(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
一組の前記2本のデータ線のうち第1のデータ線に接続された正極性用ビデオスイッチ、及び一組の前記2本のデータ線のうち第2のデータ線に接続された負極性用ビデオスイッチを一組とするビデオスイッチ対が、前記複数組のデータ線に対応して複数組設けられると共に、前記正極性映像信号を伝送するN1本(N1は2以上の自然数)の正極性映像信号線が、複数個の前記正極性ビデオスイッチのうちN1個の正極性用ビデオスイッチ単位で接続され、かつ、前記負極性映像信号を伝送するN2本(N2は2以上の自然数)の負極性映像信号線が、複数個の前記負極性ビデオスイッチのうちN2個の負極性用ビデオスイッチ単位で接続されており、
各行の複数個の前記画素は、前記検査用トランジスタが前記検査制御信号用配線に共通に接続されると共に、前記検査用トランジスタが前記第1のデータ線と前記画素電極との間に接続された第1の画素と、前記検査用トランジスタが前記第2のデータ線と前記画素電極との間に接続された第2の画素とからなり、
前記検査信号読み出し手段は、前記検査制御信号により前記検査用トランジスタをオンにした状態で、前記N1個の前記第1の画素と前記N2個の前記第2の画素とからなる一組の前記第1及び第2の画素内の前記正極性側画素回路部をアクティブに制御して、一組の前記第1及び第2の画素内の前記第1の保持容量に書き込まれた前記正極性検査信号を前記検査用トランジスタを通して前記第1のデータ線と前記第2のデータ線とに同時に読み出す動作と、一組の前記第1及び第2の画素内の前記負極性側画素回路部をアクティブに制御して、一組の前記第1及び第2の画素内の前記第2の保持容量に書き込まれた前記負極性検査信号を前記検査用トランジスタを通して前記第1のデータ線と前記第2のデータ線とに同時に読み出す動作とを時分割的に行うことを、各行の前記複数個の画素に対し一組の前記第1及び第2の画素の画素対単位で順次に繰り返し、
前記出力手段は、前記検査信号読み出し手段の前記画素対単位の前記正極性側画素回路部及び前記負極性側画素回路部のアクティブ制御に同期して、前記複数組のビデオスイッチ対のうち、前記画素対に対応する(N1+N2)組のビデオスイッチ対毎に順番にオンに制御して、一組の前記N1個の前記第1の画素から前記第1のデータ線に同時に出力された前記正極性検査信号又は前記負極性検査信号を前記(N1+N2)組のビデオスイッチ対における前記N1個の正極性用ビデオスイッチにより選択してN1本の前記正極性映像信号線にそれぞれ電圧駆動で出力すると同時に、一組の前記N2個の前記第2の画素から前記第2のデータ線に同時に出力された前記正極性検査信号又は前記負極性検査信号を前記(N1+N2)組のビデオスイッチ対における前記N2個の負極性用ビデオスイッチにより選択してN2本の前記負極性映像信号線にそれぞれ電圧駆動で出力することを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
【背景技術】
【0002】
近年、プロジェクタ装置やプロジェクションテレビには画像を投影するための中心部品としてLCOS(Liquid Crystal on Silicon)型の液晶表示装置が多く用いられている。このLCOS型の液晶表示装置として、本出願人は先に、2本のデータ線(列信号線)を一組とする複数組のデータ線と、複数本のゲート線(行走査線)との各交差部にそれぞれ画素をマトリクス状に配置し、それらの各画素において正極性映像信号と負極性映像信号とを2つの保持容量に別々にサンプリング保持した後、それらの保持電圧を交互に画素電極に印加して液晶表示素子を交流駆動する液晶表示装置を提案した(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図7は、この液晶表示装置の一画素の一例の等価回路図を示す。同図において、一つの画素は、正極性映像信号及び負極性映像信号を書き込むための画素選択トランジスタTr1及びTr2と、各々の極性の映像信号電圧を並列的に保持する独立した2つの保持容量Cs1及びCs2と、保持容量Cs1の信号蓄積ノードに接続されインピーダンス変換用バッファ回路(ソースフォロワ・バッファ)を構成するトランジスタTr3及びTr7と、保持容量Cs2の信号蓄積ノードに接続されインピーダンス変換用バッファ回路(ソースフォロワ・バッファ)を構成するトランジスタTr4及びTr8と、2つのスイッチングトランジスタTr5及びTr6と、液晶表示素子LCとからなる。液晶表示素子LCは、互いに対向して配置された画素電極PEと共通電極CEとの間に液晶層(表示体)LCMが挟持された周知の構造である。スイッチングトランジスタTr5及びTr6は、2つのインピーダンス変換用バッファ回路(ソースフォロワ・バッファ)の出力端子と画素電極PEとの間に別々に接続されている。
【0004】
また、画素選択トランジスタTr1及びTr2とスイッチングトランジスタTr5及びTr6とは、NチャンネルMOS型電界効果トランジスタ(以下、NMOSトランジスタという)であり、トランジスタTr3、Tr4、Tr7及びTr8は、PチャンネルMOS型電界効果トランジスタ(以下、PMOSトランジスタという)であるものとする。トランジスタTr3とTr7、及びトランジスタTr4とTr8は、それぞれソースフォロワ・バッファを構成しており、トランジスタTr3、Tr4がソースフォロワトランジスタ、トランジスタTr7、Tr8が定電流源負荷として機能するトランジスタである。MOSトランジスタのソースフォロワ・バッファの入力抵抗はほぼ無限大で、従来のアクティブマトリクス型液晶表示装置と同様に、保持容量Cs1及びCs2の蓄積電荷はリークすることなく、1垂直走査期間後に信号が新たに書き込まれるまで保持される。
【0005】
また、画素部データ線は、各画素について正極性用データ線Di+、負極性用データ線Di-の2本一組で構成され、図示しないデータ線駆動回路でサンプリングされた互いに極性の異なる映像信号が供給される。画素選択トランジスタTr1、Tr2の各ドレイン端子は各々正極性用データ線Di+、負極性用データ線Di-に接続され、各ゲート端子は同一行について行走査線(ゲート線)Gjに接続されている。また、配線BがトランジスタTr7及びTr8の各ゲートに接続されている。また、配線S+、S-はゲート制御信号用の配線で、それぞれトランジスタTr5、Tr6のゲートに別々に接続されている。更に、行走査線Gjが同じ行の複数の画素のトランジスタTr1及びTr2にそれぞれ共通接続されている。
【0006】
次に、この画素の交流駆動制御の概要について
図8のタイミングチャートと共に説明する。
図8(A)は、垂直同期信号VDを示し、
図8(B)は、
図7の画素におけるトランジスタTr7及びTr8のゲートに印加される配線Bの負荷特性制御信号を示す。また、
図8(C)は、上記画素における正極性側駆動電圧を転送するスイッチングトランジスタTr5のゲートに印加される配線S+のゲート制御信号、同図(D)は、上記画素における負極性側駆動電圧を転送するスイッチングトランジスタTr6のゲートに印加される配線S-のゲート制御信号の各信号波形を示す。
【0007】
図7において、画素書き込み時には、行走査線(ゲート線)Gjがハイレベルとされることにより、正極性用データ線Di+を介して入力される
