(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
画像データを無線送信する端末を送信端末、画像データを無線受信する端末を受信端末、前記送信端末及び前記受信端末の無線通信接続相手の切替を指示するデバイスを接続切替デバイス、とするとき、複数の前記送信端末と、複数の前記受信端末と、少なくとも1つの前記接続切替デバイスと、を有する無線通信システムであって、
前記送信端末と有線接続された第1表示デバイスと、
前記受信端末と有線接続された第2表示デバイスと、
を有し、
前記接続切替デバイスは、
前記送信端末の識別情報及び前記受信端末の識別情報を決定する制御部と、
前記決定した前記送信端末の識別情報を前記送信端末に、前記決定した前記受信端末の識別情報を前記受信端末に、それぞれ無線送信する無線通信部と、
前記受信端末と通信中の前記送信端末の識別情報、前記送信端末と通信中の前記受信端末の識別情報、及び、前記画像データがどの前記送信端末からどの前記受信端末に無線送信されているかを示す情報を表示する表示部と、
を有し、
前記接続切替デバイスの前記無線通信部は、前記送信端末に対する当該送信端末と通信中の前記受信端末の識別情報の無線送信、および前記受信端末に対する当該受信端末と通信中の前記送信端末の識別情報の無線送信の少なくとも一方を実施し、
前記第1表示デバイスは、前記接続切替デバイスの前記無線通信部から無線送信され、前記送信端末で無線受信された前記受信端末の識別情報を表示し、
前記第2表示デバイスは、前記接続切替デバイスの前記無線通信部から無線送信され、前記受信端末で無線受信された前記送信端末の識別情報を表示する
無線通信システム。
前記接続切替デバイスの前記制御部は、前記送信端末及び前記受信端末を探索する探索処理を実行し、前記探索処理の結果に応じて、前記送信端末の識別情報及び前記受信端末の識別情報を更新し、
前記接続切替デバイスの前記無線通信部は、前記更新された前記送信端末の識別情報を前記送信端末に無線送信、及び前記受信端末の識別情報を前記受信端末に無線送信の少なくとも一方を実施する
請求項1に記載の無線通信システム。
前記接続切替デバイスの前記制御部は、前記接続切替デバイスの前記表示部に表示する前記画像データがどの前記送信端末からどの前記受信端末に無線送信されているかを示す情報を更新する
請求項1に記載の無線通信システム。
前記送信端末又は前記受信端末は、前記接続切替デバイスに、前記送信端末の識別情報又は前記受信端末の識別情報が更新されたか否かを確認する情報更新要求信号を無線送信する
請求項1に記載の無線通信システム。
画像データを無線送信する端末を送信端末、画像データを無線受信する端末を受信端末、前記送信端末及び前記受信端末の無線通信接続相手の切替を指示するデバイスを接続切替デバイス、とするときの受信端末であって、
表示デバイスと有線接続する制御部と、
前記接続切替デバイスから、当該受信端末と通信中の前記送信端末の識別情報を受信する無線通信部と、
を有し、
前記制御部は、前記無線受信した、当該受信端末と通信中の前記送信端末の識別情報及び前記画像データがどの前記送信端末から無線送信されているかを示す情報を前記表示デバイスに表示させる制御を行う、
受信端末。
画像データを無線送信する端末を送信端末、画像データを無線受信する端末を受信端末、前記送信端末及び前記受信端末の無線通信接続相手の切替を指示するデバイスを接続切替デバイス、とするときの送信端末であって、
表示デバイスと有線接続する制御部と、
前記接続切替デバイスから、当該送信端末と通信中の前記受信端末の識別情報を受信する無線通信部と、
を有し、
前記制御部は、前記無線受信した、当該送信端末と通信中の前記受信端末の識別情報及び前記画像データがどの前記受信端末に無線送信されているかを示す情報を前記表示デバイスに表示させる制御を行う、
送信端末。
画像データを無線送信する端末を送信端末、画像データを無線受信する端末を受信端末、とするとき、複数の前記送信端末と、複数の前記受信端末と、を有する無線通信システムであって、
前記送信端末と有線接続された第1表示デバイスと、
前記受信端末と有線接続された第2表示デバイスと、
を有し、
複数の前記送信端末のうち1つの送信端末を第1送信端末とし、複数の前記送信端末のうち前記第1送信端末以外の送信端末を第2送信端末とするとき、
前記第1送信端末は、
前記第1送信端末の識別情報、前記第2送信端末の識別情報及び前記受信端末の識別情報を決定する制御部と、
前記決定した前記第2送信端末の識別情報及び当該第2送信端末と通信中の前記受信端末の識別情報を前記第2送信端末に無線送信することと、前記決定した前記受信端末の識別情報、並びに、前記第1送信端末及び前記第2送信端末とのうち当該受信端末と通信中の前記送信端末の識別情報を前記受信端末に無線送信することと、のうち少なくとも一方を実施する無線通信部と、
を有し、
前記第2送信端末に有線接続されている前記第1表示デバイスは、前記第1送信端末から無線送信され、前記第2送信端末に無線受信された当該第2送信端末と通信中の前記受信端末の識別情報及び前記画像データがどの前記受信端末に無線送信されていることを示す情報を表示し、前記第2表示デバイスは、前記第1送信端末から無線送信され、前記受信端末で無線受信された前記第1送信端末及び前記第2送信端末とのうち当該受信端末と通信中の前記送信端末の識別情報、並びに、前記第1送信端末及び前記第2送信端末とのうち前記画像データがどの前記送信端末から無線送信されていることを示す情報を表示する
無線通信システム。
前記第1送信端末の前記制御部は、前記送信端末及び前記受信端末を探索する探索処理を実行し、前記探索処理の結果に応じて、前記送信端末の識別情報及び前記受信端末の識別情報を更新し、
前記第1送信端末の前記無線通信部は、前記更新された前記送信端末の識別情報及び前記受信端末の識別情報を、前記第2送信端末及び前記受信端末に無線送信する
請求項9に記載の無線通信システム。
前記送信端末は、前記第1送信端末が存在するか否かを判定し、前記第1送信端末が存在しないと判定した場合に、前記第1送信端末となり、前記第1送信端末が存在すると判定した場合に、前記第2送信端末となる
請求項9に記載の無線通信システム。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態における無線通信システムの構成を示した概略図である。図示する例では、無線通信システム100は、撮像した画像データを、無線通信を用いて送信する機能を持つ2台のビデオカメラ1,3と、ビデオカメラ1,3から送信される画像データを受信して表示する2台のディスプレー2,4とから構成されている。また、本実施形態では、ビデオカメラ1,3が画像データを送信する先のディスプレー2,4は予め決定されている。図示する例では、ビデオカメラ1が画像データを送信する先はディスプレー2であり、ビデオカメラ3が画像データを送信する先はディスプレー4である。これにより、ディスプレー2はビデオカメラ1が撮像した画像を表示し、ディスプレー4はビデオカメラ3が撮像した画像を表示する。
【0025】
また、ビデオカメラ1には、自装置の装置識別情報を表示する識別情報表示デバイス5が取り付けられている。装置識別情報は、各装置を一意に識別するための情報である。なお、装置識別情報は、後述する「親」の状態となったビデオカメラ1,3が決定する。また、装置識別情報の決定方法については後述する。図示する例では、ビデオカメラ1の装置識別情報は「C1」であるため、識別情報表示デバイス5は「C1」を表示している。また、ビデオカメラ3には、識別情報表示デバイス8が取り付けられている。図示する例では、ビデオカメラ3の装置識別情報は「C2」であるため、識別情報表示デバイス8は「C2」を表示している。
【0026】
また、ディスプレー2には、通信先の装置の装置識別情報と、通信先の装置との通信状態とを含む通信状態情報を表示する通信状態表示デバイス6と、識別情報表示デバイス7とが取り付けられている。図示する例では、ディスプレー2の通信先の装置はビデオカメラ1であり、ディスプレー2とビデオカメラ1とは通信中であるため、通信状態表示デバイス6は、通信先のビデオカメラ1の装置識別情報「C1」と、通信先のビデオカメラ1と通信中であることを示す情報である右向き矢印「→」とを表示している。また、ディスプレー2の装置識別情報は「D1」であるため、識別情報表示デバイス7は「D1」を表示している。
【0027】
また、ディスプレー4には、通信状態表示デバイス9と、識別情報表示デバイス10とが取り付けられている。図示する例では、ディスプレー4の通信先の装置はビデオカメラ3であり、ディスプレー4とビデオカメラ3とは通信中であるため、通信状態表示デバイス9は、通信先のビデオカメラ3の装置識別情報「C2」と、通信先のビデオカメラ3と通信中であることを示す情報である右向き矢印「→」とを表示している。また、ディスプレー4の装置識別情報は「D2」であるため、識別情報表示デバイス7は「D2」を表示している。なお、通信状態表示デバイス6,9が表示する、通信先の装置の装置識別情報と、通信先に装置と通信中であることを示す情報とを合わせて通信状態情報とする。
