(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記プラグコネクタソケット(18)の、両方のコンタクト要素(35、36)は、前記ハウジング部分(16)に相対的に移動可能であるように支持されることを特徴とする、
請求項1に記載のソケットアレンジメント。
プラグ検出アレンジメント(70)が提供され、前記プラグ検出アレンジメントは、前記プラグコネクタソケット(18)の、前記2つのコンタクト要素(35、36)と、電気的に接続されることを特徴とする、
請求項1〜3のいずれか一項に記載のソケットアレンジメント。
前記第1のコンタクト要素(35)の前記第1のコンタクトホルダ(44)、及び/又は、前記第2のコンタクト要素(36)の前記第2のコンタクトホルダ(45)は、前記それぞれのコンタクトホルダ(44、45)の移動可能な支持のために、前記ハウジング部分(16)と共に、ガイドアレンジメント(46)を形成することを特徴とする、
請求項1に記載のソケットアレンジメント。
前記スプリングアレンジメント(38)は、前記第1のコンタクト要素(35)の前記第1のコンタクトホルダ(44)によって、及び/又は、前記第2のコンタクト要素(36)の前記第2のコンタクトホルダ(45)によって、支持されることを特徴とする、
請求項1、5、6のいずれか一項に記載のソケットアレンジメント。
前記スプリングアレンジメント(38)は、直接に前記第1のコンタクト要素(35)によって、又は、前記ハウジング部分(16)によって、支持され、かつ、前記第2のコンタクト要素(36)の、前記第2のコンタクトホルダ(45)によって、支持されることを特徴とする、
請求項1、5〜7のいずれか一項に記載のソケットアレンジメント。
少なくとも1つのプラグコネクタソケット(18)が、前記プラグコンタクトピン(19)のための、2つの受容領域(26)を有する、ダブルソケット(50)として構成され、前記受容領域は、差し込み方向(R)において、相互に隣接して配置されることを特徴とする、
請求項1〜9のいずれか一項に記載のソケットアレンジメント。
前記第1のコンタクト要素(35)、及び/又は、前記第2のコンタクト要素(36)は、差し込み方向に対して横方向に延在する軸のまわりを回転可能であるように支持されることを特徴とする、
請求項1〜11のいずれか一項に記載のソケットアレンジメント。
【背景技術】
【0002】
プラグを用いて、器具は、電気医療装置に、ソケットアレンジメントを介して接続されることが可能である。装置は、接続された器具に、高周波電圧、又は高周波電流を供給する。装置、及び器具は、高周波(RF)手術において使用される。RF手術では、200又は300kHz〜約4MHzの範囲内の周波数を有する、電圧、又は電流が使用される。
【0003】
これに関連して、電気医療器具のプラグが標準化されていないという問題、及び、複数のプラグコンタクトピンを有する異なるプラグが存在し、前記ピンは、異なる直径を有し、かつ、相互間の距離が異なっている、という問題が存在する。この結果として、手術器具の全てのプラグが、全ての電気医療装置の関連するソケットアレンジメントに、容易に接続されることが可能であるとは限らない。
【0004】
加えて、単極、又は双極用途のために設計された手術器具が存在する。それらは、異なる数のプラグコンタクトピンを有する、異なるプラグを含む場合がある。
【0005】
手術室内では、迅速かつ円滑な処置が重要である。これは、電気医療器具のプラグと、装置のソケットアレンジメントとの間に、良好な機械的、及び電気的接続が確立され得ることを要求する。
【0006】
独国特許出願公開第102007061483(A1)号明細書には、電気医療装置のプラグのための、複数のプラグコネクタソケットを含む、手術装置コネクタシステムが記載されている。スイッチマトリクスを介して、ソケットアレンジメントのプラグコネクタソケットは、電気医療装置の特定の入力又は出力ソケットに、電気的に接続されることが可能である。例えばソケットアレンジメントのデータインタフェースによって受信されたデータを使用して、スイッチマトリクスを介したこの電気的接続は、達成されることが可能である。データは、電気医療器具のプラグによって、データインタフェースに転送されることが可能である。言わば、装置のソケットアレンジメントは、自動プラグ検出を実行し、必要な電気的接続を、スイッチマトリクスを介して、自動的に確立する。装置への器具の接続時における誤りが、このようにして回避され得る。しかし、スイッチマトリクスは、機械的及び電気的に、安全に接続される必要がある、異なる寸法に作られたプラグが存在するという問題を解決しない。
【0007】
東独国特許第214724号明細書では、ソケットアレンジメントを使用した電気的プラグ接続が開示されている。プラグコンタクトピンを受容するために、ソケットアレンジメントは、いくつかのブッシュを含み、ブッシュは、接続側面上でそれぞれのブッシュを支えているプレートを越えて突出する。ブッシュの突出している部分内に、凹部が提供され、その中で、凹部に、例えば、円筒状コンタクト要素が挿入される。円筒状コンタクト要素は、屈曲したレッグスプリング(bent leg spring)を介して、プレート上のブッシュに相対的に旋回可能であるように支持される。接続側面の反対側の、背側面上で、レッグスプリングは、プレートから突出し、そして、その位置において電気的接続を形成してもよい。ブッシュ内に挿入された後、プラグコンタクトピンは、コンタクト要素とコンタクトし、前記コンタクト要素を介して、レッグスプリングと電気的に接続される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この従来技術を前提として、本発明の目的は、電気医療装置のためのソケットアレンジメント(前記ソケットアレンジメントは、様々なプラグ設計について、及び、様々なタイプの器具のプラグについて、安全な機械的、及び電気的コンタクトを可能にする)を提供することであると考えることができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、ソケットアレンジメントが提案され、前記ソケットアレンジメントは、ハウジング部分(housing part)内に配置された、少なくとも1つのプラグコネクタソケットを含む。例えば、使用されるハウジング部分は、電気医療装置のハウジングのセクションであるか、又は、ソケットアレンジメントの、別個のソケットハウジングである(このソケットハウジングは、装置内に挿入されてもよい)。少なくとも1つのプラグコネクタソケットは、電気的な第1のコンタクト要素、及び、電気的な第2のコンタクト要素を含む。第2のコンタクト要素は、第1のコンタクト要素に対して相対的に移動可能であるように支持される。2つのコンタクト要素は、プラグコンタクトピンのための受容領域の、対向する側において配置される。具体的には、前記コンタクト要素は、差し込み方向(これに沿って、プラグコンタクトピンは、プラグコネクタソケット内に挿入されることが可能である)に対して横方向に、直径に沿って対向する側において、相互に距離を隔てて配置される。両方のコンタクト要素は、差し込み方向のまわりの円周方向において、好ましくは、それぞれ、1つの円周方向セクションにおいて、プラグコンタクトピンのための受容領域の境界を定める。好ましくは、円周方向で見ると、ハウジングの内部に対向する、コンタクト要素の2つの円周方向セクションの間に、開領域が存在する。これらの開領域は、異なる直径を有するプラグコンタクトピンの収容を可能にする。
