特許第5782057号(P5782057)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5782057
(24)【登録日】2015年7月24日
(45)【発行日】2015年9月24日
(54)【発明の名称】空間映像投影装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/22 20060101AFI20150907BHJP
   H04N 13/04 20060101ALI20150907BHJP
【FI】
   G02B27/22
   H04N13/04
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-32278(P2013-32278)
(22)【出願日】2013年2月21日
(65)【公開番号】特開2013-171293(P2013-171293A)
(43)【公開日】2013年9月2日
【審査請求日】2013年2月21日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0017816
(32)【優先日】2012年2月22日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】510175218
【氏名又は名称】光云大学校 産学協力団
【氏名又は名称原語表記】Kwang Woon University Industry−Academic Collaboration Foundation
(74)【代理人】
【識別番号】100116872
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 和子
(72)【発明者】
【氏名】キム ウン−スー
(72)【発明者】
【氏名】キム スン−チョル
【審査官】 堀部 修平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−154337(JP,A)
【文献】 特開平09−243960(JP,A)
【文献】 特開平04−248583(JP,A)
【文献】 特開平05−336549(JP,A)
【文献】 特開2009−063914(JP,A)
【文献】 特開2010−197917(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/22 − 27/26
H04N 13/04
G09F 9/00
G09F 9/30 − 9/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
深度を表現する映像である空間映像を受信する受信部と、
前記空間映像をディスプレイし、光を投射するディスプレイ部と、
前記ディスプレイ部が前記空間映像をディスプレイするように制御する制御部と、
前記光を透過または反射して、前記ディスプレイ部と投影部との間の空間に前記空間映像を投影させる前記投影部と、
を含み、
前記ディスプレイ部は、
前記空間映像に応じて光を発光する発光素子を含む発光部と、
前記発光素子から発光された光を透過させる透過領域及び前記光を遮断する遮断領域が交互に配置された遮断膜を含む視差障壁と、を含み、
前記投影部は、前記ディスプレイ部の前方に位置する液晶レンズまたはリキッドレンズである第1レンズ及び第2レンズを含み、
前記受信部は、前記空間映像が投影される位置の変更を要請する投影位置信号をさらに受信し、
前記制御部は、前記投影位置信号に応じて前記第1レンズ及び第2レンズの状態を動作状態または非動作状態にそれぞれ転換させ、
前記第2レンズは、前記第1レンズと前記ディスプレイ部との間に位置し、
前記制御部は、前記投影位置信号が前記空間映像を第1位置に投影するように要請する信号である場合には、前記第1レンズの状態を動作状態に転換させ、かつ前記第2レンズの状態を非動作状態に転換させ、前記投影位置信号が前記空間映像を第2位置に投影するように要請する信号である場合には、前記第1レンズの状態を非動作状態に転換させ、かつ前記第2レンズの状態を動作状態に転換させることを特徴とする空間映像投影装置。
【請求項2】
深度を表現する映像である空間映像を受信する受信部と、
前記空間映像をディスプレイし、光を投射するディスプレイ部と、
前記ディスプレイ部が前記空間映像をディスプレイするように制御する制御部と、
