特許第5782237号(P5782237)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5782237複数のDCファンの回転状態を監視する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5782237
(24)【登録日】2015年7月24日
(45)【発行日】2015年9月24日
(54)【発明の名称】複数のDCファンの回転状態を監視する方法
(51)【国際特許分類】
   F04D 27/00 20060101AFI20150907BHJP
   H02P 5/68 20060101ALI20150907BHJP
【FI】
   F04D27/00 H
   H02P7/68 J
   F04D27/00 D
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2010-161550(P2010-161550)
(22)【出願日】2010年7月16日
(65)【公開番号】特開2012-21497(P2012-21497A)
(43)【公開日】2012年2月2日
【審査請求日】2013年5月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000103792
【氏名又は名称】オリエンタルモーター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100114591
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 英文
(74)【代理人】
【識別番号】100118407
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 尚美
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100125036
【弁理士】
【氏名又は名称】深川 英里
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100154298
【弁理士】
【氏名又は名称】角田 恭子
(74)【代理人】
【識別番号】100162330
【弁理士】
【氏名又は名称】広瀬 幹規
(72)【発明者】
【氏名】仲沢 栄治
(72)【発明者】
【氏名】河田 文昭
【審査官】 田谷 宗隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−250497(JP,A)
【文献】 特開平05−129051(JP,A)
【文献】 特開平11−351913(JP,A)
【文献】 特開平11−062846(JP,A)
【文献】 特開2000−050681(JP,A)
【文献】 実開平06−037591(JP,U)
【文献】 特開平04−260397(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 27/00
H02P 5/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のDCファンの回転状態を監視する方法において、各DCファンの駆動電流を検出する駆動電流検出手段を制御装置内部またはその近傍に設け、
前記駆動電流検出手段は、各DCファンの電源配線に接続した抵抗器であって、
前記制御装置内部に設けた1台の回転数検出手段に、前記各DCファンの検出電流を順次入力し、前記回転数検出手段は入力された検出電流の脈動から回転数を検出して、これを判定し、あらかじめ定めておいた正常範囲か範囲外かの情報を送信し、順次n台のDCファンの回転数計測および判定処理を進めていき、各DCファンの回転状態を監視することを特徴とする複数のDCファンの回転状態を監視する方法。
【請求項2】
前記複数のDCファンの電源線の一方を共通の電源線としたことを特徴とする請求項1に記載の複数のDCファンの回転状態を監視する方法。
【請求項3】
前記制御装置と監視される複数のDCファンとをひとつのグループとし、主制御機に対し各グループの制御装置が通信手段によって情報伝達をして、全てのDCファンの回転状態を個別に監視することを特徴とする請求項1または2に記載の複数のDCファンの回転状態を監視する方法。
【請求項4】
前記複数のグループは、グループごとのグループ制御装置に識別コードを備えたことを特徴とする請求項3に記載の複数のDCファンの回転状態を監視する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のDCファンの回転状態を監視する方法に関し、詳しくは、電子機器などを冷却するために用いる複数のDCファンの回転速度を検出し、複数のDCファンの回転状態を監視する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電装箱に複数のファンを設置して電子回路装置をムラ無く冷却する、植物プラントで複数のファンを設置して満遍なく植物に風を当てて成長の個体差を少なくする、など大量のファンを用いる用途において、ファンが故障した場合の損害を最少に留めるために、個々のファンの回転速度を監視したいというニーズがある。
