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特許5782694携帯端末、その制御方法、プログラム及びシンクライアントシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5782694
(24)【登録日】2015年7月31日
(45)【発行日】2015年9月24日
(54)【発明の名称】携帯端末、その制御方法、プログラム及びシンクライアントシステム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/048 20130101AFI20150907BHJP
【FI】
   G06F3/048 656A
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2010-215981(P2010-215981)
(22)【出願日】2010年9月27日
(65)【公開番号】特開2012-73671(P2012-73671A)
(43)【公開日】2012年4月12日
【審査請求日】2013年8月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】岡本 悠生
【審査官】 山崎 慎一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−321972(JP,A)
【文献】 特開平11−259668(JP,A)
【文献】 特開2009−238060(JP,A)
【文献】 特開2005−100199(JP,A)
【文献】 特開2005−316558(JP,A)
【文献】 特開2000−122786(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションウィンドウの指定された部分領域である表示対象領域が画面の大きさに合うように前記アプリケーションウィンドウ全体を拡大することにより前記表示対象領域を前記画面に表示し、また、前記表示対象領域を画面に表示している場合に、表示範囲外になった前記アプリケーションウィンドウの部分を表示する要求を示す操作がなされた場合には、前記表示範囲外のアプリケーションウィンドウの部分が前記画面に収まるように当該部分を縮小して表示する画面表示手段を有する
ことを特徴とする、携帯端末。
【請求項2】
前記表示範囲外のアプリケーションウィンドウの部分が前記画面に表示されている場合に当該表示範囲外のアプリケーションウィンドウの部分の表示位置でポインティングデバイスによる指示操作が行われた場合に、その指示されたポイント位置の座標変換をする座標変換手段を有することを特徴とする、請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記画面表示手段は、
前記アプリケーションウィンドウにおいて前記表示対象領域を指定する際に、記アプリケーションウィンドウにグリッドを重ねて表示し、
前記座標変換手段は、
前記グリッドが前記ポインティングデバイスにより指示された場合に、指示された位置を前記アプリケーションウィンドウの端辺上の位置に座標変換する
ことを特徴とする、請求項2記載の携帯端末。
【請求項4】
アプリケーションウィンドウの指定された部分領域である表示対象領域が画面の大きさに合うように前記アプリケーションウィンドウ全体を拡大することにより前記表示対象領域を前記画面に表示する第1の処理と、
前記表示対象領域を画面に表示している場合に、表示範囲外になった前記アプリケーションウィンドウの部分を表示する要求を示す操作がなされた場合には、前記表示範囲外のアプリケーションウィンドウの部分が前記画面に収まるように当該部分を縮小して表示する第2の処理と、
を含むことを特徴とする、携帯端末の制御方法。
【請求項5】
携帯端末に、
アプリケーションウィンドウの指定された部分領域である表示対象領域が画面の大きさに合うように前記アプリケーションウィンドウ全体を拡大することにより前記表示対象領域を前記画面に表示する第1の処理と、
前記表示対象領域を画面に表示している場合に、表示範囲外になった前記アプリケーションウィンドウの部分を表示する要求を示す操作がなされた場合には、前記表示範囲外のアプリケーションウィンドウの部分が前記画面に収まるように当該部分を縮小して表示する第2の処理と、
コンピュータに実行させることを特徴とする、携帯端末の制御プログラム。
【請求項6】
所定のウィンドウをクライアント装置にネットワークを介して送信するサーバ装置と、
記ウィンドウを操作すると、該操作に対応する操作情報を前記サーバ装置に前記ネットワークを介して送信するクライアント装置と、を含むシンクライアントシステムであって、
前記クライアント装置は、
アプリケーションウィンドウの指定された部分領域である表示対象領域が画面の大きさに合うように前記アプリケーションウィンドウ全体を拡大することにより前記表示対象領域を前記画面に表示し、また、前記表示対象領域を画面に表示している場合に、表示範囲外になった前記アプリケーションウィンドウの部分を表示する要求を示す操作がなされた場合には、前記表示範囲外のアプリケーションウィンドウの部分が前記画面に収まるように当該部分を縮小して表示する表示手段を有することを特徴とする、シンクライアントシステム。
【請求項7】
前記クライアント装置は、