前記光を透過または反射して、前記ディスプレイ部と投影部との間の空間に前記空間映像を投影させる前記投影部と、
を含み、
前記ディスプレイ部は、
前記空間映像に応じて光を発光する発光素子を含む発光部と、
前記発光素子から発光された光を透過させる透過領域及び前記光を遮断する遮断領域が交互に配置された遮断膜を含む視差障壁と、を含み、
前記投影部は、第1凸レンズ、第1シャッタ、第1凹レンズ、第2凸レンズ、第2シャッタ、第2凹レンズ、第3凸レンズの順に複数のレンズ及びシャッタを含み、
前記受信部は、前記空間映像が投影される位置の変更を要請する投影位置信号をさらに受信し、
前記制御部は、前記投影位置信号に応じて前記第1シャッタ及び第2シャッタの開閉を制御することを特徴とする空間映像投影装置。
【請求項3】
前記第1凸レンズは、前記レンズのうちの前記ディスプレイ部に最も近いレンズであり、
前記制御部は、前記投影位置信号が前記空間映像を第1位置に投影するように要請する信号である場合には、前記第1シャッタが閉じるように制御し、前記投影位置信号が前記空間映像を第2位置に投影するように要請する信号である場合には、前記第1シャッタが開き、前記第2シャッタが閉じるように制御することを特徴とする請求項2に記載の空間
映像投影装置。
【請求項4】
深度を表現する映像である空間映像を受信する受信部と、
前記空間映像をディスプレイし、光を投射するディスプレイ部と、
前記ディスプレイ部が前記空間映像をディスプレイするように制御する制御部と、
前記光を透過または反射して、前記空間映像を投影させる投影部と、
を含み、
前記ディスプレイ部は、
前記空間映像に応じて光を発光する発光素子を含む発光部と、
前記発光素子から発光された光を透過させる透過領域及び前記光を遮断する遮断領域が交互に配置された遮断膜を含む視差障壁と、を含み、
前記投影部は、
前記ディスプレイ部から投射された光を透過させ、第1位置に空間映像を投影する第1レンズと、
前記第1レンズから投射された光を反射し、第2位置に空間映像を投影する第2レンズと、を含み、
前記第2レンズは、前記ディスプレイ部の前方に位置し、前記第1レンズは、前記ディスプレイ部と前記第2レンズとの間に位置し、
前記第2位置は、前記第1位置と前記第2レンズとの間に位置することを特徴とする空間映像投影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間映像投影装置に関し、より詳細には、空間映像を投影部を介して空間上に投影する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
空間映像は、2次元平面映像とは異なって、深みを表現する。空間映像を人間の両眼が認識する場合、人間は立体感を感じることができる。
【0003】
空間映像投影装置は、上記のような空間映像を投影し、人間に実物を見るような立体感を提供する。
【0004】
空間映像投影のための方法としては、偏光方式、シャッタメガネ方式、視差障壁(parallax barrier)、レンチキュラー(lenticular)などを用いた3Dディスプレイ技術が採用されているが、これらの方法は、立体映像を見るために特殊なメガネを使用したり、メガネを使用しないとしても視野角が制限されるという問題があった。
【0005】
また、空間映像投影のための他の方法としては、回転スクリーンを用いた体積型方式がある。体積型方式の場合には、全方向から3次元映像を見ることができるという長所はあるが、スクリーンが存在しないため、映像を触ることができないという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、空間に投影された映像を全方向から見ることができる空間映像投影装置及び方法を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、映像に合わせて焦点を変更する空間映像投影装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面によれば、空間映像を受信する受信部と、上記空間映像をディスプレイし、光を投射するディスプレイ部と、上記ディスプレイ部が上記空間映像をディスプレイするように制御する制御部と、上記光を透過または反射して上記空間映像を投影する投影部と、を含む空間映像投影装置が提供される。
