特許第5782010号(P5782010)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5782010光学表示パネルの連続製造方法および光学表示パネルの連続製造システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5782010
(24)【登録日】2015年7月24日
(45)【発行日】2015年9月24日
(54)【発明の名称】光学表示パネルの連続製造方法および光学表示パネルの連続製造システム
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1335 20060101AFI20150907BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20150907BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20150907BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20150907BHJP
【FI】
   G02F1/1335 510
   G02F1/13 101
   G02B5/30
   G09F9/00 338
   G09F9/00 342
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-247682(P2012-247682)
(22)【出願日】2012年11月9日
(65)【公開番号】特開2014-95833(P2014-95833A)
(43)【公開日】2014年5月22日
【審査請求日】2015年1月8日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秦 和也
【審査官】 弓指 洋平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−103594(JP,A)
【文献】 特開2010−256757(JP,A)
【文献】 特開2011−197651(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1335
G02F 1/13
G09F 9/00
G02B 5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学セルの一方面に第1光学フィルムが積層され、当該光学セルの他方面に第2光学フィルムが積層された光学表示パネルを連続的に製造する方法であって、
キャリアフィルム上に帯状の光学フィルムが積層されてなる帯状の第1積層光学フィルムが巻回された第1光学フィルムロールから、当該第1積層光学フィルムを繰り出し、当該キャリアフィルムを切断せずに残して、幅方向に切断することで得られた前記第1光学フィルムを供給し、前記光学セルを搬送しながら、前記光学フィルムを前記光学セルの対向する一組の辺側から前記第1光学フィルムの供給方向に沿って前記光学セルの一方面に貼り合わせる第1貼合工程と、
枚葉状態の第2光学フィルムが収容された収容部から前記第2光学フィルムを取り出して供給し、前記光学セルを搬送しながら、前記光学セルの対向する一組の辺側から前記第2光学フィルムの供給方向に沿って前記第2光学フィルムを前記光学セルの他方面に貼り合わせる第2貼合工程とを含む、光学表示パネルの連続製造方法。
【請求項2】
光学セルの一方面に第1光学フィルムが積層され、当該光学セルの他方面に第2光学フィルムが積層された光学表示パネルを連続的に製造する方法であって、
キャリアフィルム上に幅方向に複数の切込線が形成された帯状の光学フィルムが積層されてなる帯状の第1積層光学フィルムが巻回された第1光学フィルムロールから、帯状の第1積層光学フィルムを供給し、前記光学セルを搬送しながら、前記第1光学フィルムを前記光学セルの対向する一組の辺側から前記第1光学フィルムの供給方向に沿って前記光学セルの一方面に貼り合わせる第1貼合工程と、
枚葉状態の第2光学フィルムが収容された収容部から前記第2光学フィルムを取り出して供給し、前記光学セルを搬送しながら、前記光学セルの対向する一組の辺側から前記第2光学フィルムの供給方向に沿って前記第2光学フィルムを前記光学セルの他方面に貼り合わせる第2貼合工程とを含む、光学表示パネルの連続製造方法。
【請求項3】
前記光学表示パネルの一方面に貼り合わされた第1光学フィルムの吸収軸と他方面に貼り合わされた第2光学フィルムの吸収軸とが互いに直交し、
前記第1光学フィルムロールに巻回された状態の前記第1光学フィルムの吸収軸が長手方向にあり、
前記枚葉状態の第2光学フィルムを製造するために用いられる帯状の第2光学フィルムの吸収軸が長手方向にある、請求項1または2に記載の光学表示パネルの連続製造方法。
