特許第5781448号(P5781448)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5781448車両検知システム、車両検知方法、車両検知装置、プログラム、及び記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5781448
(24)【登録日】2015年7月24日
(45)【発行日】2015年9月24日
(54)【発明の名称】車両検知システム、車両検知方法、車両検知装置、プログラム、及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20150907BHJP
【FI】
   G07B15/00 L
【請求項の数】10
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2012-22365(P2012-22365)
(22)【出願日】2012年2月3日
(65)【公開番号】特開2013-161237(P2013-161237A)
(43)【公開日】2013年8月19日
【審査請求日】2014年6月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100126893
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】福▲崎▼ 重隆
(72)【発明者】
【氏名】上岡 進治
【審査官】 永安 真
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−271316(JP,A)
【文献】 特開2000−207690(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路を通行する車両を検知する車両検知システムであって、
前記道路の路側に設けられて、前記道路上の物体を検知するための複数の物体検知手段を具備していて、前記物体検知手段による物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、前記道路を通行する車両を検知する車両検知装置と、
前記車両検知装置よりも前記道路の進行方向の手前側の路側に設けられて、車両の通行を規制する規制手段を具備していて、車両の通行を規制し得る規制位置、又は車両の通行を許容し得る許容位置に位置するように前記規制手段を駆動して車両の通行を規制する通行規制装置と
を備え、
前記車両検知装置は、
前記規制手段が前記道路の進行方向に折れた場合に、複数の前記物体検知手段のうち、前記規制手段の規制位置よりも低い高さに設けられた物体検知手段のみによる、物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、前記道路を通行する車両を検知する車両検知部
を有する車両検知システム。
【請求項2】
前記通行規制装置は、
前記規制手段が前記道路の進行方向に折れた場合に、その旨を示す折れ検知データを、前記車両検知装置へ送信する折れ検知データ送信部
を有し、
前記車両検知装置は、
前記通行規制装置から送信された折れ検知データを受信する折れ検知データ受信部
を更に有し、
前記車両検知装置の前記車両検知部は、前記折れ検知データ受信部が折れ検知データを受信した場合に、複数の前記物体検知手段のうち、前記規制手段の規制位置よりも低い高さに設けられた物体検知手段のみによる、物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、前記道路を通行する車両を検知する
請求項1に記載の車両検知システム。
【請求項3】
前記通行規制装置は、前記規制手段が前記道路の進行方向に折れた場合に、その旨を検知する折れ検知手段を更に具備しており、
前記通行規制装置の前記折れ検知データ送信部は、前記規制手段が前記道路の進行方向に折れたことを、前記折れ検知手段が検知した場合に、その旨を示す折れ検知データを、前記車両検知装置へ送信する
請求項2に記載の車両検知システム。
【請求項4】
道路を通行する車両を検知する車両検知システムであって、
前記道路の路側に設けられて、前記道路上の物体を検知するための複数の物体検知手段を具備していて、前記物体検知手段による物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、前記道路を通行する車両を検知する車両検知装置と、
前記車両検知装置よりも前記道路の進行方向の手前側の路側に設けられて、車両の通行を規制する規制手段を具備していて、車両の通行を規制し得る規制位置、又は車両の通行を許容し得る許容位置に位置するように前記規制手段を駆動して車両の通行を規制する通行規制装置と
を備え、
前記車両検知装置は、
複数の前記物体検知手段のうち、物体を検知し続けている物体検知手段を特定する物体検知手段特定部
前記物体検知手段特定部が物体検知手段を特定した場合、複数の前記物体検知手段のうち、前記物体検知手段特定部が特定した物体検知手段以外の物体検知手段のみによる、物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、前記道路を通行する車両を検知する車両検知部と
を有する車両検知システム。
【請求項5】
前記車両検知装置の前記物体検知手段特定部は、所定時間が経過する間中、物体を検知し続けている物体検知手段を特定する
請求項4に記載の車両検知システム。
【請求項6】
前記車両検知装置の前記物体検知手段特定部は、前記車両検知部が所定台数の車両を検知する間中、物体を検知し続けている物体検知手段を特定する
請求項4又は5に記載の車両検知システム。
【請求項7】
道路の路側に設けられて、前記道路上の物体を検知するための複数の物体検知手段を具備していて、前記物体検知手段による物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、前記道路を通行する車両を検知する車両検知装置により、道路を通行する車両を検知する車両検知方法であって、
前記車両検知装置よりも前記道路の進行方向の手前側の路側に設けられて、車両の通行を規制する規制手段を具備していて、車両の通行を規制し得る規制位置、又は車両の通行を許容し得る許容位置に位置するように前記規制手段を駆動して車両の通行を規制する通行規制装置の前記規制手段が前記道路の進行方向に折れた場合に、複数の前記物体検知手段のうち、前記規制手段の規制位置よりも低い高さに設けられた物体検知手段のみによる、物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、前記道路を通行する車両を検知する車両検知段階
を備える車両検知方法。
【請求項8】
道路の路側に設けられて、前記道路上の物体を検知するための複数の物体検知手段を具備していて、前記物体検知手段による物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、前記道路を通行する車両を検知する車両検知装置であって、
当該車両検知装置よりも前記道路の進行方向の手前側の路側に設けられて、車両の通行を規制する規制手段を具備していて、車両の通行を規制し得る規制位置、又は車両の通行を許容し得る許容位置に位置するように前記規制手段を駆動して車両の通行を規制する通行規制装置の前記規制手段が前記道路の進行方向に折れた場合に、複数の前記物体検知手段のうち、前記規制手段の規制位置よりも低い高さに設けられた物体検知手段のみによる、物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、前記道路を通行する車両を検知する車両検知部
を備える車両検知装置。
【請求項9】
道路の路側に設けられて、前記道路上の物体を検知するための複数の物体検知手段を具備していて、前記物体検知手段による物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、前記道路を通行する車両を検知する車両検知装置として、コンピュータを機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
当該車両検知装置よりも前記道路の進行方向の手前側の路側に設けられて、車両の通行を規制する規制手段を具備していて、車両の通行を規制し得る規制位置、又は車両の通行を許容し得る許容位置に位置するように前記規制手段を駆動して車両の通行を規制する通行規制装置の前記規制手段が前記道路の進行方向に折れた場合に、複数の前記物体検知手段のうち、前記規制手段の規制位置よりも低い高さに設けられた物体検知手段のみによる、物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、前記道路を通行する車両を検知する車両検知部
として機能させるプログラム。
【請求項10】
道路の路側に設けられて、前記道路上の物体を検知するための複数の物体検知手段を具備していて、前記物体検知手段による物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、前記道路を通行する車両を検知する車両検知装置として、コンピュータを機能させるプログラムを記録した記録媒体であって、
