(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記光を発生するステップは、複数の発光素子の各々が、単数又は複数の、互いに異なる経路の前記チャネル光を発生することを特徴とする請求項1に記載のタッチ位置検出方法。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の望ましい実施形態をより詳細に説明する。
【0024】
[第1実施形態]
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置の斜視図である。
【0025】
図1を参照すれば、表示装置1はタッチ位置検出装置10及び表示パネル700を含む。
【0026】
タッチ位置検出装置10は、表示パネル700上に接して位置する。
【0027】
タッチ位置検出装置10は、発光部100、光導波管300、及び受光部500を含む。
【0028】
タッチ位置検出装置10は、表示パネル700に外部からタッチが加えられる場合、タッチの位置を検出してその情報を表示パネル700に提供する。
【0029】
発光部100は、光導波管300の入射面310に配置されて入射光を発生する。
【0030】
発光部100から入射面310に入射した入射光は、光導波管300の中を伝播する。光導波管300は、入射面310に入射した入射光を源とし、互いに異なる経路、即ち、光導波管の上部面に対して互いに異なる角度範囲、を有する複数の光線(light_beam、又はray、以下、「チャネル光」という)を、光導波管300の内部に向かって全反射又は部分反射する。
【0031】
受光部500は、入射面310と対向する光導波管300の出射面330に配置される。受光部500は光導波管300を通過したチャネル光を受光する。
【0032】
光導波管300は、第1側面S1、第2側面S2、第3側面S3、及び第4側面S4を含む。ここで、第1側面S1及び第2側面S2は互いに対向し、第3側面S3及び第4側面S4は互いに対向する。
【0033】
ここで、第1側面S1及び第3側面S3は入射面310を示し、第2側面S2及び第4側面S4は出射面330を示す。
【0034】
チャネル光は光導波管300の上部面と下部面で全反射又は部分反射をしながら第1方向D1又は第2方向D2に進行する。この時、下部面から上部面に向かう方向を第3方向D3とし、上部面はタッチ部材のタッチが遂行されるタッチ面であるとする。
【0035】
タッチ位置検出装置10は、その受光量に基づいてタッチの位置を検出する。タッチ位置検出装置10に対する具体的な説明は後述する。
【0036】
表示パネル700は、光導波管300の下部に配置されて透明な光導波管300を通じて画像を表示する。表示パネル700はタッチ位置検出装置10から提供されたタッチの位置に合わせて画像を表示する。
【0037】
表示パネル700は第1基板710及び第1基板710と対向する第2基板730を含む。表示パネル700は例えば、液晶表示パネル(Liquid crystal display panel)、電界放出表示パネル(Field emission display panel)、プラズマ表示パネル(Plasma display panel)、及び発光表示パネル(Light emitting display panel)である。
【0038】
第1基板710は複数のデータライン、複数のデータラインと交差する複数のゲートライン、複数のデータラインと複数のゲートラインによって定義される画素領域、及び画素領域に形成された薄膜トランジスタ(TFT)を含む。薄膜トランジスタ(TFT)はゲートラインから提供されるゲート信号に応答してデータラインから提供される画像信号を画素領域に提供する。
【0039】
一方、第2基板730はカラーフィルタ、共通電極、ブラックマトリックスなどを含む。また、カラーフィルタ及び共通電極は第1基板710に形成される場合もある。
【0040】
例えば、表示パネル700が液晶表示パネルの場合、表示パネル700は、第1基板710と第2基板730との間に配置された液晶層及び表示パネル700の下部で光を提供するバックライトアセンブリをさらに含む。また、画素領域は、液晶層を間に置いて対面する共通電極と薄膜トランジスタに接続された画素電極から構成され、等価的に液晶キャパシタと表現される。また、画素領域は液晶キャパシタに充電された画像信号電圧を次の画像信号電圧が充電されるまで維持するためのストレージキャパシタを含むことができる。
【0041】
図2は、
図1のタッチ位置検出装置10の平面図である。
【0042】
図1及び
図2を参照すれば、タッチ位置検出装置10は発光部100、光導波管300、受光部500、及び検出部600を含む。
【0043】
タッチ位置検出装置10は、特にFTIR(Frustrated total internal reflection、阻害性内部全反射)方式と呼ばれる光の全反射を利用する。光の全反射というのは、光が高密度媒質から低密度媒質に入射する時、すなわち、屈折率が大きな媒質から屈折率が小さな媒質に入射する時、二つの媒質の境界面に垂直な方向を基準として入射角が臨界角より大きい時、境界面で光が全部反射される現象である。
後述する実施形態においては、二つの媒質の境界面に平行な方向を基準として角度を規定する。従って、「限界角」=90度―「臨界角」、として、入射角が「限界角」より小さい時、全反射が現れる。
【0044】
発光部100は、第1側面S1及び第3側面S3に沿って配置された発光アレイからなり、入射面310に入射光を提供する。
【0045】
光導波管300は、入射光を源とする複数のチャネル光を光導波管300の内部で通常は全反射する。光導波管300は、PMMA(Polymethylmethacrylate)のようなアクリル樹脂、又はホワイトグラス(White glass)のような熱に強いガラス材質から形成される。その他にも、光導波管300はポリカーボネート(Ploycarbonate)、又はポリスチレン(Polystyrene)から形成される。
【0046】