【0011】
一例示的実施形態について述べると、受容領域は、少なくとも2つの、軸方向に隣接するセクションに分割される。ハウジング開口部は、受容領域の第1のセクションを表す。これは、受容領域26の第2のセクションによって隣接され、第2のセクション内にコンタクト要素が配置される。コンタクト要素は別にして、この第2のセクション内の受容領域は、好ましくはハウジングの内部に向けて開放されており、特に、プラグコネクタソケットのブッシュ形状の部分によって、直径に関して、境界を定められない。好ましくは、受容領域の第3のセクションが、第2のセクションに隣接してもよい。プラグコンタクトピンの自由端を受容するために、この第3の受容セクションは、ブッシュ部分(bush part)内に、円筒状凹部を備えてもよい。ブッシュ部分は、ハウジングの一部を成す構成要素であってもよく、又は、別個の構成要素であってもよい。ハウジング開口部の、及び、必要に応じて、ブッシュ部分内の凹部の、直径又は断面は、2つのコンタクト要素の間の最大距離より大きい、又は、挿入され得るプラグコンタクトピンの最大直径より大きい。プラグコンタクトピンの機械的固定は、受容領域の、第1の、及び、必要に応じて、第3のセクションにおいては、達成されないか、又は、必須ではないようにのみ達成され、しかし、特に、第2のセクションにおいてのみ、コンタクト要素によって達成される。
【0012】
プラグコンタクトピンを、又は、何本かのプラグコンタクトピンを有するプラグを、前記ピンの延在方向において移動させるために、−機械的固定効果に起因して−、必要とされる、押す力又は引く力は、好ましくは、少なくとも15N、かつ、最大で60Nである。好ましくは、コンタクト要素は、差し込み方向において移動不能に配置され、かつ、特に、差し込み方向に対して横方向に延在する軸に関して、往復移動させられることも、その軸のまわりを旋回、又は回転させられることもできない。この結果として、特に大きな押す力又は引く力を生成することが可能である。
【0013】
プラグコンタクトピンの差し込み方向における、受容空間の長さは、約14mm〜16mmである。
【0014】
加えて、ソケットアレンジメントはスプリングアレンジメントを含む。スプリングアレンジメントは、第2のコンタクト要素に、第1のコンタクト要素に向けた方向において、プリテンションを与える。プリテンション力は、特に、差し込み方向に対して半径方向のみに向けられる。好ましくは、スプリングアレンジメントは、2つのコンタクト要素に対して電気絶縁される。スプリングアレンジメントは、2つのコンタクト要素の間に挿入されたプラグコンタクトピンが、対向する側から機械的に作用され、更に、それぞれのコンタクト要素と電気的に接続される、という効果を有する。2つのコンタクト要素が、それらが相互に相対的に移動可能であるように支持されるという事実の結果として、異なる直径を有するプラグコンタクトピンが、プラグコネクタソケット内で、電気的に安全な様態で保持され、コンタクトされることが可能となる。また、この場合、コンタクト要素自体は、硬質であるように、かつ、ここで発生する力を使用しても弾性的に変形させられ得ないように設計される。
【0015】
プラグコンタクトピンが挿入された状態では、前記ピンが、2つのコンタクトを短絡させる。この電気的短絡接続は、検出、及び/又は、解析されることが可能である。第1及び第2のコンタクト要素は、同一であるように構成されてもよい。好ましくは、ハウジング部分は、各プラグコネクタソケットのためのハウジング開口部を有し、このハウジング開口部を介して、それぞれ、1本のプラグコネクタピンが挿入されることが可能である。コンタクト要素は、特に、ハウジング部分によって、いかなる不注意な接触に対しても保護され、電気医療装置内に取り付けられた場合、外部からは手が届かない。
【0016】
プラグコンタクトピンがプラグコネクタソケット内に挿入されていない状態では、2つのコンタクト要素は、それらのホームポジションにある。ホームポジションにおける2つのコンタクト要素の間の最小距離は、好ましくは、少なくともコンタクト要素が相互にコンタクトしないための、かつ、プラグコンタクトピンが挿入されるための、十分な大きさである。プラグコネクタソケット内に挿入されることが可能なプラグコンタクトピンの最小直径は、2つのコンタクト要素の、それらのホームポジションにおける相互間の最小距離によって、限界が定められる。最小距離は、例えば、3.7mm又は3.8mm未満である。プラグコネクタソケット内に挿入されることが可能なプラグコンタクトピンの最大直径は、2つのコンタクト要素の間の最大距離によって予め規定され、前記最大距離は、場合によっては、例えば、5.0mm〜5.5mmの範囲内である。2つのコンタクト要素は、少なくとも1mmを超えて、特に、少なくとも1.3mmだけ、相互に相対的に移動させられることが可能である。
【0017】
従って、スプリングブレードを有する半径方向に弾力性のある弾性プラグコンタクトピン、及び、スプリングブレードを有さない硬質プラグコンタクトピンが、プラグコネクタソケットによって収容されることが可能である。全てのプラグタイプ及び直径のための、十分な機械的固定効果が生成される。
【0018】
1つの好ましい実施形態について述べると、共用のプラグコネクタソケットの2つのコンタクト要素は、ハウジング部分に相対的に移動可能であるように支持される。あるいは、第2のコンタクト要素のみを、ハウジング部分に相対的に移動可能であるように配置することも可能である。実施形態に応じて、2つのコンタクト要素の間の振れは、ハウジングに相対的な、第2のコンタクト要素の移動によって、又は、両方のコンタクト要素の移動によって、もたらされる。
【0019】
