特許第5782503号(P5782503)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5782503新規有機電界発光化合物およびこれを使用する有機電界発光素子
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5782503
(24)【登録日】2015年7月24日
(45)【発行日】2015年9月24日
(54)【発明の名称】新規有機電界発光化合物およびこれを使用する有機電界発光素子
(51)【国際特許分類】
   H01L 51/50 20060101AFI20150907BHJP
   C07C 211/61 20060101ALI20150907BHJP
   C07C 217/94 20060101ALI20150907BHJP
   C07C 255/58 20060101ALI20150907BHJP
   C07F 7/10 20060101ALI20150907BHJP
   C09K 11/06 20060101ALI20150907BHJP
   C07D 333/66 20060101ALI20150907BHJP
   C07D 333/36 20060101ALI20150907BHJP
   C07D 307/82 20060101ALI20150907BHJP
   C07D 277/82 20060101ALI20150907BHJP
   C07D 263/58 20060101ALI20150907BHJP
   C07D 409/14 20060101ALI20150907BHJP
   C07D 213/38 20060101ALI20150907BHJP
   C07D 213/74 20060101ALI20150907BHJP
   C07D 265/38 20060101ALI20150907BHJP
   C07D 223/28 20060101ALI20150907BHJP
   C07D 333/20 20060101ALI20150907BHJP
   C07D 219/14 20060101ALI20150907BHJP
   C07D 307/66 20060101ALI20150907BHJP
   C07D 235/30 20060101ALI20150907BHJP
   C07D 241/48 20060101ALI20150907BHJP
   C07D 209/86 20060101ALI20150907BHJP
   C07D 519/00 20060101ALI20150907BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20150907BHJP
   C07D 215/38 20060101ALI20150907BHJP
   C07D 217/22 20060101ALI20150907BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20150907BHJP
【FI】
   H05B33/14 B
   C07C211/61CSP
   C07C217/94
   C07C255/58
   C07F7/10 C
   C07F7/10 S
   C09K11/06 620
   C09K11/06 635
   C09K11/06 655
   C09K11/06 650
   C09K11/06 660
   C09K11/06 645
   C07D333/66
   C07D333/36
   C07D307/82
   C07D277/82
   C07D263/58
   C07D409/14
   C07D213/38
   C07D213/74
   C07D265/38
   C07D223/28
   C07D333/20
   C07D219/14
   C07D307/66
   C07D235/30 B
   C07D241/48
   C07D209/86
   C07D519/00 311
   C07D401/14
   C07D215/38
   C07D217/22
   H05B33/12 A
【請求項の数】8
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2013-507866(P2013-507866)
(86)(22)【出願日】2011年4月11日
(65)【公表番号】特表2013-530513(P2013-530513A)
(43)【公表日】2013年7月25日
(86)【国際出願番号】KR2011002526
(87)【国際公開番号】WO2011136484
(87)【国際公開日】20111103
【審査請求日】2014年4月10日
(31)【優先権主張番号】10-2010-0040610
(32)【優先日】2010年4月30日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】509266480
【氏名又は名称】ローム・アンド・ハース・エレクトロニック・マテリアルズ・コリア・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】特許業務法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨン・ジル
(72)【発明者】
【氏名】キム,チ・シク
(72)【発明者】
【氏名】チョ,ヨン・ジュン
(72)【発明者】
