(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記駆動制御部は、所定時間経過時において前記検出部が前記操作部の動きを検出しないときは、前記事前振動パルス信号の出力の後、前記事前振動パルス信号より大きな追加パルス信号を出力して前記操作部を間欠駆動することを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
前記駆動制御部は、前記検出部が前記操作部の動きを検出した後に、前記プッシュ操作機構を介して前記駆動部により前記操作部を駆動してメイン振動制御を行なうことにより操作感覚を呈示することを特徴とする請求項2又は3に記載の操作装置。
前記起動パルス信号は、前記操作部を駆動する方向の正パルスと、前記正パルスと逆極性の負パルスとから構成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の操作装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて具体的に説明する。
【0016】
(本発明の第1の実施の形態)
(操作装置1の全体構成)
操作装置1は、操作部としてのタッチパネル24をプッシュ操作可能なプッシュ操作機構30と、プッシュ操作機構30を介して駆動部としてのモータ42によりタッチパネル24を駆動して操作感覚を呈示する触覚呈示手段である触覚呈示装置40と、タッチパネル24の動きを検出する検出部としてのエンコーダ33と、起動パルス信号P
01と起動パルス信号P
01よりも小さい所定パルス数の事前振動パルス信号P
02とに基づいて生成される駆動制御信号Vcにより駆動部としてのモータ42を間欠駆動する駆動制御部100と、を有して概略構成されている。
【0017】
図1において、全体を示す符号1は、この実施の形態における典型的な触覚呈示装置を備えた操作装置の構成部品を概略的に例示している。この操作装置1は、特に限定されるものではないが、例えば空調装置、オーディオ装置やナビゲーション装置等の車載機器の作動を制御するための操作信号を出力する車両用のタッチパネルに好適に用いられる。
【0018】
図示例による操作装置1は、例えば車室内の図示しないセンターコンソールなどの運転席周辺部に配置されており、同じく図示を省略したディスプレイに配線を介して接続される。
【0019】
この操作装置1は、操作者の手指でタッチパネルをタッチ操作すると、例えばタッチパネル24の表面上の位置がタッチセンサにより検出され、この位置に対応した位置検出信号がディスプレイ上の項目ボタンを選択決定する遠隔操作式の入力装置として構成される。
【0020】
この操作装置1は、
図1に示すように、プッシュ操作可能なタッチパネル装置20と、タッチパネル装置20が操作入力を受け付けた際に、操作部としてのタッチパネル24を介してタッチ操作する手指に振動を与えることにより操作感覚を操作者に呈示する触覚呈示装置40とを備えている。
【0021】
下方に向けて開口したケース状に形成された樹脂製のボディ2には、
図1に示すように、タッチパネル装置20及び触覚呈示装置40のそれぞれの構成部品が組み込まれる。ボディ2の下方開口を覆う樹脂製のカバー体3を図示しないビスにより締付固定することで、タッチパネル装置20と触覚呈示装置40とを一体化した操作装置1が構成される。
【0022】
このボディ2の一側部には、
図1に示すように、第1〜第3の3個の操作ノブ5,5,5が一列に設けられる。隣り合う操作ノブ5の間には、絶縁体である樹脂製のセパレータ4,4が介在されるようになっている。このボディ2の他側部には、第4の操作ノブ6が設けられる。この第1〜第4の操作ノブ5,6のそれぞれは、プッシャ5a,6aを介して制御基板7に搭載されたプッシュスイッチ5b,6bをオンオフ操作可能に配置される。
【0023】
(タッチパネル装置20の構成)
このタッチパネル装置20は、