特に、共用のプラグコネクタソケットの、2つのコンタクト要素は、異なる電位を示す。この電位の違いは、絶縁体、又は、電位の違いを発生させる別の手段を使用して、達成されてもよい。例えば、プラグコンタクトピンがプラグコネクタソケット内に挿入されていない限り、2つのコンタクト要素は、相互に電気絶縁されている、又は、それらの電位は相互に異なっている。この構成では、例えば、2つのコンタクト要素の間の電位、及び/又は、電気的接続を解析することによって、挿入されたプラグコンタクトが非常に簡単に検知されることが可能である。
【0020】
一例示的実施形態では、ソケットアレンジメントは、プラグ検出装置を含んでもよい。このプラグ検出装置は、ソケットアレンジメントのデータインタフェースに、かつ/又は、プラグコネクタソケットの2つのコンタクト要素に、電気的に接続される。接続されている器具のタイプに関する情報、又は、器具の動作ステータスについての関連情報が、データインタフェースを介して装置に送信されてもよい。加えて、又はあるいは、プラグコンタクトピンが挿入されていることを判定するために、2つのコンタクト要素の間の電気的接続が、検出又は解析されてもよい。複数のプラグコネクタソケットを含むソケットアレンジメントについて述べると、プラグコンタクトピンが挿入されているプラグコネクタソケットに応じて、接続されている器具のタイプを検出することが可能である。例えば、プラグ検出装置は、単極、及び双極の、電気医療手術器具を、区別することが可能である。加えて、プラグ検出装置は、−適切なコンタクトが存在する場合−、プラグコネクタソケットのそれぞれのコンタクト要素(1つ又は複数)にRF電圧が印加されてもよいということを装置に知らせる、許可信号を生成してもよい。
【0021】
1つの好ましい実施形態では、第1のコンタクト要素は非導電性の第1のコンタクトホルダ上に配置され、かつ/又は、第2のコンタクト要素は非導電性の第2のコンタクトホルダ上に配置される。例えば、コンタクトホルダはプラスチック材料で作られてもよい。例えば、コンタクト要素は、リング又はスリーブの形状を有し、関連するコンタクトホルダ上に、移動可能に、又は移動不能に配置される。また、コンタクト要素は、受容領域に向いたコンタクト表面領域を有する、かつ、差し込み方向のまわりの円周方向において、湾曲した様態で延在する、平行六面体に類似した輪郭を有してもよい。コンタクト要素は、真鍮、銅、ベリリウム銅、又は、別の導電性材料、特に、金属、又は金属合金からなってもよい。コンタクト要素は、改変されてもよく、特に、それらは、ニッケルめっき、及び/又は、金めっきされてもよい。それぞれのコンタクト要素の、電気絶縁された支持は、電気的コンタクトホルダを介して容易に達成され得る。導電性構成要素のサイズ及び数は、最小にされてもよい。従って、導電性構成要素が動作中にアンテナのような働きをして、望ましくない電磁放射を発する、という危険性を減らすことが可能である。
【0022】
2つのコンタクト要素の、相互に相対的な可動性は、第1のコンタクトホルダ、及び/又は、第2のコンタクトホルダが、ハウジング部分上で移動可能に支持されるということにより、非常に簡単に達成されることが可能である。相対的可動性は、ガイドアレンジメントによって、1つの移動方向に限定されてもよく、これにより、例えば直線移動が、相対移動として予め規定される。好ましくは、移動方向は、差し込み方向に対して半径方向であるように向けられる。一例示的実施形態について述べると、2つのコンタクトホルダは、共に、ガイドアレンジメントを形成し、これにより、それらは、移動方向において、相互に直接隣接して移動可能であるために支持される。この実施形態では、コンタクトホルダは、コンタクト要素を有する、及び、必要に応じて、加えて、スプリングアレンジメントを有する、組み立てユニットを形成してもよく、この組み立てユニットは、予め組み立てられて、ソケットアレンジメント内にモジュールとして挿入されてもよい。
【0023】
第2のコンタクトホルダ、及び/又は、第1のコンタクトホルダが、ハウジング部分と共に、ガイドアレンジメントを形成することも可能である。例えば、第1のコンタクトホルダは、ハウジング部分に固定して取り付けられてもよく、第2のコンタクトホルダは、次に、ハウジング部分上のガイドアレンジメントを介して、移動可能に支持される。この実施形態について述べると、移動可能に支持される部品の数が減らされることが可能である。
【0024】
1つの好ましい例示的実施形態について述べると、スプリングアレンジメントは、コンタクトホルダのうちの少なくとも1つに作用する。スプリングアレンジメントと、コンタクト要素との間の、直接の機械的、及び/又は、電気的接続が、このようにして防止されてもよい。絶縁コンタクトホルダが、スプリングアレンジメントを、コンタクトホルダ上にそれぞれ配置されたコンタクト要素から電気的に分離する。
【0025】
スプリングアレンジメントは、第1のコンタクトホルダに対して、及び/又は、第2のコンタクトホルダに対して、当接することが可能である。この場合、スプリングアレンジメントは張力をかけられて装着されてもよい。更に、スプリングアレンジメントは、一方で、第1のコンタクト要素に対して直接、又はハウジング部分に対して、当接し、他方で、第2のコンタクトホルダに対して、当接することが可能である。この修正形態では、スプリングアレンジメントは、好ましくは、圧力をかけられて装着されてもよい。
【0026】
各実施形態において、スプリングアレンジメントは、少なくとも、例えば、リーフスプリング、ヘリカルスプリング、弾性変形可能なスプリング要素(例えば、エラストマーリング)であってもよい、スプリング要素である。スプリングアレンジメントは、同じタイプの、又は異なるタイプの、前記スプリング要素のうちの複数を含んでもよい。スプリングアレンジメントの、少なくとも1つのスプリング要素は、好ましくは、非導電性である。
【0027】
ソケットアレンジメントが、少なくとも2つのプラグコネクタソケットを含む場合、2つの第1のコンタクト要素と、2つの第2のコンタクト要素とは、それぞれ、更に、共用のコンタクトホルダ上に配置されてもよい。この結果として、構成要素の数が減らされることが可能である。更に、2つのプラグコネクタソケットは、共用のスプリングアレンジメントを含むことが可能である。共用のコンタクトホルダ上に配置された、第1及び第2のコンタクト要素は、相互に電気絶縁されてもよい。
【0028】
様々なコンタクトピン距離を示す、異なるプラグの挿入を容易にするために、少なくとも1つのプラグコネクタソケットは、ダブルソケットとして構成されてもよい。これは、プラグコンタクトピンのための、2つの受容領域を含み、前記受容領域は、相互に隣接して配置される。ダブルソケットは、ハウジング部分内に、共用のハウジング開口部を有してもよい。両方の受容領域が、好ましくは、(プラグコンタクトピンが、ダブルソケットの一方の受容領域に差し込まれるか、他方の受容領域に差し込まれるかにかかわらず、プラグコンタクトピンと機械的、及び電気的にコンタクトする)共用の第1の、及び/又は、共用の第2のコンタクト要素に関連する。あるいは、(好ましくは、機械的、及び/又は、電気的に、相互に接続された)2つの、第1の及び第2のコンタクト要素を提供することも可能である。ソケットアレンジメントの柔軟性が、そのようなダブルソケットによって、更に増加し、かつ、接続されることが可能な電気医療器具の数が増加する。