光導波管300内部で起きる全反射は、外部物体が光導波管300に接触すると阻害される、即ち、チャネル光の一部は、外部物体の接触箇所で反射されず屈折して外部物体に吸収される。
【0047】
受光部500は、光導波管300の入射面310と向かい合う出射面330の第2側面S2及び第4側面S4に沿って発光アレイに対応するように配置された受光アレイを含む。受光部500は、光導波管300を通過したチャネル光を受光する。
【0048】
例えば、第1側面S1に配置された発光部100は入射光を第1方向D1に出射し、光導波管300は前記入射光を源とするチャネル光を概ね第1方向D1に伝達して、第2側面S2に配置された受光部500はこのチャネル光を受光する。
【0049】
第3側面S3に配置された発光部100は入射光を第1方向D1と垂直な第2方向D2に出射し、光導波管300は前記入射光を源とするチャネル光を概ね第2方向D2に伝達し、第4側面S4に配置された受光部500はこのチャネル光を受光する。
【0050】
検出部600は、受光部500により受光されたチャネル光の光量を根拠に光導波管300のタッチ位置P1、P2の一方又は双方を検出する。
検出に当っては、複数のチャネル光(
図2では2本、CHL1、CHL2の場合を表示)の各々の受光量の減少箇所をD1方向(第2側面S2)とD2方向(第4側面S4)の双方から検出し、その一致する交点をもってタッチ位置を決定する。
以下、本願の眼目である発光〜受光の動作を、D1方向で代表して説明するが、D2方向も同様であるのは言うまでもない。
【0051】
図3〜
図5は、
図2において光導波管、空気及びタッチ部材の「第1屈折率比」による(即ち、これらの屈折率が以下に詳しく述べる第1の組み合わせを有する場合の)前記光導波管内での「第1チャネル光」(光導波管内を、以下に詳しく述べる第1の角度範囲で進行するチャネル光)の伝達状態を示すグラフである。ここでX軸は、光導波管300と空気の境界、又は、タッチ部材が存在する場合の前記光導波管300とタッチ部材との間の境界を表わす。X軸は同時に第1方向D1を示す。いずれの場合も光導波管300はX軸の図で下側(Y軸の負側)に位置する。
【0052】
図2〜
図5を参照すれば、発光部100で出射した光の波長が850nmの場合、第1屈折率比によれば、空気の屈折率は実質的に1、光導波管300の屈折率は例えば1.484、第1タッチ部材の屈折率は例えば1.417、第2タッチ部材の屈折率は例えば1.485〜1.6である。ここで、第1タッチ部材は人の手(指先)を、第2タッチ部材はペン先を想定している。
即ち、「第1屈折率比」は、各屈折率が、
空気<第1タッチ部材<光導波管<第2タッチ部材、
の順の場合である。
そして、
図3〜
図5はY軸の正側が各々、空気、第1タッチ部材、第2タッチ部材、の場合である。
【0053】
本実施形態においては、光導波管300として屈折率が1.484のPMMA(Polymethylmethacrylate)が使う場合を考察する。
光導波管300がポリカーボネート(Polycarbonate)又はポリスチレン(Polystyrene)から形成される時、その屈折率は各々、1.569及び1.576である。
【0054】
また、本実施形態において、光導波管300として屈折率が1.484のPMMA(Polymethylmethacrylate)が使われるので、第2タッチ部材としては、その屈折率が光導波管300の屈折率の1.484より大きい1.484〜1.6範囲の材質、即ち、ポリアクリレート(Polyacrylate)、ポリカーボネート(Polycarbonate)、又はポリスチレン(Polystyrene)を使う。ここで、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレンの屈折率は各々、1.488、1.569、1.576である。
【0055】
図3〜
図5に示した角度aは、光導波管300から空気に光が入射される時、入射光が全反射される第0限界角を示し、角度bは、光導波管300から第1タッチ部材に光が入射される時、入射光が全反射されることができる第1限界角を示す。
【0056】
本実施形態においては、aはX軸を基準として例えば48°であり、bはX軸を基準として例えば17°である。
【0057】
光導波管300でこの第0限界角(a)と第1限界角(b)は次の式(1)により導き出すことができる。
【0058】
【数1】
ここで、θcは、媒質の境界面(
図3〜
図5でX軸に平行な面)を基準とした限界角を示し、n1は空気又は第1タッチ部材の屈折率を示し、n2は光導波管300の屈折率を示す。ここで媒質の境界面を基準とした入射角がθcより小さいと全反射が起き、θcより大きいと全反射が阻害される。
【0059】
再び
図2及び
図3を参照すれば、光導波管300内に第0限界角aと第1限界角bとの間のチャネル光(以下これを、「第1チャネル光」CHL1という)が入射され、
図3は上述のように光導波管300にタッチが行われない、すなわち、光導波管300が空気と接している場合であるから、第1チャネル光CHL1の入射角が第0限界角(a)より小さいので、第1チャネル光CHL1は全反射される。
【0060】
再び
図2及び
図4を参照すれば、光導波管300内にa角度とb角度との間の第1チャネル光CHL1が入射され、
図4は上述のように光導波管300に第1タッチ部材によるタッチが行われる、すなわち、光導波管300に手が接している場合であるから、第1チャネル光CHL1の入射角が第1限界角(b)より大きいので、第1チャネル光CHL1は一部分吸収され、残りが部分反射される。
【0061】
具体的には、第1限界角(b)〜第0限界角(a)の範囲の例えば17°〜48°に進行する第1チャネル光CHL1は例えば0°〜46°程度に屈折されて第1タッチ部材に吸収される。
【0062】
再び
図2及び
図5を参照すれば、光導波管300内にa角度とb角度との間の第1チャネル光CHL1が入射され、
図5は上述のように光導波管300に第2タッチ部材によるタッチが行われる、すなわち、光導波管300にペンが接している場合であるから、第2タッチ部材の屈折率が光導波管300の屈折率より大きいので、第1チャネル光CHL1は第3方向D3のY軸により近接するように屈折されて部分吸収され、部分反射される。
