特許第5782078号(P5782078)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5782078-LED駆動回路 図000002
  • 特許5782078-LED駆動回路 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5782078
(24)【登録日】2015年7月24日
(45)【発行日】2015年9月24日
(54)【発明の名称】LED駆動回路
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/00 20100101AFI20150907BHJP
   H05B 37/02 20060101ALI20150907BHJP
【FI】
   H01L33/00 J
   H05B37/02 J
【請求項の数】6
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-187206(P2013-187206)
(22)【出願日】2013年9月10日
(65)【公開番号】特開2014-140008(P2014-140008A)
(43)【公開日】2014年7月31日
【審査請求日】2013年9月10日
(31)【優先権主張番号】102102162
(32)【優先日】2013年1月21日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】503349464
【氏名又は名称】普誠科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】曹 銘原
【審査官】 小濱 健太
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−090945(JP,A)
【文献】 特開2009−188773(JP,A)
【文献】 特開2012−084334(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
H05B 37/00−39/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED駆動回路であって、
LEDに接続されたドレイン、ゲート、およびソースを有する出力トランジスタ、
前記出力トランジスタのソースに接続されたノード、
前記ノードに接続されたドレイン、および接地に接続されたソースを有する接地トランジスタ、
駆動信号およびフィードバック信号を受信し、第1入力端子と第2入力端子を含む入力段
力信号を前記出力トランジスタのゲートに提供する出力段を含むオペアンプ
記駆動信号、前記フィードバック信号、および前記オペアンプの入力段に接続され、前記駆動信号を前記オペアンプの前記第1入力端子および前記第2入力端子の一方に交換可能に提供し、前記ノードを前記オペアンプの前記第1入力端子および前記第2入力端子の他方に交換可能に接続する第1スイッチアセンブリ、および
前記オペアンプの前記入力段と前記出力段との間に接続され、前記駆動信号が前記オペアンプの前記第1入力端子又は前記第2入力端子によって受信されたことに応じて前記出力信号と対応する前記入力段の極性を切り換える第2スイッチアセンブリを含むLED駆動回路。
【請求項2】
前記第1スイッチアセンブリが前記駆動信号を前記オペアンプの前記第1入力端子に提供した時、前記第2スイッチアセンブリは、前記入力段によって出力された前記駆動信号の極性を維持し、前記第1スイッチアセンブリが前記駆動信号を前記オペアンプの前記第2入力端子に提供した時、前記第2スイッチアセンブリは、前記入力段によって出力された前記駆動信号の極性を変える請求項に記載のLED駆動回路。
【請求項3】
前記第1スイッチアセンブリおよび第2スイッチアセンブリのスイッチング周波数を制御するスイッチ制御器を更に含む請求項1に記載のLED駆動回路。
【請求項4】
前記出力トランジスタは、Nチャネル金属酸化膜半導体電界効果トランジスタである請求項1に記載のLED駆動回路。
【請求項5】
前記接地トランジスタは、Nチャネル金属酸化膜半導体電界効果トランジスタである請求項1に記載のLED駆動回路。
【請求項6】
前記接地トランジスタのゲートは、バイアス電圧に接続される請求項1に記載のLED駆動回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED駆動回路に関し、特に、輝度誤差を抑えるLED駆動回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
LEDディスプレイでは、LEDの駆動電流の変動により異なるモジュールの間でしばしば輝度誤差が生じる。フルカラーディスプレイでは、駆動電流が不正確な時、画面はカラーブロックを表示しやすく、表示品質が影響を受ける。
【0003】