【0029】
少なくとも1つの第1のコンタクト要素のためのコンタクトホルダ、及び/又は、少なくとも1つの第2のコンタクト要素のためのコンタクトホルダは、差し込み方向に対して横方向に、かつ、一実施形態では、相互に平行に、延在してもよい。
【0030】
プラグコネクタソケットの、第1のコンタクト要素、及び/又は、第2のコンタクト要素は、差し込み方向に対して横方向において、差し込み方向のまわりの円周方向に、凹型に湾曲してもよい。この結果として、挿入中の、プラグコンタクトピンの向上したガイドが達成される。加えて、コンタクト要素とプラグコンタクトピンとの間のコンタクト表面が、湾曲に起因して、拡大されることが可能である。好ましくは、少なくとも直線的な、かつ、特に、平面的な、当接が、各コンタクト要素と、挿入されたプラグコンタクトピンとの間に存在する。
【0031】
第1の、及び/又は、第2のコンタクト要素は、差し込み方向に対して横方向に、かつ、好ましくは、移動方向に対して横方向に、延在する軸のまわりを、例えば、関連するコンタクトホルダ上で、回転させられてもよい。支持は、すべり軸受け(sliding bearing)、又はころ軸受け(roller bearing)(例えば、ボールベアリング)を介して、達成されてもよい。
【0032】
本発明の、追加の、有利な実施形態は、従属請求項から、及び、説明から、推測されることが可能である。説明は、本発明の本質的な特徴に、及び、有利な例示的実施形態に、限定されている。以下では、本発明について、例示的実施形態を参照して、更に詳細に説明する。図面は、補助的参照のために使用される。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1及び
図2は、電気医療装置のソケットアレンジメント15を示す。ソケットアレンジメント15は、ハウジング部分16(例えば、ソケットハウジング17)内に配置された、複数のプラグコネクタソケット18を含む。ハウジング部分は、電気絶縁材料(特に、プラスチック材料)からなる。各プラグコネクタソケット18は、プラグ20のプラグコンタクトピン19(
図3、及び
図4)との、機械的、及び電気的コンタクトのために配置される。プラグ20は、電気医療(好ましくは、手術)器具に属する。単極手術器具のプラグ20は、3本のプラグコンタクトピン19を有し(
図3)、双極器具のプラグ20は、2本のプラグコンタクトピン19を有する(
図4)。プラグ20のプラグコンタクトピン19の、長さ、太さ、及び相互間の正確な距離は、予め正確に規定されてはおらず、その結果として、異なる製造業者に起因する偏差が発生する。ソケットアレンジメント15は、相互に異なる寸法に作られた、及び、プラグコンタクトピン19の間の距離が異なる、異なるタイプのプラグ20が、機械的に、かつ電気的に、接続され得るような様態で構成される。
【0035】
プラグコネクタソケット18に加えて、ソケットアレンジメント15は、データインタフェース23も含んでもよい。データインタフェース23に適合するプラグコンタクト24も、プラグ20上に提供されてもよい。器具は、情報(例えば、器具の、現在存在している動作モード、エラーステータス、器具のタイプに関する情報など)を、電気医療装置に、プラグ20、及びプラグコンタクト24を介して送信してもよい。
図1におけるような例示的実施形態では、データインタフェース23は、4ピンコンタクトとして構成される。USB、又はミニUSBインタフェース、あるいは、マイクロSDインタフェース(
図5)などの、その他の形態のデータインタフェース23も使用されてもよい。好ましくは、データインタフェース23は、少なくとも4本のピンを有する。データインタフェース23のコネクション、又はコンタクトは、ソケットハウジング17、及びハウジング部分16のそれぞれの、接続側面25上で、ハウジング部分16の接続側面25によって規定される面の後ろに配置される。従って、データインタフェース23のためのコネクションオプションを含まないプラグ20の挿入は、妨げられない。
【0036】
各プラグコネクタソケット18は、関連するプラグコンタクトピン19のための受容領域26を有する。受容領域26は、特に
図8、及び
図9において、全体が示されている。受容領域26は、接続側面25から、差し込み方向Rにおいて延在し、この中で、プラグコンタクトピン19は、プラグコネクタソケット18に差し込まれる。受容領域26は、ハウジング開口部27を含み、ここでは、ハウジング部分16、及びソケットハウジング17のそれぞれが、接続側面25に向かって開口されている。ハウジング開口部27は、受容領域26の第1のセクション26aを表す。ハウジング開口部27に隣接するのは、受容領域26の第2のセクション26bである。第2のセクション26bは、差し込まれたプラグコンタクトピン19を、機械的に所定の位置に固定し、差し込まれたプラグコンタクトピン19と、電気的にコンタクトするために配置された、コンタクトアレンジメント28の領域内にある。この例による、受容領域26の第3のセクション26cは、プラグコンタクトピン19の自由端29を収容するために配置される。第3のセクション26cは、差し込み方向Rにおいて延在する、ソケット部分(socket part)31の凹部30によって提供される。ソケット部分は、ハウジング部分16の、従ってソケットハウジング17の、一部を成す構成要素であってもよく、又は、別個の構成要素であってもよい。
【0037】
ハウジング開口部27内の第1のセクション26aと、ソケット部分31内の第3のセクション26cとにわたって、ほぼ差し込み方向Rに向かう、差し込まれたプラグコンタクトピン19が配置される。ハウジング開口部27、及び、ソケット部分31内の凹部30の、断面、又は直径は、プラグコンタクトピン19の、全ての挿入可能な断面形状、及び直径サイズが、受容され得るような様態で選択される。
図8、及び
図9による例示的な図の修正形態では、プラグコンタクトピン19の外径は、従って、ハウジング開口部27、又は凹部30の内径と必ずしも一致する必要はなく、より小さくてもよい。言い換えると、ハウジング開口部27の、及び凹部30の、断面、又は直径が、プラグコンタクトピンの断面、又は直径より大きい場合、−受容領域26の、第1のセクション26aにおいても、第3のセクション26cにおいても−、プラグコンタクトピンに作用する、かなりの保持力は存在しない。プラグコネクタソケット内に挿入されたプラグコンタクトピンは、例えば、第2のセクション26bにおいてのみ、コンタクトアレンジメント28によって、所定の位置に固定される。