前記表示範囲外のアプリケーションウィンドウの部分が前記画面に表示されている場合に当該表示範囲外のアプリケーションウィンドウの部分の表示位置でポインティングデバイスによる指示操作が行われた場合に、その指示されたポイント位置の座標変換をする座標変換手段と、
前記座標変換手段によって座標変換された座標と前ポインティングデバイスによる操作に対応する操作情報を前記サーバ装置に送信する遠隔操作手段と、を有し、
前記サーバ装置は、
前記ポインティングデバイスによる操作に対応する操作情報に基づいて前記ウィンドウに対する処理を実行する処理手段を有する
ことを特徴とする、請求項6に記載のシンクライアントシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末、その制御方法、プログラム及びシンクライアントシステムに関し、特に、表示内容を拡大してユーザビリティを向上させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
サーバとクライアントからなるシンクライアントシステムにおいて、デスクトップ画面の送受信を行う技術が従来公知である。デスクトップ画面の送受信とは、サーバ上で走るオペレーティングシステム(以下、「OS」)のグラフィカルユーザインタフェースが提供するデスクトップ画面を、クライアントに送り、表示させる機能のことをいうものとする。
【0003】
しかしながら、クライアントは、シンクライアント端末であるため、表示エリアの小さな小型端末であることが往々にしてある。そこで、ユーザにとって操作のしやすい環境を提供するために、デスクトップ画面の全部ではなく一部を切り抜き、送信する技術が考えられている(例えば、特許文献1)。
【0004】
特許文献1においては、サーバは、クライアントから通知があったときに、サーバで実行されているアプリケーション(例えば、フォアグランドアプリケーション)のデスクトップ画面に表示されているウィンドウを、クライアンの表示エリアに収まるように大きさを調整して送信する。この機能を、「WindowFit」と呼ぶこととする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−238060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記フォアグランドアプリケーションのウィンドウ内においても、ユーザの作業領域やユーザが見たい表示範囲(以下では、これらをまとめて「作業領域」と呼ぶ)は、ウィンドウ内の一部であることが多い。
【0007】
例えば、ワードプロセッサアプリケーションにおける文字入力領域が典型的な「作業領域」と考えられるが、このようなワープロソフトにおける作業領域を除く領域は、必要なとき以外表示させないようにした方が、ユーザは作業に集中でき、ユーザビリティが向上すると考えられる。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みて、作業領域を拡大可能且つユーザビリティを低下させない携帯端末、その制御方法、プログラム及びシンクライアントシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、第1の態様として、アプリケーションウィンドウの一部を切り抜いて表示し、切り抜いた結果、表示範囲外になった前記アプリケーションウィンドウの表示内容を、所定の操作がなされた場合に表示する画面表示手段を有することを特徴とする、携帯端末を提供するものである。
【0010】
また、上記目的を達成するために本発明は、第2の態様として、アプリケーションウィンドウの一部を切り抜いて表示する第1の処理と、切り抜いた結果、表示範囲外になった前記アプリケーションウィンドウの表示内容を、所定の操作がなされた場合に表示する第2の処理と、を含むことを特徴とする、携帯端末の制御方法を提供するものである。
【0011】
また、上記目的を達成するために本発明は、第3の態様として、携帯端末に、アプリケーションウィンドウの一部を切り抜いて表示する第1の処理と、切り抜いた結果、表示範囲外になった前記アプリケーションウィンドウの表示内容を、所定の操作がなされた場合に表示する第2の処理と、を実行させることを特徴とする、携帯端末の制御プログラムを提供するものである。
【0012】
また、上記目的を達成するために本発明は、第4の態様として、所定のウィンドウをクライアント装置にネットワークを介して送信するサーバ装置と、前記所定のウィンドウを操作すると、該操作に対応する操作情報を前記サーバ装置に前記ネットワークを介して送信するクライアント装置と、を含むシンクライアントシステムであって、前記クライアント装置は、前記所定のウィンドウの一部を切り抜いて表示し、切り抜いた結果、表示範囲外になった前記所定のウィンドウの表示内容を、所定の操作がなされた場合に表示する表示手段を有することを特徴とする、シンクライアントシステムを提供するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、作業領域を拡大可能且つユーザビリティを低下させない携帯端末、その制御方法、プログラム及びシンクライアントシステムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態の機能構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態の画面表示部103の表示例を示す図である。
図3】本実施形態の全体動作の手順を示すシーケンス図である。