図9に示す正極性映像信号aがトランジスタTr1によりサンプリングされて保持容量Cs1に保持されると同時に、負極性用データ線Di-を介して入力される
図9に示す負極性映像信号bがトランジスタTr2によりサンプリングされて保持容量Cs2に保持される。
図9に示すように、正極性映像信号aは、レベルが最小のとき最小階調の黒レベル、レベルが最大のとき最大階調の白レベルであるのに対し、負極性映像信号bは、レベルが最小のとき最大階調の白レベル、レベルが最大のとき最小階調の黒レベルである。正極性映像信号aと負極性映像信号bとは逆極性で、その反転中心はcで示される。
【0008】
画素読み出し時には、
図7において、
図8(C)に示す配線S+のゲート制御信号がハイレベルの期間、正極性側スイッチングトランジスタTr5がオンとなり、この期間に配線Bに供給される負荷特性制御信号を
図8(B)に示すようにローレベルとすると、ソースフォロワ・バッファがアクティブとなり、画素電極PEノードが正極性の映像信号レベルに充電される。画素電極PEの電位が完全に充電された状態となった時点で、配線Bの負荷特性制御信号をハイレベルとし、かつ、そのとき配線S+のゲート制御信号をローレベルに切り替えると、画素電極PEはフローティングとなり、液晶容量に正極性駆動電圧が保持される。
【0009】
一方、
図8(D)に示す配線S-のゲート制御信号がハイレベルの期間、負極性側スイッチングトランジスタTr6がオンとなり、この期間に配線Bに供給される負荷特性制御信号を同図(B)に示すようにローレベルとすると、ソースフォロワ・バッファがアクティブとなり、画素電極PEノードが負極性の映像信号レベルに充電される。画素電極PEの電位が完全に充電された状態となった時点で、配線Bの負荷特性制御信号をハイレベルとし、かつ、そのとき配線S-のゲート制御信号をローレベルに切り替えると、画素電極PEはフローティングとなり、液晶容量に負極性駆動電圧が保持される。
【0010】
以下、上記のスイッチングトランジスタTr5及びTr6を交互にオンとするスイッチングに同期して、配線Bの負荷特性制御信号によりトランジスタTr7及びTr8を間欠的にアクティブとする動作を繰り返すことで、液晶表示素子LCの画素電極PEには正極性と負極性の各映像信号で交流化された駆動電圧VPEが
図8(E)に示すように印加される。
図7に示す画素は保持電荷を直接画素電極PEに転送するのではなく、ソースフォロワ・バッファを介して電圧を供給する構成のため、正負極性での繰り返し充放電を行っても電荷の中和の問題はなく、電圧レベルの減衰がない駆動が実現できる。
【0011】
また、
図8(F)に示すVcomは、液晶表示装置の対向基板に形成した共通電極CEに印加する電圧を表している。液晶層LCMの実質的な交流駆動電圧は、この共通電極CEの印加電圧Vcomと画素電極PEの印加電圧との差電圧である。
図8(F)に示すように、共通電極CEの印加電圧Vcomは、画素電極電位の反転基準レベルVcとほぼ等しい基準レベルに対して、画素電極PEへの正極性映像信号印加期間と負極性映像信号印加期間の切り替え(画素極性切り替え)と同期して反転されている。具体的には共通電極印加電圧Vcomは画素電極PEへの正極性映像信号印加期間はローレベル、負極性映像信号印加期間はハイレベルに切り替えられ、同一階調では正極性映像信号印加期間及び負極性映像信号印加期間のいずれにおいても上記の差電圧の絶対値が同一となるようにされる。
【0012】
また、保持容量Cs1、Cs2にそれぞれサンプリング保持された正極性、負極性の各映像信号電圧は、高入力抵抗のソースフォロワトランジスタTr3、Tr4を介して読み出され、
図8(C)、(D)に示したように配線S+、S-に交互に供給されるゲート制御信号によりオンとされるスイッチングトランジスタTr5、Tr6により交互に選択されて画素電極PEに正極性、負極性に反転する
図8(E)に示した駆動電圧VPEとして印加される。この
図7に示す画素は、1垂直走査期間(1フレーム)に1度、保持容量Cs1、Cs2に正極性、負極性の各映像信号電圧を書き込んでしまえば、次のフレームの映像信号電圧が保持されるまでの1フレーム期間、何回でも保持容量Cs1、Cs2から映像信号電圧を読み出し、トランジスタTr5、Tr6を交互に切り替えて液晶表示素子LCを交流駆動できる。従って、
図7に示した画素は、映像信号の書き込み周期とは独立に垂直走査周波数の制約のない、高い駆動周波数で液晶表示素子LCを交流駆動することができる。
【0013】
この交流駆動周波数は、垂直走査周波数によらず、画素回路部での反転制御周期で自由に設定することができる。例えば垂直走査周波数が一般的なテレビ映像信号で用いられる60Hzで、フルハイビジョンの垂直周期走査線数1125ラインで構成されているとする。画素回路部の極性切り替えを15ライン期間程度の周期で行うとすれば、液晶表示素子の交流駆動周波数は2.25kHz(=60(Hz)×1125÷(15×2))となり、従来の液晶表示装置と比較して液晶駆動周波数を飛躍的に高めることができる。それにより、液晶表示素子の交流駆動周波数が低周波数の場合に比べて、焼き付きを防止でき、また信頼性・安定性やシミなどの表示品位低下などを大幅に改善することが可能となる。
【0014】
なお、ソースフォロワ・バッファの定電流負荷トランジスタTr7及びTr8は液晶表示装置での消費電流を考慮して、常時アクティブにせず、スイッチングトランジスタTr5及びTr6の導通期間の内の限られた期間でのみアクティブになるように制御を行う。例えば、1画素回路部あたりの定常的なソースフォロワ回路電流が1μAの微少電流であったとしても、液晶表示装置の全画素が定常的に電流を消費する条件では多大な消費電流となってしまう、という問題があり、例えばフルハイビジョン200万画素の液晶表示装置では、消費電流が2Aにも達する見積もりとなる。
【0015】
そのため、
図7に示す画素では定電流負荷トランジスタTr7及びTr8のゲートバイアスとなる負荷特性制御信号Bのローレベル期間を画素電圧極性切り替えの遷移期間のみに制限し、画素電極電圧VPEが目標レベルまで充放電された直後には即座にハイレベルとしてソースフォロワ・バッファの電流を停止させる。従って、全画素にバッファを備えた構成でありながら、実質的な消費電流を小さく抑えることが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の液晶表示装置の各実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明になる液晶表示装置の一画素の第1の実施の形態の等価回路図を示す。同図中、
図7と同一構成部分には同一符号を付してある。本実施の形態の液晶表示装置は、特許文献1記載の液晶表示装置と同様に、2本のデータ線(列信号線)を一組とする複数組のデータ線と、複数本のゲート線(行走査線)との各交差部にそれぞれ画素を配置することで、マトリクス状に配置された複数の画素からなる画素部を有し、それらの各画素において正極性映像信号と負極性映像信号とを2つの保持容量に別々にサンプリング保持した後、それらの保持電圧を交互に画素電極に印加して液晶表示素子を交流駆動する液晶表示装置である。ただし、本実施の形態の液晶表示装置は、特許文献1記載の液晶表示装置と比較して各画素の構成が異なり、