【氏名】クォン,ヒョク・ジュ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ソン・ミン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ポン・オク
【審査官】 川村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2006/0240279(US,A1)
【文献】 国際公開第2007/063986(WO,A1)
【文献】 国際公開第2005/091684(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0088728(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 51/50−51/56
H05B 33/00−33/28
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式1で表される青色電界発光材料として使用される有機電界発光化合物:
【化1】
式中、
Ar〜Arは独立して、(C6−C30)アリール
およびR11〜R13は独立して、水素、(C1−C30)アルキル、(C3−C30)シクロアルキル、(C6−C30)アリール、(C2−C30)ヘテロアリール、(C1−C30)アルコキシ、(C6−C60)アリールオキシ、モノもしくはジ(C1−C30)アルキルアミノ、モノもしくはジ(C6−C30)アリールアミノ、(C6−C30)アリール(C1−C30)アルキルアミノ、トリ(C1−C30)アルキルシリル、ジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリル、またはトリ(C6−C30)アリールシリルを表し;
〜Rは独立して(C6−C30)アリールまたは(C2−C30)ヘテロアリールを表し;並びに
〜Rのアルキル、シクロアルキル、アリールもしくは、ヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリルもしくはトリアリールシリル;並びにAr〜Arのアリール、(C1−C30)アルキル、ハロ(C1−C30)アルキル、(C1−C30)アルコキシ、(C1−C30)アルキルチオ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、N、OおよびSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員〜7員のヘテロシクロアルキル、(C3−C30)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、(C6−C30)アリール、(C6−C30)アリールオキシ、(C6−C30)アリールチオ、(C2−C30)ヘテロアリール、(C6−C30)アリール(C1−C30)アルキル、(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリール、トリ(C1−C30)アルキルシリル、ジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリル、およびトリ(C6−C30)アリールシリルからなる群から選択される1以上の置換基によってさらに置換されていてよい。
【請求項2】
化学式2で表される請求項1に記載の有機電界発光化合物:
【化2】
式中、
およびRは独立してC6−C30)アリールまたは(C2−C30)ヘテロアリールを表し;
Ar〜Arは独立して、(C6−C30)アリールびに
およびRのアリールもしくはヘテロアリール;並びにAr〜Arのアリール、(C1−C30)アルキル、ハロ(C1−C30)アルキル、(C1−C30)アルコキシ、(C1−C30)アルキルチオ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、N、OおよびSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員〜7員のヘテロシクロアルキル、(C3−C30)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、(C6−C30)アリール、(C6−C30)アリールオキシ、(C6−C30)アリールチオ、(C2−C30)ヘテロアリール、(C6−C30)アリール(C1−C30)アルキル、(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリール、トリ(C1−C30)アルキルシリル、ジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリル、およびトリ(C6−C30)アリールシリルからなる群から選択される1以上の置換基によってさらに置換されていてよい。
【請求項3】
下記化合物から選択される請求項1に記載の有機電界発光化合物:
【化3】
【化4】
【化5】
【請求項4】
請求項1〜のいずれかに記載の有機電界発光化合物を含む有機電界発光素子。
【請求項5】
第1の電極;第2の電極;並びに、前記第1の電極と第2の電極との間に設けられた1以上の有機層;を含み、
前記有機層が1種以上の有機電界発光化合物と、化学式3または化学式4:
([化学式3]
(Ar11−L−(Ar12
[化学式4]
(Ar13−L−(Ar14
式中、Lは(C6−C30)アリーレンもしくは(C4−C30)ヘテロアリーレンを表し;
はアントラセニレンを表し;
Ar11〜Ar14は独立して、水素、重水素、(C1−C30)アルキル、(C1−C30)アルコキシ、ハロゲン、(C4−C30)ヘテロアリール、(C5−C30)シクロアルキルまたは(C6−C30)アリールを表し;並びに