【0028】
上述するように、識別情報表示デバイス5,7,8,10が、自装置を一意に特定する装置識別情報を表示し、通信状態表示デバイス6,9が、ディスプレー2,4の通信先の装置の装置識別情報と、通信先装置との通信状態とを示す情報通信状態情報を表示するため、ユーザは、通信を行っているビデオカメラ1,3とディスプレー2,4との組み合わせを目視により容易に確認することが可能である。
【0029】
なお、図示する例では、ビデオカメラ1,3は、通信状態表示デバイス6,9を備えていないが、ビデオカメラ1,3も通信状態表示デバイス6,9を備え、通信先装置の装置識別情報と、通信先装置との通信状態とを表示するようにしてもよい。
【0030】
なお、例えば、通信状態表示デバイス6,9と識別情報表示デバイス7,10とを合わせたものが、本発明の表示デバイスに相当する。また、例えば、通信状態表示デバイス6,9は、本発明の識別情報表示デバイスおよび通信状態表示デバイスに相当する。
【0031】
次に、ビデオカメラ1,3と識別情報表示デバイス5,8との構成について説明する。
図2は、本実施形態におけるビデオカメラ1,3と識別情報表示デバイス5,8との構成を示したブロック図である。図示する例では、ビデオカメラ1,3は、撮像部11と、画像処理部12と、無線通信部13と、アンテナ14と、制御部15と、記憶部51とを備える。また、ビデオカメラ1,3には、識別情報表示デバイス5,8が取り付けられている。識別情報表示デバイス5,8は、接続部60と、取得部61と、表示部62とを備える。
【0032】
撮像部11は光学系と、撮像素子(例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ)と、A/D変換器とを備える。撮像部11は、被写体を撮像し、被写体の光学像をデジタル信号に変換する。画像処理部12は、撮像部11が変換したデジタル信号から画像データを生成し、生成した画像データの画像処理を行う。無線通信部13は、画像処理部12が画像処理を行った画像データや、後述する装置識別情報や通信状態情報など、他の装置に送信する情報を高周波処理し、アンテナ14を介して無線送信する。また、無線通信部13は、他の装置から無線送信される情報を、アンテナ14を介して受信する。記憶部51は、ビデオカメラ1,3が備える各部の処理で必要な情報を記憶する。
【0033】
制御部15は、ビデオカメラ1,3が備える各部の制御を行うことにより、データの送信動作を制御する。また、制御部15は、ビデオカメラ1,3が備える各部の制御を行うことにより、必要に応じて表示情報作成動作もしくは表示情報受信動作を行う。表示情報作成動作は、通信システム100が含む識別情報表示デバイス5,7,8,10に表示する装置識別情報と、通信状態表示デバイス6,9とに表示する通信状態情報とを作成し、作成した通信状態情報を他の装置に送信する動作である。表示情報作成動作の詳細については後述する。表示情報受信動作は、表示情報作成動作を行う装置から送信される装置識別情報と通信状態情報とを受信する動作である。
【0034】
本実施形態では、通信システム100に含まれるビデオカメラ1,3のうち、最初に動作を開始したビデオカメラ1,3のみが表示情報作成動作を行い、その他のビデオカメラ1,3およびディスプレー2,4は、表示情報受信動作を行う。なお、表示情報作成動作を行う装置を「親機」と呼び、親機になった状態を「親」の状態と呼ぶ。また、表示情報受信動作を行う装置を「子機」と呼び、子機になった状態を「子」の状態と呼ぶ。
【0035】
接続部60は、通信を行うために、ビデオカメラ1,3と有線にて接続する。取得部61は、接続部60を介してビデオカメラ1,3と接続している有線を利用したシリアル通信により、ビデオカメラ1,3の制御部15から装置識別情報を取得する。表示部62は、取得部61が取得した装置識別情報を表示する。この構成により、識別情報表示デバイス5,8は、ビデオカメラ1,3の装置識別情報を表示することができる。なお、この構成による情報の表示方法は公知であるので説明を省略する。
【0036】
なお、
図2に示した識別情報表示デバイス5,8は、ビデオカメラ1,3とは別体で構成されているが、ビデオカメラ1,3の一部として一体化して構成する事も可能である。この場合においても、ビデオカメラ1,3が備える制御部15と識別情報表示デバイス5,8との間の通信は、有線のシリアル通信で行う事になる。
【0037】
次に、ディスプレー2,4の構成について説明する。
図3は、本実施形態におけるディスプレー2,4と、通信状態表示デバイス6,9と、識別情報表示デバイス7,10との構成を示したブロック図である。図示する例では、ディスプレー2,4は、アンテナ16と、無線通信部17と、画像処理部18と、画像表示部19(画像データ表示部)と、制御部20と、記憶部52とを備える。また、ディスプレー2,4には、通信状態表示デバイス6,9と、識別情報表示デバイス7,10とが取り付けられている。通信状態表示デバイス6,9は、接続部63と、取得部64と、表示部65(情報表示部)とを備える。識別情報表示デバイス7,10は、接続部66と、取得部67と、表示部68(情報表示部)とを備える。
【0038】
無線通信部17は、アンテナ16を介して、無線送信された画像データと、装置識別情報と、通信状態情報とを受信する。画像処理部18は、無線通信部17が受信した画像データに基づいた画像を画像表示部19に表示させるために、画像データの画像処理を行う。画像表示部19は、画像処理部18が画像処理を行った画像データに基づいた画像を表示する。制御部20は、ディスプレー2,4が備える各部の制御を行うことにより、画像データの受信動作の制御と、装置識別情報及び通信状態情報の受信動作である表示情報受信動作の制御と、受信したデータに基づいた表示動作の制御とを行う。記憶部52は、ディスプレー2,4が備える各部の処理で必要な情報を記憶する。
【0039】
接続部63は、通信を行うために、ディスプレー2,4と有線にて接続する。取得部64は、接続部63を介してディスプレー2,4と接続している有線を利用したシリアル通信により、ディスプレー2,4の制御部20から通信状態情報を取得する。表示部65は、取得部64が取得した通信状態情報を表示する。この構成により、通信状態表示デバイス6,9は、ディスプレー2,4の通信状態情報を表示することができる。なお、この構成による情報の表示方法は公知であるので説明を省略する。
【0040】
接続部66は、通信を行うために、ディスプレー2,4と有線にて接続する。取得部67は、接続部66を介してディスプレー2,4と接続している有線を利用したシリアル通信により、ディスプレー2,4の制御部20から装置識別情報を取得する。表示部68は、取得部67が取得した装置識別情報を表示する。この構成により、識別情報表示デバイス7,10は、ディスプレー2,4の装置識別情報を表示することができる。なお、この構成による情報の表示方法は公知であるので説明を省略する。
【0041】
なお、
図3に示した通信状態表示デバイス6,9及び識別情報表示デバイス7,10は、ディスプレー2,4とは別体で構成されているが、ディスプレー2,4の一部として一体化して構成する事も可能である。この場合においても、ディスプレー2,4が備える制御部20と、通信状態表示デバイス6,9及び識別情報表示デバイス7,10との間の通信は、有線のシリアル通信で行う事になる。
【0042】
次に、本実施形態において、「親」の状態となったビデオカメラ1,3の記憶部51が記憶する識別情報管理テーブルについて説明する。
図4は、本実施形態における識別情報管理テーブルのデータ構造を示した概略図である。識別情報管理テーブルは、「ID番号」と、「装置識別情報」と、「電源状態」とのデータ項目を有しており、各データ項目のデータを行毎に関連付けて記憶する。
【0043】
データ項目「ID番号」は、通信システム100に含まれている装置のID番号を記憶する。ID番号は、各装置に予めユニークに割り振られた番号である。本実施形態では、ビデオカメラ1のID番号は「0001」であり、ビデオカメラ3のID番号は「0003」であり、ディスプレー2のID番号は「0002」であり、ディスプレー4のID番号は「0004」であるとする。
【0044】
データ項目「装置識別情報」は、同一の行に記憶されている「ID番号」で特定される装置に対して決定した装置識別情報を記憶する。データ項目「電源状態」は、同一の行に記憶されている「ID番号」で特定される装置の電源が入っている状態であるか(ONの状態か)入っていない状態であるか(OFFの状態か)を記憶する。
【0045】