【請求項4】
前記光学セルが、VAモードまたはIPSモードの液晶セルである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学表示パネルの連続製造方法。
【請求項5】
光学セルの一方面に第1光学フィルムが積層され、当該光学セルの他方面に第2光学フィルムが積層された光学表示パネルを連続的に製造するシステムであって、
前記光学セル及び前記光学表示パネルを搬送する一連の搬送部と、
キャリアフィルム上に帯状の光学フィルムが積層されてなる帯状の第1積層光学フィルムが巻回された第1光学フィルムロールから、当該第1積層光学フィルムを繰り出し、当該キャリアフィルムを切断せずに残して、幅方向に切断することで得られた前記第1光学フィルムを供給する第1光学フィルム供給部と、
前記搬送部によって搬送された光学セルを搬送しながら、前記第1光学フィルム供給部によって供給された前記第1光学フィルムを前記光学セルの対向する一組の辺側から前記第1光学フィルムの供給方向に沿って前記光学セルの一方面に貼り合わせる第1貼合部と、
枚葉状態の第2光学フィルムが収容された収容部から前記第2光学フィルムを取り出して供給する第2光学フィルム供給部と、
前記搬送部によって搬送された前記光学セルを搬送しながら、前記第2光学フィルム供給部によって供給された前記第2光学フィルムを、前記光学セルの対向する一組の辺側から前記第2光学フィルムの供給方向に沿って前記光学セルの他方面に貼り合わせる第2貼合部とを含む、光学表示パネルの連続製造システム。
【請求項6】
光学セルの一方面に第1光学フィルムが積層され、当該光学セルの他方面に第2光学フィルムが積層された光学表示パネルを連続的に製造するシステムであって、
前記光学セル及び前記光学表示パネルを搬送する一連の搬送部と、
キャリアフィルム上に幅方向に複数の切込線が形成された帯状の光学フィルムが積層されてなる帯状の第1積層光学フィルムが巻回された第1光学フィルムロールから、帯状の第1積層光学フィルムを供給する第1光学フィルム供給部と、
前記搬送部によって搬送された光学セルを搬送しながら、前記第1光学フィルム供給部によって供給された前記第1光学フィルムを前記光学セルの対向する一組の辺側から前記第1光学フィルムの供給方向に沿って前記光学セルの一方面に貼り合わせる第1貼合部と、
枚葉状態の第2光学フィルムが収容された収容部から前記第2光学フィルムを取り出して供給する第2光学フィルム供給部と、
前記搬送部によって搬送された前記光学セルを搬送しながら、前記第2光学フィルム供給部によって供給された前記第2光学フィルムを、前記光学セルの対向する一組の辺側から前記第2光学フィルムの供給方向に沿って前記光学セルの他方面に貼り合わせる第2貼合部とを含む、光学表示パネルの連続製造システム。
【請求項7】
前記光学表示パネルの一方面に貼り合われた第1光学フィルムの吸収軸と他方面に貼り合わされた第2光学フィルムの吸収軸とが互いに直交し、
前記第1光学フィルムロールに巻回された状態の前記第1光学フィルムの吸収軸が長手方向にあり、
前記枚葉状態の第2光学フィルムを製造するために用いられる帯状の第2光学フィルムの吸収軸が長手方向にある、請求項5または6に記載の光学表示パネルの連続製造システム。
【請求項8】
前記光学セルが、VAモードまたはIPSモードの液晶セルである、請求項5から7のいずれか1項に記載の光学表示パネルの連続製造システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学表示パネルの連続製造方法および光学表示パネルの連続製造システムに関する。
【背景技術】
【0002】
第1光学フィルムロールから長手方向に吸収軸を有する帯状の第1偏光フィルムを繰り出し、前記帯状の第1偏光フィルムを幅方向に切断することで得られた前記第1偏光フィルムを前記液晶セルの背面側の面に貼り合わせ、第2光学フィルムロールから長手方向に吸収軸を有する帯状の第2偏光フィルムを繰り出し、前記帯状の第2偏光フィルムを幅方向に切断することで得られた前記第2偏光フィルムを前記液晶セルの視認側の面に貼り合わせる液晶表示パネルの連続製造方法(いわゆるRoll to Panel(RTP)方式)が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記RTPシステムでは、光学フィルムを基板に貼り合わせる場合、表裏(基板の第1面、第2面)に貼り付けられたフィルムの貼合応力や収縮応力の違いにより液晶表示パネルに反りが発生する場合がある。近年、表裏非対称な偏光板が多くなっており、液晶表示パネルが益々反りやすい状況となっている(例えば、特許文献3,4参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4307510号