Ar11〜Ar14のシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールは、(C6−C30)アリールもしくは(C4−C30)ヘテロアリール[(当該(C6−C30)アリールもしくは(C4−C30)ヘテロアリールは重水素、(C1−C30)アルキル、ハロ(C1−C30)アルキル、(C1−C30)アルコキシ、(C3−C30)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1−C30)アルキルシリル、ジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリルおよびトリ(C6−C30)アリールシリルからなる群から選択される1種以上の置換基を有するかもしくは有さない]、重水素、(C1−C30)アルキル、ハロ(C1−C30)アルキル、(C1−C30)アルコキシ、(C3−C30)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1−C30)アルキルシリル、ジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリル、およびトリ(C6−C30)アリールシリルからなる群から選択される1種以上の置換基でさらに置換されていてよく;並びに
a、b、cおよびdは独立して〜4の整数を表す)
で表される1種以上のホスト化合物とを含む、
請求項に記載の有機電界発光素子。
【請求項6】
有機電界発光素子が白色発光有機電界発光素子であり、前記有機層が青色、赤色もしくは緑色の光を放射する1以上の有機電界発光層を同時に含む、請求項に記載の有機電界発光素子。
【請求項7】
前記有機層が電界発光層と電荷発生層とを含む請求項に記載の有機電界発光素子。
【請求項8】
還元性ドーパントと有機物質との混合領域、または酸化性ドーパントと有機物質との混合領域が、電極の対のうちの一方もしくは両方の電極の内側表面上に配置される、請求項に記載の有機電界発光素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規の有機電界発光化合物(organic electroluminescent compound)、並びにこれを使用する有機電界発光素子(organic electroluminescent device)に関し、より具体的には、青色電界発光材料として使用される新規有機電界発光化合物およびこれをドーパントとして使用する有機電界発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイ素子の中では、電界発光(electroluminescent;EL)素子は、それが自己発光型ディスプレイ素子として広い視野角、優れたコントラストおよび速い応答速度を提供するという点で有利である。1987年に、イーストマンコダック(Eastman Kodak)は、電界発光層を形成するための物質として、低分子量芳香族ジアミンとアルミニウム錯体を使用する有機EL素子を初めて開発した[Appl.Phys.Lett.51,913,1987]。
【0003】
有機EL素子においては、ルミネッセンス効率および駆動寿命をはじめとするその性能を決定する最も重要な要因は電界発光材料である。電界発光材料のいくつかの要件には、固体状態での高い電界発光量子収率、高い電子および正孔移動度、真空蒸着中の分解に対する耐性、均一な膜を形成する能力、並びに安定性が挙げられる。
【0004】
有機電界発光材料は大まかに、高分子材料と低分子材料とに分類されうる。低分子材料には、分子構造の観点から、金属錯体と、金属を含まない完全有機電界発光材料とが挙げられる。トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体のようなキレート錯体、クマリン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ビス(スチリルアリーレン)誘導体、およびオキサジアゾール誘導体などが挙げられる。これらの材料から、青色から赤色の可視領域の光の放射が得られうることが報告されており、そしてカラーディスプレイ素子が実現されるであろうことが期待されている。
【0005】
その一方で、従来の青色材料については、出光興産によるジフェニルビニル−ビフェニル(DPVBi)(化合物a)の開発以来、多くの材料が開発されかつ商業化されてきた。出光興産からの青色材料系に加えて、コダックのジナフチルアントラセン(DNA)(化合物b)、テトラ(t−ブチル)ペリレン(化合物c)系などが知られている。しかし、これら材料に関して大規模な研究および開発が行われるべきである。
【0006】
今までで最も高い効率を有することが知られている出光興産のジスチリル(distryl)化合物系は、6 lm/Wの電力効率、および30,000時間を超える有利な素子寿命を有する。しかし、それがフルカラーディスプレイに適用される場合には、駆動時間の経過による色純度の低下のせいで、その寿命は数千時間にすぎない。青色電界発光の場合には、電界発光波長が長波長側に少しだけシフトすると、それは発光効率の観点からは有利になる。しかし、青色の満足できない色純度のせいで、高品質のディスプレイにその材料を適用するのは容易ではない。さらに、色純度、効率および熱安定性の問題のせいで、そのような材料の研究および開発が急を要している。
【0007】
【化1】
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Appl.Phys.Lett.51,913,1987