図1に示すように、平面矩形状のベース21と枠状のフレーム22との間に矩形状のタッチセンサ基板23とシート状のタッチパネル24とを図示しない両面テープを介して接合した状態で組み付けられる。このベース21及びフレーム22は、樹脂材料により形成されている。タッチパネル装置20の外周部分には、矩形枠状のシールド部材25が覆うように配置される。このシールド部材25は、制御基板7の接地回路に電気的に接続される。
【0024】
このベース21の上面に凹状に形成された凹部の底面には、
図1に示すように、クリック部材26を介してタッチセンサ基板23が弾性的に保持される。このクリック部材26は、弾性変形によりタッチパネル24に対して変位可能な筒状のラバー材からなり、タッチパネル24側の内径がベース21側の内径よりも大きく形成されている。
【0025】
このフレーム22は、
図1に示すように、上面を開口した枠部22aからなる。その枠部22aは、額縁状の枠板体と、枠板体の内周縁部から収容部側に向けて延びる筒状の壁部とを有している。
【0026】
このタッチセンサ基板23とタッチパネル24とは、
図1に示すように、導電材である導電性テープ27を介して接続される。
【0027】
このタッチセンサ基板23は、
図1に示すように、例えば静電容量を検出する静電容量タッチセンサであり、フレキシブルフラットケーブル28を介して制御基板7に搭載された図示しないコネクタに接続される。一方のタッチパネル24は、シール性を有する両面テープ29を介してフレーム22の枠板体の裏面に接合され、フレーム22の枠部22aの開口に操作面を露出させた状態で操作可能に配置される。
【0028】
このベース21には更に、
図1に示すように、ボディ2に形成された貫通孔に係合する複数の弾性係合片21a,…,21aと、ボディ2に形成された案内孔に沿って案内移動する一対の案内片21b,21bと、タッチパネル24の往復運動に連動する連結部材である連結片21cとのそれぞれがプッシュ操作機構30側に向けて延在されている。
【0029】
(プッシュ操作機構30の構成)
このプッシュ操作機構30は、
図1に示すように、ボディ2に回転可能に固定される支持軸31と、支持軸31の一端とは一体になって回転するリンク部材32とを備える。支持軸31の他端には、プッシュ操作機構30の位置を検出する位置センサであるエンコーダ33と、プッシュ操作のオンオフを検出するエンタースイッチ37とが取り付けられている。
【0030】
エンコーダ33は、プッシュ操作機構30側に取り付けられたエンコーダスリット板33Aと、制御基板7側に取り付けられたフォトインタラプタ33Bから構成されたロータリエンコーダである。エンコーダスリット板33Aは、支持軸31に取り付けられタッチパネル装置20のベース21の上下移動に伴い回転するので、ベース21に固定されている操作部としてのタッチパネル24の動きを高分解能で検出することができる。エンコーダ33の検出信号は、
図4に示すように、制御部110へ入力される。
【0031】
エンタースイッチ37は、プッシュ操作機構30側に取り付けられたエンタースイッチ板37Aと、制御基板7側に取り付けられたフォトインタラプタ37Bから構成されている。エンタースイッチ板37Aは、支持軸31に取り付けられているので、ベース21に固定されている操作部としてのタッチパネル24のエンター動作を検出することができる。エンタースイッチ37の検出信号は、
図4に示すように、制御部110へ入力される。
【0032】
このプッシュ操作機構30は更に、
図1に示すように、プッシュ操作時におけるタッチパネル24の傾き動作を抑制するスタビライザ35を備える。このスタビライザ35の両端は、支持軸31とは交差して、タッチパネル装置20の一対の案内片21bのそれぞれに取り付けられることで、支持軸31の軸回りの傾き動作を抑制するようになっている。
【0033】
このリンク部材32には、
図1に示すように、トーションバネ36が取り付けられる。このトーションバネ36は、リンク部材32を一方向に向けて常に付勢するように構成される。支持軸31及びトーションバネ36は、金属材料からなり、リンク部材32は、樹脂材料により形成されている。
【0034】
このリンク部材32は、
図2(a)〜