図示する例では、行101のデータ項目「ID番号」に記憶されている値が「0001」であり、データ項目「装置識別情報」に記憶されている値が「C1」であり、データ項目「電源状態」に記憶されている値が「ON」である。これは、ID番号「0001」で特定される装置の装置識別情報は「C1」であり、装置識別情報「C1」で一意に特定される装置の電源は投入されている(ONの状態である)ことを示している。なお、他の行については図示するとおりである。
【0046】
次に、本実施形態において、「親」の状態となったビデオカメラ1,3の記憶部51が記憶する通信状態情報管理テーブルについて説明する。
図5は、本実施形態における通信状態情報管理テーブルのデータ構造を示した概略図である。通信状態情報テーブルは、「送信装置識別情報」と「受信装置識別情報」とのデータ項目を有しており、各データ項目のデータを行毎に関連付けて記憶する。
【0047】
データ項目「送信装置識別情報」は、同一の行に記憶されている「受信装置識別情報」で一意に特定される装置に対して、画像データを送信する装置の装置識別情報を記憶する。データ項目「受信装置識別情報」は、同一の行に記憶されている「送信装置識別情報」で一意に特定される装置から画像データを受信する装置の装置識別情報を記憶する。
【0048】
図示する例では、行201のデータ項目「送信装置識別情報」に記憶されている値が「C1」であり、データ項目「受信装置識別情報」に記憶されている値が「D1」である。これは、装置識別情報「C1」で一意に特定される装置が画像データを送信する先の装置は、装置識別情報「D1」で一意に特定される装置であることを示している。なお、他の行については図示するとおりである。
【0049】
次に、ビデオカメラ1,3の起動時における処理(イニシャル処理)の処理手順について説明する。
図6は、本実施形態におけるビデオカメラ1,3のイニシャル処理の処理手順を示したフローチャートである。本実施形態では、通信システム100に含まれるビデオカメラ1,3のうち、最初に動作を開始したビデオカメラ1,3は「親」の状態となり、2番目以降に動作を開始したビデオカメラ1,3は「子」の状態となる。
【0050】
(ステップS1401)ビデオカメラ1,3が起動されると、制御部15は、イニシャル処理を開始する。その後、ステップS1402の処理に進む。
(ステップS1402)制御部15は、親機検出処理を行う。親機検出処理は、通信システム100内に、「親」の状態になっているビデオカメラ1,3が存在するか否かを判定する。そして、通信システム100内に「親」の状態となっているビデオカメラ1,3が存在しないと制御部15が判定した場合にはステップS1403の処理に進み、通信システム100内に「親」の状態となっているビデオカメラ1,3が存在すると制御部15が判定した場合にはステップS1404の処理に進む。なお、本実施形態では、「親」の状態になったビデオカメラ1,3のみが後述する端末探索処理およびテーブル更新処理を行い、通信システム100に含まれている各装置に探索信号を一定時間毎に送信する。そのため、制御部15は、無線通信部13が所定時間内に探索信号を受信しなかった場合には「親」の状態になっているビデオカメラ1,3は存在しないと判定し、無線通信部13が所定時間内に探索信号を受信した場合には「親」の状態になっているビデオカメラ1,3は存在すると判定する。
【0051】
(ステップS1403)制御部15は、自装置が親機となる親機設定処理を行う。その後、ステップS1405の処理に進む。親機設定処理は、自装置を「親機」であると設定し、識別情報管理テーブルと、通信状態管理テーブルとの初期化処理を行う。そして、自装置の装置識別情報を決定し、決定した装置識別情報と、自装置のID番号と、自装置の電源状態とを関連付けて識別情報管理テーブルに記憶させ、さらに、決定した装置識別情報を識別情報表示デバイス5,8に表示させる処理である。
【0052】
なお、「親機」であると設定する方法としては、例えば、制御部15は、記憶部51に「親機」という情報を記憶させる。また、識別情報管理テーブルと、通信状態管理テーブルとの初期化処理は、各テーブルに記憶されている情報を消去する処理である。また、装置識別情報の決定方法は種々考えられるが、本実施形態では、機種名と装置識別情報の設定順とを用いて決定する。例えば、ビデオカメラ1,3の機種名を「C」とし、ディスプレー2,4の機種名を「D」とする。そして、装置識別情報の先頭文字を機種名とする。また、先頭文字の次の文字は、同一機種における装置識別情報の設定順番を示す番号とする。具体的には、ディスプレー2が通信システム100内のディスプレー2,4のうち最初に装置識別情報を決定された場合、ディスプレー2の装置識別情報は「D1」となる。また、ディスプレー4が通信システム100内のディスプレー2,4のうち2番目に装置識別情報を決定された場合、ディスプレー4の装置識別情報は「D2」となる。
【0053】
(ステップS1404)制御部15は、自装置が子機となる子機設定処理を行う。その後、ステップS1405の処理に進む。子機設定処理は、自装置を「子機」であると設定する処理である。「子機」であると設定する方法としては、例えば、制御部15は、記憶部51に「子機」という情報を記憶させる。
(ステップS1405)制御部15は、メイン処理を起動する。その後、イニシャル処理を終了する。
【0054】
上述したイニシャル処理を実行することで、ビデオカメラ1,3は、自装置が「親機」となるか「子機」となるかを設定することができる。そして、自装置が「親機」となる場合、識別情報管理テーブルと、通信状態管理テーブルとの初期化を行う。さらに、自装置の装置識別情報を決定し、決定した装置識別情報と、自装置のID番号と、自装置の電源状態とを関連付けて識別情報管理テーブルに記憶させ、決定した装置識別情報を識別情報表示デバイス5,8に表示させることができる。
【0055】
具体的には、ビデオカメラ1が最初に起動され、その後ビデオカメラ3が起動された場合、ビデオカメラ1は、自装置が「親機」であると設定する。そして、自装置の装置識別情報を「C1」と決定し、決定した装置識別情報「C1」と、自装置のID番号「0001」と、自装置の電源状態「ON」とを関連付けて識別情報管理テーブルに記憶させ、決定した装置識別情報「C1」を識別情報表示デバイス5,8に表示させる。また、ビデオカメラ3は、自装置が「子機」であると設定する。
【0056】
次に、ビデオカメラ1,3のメイン処理の処理手順について説明する。
図7は、本実施形態におけるビデオカメラ1,3のメイン処理の処理手順を示したフローチャートである。なお、メイン処理は、ビデオカメラ1,3において、各々の装置の電源がOFFとなるまで実行される。
【0057】
(ステップS1506)イニシャル処理のステップS1405でメイン処理が起動されると、制御部15はメイン処理を開始する。その後、ステップS1507の処理に進む。
(ステップS1507)制御部15は、自装置が「親機」であるか「子機」であるかを判定(親子判定)する。そして、自装置が「親機」であると制御部15が判定した場合にはステップ1508の処理に進み、自装置が「子機」であると制御部15が判定した場合にはステップS1509の処理に進む。親子判定の例としては、制御部15は、イニシャル処理において記憶部51に記憶させた「親機」または「子機」の情報を読み出し、読み出した情報が「親機」であれば自装置が「親機」であると判定し、読み出した情報が「子機」であれば自装置が「子機」であると判定する。
【0058】
(ステップS1508)制御部15は、端末探索処理およびテーブル更新処理を実行する。その後、ステップS1510の処理に進む。端末探索処理およびテーブル更新処理については後述する。
(ステップS1509)制御部15は、テーブル受信処理を実行する。テーブル受信処理は、「親」の状態であるビデオカメラ1,3から送信される、自装置の装置識別情報と、通信状態情報とを受信する処理である。また、制御部15は、自装置に取り付けられている識別情報表示デバイス5,8に、受信した自装置の装置識別情報を表示させる。その後、ステップS1510の処理に進む。
【0059】
(ステップS1510)制御部15は、ステップS1509で受信した通信状態情報に基づいて、自装置の通信先のディスプレー2,4として予め決められているディスプレー2,4が動作しているか否かを判定する。自装置の通信先のディスプレー2,4が動作していると制御部15が判定した場合にはステップS1511の処理に進み、自装置の通信先のディスプレー2,4が動作していないと制御部15が判定した場合にはステップS1512の処理に進む。
【0060】
(ステップS1511)制御部15は、無線通信部13を制御して、撮像部11が撮像して画像処理部12が画像処理を行った1画面分の画像データを通信先のディスプレー2,4に送信する。その後、ステップS1507の処理に戻る。
(ステップS1512)制御部15は、一定時間待機した後、ステップS1507の処理に戻る。
【0061】
次に、ビデオカメラ1,3の端末探索処理およびテーブル更新処理の処理手順について説明する。
