特許第5781495号(P5781495)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5781495
(24)【登録日】2015年7月24日
(45)【発行日】2015年9月24日
(54)【発明の名称】タッチパネル装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20150907BHJP
【FI】
   G06F3/041 480
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-287081(P2012-287081)
(22)【出願日】2012年12月28日
(65)【公開番号】特開2014-130443(P2014-130443A)
(43)【公開日】2014年7月10日
【審査請求日】2014年11月19日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097113
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 城之
(74)【代理人】
【識別番号】100162363
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 幸彦
(72)【発明者】
【氏名】田中 容子
【審査官】 脇水 佳弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−258666(JP,A)
【文献】 特開2012−108949(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/160827(WO,A1)
【文献】 特開2013−020362(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/03−3/0485
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段の表示面に配置され、操作を受け付ける矩形状のタッチパネルを有するタッチパネル装置であって、
前記タッチパネルの各辺のそれぞれに、前記タッチパネルの裏面に接離可能に当接して垂直方向に前記タッチパネルを変位させる第1の変位手段及び第2の変位手段が近接して1対の組として配置され、
前記第1の変位手段及び前記第2の変位手段にそれぞれ波長及び振幅が同じ周期的な駆動信号を印加し、一方のみに前記駆動信号を印加したり、前記駆動信号の位相を変化させたりすることで、前記第1の変位手段及び前記第2の変位手段のいずれか一方を前記タッチパネルの裏面に接触する状態とし、いずれか他方を前記タッチパネルの裏面から離反する状態とする状態を持たせることにより、前記タッチパネルを複数の振動パターンで変位させる振動駆動制御手段を具備することを特徴とするタッチパネル装置。
【請求項2】
前記振動駆動制御手段は、前記第1の変位手段及び前記第2の変位手段に同じ前記駆動信号を印加することで前記タッチパネルを第1の振動パターンで変位させると共に、前記第1の変位手段もしくは前記第2の変位手段の一方のみに前記駆動信号を印加することで前記タッチパネルを前記第1の振動パターンとは異なる振動パターンで変位させることを特徴とする請求項1記載のタッチパネル装置。
【請求項3】
前記振動駆動制御手段は、前記第1の変位手段及び前記第2の変位手段に同じ前記駆動信号を印加することで前記タッチパネルを第1の振動パターンで変位させると共に、前記第1の変位手段及び前記第2の変位手段に位相の異なる前記駆動信号をそれぞれ印加することで前記タッチパネルを前記第1の振動パターンとは異なる振動パターンで変位させることを特徴とする請求項1又は2記載のタッチパネル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示部上にタッチパネルを設置したタッチパネル装置に関し、特にタッチパネルを振動させ、操作者に触感をフィードバックする機能を有するタッチパネル装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、表示部上にタッチパネルを設置したタッチパネル装置において、操作キーを押した感覚を操作者へ触感でフィードバックするフォースフィードバックと呼ばれる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、タッチパネルに圧電素子を設け、操作者がタッチパネルの操作面をタッチした際に、圧電素子に駆動信号を印加することでタッチパネルを振動させ、操作者に触感をフィードバックするように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−258666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、操作者にフィードバックする触感を変化させるためには、圧電素子に印加する駆動信号の波長や振幅を変化させる必要があり、複雑な制御回路が必要になってしまうという問題点があった。