【0009】
上記投影部は、上記ディスプレイ部の前面に位置する凸レンズ、凸レンズ配列、凹ミラー、凹ミラー配列、凹レンズ、凹レンズ配列、及び透明材質の球体のうちのいずれかを含むことができる。
【0010】
上記ディスプレイ部は、上記空間映像に応じて光を発光する発光素子を備えた発光部と、上記発光素子から発光された光を透過させる透過領域及び上記光を遮断する遮断領域が交互に配置された遮断膜を備えた視差障壁と、を含むことができる。
【0011】
上記空間映像投影装置は、上記ディスプレイ部及び上記投影部のうちの一つ以上を移動させるモータをさらに含み、上記受信部は、上記空間映像が投影される位置の変更を要請する投影位置信号をさらに受信し、上記制御部は、上記投影位置信号により上記モータを制御し、上記ディスプレイ部及び上記投影部のうちの一つ以上を移動させることができる。
【0012】
上記投影部は、上記ディスプレイ部の前方に位置する液晶レンズまたはリキッドレンズである第1レンズ及び第2レンズを含み、上記受信部は、上記空間映像が投影される位置の変更を要請する投影位置信号をさらに受信し、上記制御部は、上記投影位置信号に応じて上記第1レンズ及び第2レンズの状態を動作状態または非動作状態にそれぞれ転換させることができる。
【0013】
上記第2レンズは、上記第1レンズと上記ディスプレイ部との間に位置し、上記制御部は、上記投影位置信号が上記空間映像を第1位置に投影するように要請する信号である場合には、上記第1レンズの状態を動作状態に転換させ、上記第2レンズの状態を非動作状態に転換させることができ、上記投影位置信号が上記空間映像を第2位置に投影するように要請する信号である場合には、上記第1レンズの状態を非動作状態に転換させ、第2レンズの状態を動作状態に転換させることができる。
【0014】
上記投影部は、第1凸レンズ、第1シャッタ、第1凹レンズ、第2凸レンズ、第2シャッタ、第1凹レンズ及び第3凸レンズの順に複数のレンズ及びシャッタを含み、上記受信部は、上記空間映像が投影される位置の変更を要請する投影位置信号をさらに受信し、上記制御部は、上記投影位置信号に応じて上記第1シャッタ及び第2シャッタの開閉を制御することができる。
【0015】
上記第1凸レンズは、上記レンズのうちの上記ディスプレイ部に最も近いレンズであり、上記制御部は、上記投影位置信号が上記空間映像を第1位置に投影するように要請する信号である場合には、上記第1シャッタが閉じるように制御し、上記投影位置信号が上記空間映像を第2位置に投影するように要請する信号である場合には、上記第1シャッタが開き、上記第2シャッタが閉じるように制御することができる。
【0016】
上記投影部は、上記ディスプレイ部から投射された光を透過させ、第1位置に空間映像を投影するフローティングレンズと、上記フローティングレンズから投射された光を反射し、第2位置に空間映像を投影するフロアレンズと、を含み、上記フロアレンズは、上記ディスプレイ部の前方に位置し、上記フローティングレンズは、上記ディスプレイ部と上記フロアレンズとの間に位置することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の実施例によれば、全方向から空間映像を見ることができる。
【0018】
本発明の実施例によれば、映像に応じて異なる位置に空間映像を投影することができる。
【0019】
本発明の実施例によれば、使用者は、投影された映像に手を近づける等インタラクション(interaction)をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】空間映像投影装置を例示する図面である。
図2】本発明の第1実施例に係るディスプレイ部及び投影部を示す図面である。
図3】本発明の第2実施例に係るディスプレイ部及び投影部を示す図面である。
図4】本発明の第3実施例に係るディスプレイ部及び投影部を示す図面である。
図5】本発明の第4実施例に係るディスプレイ部及び投影部を示す図面である。
図6】本発明の第5実施例に係るディスプレイ部及び投影部を示す図面である。
図7】本発明の第6実施例に係るディスプレイ部及び投影部を示す図面である。
図8図8aは、空間映像投影装置のディスプレイ部を例示する図面である。図8bは、図8aの空間映像投影装置のディスプレイ部を本発明の第1実施例に適用した図面である。