【0063】
具体的には、第1限界角(b)〜第0限界角(a)の範囲の例えば17°〜48°に進行する第1チャネル光CHL1は、例えば27°〜52°程度に屈折されて第2タッチ部材に吸収される。
【0064】
本実施形態においては、第0限界角(a)が例えば48°であり、第1限界角(b)が例えば17°であるので、第1タッチ部材及び第2タッチ部材のタッチ位置で受光量が減少する第1チャネル光CHL1は、例えば17°〜48°、又は、例えば−17°〜−48°の角度範囲のチャネル光となる。
【0065】
図6〜
図8は、
図2の光導波管、空気、及びタッチ部材の、上述の
図3〜
図5の場合と同じ「第1屈折率比」による光導波管300内において、第1限界角bとX軸との間のチャネル光(以下これを、「第2チャネル光」CHL2という)の伝達状態を示すグラフである。ここで、X軸は上述の
図3〜
図5の場合と同じく、光導波管300と空気、又は、光導波管300とタッチ部材との間の境界であり、同時に第1方向D1を示す。
図6〜
図8は各々、上述の
図3〜
図5に対応して、Y軸の正側が各々、空気、第1タッチ部材、第2タッチ部材、の場合である。
【0066】
図2、
図3及び
図6を参照すれば、光導波管300内にb°〜0°の間の第2チャネル光CHL2が入射されて、
図6は
図3に対応して光導波管300にタッチが行われない、すなわち、光導波管300が空気と接している場合であるから、第2チャネル光CHL2の入射角が第0限界角(a)より小さいので第2チャネル光CHL2は全反射される。
【0067】
図2、
図4及び
図7を参照すれば、光導波管300内にb°〜0°の間の第2チャネル光CHL2が入射されて、
図7は
図4に対応して光導波管300に第1タッチ部材によるタッチが行われる、すなわち、光導波管300に手が接している場合であるから、第2チャネル光CHL2が第1限界角(b)より小さいので第2チャネル光CHL2は全反射される。
【0068】
図2、
図5及び
図8を参照すれば、光導波管300内にb°〜0°の間の第2チャネル光CHL2が入射されて、
図8は
図5に対応して光導波管300に第2タッチ部材によるタッチが行われる、すなわち、光導波管300にペンが接している場合であるから、第2タッチ部材の屈折率が光導波管300の屈折率より大きいので第2チャネル光CHL2は、一部分吸収され残りが部分反射される。
【0069】
例えば、第1限界角(b)より小さい範囲の例えば0°〜17°に進行する第2チャネル光CHL2は例えば22°〜27°程度に屈折されて第2タッチ部材に吸収される。
【0070】
本実施形態においては、bはX軸に対して例えば17°であるので第2チャネル光CHL2は例えば−17°〜17°の角度範囲にある。
【0071】
従って、
図3〜
図5に示したように、第1チャネル光CHL1は、第1タッチ部材又は第2タッチ部材に会うと、全反射される光量が少なくなり、
図6〜
図8に示したように、第2チャネル光CHL2は第2タッチ部材に会うと、全反射される光量が少なくなるので、タッチ位置(例えば、
図2の第1タッチ位置P1乃至第2タッチ位置P2)で受光される光量によりタッチが第1タッチ部材及び第2タッチ部材のいずれで行われるかを区別できる。
【0072】
例えば、再び
図2を参照して、第1タッチ位置P1では光導波管300と第2タッチ部材が接するとすると、第1チャネル光CHL1及び第2チャネル光CHL2が共に部分反射される。すなわち、第1タッチ位置P1に対応する第1チャネル光CHL1及び第2チャネル光CHL2の受光量が共に減少する。反面、第2タッチ位置P2では光導波管300に第1タッチ部材の手が接するとすると、第1チャネル光CHL1のみが部分反射される。すなわち、第2タッチ位置P2では第2チャネル光CHL2の受光量は減少しない。
【0073】
従って、検出部600は、第1チャネル光CHL1の減少を通じて第1タッチ部材及び第2タッチ部材のタッチ位置を検出し、第2チャネル光CHL2の減少を通じて第2タッチ部材の位置のみを検出し、第1チャネル光CHL1の減少が検出された位置のうちから第2チャネル光CHL2の減少が検出された位置を差し引くことによって、第1タッチ部材のみがタッチされた位置を検出できる。
【0074】
以上、本実施形態においては、2種のチャネル光(第1チャネル光CHL1、第2チャネル光CHL2)が光導波管300を進行する場合を例示したが、これを拡張すると、一般にn種のチャネル光を利用してn個のタッチ部材を弁別できる(ここで、nは自然数)。
【0075】
n種のチャネル光が光導波管300に入射されると、第nチャネル光の減少を通じてn番目タッチ部材のタッチ位置を検出し、第(n−1)チャネル光の減少を通じて第n番目タッチ部材と、第(n−1)番目タッチ部材のタッチ位置を検出すると、第(n−1)番目タッチ部材のタッチ位置のみを検出できる。
【0076】
このような方式で、第(n−1)チャネル光の減少を通じて第(n−1)番目タッチ部材のタッチ位置を検出して、第(n−2)チャネル光の減少を通じて第n番目タッチ部材、第(n−1)番目タッチ部材、第(n−2)番目タッチ部材のタッチ位置を検出すれば、第(n−2)番目タッチ部材のタッチ位置のみを検出できる。
【0077】
従って、n個の受光素子がn種のチャネル光を各々受光すると、検出部600はその受光量により、第1番目のタッチ部材のタッチ位置乃至第n番目タッチ部材のタッチ位置を検出できる。
【0078】
図9〜
図11は
図2の光導波管、空気、及びタッチ部材の「第2屈折率比」による光導波管300内においての第1チャネル光の伝達状態を示すグラフである。ここでも、X軸は光導波管300と空気の境界、又は、光導波管300とタッチ部材との間の境界を表わし、X軸は同時に第1方向D1を示す。
本実施例は屈折率比が「第2屈折率比」の場合、即ち、各屈折率が、
空気<第1タッチ部材<第2タッチ部材<光導波管、
の順の場合である。
そして、
図9〜