【特許文献2】特開2009−271516号公報
【特許文献3】特開2012−32559号公報
【特許文献4】特開2012−53077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記液晶表示パネルの反りへの対応策としては、貼り付け時の張力をコントロールすることで反りの制御を実施することが考えられる。つまり、貼り付け時の反り状態が、貼り付けと逆面方向に反っている場合は張力過多で貼り付ける手法が考えられる。しかしながら、従来のように液晶セルの両面をRTP方式で貼付ける場合、互いに同一方向に吸収軸があるフィルムを使用することが通常であり、その場合、往々にして液晶セルに対して貼り付け方向が直交することになる。すなわち、貼り付け方向が平行にならないため、液晶セルの表裏で応力の相殺をすることができず、反りの矯正はし難くなる。
【0006】
一方、液晶セルの両面共に枚葉状態の光学フィルム(光学シート)を貼り付ける方式(以下、Sheetto Panel(STP)方式ともいう)の場合は、RTP方式と異なり自由度は高く、貼り付け方向は自由に変更でき、表裏のフィルムの貼り付け方向を平行にすることができる。しかしながら、STP方式の場合は、吸着ステージにフィルムを吸着しながら貼りつけるため、大きな張力をかけられず、張力値も自由にコントロールできず成り行きの張力値とならざるを得ない。
【0007】
つまり、液晶セルの両面ともRTP方式もしくは、STP方式で貼り付ける場合、反りに要する応力を相殺するための張力を施すには適さない構成であると推察される。
【0008】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、反りの発生が抑制された光学表示パネルを製造するための光学表示パネルの製造方法および製造システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、光学セルの一方面に第1光学フィルムが積層され、当該光学セルの他方面に第2光学フィルムが積層された光学表示パネルを連続的に製造する方法であって、
帯状の第1光学フィルムを幅方向に切断することで得られた前記第1光学フィルムを第1光学フィルムロールから供給し、前記光学セルを搬送しながら、前記第1光学フィルムを前記光学セルの対向する一組の辺側から前記第1光学フィルムの供給方向に沿って前記光学セルの一方面に貼り合わせる第1貼合工程と、
枚葉状態の第2光学フィルムが収容された収容部から前記第2光学フィルムを取り出して供給し、前記光学セルを搬送しながら、前記光学セルの対向する一組の辺側から前記第2光学フィルムの供給方向に沿って前記第2光学フィルムを前記光学セルの他方面に貼り合わせる第2貼合工程とを含む。
【0010】
この構成によれば、光学セル(例えば液晶セル)に光学軸(例えば吸収軸)方向が同じ光学フィルム(例えば偏光フィルム)を貼り付ける際、その一方面をRTP方式で貼り、他方面をSTP方式で貼ることにより、貼り付け方向を平行(同一を含む)にすることが可能となる。さらに、片方をテンションフリーから張力過多まで自由に設定することができるRTP方式とすることで、貼合方向・張力制御共に自由度を確保でき、光学セルの表裏(第1面、第2面)の応力を一致(略一致、実質的に一致)させるための張力の相殺を容易に実現することができ、光学表示パネルに反りが発生するのを抑制できる。
【0011】
上記発明において、第1貼合工程と第2貼合工程との順序はどちらが先に行われもよく、同時あるいは貼付処理期間が前後で部分的に重複していてもよい。
【0012】
上記発明の一実施形態として、前記第1貼合工程と前記第2貼合工程とが、前記光学セル及び前記光学表示パネルを搬送する一連の搬送部上で行なわれる。
【0013】
上記発明の一実施形態として、第2光学フィルムの厚みが、第1偏光フィルムの厚みより大きいことが好ましい。すなわち、厚みがより大きい光学フィルムをSheet to Panel方式(予め枚葉状態にしておいた光学フィルムを光学セルに貼り合せる方式、以下「STP方式」ともいう。)で行うことが好ましい。STP方式は、光学フィルムの吸着とその解除を行ないながら、当該光学フィルムの貼り合せを行なうため、当該光学フィルムに対して大きな張力を掛けずに貼り合せを行なう(正確には、当該光学フィルムに対して大きな張力を掛けることができない)。一方、RTP方式は、連続ロール体フィルムであるため張力が掛けやすく、また逆に、フィルムに対して張力を掛けずに(例えば張力フリーで)貼り合せを行うと気泡発生や貼りズレの問題が生じやすいため、フィルムに対して張力を掛けながら貼り合せを行なう。よって、相対的に厚い(応力の溜まりやすい)光学フィルムをSTP方式で光学セルの一方面に貼り合せ、相対的に薄い(応力の溜まりにくい)光学フィルムを、張力をコントロールしながらRTP方式で光学セルの他方面に貼り合せることで、光学表示パネルの反りをより抑制することができる。