図8は、本実施形態におけるビデオカメラ1,3の端末探索処理およびテーブル更新処理の処理手順を示したフローチャートである。
【0062】
(ステップS1601)制御部15は、端末探索処理およびテーブル更新処理を開始する。その後、ステップS1602の処理に進む。
(ステップS1602)制御部15は、無線通信部13を制御し、通信システム100内に含まれる各装置に対して探索信号(探索パケット)を送信する。その後、ステップS1603の処理に進む。なお、探索信号を受信した装置は、探索信号を送信したビデオカメラ1,3に対して、自装置に予めユニークに割り振られた番号であるID番号を含む応答信号を送信する。
【0063】
(ステップS1603)無線通信部13は、アンテナ14を介して、ステップS1602で探索信号を送信した装置から送信される応答信号を受信する。制御部15は、無線通信部13が受信した応答信号の数を未処理ID数としてカウントする。その後、ステップS1604の処理に進む。
【0064】
(ステップS1604)制御部15は、未処理ID数が1以上であれば、ステップS1602で受信した応答信号に含まれるID番号のうち、ステップS1605〜ステップS1607の処理を行っていないID番号があると判定してステップS1605の処理に進む。また、制御部15は、未処理ID数が0であれば、ステップS1602で受信した応答信号に含まれるID番号のうち、ステップS1605〜ステップS1607の処理を行っていないID番号が無いと判定してステップS1608の処理に進む。
【0065】
(ステップS1605)制御部15は、ステップS1605〜ステップS1607の処理を行っていないID番号を1つ選択し、選択したID番号と、識別情報管理テーブルに記憶されているID番号とが一致するか否かを判定する。また、制御部15は、未処理ID数から1を減算する。選択したID番号と、識別情報管理テーブルに記憶されているID番号とが一致すると制御部15が判定した場合にはステップS1607の処理に進み、選択したID番号と、識別情報管理テーブルに記憶されているID番号とが不一致であると制御部15が判定した場合にはステップS1606の処理に進む。
【0066】
(ステップS1606)制御部15は、ステップS1605で選択したID番号で特定される装置の装置識別情報を決定し、ID番号と決定した識別情報とを関連付けて識別情報管理テーブルに記憶する。その後、ステップS1607の処理に進む。なお、装置識別情報の決定方法は、親機設定処理で説明した方法で行う。
(ステップS1607)制御部15は、識別情報管理テーブルに記憶されている電源フラグのうち、ステップS1605で選択したID番号の電源フラグを「ON」に設定する。その後、ステップS1604の処理に戻る。
【0067】
(ステップS1608)制御部15は、ステップS1603で受信した各応答信号に含まれるID番号と、識別情報管理テーブルに記憶されているID番号とを比較する。そして、制御部15は、応答信号に含まれて無く、識別情報管理テーブルに記憶されており、且つ電源状態フラグがONであるID番号を未応答であるID番号として検出する。制御部15が、未応答であるID番号を検出した場合にはステップS1609の処理に進み、未対応であるID番号を検出していない場合にはステップS1610の処理に進む。
【0068】
(ステップS1609)制御部15は、情報管理テーブルに記憶されている電源フラグのうち、ステップS1608で検出した未応答であるID番号の電源フラグをOFFとする(電源状態フラグOFF処理)。その後、ステップS1610の処理に進む。
(ステップS1610)制御部15は、情報管理テーブルに記憶されている電源フラグのうち、電源フラグがONであるID番号で一意に特定される装置に対して、各装置の装置識別情報と通信状態情報とを送信する。その後、端末探索処理およびテーブル更新処理を終了し、メイン処理のステップS1510の処理に進む。
【0069】
上述したイニシャル処理と、メイン処理と、端末探索処理およびテーブル更新処理とを実行することで、ビデオカメラ1,3は、「親機」となった場合には、表示情報作成動作を行うことができる。この表示情報作成動作とは、通信システム100に含まれている、「親機」、「子機」両方の装置の装置識別情報と通信状態情報とを生成し、生成した「子機」の装置識別情報と通信状態情報とを通信システム100に含まれている「子機」の各装置に対して送信する動作である。また、ビデオカメラ1,3は、「子機」となった場合には、「親機」となったビデオカメラ1,3から自装置の装置識別情報を受信し、自装置に取り付けられている識別情報表示デバイス5,8に受信した装置識別情報を表示させることができる。また、ビデオカメラ1,3は、「親機」または「子機」となった場合の両方の場合において、自装置の通信先であるディスプレー2,4が動作中である場合には、撮像した画像データをディスプレー2,4に送信することができる。
【0070】
次に、ディスプレー2,4の動作について説明する。ディスプレー2,4の無線通信部17は、アンテナ16を介して、ビデオカメラ1,3から送信される装置識別情報と、通信状態情報と、画像データを受信する。そして、制御部20は、無線通信部17が装置識別情報を受信した場合、受信した装置識別情報を識別情報表示デバイス7,10に表示させる。また、制御部20は、無線通信部17が通信状態情報を受信した場合、受信した通信状態情報を通信状態表示デバイス6,9に表示させる。また、制御部20は、無線通信部17が画像データを受信した場合、受信した画像データを画像処理部18に画像処理させて画像表示部19に表示させる。これにより、ディスプレー2,4は、装置識別情報を識別情報表示デバイス7,10に表示させることができる。また、ディスプレー2,4は、通信状態情報を通信状態表示デバイス6,9に表示させることがでる。また、ディスプレー2,4は、画像データを画像表示部19に表示させることができる。
【0071】
次に、本実施形態における通信システム100の具体的な動作について説明する。以下、通信システム100において、
(具体例1)ディスプレー2の電源がONとなっており、ディスプレー4とビデオカメラ1,3との電源がOFFとなっている状態で、ビデオカメラ1の電源がONとなり、次にビデオカメラ3とディスプレー4との電源がONとなる場合
(具体例2)ビデオカメラ1の電源がOFFとなっており、ビデオカメラ3とディスプレー2,4との電源が順にONとなった状態で、ビデオカメラ1の電源がONとなる場合
の2つの具体例について説明する。
【0072】
(具体例1)
ビデオカメラ1が親機となるので、ビデオカメラ1は、イニシャル処理において、
図6に示したステップS1401、ステップS1402、ステップS1403の順に処理を行い、ステップS1403の処理にてビデオカメラ1の装置識別情報を「C1」と決定し、識別情報表示デバイス5に「C1」を表示させ、ステップS1405の処理にてメイン処理を起動させる。次いで、ビデオカメラ1は、メイン処理を実行し、ステップS1508(ステップS1601〜ステップS1610)の処理にてディスプレー2を検出し、検出したディスプレー2の装置識別情報を「D1」と決定する。また、ビデオカメラ1は、装置識別情報と通信状態情報とをディスプレー2に送信する。
【0073】
一方、ディスプレー2は、ビデオカメラ1がステップS1610の処理を実行することで送信した装置識別情報と通信状態情報とを受信する。そして、ディスプレー2は、受信した装置識別情報「D1」を識別情報表示デバイス7に表示させ、受信した通信状態情報「C1→」を通信状態表示デバイス6に表示させる。このとき、ビデオカメラ1は、ステップS1507、ステップS1508、ステップS1510、ステップS1511の処理を繰り返し実行している。
【0074】
ビデオカメラ3の電源がONになると、ビデオカメラ1はステップS1508の処理にてビデオカメラ3の起動を検出し、検出したビデオカメラ3の装置識別情報を「C2」と決定する。また、ビデオカメラ1は、装置識別情報と通信状態情報とをビデオカメラ3と、ディスプレー2とに送信する。一方、ビデオカメラ3とディスプレー2とは、ビデオカメラ1がステップS1610の処理を実行することで送信した装置識別情報と通信状態情報とを受信する。そして、ビデオカメラ3は、受信した装置識別情報「C2」を識別情報表示デバイス8に表示させる。また、ディスプレー2は、受信した装置識別情報「D1」を識別情報表示デバイス7に表示させ、受信した通信状態情報「C1→」を通信状態表示デバイス6に表示させる。
【0075】
最後に、ディスプレー4の電源がONになると、ビデオカメラ1はステップS1508の処理にてディスプレー4を検出し、検出したディスプレー4の装置識別情報を「D2」と決定する。また、ビデオカメラ1は、装置識別情報と通信状態情報とをディスプレー2,4とビデオカメラ3とに送信する。
【0076】