輝度誤差は、通常、チャネル間の電流誤差またはチップ間の電流誤差による。チップ間の電流誤差は、異なるバッチで製造された異なるIC間のプロセスドリフトによって起こる。プロセスドリフトを防止することは容易でないが、従来技術にはチップ間の電流誤差に対処する各種の方法がある。現在のアプローチは、チップ間の電流誤差をなくすのに限定的な効果しかない。
【0004】
一般的に、人間の目は、6%の差以上の輝度誤差を識別することができ、人間の目は、低輝度の画像フレームの1%の輝度誤差さえも識別することができる。よって、単に今日の高解像度ディスプレイの要件を満たすためにチップ間の電流誤差をなくすだけでは、不十分である。これに鑑みて、本発明は、チャネル間の電流誤差を減少することによって、LEDディスプレイの輝度誤差を抑える新しいLEDドライバを提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
輝度誤差を抑えるLED駆動回路を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、LED駆動回路を提供する。前記LED駆動回路は、LEDに接続されたドレインを有する出力トランジスタ、出力トランジスタのソースに接続されたノード、ノードに接続されたドレイン、および接地に接続されたソースを有する接地トランジスタ、
駆動信号およびフィードバック信号を受信し、第1入力端子と第2入力端子を含む入力段、および出力信号を出力トランジスタのゲートに出力する出力段を含むオペアンプ、および
駆動信号、フィードバック信号、およびオペアンプの入力段に接続され、駆動信号をオペアンプの第1入力端子および第2入力端子の一方に提供し、ノードをオペアンプの第1入力端子および第2入力端子の他方に接続する第1スイッチアセンブリを含む。
【0007】
詳細な説明は、添付の図面と併せて以下の実施形態に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明は、添付の図面と併せて後に続く詳細な説明と実施例を解釈することによって、より完全に理解されることができる。
図1】従来技術に基づいたLEDの駆動回路の概略図である。
図2】本発明に基づいたLEDの駆動回路の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明は、本発明を実施するベストモードが開示されている。この説明は、本発明の一般原理を例示する目的のためのもので本発明を限定するものではない。本発明の範囲は、添付の請求の範囲を参考にして決定される。
【0010】
図1は、従来技術に基づくLED駆動回路の概略図である。図1では、LED駆動回路100は、出力NMOSトランジスタ110、接地NMOSトランジスタ120、およびオペアンプ130を含む。出力NMOSトランジスタ110は、ドレインおよびソースを有し、ドレインは出力端子Outに接続され、ソースは接地NMOSトランジスタ120のドレインに直列接続される。出力端子Outは、LEDに更に接続される(図示されていない)。接地NMOSトランジスタ120は、ゲートおよびソースを有し、ゲートは、定電圧V_Gを受信するのに用いられ、ソースは接地される。オペアンプ130は、駆動信号Sおよびフィードバック信号を受信し、NMOSトランジスタ110のゲートに接続された出力を有する。この負のフィードバック構成(configuration)では、オペアンプ130は、電圧をNMOSトランジスタ110のゲートに出力するため、NMOSトランジスタ120の設置されたドレインの電圧は、ノードSと同じ電圧を維持する。オペアンプ130は、NMOSトランジスタ120を駆動して線形領域を動作し、出力端子OutによってLEDの駆動電流を接地に導入する。
【0011】
注意するのは、チャネル間の電流誤差は、(1)NMOSトランジスタ120、および(2)オペアンプ130のバイアスの差によって起こる。NMOSトランジスタ120によって生じたチャネル間の電流誤差を減少するために、トランジスタの面積は、通常増加されなければならない。本発明のLED駆動回路は、オペアンプのバイアスの差の影響を低下するためのものである。
【0012】
図2は、本発明の実施形態に基づくLED駆動回路の概略図である。この実施形態では、LED駆動回路200は、出力トランジスタ210、接地トランジスタ220、およびオペアンプ230、第1スイッチアセンブリ240、第2スイッチアセンブリ250、およびスイッチ制御器260を含む。これらの構成要素は、図2に基づいて以下に説明される。
【0013】
図2の実施形態では、出力トランジスタ210および接地トランジスタ220は、両方ともNMOSトランジスタである。出力トランジスタ210は、ドレインおよびソースを有し、ドレインは出力端子Outに接続されてLEDに更に接続され(図示されていない)、ソースはノードPに接続される。接地トランジスタは、ドレイン、ソース、およびゲートを有し、図2に表されるように、ドレインはノードPに接続され、ソースは接地され、ゲートはバイアス電圧V_Gに接続される。