【0038】
図5〜
図7は、コンタクトアレンジメント28の様々な例示的実施形態を示す。コンタクトアレンジメント28をより良好に示すために、ハウジング開口部27を有する、ハウジング部分16の接続側面は、省略されている。
図7は、コンタクトアレンジメントのみを、ソケットアレンジメント15のその他の部分なしに示している。
【0039】
プラグコネクタソケット18の各コンタクトアレンジメント28は、導電性の第1のコンタクト要素35と、導電性の第2のコンタクト要素36とを含む。好ましくは、2つのみのコンタクト要素35、36が提供される。プラグコンタクトピン19が差し込まれていない状態では、2つのコンタクト要素35、36は、相互に隔てられている。例示的実施形態では、共用のプラグコネクタソケット18の、2つのコンタクト要素35、36のうちの一方、好ましくは、第1のコンタクト要素35が、−例えば、ターミナルラグ37(
図2)を介して−、電気医療装置の、対応する入力、又は出力に接続される。他方のコンタクト要素35、36も、プラグコンタクトピン19の検出のために使用される、ターミナルラグ37を有する。ソケットアレンジメント15の、少なくとも1つのコンタクト要素35、36は、高周波電圧、又は高周波電流を送信するように意図され、設計される。
【0040】
2つのコンタクト要素35、36は、受容領域26の、かつ、この例によれば、受容領域26の第2のセクション26bの、対向する側において、相互に距離を隔てて配置される。前記コンタクト要素は、差し込み方向Rに対して半径方向の、移動方向Bにおいて、相互に最小の距離を隔てて配置される。好ましくは、最小距離は、3.7mm未満である。第2のコンタクト要素36は、第1のコンタクト要素35に対して相対的に、移動方向Bにおいて、移動させられてもよい。
図5におけるような、コンタクトアレンジメント28の第1の例示的実施形態では、プラグコネクタソケット18の、両方のコンタクト要素35、36は、前記コンタクト要素が、移動方向Bにおいて、直線方向にシフトさせられることが可能なように、ハウジング部分16、及びソケットハウジング17のそれぞれにおいて支持される。これの修正形態では、第2のコンタクト要素36のみが、ハウジング部分16に相対的に移動可能であるように、支持されることも可能である。2つのコンタクト要素35、36の相対的な移動によって達成される、2つのコンタクト要素35、36の最大距離は、例えば、5.0mmである。従って、3.7mm〜5.0mmの範囲の、異なる直径を有するプラグコンタクトピンが、2つのコンタクト要素35、36の間に差し込まれることが可能である。
【0041】
スプリングアレンジメント38が、移動方向Bにおいて、2つのコンタクト要素35、36の間に、プリテンション力を発生させるために配置される。これを達成するために、スプリングアレンジメント38は、引張力、及び/又は、押圧力を加えてもよい。好ましい例示的実施形態では、スプリングアレンジメント38は、複数の別個のスプリング要素39を含む。スプリング要素39は、ヘリカルスプリング、リーフスプリング、又は弾性変形可能なスプリング要素であってもよい。
図5による例示的実施形態では、各スプリングアレンジメントは、2つのエラストマーリング40(それぞれが、スプリング要素39を表す)を含む。
【0042】
図5による第1の例示的実施形態では、第1のコンタクト要素35は、第1のコンタクトホルダ44上に取り付けられ、第2のコンタクト要素36は、第2のコンタクトホルダ45上に取り付けられる。コンタクトホルダ44、45は、非導電性のプラスチック材料からなる。2つのコンタクトホルダ44、45は、ロッド形状であり、横方向Qにおいて延在する。横方向Qは、差し込み方向Rに対して直角に、かつ、移動方向Bに対して直角に、延在する。横方向Qで見ると、スプリングアレンジメント38のエラストマーリング40は、第1のコンタクト要素35の、及び、第2のコンタクト要素36の、両側に配置される。エラストマーリング40は、2つのコンタクトホルダ44、45に外接する。従って、それらは、両方のコンタクトホルダ44、45に作用し、プリテンション力を加えることによって、移動方向Bにおいて、それらを相互に向けて引っ張る。
【0043】
コンタクトアレンジメント28の第1の例示的実施形態では、コンタクトホルダ44、45のそれぞれは、ハウジング部分16、及びソケットハウジング17のそれぞれにおいてガイドされて、移動方向Bにおいて、ガイドアレンジメント46を介して往復移動可能であるように、支持される。これを達成するために、ガイドアレンジメント46は、移動方向Bにおいて延在する、スリット47を有する。スリット47の代わりに、ハウジング部分16内に、溝状の凹部を提供することも可能である。関連するコンタクトホルダ44、45は、スリット47内で係合する。コンタクトホルダは、移動方向Bにおいて、往復移動可能であるように、支持される。それぞれのコンタクトホルダ44、45のねじれを防止するために、前記コンタクトホルダは、−その他の点では好ましい円筒形状とは異なり−、スリット47のスリット壁に対して摺動する様態で当接する、2つの平坦な領域を有してもよい。
【0044】
この例におけるように、コンタクトホルダ44、45のそれぞれの、端セクションは、ハウジング部分16のスリット47内で支持される。2つのコンタクト要素35、36の、それらのホームポジションにおける相互間の距離は、プラグコンタクトピン19が挿入されていない状態で、コンタクトアレンジメント28の、第1のコンタクトホルダ44のためのスリット47と、第2のコンタクトホルダのためのスリット47との間の、移動方向Bにおいて測定される距離Aを介して、予め規定されてもよい。
【0045】
図5によるコンタクトアレンジメント28の第1の例示的実施形態では、第1のコンタクト要素35、及び第2のコンタクト要素36は、それぞれの関連するコンタクトホルダ44、45上に、移動不能に配置される。その修正形態では、コンタクト要素35、36の一方または両方は、横方向Qにおいて延在する回転軸のまわりを回転可能であるように、コンタクトホルダ44及び45上で、それぞれ支持されてもよい。回転支持は、すべり軸受け、又はころ軸受けを用いて達成されてもよい。この結果として、コンタクト要素と、プラグコンタクトピンとの間の摩擦が、前記コンタクトピンの、差し込み方向Rにおける、受容領域26内への、又は受容領域26からの、移動の間、減らされることが可能である。
【0046】