図9】空間映像投影装置の体積ディスプレイ部を用いて空間映像が投影される位置を例示する図面である。
図10】空間映像投影装置における投影部の位置を変更する場合の空間映像が投影される位置を例示する図面である。
図11】本発明の第7実施例に係る空間映像投影装置のディスプレイ部及び投影
図12】本発明の第8実施例に係る空間映像投影装置のディスプレイ部及び投影部を示す図面である。
図13】本発明の第9実施例に係る空間映像投影装置のディスプレイ部及び投影部を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。本明細書の実施例を説明するに当たって、係わる公知構成または機能に関する具体的な説明が、かえって本明細書の要旨を不明にすると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。
【0022】
また、本発明の実施例による構成部は、互いに異なる特徴的な機能を示すために独立的に示したが、各構成部が、分離されたハードウェアや一つのソフトウェアの構成単位からなることを意味するものではない。すなわち、各構成部は、説明の便宜上、それぞれの構成部として並べて示したものであり、各構成部のうちの少なくとも二つの構成部を合わせて一つの構成部にすることや、一つの構成部が複数の構成部に分けられて機能を行うことができ、これらの各構成部の統合された実施例及び分離された実施例も本発明の本質から外れない限り、本発明の権利範囲に含まれる。
【0023】
また、一部の構成要素は、本発明における本質的な機能を行うための必須の構成要素ではなく、単に性能を向上するための選択的な構成要素であり得る。本発明は、単に性能を向上するために用いられた構成要素を除く、本発明の本質を実現するに必須の構成部のみで実現することができ、単に性能を向上するために用いられる選択的構成要素を除いた必須構成要素のみを含む構造も本発明の権利範囲に含まれる。
【0024】
図1は、空間映像投影装置を示す図面である。
【0025】
空間映像投影装置は、受信部110、制御部120、ディスプレイ部130、及び投影部140を含む。
【0026】
受信部110は、外部装置から空間映像を受信する。ここで、外部装置とは、空間映像を格納する格納媒体を含む装置であってもよい。このとき、受信部110は、外部装置から付加的に投影位置信号を受信することができる。投影位置信号は、ディスプレイ部130及び投影部140のうちの一つ以上を移動させるモータを制御する信号であるか、液晶レンズ(Liquid Crystal Lens)またはリキッドレンズ(Liquid Lens)を備えた投影部140の状態を変更させる信号であるか、または投影部140に備えられたシャッタを制御する信号であってもよい。
【0027】
制御部120は、空間映像をディスプレイ部130に伝送し、ディスプレイ部130が空間映像をディスプレイするように制御する。また、制御部120は、投影位置信号により、ディスプレイ部130及び投影部140に備えられたモータ、または投影部140の動作を制御する。制御部120が投影位置信号により各機能部を制御する過程については、図9ないし図12を参照して実施例ごとに詳細に後述する。
【0028】
ディスプレイ部130は、空間映像をディスプレイする。ここで、ディスプレイ部は、一般の平面ディスプレイ部、視差障壁(Parallax Barrier)を備えたディスプレイ部、回転スクリーン方式の体積型3Dディスプレイ部、積層型3Dディスプレイ部、集積映像基盤の3Dディスプレイ部、またはホログラム基盤の3Dディスプレイ部などであってもよい。
【0029】
投影部140は、凸レンズ、凸レンズ配列、凹ミラー、凹ミラー配列、凹レンズ、凹レンズ配列及び透明材質の球体のうちのいずれか一つであってもよい。また、投影部140は、一つ以上の液晶レンズまたはリキッドレンズであってもよい。また、投影部140は、一つ以上の凸レンズ、凹レンズ及びシャッタを含むことができる。投影部140については、実施例ごとに詳細に後述する。
【0030】
図2は、本発明の第1実施例に係るディスプレイ部及び投影部を示す図面であり、図3は、本発明の第2実施例に係るディスプレイ部及び投影部を示す図面である。ここで、本発明の第1実施例及び第2実施例に係る投影部140は、凸レンズである。
【0031】