ファンの回転速度検出方法としては、ファン内部にタコメータ等の検出器を設ける方法(特許文献1参照)、ファンの原動機の電流変化を基に検出する方法(特許文献2参照)等が知られている。
大量の速度アラーム付きファンを使用すると、ファンの価格も上がると同時に、大量のアラーム信号線の配線にかかわる煩雑さや、総部品数の増加や長距離伝送に伴う信頼性の低下など、問題点が多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平04−022181号公報
【特許文献2】実開平06−037591号公報
【特許文献3】特開昭61−116094号公報
【特許文献4】特開2001−227493号公報
【特許文献5】特開2005−069217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図8および図9は、従来の速度検出回路付きファンを用いた場合のシステム概念図である。図8の場合、各ファン1001〜100から電源線102aと102bの他に検出信号線102cの3本の配線が制御装置103に接続されている。例えば100台のファンの場合、合計300本となる。図9の場合は、電源線102aと102bを共通としたので、合計102本の配線で良いが、制御装置から一番遠いファン100の検出信号線のGND線には多くのファンの電流が流れているので電圧変動が大きく、ノイズには敏感になってしまうという欠点がある。
特許文献3は、これらの問題を、識別コードスイッチを各々のファンに内蔵し、全体制御装置側で、その信号をデコードすることで送風機を識別する方法で、検出信号線の削減を図った例である。この技術を用いると、予め、設置位置に対応して、各ファンに固有の識別コードをスイッチでセットしなければならず、大量のファンを設置するような用途では、非常に煩雑で間違いを誘発しやすい。
特許文献5においても、「各制御手段はそれぞれアクセスアドレスを有している」とあるように、識別のためのアドレスを予めセットされていることが前提であり、前記同様大量のファンを設置するような用途では、設置位置と個別のファンの相関が取り難く、煩雑で間違いを誘発しやすい。
それに加えて、一般に使用されているファンに識別コードなどを備えたものは少ない。
また、各々のファンに回転数検出装置あるいは回転数異常検出装置、さらには識別コード用スイッチなどを備えると、高額になってしまうという問題があった。
特許文献4は、この問題を、ファンからは回転数検出パルスのみを受け取るようにし、制御装置側で、時分割で切替ながら各送風機の回転数を監視するようにして、部品数の増加を抑えた例である。この技術では、比較演算部の部品数は削減できるが、依然としてファンに回転数検出器を装着しなければならない。
本発明の元となっているのは、ファンが故障等で送風能力が低下したときに使われている機器の機能に重大な影響を及ぼす恐れがあることから、ファンの運転状態を常に把握しておき故障したときには速やかに対処するという考えであって、制御装置には高い信頼性が求められる。前記特許文献3〜5に限らず、ファンから回転数情報などを含んだ信号線を長く引き回すとノイズの影響を受けやすいという信頼性面の問題があった。さらに、特許文献4,5のように、多くの電子回路素子をファンならびに制御装置に有することは、故障の確率を高めるという信頼性の面で問題があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決し、電子機器の冷却等のために設置した複数のDCファン全ての運転状態を個別に監視する用途において、既存のDCファンが使用可能で、配線数を削減でき、ノイズの影響を受けづらく、部品数が少なく信頼性が高く、安価で、設置時の煩雑さを軽減できる、複数のDCファンの回転速度監視方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するため、複数のDCファンの回転状態を監視する方法において、各DCファンの駆動電流を検出する駆動電流検出手段を制御装置内部またはその近傍に設け、前記駆動電流検出手段は、各DCファンの電源配線に接続した抵抗器であって、前記制御装置内部に設けた1台の回転数検出手段に、前記各DCファンの検出電流を順次入力し、前記回転数検出手段は入力された検出電流の脈動から回転数を検出して、これを判定し、あらかじめ定めておいた正常範囲か範囲外かの情報を送信し、順次n台のDCファンの回転数計測および判定処理を進めていき、各DCファンの回転状態を監視することにある。
また、本発明は、大量のファンを比較的少数のファンで構成されるグループに分け、前記制御装置と同様なグループ制御装置を設け、主制御機とは通信手段によって情報伝達して、主制御機が複数台のグループ制御装置を介して全てのDCファンの回転状態を監視することにある。
さらに、本発明は、前記複数のグループは、グループごとに識別コードを備えたことにある。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数台のDCファンの回転数を1つの検出手段で検出できるので、ファンごとに検出手段を用いる場合に比べて安価である。また、インピーダンスの低い動力線を流れる電流を制御機の近くで検出するため、DCファン内部で検出した後に、信号線を用いて長い距離を伝達する従来の方法と比べて、外部ノイズによる誤検出が起きにくい。
本発明によれば、配線数が削減される。