【0014】
上記発明の一実施形態として、前記光学表示パネルの一方面に貼り合わされた第1光学フィルムの吸収軸と他方面に貼り合わされた第2光学フィルムの吸収軸とが互いに直交し、
前記第1光学フィルムロールに巻回された状態の前記第1光学フィルムの吸収軸が長手方向にあり、
前記枚葉状態の第2光学フィルムを製造するために用いられる帯状の第2光学フィルムの吸収軸が長手方向にある。
【0015】
この構成により、反りの発生が抑制された高いコントラストの光学表示パネルを製造することができる。
【0016】
上記発明の一実施形態として、前記光学セルが、VAモードまたはIPSモードの液晶セルである。
【0017】
本発明は、反りの発生が抑制された高コントラストのVAモードまたはIPSモードの液晶表示パネルを生産するのに特に好適である。
【0018】
また、他の本発明は、光学セルの一方面に第1光学フィルムが積層され、当該光学セルの他方面に第2光学フィルムが積層された光学表示パネルを連続的に製造するシステムであって、
前記光学セル及び前記光学表示パネルを搬送する一連の搬送部と、
帯状の第1光学フィルムを幅方向に切断することで得られた前記第1光学フィルムを第1光学フィルムロールから供給する第1光学フィルム供給部と、
前記搬送部によって搬送された光学セルを搬送しながら、前記第1光学フィルム供給部によって供給された前記第1光学フィルムを前記光学セルの対向する一組の辺側から前記第1光学フィルムの供給方向に沿って前記光学セルの一方面に貼り合わせる第1貼合部と、
枚葉状態の第2光学フィルムが収容された収容部から前記第2光学フィルムを取り出して供給する第2光学フィルム供給部と、
前記搬送部によって搬送された前記光学セルを搬送しながら、前記第2光学フィルム供給部によって供給された前記第2光学フィルムを、前記光学セルの対向する一組の辺側から前記第2光学フィルムの供給方向に沿って前記光学セルの他方面に貼り合わせる第2貼合部とを含む。
【0019】
この構成によれば、光学セル(例えば液晶セル)に光学軸(例えば吸収軸)方向が同じ光学フィルム(例えば偏光フィルム)を貼り付ける際、その一方面をRTP方式で貼り、他方面をSTP方式で貼ることにより、貼り付け方向を平行(同一を含む)にすることが可能となる。さらに、片方をテンションフリーから張力過多まで自由に設定することができるRTP方式とすることで、貼合方向・張力制御共に自由度を確保でき、光学セルの表裏(第1面、第2面)の応力を一致(略一致、実質的に一致)させるための張力の相殺を容易に実現することができ、光学表示パネルに反りが発生するのを抑制できる。
【0020】
上記発明において、第1貼合部の処理と第2貼合部の処理とは、どちらが先に行われもよく、同時あるいは貼付処理期間が前後で部分的に重複していてもよい。
【0021】
上記発明の一実施形態として、前記第1貼合部と前記第2貼合部とが、前記光学セル及び前記光学表示パネルを搬送する前記搬送部に配置される。
【0022】
上記発明の一実施形態として、第2光学フィルムの厚みが、第1偏光フィルムの厚みより大きいことが好ましい。
【0023】
上記発明の一実施形態として、前記光学表示パネルの一方面に貼り合われた第1光学フィルムの吸収軸と他方面に貼り合わされた第2光学フィルムの吸収軸とが互いに直交し、
前記第1光学フィルムロールに巻回された状態の前記第1光学フィルムの吸収軸が長手方向にあり、
前記枚葉状態の第2光学フィルムを製造するために用いられる帯状の第2光学フィルムの吸収軸が長手方向にある。
【0024】
上記発明の一実施形態として、前記光学セルが、VAモードまたはIPSモードの液晶セルである。
【0025】
本明細書において、光学フィルムロールから光学フィルムを供給する方法としては、例えば、(1)光学フィルムロールから、キャリアフィルム上に帯状の光学フィルムが積層されてなる帯状の積層光学フィルムを繰り出し、帯状の光学フィルムを幅方向に切断することで得られた光学フィルムを供給する方法、(2)光学フィルムロール(切り目入りの光学フィルムロール)から、キャリアフィルム上に幅方向に複数の切込線が形成された帯状の光学フィルムが積層されてなる帯状の積層光学フィルムを繰り出し、光学フィルムを供給する方法などが挙げられ、いずれも用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】実施形態1の光学表示パネルの連続製造システムの概略図
図2】実施形態1の第1貼合部を示す図
図3】実施形態1の第2貼合部を示す図
【発明を実施するための形態】
【0027】