図2を参照すると、ディスプレイ部130は、空間映像をディスプレイし、上側から下側へ光を投射する。凸レンズである投影部140は、該投影部の上側に位置したディスプレイ部130から投射された光を反射し、ディスプレイ部130と該投影部140との間の空間に空間映像を投影する。ここで、第1実施例のディスプレイ部130及び投影部140の位置は、互いに変わってもよい。この場合、ディスプレイ部130は、空間映像をディスプレイし、下側から上側へ光を投射する。凸レンズである投影部140は、該投影部の下側に位置したディスプレイ部130から投射された光を反射し、ディスプレイ部130と当該投影部140との間の空間に空間映像を投影することができる。
【0032】
図3を参照すると、ディスプレイ部130は、投影部140の下側に位置している。ディスプレイ部130は、空間映像をディスプレイし、投影部140に光を投射する。このとき、投影部140は、ディスプレイ部から受信した光を当該投影部140の上側空間に投影することができる。
【0033】
ここで、本発明の第1実施例に係る凸レンズとしては、本発明の第2実施例に係る凸レンズよりも反射率の高いものを使用してもよい。すなわち、本発明の第2実施例に係る凸レンズは、本発明の第1実施例に係る凸レンズよりも透過率が高くてもよい。また、本発明の第1実施例及び第2実施例における投影部140は、一つの凸レンズであると例示したが、投影部140は、複数の凸レンズを含む凸レンズ配列であってもよい。
【0034】
図4は、本発明の第3実施例に係るディスプレイ部及び投影部を示す図面であり、図5は、本発明の第4実施例に係るディスプレイ部及び投影部を示す図面である。 ここで、本発明の第3実施例及び第4実施例の投影部140は、透明材質の球体であってもよい。
【0035】
図4を参照すると、ディスプレイ部130は、上側から下側へ空間映像をディスプレイし、投影部140に光を投射する。投影部140は、ディスプレイ部から投射された光を当該投影部140の内部に投射することができる。図5は、図4で例示したディスプレイ部130及び投影部140の上下位置が変わった場合を示す図面である。
【0036】
図6は、本発明の第5実施例に係るディスプレイ部及び投影部を示す図面であり、図7は、本発明の第6実施例に係るディスプレイ部及び投影部を示す図面である。 ここで、本発明の第5実施例及び第6実施例の投影部140は、凹ミラーであることができる。
【0037】
図6を参照すると、ディスプレイ部130は、上側から下側へ空間映像をディスプレイし、投影部140に光を投射する。投影部140は、ディスプレイ部から投射された光を当該投影部140の内部に投射することができる。図7は、図6で例示したディスプレイ部130及び投影部140の上下位置が変わった場合を示す図面である。
【0038】
また、本発明の第5実施例及び第6実施例では、投影部140を一つの凹ミラーとして例示したが、投影部140は、複数の凹ミラーを含む凹ミラー配列であってもよい。また投影部140は、凹ミラーの代わりに凹レンズまたは凹レンズ配列であってもよい。
【0039】
図2乃至図7で例示したように、空間映像投影装置は、様々な投影部140を用いて空間映像を投影することができる。
【0040】
図8aは、空間映像投影装置のディスプレイ部を示す図面であり、図8bは、図8aの空間映像投影装置のディスプレイ部を本発明の第1実施例に適用したことを示す図面である。
【0041】
図8aを参照すると、ディスプレイ部は、発光部810及び視差障壁820を含む。
【0042】
発光部810は、制御部120から受信した空間映像をディスプレイし、光を投射する。発光部810は、LCD素子のように、空間映像に含まれている各ピクセルの値に応じて発光する素子を含むことができる。
【0043】
視差障壁820は、光を遮断する遮断領域と光を透過させる透過領域とが交互に繰り返され配置された遮断膜である。視差障壁820は、発光部810の前面に位置することが可能である。
【0044】
ここで、発光部810が受信した空間映像が、二つの映像に対応するピクセルを交互に配置した映像である場合には、発光部810が投射した光は、映像に応じて投射方向が異なる。例えば、A映像及びB映像のピクセルが交互に配置された映像を発光部810がディスプレイし、光を投射する場合には、視差障壁820は、A映像に対応するピクセルに該当する光をC方向に投射するようにし、他の方向に投射されることを遮断できる。また、視差障壁820は、B映像に対応するピクセルに該当する光をD方向に投射するようにし、他の方向に投射されることを遮断できる。したがって視差障壁820を透過したA映像は、 C方向のみに投射され、B映像は、D方向のみに投射されることができる。したがって、C方向に位置した使用者はA映像のみを認識できるようになり、D方向に位置した使用者はB映像のみを認識できるようになる。