前記コンピュータを、
当該車両検知装置よりも前記道路の進行方向の手前側の路側に設けられて、車両の通行を規制する規制手段を具備していて、車両の通行を規制し得る規制位置、又は車両の通行を許容し得る許容位置に位置するように前記規制手段を駆動して車両の通行を規制する通行規制装置の前記規制手段が前記道路の進行方向に折れた場合に、複数の前記物体検知手段のうち、前記規制手段の規制位置よりも低い高さに設けられた物体検知手段のみによる、物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、前記道路を通行する車両を検知する車両検知部
として機能させるプログラムを記録した記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両検知システム、車両検知方法、車両検知装置、プログラム、及び記録媒体に関する。特に本発明は、道路を通行する車両を検知する車両検知システム、車両検知方法、道路の路側に設けられて、道路上の物体を検知するための複数の物体検知手段を具備していて、物体検知手段による物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、道路を通行する車両を検知する車両検知装置、当該車両検知装置としてコンピュータを機能させるプログラム、並びに当該プログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
有料道路の出口の料金所ゲートには、自動精算機と共に、通行規制装置や車両検知装置が設けられている(例えば、特許文献1参照。)。より具体的に説明すると、通行規制装置は、自動精算機よりも進行方向側に設けられている。また、車両検知装置は、通行規制装置よりも更に進行方向側に設けられている。そして、自動精算機にて料金の精算処理が成されると、通行規制装置は、下がっていた遮断桿を上げて、車両の通行を許容する状態に切り替わる。一方、自動精算機は、料金の精算を受け付けない状態に切り替わる。そして、車両検知装置の前を車両が通過すると、車両検知装置は、車両を検知すると共に、その旨を示すデータを、自動精算機と遮断桿へ送信する。自動精算機は、車両検知装置から送信されたデータを受信すると、再度、精算を受け付ける状態に切り替わる。一方、通行規制装置は、上げていた遮断桿を下げて、車両の通行を規制する状態に切り替わる。
【0003】
このようにして、このような料金所ゲートにおいては、料金が精算されるまで車両の進行を規制すると共に、料金の精算を終えた車両が料金所ゲートを抜けるまで、次車両の精算を受け付けないことによって、料金所ゲートを車両が安全且つ円滑に通行することができるようにしている。
【0004】
一方、有料道路の入口の料金所ゲートには、自動発券機と共に、車両検知装置が設けられている(例えば、特許文献2参照。)。より具体的に説明すると、車両検知装置は、自動発券機よりも進行方向側に設けられている。そして、自動発券機は、発券した通行券が抜き去られると、次の通行券を発券せずに、待機状態に切り替わる。そして、車両検知装置の前を車両が通過すると、車両検知装置は、その旨を示すデータを、自動発券機へ送信する。自動発券機は、車両検知装置から送信されたデータを受信すると、次の通行券を発券する。
【0005】
このようにして、このような料金所ゲートにおいては、車両が料金所ゲートを抜けてから次車両向けの通行券を発券することによって、料金所ゲートを車両が安全且つ円滑に通行することができるようにしている。
【0006】
しかしながら、料金所ゲートを通行する車両の中には、自動発券機にて発券される通行券を取らずに通行してしまう車両も存在する。そのため、有料道路の入口の料金所ゲートにも、出口の料金所ゲートのように、車両検知装置よりも進行方向の手前側に、通行規制装置を設けようとする計画もある。
【0007】
ところで、料金所ゲートを通行する車両の中には、自動精算機による料金の精算を行わずに、遮断桿が下がっている状態の通行規制装置を、むりやり突破しようとする不正車両も存在する。そのため、近年の通行規制装置は、このような不正車両によって遮断桿が損壊しないように、遮断桿に車両がぶつかってきた場合に、遮断桿が車両の進行方向にリリースされて折れるような機構を有している(例えば、特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−187279号公報
【特許文献2】特開平10−134216号公報
【特許文献3】特開2010−126933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、通行規制装置は、車両検知装置よりも進行方向の手前側に設けられている。ここで、通行規制装置は、車両検知装置によって通過する車両が検知されたことをトリガーにして、遮断桿を下げる。したがって、通行規制装置の遮断桿が上がっている間に、後続の車両までもが通行規制装置を通過してしまうことを防止するために、車両検知装置は、通行規制装置の近傍に設けられている。そのため、通行規制装置の遮断桿に車両がぶつかってきた場合、折れた遮断桿が車両検知装置の前に差し掛かってしまうという問題がある。
【0010】
このような状況の場合、実際には車両は通過しているにも拘らず、車両検知装置は、車両を検知したままの状態に陥ってしまう。そのため、車両検知装置は、自動精算機や通行規制装置に対して、車両が通過したことを示すデータを送信しない状態が続くことになる。その場合、自動精算機が料金の精算を受け付けない状態のままにあるため、後続の車両は、自動精算機による精算処理を行うことができなくなってしまう。また、通行規制装置が遮断桿を上げたままの状態にあるため、後続の車両は、自動精算機による精算処理を行うことなく、料金所ゲートを通過し得る状態にあることになってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によると、道路を通行する車両を検知する車両検知システムであって、道路の路側に設けられて、道路上の物体を検知するための複数の物体検知手段を具備していて、物体検知手段による物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、道路を通行する車両を検知する車両検知装置と、車両検知装置よりも道路の進行方向の手前側の路側に設けられて、車両の通行を規制する規制手段を具備していて、車両の通行を規制し得る規制位置、又は車両の通行を許容し得る許容位置に位置するように規制手段を駆動して車両の通行を規制する通行規制装置とを備え、車両検知装置は、規制手段が道路の進行方向に折れた場合に、複数の物体検知手段のうち、規制手段の規制位置よりも低い高さに設けられた物体検知手段のみによる、物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、道路を通行する車両を検知する車両検知部を有する。
【0012】
通行規制装置は、規制手段が道路の進行方向に折れた場合に、その旨を示す折れ検知データを、車両検知装置へ送信する折れ検知データ送信部を有し、車両検知装置は、通行規制装置から送信された折れ検知データを受信する折れ検知データ受信部を更に有し、車両検知装置の車両検知部は、折れ検知データ受信部が折れ検知データを受信した場合に、複数の物体検知手段のうち、規制手段の規制位置よりも低い高さに設けられた物体検知手段のみによる、物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、道路を通行する車両を検知してよい。
【0013】
通行規制装置は、規制手段が道路の進行方向に折れた場合に、その旨を検知する折れ検知手段を更に具備しており、通行規制装置の折れ検知データ送信部は、規制手段が道路の進行方向に折れたことを、折れ検知手段が検知した場合に、その旨を示す折れ検知データを、車両検知装置へ送信してよい。
【0014】
本発明の第2の形態によると、道路を通行する車両を検知する車両検知システムであって、道路の路側に設けられて、道路上の物体を検知するための複数の物体検知手段を具備していて、物体検知手段による物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、道路を通行する車両を検知する車両検知装置と、車両検知装置よりも道路の進行方向の手前側の路側に設けられて、車両の通行を規制する規制手段を具備していて、車両の通行を規制し得る規制位置、又は車両の通行を許容し得る許容位置に位置するように規制手段を駆動して車両の通行を規制する通行規制装置とを備え、車両検知装置は、複数の物体検知手段のうち、物体を検知し続けている物体検知手段を特定する物体検知手段特定部、物体検知手段特定部が物体検知手段を特定した場合、複数の物体検知手段のうち、物体検知手段特定部が特定した物体検知手段以外の物体検知手段のみによる、物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、道路を通行する車両を検知する車両検知部とを有する