一方、ディスプレー2,4とビデオカメラ3とは、ビデオカメラ1がステップS1610の処理を実行することで送信した装置識別情報と通信状態情報とを受信する。そして、ディスプレー4は、受信した装置識別情報「D2」を識別情報表示デバイス10に表示させ、受信した通信状態情報「C2→」を通信状態表示デバイス9に表示させる。また、ビデオカメラ3は、受信した装置識別情報「C2」を識別情報表示デバイス8に表示させる。また、ディスプレー2は、受信した装置識別情報「D1」を識別情報表示デバイス7に表示させ、受信した通信状態情報「C1→」を通信状態表示デバイス6に表示させる。なお、ディスプレー2,4の制御部20は、通信相手のビデオカメラ1,3の動作が停止した時点で、通信状態情報に含まれる右向き矢印「→」の表示をブランク(空欄)に切り替える。
【0077】
(具体例2)ビデオカメラ1の電源がOFFとなっており、ビデオカメラ3とディスプレー2,4との電源が順にONとなっている。そのため、詳細の動作についての説明は割愛するが、ビデオカメラ3が親機となっている。また、ビデオカメラ3とディスプレー4との間において画像データの送受信は実行されている。また、ビデオカメラ3に取り付けられている識別情報表示デバイス8に表示されている装置識別情報は「C1」となっている。また、ディスプレー2に取り付けられている識別情報表示デバイス7に表示されている装置識別情報は「D1」となっている。また、ディスプレー4に取り付けられている識別情報表示デバイス10に表示されている装置識別情報は「D2」となっている。
【0078】
この状態で、ビデオカメラ1の電源がONとなると、ビデオカメラ1は、イニシャル処理において、
図6に示したステップS1401、ステップS1402、ステップS1404の順に処理を行い、自装置を「子機」であると設定する。このとき、親機であるビデオカメラ3は、メイン処理を実行しており、ステップS1508の処理にてビデオカメラ1を検出し、検出したビデオカメラ1の装置識別情報を「C2」と決定する。また、ビデオカメラ3は、装置識別情報と通信状態情報とをビデオカメラ1とディスプレー2,4とに送信する。
【0079】
一方、ビデオカメラ1とディスプレー2,4とは、ビデオカメラ3がステップS1610の処理を実行することで送信した装置識別情報と通信状態情報とを受信する。そして、ビデオカメラ1は、受信した装置識別情報「C2」を識別情報表示デバイス5に表示させる。また、ディスプレー2は、受信した装置識別情報「D1」を識別情報表示デバイス7に表示させ、受信した通信状態情報「C2→」を通信状態表示デバイス6に表示させる。また、ディスプレー4は、受信した装置識別情報「D2」を識別情報表示デバイス10に表示させ、受信した通信状態情報「C1→」を通信状態表示デバイス9に表示させる。
【0080】
上述したとおり、本実施形態によれば、ビデオカメラ1,3とディスプレー2,4とは、自装置を一意に特定する装置識別情報を識別情報表示デバイス5,7,8,10に表示させる。また、ディスプレー2,4は、自装置の通信先の装置の装置識別情報と通信情報とを示す通信状態情報を通信状態表示デバイス6,9に表示させる。これにより、装置識別情報と通信状態情報とが目視可能な状態で表示される為、各装置の動作状態や接続関係の把握を容易に行う事が可能となる。
【0081】
なお、本実施形態では、装置識別情報を機種名と装置識別情報の設定順とを用いて決定する例を用いて説明したが、これに限らない。例えば、装置識別情報の決定方法としては、装置を製造したメーカー名や、装置の製造番号や、装置の製品略称等を用いてもよい。具体例としては、装置識別情報の決定順に付けていた番号の代わりに「装置の製造番号の下1桁の番号」を用い、他の装置と重複した場合には使用されていない最小の数とする。装置識別情報の決定順に番号を付した場合には、装置の電源投入順によって装置識別情報が変化するが、「装置の製造番号の下1桁の番号」を用いた場合には装置識別情報は半固定状態となり、視認性がさらに向上するという効果を期待することが出来る。このように、装置識別情報の決定方法は種々有るが、いずれの方法を用いる場合においても通信システム100内で同一の装置識別情報が決定されないように装置識別情報を決定する。
【0082】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について図を参照しながら説明する。
図9は、本実施形態における無線通信システムの構成を示した概略図である。図示する例では、無線通信システム200は、撮像した画像データを、無線通信を用いて送信する機能を持つ2台のビデオカメラ21,23と、ビデオカメラ21,23から送信される画像データを受信して表示する2台のディスプレー22,24と、ビデオカメラ21,23とディスプレー22,24との制御を行う1台のコントローラ31(接続切替デバイス)とから構成されている。
【0083】
ビデオカメラ21,23の構成は、第1の実施形態におけるビデオカメラ1,3の構成と同様の構成である。また、ディスプレー22,24の構成は、第1の実施形態におけるディスプレー2,4の構成と同様の構成である。なお、第1の実施形態では、通信を行うビデオカメラ1,3とディスプレー2,4との組み合わせは予め決められており固定であったが、本実施形態では、コントローラ31の動作により、通信を行うビデオカメラ21,23とディスプレー22,24との組み合わせを任意の組み合わせに変更することができる。
【0084】
ビデオカメラ21には、識別情報表示デバイス25が取り付けられている。また、ビデオカメラ23には、識別情報表示デバイス28が取り付けられている。また、ディスプレー22には、通信状態表示デバイス26と、識別情報表示デバイス27とが取り付けられている。また、ディスプレー24には、通信状態表示デバイス29と、識別情報表示デバイス30とが取り付けられている。識別情報表示デバイス25,27,28,30と通信状態表示デバイス26,29は、第1の実施形態における各部と同様である。なお、本実施形態では、第1の実施形態とは異なり、識別情報表示デバイス25,27,28,30と通信状態表示デバイス26,29とが表示する内容は、コントローラ31によって設定される。
【0085】
図示する例では、識別情報表示デバイス25は、ビデオカメラ21の装置識別情報「C1」を表示している。また、識別情報表示デバイス28は、ビデオカメラ23の装置識別情報「C2」を表示している。また、識別情報表示デバイス27は、ディスプレー22の装置識別情報「D1」を表示している。また、識別情報表示デバイス30は、ディスプレー24の装置識別情報「D2」を表示している。また、通信状態表示デバイス26は、ディスプレー22の通信先のビデオカメラ21の装置識別情報「C1」と、通信先のビデオカメラ21と通信中であることを示す情報である右向き矢印「→」とを表示している。また、通信状態表示デバイス29は、ディスプレー24の通信先のビデオカメラ23の装置識別情報「C2」と、通信先のビデオカメラ23と通信中であることを示す情報である右向き矢印「→」とを表示している。
【0086】
上述するように、識別情報表示デバイス25,27,28,30が、自装置を一意に特定する装置識別情報を表示し、通信状態表示デバイス26,29が、ディスプレー22,24の通信先および通信状態を示す情報通信状態情報を表示するため、ユーザは、通信を行っているビデオカメラ21,23とディスプレー22,24との組み合わせとを目視により容易に確認することが可能である。
【0087】
次に、コントローラ31の構成について説明する。
図10は、本実施形態におけるコントローラ31の構成を示したブロック図である。図示する例では、コントローラ31は、動作指示部32と、制御部33と、表示処理部34と、表示部35と、無線通信部36と、アンテナ37と、記憶部38とを備える。
【0088】
動作指示部32は、ユーザによって操作され、ユーザからの指示内容の入力を受け付ける。動作指示部32が入力を受け付けた指示内容は制御部33に伝えられる。制御部33は、伝えられた指示内容に応じた動作を行うように、コントローラ31が備える各部を制御する。また、動作指示部32が入力を受け付けた指示内容によっては、制御部33は制御データを生成する。そして、生成された制御データは無線通信部36に伝えられ、アンテナ37を介して所望のビデオカメラ21,23またはディスプレー22,24に送信される。記憶部38は、コントローラ31が備える各部の処理で必要な情報を記憶する。
【0089】
次に、コントローラ31の表示部35が表示する識別情報表示画面について説明する。
図11は、本実施形態における識別情報表示画面を示した概略図である。識別情報表示画面は、コントローラ31の表示部35が表示する画面であり、通信システム200に含まれているビデオカメラ21,23とディスプレー22,24との装置識別情報の一覧を表示する画面である。図示する例では、ビデオカメラ21,23の装置識別情報として「C1」と「C2」とが表示されている。また、ディスプレー22,24の装置識別情報として「D1」と「D2」とが表示されている。なお、ユーザの指示により、コントローラ31は装置識別情報の内容を変更することが可能となっている。