【0014】
本発明のオペアンプ230は、駆動信号Sを受信するように用いられ、トランジスタ220が線形領域で常時動作するようにする。この発明では、オペアンプ230は、入力段232および出力段234の2つの2段に分けることができる。入力段232は、駆動信号Sおよびフィードバック信号(ノードPからの)を受信するのに用いられる。出力段234は、出力トランジスタ210のゲートに接続される。入力段232は、出力端子Aおよび出力端子Bを含む。図1を参照に、従来技術では、オペアンプが負のフィードバック構成で動作された時、オペアンプの一方の入力端子は駆動信号を受信するように用いられ、オペアンプの他方の入力端子はトランジスタによって提供されたフィードバック信号を受信するように用いられる。プロセスドリフトにより、オペアンプ230の2つの入力端子上の電圧が互いに同じであることは難しいため、ノードP上でバイアスの差が起こり、電流精度に影響を及ぼす。本発明のオペアンプ230は、その両入力端子に駆動信号Sを交互に受信させることで従来技術と異なる。本発明のオペアンプ230は、以下に更に詳述される。
【0015】
上述のバイアスの差を抑えるために、本発明は、第1スイッチアセンブリ240および第2スイッチアセンブリ250を提供する。実施例では、第1スイッチアセンブリ240は、駆動信号S、ノードP、およびオペアンプ230の入力段232に接続され、第2スイッチアセンブリ250は、オペアンプ230の入力段232と出力段234との間に接続される。第1スイッチアセンブリ240は、駆動信号Sをオペアンプ230の1つの入力端子に提供し、ノードPをオペアンプ230のもう1つの入力端子に接続するように用いられることができる。第1スイッチユニットアセンブリ240では、ノードSおよびノードPは、オペアンプ230の入力段232の2つの入力端子に交換可能に接続されることができる。第2スイッチアセンブリ250は、第1スイッチアセンブリ240とともに動作し、入力段232の入力端子の極性を同期切替するため、オペアンプ230に負のフィードバックモードで常時動作するようにさせる。具体的に言えば、実施形態では、第1スイッチアセンブリ240および第2スイッチアセンブリ250によって、本発明のLED駆動回路200は、第1モードおよび第2モードの2つのモードで動作することができる。
【0016】
第1モードでは、第1スイッチアセンブリ240は、駆動信号Sをオペアンプ230の入力端子Aに提供し、ノードPをオペアンプ230の入力端子Bに接続する。この実施形態では、オペアンプ230および出力トランジスタ210は、図1に示されるように同じ方式で互いに接続され、第2スイッチアセンブリ250は、オペアンプ230の入力端子の極性を変える必要がない。この時、入力端子Aの極性は正であり、入力端子Bの極性は負である。
【0017】
相対的に、第2モードでは、第1スイッチアセンブリ240は、駆動信号Sをオペアンプ230の入力端子Aに提供し、ノードPをオペアンプ230の入力端子Aに接続する。この実施形態では、オペアンプ230および出力トランジスタ210は、図1と異なる方式で互いに接続される。負のフィードバック構成を維持するために、第2スイッチアセンブリ250は、オペアンプ230の入力端子の極性を変えなければならない。この状況では、入力端子Aの極性は負であり、入力端子Bの極性は正である。
【0018】
第1スイッチアセンブリ240および第2スイッチアセンブリ250が正確に動作するように、本発明のLED駆動回路は、スイッチ制御器260を更に含む。本発明のスイッチ制御器260は、第1スイッチアセンブリ240と第2スイッチアセンブリ250間の動作を調整するだけでなく、第1スイッチアセンブリ240と第2スイッチアセンブリ250のスイッチング周波数も制御することができる。当業者は、LED駆動装置200の構成要素の規格(例えば、応答時間)に基づいて好適なスイッチング周波数を設定することができるため、スイッチング周波数の設定と関連する詳細はここでは更に述べられない。
【0019】
この発明は、実施例の方法及び望ましい実施の形態によって記述されているが、本発明は、これらを限定するものではないことは理解される。逆に、種々の変更及び同様の配置をカバーするものである(当業者には明白なように)。よって、添付の請求の範囲は、最も広義な解釈が与えられ、全てのこのような変更及び同様の配置を含むべきである。
【符号の説明】
【0020】
100、200 LED駆動回路
110、210 出力トランジスタ
120、220 接地トランジスタ
130、230 オペアンプ
240 第1スイッチアセンブリ
250 第2スイッチアセンブリ
260 スイッチ制御器
Out 出力端子
P ノード
V_G 定電圧
S 駆動信号
A、B 入力端子
図1
図2