図1に示す等価回路で表わされる構成とされている。
【0030】
すなわち、
図1に示す一つの画素10はj行i列目の画素で、i列目の一組2本のデータ線(列信号線)Di+及びDi-と、j行目のゲート線(行走査線)Gjとの交差部に設けられており、更に2本一組のゲート制御信号用配線S+及びS-と、負荷特性制御信号用配線Bと、検査制御信号用配線TGとに接続されると共に、検査制御信号用配線TGにゲート端子が接続された検査用トランジスタTr9を有する点に特徴がある。ゲート制御信号用配線S+及びS-、負荷特性制御信号用配線B及び検査制御信号用配線TGは、それぞれ各ラインの複数の画素単位に配線されている。
【0031】
図1において、画素選択用NMOSトランジスタTr1、Tr2は各ドレイン端子が各々正極性用データ線Di+、負極性用データ線Di-に接続され、各ゲート端子が同一行について行走査線(ゲート線)Gjに接続されている。また、NMOSトランジスタTr1、Tr2の各ソース端子は、各々正極性用保持容量Cs1、負極性用保持容量Cs2の各一端とソースフォロワ用PMOSトランジスタTr3、Tr4の各ゲート端子との接続点に接続されている。
【0032】
PMOSトランジスタTr3、Tr4の各ソース端子には、PMOSトランジスタTr7、Tr8の各ドレイン端子と、スイッチング用NMOSトランジスタTr5、Tr6の各ドレイン端子との接続点に接続されている。PMOSトランジスタTr7は、ソースフォロワ用PMOSトランジスタTr3と共に構成する正極性用のソースフォロワ・バッファの定電流負荷トランジスタであり、そのソース端子には電位Vddが印加される。同様に、PMOSトランジスタTr8は、ソースフォロワ用PMOSトランジスタTr4と共に構成する負極性用のソースフォロワ・バッファの定電流負荷トランジスタであり、そのソース端子には電位Vddが印加される。
【0033】
スイッチング用NMOSトランジスタTr5及びTr6の各ソース端子は、液晶表示素子LCの画素電極PEに共通に接続されている。また、正極性用ゲート制御信号用配線S+はスイッチング用NMOSトランジスタTr5のゲート端子に接続され、負極性用ゲート制御信号用配線S-はスイッチング用NMOSトランジスタTr6のゲート端子に接続されている。更に、負荷特性制御信号用配線BはPMOSトランジスタTr7のゲート端子に共通に接続されている。画素10は、トランジスタTr1、Tr3、Tr5及びTr7と保持容量Cs1とからなる正極性側画素回路部と、トランジスタTr2、Tr4、Tr6及びTr8と保持容量Cs2とからなる負極性側画素回路部とから構成されている。
【0034】
以上の画素回路部の構成は
図7に示した構成と同様であるが、本実施の形態の画素10は、更に画素電極PEとデータ線Di+との間に検査用トランジスタTr9が追加されている。検査用トランジスタTr9は、例えばNMOSトランジスタであり、そのゲート端子が検査制御信号用配線TGに接続され、そのソース端子がデータ線Di+に接続され、そのドレイン端子が画素電極PEに接続され、検査制御信号により制御される。
【0035】
本実施の形態の画素10に対する映像信号の書き込み動作並びに読み出し動作は、検査用トランジスタTr9をオフ状態として、特許文献1記載の液晶表示装置と同様にして行われるので、その説明は省略する。
【0036】
次に、本実施の形態の画素10に対する検査動作について、
図2のタイミングチャートを併せ参照して説明する。この検査動作は、例えば液晶表示装置作成後の工場出荷前に工場において行われる。画素部を構成する多数の画素は1ラインの複数の画素単位で、図示しない垂直駆動回路からの行選択信号により例えば上から下方向のラインの順番で順次に選択される。
【0037】
この画素選択時においてj行目のゲート線(行走査線)Gjに、
図2(A)に示すように時刻t1から時刻t2の間ハイレベルの行選択信号が入力されると、ゲート線Gjに接続されている画素10を含む1ラインの複数の画素が同時に選択されて、それらの画素内のNMOSトランジスタTr1及びTr2が同時にオンとされる。これにより、この時点でデータ線Di+を介して供給される正極性検査信号がNMOSトランジスタTr1のドレイン・ソースを通して保持容量Cs1に書き込まれると同時に、データ線Di-を介して供給される負極性検査信号がNMOSトランジスタTr2のドレイン・ソースを通して保持容量Cs2に書き込まれる。上記の正極性検査信号と負極性検査信号は、それぞれ正極性映像信号及び負極性映像信号における所定の規定値とされている。
【0038】
その後、時刻t3から時刻t4までの間、ゲート制御信号用配線S+に
図2(D)に示すようにハイレベルのゲート制御信号が入力されると、その期間正極性側スイッチングトランジスタTr5がオンとなる。また、上記の期間に負荷特性制御信号用配線Bに
図2(B)に示すようにローレベルの負荷特性制御信号が供給され、ソースフォロワ・バッファがアクティブとなる。これにより、保持容量Cs1に保持されている正極性検査信号電圧が、正極性側ソースフォロワトランジスタTr3、正極性側スイッチングトランジスタTr5を通して画素電極PEに印加され、画素電極PEノードが正極性検査信号電圧に充電される。
【0039】
ここで、上記の時刻t3から時刻t4までの期間で検査制御信号用配線TGに供給される検査制御信号が、
図2(E)に示すようにハイレベルとされ、それにより検査用トランジスタTr9が上記の期間オンに制御され、画素電極PEノードを正極性用データ線Di+と接続する。これにより、画素電極PEノードにおける電圧がトランジスタTr9のドレイン・ソースを通して正極性用データ線Di+に出力されてこれを充電する。
【0040】
正極性用データ線Di+には前述したように画素部の縦方向の画素数分の配線容量があり、その配線容量はフルハイビジョンの場合1125画素分で例えば1pF程度である。また、正極性用データ線Di+に接続されて正極性映像信号を正極性用データ線Di+に供給するための正極性映像信号線(
図1には図示せず)の配線容量が5pF程度ある。このため、時刻t3から時刻t4までの期間では、合計で6pF程度の高負荷容量を正極性側ソースフォロワ・バッファ(Tr3,Tr7)にて正極性用データ線Di+を充電することになるが、上記の期間を長くとることによって、画素10内の正極性側画素回路部が正常である場合、既定の画素電極電圧を正極性用データ線Di+に読み出すことができる。
【0041】
続いて、時刻t4から時刻t5までの短期間、初期状態とされた後、時刻t5から時刻t6までの期間、今度はゲート制御信号用配線S-に
図2(C)に示すようにハイレベルのゲート制御信号が入力され、その期間負極性側スイッチングトランジスタTr6がオンとなる。また、上記のt5−t6の期間に負荷特性制御信号用配線Bに
図2(B)に示すようにローレベルの負荷特性制御信号を供給され、ソースフォロワ・バッファがアクティブとなる。これにより、保持容量Cs2に保持されている負極性検査信号電圧が、負極性側ソースフォロワトランジスタTr4、負極性側スイッチングトランジスタTr6を通して画素電極PEに印加され、画素電極PEノードが負極性検査信号電圧に充電される。
【0042】
ここで、上記の時刻t5から時刻t6までの期間において検査制御信号用配線TGに供給される検査制御信号が、