【0090】
次に、コントローラ31の表示部35が表示する接続情報表示画面について説明する。
図12は、本実施形態における接続情報表示画面を示した概略図である。接続情報表示画面は、コントローラ31の表示部35が表示する画面であり、通信システム200に含まれているビデオカメラ21,23とディスプレー22,24との接続の組み合わせを示す画面である。
【0091】
図12(1)に示す例では、装置識別情報「C1」のビデオカメラ21と、装置識別情報「D1」のディスプレー22とが通信を行っていることを示している。また、装置識別情報「C2」のビデオカメラ23と、装置識別情報「D2」のディスプレー24とが通信を行っていることを示している。この状態で、ユーザが、通信を行う組み合わせを、装置識別情報「C1」のビデオカメラ21と、装置識別情報「D2」のディスプレー24との組み合わせとし、装置識別情報「C2」のビデオカメラ23と、装置識別情報「D1」のディスプレー22との組み合わせとする指示をコントローラ31の動作指示部32に入力する。そして、コントローラ31の制御により、通信を行うビデオカメラ21,23とディスプレー22,24の組み合わせが変更された場合、コントローラ31の表示部35が表示する接続情報表示画面は、
図12(2)に示す画面となる。
図12(2)に示す例では、装置識別情報「C1」のビデオカメラ21と、装置識別情報「D2」のディスプレー24とが通信を行っていることを示している。また、装置識別情報「C2」のビデオカメラ23と、装置識別情報「D1」のディスプレー22とが通信を行っていることを示している。
【0092】
次に、コントローラ31のコントローラ通信処理の処理手順について説明する。
図13は、本実施形態におけるコントローラ31のコントローラ通信処理の処理手順を示したフローチャートである。なお、コントローラ通信処理は、コントローラ31の電源がOFFとなるまで実行される。
【0093】
(ステップS2201)コントローラ31の制御部33はコントローラ通信処理を開始する。その後、ステップS2202の処理に進む。
(ステップS2202)制御部33は、前回コントローラ31の電源をOFFにした直前に、記憶部38に記憶させた識別情報管理テーブルと、通信状態管理テーブルとを読み込む。また、制御部33は、読み込んだ識別情報管理テーブルと通信状態管理テーブルとに記憶されている情報に基づいて、表示処理部34に表示処理させて表示部35に接続情報表示画面を表示させる。その後、ステップS2203の処理に進む。
【0094】
(ステップS2203)制御部33は、端末探索処理およびテーブル更新処理を実行する。その後、ステップS2204の処理に進む。端末探索処理およびテーブル更新処理については後述する。
【0095】
(ステップS2204)制御部33は、動作指示部32が接続変更の入力を受け付けたか否かを判定する。動作指示部32が接続変更の入力を受け付けたと制御部33が判定した場合にはステップS2205の処理に進み、動作指示部32が接続変更の入力を受け付けていないと制御部33が判定した場合にはステップS2206の処理に進む。
(ステップS2205)制御部33は、動作指示部32が受け付けた接続変更の入力に基づいて、記憶部38に記憶させた識別情報管理テーブルと、通信状態管理テーブルとを更新する。また、制御部33は、表示部35に表示させている接続情報表示画面の表示内容を、更新後の識別情報管理テーブルと通信状態管理テーブルとに記憶されている情報に基づいた表示内容に更新させる。その後、ステップS2206の処理に進む。
【0096】
(ステップS2206)制御部33は、他の装置から送信される情報更新要求信号を無線通信部36が受信したか否かを判定する。無線通信部36が情報更新要求信号を受信したと制御部33が判定した場合にはステップS2207の処理に進み、動作指示部32が接続変更の入力を受け付けていないと制御部33が判定した場合にはステップS2203の処理に戻る。
(ステップS2207)制御部33は、記憶部38に記憶させた識別情報管理テーブルと、通信状態管理テーブルとに記憶されている、情報更新要求信号の送信元の装置の装置識別情報と通信状態情報とを読み出す。そして、制御部33は、読み出した装置識別情報と通信状態情報とが、情報更新要求信号の送信元の装置に対して前回送信してから更新されているか否かを判定する。そして、制御部33は、通信部36を制御し、情報更新要求信号の送信元の装置に対して、更新されているか否かの判定結果を送信する。また、装置識別情報と通信状態情報とは、情報更新要求信号の送信元の装置に対して前回送信してから更新されていると判定した場合、制御部33は、通信部36を制御し、読み出した装置識別情報と通信状態情報とを、情報更新要求信号の送信元の装置に対して送信する。その後、ステップS2203の処理に戻る。
【0097】
次に、コントローラ31の端末探索処理およびテーブル更新処理の処理手順について説明する。
図14は、本実施形態におけるコントローラ31の端末探索処理およびテーブル更新処理の処理手順を示したフローチャートである。第1の実施形態における端末探索処理およびテーブル更新処理と異なる点は、本実施形態の端末探索処理およびテーブル更新処理では、
図6のステップS1610の処理を行わない点である。
【0098】
ステップS2301〜ステップS2307の処理は、第1の実施形態におけるステップS1601〜ステップS1607の処理と同様の処理である。
【0099】
(ステップS2308)制御部33は、ステップS2303で受信した各応答信号に含まれるID番号と、識別情報管理テーブルに記憶されているID番号とを比較する。そして、制御部33は、応答信号に含まれて無く、識別情報管理テーブルに記憶されており、且つ電源状態フラグがONであるID番号を未応答であるID番号として検出する。制御部33が、未応答であるID番号を検出した場合にはステップS2309の処理に進み、未対応であるID番号を検出していない場合には、端末探索処理およびテーブル更新処理を終了し、コントローラ通信処理のステップS2204の処理に進む。
【0100】
(ステップS2309)制御部33は、情報管理テーブルに記憶されている電源フラグのうち、ステップS2308で検出した未応答であるID番号の電源フラグをOFFとする(電源状態フラグOFF処理)。その後、端末探索処理およびテーブル更新処理を終了し、コントローラ通信処理のステップS2204の処理に進む。
【0101】
上述したコントローラ通信処理と、端末探索処理およびテーブル更新処理とを実行することで、コントローラ31は、通信システム100に含まれている各装置の装置識別情報と通信状態情報とを更新することができる。
【0102】
次に、ビデオカメラ21,23のビデオカメラ処理の処理手順について説明する。
図15は、本実施形態におけるビデオカメラ21,23のビデオカメラ処理の処理手順を示したフローチャートである。なお、ビデオカメラ処理は、ビデオカメラ21,23において、各々の装置の電源がOFFとなるまで実行される。
【0103】
(ステップS2001)ビデオカメラ21,23の制御部15は、自装置の電源が投入されるとビデオカメラ処理を開始する。その後、ステップS2002の処理に進む。
(ステップS2002)制御部15は、前回自装置の電源をOFFにした直前に、記憶部51に記憶させた装置識別情報と通信状態情報とを読み込む。その後、ステップS2003の処理に進む。
【0104】
(ステップS2003)制御部15は、無線通信部13を制御し、コントローラ31に対して情報更新要求信号を送信する。上述したとおり、情報更新要求信号を受信したコントローラ31は、情報更新要求信号を送信したビデオカメラ21,23に対して、前回装置識別情報と通信状態情報とを送信してから更新されているか否かの判定結果を送信する。無線通信部13は、アンテナ14を介して、判定結果を受信する。制御部15は、無線通信部13が受信した判定結果に基づいて、装置識別情報と通信状態情報とが更新されたか否かを判定する。装置識別情報と通信状態情報とが更新されたと制御部15が判定した場合にはステップS2004の処理に進み、更新されていないと制御部15が判定した場合にはステップS2005の処理に進む。なお、情報更新要求信号を送信した後、コントローラ31が動作しないといった理由により、無線通信部13が判定結果を受信しなかった場合には、ステップS2005の処理に進む。
【0105】