図4】本実施形態の作業領域の拡大処理の詳細な手順を示すシーケンス図である。
図5】本実施形態の作業領域の拡大処理におけるグリッド表示の例を示す図である。
図6】本実施形態の作業領域の拡大処理における座標変換に用いるマトリクスの一例を示す図である。
図7】本実施形態のサーバ200が保持しているデスクトップ画面の例を示す図である。
図8】本実施形態の拡大によって隠れた部分の利用可能化処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態の構成について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
(機能構成)
図1に、本実施形態の機能構成を示す。
図1に示すように、本実施形態は、サーバ200とクライアント100が通信ネットワークにより相互に通信可能に接続されたサーバ・クライアント・システムである。
【0017】
クライアント100は、限定するものではないが本実施形態では、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイを備えた携帯型の小型端末である。一方で、サーバ200は、これも限定するものではないが本実施形態では、汎用のパーソナルコンピュータである。
【0018】
クライアント100は、図示しないCPUやメモリなどを有する。そして、クライアント100は、そのCPUやメモリなどの物理的ハードウェアを利用する組み込みソフトウェアプログラム等も有し、これらハードウェアとソフトウェアの協働により、図示した各機能ブロックが構成される。なお、サーバ200についても同様に、所定のハードウェアとソフトウェアを有し、これらの協働で図示した各機能ブロックが構成される。
【0019】
クライアント100は、拡縮情報送信部101と、ウィンドウ受信部102と、画面表示部103と、マウス位置判定部104と、画面縮小部105と、座標変換部106と、マウス入力送信部107を備える。
【0020】
サーバ200は、拡縮情報受信部201と、ウィンドウ制御部202と、ウィンドウ送信部203と、マウス入力受信部204を備える。
【0021】
(デスクトップ画面の送受信)
本実施形態は、上述の機能構成において、デスクトップ画面の送受信を行う。デスクトップ画面の送受信とは、サーバ200上で走るオペレーティングシステム(以下、「OS」)のグラフィカルユーザインタフェースが提供するデスクトップ画面を、クライアント100に送り、表示させる機能である。
【0022】
デスクトップ画面は、ウィンドウ送信部203がクライアント100に送り、クライアント100では、ウィンドウ受信部102が受信して、画面表示部103によって解析等の処理がなされた上で表示処理がされる。
【0023】
(WindowFit)
本実施形態は、上述のようにデスクトップ画面の送受信を行うことで、ユーザにサーバ200のデスクトップ画面をクライアント100で表示する機能を提供するが、クライアント100は、携帯型の小型端末、シンクライアント端末である。表示エリアの小さな小型端末でも、ユーザにとって操作のしやすい環境を提供するために、本実施形態は、デスクトップ画面の全部ではなく一部を切り抜き、送信する。
【0024】
具体的には、サーバ200は、クライアント100から通知があったときに、サーバ200で実行されているアプリケーション(例えば、フォアグランドアプリケーション)のデスクトップ画面に表示されているウィンドウを、クライアント100の表示エリアに収まるように大きさを調整して送信する。この機能を、「WindowFit」と呼ぶこととする。
【0025】
しかしながら、上記フォアグランドアプリケーションのウィンドウ内においても、ユーザの作業領域やユーザが見たい表示範囲(以下では、これらをまとめて「作業領域」と呼ぶ)は、ウィンドウ内の一部である(図2(a)参照)。
【0026】
図2に、本実施形態の画面表示部103の表示(クライアント画面)例を示す。
図2(a)には、上記WindowFitによりデスクトップ画面の一部(ここではフォアグランドアプリケーションのウィンドウ)が表示されている例が示されている。図示のように、ユーザが注目したいと考えられる作業領域が狭いので、図2(b)に示すように、作業領域の表示面を広げて、ユーザビリティを向上させる。
【0027】
本実施形態は、作業領域の表示面を広げるために、以下に説明する動作をする。
図3に、本実施形態の全体動作の手順を示す。
図示のように、本実施形態の特徴的な動作は、WindowFitが実行されている状況下で行われる。すなわち、まず、サーバ200からクライアント100へ、ウィンドウ画面が送信される。その状況下で、まず、作業領域の拡大処理が実行され、次に、拡大によって隠れた部分の利用可能化処理が実行される。
【0028】
作業領域の拡大処理と、拡大によって隠れた部分の利用可能化処理は、各々複数の所定の処理からなる。まず、作業領域の拡大処理について説明する。
【0029】
(作業領域の拡大処理)
図3に示すように、クライアント100からウィンドウ拡縮実行のコマンドがサーバ200に送られると、サーバ200は、拡縮を実行し、その結果、クライアント100側では、作業領域の拡大表示が実現される。これらの一連のシーケンスは、図4に示すような複数の所定の処理からなる。
【0030】
図4に、作業領域の拡大処理の詳細な手順を示す。