図3(b)に示すように、支持軸挿入用孔32bを有するドーナツ状の基部32aと、基部32aの外周面両側に突出して形成された一対のアーム部32c,32cとを有する。この基部32aの偏心位置には、連結ピン32dが突出している。
【0035】
このリンク部材32の連結ピン32dは、
図2(a)〜
図3(b)に示すように、タッチパネル装置20のベース21の連結片21cに形成されたピン係止孔21d内を往復動(往復微動)可能に連結される。この連結ピン32dと連結片21cとの連結により、リンク部材32は、タッチパネル装置20のプッシュ操作に連動してプッシュ操作機構30の支持軸31を回転中心として正逆回転する。この連結片21cのピン係止孔21dとは反対側の部位は、触覚呈示装置40とは干渉しないように切欠して形成されている。
【0036】
(触覚呈示装置40の構成)
この実施の形態に係る操作装置1において主要な基本の構成は、駆動部としてのモータ42により操作部としてのタッチパネル24を上方へ押し上げてメイン振動させることで操作感覚を呈示する触覚呈示手段を備えた触覚呈示装置40にある。従って、上記のように構成された操作装置1は、この実施の形態に係る一構成例を示しており、その構成部品の形状や構造などは、図示例に限定されるものではない。
【0037】
この触覚呈示装置40は、プッシュ操作機構30を介して操作者の手指に操作感覚を呈示する触覚呈示手段を備える。この触覚呈示手段は、
図1に示すように、プッシュ操作機構30をリンク部材32を介して駆動する駆動伝達機構41により主に構成される。この駆動伝達機構41は、回転駆動手段とカム機構とを備える。
【0038】
この回転駆動手段である正逆回転可能なモータ42は、
図1に示すように、ハウジング44に保持されており、このハウジング44が図示しないビスを介してタッチパネル装置20のボディ2に締付固定される。このモータ42は、制御基板7に電気的に接続されるコードを有するターミナル45と、モータ42に帯電した静電気を制御基板7の接地回路に逃がすグランドクリップ46とを介して電気的に接続される。
【0039】
一方のカム機構は、
図1に示すように、モータ42の出力軸に固定された回転カム部材であるカムプレート43を備えている。
【0040】
プッシュ操作機構30と触覚呈示装置40とが常に連結したままの状態にあるときはプッシュ操作機構30のリンク部材32と触覚呈示装置40のカムプレート43とがプッシュ操作機構30のプッシュ操作の抵抗力となり、操作感を損なうことになるので、好ましくない。
【0041】
図示例にあっては、リンク部材32とカムプレート43との連結を解除する構成が設けられている。このカムプレート43は、
図2(a)〜
図3(c)に示すように、リンク部材32に駆動を伝達する伝達位置とリンク部材32に駆動を伝達しない非伝達位置のどちらかに位置変更が可能となるように回転可能に構成されている。触覚呈示のための振動発生を必要としないときは、触覚呈示装置40をプッシュ操作機構30から退避する位置に停止させている。
【0042】
このカムプレート43は、
図2(a)〜
図3(c)に示すように、モータ42の往復回転運動をタッチパネル装置20の往復微動運動に変換する運動変換部材である。カムプレート43の外面には、カム面43aがモータ42の出力軸に形成されている。図示例では、カム面43aは、インボリュート曲線形状に形成されている。
【0043】
このカム面43aは、
図3(b)、
図3(c)に示すように、リンク部材32のアーム部32cからなるカムフォロア面32eに当接しつつ所定の角度をもって回転するように構成されている。
【0044】
(駆動制御部100の構成)
図4は、本発明の実施の形態に係る操作装置の駆動制御部を中心とした電気系のブロック図である。駆動制御部100は、制御部110、駆動回路120等から構成されている。モータ42は、制御部110から出力される駆動制御信号Vcに基づいて、駆動回路120からモータ駆動電流Idを供給されて回転駆動される。この駆動制御部100は、起動パルス信号P
01と起動パルス信号P
01よりも小さい所定パルス数の事前振動パルス信号P