【0045】
図8bを参照すると、図8aのディスプレイ部130を投影部140の一側に配置することにより、使用者の位置に応じて使用者が認識する映像が異なるようにすることができる。図8a及び図8bでは、二つの方向の映像のみを説明したが、実現方法に応じてディスプレイ部130が遮断領域及び透過領域を格子状に形成された視差障壁を備えることにより、空間に投影された映像を、使用者が4方向から互いに異なって認識できるように変更することが可能である。
【0046】
図2乃至図8で例示した実施例はすべて平面映像をディスプレイするディスプレイ部を例に挙げたものである。しかし、体積を表現することができるディスプレイ部(以下、体積ディスプレイ部と称する)を用いる場合、投影した映像の体積を表現する空間映像を投影することができる。体積ディスプレイ部としては、回転スクリーン方式の体積型3Dディスプレイ部、積層型3Dディスプレイ部、集積映像基盤の3Dディスプレイ部、及びホログラム基盤の3Dディスプレイ部などがある。
【0047】
図9a乃至図9cは、空間映像投影装置の体積ディスプレイ部を用いて、空間映像が投影される位置を示す図面である。以下で説明するディスプレイ部130は体積ディスプレイ部であると想定して説明する。
【0048】
図9aは、ディスプレイ部130が第1位置に位置している場合の空間映像が投影される位置(以下、第1空間映像位置と称する)を例示している。図9bは、ディスプレイ部130が第1位置よりもレンズに近い第2位置に位置している場合の空間映像が投影される位置(以下、第2空間映像位置と称すづ)を例示している。第1空間映像位置は第2空間映像位置よりも投影部140から離れている位置である。すなわち、図9cのように、ディスプレイ部130と投影部140との間の距離が近くなるほど空間映像はレンズから遠い位置に投影されることになる。
【0049】
したがって、空間映像投影装置は、ディスプレイ部130の位置を移動させられるモータを備えることができ、制御部120は、受信部110から投影位置信号を受信し、投影位置信号に応じてモータを制御し、ディスプレイ部130の位置を変更することができる。例えば、ディスプレイ部130が第1位置に位置している場合、制御部120は、投影位置信号を受信し、投影位置信号によりディスプレイ部130の位置を第2位置へ変更することができる。これにより、空間映像投影装置は、空間映像が投影される位置を変更して空間映像の深みを流動的に変更することができる。
【0050】
図10a乃至図10cは、空間映像投影装置の投影部に関する位置を変更する場合の空間映像が投影される位置を示す図面である。
【0051】
図9a乃至図9cに基づいて説明した方式は、ディスプレイ部130の位置を変更することにより、空間映像の投影される位置を変更することであったが、図10a乃至図10cは、投影部140の位置を変更することにより、空間映像の投影される位置を変更することに関するものである。
【0052】
すなわち、空間映像投影装置は、投影部140の位置を移動させられるモータを備えることができる。制御部120は、受信部110から投影位置信号を受信し、投影位置信号に応じてモータを制御して投影部140の位置を変更することができる。例えば、投影部140が第1位置に位置している場合に、制御部120は、投影位置信号を受信し、投影位置信号により投影部140の位置を第2位置に変更することができる。これにより、空間映像投影装置は、空間映像の投影される位置を変更し、空間映像の深みを流動的に変更することができる。
【0053】
図9乃至図10に基づいて説明したディスプレイ部130または投影部140を移動させる構成は、図2乃至図7に基づいて説明した実施例にも具備できることは明らかである。
【0054】
図11a乃至図11cは、本発明の第7実施例に係る空間映像投影装置のディスプレイ部及び投影部を示す図面である。
【0055】