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のような従来技術の課題を解決するための集中的な取り組みによって、本発明者は優れた発光効率および著しく改良された寿命特性を有する有機電界発光素子を実現する新規有機電界発光化合物を発明した。本発明の目的は、上記課題を解決しつつ、従来のドーパント材料と比較してより良好な発光効率および素子寿命を提供する、適切な色座標を有する骨格を有する有機電界発光化合物、並びに当該有機電界発光化合物を使用する高効率かつ長寿命の有機電界発光素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
新規有機電界発光化合物、およびこれを使用する有機電界発光素子が提供される。この有機電界発光化合物は化学式1によって表される化合物である。青色の優れた発光効率および優れた寿命特性を有するので、本発明に従った有機電界発光化合物は、非常に優れた駆動寿命を有するOLED素子を製造するために使用されうる。
【0011】
【化2】
式中、
Ar〜Arは独立して、(C6−C30)アリール、N、OおよびSから選択される1以上のヘテロ原子を含む(C2−C30)ヘテロアリール、N、OおよびSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員〜7員のヘテロシクロアルキル、(C3−C30)シクロアルキル、アダマンチル、(C7−C30)ビシクロアルキル、または
【化3】
を表すか、またはArとArもしくはArとArとは独立して、芳香環もしくはヘテロ芳香環を有するかもしくは有しない(C3−C30)アルケニレンもしくは(C3−C30)アルキレンを介して連結されて、縮合環を形成していてよく、および前記アルキレンの炭素原子はNR21、O、SもしくはSiR2223でさらに置換されていてよく;
〜RおよびR11〜R13は独立して、水素、(C1−C30)アルキル、(C3−C30)シクロアルキル、(C6−C30)アリール、(C2−C30)ヘテロアリール、(C1−C30)アルコキシ、(C6−C60)アリールオキシ、モノもしくはジ(C1−C30)アルキルアミノ、モノもしくはジ(C6−C30)アリールアミノ、(C6−C30)アリール(C1−C30)アルキルアミノ、トリ(C1−C30)アルキルシリル、ジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリル、またはトリ(C6−C30)アリールシリルを表し;
21〜R23は独立して、(C1−C30)アルキル、ハロ(C1−C30)アルキル、(C1−C30)アルコキシ、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペリジノ、N、OおよびSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員〜7員のヘテロシクロアルキル、(C3−C30)シクロアルキル、アダマンチル、ハロゲン、シアノ、(C6−C30)アリール、(C2−C30)ヘテロアリール、トリ(C1−C30)アルキルシリル、ジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリル、もしくはトリ(C6−C30)アリールシリルを表すか、またはR22とR23とは縮合環を有するかもしくは有しない(C3−C30)アルケニレンもしくは(C3−C30)アルキレンを介して連結されて縮合環を形成していてよく;並びに
〜Rのアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリルもしくはトリアリールシリル;Ar〜Arのアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、アダマンチルもしくはビシクロアルキル;AとAまたはArとArのそれぞれの連結によって形成される縮合環;並びに、R21〜R23のアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペリジノ、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、アダマンチル、アリール、ヘテロアリール、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、またはトリアリールシリルは、(C1−C30)アルキル、ハロ(C1−C30)アルキル、(C1−C30)アルコキシ、(C1−C30)アルキルチオ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、N、OおよびSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員〜7員のヘテロシクロアルキル、(C3−C30)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、(C6−C30)アリール、(C6−C30)アリールオキシ、(C6−C30)アリールチオ、(C2−C30)ヘテロアリール、(C6−C30)アリール(C1−C30)アルキル、(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリール、トリ(C1−C30)アルキルシリル、ジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリル、およびトリ(C6−C30)アリールシリルからなる群から選択される1以上の置換基によってさらに置換されていてよい。