【0005】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、従来技術の問題を解決し、複雑な制御回路を必要することなく、操作者にフィードバックする触感を変化させることができるタッチパネル装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のタッチパネル装置は、表示手段の表示面に配置され、操作を受け付ける矩形状のタッチパネルを有するタッチパネル装置であって、 前記タッチパネルの各辺のそれぞれに、前記タッチパネルの裏面に接離可能に当接して垂直方向に前記タッチパネルを変位させる第1の変位手段及び第2の変位手段が近接して1対の組として配置され、前記第1の変位手段及び前記第2の変位手段にそれぞれ波長及び振幅が同じ周期的な駆動信号を印加し、一方のみに前記駆動信号を印加したり、前記駆動信号の位相を変化させたりすることで、前記第1の変位手段及び前記第2の変位手段のいずれか一方を前記タッチパネルの裏面に接触する状態とし、いずれか他方を前記タッチパネルの裏面から離反する状態とする状態を持たせることにより、前記タッチパネルを複数の振動パターンで変位させる振動駆動制御手段を具備することを特徴とする。
さらに、本発明のタッチパネル装置において、前記振動駆動制御手段は、前記第1の変位手段及び前記第2の変位手段に同じ前記駆動信号を印加することで前記タッチパネルを第1の振動パターンで変位させると共に、前記第1の変位手段もしくは前記第2の変位手段の一方のみに前記駆動信号を印加することで前記タッチパネルを前記第1の振動パターンとは異なる振動パターンで変位させるようにしても良い。
さらに、本発明のタッチパネル装置において、前記振動駆動制御手段は、前記第1の変位手段及び前記第2の変位手段に同じ前記駆動信号を印加することで前記タッチパネルを第1の振動パターンで変位させると共に、前記第1の変位手段及び前記第2の変位手段に位相の異なる前記駆動信号をそれぞれ印加することで前記タッチパネルを前記第1の振動パターンとは異なる振動パターンで変位させるようにしても良い。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、タッチパネルの裏面の近接した箇所にそれぞれ当接され、タッチパネルの面に対して垂直方向にタッチパネルを変位させる第1の変位手段及び第2の変位手段を設け、第1の変位手段及び第2の変位手段にそれぞれ駆動信号を印加することで、タッチパネルを複数の振動パターンで変位させることができるため、複雑な制御回路を必要することなく、操作者にフィードバックする触感を変化させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係るタッチパネル装置の実施の形態が搭載された画像形成装置の構成例を示す斜視図である。
図2図1に示すタッチパネル装置の構成例を示す平面図である。
図3図2に示すA−A’断面図である。
図4図2に示す圧電素子の変位状態を示す説明図である。
図5図1に示す画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
図6図2に示すタッチパネルの振動パターン例を示す図である。
図7図2に示すタッチパネルの振動パターン例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
本実施の形態のタッチパネル装置10が搭載された画像形成装置100は、複写機であり、図1を参照すると、原稿読取部120と、原稿給送部130と、記録部140とを備えている。原稿読取部120は、記録部140の上部に配設され、原稿給送部130は、原稿読取部120の上部に配設されている。なお、本件の画像形成装置100は、複写機で説明したが、スキャナー、複合機等が含まれるのは、言うまでもない。
【0010】
画像形成装置100の前面側には、画像形成装置100の設定や動作指示を行うタッチパネル装置10が配設されている。タッチパネル装置10は、図2及び図3を参照すると、操作入力を受け付ける各種操作キーを表示する表示部11と、表示部11の表示面に設けられ、操作者の指先やスタイラス等の押圧による入力を検知し、入力が検知された位置に対応する信号を出力することで、表示部11に表示された操作キーへの操作を受け付けるタッチパネル12とを備えている。表示部11としては、例えば液晶表示パネルが用いることができる。また、タッチパネル12としては、例えば抵抗膜方式や静電容量方式等を用いることができ、本実施の形態では、押圧されると、押圧力に応じて微少量撓む(歪む)構造のものが用いられている。