図11はY軸の正側が各々、空気、第1タッチ部材、第2タッチ部材、の場合である。
【0079】
図2、
図9〜
図11を参照すると、第2屈折率比によれば、空気の屈折率は実質的に1、光導波管300の屈折率は例えば1.484、第1タッチ部材の屈折率は例えば1.417、第2タッチ部材の屈折率は例えば1.42〜1.48である。具体的には、第1タッチ部材は人の手(指先)を、第2タッチ部材はペンを想定している。
【0080】
本実施形態においては、光導波管300として屈折率が1.484のPMMA(Polymethylmethacrylate)が使われるが、光導波管300の材質はポリカーボネート(Polycarbonate)或いは、ポリスチレン(Polystyrene)でもよい。各々の屈折率は各々、1.569及び1.576である。
【0081】
また、本実施形態において、光導波管300として屈折率が1.484のPMMAが使われているので、第2タッチ部材の屈折率は光導波管300の屈折率の1.484より小さくて第1タッチ部材の屈折率の1.417より大きな例えば1.42〜1.48範囲の材質のセルロース(Cellulose)から形成される。ここで、セルロースの屈折率は例えば1.463である。
【0082】
図9〜
図11に示した第0限界角(a)及び第1限界角(b)は、
図3〜
図5の第0限界角(a)及び第1限界角(b)と実質的に同一であるので、対応する要素に対しては対応する参照番号を使い、重複する説明は省略する。
【0083】
図2、
図3及び
図9をまた参照すると、光導波管300内にa〜b角度の間の第1チャネル光CHL1が入射されて、
図9は
図3と同じく光導波管300にタッチが行われない、すなわち、光導波管300が空気と接している場合であるから、第1チャネル光CHL1の入射角は第0限界角(a)より小さいので第1チャネル光CHL1は全反射される。
【0084】
図2、
図4及び
図10をまた参照すれば、光導波管300内にa〜b角度の間の第1チャネル光CHL1が入射されて、
図10は
図4と同じく光導波管300に第1タッチ部材によるタッチが行われる、すなわち、光導波管300に手が接している場合であるから、第1チャネル光CHL1の入射角が第1限界角(b)より大きいので第1チャネル光CHL1は一部分吸収されて残りが部分反射される。
【0085】
例えば、第1限界角(b)〜第0限界角(a)の範囲の例えば17°〜48°で進行する第1チャネル光CHL1は例えば0°〜46°程度に屈折にされて第1タッチ部材に吸収される。
【0086】
図2、
図5及び
図11を再び参照すると、光導波管300内にa〜b角度の間の第1チャネル光CHL1が入射されて、
図11は上述のように光導波管300に第2タッチ部材によるタッチが行われる、すなわち、光導波管300にペンが接している場合であるから、第1チャネル光CHL1の入射角が第2限界角c(図示せず)より大きいので第1チャネル光CHL1は一部分吸収されて残りは部分反射される。
【0087】
ここで、第2限界角は光導波管300で第2タッチ部材に光が入射される時、その入射光が全反射されることのできる限界角を示す。また、
図5と比較する時、
図5の場合と異なり第2タッチ部材の屈折率が光導波管300の屈折率より小さいので、第1チャネル光CHL1はX軸にさらに近接するように屈折される。
【0088】
例えば、第1限界角(b)〜第0限界角(a)の範囲の例えば17°〜48°で進行する第1チャネル光CHL1は例えば14°〜47°程度に屈折されて第2タッチ部材に吸収される。
【0089】
図12〜
図14は
図2の光導波管、空気及びタッチ部材の、上述の
図9〜
図11の場合と同じ「第2屈折率比」による光導波管300内において、第1限界角bと第2限界角cとの間のチャネル光(以下これを、「第2’チャネル光」CHL2’という)の伝達状態を示すグラフである。ここで、X軸は上述の
図9〜
図11の場合と同じく光導波管300と空気、又は、光導波管300とタッチ部材との間の境界であり、同時に第1方向D1を示す。また、第2限界角(c)は例えば10°である。
図12〜
図14は各々、上述の
図9〜
図11に対応して、Y軸の正側が各々、空気、第1タッチ部材、第2タッチ部材、の場合である。
【0090】
図2、
図9及び
図12を参照すれば、光導波管300内にb〜c°の間の第2チャネル光CHL2’が入射されて、
図12は
図9に対応して光導波管300にタッチが行われない、すなわち、光導波管300が空気と接している場合であるから、第2’チャネル光CHL2’の入射角が第0限界角(a)より小さいので第2チャネル光CHL2’は全反射される。
【0091】
図2、
図10及び
図13を参照すると、光導波管300内にb°〜c°の間の第2’チャネル光CHL2’が入射されて、
図13は
図10に対応して光導波管300に第1タッチ部材によるタッチが行われる、すなわち、光導波管300に手が接している場合であるから、第2’チャネル光CHL2’が第1限界角(b)より小さいので第2’チャネル光CHL2’は全反射される。
【0092】
図2、
図11及び
図14を参照すると、光導波管300内にb°〜c°の間の第2’チャネル光CHL2’が入射されて、
図14は
図11に対応して光導波管300に第2タッチ部材によるタッチが行われる、すなわち、光導波管300にペンが接している場合であるから、第2’チャネル光CHL2’の入射角が第2限界角(c)より大きいので第2’チャネル光CHL2’は一部分吸収され残りが部分反射される。
【0093】
例えば、第1限界角(b)より小さい範囲の例えば0°〜17°で進行する第2’チャネル光CHL2’は例えば0°〜14°程度に屈折されて第2タッチ部材に吸収される。
【0094】
図15は
図2に示したタッチ位置検出装置のI−I’線による断面図である。
図16は
図15の第1チャネル光及び第2チャネル光の光進行角度を示したグラフである。
図16において、x(‘X’と区別するよう留意)軸は第1入射チャネル光LSL11及び第2入射チャネル光LSL12の光進行角度を示し、y(‘Y’と区別するよう留意)軸は第1チャネル光CHL11及び第2チャネル光CHL12の光進行角度を示す。