【0012】
本発明においては、「アルキル」、「アルコキシ」および「アルキル」部分を含む他の置換基には、線状もしくは分岐の種類のいずれも挙げられる。本発明においては、「アリール」は、1つの水素原子を除去することにより芳香族炭化水素から得られる有機基を意味し、4員〜7員、特に5員もしくは6員の単環もしくは縮合環を含むことができる。具体的な例としては、フェニル、ナフチル、ビフェニル、アントリル、インデニル、フルオレニル、フェナントリル、トリフェニレニル、ピレニル、ペリレニル、クリセニル、ナフタセニル、フルオランテニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。本発明において、「ヘテロアリール」は、芳香環骨格原子(1つもしくは複数)としてB、N、O、S、P(=O)、SiおよびSeから選択される1〜4個のヘテロ原子を含み、他の残りの芳香環骨格原子が炭素であるアリール基を意味する。それは、5員もしくは6員の単環式ヘテロアリール、またはベンゼン環との縮合により生じる多環式ヘテロアリールであってよく、かつ部分的に飽和であってよい。
【0013】
ヘテロアリールには、その環の1以上のヘテロ原子が酸化されるかまたは四級化されて、例えば、N−オキシドまたは第四級塩を形成することができる2価のアリール基が挙げられる。具体的な例には、単環式ヘテロアリール、例えば、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアジニル、テトラジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラザニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニルなど;多環式ヘテロアリール、例えば、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、イソベンゾフリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、ベンゾチアジアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノリジニル、キノキサリニル、カルバゾリル、フェナントリジニル、ベンゾジオキソリルなど;並びに、そのN−オキシド(例えば、ピリジルN−オキシド、キノリルN−オキシドなど)、その第四級塩などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0014】
本発明においては、「(C1−C30)アルキル、(C1−C30)アルコキシ、モノもしくはジ(C1−C30)アルキルチオ、(C6−C30)アリール(C1−C30)アルキルアミノ、トリ(C1−C30)アルキルシリル、ジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリル、ハロ(C1−C30)アルキル、(C1−C30)アルキルチオ、(C6−C30)アリール(C1−C30)アルキル、(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリール」などのアルキル部分は1〜20個の炭素原子、より具体的には1〜10個の炭素原子を有することができる。「(C6−C30)アリール、モノもしくはジ(C6−C30)アリールアミノ、(C6−C30)アリール(C1−C30)アルキルアミノ、ジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリル、トリ(C6−C30)アリールシリル、(C6−C30)アリールオキシ、(C6−C30)アリールチオ、(C6−C30)アリール(C1−C30)アルキル、(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリール」などのアリール部分は6〜20個の炭素原子、より具体的には6〜12個の炭素原子を有することができる。「(C3−C30)ヘテロアリール」のヘテロアリールは、4〜20個の炭素原子、より具体的には4〜12個の炭素原子を有することができる。「(C3−C30)シクロアルキル」のシクロアルキルは、3〜20個の炭素原子、より具体的には3〜7個の炭素原子を有することができる。「(C3−C30)アルキレンもしくはアルケニレン」のアルキレンもしくはアルケニレンは、3〜20個の炭素原子、より具体的には3〜10個の炭素原子を有することができる。
【0015】
また、本発明に従う有機電界発光化合物には下記化学式2で表される化合物が挙げられる:
【化4】
式中、
およびRは独立して水素、(C6−C30)アリールまたは(C2−C30)ヘテロアリールを表し;
Ar〜Arは独立して、(C6−C30)アリール、N、OおよびSから選択される1以上のヘテロ原子を含む(C2−C30)ヘテロアリール、N、OおよびSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員〜7員のへテロシクロアルキル、(C3−C30)シクロアルキル、アダマンチル、(C7−C30)ビシクロアルキル、または
【化5】
を表すか、またはArとAr、もしくはArとArは独立して、芳香環もしくはヘテロ芳香環を有するかもしくは有しない(C3−C30)アルケニレンもしくは(C3−C30)アルキレンを介して連結されて、縮合環を形成していてよく、および前記アルキレンの炭素原子はNR21、O、SもしくはSiR2223でさらに置換されていてよく;