【0011】
表示部11は、図3を参照すると、筐体13内に収納保持され、表示部11上には、タッチパネル12が配置されている。また、筐体13には、表示部11及びタッチパネル12の周辺領域を覆うアッパカバーを設けられており、筐体13のアッパカバーで覆われた箇所の、タッチパネル12の裏面には、タッチパネル12の面に対して垂直方向にタッチパネル12を変位させる変位手段として機能する第1の圧電素子14a及び第2の圧電素子14bが設けられている。第1の圧電素子14a及び第2の圧電素子14bは、帯状の圧電振動板15と、圧電振動板15を両持ち支持する一対の支持部材16と、圧電振動板15の中央部に設けられ、タッチパネル12の裏面に当接する当接部材17とを備えている。第1の圧電素子14aと第2の圧電素子14bとは、それぞれの当接部材17、すなわちタッチパネル12の裏面との当接箇所が近接するように、1対の組として配置されている。本実施の形態では、第1の圧電素子14a及び第2の圧電素子14bが、矩形状のタッチパネル12における各辺の中央付近にそれぞれ、計4セット配置されている。なお、第1の圧電素子14a及び第2の圧電素子14bの組数及び配置箇所は適宜選択することができる。
【0012】
第1の圧電素子14a及び第2の圧電素子14bは、印加される駆動信号に応じて、図4に示すように、タッチパネル12の裏面に近づく方向、もしくはタッチパネル12の裏面から遠ざかる方向に圧電振動板15を撓ませてタッチパネル12を垂直な方向に変位させる。図4(a)には、第1の圧電素子14a及び第2の圧電素子14bの両方の圧電振動板15がタッチパネル12の裏面に近づく方向に撓んだ状態が示されている。この場合には、タッチパネル12は、第1の圧電素子14a及び第2の圧電素子14bによって矢印で示すように押上げられることになる。図4(b)には、第1の圧電素子14aの圧電振動板15のみがタッチパネル12の裏面に近づく方向に撓んだ状態が示されている。この場合には、タッチパネル12は、第1の圧電素子14aによって矢印で示すように押上げられることになる。なお、第1の圧電素子14a及び第2の圧電素子14b(当接部材17)とタッチパネル12の裏面とは、固着されておらず、接離可能に構成されている。図4(c)には、第1の圧電素子14a及び第2の圧電素子14bの両方の圧電振動板15がタッチパネル12の裏面から遠ざかる方向に撓んだ状態が示されている。この場合には、タッチパネル12は、操作者の指による操作圧や自重によって矢印で示すように押下げられることになる。図4(d)には、第1の圧電素子14aの圧電振動板15のみがタッチパネル12の裏面から遠ざかる方向に撓んだ状態が示されている。この場合には、タッチパネル12は、第2の圧電素子14bによって支持された状態となり、垂直方向変位することがない。
【0013】
タッチパネル装置10には、図2を参照すると、印刷枚数等の数値を入力するためのテンキー、設定情報を初期化させる指示を入力するためのリセットキー、複写動作を停止させたり、入力された数値を消去させたりするためのストップキー、印刷動作を開始させる出力指示を入力するためのスタートキー等の操作キーが設けられている。
【0014】
原稿読取部120は、図1を参照すると、スキャナー121と、プラテンガラス122と、原稿読取スリット123とを備える。スキャナー121は、LED及びCCD(Charge Coupled Device)センサー等から構成され、原稿給送部130による原稿MSの搬送方向に移動可能に構成されている。プラテンガラス122は、ガラス等の透明部材により構成された原稿台である。原稿読取スリット123は、原稿給送部130による原稿MSの搬送方向と直交方向に形成されたスリットを有する。
【0015】
プラテンガラス122に載置された原稿MSを読み取る場合には、スキャナー121は、プラテンガラス122に対向する位置に移動され、プラテンガラス122に載置された原稿MSを走査しながら原稿MSを読み取って画像データを取得し、取得した画像データを記録部140に出力する。また、原稿給送部130により搬送された原稿MSを読み取る場合には、スキャナー121は、原稿読取スリット123と対向する位置に移動され、原稿読取スリット123を介し、原稿給送部130による原稿MSの搬送動作と同期して原稿MSを読み取って画像データを取得し、取得した画像データを記録部140に出力する。
【0016】