【0095】
図2、
図15及び
図16を参照すると、タッチ位置検出装置10は入射面310に配置された発光部100及び出射面330に配置された受光部500を含む。
【0096】
発光部100は第1発光素子110及び第2発光素子120を含む。第1発光素子110及び第2発光素子120は赤外線発光ダイオード(LED)でありうる。
【0097】
第1発光素子110及び第2発光素子120は、その光出射面が入射面310に向かい合うように、入射面310に沿って上下(D3方向)に順番に配置される。この時、光出射面は互いに異なる方向に向かう。
【0098】
第1発光素子110は光導波管300中における光の全般的な進行方向、即ち光導波管300の上部面と平行する第1方向D1と例えば40°の角度を成して入射面310に向かって第1入射チャネル光LSL11を出射する。第1発光素子110が光を出射する角度は正面を中心に−10°〜+10°である。
【0099】
第2発光素子120は、光導波管300の上部面と平行するように配置される。すなわち、第2発光素子120は第1方向D1と例えば0度の角度を成して入射面310に向かって第2入射チャネル光LSL12を出射する。第2発光素子120が光を出射する角度は正面を中心に−10°〜+10°である。
【0100】
従って、第1入射チャネル光LSL11は発光部100内の空気中を例えば30°〜50°の角度で進行し、第2入射チャネル光LSL12は、例えば−10°〜10°の角度で進行する。
【0101】
ここで、第1入射チャネル光LSL11及び第2入射チャネル光LSL12は一括して光導波管300に入射される入射光L11として示す。
【0102】
光導波管300の上部面は入射面310と例えば90°の角度αを成す。
【0103】
第1入射チャネル光LSL11及び第2入射チャネル光LSL12が光導波管300の入射面310を過ぎると、各々第1チャネル光CHL11及び第2チャネル光CHL12になる。第1チャネル光CHL11及び第2チャネル光CHL12は一括して伝達光L12として示す。
【0104】
受光部500は第1受光素子510及び第2受光素子520を含む。
【0105】
第1受光素子510及び第2受光素子520はフォトトランジスタ(Photo−transistor)でありうる。
【0106】
第1受光素子510及び第2受光素子520は第1発光素子110及び第2発光素子120に対応して配置される。
【0107】
加えて、入射面310に面する発光部100と出射面330に面する受光部とは対称的な形状を有し、対称的に位置しているので、第1チャネル光CHL11は第1受光素子510により受光され、第2チャネル光CHL12は第2受光素子520により受光される。
光導波管300の下部面は空気層を介して表示パネルに接しているので、第1、第2チャネル光は、光導波管300の上部面ではタッチ箇所で選択的に部分反射されるが、光導波管300の下部面では常に全反射されて全般的にはD1方向に進行し、受光部500に到達する。
出射面330に、第1、第2受光素子510、520の受光面までの距離を焦点距離とする凸レンズ(図示せず)が設けておくと、第1、第2チャネル光を効率的に受光できる。
【0108】
第1チャネル光CHL11及び第2チャネル光CHL12の進行角度は、例えば人間の手(指)に相当する第1タッチ部材の屈折率、光導波管300の屈折率、及び例えばペンに相当する第2タッチ部材の屈折率に合わせて調節される。
【0109】
第1入射チャネル光LSL11及び第2入射チャネル光LSL12が入射面310で屈折して形成された第1チャネル光CHL11及び第2チャネル光CHL12が第1方向D1と成す角度は次の式(2)により導出できる。
【0110】
【数2】
ここで、αは光導波管300の上部面と入射面310が成す角度を、θ1は、第1発光素子110と第1方向D1が成す角度、又は、第2発光素子120と第1方向D1が成す角度を示す。
【0111】
本実施形態において、光導波管300の上部面と入射面310との間の角であるαが90°で、第1発光素子110と第1方向D1が成す角度であるθ1が40°であるから、例えば30°〜50°の角度範囲で進行する第1入射チャネル光LSL11が入射面310を過ぎると、第1チャネル光CHL11はθ2である例えば20°〜31°の角度範囲で進行する。
【0112】
光導波管300の上部面と入射面310との間の角であるαが90°で、第2発光素子120と第1方向D1が成す角度であるθ1が0°であるから、例えば−10°〜10°の角度範囲で進行する第2入射チャネル光LSL12が入射面310を過ぎると、第2チャネル光CHL12は例えば−7°〜7°の角度範囲で進行する。
【0113】
すなわち、
図15のような第1発光素子110及び入射面310の構造による第1チャネル光CHL11の進行角度範囲、例えば20°〜31°は、
図3〜
図5と、
図9〜
図11の第1チャネル光CHL1の角度範囲、例えば17°〜48°に含まれるので、第1チャネル光CHL11が第1タッチ部材及び第2タッチ部材に会うと部分反射される。
【0114】
同様に、
図5のような第2発光素子120及び入射面310の構造による第2チャネル光CHL12の進行角度範囲、例えば−7°〜7°は、
図6〜
図8の第2チャネル光CHL2の角度範囲、例えば−17°〜17°に含まれるので、第2チャネル光CHL12が第2タッチ部材に会うと部分反射される。
【0115】
例えば−7°〜7°領域のうち、
図12〜
図14の例えば−17°〜c°領域と、例えばc°〜17°領域と重なる部分のみ第2タッチ部材によって部分反射されるので、角度cが−7°よりは大きく、7°よりは小さくなるように第2タッチ部材の屈折率を例えば1.42〜1.48内で変更するならば、第2チャネル光CHL12が第2タッチ部材に会うと部分反射される。
【0116】
図17は、
図15に示したタッチ位置検出装置10で遂行されるタッチ位置検出方法を説明するフローチャートである。
【0117】
図15及び