(ステップS2004)上述したとおり、コントローラ31は、情報更新要求信号の送信元の装置に対して、前回装置識別情報と通信状態情報とを送信してから更新されていると判定した場合、更新後の装置識別情報と通信状態情報とを送信する。無線通信部13は、アンテナ14を介して、更新後の装置識別情報と通信状態情報とを受信する。制御部15は、記憶部51が記憶している装置識別情報と通信状態情報とを、無線通信部13が受信した装置識別情報と通信状態情報とに更新する。また、制御部15は、自装置に取り付けられている識別情報表示デバイス25,28に、記憶部51に記憶させた自装置の装置識別情報を表示させる。その後、ステップS2005の処理に進む。
【0106】
(ステップS2005)制御部15は、記憶部51が記憶している通信状態情報に基づいて、自装置の通信先のディスプレー22,24が動作しているか否かを判定する。自装置の通信先のディスプレー22,24が動作していると制御部15が判定した場合にはステップS2006の処理に進み、自装置の通信先のディスプレー22,24が動作していないと制御部15が判定した場合にはステップS2007の処理に進む。
【0107】
(ステップS2006)制御部15は、撮像部11が撮像して画像処理部12が画像処理を行った1画面分の画像データを、無線通信部13を制御して通信先のディスプレー22,24に送信する。その後、ステップS2003の処理に戻る。
(ステップS2007)制御部15は、一定時間待機した後、ステップS2003の処理に戻る。
【0108】
上述したビデオカメラ処理を実行することで、自装置の装置識別情報と通信状態情報とが更新された場合においても、ビデオカメラ21,23は、コントローラ31から、自装置の装置識別情報と通信状態情報とを受信することができる。そして、ビデオカメラ21,23は、自装置に取り付けられている識別情報表示デバイス25,28に、更新された装置識別情報を表示させることができる。また、ビデオカメラ21,23は、通信状態情報に基づいて、自装置の通信先であるディスプレー22,24を特定することができ、自装置の通信先であるディスプレー22,24が動作中である場合には、撮像した画像データをディスプレー22,24に送信することができる。
【0109】
次に、ディスプレー22,24のディスプレー処理の処理手順について説明する。
図16は、本実施形態におけるディスプレー22,24のディスプレー処理の処理手順を示したフローチャートである。なお、ディスプレー処理は、ディスプレー22,24において、各々の装置の電源がOFFとなるまで実行される。
【0110】
(ステップS2101)ディスプレー22,24の制御部20は、自装置の電源が投入されるとディスプレー処理を開始する。その後、ステップS2102の処理に進む。
(ステップS2102)制御部20は、前回自装置の電源をOFFにした直前に、記憶部52に記憶させた装置識別情報と通信状態情報とを読み込む。その後、ステップS2103の処理に進む。
【0111】
(ステップS2103)制御部20は、無線通信部17を制御し、コントローラ31に対して情報更新要求信号を送信する。上述したとおり、情報更新要求信号を受信したコントローラ31は、情報更新要求信号を送信したディスプレー22,24に対して、前回装置識別情報と通信状態情報とを送信してから更新されているか否かの判定結果を送信する。無線通信部17は、アンテナ16を介して、判定結果を受信する。制御部20は、無線通信部17が受信した判定結果に基づいて、装置識別情報と通信状態情報とが更新されたか否かを判定する。装置識別情報と通信状態情報とが更新されたと制御部20が判定した場合にはステップS2104の処理に進み、更新されていないと制御部20が判定した場合にはステップS2105の処理に進む。なお、情報更新要求信号を送信した後、コントローラ31が動作しないといった理由により、無線通信部17が判定結果を受信しなかった場合には、ステップS2105の処理に進む。
【0112】
(ステップS2104)上述したとおり、コントローラ31は、情報更新要求信号の送信元の装置に対して、前回装置識別情報と通信状態情報とを送信してから更新されていると判定した場合、更新後の装置識別情報と通信状態情報とを送信する。無線通信部17は、アンテナ16を介して、更新後の装置識別情報と通信状態情報とを受信する。制御部20は、記憶部52が記憶している装置識別情報と通信状態情報とを、無線通信部17が受信した装置識別情報と通信状態情報とに更新する。また、制御部20は、自装置に取り付けられている識別情報表示デバイス27,30に、記憶部52が記憶している自装置の装置識別情報を表示させる。また、制御部20は、自装置に取り付けられている通信状態表示デバイス26,29に、記憶部52が記憶している通信状態情報を表示させる。その後、ステップS2105の処理に進む。
【0113】
(ステップS2105)制御部20は、記憶部52が記憶している通信状態情報に基づいて、自装置の通信先のビデオカメラ21,23が動作しているか否かを判定する。自装置の通信先のビデオカメラ21,23が動作していると制御部20が判定した場合にはステップS2016の処理に進み、自装置の通信先のビデオカメラ21,23が動作していないと制御部20が判定した場合にはステップS2107の処理に進む。
【0114】
(ステップS2106)制御部20は、通信先のビデオカメラ21,23から送信される1画面分の画像データを、無線通信部13を制御して受信する。また、制御部20は、受信した画像データを画像処理部18に画像処理させて画像表示部19に表示させる。
(ステップS2107)制御部20は、一定時間待機した後、ステップS2103の処理に戻る。
【0115】
上述したディスプレー処理を実行することで、自装置の装置識別情報と通信状態情報とが更新された場合においても、ディスプレー22,24は、コントローラ31から、自装置の装置識別情報と通信状態情報とを受信することができる。そして、ディスプレー22,24は、自装置に取り付けられている識別情報表示デバイス25,28に、更新された装置識別情報を表示させることができ、通信状態表示デバイス26,29に、更新された通信状態情報を表示させることができる。また、ディスプレー22,24は、通信先のビデオカメラ21,23から送信された画像データを画像表示部19に表示させることができる。
【0116】
次に、本実施形態における通信システム200の具体的な動作について説明する。以下、通信システム200において、
(具体例1)ビデオカメラ21とディスプレー22との電源がONとなっており、ビデオカメラ23と、ディスプレー24と、コントローラ31との電源がOFFとなっており、ビデオカメラ21とディスプレー22とが通信中の状態で、コントローラ31の電源がONとなる場合
(具体例2)コントローラ31と、ビデオカメラ21,23と、ディスプレー22,24との電源がONとなっており、ビデオカメラ21とディスプレー22とが通信を行っており、ビデオカメラ23とディスプレー24とが通信を行っている状態で、ユーザがコントローラ31の動作指示部32に接続変更の入力を行い、ビデオカメラ21の通信先をディスプレー24に切り替え、ビデオカメラ23の通信先をディスプレー22に切り替える場合
の2つの具体例について説明する。
【0117】
(具体例1)
・ビデオカメラ21の処理
ビデオカメラ21は、自装置の電源投入直後に、
図15に示したステップS2001、ステップS2002の処理を順に行い、前回自装置の電源をOFFにした直前に記憶部51に記憶させた装置識別情報と通信状態情報とを読み込む。次に、ステップS2003の処理にて、コントローラ31に対して、情報更新要求信号を送信し、装置識別情報と通信状態情報との更新の有無を問い合わせる。装置識別情報と通信状態情報とに更新があれば、ステップS2004の処理にて、コントローラ31から送信される更新された装置識別情報と通信状態情報とを受信し、記憶部51が記憶している装置識別情報と通信状態情報とを、受信した装置識別情報と通信状態情報とに更新し、ステップS2005の処理に進む。また、ステップS2003の処理にて、装置識別情報と通信状態情報とに更新が無い場合と、コントローラ31が動作しておらず回答が無い場合には、ステップS2005の処理に進む。
【0118】
ステップS2005の処理では、ディスプレー22は既に動作中であるため、ステップS2006の処理に進む。ステップS2006の処理にて、ビデオカメラ21は、画像データを1フレーム分、ディスプレー22に送信する。以降、ビデオカメラ21は、ステップS2003、ステップS2005、ステップS2006の順に処理を繰り返し実行する。
【0119】
・ディスプレー22の処理
ディスプレー22は、自装置の電源投入直後に、
図16に示したステップS2101、ステップS2102の処理を順に行い、前回自装置の電源をOFFにした直前に記憶部52に記憶させた装置識別情報と通信状態情報とを読み込む。次に、ステップS2103の処理にて、コントローラ31に対して、情報更新要求信号を送信し、装置識別情報と通信状態情報との更新の有無を問い合わせる。装置識別情報と通信状態情報とに更新があれば、ステップS2104の処理にて、コントローラ31から送信される更新された装置識別情報と通信状態情報とを受信し、記憶部52が記憶している装置識別情報と通信状態情報とを、受信した装置識別情報と通信状態情報とに更新し、ステップS2105の処理に進む。また、ステップS2103の処理にて、装置識別情報と通信状態情報とに更新が無い場合と、コントローラ31が動作しておらず回答が無い場合には、ステップS2105の処理に進む。