02とに基づいて生成される駆動制御信号Vcによりモータ42を間欠駆動し、カム面43aがカムフォロア面32eに当接するまで駆動する。すなわち、上記起動パルス信号P
01と事前振動パルス信号P
02とに基づいて生成される駆動制御信号Vcによる駆動は、
図3(a)の状態から
図3(b)の状態に至る、タッチパネル24を上方向へ押し上げてメイン振動させるまでのカム面43aとカムフォロア面32eとの間隙(ガタ)を詰めるガタ詰め動作である。
【0045】
図4に示すように、制御部110は、タッチパネル24、プッシュスイッチ5b、6b、エンコーダ33、エンタースイッチ37からそれぞれ座標情報、プッシュ情報、角度情報を入力され、これらの情報と予め記憶された情報に基づいて駆動回路120からモータ42を通電制御し、駆動制御信号Vc(P
01、P
02)によりガタ詰め動作を行なう。このガタ詰め動作後に、
図3(c)に示すようにカム面43aがカムフォロア面32eに当接した状態でタッチパネル24を上方向へ押し上げるメイン振動制御を行なう。また、タッチパネル24、プッシュスイッチ5b、6bから操作情報を電子機器へ出力して当該電子機器を遠隔操作する。
【0046】
制御部110は、例えば、記憶されたプログラムに従って、取得したデータに演算、処理等を行うCPU(Central Processing Unit)、半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等を備えると共に、電圧及びパルス幅を設定に基づいて変化させて生成した駆動制御信号Vcを出力するアナログ信号出力部を備える。
【0047】
図5は、第1の実施の形態における駆動制御信号Vcを示す図である。
図5で示す駆動制御信号Vcは、起動パルス信号P
01と起動パルス信号P
01よりも小さい所定パルス数の事前振動パルス信号P
02からパルス列として生成されている。また、駆動制御信号Vcは、起動パルス信号P
01と事前振動パルス信号P
02とによるガタ詰め動作後にメイン振動パルスP
03を出力し、タッチパネル24を上方向へ押し上げるメイン振動制御により操作感覚の呈示が行われる。
【0048】
起動パルス信号P
01は、モータ42を起動させるためのパルス信号である。静止摩擦力から動摩擦力が支配する状態に移行するために、比較的大きな電圧値設定がされている。
【0049】
事前振動パルス信号P
02は、起動パルス信号P
01の電圧値V
01よりも小さい電圧値V
02に設定された所定パルス数のパルス列である。ここで、所定パルス数は、所定時間t
01経過時までにガタ詰め動作が終了するように、動作温度範囲等を考慮して十分なパルス数が設定されている。
【0050】
また、
図5に示すように、事前振動パルス信号P
02は、電圧値又はパルス幅が漸次増加するパルス列として設定することができる。このように設定することにより、ガタ詰め動作を確実にすることができる。
【0051】
(駆動制御信号Vcによる触覚呈示の動作例)
図6は、第1の実施の形態に係る操作装置の駆動制御部のフローチャートである。
【0052】
操作感覚の呈示動作がスタートすると、制御部110は、起動パルス信号P
01と起動パルス信号P
01よりも小さい所定パルス数の事前振動パルス信号P
02からパルス列として生成した駆動制御信号Vcを駆動回路120へ出力する(Step01)。
【0053】
制御部110は、所定時間t
01経過後、タッチパネル24の動きを検出する。この検出はエンコーダ33の検出信号により行なうことができ、操作部であるタッチパネル24が動いたかどうかを判断する。タッチパネル24が動いたと判断された場合は、Step03へ進み、タッチパネル24が動いたと判断されない場合は判断を繰り返し実行する(Step02)。
【0054】
制御部110は、事前振動パルス信号P
02の出力を停止し、ガタ詰め動作を終了する(Step03)。
【0055】
制御部110は、駆動制御信号Vcとしてメイン振動パルスP
03を出力し、タッチパネル24を上方向へ押し上げるメイン振動制御により操作感覚の呈示を行なう(Step04)。