本実施形態の光学表示パネルの連続製造システムは、光学セルの一方面に第1光学フィルムが積層され、当該光学セルの他方面に第2光学フィルムが積層された光学表示パネルを連続的に製造するシステムであって、前記光学セル及び前記光学表示パネルを搬送する一連の搬送部と、帯状の第1光学フィルムを幅方向に切断することで得られた前記第1光学フィルムを第1光学フィルムロールから供給する第1光学フィルム供給部と、前記搬送部によって搬送された光学セルを搬送しながら、前記第1光学フィルム供給部によって供給された前記第1光学フィルムを前記光学セルの対向する一組の辺側から前記第1光学フィルムの供給方向に沿って前記光学セルの一方面に貼り合わせる第1貼合部と、枚葉状態の第2光学フィルムが収容された収容部から前記第2光学フィルムを取り出して供給する第2光学フィルム供給部と、前記搬送部によって搬送された前記光学セルを搬送しながら、前記第2光学フィルム供給部によって供給された前記第2光学フィルムを、前記光学セルの対向する一組の辺側から前記第2光学フィルムの供給方向に沿って前記光学セルの他方面に貼り合わせる第2貼合部とを含む。
【0028】
<実施形態1>
図1〜3は、実施形態1に係る光学表示パネルの連続製造システムの概略図である。以下、図1〜3を参照しながら、本実施形態に係る光学表示パネルの連続製造システムを具体的に説明する。
【0029】
なお、本実施形態では、光学セルとして横長長方形の液晶セル、光学表示パネルとして横長長方形の液晶表示パネルを例に挙げて説明する。光学フィルムロールとしては、図1図2図3に示すようなものを用いる。すなわち、第1光学フィルムロール1としては、第1キャリアフィルム12上に長手方向に吸収軸を有する帯状の第1偏光フィルム11(第1光学フィルムに相当する)が積層されてなり、液晶セルPの短辺に対応する幅を有する帯状の第1積層光学フィルム10が巻回されたものを用いる。
【0030】
枚葉状態の第2光学フィルム21は、長手方向に吸収軸を有する帯状の第2偏光フィルムと、幅方向に反射軸を有する帯状の直線偏光分離フィルムを用いて製造される。具体的に、枚葉状態の第2光学フィルムを作製する方法としては、特開2004−250213号公報などに記載の方法等、従来公知の方法を用いることができる。例えば、第2偏光フィルムと直線偏光分離フィルムのそれぞれを予め枚葉状態にして積層する方法、あるいはいずれか一方を予め枚葉状態にして、他方を帯状のフィルムとして、当該帯状のフィルムに枚葉状態のフィルムを積層する方法が挙げられる。液晶セルに貼合せた時に、第1偏光フィルム111と第2偏光フィルム212の吸収軸同士が互いにクロスニコルの関係になる。
【0031】
さらに、本実施形態では、帯状の第1偏光フィルム11は、図2に示すように、帯状のフィルム本体11aおよび粘着剤11bを有して構成される。図3に示すように、枚葉状態の第2光学フィルム21は、直線偏光分離フィルム211、第2偏光フィルム212、粘着剤213が積層され、粘着剤213の保護として離型フィルム214が仮着されている。
【0032】
本実施形態に係る液晶表示パネルの連続製造システム100は、図1に示すように、液晶セルPおよび液晶表示パネルLDを搬送する一連の搬送部Xと、第1光学フィルム供給部101と、第1貼合部81と、第2光学フィルム供給部102と、第2貼合部82を含む。
【0033】
(搬送部)
搬送部Xは、液晶セルPおよび液晶表示パネルLDを搬送する。搬送部Xは、複数の搬送ローラX1および吸着プレート等を有して構成される。
【0034】
(第1光学フィルム供給部)
第1光学フィルム供給部101は、液晶セルPの短辺に対応する幅を有する帯状の第1偏光フィルム11を液晶セルPの長辺に対応する長さで幅方向に切断することで得られた第1偏光フィルム111を第1光学フィルムロール1から第1貼合部81に供給する。そのために本実施形態では、第1光学フィルム供給部101は、第1繰出部101a、第1切断部41、第1張力調整部51、第1剥離部61、第1巻取部71、および複数の搬送ローラ部101bを有する。
【0035】
第1繰出部101aは、第1光学フィルムロール1が設置される繰出軸を有し、第1光学フィルムロール1から帯状の第1積層光学フィルム10を繰り出す。なお、第1繰出部101aには、2つの繰出軸が備えられていてもよい。これにより、ロール1を新たなロールに交換することなく、他方の繰出軸に設置されたロールのフィルムに速やかに継ぎ合わせることができる。
【0036】
第1切断部41は、切断手段41aおよび吸着手段41bを有して構成され、帯状の第1積層光学フィルム10を液晶セルPの長辺に対応する長さで幅方向にハーフカットする(第1キャリアフィルム12を切断せずに帯状の第1偏光フィルム11を幅方向に切断する)。本実施形態では、第1切断部41は、吸着手段41bを用いて帯状の第1積層光学フィルム10を第1キャリアフィルム12側から吸着固定しながら、切断手段41aを用いて帯状の第1偏光フィルム11(フィルム本体11aおよび粘着剤11b)を幅方向に切断し、第1キャリアフィルム12上に液晶セルPに対応する大きさの第1偏光フィルム111を形成する。なお、切断手段41aとしては、カッター、レーザー装置、それらの組合せなどが挙げられる。
