップS36)。購入情報を受け付けた場合(ステップS36;Yes)、制御部44は、端末ユーザが購入した商品の金額の一部を情報提供サービス業者が受け取るサービス料として決済処理を行う(ステップS37)。
【0167】
ステップS37の処理が終了した場合、または、ステップS36においてプログラム要求を受け付けていない場合(ステップS36;No)、制御部44は、処理を終了する。
【0168】
次に、
図15に示すステップS33に示す情報提供処理について説明する。
図16は、情報提供装置4における情報提供処理のフローチャートである。
【0169】
図16に示すように、情報提供処理では、制御部44は、チェックイン要求に含まれる購入予定商品に対する販売商品情報を店舗情報DB42から取得する(ステップS40)。また、制御部44は、チェックイン要求に含まれる購入予定商品に対する商品広告情報を広告情報DB43から取得する(ステップS41)。
【0170】
そして、制御部44は、店舗情報DB42から取得した販売商品情報と広告情報DB43から取得した商品広告情報とを、チェックイン要求を行った無線端末2へ無線LANアクセスポイント3経由で送信し(ステップS42)、情報提供処理を終了する。
【0171】
〔4.変形例〕
上述の実施形態では、情報提供装置4の制御部44は、無線端末2からチェックイン要求があった場合に、販売商品情報や商品広告情報を取得するものとしたが、販売商品情報や商品広告情報を取得するタイミングはチェックイン要求があった場合でなくてもよい。例えば、無線端末2の送受信部61は、端末ユーザが購入予定商品を選択する度に、選択された購入予定商品の情報を情報提供装置4へ送信し、情報提供装置4の制御部44は、購入予定商品の情報を受け付ける度に、購入予定商品に対応する販売商品情報や商品広告情報を無線端末2へ送信するようにしてもよい。
【0172】
また、上述の実施形態では、買い物用アプリが動作している状態でAP設置店舗内に進入した場合に、チェックインが可能であったが、無線LANアクセスポイント3から買い物用アプリを起動させるための起動指令を無線端末2へ送信するようにしてもよい。この場合、無線端末2の制御部25は、起動指令を受信すると、買い物用アプリを動作させ、チェックイン要求を無線LANアクセスポイント3経由で情報提供装置4へ送信する。
【0173】
また、無線端末2において、GPS(Global Positioning System)受信機能を有している場合、無線端末2の制御部25は、無線端末2の現在位置(緯度および経度)の情報を取得することができる。かかる無線端末2の制御部25では、例えば、棚位置の情報に緯度経度の情報が含まれていれば、より棚位置に近い購入予定商品情報を買い物リストの上位に配置した買い物リスト表示画面を生成するなどの処理が可能である。
【0174】
また、無線端末2の表示制御部63は、AP設置店舗内において買い物リストに設定された購入予定商品が全て揃う場合には、その旨の表示を表示部22に表示したり、合計金額の範囲を算出して算出結果を表示部22に表示したりすることもできる。
【0175】
また、無線端末2の情報管理部62は、販売商品情報や商品広告情報を記憶部24に記憶した後、無線端末2がAP設置店舗内から退出した場合には、記憶部24に記憶した販売商品情報や商品広告情報を消去する。このようにすることで、使用するメモリ容量を抑えることができる。
【0176】
なお、AP設置店舗から退出した場合であっても、所定期間(例えば、1日)経過するまでは、記憶部24に記憶した販売商品情報や商品広告情報を保持するようにし、所定期間が経過したときに消去するようにもできる。これにより、例えば、A店舗からB店舗に無線端末2が移動した場合、表示制御部63は、A店舗とB店舗の販売商品情報を比較表示するようにすることもでき、端末ユーザは、より割引率が高い店舗での購入を容易に行うことができる。
【0177】
〔5.効果〕
実施形態にかかる情報提供システム1は、無線端末2と、無線LANアクセスポイント3(無線LAN通信装置の一例)と、情報提供装置4とを有する。そして、無線端末2において、記憶部24(記憶手段の一例)が、複数の購入予定商品の情報を含む買い物リストを記憶し、送受信部61(送信手段の一例)が、買い物リストに含まれる購入予定商品の情報を送信し、送受信部61(受信手段の一例)が、購入予定商品に対応する販売商品の情報を受信し、表示制御部63が、送受信部61により受信した販売商品の情報を表示部22(表示手段の一例)に表示する。また、無線LANアクセスポイント3において、検出部36(検出手段の一例)が、無線LANアクセスポイント3の設置店舗内に存在する無線端末2を検出し、中継部35(中継手段の一例)が、検出部36によって検出された無線端末2から送信される購入予定商品の情報を情報提供装置4へ転送し、購入予定商品に対応する販売商品の情報を情報提供装置4から取得して無線端末2へ転送する。また、情報提供装置4は、店舗情報提供部51または広告情報提供部52(端末情報取得手段、店舗情報取得手段および送信手段の一例)が、無線LANアクセスポイント3の設置店舗内に存在する無線端末2から送信される購入予定商品の情報を無線LANアクセスポイント3から取得し、さらに、無線LANアクセスポイント3の設置店舗における販売商品の情報のうち、購入予定商品の情報に対応する販売商品の情報を取得し、取得した販売商品の情報を無線LANアクセスポイント3へ送信する。