【0015】
車両検知装置の物体検知手段特定部は、所定時間が経過する間中、物体を検知し続けている物体検知手段を特定してよい。
【0016】
車両検知装置の物体検知手段特定部は、車両検知部が所定台数の車両を検知する間中、物体を検知し続けている物体検知手段を特定してよい。
【0017】
本発明の第の形態によると、道路の路側に設けられて、道路上の物体を検知するための複数の物体検知手段を具備していて、物体検知手段による物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、道路を通行する車両を検知する車両検知装置により、道路を通行する車両を検知する車両検知方法であって、車両検知装置よりも道路の進行方向の手前側の路側に設けられて、車両の通行を規制する規制手段を具備していて、車両の通行を規制し得る規制位置、又は車両の通行を許容し得る許容位置に位置するように規制手段を駆動して車両の通行を規制する通行規制装置の規制手段が道路の進行方向に折れた場合に、複数の物体検知手段のうち、規制手段の規制位置よりも低い高さに設けられた物体検知手段のみによる、物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、道路を通行する車両を検知する車両検知段階を備える。
【0018】
本発明の第の形態によると、道路の路側に設けられて、道路上の物体を検知するための複数の物体検知手段を具備していて、物体検知手段による物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、道路を通行する車両を検知する車両検知装置であって、当該車両検知装置よりも道路の進行方向の手前側の路側に設けられて、車両の通行を規制する規制手段を具備していて、車両の通行を規制し得る規制位置、又は車両の通行を許容し得る許容位置に位置するように規制手段を駆動して車両の通行を規制する通行規制装置の規制手段が道路の進行方向に折れた場合に、複数の物体検知手段のうち、規制手段の規制位置よりも低い高さに設けられた物体検知手段のみによる、物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、道路を通行する車両を検知する車両検知部を備える。
【0019】
本発明の第の形態によると、道路の路側に設けられて、道路上の物体を検知するための複数の物体検知手段を具備していて、物体検知手段による物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、道路を通行する車両を検知する車両検知装置として、コンピュータを機能させるプログラムであって、コンピュータを、当該車両検知装置よりも道路の進行方向の手前側の路側に設けられて、車両の通行を規制する規制手段を具備していて、車両の通行を規制し得る規制位置、又は車両の通行を許容し得る許容位置に位置するように規制手段を駆動して車両の通行を規制する通行規制装置の規制手段が道路の進行方向に折れた場合に、複数の物体検知手段のうち、規制手段の規制位置よりも低い高さに設けられた物体検知手段のみによる、物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、道路を通行する車両を検知する車両検知部として機能させる。
【0020】
本発明の第の形態によると、道路の路側に設けられて、道路上の物体を検知するための複数の物体検知手段を具備していて、物体検知手段による物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、道路を通行する車両を検知する車両検知装置として、コンピュータを機能させるプログラムを記録した記録媒体であって、コンピュータを、当該車両検知装置よりも道路の進行方向の手前側の路側に設けられて、車両の通行を規制する規制手段を具備していて、車両の通行を規制し得る規制位置、又は車両の通行を許容し得る許容位置に位置するように規制手段を駆動して車両の通行を規制する通行規制装置の規制手段が道路の進行方向に折れた場合に、複数の物体検知手段のうち、規制手段の規制位置よりも低い高さに設けられた物体検知手段のみによる、物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、道路を通行する車両を検知する車両検知部として機能させるプログラムを記録する。
【0021】
なおまた、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
【発明の効果】
【0022】
以上の説明から明らかなように、この発明によっては、通行規制装置の規制手段に車両がぶつかってきた場合に、折れた規制手段が車両検知装置の前に差し掛かってしまっても、その影響を受けることなく、車両検知処理を継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】一実施形態に係る車両検知システムの利用環境の一例を示す図である。
図2】車両検知装置100、200の構成の一例を示す図である。
図3】通行規制装置300の構成の一例を示す図である。
図4】車両検知装置200の側から視た、車両検知装置100、及び通行規制装置300の一例を示す図である。
図5】車両検知装置100aの制御装置110aのブロック構成の一例を示す図である。
図6】車両検知装置100bの制御装置110bのブロック構成の一例を示す図である。
図7】通行規制装置300aの制御装置310aのブロック構成の一例を示す図である。
図8】通行規制装置300bの制御装置310bのブロック構成の一例を示す図である。
図9】車両検知装置100aの制御装置110a、通行規制装置300aの制御装置310a、及び自動発券機Tの動作シーケンスの一例を示す図である。
図10】車両検知装置100aの制御装置110a、通行規制装置300aの制御装置310a、及び自動発券機Tの動作シーケンスの一例を示す図である。
図11】車両検知装置100bの制御装置110b、通行規制装置300bの制御装置310b、及び自動精算機Eの動作シーケンスの一例を示す図である。
図12】車両検知装置100bの制御装置110b、通行規制装置300bの制御装置310b、及び自動精算機Eの動作シーケンスの一例を示す図である。
図13】本実施形態に係る車両検知装置100の制御装置110、及び通行規制装置300の制御装置310を構成するコンピュータ800のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0025】
図1は、一実施形態に係る車両検知システムの利用環境の一例を示す。図1(a)は、有料道路Rの入口の料金所ゲートを平面視した、車両検知システムの利用環境の一例を示す。図1(b)は、有料道路Rの出口の料金所ゲートを平面視した、車両検知システムの利用環境の一例を示す。車両検知システムは、有料道路Rを通行する車両を検知するシステムである。ここで、有料道路Rとは、その通行、利用に際して、利用者から通行料を徴収することのできる道路である。なおまた、有料道路Rは、この発明における「道路」の一例であってよい。
【0026】
入口の料金所ゲートの車両検知システムは、車両検知装置100a、200a、及び通行規制装置300aを備える。同様に、出口の料金所ゲートの車両検知システムは、車両検知装置100b、200b、及び通行規制装置300bを備える。より具体的に説明すると、入口の料金所ゲートには、車両検知装置100a、200a、及び通行規制装置300aと共に、自動発券機Tが設けられている。一方、出口の料金所ゲートには、車両検知装置100b、200b、及び通行規制装置300bと共に、自動精算機Eが設けられている。
【0027】
自動発券機Tは、通行券を発券するための機械である。ここで、通行券とは、有料道路Rを通行する際に必要となる券である。より具体的に説明すると、自動発券機Tは、入口の料金所ゲートの路側に設けられている。そして、自動発券機Tは、車両検知装置100a、及び通行規制装置300aと、それぞれ電気的に接続されている。
【0028】
自動精算機Eは、通行料金を徴収するための機械である。ここで、通行料金とは、有料道路Rを通行した際に必要となる料金である。より具体的に説明すると、自動精算機Eは、出口の料金所ゲートの路側に設けられている。そして、自動精算機Eは、車両検知装置100b、及び通行規制装置300bと、それぞれ電気的に接続されている。
【0029】
通行規制装置300a、b(以下、通行規制装置300と総称する。)は、車両の通行を規制する装置である。より具体的に説明すると、通行規制装置300aは、自動発券機Tよりも進行方向D側の路側に設けられている。そして、通行規制装置300aは、車両検知装置100a、及び自動発券機Tと、それぞれ電気的に接続されている。一方、通行規制装置300bは、自動精算機Eよりも、進行方向D側の路側に設けられている。そして、通行規制装置300bは、車両検知装置100b、及び自動精算機Eと、それぞれ電気的に接続されている。
【0030】