原稿給送部130は、原稿載置部131と、原稿排出部132と、原稿搬送機構133とを備えている。原稿載置部131に載置された原稿MSは、原稿搬送機構133によって、1枚ずつ順に繰り出されて、原稿読取部120の原稿読取スリット123に対向する位置へ搬送され、その後、原稿排出部132に排出される。なお、原稿給送部130は、可倒式に構成され、原稿給送部130を上方に持ち上げることで、プラテンガラス122の上面を開放させることができる。
【0017】
記録部140は、画像形成部150を備えると共に、給紙部160と、搬送路170と、搬送ローラー181と、排出ローラー182と、排出トレイ190とを備えている。
【0018】
給紙部160は、記録紙Pを収納する複数の給紙カセット161a〜dと、給紙カセット161a〜dから記録紙Pを1枚ずつ搬送路170に繰り出す給紙ローラー162とを備えている。給紙ローラー162、搬送ローラー181及び排出ローラー182が搬送部として機能し、記録紙Pが搬送される。給紙ローラー162によって搬送路170に繰り出された記録紙Pは、搬送ローラー181によって画像形成部150に搬送される。そして、画像形成部150によって記録が施された記録紙Pは、排出ローラー182によって機外に出力される。記録が施された記録紙Pは、排出ローラー182に導かれ、排出トレイ190に出力される。
【0019】
画像形成部150は、感光体ドラム151と、帯電部152、露光部153と、現像部154と、転写部155と、クリーニング部156と、定着部157とを備えている。露光部153は、レーザー装置やミラー等を備えた光学ユニットであり、画像データに基づいてレーザー光を出力して、露光部153によって帯電された感光体ドラム151を露光し、感光体ドラム151の表面に静電潜像を形成する。現像部154は、トナーを用いて感光体ドラム151に形成された静電潜像を現像する現像ユニットであり、静電潜像に基づいたトナー像を感光体ドラム151上に形成させる。転写部155は、現像部154によって感光体ドラム151上に形成されたトナー像を記録紙Pに転写させる。クリーニング部156は、転写後の感光体ドラム151上に残留するトナーを除去する。定着部157は、転写部155によってトナー像が転写された記録紙Pを加熱してトナー像を記録紙Pに定着させる。
【0020】
次に、画像形成装置100のハードウェア構成例について図5を参照して説明する。
画像形成装置100のタッチパネル装置10、原稿読取部120、原稿給送部130、画像形成部150及び搬送部(給紙ローラー162、搬送ローラー181、排出ローラー182)は、制御部1に接続され、制御部1によって動作制御される。また、制御部1には、記憶部2と、画像処理部3とが接続されている。
【0021】
制御部1は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピュータ等の情報処理部である。ROMには画像形成装置100の動作制御を行うための制御プログラムが記憶されている。制御部1は、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出し、制御プログラムをRAMに展開させることで、タッチパネル装置10から入力された所定の指示情報等に応じて装置全体の制御を行う。
【0022】
記憶部2は、半導体メモリやHDD(Hard Disk Drive)等の記憶手段であり、原稿読取部120によって原稿を読み取ることで取得された画像データが記憶される。
【0023】
画像処理部3は、画像データに対して所定の画像処理を行う手段であり、例えば、拡大縮小処理や、濃度調整、階調調整等の画像改善処理が行われる。
【0024】
タッチパネル装置10には、図5を参照すると、制御部1からの指示に基づいて、第1の圧電素子14a及び第2の圧電素子14bを駆動する振動駆動制御部18とが設けられている。振動駆動制御部18は、第1の圧電素子14a及び第2の圧電素子14bにそれぞれ駆動信号を印加することで、それぞれの圧電振動板15を撓ませてタッチパネル12を垂直な方向に変位させる。駆動信号は、サイン波等の周期的な信号である。振動駆動制御部18は、圧電素子14a及び第2の圧電素子14bに対して、波長及び振幅が同じ駆動信号を印加する。そして、振動駆動制御部18は、一方のみに駆動信号を印加したり、駆動信号の位相を変化させたりすることで、図6及び図7に示すような、4種類の振動パターンでタッチパネル12を垂直な方向に変位させる。
【0025】
図6(a)には、第1の圧電素子14a及び第2の圧電素子14bに対して位相が同じ駆動信号(サイン波)を印加した場合の、圧電素子14a及び第2の圧電素子14bの変位量と、タッチパネル12の変位量(第1の振動パターン)とが示されている。この場合には、第1の圧電素子14a及び第2の圧電素子14bの変位量と、タッチパネル12の変位量とが一致する。従って、第1の振動パターンでは、タッチパネル12を押し上げる期間と、タッチパネル12が押し下げられる期間とが同時間で交互に繰り返されることになる。