【0037】
第1張力調整部51は、帯状の第1積層光学フィルム10の張力を保持する機能を有する。本実施形態では、第1張力調整部51は、ダンサーロールを有して構成されるが、これに限定されるものではない。
【0038】
第1剥離部61は、第1キャリアフィルム12を内側にして帯状の第1積層光学フィルム10を折り返すことで、第1キャリアフィルム12から第1偏光フィルム111を剥離する。第1剥離部61としては、楔型部材、ローラなどが挙げられる。
【0039】
第1巻取部71は、第1偏光フィルム111が剥離された第1キャリアフィルム12を巻き取る。第1巻取部71は、第1キャリアフィルム12を巻き取るためのロールが設置される巻取軸を有して構成される。
【0040】
(第1貼合部)
第1貼合部81は、搬送部Xによって搬送された液晶セルPをその長辺方向を搬送方向に平行にして搬送しながら、第1光学フィルム供給部101によって供給された(第1剥離部61によって剥離された)第1偏光フィルム111を液晶セルPの短辺側から第1偏光フィルム111の供給方向(液晶セルPの長辺方向)に沿って液晶セルPの視認面側の面Paに粘着剤11bを介して貼り合わせる。なお、第1貼合部81は、一対の貼合ローラ81a、81bを有して構成され、貼合ローラ81a、81bの少なくとも一方が駆動ローラで構成される。
【0041】
(第2光学フィルム供給部)
第2光学フィルム供給部102は、枚葉状態の第2光学フィルム21が収容された容器102cから枚葉状態の第2光学フィルム21を取り出し、第2貼合部82の貼合位置へ供給する。本実施形態では、後述する第2貼合部82を用いて取り出し、供給を行う。
【0042】
(第2貼合部)
第2貼合部82は、搬送部Xによって搬送された液晶セルPをその長辺方向を搬送方向に平行にして搬送しながら、第2光学フィルム供給部102によって供給された第2光学フィルム21を液晶セルPの背面側の面Pbに、液晶セルPの短辺側から貼り合わせる。
【0043】
第2貼合部82は、収容部102cから貼合位置まで枚葉状態の第2光学フィルム21を移動する移動部(不図示)と、枚葉状態の離型フィルム214を枚葉状態の第2光学フィルム21から剥離する剥離部(不図示)と、枚葉状態の第2光学フィルム21を吸着する吸着部82bと貼合ローラ82aと、液晶セルP面と接して液晶セルPを搬送する駆動ローラ82cと、を有する。
【0044】
収容部102cは、図1、3に記載された形態に限定されず、他の形状でもよく、例えば、枚葉状態の第2光学フィルム21を載せるための載置台を有する容器でもよく、この載置台がその周囲を覆われていてもよい。
【0045】
移動部は、収容部102cに載置されている枚葉状態の第2光学フィルム21まで移動し、吸着部82bで、第2光学フィルム21の面を吸着し、貼合位置に移動する。
【0046】
剥離部は、枚葉状態の離型フィルム214を枚葉状態の第2光学フィルム21から剥離する。剥離部は、例えば、粘着テープを用いて、粘着テープを離型フィルム214面に貼り合せ、粘着テープを移動させることで離型フィルム214を剥離してもよい。
【0047】
吸着部82bに吸着している枚葉状態の第2光学フィルム21が先端位置の貼合ローラ82aに送られ、貼合ローラ82aを回転させて、液晶セルPの背面側の面Pbの上に第2光学フィルム21を短辺側から貼り合わせる。この際、駆動ローラ82cと貼合ローラ82aとで、液晶セルPおよび第2光学フィルム21とを挟み込んで下流側に搬送する。なお、駆動ローラ82cおよび貼合ローラ82aが共に駆動する機構でもよく、駆動ローラ82bが従動する機構でもよい。
【0048】
本実施形態では、第1偏光フィルム、第2光学フィルムの供給方向が互いに平行になるように、第1光学フィルム供給部および第2光学フィルム供給部が、液晶セルの搬送部Xに配置されているため、装置の占有スペースを削減することができる。また、本実施形態では、液晶セルPに対する、第1貼合部81における第1偏光フィルム111の貼合方向と、第2貼合部82における第2光学フィルム21の貼合せ方向とが平行であるため、液晶表示パネルの反りを好適に抑制できる。
【0049】
(実施形態1の別実施形態)
本実施形態では、搬送部Xによる液晶セルPの搬送方向に沿って、第1貼合部、第2貼合部がこの順に並んでいるが、これに制限されない。第1貼合部、第2貼合部の順序が逆でもよい。
【0050】
本実施形態では、第1貼合部は、第1偏光フィルムを液晶セルの下側から貼り合せ、第2貼合部は、第2光学フィルムを液晶セルの上側から貼り合わせているが、これに限定されない。第1貼合部は、第1偏光フィルムを液晶セルの上側から貼り合せ、第2貼合部は、第2光学フィルムを液晶セルの下側から貼り合わせてもよい。