図2(E)に示すようにハイレベルとされ、それにより検査用トランジスタTr9が上記の期間オンに制御され、画素電極PEノードを正極性用データ線Di+と接続する。これにより、画素電極PEノードにおける電圧がトランジスタTr9のドレイン・ソースを通して正極性用データ線Di+に出力されてこれを充電する。
【0043】
時刻t5から時刻t6までの期間においては、前述した合計で6pF程度の高負荷容量を負極性側ソースフォロワ・バッファ(Tr4,Tr8)にて正極性用データ線Di+を充電することになるが、上記の期間を長くとることによって、画素10内の負極性側画素回路部が正常である場合、既定の画素電極電圧を正極性用データ線Di+に読み出すことができる。
【0044】
本実施の形態によれば、画素10内の正極性側画素回路部と負極性側画素回路部とが両方ともに正常に機能しているかどうかを検査することができる。また、画素10内の正極性側画素回路部と負極性側画素回路部のどちら側に不具合があるかも検査することができる。
【0045】
また、本実施の形態によれば、以上の画素検査を行うことにより、ソースフォロワ・バッファを含めたショート、オープンなどの画素欠陥を特定することができる。さらには、ソースフォロワトランジスタTr3、Tr4の閾値電圧Vthのばらつきを補正することも可能になる。
【0046】
すなわち、正極性用データ線Di+に読み出された検査信号電圧には、ソースフォロワトランジスタTr3、Tr4の閾値電圧Vthのばらつきが含まれており、そのVthばらつき量を読み出して外部メモリに格納しておく。そして、画素を実駆動する際に外部メモリからVthのばらつき量を読み出してロードし、画素毎にVthばらつきをキャンセルしたデータを入力する。これにより、Vthばらつきによって発生する画面上のざらつきを抑え、画面内で均一な階調表現を実現できる。
【0047】
更には、本実施の形態によれば、検査によりリーク欠陥がある画素のリーク量と画素位置を特定しておき、それをデータ入力の際に補正することもできる。ここで、ある画素においてドレイン・ウェル間にリークが発生している場合、液晶表示装置では輝点、又は黒点として認識される。この場合、保持容量Cs1、Cs2の信号保持期間とリーク電流量の関係から平均信号電圧に正規信号電圧からオフセットされた電圧が液晶表示素子に印加されることと等価になるために、視認される。
【0048】
従って、本実施の形態の画素検査において、保持容量Cs1、Cs2の信号保持期間と、読み出した出力電圧とからリーク電流量を割り出すことができる。具体的には、リーク電流Iは、時間をt、保持容量Cs1、Cs2の容量値をC、出力電圧をVとすると、次式
I=C×V/t
により算出することができる。この場合においても、保持容量Cs1、Cs2の信号保持期間とリーク電流量の関係から、平均信号電圧に正規信号電圧からリークによってオフセットされた電圧を補正するようにしたデータを、リークしている該当画素に入力してやることにより、リーク電流を視認できないようにすることができる。これにより、従来ではリークにより廃棄していたチップにおいても補正して使用することが可能になるため、歩留まりを向上することができる。
【0049】
なお、
図1では、検査用トランジスタTr9は画素電極PEと正極性用データ線Di+との間に接続されているが、検査用トランジスタTr9を画素電極PEと負極性用データ線Di-との間に接続するようにしてもよい。この場合の動作は、上記の実施の形態の動作と同じであるので、動作説明は割愛する。
【0050】
また、
図1及び
図2では、画素検査時において、画素内の正極性側画素回路部及び負極性側画素回路部の順でアクティブにして検査を行うように説明したが、負極性側画素回路部及び正極性側画素回路部の順でアクティブにして検査を行うようにしても勿論構わない(後述の第2及び第3の実施の形態も同様)。
【0051】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の液晶表示装置の第2の実施の形態について説明する。
図3は、本発明になる液晶表示装置の第2の実施の形態の要部の回路系統図を示す。同図中、
図1と同一構成部分には同一符号を付してある。
【0052】
図3に示す第2の実施の形態の液晶表示装置20は、特許文献1記載の液晶表示装置と同様に、2本のデータ線(列信号線)を一組とする複数組のデータ線と、複数本のゲート線(行走査線)との各交差部にそれぞれ画素を配置することで、マトリクス状に配置された複数の画素からなる画素部を有し、それらの各画素において正極性映像信号と負極性映像信号とを2つの保持容量に別々にサンプリング保持した後、それらの保持電圧を交互に画素電極に印加して液晶表示素子を交流駆動する液晶表示装置である。ただし、本実施の形態の液晶表示装置20は、特許文献1記載の液晶表示装置と比較して各画素の構成が異なり、各画素が
図1に示した等価回路の構成とされ、また、正極性側ビデオスイッチVSW+及び負極性側ビデオスイッチVSW−からなる2個一組のビデオスイッチを有し、VSW+が正極性映像信号線Vid+と正極性用データ線D+との間に、VSW−が負極性映像信号線Vid-と負極性用データ線D-との間にそれぞれ接続されている。一組の正極性側ビデオスイッチVSW+及び負極性側ビデオスイッチVSW−は同時にオン又はオフに制御される。
【0053】
すなわち、本実施の形態の液晶表示装置20において、
図3に示すように、水平方向の画素数n個とした場合、正極性映像信号線Vid+はn個の正極性側ビデオスイッチVSW1+〜VSWn+を介してn本の正極性用データ線D1+〜Dn+に別々に接続され、また、負極性映像信号線Vid-はn個の負極性側ビデオスイッチVSW1-〜VSWn-を介してn本の負極性用データ線D1-〜Dn-に別々に接続されている。
【0054】
また、水平シフトレジスタ21は、そのn個の出力端子のうち、i番目(i=1〜n)の出力端子が、i組目の正極性側ビデオスイッチVSWi+と負極性側ビデオスイッチVSWi-の各制御端子に接続されている。ここでは、正極性側ビデオスイッチVSW1+〜VSWn+及び負極性側ビデオスイッチVSW1-〜VSWn-はいずれもMOSトランジスタとし、水平シフトレジスタ21のn個の出力端子はそのMOSトランジスタのゲート端子に接続されている。また、正極性側ビデオスイッチVSW1+〜VSWn+及び負極性側ビデオスイッチVSW1-〜VSWn-をそれぞれ構成する各MOSトランジスタのドレイン端子は、正極性映像信号線Vid+又は負極性映像信号線Vid-に接続され、ソース端子は正極性用データ線D1+〜Dn+又は負極性用データ線D1-〜Dn-に接続されている。
【0055】
水平シフトレジスタ21は、映像信号書き込み期間と検査信号書き込み期間では、そのn個の出力端子から1水平走査期間内で水平駆動パルスを時分割出力し、n組のビデオスイッチVSW1+〜VSWn+及びVSW1-〜VSWn-を一組ずつ順番にオンに制御する。また、映像信号書き込み期間では正極性映像信号線Vid+には
図9に示した正極性映像信号aが供給され、負極性映像信号線Vid-には
図9に示した負極性映像信号bが供給される。
【0056】