21〜R23は独立して(C1−C30)アルキルもしくは(C6−C30)アリールを表すか、またはR22とR23とは縮合環を有するかもしくは有しない(C3−C30)アルケニレンもしくは(C3−C30)アルキレンを介して連結されて縮合環を形成していてよく;並びに
およびRのアリールもしくはヘテロアリール;Ar〜Arのアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、アダマンチルもしくはビシクロアルキル;AとAまたはArとArのそれぞれの連結によって形成される縮合環;並びに、R21〜R23のアルキルもしくはアリールは、(C1−C30)アルキル、ハロ(C1−C30)アルキル、(C1−C30)アルコキシ、(C1−C30)アルキルチオ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、N、OおよびSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員〜7員のヘテロシクロアルキル、(C3−C30)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、(C6−C30)アリール、(C6−C30)アリールオキシ、(C6−C30)アリールチオ、(C2−C30)ヘテロアリール、(C6−C30)アリール(C1−C30)アルキル、(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリール、トリ(C1−C30)アルキルシリル、ジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリル、およびトリ(C6−C30)アリールシリルからなる群から選択される1以上の置換基によってさらに置換されていてよい。
【0016】
また、ArとAr、およびArとArがアルキレンもしくはアルケニレンを介して独立して連結される場合に形成される
【化6】
および
【化7】
は独立して下記構造:
【化8】
(式中、R21〜R25は独立して(C1−C30)アルキルまたは(C6−C30)アリールを表す)
から選択されるがこれらに限定されない。
【0017】
より具体的には、Ar〜Arは独立して、下記構造:
【化9】
【化10】
から選択されるが、これらに限定されない。
【0018】
本発明に従う有機電界発光化合物は以下の化合物として具体的に例示されうるが、本発明はこれらに限定されない:
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【0019】
本発明の有機電界発光化合物は以下のスキーム1に示されるように製造されうるが、これに限定されない:
【化17】
式中、Ar〜ArおよびR〜Rは化学式1において定義されるのと同じである。
【0020】
第1の電極;第2の電極;並びに、前記第1の電極と第2の電極との間に設けられた1以上の有機層;を含む有機電界発光素子であって、前記有機層が化学式1の1種以上の有機電界発光化合物を含む有機電界発光素子が提供される。
【0021】
有機電界発光素子においては、化学式1の1種以上の有機電界発光化合物が電界発光ドーパントとして使用される場合には、1種以上のホストを含む電解発光層を前記有機層が含む。本発明の有機電界発光素子において使用されるホストは特に限定されないが、以下の化学式3もしくは化学式4で表される化合物から選択されうる。化学式3もしくは化学式4のホスト化合物の具体的な構造は韓国特許出願第10−2008−0060393号の<162>〜<210>に例示されているがこれらに限定されない。
【0022】
[化学式3]
(Ar11−L−(Ar12
[化学式4]
(Ar13−L−(Ar14
式中、Lは(C6−C30)アリーレンもしくは(C4−C30)ヘテロアリーレンを表し;
はアントラセニレンを表し;
Ar11〜Ar14は独立して、水素、重水素、(C1−C30)アルキル、(C1−C30)アルコキシ、ハロゲン、(C4−C30)ヘテロアリール、(C5−C30)シクロアルキルまたは(C6−C30)アリールを表し;並びに
Ar11〜Ar14のシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールは、(C6−C30)アリールもしくは(C4−C30)ヘテロアリール[(当該(C6−C30)アリールもしくは(C4−C30)ヘテロアリールは重水素、(C1−C30)アルキル、ハロ(C1−C30)アルキル、(C1−C30)アルコキシ、(C3−C30)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1−C30)アルキルシリル、ジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリルおよびトリ(C6−C30)アリールシリルからなる群から選択される1種以上の置換基を有するかもしくは有さない]、重水素、(C1−C30)アルキル、ハロ(C1−C30)アルキル、(C1−C30)アルコキシ、(C3−C30)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1−C30)アルキルシリル、ジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリル、およびトリ(C6−C30)アリールシリルからなる群から選択される1種以上の置換基でさらに置換されていてよく;並びに
a、b、cおよびdは独立して0〜4の整数を表す。
【0023】