【0051】
また、本実施形態では、第1偏光フィルム111を液晶セルPの短辺側から第1偏光フィルム111の供給方向に沿って液晶セルPの視認側の面Paに貼り合わせ、第2光学フィルム21を液晶セルPの短辺側から第2光学フィルムの供給方向に沿って液晶セルPの背面側の面Pbに貼り合わせていたが、液晶セルの視認側と背面側とのそれぞれの偏光フィルムの吸収軸が直交(クロスニコル)するように貼り合せる限り、これに制限されない。第1偏光フィルム111を液晶セルPの長辺側から貼り合せ、第2光学フィルム21を液晶セルPの長辺側から貼り合せてもよい。ただし、第2光学フィルムを液晶セルの長辺側から貼り合わせるか短辺側から貼り合せるかに応じて、第2光学フィルムの幅及び切断サイズを設定する。また、液晶セルの視認側と背面側とのそれぞれの偏光フィルムの吸収軸が直交(クロスニコル)するように貼り合せる。
【0052】
(光学表示パネルの連続製造方法)
実施形態1の光学表示パネルの連続製造方法は、光学セルの一方面に第1光学フィルムが積層され、当該光学セルの他方面に第2光学フィルムが積層された光学表示パネルを連続的に製造する方法であって、帯状の第1光学フィルムを幅方向に切断することで得られた前記第1光学フィルムを第1光学フィルムロールから供給し、前記光学セルを搬送しながら、前記第1光学フィルムを前記光学セルの対向する一組の辺側から前記第1光学フィルムの供給方向に沿って前記光学セルの一方面に貼り合わせる第1貼合工程と、枚葉状態の第2光学フィルムが収容された収容部から前記第2光学フィルムを取り出して供給し、前記光学セルを搬送しながら、前記光学セルの対向する一組の辺側から前記第2光学フィルムの供給方向に沿って前記第2光学フィルムを前記光学セルの他方面に貼り合わせる第2貼合工程とを含む。
【0053】
また、前記光学表示パネルの一方面に貼り合われた第1光学フィルムの吸収軸と他方面に貼り合わされた第2光学フィルムの吸収軸とが互いに直交し、前記第1光学フィルムロールに巻回された状態の前記第1光学フィルムの吸収軸が長手方向にあり、前記枚葉状態の第2光学フィルムを製造するために用いられる帯状の第2光学フィルムの吸収軸が長手方向にある。
【0054】
(第2光学フィルムの別例)
本実施形態では、第2光学フィルムが偏光フィルムと直線偏光分離フィルムとが積層された積層光学フィルムであったが、これに制限されない。第2光学フィルムとしては、広帯域位相差フィルム、広帯域位相差フィルムと偏光フィルムとが積層された積層光学フィルムなどが例示される。広帯域位相差フィルムは、λ/4位相差フィルムとλ/2位相差フィルムとを積層したフィルムが例示される。
【0055】
(実施形態1の変形例)
実施形態1では、光学フィルムロールとして、キャリアフィルム上に帯状の光学フィルムが積層されてなる帯状の積層光学フィルムが巻回されたものを用いるが、光学フィルムロールの構成はこれに限定されない。例えば、キャリアフィルム上に複数の切込線が幅方向に形成された帯状の光学フィルムが積層されてなる帯状の積層光学フィルムが巻回されたもの(切り目入りの光学フィルムロール)を適宜用いてもよい。なお、切り目入りの光学フィルムロールから光学フィルムを供給する光学フィルム供給部において、切断部は不要となる。
【0056】
実施形態1では、切断部は、帯状の光学フィルムを幅方向に切断し、キャリアフィルム上に光学セルに対応する大きさの光学フィルムを形成していたが、歩留りを向上させる観点からは、帯状の光学フィルムの欠点部分を避けるように帯状の光学フィルムを幅方向に切断(スキップカット)して、キャリアフィルム上に光学セルに対応する大きさの光学フィルム(光学セルに貼り合わせられる良品の光学フィルム)を形成する他、欠点部分を含む光学フィルムを光学セルよりも小さいサイズで(より好ましくは、可能なかぎり小さいサイズで)形成してもよい。本発明においては、各々の光学フィルムロールとして、キャリアフィルム上に複数の切込線が欠点部分を避けるように幅方向に形成された帯状の光学フィルムが積層され、キャリアフィルム上に光学セルに対応する大きさの光学フィルム(光学セルに貼り合わせられる良品の光学フィルム)の他、欠点部分を含む光学フィルムを光学セルよりも小さいサイズで(より好ましくは、可能なかぎり小さいサイズで)形成されてなる帯状の積層光学フィルムが巻回されたもの(切り目入りの光学フィルムロール)を用いることによっても、同様に歩留りを効果的に向上させることができる。なお、欠点部分を含む光学フィルムは、キャリアフィルムから剥離して排出する、またはキャリアフィルムと共に巻取部に巻き取るなどして、光学セルに貼り合わされないようにすることが好ましい。切り目入りの光学フィルムロールを用いる場合や、帯状の積層光学フィルムを幅方向にフルカットを用いる場合についても、同様である。