図11を参照すると、投影部140は、複数の液晶レンズまたはリキッドレンズを含む。 ここで、液晶レンズ及びリキッドレンズは、制御部120の制御により、レンズとして動作する状態(以下、動作状態と称する)、または光を屈折させない状態(以下、非動作状態と称する)に変更することができる。例えば、投影部140は、液晶レンズまたはリキッドレンズである第1レンズ1110をディスプレイ部130の前方に備え、第1レンズ1110とディスプレイ部130との間に第2レンズ1120を備える。制御部120は、受信部110から、第1位置に空間映像を投影するための投影位置信号を受信する。制御部120は、投影位置信号に応じて、ディスプレイ部130から遠く離れた第1位置に空間映像を投影するために第2レンズ1120を非動作状態に変更し、第1レンズ1110を動作状態に変更する。また、制御部120は、受信部110から第2位置に空間映像を投影するための投影位置信号を受信する。制御部120は、投影位置信号に応じて、ディスプレイ部130から遠く離れた第2位置に空間映像を投影するために第1レンズ1110を非動作状態に変更し、第2レンズ1120を動作状態に変更する。よって、本発明の第7実施例に係る空間映像投影装置は、図11cのように、投影位置信号に応じて空間映像の投影される位置を変更することができる。
【0056】
図12a乃至図12dは、本発明の第8実施例に係る空間映像投影装置のディスプレイ部及び投影部を示す図面である。
【0057】
図12aを参照すると、投影部140は、第1凸レンズ1210、第1シャッタ1220、第1凹レンズ1230、第2凸レンズ1240、第2シャッタ1250、第2凹レンズ1260及び第3凸レンズ1270を順に含む。ここで、第1シャッタ1220が閉じている場合には、第1凸レンズにより、第1位置に空間映像が投影できる。
【0058】
図12bを参照すると、第1シャッタ1220が開いており、第2シャッタ1250が閉じている場合には、第1凸レンズ1210により屈折された光の方向が第1凹レンズ1230により元の状態に補償され、第2凸レンズ1240から光が反射され、第2位置に空間映像が投影できる。
【0059】
図12cを参照すると、第1シャッタ1220及び第2シャッタ1250が開いている場合には、第1凸レンズ1210により屈折された光の方向が第1凹レンズ1230により元の状態に補償され、また第2凸レンズ1240により屈折された光の方向が第2凹レンズ1260により元の状態に補償される。よって、第3凸レンズ1270により光が反射されて、第3位置に空間映像が投影できる。
【0060】
したがって、図12dのように制御部120は、受信部110から第1位置乃至第3位置のうちのいずれか一つの位置に空間映像を投影することを要請する投影位置信号を受信した場合には、投影位置信号に応じて第1シャッタ1220及び第2シャッタ1250を制御し、空間映像が第1位置乃至第3位置のうちのいずれか一つの位置に投影されるようにできる。
【0061】
図13は、本発明の第9実施例に係る空間映像投影装置のディスプレイ部及び投影部を示す図面である。
【0062】
図13を参照すると、本発明の第9実施例に係る空間映像投影装置の投影部140は、ディスプレイ部130から投射された光を透過させ、第1空間上に映像を投影させるフローティングレンズ1310、及びフローティングレンズ1310から投射された光を反射し、第2空間上に映像を投影させるフロアレンズ1320を含むことができる。したがって、使用者は、フローティングレンズ1310とフロアレンズ1320との間に位置する第2空間上に投影された映像を全方向から認識することができる。または、本発明の第9実施例による空間映像投影装置は、ディスプレイ部から投射された光を使用者が直接見ることを防止できる。また、本発明の第9実施例に係る空間映像投影装置は、投影部140に対し、空間映像を投影できる距離の制限を緩和させることができる。
【0063】
上述した実施例は、多様な実施形態の例示を含む。多様な実施形態を示すためのあらゆる考えられる組み合わせについて説明することはできないが、当該技術分野の通常の知識を有する者は、様々な実施形態のさらなる組み合わせが可能であることを認識できよう。したがって、本発明は、特許請求範囲内に属するあらゆる他の交替、修正及び変更を含むものとする。
図1
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図11
図12
図13