一方、検査信号書き込み期間内において、正極性映像信号線Vid+には正極性映像信号の所定の第1の規定値である正極性検査信号が供給され、負極性映像信号線Vid-には負極性映像信号の所定の第2の規定値である負極性検査信号が供給される。続く検査信号読み出し期間では、正極性用データ線D1+〜Dn+及び負極性用データ線D1-〜Dn-へ読み出された各画素からの検査信号が、ビデオスイッチVSW1+〜VSWn+及びVSW1-〜VSWn-により選択されて正極性映像信号線Vid+及び負極性映像信号線Vid-に入力される。水平シフトレジスタ21は、検査信号読み出し期間において、そのn個の出力端子のうち隣接する奇数番目と偶数番目の2個の出力端子を単位として、順次にスイッチングパルスを並列出力して、ビデオスイッチVSW1+〜VSWn+及びVSW1-〜VSWn-を隣接する二組ずつ順番に選択する。
【0057】
なお、
図3では図示の便宜上、m行n列の画素のうち、1行目の画素22
11〜22
1nと2行目の画素22
21〜22
2nのみ図示してある。また、本実施の形態における画素22
11〜22
2n等の画素は
図1に示した画素10と同一の等価回路で表わされ、
図3ではそのうちの検査用トランジスタ(
図1に示したTr9に相当)と画素電極PEのみ図示されている。ここで、本実施の形態では、j行目(j=1〜m)の左端から奇数番目2k−1(k=1〜n/2)の画素22
j,2k-1内の各検査用トランジスタTr9
j,2k-1は、画素電極PEと正極性用データ線Di+との間に接続され、j行目(j=1〜m)の左端から偶数番目2kの画素22
j,2k内の各検査用トランジスタTr9
j,2kは、画素電極PEと負極性用データ線Di-との間に接続されている。
【0058】
なお、検査制御信号用配線は
図3にTG1、TG2で示すように、画素部の各ラインの複数の画素単位に接続されている。また、
図3では、
図1に示したGj等のゲート線(行走査線)、2本一組のゲート制御信号用配線S+及びS-、負荷特性制御信号用配線B、垂直駆動回路等の図示は便宜上省略してある。
【0059】
次に、本実施の形態の液晶表示装置20の検査動作について、
図4のタイミングチャートを併せ参照して説明する。この検査動作は、例えば液晶表示装置作成後の工場出荷前に工場において行われる。画素部を構成する多数の画素は1ラインの複数の画素単位で、図示しない垂直駆動回路からの行選択信号により例えば上から下方向のラインの順番で順次に選択される。
【0060】
まず、1行目のゲート線(行走査線)G1に
図4(A)に示すハイレベルの行選択信号が入力され、画素部内の1行目(第1ライン)のn個の画素22
11〜22
1nが選択される。これと同時に、水平シフトレジスタ21が、そのn個の出力端子から1水平走査期間内で順次に時分割出力する水平駆動パルスにより、2個一組のビデオスイッチVSWi+及びVSWi-を一組ずつ順番にオンに制御する。
【0061】
これにより、行走査線で選択された1行目のn個の画素22
11〜22
1nの各々において、正極性映像信号線Vid+より入力された正極性検査信号が、オンに制御されたビデオスイッチVSW1+〜VSWn+及び正極性用データ線D1+〜Dn+を介して正極性側保持容量Cs1にサンプリング保持されると共に、負極性映像信号線Vid-より入力された負極性検査信号が、オンに制御されたビデオスイッチVSW1-〜VSWn-及び負極性用データ線D1i-〜Dn-を介して負極性側保持容量Cs2にサンプリング保持される。
【0062】
続いて、時刻t11から時刻t16までの期間で1行目のn個の画素22
11〜22
1n内の各保持容量Cs1に保持された正極性検査信号の読み出しとその検査が行われる。この正極性検査信号読み出し期間では、
図4(D)に示すようにゲート制御信号用配線S+にハイレベルの正極性用ゲート制御信号が供給され、かつ、
図4(B)に示すように負荷特性制御信号用配線Bにローレベルの負荷特性制御信号が供給されるために、画素22
11〜22
1n内の各正極性側画素回路部がアクティブとされる。
【0063】
また、時刻t11から時刻t16までの期間、1行目の検査制御信号用配線TG1に、
図4(E)に示すようにハイレベルの検査制御信号が入力され、その期間画素22
11〜22
1n内の各検査用トランジスタTr9
11〜Tr9
1nがオンとされる。これにより、正極性側ソースフォロワ・バッファから保持容量Cs1に保持された正極性検査信号電圧がトランジスタTr9
11〜Tr9
1nのドレイン・ソースを通してデータ線Di+、Di-へ読み出される。
【0064】
上記の時刻t11に続いて時刻t12から時刻t13までの期間では、水平シフトレジスタ21が、1番目と2番目の2個の出力端子からスイッチングパルスを出力し、1組目のビデオスイッチVSW1+及びVSW1-と2組目のビデオスイッチVSW2+及びVSW2-とを同時にオンに制御する。
【0065】
従って、画素22
11〜22
1nの正極性側画素回路部からそれぞれ読み出された保持容量Cs1に保持された正極性検査信号電圧のうち、1番目の画素22
11から読み出された正極性検査信号電圧が、正極性用データ線D1+及び
図4(F)にハイレベルで模式的に示すようにオンに制御されたビデオスイッチVSW1+をそれぞれ通して正極性映像信号線Vid+に出力される。これと同時に、2番目の画素22
12から読み出された正極性検査信号電圧が、負極性用データ線D2-及び
図4(G)にハイレベルで模式的に示すようにオンに制御されたビデオスイッチVSW2-を通して負極性映像信号線Vid-に出力される。
【0066】
続いて、時刻t14から時刻t15までの期間では、水平シフトレジスタ21が、3番目と4番目の2個の出力端子からスイッチングパルスを出力し、3組目のビデオスイッチVSW3+及びVSW3-と4組目のビデオスイッチVSW4+及びVSW4-とを同時にオンに制御する。従って、画素22
11〜22
1nの正極性側画素回路部からそれぞれ読み出された保持容量Cs1に保持された正極性検査信号電圧のうち、3番目の画素22
13から読み出された正極性検査信号電圧が、正極性用データ線D3+及び
図4(H)にハイレベルで模式的に示すようにオンに制御されたビデオスイッチVSW3+をそれぞれ通して正極性映像信号線Vid+に出力される。これと同時に、4番目の画素22
14から読み出された正極性検査信号電圧が、負極性用データ線D4-及び
図4(I)にハイレベルで模式的に示すようにオンに制御されたビデオスイッチVSW4-を通して負極性映像信号線Vid-に出力される。
【0067】
以下、上記と同様にして、第1ラインの5番目の画素22
15からn番目の画素
1nについても、隣接する2画素の正極性側画素回路部からそれぞれ読み出された正極性検査信号電圧が、ビデオスイッチVSW5+〜VSWn+及びビデオスイッチVSW5-〜VSWn-のうち隣接する二組のビデオスイッチにより順次に選択されて正極性映像信号線Vid+及び負極性映像信号線Vid-へ出力され、時刻t16で読み出しが終了する。
【0068】
続いて、時刻t16の直後に
図4(A)に示すように、1行目のゲート線(行走査線)G1に
図4(A)に示すハイレベルの行選択信号が再び入力され、画素部内の1行目(第1ライン)のn個の画素22
11〜22
1nが選択される。これと同時に、水平シフトレジスタ21が、そのn個の出力端子から1水平走査期間内で順次に時分割出力する水平駆動パルスにより、2個一組のビデオスイッチVSWi+及びVSWi-を一組ずつ順番にオンに制御する。
【0069】
これにより、行走査線で選択された1行目のn個の画素22