車両検知装置100a、b(以下、車両検知装置100と総称する。)、200a、b(以下、車両検知装置200と総称する。)は、有料道路Rを通行する車両を検知する装置である。より具体的に説明すると、車両検知装置100、200は、通行規制装置300よりも進行方向D側の路側に、互いに対向して設けられている。但し、自動発券機Tや自動精算機Eによる所定の手続きを行っていない車両が前の車両に近接して通過してしまわないように、車両検知装置100、200は、通行規制装置300のなるべく近くに設けられる。そして、車両検知装置100aは、通行規制装置300a、及び自動発券機Tと、それぞれ電気的に接続されている。一方、車両検知装置100bは、通行規制装置300b、及び自動精算機Eと、それぞれ電気的に接続されている。
【0031】
図2は、車両検知装置100、200の構成の一例を示す。図2(a)は、車両検知装置100の側から視た、車両検知装置200の構成の一例を示す。車両検知装置200は、有料道路R上の物体を検知するための複数の発光素子230を具備している。各発光素子230は、高さ方向に並べて設けられている。そして、各発光素子230は、指向性の強い光を、水平方向に照射する。
【0032】
図2(b)は、車両検知装置200の側から視た、車両検知装置100の構成の一例を示す。車両検知装置100は、有料道路R上の物体を検知するための複数の受光素子130を具備している。各受光素子130は、対向する車両検知装置200の各発光素子230と1対1に対向するように、高さ方向に並べて設けられている。そして、発光素子230と受光素子130との間に物体が介在していない場合、受光素子130は、対向する発光素子230から照射された光を受光する。一方、発光素子230と受光素子130との間に物体が介在している場合、発光素子230から照射された光は、物体に遮られてしまう。したがって、受光素子130は、発光素子230から照射された光を受光することができない。その場合、光を受光することができなかった受光素子130は、物体を検知したことになる。なおまた、受光素子130は、この発明における「物体検知手段」の一例であってよい。
【0033】
図3は、通行規制装置300の構成の一例を示す。図3(a)は、平面視した、通行規制装置300の構成の一例を示す。図3(b)は、有料道路Rの進行方向の手前側から視た、通行規制装置300の構成の一例を示す。通行規制装置300の筐体330には、軸340によって遮断桿350の基端部が軸支されている。そして、遮断桿350は、軸340を中心にして、図3(b)に実線で示す規制位置と、図3(b)に二点鎖線で示す許容位置との間を揺動する。ここで、規制位置とは、車両の通行を規制し得る位置である。一方、許容位置とは、車両の通行を許容し得る位置である。なおまた、遮断桿350は、この発明における「規制手段」の一例であってよい。
【0034】
また、遮断桿350は、基端部と先端部とが分割されている。そして、遮断桿350の基端部と先端部とは、その分割部分に設けられたヒンジ360にて結合されている。そして、遮断桿350は、ヒンジ360を軸にして、図3(a)に二点鎖線で示すように、有料道路Rの進行方向に折れるように構成されている。
【0035】
また、遮断桿350の基端部の側面には、ヒンジ360の近傍に、スイッチ370が設けられている。スイッチ370は、折れた遮断桿350に押下されることによって、遮断桿350が折れたことを検知するセンサである。なおまた、スイッチ370は、この発明における「折れ検知手段」の一例であってよい。
【0036】
図4は、車両検知装置200の側から視た、車両検知装置100、及び通行規制装置300の一例を示す。この例は、通行規制装置300の遮断桿350が規制位置まで揺動し終える前に、遮断桿350に車両が衝突したことにより、遮断桿350が折れた状態を示している。上述したように、車両検知装置100は、通行規制装置300のなるべく近くに設けられる。そのため、図4に示すように、折れた状態の遮断桿350は、車両検知装置100の受光素子130の前にまで差し掛かってしまうことがある。その場合、発光素子230から照射された光は、遮断桿350に遮られてしまい、対向する受光素子130によって受光されないことになる。すなわち、遮断桿350に遮られて光を受光することができなかった受光素子130は、遮断桿350が折れていない状態に復帰するまで、物体を検知し続けることになる。
【0037】
図5は、車両検知装置100aの制御装置110aのブロック構成の一例を示す。図6は、車両検知装置100bの制御装置110bのブロック構成の一例を示す。制御装置110aは、物体検知信号入力受付部111a、物体検知手段特定部112a、折れ検知データ受信部113a、車両検知部114a、及び車両検知データ送信部115aを有する。以下の説明においては、各構成要素の機能及び動作を詳述する。
【0038】
なおまた、車両検知装置100bも、車両検知装置100aが有する構成要素と同じ構成要素を有する。以後の説明においては、車両検知装置100が有する構成要素がいずれの車両検知装置100の構成要素であるかを区別する場合には、各構成要素を有する車両検知装置100と同じ添え字(a、b)を各構成要素の末尾に付して区別する。例えば、物体検知信号入力受付部111a、物体検知信号入力受付部111bは、それぞれ車両検知装置100a、車両検知装置100bの構成要素であることを示す。
【0039】
また、以後の説明において、添え字が付されていない構成要素の機能及び動作は、同じ符号が付されたいずれの構成要素の機能及び動作を示す。例えば、物体検知信号入力受付部111で説明された機能及び動作は、物体検知信号入力受付部111a、物体検知信号入力受付部111bの機能及び動作を示す。
【0040】
物体検知信号入力受付部111は、受光素子130から出力された物体検知信号の入力を受け付ける。ここで、物体検知信号とは、物体の検知の有無を示す信号である。
【0041】
物体検知手段特定部112は、複数の受光素子130のうち、物体を検知し続けている受光素子130を特定する。例えば、物体検知手段特定部112は、所定時間が経過する間中、物体を検知し続けている受光素子130を特定する。また、例えば、物体検知手段特定部112は、車両検知部114が所定台数の車両を検知する間中、物体を検知し続けている受光素子130を特定する。
【0042】
折れ検知データ受信部113は、通行規制装置300から送信された折れ検知データを受信する。ここで、折れ検知データとは、遮断桿350が有料道路Rの進行方向に折れたことを示すデータである。
【0043】
車両検知部114は、遮断桿350が有料道路Rの進行方向に折れた場合に、複数の受光素子130のうち、遮断桿350の規制位置よりも低い高さに設けられた受光素子130のみによる、物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、有料道路Rを通行する車両を検知する。例えば、車両検知部114は、折れ検知データ受信部113が折れ検知データを受信した場合に、複数の受光素子130のうち、遮断桿350の規制位置よりも低い高さに設けられた受光素子130のみによる、物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、有料道路Rを通行する車両を検知する。また、物体検知手段特定部112が受光素子130を特定した場合、車両検知部114は、物体検知手段特定部112が特定した受光素子130以外の受光素子130のみによる、物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、有料道路Rを通行する車両を検知する。
【0044】
車両検知データ送信部115aは、車両検知部114aが車両を検知した場合に、車両検知データを、通行規制装置300a、及び自動発券機Tへ送信する。ここで、車両検知データとは、車両を検知したことを示すデータである。一方、車両検知データ送信部115bは、車両検知部114bが車両を検知した場合に、車両検知データを、通行規制装置300b、及び自動精算機Eへ送信する。
【0045】
図7は、通行規制装置300aの制御装置310aのブロック構成の一例を示す。図8は、通行規制装置300bの制御装置310bのブロック構成の一例を示す。通行規制装置300aは、通知データ受信部311a、折れ検知信号入力受付部312a、車両検知データ受信部313a、遮断桿制御部314a、及び折れ検知データ送信部315aを有する。以下の説明においては、各構成要素の機能及び動作を詳述する。
【0046】
なおまた、通行規制装置300bも、通行規制装置300aが有する構成要素と同じ構成要素を有する。以後の説明においては、通行規制装置300が有する構成要素がいずれの通行規制装置300の構成要素であるかを区別する場合には、各構成要素を有する通行規制装置300と同じ添え字(a、b)を各構成要素の末尾に付して区別する。例えば、通知データ受信部311a、通知データ受信部311bは、それぞれ通行規制装置300a、通行規制装置300bの構成要素であることを示す。
【0047】