電界発光層は電界発光が起こる層を意味し、単一の層もしくは2以上の層が積層されている多層であってよい。本発明の構成に従ってホスト−ドーパントの混合物が使用される場合には、電界発光ホストによっては発光効率の著しい向上が確認されうる。ドーピング濃度は0.5〜10重量%であり得る。既存の他のホスト材料と比較した場合、本発明の電界発光ホストは正孔および電子の優れた伝導性、並びに非常に優れた安定性、および著しく向上したルミネッセンス効率および駆動寿命をもたらす。よって、化学式3もしくは化学式4で表される化合物が電界発光ホストとして選択される場合には、それは本発明の化学式1で表される有機電界発光化合物の電気的不利益をかなり補うことができる。
【0024】
有機電界発光素子は化学式1の有機電界発光化合物を含むことができ、かつアリールアミンまたはスチリルアミン化合物からなる群から選択される1種以上の化合物を含むことができる。アリールアミンまたはスチリルアミン化合物の具体的な例は、韓国特許出願第10−2008−0060393号における<212>〜<224>に例示されているがこれに限定されない。
【0025】
また、本発明の有機電界発光素子においては、有機層は、化学式1で表される有機電界発光化合物に加えて、第1族、第2族、第4周期および第5周期遷移金属、ランタニド金属並びにd−遷移元素の有機金属からなる群から選択される1種以上の金属をさらに含むことができる。有機層は電界発光層および電荷発生層を含むことができる。
【0026】
本発明の化学式1で表される有機電界発光化合物を含む有機電界発光素子をサブピクセルとして採用し、およびIr、Pt、Pd、Rh、Re、Os、Tl、Pb、Bi、In、Sn、Sb、Te、AuおよびAgからなる群から選択される1種以上の金属化合物を含む1以上のサブピクセルが同時に並列にパターン形成されている、独立発光方式のピクセル構造を有する有機電界発光素子が具体化されることができる。
【0027】
さらに、白色発光有機電界発光素子を具体化するために、有機層は、当該有機電界発光化合物に加えて、青色、赤色もしくは緑色の光を放射する1以上の有機電界発光層を同時に含むことができる。青色、緑色もしくは赤色の光を放射する化合物は韓国特許出願第10−2008−0123276号、第10−2008−0107606号または第10−2008−0118428号に記載される化合物によって例示されうるが、これらに限定されない。
【0028】
本発明の有機電界発光素子においては、電極の対のうちの一方または両方の電極の内側表面上に、カルコゲナイド(chalcogenide)層、ハロゲン化金属層および金属酸化物層から選択される層(以下、「表面層」という)が配置されうる。より具体的には、電界発光媒体層のアノード表面上にケイ素またはアルミニウムのカルコゲナイド(酸化物など)層が配置されることができ、並びに電界発光媒体層のカソード表面上にハロゲン化金属層または金属酸化物層が配置されうる。それにより、駆動安定性が達成されうる。カルコゲナイドは、例えば、SiO(1=x=2)、AlO(1=x=1.5)、SiON、SiAlONなどでありうる。ハロゲン化金属は、例えば、LiF、MgF、CaF、希土類金属フッ化物などでありうる。金属酸化物は、例えば、CsO、LiO、MgO、SrO、BaO、CaOなどでありうる。
【0029】
本発明の有機電界発光素子においては、このように製造される電極の対の少なくとも一方の表面上に、電子輸送化合物と還元性ドーパントとの混合領域、または正孔輸送化合物と酸化性ドーパントとの混合領域を配置するのも好ましい。この場合には、電子輸送化合物がアニオンに還元されるので、この混合領域から電界発光媒体への電子の注入および輸送は容易になる。また、正孔輸送化合物は酸化されてカチオンになるので、この混合領域から電界発光媒体への正孔の注入および輸送は容易になる。好ましい酸化性ドーパントには様々なルイス酸およびアクセプター化合物が挙げられる。好ましい還元性ドーパントには、アルカリ金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属、希土類金属およびこれらの混合物が挙げられる。さらに、還元性ドーパント層を電荷発生層として使用することにより、2以上の電界発光層を有する白色発光電界発光素子が製造されうる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の有機電界発光化合物は青色の良好な青色発光効率および優れた寿命特性を示すので、これは非常に優れた駆動寿命を有するOLED素子を製造するために使用されうる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の有機電界発光化合物、その製造方法、およびその化合物を使用する素子のルミネセンス特性に関して本発明がさらに説明される。しかし、以下の実施例は例示目的のためだけに提供されるのであり、以下の実施例は本発明の範囲を限定することを意図していない。
【実施例】
【0032】
[製造例1]化合物68の製造
【化18】
【0033】
化合物Bの製造
化合物A(20g、96.05mmol)、ベンゾイルペルオキシド(3.1g、9.60mmol、75%)、ニトロベンゼン(300mL)およびBr(10.85mL、211.3mmol)が室温で混合され、120℃に加熱され、3時間後に、この混合物は室温に冷却され、KOH溶液で中和され、そして塩化メチレン(MC)で抽出された。減圧下で蒸留した後で、得られた固体を酢酸エチル(EA)で再結晶化させることにより、化合物B(20g、56.92%)が得られた。
【0034】
化合物Cの製造