11〜22
1nの各々において、正極性映像信号線Vid+より入力された正極性検査信号が、オンに制御されたビデオスイッチVSW1+〜VSWn+及び正極性用データ線D1+〜Dn+を介して正極性側保持容量Cs1に再びサンプリング保持されると共に、負極性映像信号線Vid-より入力された負極性検査信号が、オンに制御されたビデオスイッチVSW1-〜VSWn-及び負極性用データ線D1i-〜Dn-を介して負極性側保持容量Cs2に再びサンプリング保持される。
【0070】
このように、同じ1行目の画素22
11〜22
1nに対して時刻t16の直後において再び検査信号を書き込むのは、特に画素数の多い液晶表示装置において各画素に書き込んだ検査信号のリークが問題になるため、リフレッシュするためである。勿論、画素数によっては第1の実施の形態のように、1ラインの各画素に検査信号を書き込んでから、リフレッシュすることなく正極性画素回路部及び負極性画素回路部から順次に検査信号を読み出すようにしてもよい。
【0071】
上記の検査信号の再書き込みに続いて、時刻t17から時刻t22までの期間で1行目のn個の画素22
11〜22
1n内の各保持容量Cs2に保持された負極性検査信号の読み出しとその検査が行われる。この負極性検査信号読み出し期間では、
図4(C)に示すようにゲート制御信号用配線S-にハイレベルの負極性用ゲート制御信号が供給され、かつ、
図4(B)に示すように負荷特性制御信号用配線Bにローレベルの負荷特性制御信号が供給されるために、画素22
11〜22
1n内の各負極性側画素回路部がアクティブとされる。
【0072】
また、時刻t11から時刻t16までの期間、1行目の検査制御信号用配線TG1に、
図4(E)に示すようにハイレベルの検査制御信号が入力され、その期間画素22
11〜22
1n内の各検査用トランジスタTr9
11〜Tr9
1nがオンとされる。これにより、負極性側ソースフォロワ・バッファから保持容量Cs2に保持された負極性検査信号電圧がトランジスタTr9
11〜Tr9
1nのドレイン・ソースを通してデータ線Di+、Di-へ読み出される。
【0073】
時刻t17に続いて時刻t18から時刻t22までの期間では、時刻t12から時刻t16までの期間と同様に、水平シフトレジスタ21が、そのn個の出力端子のうち隣接する奇数番目と偶数番目の2個の出力端子を単位として、順次にスイッチングパルスを出力する。この結果、隣接する奇数組目のビデオスイッチVSW(2k-1)+及びVSW(2k-1)-と、偶数組目のビデオスイッチVSW2k+及びVSW2k-の二組ずつ同時に、かつ、順番にオンに制御される。
【0074】
すなわち、時刻t18から時刻t19の期間では、画素22
11から正極性用データ線D1+を介して入力された負極性検査信号電圧が
図4(F)にハイレベルで模式的に示すようにオンとされたビデオスイッチVSW1+により選択されて正極性映像信号線Vid+へ出力されると同時に、画素22
12から負極性用データ線D2-を介して入力された負極性検査信号電圧が
図4(G)にハイレベルで模式的に示すようにオンとされたビデオスイッチVSW2-により選択されて負極性映像信号線Vid-へ出力される。
【0075】
続いて、時刻t20から時刻t21の期間では、画素22
13から正極性用データ線D3+を介して入力された負極性検査信号電圧が
図4(H)にハイレベルで模式的に示すようにオンとされたビデオスイッチVSW3+により選択されて正極性映像信号線Vid+へ出力されると同時に、画素22
14から負極性用データ線D4-を介して入力された負極性検査信号電圧が
図4(I)にハイレベルで模式的に示すようにオンとされたビデオスイッチVSW4-により選択されて負極性映像信号線Vid-へ出力される。以下、上記と同様の動作が第1ラインの画素22
1nまで繰り返される。
【0076】
以下、2行目からm行目までの各画素に対しても、上記の1行目のn個の画素22
11〜22
1nの各々に対する動作と同様の動作が、同じ行の隣接する2画素単位で行われる。
【0077】
図示しない測定装置は、正極性映像信号線Vid+へ出力された検査信号電圧と、負極性映像信号線Vid-へ出力された検査信号電圧とが、それぞれ既知の規定値であるか否かを測定することで、画素内の正極性側画素回路部及び負極性側画素回路部がそれぞれ正常であるか否かを検査する。また、測定装置は、画素内の正極性側画素回路部と負極性側画素回路部のどちら側に不具合があるかも検査することができる。
【0078】
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の特長を有し、更には一度に2画素分の検査信号電圧を読み出して同時に検査することができるため、検査時間を短縮することができる。
【0079】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の液晶表示装置の第3の実施の形態について説明する。
図5は、本発明になる液晶表示装置の第3の実施の形態の要部の回路系統図を示す。同図中、
図3と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0080】
図5に示す第3の実施の形態の液晶表示装置30は、
図3に示した第2の実施の形態の液晶表示装置20と同様に、各画素が
図1に示した等価回路の構成とされ、かつ、2個一組の正極性側ビデオスイッチVSW+及び負極性側ビデオスイッチVSW−のうち、VSW+が正極性映像信号線Vid+と正極性用データ線D+との間に、VSW−が負極性映像信号線Vid-と負極性用データ線D-との間にそれぞれ接続されている。しかし、本実施の形態の液晶表示装置30は、第2の実施の形態の液晶表示装置20と比較して、4本の正極性映像信号線Vid1+〜Vid4+と、4本の負極性映像信号線Vid1-〜Vid4-とを備え、それらが4組の正極性側ビデオスイッチVSW+及び負極性側ビデオスイッチVSW−単位で接続されている点で異なる。
【0081】
すなわち、本実施の形態の液晶表示装置30において、
図5に示すように、水平方向の画素数n個とした場合、正極性映像信号線Vid1+〜Vid4+は、n個の正極性側ビデオスイッチVSW1+〜VSWn+のうち隣接する4個の正極性側ビデオスイッチ毎にそれぞれ接続され、負極性映像信号線Vid1-〜Vid4-は、n個の負極性側ビデオスイッチVSW1-〜VSWn-のうち隣接する4個の負極性側ビデオスイッチ毎にそれぞれ接続されている。また、正極性側ビデオスイッチVSW1+〜VSWn+は正極性用データ線D1+〜Dn+に別々に接続されており、負極性側ビデオスイッチVSW1-〜VSWn-は負極性用データ線D1-〜Dn-に別々に接続されている。ここでは、正極性側ビデオスイッチVSW1+〜VSWn+及び負極性側ビデオスイッチVSW1-〜VSWn-はいずれもMOSトランジスタとし、水平シフトレジスタ31のn個の出力端子はそのMOSトランジスタのゲートに接続されている。
【0082】