また、以後の説明において、添え字が付されていない構成要素の機能及び動作は、同じ符号が付されたいずれの構成要素の機能及び動作を示す。例えば、通知データ受信部311で説明された機能及び動作は、通知データ受信部311a、通知データ受信部311bの機能及び動作を示す。
【0048】
通知データ受信部311aは、自動発券機Tから送信された通知データを受信する。ここで、通知データ受信部311aが受信する通知データとは、通行券が発券されたことを通知するデータである。通知データ受信部311bは、自動精算機Eから送信された通知データを受信する。ここで、通知データ受信部311bが受信する通知データとは、通行料が精算されたことを通知するデータである。
【0049】
折れ検知信号入力受付部312は、スイッチ370から出力された折れ検知信号の入力を受け付ける。ここで、折れ検知信号とは、遮断桿350の折れを検知したことを示す信号である。
【0050】
車両検知データ受信部313は、車両検知装置100から送信された車両検知データを受信する。
【0051】
遮断桿制御部314は、規制位置にある遮断桿350を許容位置へ揺動させるべく、軸340の駆動装置を制御する。また、遮断桿制御部314は、許容位置にある遮断桿350を規制位置へ揺動させるべく、軸340の駆動装置を制御する。
【0052】
折れ検知データ送信部315は、遮断桿350が有料道路Rの進行方向に折れた場合に、その旨を示す折れ検知データを、車両検知装置100へ送信する。例えば、折れ検知データ送信部315は、遮断桿350が有料道路Rの進行方向に折れたことを、スイッチ370が検知した場合に、その旨を示す折れ検知データを、車両検知装置100へ送信する。
【0053】
図9は、車両検知装置100aの制御装置110a、通行規制装置300aの制御装置310a、及び自動発券機Tの動作シーケンスの一例を示す。この動作シーケンスにおいては、遮断桿350が折れていないときの車両検知装置100aの制御装置110a、通行規制装置300aの制御装置310a、及び自動発券機Tの動作について説明する。なおまた、この動作シーケンスの説明においては、図1から図8を共に参照する。
【0054】
自動発券機Tは、通行券を発券すると(S101)、通行規制装置300aへ通知データを送信する(S102)。そして、自動発券機Tは、通行券の発券を停止する状態に切り替わる(S103)。
【0055】
通行規制装置300aの制御装置310aの通知データ受信部311aは、自動券売機Tから送信された通知データを受信すると、その旨を示すデータを、遮断桿制御部314aへ送る。
【0056】
通行規制装置300aの制御装置310aの遮断桿制御部314は、通知データ受信部311aから送られたデータを受け取ると、規制位置にある遮断桿350を許容位置へ揺動させるべく、軸340の駆動装置を制御する(S104)。
【0057】
このようにして、通行券が発券された車両は、通行規制装置300aの前を通過することができるようになる。
【0058】
一方、車両検知装置100aの制御装置110aの物体検知信号入力受付部111aは、受光素子130から出力された物体検知信号の入力を、経時的に受け付けている。そして、物体検知信号入力受付部111aは、物体検知信号によって示される、各受光素子130による物体の検知の有無を示すデータを、車両検知部114aへ随時送る。
【0059】
車両検知装置100aの制御装置110aの車両検知部114aは、物体検知信号入力受付部111aから送られたデータを随時受け取ると、そのデータによって示される、各受光素子130による物体の検知の有無の経時的な変化に基づいて、有料道路Rを通行する車両を検知する(S105)。例えば、車両検知部114aは、所定数以上の受光素子130により物体が検知された場合に、その物体が車両であると検知する。そして、車両検知部114aは、車両を検知した場合、その旨を示すデータを、車両検知データ送信部115aへ送る。
【0060】
車両検知装置100aの制御装置110aの車両検知データ送信部115aは、車両検知部114aから送られたデータを受け取ると、通行規制装置300a、及び自動発券機Tへ車両検知データを送信する(S106)。
【0061】
通行規制装置300aの制御装置310aの車両検知データ受信部313aは、車両検知装置100aから送信された車両検知データを受信すると、その旨を示すデータを、遮断桿制御部314aへ送る。
【0062】
通行規制装置300aの制御装置310aの遮断桿制御部314aは、車両検知データ受信部313aから送られたデータを受け取ると、許容位置にある遮断桿350を規制位置へ揺動させるべく、軸340の駆動装置を制御する(S107)。
【0063】
このようにして、車両検知装置100aにて検知された後続の車両は、通行規制装置300aの前を通過することができなくなる。
【0064】
一方、自動発券機Tは、車両検知装置100aから送信された車両検知データを受信すると、通行規制装置300aにより通行規制されている車両に対する通行券の発行処理を開始する(S108)。
【0065】
このようにして、自動発券機Tは、通行規制装置300aの遮断桿350が折れていない場合、車両検知装置100aの前を車両が通過する度に、その後続の車両に対する通行券の発行処理を行うことができる。
【0066】
図10は、車両検知装置100aの制御装置110a、通行規制装置300aの制御装置310a、及び自動発券機Tの動作シーケンスの一例を示す。この動作シーケンスにおいては、遮断桿350が折れたときの車両検知装置100aの制御装置110a、通行規制装置300aの制御装置310a、及び自動発券機Tの動作について説明する。なおまた、この動作シーケンスの説明においては、図1から図9を共に参照する。
【0067】
遮断桿350が折れて、スイッチ370が押下されると、通行規制装置300aの制御装置310aの折れ検知信号入力受付部312aは、スイッチ370から出力された折れ検知信号の入力を受け付ける(S201)。そして、折れ検知信号入力受付部312aは、折れ検知信号の入力を受け付けたことを示すデータを、折れ検知データ送信部315aへ送る。
【0068】
通行規制装置300aの制御装置310aの折れ検知データ送信部315aは、折れ検知信号入力受付部312aから送られたデータを受け取ると、車両検知装置100aへ折れ検知データを送信する(S202)。
【0069】
車両検知装置100aの制御装置110aの折れ検知データ受信部113aは、通行規制装置300aから送信された折れ検知データを受信すると、その旨を示すデータを、物体検知信号入力受付部111a、及び車両検知部114aへ送る。
【0070】
一方、車両検知装置100aの制御装置110aの物体検知信号入力受付部111aは、受光素子130から出力された物体検知信号の入力を、経時的に受け付けている。そして、物体検知信号入力受付部111aは、折れ検知データ受信部113aから送られたデータを受け取ると、物体検知信号によって示される、各受光素子130による物体の検知の有無を示すデータを、物体検知手段特定部112a、及び車両検知部114aへ随時送る。
【0071】
車両検知装置100aの制御装置110aの車両検知部114aは、上述したように、物体検知信号入力受付部111aから送られたデータを随時受け取ると、そのデータによって示される、各受光素子130による物体の検知の有無の経時的な変化に基づいて、有料道路Rを通行する車両を検知する(S203)。ここで、車両検知部114aは、折れ検知データ受信部113aから送られたデータを受け取ると、複数の受光素子130のうち、遮断桿350の規制位置よりも低い高さに設けられた受光素子130のみによる、物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、有料道路Rを通行する車両を検知する。
【0072】
図4に示すように、折れた遮断桿350は、車両検知装置200aの発光素子230から照射された光を遮蔽してしまう。ここで、遮断桿350は、規制位置と許容位置との間を揺動するので、規制位置よりも高い位置にある、いくつかの発光素子230から照射された光を遮蔽することになる。これに対し、車両検知部114aは、複数の受光素子130のうち、遮断桿350の規制位置よりも低い高さに設けられた受光素子130のみによる、物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、有料道路Rを通行する車両を検知するので、折れた遮断桿350による影響を受けることなく、有料道路Rを通行する車両を検知する。そして、車両検知部114aは、車両を検知した場合、その旨を示すデータを、物体検知手段特定部112a、及び車両検知データ送信部115aへ送る。
【0073】
車両検知装置100aの制御装置110aの車両検知データ送信部115aは、車両検知部114aから送られたデータを受け取ると、自動発券機Tへ車両検知データを送信する(S204)。
【0074】
自動発券機Tは、車両検知装置100aから送信された車両検知データを受信すると、通行規制装置300aにより通行規制されている車両に対する通行券の発行処理を開始する(S205)。