コンタクト要素35、36のそれぞれは、受容領域26に隣接するコンタクト表面領域41を有する。
図5に示すように、コンタクト要素35、36のコンタクト表面領域41は、横方向Qにおいて凹型に湾曲するように構成されてもよい。横方向Qにおける、この湾曲の結果として、プラグコンタクトピン19の、いくらかのガイディング、又はセンタリングを達成することが可能である。
図5に示す実施形態の修正形態では、2つのコンタクト要素35、36のうちの一方のみに、コンタクト表面領域41の、対応する湾曲を提供することも可能であり、それぞれの他方のコンタクト要素は、横方向Qにおいてまっすぐな様態で延在する外面を有する。コンタクトアレンジメント28の第1の例示的実施形態における、コンタクト要素35、36の、スリーブ形状、又は中空円筒に類似した形状に起因して、コンタクト表面領域41は、差し込み方向において凸型に湾曲する。加えて、又はあるいは、差し込み方向においてまっすぐであるコンタクト表面領域41を有するコンタクト要素35、36を提供することも可能であり、これは、
図6、及び
図7による実施形態によって示されている。
【0047】
コンタクト要素35、36は、それぞれ、コンタクトホルダ44、及び45の配置のために使用されることが可能な、円筒状通過開口部を有してもよい。コンタクト要素35、36は、例えば、金属、又は金属合金などの、導電性材料からなり、これは更に改変されてもよく、例えば、金めっき、又はニッケルめっきされてもよい。コンタクト要素35、36は、それぞれ、コンタクトホルダ44、45に、取り外し可能に、又は取り外し不能に接続されてもよい。例えば、射出成型によって、コンタクトホルダ44、45を、それぞれ、コンタクト要素35、及び36に合わせて成形することも可能である。
【0048】
ここでの実施形態を参照すると、ソケットアレンジメント15は、3つのプラグコネクタソケット18を含み、ここで、1つ又は複数のプラグコネクタソケット18は、1本のプラグコンタクトピン19のために、それぞれ2つの受容領域26を含むダブルソケット50として構成される。例えば、シングルプラグコネクタソケット18は、1本のプラグコネクタピン19のための、1つのみの受容領域26を使用して構成される。シングルソケット51は、特に、プラグ20が挿入された場合に、−器具タイプとも、プラグ設計とも無関係に−、プラグコンタクトピン19によって常に占められる、基準ソケットとして働くために配置される。好ましくは、データインタフェース23は、この例におけるように、シングルソケット51と、2つのダブルソケット50との間に配置される。
【0049】
ダブルソケット50のためのコンタクトアレンジメント28は、本質的に、シングルソケット51のためのコンタクトアレンジメント28と同じ方法で設計される。各コンタクトアレンジメント28は、第1のコンタクトホルダ44上の第1のコンタクト要素35と、第2のコンタクトホルダ45上の第2のコンタクト要素36と、2つのコンタクトホルダ44、45の間、及び2つのコンタクト要素35、36の間に、それぞれ、プリテンション力を生成するための、スプリングアレンジメント38とを有する。ダブルソケット50として構成されたプラグコネクタソケット18を参照すると、共用の第1のコンタクト要素35、及び共用の第2のコンタクト要素36が、両方の受容領域26のために提供される。ダブルソケット50のコンタクト要素35、36の形状は、シングルソケット51の2つのコンタクト要素35、36(前記コンタクト要素が横方向Qにおいて相互に直接隣接している)の形状と本質的に一致している。従って、ダブルソケット50のコンタクト要素35、36は、横方向Qにおいて相互に隣接する、2つの凹型に湾曲したコンタクト表面領域41を有する。あるいは、ダブルソケット50の各受容領域26のために、2つの別個の第1、及び第2のコンタクト要素(それらのコンタクト要素は、特に、電気的、及び/又は、機械的に、相互に接続されてもよい)を提供することも可能であろう。
【0050】
図5によって示される第1の例示的実施形態では、2つのダブルソケット50のための2つのコンタクトアレンジメント28は、共用の第1のコンタクトホルダ44、及び/又は、共用の第2のコンタクトホルダ45を含む。2つのコンタクトホルダ44、45に関連するスプリングアレンジメント38は、2つのダブルソケット50にも関連する。異なるプラグコネクタソケット18及びダブルソケット50のそれぞれに属し、共用のコンタクトホルダ44又は45上に配置された、2つの第1のコンタクト要素35及び2つの第2のコンタクト要素36のそれぞれは、絶縁体60を介して相互に電気絶縁される。この例におけるように、絶縁体60は環状体として構成され、そして、それぞれのコンタクトホルダ44又は45の一部を成す構成要素であってもよい。
【0051】
一般的に述べると、隣接するプラグコネクタソケット18のコンタクトアレンジメント28は、全ての実施形態において、共用の構成要素(特に、共用の第1のコンタクトホルダ44、及び/又は、共用の第2のコンタクトホルダ45、及び/又は、共用のスプリングアレンジメント38)を含んでもよい。
【0052】
シングルソケット51のコンタクトアレンジメント28に関連して説明したように、コンタクトホルダ44、45は、更に、それぞれハウジング部分16と共に、ガイドアレンジメント46を形成し、ここで、コンタクトホルダ44、45の軸方向端部は、それらがガイドされることが可能であるような様態で、スリット47内で移動可能に支持される。2つのダブルソケット50のコンタクトアレンジメント28を参照すると、スプリングアレンジメント38は、上記ですでに説明したように、エラストマーリング40として設計された、2つのスプリング要素39で構成される。
【0053】
横方向Qにおいて相互に隣接して配置された、プラグコンタクトピン19のための2つの受容領域26を有する2つのダブルソケット50を、プラグコンタクトピン19のために提供することによって、プラグ20内のプラグコンタクトピン19の異なる相対距離が許容され得る。2つのプラグコンタクトピン19の、相互間の距離に応じて、ピンは、ダブルソケット50の、一方、又は他方の受容領域26内で係合する。単極器具のプラグ20では、全てのプラグコネクタソケット18が、それぞれ、1本のプラグコンタクトピン19によって占められる。双極器具では、プラグ20は、2本のみのプラグコンタクトピン19を有し、それらのうちの一方は、シングルソケット51に関連し、他方は、2つのダブルソケット50のうちの一方に関連する。
【0054】
図5によって更に示されるように、シングルソケット51のソケット部分31内の凹部30はほぼ円筒状であり、ダブルソケット内では、これは、横方向Qにおいて2つの隣接する受容領域26にわたって延在する細長い穴の形状を有する.