【0057】
実施形態1では、横長長方形の光学セルおよび光学表示パネルを例に挙げて説明したが、光学セルおよび光学表示パネルの形状は、対向する一組の辺と対向するもう一組の辺とを有する形状である限り、特に限定されない。
【0058】
(光学フィルム)
偏光フィルムのフィルム本体は、例えば、偏光子(厚さは一般的に1〜80μm程度)と、偏光子の片面または両面に偏光子保護フィルム(厚さは一般的に1〜500μm程度)が接着剤または接着剤なしで形成される。偏光子は、通常、延伸方向が吸収軸となっている。長手方向に吸収軸を有する長尺の偏光子を含む偏光フィルムを「MD偏光フィルム」ともいい、幅方向に吸収軸を有する長尺の偏光子を含む偏光フィルムものを「TD偏光フィルム」ともいう。フィルム本体を構成する他のフィルムとして、例えば、λ/4板、λ/2板等の位相差フィルム(厚さは一般的に10〜200μm)、視角補償フィルム、輝度向上フィルム、表面保護フィルム等が挙げられる。積層光学フィルムの厚みは、例えば、10μm〜500μmの範囲が挙げられる。
【0059】
偏光子は、例えば、ポリビニルアルコール系フィルムを染色、架橋、延伸、および乾燥処理して得られる。ポリビニルアルコール系フィルムの染色、架橋、延伸の各処理は、別々に行う必要はなく同時に行ってもよく、また、各処理の順番も任意でよい。なお、ポリビニルアルコール系フィルムとして、膨潤処理を施したポリビニルアルコール系フィルムを用いてもよい。一般には、ポリビニルアルコール系フィルムを、ヨウ素や二色性色素を含む溶液に浸漬し、ヨウ素や二色性色素を吸着させて染色し、ホウ酸やホウ砂等を含む溶液中で延伸倍率3倍〜7倍で一軸延伸した後、洗浄して乾燥する。
【0060】
粘着剤は、特に制限されず、例えば、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤等が挙げられる。粘着剤の層厚みは、例えば、10μm〜50μmの範囲が好ましい。粘着剤とキャリアフィルムとの剥離力としては、例えば、0.15(N/50mm幅サンプル)が例示されるが、特にこれに限定されない。剥離力は、JIS Z0237に準じて測定される。
【0061】
(キャリアフィルム)
キャリアフィルムは、例えばプラスチックフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート系フィルム、ポリオレフィン系フィルム等)等の従来公知のフィルムを用いることができる。また、必要に応じシリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤でコート処理したものなどの、従来に準じた適宜なものを用いうる。なお、キャリアフィルムは、一般的に離型フィルム(セパレータフィルム)ともいわれる。実施形態1の離型フィルム214は、キャリアフィルムと同様のものを用いることができる。
【0062】
直線偏光分離フィルムのフィルム本体は、例えば、反射軸と透過軸を有する多層構造の反射偏光フィルムが挙げられる。反射偏光フィルムは、例えば、2種類の異なる材料のポリマーフィルムA、Bを交互に複数枚積層して延伸することで得られる。延伸方向に材料Aのみの屈折率が増加変化し、複屈折性が発現され、材料AB界面の屈折率差がある延伸方向が反射軸となり、屈折率差の生じない方向(非延伸方向)が透過軸となる。この反射偏光フィルムは、その長手方向に透過軸を有し、その短手方向(幅方向)に反射軸を有している。反射偏光フィルムは、市販品をそのまま用いてもよく、市販品を2次加工(例えば、延伸)して用いてもよい。市販品としては、例えば、3M社製の商品名DBEF、3M社製の商品名APFが挙げられる。
【0063】
(液晶セル、液晶表示パネル)
液晶セルは、対向配置される一対の基板(第1基板(視認側面)Pa、第2基板(背面)Pb)間に液晶層が封止された構成である。液晶セルは、任意のタイプのものを用いることができるが、高コントラストを実現するためには、垂直配向(VA)モード、面内スイッチング(IPS)モードの液晶セルを用いることが好ましい。液晶表示パネルは、液晶セルの片面または両面に偏光フィルムが貼り合わされたものであり、必要に応じて駆動回路が組込まれる。
【0064】
(有機ELセル、有機EL表示パネル)
有機ELセルは、一対の電極間に電界発光層が挟持された構成である。有機ELセルは、例えば、トップエミッション方式、ボトムエミッション方式、ダブルエミッション方式などの任意のタイプのものを用いることができる。有機EL表示パネルは、有機ELセルの片面または両面に偏光フィルムが貼り合わされたものであり、必要に応じて駆動回路が組込まれる。
【符号の説明】
【0065】
1 光学フィルムロール
81、82 貼合部
P 液晶セル
LD 液晶表示パネル
図1
図2
図3