【0120】
ステップS2105の処理では、ビデオカメラ21は既に動作中であるため、ステップS2106の処理に進む。ステップS2106の処理にて、ディスプレー22は、ビデオカメラ21から画像データを1フレーム分受信し、画像表示部19に表示させる。以降、ディスプレー22は、ステップS2103、ステップS2105、ステップS2106の順に処理を繰り返し実行する。
【0121】
・コントローラ31の処理
コントローラ31は、電源投入直後に、
図13に示したステップS2201、ステップS2202の処理を順に行い、前回電源をOFFにした直前に記憶部38に記憶させた識別情報管理テーブルと通信状態管理テーブルとを読み込む。次に、ステップS2203の処理にて、ビデオカメラ21とディスプレー22とを探索し、ビデオカメラ21の装置識別情報を「C1」と決定し、ディスプレー22の装置識別情報を「D1」と決定し、記憶部38が記憶する識別情報管理テーブルと通信状態管理テーブルとを更新する。この時点で、ビデオカメラ21とディスプレー22との装置識別情報が決定し、
図11に示した識別情報表示画面の表示内容が決定する。
【0122】
ステップS2204の処理にて、コントローラ31の制御部33は、動作指示部32が接続変更の入力を受け付けたか否かを判定する。この具体例では、動作指示部32は接続変更の入力を受け付けていないため、ステップS2206の処理に進む。ステップS2206の処理にて、ビデオカメラ21とディスプレー22とから情報更新要求信号を受信したか否かを判定する。情報更新要求信号を受信した場合には、ステップS2207の処理に進み、情報更新要求信号を受信していない場合にはステップS2203の処理に戻る。
【0123】
ステップS2207の処理にて、コントローラ31は、情報更新信号の送信元のビデオカメラ21とディスプレー22とに対して、前回装置識別情報と通信状態情報とを送信してから、装置識別情報と通信状態情報とが更新されているか否かの判定結果を送信する。また、前回装置識別情報と通信状態情報とを送信してから、装置識別情報と通信状態情報とが更新されている場合、コントローラ31は、ビデオカメラ21とディスプレー22とに対して、更新後の装置識別情報と通信状態情報とを送信する。この時点で、ビデオカメラ21とディスプレー22とは、受信した装置識別情報を識別情報表示デバイス25,27に表示させる。また、ディスプレー22は、受信した通信状態情報を通信状態表示デバイス26に表示させる。以降、コントローラ31は、ステップS2203、ステップS2204、ステップS2206、ステップS2207の処理を繰り返し実行する。
【0124】
(具体例2)
・ビデオカメラ21,23の処理
ビデオカメラ21,23の処理は、具体例1のビデオカメラ21の処理と同様の処理である。
・ディスプレー22,24の処理
ディスプレー22,24の処理は、具体例1のディスプレー22の処理と同様の処理である。
【0125】
・コントローラ31の処理
コントローラ31は、電源投入直後に、
図13に示したステップS2201、ステップS2202の処理を順に行い、前回電源をOFFにした直前に記憶部38に記憶させた識別情報管理テーブルと通信状態管理テーブルとを読み込む。次に、ステップS2203の処理にて、ビデオカメラ21,23とディスプレー22,24とを探索し、ビデオカメラ21の装置識別情報を「C1」と決定し、ビデオカメラ23の装置識別情報を「C2」と決定し、ディスプレー22の装置識別情報を「D1」と決定し、ディスプレー24の装置識別情報を「D2」と決定し、記憶部38が記憶する識別情報管理テーブルと通信状態管理テーブルとを更新する。この時点で、ビデオカメラ21,23とディスプレー22,24との装置識別情報が決定し、
図11に示した識別情報表示画面の表示内容が決定する。
【0126】
ステップS2204の処理にて、コントローラ31の制御部33は、動作指示部32が接続変更の入力を受け付けたか否かを判定する。この具体例では、ユーザがコントローラ31の動作指示部32に接続変更の入力を行い、ビデオカメラ21の通信先をディスプレー24に切り替え、ビデオカメラ23の通信先をディスプレー22に切り替えるため、ステップS2205の処理に進む。ステップS2205の処理にて、コントローラ31の制御部33は、動作指示部32が受け付けた接続変更の入力に基づいて、記憶部38が記憶している識別情報管理テーブルと通信状態管理テーブルとを更新する。この時点で、ビデオカメラ21(装置識別情報「C1」)の通信先はディスプレー24(装置識別情報「D2」)であり、ビデオカメラ23(装置識別情報「C2」)の通信先はディスプレー22(装置識別情報「D1」)であると接続関係が決定され、
図12(2)に示したように、接続情報表示画面の表示内容が決定する。
【0127】
ステップS2206の処理にて、ビデオカメラ21,23とディスプレー22,24とから情報更新要求信号を受信したか否かを判定する。情報更新要求信号を受信した場合には、ステップS2207の処理に進み、情報更新要求信号を受信していない場合にはステップS2203の処理に戻る。
【0128】
ステップS2207の処理にて、コントローラ31は、情報更新信号の送信元のビデオカメラ21,23とディスプレー22,24とに対して、前回装置識別情報と通信状態情報とを送信してから、装置識別情報と通信状態情報は更新されているか否かの判定結果を送信する。また、前回装置識別情報と通信状態情報とを送信してから、装置識別情報と通信状態情報とは更新されているため、コントローラ31は、ビデオカメラ21,23とディスプレー22,24とに対して、更新後の装置識別情報と通信状態情報とを送信する。この時点で、ビデオカメラ21,23とディスプレー22,24とは、受信した装置識別情報を識別情報表示デバイス25,27,28,30に表示させる。また、ディスプレー22,24は、受信した通信状態情報を通信状態表示デバイス26,29に表示させる。以降、コントローラ31は、ステップS2203、ステップS2204、ステップS2206、ステップS2207の処理を繰り返し実行する。
【0129】
上述したとおり、本実施形態によれば、ビデオカメラ21,23とディスプレー22,24とは、自装置を一意に特定する装置識別情報を識別情報表示デバイス25,27,28,30に表示させる。また、ディスプレー22,24は、自装置の通信先の装置の装置識別情報と通信情報とを示す通信状態情報を通信状態表示デバイス26,29に表示させる。これにより、装置識別情報と通信状態情報とが目視可能な状態で表示される為、各装置の動作状態や接続関係の把握を容易に行う事が可能となる。
【0130】
また、本実施形態によれば、通信システム200は、コントローラ31を含んで居るため、ビデオカメラ21,23とディスプレー22,24との間の画像データの流れの切り替えを行うことが可能となる。これにより、通信システム200は、無線通信システムとしての柔軟性が増加し、利便性が向上する。また、コントローラ31の表示部35に、通信システム200に含まれるビデオカメラ21,23とディスプレー22,24とを一意に示す装置識別情報とが表示されるため、ユーザは、実際に通信システム200に含まれている装置を一目で確認することができる。
【0131】
なお、本実施形態では、ビデオカメラ21,23及びディスプレー22,24に識別情報表示デバイス25,27,28,30が接続されている場合を例に説明している。これは、各装置の装置識別情報の視認性を高める為であるが、通信システム200の状況により、一部の装置のみに識別情報表示デバイス25,27,28,30を接続するようにし、コントローラ31の表示部35に各装置の装置識別情報を表示させるようにしてもよい。
【0132】
例えば、
図9に示した通信システム200において、ビデオカメラ23とディスプレー24とに接続していた識別情報表示デバイス28,30を無くし、コントローラ31の表示部35にビデオカメラ23とディスプレー24の装置識別情報を表示させ、コントローラ31の表示部35上で各装置の装置識別情報を確認する通信システムを構成することも可能である。
【0133】
また、
図9に示した通信システム200において、図示されていないビデオカメラとディスプレーが存在し、このビデオカメラとディスプレーが常に動作しており、接続が固定している場合などは識別情報を表示する必要がない為、このビデオカメラとディスプレーには識別情報表示デバイスを接続しないようにしてもよい。
【0134】
以上、この発明の第1の実施形態および第2の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。