特許第5782068号(P5782068)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5782068-模擬飾り線香及び香炉 図000002
  • 特許5782068-模擬飾り線香及び香炉 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5782068
(24)【登録日】2015年7月24日
(45)【発行日】2015年9月24日
(54)【発明の名称】模擬飾り線香及び香炉
(51)【国際特許分類】
   E04H 13/00 20060101AFI20150907BHJP
   A47G 33/00 20060101ALI20150907BHJP
【FI】
   E04H13/00 J
   A47G33/00 C
【請求項の数】1
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2013-118289(P2013-118289)
(22)【出願日】2013年5月17日
(65)【公開番号】特開2013-238105(P2013-238105A)
(43)【公開日】2013年11月28日
【審査請求日】2013年10月22日
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、実施許諾の用意がある。
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】595147216
【氏名又は名称】岩渕 昭次
(72)【発明者】
【氏名】岩渕 昭次
【審査官】 土屋 真理子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−139948(JP,A)
【文献】 特開2005−112757(JP,A)
【文献】 実開昭56−011690(JP,U)
【文献】 実開昭53−032698(JP,U)
【文献】 特開2011−240042(JP,A)
【文献】 特開2008−229069(JP,A)
【文献】 特開2000−166748(JP,A)
【文献】 実開昭55−79288(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3175982(JP,U)
【文献】 特開2004−74712(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 13/00
A47G 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上側に平面部と前記平面部を囲む縁部を有する香炉本体と、前記平面部と前記縁部により形成されてなる空間に嵌合する平板形状を有し、少なくとも一方の面に貫通孔または有底孔の少なくともいずれかが複数設けられていて交換可能な線香支持盤と、前記貫通孔または有底孔に嵌合可能な太さを有する交換可能な棒状の模擬線香を備え、かつ、前記線香支持盤は、エラストマーからなることを特徴とする、模擬飾り線香及び香炉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、墓前に常設し、墓参人の有無や多少に関わらず、不断に供養がなされていることを感得させる、模擬線香と香炉に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に墓に常設されている香炉は、墓参の際に手向けられる線香が灯されている時間のみ有効に機能しているが、それ以外の時期は単なる墓石の付属物となっている。極端な場合、墓自体も、盂蘭盆、春秋の彼岸、納骨されている故人の命日以外は、何ら供養されずに放置されているのが現状である。しかも近年では、故人の縁者が遠地に居住している場合もあり、墓参の機会が極めて少なくならざるを得ないこともある。
【0003】
このような現状に鑑み、特許文献1には、電力と芳香液を用いることにより、線香が長時間に亘って灯されているのと同じ効果を奏する模擬線香が開示されている。しかし、この模擬線香は、前記のように電力と芳香液を必須とすることから、使用時間が自ずと限定されるとともに、それ相応のランニングコストを要するという点で、改善の余地がある。
【0004】
また、特許文献2には、金属の長尺体を用い、先端に疑似発光部を設けてなる模擬線香が開示されている。しかし、この模擬線香は、通常の線香と一緒に、通常の線香立てや香炉で使用するものであり、香炉に充填された灰に突き立てて使用することから、風雨などで倒れたり、吹き飛ばされたりすることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】 特開2005−112757号公報
【特許文献2】 特開平05−139948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の課題は、電力や消耗品を用いることなく墓前に常設可能で、これが設置された墓が、墓参の頻度や墓参人の数に関わらず、常時供養されているという象徴性を感得できる模擬飾り線香及び香炉を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記の課題に鑑み、耐久性を備えた模擬飾り線香と香炉の構成を検討した結果なされたものである。
【0008】
即ち、本発明は、上側に平面部と前記平面部を囲む縁部を有する香炉本体と、前記平面部と前記縁部により形成されてなる空間に嵌合する平板形状を有し、少なくとも一方の面に貫通孔または有底孔の少なくともいずれかが複数設けられてなる線香支持盤と、前記貫通孔または有底孔に嵌合可能な太さを有する棒状の模擬線香を備えることを特徴とする、模擬飾り線香及び香炉であり、前記線香支持盤には、シリコーンゴムを代表とするエラストマーを用いることが可能である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の模擬飾り線香及び香炉は、線香を用いる墓の象徴となす墓碑には不可欠の存在値にある香炉と模擬飾り線香を一体状の形態と成して、常に墓参時の雰囲気感を、四季を通して持続するもので、墓の適当な箇所に常設して、墓の象徴をなし、かつ墓が不断に供養されていることを感得させるものである。設置箇所の条件は多様であるため、香炉の形態、形態サイズ、色彩、装飾、形成素材は特に限定されないが、重量感を有する素材で構成されることが望ましく、例えば鋳鉄などが望ましい。
【0010】
線香支持盤は、模擬飾り線香を着実に把持させるため、弾性を有するエラストマーのような高分子材料を使用できる。具体的には、使用環境から、耐候性を備えた素材であることが望ましく、具体的にはシリコーンゴムや、フッ素ゴムなどが挙げられる。ただし、場合によっては、金属板に穿孔加工を施したものでも、使用可能であることは勿論である。また、前記のように構成した線香支持盤であれば、墓参の都度、色彩の異なるものと交換することも可能となる。
【0011】
模擬飾り線香についても、線香支持盤と同様の特性が要求され、一定以上の機械的強度や耐候性を備えることが必要で、各種のプラスチック材料や表面に塗装を施した金属線材などを用いることができる。そして、香炉と同様に、適宜色彩などが異なるものと交換することで、墓前のイメージを変えることができる
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】 本発明に係る模擬飾り線香と香炉の一例を示す斜視図。
図2】 本発明に係る香炉の一例を示す斜視図。
図3】 本発明に係る線香支持盤の一例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の実施の形態について、具体的な図に基づいて説明する。
【0014】
図1は、本発明に係る模擬飾り線香と、それを立てる香炉の一例を示す斜視図であり、1は高炉本体、2は線香支持盤、3は模擬飾り線香である。図2は、本発明に係る香炉の一例を示す斜視図であり、4は平面部、5は縁部、6は線香支持盤嵌合部である。また、図3は、本発明に係る線香支持盤の一例を示す斜視図であり、7は貫通孔または有底孔である。
【0015】
図に示したように、本発明に係る香炉は、線香支持盤嵌合部6に嵌合させた、線香支持盤2の貫通孔または有底孔7に、模擬飾り線香3を挿入して用いる。前記のように線香支持盤2として弾性に富むエラストマーを用い、貫通孔または有底孔7の内径を、模擬飾り線香3の外径よりも、やや小さくしておくことにより、模擬飾り線香3は、弾性により把持され、安定する。
【0016】
香炉本体1には鋳鉄や、加工の容易な真鍮に、切削加工を施したものなどを用いることができる。また、模擬飾り線香3には、金属の線材に塗装を施したものやプラスチック材料が使用可能であることは前記の通りである。
【0017】
以上に説明したように、本発明によれば、墓前に常設可能で、不断に供養がなされていることが感得できる模擬飾り線香と香炉が提供できる。なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、例えば香炉本体を角形にするなどの、本発明の分野における通常の知識を有する者であれば想到し得る、各種変形、修正を含む、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても、本発明に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0018】
1 … 香炉本体 2 … 線香支持盤 3 … 模擬飾り線香 4 … 平面部5 … 縁部 6 … 線香支持盤嵌合部 7 … 貫通孔または有底孔である
図1
図2
図3