まず、クライアント100において、ユーザによりなされた拡縮モードON操作が検知されると、クライアント100では拡縮モードがONになり、同時に、サーバ200にも拡縮モードへ入る旨が通知される。こうして、システム全体として拡縮モードへ入る。なお、拡縮モードON操作としては、例えば、所定のボタン押下の検出(Fn+F1等)などがある。
【0031】
拡縮モードONになると、クライアント100の画面表示部103は、まず、クライアント画面上にグリッドを表示する。次に、ユーザによるグリッドのマウス押下を検出し、押下座標を変換する。次に、押下されたグリッドの向き及び変換後の押下座標をサーバ200に送信する。これらの処理は、マウス位置判定部104が実行する。
【0032】
図5に、グリッド表示の例を示す。
画面表示部103は、図2(a)に示したようなクライアント画面に、グリッドを表示し、図5のような表示を得る。図5中に白抜き矢印で示したマウスカーソルの押下が検出されると、マウス位置判定部104は、図5中に太線で示した押下されたグリッドの向きと押下座標を判定する。
【0033】
グリッドの向きは、縦と横の2種類ある。図5中の例では、横に走るグリッドを押下しているので、押下されたグリッドの向きは、「横」になる。
【0034】
押下されたグリッドの押下座標は、座標変換部106により座標変換される。座標変換の態様は、押下されたグリッドの向きが「横」の場合、押下座標から最も近い上下のウィンドウの端の座標に変換し、「縦」の場合、押下座標から最も近い左右のウィンドウの端の座標に変換するものである。
【0035】
図6に、このような座標変換に用いるマトリクスの一例を示す。
図6中に、下線で示したものは、図5中に示した押下の例で、グリッドの向き、押下座標の大まかな位置、座標変換後に押下することになるウィンドウ端が、どの組合せになるかを示したものである。
【0036】
再び図4のシーケンスを参照する。
座標変換により、クライアント画面中の任意の点を押下すると、ウィンドウ端の一点を押下していることになるので、押下の状態のまま、グリッドをドラッグすると、ウィンドウが拡縮する。したがって、作業領域を拡大する方向へグリッドをドラッグすると、ウィンドウ端が拡大する方向へ動き、結果として、作業領域が拡大する。
【0037】
図7に、サーバ200が保持しているデスクトップ画面の例を示す。
図7(a)に示すように、上記WindowFitによってクライアント画面の表示領域(図2同様点線で示している)は、フォアグランドアプリケーションのウィンドウが表示されている。
【0038】
ユーザによりマウスカーソルc1の位置でグリッドが押下された場合、座標変換により、サーバ200側ではカーソルc2の位置が押下されたと認識され、グリッドの押し上げに伴ってウィンドウが拡大する。
【0039】
上述したような作業領域の拡大処理により、図7(b)に示すように、ウィンドウが拡大する。ところが、クライアント画面の表示範囲は変わらないため、拡大によって隠れた部分が生じる。この拡大によって隠れた部分も拡大後に利用可能でないと、不便でありユーザビリティが低下する。そこで本実施形態では、拡大によって隠れた部分の利用可能化処理を行う。
【0040】
(拡大によって隠れた部分の利用可能化処理)
再び図3を参照する。
本実施形態においては、ユーザがマウスカーソルをクライアント画面の端に移動させることで、本利用可能化処理を実行する。
【0041】
マウスカーソルがクライアント画面の端(上下左右どれでもよい)に移動したことを検知すると、同端より外側にある領域(すなわち、隠れた部分)を縮小表示する。なお、ウィンドウ送信部203は、ウィンドウ内の全表示内容をクライアント100に送っているため、クライアント100は、隠れた部分であっても表示内容を持っている。
【0042】
図8を参照すると、拡大後のデスクトップ画面が示されている。図示の例では、上方向と右方向に拡大している。そうすると、上端より外側にある領域は、横方向の長さがクライアント画面の表示範囲の長さより大きく、縮小しなければ全部を表示できない。したがって、画面縮小部105が、上端より外側にある領域を縮小して、画面表示部103に表示させる。
なお、縦方向の長さが同じであれば、縮小の必要がない場合もある。また、横方向の長さが同じ場合についても同じことが言える。図8に示したデスクトップ画面は、一例である。
【0043】
再び図3を参照する。
さらに、縮小表示された外側にある領域上でマウス操作がなされた場合には、座標変換部106により座標変換され、入力内容及び変換後の座標がマウス入力送信部107によって送信される。すなわち、マウス入力送信部107が遠隔操作手段として機能する。サーバ200においては、マウス入力受信部204がマウス操作の入力内容及び変換後の座標、すなわち操作情報を受信して、ウィンドウ制御部202が当該操作情報に基づいてウィンドウに対する処理を実行する。
【0044】
このように本実施形態は、拡大によって隠れた部分の利用可能化処理を行うことによって、ユーザビリティが拡大によっても低下しない。
【符号の説明】
【0045】
100 クライアント
101 拡縮情報送信部
102 ウィンドウ受信部
103 画面表示部
104 マウス位置判定部
105 画面縮小部
106 座標変換部
107 マウス入力送信部
200 サーバ
201 拡縮情報受信部
202 ウィンドウ制御部
203 ウィンドウ送信部
204 マウス入力受信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8