水平シフトレジスタ31は、映像信号書き込み期間及び検査信号書き込み期間では、そのn個の出力端子から1水平走査期間内で水平駆動パルスを時分割出力し、n組のビデオスイッチVSW1+〜VSWn+及びVSW1-〜VSWn-を一組ずつ順番にオンに制御する。また、水平シフトレジスタ31は、検査信号読み出し期間では、n個の出力端子のうち隣接する8個の出力端子を一組として、各組単位で時分割的にスイッチングパルスを、正極性側ビデオスイッチVSW1+〜VSWn+及び負極性側ビデオスイッチVSW1-〜VSWn-のうち対応する8組の正極性側ビデオスイッチ及び負極性側ビデオスイッチへ出力してそれらをオンに制御する。
【0083】
正極性映像信号線Vid1+〜Vid4+には映像信号書き込み時には
図9に示した正極性映像信号aが供給され、負極性映像信号線Vid1-〜Vid4-には
図9に示した負極性映像信号bが供給される。また、検査信号書き込み期間内において、正極性映像信号線Vid1+〜Vid4+には正極性映像信号の所定の第1の規定値である正極性検査信号が供給され、負極性映像信号線Vid1-〜Vid4-には負極性映像信号の所定の第2の規定値である負極性検査信号が供給される。続く検査信号読み出し期間では、正極性用データ線D1+〜Dn+及び負極性用データ線D1-〜Dn-へ読み出された各画素からの検査信号が、ビデオスイッチVSW1+〜VSWn+及びVSW1-〜VSWn-により選択されて正極性映像信号線Vid1+〜〜Vid4+及び負極性映像信号線Vid1-〜Vid4-に入力される。
【0084】
なお、
図5では図示の便宜上、m行n列の画素のうち、1行目の8列の画素22
11〜22
18と2行目の8列の画素22
21〜22
28のみ図示してある。また、これらの画素22
11〜22
28等の本実施の形態における画素は
図1に示した画素10と同一の等価回路で表わされ、
図5ではそのうちの検査用トランジスタ(
図1に示したTr9に相当)及び画素電極PEのみ図示されている。ここで、本実施の形態では、j行目(j=1〜m)の左端から奇数番目2k−1(k=1〜n/2)の画素22
j,2k-1内の各検査用トランジスタTr9
j,2k-1は、画素電極PEと正極性用データ線Di+との間に接続され、j行目(j=1〜m)の左端から偶数番目2kの画素22
j,2k内の各検査用トランジスタTr9
j,2kは、画素電極PEと負極性用データ線Di-との間に接続されている。
【0085】
なお、検査制御信号用配線は
図5にTG1、TG2で示すように、画素部の各ラインの複数の画素単位に接続されている。また、
図5では、
図1に示したGj等のゲート線(行走査線)、2本一組のゲート制御信号用配線S+及びS-、負荷特性制御信号用配線B、垂直駆動回路等の図示は便宜上省略してある。
【0086】
次に、本実施の形態の液晶表示装置30の検査動作について、
図6のタイミングチャートを併せ参照して説明する。この検査動作は、例えば液晶表示装置作成後の工場出荷前に工場において行われる。画素部を構成する多数の画素は1ラインの複数の画素単位で、図示しない垂直駆動回路からの行選択信号により例えば上から下方向のラインの順番で順次に選択される。
【0087】
まず、1行目のゲート線(行走査線)G1に
図6(A)に示すハイレベルの行選択信号が入力され、画素部内の1行目(第1ライン)のn個の画素22
11〜22
1nが選択される。これと同時に、水平シフトレジスタ31が、そのn個の出力端子から1水平走査期間内で順次に時分割出力する水平駆動パルスにより、2個一組のビデオスイッチVSWi+及びVSWi-を一組ずつ順番にオンに制御する。
【0088】
これにより、行走査線で選択された1行目のn個の画素22
11〜22
1nの各々において、正極性映像信号線Vid+より入力された正極性検査信号が、オンに制御されたビデオスイッチVSW1+〜VSWn+及び正極性用データ線D1+〜Dn+を介して正極性側保持容量Cs1にサンプリング保持されると共に、負極性映像信号線Vid-より入力された負極性検査信号が、オンに制御されたビデオスイッチVSW1-〜VSWn-及び負極性用データ線D1i-〜Dn-を介して負極性側保持容量Cs2にサンプリング保持される。
【0089】
続いて、時刻t31から時刻t34までの期間で1行目のn個の画素22
11〜22
1n内の各保持容量Cs1に保持された正極性検査信号の読み出しとその検査が行われる。この正極性検査信号読み出し期間では、
図6(D)に示すようにゲート制御信号用配線S+にハイレベルの正極性用ゲート制御信号が供給され、かつ、
図6(B)に示すように負荷特性制御信号用配線Bにローレベルの負荷特性制御信号が供給されるために、画素22
11〜22
1n内の各正極性側画素回路部がアクティブとされる。
【0090】
また、時刻t31から時刻t34までの期間、1行目の検査制御信号用配線TG1に、
図6(E)に示すようにハイレベルの検査制御信号が入力され、その期間画素22
11〜22
1n内の各検査用トランジスタTr9
11〜Tr9
1nがオンとされる。これにより、正極性側ソースフォロワ・バッファから保持容量Cs1に保持された正極性検査信号電圧がトランジスタTr9
11〜Tr9
1nのドレイン・ソースを通してデータ線Di+、Di-へ読み出される。
【0091】
上記の時刻t31に続いて時刻t32から時刻t33までの期間では、水平シフトレジスタ31が、1番目から8番目までの8個の出力端子からスイッチングパルスを並列に出力し、1組目から8組目までのビデオスイッチVSW1+〜VSW8+及びVSW1-〜VSW8-を同時にオンに制御する。
【0092】
従って、画素22
11〜22
1nの正極性側画素回路部からそれぞれ読み出された保持容量Cs1に保持された正極性検査信号電圧のうち、1番目、3番目、5番目及び7番目の各画素22
11、22
13、22
15、22
17から読み出された正極性検査信号電圧が、正極性用データ線D1+、D3+、D5+、D7+及び
図6(F)、(H)、(J)、(L)にそれぞれハイレベルで模式的に示すようにオンに制御されたビデオスイッチVSW1+、VSW3+、VSW5+、VSW7+をそれぞれ通して正極性映像信号線Vid1+、Vid2+、Vid3+、Vid4+に出力される。これと同時に、2番目、4番目、6番目及び8番目の各画素22
12、22
14、22
16、22
18から読み出された正極性検査信号電圧が、負極性用データ線D2-、D4-、D6-、D8-及び
図6(G)、(I)、(K)、(M)にそれぞれハイレベルで模式的に示すようにオンに制御されたビデオスイッチVSW2-、VSW4-、VSW6-、VSW8-をそれぞれ通して負極性映像信号線Vid1-、Vid2-、Vid3-、Vid4-に出力される。
【0093】
以下、上記と同様に、水平シフトレジスタ31が、そのn個の出力端子のうち隣接する8個の出力端子を単位として、順次にスイッチングパルスを出力する。この結果、隣接する8組のビデオスイッチVSWが同時に、かつ、8組単位で順番にオンに制御される。これにより、1行目のn個の画素22
11〜22
1nのうち、隣接する8画素22
1,k〜22
1,k+7ずつ選択される。選択された隣接する8画素22
1,k〜22
1,k+7のうち奇数番目の4つの画素22
1,k、22
1,k+2、22
1,k+4、22
1,k+6からそれぞれ読み出された正極性検査信号電圧は、正極性用データ線及びオンに制御された正極性側ビデオスイッチVSWk+、VSW(k+2)+、VSW(k+4)+、VSW(k+6)+をそれぞれ並列に通して正極性映像信号線Vid1+〜Vid4+に出力される。これと同時に、選択された隣接する8画素22
1,k〜22