【0075】
このようにして、自動発券機Tは、通行規制装置300aの遮断桿350が折れている場合であっても、その後続の車両に対する通行券の発行処理を継続することができる。
【0076】
図11は、車両検知装置100bの制御装置110b、通行規制装置300bの制御装置310b、及び自動精算機Eの動作シーケンスの一例を示す。この動作シーケンスにおいては、遮断桿350が折れていないときの車両検知装置100bの制御装置110b、通行規制装置300bの制御装置310b、及び自動精算機Eの動作について説明する。なおまた、この動作シーケンスの説明においては、図1から図10を共に参照する。
【0077】
自動精算機Eは、通行料を精算すると(S301)、通行規制装置300bへ通知データを送信する(S302)。そして、自動精算機Eは、通行料の精算を停止する状態に切り替わる(S303)。
【0078】
通行規制装置300bの制御装置310bの通知データ受信部311bは、自動精算機Eから送信された通知データを受信すると、その旨を示すデータを、遮断桿制御部314bへ送る。
【0079】
通行規制装置300bの制御装置310bの遮断桿制御部314は、通知データ受信部311bから送られたデータを受け取ると、規制位置にある遮断桿350を許容位置へ揺動させるべく、軸340の駆動装置を制御する(S304)。
【0080】
このようにして、通行料が精算された車両は、通行規制装置300bの前を通過することができるようになる。
【0081】
一方、車両検知装置100bの制御装置110bの物体検知信号入力受付部111bは、受光素子130から出力された物体検知信号の入力を、経時的に受け付けている。そして、物体検知信号入力受付部111bは、物体検知信号によって示される、各受光素子130による物体の検知の有無を示すデータを、車両検知部114bへ随時送る。
【0082】
車両検知装置100bの制御装置110bの車両検知部114bは、物体検知信号入力受付部111bから送られたデータを随時受け取ると、そのデータによって示される、各受光素子130による物体の検知の有無の経時的な変化に基づいて、有料道路Rを通行する車両を検知する(S305)。例えば、車両検知部114bは、所定数以上の受光素子130により物体が検知された場合に、その物体が車両であると検知する。そして、車両検知部114bは、車両を検知した場合、その旨を示すデータを、車両検知データ送信部115bへ送る。
【0083】
車両検知装置100bの制御装置110bの車両検知データ送信部115bは、車両検知部114bから送られたデータを受け取ると、通行規制装置300b、及び自動精算機Eへ車両検知データを送信する(S306)。
【0084】
通行規制装置300bの制御装置310bの車両検知データ受信部313bは、車両検知装置100bから送信された車両検知データを受信すると、その旨を示すデータを、遮断桿制御部314bへ送る。
【0085】
通行規制装置300bの制御装置310bの遮断桿制御部314bは、車両検知データ受信部313bから送られたデータを受け取ると、許容位置にある遮断桿350を規制位置へ揺動させるべく、軸340の駆動装置を制御する(S307)。
【0086】
このようにして、車両検知装置100bにて検知された後続の車両は、通行規制装置300bの前を通過することができなくなる。
【0087】
一方、自動精算機Eは、車両検知装置100bから送信された車両検知データを受信すると、通行規制装置300bにより通行規制されている車両に対する通行料の精算処理を開始する(S308)。
【0088】
このように、通行規制装置300bの遮断桿350が折れていない場合、自動精算機Eは、車両検知装置100bの前を車両が通過する度に、その後続の車両に対する通行料の精算処理を行うことができる。
【0089】
図12は、車両検知装置100bの制御装置110b、通行規制装置300bの制御装置310b、及び自動精算機Eの動作シーケンスの一例を示す。この動作シーケンスにおいては、遮断桿350が折れたときの車両検知装置100bの制御装置110b、通行規制装置300bの制御装置310b、及び自動精算機Eの動作について説明する。なおまた、この動作シーケンスの説明においては、図1から図10を共に参照する。
【0090】
遮断桿350が折れて、スイッチ370が押下されると、通行規制装置300bの制御装置310bの折れ検知信号入力受付部312bは、スイッチ370から出力された折れ検知信号の入力を受け付ける(S401)。そして、折れ検知信号入力受付部312bは、折れ検知信号の入力を受け付けたことを示すデータを、折れ検知データ送信部315bへ送る。
【0091】
通行規制装置300bの制御装置310bの折れ検知データ送信部315bは、折れ検知信号入力受付部312bから送られたデータを受け取ると、車両検知装置100bへ折れ検知データを送信する(S402)。
【0092】
車両検知装置100bの制御装置110bの折れ検知データ受信部113bは、通行規制装置300bから送信された折れ検知データを受信すると、その旨を示すデータを、物体検知信号入力受付部111b、及び車両検知部114bへ送る。
【0093】
一方、車両検知装置100bの制御装置110bの物体検知信号入力受付部111bは、受光素子130から出力された物体検知信号の入力を、経時的に受け付けている。そして、物体検知信号入力受付部111bは、折れ検知データ受信部113bから送られたデータを受け取ると、物体検知信号によって示される、各受光素子130による物体の検知の有無を示すデータを、物体検知手段特定部112b、及び車両検知部114bへ随時送る。
【0094】
車両検知装置100bの制御装置110bの車両検知部114bは、上述したように、物体検知信号入力受付部111bから送られたデータを随時受け取ると、そのデータによって示される、各受光素子130による物体の検知の有無の経時的な変化に基づいて、有料道路Rを通行する車両を検知する(S403)。ここで、車両検知部114bは、折れ検知データ受信部113bから送られたデータを受け取ると、複数の受光素子130のうち、遮断桿350の規制位置よりも低い高さに設けられた受光素子130のみによる、物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、有料道路Rを通行する車両を検知する。
【0095】
図4に示すように、折れた遮断桿350は、車両検知装置200bの発光素子230から照射された光を遮蔽してしまう。ここで、遮断桿350は、規制位置と許容位置との間を揺動するので、規制位置よりも高い位置にある、いくつかの発光素子230から照射された光を遮蔽することになる。これに対し、車両検知部114bは、複数の受光素子130のうち、遮断桿350の規制位置よりも低い高さに設けられた受光素子130のみによる、物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、有料道路Rを通行する車両を検知するので、折れた遮断桿350による影響を受けることなく、有料道路Rを通行する車両を検知する。そして、車両検知部114bは、車両を検知した場合、その旨を示すデータを、車両検知データ送信部115bへ送る。
【0096】
車両検知装置100bの制御装置110bの車両検知データ送信部115bは、車両検知部114bから送られたデータを受け取ると、自動精算機Eへ車両検知データを送信する(S404)。
【0097】
自動精算機Eは、車両検知装置100bから送信された車両検知データを受信すると、通行規制装置300bにより通行規制されている車両に対する通行料の精算処理を開始する(S405)。
【0098】
このようにして、自動精算機Eは、通行規制装置300bの遮断桿350が折れている場合であっても、その後続の車両に対する通行券の発行処理を継続することができる。
【0099】
なおまた、車両検知装置100の制御装置110の物体検知手段特定部112は、物体検知信号入力受付部111から送られたデータを随時受け取ると、そのデータによって示される、各受光素子130による物体の検知の有無の経時的な変化に基づいて、複数の受光素子130のうち、物体を検知し続けている受光素子130を特定する。例えば、物体検知手段特定部112は、所定時間が経過する間中、物体を検知し続けている受光素子130を特定する。また、例えば、物体検知手段特定部112は、車両検知部114が所定台数の車両を検知する間中、物体を検知し続けている受光素子130を特定する。そして、物体検知手段特定部112は、特定した受光素子130を示すデータを、車両検知部114へ送る。
【0100】
車両検知装置100の制御装置110の車両検知部114は、物体検知手段特定部112から送られたデータを受け取ると、そのデータによって示される受光素子130以外の受光素子130のみによる、物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、有料道路Rを通行する車両を検知する。
【0101】