本発明によれば、複数台のDCファンの回転数を検出し監視する制御装置をグループ分けしたため、主制御機は通信手段を用いて、複数のグループ制御装置の全てのファンを個別に監視できるとともに、多くのファンを1台の制御装置で検出する場合と比較して、設置時にファンの識別が容易となり、設置後のトラブルに対しても当該ファンの同定が容易となる。
本発明によれば、1台の主制御機で多数のDCファンの回転状態をより簡便、かつ正確に監視することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態による、DCファンを複数台設置するときの概念図である。
図2】本発明の他の実施の形態による、DCファンを複数台設置するときの概念図である。
図3】本発明による回転数検出用演算装置の処理フローの概念図である。
図4】主制御機とグループ制御装置とDCファンの関係を表した概念図である。
図5】本発明によるグループ制御装置の構造を示す概念図である。
図6】グループ制御装置から主制御機へのデータ送信の形態を示す概念図である。
図7】DCファンのモータに流れる電流波形例を示す波形図である。
図8】従来の回転異常検出器を備えたDCファンを複数台設置する時の概念図である。
図9】従来の回転異常検出器を備えたDCファンを複数台設置する時の別の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明による実施の形態を示した概念図で、複数の各々のDCファン1,1・・・1の電源配線2a、2bをそのまま制御装置3に接続した例である。制御装置3は、各々のDCファン1,1・・・1の電源配線2a、2bのマイナス側の配線2bに接続した駆動電流検出手段としての電流センサR,R,・・・Rを内蔵したものである。各電流センサRは、制御装置3の近傍に配設しても良い。制御装置3には、各電流センサRとともに、回転数検出および正常・異常の判定手段として、回転数検出回路4が内蔵されており、各電流センサRからの検出電流が回転数検出回路4に入力されるものである。この実施例は、DCファン1の台数nに対して配線数は2nとなる。
【0010】
図2は、本発明による他の実施の形態を示した概念図で、複数の各々のDCファン1,1・・・1の電源配線2a、2bのプラス側の配線2aを共通にして制御装置3に接続したものである。制御装置3は、各々のDCファン1,1・・・1のマイナス側の配線2bに接続した駆動電流検出手段としての電流センサR,R,・・・Rを内蔵したものである。各電流センサRは、制御装置3の近傍に配設しても良い。制御装置3には、各電流センサRとともに、回転数検出および正常・異常の判定手段として、回転数検出回路4が内蔵されており、各電流センサRからの検出電流が回転数検出回路4に入力されるものである。この実施例は、DCファン1の台数nに対して配線数はn+1となる。
【0011】
上記実施の形態では、制御装置3の電源から各DCファン1,1・・・1に電力を供給して駆動するとともに、電流センサR,R,・・・Rを通して各DCファン1,1・・・1ごとの電流を検出することができる。上記実施の形態では、従来のように信号線を引き回さないので、ノイズの影響は受けづらいという特長がある。
【0012】
図3は、本発明による、1台の回転数検出回路4によってn台のDCファン1,1・・・1の回転数を監視するときの、制御のフローチャートを示したものである。
このフローチャートを説明すると、まず、ファン番号f=1に設定(S1)し、f番号にデータを切り換える(S2)。電流センサR,R,・・・Rを通して各DCファン1,1・・・1ごとの電流を検出して脈動周期を計測する(S3)。
脈動周期から回転数を演算し(S4)、これを判定(S5)する。予め定めておいた正常範囲ならOK、範囲外ならNGを主制御機に情報を送信し(S6)、次に2台目を計測するためファン番号に1を加える(S7)。このように順次n台のDCファンの全ての回転数計測および判定処理を進めていき、n台目の処理が終わったら、1台目に戻って監視を続ける(S8)。
【実施例】
【0013】
例えば、基準回転数3000rpmのDCファンにおいて、2回転で電流の脈動周期を計測した場合、1台に要する時間は、実際に2回転分を計測する0.04秒に加えて演算に要する時間である。1台の演算判定に要する時間を仮に0.06秒とした場合、合計時間は0.1秒となり、100台のDCファンの回転数すべてを検出する時間は約10秒である。この時間は一般的な装置の熱時定数からみると十分短い時間といえるので、順次処理を行っても実用上問題は無い。
当然ながら、その処理の途中に他の制御を入れることができるし、逆に他の制御を行っている途中の空いた時間に処理を行うことも出来る。
【0014】
上記の実施の形態によれば、以上の検出方法によって、DCファン1,1・・・1ごとにそれに接続された電流検出器(電流センサR,R,・・・R)によってDCファン1,1・・・1が特定されるので、設置した全てのDCファン1,1・・・1について個別に回転数を把握することが出来る。
【0015】
図4は、図1または図2と同一部分は同符号を付して示す本発明の他の実施の形態である。
DCファンの数が相当多い場合には、1台の制御装置に全てのDCファン1の配線を接続することは、多くの配線が集中することになり、設置作業が煩雑になると共に、DCファンと電流センサ(電流検出器)の対比が図り辛く、間違いを起こしやすくなる。