【0178】
かかる構成により、買い物リストの設定状態に応じてAP設置店舗で販売される商品の情報が無線端末2の表示部22に表示される。したがって、買い物リストに購入予定商品を設定しておくことにより、AP設置店舗に進入した無線端末2のユーザは、AP設置店舗で販売される商品のうち所望の商品の情報を容易に把握することができ、これにより、AP設置店舗内での買い物を快適に行うことができる。また、AP設置店舗側も、リアルタイムで実店舗へ来店している顧客に対して売りたい商品を訴求することが可能となり、売り上げを向上させることができる。
【0179】
また、情報提供装置4において、店舗情報DB42(店舗情報記憶手段の一例)が、無線LANアクセスポイント3の設置店舗毎に、当該設置店舗における販売商品の価格、在庫状態、陳列位置、産地およびメーカ情報のうち少なくとも一つの情報を販売商品の情報として記憶し、店舗情報提供部51が、購入予定商品の情報に対応する販売商品の情報を店舗情報DB42から取得する。
【0180】
かかる構成により、無線LANアクセスポイント3の設置店舗毎に、AP設置店舗で販売される商品の情報を無線端末2の表示部22に表示することができる。
【0181】
また、店舗情報提供部51が、購入予定商品の情報を送信した無線LANアクセスポイント3の設置店舗とは異なる店舗に販売される商品の情報を購入予定商品に対応する販売商品の情報として店舗情報DB42から取得する。
【0182】
かかる構成により、無線端末2のユーザは、入店している店舗とは異なる店舗の販売商品の情報を取得することができ、AP設置店舗の魅力を飛躍的に向上させることができる。また、入店している店舗で在庫がない商品についてのみ他店舗の情報を表示することができ、これより、店舗間に連携を持たせつつ、店舗内の商品の販売を促進することができる。
【0183】
また、店舗情報提供部51が、購入予定商品の情報を検索キーワードとして検索した広告情報を、購入予定商品の情報に対応する販売商品の情報として広告情報DB43から取得する。
【0184】
かかる構成により、買い物リストの設定状態に応じた商品の広告情報が無線端末2の表示部22に表示される。したがって、端末ユーザは、例えば、最近よく宣伝している商品の情報をキーワードを入れて検索する作業が不要となり、これにより、AP設置店舗内での買い物を快適に行うことができる。
【0185】
また、情報提供装置4において、決済処理部53が、販売商品の情報を受信した無線端末2のユーザが無線LANアクセスポイント3の設置店舗内で販売商品を購入したことを示す購入情報を取得し、かかる購入情報を取得した場合に、無線LANアクセスポイント3の設置店舗側が無線端末2のユーザから受け取る対価の一部を、情報提供装置4の情報提供サービス業者が受け取る対価として、決済処理を行う。
【0186】
かかる構成により、情報提供装置4の情報提供サービス業者は、サービスの提供に対する対価を受け取ることができ、AP設置店舗、端末ユーザおよび情報提供サービス業者の三者に利益があるシステムを構築することができる。
【0187】
また、無線LANアクセスポイント3の検出部36が、無線LANアクセスポイント3の設置店舗内における無線端末2の電波強度および/または滞在時間を検出し、当該検出結果の情報を情報提供装置4へ送信し、情報提供装置4の店舗情報提供部51が、無線端末2の電波強度および/または滞在時間に基づいて、購入予定商品の情報に対応する販売商品の情報を取得する。
【0188】
かかる構成により、無線端末2の滞在時間が所定時間以内である場合や電波強度が所定閾値以下である場合には、販売商品情報を取得しないようにでき、これにより、AP設置店舗に端末ユーザを確実に入店状態にさせることができ、その結果、店舗側の販売機会を向上させることができる。
【0189】
また、購入予定商品の情報には、買い物リストへの設定日また設定日時の情報が含まれ、店舗情報提供部51が購入予定商品の情報に含まれる設定日また設定日時が所定期間前までの範囲にある場合に、購入予定商品の情報に対応する販売商品の情報を取得する。
【0190】
かかる構成により、例えば、古い購入予定商品であって、現在は必要ない商品を端末ユーザが誤って購入してしまうことを防止することができる。
【0191】
〔6.その他〕
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0192】
上述した情報提供装置4は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。また、情報提供装置4および決済サーバ5を一つのサーバコンピュータで実現してもよい。