【0056】
上記フローにより、一連のモータ駆動による操作感覚の呈示を終了する。
【0057】
(本発明の第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態と操作装置1の全体構成は同じであり、制御部110から出力される駆動制御信号Vcが異なると共に、制御部110による判断フローが異なる。以下において、第1の実施の形態と異なる部分について説明し、重複する部分の説明は省略する。
【0058】
図7は、第2の実施の形態における駆動制御信号Vcを示す図である。
図7で示す駆動制御信号Vcは、起動パルス信号P
11と起動パルス信号P
11よりも小さい所定パルス数の事前振動パルス信号P
12からパルス列として生成されている。また、所定時間t
11経過時に、エンコーダ33の検出信号によりタッチパネル24が動いたと判断されない場合は、事前振動パルス信号P
12より大きな電圧として設定された追加パルス信号P
13が出力される。また、駆動制御信号Vcは、起動パルス信号P
11、事前振動パルス信号P
12、必要に応じて追加パルス信号P
13とによるガタ詰め動作後にメイン振動パルスP
14を出力し、タッチパネル24を上方向へ押し上げるメイン振動制御により操作感覚の呈示が行われる。
【0059】
起動パルス信号P
11は、モータ42を起動させるためのパルス信号である。静止摩擦力から動摩擦力が支配する状態に移行するために、比較的大きな電圧値設定がされている。この起動パルス信号P
11において、モータ42を起動させるためのパルス信号として、
図7に示すように、モータ42を駆動する方向の正パルス(電圧値V
1p)に続いて逆極性の負パルス電圧値V
1mを出力することができる。これにより、正パルス(電圧値V
1p)による過剰な駆動を補正することができる。
【0060】
事前振動パルス信号P
12は、起動パルス信号P
11の電圧値V
1pよりも小さい電圧値V
12に設定された所定パルス数のパルス列である。ここで、所定パルス数は、所定時間t
11経過時にガタ詰め動作が終了するように、等価な電流量から換算されて決定される。
【0061】
ここで、上記の等価な電流量は、慣性モーメントやモータ42の発生トルク等からカムの動きをシミュレーションし、カムの衝突速度を評価関数、電流値や通電時間等を設計パラメータとして、衝突速度が最も小さくなるように電流パターンを最適値検索して決定される。この等価な電流量から、所定パルス数を設定するので、所定時間t
11経過時にほぼガタ詰め動作が終了するが、ガタ詰め動作が終了していない場合は、追加パルス信号P
13によりガタ詰め動作が完了する。
【0062】
図7に示すように、追加パルス信号P
13の電圧値V
13は、前振動パルス信号P
12の電圧値V
12よりも大きく設定され、1又は2以上のパルスで構成されている。これにより、所定時間t
11経過時にガタ詰め動作が終了していない場合でも確実にガタ詰め動作を行なうことができる。
【0063】
(駆動制御信号Vcによる触覚呈示の動作例)
図8は、第2の実施の形態に係る操作装置の駆動制御部のフローチャートである。
【0064】
操作感覚の呈示動作がスタートすると、制御部110は、起動パルス信号P
11と起動パルス信号P
11よりも小さい所定パルス数の事前振動パルス信号P
12からパルス列として生成した駆動制御信号Vcを駆動回路120へ出力する(Step11)。
【0065】
制御部110は、所定時間t
11経過後、タッチパネル24の動きを検出する。この検出はエンコーダ33の検出信号により行なうことができ、操作部であるタッチパネル24が動いたかどうかを判断する。タッチパネル24が動いたと判断された場合は、Step13へ進み、タッチパネル24が動いたと判断されない場合はStep15へ進む(Step12)。
【0066】
制御部110は、事前振動パルス信号P
12の出力を停止し、ガタ詰め動作を終了する(Step13)。
【0067】
制御部110は、駆動制御信号Vcとしてメイン振動パルスP
14を出力し、タッチパネル24を上方向へ押し上げるメイン振動制御により操作感覚の呈示を行なう(Step14)。