【0055】
図6は、ソケットアレンジメント15のプラグコネクタソケット18のための、コンタクトアレンジメント28の修正された第2の例示的実施形態を示す。コンタクトアレンジメント28及びソケットアレンジメント15の同じ構成要素は、同じ参照符号によって識別される。以下では、これまでに説明した第1の実施形態と比較した違いのみについて説明する。
【0056】
図6によるコンタクトアレンジメント28の実施形態の主な違いは、コンタクトホルダ44、45、及びコンタクト要素35、36の、形状及び構成である。これまでに説明した修正形態とは異なり、2つのコンタクトホルダ44、45は、移動方向Bにおいて延在し、かつ、横方向Qにおいて相互に距離を隔てた、2つの脚部55を有し、かつ、横方向Qにおいて2つの脚部55を接続する横部片56を有する、弓形状、又はU形状である。脚部55と、横部片56とは、平行六面体の形状を有してもよい。2つの脚部55の間に、第1のコンタクト要素35と、第2のコンタクト要素36とが、それぞれ取り付けられる。コンタクト要素35、36は、2つの脚部55、及び横部片56に対して、3つの側面上で、−好ましくは平面的な様態で−、当接する。受容領域26に、特に受容領域の第2のセクション26bに向いた側面上で、コンタクト要素35、36のコンタクト表面領域41は、第1の例示的実施形態におけるのと同様に、横方向Qにおいて凹型に湾曲する。ダブルソケット50に属する、第1の、及び第2のコンタクト要素35、36のそれぞれは、2つの隣接する、凹型に湾曲したコンタクト表面領域41を含む。
図6によって示される第2の例示的実施形態では、コンタクト表面領域41は、差し込み方向Rにおいてまっすぐである。この結果として、プラグコンタクトピン19との、より大きなコンタクト表面が達成され得る。
【0057】
第1の実施形態と比較した、第2の実施形態の別の違いは、プラグコネクタソケット18に属する2つのコンタクトホルダ44、45が、移動方向Bにおいてガイドされた様態で往復移動可能なように、相互に直接隣接して支持されるという点にある。ガイドアレンジメント46は、2つのコンタクトホルダ44、45で構成される。例えば、第2のコンタクトホルダ45は、両方の脚部55のそれぞれにおいて、移動方向Bにおいて延在する1つのガイド凹部57を有する。ガイド凹部57は、溝又はスリットであってもよい。第1のコンタクトホルダ44から離れるように延在する、ガイド突出部58が、このガイド凹部57内で、移動方向Bにおいて係合する。ガイド凹部57及びガイド突出部58の長さは、2つのコンタクトホルダ44、45の、移動方向Bにおけるそれらの相対移動の間の振れに適合される。各相対位置において、ガイド突出部58は、ガイド凹部57と係合したままになる。あるいは、ガイド凹部が第1のコンタクトホルダ44上に提供され、ガイド突出部58が第2のコンタクトホルダ45上に提供されてもよい、ということが理解される。コンタクトホルダ44、45は、位置付け手段(図示せず)を含み、これは、ソケット部分31、及びソケットハウジング17のそれぞれにおける、対応する相補的な位置付け手段(図示せず)と相互作用する。この結果として、コンタクトホルダ44、45の、R方向及びQ方向における位置付けが確実にされる。
【0058】
ガイド突出部58及びガイド凹部57は、それぞれ、脚部55の横延在部59上に提供される。ホームポジションでは、共用のコンタクトアレンジメント28の、2つのコンタクトホルダ44、45、及び、特に、2つの横延在部59は、移動方向Bにおけるスプリングアレンジメント38のプリテンション力に起因して、相互に対して、−当接面68を使用して−、当接する。移動方向Bの対向する側面上で、第1のコンタクトホルダ44及び第2のコンタクトホルダ45の横延在部59は、丸みを帯びた、−好ましくは円弧のような形状の−、外面領域61を備え、この外面領域61はエラストマーリング40によって外接される。ホームポジションでは、コンタクトアレンジメント28の、2つのコンタクトホルダ44、45の、2つの直接隣接する横延在部は、−横方向Qで見ると−、ほぼ矩形の輪郭を形成し、前記輪郭は、丸みを帯びた端領域を有する。
【0059】
最初に説明した例示的実施形態におけるのと同様に、2つのダブルソケット50の2つのコンタクトアレンジメント28は、共用の第1のコンタクトホルダ44と、共用の第2のコンタクトホルダ45とを含み、これらは、いかなる場合も、2つの脚部55を、横部片56と共に有する。2つの第1のコンタクト要素35及び2つの第2のコンタクト要素36の、それぞれの間に、絶縁体60が、共用のコンタクトホルダ44、45上に配置されたコンタクト要素35、及び36の電気絶縁のために提供される。絶縁体60は、例えば平行六面体の形状を有し、2つの脚部と平行に配置される。前記絶縁体は、それぞれのコンタクトホルダ44、45の、一部を成す構成要素であってもよい。
【0060】
これまでに説明した、コンタクトアレンジメント28の第1及び第2の例示的実施形態では、コンタクトアレンジメント28の、両方のコンタクトホルダ44、45が、従って、両方のコンタクト要素35、36が、ハウジング部分16に相対的に、移動方向Bにおいて移動可能であるように支持される。
図7による第3の実施形態は、これらとは異なる。各コンタクトアレンジメント28の第1のコンタクト要素35は、この場合、ハウジング部分16及びソケットハウジング17のそれぞれに相対的に、移動不能であるように支持される。
図7による例示的実施形態におけるように、第1のコンタクト要素35のそれぞれは、各受容領域26に隣接する、横方向Qにおいて凹型に湾曲したコンタクト表面領域41を有する。第1のコンタクト要素35のためのコンタクトホルダは、ハウジング部分16又はソケットハウジング17の、図示されていない保持部である。
【0061】
第2のコンタクト要素36のみが、第2のコンタクトホルダ45を介して、移動方向Bにおいて、ハウジング部分16に相対的に、直線的に往復移動可能であるように支持される。第2のコンタクトホルダ45は、平行六面体の形状と、移動方向Bにおいて延在する2つの通過開口部63とを有する。ピン64(例えば、ねじ)が、この通過開口部63を通して延在し、この場合、ピン64は、関連する第1のコンタクト要素35と直接接続される。一実施形態では、ピンは、第1のコンタクト要素35に対して絶縁されてもよく、又は、非導電性材料からなってもよい。あるいは、ピン64は、導電性材料で作られてもよく、そして、コンタクト要素35に導電的に接続されてもよい。これは、ピン64が、コンタクト要素36に対して絶縁されるように配置されることを要求する。ヘリカルスプリング65の形態のスプリング要素39が、ピン64のまわりに同軸状に配置される。一方の側では、ヘリカルスプリング65は、ピン64のヘッド66上で支持され、他方の側では、通過開口部63内に提供される放射状突出部67上で支持され、前記放射状突出部は、例示的実施形態では、環状ステップとして構成される。ヘリカルスプリング65は、圧力をかけられて装着され、第2のコンタクトホルダ45を、第1のコンタクト要素35に向けて押す。全ての他の実施形態におけるのと同様に、スプリング要素39は、横方向Qにおいて、受容領域26の両側上に、又は、プラグコネクタソケット18の両方の受容領域26上に、配置される。