図17を参照すれば、第1発光素子110は例えば30°〜50°の第1進行角度を有する第1入射チャネル光LSL11を発生し、第2発光素子120は例えば−10°〜10°の第2進行角度を有する第2入射チャネル光LSL12を発生する(ステップS110)。
【0118】
次いで、互いに異なる経路の、即ち、光導波管の上部面に対して互いに異なる角度範囲を有する、第1入射チャネル光LSL11及び第2入射チャネル光LSL12が入射面310を過ぎることによって例えば20°〜31°の第3進行角度を有する第1チャネル光CHL11及び例えば−7°〜7°の第4進行角度を有する第2チャネル光CHL12が発生する(ステップS130)。
【0119】
次いで、第1受光素子510及び第2受光素子520はタッチ部材に従って部分反射する第1チャネル光CHL11及び第2チャネル光CHL12を各々受光する(ステップS150)。
【0120】
次いで、検出部600は、第1受光素子510及び第2受光素子520により受光された第1チャネル光CHL11及び第2チャネル光CHL12の光量によりタッチの位置を検出する(ステップS170)。
【0121】
例えば、第1チャネル光CHL11が減少する位置で第1タッチ部材及び第2タッチ部材のタッチ位置を検出して、第2チャネル光CHL12が減少する位置で第2タッチ部材だけのタッチ位置を検出する。
【0122】
検出部600は、第n番目のチャネル光に基づいて第n番目の種類のタッチ部材のタッチ位置を検出して、第(n−1)番目のチャネル光に基づいて第n番目の種類のタッチ部材及び第(n−1)番目の種類のタッチ部材のタッチ位置を検出して、第(n−1)番目の種類のタッチ部材のタッチ位置を検出できる。
そのためには、第1〜第n番目の種類のタッチ部材は各々異なる、順次大きい屈折率を有し、そのうち高々一つのタッチ部材、即ち、最大の屈折率を有する第n番目のタッチ部材だけが光導波管300の屈折率よりも大きい屈折率を有することができる。
さらに、空気及び第1〜第n番目の種類のタッチ部材の屈折率を各々第0〜第n屈折率とし(第0屈折率=実質的に1)、第n屈折率が光導波管の屈折率より小さい場合(ケース1とする)、これらの各々と光導波管の屈折率から上記式(1)に準じて決まる第0〜第n限界角をφ0〜φnとする。
第n屈折率が光導波管の屈折率よりも大きい場合(ケース2とする)は、同様にして決まる第0〜第(n−1)限界角はφ0〜φ(n−1)となる。
いずれのケースの場合も、各チャネル光の角度範囲は、限界角φ0〜φn又はφ0〜φ(n−1)の隣接する値で区切られた角度スロットに収まるように、設定される。
ちなみに上述の
図3〜
図14の実施形態はいずれもn=2の場合であり、そのうち、
図3〜
図8はケース2に該当し、限界角φ0=a、φ1=b、に相当する。また、
図9〜
図14はケース1に該当し、限界角φ0=a、φ1=b、φ2=c、に相当する。
【0123】
本実施形態によれば、複数の発光素子を使って光導波管300に互いに異なる経路の光、即ち、光導波管の上部面に対して互いに異なる角度範囲を有するチャネル光、を提供し、光導波管300が互いに異なる経路のチャネル光を伝送して複数のタッチ部材の個別的なタッチ位置を検出することができる。
【0124】
[第2実施形態]
図18は本発明の他の実施形態に係る、
図2に示したタッチ位置検出装置のI−I’線による断面図である。
図19は
図18の第1チャネル光及び第2チャネル光の光進行角度を示したグラフである。
図19において、x軸は第1入射チャネル光LSL21及び第2入射チャネル光LSL22の光進行角度を示し、y軸は第1チャネル光CHL21及び第2チャネル光CHL22の光進行角度を示す。
【0125】
本実施形態に係る表示装置の斜視図及び平面図は、
図1及び
図2と符番が異なるが実質的に同一である。従って、対応する要素に対しては対応する参照番号を使って、重複する説明は省略する。
【0126】
光導波管、空気、及びタッチ部材の第1屈折率比にともなう光導波管300内での第1チャネル光の伝達状態及び第2チャネル光の伝達状態は
図3〜
図8と実質的に同一である。従って、対応する要素に対しては対応する参照番号を使って、重複する説明は省略する。
【0127】
光導波管300、空気、及びタッチ部材らの第2屈折率比にともなう光導波管300内での第1チャネル光の伝達状態及び第2チャネル光の伝達状態は
図9〜
図14と実質的に同様である。従って、対応する要素に対しては対応する参照番号を使って、重複する説明は省略する。
【0128】
図2、
図18、及び
図19を参照すれば、タッチ位置検出装置20は、入射面311に配置された発光部101及び出射面331に配置された受光部501を含む。
【0129】
発光部101は、第1発光素子130及び第2発光素子140を含む。
【0130】
第1発光素子130及び第2発光素子140は、入射面311に沿って上下(D3方向)に順番に配置される。
【0131】
タッチ位置検出装置20は、
図1、
図2のタッチ位置検出装置10と符番が異なるが、実質的に同一である。
【0132】
従って、発光部101は、
図2の発光部100を示し、入射面311及び出射面331は、
図2の入射面310及び出射面330を示し、受光部501は、
図2の受光部500を示す。
【0133】
第1発光素子130は、光導波管300においての光の進行方向の第1方向D1と例えば20°の角度を成して、第1方向D1と例えば20°の角度で光導波管300の上部面に向かって第1入射チャネル光LSL21を出射する。
【0134】
第2発光素子140は、光導波管300中における光の全般的な進行方向である第1方向D1と例えば−20°の角度を成して、第1方向D1と例えば−20°の角度で光導波管300の下部面に向かって第2入射チャネル光LSL22を出射する。
【0135】
従って、第1入射チャネル光LSL21は発光部101の空気中を例えば10°〜30°の角度範囲で進行し、第2入射チャネル光LSL22は例えば−30°〜−10°の角度範囲で進行する。
【0136】
ここで、第1入射チャネル光LSL21及び第2入射チャネル光LSL22は互いに異なる経路を有するが、一括して光導波管300に入射される入射光L21として示す。