このようにして、車両検知装置100は、遮断桿350によって遮光されている受光素子130を特定して、その受光素子130以外の受光素子130のみによる、物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、有料道路Rを通行する車両を検知するので、折れた遮断桿350による影響を受けることなく、通常時とほとんど変わらない精度にて、有料道路Rを通行する車両を検知する。
【0102】
以上説明したように、車両検知装置100は、遮断桿350が有料道路Rの進行方向に折れた場合に、複数の受光素子130のうち、遮断桿350の規制位置よりも低い高さに設けられた受光素子130のみによる、物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、有料道路Rを通行する車両を検知する。このようにして、本実施形態に係る車両検知システムによっては、通行規制装置300の遮断桿350に車両がぶつかってきた場合に、折れた遮断桿350が車両検知装置100の前に差し掛かってしまっても、その影響を受けることなく、車両検知処理を継続することができる。
【0103】
また、上述したように、通行規制装置300は、遮断桿350が有料道路の進行方向に折れた場合に、その旨を示す折れ検知データを、車両検知装置100へ送信する。そして、車両検知装置100は、通行規制装置300から送信された折れ検知データを受信すると、複数の受光素子130のうち、遮断桿350の規制位置よりも低い高さに設けられた受光素子130のみによる、物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、有料道路Rを通行する車両を検知する。このようにして、本実施形態に係る車両検知システムによっては、車両検知装置100は、通行規制装置300から折れ検知データを受信することをトリガーにして、車両検知の条件を即座に変更することができる。
【0104】
また、上述したように、通行規制装置300は、遮断桿350が有料道路Rの進行方向に折れたことを、スイッチ370が検知した場合に、その旨を示す折れ検知データを、車両検知装置100へ送信する。このようにして、本実施形態に係る車両検知システムによっては、遮断桿350が折れた場合の処理を即座に開始することができる。
【0105】
また、上述したように、車両検知装置100は、複数の受光素子130のうち、物体を検知し続けている受光素子130を特定する。そして、車両検知装置100は、特定した受光素子130以外の受光素子130のみによる、物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、有料道路Rを通行する車両を検知する。このようにして、本実施形態に係る車両検知システムによっては、遮断桿350にて遮光されている受光素子130を特定することができる。
【0106】
また、上述したように、所定時間が経過する間中、物体を検知し続けている受光素子130を特定する。このようにして、本実施形態に係る車両検知システムによっては、遮断桿350にて遮光されている受光素子130を、所定時間後に特定することができる。
【0107】
また、上述したように、車両検知装置100は、所定台数の車両を検知する間中、物体を検知し続けている受光素子130を特定する。このようにして、本実施形態に係る車両検知システムによっては、遮断桿350にて遮光されている受光素子130を、所定台数の車両が検知された後に特定することができる。
【0108】
図13は、本実施形態に係る車両検知装置100の制御装置110、及び通行規制装置300の制御装置310を構成するコンピュータ800のハードウェア構成の一例を示す。本実施形態に係るコンピュータ800は、ホストコントローラ801により相互に接続されるCPU(Central Processing Unit)802、RAM(Random Access Memory)803、グラフィックコントローラ804、及びディスプレイ805を有するCPU周辺部と、入出力コントローラ806により相互に接続される通信インターフェース807、ハードディスクドライブ808、及びCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブ809を有する入出力部と、入出力コントローラ806に接続されるROM(Read Only Memory)810、フレキシブルディスクドライブ811、及び入出力チップ812を有するレガシー入出力部とを備える。
【0109】
ホストコントローラ801は、RAM803と、高い転送レートでRAM803をアクセスするCPU802、及びグラフィックコントローラ804とを接続する。CPU802は、ROM810、及びRAM803に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。グラフィックコントローラ804は、CPU802等がRAM803内に設けたフレームバッファ上に生成する画像データを取得し、ディスプレイ805上に表示させる。これに代えて、グラフィックコントローラ804は、CPU802等が生成する画像データを格納するフレームバッファを、内部に含んでもよい。
【0110】
入出力コントローラ806は、ホストコントローラ801と、比較的高速な入出力装置である通信インターフェース807、ハードディスクドライブ808、及びCD−ROMドライブ809を接続する。ハードディスクドライブ808は、コンピュータ800内のCPU802が使用するプログラム、及びデータを格納する。CD−ROMドライブ809は、CD−ROM892からプログラム、又はデータを読み取り、RAM803を介してハードディスクドライブ808に提供する。
【0111】
また、入出力コントローラ806には、ROM810と、フレキシブルディスクドライブ811、及び入出力チップ812の比較的低速な入出力装置とが接続される。ROM810は、コンピュータ800が起動時に実行するブートプログラム、及び/又はコンピュータ800のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。フレキシブルディスクドライブ811は、フレキシブルディスク893からプログラム、又はデータを読み取り、RAM803を介してハードディスクドライブ808に提供する。入出力チップ812は、フレキシブルディスクドライブ811を入出力コントローラ806へと接続すると共に、例えばパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して各種の入出力装置を入出力コントローラ806へと接続する。
【0112】
RAM803を介してハードディスクドライブ808に提供されるプログラムは、フレキシブルディスク893、CD−ROM892、又はIC(Integrated Circuit)カード等の記録媒体に格納されて利用者によって提供される。プログラムは、記録媒体から読み出され、RAM803を介してコンピュータ800内のハードディスクドライブ808にインストールされ、CPU802において実行される。
【0113】
第1のコンピュータ800にインストールされ、第1のコンピュータ800を車両検知装置100の制御装置110として機能させる第1のプログラムは、第1のコンピュータ800を、ステップS203、S403において、遮断桿350が有料道路Rの進行方向に折れた場合に、複数の受光素子130のうち、遮断桿350の規制位置よりも低い高さに設けられた受光素子130のみによる、物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、有料道路Rを通行する車両を検知する車両検知部114として機能させる。
【0114】
第2のコンピュータ800にインストールされ、第2のコンピュータ800を通行規制装置300の制御装置310として機能させる第2のプログラムは、第2のコンピュータ800を、ステップS202、S402において、遮断桿350が有料道路Rの進行方向に折れた場合に、その旨を示す折れ検知データを、第1のコンピュータへ送信する折れ検知データ送信部315として機能させる。更に、当該第1のプログラムは、第1のコンピュータ800を、ステップS202、S402において、第2のコンピュータから送信された折れ検知データを受信する折れ検知データ受信部113と、折れ検知データ受信部113が折れ検知データを受信した場合に、ステップS203、S403において、複数の受光素子130のうち、遮断桿350の規制位置よりも低い高さに設けられた受光素子130のみによる、物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、有料道路Rを通行する車両を検知する車両検知部114として機能させてもよい。
【0115】
更に、当該第2のプログラムは、第2のコンピュータを、ステップS202、S402において、遮断桿350が有料道路Rの進行方向に折れたことを、スイッチ370が検知した場合に、その旨を示す折れ検知データを、第1のコンピュータへ送信する折れ検知データ送信部315として機能させてもよい。
【0116】