2−ブロモナフタレン(25.4g、122.95mmol)がTHF(1000mL)中に溶解させられ、そしてn−BuLi(114.7mmol、ヘキサン中2.5M)が−78℃でゆっくりと添加された。30分後に、この混合物は室温で攪拌された。30分後に、化合物B(14.1g、40mmol)がこの混合物に添加された。この混合物は12時間にわたって攪拌され、そして蒸留水およびMCで抽出された。有機相をMgSOで乾燥させ、そして減圧下で蒸留によって溶媒を除去した後で、カラム分離(MC:ヘキサン=1:1)によって化合物Cが得られた。
【0035】
化合物Dの製造
化合物C(10g、16.06mmol)が酢酸(500mL)に添加され、そしてこの混合物は130℃に加熱された。Zn(20.2g)がこの混合物にゆっくりと添加され、次いでこれにHCl(20mL)がゆっくりと添加された。30分後、Zn(10g)がこの混合物に添加され、次いでHCl(10mL)がさらにこれに添加された。この混合物を還流下で12時間にわたって攪拌した後で、この混合物は室温まで冷却された。蒸留水を添加することにより生じた固体が減圧下でろ過された。得られた固体はNaOH溶液で洗浄され、カラム分離によって精製されて、化合物D(6.5g、11.04mmol、68.74%)を得た。
【0036】
化合物68の製造
化合物D(5g、8.49mmol)、ジフェニルアミン(3.7g、22.09mmol)、Pd(OAc)(0.09g、0.42mmol)、およびNaOt−bu(3.26g、33.99mmol)が添加された。トルエン(200mL)およびP(t−bu)(0.50mL、1.019mmol、50%収率)が窒素雰囲気でこの混合物に添加された。この混合物は還流下で攪拌された。この混合物を12時間にわたって攪拌した後で、この混合物は室温まで冷却され、そして蒸留水およびMCで抽出された。有機相をMgSOで乾燥させ、そして減圧下で蒸留によって溶媒を除去した後で、カラム分離によって化合物68(2.9g、75.8%)が得られた。
【0037】
H NMR(CDCl、200MHz):d=6.63(8H,m)、6.81(4H,m)、7.02(2H,m)、7.2(8H,m)、7.58〜7.59(6H,m)、7.73(2H,m)、7.87〜7.92(4H,m)、8(4H,m)、8.13(2H,m)。MS/FAB:764.96(実測値)、764.32(計算値)。
【0038】
製造例1の手順に従って有機電界発光化合物1〜67が製造された。表1は製造された有機電界発光化合物のH NMRおよびMS/FABを示す。
【0039】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【0040】
[実施例1〜3]
本発明の有機電界発光化合物を使用するOLED素子の製造
本発明の電界発光材料を使用してOLED素子が製造された。まず、OLED用ガラス(サムスンコーニングにより製造)から得られた透明電極ITO薄膜(15Ω/□)を、トリクロロエチレン、アセトン、エタノールおよび蒸留水を順に使用した超音波洗浄にかけ、使用するまでイソプロパノール中に貯蔵した。次に、真空蒸着装置の基体ホルダにITO基体を取り付け、この真空蒸着装置のセル内に4,4’,4”−トリス(N,N−(2−ナフチル)−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATA)を入れ、このセルはチャンバー内で10−6torrの真空まで通気された。次いで、このセルに電流を適用して、2−TNATAを蒸発させて、それにより、ITO基体上に60nmの厚みを有する正孔注入層を形成した。
【0041】
次いで、真空蒸着装置の他のセルにN,N’−ビス(α−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジアミン(NPB)を入れ、このセルに電流を適用してNPBを蒸発させて、それにより正孔注入層上に20nmの厚みを有する正孔輸送層を形成した。
【0042】
正孔注入層および正孔輸送層を形成した後で、この形成された層上に電界発光層が蒸着させられた。下記構造のDNA(実施例1〜3)が真空蒸着装置の1つのセルに入れられ、本発明の化合物が別のセルに入れられた。次いで、正孔輸送層上に、100:3の堆積割合で、30nmの厚さを有する電界発光層を蒸着させた。
【0043】
【化19】
【0044】
次いで、電界発光層上に、電子輸送層としてトリス(8−ヒドロキシキノリン)−アルミニウム(III)(Alq)を20nmの厚さで蒸着させた。次いで、リチウムキノラート(Liq)を電子注入層として1〜2nmの厚みで蒸着させた後で、別の真空蒸着装置を使用して、150nmの厚みを有するAlカソードが形成されて、OLEDを製造した。
【0045】
OLED素子において電界発光材料として使用された各化合物は10−6torrでの真空昇華によって精製された。
【0046】
実施例1〜3における本発明の有機電界発光化合物を含むOLEDの発光効率はそれぞれ1,000cd/mで測定され、結果は表2に示される。
【0047】
【表8】
【0048】
表2に認められるように、本発明の有機電界発光化合物は濃青色を生じさせる。すなわち、有機電界発光ディスプレイにおけるNTSC標準に近い色を実現するのに青色が必要とされる場合に、本発明の有機電界発光化合物が有用であり得る。フェナンスレン誘導体が高いガラス転移温度を有するので、優れた熱安定性が必要とされる。上述のように、高い純度を有する青色発光材料として、本発明の有機電界発光化合物が使用される。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明の有機電界発光化合物は青色での良好な発光効率および優れた寿命特性を示すので、それは非常に優れた駆動寿命を有するOLED素子を製造するために使用されうる。