【0137】
光導波管300の上部面は入射面311と例えば45°の第1傾斜角αを成す。
【0138】
第1入射チャネル光LSL21及び第2入射チャネル光LSL22が光導波管300の入射面311を過ぎると、各々第1チャネル光CHL21及び第2チャネル光CHL22になる。第1チャネル光CHL21及び第2チャネル光CHL22は、一括して伝達光L22として示す。
【0139】
受光部501は第1受光素子530及び第2受光素子540を含む。第1受光素子530及び第2受光素子540は第1発光素子130及び第2発光素子140に対応して配置される。
【0140】
加えて、入射面311に面する発光部100と出射面331に面する受光部とは鏡像対称な形状を有し、入射面311と出射面331は鏡像対称的に位置しているので、入射面311、出射面331が各々、光導波管300の上部面に対して成す第1、第2傾斜角はその和が180°に等しく、第1チャネル光CHL21は第1受光素子530により受光され、第2チャネル光CHL22は第2受光素子540により受光される。
【0141】
第1入射チャネル光LSL21及び第2入射チャネル光LSL22が入射面311で屈折されて形成された第1チャネル光CHL21及び第2チャネル光CHL22が第1方向D1と成す角度は以前実施形態の式(2)を利用して得ることができる。
【0142】
本実施形態において、光導波管300の上部面と入射面311との間の角であるαが45°で、第1発光素子130と第1方向D1が成す角であるθ1が20°であるから、例えば10°〜30°の角度範囲で進行する第1入射チャネル光LSL21が入射面311を過ぎると、第1チャネル光CHL21はθ2である例えば22°〜35°の角度範囲で進行する。
【0143】
光導波管300の上部面と入射面311との間の角であるαが45°で、第2発光素子140と第1方向D1が成す角であるθ1が−20°であるから、例えば−30°〜−10°の角度範囲で進行する第2入射チャネル光LSL22が入射面311を過ぎると、第2チャネル光CHL22はθ3である例えば4°〜11°の角度範囲で進行する。
【0144】
すなわち、
図18のような第1発光素子130及び入射面311の構造による第1チャネル光CHL21の進行角度範囲、例えば22°〜35°は、
図3〜
図5と、
図9〜
図11の例えば17°〜48°に含まれるので、第1チャネル光CHL21が第1タッチ部材及び第2タッチ部材に会うと部分反射する。
【0145】
同様に、
図18のような第2発光素子140及び入射面311の構造による第2チャネル光CHL22の進行角度範囲、例えば4°〜11°は、
図6〜
図8の例えば−17°〜17°領域に含まれるので第2チャネル光CHL22が第2タッチ部材に会うと部分反射する。
【0146】
角度範囲、例えば4°〜11°のうち、
図12〜
図14の角度範囲、例えば−17°〜c°と、角度範囲、c°〜例えば17°と重なる部分のみが第2タッチ部材によって部分反射されるので、角度cが11°よりは小さくなるように第2タッチ部材の屈折率を例えば1.42〜1.48内で調節するならば、第2チャネル光CHL22が第2タッチ部材に会うと部分反射する。
【0147】
図20は
図18に示したタッチ位置検出装置20で遂行されるタッチ位置検出方法を説明するフローチャートである。
【0148】
図18及び
図20を参照すれば、第1発光素子130は例えば10°〜30°の第5進行角度を有する第1入射チャネル光LSL21を発生して、第2発光素子130は例えば−30°〜−10°の第6進行角度を有する第2入射チャネル光LSL22を発生する(ステップS210)。
【0149】
続いて、互いに異なる経路の第1入射チャネル光LSL21及び第2入射チャネル光LSL22が入射面311を過ぎることによって例えば22°〜35°の第7進行角度を有する第1チャネル光CHL21及び例えば4°〜11°の第8進行角度を有する第2チャネル光CHL22が発生する(ステップS230)。
【0150】
続いて、第1受光素子530及び第2受光素子540はタッチ部材に従って部分反射する第1チャネル光CHL21及び第2チャネル光CHL22を各々受光する(ステップS250)。
【0151】
続いて、検出部600は、第1受光素子530及び第2受光素子540により受光された第1チャネル光CHL21及び第2チャネル光CHL22の光量によりタッチの位置を検出する(ステップS270)。
【0152】
例えば、第1チャネル光CHL21が減少するタッチ位置で第1タッチ部材及び第2タッチ部材のタッチ位置を検出し、第2チャネル光CHL22が減少するタッチ位置で第2タッチ部材だけのタッチ位置を検出する。
【0153】
本実施形態によると、複数の発光素子及び傾きを有する光導波管300の入射面311を使って光導波管300に互いに異なる経路の光、即ち、光導波管の上部面に対して互いに異なる角度範囲を有するチャネル光、を提供して、光導波管300が互いに異なる経路のチャネル光を伝送して複数のタッチ部材の個別的なタッチ位置を検出できる。
【0154】
[第3実施形態]
図21は本発明の他の実施形態に係る、
図2に示したタッチ位置検出装置のI−I’線による断面図である。
図22は、
図21の第1チャネル光及び第2チャネル光の光進行角度を示したグラフである。
図22で、x軸は入射光L31の光進行角度を示し、y軸は第1チャネル光CHL31及び第2チャネル光CHL32の光進行角度を示す。
【0155】
本実施形態に係る表示装置の斜視図及び平面図は
図1及び
図2と符番が異なるが実質的に同一である。従って、対応する要素に対しては対応する参照番号を使って、重複する説明は省略する。
【0156】
光導波管、空気、及びタッチ部材の第1屈折率比に係る光導波管300内においての第1チャネル光の伝達状態及び第2チャネル光の伝達状態は、
図3〜
図8と実質的に同一である。従って、対応する要素に対しては対応する参照番号を使って、重複する説明は省略する。
【0157】
光導波管300、空気、及びタッチ部材の第2屈折率比による光導波管300内での第1チャネル光の伝達状態及び第2チャネル光の伝達状態は