【0062】
第2のコンタクトホルダ45は、第2のコンタクト要素36を保持し、第2のコンタクト要素36のコンタクト表面領域41は、この場合、関連する第1のコンタクト要素35のコンタクト表面領域41より、差し込み方向Rにおいて短い。第2のコンタクト要素36は、差し込み方向Rにおいて及び横方向Qにおいて、まっすぐなコンタクト表面セクション41を有し、第1のコンタクト要素35のコンタクト表面セクション41は、横方向Qにおいて、凹型に湾曲している。
【0063】
コンタクトアレンジメント28及びソケットアレンジメント15の、先に説明した実施形態の機能原理について、
図8及び
図9を参照して、以下に説明する。
【0064】
図8において、コンタクトアレンジメント28の2つのコンタクト要素35、36は、それらのホームポジションにあり、そこでは、受容領域26の第2のセクション26bに隣接する、移動方向Bにおけるそれらの距離は、最も小さいプラグコンタクトピン19の直径又は太さより小さい。プラグコンタクトピン19がプラグコネクタソケット18内に挿入された場合、2つのコンタクト要素は、移動方向Bにおいて、スプリングアレンジメント38のプリテンション力に逆らって押し開かれ、プラグコンタクトピン19に対して、2つの対向する側のプリテンション力を受けて、当接する(
図9)。この結果として、プラグコネクタソケット18とプラグコンタクトピン19との間の、良好な電気的及び機械的接続が達成される。
【0065】
プラグコンタクトピン19が挿入された状態でのスプリングアレンジメント38のプリテンション力は、プラグコンタクトピン19を、又は、何本かのプラグコンタクトピン19を有するプラグ20を、移動させるための力が、少なくとも15Nかつ最大で60Nであるように規定される。この場合、差し込む力及び引き抜く力は、プラグ20のプラグコンタクトピン19の直径又は太さの関数として増減する。
【0066】
図8及び
図9において、ブロック図の様態でのみ示されているのと同様に、プラグ検出アレンジメント70が、様々なコンタクトアレンジメント28を含むソケットアレンジメント15の全ての実施形態において存在してもよい。好ましくは、プラグ検出アレンジメント70のそれぞれは、1つ以上のプラグコネクタソケット18の、第1のコンタクト要素35及び第2のコンタクト要素36に、別個に、電気的に接続される。例示的実施形態では、シングルソケット51の及び2つのダブルソケット50のうちの少なくとも1つの、2つのコンタクト要素35、36との、そのような電気的接続が存在している。
【0067】
プラグ又はプラグコンタクトピン19が挿入されていない場合、共用のプラグコネクタソケット18の、2つのコンタクト要素35、36は、異なる電位を受け、かつ、相互に電気絶縁されている。プラグコンタクトピン19が挿入された場合、2つのコンタクト要素35、36の間に、短絡が生じる。プラグ検出アレンジメント70によって検出されることが可能なのは、この電位又は状況の変化である。例えば、テスト電圧が、両方のコンタクト要素35、36に印加されてもよい。プラグコンタクトピン19が挿入されていない場合、電流は流れない。プラグコンタクトピン19が両方のコンタクト要素35、36をコンタクトさせ次第、電気回路が閉じられ、テスト電流が流れる。
【0068】
従って、プラグ検出アレンジメント70を、プラグコンタクトピン19が挿入されたプラグコネクタソケット18を検出するために使用することも可能である。3本のプラグコンタクトピン19が検出された場合、プラグ検出アレンジメント70は、接続された器具が1つの電極コネクタと2つの制御コネクタとを有する単極器具であることを示すために、電気医療装置に信号を出力してもよい。対照的に、2本のプラグコンタクトピン19のみが検出された場合、双極器具が使用されていると結論付けられてもよい。
【0069】
従って、プラグ検出アレンジメント70は、接続されている器具のタイプ(単極又は双極)を示す装置に、制御信号を出力してもよい。加えて、この制御信号又は別個の信号は、器具が接続されていること、及び、従って、器具の動作のために必要なRF電圧が電極コネクションに印加されてもよいということを装置に示す、許可信号として使用されてもよい。
【0070】
コンタクトアレンジメント28の様々な選択肢の、形状及び輪郭は、修正されてもよく、相互に組み合わされてもよい、ということが理解される。例えば、コンタクト要素35、36のコンタクト表面領域41は、横方向Qにおいて凹型に湾曲し、かつ/又は、差し込み方向Rにおいて凸型に湾曲するように構成されてもよい。コンタクト表面領域41が、横方向Qにおいて、かつ/又は、差し込み方向Rにおいて、まっすぐであることも可能である。この場合、任意の数の組み合わせが可能である。
【0071】
全ての例示的実施形態を考慮すると、第2のコンタクト要素36のみ、及び第2のコンタクトホルダ45のみの、それぞれが、あるいは、両方のコンタクト要素35、36、及び両方のコンタクトホルダ44、45の、それぞれが、移動方向Bにおいて、好ましくは、直線的な様態で往復移動可能であるように、ガイドされてもよい。説明した実施形態の修正形態では、移動方向Bに向けられた構成要素について、旋回移動が行われることも可能である。
【0072】
本発明は、少なくとも1つのプラグコネクタソケット18を含む、ソケットアレンジメント15に関する。各プラグコネクタソケット18は、2つの導電性のコンタクト要素35、36を有するコンタクトアレンジメント28と、スプリングアレンジメント38とを含む。2つのコンタクト要素35、36は、差し込み方向Rに対して直角の、又は斜めの、移動方向Bにおいて、相互に相対的に移動可能であるように支持される。スプリングアレンジメント38は、移動方向Bにおいて、コンタクト要素35、36の1つ又は両方に作用する。スプリングアレンジメント38のプリテンション力に起因して、2つのコンタクト要素35、36は、相互に向けて押される、又は引かれる。プラグコンタクトピン19がプラグコネクタソケット18内に挿入された状態では、2つのコンタクト要素は、移動方向Bにおいて相互に向けて移動させられ、プラグコンタクトピン19に対して、異なる側から当接する。この結果として、機械的固定効果と、電気的コンタクトとが提供される。