【0068】
制御部110は、タッチパネル24が動いたと判断されない場合、所定時間t
11からt
12まで追加パルス信号P
13を出力する。これにより、ガタ詰め動作を行なう。追加パルス信号P
13を出力した後、Step14へ進む(Step15)。
【0069】
上記フローにより、一連のモータ駆動による操作感覚の呈示を終了する。
【0070】
(実施の形態の効果)
本発明の実施の形態に係る操作装置1は、次のような効果を有する。
(1)本発明の実施の形態では、起動パルス信号(P
01又はP
11)と事前振動パルス信号(P
02又はP
12)とに基づいて生成される駆動制御信号Vcにより、カム面43aとカムフォロア面32eとの間隙のガタを詰めるガタ詰め動作を行なう。このガタ詰め動作時に、所定の時間経過後に、操作部であるタッチパネル24が動いたかどうかを判断して制御方法を切り替える。この制御方法により、ガタ詰め動作による衝突音や不要な振動等を抑制でき、振動呈示動作時又はその前に衝突音や不要な振動等が発生することが低減可能な操作装置を提供することができる。
(2)事前振動パルス信号P
02は、電圧値又はパルス幅が漸次増加するパルス列として設定することができる。このように設定することにより、ガタ詰め動作を確実にすることができる。なお、このような設定は、第2の実施の形態にも適用可能である。
(3)起動パルス信号P
11において、モータ42を起動させるためのパルス信号として、
図7に示すように、モータ42を駆動する方向の正パルス(電圧値V
1p)に続いて逆極性の負パルス電圧値V
1mを出力することにより過剰な駆動を補正することができる。なお、このような設定は、第1の実施の形態にも適用可能である。
(4)事前振動パルス信号P
12は、起動パルス信号P
11の電圧値V
1pよりも小さい電圧値V
12に設定された所定パルス数のパルス列である。ここで、所定パルス数は、所定時間t
11経過時にガタ詰め動作が終了するように、等価な電流量から換算されて決定される。この等価な電流量は、慣性モーメントやモータ42の発生トルク等からカムの動きをシミュレーションし、カムの衝突速度を評価関数、電流値や通電時間等を設計パラメータとして、衝突速度が最も小さくなるように電流パターンを最適値検索して決定される。この等価な電流量から、所定パルス数を設定するので、所定時間t
11経過時にほぼガタ詰め動作が終了することが可能となる。また、ガタ詰め動作が終了していない場合は、追加パルス信号P
13により補正することが可能である。なお、このような設定は、第1の実施の形態にも適用可能である。
(5)追加パルス信号P
13の電圧値V
13は、前振動パルス信号P
12の電圧値V
12よりも大きく設定され、1又は2以上のパルスで構成されている。これにより、所定時間t
11経過時にガタ詰め動作が終了していない場合でも確実にガタ詰め動作を行なうことができる。
【0071】
[変形例]
本発明における操作装置1においては、次に示すような他の変形例も可能である。
【0072】
(1)上記触覚呈示手段は、車載機器に限らず、例えばゲーム機、パーソナルコンピュータや携帯電話機などの各種の端末装置に適用することができることは勿論である。
(2)タッチパネルを備えていない各種のスイッチ装置であっても、操作者の手指に触覚刺激操作感触を呈示することは可能であり、上記触覚呈示手段は、例えばマウス装置、キーボードや操作ノブなどにも適用することができる。
(3)上記触覚呈示手段は、例えば使用目的などに応じて配置個数、配置位置や配置形態などを適宜に選択すればよく、本発明の初期の目的を達成することができる。
【0073】
以上の説明からも明らかなように、本発明に係る代表的な実施の形態、変形例及び図示例を例示したが、上記実施の形態、変形例及び図示例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。従って、上記実施の形態、変形例及び図示例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。