図9〜
図14と実質的に同一である。従って、対応する要素に対しては対応する参照番号を使って、重複する説明は省略する。
【0158】
図2、
図21及び
図22を参照すれば、タッチ位置検出装置30は入射面312に配置された発光部102及び出射面332に配置された受光部502を含む。
【0159】
発光部102は発光素子150を含む。
【0160】
タッチ位置検出装置30は、
図1、
図2のタッチ位置検出装置10と符番が異なるが、実質的に同一である。
【0161】
従って、発光部102は、
図2の発光部100を示し、入射面312及び出射面332は、
図2の入射面310及び出射面330を示し、受光部502は
図2の受光部500を示す。
【0162】
発光素子150は光導波管300に向かって第1方向D1に入射光L31を出射する。
【0163】
入射面312は光導波管300の下部面と接続された第1面312aと、光導波管300の上部面と接続された第2面312bを含む。
【0164】
光導波管300の下部面は第1面312aと例えば−30°の角度を成し、光導波管300の上部面は第2面312bと例えば60°の角度を成す。従って、入射面312は第1方向D1に入射される入射光L31を、互いに異なる経路の第1チャネル光CHL31及び第2チャネル光CHL32に変更する。ここで、第1チャネル光CHL31及び第2チャネル光CHL32は、一括して伝達光L32として示す。
【0165】
受光部502は、第1受光素子550及び第2受光素子560を含む。
入射面312に面する発光部102と出射面332に面する受光部とは対称的な形状を有し、対称的に位置しているので、互いに異なる経路を進行する第1チャネル光CHL31及び第2チャネル光CHL32は、出射面332を通過すると各々第1方向D1に進行する。従って、第1チャネル光CHL31は第1受光素子550により受光され、第2チャネル光CHL32は第2受光素子560により受光される。
【0166】
入射光L31が入射面312で屈折して形成された第1チャネル光CHL31及び第2チャネル光CHL32が第1方向D1と成す角度は上述の式(2)を利用して得ることができる。
【0167】
光導波管300の下部面と入射面312の間の角であるαが例えば−30°で、発光素子150と第1方向D1が成す角が0°である場合、例えば−10°〜10°の角度範囲で進行する入射光L31が入射面312を過ぎると、第1面312aにより第1チャネル光CHL31はθ2である例えば−21°〜−29°の角度範囲で進行する。
【0168】
光導波管300の上部面と入射面312との間の角であるαが例えば60度で、発光素子150と第1方向D1が成す角が0°である場合、例えば−10°〜10°の角度範囲で進行する入射光L31が入射面312を過ぎると、第2面312bにより第2チャネル光CHL32はθ3である例えば4°〜17°の角度範囲で進行する。
【0169】
すなわち、
図21のような発光素子150及び第1面312aの構造による第1チャネル光CHL31の進行角度の例えば−21°〜−29°の角度範囲は、
図3〜
図5と、
図9〜
図11の例えば17°〜48°の角度範囲に含まれるので、第1チャネル光CHL31が第1タッチ部材及び第2タッチ部材に会うと部分反射する。
【0170】
同様に、
図21のような発光素子150及び第2面312bの構造による第2チャネル光CHL32の進行角度の例えば4°〜17°の角度範囲は、
図6〜
図8の例えば−17°〜17°の角度範囲に含まれるので、第2チャネル光CHL32が第2タッチ部材に会うと部分反射する。
【0171】
例えば4°〜17°の角度範囲のうち、
図12〜
図14の例えば−17°〜c°の角度範囲と、c°〜例えば17°の角度範囲と重なる部分のみが第2タッチ部材によって部分反射されるので、角度cが17°よりは小さくなるように第2タッチ部材の屈折率を例えば1.42〜1.48内で調節するならば、第2チャネル光CHL12が第2タッチ部材に会うと部分反射する。
【0172】
図23は
図21に示したタッチ位置検出装置30で遂行されるタッチ位置検出方法を説明するフローチャートである。
【0173】
図21及び
図23を参照すれば、発光素子150は、例えば−10°〜10°の第9進行角度を有する入射光L31を発生する(ステップS310)。
【0174】
続いて、一つの入射光L31が入射面312を過ぎることによって例えば−21°〜−29°の第10進行角度を有する第1チャネル光CHL31、及び例えば4°〜17°の第11進行角度を有する第2チャネル光CHL32が発生する(ステップS330)。
【0175】
ここで、入射面312が含む互いに異なる傾きを有する第1面312a及び第2面312bは、一つの入射光L31を複数の経路を有する第1チャネル光CHL31及び第2チャネル光CHL32に変形する。
【0176】
続いて、第1受光素子550及び第2受光素子560はタッチ部材によって部分反射する第1チャネル光CHL31及び第2チャネル光CHL32を各々受光する(ステップS350)。
【0177】
続いて、検出部600は、第1受光素子550及び第2受光素子560により受光された第1チャネル光CHL31及び第2チャネル光CHL32の光量によりタッチの位置を検出する(ステップS370)。
【0178】
例えば、第1チャネル光CHL31が減少するタッチ位置で第1タッチ部材及び第2タッチ部材のタッチ位置を検出し、第2チャネル光CHL32が減少するタッチ位置で第2タッチ部材だけのタッチ位置を検出する。
【0179】
本実施形態によれば、既存の発光部を使って光導波管300に多様な、互いに異なる経路のチャネル光、即ち、光導波管の上部面に対して互いに異なる角度範囲を有するチャネル光、を提供でき、色々な、即ち、互いに異なる屈折率を有する複数の種類のタッチ部材のタッチ位置を個別的に検出できる。
【0180】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特徴請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。