【0026】
図6(b)には、第1の圧電素子14aのみに対して駆動信号(サイン波)を印加した場合の、圧電素子14a及び第2の圧電素子14bの変位量と、タッチパネル12の変位量(第2の振動パターン)とが示されている。この場合には、第1の圧電素子14aの変位量と第2の圧電素子14bの変位量とが合成され、第2の振動パターンでは、タッチパネル12を押し上げる期間が間欠的に繰り返されることになる。
【0027】
図7(a)には、第1の圧電素子14aと第2の圧電素子14bとに対して位相が1/4波長ずらした駆動信号(サイン波)を印加した場合の、圧電素子14a及び第2の圧電素子14bの変位量と、タッチパネル12の変位量(第3の振動パターン)とが示されている。この場合には、第1の圧電素子14aの変位量と第2の圧電素子14bの変位量とが合成され、第3の振動パターンでは、タッチパネル12を押し上げる長い期間と、タッチパネル12が押し下げられる短い期間とが交互に繰り返されることになる。
【0028】
図7(b)には、第1の圧電素子14aと第2の圧電素子14bとに対して位相が半波長ずらした駆動信号(サイン波)を印加した場合の、圧電素子14a及び第2の圧電素子14bの変位量と、タッチパネル12の変位量(第4の振動パターン)とが示されている。この場合には、第1の圧電素子14aの変位量と第2の圧電素子14bの変位量とが合成され、第4の振動パターンでは、タッチパネル12を押し上げる期間が連続して繰り返されることになる。
【0029】
なお、本実施の形態では、波長及び振幅が同じ駆動信号を用いて、4種類の振動パターンでタッチパネル12を垂直な方向に変位させるように構成したが、第1の圧電素子14a及び第2の圧電素子14bのそれぞれに印加する駆動信号の位相のずれによっては、さらに多くの振動パターンでタッチパネル12を垂直な方向に変位させることができる。
【0030】
以上説明したように本実施の形態においては、タッチパネル12の裏面の近接した箇所にそれぞれ当接され、タッチパネル12の面に対して垂直方向にタッチパネル12を変位させる第1の圧電素子14a及び第2の圧電素子14bと、第1の圧電素子14a及び第2の圧電素子14bにそれぞれ駆動信号を印加することで、タッチパネル12を複数の振動パターンで変位させる振動駆動制御部18とで構成されている。この構成により、第1の圧電素子14a及び第2の圧電素子14bに波長及び振幅が同じ駆動信号をそれぞれ印加する印加しても、一方のみに駆動信号を印加したり、駆動信号の位相を変化させたりすることで、複数の振動パターンでタッチパネル12を垂直な方向に変位させることができ、複雑な制御回路を必要することなく、操作者にフィードバックする触感を変化させることができるという効果を奏する。
【0031】
さらに、本実施の形態において、振動駆動制御部18は、第1の圧電素子14a及び第2の圧電素子14bに同じ駆動信号を印加することでタッチパネル12を第1の振動パターンで変位させると共に、第1の圧電素子14aもしくは第2の圧電素子14bの一方のみに駆動信号を印加することでタッチパネル12を第1の振動パターンとは異なる振動パターンで変位させるように構成されている。
【0032】
さらに、本実施の形態において、振動駆動制御部18は、第1の圧電素子14a及び第2の圧電素子14bに同じ駆動信号を印加することでタッチパネル12を第1の振動パターンで変位させると共に、第1の圧電素子14a及び第2の圧電素子14bに位相の異なる駆動信号をそれぞれ印加することでタッチパネル12を第1の振動パターンとは異なる振動パターンで変位させるように構成されている。
【0033】
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。なお、各図において、同一構成要素には同一符号を付している。
【符号の説明】
【0034】
1 制御部
2 記憶部
3 画像処理部
10 タッチパネル装置
11 表示部
12 タッチパネル
13 筐体
14a 第1の圧電素子
14b 第2の圧電素子
15 圧電振動板
16 支持部材
17 当接部材
18 振動駆動制御部
100 画像形成装置
120 原稿読取部
121 スキャナー
122 プラテンガラス
123 原稿読取スリット
130 原稿給送部
131 原稿載置部
132 原稿排出部
133 原稿搬送機構
140 記録部
150 画像形成部
151 感光体ドラム
152 帯電部
153 露光部
154 現像部
155 転写部
156 クリーニング部
157 定着部
160 給紙部
161a〜d 給紙カセット
162 給紙ローラー
170 搬送路
181 搬送ローラー
182 排出ローラー
190 排出トレイ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7