更に、当該第1のプログラムは、第1のコンピュータを、複数の受光素子130のうち、物体を検知し続けている受光素子130を特定する物体検知手段特定部112と、物体検知手段特定部112が受光素子130を特定した場合、物体検知手段特定部112が特定した受光素子130以外の受光素子130のみによる、物体の検知結果の経時的な変化に基づいて、ステップS203、S403において、有料道路Rを通行する車両を検知する車両検知部114として機能させてもよい。
【0117】
更に、当該第1のプログラムは、第1のコンピュータを、所定時間が経過する間中、物体を検知し続けている受光素子130を特定する物体検知手段特定部112として機能させてもよい。
【0118】
更に、当該第1のプログラムは、第1のコンピュータを、車両検知部114が所定台数の車両を検知する間中、物体を検知し続けている受光素子130を特定する物体検知手段特定部112として機能させてもよい。
【0119】
これらの第1のプログラムに記述された情報処理は、第1のコンピュータ800に読み込まれることにより、ソフトウェアと上述した各種のハードウェア資源とが協働した具体的手段である物体検知信号入力受付部111、物体検知手段特定部112、折れ検知データ受信部113、車両検知部114、及び車両検知データ送信部115として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態における第1のコンピュータ800の使用目的に応じた情報の演算、又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の車両検知装置100の制御装置110が構築される。
【0120】
同様に、これらの第2のプログラムに記述された情報処理は、第2のコンピュータ800に読み込まれることにより、ソフトウェアと上述した各種のハードウェア資源とが協働した具体的手段である通知データ受信部311、折れ検知信号入力受付部312、車両検知データ受信部313、遮断桿制御部314、及び折れ検知データ送信部315として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態における第2のコンピュータ800の使用目的に応じた情報の演算、又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の通行規制装置300の制御装置310が構築される。
【0121】
一例として、コンピュータ800と外部の装置等との間で通信を行う場合には、CPU802は、RAM803上にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理内容に基づいて、通信インターフェース807に対して通信処理を指示する。通信インターフェース807は、CPU802の制御を受けて、RAM803、ハードディスクドライブ808、フレキシブルディスク893、又はCD−ROM892等の記憶装置上に設けた送信バッファ領域等に記憶された送信データを読み出してネットワークへと送信し、もしくは、ネットワークから受信した受信データを記憶装置上に設けた受信バッファ領域等へと書き込む。このように、通信インターフェース807は、ダイレクトメモリアクセス方式により記憶装置との間で送受信データを転送してもよく、これに代えて、CPU802が転送元の記憶装置、又は通信インターフェース807からデータを読み出し、転送先の通信インターフェース807、又は記憶装置へとデータを書き込むことにより送受信データを転送してもよい。
【0122】
また、CPU802は、ハードディスクドライブ808、CD−ROM892、フレキシブルディスク893等の外部記憶装置に格納されたファイル、又はデータベース等の中から、全部、又は必要な部分をダイレクトメモリアクセス転送等によりRAM803へと読み込ませ、RAM803上のデータに対して各種の処理を行う。そして、CPU802は、処理を終えたデータを、ダイレクトメモリアクセス転送等により外部記憶装置へと書き戻す。
【0123】
このような処理において、RAM803は、外部記憶装置の内容を一時的に保持するものとみなせるから、本実施形態においてはRAM803、及び外部記憶装置等をメモリ、記憶部、又は記憶装置等と総称する。本実施形態における各種のプログラム、データ、テーブル、データベース等の各種の情報は、このような記憶装置上に格納されて、情報処理の対象となる。なおまた、CPU802は、RAM803の一部をキャッシュメモリに保持し、キャッシュメモリ上で読み書きを行うこともできる。このような形態においても、キャッシュメモリはRAM803の機能の一部を担うから、本実施形態においては、区別して示す場合を除き、キャッシュメモリもRAM803、メモリ、及び/又は記憶装置に含まれるものとする。
【0124】
また、CPU802は、RAM803から読み出したデータに対して、プログラムの命令列により指定された、本実施形態中に記載した各種の演算、情報の加工、条件判断、情報の検索、置換等を含む各種の処理を行い、RAM803へと書き戻す。例えば、CPU802は、条件判断を行う場合においては、本実施形態において示した各種の変数が、他の変数、又は定数と比較して、大きい、小さい、以上、以下、又は等しい等の条件を満たすかどうかを判断し、条件が成立した場合、又は不成立であった場合に、異なる命令列へと分岐し、又はサブルーチンを呼び出す。
【0125】
また、CPU802は、記憶装置内のファイル、又はデータベース等に格納された情報を検索することができる。例えば、第1属性の属性値に対し第2属性の属性値がそれぞれ対応付けられた複数のエントリが記憶装置に格納されている場合において、CPU802は、記憶装置に格納されている複数のエントリの中から第1属性の属性値が指定された条件と一致するエントリを検索し、そのエントリに格納されている第2属性の属性値を読み出すことにより、所定の条件を満たす第1属性に対応付けられた第2属性の属性値を得ることができる。
【0126】
以上に示したプログラム、又はモジュールは、外部の記憶媒体に格納されてもよい。記憶媒体としては、フレキシブルディスク893、CD−ROM892の他に、DVD(Digital Versatile Disk)、又はCD(Compact Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto−Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、ICカード等の半導体メモリ等を用いることができる。また、専用通信ネットワーク、又はインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハードディスク、又はRAM等の記憶媒体を記録媒体として使用して、ネットワークを介してプログラムをコンピュータ800に提供してもよい。
【0127】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は、上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更、又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更、又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0128】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示したシステム、方法、装置、プログラム、及び記録媒体における動作、手順、ステップ、及び段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現し得ることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0129】
100 車両検知装置
110 制御装置
111 物体検知信号入力受付部
112 物体検知手段特定部
113 折れ検知データ受信部
114 車両検知部
115 車両検知データ送信部
130 受光素子
200 車両検知装置
230 発光素子
300 通行規制装置
310 制御装置
311 通知データ受信部
312 折れ検知信号入力受付部
313 車両検知データ受信部
314 遮断桿制御部
315 折れ検知データ送信部
330 筐体
340 軸
350 遮断桿
360 ヒンジ
370 スイッチ
800 コンピュータ
801 ホストコントローラ
802 CPU
803 RAM
804 グラフィックコントローラ
805 ディスプレイ
806 入出力コントローラ
807 通信インターフェース
808 ハードディスクドライブ
809 CD−ROMドライブ
810 ROM
811 フレキシブルディスクドライブ
812 入出力チップ
891 ネットワーク通信装置
892 CD−ROM
893 フレキシブルディスク
D 進行方向
E 自動精算機
R 有料道路
T 自動発券機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13