1,k+7のうち偶数番目の4つの画素22
1,k+1、22
1,k+3、22
1,k+5、22
1,k+7からそれぞれ読み出された正極性検査信号電圧は、負極性用データ線及びオンに制御された4つの負極性側ビデオスイッチVSW(k+1)+、VSW(k+3)+、VSW(k+5)+、VSW(k+7)+をそれぞれ並列に通して負極性映像信号線Vid1-〜Vid4-に出力される。時刻t34で1行目のn個の画素22
11〜22
1nのすべてについて正極性検査信号の読み出し及び選択出力が終了する。
【0094】
続いて、時刻t34の直後にリフレッシュのために
図6(A)に示すように再び行走査線G1にハイレベルの行選択信号が入力され、1行目のn個の画素22
11〜22
1nに正極性検査信号と負極性映像信号とが書き込まれる。
【0095】
続いて、時刻t35から時刻t38までの期間で1行目のn個の画素22
11〜22
1n内の各保持容量Cs2に保持された負極性検査信号の読み出しとその検査が行われる。この負極性検査信号読み出し期間では、
図6(C)に示すようにゲート制御信号用配線S-にハイレベルの負極性用ゲート制御信号が供給され、かつ、
図6(B)に示すように負荷特性制御信号用配線Bにローレベルの負荷特性制御信号が供給されるために、画素22
11〜22
1n内の各負極性側画素回路部がアクティブとされる。
【0096】
また、時刻t35から時刻t38までの期間、1行目の検査制御信号用配線TG1に、
図6(E)に示すようにハイレベルの検査制御信号が入力され、その期間画素22
11〜22
1n内の各検査用トランジスタTr9
11〜Tr9
1nがオンとされる。これにより、負極性側ソースフォロワ・バッファから保持容量Cs2に保持された負極性検査信号電圧がトランジスタTr9
11〜Tr9
1nのドレイン・ソースを通してデータ線Di+、Di-へ読み出される。
【0097】
時刻t35直後の時刻t36から時刻t37の期間では、時刻t32から時刻t33までの期間と同様の8組のビデオスイッチVSW1+〜VSW8+及びVSW1-〜VSW8-に対するスイッチング制御が行われる。これにより、各画素22
11、22
13、22
15、22
17から読み出された負極性検査信号電圧が、正極性用データ線D1+、D3+、D5+、D7+及び
図6(F)、(H)、(J)、(L)にそれぞれハイレベルで模式的に示すようにオンに制御されたビデオスイッチVSW1+、VSW3+、VSW5+、VSW7+をそれぞれ通して正極性映像信号線Vid1+、Vid2+、Vid3+、Vid4+に出力される。これと同時に、各画素22
12、22
14、22
16、22
18から読み出された負極性検査信号電圧が、負極性用データ線D2-、D4-、D6-、D8-及び
図6(G)、(I)、(K)、(M)にそれぞれハイレベルで模式的に示すようにオンに制御されたビデオスイッチVSW2-、VSW4-、VSW6-、VSW8-をそれぞれ通して負極性映像信号線Vid1-、Vid2-、Vid3-、Vid4-に出力される。
【0098】
1行目の残りの画素22
19〜22
1mに対しても上記と同様の動作が行われる。更に、2行目からm行目までの各画素に対しても、上記の1行目のn個の画素22
11〜22
1nの各々に対する動作と同様の動作が、同じ行の隣接する8画素単位で行われる。
【0099】
測定装置(図示せず)は、正極性映像信号線Vid1+〜Vid4+へ出力された検査信号電圧と、負極性映像信号線Vid-1〜Vid4-へ出力された検査信号電圧とが、それぞれ既知の規定値であるか否かを測定することで、画素内の正極性側画素回路部及び負極性側画素回路部がそれぞれ正常であるか否かを検査する。また、測定装置は、画素内の正極性側画素回路部と負極性側画素回路部のどちら側に不具合があるかも検査することができる。
【0100】
本実施の形態によれば、第1及び第2の実施の形態と同様の特長を有し、更には一度に8画素分の検査信号電圧を読み出して同時に検査することができるため、液晶表示装置20に比べて更に検査時間を短縮することができる。
【0101】
なお、
図3及び
図5では、j行目の奇数番目の画素22
j,2k-1内の各検査用トランジスタTr9
j,2k-1は、画素電極PEと正極性用データ線Di+との間に接続され、偶数番目の画素22
j,2k内の各検査用トランジスタTr9
j,2kは、画素電極PEと負極性用データ線Di-との間に接続されているように説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、奇数行目の画素と偶数行目の画素の検査用トランジスタの配置を1列ずつずらしてもよい。すなわち、j+1行目の奇数番目の画素22
j+1,2k-1内の各検査用トランジスタTr9
j+1,2k-1は、画素電極PEと負極性用データ線Di-との間に接続し、偶数番目の画素22
j+1,2k内の各検査用トランジスタTr9
j+1,2kは、画素電極PEと正極性用データ線Di+との間に接続してもよい。更には、このように検査用トランジスタの接続配置を規則的にしなくてもよく、ランダムに接続してもよい。
【0102】
また、正極性映像信号線及び負極性映像信号線は液晶表示装置20では1本ずつ設け、液晶表示装置30では4本ずつ設けているが、本発明はこれに限定されるものではない。ただし、正極性映像信号線及び負極性映像信号線をN本(Nは1以上の自然数)ずつ設けた場合は、各々1個の正極性側ビデオスイッチ及び負極性側ビデオスイッチを一組とするビデオスイッチをN組単位で制御し、同じラインのN個の画素からの正極性側画素回路部及び負極性側画素回路部のうち一方の画素回路部からの各検査信号電圧を同時に正極性用データ線又は負極性用データ線へ出力してオンに制御されているN組のビデオスイッチにより選択した後、他方の画素回路部からの各検査信号電圧を同時に正極性用データ線又は負極性用データ線へ出力して上記のN組のビデオスイッチにより選択し、更にそれら選択したN個の画素からの各検査信号電圧を各N本の正極性映像信号線及び負極性映像信号線へそれぞれ供給する構成とする必要がある。
【0103】
なお、正極性映像信号線と負極性映像信号線の数は必ずしも同数でなくてもよいが、ビデオスイッチは正極性映像信号線と負極性映像信号線の総和の本数と同じ組数単位で制御する必要がある。
【0104】
また、液晶表示装置20及び30では、各行(各ライン)の画素毎に正極性検査信号及び負極性検査信号を書き込んでから検査信号を2画素又は8画素単位で読み出すという動作を2回繰り返しているが、検査信号の書き込みは各行の画素毎に1回ずつでもよく、また全画素に正極性検査信号及び負極性検査信号を書き込んだ後、各画素から正極性検査信号の読み出し及び検査と負極性検査信号の読み出し及び検査を複数画素単位で順次に行うようにしてもよい。これらのいずれの場合も、各画素内の2つの保持容量Cs1及びCs2に書き込んだ正極性検査信号及び負極性検査信号をタイミングを変えて1本のデータ線を介して読み出すという本発明に包含されるものである。
【0105】
更に、例えば画素内の各トランジスタのチャネルを実施の形態と逆チャネル(つまり、Pチャネルの場合はNチャネル、Nチャネルの場合はPチャネル)としてもよい。この場合、例えば電源配線であるVdd配線はGND配線となるようにする。また、GNDであるVss配線はVdd配線となるようにする。