【0016】
そこで、図4に示された実施の形態では、DCファン1をグループごとに分け、それぞれのグループにグループ制御装置5を設けて、上記同様グループ内での制御を行う。例えば、8台ずつのグループに分ければ、グループ内でのDCファン1,1・・・1と電流検出器の相関は取りやすい。
【0017】
図4は1台のグループ制御装置5でn台のDCファン1,1・・・1を監視し、g台のグループ制御装置5,5、・・・5が主制御機6に接続された形態の概念図である。
この場合、グループ制御装置5,5、・・・5は識別コード(1〜g)を設定する機能を持つ。DCファン1,1・・・1には識別コードは持たないが、グループ制御装置5,5、・・・5への接続箇所からDCファン1,1・・・1を特定できる。このように接続すれば、主制御機6から、グループ制御装置5,5、・・・5を通じて全てのDCファン1,1・・・1の状態を把握できる。
【0018】
図5はグループ制御装置5,5、・・・5の内部構造を表す概念図である。グループ制御装置5,5、・・・5は、電源Eと、例えば抵抗器など各DCファン1,1・・・1に対応した電流検出手段R1,R2,…,Rnと、電流検出手段によって検出された各検出信号を切替えるデータ切替手段8と、データ切替手段8から入力されたデータに基づき脈動周期を検出する脈動周期検出手段9と、脈動周期検出手段9から脈動周期が入力され運転状態を判定する運転状態判定手段10と、運転状態判定手段10からの判定結果を主制御機6に伝達する通信手段11と、この通信手段11に接続され、グループのアドレスとなる識別コードを設定する識別コードスイッチ12とを備えている。図3と同様なフローで回転数の監視を行う。
【0019】
図6はグループ制御装置5,5、・・・5から主制御機6へのデータ通信の一例を示した概念図である。グループ識別コード、グループ内のDCファン1,1・・・1識別コードに続いて、そのDCファン1,1・・・1の状態を送信する。それによって、主制御機6からは、グループ制御装置5,5、・・・5を特定し、さらにはDCファン1,1・・・1を特定することが出来るので、全てのDCファン1,1・・・1の状態を把握することが出来る。
【0020】
図7はDCファンの電流波形の一例である。一般にDCファンは、モータの回転子の位置を検出して固定子側巻線の励磁を切替えて駆動しているため、電源から流入する電流は脈動している。1回転中の切替回数は回転子の極数によることから、電流脈動周波数を回転子の極数で除すればファンの回転速度が導き出される。(特許文献2参照) 図7の例では、モータが4極で、周期が約4.3msなので、約3490rpmで回っていることが分る。
【0021】
上記実施の形態の効果は、以下のとおりである。
電源線2a,2bを流れる電流からDCファン1,1・・・1の回転数を検出する方法を採用したので、DCファン側に回転異常検出や識別のための回路等を設置しなくても状態を把握できるため、アラーム検出装置を持たないDCファンを用いることができる。このことは、安価なファンを用いることができると同時に、部品数の削減による信頼性向上が図れるという利点がある。
電流センサR,R,・・・Rを制御装置3またはその近傍に置いて、各々のDCファン1,1・・・1に繋がる信号線2cを無くしたので、配線数の削減が図れる。n台のDCファンの場合、合計n+1本の電線だけで済む。例えば100台のときは101本となる。
動力用電源線2a,2bの配線だけで、従来のアラーム検出装置を備えたDCファンのように信号線2cを引き回さないので、ノイズの影響を受けない。
電流検出器7(例えば抵抗器R)は各々のDCファン1,1・・・1ごとに設ける必要があるが、回転速度を求めるための演算装置は少なくとも1台でよいので、大幅な部品数と費用の削減が図れると同時に信頼性向上が図れる。
DCファン1,1・・・1をグループ分けし、グループごとに個々のDCファンの電流脈動から回転数を求める検出手段と判定手段と、主制御機との通信手段と、グループのアドレスとなるグループ識別コードを設定するスイッチ等を備えたグループ制御装置5,5・・・5を設けたので、全てのDCファンの状態を個別に把握できるとともに、設置時のアドレスに対する設置されたファンの同定が容易になるだけでなく、アラーム発生時の故障ファンの同定も容易になり、多くのファンを使用する上での煩雑さの軽減が図れる。
【0022】
なお、本発明は、上記実施の形態のみに限定されるものではなく、電流脈動を検出する手段としては、電流を検出できるものとして、抵抗、ホールセンサ、電流トランスなど各種の検出手段を用いることができるなど、その他、本発明の要旨を変更しない範囲内で適宜変更して実施し得ることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0023】
,1・・・1 DCファン(送風機)
,R,・・・R 電流センサ(駆動電流検出手段)
2a,2b 電源線
3 制御装置
4 回転数検出回路
,5、・・・5 グループ制御装置
6 主制御機
7 電流検出手段
8 データ切換手段
9 脈動周期検出手段
10 運転状態判定手段
11 通信手段
12 識別コードスイッチ
E 電源
R,R1,R2,…Rn 電流センサ
S プログラム処理
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9